JP2019158651A - 異常検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の部分において水の浸入経路を同定すること。【解決手段】金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面に水を散布する水散布ステップと、水散布ステップから所定時間が経過した後に、非金属層の表面の水を除去する水除去ステップと、対象物の表面を走査しつつ対象物の表面の座標に関連づけてテラヘルツ波を照射する照射ステップと、対象物の表面において反射したテラヘルツ波を座標に関連づけて受信する受信ステップと、受信ステップにおいて得られたテラヘルツ波の受信データのうちの、反射したテラヘルツ波が所定の閾値以下の領域を抽出する解析ステップと、を含む。水としては、界面活性剤を含有した60℃以上沸点以下の温水を用いる。水散布ステップにおいて、対象物の表面を加熱してもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、テラヘルツ波を利用して対象物における水の浸入を検出する異常検出方法に関する。
従来、建造物に使用される材料として鉄鋼材料(以下、鋼材)が存在する。通常、鋼材には、防食のために塗装膜や塗覆装などの防食層が設けられている。通常、鋼材を腐食させる因子としては、代表的に酸素および水がある。これらの酸素および水が鋼材と防食層との隙間に浸入し、さらに乾湿を繰り返すことによって、鋼材において腐食が発生したり進行したりする。このような建造物において、防食層の下層における鋼材の腐食を診断する場合、建造物を破壊できないことから、一般的に目視検査などの外観検査が行われる。外観検査においては、外側からの観測によって、防食層のふくれや剥がれ、および錆汁などによる変色の有無などを手がかりとして、防食層の劣化や損傷を診断している。ところが、防食層の診断に目視検査などの外観検査を行う場合、目視を行う診断者の経験や技量に依存するところが大きい。そのため、外観検査においては、診断結果および診断結果の信頼性が一定にならず、定量的な評価を行うことが困難であった。
そこで、防食層の診断において定量的な評価を行うために、テラヘルツ波の利用が検討されている。テラヘルツ波は、樹脂などの非金属材料に照射するとほとんどが透過する一方、金属材料に照射するとほとんどが反射し、さらには水に吸収される性質を有する。このテラヘルツ波の性質を利用することによって、防食層の下層に存在する鋼材、すなわち金属基体の表面の異常を検出する技術が検討されている。
非特許文献1には、テラヘルツ波の性質を利用して2次元イメージングを行うことができる、共鳴トンネルダイオード(RTD:Resonant Tunneling Diode)を用いた反射型光学系の電子デバイス方式によるイメージング装置が開示されている。非特許文献1に記載された技術によれば、樹脂層の下層の金属面におけるテラヘルツ波の反射波の強弱を測定して、画像化することが可能になる。テラヘルツ波を鋼材の腐食の診断に用いる場合、防食層に対して上方からテラヘルツ波を照射し、その反射波を観測することにより行う。テラヘルツ波は、樹脂の一種である防食層を透過するため、鋼材の表面で反射した反射波は防食層の外側において検出できる。
山口淳、「テラヘルツイメージングシステムの開発」、PIONEER R&D(2014)
一方、防食層などの非金属層と鋼材などの金属基体との界面に水が存在すると、テラヘルツ波が水に吸収される性質を有することから、テラヘルツ波は金属基体の表面にほとんど到達しない。そのため、テラヘルツ波の反射波もほとんど生じないため、テラヘルツ波は極めて微弱になって検出され難くなる。しかしながら、テラヘルツ波を照射した際の検出信号が微弱な場合、その原因が、反射波が弱いためであるか、対象物である非金属層と金属基体との界面に水が浸入したためであるかが不明である。そのため、非金属層と金属基体との界面における水の浸入経路や侵入範囲を同定することは困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の部分において水の浸入経路や侵入範囲を同定することができる異常検出方法を提供することにある。
