JP2019157210A - 表面保護剤組成物および端子付き被覆電線 - Google Patents

表面保護剤組成物および端子付き被覆電線 Download PDF

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Abstract

【課題】金属表面への吸着力と優れた撥水効果を両立して金属腐食を防止する防食性能に優れる表面保護剤組成物およびこれを用いた端子付き被覆電線の提供。【解決手段】組成物全量基準で、(a)リン化合物をリン元素換算量として0.1〜10質量%、(b)含金属化合物を金属元素換算量として0.1〜10質量%、またはアミン化合物を窒素元素換算量として0.1〜5.0質量%、(c)トリフルオロメチル基を1以上有する(メタ)アクリレート、(d)炭素数4以上の炭化水素鎖を有する(メタ)アクリレート、(e)光重合開始剤を0.1〜10質量%配合してなる。【選択図】なし

Description

本発明は、表面保護剤組成物および端子付き被覆電線に関し、さらに詳しくは、金属腐食を防止する防食性能に優れる表面保護剤組成物およびこれを用いて防食性能に優れる端子付き被覆電線に関するものである。
金属機器や金属部品において、潤滑目的や防食目的などで、グリースなどが用いられている。例えば特許文献1には、パーフルオロエーテル基油、増稠剤、硫酸バリウムまたは酸化アンチモンを含有してなるグリースを機械部品に用いることが記載されている。また、例えば特許文献2には、金属表面を保護するための組成物として、潤滑油基油にゲル化剤を添加したものを用いることが記載されている。
また、金属機器や金属部品において、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂をコーティングすることも行われている。フッ素樹脂のコーティング膜は、撥水性に優れるため、撥水効果による腐食抑制効果が期待できる。
特許第4811408号公報 特開平06−33272号公報
特許文献1,2の構成では、金属吸着成分が含まれていないため、金属表面への吸着力に劣り、金属腐食を防止する防食性能に劣る。また、撥水効果による腐食抑制効果も期待できない。なお、特許文献1の潤滑油基油はパーフルオロエーテル基油からなり、フッ素を含有するものであるが、組成物全体が液状あるいはゲル状であるため、水滴の重みで表面が変化し、高い水接触角が得られず、高い撥水性が発揮されない。一方、フッ素樹脂をコーティングする構成では、撥水効果による腐食抑制効果は期待できるが、フッ素化合物は表面自由エネルギーが低いため、高い撥水性を示す一方で金属表面への吸着力も弱く、金属腐食を防止する防食性能に劣る。
本発明の解決しようとする課題は、金属表面への吸着力と優れた撥水効果を両立して金属腐食を防止する防食性能に優れる表面保護剤組成物およびこれを用いた端子付き被覆電線を提供することにある。
上記課題を解決するため本発明に係る表面保護剤組成物は、
(a)下記一般式(1)で表されるリン化合物を、組成物全量基準で、リン元素換算量として0.1〜10質量%、
Figure 2019157210
上記一般式(1)において、Rは水素原子を示し、Rは炭素数4〜30の炭化水素基を示し、Rは水素原子または炭素数4〜30の炭化水素基を示す。
(b)含金属化合物を、組成物全量基準で、金属元素換算量として0.1〜10質量%、または、アミン化合物を、組成物全量基準で、窒素元素換算量として0.1〜5.0質量%、
(c)トリフルオロメチル基を1以上有する(メタ)アクリレート、
(d)炭素数4以上の炭化水素鎖を有する(メタ)アクリレート、
(e)光重合開始剤を、組成物全量基準で、0.1〜10質量%、
配合してなることを要旨とするものである。
本発明に係る表面保護剤組成物は、前記(c)と前記(d)の質量比が、(c):(d)=5:95〜70:30の範囲内であることが好ましい。また、前記(a)と前記(b)の合計と、前記(c)と前記(d)の合計と、の質量比が、((a)+(b)):((c)+(d))=98:2〜20:80の範囲内であることが好ましい。また、前記(d)が、2以上の炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。また、前記(b)の含金属化合物の金属が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、チタン、亜鉛から選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、前記(a)の炭素数4〜30の炭化水素基の少なくとも1つが、1以上の分岐鎖または1以上の炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。そして、本発明に係る表面保護剤組成物は、さらに、(e)潤滑油基油を、組成物全量基準で、10〜90質量%配合してなるものであってもよい。
そして、本発明に係る端子付き被覆電線は、本発明に係る表面保護剤組成物の硬化物により端子金具と電線導体との電気接続部が覆われていることを要旨とするものである。
本発明に係る表面保護剤組成物において、(a)のリン化合物は、(b)の含金属化合物またはアミン化合物の作用によって、リン酸基を含む極性の高い部分で、塗布する金属表面にイオン結合を形成し、金属表面に吸着する。また、(a)のリン化合物は、親油性の炭化水素基がリン酸基を含む極性の高い部分と相分離しており、親油性の炭化水素基の親和力で、親油性の炭化水素鎖を有する(d)の(メタ)アクリレートと相溶し、(d)の重合物中に保持される。一方、(メタ)アクリロイル基を有する(d)は、(メタ)アクリロイル基を有する(c)と共重合する。(c)のフッ素基を含有する部分は、(a)や(d)の炭化水素鎖の部分とは相溶しないので、(a)のリン化合物の相分離の影響を受けて、金属表面とは反対側の、硬化物の表面に局在化する。これが撥水表面として機能し、撥水性が発現する。したがって、本発明に係る表面保護剤組成物によれば、金属表面への吸着力と優れた撥水効果を両立して金属腐食を防止する防食性能に優れる。
