JP2019157762A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】 1つの気筒内に2つのピストンを配置して圧縮比を変更可能とし、熱効率を向上させることができる内燃機関を提供する【解決手段】 円筒状の空洞11aが穿設された大ピストン11と、空洞11aに摺動可能に設けられた小ピストン12と、小コンロッド14の動きをクランクアーム15に伝達するための伝達部材16と、伝達部材16の動きを規制する第1及び第2規制部材21,22と、第1及び第2規制部材21,22の、伝達部材16に対する相対位置を移動させる規制部材駆動機構30とを備える。大ピストン11の動きが大コンロッド13、伝達部材16、及び小コンロッド14を介して小ピストン12に伝達される。小ピストン12の上死点位置は、第1及び第2規制部材21,22の位置を変更することによって変更可能である。【選択図】 図1

Description

本発明は、圧縮比を変更可能な内燃機関に関し、特に1つの気筒内に2つのピストンを備える内燃機関に関する。
特許文献1には、1つの気筒内に大ピストンと小ピストンとを備え、膨張行程における燃焼室容積の変化特性を変更可能とした内燃機関が示されている。具体的には、大ピストンの内側に円筒状の空洞が設けられ、その空洞内を摺動可能に小ピストンが配置される。大ピストンに回転自在に連結されるコンロッドの小端部において揺動可能なカムが設けられ、大ピストンの上下運動によって、カムが左右に揺動し、小ピストンが空洞内を上下に駆動される。
上記内燃機関では、小ピストンの動きによって、膨張行程の前半で燃焼室容積の増加率を低下させ、後半で燃焼室容積の増加率を高める動作が行われる。これによって、膨張行程の後半における後燃えによる緩慢な熱発生を有効な仕事に変換し、熱効率を向上させる効果が得られる。
特開昭60−216053号公報
上記従来の内燃機関は、膨張行程における燃焼室容積の増加率を変更するものであり、圧縮比を変更可能なものではない。したがって、圧縮比を変更可能として熱効率を向上させる上で改善の余地があった。
本発明はこの点に着目してなされたものであり、1つの気筒内に2つのピストンを配置して圧縮比を変更可能とし、熱効率を向上させることができる内燃機関を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、気筒(3)内に配置され、円筒状の空洞(11a)が穿設された大ピストン(11)と、前記空洞(11a)に摺動可能に設けられた小ピストン(12)と、前記気筒(3)を構成するシリンダブロック(2)及びシリンダヘッドと、クランク軸(50)とを備え、前記シリンダブロック(2)及びシリンダヘッドの内壁、前記大ピストン(11)の頂面、及び小ピストン(12)の頂面によって燃焼室が画成される内燃機関であって、前記大ピストン(11)と、前記クランク軸(50)に固定されたクランクアーム(15)とを回転自在に連結する大コンロッド(13)と、小端部(14a)において前記小ピストン(12)と回転自在に連結される小コンロッド(14)と、前記小コンロッド(14)の動きを前記クランクアーム(15)に伝達するための伝達部材(16)と、該伝達部材(16)の動きを規制する規制部材(21,22)と、前記規制部材(21,22)の、前記伝達部材(16)に対する相対位置を移動させる規制部材駆動機構(30)とを備え、前記伝達部材(16)は、前記小コンロッド(14)の大端部(14b)と回転自在に連結される小コンロッド連結部(41)と、前記大コンロッド(13)の大端部(13b)と前記クランクアーム(15)との連結部に回転自在に連結されるクランクアーム連結部(42)と、前記燃焼室内で発生する燃焼によって前記小ピストン(12)に加わる駆動力を前記クランクアーム(15)と一体に設けられたカウンタウエイト部(17)に伝達する駆動力伝達部(16c)とを備え、前記規制部材(21,22)の前記相対位置を調整することによって、前記伝達部材(16)の動きを規制し、前記大コンロッド(13)の動きに対応した前記伝達部材(16)の動きを変化させ、前記小ピストン(12)の上死点位置を変更可能に構成されていることを特徴とする内燃機関を提供する。