(1)上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る異常検出方法は、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面に水を散布する水散布ステップと、前記水散布ステップから所定時間が経過した後に、前記非金属層の表面の前記水を除去する水除去ステップと、前記対象物の表面を走査しつつ前記対象物の表面の座標に関連づけてテラヘルツ波を照射する照射ステップと、前記対象物の表面において反射したテラヘルツ波を前記座標に関連づけて受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて得られた前記テラヘルツ波の受信データのうちの、前記反射したテラヘルツ波が所定の閾値以下の領域を抽出する解析ステップと、を含むことを特徴とする。
(2)本発明の一態様に係る異常検出方法は、上記(1)の発明において、前記水の温度が60℃以上沸点以下であることを特徴とする。
(3)本発明の一態様に係る異常検出方法は、上記(1)または(2)の発明において、前記水が界面活性剤を含有していることを特徴とする。
(4)本発明の一態様に係る異常検出方法は、上記(1)〜(3)のいずれか1つの発明において、前記水散布ステップにおいて、前記対象物の表面を加熱することを特徴とする。
本発明に係る異常検出方法によれば、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の部分において水の浸入経路や侵入範囲を同定することが可能になる。
図1は、本発明の一実施形態による異常検出装置の全体構成を示す図である。 図2は、本発明の一実施形態による異常検出装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の一実施形態による異常検出方法を説明するための図である。 図4は、本発明の一実施形態による異常検出装置によって生成されるイメージ画像を示す図である。
以下、本発明の一実施形態による異常検出方法について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の一実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する一実施形態によって限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態による異常検出方法に用いられる異常検出装置1の全体構成を示す図である。図2は、異常検出装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この一実施形態による異常検出装置1は、テラヘルツ送受波ヘッド10、ヒータヘッド20、スキャナヘッド30、テラヘルツ送受波コントローラ40、ヒータコントローラ50、スキャナコントローラ60、および解析制御部70を有して構成される。異常検出装置1によって、対象物としての配管80における水濡れ部分が検出される。この一実施形態において配管80は、表面に防食層82として例えば防食テープが巻き付けられて構成される。配管80は円筒状であるが、配管以外の円柱状の部材などであってもよい。また、配管80は検査対象物の一例であって、検査対象物は必ずしも配管に限定されない。対象物としては具体的に、塗覆装を有する鋼構造物などの、金属材料からなる基体の所定の面の上層に、非金属材料からなる非金属層が形成された種々の物体とすることができる。
テラヘルツ送受波ヘッド10は、テラヘルツ送受波コントローラ40によって制御される。テラヘルツ送受波ヘッド10は、テラヘルツ波を配管80の表面に照射可能に構成されているとともに、配管80を反射したテラヘルツ波を検出可能に構成された、反射型のテラヘルツ波計測装置から構成される。すなわち、テラヘルツ送受波ヘッド10は、テラヘルツ波発信手段とテラヘルツ波受信手段とを兼ね備える。ここで、テラヘルツ波は、1テラヘルツ(1THz=1012Hz)前後、具体的には、100GHz〜10THz(1011〜1013Hz)の周波数領域である、いわゆるテラヘルツ領域に属する電磁波である。テラヘルツ領域は、光の直進性と電磁波の透過性を兼ね備えた周波数領域である。なお、この一実施形態においては、テラヘルツ波の周波数は、防食層82の厚さおよび材質に応じて選定することが可能であり、好適には0.3THz以上0.6THz以下であるが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。