この際、(c)と(d)の質量比が上記範囲内であると、撥水効果が特に高い。また、(a)と(b)の合計と、(c)と(d)の合計と、の質量比が上記範囲内であると、金属表面への吸着力と優れた撥水効果のバランスに優れる。そして、(d)が2以上の炭素−炭素二重結合を有すると、光硬化により耐熱性の高い重合物となるため、より耐熱性に優れる。そして、(b)の含金属化合物の金属が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、チタン、亜鉛から選択される少なくとも1種であると、(a)のリン化合物が塗布する金属表面に強く吸着することができる。そして、(a)の炭素数4〜30の炭化水素基の少なくとも1つが、1以上の分岐鎖構造または1以上の炭素−炭素二重結合構造を有すると、(a)の炭化水素基同士の配向が抑えられ、(a)の結晶性が低下するので、(d)との相溶性が向上する。さらに、(e)潤滑油基油を、組成物全量基準で、10〜90質量%配合してなるものであると、本発明に係る表面保護剤組成物の常温での塗布性が向上する。
そして、本発明に係る端子付き被覆電線によれば、上記の表面保護剤組成物の硬化物により端子金具と電線導体との電気接続部が覆われていることから、硬化物の金属表面への吸着力と優れた撥水効果を両立して金属腐食を防止する防食性能に優れる。
本発明の一実施形態に係る端子付き被覆電線の斜視図である。 図1におけるA−A線縦断面図である。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明に係る表面保護剤組成物(以下、本保護剤組成物ということがある。)は、下記の(a)〜(e)を配合してなる。本保護剤組成物は、下記の(a)〜(e)に加え、さらに下記の(f)を配合してなるものであってもよい。
(a)は、下記一般式(1)で表されるリン化合物である。リン化合物は、下記一般式(1)で表されるように、炭化水素基からなる極性の低い部分(親油性部分)と、リン酸基を含む極性の高い部分を有している。
Figure 2019157210
上記一般式(1)において、Rは水素原子を示し、Rは炭素数4〜30の炭化水素基を示し、Rは水素原子または炭素数4〜30の炭化水素基を示す。
炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルキル置換シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキル置換アリール基、アリールアルキル基などが挙げられる。これらのうちでは、脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基であるアルキル基、シクロアルキル基、アルキル置換シクロアルキル基、アルケニル基が好ましい。(a)の炭化水素基が脂肪族炭化水素基または脂環族炭化水素基であると、(f)潤滑油基油を含む場合において、(f)潤滑油基油との相溶性が向上する。
アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。アルキル基としては、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基(ステアリル基)、イソステアリル基、ブチルオクチル基、ミリスチル基、イソミリスチル基、イソセチル基、ヘキシルデシル基、オクチルデシル基、オクチルドデシル基、ベヘニル基、イソベヘニル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基などが挙げられる。アルキル置換シクロアルキル基としては、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロへプチル基、ジメチルシクロへプチル基、メチルエチルシクロへプチル基、ジエチルシクロへプチル基などが挙げられる。アルキル置換シクロアルキル基の置換位置は、特に限定されない。
アルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。アルケニル基としては、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、へプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、オレイル基などが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルキル置換アリール基としては、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、へプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基などが挙げられる。アルキル置換アリール基の置換位置は、特に限定されない。アルキル置換アリール基のアルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。アリールアルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基などが挙げられる。アリールアルキル基のアルキル基は直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
(a)において、炭素数4〜30の炭化水素基の少なくとも1つは、炭素数8〜30の炭化水素基であることが好ましい。また、(a)において、炭素数4〜30の炭化水素基の少なくとも1つは、1以上の分岐鎖または1以上の炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。(a)の炭化水素基が分岐鎖または炭素−炭素二重結合を有すると、(a)の炭化水素基同士の配向が抑えられ、(a)の結晶性が低下し、炭化水素鎖を有する(d)との相溶性が向上する。また、(f)潤滑油基油を含む場合において、(f)潤滑油基油との相溶性が向上する。相溶性が向上することにより、(a)成分が組成物内で均一に分散するため、被塗布面との界面においてムラ無く(a)の金属吸着部分が接することができ、腐食抑制向上に効果的となる。
