JP2019156648A - 導電部を備えるセラミックス部材の製造方法、および、セラミックス部材 - Google Patents

導電部を備えるセラミックス部材の製造方法、および、セラミックス部材 Download PDF

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Abstract

【課題】セラミックスグリーンシート上における導電部前駆体の位置ずれを抑制する。【解決手段】導電部を備えるセラミックス部材の製造方法は、導電性材料と、熱および光の少なくとも一方によって硬化する硬化性樹脂と、を含んでおり、少なくとも焼成後に導電性を有し、かつ半硬化状態である半硬化シートを準備する工程と、半硬化シートから、導電部に対応した形状の半硬化導電パターンを形成する工程と、半硬化導電パターンを、セラミックスグリーンシート上に配置し、熱および光の少なくとも一方によって硬化させることによって、セラミックスグリーンシート上に接着された導電部前駆体を形成する工程と、導電部前駆体が接着されたセラミックスグリーンシートを含む、複数のセラミックスグリーンシートを重ねて焼成することによって、導電部を備えるセラミックス部材を形成する工程と、を含む。【選択図】図5

Description

本明細書に開示される技術は、導電部を備えるセラミックス部材の製造方法に関する。
例えば半導体を製造する際にウェハを保持する保持装置として、静電チャックが用いられる。静電チャックは、所定の方向(以下、「第1の方向」という)に略垂直な略平面状の表面(以下、「吸着面」という)を有するセラミックス部材と、セラミックス部材の内部に設けられたチャック電極とを備えており、チャック電極に電圧が印加されることにより発生する静電引力を利用して、セラミックス部材の吸着面にウェハを吸着して保持する。
静電チャックの吸着面に保持されたウェハの温度が所望の温度にならないと、ウェハに対する各処理(成膜、エッチング等)の精度が低下するおそれがあるため、静電チャックにはウェハの温度分布を制御する性能が求められる。そのため、例えば、セラミックス部材の内部に複数のヒータ電極が設けられている。各ヒータ電極に電圧が印加されると、各ヒータ電極が発熱することによってセラミックス部材が加熱され、これにより、セラミックス部材の吸着面の温度分布の制御(ひいては、吸着面に保持されたウェハの温度分布の制御)が実現される。
このように、チャック電極やヒータ電極などの導電部を備えるセラミックス部材の製造方法として、次の方法が知られている。すなわち、グリーンシート上にエポキシ樹脂やフェノール樹脂等により形成された導体ペーストを印刷することにより、導体ペースト層を形成する。次に、導体ペースト層が形成されたグリーンシートを含む複数のグリーンシートを積層して焼成することにより、導電部を備えるセラミックス部材を製造することができる。また、別の方法として、次の方法がある。すなわち、金属粒子または導電性セラミックス粒子を含むグリーンシートを形成し、そのグリーンシートから導電パターン(例えば抵抗発熱体のパターン)を打ち抜く。次に、その打ち抜いた導電パターンを、導電性を有しない通常のグリーンシートの間に挟み込んで焼成することにより、導電部を備えるセラミックス部材を製造することができる(例えば特許文献1参照)。
特開2005−26585号公報
導体ペーストをグリーンシートに印刷する上述の製造方法では、導電ペーストは、形状を維持する定形性が低いため、グリーンシート上において導電パターンを導電部に対応した形状に精度よく形成することが困難である。一方、打ち抜いた導電パターンをグリーンシートの間に挟みこむ上述の製造方法では、導電パターンをグリーンシートの間に挟みこむ際に、グリーンシート上における導体パターンの配置位置が正規の位置からずれるおそれがある。このように導電部の形状の精度低下や導電部の位置ずれは、セラミックス部材における導電部と他の導電体との導電不良や導電部の機能低下の原因になる。
なお、このような課題は、静電引力を利用してウェハを保持する静電チャックに限らず、導電部を備えるセラミックス部材を含むもの(例えば半導体製造装置用部品)一般に共通の課題である。
本明細書では、上述した課題の少なくとも一部を解決することが可能な技術を開示する。
