JP2019160746A - リチウムイオン二次電池用封口体、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電池端子部を十分に固定したリチウムイオン二次電池封口体を提供する。【解決手段】 実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用封口体は、貫通孔を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板と、貫通孔に設けられた電極端子と、板と電極端子との間に設けられたポリオレフィン類からなる絶縁部材と、板と該絶縁部材の間、及び該絶縁部材と該電極端子の間に設けられ、板、該絶縁部材、及び電極端子のそれぞれに化学結合された分子接合層とを含む。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、リチウムイオン二次電池封口体、その製造方法、及びリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池用封口体では、封口体に電極端子を配置することが多い。電極端子は、電池内部の電極体との間で充放電電流をやり取りする良導体で形成され封口体を貫通したる金属棒と、封口体と金属棒を絶縁する絶縁部材から構成されている。金属棒を圧縮変形させることで、絶縁部材を封口体へ密接させ気密シールさせる構造が絶縁部材の固定方法として現在広く用いられている。
しかし電極端子となる金属棒が太くなるほど、金属棒を均一に圧縮変形させることが困難となるため絶縁部材の変形が不均等となり、気密シールの確保が困難となる。また、気密性確保を目的として、金属棒の圧縮量を多くしすぎると、軟質樹脂で形成されることの多い絶縁部材が、部分的に変形過多となり、塑性変形による気密性不良や、絶縁部材の破損を引き起こすことがあり、過大な圧縮も行うことができない。
上述の理由により、電極端子とされる金属棒はその太さが1〜2mm程度とされることが一般的である。
一方、近年の電気自動車に代表される電池の大電流充放電用途においては、ひとつの電池に対し印加される充放電電流が100Aをこえることは珍しくなく、数100A級の充放電特性が要求されることもしばしばである。このような大電流が、充放電に際して太さが1〜2mm程度の電池端子に印加されると、電極端子部での電気抵抗に起因するジュール発熱が無視できなくなり、電池端子部での発熱、発熱に起因する気密不良、絶縁材の溶解等の可能性が出てくる。
その対策として、複数の電極端子を設けることで、電気抵抗の低減を行うことも検討されているが、電池内部での配線の取り回しが増えること、封口体上での電池端子設置場所の不足等の課題があり、実用には至っていない。
リチウムイオン電池においては、電池内部には炭酸エステル類やラクトン類のような、溶解性の高い非水溶媒からなる非水電解液が貯留されている。このため、電池内部で電解液に接触する可能性のある箇所に使用される樹脂には、これら電解液に対する耐性が要求されることから、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類や、PFA、PTFE等のフッ素系樹脂が使用されている。なかでもポリオレフィン類は安全性、入手容易性、射出成型での成型容易性、さらには安価であることから、広く用いられている。
しかし、これらポリオレフィン類やフッ素系樹脂は電解液との反応性が低いという特徴を有する反面、一般的な接着剤や溶剤での接着、接合が困難で、特殊なプライマーを用いて接着、接合できた場合でも、その接着、接合の信頼性は非常に低いものとならざるを得なくという課題がある。そのため、電極端子を構成する金属棒を太くして電気抵抗を低減した際に発生する気密シールの困難さを回避することを目的に、接着、接合による気密シールを試みた場合、電極端子と封口体基材を絶縁する絶縁体を、これらポリオレフィン類やフッ素系樹脂で形成した場合には、絶縁体と電極端子間および絶縁体と封口体基材間との気密接着、接合を従来の材料、手法にて工業的に行うことは不可能であった。
本発明の実施形態は、電池端子部を十分に固定するとともに、気密性が確保されたリチウムイオン二次電池封口体を提供することを目的とする。
実施形態よれば、貫通孔を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板と、
該貫通孔に設けられた電極端子と、
該板と該電極端子との間に設けられたポリオレフィン類からなる絶縁部材と、
該板と該絶縁部材の間、及び該絶縁部材と該電極端子の間に設けられ、該板、該絶縁部材、及び該電極端子のそれぞれに化学結合された分子接合層とを含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用封口体が提供される。
該貫通孔に設けられた電極端子と、
該板と該電極端子との間に設けられたポリオレフィン類からなる絶縁部材と、
