JP6973203B2 - 異常検出装置、異常検出システム、および異常検出方法 - Google Patents

異常検出装置、異常検出システム、および異常検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、電磁波を利用して対象物における異常を検出する異常検出装置、異常検出システム、および異常検出方法に関する。
近年、テラヘルツ波イメージングやレーダの研究開発が行われており、非破壊検査やセンシングなどへの応用が期待されている。テラヘルツ波は、樹脂などの非金属材料に照射するとほとんどが透過する一方、金属材料に照射するとほとんどが反射する性質を有する。従来、このようなテラヘルツ波の性質を利用することによって、樹脂層などの非金属材料層の下層に存在する金属材料層の表面の異常を検出する技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、テラヘルツ波を、第1部材および第1部材上に配置された第2部材を含む対象物に照射する照射手段と、対象物により反射されたテラヘルツ波を受信する受信手段と、第2部材を透過し、第1部材によって反射された後に、第2部材の内側および第1部材において複数回反射された多重反射テラヘルツ波の受信状態に基づいて、第1部材の異常を検知する検知手段とを備える異常検出装置が開示されている。また、非特許文献1には、テラヘルツ波の性質を利用して2次元イメージングを行うことができる、共鳴トンネルダイオード(RTD:Resonant Tunneling Diode)を用いた反射型光学系の電子デバイス方式によるイメージング装置が開示されている。
上述した技術において、テラヘルツ波を利用して金属材料の表面の凹凸、すなわち表面までの距離を計測するためには、必要な計測分解能を得るために時間幅の小さなテラヘルツ波によるパルス波を利用する必要がある。ところが、テラヘルツ波のパルス波を発生させるためには、煩雑な機構が必要になる。そこで、テラヘルツ波を連続的に出射させる、いわゆるテラヘルツ連続波を利用する方法が検討された。テラヘルツ連続波は、時間情報を利用できないため、TOF(Time of Flight)による距離の計測が困難である。そこで、テラヘルツ連続波が金属材料などからなる対象物の表面などで反射することによって生じる干渉縞を利用して、対象物の表面の凹凸を評価する方法が考えられる。
特開2016−75618号公報
山口淳、「テラヘルツイメージングシステムの開発」、PIONEER R&D(2014)
しかしながら、金属材料からなる基体(以下、金属基体)の上層に樹脂層などの非金属材料からなる層(以下、非金属層)が設けられた対象物に、非金属層側からテラヘルツ連続波を照射した場合、金属基体の表面の反射波と非金属層の表面の反射波とによって干渉縞が発生するが、生じた干渉縞から金属基体の表面の凹凸形状に関する情報を取り出すことは、極めて困難である。そのため、金属基体の表面の凹凸形状に起因する情報を識別して、金属基体の異常を検出できる技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物に、非金属層側からテラヘルツ波を照射して反射したテラヘルツ波を測定する場合に、測定されたテラヘルツ波の情報から金属基体の表面の凹凸形状に起因した情報を識別して、金属基体の異常を検出できる異常検出装置、異常検出システム、および異常検出方法を提供することにある。
(1)上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る異常検出装置は、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の所定位置にテラヘルツ波を照射可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を走査可能なテラヘルツ波発信手段と、前記対象物の前記所定位置において反射されたテラヘルツ波を受信可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能なテラヘルツ波受信手段と、前記対象物の表面の前記所定位置の相対変位を計測して、前記対象物の表面の凹凸データを生成可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能な変位計測手段と、前記テラヘルツ波受信手段によって得られた前記反射されたテラヘルツ波の受信データと、前記変位計測手段によって得られた前記凹凸データとに基づいて、前記金属基体の表面の異常部を抽出する解析手段と、を備えることを特徴とする。
