JP2019157079A - 繊維強化複合材料成形品の製造方法 - Google Patents

繊維強化複合材料成形品の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019157079A
JP2019157079A JP2018049955A JP2018049955A JP2019157079A JP 2019157079 A JP2019157079 A JP 2019157079A JP 2018049955 A JP2018049955 A JP 2018049955A JP 2018049955 A JP2018049955 A JP 2018049955A JP 2019157079 A JP2019157079 A JP 2019157079A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
prepreg
fiber
layer
smc
surface side
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018049955A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7073811B2 (ja
JP2019157079A5 (ja
Inventor
和久 池田
Kazuhisa Ikeda
和久 池田
正洋 市野
Masahiro Ichino
正洋 市野
佑真 古橋
Yuma Furuhashi
佑真 古橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Group Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Mitsubishi Chemical Holdings Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp, Mitsubishi Chemical Holdings Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2018049955A priority Critical patent/JP7073811B2/ja
Publication of JP2019157079A publication Critical patent/JP2019157079A/ja
Publication of JP2019157079A5 publication Critical patent/JP2019157079A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7073811B2 publication Critical patent/JP7073811B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】プリプレグとSMCを用いた成形により、反りの発生が抑制された寸法精度の高い繊維強化複合材料成形品を製造できる繊維強化複合材料成形品の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】強化繊維と樹脂組成物を含むSMC層12の厚さ方向の第1の面12a側と第2の面12b側の両方に、強化繊維と樹脂組成物とを含む第1のプリプレグ層14と第2のプリプレグ層16をそれぞれ積層した複合積層体10を成形する、繊維強化複合材料成形品の製造方法。【選択図】図2

Description

本発明は、繊維強化複合材料成形品の製造方法に関する。
スポーツ、自動車、航空機、産業用途等の部材として、繊維強化複合材料成形品が広く用いられている。特に炭素繊維強化複合材料成形品(CFRP)は、軽量性と高い力学特性が求められる分野において積極的に採用されている。
繊維強化複合材料成形品の製造方法としては、繊維強化複合材料を圧縮成形する方法が広く用いられている。繊維強化複合材料としては、連続繊維を含む強化繊維基材に熱硬化性樹脂組成物が含浸されたプリプレグや、短繊維を含む強化繊維基材に熱硬化性樹脂組成物が含浸されたシートモールディングコンパウンド(SMC)等が用いられる。
SMCは強化繊維の繊維長が短いため、一般にプリプレグに比べて成形品の強度が低くなるものの、凸条等の複雑な形状を成形するのに好適である。例えば、成形型における凸条等の複雑な形状を形成する部分にSMCを配置し、そのSMCの上に基板を形成するプリプレグをさらに配置し、加熱、加圧して圧縮成形して繊維強化複合材料成形品を得る(特許文献1)。
特開2013−72055号公報