該板と該絶縁部材の間、及び該絶縁部材と該電極端子の間に設けられ、該板、該絶縁部材、及び該電極端子のそれぞれに化学結合された分子接合層とを含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用封口体が提供される。
実施形態は、第1実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用封口体と、第2実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用封口体の製造方法と、第3実施形態にかかるリチウムイオン二次電池を含む。
第1実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用封口体は、貫通孔を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板と、貫通孔に設けられた電極端子と、板と電極端子との間に設けられたポリオレフィン類からなる絶縁部材と、板と絶縁部材の間、及び絶縁部材と電極端子の間に設けられた分子接合層とを含む。
板と絶縁部材の間の分子接合層は、板と絶縁部材にそれぞれ化学結合している。また、絶縁部材と電極端子の間の分子接合層は、絶縁部材と電極端子のそれぞれに化学結合している。
実施形態によれば、板と絶縁部材の間、及び絶縁部材と電極端子の間を化学結合させているため、板と電極端子の接合が気密となり、接合強度を良好にすることができる。
また、これにより、電極端子の大きさをより大きく設計することが可能となり、大電流を放充電する場合の電極端子におけるジュール熱の発生を低減することができるため、発熱に起因する気密不良、絶縁材の溶解等を防ぐことが可能となる。
ポリオレフィン類としてはポリプロピレンを使用することができる。
電極端子の材料として例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金があげられる。
実施形態によれば、板と電極端子の接合が気密で強度が高いことにより、電極端子の大きさをより大きく設計することが可能である。
電極端子の大きさは、例えば直径2mm〜10mmにすることができる。
電極端子の直径は、2mm未満であると、大電流での充放電において、電極端子の電気抵抗に起因するジュール発熱により、電極端子部が発熱しやすくなる傾向があり、10mmを超えると、封口体上で電極端子の配置場所を確保することが困難となる傾向がある。しかし配置場所が確保できる場合は太くすることによるデメリットは少ない。
分子接合剤は、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属およびポリオレフィン類等の樹脂と化学結合し得る箇所を同一分子内に有する化合物である。
分子接合層は、分子接合剤からなる層であり、通常数10nm以下の極薄い層である。
分子接合層を形成した後、静置するか、あるいは熱、光等のエネルギーを加えることにより、化学結合が促進される。
分子接合剤として、トリアジン誘導体を使用することができる。
実施形態に使用されるトリアジン誘導体は、例えば下記式(1)で表すことができる。
(式中、Rは、炭化水素基又は異種原子もしくは官能基が介在してもよい炭化水素基を示し、Xは、水素原子又は炭化水素基を示し、Yは、アルコキシ基を示し、Zは、塩を形成していてもよい、チオール基、アミノ基もしくはアジド基、又は異種原子もしくは官能基が介在してもよい炭化水素基を示し、n1は1〜3までの整数であり、n2は1〜2までの整数である。)
上記一般式(C1)において、Rは、好ましくは炭素数1〜7の炭化水素基、又はこれらの主鎖に窒素原子が介在するものを示す。Xは、炭素数1〜3の炭化水素基を示す。Yは、炭素数1〜3のアルコキシ基を示す。n1は、好ましくは3である。n2は、好ましくは2である。Zは、チオール基、アミノ基、アジド基、アルキル基、あるいはそれらの塩を示す。塩を形成するカチオンの元素としては、アルカリ金属が好ましく、中でもLi、Na又はKがさらに好ましい。なお、n2が2である場合は、少なくとも1つのZは、塩を形成している、チオール基、アミノ基又はアジド基を示すことが好ましい。
上記一般式(C1)において、Rは、好ましくは炭素数1〜7の炭化水素基、又はこれらの主鎖に窒素原子が介在するものを示す。Xは、炭素数1〜3の炭化水素基を示す。Yは、炭素数1〜3のアルコキシ基を示す。n1は、好ましくは3である。n2は、好ましくは2である。Zは、チオール基、アミノ基、アジド基、アルキル基、あるいはそれらの塩を示す。塩を形成するカチオンの元素としては、アルカリ金属が好ましく、中でもLi、Na又はKがさらに好ましい。なお、n2が2である場合は、少なくとも1つのZは、塩を形成している、チオール基、アミノ基又はアジド基を示すことが好ましい。
