JP2019157225A - 銀被覆粒子 - Google Patents

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寛人 赤池
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和彦 山▲崎▼
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謙介 影山
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Abstract

【課題】母粒子が、炭素−炭素結合を骨格とする樹脂または炭素質材料を含みながらも耐熱性に優れた銀被覆粒子を提供する。【解決手段】母粒子11と、母粒子11の表面に設けられた銀被覆層13とを有する銀被覆粒子10であって、母粒子11が、炭素−炭素結合を骨格とする樹脂または炭素質材料を含み、母粒子11と銀被覆層13との間に、シロキサン結合を骨格とする有機物、または無機酸化物からなる中間層12が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、母粒子と、この母粒子の表面に設けられた銀被覆層とを有する銀被覆粒子に関する。
母粒子として樹脂粒子や炭素質材料粒子を用いた銀被覆粒子は、銀粒子と同等の高い導電性を有し、また銀粒子と比較して柔軟性が高く、変形させやすいという特性を有する。このため、銀被覆粒子は、TIM(Thermal Interface Material)材料や導電性スペーサなどの導電性材料の導電性フィラーとして利用されている。導電性フィラーとして利用する銀被覆粒子は、その銀被覆粒子を含む導電性材料に応力が付与された際に、導電性材料が破損しないように、高い応力緩和能力を有することが好ましい。
特許文献1には、高い応力緩和能力を有する銀被覆樹脂粒子として、母粒子として平均粒径が0.1〜10μmの樹脂粒子を用い、銀被覆層に含まれる銀の量を、銀被覆粒子100質量部に対して60〜90質量部とし、かつ銀被覆樹脂粒子を示差熱分析したときの発熱ピーク温度を265℃以上とした銀被覆樹脂粒子が開示されている。
特開2016−130354号公報
ところで、導電性フィラーは、種々の電子部品に利用されており、高温環境下において安定して優れた特性を示すことが望まれている。例えば、特許文献1に開示されている銀被覆樹脂粒子では、示差熱分析による発熱ピーク温度が265℃以上とされている。しかしながら、本発明者らの検討によると、従来の銀被覆粒子は、母粒子が、炭素−炭素結合を骨格とする樹脂または炭素質材料を含むと、高温環境下での熱分解が進行しやすくなり、母粒子単独の場合と比較して、耐熱性が低下することがあることが判明した。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、母粒子が、炭素−炭素結合を骨格とする樹脂または炭素質材料を含みながらも耐熱性に優れた銀被覆粒子を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明者らは検討を重ねた結果、母粒子と銀被覆層との間に、シロキサン結合を骨格とする有機物、または無機酸化物からなる中間層を形成することによって、母粒子の耐熱性が向上することを見出した。そして、この中間層を形成した銀被覆粒子は、加熱によって、母粒子の質量減少量が5質量%となる温度が、中間層を形成していない銀被覆粒子と比較して高くなることを確認して、本発明を完成させた。
従って、本発明の銀被覆粒子は、母粒子と、前記母粒子の表面に設けられた銀被覆層とを有する銀被覆粒子であって、前記母粒子が、炭素−炭素結合を骨格とする樹脂または炭素質材料を含み、前記母粒子と前記銀被覆層との間に、シロキサン結合を骨格とする有機物、または無機酸化物からなる中間層が形成されていることを特徴としている。
このような構成とされた本発明の銀被覆粒子によれば、母粒子と銀被覆層との間に、シロキサン結合を骨格とする有機物、または無機酸化物からなる中間層が形成されているので、母粒子の耐熱性が向上する。母粒子の耐熱性が向上するとしては、次のように考えられる。銀被覆層の銀は、母粒子の炭素−炭素結合の切断を促進する触媒的な作用を有しており、銀被覆層と母粒子とが直接接触していると、母粒子の耐熱性を低下させてしまう。これに対して、銀被覆層と母粒子との間に中間層を介在させると、銀の触媒的な作用が母粒子に及びにくくなり、母粒子の耐熱性の低下が抑えられると考えられる。
本発明によれば、母粒子が、炭素−炭素結合を骨格とする樹脂または炭素質材料を含みながらも耐熱性に優れた銀被覆粒子を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る銀被覆粒子の断面図である。 本発明の一実施形態に係る銀被覆粒子の製造方法を示すフロー図である。