加熱手段としてのヒータヘッド20は、配管80の表面を加熱可能に構成されている。ヒータヘッド20はヒータコントローラ50によって制御される。ヒータコントローラ50は、ヒータヘッド20における例えば、温度や時間などの発熱条件を制御する。
スキャナヘッド30は、スキャナコントローラ60によって制御される。スキャナヘッド30は、管軸方向移動機構31によって配管80の長手方向(X軸方向)に沿って移動可能に構成されている。また、スキャナヘッド30は、管周方向移動機構32によって配管80の周方向(θ軸方向)に沿って移動可能に構成されている。管軸方向移動機構31および管周方向移動機構32によってそれぞれ、管軸方向および管周方向に沿った配管80の座標(X,θ)を定義できる。テラヘルツ送受波ヘッド10は、スキャナヘッド30の配管80側の部分に固定されている。これにより、テラヘルツ送受波ヘッド10は、スキャナヘッド30の移動によって、配管80の外周面を2次元的に走査可能に構成されている。また、ヒータヘッド20は、スキャナヘッド30の配管80側に固定されている。これにより、ヒータヘッド20は、スキャナヘッド30の移動によって、配管80の表面の所望位置を加熱することができる。なお、ヒータヘッド20は、スキャナヘッド30と別体に独立して設けることも可能である。この場合においても、ヒータヘッド20を任意の位置に移動可能な移動機構を設けることによって、配管80の表面の所望位置を加熱可能に構成される。
制御手段としての解析制御部70は、テラヘルツ送受波コントローラ40、ヒータコントローラ50、およびスキャナコントローラ60を統括して制御する。また、解析手段としての解析制御部70による解析の詳細については、後述する。なお、解析制御部70は、制御手段としての制御部と解析手段としての解析部とを別体で構成することも可能である。解析制御部70を、制御部と解析部との別体で構成した場合、制御部と解析部とを、ケーブル等の有線によって接続しても、ネットワークなどを介した無線によって接続してもよい。
また、図2に示すように、テラヘルツ送受波ヘッド10は、テラヘルツ波発信手段としてのテラヘルツ波発信部11、ビームスプリッタ12、対物レンズ13、およびテラヘルツ波受信手段としてのテラヘルツ波受信部14を有して構成される。発信光学系であるテラヘルツ波発信部11は、例えば共鳴トンネルダイオード(RTD:Resonant Tunneling Diode)などを備えて構成されるテラヘルツ波発生素子111と、半球レンズ112と、コリメートレンズ113とを有して構成される。なお、共鳴トンネルダイオードの代わりに、光伝導アンテナ(PCA:Photo Conductive Antenna)を用いてもよい。受信光学系としてのテラヘルツ波受信部14は、集光レンズ141、半球レンズ142、およびテラヘルツ波検出素子143を有して構成される。
この一実施形態による異常検出装置1の動作時においては、テラヘルツ送受波ヘッド10からテラヘルツ波が出射される。具体的には、テラヘルツ波発生素子111において発生したテラヘルツ波が、半球レンズ112およびコリメートレンズ113を介して、テラヘルツ波として出射される。ここで、出射されるテラヘルツ波は、典型的には連続的に出射されるテラヘルツ連続波であるが、断続的に出射されるテラヘルツパルス波やトーンバースト波であってもよい。
テラヘルツ波発信部11から出射されたテラヘルツ波は、ビームスプリッタ12を透過し、対物レンズ13を介して配管80の表面に照射される。配管80は、金属材料からなる金属基体としての鋼材81の表面(以下、鋼面81a)に、上層として非金属層である防食層82が設けられて構成される。防食層82は、この一実施形態においては、防食テープであるが、各種の樹脂層から構成することができ、例えばポリエチレンからなる防食テープ、ポリエチレン被覆、エポキシ樹脂塗料および被覆、ポリウレタン系塗料および被覆、ブチルゴム系被覆、ペトロラタム系被覆、またはアスファルト系被覆などからなる。配管80に対して、防食層82の側から照射されるテラヘルツ波のほとんどは、鋼面81aによって反射される。配管80に照射されたテラヘルツ波の内の一部は、防食層82の表面82aで反射される。