一般に、プリプレグの樹脂組成物には力学特性を確保するために流動性が低いものが用いられ、SMCの樹脂組成物には形状追従性を確保するために流動性が高いものが用いられる。そのため、特許文献1のような方法では、プリプレグとSMCとの樹脂組成物の違い、繊維の長さや配向のばらつきが影響し、得られる成形品に反りが生じることがあり、寸法精度が悪くなる傾向がある。
プリプレグとSMCに同一の樹脂組成物を用いれば反りの問題はある程度改善されるが、力学特性と形状追従性という、相反する性質を両立できる樹脂組成物は限定されるため、成形の自由度が低下する。プリプレグの繊維配向に応じてSMCの繊維配向を制御して反りを抑制することも困難である。
本発明は、プリプレグとSMCを用いた成形により、反りの発生が抑制された寸法精度の高い繊維強化複合材料成形品を製造できる繊維強化複合材料成形品の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]強化繊維と樹脂組成物を含むシートモールディングコンパウンド層の厚さ方向の第1の面側と第2の面側の両方に、強化繊維と樹脂組成物とを含むプリプレグ層を積層した複合積層体を成形する、繊維強化複合材料成形品の製造方法。
[2]前記シートモールディングコンパウンド層の第1の面側と第2の面側の両方に、前記シートモールディングコンパウンド層の外周端部に沿うように前記プリプレグ層を枠状に配置して前記複合積層体を形成する、[1]に記載の繊維強化複合材料成形品の製造方法。
[3]前記シートモールディングコンパウンド層の第1の面の面積に対する、前記シートモールディングコンパウンド層の第1の面側に積層される前記プリプレグ層が占める面積の割合Qと、前記シートモールディングコンパウンド層の第2の面の面積に対する、前記シートモールディングコンパウンド層の第2の面側に積層される前記プリプレグ層が占める面積の割合Qとが同じで、かつ10%以上である、[1]又は[2]に記載の繊維強化複合材料成形品の製造方法。
[4]前記シートモールディングコンパウンド層の第1の面側と第2の面側のそれぞれに配置された枠状の前記プリプレグ層の枠部分の幅が同じで、かつ10mm以上である、[2]又は[3]に記載の繊維強化複合材料成形品の製造方法。
[5]前記シートモールディングコンパウンド層の第1の面側と第2の面側に配置される前記プリプレグ層に含まれる強化繊維が連続繊維である、[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化複合材料成形品の製造方法。
[6]前記複合積層体を成形型で圧縮成形する、[1]〜[5]のいずれかに記載の繊維強化複合材料成形品の製造方法。
本発明によれば、プリプレグとSMCを用いた成形により、反りの発生が抑制された寸法精度の高い繊維強化複合材料成形品が得られる。
本発明の繊維強化複合材料成形品の製造方法における複合積層体の一例を示した平面図である。 図1の複合積層体のI−I断面図である。 本発明の繊維強化複合材料成形品の製造方法における複合積層体の一例を示した断面図である。 実施例1で作製した矩形の枠状のプリプレグを示した平面図である。 比較例1で作製した複合積層体を示した断面図である。 実施例及び比較例の反り評価の測定点を説明した平面図である。
本発明の繊維強化複合材料成形品(以下、単に「成形品」とも記す。)は、強化繊維と樹脂組成物を含むシートモールディングコンパウンド(以下、「SMC」とも記す。)層の厚さ方向の第1の面側と第2の面側の両方に、強化繊維と樹脂組成物とを含むプリプレグ層を積層した複合積層体を成形する方法である。
プリプレグ層は、強化繊維と樹脂組成物を含むシート状のプリプレグによって形成される層である。プリプレグ層は、1枚のプリプレグからなる単層であってもよく、2枚以上のプリプレグからなる複層であってもよい。
プリプレグに含まれる強化繊維としては、連続繊維が好ましい。連続繊維とは、繊維長が76.2mm以上の強化繊維である。
プリプレグの形態は、連続繊維が一方向に引き揃えられたUDプリプレグであってもよく、連続繊維が直交するように製織されたクロスプリプレグであってもよい。その他、バイアスクロス、3軸クロス、Multi−axial Warp Knit等の強化繊維布帛を基材としたプリプレグを用いてもよい。
UDプリプレグを2枚以上積層してプリプレグ層とする場合、力学特性に優れる点から、隣接する2枚のUDプリプレグの強化繊維の繊維方向が直交するように積層することが好ましい。
プリプレグの積層作業が簡便で、成形品をより軽量化できる点では、UDプリプレグよりもクロスプリプレグを用いることが好ましい。