以下に、本発明の実施形態について、添付した図面を参照して説明する。
[銀被覆粒子]
図1は、本発明の一実施形態である銀被覆粒子の断面図である。
図1において、銀被覆粒子10は、母粒子11と、母粒子11の表面に設けられた銀被覆層13とを有し、母粒子11と銀被覆層13との間に中間層12が形成されている。
(母粒子)
母粒子11は、炭素−炭素結合を骨格とする樹脂または炭素質材料を含む粒子である。
炭素−炭素結合を骨格とする樹脂を含む粒子としては、例えば、アラミド樹脂粒子、フッ素樹脂粒子、ポリスルホン樹脂粒子、ポリエーテル樹脂粒子、ポリイミド樹脂粒子、ポリアミドイミド樹脂粒子、エポキシ樹脂粒子、フェノール樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、アクリル−スチレン共重合体粒子、ウレタン樹脂粒子を用いることができる。アラミド樹脂粒子の例としては、ポリメタフェニレンイソフタラミド(MPIA)樹脂粒子、ポリパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)樹脂粒子等が挙げられる。フッ素樹脂粒子の例としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂粒子、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフルオライド(THV)樹脂粒子、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)樹脂粒子、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)樹脂粒子、クロロトリフルオロエチレン−エチレン(ECTFE)樹脂粒子、テトラフルオロエチレン−エチレン(ETFE)樹脂粒子、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン(FEP)樹脂粒子、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)樹脂粒子等が挙げられる。ポリスルホン樹脂粒子の例としては、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂粒子、ポリエーテル−スルホン(PES)樹脂粒子等が挙げられる。ポリエーテル樹脂粒子の例としては、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)樹脂粒子、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂粒子等が挙げられる。フェノール樹脂粒子の例としては、ノボラック型フェノール樹脂粒子、レゾール型フェノール樹脂粒子、またはそれらの一部を変性したフェノール樹脂粒子等が挙げられる。ウレタン樹脂粒子の例としては、ポリオール型ウレタン樹脂粒子、ポリエステル型ウレタン樹脂粒子等が挙げられる。
炭素質材料を含む粒子の例としては、グラファイト粒子、コークス粒子、活性炭粒子、カーボンブラック粒子、炭素繊維粒子等が挙げられる。
母粒子11は、TG−DTA(熱重量示差熱分析装置)によって測定される5質量%質量減少温度が265℃以上であることが好ましい。なお、本実施形態において、5質量%質量減少温度とは、事前に物理吸着した水分を120℃で乾燥させた母粒子を、不活性雰囲気中で熱重量分析した際に、25℃における初期重量から5質量%減少したときの温度を意味する。母粒子11の5質量%質量減少温度が265℃未満である銀被覆粒子10を用いて、導電性フィラーとして含む導電性ペーストで導電膜を形成し、この導電膜をはんだ接合するときに、母粒子11が熱分解して良好な導電膜を形成しにくくなるおそれがある。
母粒子11の形状は、特に制限はない。母粒子11は、球状の粒子でもよく、球状でなく異形状、例えば扁平状、板状、針状でもよい。
母粒子11の平均粒子径は、0.1μm以上50m以下の範囲内にあることが好ましく、1μm以上30μm以下の範囲内にあることがより好ましい。母粒子11の平均粒子径が0.1μm未満である場合では、母粒子11が凝集し易く、また母粒子11の表面積が大きくなり、導電性フィラーとして必要な導電性を得るための銀の量を多くする必要があり、また良好な銀被覆層13を形成しにくくなるおそれがある。一方、母粒子11の平均粒子径が50μmを超えると、銀被覆層13の表面平滑性が低下するおそれがあり、また銀被覆粒子10同士の接触割合が減少し抵抗値が増大するなどの不具合を生じるおれがある。なお、本明細書において、母粒子11の平均粒子径とは、走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製 型式名:SU−1500)を用いて、ソフトウェア(品名:PC SEM)により、倍率5000倍で、300個の母粒子の直径(粒子径)を測定し、算出された平均値をいう。母粒子11が球形状以外の場合は、母粒子11の長辺を平均した値を平均粒子径という。