本明細書に開示される技術は、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示されるセラミックス部材の製造方法は、導電部を備えるセラミックス部材の製造方法において、導電性材料と、熱および光の少なくとも一方によって硬化する硬化性樹脂と、を含んでおり、少なくとも焼成後に導電性を有し、かつ半硬化状態である半硬化シートを準備する工程と、前記半硬化シートから、前記導電部に対応した形状の半硬化導電パターンを形成する工程と、前記半硬化導電パターンを、セラミックスグリーンシート上に配置し、熱および光の少なくとも一方によって硬化させることによって、前記セラミックスグリーンシート上に接着された導電部前駆体を形成する工程と、前記導電部前駆体が接着された前記セラミックスグリーンシートを含む、複数のセラミックスグリーンシートを重ねて焼成することによって、前記導電部を備える前記セラミックス部材を形成する工程と、を含む、導電部を備える。例えば、硬化性樹脂を含まない非硬化性の導電ペーストから導電パターンを形成しようとすると、非硬化性の導電ペーストは、形状を維持する定形性が低いため、導電パターンを導電部に対応した形状に精度よく形成することが困難である。これに対して、本製造方法では、半硬化状態である半硬化シートから半硬化導電パターンを形成する。半硬化シートは、上記非硬化性の導電ペーストに比べて定形性が高いため、非硬化性の導電ペーストを利用する場合に比べて、半硬化導電パターンを導電部に対応した形状に精度よく形成することができる。また、本製造方法では、半硬化導電パターンを、セラミックスグリーンシート上に配置し、熱および光の少なくとも一方によって硬化させることによって、セラミックスグリーンシート上に接着された導電部前駆体を形成する。これにより、導電部前駆体が形成されたセラミックスグリーンシートのハンドリング性が向上する。例えば、導電部前駆体が接着されたセラミックスグリーンシートを含む、複数のセラミックスグリーンシートを重ねる際、セラミックスグリーンシート上における導電部前駆体の位置がずれることが抑制される。
(2)上記(1)に記載の導電部を備えるセラミックス部材の製造方法において、前記セラミックス部材は、互いの形状が略同一である複数の前記導電部を備えており、前記半硬化導電パターンを形成する工程において、複数枚の前記半硬化シートを重ねてまとめて打ち抜き加工を施すことにより、前記導電部に対応した形状の複数の前記半硬化導電パターンを一括形成する、導電部を備える構成としてもよい。本製造方法では、複数枚の半硬化シートを重ねてまとめて打ち抜き加工を施すことにより、導電部に対応した形状の複数の半硬化導電パターンを一括形成する。これにより、複数の半硬化導電パターンを個別に形成する場合に比べて、複数の半硬化導電パターンの形状の同一性の向上と、製造工数の軽減とを図ることができる。
(3)本明細書に開示されるセラミックス部材は、セラミックス部と、前記セラミックス部に配置され、導電性材料の粒子を含む導電部と、を備え、前記導電部の表面の少なくとも一部には、前記導電性材料の粒子の切断面が露出している、ことを特徴とする。本セラミックス部材によれば、導電部の表面の少なくとも一部には、導電性材料の粒子の切断面が露出している。これにより、切断されていない導電性材料の粒子が導電部の表面から凸状に突出している構成に比べて、導電部の形状の精度が高いため、導電部の厚みや幅がばらつくことを抑制することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、保持装置、静電チャック、CVDヒータ等のヒータ装置、真空チャック、シャワーヘッド、その他の導電部を備えるセラミックス部材、それらの製造方法等の形態で実現することが可能である。
実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図である。 実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図である。 実施形態における静電チャック100のXY平面(上面)構成を概略的に示す説明図である。 1つのセグメントSEに配置された1つのヒータ電極500のXY断面構成を模式的に示す説明図である。 静電チャック100の製造方法を示すフローチャートである。 静電チャック100の製造方法における打ち抜き加工の概要を示す説明図である。 静電チャック100の製造方法における半硬化導電パターンの配置工程の概要を示す説明図である。