この構成によれば、大ピストンの下死点から上死点に向かう動きが大コンロッド、伝達部材、及び小コンロッドを介して小ピストンに伝達され、小ピストンも下死点から上死点に向かって移動する。このとき小ピストンの上死点位置は、規制部材の相対位置に依存して変更可能であり、上死点位置が最も高い(大ピストンのピストン頂面位置に近い)状態とすることで圧縮比を最大とし、上死点位置が最も低い状態とすることで圧縮比を最小とすることができる。圧縮比を高めることによって、熱効率を向上させることが可能となる。また規制部材の相対位置調整は、内燃機関の運転中に行うことが可能であり、内燃機関の運転状態に応じて圧縮比を変更することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関において、前記カウンタウエイト部(17)は、前記駆動力伝達部(16c)とスプラグ(18a)を介して係合する駆動力被伝達部(18)を備え、前記燃焼室内における燃焼によって前記小ピストン(12)に駆動力が印加されたときに、前記伝達部材(16)を介して前記カウンタウエイト部(17)へ前記駆動力が伝達されることを特徴とする。
この構成によれば、燃焼によって小ピストンに加わる駆動力が、伝達部材の駆動力伝達部及びカウンタウエイト部の駆動力被伝達部を介してクランク軸の駆動トルクに変換され、大ピストンが上死点に達する前から内燃機関の駆動トルクを発生させることが可能となる。またスプラグを用いることによって駆動力伝達部から駆動力被伝達部へ向かう方向のみの駆動力伝達を行うことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関において、前記規制部材(21,22)は、前記伝達部材(16)と接触する第1部材(21)と、前記規制部材駆動機構(30)に連結された第2部材(22)とによって構成され、前記第1部材(21)と第2部材(22)と間にスプリング(23)が介装されていることを特徴とする。
この構成によれば、伝達部材が規制部材によって動きが規制される際に、先ず第1部材に接触し、スプリングの緩衝作用を受けつつ第1部材によって伝達部材の動きが規制され、さらに第1部材が第2部材と一体化して伝達部材の動きが規制される。したがって、伝達部材が規制部材による規制が開始されるときの衝撃を緩和することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関において、前記伝達部材(16)を前記クランクアーム連結部(42)において前記大コンロッド(13)の大端部(13b)と回転不能とし、前記小ピストン(12)を下死点に保持するロック機構(44,72,73,74,75等)を備えることを特徴とする。
この構成によれば、高速運転中あるいは高出力運転中においてロック機構を作動させることによって、小ピストンを下死点に保持することが可能となり、不要な揺動あるいは振動の発生を防止することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4の何れか1項に記載の内燃機関において、前記小ピストン(12)が上死点に到達したときに発生する衝撃、及び前記小ピストン(12)が下死点に到達したときに発生する衝撃を緩和するための緩衝部材(45,46)を備えることを特徴とする。
この構成によれば、小ピストンが上死点に到達したときに発生する衝撃、及び下死点に到達したときに発生する衝撃を緩和することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の内燃機関において、前記大コンロッド(13)は、大端部(13b)から小端部(13a)に向かって第1及び第2枝部(131,132)に分岐し、前記第1及び第2枝部のそれぞれの小端部(131a,132a)において前記大ピストン(11)と回転自在に連結され、前記小コンロッド(14)は、前記第1及び第2枝部(131,132)の間を通って前記小ピストン(12)と連結されることを特徴とする。
この構成によれば、構成の複雑化を抑制しつつ小ピストン及び小コンロッドを組み込むことが可能となる。
本発明の一実施形態にかかる内燃機関の要部の構成を示す部分断面図である。 図1に示す要部の側面を示す部分断面図である。 図1に示す伝達部材(16)を説明するための図である。 図1に示す規制部材(21,22)と伝達部材(16)との関係をより具体的に説明するための図である。 伝達部材(16)のロック機構を説明するための図である。 内燃機関(1)の動作を説明するための図である。 クランク角度(CA)と、駆動トルク(TRQ)との関係(燃焼行程開始上死点前に点火を行った場合)を示す図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1及び2は本発明の一実施形態にかかる内燃機関の要部の構成を示す部分断面図であり、図2は図1に示す構成を右側からみた側面を示す。内燃機関1は、シリンダブロック2内に形成された気筒3を備えており、気筒3内には円筒状の空洞11aが穿設された大ピストン11と、空洞11a内に摺動可能に設けられた小ピストン12とを備えている。内燃機関1は、さらに大ピストン11とクランクアーム15とを回転自在に連結する大コンロッド13と、小端部14aにおいて小ピストン12と回転自在に連結される小コンロッド14と、小コンロッド14の動きをクランクアーム15に伝達するための伝達部材16と、伝達部材16の動きを規制する第1及び第2規制部材21,22とを備えている。なお、図1及び2には、大ピストン11が上死点に位置する状態が示されている。
