JP2019160758A - 非水電解質二次電池用負極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アナタース型酸化チタンを負極活物質に用いた非水電解質二次電池は、不可逆容量が大きく、レート特性が低かった。【解決手段】非水電解質二次電池用負極の製造方法において、負極スラリーの製造工程が、アナタース型酸化チタンを加熱処理する第一工程と、前記第一工程で得られた加熱処理後アナタース型酸化チタンと高分子バインダーと溶媒とを混合する第二工程と、を有することを特徴とする、非水電解質二次電池用負極の製造により得られる非水電解質二次電池により、解決できる。【選択図】なし
Description
非水電解質二次電池用負極の製造方法に関する。
非水電解質二次電池は、携帯機器を始め、ハイブリット自動車や電気自動車、家庭用蓄電などに用いられており、電気容量、安全性、作動安定性など複数の特性をバランスよく有することが要求されている。
例えば、特殊な方法で製造したアナタース型酸化チタンを、負極材料に用いた非水電解質二次電池が開発されている(特許文献1)。一般的に、酸化チタンは種々の結晶構造を有し、中でも理論容量の高いアナタース型は、その結晶内に水を含んでいる(結晶水と称すことがある)ため、負極活物質に用いると結晶水が原因で、電池特性が低下することが知られている。しかし、結晶水は単に水の蒸発温度で加熱処理しても除去することが困難であり、さらに、高温で加熱処理すると、理論容量の小さいルチル型に結晶構造が転化してしまう。そこで、特許文献1では、複雑な方法で結晶水の少ないアナタース型酸化チタン製造し、活物質に用いることで、サイクル特性に優れた非水電解質二次電池を得ている。
しかし、簡易かつ大量に製造可能なアナタース型酸化チタンを用いた非水電解質二次電池は、不可逆容量が大きく、電池のエネルギー密度が低下するという課題がある。さらに、結晶水を取り除くためにアナタース型酸化チタンを活物質に用いた負極を高温加熱すると高分子バインダーが分解して結着の働きを失ってしまうため、従来の高分子バインダーを用いることが困難である。一方で、耐熱性の高いバインダーを用いると、負極スラリーを安定的に製造することが難しく、既存の工程を大きく変えずに負極を製造することは困難であり、改善の余地があった。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、非水電解質二次電池用負極の製造工程において、アナタース型酸化チタンを所定の条件で加熱処理することができ、ルチル型への結晶構造の転化を抑えつつ、結晶水を除去することで、結果的に優れた特性を有する非水電解質二次電池が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、非水電解質二次電池用負極の製造方法において、負極スラリーの製造工程が、アナタース型酸化チタンを5重量%以上15重量%以下に減少するまで加熱処理する第一工程と、前記第一工程で得られた加熱処理後アナタース型酸化チタンを負極活物質とし、負極活物質と高分子バインダーと溶媒とを混合する第二工程とを有することを特徴とする、非水電解質二次電池用負極の製造方法に関する。
すなわち、本発明は、非水電解質二次電池用負極の製造方法において、負極スラリーの製造工程が、アナタース型酸化チタンを5重量%以上15重量%以下に減少するまで加熱処理する第一工程と、前記第一工程で得られた加熱処理後アナタース型酸化チタンを負極活物質とし、負極活物質と高分子バインダーと溶媒とを混合する第二工程とを有することを特徴とする、非水電解質二次電池用負極の製造方法に関する。
本発明によれば、簡易に製造可能なアナタース型酸化チタンを、第一工程である特定の条件下で加熱処理することで、構造転化を抑制しつつ、結晶水を除去することが可能となり、結果的に不可逆容量が小さく、レート特性に優れた非水電解質二次電池が得ることができる。さらに、大気中や溶媒に含まれる水分を吸水することなく、従来の公知な高分子バインダーも用いることができ、工程数も大きく増えずに製造できるため、生産コストの点からも有利である。
以下に、一実施形態を用いて本発明について説明する。
<負極>
負極活物質は、リチウムイオンの脱離および挿入における平均作動電位が0.5V(vs.Li/Li+)以上2.0V(vs.Li/Li+)未満である、アナタース型酸化チタンが用いられる。
ここで言う「(vs.Li/Li+)」とは、負極活物質を含む電極からなる動作極と、リチウム金属からなる対極との電位差を指す。
酸化チタンは、アナタース型、ルチル型、ブルッカイト型、ブロンズ型、ホランダイト型、ラムズデライト型等の結晶構造を有するもの、又は非晶質性等が存在するが、アナタース型酸化チタンは、他の酸化チタンと比べ、電気容量が高く、さらに安価かつ簡便に製造可能である。
負極活物質は、リチウムイオンの脱離および挿入における平均作動電位が0.5V(vs.Li/Li+)以上2.0V(vs.Li/Li+)未満である、アナタース型酸化チタンが用いられる。
ここで言う「(vs.Li/Li+)」とは、負極活物質を含む電極からなる動作極と、リチウム金属からなる対極との電位差を指す。