上記一般式(1)で表される具体的なリン化合物としては、ブチルオクチルアシッドホスフェイト、イソミリスチルアシッドホスフェイト、イソセチルアシッドホスフェイト、ヘキシルデシルアシッドホスフェイト、イソステアリルアシッドホスフェイト、イソベヘニルアシッドホスフェイト、オクチルデシルアシッドホスフェイト、オクチルドデシルアシッドホスフェイト、イソブチルアシッドホスフェイト、2−エチルヘキシルアシッドホスフェイト、イソデシルアシッドホスフェイト、ラウリルアシッドホスフェイト、トリデシルアシッドホスフェイト、ステアリルアシッドホスフェイト、オレイルアシッドホスフェイト、ミリスチルアシッドホスフェイト、パルミチルアシッドホスフェイト、ジ−ブチルオクチルアシッドホスフェイト、ジ−イソミリスチルアシッドホスフェイト、ジ−イソセチルアシッドホスフェイト、ジ−ヘキシルデシルアシッドホスフェイト、ジ−イソステアリルアシッドホスフェイト、ジ−イソベヘニルアシッドホスフェイト、ジ−オクチルデシルアシッドホスフェイト、ジ−オクチルドデシルアシッドホスフェイト、ジ−イソブチルアシッドホスフェイト、ジ−2−エチルヘキシルアシッドホスフェイト、ジ−イソデシルアシッドホスフェイト、ジ−トリデシルアシッドホスフェイト、ジ−オレイルアシッドホスフェイト、ジ−ミリスチルアシッドホスフェイト、ジ−パルミチルアシッドホスフェイトなどが挙げられる。
(a)は、組成物全量基準で、リン元素換算量として0.1〜10質量%配合する。組成物全量基準で、(a)の量がリン元素換算量として0.1質量%未満であると、表面保護剤組成物の金属表面への吸着力が弱く、金属表面の腐食を抑える効果が低い。組成物全量基準で、(a)の量がリン元素換算量として10質量%超であると、相対的に(c)の量が少なくなりすぎて、表面保護剤組成物に光照射して硬化させても撥水効果が不十分となる。また、金属表面への吸着力の観点から、(a)は、組成物全量基準で、リン元素換算量として、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上である。また、撥水効果の観点から、(a)は、組成物全量基準で、リン元素換算量として、より好ましくは8.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以下である。
(b)は、含金属化合物、または、アミン化合物である。これらは、(b)として1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。保護剤組成物が塗布された金属表面において、(b)により金属表面の金属のイオン化が促進され、リン化合物が金属表面に吸着することができる。これにより、本保護剤組成物が金属表面に吸着することができる。含金属化合物としては、金属水酸化物、金属酸化物などが挙げられる。
含金属化合物の金属としては、Li,Na,Kなどのアルカリ金属、Mg,Caなどのアルカリ土類金属、アルミニウム、チタン、亜鉛などが挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わされて用いられてもよい。これらの金属は、イオン化傾向が比較的高いため、共存することにより金属表面の金属のイオン化が促進され、リン化合物が金属表面に強く吸着することができる。
含金属化合物の金属としては、親水性の観点からアルカリ土類金属、アルミニウム、チタン、亜鉛などの価数が2価以上のものが好ましい。また、耐水性などの観点から、Ca,Mgがより好ましい。
含金属化合物は、組成物全量基準で、金属元素換算量として0.1〜10質量%配合する。組成物全量基準で、含金属化合物の量が金属元素換算量として0.1質量%未満であると、(a)のリン化合物が金属表面にイオン結合を形成し金属表面に吸着する吸着力が弱く、表面保護剤組成物による金属表面の腐食を抑える効果が低い。また、組成物全量基準で、含金属化合物の量が金属元素換算量として10質量%超であると、余剰の含金属化合物の影響が大きくなり、保護効果が得られない。また、(a)のリン化合物の吸着力の観点から、含金属化合物は、組成物全量基準で、金属元素換算量として、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1.0質量%以上である。また、含金属化合物は、組成物全量基準で、金属元素換算量として、より好ましくは8.0質量%以下、さらに好ましくは5.0質量%以下である。
アミン化合物としては、炭素数2〜100の炭化水素基を有する有機アミン化合物が挙げられる。好ましくは、炭素数2〜22の炭化水素基を有する有機アミン化合物である。また、酸化安定性などの観点から炭素数8以上の炭化水素を有するものがより好ましい。アミン化合物は、1級〜3級のいずれであっても良い。
アミン化合物としては、より具体的にはオクチルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン、オレイルアミン、牛脂アルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、アニリン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチル牛脂アルキルアミン、ジメチル硬化牛脂アルキルアミン、ジメチルオレイルアミンなどが挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種以上組み合わされて用いられてもよい。これらのうちでは、オクチルアミン、ステアリルアミンが好ましい。
アミン化合物は、組成物全量基準で、窒素元素換算量として0.1〜5.0質量%配合する。組成物全量基準で、アミン化合物の量が窒素元素換算量として0.1質量%未満であると、(a)のリン化合物が金属表面にイオン結合を形成し金属表面に吸着する吸着力が弱く、表面保護剤組成物による金属表面の腐食を抑える効果が低い。また、組成物全量基準で、アミン化合物の量が窒素元素換算量として5.0質量%超であると、余剰のアミン化合物の影響が大きくなり、保護効果が得られない。また、(a)のリン化合物の吸着力の観点から、アミン化合物は、組成物全量基準で、窒素元素換算量として、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。また、アミン化合物は、組成物全量基準で、窒素元素換算量として、より好ましくは3.0質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以下である。