A.実施形態:
A−1.静電チャック100の構成:
図1は、本実施形態における静電チャック100の外観構成を概略的に示す斜視図であり、図2は、本実施形態における静電チャック100のXZ断面構成を概略的に示す説明図であり、図3は、本実施形態における静電チャック100のXY平面(上面)構成を概略的に示す説明図である。各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。本明細書では、便宜的に、Z軸正方向を上方向といい、Z軸負方向を下方向というものとするが、静電チャック100は実際にはそのような向きとは異なる向きで設置されてもよい。
静電チャック100は、対象物(例えばウェハW)を静電引力により吸着して保持する装置であり、例えば半導体製造装置の真空チャンバー内でウェハWを固定するために使用される。静電チャック100は、所定の配列方向(本実施形態では上下方向(Z軸方向))に並べて配置されたセラミックス部材10およびベース部材20を備える。セラミックス部材10とベース部材20とは、セラミックス部材10の下面S2(図2参照)とベース部材20の上面S3とが上記配列方向に対向するように配置される。
セラミックス部材10は、上述した配列方向(Z軸方向)に略直交する略円形平面状の上面(以下、「吸着面」という)S1を有する板状部材であり、セラミックス(例えば、アルミナや窒化アルミニウム等)により形成されている。セラミックス部材10の直径は例えば50mm〜500mm程度(通常は200mm〜350mm程度)であり、セラミックス部材10の厚さは例えば1mm〜10mm程度である。本明細書では、Z軸方向に直交する方向を「面方向」といい、図3に示すように、面方向の内、吸着面S1の中心点Pxを中心とする円周方向を「円周方向CD」といい、面方向の内、円周方向CDに直交する方向を「径方向RD」という。
図2に示すように、セラミックス部材10の内部には、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されたチャック電極40が配置されている。Z軸方向視でのチャック電極40の形状は、例えば略円形である。チャック電極40に電源(図示しない)から電圧が印加されると、静電引力が発生し、この静電引力によってウェハWがセラミックス部材10の吸着面S1に吸着固定される。
セラミックス部材10の内部には、また、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御(すなわち、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御)のためのヒータ電極層50と、ヒータ電極層50への給電のための構成とが配置されている。これらの構成については、後に詳述する。チャック電極40およびヒータ電極層50は、特許請求の範囲における導電部に相当する。
ベース部材20は、例えばセラミックス部材10と同径の、または、セラミックス部材10より径が大きい円形平面の板状部材であり、例えば金属(アルミニウムやアルミニウム合金等)により形成されている。ベース部材20の直径は例えば220mm〜550mm程度(通常は220mm〜350mm)であり、ベース部材20の厚さは例えば20mm〜40mm程度である。
ベース部材20は、セラミックス部材10の下面S2とベース部材20の上面S3との間に配置された接着層30によって、セラミックス部材10に接合されている。接着層30は、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着材により構成されている。接着層30の厚さは、例えば0.1mm〜1mm程度である。
ベース部材20の内部には冷媒流路21が形成されている。冷媒流路21に冷媒(例えば、フッ素系不活性液体や水等)が流されると、ベース部材20が冷却され、接着層30を介したベース部材20とセラミックス部材10との間の伝熱(熱引き)によりセラミックス部材10が冷却され、セラミックス部材10の吸着面S1に保持されたウェハWが冷却される。これにより、ウェハWの温度分布の制御が実現される。
A−2.ヒータ電極層50等の構成:
次に、ヒータ電極層50の構成およびヒータ電極層50への給電のための構成について詳述する。