また母粒子11は、粒子径の変動係数が30%以下であり、粒子径が揃っていることが好ましい。母粒子11の粒子径の変動係数が30%を超え、粒子径が揃っていないと、導電性フィラーとして用いるときの導電性付与の再現性が低下するおそれがある。母粒子11の粒子径の変動係数(単位:%)は、上記300個の母粒子11の粒子径の標準偏差と平均粒子径から、式:[(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100]により求めた値である。
(中間層)
中間層12は、銀被覆層13と母粒子11との間に介在して、銀の触媒的な作用を母粒子11に及びにくくすることによって、母粒子11の耐熱性の低下を抑える作用がある。
中間層12は、シロキサン結合を骨格とする有機物、または無機酸化物からなる。シロキサン結合を骨格とする有機物の例としては、シリコーンレジン(ポリシルセスキオキサン)、シリコーンゴム(ポリオルガノシロキサン)等が挙げられる。無機酸化物の例としては、シリカ(酸化ケイ素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、チタニア(酸化チタン)、酸化亜鉛、酸化錫、ジルコニア(酸化ジルコニウム)またはそれらの複合物および混合物が挙げられる。これらの酸化物には、加熱時に大きな重量減少を伴わない範囲で、水酸化物や有機物が含有されていてもよい。なお、中間層12は、1層であってもよいし、2層以上あってもよい。2層以上の場合は、シロキサン結合を骨格とする有機物からなる層と無機酸化物からなる層とを組み合わせてもよい。
中間層12の膜厚は、10nm以上1000nm以下の範囲内にあることが好ましい。中間層12の膜厚が10nmより小さくなると、上記の作用が得られにくくなり、母粒子11の耐熱性が低下しやすくなるおそれがある。一方、中間層12の膜厚が1000nmより大きくなると、中間層12が無機酸化物からなる場合は硬くなって、銀被覆粒子10の柔軟性が損なわれるおそれがある。また、中間層12がシロキサン結合を骨格とする有機物からなる場合は、低分子シロキサンの発生量が多くなるおそれがある。低分子シロキサンの発生量が多くなると、電気接点の周辺でこの銀被覆粒子を使用した場合、低分子シロキサンの揮発と、接点への付着により接点障害を引き起こすおそれがある。
(銀被覆層)
銀被覆粒子10の銀被覆層13の含有量、すなわち銀被覆粒子10の銀の含有量は、40質量%以上90質量%以下の範囲内にあることが好ましい。銀の含有量が40質量%未満であると、銀被覆層13に欠損が生じるおそれがある。一方、銀の含有量が90質量%を超えると、銀被覆粒子10の比重が大きくなりすぎて、TIM材料や導電性スペーサなどの導電性材料に均一に分散させにくくなるおそれがある。また、銀の含有量が90質量%を超えると銀被覆層13の導電性が飽和するため、それ以上の銀を含有させることは工業的に不利となるおそれがある。
また、銀被覆層13の膜厚は0.1μm以上0.5μm以下の範囲内にあることが好ましい。銀被覆層13の膜厚が0.1μm未満であると、導電性フィラーとして銀被覆粒子10を用いたときに、銀被覆粒子10同士の接点が取り難くなり、十分な導電性を付与できないおそれがある。一方、銀被覆層13の膜厚が0.5μmを超えると、銀被覆粒子10の柔軟性が損なわれるおそれがある。
[銀被覆粒子の製造方法]
次に、本実施形態の銀被覆粒子の製造方法を説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る銀被覆粒子の製造方法を示すフロー図である。
本実施形態の銀被覆粒子の製造方法は、母粒子を中間層で被覆して中間層被覆粒子を得る中間層被覆工程S01と、中間層被覆粒子に銀被覆層を形成して銀被覆粒子を得る銀被覆工程S02とを有する。
(中間層被覆工程)
中間層被覆工程S01では、母粒子と中間層との密着性を向上させるために、予め母粒子に対して表面改質処理を実施してもよい。表面改質処理としては、例えば、オゾン処理、プラズマ処理、酸処理、アルカリ処理等を実施できる。これらの表面改質処理は2つ以上を組み合わせて実施してもよい。
