JP2020144005A - 異常検出装置、異常検出システム、および異常検出方法 - Google Patents

異常検出装置、異常検出システム、および異常検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】非金属層を除去することなく下地の金属基体の表面に生じた異常を検出すること。【解決手段】金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の所定位置にテラヘルツ波を照射可能に構成されているとともに、対象物の表面を走査可能なテラヘルツ波発信手段と、対象物の所定位置において反射されたテラヘルツ波の強度を検出可能に構成されているとともに、対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能なテラヘルツ波検出手段と、テラヘルツ波発信手段から互いに異なる少なくとも2種類の周波数のテラヘルツ波をそれぞれ出射し、テラヘルツ波検出手段が、少なくとも2種類の周波数のテラヘルツ波の反射波の強度をそれぞれ検出し、テラヘルツ波検出手段が検出した2種類の周波数のテラヘルツ波の反射波における強度差を算出して、算出した強度差の絶対値が所定値以下になった座標を、金属基体の表面の異常部として抽出する解析手段と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、テラヘルツ波を利用して対象物における異常を検出する異常検出装置、異常検出システム、および異常検出方法に関する。
従来、橋梁などの鋼構造物においては、金属材料からなる金属層の表面に、塗料に代表される樹脂などの非金属材料からなる非金属層が防食層として設けられる。非金属層の下層に存在する金属層の表面の例えば腐食減肉部などの異常を検出する最も簡易な方法は、非金属層を除去して目視で異常を確認する方法である。ところが、橋梁などにおいては、広い範囲を確認する必要があることから、非金属層を除去する作業には大きな手間を要する。そのため、非金属層を除去することなく金属層の表面の異常を検出する方法が求められている。
近年、研究開発が進んでいるテラヘルツ波イメージングが着目され、非破壊検査やセンシングなどへの応用が期待されている。テラヘルツ波は、樹脂などの非金属材料に照射するとほとんどが透過する一方、金属材料に照射するとほとんどが反射する性質を有する。このようなテラヘルツ波の性質を利用することによって、樹脂などからなる非金属層の下層に存在する金属層の表面の異常を検出する技術が検討されている。
例えば、非特許文献1には、テラヘルツ波の性質を利用して2次元イメージングが可能な、共鳴トンネルダイオード(RTD:Resonant Tunneling Diode)を用いた反射型光学系の電子デバイス方式によるイメージング装置が開示されている。非特許文献1に記載の技術によれば、金属層の上層に設けられた非金属層を除去することなく、下層の金属層の凹凸などの性状を測定して、画像化することができる。金属層の腐食減肉部などの異常部は滑らかではなく、ランダムな凹凸が生じていることから、テラヘルツ波を用いて金属層の表面の凹凸を計測することによって、異常部を検出できる。
上述した技術において、テラヘルツ波を利用して金属材料の表面の凹凸、すなわち表面までの距離を計測するためには、必要な計測分解能を得るために時間幅の小さなパルス波を利用する必要がある。ところが、テラヘルツ波のパルス波を利用するには、煩雑な機構が必要になる。そこで、テラヘルツ波を連続的に出射させる、いわゆるテラヘルツ連続波を利用する方法が検討された。テラヘルツ連続波は、テラヘルツ波のパルス波と異なり、煩雑な機構が不要である反面、時間情報を利用できないため、TOF(Time of Flight)による距離の計測が困難である。
山口淳、「テラヘルツイメージングシステムの開発」、PIONEER R&D(2014)
一方、腐食減肉部などの異常部においては、照射したテラヘルツ連続波が腐食減肉部の凹凸で散乱されることによって、反射波の強度が小さくなることが考えられる。そこで、テラヘルツ連続波の反射波の強度を計測することによって、対象物の表面の凹凸を評価する方法も検討された。しかしながら、金属材料からなる基体(以下、金属基体)の上層に非金属層が設けられた対象物に、非金属層側からテラヘルツ連続波を照射した場合、金属基体の表面での反射波と非金属層表面での反射波とが干渉するため、金属基体の表面に生じた腐食減肉部の凹凸形状に関する情報のみを取り出すことは極めて困難であった。このため、金属基体の表面の凹凸形状に関する情報を抽出して、金属基体の表面に生じている腐食減肉部などの異常部を検出できる技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物において、非金属層を除去することなく下地の金属基体の表面に生じた異常を検出できる異常検出装置、異常検出システム、および異常検出方法を提供することにある。