上述したように、静電チャック100は、ヒータ電極層50を備える(図2参照)。ヒータ電極層50は、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。なお、本実施形態では、ヒータ電極層50は、チャック電極40より下側に配置されている。
ヒータ電極層50は、複数のヒータ電極500(図4参照)を含んでいる。ここで、図3に示すように、本実施形態では、セラミックス部材10に複数の仮想的な領域であるセグメントSEが設定されている。より詳細には、Z軸方向視で、セラミックス部材10が、吸着面S1の中心点Pxを中心とする同心円状の複数の第1の境界線BL1によって複数の仮想的な環状領域(ただし、中心点Pxを含む領域のみは円状領域)に分割され、さらに各環状領域が、径方向RDに延びる複数の第2の境界線BL2によって円周方向CDに並ぶ複数の仮想的な領域であるセグメントSEに分割されている。複数のヒータ電極500のそれぞれは、セラミックス部材10に設定された複数のセグメントSEの1つに配置されている。すなわち、本実施形態の静電チャック100では、複数のセグメントSEのそれぞれに、1つのヒータ電極500が配置されている。
図4は、1つのセグメントSEに配置された1つのヒータ電極500のXY断面構成を模式的に示す説明図である。図4に示すように、ヒータ電極500は、Z軸方向視で線状の抵抗発熱体である。以下では、ヒータ電極500の一方の端部を、第1の端部521といい、ヒータ電極500の他方の端部を、第2の端部522という。他のセグメントSEに配置されたヒータ電極500の構成も同様である。
また、図2に示すように、静電チャック100は、ヒータ電極層50を構成する各ヒータ電極500への給電のための構成を備えている。具体的には、静電チャック100は、ドライバ電極層60を備える。なお、本実施形態では、ドライバ電極層60は、ヒータ電極層50より下側に配置されている。ドライバ電極層60は、導電性材料(例えば、タングステン、モリブデン、白金等)により形成されている。ドライバ電極層60は、面方向に平行な所定の領域を有するパターンである複数対のドライバ電極61,62を含んでいる(図2には、一対のドライバ電極61,62のみ図示)。なお、各ドライバ電極61,62は、下記の(1)および(2)の少なくとも一方を満たすという点で、ヒータ電極500と相違する。
(1)各ドライバ電極61,62の断面積は、ヒータ電極500の断面積の10倍以上である。
(2)面方向において、各ドライバ電極61,62は1つのセグメントSEより大きな面積を有する。
ドライバ電極層60は、特許請求の範囲における導電部に相当する。
ヒータ電極層50を構成する複数のヒータ電極500の全部または一部は、ドライバ電極層60における一対のドライバ電極61,62に対して、並列に接続されている。具体的には、図2および図4に示すように、各ヒータ電極500の第1の端部521は、導電性材料により形成された第1のヒータ側ビア721を介して、ドライバ電極層60における一対のドライバ電極61,62の一方である第1のドライバ電極61に導通しており、各ヒータ電極500の第2の端部522は、導電性材料により形成された第2のヒータ側ビア722を介して、ドライバ電極層60における一対のドライバ電極61,62の他方である第2のドライバ電極62に導通している。なお、複数のヒータ電極500の一部は、ある一対のドライバ電極61,62に導通しており、複数のヒータ電極500の他の一部は、別の一対のドライバ電極61,62に導通している。
また、図2に示すように、静電チャック100には、ベース部材20の下面S4からセラミックス部材10の内部に至る複数対の端子用孔110,120が形成されている(図2には一対の端子用孔110,120のみ図示)。各端子用孔110,120は、ベース部材20を上下方向に貫通する貫通孔22と、接着層30を上下方向に貫通する貫通孔32と、セラミックス部材10の下面S2側に形成された凹部12とが、互いに連通することにより構成された一体の孔である。