(c)は、トリフルオロメチル基を1以上有する(メタ)アクリレートである。(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートのいずれか一方または両方を含むものである。(c)は、トリフルオロメチル基を1以上有することで、本保護剤組成物の硬化物の表面に優れた撥水性を付与することができる。また、この観点から、(c)は、より好ましくはトリフルオロメチル基を2以上有する(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくはトリフルオロメチル基を3以上有する(メタ)アクリレートである。(c)は、(メタ)アクリロイル基を1つ有する単官能の(メタ)アクリレートであってもよいし、(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する多官能の(メタ)アクリレートであってもよい。(c)は、分子配向によって重合に関係する部分と撥水性に関係する部分が相分離しやすく、本保護剤組成物の硬化物の表面に優れた撥水性を付与しやすいなどの観点から、単官能の(メタ)アクリレートがより好ましい。
(c)としては、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロブチル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、3−パーフルオロヘキシル−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1H−1−(トリフルオロメチル)トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,3H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1,2,2,2−テトラフルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらのうちでは、末端のフッ素含有率が高く、本保護剤組成物の硬化物の表面により優れた撥水性を付与できるなどの観点から、トリフルオロメチル基を有する(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(c)は、特に限定されるものではないが、組成物全量基準で、0.5〜50質量%配合することが好ましい。組成物全量基準で、(c)の量が0.5質量%以上であると、本保護剤組成物の硬化物の表面に、より優れた撥水性を付与することができる。また、組成物全量基準で、(c)の量が50質量%以下であると、相対的に(a)(d)の量が多くなるので、(c)の相分離によりフッ素基を含有する部分が硬化物の表面に局在化する効果が向上し、本保護剤組成物の硬化物の表面に、より優れた撥水性を付与することができる。また、相対的に(a)の量が多くなるので、本保護剤組成物の金属表面への吸着力が強くなり、金属表面の腐食を抑える効果が向上する。また、本保護剤組成物の硬化物の表面に優れた撥水性を付与する観点から、(c)は、組成物全量基準で、より好ましくは1.0質量%以上、さらに好ましくは3.0質量%以上である。また、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。
(d)は、炭素数4以上の炭化水素鎖を有する(メタ)アクリレートである。炭素数4以上とすることで、親油性が高くなり、親油性の炭化水素鎖の親和力で、炭素数4以上の、親油性の炭化水素基を有する(a)との相溶性に優れる。これにより、(d)の重合物中に(a)が保持される。また、(メタ)アクリロイル基を有する(d)は、(メタ)アクリロイル基を有する(c)とともに光重合し、硬化物を形成する。(a)と(d)が相溶し、(c)と(d)が共重合することで、均一な組成物および均一な硬化物を形成することができる。(a)と(c)は相溶しないため、(d)が存在しないと、硬化物の表面に液状の膜が分離し、(c)による撥水効果が発現しない。
(d)において、炭素数4以上の炭化水素鎖は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。また、1以上の炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。炭素数4以上の炭化水素鎖は、好ましくは炭素数8以上の炭化水素鎖である。また、好ましくは炭素数30以下の炭化水素鎖である。より好ましくは炭素数22以下の炭化水素鎖である。炭素数4以上の炭化水素鎖としては、アルキル鎖、シクロアルキル鎖、アルキル置換シクロアルキル鎖、アルケニル鎖、アリール鎖、アルキル置換アリール鎖、アリールアルキル鎖などが挙げられる。これらのうちでは、脂肪族炭化水素鎖、脂環族炭化水素鎖であるアルキル鎖、シクロアルキル鎖、アルキル置換シクロアルキル鎖、アルケニル鎖が好ましい。
(d)の(メタ)アクリレートは、炭素数4以上の炭化水素鎖を有するとともに、2以上の炭素−炭素二重結合を有することが好ましい。この炭素−炭素二重結合には、(メタ)アクリロイル基に含まれる炭素−炭素二重結合やアルケニル基に含まれる炭素−炭素二重結合が含まれる。(d)は、2以上の炭素−炭素二重結合を有することで、光重合により3次元構造の重合物となり、高温下で融解しにくいものとなる。(a)は(d)と相溶性に優れるため、(a)は(d)の重合物中に保持される。これにより、(a)は高温下で流出しにくくなるため、本保護剤組成物の硬化物は高温下で融解しにくく、耐熱性に優れる。
(d)の(メタ)アクリレートは、単官能(メタ)アクリレートであってもよいし、2官能以上の多官能(メタ)アクリレートであってもよい。(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートのいずれか一方または両方を含むものである。