(1)上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る異常検出装置は、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の所定位置にテラヘルツ波を照射可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を走査可能なテラヘルツ波発信手段と、前記対象物の前記所定位置において反射されたテラヘルツ波の強度を検出可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能なテラヘルツ波検出手段と、前記テラヘルツ波発信手段から互いに異なる少なくとも2種類の周波数のテラヘルツ波をそれぞれ前記対象物の所定位置に照射し、前記テラヘルツ波検出手段が、前記少なくとも2種類の周波数のテラヘルツ波が前記対象物によって反射されたそれぞれの反射波の強度をそれぞれ検出した場合に、前記テラヘルツ波検出手段が検出した2種類の周波数のテラヘルツ波のそれぞれの反射波の強度から強度差を算出して、前記算出した強度差の絶対値が所定値以下になった座標を、前記金属基体の表面の異常部として抽出する解析手段と、を備えることを特徴とする。
(2)本発明の一態様に係る異常検出装置は、上記(1)の発明において、前記少なくとも2種類の周波数が互いに異なる周波数の第1周波数および第2周波数を含み、前記第1周波数は、前記テラヘルツ波発信手段が前記対象物に対して前記金属基体の表面の前記異常部ではない健全部に前記テラヘルツ波を照射した場合に、前記テラヘルツ波の第1反射波の強度が極大になる周波数であり、前記第2周波数は、前記テラヘルツ波発信手段が前記対象物に対して前記金属基体の前記健全部に前記テラヘルツ波を照射した場合に、前記テラヘルツ波の第2反射波の強度が極小になる周波数であることを特徴とする。
(3)本発明の一態様に係る異常検出装置は、上記(1)または(2)の発明において、前記所定値は、前記テラヘルツ波検出手段によって関連付けされた座標ごとに前記解析手段によって算出された離散的な強度差の絶対値と、前記算出された離散的な強度差の絶対値のそれぞれの座標の数とから生成される強度差の絶対値分布において、前記座標の数が極小になり、かつ前記強度差の絶対値が最小となる値であることを特徴とする。
(4)本発明の一態様に係る異常検出システムは、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の所定位置にテラヘルツ波を照射可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を走査可能なテラヘルツ波発信手段と、前記対象物の前記所定位置において反射されたテラヘルツ波の強度を検出可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能なテラヘルツ波検出手段とを備えたテラヘルツ波計測手段と、前記テラヘルツ波発信手段から互いに異なる少なくとも2種類の周波数のテラヘルツ波をそれぞれ前記対象物の所定位置に照射し、前記テラヘルツ波検出手段が、前記対象物によって前記少なくとも2種類の周波数のテラヘルツ波が反射されたそれぞれの反射波の強度をそれぞれ検出した場合に、前記テラヘルツ波検出手段が検出した2種類の周波数のテラヘルツ波のそれぞれの反射波の強度から強度差を算出して、前記算出した強度差の絶対値が所定値以下になった座標を、前記金属基体の表面の異常部として抽出する解析手段とが、ネットワークを介して前記強度のデータを送受信可能に構成されていることを特徴とする。
(5)本発明の一態様に係る異常検出方法は、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の所定位置にテラヘルツ波を照射可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を走査可能なテラヘルツ波発信手段によって、前記対象物に第1周波数のテラヘルツ波を照射する第1照射ステップと、前記対象物の前記所定位置において反射されたテラヘルツ波の強度を検出可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能なテラヘルツ波検出手段によって、前記対象物によって反射された前記第1周波数のテラヘルツ波の反射波の強度を検出する第1検出ステップと、前記テラヘルツ波発信手段によって、前記対象物の表面に前記第1周波数とは異なる第2周波数のテラヘルツ波を照射する第2照射ステップと、前記テラヘルツ波検出手段によって、前記対象物で反射された前記第2周波数のテラヘルツ波の反射波の強度を検出する第2検出ステップと、前記第1検出ステップにおいて検出された前記所定位置のテラヘルツ波の反射波の強度と、前記第2検出ステップにおいて検出された前記所定位置のテラヘルツ波の反射波の強度との強度差を算出して、前記算出した強度差の絶対値が所定値以下になった座標を、前記金属基体の表面の異常部として抽出する解析ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明に係る異常検出装置、異常検出システム、および異常検出方法によれば、金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物に、非金属層側からテラヘルツ波を照射してテラヘルツ波の反射波の強度を計測する場合に、非金属層を除去することなく下地の金属基体の表面に生じた異常を検出することが可能になる。