図1に示す大ピストン11及び小ピストン12の上方には、シリンダヘッドの内壁(吸気弁及び排気弁の弁体を含む)によって燃焼室(図示せず)が画成されており、燃焼室内における混合気の燃焼によって、大ピストン11及び小ピストン12に対して下方へ向かう駆動力が印加され、その駆動力は大コンロッド13、小コンロッド14、及び伝達部材16によって、クランクアーム15に伝達され、クランク軸50を回転駆動する駆動トルクに変換される。
図2に示されるように、大コンロッド13は、大端部13bから小端部13aに向かって第1枝部131及び第2枝部132とに分岐し、第1及び第2枝部131,132のそれぞれの小端部131a,132aにおいて大ピストン11と回転自在に連結され、小コンロッド14は、第1及び第2枝部131,132の間を通り、小端部14aにおいて小ピストン12と連結されている。
図3は伝達部材16を説明するための図である。同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)の左側からみた側面図である。
伝達部材16は第1及び第2構成部材16a,16bを結合させて構成されており、第1構成部材16aは、小コンロッド14の大端部14bと回転自在に連結される小コンロッド連結部41と、クランクアーム15に回転自在に連結されるクランクアーム連結部42と、第1規制部材21に転動接触する規制軸51を回転自在に保持する規制軸支持部43と、後述するロック機構の一部を構成するロック孔44とを備え、第2構成部材16bも同様に構成されている。ただし、第2構成部材16bには、ロック孔44が設けられておらず、緩衝部材に相当する第1及び第2スプリング45,46及びこれらのスプリング45,46を保持する保持部材45a,46aが装着されている。第1及び第2構成部材16a,16bは、駆動力伝達機構20を構成する駆動力伝達部16cの部分で結合されて伝達部材16が構成され、第1及び第2構成部材16a,16bの規制軸支持部43に規制軸51が回転自在に支持されている。
駆動力伝達機構20は、伝達部材16に設けられた駆動力伝達部16cと、カウンタウエイト部17にリテーナ(図示せず)によって保持された複数のスプラグ18aを備え、駆動力伝達部16cから駆動力が伝達される駆動力被伝達部18とによって構成される。駆動力伝達機構20によって、燃焼室内で発生する燃焼によって小ピストン12に加わる駆動力がクランクアーム15と一体に設けられたカウンタウエイト部17に伝達される。ただし、駆動力伝達機構20は、スプラグクラッチと同様に一方向クラッチとしての機能を有し、燃焼室における燃焼によって小ピストン12に駆動力が印加されたときに、駆動力伝達部16cと駆動力被伝達部18とがロック状態となってカウンタウエイト部17へ駆動力が伝達され、伝達部材16がカウンタウエイト部17と相対的に逆方向に回転するときは、駆動力伝達機構20のロック状態が解除され、駆動力の伝達が行われないように構成されている。
図4は、伝達部材16の動きが第1規制部材21によって規制される状態を説明するために図であり、同図(a)は第1及び第2規制部材21,22、及び規制部材駆動機構30を示し、同図(b)は同図(a)の上方向からみた第1規制部材21と、伝達機構16の第1及び第2構成部材16a,16bとを示す。
第1及び第2規制部材21,22は、ケーシング4に固定された支持部24に回転自在に支持されており、両規制部材21,22の間には両規制部材21,22の相対角度を拡大する方向に付勢するスプリング23が介装されている。スプリング23は、伝達機構16の規制軸51が第1規制部材21に転動接触する際の衝撃を緩和する緩衝部材としての機能を有する。
第2規制部材22はロッド連結部22aを備え、ロッド連結部22aには規制部材駆動機構30を構成するリンクロッド31が回転自在に連結されている。規制部材駆動機構30は、リンクロッド31と、駆動ロッド33と、リンクロッド31及び駆動ロッド33を回転自在に連結する連結部材32と、駆動ロッド33を矢印MVで示す方向に駆動するアクチュエータ34とを備えており、アクチュエータ34はケーシング4に固定されている。