トリアジン誘導体は、単体、またはその他の化合物との混合物を用いることができる。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に、第1実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用封口体の第一例を模式的に表す断面図を示す。
図示するように、この封口体30は、貫通孔34が設けられたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板35と、雄ネジ部15aが設けられ、板35の一主面から貫通孔34に挿入されて反対側の他の主面へ貫通した電極端子15と、板35の他の主面側から雄ネジ部15aにはめ込まれた電極タブ32とを含む。板35と電極端子15との間、及び板35と電極タブ32との間には絶縁部材16が設けられている。絶縁部材16はドーナツ状の成形体からなり、筒状の部分の外表面が貫通孔の内壁にはめ込まれる。電極タブ32を固定するために雄ネジ部15aに、内周面に雌ネジ部33aが設けられた固定リング33がさらにはめ込まれている。また、板35と絶縁部材16との間、及び絶縁部材16と電極端子15との間、及び絶縁部材16と電極タブ32との間に分子接合剤層31が設けられている。
第1実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用封口体によれば、板35と絶縁部材16との間、及び絶縁部材16と電極端子15との間、及び絶縁部材16と電極タブ32との間を、分子接合層を用いて化学結合させているので、板35と電極端子15との接合が気密となり、さらに接合強度も良好にすることができる。
図2に、第2実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用封口体の製造方法を表すフロー図を示す。
まず、絶縁部材16を用意する(S1)。
絶縁部材16を例えばアルコール類やアセトン等の有機溶媒や、必要に応じてアルカリ性溶液、酸性溶液へ浸漬することにより脱脂処理する(S2)。
続いて、絶縁部材16表面に分子接合層31を形成する(S3)。
分子接合層は、分子接合剤を、分子接合剤の溶解性を考慮して適宜選択される、例えば、水、メタノール、エタノール、あるいはイソプロピルアルコール等の溶媒に溶解し、例えば0.05から5質量%の濃度を有する分子接合層塗付液を作成して、対象物に塗付することにより形成することができる。
塗付方法として例えば、ディッピング、スプレーコーティング、はけ塗り、スピンコーティングなどの方法があげられる。
得られた分子接合層31を乾燥する(S4)。
乾燥した分子接合層31に紫外線を照射、あるいは加熱を行うことにより(S5)、絶縁部材16に化学結合させる。どの方法を使用するかは、適用される分子接合剤、金属、樹脂種類により適宜選択される。
封口体基材として、例えばアルコール類やアセトン等の有機溶媒や、必要に応じてアルカリ性溶液、酸性溶液へ浸漬することにより脱脂処理したアルミニウム、またはアルミニウム合金からなり、貫通孔34が設けられた板35を用意する。また、同様に脱脂処理を行った雄ネジ部15aを有する電極端子15を用意する。
板35の貫通孔34にドーナツ形状の絶縁部材16とともに雄ネジ部15aを有する電極端子15となる金属棒を通した後、金属棒の雄ネジ部15aに電極タブ32と固定リング33の雌ネジ部をはめ込んで組み立てる(S6)。
雄ネジ部15aを固定リング33にねじ込んで、絶縁部材16を圧縮変形させるいわゆるネジ固定法を行い(S7)、金属棒の固定と、変形した絶縁部材による気密シールを確保して図1に示す封口体30を得る(S8)。
なお、ここでは、絶縁部材に分子接合層を塗布して形成しているが、分子接合層を封口体基材や金属棒などの表面に形成することも可能である。
図3に、第1実施形態に使用される絶縁部材の一例を模式的に表す断面図を示す。
図示するように、図1の一体化されたドーナツ形状の絶縁部材16の代わりに、分割された絶縁部材16’として、例えば、ドーナツ形状の絶縁部材16を開孔の深さ方向に垂直な面で二等分した形状を有する一対の絶縁部材16a,16bを用いることができる。一対の絶縁部材16a,16bを用いること以外は、図1と同様の構成を有する封口体を作成した場合も、板35と電極端子15との接合が気密となり、接合強度を良好にすることができる。
図4に、第1実施形態に使用される絶縁部材の他の一例を模式的に表す断面図を示す。
図示するように、図1の一体化されたドーナツ形状の絶縁部材16代わりに、絶縁部材16”として、例えば、ドーナツ形状の絶縁部材16を貫通孔の深さ方向に対し図3とは異なる位置の垂直な面で二分割した成形体を有する一対の絶縁部材16c,16dを用いることができる。このように、絶縁部材として二分割した成形体16c,16dを使用すること以外は、図1と同様の構成を有する封口体を作成した場合も、板35と電極端子15との接合が気密となり、接合強度を良好にすることができる。
図5に、第1実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用封口体の第二例を模式的に表す断面図を示す。