図1は、本発明の一実施形態による異常検出装置の全体構成を示す図である。 図2は、従来技術の問題点を説明するための異常検出装置1の構成を概略的に示すブロック図である。 図3は、従来技術の問題点を説明するための異常検出装置1の構成を概略的に示すブロック図である。 図4は、テラヘルツ波の反射波L21の測定位置での強度I1(x,y)、および反射波L22の測定位置での強度I2(x,y)を示す図である。 図5は、(a)反射波L21の強度I1(x,y)のイメージ画像の例、(b)反射波L21の強度I2(x,y)のイメージ画像の例、および(c)強度差ΔIのイメージ画像の例を示す図である。 図6は、画素における座標ごとの(a)反射波L21の強度I1(x,y)の値、(b)反射波L22の強度I2(x,y)の値、および(c)強度差ΔIの絶対値の例を示す図表である。 図7は、異常部と判定する閾値αthの設定方法を説明するための図6(c)に対応した強度差の絶対値ごとの座標数の強度差絶対値分布のグラフである。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の一実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。また、本発明は以下に説明する一実施形態によって限定されるものではない。
(異常検出装置)
まず、本発明の一実施形態による異常検出装置について説明する。図1は、一実施形態による異常検出装置1の構成を示すブロック図である。図1に示すように、一実施形態による異常検出装置1は、テラヘルツ波発信器10、テラヘルツ波検出器20、および解析制御部30を備える。なお、一実施形態において検査の対象となる対象物80は、金属基体としての鋼材81の上層に、非金属層としての各種の樹脂からなる被覆層82が設けられている。被覆層82は、金属基体の表面である下地の鋼面81aに対する防食層として機能するものが好ましいが、接着剤などであってもよい。なお、対象物80としては、例えば塗覆装を有する鋼構造物のほか、アルミニウム(Al)やステンレス鋼(SUS)などの金属材料からなる基体の所定の面を下地として、下地の上層に非金属層が形成された種々の物体とすることができる。
一実施形態による異常検出装置1は、対象物80の表面にテラヘルツ波を入射波L1として照射可能に構成されているとともに、対象物80を反射したテラヘルツ波の反射波L2を検出可能に構成された反射型のテラヘルツ波計測装置から構成される。すなわち、異常検出装置1は、テラヘルツ波発信手段とテラヘルツ波検出手段とを兼ね備える。ここで、テラヘルツ波は、1テラヘルツ(1THz=1012Hz)前後、具体的には、100GHz〜10THz(1011〜1013Hz)オーダーの周波数領域である、いわゆるテラヘルツ領域に属する電磁波である。テラヘルツ領域は、光の直進性と電磁波の透過性を兼ね備えた周波数領域である。本実施形態においては、テラヘルツ波の波長は、下地となる鋼面81aに形成される腐食減肉が生じている部分、すなわち異常部において予想される表面粗度に応じて選定できる。例えば、予想される異常部の表面粗度が10μm〜数100μm程度であれば、10μm〜数100μm程度の表面粗度において散乱する波長を選定するのが好ましい。この場合、テラヘルツ波の周波数は、例えば3THz以上30THz以下であるが、必ずしもこの範囲に限定されるものではない。なお、テラヘルツ波の波長は、必要に応じて被覆層82内における波長によって規定してもよい。
テラヘルツ波発信手段としてのテラヘルツ波発信器10は、例えば共鳴トンネルダイオード(RTD:Resonant Tunneling Diode)などを備えて構成されるテラヘルツ波発生素子11、半球レンズ12、コリメートレンズ13、および対物レンズ14を有する。なお、共鳴トンネルダイオードの代わりに、光伝導アンテナ(PCA:Photo Conductive Antenna)を用いてもよい。テラヘルツ波発信器10は直線状に配置された光学系を構成しているが、必ずしも直線状に配置される場合に限定されず、テラヘルツ波発生素子11から出射されたテラヘルツ波を反射する反射ミラーなどをさらに備えてテラヘルツ波を屈曲させる光学系であってもよい。テラヘルツ波発信器10からなる発信光学系は、テラヘルツ波を、対象物80の面に対して所定角度θ0で照射可能、かつ対象物80の表面を走査可能に構成されている。ここで、所定角度θ0は、0度以上90度未満(0°≦θ0<90°)である。所定角度θ0が0°の場合、テラヘルツ波は対象物80の表面に対して垂直に入射する。