(d)の(メタ)アクリレートとしては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルアクリレートなどの単官能(メタ)アクリレートや、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAのEO付加物又はPO付加物のポリオールのジ(メタ)アクリレート、ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。これらは、(d)として1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(d)は、特に限定されるものではないが、組成物全量基準で、1.0〜60質量%配合することが好ましい。組成物全量基準で、(d)の量が1.0質量%以上であると、(c)の相分離によりフッ素基を含有する部分が硬化物の表面に局在化する効果が向上し、本保護剤組成物の硬化物の表面に、より優れた撥水性を付与することができる。また、組成物全量基準で、(d)の量が60質量%以下であると、相対的に(a)(c)の量が多くなるので、(c)の相分離によりフッ素基を含有する部分が硬化物の表面に局在化する効果が向上し、本保護剤組成物の硬化物の表面に、より優れた撥水性を付与することができる。また、本保護剤組成物の金属表面への吸着力が強く、金属表面の腐食を抑える効果が向上する。そして、本保護剤組成物の硬化物の表面により優れた撥水性を付与する観点から、(d)は、組成物全量基準で、より好ましくは3.0質量%以上、さらに好ましくは5.0質量%以上である。また、より好ましくは55質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下である。
(c)と(d)の質量比は、(c):(d)=5:95〜70:30の範囲内であることが好ましい。(c)が多くなると、撥水効果に寄与するフッ素基を含有する部分が多くなるので、撥水効果が高くなる。その一方で、(c)が多くなると、相対的に(d)が少なくなり、(d)により(c)のフッ素基を含有する部分が硬化物の表面に局在化して撥水効果が発現する効果が低下する。このため、(c)と(d)の質量比が上記範囲内であると、撥水効果が特に高い。より好ましくは(c):(d)=10:90〜40:60の範囲内である。
そして、(a)と(b)の合計と、(c)と(d)の合計と、の質量比は、((a)+(b)):((c)+(d))=98:2〜20:80の範囲内であることが好ましい。金属吸着成分である(a)と(b)の合計と、(メタ)アクリレートである(c)と(d)の合計と、の質量比が上記範囲内であると、金属表面への吸着力と優れた撥水効果のバランスに優れる。より好ましくは((a)+(b)):((c)+(d))=90:10〜40:60の範囲内である。
(e)は、光重合開始剤である。(e)は、紫外線などの光を吸収してラジカル重合を開始させる化合物であれば特に制限されることなく、従来から公知のものを用いることができる。(e)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、エチルアントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらは、(e)として1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。(e)としては、市販品として、例えば、IRGACURE184、369、651、500、907、CGI1700、CGI1750、CGI1850、CG24−61;Darocure1116、1173,LucirinTPO(以上、BASF社の商品名)、ユベクリルP36(UCB社の商品名)等を用いることができる。(e)は、組成物全量基準で、0.1〜10質量%配合する。
(f)は、潤滑油基油である。本保護剤組成物が(f)を含むと、本保護剤組成物の常温での塗布性が向上する。(f)は、組成物全量基準で、10〜90質量%配合することが好ましい。より好ましくは30〜70質量%である。
潤滑油基油としては、通常の潤滑油の基油として用いられる任意の鉱油、ワックス異性化油、合成油の1種または2種以上の混合物を使用することができる。鉱油としては、具体的には、例えば、原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱瀝、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱蝋、接触脱蝋、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理等の精製処理等を適宜組み合わせて精製したパラフィン系、ナフテン系等の油やノルマルパラフィン等が使用できる。
ワックス異性化油としては、炭化水素油を溶剤脱ろうして得られる石油スラックワックスなどの天然ワックス、あるいは一酸化炭素と水素との混合物を高温高圧で適用な合成触媒と接触させる、いわゆるFischer Tropsch合成方法で生成される合成ワックスなどのワックス原料を水素異性化処理することにより調製されたものが使用できる。ワックス原料としてスラックワックスを使用する場合、スラックワックスは硫黄と窒素を大量に含有しており、これらは潤滑油基油には不要であるため、必要に応じて水素化処理し、硫黄分、窒素分を削減したワックスを原料として用いることが望ましい。
合成油としては、特に制限はないが、1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー、エチレン−プロピレンオリゴマー等のポリα−オレフィンまたはその水素化物、イソブテンオリゴマーまたはその水素化物、イソパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエステル(ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等)、ポリオールエステル(トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポリオキシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエーテル、ポリフェニルエーテル等が挙げられる。
潤滑油基油の動粘度は、特に限定されるものではないが、通常、100℃において1〜150mm/sの範囲内であることが好ましい。また、揮発性および製造時の扱いやすさに優れることから、100℃における動粘度が2〜130mm/sの範囲内であることがより好ましい。動粘度は、JIS K2283に準拠して測定される。
本保護剤組成物においては、本発明の機能を損なわない範囲において、安定化剤、腐食防止剤、色素、増粘剤、フィラーなどを配合してもよい。