母粒子を中間層で被覆する方法は、中間層の材料によって適宜選択される。例えば、中間層の材料としてシリコーンレジンを用いる場合は、母粒子とシリコーンレジン溶液とを混合して、乾燥する方法を用いることができる。シリコーンレジン溶液としては、市販のシリコーンレジン含有コーティング液を用いることができる。中間層の材料として金属酸化物を用いる場合は、例えば、母粒子と金属酸化物を、ハイブリダイザーやボールミルなどの混合装置を用いて機械的に混合する方法を用いることができる。また、母粒子と金属塩の水溶液とを混合し、金属塩を水酸化物として母粒子の表面に析出させた後、水酸化物を加熱して酸化物とする方法を用いることができる。さらに、ゾルゲル法やスパッタ法を用いることができる。この他に、中間層の材料としてシリカを用いる場合は、母粒子とオルトケイ酸塩とを混合し、オルトケイ酸塩を加水分解させる方法を用いることができる。
(銀被覆工程)
銀被覆工程S02では、中間層被覆粒子の表面に無電解めっきにより銀を析出させることによって銀被覆層を形成することが好ましい。
銀被覆工程S02では、先ず始めに、無電解めっきによる銀被覆層の形成を促進させるために、中間層被覆粒子の表面に、金属触媒あるいは置換層を吸着させることが好ましい。金属触媒としては、パラジウム、銀ナノ粒子を用いることができる。置換層の材料としては錫などの銀より卑な金属またはその化合物を用いることができる。
パラジウム触媒は、例えば、中間層被覆粒子を分散させたスラリーに、パラジウム化合物と塩酸と、還元剤を加えて、パラジウムを析出させることによって、中間層被覆粒子の表面に吸着させることができる。パラジウム化合物としては、塩化パラジウム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、及びパラジウムアンミン錯塩などの錯塩等を用いることができる。
錫置換層は、例えば、中間層被覆粒子を分散させたスラリーに、錫化合物と塩酸とを加えて、錫を析出させることによって、中間層被覆粒子の表面に吸着させることができる。錫化合物としては、塩化第一錫、フッ化第一錫、臭化第一錫、ヨウ化第一錫等を用いることができる。
次に、金属触媒あるいは置換層を吸着させた中間層被覆粒子に無電解銀めっきにより銀被覆層を形成する。無電解銀めっきにより銀被覆層を形成する方法としては、(1)錯化剤、還元剤等を含む水溶液中に、中間層被覆粒子を投入してスラリーを調製し、このスラリーに銀塩水溶液を滴下する方法、(2)錯化剤を含む銀塩水溶液中に、中間層被覆粒子を投入してスラリーを調製し、このスラリーに還元剤水溶液を滴下する方法、(3)錯化剤と還元剤とを含む銀塩水溶液に、中間層被覆粒子を投入してスラリーを調製し、このスラリーに苛性アルカリ水溶液を滴下する方法が挙げられる。
銀塩としては、硝酸銀あるいは銀を硝酸に溶解したもの等を用いることができる。錯化剤としては、アンモニア、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、ニトロ三酢酸、トリエチレンテトラアンミン六酢酸、チオ硫酸ナトリウム、コハク酸塩、コハク酸イミド、クエン酸塩又はヨウ化物塩等の塩類を用いることができる。還元剤としては、ホルマリン、ブドウ糖、イミダゾール、ロッシェル塩(酒石酸ナトリウムカリウム)、ヒドラジン及びその誘導体、ヒドロキノン、L−アスコルビン酸又はギ酸等を用いることができる。還元剤としては、ホルムアルデヒドが好ましく、少なくともホルムアルデヒドを含む2種以上の還元剤の混合物がより好ましく、ホルムアルデヒドとブドウ糖を含む還元剤の混合物が最も好ましい。
必要に応じて、得られた銀被覆粒子に対して、表面処理を実施してもよい。表面処理剤としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸などの脂肪酸、マレイン酸、コハク酸などのジカルボン酸、ポリアクリル酸などのカルボン酸系高分子、ドデシルアミン、オクタデシルアミンなどのアミン化合物、ポリエーテルアミン等のアミン系高分子、オクタデシルジスルフィドなどのスルフィド化合物、ドデカンチオールなどのチオール化合物、シランカップリング剤等が挙げられる。銀被覆粒子に対して表面処理を実施することで、後述する用途において導電性フィラーとして用いられる際に、バインダとの親和性を向上することができる。
[用途]
本実施形態の銀被覆粒子10は、導電性フィラーとして優れており、特に、導電性接着剤、導電性フィルム(シート)、導電性ゴム(エラストマー)、導電性粘着剤、放熱シートや放熱グリス等のTIM(Thermal Interface Material)材料、または導電性スペーサなどの導電性材料の導電性フィラーとして最適に適用できる。
(導電性接着剤)
導電性接着剤は、等方性の導電性接着剤(ICA:Isotropic Conductive Adhesive)と異方性の導電性接着剤(ACA:Anisotropic Conductive Adhesive)に区分される。また、バインダの形態によってペースト状、フィルム状、インク状の形態を有する。等方性の導電性接着剤は、バインダ硬化時にバインダが収縮することで、縦方向、横方向、斜方向ともにフィラーが互いに接触し、これにより接続したい導電物とフィラーが接触して導電性が得られる。等方性の導電性接着剤にてシートを形成することも可能である。異方性の導電性接着剤は、バインダ中にフィラーが分散していて接続したい導電物同士の間に異方性の導電性接着剤を挟み込む。これを縦方向に加圧することで、接続したい導電物の間のフィラーと接続したい導電物が縦方向に接触し導電性が得られる。一方、加圧されていない部分は絶縁物であるバインダを介してフィラー同士が横方向に配置され、互いに接触しないので導電性は得られない。