一対の端子用孔110,120の一方である第1の端子用孔110には、柱状の第1の給電端子741が収容されている。また、第1の端子用孔110を構成するセラミックス部材10の凹部12の底面には、第1の電極パッド731が設けられている。第1の給電端子741は、例えばろう付け等により第1の電極パッド731に接合されている。また、第1の電極パッド731は、第1の給電側ビア711を介して、第1のドライバ電極61に導通している。同様に、一対の端子用孔110,120の他方である第2の端子用孔120には、柱状の第2の給電端子742が収容されている。また、第2の端子用孔120を構成するセラミックス部材10の凹部12の底面には、第2の電極パッド732が設けられている。第2の給電端子742は、例えばろう付け等により第2の電極パッド732に接合されている。また、第2の電極パッド732は、第2の給電側ビア712を介して、第2のドライバ電極62に導通している。なお、給電端子741,742、電極パッド731,732、および、給電側ビア711,712は、すべて、導電性材料により形成されている。
複数対の端子用孔110,120のそれぞれに収容された一対の給電端子741,742は、電源(図示せず)に接続されている。電源からの電圧は、一対の給電端子741,742、一対の電極パッド731,732、および、一対の給電側ビア711,712を介して一対のドライバ電極61,62に供給され、さらに、各ヒータ電極500について設けられた一対のヒータ側ビア721,722を介してヒータ電極500に印加される。これにより、各ヒータ電極500が発熱し、ヒータ電極500が配置されたセグメントSEが加熱される。セラミックス部材10の各セグメントSEに配置され、互いに異なる対のドライバ電極61,62等に接続されたヒータ電極500への印加電圧を個別に制御することにより、各セグメントSEの温度を個別に制御することができる。これにより、セラミックス部材10の吸着面S1の温度分布の制御(すなわち、吸着面S1に保持されたウェハWの温度分布の制御)が実現される。以下、セラミックス部材10のうち、導電性材料で形成された部分(チャック電極40、ヒータ電極層50やドライバ電極層60等)以外のセラミックス部分を、セラミックス部950という。
A−3.導電部の表面の構成:
図4には、ヒータ電極500のX1部の断面構成が拡大して示されている。X1部に示すように、ヒータ電極500は、後述する導電性材料の粒子Mを含んで構成されている。また、ヒータ電極500の表面501の近傍に位置する複数の粒子Mの少なくとも一部は、切断されており、その切断面MDがヒータ電極500の表面501に露出している。なお、粒子Mの切断面MDがヒータ電極500の表面に露出している様子は、例えばヒータ電極500の表面501を含む断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により撮像して得られるSEM画像で確認することができる。なお、チャック電極40やドライバ電極層60も同様に、それらの表面には、切断された導電性材料の粒子の切断面が露出している。
A−4.静電チャック100の製造方法:
図5は、静電チャック100の製造方法を示すフローチャートであり、図6は、静電チャック100の製造方法における打ち抜き加工の概要を示す説明図であり、図7は、静電チャック100の製造方法における半硬化導電パターンの配置工程の概要を示す説明図である。
図5に示すように、まず、半硬化シート800を準備する(S110)。半硬化シート800は、導体となる導電性材料と、熱および光の少なくとも一方によって硬化する硬化性樹脂と、を含んでおり、少なくとも焼成後に導電性を有し、かつ半硬化状態のシートである。ここで、半硬化(Bステージ)状態とは、(1)流動しない状態になっており、さらに加熱しても溶融せずにゴム状に留まって流動しないことと、(2)被着体に圧着した後に加熱することで接着可能となることとの両方を満たすことである。次に、半硬化シート800から、各導電部に対応した形状の半硬化導電パターン800Aを形成する(S120)。導電部は、例えば、上述したチャック電極40、ヒータ電極層50、ドライバ電極層60である。なお、図6および図7(A)には、ヒータ電極層50に含まれるヒータ電極500に対応した形状の半硬化導電パターン800Aが例示されている。
次に、半硬化導電パターン800Aを、セラミックスグリーンシート(以下、グリーンシートという)950A上に配置し、熱および光の少なくとも一方によって硬化させることによって、グリーンシート950A上に接着された導電部前駆体を形成する(S130)。導電部前駆体は、導電部がチャック電極40の場合、焼成によってチャック電極40になるチャック電極前駆体であり、導電部がヒータ電極層50(ヒータ電極500)の場合、焼成によってヒータ電極層50になるヒータ電極前駆体500Aであり、導電部がドライバ電極層60(ドライバ電極61,62)の場合、焼成によってドライバ電極層60になるドライバ電極前駆体である。なお、図7(B)には、ヒータ電極前駆体500Aが例示されている。次に、導電部前駆体が接着されたグリーンシート950Aを含む、複数のグリーンシート950Aを重ねて同時焼成する(S140)。以上の工程により、上述のセラミックス部材10が形成される。以下、各工程について詳説する。