酸化チタンは、アナタース型、ルチル型、ブルッカイト型、ブロンズ型、ホランダイト型、ラムズデライト型等の結晶構造を有するもの、又は非晶質性等が存在するが、アナタース型酸化チタンは、他の酸化チタンと比べ、電気容量が高く、さらに安価かつ簡便に製造可能である。
負極活物質として酸化チタンを用いた非水電解質二次電池では、充放電を行った際の不可逆容量が大きく、電池のエネルギー密度が低下するという課題がある。なお、ここでいう不可逆容量とは、1回目の充電時に負極に移動したリチウムが、1回目の放電時に正極に戻らないことにより容量が損失し、その後の充放電でも回復することのない、失われた容量を意味する。
アナタース型酸化チタンの不可逆容量が大きくなるのは、酸化チタンに含まれる結晶水が原因と推定されている。ここでいう結晶水とは、水素結合や静電的相互作用により大気圧下で100℃で除去できない水分および/または、結晶構造の一部となっている水分子のことを意味し、結晶水を含んだ電池は、電圧印加時に結晶水が電解質と反応し酸(例えば、HF)が生成して放電を阻害するために不可逆容量が大きくなると考えられている。
本発明の第一工程によって、特定の重量減少に至るまで所定の温度で加熱処理を行うことで、アナタース型酸化チタンの結晶構造の転化を防ぎながら付着水だけでなく、吸着水および結晶水も除去できる。また、加熱処理後のアナタース型酸化チタンは、すぐに大気中や溶媒中の水分を結晶内に取り込むことなく、従来の公知な方法でスラリーを製造でき、電極を高温に加熱する必要がないため、操作性の容易な高分子バインダーを用いることができる。
本発明の第一工程によって、特定の重量減少に至るまで所定の温度で加熱処理を行うことで、アナタース型酸化チタンの結晶構造の転化を防ぎながら付着水だけでなく、吸着水および結晶水も除去できる。また、加熱処理後のアナタース型酸化チタンは、すぐに大気中や溶媒中の水分を結晶内に取り込むことなく、従来の公知な方法でスラリーを製造でき、電極を高温に加熱する必要がないため、操作性の容易な高分子バインダーを用いることができる。
負極活物質は、好適な導電性および安定性を得る目的で、その表面を金属材料、炭素材料、または金属有機化合物などで覆われてもよい。また、酸化チタンは、リチウムまたはニオブ(Nb)など、チタン以外の元素を微量含んでいてもよい。金属材料としては、銅またはニッケルなどが好適に用いられる。また炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、ならびにアセチレンブラック、ケッチェンブラック、およびファーネスブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。金属有機化合物としては、有機骨格に芳香族環構造を有するカルボン酸アニオンのアルカリ金属塩が挙げられる。芳香族環構造は、ベンゼン、ビフェニル、ターフェニル、などが挙げられ、ナフタレン、アントラセン、ピレンなどの縮合多環式化合物であっても良い。有機骨格における芳香族環の数は、エネルギー密度と安定性の観点から、一分子あたり1〜5が好ましい。カルボン酸アニオン部位は1分子あたり2以上を有していることが好ましく、有機骨格の対角位置にあることが好ましい。例えば、ベンゼンであれば1,4位、ナフタレンであれば2,6位、ピレンであれば2,7位が挙げられる。有機骨格には充放電性能を調整するために置換基を導入しても良い。好適なものとして、テレフタル酸リチウムや2,6−ナフタレンジカルボン酸リチウム、2,7−ピレンジカルボン酸リチウムなどが挙げられる。
負極は、高分子バインダーを含む。
負極は、高分子バインダーを含む。
高分子バインダーは負極活物質と、集電体との結着性を高める材料である。
高分子バインダーは、150℃以上400℃以下の分解温度を有するものであることが好ましい。当該高分子バインダーは公知で用いられているものであり、比較的低温で集電体と活物質との密着性を高めることができるためである。
高分子バインダーとしては、特に限定されないが、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であれば好適に用いられる。
高分子バインダーとしては、特に限定されないが、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、およびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種であれば好適に用いられる。
バインダーの量は、負極活物質100重量部に対して、1重量部以上30重量部以下、さらに、2重量部以上15重量部以下を用いることが好ましい。上記範囲内であれば、負極活物質と導電助材との接着性が維持され、集電体との接着性も十分に確保される。
負極は、導電助材を含んでもいても良い。
導電助材は、電極の導電性を補助する目的で加えられる導電性または半導電性の物質である。
導電助材は、電極の導電性を補助する目的で加えられる導電性または半導電性の物質である。