本保護剤組成物は、(a)〜(e)をまとめて混合することにより調製してもよいし、(a)と(b)を混合した後、(c)〜(e)をさらに加えて混合することにより調製してもよい。本保護剤組成物が(f)や添加剤を含む場合には、(a)〜(f)および添加剤をまとめて混合することにより調製してもよいし、(a)と(b)を混合した後、(c)〜(f)および添加剤をさらに加えて混合することにより調製してもよい。
被塗布材の表面に本保護剤組成物を塗布するか、本保護剤組成物中に被塗布材を浸漬することにより、被塗布材の表面に本保護剤組成物をコーティングすることができる。被塗布材としては、金属材が挙げられる。金属材の金属種としては、Cu、Cu合金、Al、Al合金、これらに各種めっきが施された金属材など、端子金具や電線導体などにおいて好適に用いられる金属が挙げられる。本保護剤組成物は、被塗布材の表面にコーティングした後、紫外線などの光を照射して、硬化することができる。これにより、被塗布材の表面が本保護剤組成物の硬化物に覆われる。本保護剤組成物の硬化物の膜厚は、特に限定されるものではなく、0.5〜100μm程度に調整すればよい。
以上の構成の本保護剤組成物において、(a)のリン化合物は、(b)の含金属化合物またはアミン化合物の作用によって、リン酸基を含む極性の高い部分で、塗布する金属表面にイオン結合を形成し、金属表面に吸着する。また、(a)のリン化合物は、親油性の炭化水素基がリン酸基を含む極性の高い部分と相分離しており、親油性の炭化水素基の親和力で、親油性の炭化水素鎖を有する(d)の(メタ)アクリレートと相溶し、(d)の重合物中に保持される。一方、(メタ)アクリロイル基を有する(d)は、(メタ)アクリロイル基を有する(c)と共重合する。(c)のフッ素基を含有する部分は、(a)や(d)の炭化水素鎖の部分とは相溶しないので、(a)のリン化合物の相分離の影響を受けて、金属表面とは反対側の、硬化物の表面に局在化する。これが撥水表面として機能し、撥水性が発現する。したがって、本発明に係る表面保護剤組成物によれば、金属表面への吸着力と優れた撥水効果を両立して金属腐食を防止する防食性能に優れる。
本保護剤組成物は、防食用途などに用いることができる。例えば、表面保護対象の金属部材の表面に密着させて該金属表面を覆って金属腐食を防止する防食用として用いることができる。また、防食用途としては、例えば端子付き被覆電線の防食剤などとして用いることができる。
次に、本発明に係る端子付き被覆電線について説明する。
本発明に係る端子付き被覆電線は、絶縁電線の導体端末に端子金具が接続されたものにおいて、本保護剤組成物の硬化物により端子金具と電線導体の電気接続部が覆われたものからなる。これにより、電気接続部での腐食が防止される。
図1は、本発明の一実施形態に係る端子付き被覆電線の斜視図であり、図2は図1におけるA−A線縦断面図である。図1、図2に示すように、端子付き被覆電線1は、電線導体3が絶縁被覆(絶縁体)4により被覆された被覆電線2の電線導体3と端子金具5が電気接続部6により電気的に接続されている。
端子金具5は、相手側端子と接続される細長い平板からなるタブ状の接続部51と、接続部51の端部に延設形成されているワイヤバレル52とインシュレーションバレル53からなる電線固定部54を有する。端子金具5は、金属製の板材をプレス加工することにより所定の形状に成形(加工)することができる。
電気接続部6では、被覆電線2の端末の絶縁被覆4を皮剥ぎして、電線導体3を露出させ、この露出させた電線導体3が端子金具5の片面側に圧着されて、被覆電線2と端子金具5が接続される。端子金具5のワイヤバレル52を被覆電線2の電線導体3の上から加締め、電線導体3と端子金具5が電気的に接続される。又、端子金具5のインシュレーションバレル53を、被覆電線2の絶縁被覆4の上から加締める。
端子付き被覆電線1において、一点鎖線で示した範囲が、本保護剤組成物の硬化物7により覆われる。具体的には、電線導体3の絶縁被覆4から露出する部分のうち先端より先の端子金具5の表面から、電線導体3の絶縁被覆4から露出する部分のうち後端より後の絶縁被覆4の表面までの範囲が、硬化物7により覆われる。つまり、被覆電線2の先端2a側は、電線導体3の先端から端子金具5の接続部51側に少しはみ出すように硬化物7で覆われる。端子金具5の先端5a側は、インシュレーションバレル53の端部から被覆電線2の絶縁被覆4側に少しはみ出すように硬化物7で覆われる。そして、図2に示すように、端子金具5の側面5bも硬化物7で覆われる。なお、端子金具5の裏面5cは硬化物7で覆われなくてもよいし、覆われていてもよい。硬化物7の周端は、端子金具5の表面に接触する部分と、電線導体3の表面に接触する部分と、絶縁被覆4の表面に接触する部分と、で構成される。
こうして、端子金具5と被覆電線2の外側周囲の形状に沿って、電気接続部6が硬化物7により所定の厚さで覆われる。これにより、被覆電線2の電線導体3の露出した部分は硬化物7により完全に覆われて、外部に露出しないようになる。したがって、電気接続部6は硬化物7により完全に覆われる。硬化物7は、電線導体3、絶縁被覆4、端子金具5のいずれとも密着性に優れるので、硬化物7により、電線導体3および電気接続部6に外部から水分等が侵入して金属部分が腐食するのを防止する。また、密着性に優れるため、例えばワイヤーハーネスの製造から車両に取り付けるまでの過程において、電線が曲げられた場合にも、硬化物7の周端で硬化物7と、電線導体3、絶縁被覆4、端子金具5のいずれとの間にも隙間ができにくく、防水性や防食機能が維持される。
硬化物7を形成する本保護剤組成物は、所定の範囲に塗布される。硬化物7を形成する本保護剤組成物の塗布は、滴下法、塗布法等の公知の手段を用いることができる。
硬化物7は、所定の厚みで所定の範囲に形成される。その厚みは、0.01〜0.1mmの範囲内が好ましい。硬化物7が厚くなりすぎると、端子金具5をコネクタへ挿入しにくくなる。硬化物7が薄くなりすぎると、防食性能が低下しやすくなる。
被覆電線2の電線導体3は、複数の素線3aが撚り合わされてなる撚線よりなる。この場合、撚線は、1種の金属素線より構成されていても良いし、2種以上の金属素線より構成されていても良い。また、撚線は、金属素線以外に、有機繊維よりなる素線などを含んでいても良い。なお、1種の金属素線より構成されるとは、撚線を構成する全ての金属素線が同じ金属材料よりなることをいい、2種以上の金属素線より構成されるとは、撚線中に互いに異なる金属材料よりなる金属素線を含んでいることをいう。撚線中には、被覆電線2を補強するための補強線(テンションメンバ)等が含まれていても良い。