導電性接着剤としては、例えば、異方性又は等方性の導電性ペースト、異方性又は等方性の導電性インキなどが挙げられる。導電性接着剤は、銀被覆粒子10と絶縁性のバインダ樹脂とを遊星混合機や三本ロールミルのような混練機を用いて均一に混合して調製される。導電性接着剤では、絶縁性のバインダ樹脂中に銀被覆粒子10が均一に分散する。銀被覆粒子10の含有量は、特に限定されず、用途などに応じて適宜決定されるが、バインダ樹脂100質量部に対して0.5〜5質量部の範囲内が好ましい。
導電性接着剤における絶縁性のバインダ樹脂としては、特に限定されず、例えば、熱可塑性樹脂や、硬化性樹脂組成物などの熱や光によって硬化する組成物などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。硬化性樹脂組成物としては、グリシジル基を有するエポキシ系モノマーやオリゴマーと、イソシアネートなどの硬化剤とを含有する樹脂組成物が挙げられる。
(導電性フィルム(シート))
導電性フィルムとしては、フィルム状に成形された異方性又は等方性の導電性フィルムがある。導電性フィルムは、先ず銀被覆粒子10が絶縁性のバインダ樹脂中に分散された樹脂組成物を作製し、次いでこの樹脂組成物をPET等の支持フィルムの表面に塗布することにより作製される。この樹脂組成物は銀被覆粒子10と絶縁性のバインダ樹脂とを遊星混合機や三本ロールミルのような混練機を用いて均一に混合して調製される。導電性フィルムでは、支持体フィルム上で絶縁性のバインダ樹脂中に銀被覆粒子10が均一に分散する。導電性フィルムにおける絶縁性のバインダ樹脂としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂などの樹脂またはそれらの混合物を主成分として含む樹脂組成物が挙げられる。導電性フィルムにおける樹脂組成物中の銀被覆粒子10の含有量は、特に限定されず、用途などに応じて適宜決定されるが、バインダ樹脂100質量部に対して0.5〜90質量部の範囲内が好ましい。
(導電性ゴム(エラストマー))
導電性ゴムとしては、シート状や直方体状に成形された導電性ゴムがあり、放熱シートや導電コネクタとして使用できる。導電性ゴムは、まずバインダゴムと、加硫剤と、銀被覆粒子10とを二軸ロール等を用いて混練し、次いで加熱プレス機や乾燥機を用いて加熱や加圧を実施することにより加硫および成型することで作製される。導電性ゴムにおけるバインダゴムとしては、ニトリルゴム、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。導電性ゴムにおける組成物中の銀被覆粒子10の含有量は、特に限定されず、用途などに応じて適宜決定されるが、バインダゴム100質量部に対して0.5〜90質量部の範囲内が好ましい。
(導電性粘着剤)
導電性粘着剤としては、シート状や直方体状に成形された導電性粘着剤または導電性ゲルがあり、電気接点材料、放熱シート及び電極として使用できる。導電性粘着剤は、先ず銀被覆粒子10が絶縁性のバインダとなる粘着剤中に分散された粘着性組成物を作製し、次いでこの粘着性組成物をPET等の支持フィルムの表面に塗布することにより作製される。導電性粘着剤におけるバインダ粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。導電性粘着剤における組成物中の銀被覆粒子10の含有量は、特に限定されず、用途などに応じて適宜決定されるが、バインダゴム100質量部に対して0.5〜90質量部の範囲内が好ましい。
(放熱グリス)
放熱グリスとしては、不揮発性の基油、銀被覆粒子10を混合したものがあり、放熱材料として用いることができる。放熱グリスは、基油と銀被覆粒子10を遊星混合機や三本ロールミルのような混練機を用いて均一に混合して調製される。放熱グリスに用いられる基油としては、シリコーンオイル系基油、鉱油系基油、合成炭化水素系基油、エステル系基油、エーテル系基油及びグリコール系基油又はそれらの組合せなどを挙げることができる。放熱グリスにおける組成物中の銀被覆粒子10の含有量は、特に限定されず、用途などに応じて適宜決定されるが、バインダゴム100質量部に対して0.5〜90質量部の範囲内が好ましい。
(導電性スペーサ)