導電助材としては、金属材料または炭素材料が好適に用いられる。金属材料としては、銅またはニッケルなどが好適に用いられる。また炭素材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブ、ならびにアセチレンブラック、ケッチェンブラック、およびファーネスブラックなどのカーボンブラックが挙げられる。
これら導電助材は1種類でもよいし、2種類以上用いてもよい。
負極に含まれる導電助材の量は、活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。上記範囲内であれば、負極の導電性が確保される。また、前述のバインダーとの接着性が維持され、集電体との接着性を十分に得ることができる。
負極に含まれる導電助材の量は、活物質100重量部に対して、好ましくは1重量部以上30重量部以下、より好ましくは2重量部以上15重量部以下である。上記範囲内であれば、負極の導電性が確保される。また、前述のバインダーとの接着性が維持され、集電体との接着性を十分に得ることができる。
負極の製造方法としては、負極スラリーの製造工程を含み、前記負極スラリーの製造工程は、酸化チタンを加熱処理する第一工程と、 前記第一工程で得られた処理後酸化チタンを負極活物質とし、負極活物質とバインダーと溶媒を混合する第二工程と、を有する。
第一工程では、アナタース型酸化チタンの加熱処理を行い、加熱処理後のアナタース型酸化チタンの重量減少が、加熱処理前の重量に対して5重量%以上15重量%以下になるようにする。さらに、重量減少が10重量%以上15重量%以下の範囲であることが好ましい。ここで言う重量減少とは、加熱処理前の重量に対する加熱処理後の重量減少した割合を意味する。
加熱温度は200℃以上500℃以下の範囲であることが好ましく、300℃以上400℃以下の範囲であることがさらに好ましい。加熱時間は2時間〜8時間の範囲が好ましく、4時間〜6時間の範囲がさらに好ましい。加熱処理および加熱処理後の冷却は大気雰囲気中で行っても構わないし、不活性ガス雰囲気中で行っても構わない。加熱処理における昇温速度および加熱処理後の冷却における冷却速度は特に限定されない。
第二工程では、第一工程を経た負極活物質と高分子バインダーと溶媒を混合することで負極スラリーを作製する。
負極スラリーの作製は、従来周知の技術を使用すればよく、例えば、負極活物質と溶媒とバインダーとを混練機を用いて混練する方法が挙げられる。
また、本発明の負極の製造方法は、前記負極スラリーを集電体上に担持し、そして溶媒を除去することによって負極活物質層を含む負極を作製する方法が用いられる。
また、本発明の負極の製造方法は、前記負極スラリーを集電体上に担持し、そして溶媒を除去することによって負極活物質層を含む負極を作製する方法が用いられる。
負極活物質層の厚みは、10μm以上200μm以下が良い。
負極活物質層の密度は、0.5g/cm3以上3.0g/cm3以下であることが好ましく、0.7g/cm3以上2.7g/cm3以下がより好ましく、1.0g/cm3以上2.5g/cm3以下がさらに好ましい。
負極活物質層の密度が1.0g/cm3以上であれば、前述の導電助材と負極活物質との接触が良好となり、3.0g/cm3以下であれば、非水電解質が負極内に浸透しやすい。
負極活物質層の密度を、負極の圧縮によって調整してもよい。圧縮方法は、ロールプレス、油圧プレス等が好適に用いられる。
集電体は、正極活物質または負極活物質から集電する部材である。
負極は、集電体の片面または両面に同じ活物質層を形成してもよく、集電体の片面に正極活物質層、一方の面に負極活物質層を形成させた形態、すなわち双極型(バイポーラ)電極であってもよい。
集電体の厚みは、特に限定されないが、10μm以上100μm以下であることが好ましい。
集電体としては、銅やニッケル、アルミニウムまたはその合金などが挙げられるが、耐食性や重量の観点からアルミニウムやその合金であることが好ましく、JIS規格1030、1050、1085、1N90、または1N99等に代表される高純度アルミニウムであることが好ましい。アルミニウムまたはそれらの合金が好ましい。
<正極>
正極は、リチウムイオンの挿入及び脱離により、非水電解質二次電池の充電及び放電が為され、リチウムイオン挿入及び脱離が可能な正極活物質を含む。
正極は、リチウムイオンの挿入及び脱離により、非水電解質二次電池の充電及び放電が為され、リチウムイオン挿入及び脱離が可能な正極活物質を含む。
正極活物質は、平均作動電位が3.0V以上4.5V(vs.Li/Li+)以下であることを要する。
正極活物質としては、特に限定されないが、例えば金属酸化物またはリチウム遷移金属複合酸化物などが用いられる。
リチウム遷移金属複合酸化物としては、層状岩塩型やスピネル型構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物などが挙げられるが、良好なサイクル特性を示すことから、式2で表されるスピネル型マンガン酸リチウムが好ましい。
Li1+xMyMn2―x―yO4 (2)
(0≦x≦0.2、0≦y≦0.6であり、かつMは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素よりなる群から選択される少なくとも1種を含む)