プリプレグに含まれる強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、高強度ポリエステル繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、ナイロン繊維等が挙げられる。これらの中でも、比強度及び比弾性に優れる点から、炭素繊維が好ましい。
プリプレグに含まれる樹脂組成物としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂等を含む樹脂組成物が挙げられる。これらの中でも、硬化後の強度を高くできる点から、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物が好ましい。
SMC層は、強化繊維と樹脂組成物を含むSMCで形成される層である。SMC層は、1枚のSMCからなる単層であってもよく、2枚以上のSMCからなる複層であってもよい。
SMCに含まれる強化繊維は、連続繊維を所定の繊維長に切断した短繊維である。複数の短繊維が分散されて形成されたシート状の繊維基材に樹脂組成物が含侵されることでシート状のSMCとされる。
SMCに含まれる強化繊維としては、プリプレグに含まれる強化繊維として挙げたものと同じものが挙げられ、炭素繊維が好ましい。
SMCに含まれる短繊維の繊維長は、1.0〜76.1mmが好ましく、12.7〜25.4mmがより好ましい。
SMCに含まれる樹脂組成物としては、プリプレグに含まれる強化繊維として挙げたものと同じものが挙げられ、成形における形状追従性に優れる点から、ビニルエステル樹脂を含む樹脂組成物が好ましい。
本発明では、SMC層の第1の面側と第2の面側にプリプレグ層を積層した複合積層体を成形に用いる。前記複合積層体を用いることで、SMC層の第1の面側と第2の面側における、SMC層とプリプレグ層との間の樹脂組成物の違い、繊維の長さや配向のばらつきといった影響が厚さ方向において相殺されるため、得られる成形品の反りが抑制される。
本発明では、成形品の反りを抑制しやすい点から、SMC層の第1の面側と第2の面側の両方に、SMC層の外周端部に沿うようにプリプレグ層を枠状に配置して複合積層体を形成することが好ましい。
なお、SMC層の第1の面側と第2の面側には、SMC層の全面を覆うようにSMC層と同形状のプリプレグ層を積層してもよい。
図1及び図2に複合積層体の一例を示す。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
複合積層体10は、図1及び図2に示すように、平面視で矩形状のSMC層12の第1の面12a側と第2の面12b側に、それぞれSMC層12の外周端部に沿うように矩形の枠状の第1のプリプレグ層14と第2のプリプレグ層16が積層されている。
SMC層12は、1枚のSMC13からなる単層である。第1のプリプレグ層14は、1枚の枠状のプリプレグ15からなる単層である。第2のプリプレグ層16は、1枚の枠状のプリプレグ17からなる単層である。
複合積層体は、図3に例示した複合積層体10Aであってもよい。図3における図2と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。
複合積層体10Aは、平面視で矩形状のSMC層12の第1の面12a側と第2の面12b側に、それぞれSMC層12の外周端部に沿うように矩形の枠状の第1のプリプレグ層14Aと第2のプリプレグ層16Aが積層されている。
第1のプリプレグ層14Aは、2枚の枠状のプリプレグ15,15からなる複層である。第2のプリプレグ層16Aは、2枚の枠状のプリプレグ17,17からなる複層である。
SMC層の外周端部に沿うようにプリプレグ層を枠状に配置する方法としては、プリプレグの中央部分をくり抜くように裁断して枠状のプリプレグを作製して積層する方法が好ましい。
クロスプリプレグであれば中央部分をくり抜くように裁断しても枠状のプリプレグ層の全体にわたって強化繊維が絡み合っているため、高強度が得られやすい。UDプリプレグの中央部分をくり抜くように裁断して枠状にする場合は、2枚以上のUDプリプレグを繊維方向が直交するように積層したものを、中央部分をくり抜くように裁断することが好ましい。
なお、例えば平面視で矩形状のSMC層の外周端部に沿うようにプリプレグ層を枠状に配置する場合は、4つの帯状のプリプレグをSMC層の各辺の外周端部にそれぞれ沿うように配置して枠状のプリプレグ層としてもよい。
本発明では、反りの抑制効果が高い点から、複合積層体の厚さ方向において、SMC層の第1の面側と第2の面側のプリプレグ層が対称な構成になっていることが好ましい。
厚さ方向に対称な積層構成としては、例えば、以下の構成が挙げられる。