反射されたテラヘルツ波は、対物レンズ13を介して、ビームスプリッタ12に入射される。テラヘルツ波は、ビームスプリッタ12において反射され、テラヘルツ波受信手段としてのテラヘルツ波受信部14に導入される。テラヘルツ波受信部14においては、鋼面81aおよび防食層82の表面82aの形状に対応したテラヘルツ波が検出される。すなわち、集光レンズ141によって集光されたテラヘルツ波は、半球レンズ142においてテラヘルツ波検出素子143に集められ、テラヘルツ波の強度に応じた信号が検出される。これにより、反射したテラヘルツ波が測定できる。
走査手段としてのスキャナヘッド30は、管軸方向移動機構31、管周方向移動機構32、およびキャリッジ33を備えて構成される。キャリッジ33には、テラヘルツ送受波ヘッド10およびヒータヘッド20が設置される。そして、例えばボールねじやステッピングモータなどから構成された管軸方向移動機構31および管周方向移動機構32を駆動することにより、キャリッジ33が配管80の表面に沿って移動する。これにより、キャリッジ33に固定されたテラヘルツ送受波ヘッド10およびヒータヘッド20による走査が行われる。
スキャナコントローラ60は、スキャナヘッド30における管軸方向移動機構31、管周方向移動機構32、およびキャリッジ33の駆動信号を生成する。また、スキャナコントローラ60は、駆動信号の生成とともに、駆動の結果として配管80の面におけるどの位置にテラヘルツ波を照射したか、またはどの位置のテラヘルツ波を受信したかをモニタした、座標の情報を含むテラヘルツ撮像位置データを生成する。スキャナコントローラ60が生成した座標の情報を含むテラヘルツ撮像位置データは、記録部44に格納される。記録部44に格納されたテラヘルツ撮像位置データは、必要に応じて解析制御部70に供給される。なお、解析制御部70が制御部と解析部との別体で構成される場合、スキャナコントローラ60が生成したテラヘルツ撮像位置データを位置情報として、解析部に供給可能な状態で制御部における所定の記録部に格納してもよい。
テラヘルツ送受波コントローラ40は、テラヘルツ送受波ヘッド10に対する各種制御を行うとともに、テラヘルツ送受波ヘッド10によって検出された信号の処理を行う。テラヘルツ送受波コントローラ40は、信号増幅部41、バイアス生成部42、ロックイン検出部43、および記録部44を備える。信号増幅部41は、テラヘルツ波受信部14によって検出された信号を増幅し、テラヘルツ波受信データとしてロックイン検出部43に出力する。バイアス生成部42は、バイアス電圧を生成してテラヘルツ波発生素子111およびテラヘルツ波検出素子143をバイアスし、バイアス電圧に応じて発信または受信するテラヘルツ波を変化させる。テラヘルツ波発生素子111およびテラヘルツ波検出素子143によって発信または受信されたテラヘルツ波は、微弱な場合もある。この場合、テラヘルツ波の検出には、ロックイン検出が用いられる。ロックイン検出の際、テラヘルツ波発信部11においては、テラヘルツ波発生素子111のバイアス電圧として変調された参照信号が用いられることにより、テラヘルツ波の検出信号のノイズ成分が除去される。記録部44は、テラヘルツ撮像位置データに関連づけされつつ、検出されたテラヘルツ波受信データを記録する。
解析制御部70は、画像処理部71を有する。画像処理部71には、記録部44に記録されたテラヘルツ撮像位置データおよびテラヘルツ波受信データが、互いに関連付けられて供給される。画像処理部71は、座標を含むテラヘルツ撮像位置データおよびテラヘルツ波受信データに基づいて、配管80の表面に対応させてマッピングしたテラヘルツ波イメージ画像を生成する。
(異常検出方法)