A−4−1.半硬化シート800を準備する工程(S110):
半硬化シート800を準備する工程(S110)では、例えば次の方法により、半硬化シート800を作製する。まず、導電性材料とセラミックス粉末と硬化性樹脂と硬化剤と分散剤とを溶媒に混合し、溶解後に脱泡することにより、導電性材料と硬化性樹脂とを含む導体ペーストを形成する。なお、導電性材料やセラミックス粉末に分散剤と溶媒とを加え撹拌することであらかじめ分散液を作製した後に、硬化性樹脂と硬化剤とを添加してもよい。導電性材料等の混合には、例えば撹拌羽根や三本ロール等を備える周知の装置を用いることができる。次に、導体ペーストの各原料について詳説する。
導電性材料は、導電性を有する材料であればよく、金属に限らず、例えば導電性セラミックスなどでもよい。金属の例としては、タングステン、モリブデン、白金、銀、銅など、または、これらの合金などの粒子(または粉末)が挙げられる。また、金属の粒径は、0.1μm以上であることが好ましい。これにより、金属の粒径が0.1μm未満である場合に比べて、導体ペーストに含まれる金属全体としての表面積が狭いため、酸化による抵抗値の増加が抑制される。その結果、S140で形成される導電部がヒータ電極500等の各機能を発揮できる程度に十分な導電性を有しなくなることを抑制することができる。また、金属の粒径は、100μm以下であることが好ましい。これにより、金属の粒径が100μmを超える場合に比べて、S140の焼成工程において金属が焼結し易くなり、大気に晒される比表面積が小さくなるため、導電部の酸化による抵抗値の増加が抑制される。また、金属の粒径は、50μm以下であることがより好ましい。これにより、金属の粒径が50μmを超える場合に比べて、S110において導体ペーストをシート化する際、厚さの均一性が高い半硬化シート800を形成することができる。
硬化性樹脂は、熱および光の少なくとも一方によって硬化する樹脂であればよい。硬化性樹脂の例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられる。硬化性樹脂は、調合の容易さの点で、特にエポキシ樹脂が好ましい。エポキシ樹脂は、溶媒への溶解性が高い、もしくは樹脂そのものが液状で溶媒を用いなくても導電性材料やセラミックス粉末と混合できるからである。エポキシ樹脂の例としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられ、より具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、プロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、プロム化ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。また、硬化性樹脂は、原子番号が9以上の元素を含まない脂肪族の樹脂であることが好ましい。このような脂肪族の樹脂は、S140の焼成工程で容易に焼失し、かつ灰分の少ない樹脂であるからである。脂肪族の樹脂としては、水への溶解性が高い脂肪族グリシジルエーテル類が特に好ましい。
硬化剤は、上記の硬化性樹脂を硬化することができる硬化剤であればよい。硬化剤は、硬化性樹脂と同様に、焼成工程で容易に焼失し、かつ灰分の少ない樹脂が好ましく、具体的には原子番号が9以上の元素を含まない脂肪族の樹脂が好ましい。エポキシ樹脂に対する硬化剤の例としては、一級、二級または三級のアミン化合物、変性ポリアミド化合物、イミダゾール類、ポリメルカプタン類、酸無水物類、ジシアンジアミドなどが挙げられる。変性ポリアミド化合物としては、例えば、ダイマー酸と脂肪族ポリアミンとの反応によって生成されたものを用いることができる。変性ポリアミド系硬化剤の性質は、ポリアミンの種類と、アミンとダイマー酸との比と、第三の改質成分の量とで決定される。第三の改質成分は、例えば、エポキシ樹脂があり、これをあらかじめ反応させることによって、変性ポリアミドのエポキシ樹脂への相溶性が大幅に改善される。また、硬化剤は、水への溶解性が高い脂肪族ポリアミン系硬化剤が好ましく、特に、アミン価が100以上、200以下の脂肪族ポリアミン系硬化剤が好ましい。