スピネル型マンガン酸リチウムは、正極活物質自身の安定性向上の効果が大きい点から、MがAl、Mg、Zn、Ni、Co、Fe、Ti、Cu、ZrまたはCrが好ましく、正極活物質自身の安定性向上の効果が特に大きいことから、Al、Mg、Zn、TiおよびNiがより好ましい。
リチウム遷移金属複合酸化物としては、層状岩塩型やスピネル型構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物などが挙げられるが、良好なサイクル特性を示すことから、式2で表されるスピネル型マンガン酸リチウムが好ましい。
Li1+xMyMn2―x―yO4 (2)
(0≦x≦0.2、0≦y≦0.6であり、かつMは2〜13族でかつ第3〜4周期に属する元素よりなる群から選択される少なくとも1種を含む)
スピネル型マンガン酸リチウムは、正極活物質自身の安定性向上の効果が大きい点から、MがAl、Mg、Zn、Ni、Co、Fe、Ti、Cu、ZrまたはCrが好ましく、正極活物質自身の安定性向上の効果が特に大きいことから、Al、Mg、Zn、TiおよびNiがより好ましい。
スピネル型マンガン酸リチウムは、高い平均電圧を有しておりエネルギー密度が良好なことから、
Li1+xAlyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xMgyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xZnyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xCryMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
が好ましく、
Li1+xAlyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xMgyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
がより好ましく、
Li1+xAlyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
が更に好ましい。
Li1+xAlyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xMgyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xZnyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xCryMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
が好ましく、
Li1+xAlyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
Li1+xMgyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
がより好ましく、
Li1+xAlyMn2―x―yO4(0≦x≦0.1、0<y≦0.1)、
が更に好ましい。
正極活物質は、好適な導電性および安定性を得る目的で、その表面を炭素材料、金属酸化物などで覆われてもよく、負極と同じ材料を用いることができる。
これら正極活物質の中から、負極活物質との組み合わせによる電池性能を考慮し、適宜正極活物質を選択すればよい。また、これら複数の正極活物質を組み合わせて用いてよい。
正極は、導電助材またはバインダーを含んでもよい。
正極は、導電助材またはバインダーを含んでもよい。
導電助材またはバインダーの種類は、負極と同様のものが用いられ、使用量も負極と同様の量が用いられる。
正極の製造方法としては、公知な方法を用いればよい。例えば、正極活物質およびバインダーおよび導電助剤および溶媒を混練して正極スラリーを作製し、その後正極スラリーを集電体上に担持し、そして溶媒を除去することによって正極活物質層を含む正極を作製する方法が用いられる。
ここで言う正極活物質層とは、正極における層であって、正極でのリチウムイオンの挿入及び脱離に寄与する正極活物質を含む層を指す。
正極活物質層の厚みは、10μm以上200μm以下であれば好適に用いられる。
正極活物質層の密度は、1.0g/cm3以上4.0g/cm3以下であることが好ましく、1.5g/cm3以上、3.5g/cm3以下がより好ましく、2.0g/cm3以上3.0g/cm3以下がさら好ましい。
正極活物質層の密度が1.0g/cm3以上であれば、前述の導電助材と正極活物質との接触が良好となり、4.0g/cm3以下であれば、非水電解質が正極内に浸透しやすい。
正極活物質層の密度は、正極の圧縮によって調整してもよい。圧縮方法は、ロールプレス、油圧プレス等が好適に用いられる。
正極活物質層の密度は、正極の圧縮によって調整してもよい。圧縮方法は、ロールプレス、油圧プレス等が好適に用いられる。