テラヘルツ波検出器20は、例えばRTDからなるテラヘルツ波検出素子21と、半球レンズ22と、集光レンズ23とを有して構成される。テラヘルツ波検出器20は、テラヘルツ波検出素子21によってテラヘルツ波の反射波L2を受信可能な状態で、異常検出装置1に設けられている。テラヘルツ波検出器20は直線状に配置された光学系を構成しているが、必ずしも直線状に配置される場合に限定されず、反射波L2を反射する反射ミラーなどをさらに備えてテラヘルツ波を屈曲させる光学系であってもよい。テラヘルツ波検出器20が検出した反射波L2における対象物80の反射位置は、鋼面81aに設定された座標(x,y)の情報として、後述する解析制御部30に出力される。また、テラヘルツ波検出器20が検出した反射波L2の強度I(x,y)は、座標に関連付けされて解析制御部30に出力される。
解析手段としての解析制御部30は、信号増幅部31、バイアス生成部32、ロックイン検出部33、解析処理部34、および記憶部35を備える。解析制御部30は、テラヘルツ波発信器10に対する各種制御を行う。また、解析制御部30は、テラヘルツ波検出器20によって検出されたテラヘルツ波の信号に対して、各種処理を行う。信号増幅部31は、テラヘルツ波検出器20によって検出された信号を増幅し、テラヘルツ波受信データとしてロックイン検出部33に出力する。バイアス生成部32は、バイアス電圧を生成してテラヘルツ波発生素子11およびテラヘルツ波検出素子21をバイアスすることによって、バイアス電圧に応じて発信するテラヘルツ波、または検出されたテラヘルツ波を変化させる。テラヘルツ波発生素子11およびテラヘルツ波検出素子21によって発信または検出されたテラヘルツ波は、微弱な場合もある。この場合、テラヘルツ波の検出にはロックイン検出が用いられる。ロックイン検出の際、テラヘルツ波発信器10においては、テラヘルツ波発生素子11のバイアス電圧として変調された参照信号が用いられることにより、テラヘルツ波の検出信号のノイズ成分が除去される。記憶部35は、検出されたテラヘルツ波受信データ、特にテラヘルツ波の反射波L2の強度I(x,y)のデータを格納する。解析処理部34は、記憶部35に格納されたテラヘルツ波受信データに対して、種々の解析処理を行う。
(異常検出方法)
次に、以上のように構成された異常検出装置1による異常検出方法について説明する。まず、従来技術の問題点について詳細に説明する。図2および図3は、従来技術の問題点を説明するための異常検出装置1の構成を概略的に示すブロック図である。
図2に示すように、金属基体である鋼材81の鋼面81aに腐食が生じていない場合、腐食が生じていない部分(以下、健全部)は平滑であるため、健全部におけるテラヘルツ波の反射波は正反射の方向に進む。そのため、テラヘルツ波の入射波L1に対して正反射の方向にテラヘルツ波検出器20を設けると、健全部におけるテラヘルツ波の反射波L2は、テラヘルツ波検出器20によって強い信号として検出される可能性が高い。
一方、図3に示すように、鋼材81の鋼面81aに腐食減肉が生じ、異常部としての腐食部81abが存在している場合、腐食部81abへのテラヘルツ波の入射波L1に対する反射波L2は散乱するため反射方向が一定にならない。テラヘルツ波の反射波L2を検出する場合、テラヘルツ波検出器20は、正反射を想定した位置に配置される。そのため、腐食部81abへの入射波L1に対する反射波L2は、テラヘルツ波検出器20によって弱い信号として検出される可能性が高くなる。
さらに、対象物80の被覆層82の側からテラヘルツ波の連続波を照射して鋼材81の鋼面81aの測定を行う場合、被覆層82の表面82aでの反射波と鋼材81の鋼面81aでの反射波とによって干渉が生じる。ここで、被覆層82の厚さが均一ではないことから、テラヘルツ波の干渉現象に起因して、健全部であっても、測定位置によっては検出される反射波L2の強度が変化する。また、被覆層82の下層に腐食部81abが存在する位置であっても、腐食部81abにおいて反射波L2が存在することから、テラヘルツ波の干渉現象が生じる。
このように、テラヘルツ波の連続波を用いて被覆層82の下地の鋼面81aを測定する場合、腐食部81abの有無に関わらず、検出するテラヘルツ波の強度において大小が生じる。そのため、上述した異常検出装置1のテラヘルツ波発信器10およびテラヘルツ波検出器20を一体に走査させて、検出したテラヘルツ波の反射波L2の強度の分布を測定すると、強度の大小が入り乱れた分布になる。ここで、検出した反射波L2の強度が大きいほど明るくし、強度が小さいほど暗くするようなグレースケールで画像化すると、反射波L2の強度の大小が入り乱れた状態は、明暗模様として現れる。そのため、異常検出装置1によって対象物80を測定した結果を単に画像化するだけでは、腐食部81abの有無の判別も存在位置の抽出も極めて困難である。
そこで、本発明者が鋭意検討を行った結果、対象物80における同じ測定位置において、少なくとも2種類の異なる周波数のテラヘルツ波をそれぞれ独立に照射する方法を想到するに至った。具体的には、2種類の周波数における一方の第1周波数の入射波L11に対しては、第1反射波としての反射波L21が検出される。他方の第2周波数の入射波L12に対しては、第2反射波としての反射波L22が検出される。従来は、テラヘルツ波を被覆層82側から対象物80に照射して反射波L21,L22の強度を計測すると、測定位置が鋼材81の健全部81aaであっても腐食部81abであっても反射波L21,L22の強度には大小が生じ、腐食部81abの判別や抽出を困難にしていた。