SMC層の第1の面側と第2の面側の両方に、プリプレグ層を枠状に配置する。SMC層の第1の面側と第2の面側の両方に、クロスプリプレグを積層してプリプレグ層を形成する。SMC層の第1の面側と第2の面側の両方に、UDプリプレグを積層してプリプレグ層を形成する。SMC層の第1の面側と第2の面側に、同じ枚数のプリプレグを積層してプリプレグ層を形成する。
また、SMC層の第1の面側と第2の面側のそれぞれに、複数のUDプリプレグを繊維方向が直交するように積層する場合、複合積層体の厚さ方向において、各UDプリプレグの繊維方向が対称になるように積層する構成が挙げられる。例えば、UDプリプレグ(0°)、UDプリプレグ(90°)、SMC、UDプリプレグ(90°)、UDプリプレグ(0°)をこの順に積層する(ただし、括弧内は平面視での強化繊維の繊維方向の角度を意味する。)。
SMC層の第1の面側と第2の面側のそれぞれにプリプレグ層を枠状に配置する場合、枠状のプリプレグ層の枠部分の幅が同一で、かつ10mm以上であることが好ましい。例えば、複合積層体10では、第1のプリプレグ層14の枠部分の幅D1と第2のプリプレグ層16の枠部分の幅D2が同じで、かつ10mm以上であることが好ましい。これにより、反りの抑制効果がより高くなる。
枠状のプリプレグ層の枠部分の幅は、SMC層の大きさにもよるが、10mm以上が好ましく、10mm以上300mm以下がより好ましく、20mm以上100mm以下がさらに好ましい。枠部分の幅が前記範囲の下限値以上であれば、反りの抑制効果がより高くなる。枠部分の幅が前記範囲の上限値以下であれば、形状の自由度が高められる。
SMC層の第1の面の面積に対する、SMC層の第1の面側に積層されるプリプレグ層が占める面積の割合を割合Q(%)とする。SMC層の第2の面の面積に対する、SMC層の第2の面側に積層されるプリプレグ層が占める面積の割合を割合Q(%)とする。
本発明では、反りの抑制効果がより高くなる点から、割合Qと割合Qが同じで、かつ10%以上であることが好ましい。
割合Qは、10%以上が好ましく、12%以上100%以下がより好ましく、25%以上50%以下がさらに好ましい。割合Qの上限値は100%である。割合Qが100%であるとは、SMC層の第1の面側にSMC層の第1の面全体を覆うようにプリプレグ層を積層した状態を意味する。
割合Qが前記範囲の下限値以上であれば、反りの抑制効果がより高くなる。割合Qが前記範囲の上限値以下であれば、形状の自由度が高められる。
割合Qの好ましい範囲は、割合Qの好ましい範囲と同じである。
複合積層体を成形する方法としては、成形型で圧縮成形する方法が好ましい。
例えば、目的の成形品の形状に相補的な形状のキャビティを形成する一対の金型を備える成形型内に複合積層体を投入し、プレス機を用いて所定の温度及び圧力で加熱加圧し、樹脂組成物を硬化させて成形品を得る方法が挙げられる。
圧縮成形においては、成形型を所定の温度に調温しておき、成形後にその温度のまま成形品を取り出すことが好ましい。これにより、成形型の昇降温をする必要がなくなり、成形サイクルを高めることができるため、生産性を高くできる。
成形温度は、SMC及びプリプレグに用いる樹脂組成物によって適宜設定でき、例えば、130〜150℃である。
成形時の設定圧力は、適宜設定でき、例えば、3〜12MPaである。
本発明では、成形型による圧縮成形(本成形)の前に、複合積層体を目的の成形品の形状に近い形状に予備成形してプリフォームを形成してもよい。
予備成形の方法は、特に限定されない。
本発明によって製造されるプリフォーム及び繊維強化成形品の形状は、特に限定されない。成形時に各層にせん断変形を伴うような、平面展開できない曲面(複数の平面の組み合わせを含む)の形状、即ち三次元曲面形状であってもよく、せん断変形を伴わない成形で得られる平面展開可能な曲面の形状であってもよい。
前述したように、圧縮成形で成形品を得た場合、成形品には反りが発生することがある。これは、SMCプリプレグとの間で強化繊維の繊維長や繊維配向にばらつきがあることで、成形時の加熱硬化とその後の冷却の際に、見かけ上の熱収縮の違いから不均一な収縮が起きやすいため、成形品内部に熱歪みが生じ、成形品が部分的に変形するためである。
これに対して、本発明の繊維強化複合材料成形品の製造方法においては、SMC層の第1の面側と第2の面側の両方にプリプレグ層を形成する。これにより、成形品の厚さ方向において、SMC層の第1の面側と第2の面側で熱歪みが相殺されるため、反りの発生が抑制される。
本発明では、SMCの樹脂組成物とプリプレグの樹脂組成物の種類が異なる場合でも、成形品の反りが充分に抑制される。本発明は、特に凸条形状等を含む3次元形状の成形品を高い寸法精度で製造できる点で有効である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
(材料)