導電性スペーサは、液晶表示装置において、液晶物質を挟む上下2枚の基板の配線部分を電気的に上下に接続し、かつ基板の間隙を所定の寸法に保持して使用される。導電性スペーサは、先ず銀被覆粒子10を熱硬化性樹脂や紫外光硬化型接着剤などの絶縁性のバインダ樹脂に添加した後、銀被覆粒子10とバインダ樹脂とを遊星混合機や三本ロールミルのような混練機を用いて均一に混合して樹脂組成物を調製し、次いで上下2枚の基板の配線部分のいずれか一方又は双方に上記樹脂組成物を塗布して2枚の基板を貼り合わせることにより作製される。銀被覆粒子10の含有量は、特に限定されず、用途などに応じて適宜決定されるが、バインダ樹脂100質量部に対して2〜10質量部の範囲内が好ましい。
本実施形態の銀被覆粒子10を含むTIM材料や導電性スペーサは、銀被覆粒子10と絶縁性のバインダ樹脂との混合物を混練するときに高いせん断力をかけても、銀被覆層13に亀裂若しくは割れ又は銀被覆層13の母粒子11からの剥離が生じにくく、その導電性がより向上する。これにより、本実施形態の銀被覆粒子10を例えば異方性の導電性接着剤に用いた場合、異方導電(横方向)の短絡を回避でき、信頼性が向上する。
以上のような構成とされた本実施形態である銀被覆粒子10によれば、母粒子11と銀被覆層13との間に中間層12が形成されていて、銀被覆層13と母粒子11との間にが直接接触することが抑制されるので、母粒子11の耐熱性が向上する。よって、本実施形態の銀被覆粒子10を含むTIM材料や導電性スペーサなどの導電性材料は、耐熱性が高くなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
次に、本発明を実施例により説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
[本発明例1]
(中間層被覆工程)
母粒子として、扁平状のグラファイト粒子(平均長径:5μm、厚さ:0.3μm、5質量%質量減少温度:420℃)を用いた。このグラファイト粒子10質量部を、水250質量部に投入し、次いで25kHzの超音波を10分間照射してグラファイト粒子分散液を調製した。次いで、調製したグラファイト粒子分散液260質量部に、エタノール550質量部と正ケイ酸エチル20質量部とを添加して5分間撹拌した後、濃度1%の塩酸水溶液5質量部を滴下し、正ケイ酸エチルを加水分解してシリカ前駆体を生成させて、表面がシリカ前駆体からなる中間層で被覆されたシリカ前駆体層被覆グラファイト粒子を得た。得られたシリカ前駆体層被覆グラファイト粒子を、ろ過により回収し、水で洗浄した後、100℃で乾燥し、さらに300℃で焼成することでシリカ層からなる中間層で被覆された中間層被覆グラファイト粒子を得た。
(銀被覆工程)
塩化第一錫5質量部と、濃度が35質量%の塩酸水溶液15質量部と、水50質量部とを混合して、塩化第一錫溶液を調製した。調製した塩化第一錫溶液50質量部を液温30℃に調整した後、この塩化第一錫溶液に上記中間層被覆工程で得た中間層被覆グラファイト粒子10質量部を投入した。その後、塩化第一錫溶液を液温30℃に維持しながら、1時間撹拌して、中間層被覆グラファイト粒子の表面に、錫置換層を吸着させた。次いで、錫置換層を吸着した中間層被覆グラファイト粒子をろ過により回収し、水で洗浄した。
次に、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム(錯化剤)6質量部と、水500質量部とを混合して、錯化剤水溶液を調製した。また、硝酸銀30質量部と、濃度が25質量%のアンモニア水溶液30質量部と、水50質量部とを混合して、硝酸銀水溶液を調製した。
上記の錯化剤水溶液500質量部に、上記の錫置換層を吸着した中間層被覆グラファイト粒子10質量部を投入して、スラリーを調製した。調製したスラリーを撹拌しながら、このスラリーに上記の硝酸銀水溶液110質量部を滴下して、錫置換層の錫を銀で置換した。硝酸銀水溶液の滴下終了後、スラリーに、還元剤としてホルマリン(ホルムアルデヒド濃度37%)15質量部をさらに添加することにより、中間層被覆グラファイト粒子の表面にさらに銀を析出させて銀被覆層を形成した。そして、得られた銀被覆グラファイト粒子を、ろ過により回収し、水で洗浄した後、乾燥した。
[本発明例2]
中間層被覆工程において、正ケイ酸エチルの添加量を3質量部としたこと以外は、本発明例1と同様にして銀被覆グラファイト粒子を得た。
[本発明例3]
中間層被覆工程において、正ケイ酸エチルの添加量を45質量部としたこと以外は、本発明例1と同様にして銀被覆グラファイト粒子を得た。
[本発明例4]
以下のようにして、銀被覆フェノール樹脂粒子を製造した。
(中間層被覆工程)