正極は、集電体の片面または両面に同じ活物質層を形成してもよく、集電体の片面に正極活物質層、一方の面に負極活物質層を形成させた形態、すなわち双極型(バイポーラ)電極であってもよい。
<セパレータ>
セパレータは、正極と負極との間に設置され、これらの間の電子やホールの伝導を阻止しつつ、これらの間のリチウムイオンの伝導を仲介する媒体としての機能を有し、少なくとも電子やホールの伝導性を有さないものである。
セパレータは、正極と負極との間に設置され、これらの間の電子やホールの伝導を阻止しつつ、これらの間のリチウムイオンの伝導を仲介する媒体としての機能を有し、少なくとも電子やホールの伝導性を有さないものである。
セパレータとしては、ナイロン、セルロース、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタラート、及びそれらを2種類以上複合したものであれば好適に用いられる。
セパレータの形状としては、正極と負極との間に設置され、絶縁性かつ非水電解質を含むことが出来る構造であればよく、織布、不織布または微多孔膜などが好適に用いられる。
セパレータは、可塑剤、酸化防止剤または難燃剤を含んでもよいし、金属酸化物等が被覆されてもよい。
セパレータの厚みは、10μm以上100μm以下であることが好ましく、12μm以上50μm以下であることがさらに好ましい。
セパレータの空隙率は、30%以上90%以下であることが好ましく、リチウムイオン拡散性および短絡防止性のバランスがよい点から、35%以上85%以下がより好ましく、前記バランスが特に優れていることから、40%以上80%以下がさらに好ましい。
<非水電解質>
非水電解質は、負極と正極との間のイオン伝達を媒介する。
非水電解質は、非水溶媒と電解質とを少なくとも含む。非水溶媒は、非プロトン性溶媒および/または非プロトン性極性溶媒が好ましく、非プロトン性極性溶媒がより好ましい。例えば、カーボネート、エステル、ラクトン、スルホン、ニトリル及びエーテル類などが挙げられる。具体的にはエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、1、2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチル等が挙げられる。
非水電解質は、負極と正極との間のイオン伝達を媒介する。
非水電解質は、非水溶媒と電解質とを少なくとも含む。非水溶媒は、非プロトン性溶媒および/または非プロトン性極性溶媒が好ましく、非プロトン性極性溶媒がより好ましい。例えば、カーボネート、エステル、ラクトン、スルホン、ニトリル及びエーテル類などが挙げられる。具体的にはエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、1、2−ジメトキシエタン、スルホラン、ジオキソラン、プロピオン酸メチル等が挙げられる。
これらの溶媒は、粘度および溶解性リチウムイオン伝導性等のバランスを調整するために複数種を混合して用いても良い。
電解質は、リチウム塩として、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiBOB(Lithium Bis (Oxalato) Borate)、Li[N(SO2CF3)2]、Li[N(SO2C2F5)2]、Li[N(SO2F)2]、またはLi[N(CN)2]などを含んでおり、リチウム塩の濃度は、0.5mol/L以上1.5mol/L以下であれば好適に用いられる。
非水電解質は、あらかじめ正極、負極およびセパレータに含ませてもよいし、正極と負極との間にセパレータを配置したものを積層した後に添加してもよい。
非水電解質は、あらかじめ正極、負極およびセパレータに含ませてもよいし、正極と負極との間にセパレータを配置したものを積層した後に添加してもよい。
非水電解質は、非水溶媒に電解質を溶解させた電解液でもよいし、非水溶媒に電解質を溶解させた電解液を高分子に含浸させたゲル電解質でもよい。
非水電解質の量は、正極、負極およびセパレータの面積、活物質の量ならびに電池の容積に合わせて適宜調整される。
非水電解質は、難燃剤などの添加剤を含んでもよい。例えば、難燃剤としてリン酸トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)やエトキシ(ペンタフルオロ)シクロトリホスファゼンが、添加剤としてビニレンカーボネート、1,3−プロパンスルトン、スクシノニトリルなどが挙げられる。
<非水電解質二次電池>
本発明の非水電解質二次電池は、負極、正極、正極と負極間に介在されたセパレータ、及び非水電解質、外装材から構成されている。また各正極及び負極には端子が電気的に接続され、更に各端子は外装材外側まで延びた端子延在部を有する。外装材は、正極、負極およびセパレータを交互に積層または巻回してなる積層体、ならびに積層体を電気的に接続する端子を封入する部材である。
本発明の非水電解質二次電池は、負極、正極、正極と負極間に介在されたセパレータ、及び非水電解質、外装材から構成されている。また各正極及び負極には端子が電気的に接続され、更に各端子は外装材外側まで延びた端子延在部を有する。外装材は、正極、負極およびセパレータを交互に積層または巻回してなる積層体、ならびに積層体を電気的に接続する端子を封入する部材である。