アクチュエータ34を駆動することによって、駆動ロッド33が矢印MVで示す方向に移動(突出または後退)し、第1及び第2規制部材21,22の位置が伝達部材16に近づいたり、伝達部材16から遠ざかったりする。駆動ロッド33の突出量を最大とすることによって圧縮比が最大となり、駆動ロッド33の突出量を最小とすることによって圧縮比が最小となる。図1には突出量を最大とした状態が示されている。
規制軸51は、第1及び第2構成部材16a,16bの規制軸支持部43に回転自在に支持されており、第1規制部材21は伝達機構16の規制軸51と転動接触し、伝達機構16の動きを規制する。第1規制部材21は、支持部24を中心として回動し、図4(a)に示すように第2規制部材22に当接する位置まで到達可能である。なお、伝達部材16の規制軸51が第1規制部材21から離れた状態は、後述する図6(d)などに示されている。
図5は、伝達部材16のロック機構を説明するための図であり、同図(a)はロック機構が作動した状態を示す図であり、同図(b)は同図(a)の矢印Aの方向からみた側面図である。
大コンロッド13には、大端部13bから小端部13aと反対方向に突出する凸部72が設けられており、凸部72には筒状のロックピン収容孔73が穿設されている。ロックピン収容孔73には、ロックピン74及びリターンスプリング75が設けられている。リターンスプリング75は、ロックピン74が突出した状態から元の位置に戻る方向へロックピン74を付勢するように装着されている。
ロックピン収容孔73には、クランク軸50及びクランクアーム15内に設けられた潤滑油路80から分岐した分岐油路80aが接続されており、ロック機構を作動させるときは通常の油圧PNより高いロック油圧PLが供給される。ロック油圧PLが供給されると、小ピストン12が下死点に達したときに、図5(b)に示すようにロックピン74が突出して、伝達部材16に設けられたロック孔44に突入する。その結果、伝達部材16が大コンロッド13に連結されるクランクアーム連結部42において回転不能となる。
ロックピン収容孔73内の油圧が通常油圧PNであるときは、リターンスプリング75の付勢力によってロックピン74がロックピン収容孔73内に収容された状態、すなわちロック機構が作動していない状態となる。本実施形態では、伝達部材16のロック孔44,大コンロッド13の凸部72,ロックピン収容孔73,ロックピン74,リターンスプリング75,分岐油路80a,及び潤滑油路80によって、ロック機構が構成される。内燃機関1の高速運転中あるいは高出力運転中においてロック機構を作動させることが望ましく、これによって、不要な揺動あるいは振動の発生を防止することができる。
図6は、内燃機関1の動作を説明するための図であり、同図(a)〜(d)は、規制部材駆動機構30の駆動ロッド33の突出量を最大とした状態(高圧縮比運転状態)に対応し、同図(e)〜(h)は駆動ロッド33の突出量を最小とした状態(低圧縮比運転状態)に対応する。また同図(a)及び(e)は、大ピストン11が下死点から上昇を開始して、伝達部材16が第1規制部材21に接触し始める時期に対応し、同図(b)及び(f)は、大ピストン11がさらに上昇して伝達部材16の駆動力伝達部16cが駆動力被伝達部18と接触し始める時期に対応し、同図(c)及び(g)は大ピストン11が上死点近傍に位置し、小ピストン12に駆動力が印加されて伝達部材16の駆動力伝達部16cと駆動力被伝達部18とがロック状態となり、駆動力がカウンタウエイト部17に伝達されている時期に対応し、同図(d)及び(h)は、大ピストン11が上死点から下降して、駆動力伝達部16cが駆動力被伝達部18から離れる時期に対応する。
なお、図6は動作を説明するための図であり、構成要素はすべて実線で示されている。そのため、図6に示された各図は、図1の記載とは必ずしも一致していないが、図6(c)が図1に対応する動作状態(大ピストン11が上死点に位置する状態)を示している。
高圧縮比運転状態では、図6(a)に示すように、伝達機構16の規制軸51が第1規制部材21に転動接触すると、小ピストン12が上昇を開始する。その後大ピストン11の上昇に伴って、同図(b)(c)に示すように小ピストン12が上昇する。同図(d)に示す状態では、伝達機構16が規制部材18から完全に離れている。同図(c)に示す時期の少し前に燃焼室内の混合気の点火が行われ、小ピストン12を下方に押圧する駆動力が発生するがこのとき駆動力伝達機構20がロック状態となって、カウンタウエイト部17に駆動トルクが伝達される。大ピストン11が上死点に達する直前付近では、大ピストン11による駆動トルクはほとんど発生しないが、小ピストン12によって大ピストン11が上死点に達する前から駆動トルクを発生することができる。