(2)本発明の一態様に係る異常検出装置は、上記(1)の発明において、前記解析手段は、前記凹凸データを前記対象物の表面に対応させてマッピングした変位情報に基づいて前記金属基体の表面が正常である場合に得られる推定情報を生成し、前記受信データを前記対象物の表面に対応させてマッピングしたテラヘルツ波情報から、前記推定情報を除去して、前記金属基体の表面の異常部を抽出することを特徴とする。
(3)本発明の一態様に係る異常検出装置は、上記(1)または(2)の発明において、前記テラヘルツ波の周波数が0.3THz以上0.6THz以下であることを特徴とする。
(4)本発明の一態様に係る異常検出システムは、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の所定位置にテラヘルツ波を照射可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を走査可能なテラヘルツ波発信手段、前記対象物の前記所定位置において反射されたテラヘルツ波を受信可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能なテラヘルツ波受信手段、および、前記対象物の表面の前記所定位置の相対変位を計測して、前記対象物の表面の凹凸データを生成可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能な変位計測手段、を備えたテラヘルツ波計測手段と、前記テラヘルツ波受信手段によって得られた前記反射されたテラヘルツ波の受信データ、および前記変位計測手段によって得られた前記凹凸データに基づいて、前記金属基体の表面の異常部を抽出する解析手段とが、ネットワークを介して前記受信データおよび前記凹凸データを送受信可能に構成されていることを特徴とする。
(5)本発明の一態様に係る異常検出方法は、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面を走査しつつ所定位置にテラヘルツ波を照射する照射ステップと、前記対象物において前記所定位置で反射されたテラヘルツ波を前記対象物の表面の座標に関連付けしつつ受信する受信ステップと、前記対象物の表面を走査しつつ前記所定位置の相対変位を計測して、前記対象物の表面の凹凸データを座標に関連付けしつつ取得する変位計測ステップと、前記受信ステップにおいて得られた前記反射されたテラヘルツ波の受信データと、前記変位計測ステップにおいて得られた前記凹凸データとに基づいて、前記金属基体の表面の異常部を抽出する解析ステップとを含むことを特徴とする。
本発明に係る異常検出装置、異常検出システム、および異常検出方法によれば、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物に、非金属層側からテラヘルツ波を照射して反射したテラヘルツ波を測定する場合に、反射されたテラヘルツ波の情報から金属基体の表面の凹凸形状に起因した情報を識別して、金属基体の異常を検出することが可能になる。
図1は、本発明の一実施形態による異常検出装置の全体構成を示す図である。 図2は、本発明の一実施形態による異常検出装置の構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の一実施形態による異常検出装置によって生成されるイメージ画像を示す図であって、(a)はテラヘルツ波イメージ画像、(b)は鋼管が正常状態であって鋼面が平滑である場合に、樹脂層の存在によって生じると推定される推定テラヘルツ波イメージ画像、(c)は(a)と(b)との差分によって得られるイメージ画像である。
以下、本発明の一実施形態による異常検出装置および異常検出方法について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の一実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する一実施形態によって限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態による異常検出装置1の全体構成を示す図である。図2は、この一実施形態による異常検出装置1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この一実施形態による異常検出装置1は、テラヘルツ送受波ヘッド10、変位計ヘッド20、スキャナヘッド30、テラヘルツ送受波コントローラ40、変位計コントローラ50、スキャナコントローラ60、および解析制御部70を有して構成される。異常検出装置1によって検査対象物としての配管80における異常が検出される。なお配管80は円筒状であるが、配管以外の円柱状の部材などであってもよい。また、配管80は検査対象物の一例であって、検査対象物は必ずしも配管に限定されない。対象物としては具体的に、塗覆装を有する鋼構造物などの金属材料からなる基体の所定の面の上層に、非金属層が形成された種々の物体とすることができる。