積層体の積層数は、所望の電圧値および電池容量を得る目的で、適宜調整してよい。外装材としては、金属箔にヒートシール用の熱可塑性樹脂層を設けた複合フィルム、蒸着やスパッタリングによって形成された金属層、または角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形もしくはシート形の金属缶が好適に用いられる。
非水電解質二次電池を、複数接続することによって組電池としてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更実施が可能である。
<実施例1>
(アナタース型酸化チタンの製造)
アナタース型酸化チタンを、文献(Journal of the American Chemical Society、127、8659(2005))に記載されている方法にて製造した。
(アナタース型酸化チタンの製造)
アナタース型酸化チタンを、文献(Journal of the American Chemical Society、127、8659(2005))に記載されている方法にて製造した。
四塩化チタン50gを0℃に冷却したエタノール500mL中に滴下した。滴下後、混合液を25℃で2時間攪拌した。得られたコロイド溶液を87℃で加熱乾燥し、乳白色粉末を得た。この得られた乳白色粉末を遠心分離機で精製後、50℃で加熱乾燥して白色粉末を得た。得られた乳白色粉末をX線回折装置(XRD、リガク社製、RINT2000)を用いて結晶構造解析を行い、アナタース型であることを確認した(図1)。
(負極の作製)
第一工程として、アナタース型酸化チタン100gをマッフル炉(ヤマト科学社製、FP411)にて300℃の温度で4時間大気雰囲気中で加熱を行った後、25℃まで大気雰囲気下でマッフル炉中で放冷した。
第一工程として、アナタース型酸化チタン100gをマッフル炉(ヤマト科学社製、FP411)にて300℃の温度で4時間大気雰囲気中で加熱を行った後、25℃まで大気雰囲気下でマッフル炉中で放冷した。
アナタース型酸化チタンの粉末温度が25℃であることを確認した。この時点での重量測定から加熱後の酸化チタンの重量減少は10.9%であることがわかった。また、XRDを用いて結晶構造解析を行い、アナタース型を維持していることを確認した(図2)。
次に、第二工程として、室温22℃、相対湿度20%の環境下で負極活物質として加熱後のアナタース型酸化チタンを88重量部、導電助材としてアセチレンブラックを2重量部、バインダーとしてPVdFを10重量部、および溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を168重量部を含む負極スラリーを作製した。
次に、第二工程として、室温22℃、相対湿度20%の環境下で負極活物質として加熱後のアナタース型酸化チタンを88重量部、導電助材としてアセチレンブラックを2重量部、バインダーとしてPVdFを10重量部、および溶媒としてN−メチルピロリドン(NMP)を168重量部を含む負極スラリーを作製した。
次に、単位面積容量が1.76mAh/cm2になるように負極スラリーをアルミニウム箔(15μm)に塗工した後に170℃で真空乾燥し、16mmΦの大きさに打ち抜いて負極を得た。
乾燥後の負極の含水率は、カールフィッシャー水分計(MKC−610型、京都電子工業社製)に水分気化装置(ADP−611型、京都電子工業社製)を接続した装置により測定した。水分気化装置の加熱温度を300℃に設定し、水分気化装置内には200mL/min.の流量で窒素を導入して負極を加熱した際に放出される水分量を測定したところ、得られた負極の含水率は0.6%であることがわかった。
(半電池の作製)
リチウム金属を16mmΦに打ち抜き対極とし、前記負極とリチウム金属を用いて、負極/ポリプロピレン製セパレータ(厚さ21μm)/対極の順に試験セル(TJ−AC、有限会社日本トムセル社製)内に積層した。次に、非水電解質(非水溶媒としてエチレンカーボネート:プロピレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=15:15:70(体積比)、支持塩である溶質としてLiPF6=1mol/Lを使用)を入れて半電池を作製した。
リチウム金属を16mmΦに打ち抜き対極とし、前記負極とリチウム金属を用いて、負極/ポリプロピレン製セパレータ(厚さ21μm)/対極の順に試験セル(TJ−AC、有限会社日本トムセル社製)内に積層した。次に、非水電解質(非水溶媒としてエチレンカーボネート:プロピレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=15:15:70(体積比)、支持塩である溶質としてLiPF6=1mol/Lを使用)を入れて半電池を作製した。
(1サイクル目充放電効率)