また図6(e)〜(h)に示す低圧縮比運転状態では、伝達機構16が第1規制部材21に接触し始める時期が遅れ、また離れ始める時期が早くなるため、小ピストン12の上死点位置は、同図(g)を同図(c)と対比すれば明らかなように、高圧縮比運転状態に比べて低下し、圧縮比が低下する。
図7は、クランク角度CAと、駆動トルクTRQとの関係(燃焼行程開始上死点前に点火を行った場合)を示す図であり、この図に示すTDCは、燃焼行程開始上死点である。この図において、破線L1は圧縮比が一定の通常内燃機関に対応し、細い実線L2が従来の可変圧縮比内燃機関に対応し、太い実線L3が本実施形態の内燃機関1に対応する。従来の可変圧縮比内燃機関の駆動トルク特性は、駆動トルクTRQが最大となるクランク角度CAMX以降は、太い実線L3と同一である。
この図に示すように内燃機関1によれば、小ピストン12によって大ピストン11が発生するトルクとは別のトルクを発生することができるので、大ピストン11が上死点に到達する直前の角度期間RTPにおいて、正の駆動トルクを発生することが可能となる。また、大ピストン11によって駆動トルクが発生するときには、燃焼室内における燃焼が十分に進んでいるため、従来の構成より大きな駆動トルクを発生することができる。
このように本実施形態では、規制部材駆動機構30の駆動ロッド33の突出量を変化させることによって、圧縮比を変更することができる。
以上のように本実施形態では、大ピストン11の下死点から上死点に向かう動きが大コンロッド13、伝達部材16、及び小コンロッド14を介して小ピストン12に伝達され、小ピストン12も下死点から上死点に向かって移動する。このとき小ピストン12の上死点位置は、駆動ロッド33の突出量に依存して変更可能であり、上死点位置が最も高い(大ピストン11のピストン頂面位置に近い)状態とすることで圧縮比を最大とし、上死点位置が最も低い状態とすることで圧縮比を最小とすることができる。圧縮比を高めることによって、熱効率を向上させることが可能となる。また駆動ロッド33の突出量の調整は、内燃機関1の運転中に行うことが可能であり、内燃機関1の運転状態に応じて圧縮比を変更することができる。
また規制部材駆動機構30によって駆動ロッド33を直線的に前進(突出)または後退させることによって、第1規制部材21が伝達機構16の規制軸51と接触するタイミングを変化させ、伝達部材16がクランクアーム15と逆方向に回転を開始する時期を変化させて、小ピストン12の上死点位置を変更することができる。
また駆動力伝達機構20は、燃焼室内における燃焼によって小ピストン12に駆動力が印加されたときに、カウンタウエイト部17へ駆動力を伝達する一方向クラッチとしての機能するので、燃焼によって小ピストン12に加わる駆動力が、駆動力伝達機構20及びカウンタウエイト部17を介してクランク軸50の駆動トルクに変換され、大ピストン11が上死点に達する前から内燃機関1の駆動トルクを発生させることが可能となる。
また伝達部材16が第1及び第2規制部材21,22によって動きが規制される際に、先ず第1規制部材21に接触し、スプリング23の緩衝作用を受けつつ第1規制部材21によって伝達部材16の動きが規制され、さらに第1規制部材21が第2規制部材22と一体化して伝達部材16の動きが規制される。したがって、伝達部材16が規制部材21,22による規制が開始されるときの衝撃を緩和することができる。
また伝達部材16をクランクアーム連結部42において相対回転不能とし、小ピストン12を下死点に保持するロック機構(ロックピン74等によって構成される)を備えるので、内燃機関1の高速運転中あるいは高出力運転中においてロック機構を作動させることによって、小ピストン12を下死点に保持することが可能となり、不要な揺動あるいは振動の発生を防止することができる。
また伝達部材16に緩衝部材としてのスプリング45,46を設けたので、小ピストン12が上死点に到達したときに発生する衝撃、及び小ピストン12が下死点に到達したときに発生する衝撃を緩和することができる。
また大コンロッド13は、大端部13bから小端部13aに向かって第1及び第2枝部131,132に分岐し、第1及び第2枝部131,132のそれぞれにおいて大ピストン11と回転自在に連結され、小コンロッド14は、第1及び第2枝部131,132の間を通って小ピストン12と連結される構成としたので、構成の複雑化を抑制しつつ小ピストン12及び小コンロッド14を組み込むことが可能となる。