テラヘルツ送受波ヘッド10は、テラヘルツ送受波コントローラ40によって制御される。テラヘルツ送受波ヘッド10は、テラヘルツ波を配管80の表面に照射可能に構成されているとともに、反射したテラヘルツ波を検出可能に構成された反射型のテラヘルツ波計測装置から構成される。すなわち、テラヘルツ送受波ヘッド10は、テラヘルツ波発信手段とテラヘルツ波受信手段とを兼ね備える。ここで、テラヘルツ波は、1テラヘルツ(1THz=1012Hz)前後、具体的には、100GHz〜10THz(1011〜1013Hz)の周波数領域である、いわゆるテラヘルツ領域に属する電磁波である。テラヘルツ領域は、光の直進性と電磁波の透過性を兼ね備えた周波数領域である。なお、この一実施形態においては、テラヘルツ波の周波数は、配管80の表面の樹脂層82の膜厚に応じて選定することが可能であり、好適には0.3THz以上0.6THz以下であるが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。
変位計ヘッド20は、変位計コントローラ50によって制御される。スキャナヘッド30は、スキャナコントローラ60によって制御される。スキャナヘッド30は、管軸方向移動機構31によって配管80の長手方向(X軸方向)に沿って移動可能に構成されている。また、スキャナヘッド30は、配管80の管周方向移動機構32によって配管80の周方向(θ軸方向)に沿って移動可能に構成されている。管軸方向移動機構31および管周方向移動機構32によってそれぞれ、管軸方向および管周方向に沿った配管80の座標(X,θ)を定義できる。さらに、テラヘルツ送受波ヘッド10および変位計ヘッド20は、スキャナヘッド30の配管80側の部分に固定されている。これにより、テラヘルツ送受波ヘッド10および変位計ヘッド20は、スキャナヘッド30の移動によって、配管80の外周面を2次元的に走査可能に構成されている。
制御手段としての解析制御部70は、テラヘルツ送受波コントローラ40、変位計コントローラ50、およびスキャナコントローラ60を統括して制御する。この場合、解析制御部70によって、テラヘルツ送受波コントローラ40、変位計コントローラ50、およびスキャナコントローラ60が統括して制御される。また、解析手段としての解析制御部70による解析の詳細については、後述する。なお、解析制御部70は、制御手段としての制御部と解析手段としての解析部とを別体で構成することも可能である。解析制御部70を制御部と解析部との別体で構成した場合、制御部と解析部とを、ケーブル等の有線によって接続しても、ネットワークなどを介した無線接続してもよい。
また、図2に示すように、テラヘルツ送受波ヘッド10は、テラヘルツ波発信手段としてのテラヘルツ波発信部11、ビームスプリッタ12、対物レンズ13、およびテラヘルツ波受信手段としてのテラヘルツ波受信部14を有して構成される。発信光学系であるテラヘルツ波発信部11は、例えば共鳴トンネルダイオード(RTD:Resonant Tunneling Diode)などを備えて構成されるテラヘルツ波発生素子111と、半球レンズ112と、コリメートレンズ113とを有して構成される。なお、共鳴トンネルダイオードの代わりに、光伝導アンテナ(PCA:Photo Conductive Antenna)を用いてもよい。受信光学系としてのテラヘルツ波受信部14は、集光レンズ141、半球レンズ142、およびテラヘルツ波検出素子143を有して構成される。
この一実施形態による異常検出装置1の動作時においては、テラヘルツ送受波ヘッド10からテラヘルツ波が出射される。具体的には、テラヘルツ波発生素子111において発生したテラヘルツ波が、半球レンズ112およびコリメートレンズ113を介して、テラヘルツ波として出射される。ここで、出射されるテラヘルツ波は、典型的には連続的に出射されるテラヘルツ連続波であるが、断続的に出射されるテラヘルツパルス波やトーンバースト波であってもよい。