1サイクル目充放電効率を算出することで、半電池の不可逆容量の評価を行った。作製した半電池を充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、25℃環境下で0.7mA定電流充電および0.7mA定電流放電(0.2C相当)の充放電を4回繰り返した。このときの充電終止電圧および放電終止電圧は、それぞれ3.0Vおよび1.0Vとした。1回目の放電容量に対する1回目の充電容量の割合を、1サイクル目充放電効率とした(表1)。
ここで、上記記載のCレートとは、二次電池の全容量を1時間で充電または放電するために必要な電流値を1Cと定義し、例えば0.2Cとはその電流値の0.2倍を指す。
1サイクル目充放電効率を算出することで、半電池の不可逆容量の評価を行った。作製した半電池を充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、25℃環境下で0.7mA定電流充電および0.7mA定電流放電(0.2C相当)の充放電を4回繰り返した。このときの充電終止電圧および放電終止電圧は、それぞれ3.0Vおよび1.0Vとした。1回目の放電容量に対する1回目の充電容量の割合を、1サイクル目充放電効率とした(表1)。
ここで、上記記載のCレートとは、二次電池の全容量を1時間で充電または放電するために必要な電流値を1Cと定義し、例えば0.2Cとはその電流値の0.2倍を指す。
<実施例2>
(スピネル型マンガン酸リチウムの製造)
Li1.1Al0.1Mn1.8O4の粉末を、文献(Electrochemical and Solid−State Letters、9(12)、A557(2006))に記載されている方法を用いて製造した。
(スピネル型マンガン酸リチウムの製造)
Li1.1Al0.1Mn1.8O4の粉末を、文献(Electrochemical and Solid−State Letters、9(12)、A557(2006))に記載されている方法を用いて製造した。
(コバルト酸リチウムの製造)
コバルト原子とリチウム原子の原子比が1:1.03となるように、コバルト水酸化物と水酸化リチウム一水和物とを秤量して、十分に混合した。その後、得られた粉状の混合物を大気雰囲気中で850℃の温度で焼成し、粉砕することで、コバルト酸リチウムを得た。
コバルト原子とリチウム原子の原子比が1:1.03となるように、コバルト水酸化物と水酸化リチウム一水和物とを秤量して、十分に混合した。その後、得られた粉状の混合物を大気雰囲気中で850℃の温度で焼成し、粉砕することで、コバルト酸リチウムを得た。
(正極の作製)
スピネル型マンガン酸リチウムとコバルト酸リチウムを96:4の重量比で混合した正極活物質を92重量部、導電助材としてアセチレンブラックを4重量部、バインダーとしてPVdFを4重量部、および溶媒としてNMPを64重量部を含む正極スラリーを混合した。
次に、単位面積容量が1.66mAh/cm2になるように正極スラリーをアルミニウム箔(15μm)に塗工した後に170℃で真空乾燥し、14.5mmΦの大きさに打ち抜くことで正極を得た。
スピネル型マンガン酸リチウムとコバルト酸リチウムを96:4の重量比で混合した正極活物質を92重量部、導電助材としてアセチレンブラックを4重量部、バインダーとしてPVdFを4重量部、および溶媒としてNMPを64重量部を含む正極スラリーを混合した。
次に、単位面積容量が1.66mAh/cm2になるように正極スラリーをアルミニウム箔(15μm)に塗工した後に170℃で真空乾燥し、14.5mmΦの大きさに打ち抜くことで正極を得た。
(非水電解質二次電池(全電池)の作製)
負極/ポリプロピレン製セパレータ(厚さ21μm)/正極の順に試験セル(TJ−AC、有限会社日本トムセル社製)内に積層した。次に、非水電解質(非水溶媒としてエチレンカーボネート:プロピレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=15:15:70(体積比)、支持塩である溶質としてLiPF6=1mol/Lを使用)を入れて非水電解質二次電池を作製した。
負極/ポリプロピレン製セパレータ(厚さ21μm)/正極の順に試験セル(TJ−AC、有限会社日本トムセル社製)内に積層した。次に、非水電解質(非水溶媒としてエチレンカーボネート:プロピレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=15:15:70(体積比)、支持塩である溶質としてLiPF6=1mol/Lを使用)を入れて非水電解質二次電池を作製した。
(1サイクル目充放電効率)
1サイクル目充放電効率を算出することで、全電池の不可逆容量の評価を行った。作製した非水電解質二次電池を充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、非水電解質二次電池に対して25℃環境下で、0.5mA定電流充電および0.5mA定電流放電(0.2C相当)の充放電を4回繰り返した。このときの充電終止電圧および放電終止電圧は、それぞれ2.55Vおよび1.9Vとした。1回目の充電容量に対する1回目の放電容量の割合を、1サイクル目充放電効率とした。