電線導体3を構成する金属素線の材料としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、もしくはこれらの材料に各種めっきが施された材料などを例示することができる。また、補強線としての金属素線の材料としては、銅合金、チタン、タングステン、ステンレスなどを例示することができる。また、補強線としての有機繊維としては、ケブラーなどを挙げることができる。電線導体3を構成する金属素線としては、軽量化の観点から、アルミニウム、アルミニウム合金、もしくはこれらの材料に各種めっきが施された材料が好ましい。
絶縁被覆4の材料としては、例えば、ゴム、ポリオレフィン、PVC、熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上混合して用いても良い。絶縁被覆4の材料中には、適宜、各種添加剤が添加されていても良い。添加剤としては、難燃剤、充填剤、着色剤等を挙げることができる。
端子金具5の材料(母材の材料)としては、一般的に用いられる黄銅の他、各種銅合金、銅などを挙げることができる。端子金具5の表面の一部(例えば接点)もしくは全体には、錫、ニッケル、金などの各種金属によりめっきが施されていても良い。
なお、図1に示す端子付き被覆電線1では、電線導体の端末に端子金具が圧着接続されているが、圧着接続に代えて溶接などの他の公知の電気接続方法であってもよい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は、実施例により限定されるものではない。
<表面保護剤組成物の調製>
(実施例1)
オレイルアシッドホスフェイトのメタノール溶液に水酸化カルシウムを加え、室温で攪拌後、メタノールを留去し、次いで、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、ノナンジオールジアクリレートおよび光重合開始剤を配合し、表面保護剤組成物を調製した。配合組成(質量%)は表1の通りである。
(実施例2〜16)
表1に記載の配合組成(質量%)で、実施例1と同様にして、表面保護剤組成物を調製した。実施例5は、含金属化合物に代えてアミン化合物を用いている。実施例11〜15は、さらに潤滑油基油を配合している。
(比較例1)
(a)および(b)を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、表面保護剤組成物を調製した。
(比較例2)
(c)を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、表面保護剤組成物を調製した。
(比較例3〜4)
(d)または(e)を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、表面保護剤組成物を調製した。
(比較例5〜6)
(c)の代わりに(x−4)または(x−5)を配合した以外は、実施例1と同様にして、表面保護剤組成物を調製した。
(比較例7)
(d)の代わりに(y−5)を配合した以外は、実施例1と同様にして、表面保護剤組成物を調製した。
<評価>
(撥水性評価)
(水接触角の測定)
30mm×30mm×0.5mm厚の平坦な銅板上に、調製した表面保護剤組成物を50℃で均一平坦に塗布した後、表面にUVランプ(SEN特殊光源社製100mW/cm)で20秒間照射を行い、硬化物を作製した。この硬化物の表面に2μLの水を垂らし、落滴から3秒経過後における硬化物の水接触角を測定した。水接触角の測定は、接触角計ドロップマスターDM700(協和界面科学製)を用い、JIS R3257に記載の方法に準拠して行った。水接触角は、90°以上であれば撥水性に優れるとした。
(滑水性評価)
上記銅板上に作製した硬化物の表面に5μLの水を垂らし、その状態で銅板をゆっくりと水平面から45°に傾けた。この際、硬化物の表面の水滴が動いた場合を滑水性に優れる「○」とし、硬化物の表面の水滴が動かなかった場合を滑水性に劣る「×」とした。
(腐食電流)
1cm×5cmの短冊状銅板の片面において、長手方向の一方端から5mmまでを電極接点部とし、長手方向の他方端から7mmの位置を中心とする5mm×5mmの正方形部分を表面保護剤組成物の塗布部分とした。この電極接点部と正方形部分以外の部分を、60μm厚のマスキングテープでマスキングした。次いで、ホットプレート上で短冊状銅板を加温し、正方形部分の表面温度を50℃にし、調製した表面保護剤組成物を正方形部分に均一に塗布し、カバーガラスのエッジを用いて塗布厚をマスキングテープと同じ60μmに均一化した。次いで、表面にUVランプ(SEN特殊光源社製100mW/cm)で20秒間照射を行い、硬化物コーティング面を作製した。この硬化物コーティング面をカソード電極とし、Al板をアノード電極として、5%NaCl水溶液中に浸し、電位差(腐食電流)を測定した。電位差が小さいほど、短冊状銅板の金属表面に対する表面保護剤組成物の硬化物の吸着力が強いといえる。一方、電位差が大きいほど、短冊状銅板の金属表面に対する表面保護剤組成物の硬化物の吸着力が弱いといえる。なお、表面保護剤組成物を塗布していない未処理の短冊状銅板をカソード電極とした場合、腐食電流値は50μAであり、これとの比較で、電流値がこの値の1/5未満であると、表面保護性の効果が高いと判断できる。
(耐熱性)
硬化後における表面保護剤組成物の耐熱性評価については、JIS C60068−2−2に基づく温度等の測定条件で、銅板上155℃垂れ落ち試験を行った。評価は、表1の実施例中、(d)成分の構造以外は同じ組成の実施例2((d)成分:ノナンジオールジアクリレート)、実施例8((d)成分:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)、実施例9((d)成分:)ネオペンチルグリコールジアクリレート)、実施例10((d)成分:イソボルニルアクリレート)を対象にして行った。
各実施例に従って調製した表面保護剤組成物を0.05gずつ1cm×5cmの短冊状銅板の面の一方端側に常温でスポット塗布した後、塗膜の表面にUVランプ(SEN特殊光源社製100mW/cm)で20秒間照射を行い、短冊状銅板の塗布した一方端側を上にして155℃のオーブン中に垂直に立てかけ、2時間放置後、目視で観察した。塗膜が塗布した一方端側から垂れ落ちなかったものは「○」、垂れ落ちたものは「△」とした。