本実施例で使用したプリプレグ及びSMCを以下に示す。
プリプレグ(A−1):炭素繊維が直交するように製織されたクロス材にエポキシ樹脂組成物が含浸されたシート状のクロスプリプレグ(三菱ケミカル株式会社製、製品名:TR3110 360GMP)。
プリプレグ(A−2):炭素繊維が直交するように製織されたクロス材にエポキシ樹脂組成物が含浸されたシート状のクロスプリプレグ(三菱ケミカル株式会社製、製品名:TR3110 368GMP)。
プリプレグ(A−3):炭素繊維が一方向に引き揃えられてエポキシ樹脂組成物が含浸されたシート状のUDプリプレグ(三菱ケミカル株式会社製、製品名:TR361E250S)。
プリプレグ(A−4):炭素繊維が一方向に引き揃えられてエポキシ樹脂組成物が含浸されたシート状のUDプリプレグ(三菱ケミカル株式会社製、製品名:TR368E250S)。
SMC(B−1):炭素繊維の短繊維がランダムに分散された強化繊維基材にビニルエステル樹脂組成物が含浸されたシート状のSMC(三菱ケミカル株式会社製、製品名:STR120N131−KA6N)。
SMC(B−2):炭素繊維の短繊維がランダムに分散された強化繊維基材にビニルエステル樹脂組成物が含浸されたシート状のSMC(三菱ケミカル株式会社製、製品名:STR101J129−KA6X)。
(実施例1)
以下の手順1〜3により複合積層体を得た。
手順1:プリプレグ(A−1)を300mm×300mm角の正方形状に裁断し、さらにその中央部分を280mm×280mm角にくり抜くように裁断して、図4に示すように、枠部分の幅が10mmの矩形の枠状のプリプレグ(C−1)(プリプレグ20)とした。同様の手順で、枠状のプリプレグ(C−1)を合計2枚作製した。
手順2:SMC(B−1)を300mm×300mm角に裁断し、正方形状のSMC(D−1)とした。
手順3:SMC(D−1)の厚さ方向の第1の面側と第2の面側のそれぞれに、SMC(D−1)の外周端部に沿うように、枠状のプリプレグ(C−1)を1枚ずつ積層して3層構成の複合積層体とした。各々の枠状のプリプレグ(C−1)の外縁の4辺は、SMC(D−1)の外縁の4辺と一致させた。
長さ300mm×幅300mm×厚み2mmの平板状の成形品に相補的な形状のキャビティを形成する一対の型を備える圧縮成形用金型を用意した。圧縮成形用金型を140℃に加熱し、型内に複合積層体を投入して型締めし、設定圧力4MPaで押切り加圧して5分間保持して、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例2)
手順1において、300mm×300mm角の正方形状のプリプレグの中央部分を260mm×260mm角にくり抜くように裁断する以外は、実施例1の手順1と同様にして、枠部分の幅が20mmの矩形の枠状のプリプレグ(C−2)を2枚作製した。
枠状のプリプレグ(C−1)の代わりに枠状のプリプレグ(C−2)を用いる以外は、実施例1と同様にして3層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例3)
手順1において、300mm×300mm角の正方形状のプリプレグの中央部分を150mm×150mm角にくり抜くように裁断する以外は、実施例1の手順1と同様にして、枠部分の幅が75mmの矩形の枠状のプリプレグ(C−3)を2枚作製した。
枠状のプリプレグ(C−1)の代わりに枠状のプリプレグ(C−3)を用いる以外は、実施例1と同様にして3層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例4)
手順1において、300mm×300mm角の正方形状のプリプレグの中央部分を75mm×75mm角にくり抜くように裁断する以外は、実施例1の手順1と同様にして、枠部分の幅が112.5mmの矩形の枠状のプリプレグ(C−4)を2枚作製した。
枠状のプリプレグ(C−1)の代わりに枠状のプリプレグ(C−4)を用いる以外は、実施例1と同様にして3層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例5)
手順1において、プリプレグ(A−1)を300mm×300mm角の正方形状に裁断した後に中央部分を裁断せず、正方形状のプリプレグ(C−5)を得た。
枠状のプリプレグ(C−1)の代わりに枠状のプリプレグ(C−5)を用いる以外は、実施例1と同様にして3層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例6)
手順1において枠状のプリプレグ(C−1)を4枚作製し、手順3においてSMC(D−1)の第1の面側と第2の面側にそれぞれ2枚ずつプリプレグ(C−1)を積層する以外は、実施例1と同様にして5層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例7)