母粒子として、球形状のノボラック型フェノール樹脂粒子(平均粒子径:20μm、5質量%質量減少温度:280℃)を用いた。フェノール樹脂粒子10質量部とチタニアナノ粒子(平均粒子径:25nm、日本アエロジル株式会社製、AEROXIDE TiO2 P90)の凝集体2質量部とを、ハイブリダイゼーション装置(株式会社奈良機械製作所製、NHS−0型)を用いて機械混練して、フェノール樹脂粒子の表面にチタニアナノ粒子を緻密に埋め込むことにより、表面がチタニアナノ粒子の凝集体からなる中間層で被覆された中間層被覆フェノール樹脂粒子を得た。さらに、電鋳篩を用いて分級することで、樹脂表面に埋め込まれなかったチタニア粒子を除外した。
(銀被覆工程)
得られた中間層被覆フェノール樹脂粒子を用いたことと、銀含有率が40質量%となるよう銀被覆工程時の原料量を調整したこと以外は、本発明例1と同様にして銀被覆フェノール樹脂粒子を得た。
[本発明例5]
(中間層被覆工程)
母粒子として、球形状のポリイミド樹脂粒子(平均粒子径:5μm、5質量%質量減少温度:350℃)を用いた。このポリイミド樹脂粒子を、濃度が30g/mのオゾン中に1時間暴露することで表面改質を施した。この表面改質したポリイミド樹脂粒子10質量部とアルミナナノ粒子(平均一次粒子径:20nm、日本アエロジル株式会社製、AEROXIDE Alu C)の凝集体2質量部とを、ハイブリダイゼーション装置(株式会社奈良機械製作所製、NHS−0型)を用いて機械混練して、ポリイミド樹脂粒子の表面にアルミナナノ粒子を緻密に埋め込むことにより、表面がアルミナナノ粒子の凝集体からなる中間層で被覆された中間層被覆ポリイミド樹脂粒子を得た。次いで、中間層被覆ポリイミド樹脂粒子を、電鋳篩を用いて分級して、樹脂表面に埋め込まれなかったアルミナ粒子を除外した。
(銀被覆工程)
得られた中間層被覆ポリイミド樹脂粒子を用いたことと、銀含有率が60質量%となるよう銀被覆工程時の原料量を調整したこと以外は、本発明例1と同様にして銀被覆ポリイミド樹脂粒子を得た。
[本発明例6]
(中間層被覆工程)
母粒子として、球形状の高架橋型アクリル樹脂粒子(平均粒子径:3μm、5質量%質量減少温度:280℃)を用いた。このアクリル樹脂粒子10質量部とヒュームドシリカ粒子(平均粒子径:50nm、日本アエロジル株式会社製、AEROSIL 50)3質量部とを、ハイブリダイゼーション装置(株式会社奈良機械製作所製、NHS−0型)を用いて機械混練して、アクリル樹脂粒子の表面にシリカ粒子を緻密に埋め込むことにより、表面がシリカ粒子の凝集体からなる中間層で被覆された中間層被覆アクリル樹脂粒子を得た。次いで、中間層被覆アクリル樹脂粒子を、電鋳篩を用いて分級して、樹脂表面に埋め込まれなかったヒュームドシリカ粒子を除外した。
(銀被覆工程)
得られた中間層被覆アクリル樹脂粒子を用いたことと、銀含有率が70質量%となるよう銀被覆工程時の原料量を調整したこと以外は、本発明例1と同様にして銀被覆アクリル樹脂粒子を得た。
[本発明例7]
母粒子として、球形状のウレタン樹脂粒子(平均粒子径:8μm、5質量%質量減少温度:300℃)を用いたこと以外は、本発明例5と同様にして中間層被覆ウレタン樹脂粒子を得た。
(銀被覆工程)
得られた中間層被覆ウレタン樹脂粒子を用いたことと、銀含有率が55質量%となるよう銀被覆工程時の原料量を調整したこと以外は、本発明例1と同様にして銀被覆アクリル樹脂粒子を得た。
[本発明例8]
(中間層被覆工程)
母粒子として、扁平状のコークス粒子(平均長径:8μm、平均厚さ:0.4μm、5質量%質量減少温度:400℃)を用いた。このコークス粒子10質量部をシリコーンレジン含有コーティング液(東レダウコーニング株式会社製、RSN0806)150質量部に含浸し、撹拌することで、コークス粒子混合液を調製した。このコークス粒子混合液160質量部を、濃度50質量%のエタノール水溶液300質量部中に滴下し、超音波ホモジナイザーを用いて分散した後、真空乾燥した。得られた乾燥体をナイロンボールを用いたボールミルで解砕を実施し、シリコーンレジン被覆コークス粒子を得た。
(銀被覆工程)
得られた中間層被覆コークス粒子を用いたことと、銀含有率が70質量%となるよう銀被覆工程時の原料量を調整したこと以外は、本発明例1と同様にして銀被覆コークス粒子を得た。
[本発明例9]
(中間層被覆工程)
母粒子として、球形状の高架橋型アクリル樹脂粒子(平均粒子径:20μm、5質量%質量減少温度:280℃)を用いた。このアクリル樹脂粒子10質量部と酸化錫粒子(平均粒子径:15nm、三菱マテリアル電子化成株式会社製、S−1)の凝集体3質量部とを、ハイブリダイゼーション装置(株式会社奈良機械製作所製、NHS−0型)を用いて機械混練して、アクリル樹脂粒子の表面に酸化錫粒子を緻密に埋め込むことにより、表面が酸化錫粒子の凝集体からなる中間層で被覆された中間層被覆アクリル樹脂粒子を得た。さらに、電鋳篩を用いて分級することで、樹脂表面に埋め込まれなかった酸化錫粒子を除外した。
(銀被覆工程)
得られた中間層被覆アクリル樹脂粒子を用いたことと、銀含有率が82質量%となるよう銀被覆工程時の原料量を調整したこと以外は、本発明例1と同様にして銀被覆コークス粒子を得た。