図示するように、この封口体40は、電極端子15の雄ネジ部15aに嵌合された固定リング33の代わりに、金属棒を圧縮変形して形成されたカシメ変形部15bが設けられていること以外は図1と同様の構成を有する。
この封口体40は、図2の(S6)及び(S7)の工程を以下のように変更することにより作成することができる
板35の貫通孔34にドーナツ形状の絶縁部材16とともに金属棒を通した後、電極タブ32をはめ込んで組み立てる(S6)。
板35の貫通孔34にドーナツ形状の絶縁部材16とともに金属棒を通した後、電極タブ32をはめ込んで組み立てる(S6)。
金属棒を絶縁部材16とともに圧縮し、金属棒と共に絶縁部材16変形させるいわゆるカシメ固定法をおこなう(S7)。
なかでもカシメ固定法は、ねじ固定法に比べて製造プロセスが簡素であること、及びねじ緩みの可能性がなく信頼性の高い固定ができる。
このようにして、ネジ固定の代わりにカシメ固定されていること以外は、図1と同様の構成を有する封口体を作成することができる。この場合も、板35と電極端子15との間に介在する分子接合剤により、両者の接合が気密となるほか、接合強度を良好にすることができる。
また、第1実施形態にかかるリチウムイオン二次電池用封口体の第二例の絶縁部材16の代わりに、図3に示す絶縁部材16a,16bあるいは図4に示す絶縁部材16c,16dを使用することが可能である。図3あるいは図4に示す絶縁部材を適用した場合についても、板35と電極端子15との接合が気密となり、接合強度を良好にすることができる。
図6に、第3実施形態にかかるリチウムイオン二次電池の外観を表す斜視図を示す。
図示するように、この密閉型リチウムイオン二次電池10は、アルミニウム、またはアルミニウム合金等の金属で形成された扁平な箱型形状の外装容器を備えており、この外装容器11内に、非水電解液12とともに電極体13を収容している。外装容器11は、上端が開口した容器本体11Aと、この容器本体11Aの開口部を封口する矩形板状の封口体30とを有している。封口体30は、容器本体11Aの開口部端面に載置されて全周溶接され、容器本体11Aの開口部を封止している。これにより、容器本体11Aと封口体30とが隙間なく一体化して、密閉型の外装容器11を形成している。
封口体30の長手方向両端部には、正極端子14と負極端子15がそれぞれ封口体30から突出するように設けられている。正極端子14と、負極端子15は、電極体13の正極及び負極にそれぞれ接続されている。電極体13は、例えば、正極板及び負極板をその間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回し、さらに、径方向に圧縮することにより、扁平な矩形状に形成されている。
負極端子15は、図1に示すように、封口体30を貫通して延びている。負極端子15は、電極タブ32を介して電極体13に溶接されている。封口体30表面に設けられた蓋体21の内部には図示しない注液口が設けられている。正極端子としては、LiCoO2、Li(CoNiMn)O2、LiMnO2、LiFe(PO4)等を用いることができる。負極端子としては、Cu、グラファイト等を用いることができる。電解液としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等の鎖状カーボネート、環状カーボネートと鎖状カーボネートの混合溶媒、γブチロラクトン等に、ヘキサフルオロリン酸リチウムやテトラフルオロホウ酸リチウム等を添加したものを用いることができる。
図7に、図6のリチウムイオン二次電池の製造方法を表すフロー図を示す。
図示するように、上端が開口した容器本体11Aを用意する(S11)。
正極活物質層および負極活物質層が少なくともその一方の面に形成された電極を、セパレータを介して捲回して作製された捲回電極群からなる電極体13を用意する。
電極体13の電極より導出されたタブ端子に電極タブ32を例えばレーザ溶接、あるいは超音波溶接等により溶接する(S12)。
電極体13を容器本体11Aに挿入する(S13)。
封口体30を容器本体11Aに溶接する(S14)。
図示しない柱液口から電解液を注液する(S15)。
注液口を封止し、リチウムイオン二次電池の組み立て品(S16)を得る。
電解液を電極体に1〜2日間浸漬させて、エージングを行う(S17)。
組み立て品の初充電(S18)を行う。
その後、組み立て品の放電容量測定や貯蔵に伴う電池容量低下、電池形状変化等の測定を行って検査する(S19)。
これらの試験において問題がなければ、リチウムイオン二次電池の完成となり出荷される(S20)。
図1の封口体30の代わりに、図5の封口体40を用いる以外は同様にしてリチウムイオン二次電池を組み立てた場合にも、上記各種試験において問題がなければ、リチウムイオン二次電池を完成することができる。また、図1の封口体30、及び図5の封口体40において、絶縁部材16のかわりに、図3の絶縁部材16a,16b、あるいは図4の絶縁部材16c,16dを使用した場合も、上記各種試験において問題のないリチウムイオン二次電池を完成することができる。