本発明者はさらに鋭意検討を行い、少なくとも2種類の反射波をそれぞれ独立して計測して、それらの反射波の強度の差分を用いる方法を案出した。すなわち、本発明者は、反射波L21,L22の強度の大小の発生原理について種々検討を行い、健全部81aaと腐食部81abにおいて反射波L21,L22の強度の大小の発生原理が異なることに着目した。具体的には、測定位置における鋼材81の鋼面81aが健全部81aaである場合、被覆層82の表面82aによる反射波と鋼材81の鋼面81aによる反射波とによって干渉が生じ、被覆層82の厚さに応じて強度が変化する。これに対し、測定位置における鋼材81の鋼面81aが腐食部81abである場合、反射波は表面の凹凸で散乱するため、強度が小さくなるように変化する。
上述した原理に基づくと、健全部81aaにおける反射波の強度の変化は、測定に使用するテラヘルツ波の周波数に依存する。換言すると、健全部81aaで反射した反射波の強度の変化は、干渉が生じるテラヘルツ波の経路差と波長すなわち周波数とによって決定される。そのため、健全部81aaに照射するテラヘルツ波の波長を変化させると、干渉によってテラヘルツ波の反射波の強度は、波長に応じて変化する。一方、腐食部81abで反射した反射波の強度の変化は、測定に使用するテラヘルツ波の周波数に依存しない。換言すると、腐食部81abに照射するテラヘルツ波の波長、すなわち周波数を変化させても、反射波の強度はほとんど変化しない。そのため、腐食部81abにおいては、入射波L11,L12の周波数に関わらず反射波L21,L22の強度は小さくなる可能性が高い。このため、波長が異なる反射波L21,L22の強度の差分の絶対値が所定値以下、好適には略0になる測定位置においては、腐食部81abが存在する可能性が高いと判定できる。
具体的には、まず、対象物80の表面82aに対してテラヘルツ波発信器10およびテラヘルツ波検出器20を一体に走査させる。この走査は、テラヘルツ波の周波数を変えて少なくとも2回実行する。これにより、少なくとも2通りの反射波L2(L21,L22)の強度が検出される。
その後、解析制御部30によって、測定位置ごとに検出したテラヘルツ波の反射波L2の強度の分布を画像化する。または、解析制御部30によって、測定位置ごとに検出したテラヘルツ波の反射波L2の強度を画像の画素に当てはめて、強度の分布を画像化する。画像化においては、例えば、反射波L2の強度が大きいほど明るくし強度が小さいほど暗くする。この場合、画素の輝度が高いほど反射波L2の強度が大きく、輝度が低いほど反射波L2の強度が小さいことになる。以上の画像化の処理を、少なくとも2通りの反射波L2(L21,L22)について行う。
ここで、対象物80に照射する少なくとも2通りの周波数は、互いに異なる周波数であって、以下の(1)式および(2)式にそれぞれ示す周波数f1(k)およびf2(l)を選択することが好ましい。
テラヘルツ波の反射波の干渉によって強度が大きくなる条件(強度の極大条件)
Figure 2020144005
θ0:入射角、k:任意の整数、c:真空での光速度、d:被覆層82の厚さ、n:被覆層82の絶対屈折率
テラヘルツ波の反射波の干渉によって強度が小さくなる条件(強度の極小条件)
Figure 2020144005
θ0:入射角、l:任意の整数、c:真空での光速度、d:被覆層82の厚さ、n:被覆層82の絶対屈折率
なお、(1)式および(2)式において、真空での光速度cの代わりにテラヘルツ波が被覆層82を通過する際のテラヘルツ波の伝搬速度vを用いてもよい。伝搬速度vは、被覆層82の屈折率nから算出したり、被覆層82内を通過するテラヘルツ波を計測したりすることにより導出できる。被覆層82の厚さdは、実際に計測した複数の計測箇所における厚さの平均を算出したり、設計による仕様厚さにしたりすることで導出できる。
次に、異常検出方法の具体的な方法について説明する。図4は、テラヘルツ波を対象物80に照射した際の、(a)入射波L11に対する反射波L21の測定位置での強度、および(b)入射波L12に対する反射波L22の測定位置での強度を示す図である。本実施形態においては、図4(a)に示すように、異常検出装置1のテラヘルツ波発信器10を用いて、第1照射ステップとして対象物80の所定の測定位置の座標(x,y)に、第1周波数としての周波数f1(k)のテラヘルツ波を照射する。これに伴って、周波数f1(k)のテラヘルツ波の入射波L11は反射波L21として反射され、第1検出ステップとして、テラヘルツ波検出器20が対象物80で反射された反射波L21の強度I1(x,y)を計測する。同様に、図4(b)に示すように、異常検出装置1のテラヘルツ波発信器10を用いて、第2照射ステップとして対象物80の所定の測定位置の座標(x,y)に、第2周波数としての周波数f2(l)のテラヘルツ波を照射する。これに伴って、周波数f2(l)のテラヘルツ波の入射波L12は反射波L22として反射され、第2検出ステップとして、テラヘルツ波検出器20が対象物80で反射された反射波L22の強度I2(x,y)を計測する。