手順2においてSMC(B−1)の代わりにSMC(B−2)を用いる以外は、実施例1と同様にして3層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例8)
手順1においてプリプレグ(A−1)の代わりにプリプレグ(A−2)を用いる以外は、実施例1と同様にして3層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例9)
手順1においてプリプレグ(A−1)の代わりにプリプレグ(A−2)を用い、手順2においてSMC(B−1)の代わりにSMC(B−2)を用いる以外は、実施例1と同様にして3層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例10)
手順1においてプリプレグ(A−1)の代わりにプリプレグ(A−3)を用い、手順3において、SMC(D−1)の第1の面側と第2の面側のそれぞれに、繊維方向が直交するように枠状のプリプレグを2枚ずつ積層する以外は、実施例1と同様にして5層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例11)
手順2においてSMC(B−1)の代わりにSMC(B−2)を用いる以外は、実施例10と同様にして5層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例12)
手順1においてプリプレグ(A−3)の代わりにプリプレグ(A−4)を用いる以外は、実施例10と同様にして5層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(実施例13)
手順1においてプリプレグ(A−3)の代わりにプリプレグ(A−4)を用い、手順2においてSMC(B−1)の代わりにSMC(B−2)を用いる以外は、実施例10と同様にして5層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(比較例1)
図5に示すように、SMC層12の第1の面12a側だけにプリプレグ15が積層されて第1のプリプレグ層14が形成された複合積層体200と同様の構成の複合積層体を作製し、成形に用いた。
具体的には、手順3においてSMC(D−1)の第1の面側だけに枠状のプリプレグ(C−1)を積層して2層構成の複合積層体とする以外は、実施例1と同様にして平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(比較例2)
手順2においてSMC(B−1)の代わりにSMC(B−2)を用いる以外は、比較例1と同様にして2層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(比較例3)
手順1においてプリプレグ(A−1)の代わりにプリプレグ(A−2)を用いる以外は、比較例1と同様にして2層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(比較例4)
手順1においてプリプレグ(A−1)の代わりにプリプレグ(A−2)を用い、手順2においてSMC(B−1)の代わりにSMC(B−2)を用いる以外は、比較例1と同様にして2層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(比較例5)
手順1においてプリプレグ(A−1)の代わりにプリプレグ(A−3)を用い、手順3において、SMC(D−1)の第1の面側だけに、繊維方向が直交するように2枚の枠状のプリプレグを積層する以外は、実施例1と同様にして3層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(比較例6)
手順2においてSMC(B−1)の代わりにSMC(B−2)を用いる以外は、比較例5と同様にして3層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(比較例7)
手順1においてプリプレグ(A−3)の代わりにプリプレグ(A−4)を用いる以外は、比較例5と同様にして3層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(比較例8)
手順1においてプリプレグ(A−3)の代わりにプリプレグ(A−4)を用い、手順2においてSMC(B−1)の代わりにSMC(B−2)を用いる以外は、比較例5と同様にして5層構成の複合積層体を作製し、平板状の繊維強化複合材料成形品を得た。
(反り評価)