また、板の貫通孔34の径を2〜10mmまで変化させて同様にリチウムイオン二次電池の組み立て品を作成し、上記各種試験を行って検査したところ、いずれの貫通孔においても、問題なくリチウムイオン二次電池を完成することができることが確認された。
これに対し、分子接合層を使用しない場合には、電極端子貫通部径が2mmを超えると絶縁部材と電極端子金属棒との界面や絶縁部材と封口体基材との界面の気密性が低下し、電池容量が低下したり、貯蔵中に外気中の水分の混入に起因する電池膨れや、電池インピーダンスの増加が発生し、実用に耐えるリチウムイオン二次電池を完成することができない。また、分子接合剤の代わりにシランカップリング材を用いた場合には、絶縁部材との界面接合強度が分子接合剤に比較して低いため、実用に耐えるリチウムイオン二次電池を完成することが困難であった。
このように、実施形態によれば、分子接合剤を用いことにより、通常の接着剤では接着が困難であったポリオレフィン類と金属との十分な接合が可能となる。また、通常の接着剤が主として被接着材料表面の微細な凹凸への接着剤の侵入による物理的接合を用いていたのに対し、化学結合を用いて接着を行うことから、接合強度を格段に大きくすることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…密閉型リチウムイオン二次電池、11…外装容器、11A…容器本体、13…電極体、14…正極端子、15…負極端子、15a…雄ネジ部、16…、30,40…封口体、31…分子接合剤層、32…電極タブ、33a…雌ネジ部、33…固定リング、35…板
Claims (13)
- 貫通孔を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板と、
該貫通孔に設けられた電極端子と、
該板と該電極端子との間に設けられたポリオレフィン類からなる絶縁部材と、
該板と該絶縁部材の間、及び該絶縁部材と該電極端子の間に設けられ、該板、該絶縁部材、及び該電極端子のそれぞれに化学結合された分子接合層とを含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用封口体。 - 前記ポリオレフィン類がポリプロピレンであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用封口体。
- 前記分子接合層はトリアジン化合物を含む請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用封口体。
- 前記絶縁部材は成形体を用いて加工されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用封口体。
- 前記成形体は2分割されていることを特徴とする請求項4に記載のリチウムイオン二次電池用封口体。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載の封口体を備えたリチウムイオン二次電池。
- ポリオレフィン類からなる絶縁部材表面上に分子接合層を形成し、
貫通孔を有するアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる板を用意して、前記貫通孔の内壁に沿って前記分子接合層が設けられた絶縁部材を配置し、
前記分子接合層が設けられた絶縁部材を介して前記貫通孔内に電極端子を挿入し、前記絶縁部材と前記電極端子とを圧縮することにより、
前記絶縁部材を前記分子接合層を介して前記板に固定し、かつ
前記電極端子を前記分子接合層を介して前記絶縁部材に固定することを特徴とするチウムイオン二次電池用封口体の製造方法。 - 前記ポリオレフィン類がポリプロピレンであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 前記分子接合層はトリアジン化合物を含む請求項7または8に記載の方法。
- 前記絶縁部材は成形体であることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の方法。
- 前記成形体は2分割されていることを特徴とする請求項10に記載の方法。
- 前記電極端子は雄ネジ部を有し、雌ネジ部を有する押さえ板をさらに用いて、前記絶縁部材と前記電極端子とを圧縮すること含む請求項7から11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記電極端子はアルミニウムないしはアルミニウム合金からなり、前記絶縁部材と前記電極端子とを圧縮変形させることを特徴とする請求項7から11のいずれか1項に記載の方法。
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