解析処理部34は、入力された反射波L21の強度I1(x,y)に基づいてイメージ画像を作成する。この場合、強度I1(x,y)の測定座標に対応した位置の画素の輝度に変換したイメージ画像とすることが好ましい。解析処理部34が作成したイメージ画像の例を図5(a)に示す。図5(a)に示すイメージ画像210においては、健全部81aaにおける輝度の変化は小さく、画素の輝度が他と大きく異なる部分である輝度相違部211が存在する。また、イメージ画像210においては、腐食部81abが存在していても、画素の輝度は他と大きく異ならない部分212が存在する。なお、反射波L21は、健全部81aaにおいて強度I1(x,y)が大きくなる反射波である。
同様に、解析処理部34は、入力された反射波L22の強度I2(x,y)に基づいてイメージ画像を作成する。この場合も、反射波L22の強度I2(x,y)を測定座標に対応した位置の画素の輝度に変換したイメージ画像にすることが好ましい。解析処理部34が作成したイメージ画像の例を図5(b)に示す。図5(b)に示すイメージ画像220においては、健全部81aaにおける輝度の変化は小さく、画素の輝度が他と大きく異なる部分である輝度相違部221が存在する。また、イメージ画像220においては、腐食部81abが存在していても、画素の輝度は他と大きく異ならない部分222も存在する。なお、反射波L22は、健全部81aaにおいて強度I2(x,y)が小さくなる反射波である。
次に、図5(a)および図5(b)に示す輝度分布に関連した強度分布について説明する。図6(a)および図6(b)はそれぞれ、図5(a)および図5(b)に示す輝度分布に対応する反射波の強度を示す表である。図6(a)および図6(b)においては、説明の簡略化のために、X軸方向とY軸方向とにおいてそれぞれ5つの座標を設定して、測定位置数を25点とし、強度を最小値が0から最大値が7までの整数として表した例を示す。なお、測定位置の数については、種々の数とすることができる。また、隣り合う測定位置の間隔においては、例えば数mm〜数10cmなどの種々の間隔とすることができる。反射波の強度については、最小値と最大値とを設定した上で、強度の段階の間隔も種々の値に設定することができる。図6(a)に示す表は、強度の最大値を7、最小値を0として、強度の段階の間隔を整数の1とした例である。図6(a)に示す例においては、例えば座標(x2,y3)での反射波L21の強度I1(x2,y3)が「7」であることを示す。同様に、図6(b)に示す例においては、例えば座標(x2,y3)での反射波L22の強度が「1」であることを示す。
次に、解析ステップとして、以下の(3)式のように、解析制御部30の解析処理部34は、2通りの周波数f1(k),f2(l)のテラヘルツ波を同一の座標(x,y)にそれぞれ照射して、得られたそれぞれの反射波L21,L22の強度(I1(x,y),I2(x,y))の差(強度差ΔI)の絶対値を算出する。
ΔI=|I1(x,y)−I2(x,y)|…(3)
ここで、図6(a)および図6(b)に示す強度I(x,y)の例の表から、強度差の絶対値ΔIを算出した結果の表を図6(c)に示す。図6(c)に示すように、強度差の絶対値ΔIが、それぞれの座標(x,y)ごとに導出される。解析処理部34は、強度差の絶対値ΔIが所定の閾値αth以下になった座標(x,y)に腐食部81abが存在すると判定する。
ここで、健全部81aaと腐食部81abとを判定するための所定の閾値αthの設定方法の一例について説明する。図7は、腐食部と判定するための閾値αthの設定方法を説明するための図6(c)における強度差の絶対値ΔIに対応した座標数の強度差絶対値分布のグラフである。図7に示すグラフの横軸は離散的な強度差の絶対値ΔIであり、縦軸はそれぞれの離散的な強度差の絶対値ΔIにおいて出現した測定位置の座標(x,y)の数(以下、座標数)である。すなわち、図7は、図6(c)の表において、強度差の絶対値ΔIが0となった座標数が5点、強度差の絶対値ΔIが1となった座標数が1点のように、データをプロットしたものである。なお、強度差の絶対値ΔIの代わりに、イメージ画像を構成するそれぞれの画素における輝度を用いてもよく、この場合には、座標数の代わりに画素数が用いられる。
解析処理部34は、図7に示す座標数と強度差の絶対値ΔIとのデータをプロットした点に対して、例えばスプライン補間やn次の多項式を用いた最小二乗近似を行うことによって、データの平滑化を行う。その後、解析処理部34は、平滑化して得られたグラフ(図7中、曲線)において、座標数の極小点を抽出し、原点0に最も近い極小点における強度差の絶対値ΔIを所定の閾値αthに設定する。すなわち、座標数が極小、かつ強度差の絶対値が最小となる値を閾値αthに設定する。図7に示すグラフにおいて閾値αthは約1.5である。解析処理部34は、図6(c)に示す例において、強度差の絶対値ΔIが閾値αthの1.5以下の座標(x,y)の位置に腐食部81abが存在していると判定する。図6(c)に示す例では、強度差の絶対値ΔIが「0」である、座標(x1,y4)、座標(x3,y3)、座標(x3,y4)、座標(x4,y3)、および座標(x4,y4)と、強度差ΔIが「1」である座標(x1,y5)とにおいて、腐食部81abが存在していると判定される。なお、閾値αthとして、任意に設定することも可能である。この場合、閾値αthは、略0とすることが好ましい。