また内燃機関運転中の一時的な停止であるアイドリングストップを行う際に、内燃機関の停止ピストン位置を上死点後90度付近に制御することによって、内燃機関の再始動時にスタータモータを使用することなく内燃機関を始動させる技術(「スタータレス再始動方法」という)が知られている。本実施形態の内燃機関1にそのスタータレス再始動方法を適用する場合においては、大ピストン11が上死点に位置するときに、大ピストン11内の空洞11aと小ピストン12の頂面によって画成される小燃焼室内に燃料噴射を行うように構成することが望ましい。これによって、噴射した燃料を確実に着火させて、迅速な再始動を実現することができる。
さらに、アイドリングストップの開始時においては、第1規制部材21の突出量を最大とすることが望ましい。これによって、圧縮比が高くなって再始動時により強力な起動力が得られ、寒冷時等の再始動困難な環境下での再始動をより確実に行うことができる。
1 内燃機関
2 シリンダブロック
3 気筒
11 大ピストン
12 小ピストン
13 大コンロッド
14 小コンロッド
15 クランクアーム
16 伝達部材
16c 駆動力伝達部
17 カウンタウエイト部
18 駆動力被伝達部
20 駆動力伝達機構
21 第1規制部材(第1部材)
22 第2規制部材(第2部材)
30 規制部材駆動機構

Claims (6)

  1. 気筒内に配置され、円筒状の空洞が穿設された大ピストンと、前記空洞に摺動可能に設けられた小ピストンと、前記気筒を構成するシリンダブロック及びシリンダヘッドと、クランク軸とを備え、前記シリンダブロック及びシリンダヘッドの内壁、前記大ピストンの頂面、及び小ピストンの頂面によって燃焼室が画成される内燃機関であって、
    前記大ピストンと、前記クランク軸に固定されたクランクアームとを回転自在に連結する大コンロッドと、
    小端部において前記小ピストンと回転自在に連結される小コンロッドと、
    前記小コンロッドの動きを前記クランクアームに伝達するための伝達部材と、
    該伝達部材の動きを規制する規制部材と、
    前記規制部材の、前記伝達部材に対する相対位置を移動させる規制部材駆動機構とを備え、
    前記伝達部材は、前記小コンロッドの大端部と回転自在に連結される小コンロッド連結部と、前記大コンロッドの大端部と前記クランクアームとの連結部に回転自在に連結されるクランクアーム連結部と、前記燃焼室内で発生する燃焼によって前記小ピストンに加わる駆動力を前記クランクアームと一体に設けられたカウンタウエイト部に伝達する駆動力伝達部とを備え、
    前記規制部材の前記相対位置を調整することによって、前記伝達部材の動きを規制し、前記大コンロッドの動きに対応した前記伝達部材の動きを変化させ、前記小ピストンの上死点位置を変更可能に構成されていることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記カウンタウエイト部は、前記駆動力伝達部とスプラグを介して係合する駆動力被伝達部を備え、
    前記燃焼室内における燃焼によって前記小ピストンに駆動力が印加されたときに、前記伝達部材を介して前記カウンタウエイト部へ前記駆動力が伝達されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
  3. 前記規制部材は、前記伝達部材と接触する第1部材と、前記規制部材駆動機構に連結された第2部材とによって構成され、前記第1部材と第2部材と間にスプリングが介装されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関。
  4. 前記伝達部材を前記クランクアーム連結部において前記大コンロッドの大端部と回転不能とし、前記小ピストンを下死点に保持するロック機構を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の内燃機関。
  5. 前記小ピストンが上死点に到達したときに発生する衝撃、及び前記小ピストンが下死点に到達したときに発生する衝撃を緩和するための緩衝部材を備えることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の内燃機関。
  6. 前記大コンロッドは、大端部から小端部に向かって第1及び第2枝部に分岐し、前記第1及び第2枝部のそれぞれの小端部において前記大ピストンと回転自在に連結され、前記小コンロッドは、前記第1及び第2枝部の間を通って前記小ピストンと連結されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の内燃機関。
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