テラヘルツ波発信部11から出射されたテラヘルツ波は、ビームスプリッタ12を透過し、対物レンズ13を介して配管80の表面の所定位置に照射される。配管80は、金属基体としての鋼管81の表面(以下、鋼面81a)に、上層として非金属層としての樹脂層82が設けられて構成される。樹脂層82は、防食層として機能する。配管80に対して、樹脂層82の側から照射されるテラヘルツ波のほとんどは、鋼面81aで反射される。配管80に照射されたテラヘルツ波の内の一部は、樹脂層82の表面82aで反射される。
反射されたテラヘルツ波は、対物レンズ13を介して、ビームスプリッタ12に入射される。テラヘルツ波は、ビームスプリッタ12において反射され、テラヘルツ波受信手段としてのテラヘルツ波受信部14に導入される。テラヘルツ波受信部14においては、鋼面81aおよび樹脂層82の表面82aの形状に対応したテラヘルツ波が検出される。すなわち、集光レンズ141によって集光されたテラヘルツ波は、半球レンズ142においてテラヘルツ波検出素子143に集められ、テラヘルツ波の強度に応じた信号が検出される。これにより、反射したテラヘルツ波を測定できる。
変位計測手段を構成する変位計ヘッド20は、従来公知の非接触式レーザ変位計、または従来公知の接触式変位計を備えて構成される。好適には、レーザ光を照射可能な光源、および配管80で反射されたレーザ光を集光して結像する受光素子(いずれも図示せず)を備えた、非接触式レーザ変位計を備える。変位計ヘッド20は、配管80に向けてレーザ光25を照射して、配管80の表面の相対変位を計測する。変位計測手段を構成する変位計コントローラ50は、変位計ヘッド20への電源供給とヘッド内部の構成部品への制御信号出力とを行う。これとともに、変位計コントローラ50は、変位計ヘッド20から供給された相対変位の計測値(相対変位データ)から、配管80の表面の凹凸データを生成する。変位計コントローラ50は、生成した凹凸データを解析制御部70に供給する。
走査手段としてのスキャナヘッド30は、管軸方向移動機構31、管周方向移動機構32、およびキャリッジ33を備えて構成される。キャリッジ33には、テラヘルツ送受波ヘッド10および変位計ヘッド20が設置される。そして、例えばボールねじやステッピングモータなどから構成された管軸方向移動機構31および管周方向移動機構32を駆動することにより、キャリッジ33が配管80の表面に沿って2次元的に移動する。これにより、キャリッジ33に固定されたテラヘルツ送受波ヘッド10および変位計ヘッド20による走査が行われる。
スキャナコントローラ60は、スキャナヘッド30における管軸方向移動機構31、管周方向移動機構32、およびキャリッジ33の駆動信号を生成する。また、スキャナコントローラ60は、駆動信号の生成とともに、駆動の結果として、テラヘルツ送受波ヘッド10が配管80の面のどの位置のテラヘルツ波を受信しているかをモニタした、座標の情報を含むテラヘルツ撮像位置データを生成する。なお、反射波が観測されない場合には、テラヘルツ波を照射した位置の座標を、反射率が0のテラヘルツ波を受信した座標とする。同様に、スキャナコントローラ60は、駆動信号の生成とともに、駆動の結果として、変位計ヘッド20が配管80の面のどの位置からのレーザ光を受光しているか、換言すると、配管80のどの座標において変位の計測が行われているかをモニタした、座標を含む変位計測位置データを生成する。
テラヘルツ送受波コントローラ40は、テラヘルツ送受波ヘッド10に対する各種制御を行うとともに、テラヘルツ送受波ヘッド10によって検出された信号の処理を行う。テラヘルツ送受波コントローラ40は、信号増幅部41、バイアス生成部42、ロックイン検出部43、および記録部44を備える。信号増幅部41は、テラヘルツ波受信部14によって検出された信号を増幅し、テラヘルツ波受信データとしてロックイン検出部43に出力する。バイアス生成部42は、バイアス電圧を生成してテラヘルツ波発生素子111およびテラヘルツ波検出素子143をバイアスし、バイアス電圧に応じて発信または受信するテラヘルツ波を変化させる。テラヘルツ波発生素子111およびテラヘルツ波検出素子143によって発信または受信されたテラヘルツ波は、微弱な場合もある。この場合、テラヘルツ波の検出には、ロックイン検出が用いられる。ロックイン検出の際、テラヘルツ波発信部11においては、テラヘルツ波発生素子111のバイアス電圧として変調された参照信号が用いられることにより、テラヘルツ波の検出信号のノイズ成分が除去される。記録部44は、テラヘルツ撮像位置データに関連付けされつつ、検出されたテラヘルツ波受信データを記録する。