図5(c)は、図5(a)および図5(b)から得られる、強度差の絶対値ΔIのイメージ画像の図である。図5(c)は、図6(c)に対応して、強度差の絶対値ΔIが閾値αth以下の部分と閾値αthより大きい部分とで2値化したイメージ画像である。解析処理部34は、図5(a)における輝度と図5(b)における輝度との差分を算出することによって、図5(c)に示すイメージ画像230を導出し、強度差の絶対値ΔIが閾値αth以下の部分231,232を、腐食部81abが存在している部分であると判定する。
以上説明した一実施形態によれば、テラヘルツ波を対象物80の所定位置に照射し、反射したテラヘルツ波の反射波の強度を計測するステップを、少なくとも2種類の異なる波長(周波数)のテラヘルツ波を用いて行い、これらの2種類の反射波の強度の差の絶対値が閾値αth以下の部分を腐食部81abとして抽出していることにより、鋼材81の上層に、各種の樹脂からなる被覆層82が設けられていたとしても、被覆層82を除去することなく、鋼材81の腐食部81abを検出することができる。
以上、本発明の一実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施形態において挙げた異常検出装置の構成はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成の装置を用いてもよい。また、本発明は、上述した一実施形態による本発明の開示の一部をなす記述および図面により限定されない。
また、上述した一実施形態においては、2通りの周波数のテラヘルツ波をそれぞれ、対象物80の同じ座標(x,y)に照射して、反射波L21,L22の強度を計測している。この点、対象物80に照射するテラヘルツ波の周波数としては、周波数f1(k),f2(l)の2通りに限定されるものではなく、上述した(1)式および(2)式以外の周波数f3(m)(m:任意の整数)を用いてもよい。また、テラヘルツ波発信器10およびテラヘルツ波検出器20の走査を3回実行し、走査ごとに採用する周波数として3通りの周波数f1(k),f2(l),f3(m)を用いてもよい。3通りの周波数f1(k),f2(l),f3(m)を用いる場合、周波数f3(m)は、以下の(4)式に示す周波数f3(m)とするのが好ましい。
3(m)={f1(m)+f2(m)}/2…(4)
すなわち、まず、3通りの周波数のテラヘルツ波をそれぞれ、対象物80の同じ座標(x,y)に照射して、3つの反射波の強度I1(x,y),I2(x,y),I3(x,y)を計測する。次に、測定した3通りの反射波の強度から2通りの反射波の強度を順次選択して、以下の(5−1)式〜(5−3)式に従って3通りの強度差の絶対値ΔI1,ΔI2,ΔI3を算出する。算出した3つの強度差の絶対値ΔI1,ΔI2,ΔI3を用いて、それぞれ上述した異常検出方法を3通りで実行することにより、腐食部81abをより高精度に検出することが可能となる。
ΔI1=|I1(x,y)−I2(x,y)|…(5−1)
ΔI2=|I2(x,y)−I3(x,y)|…(5−2)
ΔI3=|I3(x,y)−I1(x,y)|…(5−3)
また、4通り以上の周波数を用いることも可能である。使用するテラヘルツ波の周波数を4通り以上にする場合においても、上述した周波数f1(k),f2(l)を含むことが好ましい。上述した周波数f1(k),f2(l)においては、テラヘルツ波の反射波の干渉によって、最も強め合う場合の強度と、最も弱め合う場合の強度との差が最大になり、それぞれの反射波L2の強度の差を大きくできるためである。
例えば、上述した一実施形態においては、異常検出装置1について説明したが、必ずしも全てを備える構成に限定されない。すなわち、テラヘルツ波発信器10、およびテラヘルツ波検出器20を一体のテラヘルツ波計測器とすることも可能である。この場合、解析制御部30は、パーソナルコンピュータなどから構成してもよい。テラヘルツ波計測器と解析制御部30とを別体に構成する場合、テラヘルツ波計測器と解析制御部30との間において、LAN通信、またはインターネットなどの種々のネットワークを介してデータを送受信可能に構成することが可能である。すなわち、テラヘルツ波計測器によって、対象物80の表面からのテラヘルツ波の反射波の強度を計測し、ネットワークを介して別体の解析制御部30に強度のデータを供給するように構成してもよい。この場合、テラヘルツ波計測手段としてのテラヘルツ波計測器と解析制御部30とによって、異常検出システムが構成される。
1 異常検出装置
10 テラヘルツ波発信器
11 テラヘルツ波発生素子
20 テラヘルツ波検出器
21 テラヘルツ波検出素子
30 解析制御部
34 解析処理部
35 記憶部
80 対象物
81 鋼材
81a 鋼面
81aa 健全部
81ab 腐食部
82 被覆層
82a 表面
210,220,230 イメージ画像
211,221 輝度相違部
1,L11,L12 入射波
2,L21,L22 反射波
ΔI,ΔI1,ΔI2,ΔI3 強度差の絶対値