Figure 2019157210
実施例の表面保護剤組成物は、(a)〜(e)を所定の配合比で含む組成物であり、UV照射後、速やかに硬化物の表面に高い撥水性および滑水性が発現した。また、腐食電流も低値が維持されていることが確認できた。すなわち、金属腐食を防止する防食性能に優れるとともに撥水性にも優れることが確認できた。
比較例1の表面保護剤組成物は、(a)および(b)を含まないため、フッ素含有の(c)を含んでいても、UV照射後、フッ素含有率の高いドメインが表面に局在化できず、硬化物の表面に高い撥水性および滑水性が発現していない。また、腐食電流も高値を示し、金属表面に吸着しておらず、金属腐食を防止する防食性能に劣っている。比較例2の表面保護剤組成物は、フッ素含有の(c)を含まないため、硬化物の表面に撥水性および滑水性が発現していない。比較例3の表面保護剤組成物は、(d)を含まないため、UV照射後、硬化物の表面に液状の膜が分離した状態となり、撥水性および滑水性を評価すること自体できなかった。これは、(d)を含まないために(a)と(c)が相溶しなかったためと推察される。比較例4の表面保護剤組成物は、(e)を含まないため、硬化物が形成されず、液状の膜のままであったため、撥水性および滑水性を評価すること自体できなかった。
比較例5の表面保護剤組成物は、(c)に代えて、フッ素含有であるがフッ素基は2つの(x−4)を配合している。このため、UV照射後、硬化物の表面のフッ素含有率が低く、硬化物の表面に高い撥水性および滑水性が発現していない。比較例6の表面保護剤組成物は、(c)に代えて、フッ素含有であるが(メタ)アクリロイル基を含有しない(x−5)を配合している。(x−5)は(d)との共重合物とならないため、硬化物の表面にフッ素含有ドメインが局在化せず、硬化物の表面に高い撥水性および滑水性が発現していない。比較例7の表面保護剤組成物は、(c)の代わりに炭素数4以上の炭化水素鎖を有していないテトラエチレングリコールジアクリレートが用いられているため、(a)との相溶性が低く、均一な硬化物(ゲル)は形成されなかった。このため、硬化物の表面にフッ素含有ドメインが局在化せず、硬化物の表面に高い撥水性および滑水性が発現していない。
実施例同士の比較において、実施例13,14は、(c)と(d)の質量比が好適範囲から外れるものである。実施例13,14は、他の実施例と比較して撥水性が低い。実施例1〜4のうち実施例1〜3は、(a)のリン化合物の炭化水素基の少なくとも1つが、1以上の分岐鎖または1以上の炭素−炭素二重結合を有するものである。実施例1〜3は、実施例4と比較して、腐食電流がより低値であり、金属腐食を防止する防食性能により優れる。
実施例同士の比較において、実施例2、8、9、10は(d)成分の種類が違うものである。これら4例のうち実施例10のみが2以上の炭素−炭素二重結合を有していないものである。硬化物の耐熱性評価において実施例10のみ155℃、2時間の垂直放置において垂れ落ちが発生し、実施例2、8、9は、実施例10と比較して、耐熱性においてより優れる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
1 端子付き被覆電線
2 被覆電線
3 電線導体
4 絶縁被覆(絶縁体)
5 端子金具
6 電気接続部
7 硬化物

Claims (8)

  1. (a)下記一般式(1)で表されるリン化合物を、組成物全量基準で、リン元素換算量として0.1〜10質量%、
    Figure 2019157210
    上記一般式(1)において、Rは水素原子を示し、Rは炭素数4〜30の炭化水素基を示し、Rは水素原子または炭素数4〜30の炭化水素基を示す。
    (b)含金属化合物を、組成物全量基準で、金属元素換算量として0.1〜10質量%、または、アミン化合物を、組成物全量基準で、窒素元素換算量として0.1〜5.0質量%、
    (c)トリフルオロメチル基を1以上有する(メタ)アクリレート、
    (d)炭素数4以上の炭化水素鎖を有する(メタ)アクリレート、
    (e)光重合開始剤を、組成物全量基準で、0.1〜10質量%、
    配合してなることを特徴とする表面保護剤組成物。
  2. 前記(c)と前記(d)の質量比が、(c):(d)=5:95〜70:30の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の表面保護剤組成物。
  3. 前記(a)と前記(b)の合計と、前記(c)と前記(d)の合計と、の質量比が、((a)+(b)):((c)+(d))=98:2〜20:80の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の表面保護剤組成物。
  4. 前記(d)が、2以上の炭素−炭素二重結合を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の表面保護剤組成物。
  5. 前記(b)の含金属化合物の金属が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルミニウム、チタン、亜鉛から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表面保護剤組成物。
  6. 前記(a)の炭素数4〜30の炭化水素基の少なくとも1つが、1以上の分岐鎖または1以上の炭素−炭素二重結合を有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の表面保護剤組成物。
  7. さらに、(f)潤滑油基油を、組成物全量基準で、10〜90質量%配合してなることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の表面保護剤組成物。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の表面保護剤組成物の硬化物により端子金具と電線導体との電気接続部が覆われていることを特徴とする端子付き被覆電線。
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