スキャナコントローラ60において生成されたテラヘルツ撮像位置データは、テラヘルツ送受波コントローラ40によってテラヘルツ波受信データと関連付けされる。同様に、スキャナコントローラ60において生成された変位計測位置データは、変位計コントローラ50によって凹凸データと関連付けされる。これらのテラヘルツ撮像位置データ、テラヘルツ波受信データ、変位計測位置データ、および凹凸データはそれぞれ、記録部44に格納された後に解析制御部70に供給される。なお、解析制御部70が制御部と解析部とで別体に構成されていた場合、スキャナコントローラ60が生成したテラヘルツ撮像位置データおよび変位計測位置データは、位置情報として、解析部に供給可能な状態で制御部における所定の記録部に格納してもよい。
解析制御部70は、画像処理部71を有する。画像処理部71には、記録部44に記録されたテラヘルツ撮像位置データおよびテラヘルツ波受信データが、互いに関連付けられて供給される。画像処理部71は、座標を含むテラヘルツ撮像位置データおよびテラヘルツ波受信データに基づいて、配管80の表面に対応させてマッピングしたテラヘルツ波イメージ画像を生成する。また、画像処理部71には、変位計測位置データおよび凹凸データが、互いに関連付けされて供給される。画像処理部71は、座標を含む変位計測位置データおよび凹凸データを含む変位情報に基づいて、配管80の表面に対応させてマッピングした、推定されたテラヘルツ波イメージ画像(以下、推定テラヘルツ波イメージ画像)を生成する。推定情報としての推定テラヘルツ波イメージ画像は、樹脂層82において計測された凹凸データを用いて、鋼管81が正常状態であって鋼面81aが平滑である場合に生じると推定されるイメージ画像である。
図3(a)は、画像処理部71によって生成されたテラヘルツ波イメージ画像の一例を示す。テラヘルツ波情報としてのテラヘルツ波イメージ画像200は、鋼面81aからの反射波および樹脂層82の表面82aからの反射波、ならびにこれらの反射波によって生じる干渉縞が合成された輝度の分布からなる。
図3(a)に示すように、テラヘルツ波イメージ画像200においては、テラヘルツ連続波が配管80の表面に照射されたことによって、干渉縞201が得られる。干渉縞201自体は、配管80における鋼面81aおよび樹脂層82の表面82aが略完全に平滑な平面や曲面(以下、面と総称する)であっても発生する。鋼面81aが平滑、かつ樹脂層82の厚さが均一であれば、干渉縞201は規則性のある縞模様になる。これに対し、鋼面81aおよび樹脂層82の表面82aのいずれかに凹凸からなる異常部が存在している場合、テラヘルツ波イメージ画像200には不規則な斑模様が発現する。図3(a)においては、不規則な斑模様202,203,204が発生している。これらの斑模様202〜204は、鋼面81aおよび樹脂層82の表面82aのいずれかの凹凸に起因した異常部である。
図3(b)は、解析制御部70によって生成された、鋼管81が正常状態であって鋼面81aが平滑な場合における、推定テラヘルツ波イメージ画像の一例を示す。解析制御部70は、変位計コントローラ50によって生成された、配管80の表面である樹脂層82の表面82aの凹凸データに基づいて、鋼面81aが平滑であって鋼管81が減肉していないと仮定した場合に生じると推定される干渉縞201を生成する。なお、解析制御部70によって干渉縞201の発生状態を推定する場合には、必要に応じて従来公知の接触式膜厚計測装置(図示せず)などを用いて、樹脂層82の少なくとも1点における膜厚の絶対値を計測する。これにより、計測された少なくとも1点の膜厚の絶対値と、計測された相対変位データに基づいた凹凸データとから、樹脂層82の全面における厚さを算出できる。ここで、図3(b)に示す例においては、推定テラヘルツ波イメージ画像210としては、樹脂層82の表面82aの凹凸により発現した特異部211および干渉縞201が得られる。干渉縞201は、図3(a)と同様に、鋼面81aが平滑、かつ樹脂層82の厚さが均一であれば、規則性のある縞模様になる。
解析制御部70は、図3(a)に示すテラヘルツ波イメージ画像200、および図3(b)に示す推定テラヘルツ波イメージ画像210に基づいて、樹脂層82の膜厚の変化に起因しない部分を抽出する。図3(c)は、図3(a)に示すテラヘルツ波イメージ画像200から、図3(b)に示す推定テラヘルツ波イメージ画像210を減算したイメージ画像を示す。