αth 閾値

Claims (5)

  1. 金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の所定位置にテラヘルツ波を照射可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を走査可能なテラヘルツ波発信手段と、
    前記対象物の前記所定位置において反射されたテラヘルツ波の強度を検出可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能なテラヘルツ波検出手段と、
    前記テラヘルツ波発信手段から互いに異なる少なくとも2種類の周波数のテラヘルツ波をそれぞれ前記対象物の所定位置に照射し、前記テラヘルツ波検出手段が、前記少なくとも2種類の周波数のテラヘルツ波が前記対象物によって反射されたそれぞれの反射波の強度をそれぞれ検出した場合に、前記テラヘルツ波検出手段が検出した2種類の周波数のテラヘルツ波のそれぞれの反射波の強度から強度差を算出して、前記算出した強度差の絶対値が所定値以下になった座標を、前記金属基体の表面の異常部として抽出する解析手段と、を備える
    ことを特徴とする異常検出装置。
  2. 前記少なくとも2種類の周波数が互いに異なる周波数の第1周波数および第2周波数を含み、
    前記第1周波数は、前記テラヘルツ波発信手段が前記対象物に対して前記金属基体の表面の前記異常部ではない健全部に前記テラヘルツ波を照射した場合に、前記テラヘルツ波の第1反射波の強度が極大になる周波数であり、
    前記第2周波数は、前記テラヘルツ波発信手段が前記対象物に対して前記金属基体の前記健全部に前記テラヘルツ波を照射した場合に、前記テラヘルツ波の第2反射波の強度が極小になる周波数である
    ことを特徴とする請求項1に記載の異常検出装置。
  3. 前記所定値は、前記テラヘルツ波検出手段によって関連付けされた座標ごとに前記解析手段によって算出された離散的な強度差の絶対値と、前記算出された離散的な強度差の絶対値のそれぞれの座標の数とから生成される強度差の絶対値分布において、前記座標の数が極小になり、かつ前記強度差の絶対値が最小となる値である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の異常検出装置。
  4. 金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の所定位置にテラヘルツ波を照射可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を走査可能なテラヘルツ波発信手段と、前記対象物の前記所定位置において反射されたテラヘルツ波の強度を検出可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能なテラヘルツ波検出手段とを備えたテラヘルツ波計測手段と、
    前記テラヘルツ波発信手段から互いに異なる少なくとも2種類の周波数のテラヘルツ波をそれぞれ前記対象物の所定位置に照射し、前記テラヘルツ波検出手段が、前記対象物によって前記少なくとも2種類の周波数のテラヘルツ波が反射されたそれぞれの反射波の強度をそれぞれ検出した場合に、前記テラヘルツ波検出手段が検出した2種類の周波数のテラヘルツ波のそれぞれの反射波の強度から強度差を算出して、前記算出した強度差の絶対値が所定値以下になった座標を、前記金属基体の表面の異常部として抽出する解析手段とが、
    ネットワークを介して前記強度のデータを送受信可能に構成されている
    ことを特徴とする異常検出システム。
  5. 金属基体の上層に非金属層が設けられた対象物の表面の所定位置にテラヘルツ波を照射可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を走査可能なテラヘルツ波発信手段によって、前記対象物に第1周波数のテラヘルツ波を照射する第1照射ステップと、
    前記対象物の前記所定位置において反射されたテラヘルツ波の強度を検出可能に構成されているとともに、前記対象物の表面を座標に関連付けしつつ走査可能なテラヘルツ波検出手段によって、前記対象物によって反射された前記第1周波数のテラヘルツ波の反射波の強度を検出する第1検出ステップと、
    前記テラヘルツ波発信手段によって、前記対象物の表面に前記第1周波数とは異なる第2周波数のテラヘルツ波を照射する第2照射ステップと、
    前記テラヘルツ波検出手段によって、前記対象物で反射された前記第2周波数のテラヘルツ波の反射波の強度を検出する第2検出ステップと、
    前記第1検出ステップにおいて検出された前記所定位置のテラヘルツ波の反射波の強度と、前記第2検出ステップにおいて検出された前記所定位置のテラヘルツ波の反射波の強度との強度差を算出して、前記算出した強度差の絶対値が所定値以下になった座標を、前記金属基体の表面の異常部として抽出する解析ステップと、を含む
    ことを特徴とする異常検出方法。
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