各例で得た平板形状の繊維強化複合材料成形品を定盤の上に置いた状態で、定盤の表面から繊維強化複合材料成形品の上面の測定点までの距離dを測定した。図6に示すように、測定点aの数及び位置は、成形品100の平面視で、縦方向において外縁から10mmの位置から70mm間隔で5点、横方向において外縁から10mmの位置から70mm間隔で5点の合計25点とした。
25点の測定点のうち中央の測定点で測定した距離dを基準距離dとし、それ以外の24点の測定点で測定した距離dについて、基準距離dとの差の絶対値(|d−d|)を算出し、その最大値と最小値を足し合わせた値を反り(mm)とし、以下の基準で評価した。
<評価基準>
○(良好):反りが2.5mm未満である。
×(不良):反りが2.5mm以上である。
各例の複合積層体の構成、及び繊維強化複合材料成形品の反りの評価結果を表1に示す。
なお、表1における積層構成の欄の「PP/SMC/PP」は、プリプレグ、SMC、プリプレグがこの順に積層された3層構成であることを意味し、他の表記についても同様である。また、積層構成の欄の括弧内の数値は、UDプリプレグの炭素繊維の繊維方向の角度を意味する。
Figure 2019157079
表1に示すように、SMC層の第1の面側と第2の面側にプリプレグ層を積層した複合積層体を成形した実施例1〜13では、SMC層の第1の面側だけにプリプレグ層を積層した比較例1〜8に比べて反りが抑制されており、寸法精度が高かった。
10,10A…複合積層体、12…SMC層、12a…第1の面、12b…第2の面、14…第1のプリプレグ層、15…枠状のプリプレグ、16…第2のプリプレグ層、17…枠状のプリプレグ。

Claims (6)

  1. 強化繊維と樹脂組成物を含むシートモールディングコンパウンド層の厚さ方向の第1の面側と第2の面側の両方に、強化繊維と樹脂組成物とを含むプリプレグ層を積層した複合積層体を成形する、繊維強化複合材料成形品の製造方法。
  2. 前記シートモールディングコンパウンド層の第1の面側と第2の面側の両方に、前記シートモールディングコンパウンド層の外周端部に沿うように前記プリプレグ層を枠状に配置して前記複合積層体を形成する、請求項1に記載の繊維強化複合材料成形品の製造方法。
  3. 前記シートモールディングコンパウンド層の第1の面の面積に対する、前記シートモールディングコンパウンド層の第1の面側に積層される前記プリプレグ層が占める面積の割合Qと、前記シートモールディングコンパウンド層の第2の面の面積に対する、前記シートモールディングコンパウンド層の第2の面側に積層される前記プリプレグ層が占める面積の割合Qとが同じで、かつ10%以上である、請求項1又は2に記載の繊維強化複合材料成形品の製造方法。
  4. 前記シートモールディングコンパウンド層の第1の面側と第2の面側のそれぞれに配置された枠状の前記プリプレグ層の枠部分の幅が同じで、かつ10mm以上である、請求項2又は3に記載の繊維強化複合材料成形品の製造方法。
  5. 前記シートモールディングコンパウンド層の第1の面側と第2の面側に配置される前記プリプレグ層に含まれる強化繊維が連続繊維である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維強化複合材料成形品の製造方法。
  6. 前記複合積層体を成形型で圧縮成形する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の繊維強化複合材料成形品の製造方法。
JP2018049955A 2018-03-16 2018-03-16 繊維強化複合材料成形品の製造方法 Active JP7073811B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018049955A JP7073811B2 (ja) 2018-03-16 2018-03-16 繊維強化複合材料成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018049955A JP7073811B2 (ja) 2018-03-16 2018-03-16 繊維強化複合材料成形品の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019157079A true JP2019157079A (ja) 2019-09-19
JP2019157079A5 JP2019157079A5 (ja) 2020-12-24
JP7073811B2 JP7073811B2 (ja) 2022-05-24

Family

ID=67995661