[本発明例10]
(中間層被覆工程)
母粒子として、球形状のノボラック型フェノール樹脂粒子(平均粒子径:30μm、5質量%質量減少温度:280℃)を用いた。このフェノール樹脂粒子を、粘着板に固着させた状態で、スパッタ装置を用いてRFスパッタリングを常温で実施し、チタニアをフェノール樹脂粒子の表面にスパッタした。次いで、フェノール樹脂粒子を粘着板から別の粘着板に転写し、固着させた状態で同様にスパッタした。その後、フェノール樹脂粒子を粘着板から剥離させ、表面がチタニアからなる中間層で被覆された中間層被覆フェノール樹脂粒子を得た。
(銀被覆工程)
得られた中間層被覆フェノール樹脂粒子を用いたことと、銀含有率が40質量%となるよう銀被覆工程時の原料量を調整したこと以外は、本発明例1と同様にして銀被覆コークス粒子を得た。
[比較例1]
グラファイト粒子の表面に中間層を形成しなかったこと以外は、本発明例1と同様にして、銀被覆粒子を製造した。
[比較例2]
フェノール樹脂粒子の表面に中間層を形成しなかったこと以外は、本発明例4と同様にして、銀被覆粒子を製造した。
[比較例3]
ポリイミド樹脂粒子の表面に中間層を形成しなかったこと以外は、本発明例5と同様にして、銀被覆粒子を製造した。
[比較例4]
アクリル樹脂粒子の表面に中間層を形成しなかったこと以外は、本発明例6と同様にして、銀被覆粒子を製造した。
[比較例5]
ウレタン樹脂粒子の表面に中間層を形成しなかったこと以外は、本発明例7と同様にして、銀被覆粒子を製造した。
[比較例6]
コークス粒子の表面に中間層を形成しなかったこと以外は、本発明例8と同様にして、銀被覆粒子を製造した。
[比較例7]
アクリル樹脂粒子の表面に中間層を形成しなかったこと以外は、本発明例9と同様にして、銀被覆粒子を製造した。
[比較例8]
フェノール樹脂粒子の表面に中間層を形成しなかったこと以外は、本発明例10と同様にして、銀被覆粒子を製造した。
[評価]
本発明例1〜10及び比較例1〜8で得られた銀被覆粒子について、以下の評価を行った。その結果を下記の表1に示す。
(中間層の膜厚)
銀被覆粒子を樹脂埋めし、銀被覆粒子を研磨して断面を露出させた。露出した銀被覆粒子の断面をTEM(透過型電子顕微鏡)で観察して、中間層の膜厚を測定した。なお、中間層の膜厚は、20個の銀被覆粒子に対して測定し、その平均値を表1に記載した。
(銀の含有量)
銀被覆粒子と希硝酸とを混合して、銀被覆層を溶解させた後、ろ過して、粒子を除去した。得られた銀被覆層溶解液中の銀の量を、誘導結合プラズマ発光分光分析装置により測定し、銀被覆粒子の銀含有量に換算した。
(母粒子の5質量%相当の質量減少温度)
銀被覆粒子を、TG−DTA(ネッチ社製)を用いて、アルゴン雰囲気下、10℃/minの昇温速度で加熱して、銀被覆粒子の質量変化を測定した。母粒子の5質量%に相当する質量が減少したときの温度を母粒子の5質量%相当の質量減少温度とした。この温度が高い方が、母粒子の耐熱性が高いことを示す。なお、母粒子の質量は、銀被覆粒子の質量と、上記の銀含有量(質量%)とから下記の式により算出した。
母粒子の質量=銀被覆粒子の質量×(100−銀含有量)/100
Figure 2019157225
母粒子と銀被覆層との間に中間層を形成した本発明例1〜10の銀被覆粒子は、いずれも母粒子の5質量%相当の質量減少温度が、母粒子単独の5質量%質量減少温度と同等であった。
これに対して、母粒子と銀被覆層との間に中間層を形成しなかった比較例1〜8の銀被覆粒子は、母粒子の5質量%相当の質量減少温度が、母粒子単独の5質量%相当の質量減少温度よりも低くなった。これは、銀被覆層の銀が母粒子の炭素−炭素結合の切断を促進させるためであると考えられる。
以上の結果から、本発明によれば、母粒子が、炭素−炭素結合を骨格とする樹脂または炭素質材料を含みながらも耐熱性に優れた銀被覆粒子を提供することが可能となることが確認された。
10 銀被覆粒子
11 母粒子
12 中間層
13 銀被覆層

Claims (1)

  1. 母粒子と、前記母粒子の表面に設けられた銀被覆層とを有する銀被覆粒子であって、
    前記母粒子が、炭素−炭素結合を骨格とする樹脂または炭素質材料を含み、
    前記母粒子と前記銀被覆層との間に、シロキサン結合を骨格とする有機物、または無機酸化物からなる中間層が形成されていることを特徴とする銀被覆粒子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115805309A (zh) * 2023-01-09 2023-03-17 苏州思尔维纳米科技有限公司 一种改性银包金属粉及其制备方法

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