1サイクル目充放電効率を算出することで、全電池の不可逆容量の評価を行った。作製した非水電解質二次電池を充放電試験装置(HJ1005SD8、北斗電工社製)に接続し、非水電解質二次電池に対して25℃環境下で、0.5mA定電流充電および0.5mA定電流放電(0.2C相当)の充放電を4回繰り返した。このときの充電終止電圧および放電終止電圧は、それぞれ2.55Vおよび1.9Vとした。1回目の充電容量に対する1回目の放電容量の割合を、1サイクル目充放電効率とした。
<比較例1>
第一工程を含まない以外は、実施例1と同じとした。
第一工程を含まない以外は、実施例1と同じとした。
<比較例2>
第一工程を含まない以外は、実施例2と同じとした。
第一工程を含まない以外は、実施例2と同じとした。
<実施例3>
実施例2と同様に作製した非水電解質二次電池に対して25℃環境下で、0.2Cで充放電を行い、続けて2.0Cで充放電を行うことでレート特性の評価を行った。このときの充電終止電圧および放電終止電圧は、それぞれ2.55Vおよび1.9Vとした(表2)。0.2Cでの充電容量に対する2.0Cでの充電容量の割合を、充電レート特性とした。また、0.2Cでの放電容量に対する2.0Cでの放電容量の割合を放電レート特性とした。
実施例2と同様に作製した非水電解質二次電池に対して25℃環境下で、0.2Cで充放電を行い、続けて2.0Cで充放電を行うことでレート特性の評価を行った。このときの充電終止電圧および放電終止電圧は、それぞれ2.55Vおよび1.9Vとした(表2)。0.2Cでの充電容量に対する2.0Cでの充電容量の割合を、充電レート特性とした。また、0.2Cでの放電容量に対する2.0Cでの放電容量の割合を放電レート特性とした。
<比較例3>
第一工程を含まない以外は、実施例3と同じとした。
第一工程を含まない以外は、実施例3と同じとした。
<総括>
表1からわかるように、第一工程を経たアナタース型酸化チタンを負極活物質に使用した負極は、半電池と全電池ともに、1サイクル目充放電効率が向上した。また、第一工程を経ると負極の含水率は低くなったことから、第一工程を経たことで結晶水や吸着水が除去され、その結果、電池充電時の水分による副反応が減少したと推察される。さらに、第二工程で、環境温度22℃、相対湿度20%という大気雰囲気下で負極を製造しても、第一工程の有無による負極の含水率に差が生じたことから、第一工程での加熱処理で結晶水を除去できたとが推察される。
表1からわかるように、第一工程を経たアナタース型酸化チタンを負極活物質に使用した負極は、半電池と全電池ともに、1サイクル目充放電効率が向上した。また、第一工程を経ると負極の含水率は低くなったことから、第一工程を経たことで結晶水や吸着水が除去され、その結果、電池充電時の水分による副反応が減少したと推察される。さらに、第二工程で、環境温度22℃、相対湿度20%という大気雰囲気下で負極を製造しても、第一工程の有無による負極の含水率に差が生じたことから、第一工程での加熱処理で結晶水を除去できたとが推察される。
また、表2からわかるように、本発明にかかる方法によると、レート特性も向上し、加熱処理により結晶水が除去されたことでリチウムイオンと酸化チタンとの反応場が増加したためと推察される。
以上から、アナタース型酸化チタンを所定の方法で加熱処理することで不可逆容量の改善およびレート特性の向上に効果があることが明らかとなった。
以上から、アナタース型酸化チタンを所定の方法で加熱処理することで不可逆容量の改善およびレート特性の向上に効果があることが明らかとなった。
Claims (5)
- 非水電解質二次電池用負極の製造方法において、
負極スラリーの製造工程が、
アナタース型酸化チタンを5重量%以上15重量%以下に減少するまで加熱処理する第一工程と、
前記第一工程で得られた加熱処理後アナタース型酸化チタンを負極活物質とし、負極活物質と高分子バインダーと溶媒とを混合する第二工程と、
を有することを特徴とする、
非水電解質二次電池用負極の製造方法。 - 前記第一工程の加熱処理温度が、200℃以上500℃以下で加熱する工程であることを特徴とする、
請求項1に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。 - 前記高分子バインダーは、150℃以上400℃以下の分解温度を有する高分子バインダーであることを特徴とする、
請求項1または2に記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。 - 前記負極活物質は、ルチル型酸化チタンを含まないことを特徴とする、
請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかにより得られた負極を用いた非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
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JP2018050175A JP2019160758A (ja) | 2018-03-16 | 2018-03-16 | 非水電解質二次電池用負極の製造方法 |
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