次に、上述のように構成された異常検出装置1によって実行される異常検出方法について説明する。図3は、この一実施形態による異常検出方法を説明するための図である。図3に示すように、まず、防食層82の端部、継ぎ目部、または部分的に損傷した箇所(以下、浸入候補部82bとも言う)に、例えば界面活性剤を含むとともに加温された水101を、例えば散水器100を用いて散布する。散布された水101は、毛細管現象によって防食層82と下層の鋼材81との隙間に浸透していく。ここで、水101は、温度が60℃以上沸点以下、より好適には80℃以上沸点以下の温水である。なお、水101は、常温であってもよく、界面活性剤を含有していなくてもよいが、界面活性剤を含むとともに上述した温水を用いることによって、水101が防食層82と鋼材81との隙間に浸透しやすくなる。これは、温水とすることによって水101の粘性を低下させることができ、水が隙間から侵入しやすくなるためである。さらに、必要に応じて、ヒータヘッド20によって補助的に防食層82の表面82aを加熱してもよい。これにより、防食層82が軟化および膨張して、鋼材81との隙間に水101が浸入しやすくなるとともに、水101の温度を上述した温度範囲に維持することができる。
散水器100によって防食層82の表面82aに水101の散布した後、防食層82に水101が散布された状態を所定時間維持する。所定時間が経過した後、防食層82の表面82aに付着した水101を拭き取るなどして除去する。続いて、異常検出装置1におけるスキャナヘッド30によって、テラヘルツ送受波ヘッド10を配管80の表面の全体に走査しつつ、テラヘルツ波を照射および受信する。テラヘルツ送受波ヘッド10は、防食層82の表面82aの所定位置にテラヘルツ波を照射するとともに、所定位置における防食層82からの反射波を受信する。
テラヘルツ送受波ヘッド10が受信したテラヘルツ波の反射波は、テラヘルツ波受信データとして記録部44に格納される。同時に、スキャナコントローラ60によって、テラヘルツ波を受信した座標、または反射波が観測されない場合にはテラヘルツ波を照射した座標が、テラヘルツ撮像位置データとして記録部44に格納される。テラヘルツ撮像位置データに関連づけされたテラヘルツ波受信データは、解析制御部70に供給される。解析制御部70において画像処理部71は、座標を含むテラヘルツ撮像位置データおよびテラヘルツ波受信データに基づいて、配管80の表面に対応させてマッピングしたテラヘルツ波イメージ画像を生成する。
図4は、画像処理部71によって生成されたテラヘルツ波イメージ画像の一例を示す。テラヘルツ波情報としてのテラヘルツ波イメージ画像200は、鋼面81aからの反射波および防食層82の表面82aからの反射波によって生じる干渉縞が合成された輝度の分布からなる。図4に示すように、テラヘルツ波イメージ画像200においては、鋼材81と防食層82との界面において、水101が浸入した部分が、テラヘルツ波の反射輝度が所定の閾値以下のテラヘルツ波吸収領域201として発現する。水101が浸入した部分は、鋼面81aからの反射波がほとんど発生しないため干渉縞も発現しない。ここで、所定の閾値を例えば0とした場合、テラヘルツ波吸収領域201はテラヘルツ波が観測されない領域として発現する。なお、所定の閾値は、推定される水101の浸透深さや出射されるテラヘルツ波の強度、ならびに塗覆装の種類および厚さなどに応じて、適宜設定できる。また、防食層82を構成する防食テープの浸入候補部82bの1つである継ぎ目部において、凹凸に起因した継ぎ目模様202が発現する。なお、鋼材81の鋼面81aが略平滑、かつ防食層82が略均一な厚さの場合には、規則的な干渉縞203が発現する。
以上のようにして、テラヘルツ波の反射波を画像化したテラヘルツ波イメージ画像200を生成することによって、テラヘルツ波が配管80の面で反射している箇所と反射していない箇所を検出できる。これにより、反射波が観測されない領域を抽出できる。このとき、テラヘルツ波の反射波が観測されない領域、図4においてはテラヘルツ波吸収領域201が水101の浸入箇所であることから、鋼材81の腐食が存在する、または今後腐食が発生する可能性が高い部分になると判断できる。他方、反射波が観測された部分には水101が浸入していない箇所であって腐食がないと判断できる。さらに、図4に示す例においては、継ぎ目模様202の部分とテラヘルツ波吸収領域201とから、水101の浸入部位201aが判明する。この水の浸入部位201aが浸入経路(水道:みずみち)となり、みずみちの周辺部分が鋼材81における腐食、または今後腐食する可能性が高いと想定される箇所となる。