図3(c)に示すように、解析制御部70は、テラヘルツ波イメージ画像200の斑模様202〜204から、推定テラヘルツ波イメージ画像210における特異部211および干渉縞201を除去することによって、異常部イメージ画像220を生成する。すなわち、異常部イメージ画像220は、テラヘルツ波イメージ画像200から、樹脂層82の表面82aの変化に起因する特異部211および干渉縞201を除去した画像である。これにより、解析制御部70は、斑模様203,204の部分に、鋼面81a、または鋼管81と樹脂層82との界面における異常部が生じていると判定することができる。
以上説明したこの一実施形態によれば、表面に防食を目的とした樹脂層82が施された鋼管81に対して、樹脂層82側からテラヘルツ送受波ヘッド10および変位計ヘッド20によって、計測位置を確定しつつ配管80の表面を座標ごとに走査している。これによって、それぞれの座標(X,θ)におけるテラヘルツ送受波ヘッド10によって得られた情報、および変位計ヘッド20によって得られた樹脂層82の表面82aの凹凸性状の情報をともに収集することができる。テラヘルツ送受波ヘッド10により得られた情報は、鋼面81aおよび樹脂層82の表面82aの凹凸によるテラヘルツ波イメージ画像200として得られる。その上で、テラヘルツ波イメージ画像200と、変位計ヘッド20によって得られた樹脂層82の凹凸データから推定される推定テラヘルツ波イメージ画像210とを対比参照することによって、樹脂層82の下層における鋼面81aの凹凸情報を抽出することが可能になる。そのため、樹脂層82を剥離させることなく、配管80の内部にある鋼面81aの異常部を発見できる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げたテラヘルツ波送受信装置の構成はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成の装置を用いてもよい。また、本発明は、上述した一実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により限定されない。
例えば、上述した一実施形態においては、異常検出装置1について説明したが、必ずしも全てを備える構成に限定されない。すなわち、テラヘルツ送受波ヘッド10、変位計ヘッド20、スキャナヘッド30、テラヘルツ送受波コントローラ40、変位計コントローラ50、およびスキャナコントローラ60を一体のテラヘルツ波計測器とすることも可能である。この場合、解析制御部70は、パーソナルコンピュータなどから構成してもよい。テラヘルツ波計測器と解析制御部70とを別体とする場合、テラヘルツ波計測器と解析制御部70とにおいて、インターネットやイントラネット(登録商標)などのネットワークを介してデータを送受信可能に構成することが可能である。すなわち、配管80の表面におけるテラヘルツ波受信データおよび相対変位データを、テラヘルツ波計測器によって配管80の表面の座標(X,θ)に関連付けしつつ取得して、ネットワークを介して別体の解析制御部70に供給するように構成してもよい。この場合、テラヘルツ波計測手段としてのテラヘルツ波計測器と解析制御部70とによって、異常検出システムが構成される。
上述した一実施形態においては、解析制御部70は、テラヘルツ撮像位置データおよびテラヘルツ波受信データに基づいて、マッピングされたテラヘルツ波イメージ画像を生成しているが、テラヘルツ波イメージ画像の代わりに、テラヘルツ撮像位置データおよびテラヘルツ波受信データを数値データとしてもよい。同様に、解析制御部70は、変位計測位置データおよび凹凸データなどの変位情報に基づいて、マッピングされた推定テラヘルツ波イメージ画像を生成しているが、推定テラヘルツ波イメージ画像の代わりに、変位計測位置データおよび変位情報などを数値データとしてもよい。
上述した一実施形態においては、変位計コントローラ50が、相対変位の計測値である相対変位データから、配管80の表面の凹凸データを生成しているが、解析制御部70によって、相対変位データから凹凸データを生成するようにしてもよい。この場合、変位計コントローラ50または変位計ヘッド20から、解析制御部70に相対変位データが供給される。
1 異常検出装置
10 テラヘルツ送受波ヘッド
11 テラヘルツ波発信部
14 テラヘルツ波受信部
20 変位計ヘッド
30 スキャナヘッド
40 テラヘルツ送受波コントローラ
50 変位計コントローラ
60 スキャナコントローラ
70 解析制御部
80 配管
81 鋼管
81a 鋼面
82 樹脂層