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018049955A Active JP7073811B2 (ja) 2018-03-16 2018-03-16 繊維強化複合材料成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7073811B2 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07144390A (ja) * 1993-11-25 1995-06-06 Matsushita Electric Works Ltd コンポジット積層板及びその製造方法
JP2014028511A (ja) * 2012-06-26 2014-02-13 Toray Ind Inc プレス成形用中間基材、プリフォーム、および成形品の製造方法
WO2017007012A1 (ja) * 2015-07-08 2017-01-12 三菱レイヨン株式会社 繊維強化複合材料の製造方法、及び繊維強化複合材料

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07144390A (ja) * 1993-11-25 1995-06-06 Matsushita Electric Works Ltd コンポジット積層板及びその製造方法
JP2014028511A (ja) * 2012-06-26 2014-02-13 Toray Ind Inc プレス成形用中間基材、プリフォーム、および成形品の製造方法
WO2017007012A1 (ja) * 2015-07-08 2017-01-12 三菱レイヨン株式会社 繊維強化複合材料の製造方法、及び繊維強化複合材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP7073811B2 (ja) 2022-05-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5757338B2 (ja) 繊維強化複合材料成形品の製造方法
WO2014069503A1 (ja) プリフォームの製造方法及び繊維強化樹脂成形品の製造方法
JP2020055447A (ja) 複合材料製航空機用部品およびその製造方法
KR20160079326A (ko) 유리섬유 강화 플라스틱 및 알루미늄을 포함한 하이브리드 복합재료 제조방법 및 하이브리드 복합재료
WO2019188195A1 (ja) 繊維強化樹脂の製造方法
JP7073811B2 (ja) 繊維強化複合材料成形品の製造方法
WO2018189794A1 (ja) 複合材料の成形方法
JP5786352B2 (ja) 繊維強化樹脂板材の製造方法
WO2022260186A1 (ja) プレス用積層体及びプレス済積層体
JP2015098173A (ja) 繊維強化樹脂板材の製造方法
JP2009083441A (ja) 繊維強化樹脂製構造体の製造方法
KR101848348B1 (ko) 탄소섬유복합바디 및 그 제작방법 및 그것을 이용한 로봇의 엔드이펙터
JP6777152B2 (ja) 繊維強化複合材料成形品の製造方法
KR20200014632A (ko) 적층형 격자패널 및 이의 제조방법
JP7236245B2 (ja) 複合成形品
JP2018094751A (ja) 複合材料成形体の製造方法
WO2021200047A1 (ja) 航空機部品の中間生成品の製造方法および航空機部品
JP2005002514A (ja) 複合材料用三次元織編組物及びその製造方法並びに三次元プリフォーム
JP6832536B2 (ja) プリプレグ積層体及びその製造方法
JP2019171641A (ja) 積層基材
JP2024070037A (ja) 複合材料製パネル構造体の製造方法
JP2023093151A (ja) 金属-frp複合体の製造方法および金属-frp複合体
JP2023097542A (ja) 複数のプリフォーム要素で構成される、3次元形状のプリフォームの製造方法
JP2022177086A (ja) 厚さ1mm以下の樹脂成形体
JP2018153972A (ja) 積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211012

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220425

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7073811

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151