以上説明したように、この一実施形態においては、防食層82の端部、継ぎ目部、または損傷部などの浸入候補部82bのうちのどの箇所が水101の浸入経路や侵入範囲であるかを同定できる。そのため、異常によって防食層82の下層の鋼材81の腐食範囲および腐食分布を評価することができ、重点的に補修すべき箇所を適切に判断できる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げたテラヘルツ波送受信装置の構成はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成の装置を用いてもよい。また、上述した一実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により本発明は限定されない。
例えば、上述した一実施形態においては、異常検出装置1について説明したが、必ずしも全てを備える構成に限定されない。すなわち、テラヘルツ送受波ヘッド10、ヒータヘッド20、スキャナヘッド30、テラヘルツ送受波コントローラ40、ヒータコントローラ50、およびスキャナコントローラ60を一体のテラヘルツ波計測器とすることも可能である。この場合、解析制御部70は、パーソナルコンピュータなどから構成してもよい。テラヘルツ波計測器と解析制御部70とを別体に構成する場合、テラヘルツ波計測器と解析制御部70との間において、インターネットやイントラネット(登録商標)などのネットワークを介してデータを送受信可能に構成することが可能である。すなわち、テラヘルツ波計測器によって、配管80の表面におけるテラヘルツ波受信データを取得して、ネットワーク網を介して別体の解析制御部70にテラヘルツ波受信データを供給するように構成してもよい。この場合、テラヘルツ波計測手段としてのテラヘルツ波計測器と解析制御部70とによって、異常検出システムが構成される。
上述した一実施形態においては、解析制御部70は、テラヘルツ撮像位置データおよびテラヘルツ波受信データに基づいて、マッピングされたテラヘルツ波イメージ画像を生成しているが、必ずしもイメージ画像に限定されない。例えば、テラヘルツ波イメージ画像の代わりに、テラヘルツ撮像位置データおよびテラヘルツ波受信データを数値データとしてもよい。
1 異常検出装置
10 テラヘルツ送受波ヘッド
11 テラヘルツ波発信部
20 ヒータヘッド
30 スキャナヘッド
40 テラヘルツ送受波コントローラ
50 ヒータコントローラ
60 スキャナコントローラ
70 解析制御部
80 配管
81 鋼材
81a 鋼面
82 防食層
82a 表面
82b 浸入候補部
100 散水器
101 水
200 テラヘルツ波イメージ画像
201 テラヘルツ波吸収領域
201a 浸入部位
202 継ぎ目模様
203 干渉縞

Claims (4)

  1. 金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面に水を散布する水散布ステップと、
    前記水散布ステップから所定時間が経過した後に、前記非金属層の表面の前記水を除去する水除去ステップと、
    前記対象物の表面を走査しつつ前記対象物の表面の座標に関連づけてテラヘルツ波を照射する照射ステップと、
    前記対象物の表面において反射したテラヘルツ波を前記座標に関連づけて受信する受信ステップと、
    前記受信ステップにおいて得られた前記テラヘルツ波の受信データのうちの、前記反射したテラヘルツ波が所定の閾値以下の領域を抽出する解析ステップと、
    を含むことを特徴とする異常検出方法。
  2. 前記水の温度が60℃以上沸点以下であることを特徴とする請求項1に記載の異常検出方法。
  3. 前記水が界面活性剤を含有していることを特徴とする請求項1または2に記載の異常検出方法。
  4. 前記水散布ステップにおいて、前記対象物の表面を加熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の異常検出方法。
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