82a 表面
200 テラヘルツ波イメージ画像
201 干渉縞
202,203,204 斑模様
210 推定テラヘルツ波イメージ画像
211 特異部
220 異常部イメージ画像

Claims (4)

  1. 金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の所定位置にテラヘルツ波を照射可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を走査可能なテラヘルツ波発信手段と、
    前記対象物の前記所定位置において反射されたテラヘルツ波を受信可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能なテラヘルツ波受信手段と、
    前記対象物の表面の前記所定位置の相対変位を計測して、前記対象物の表面の凹凸データを生成可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能な変位計測手段と、
    前記テラヘルツ波受信手段によって得られた前記反射されたテラヘルツ波の受信データと、前記変位計測手段によって得られた前記凹凸データとに基づいて、前記金属基体の表面の異常部を抽出する解析手段と、を備え
    前記解析手段は、前記凹凸データを前記対象物の表面に対応させてマッピングした変位情報に基づいて前記金属基体の表面が正常である場合に得られる推定情報を生成し、前記受信データを前記対象物の表面に対応させてマッピングしたテラヘルツ波情報から、前記推定情報を除去して、前記金属基体の表面の異常部を抽出す
    ことを特徴とする異常検出装置。
  2. 前記テラヘルツ波の周波数が0.3THz以上0.6THz以下である
    ことを特徴とする請求項に記載の異常検出装置。
  3. 金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の所定位置にテラヘルツ波を照射可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を走査可能なテラヘルツ波発信手段、前記対象物の前記所定位置において反射されたテラヘルツ波を受信可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能なテラヘルツ波受信手段、および、前記対象物の表面の前記所定位置の相対変位を計測して、前記対象物の表面の凹凸データを生成可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能な変位計測手段、を備えたテラヘルツ波計測手段と、
    前記テラヘルツ波受信手段によって得られた前記反射されたテラヘルツ波の受信データ、および前記変位計測手段によって得られた前記凹凸データに基づいて、前記凹凸データを前記対象物の表面に対応させてマッピングした変位情報に基づいて前記金属基体の表面が正常である場合に得られる推定情報を生成し、前記受信データを前記対象物の表面に対応させてマッピングしたテラヘルツ波情報から、前記推定情報を除去して、前記金属基体の表面の異常部を抽出する解析手段とが、
    ネットワークを介して前記受信データおよび前記凹凸データを送受信可能に構成されている
    ことを特徴とする異常検出システム。
  4. 金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面を走査しつつ所定位置にテラヘルツ波を照射する照射ステップと、
    前記対象物において前記所定位置で反射されたテラヘルツ波を前記対象物の表面の座標に関連付けしつつ受信する受信ステップと、
    前記対象物の表面を走査しつつ前記所定位置の相対変位を計測して、前記対象物の表面の凹凸データを座標に関連付けしつつ取得する変位計測ステップと、
    前記受信ステップにおいて得られた前記反射されたテラヘルツ波の受信データと、前記変位計測ステップにおいて得られた前記凹凸データとに基づいて、前記凹凸データを前記対象物の表面に対応させてマッピングした変位情報に基づいて前記金属基体の表面が正常である場合に得られる推定情報を生成し、前記受信データを前記対象物の表面に対応させてマッピングしたテラヘルツ波情報から、前記推定情報を除去して、前記金属基体の表面の異常部を抽出する解析ステップとを含む
    ことを特徴とする異常検出方法。
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