セラミックス粉末は、グリーンシート950Aに含まれるセラミックス粉末と同じセラミックス粉末であることが好ましい。これにより、S140の焼成工程により形成されたセラミックス部材10において、導体ペーストから形成される導電部とグリーンシート950Aから形成されるセラミックス部分との密着性を向上させることができる。
分散剤は、硬化性樹脂中における導電性材料やセラミックス粉末の分散性を制御するための成分である。分散剤の例としては、イオン性の分散剤と非イオン性の分散剤とが挙げられる。イオン性の分散剤としては、ポリアクリル酸やポリカルボン酸、そのナトリウム塩やアンモニウム塩、スルホン酸系共重合体やそのナトリウム塩やアンモニウム塩を用いることができる。非イオン性の分散剤としては、ポリエチレングリコールやそのエーテルやそのエステルを用いることができる。セラミックス粉末の分散剤としては、カルボン酸を含むポリマーが好ましい。カルボン酸を含むポリマーは、導電性材料の粉末やセラミックス粉末の表面官能基と水素結合しやすいため吸着しやすく、少量で高い分散効果が得られるためである。
溶媒は、導体ペーストに適度な粘性を付与し、かつ導体ペーストをシート化した後に乾燥処理によって容易に揮発できる溶媒であればよい。溶媒の例としては、水や各種有機溶媒が挙げられる。ただし、液状の硬化性樹脂を用いることで、適度な粘性の導体ペーストが得られる場合は、導体ペーストを作製するにあたり、溶媒は、必ずしも必須ではない。有機溶媒としては、例えば、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類などを用いることができる。なお、溶媒として水を用いることは、特に、作業環境の安全性の面から好ましい。
導体ペーストの形成後、導体ペーストをシート状に所定の部材の表面に塗工する。導体ペーストの塗工には、例えば、ドクターブレード、ナイフコーター、ロールコータなどの公知の方法を用いることができる。次に、シート状に塗工された導体ペーストを、熱および光の少なくとも一方によって半硬化させる。具体的には、所定の部材上の導体ペーストを乾燥機で緩く加熱したり、露光機で緩く露光したりする。これにより、半硬化シート800を作製することができる。なお、半硬化シート800(導体ペースト)の原料の配合例としては、導電性材料は、タングステン粉末90重量部、無機粉末は、アルミナ粉末10重量部、樹脂材料(バインダ、分散剤として機能)は、水溶性エポキシ樹脂7.2重量部(グリセロールポリグリシジルエーテル)、水溶性硬化剤1.2重量部(脂肪族ポリアミン)、分散剤0.5重量部(カルボン酸含有ポリマー変性物)、溶媒は、水20重量部である。導電部(チャック電極40、ヒータ電極層50、ドライバ電極層60)の導電性に最も影響を与える成分は、導電性材料(例えばタングステン粉末)である。このため、導電性材料の添加量は、50重量部以上であることが好ましい。理由は、導電性材料の添加量が50重量部未満である場合、導電性材料の配合割合が低すぎて、導電部としての導電性が低下したり、微細な導電部を形成する際に断線する可能性が高くなるからである。また、導電性材料の添加量は、150重量部以下であることが好ましい。理由は、導電性材料の添加量が150重量部より多い場合、上述の焼成工程(S140)において、セラミックスグリーンシート950Aと導電部前駆体とを同時焼成する際に、両者の収縮率の差に起因して導電部等にクラックなどの不良が生じやすくなるからである。また、導電性材料に対する樹脂材料の量が相対的に少なくなるため、導電性材料の分散性が低下し、凝集塊を生じやすく、微細で正確な導電部を形成することが困難になるからである。
A−4−2.半硬化導電パターン800Aを形成する工程(S120):
半硬化導電パターン800Aを形成する工程(S120)では、例えば次の方法により、半硬化シート800から半硬化導電パターン800Aを形成する。例えば、図6(A)に示すように、打ち抜き型900を準備する。打ち抜き型900は、打ち抜き用パンチ910と打ち抜き台920とを含む。打ち抜き用パンチ910は、例えば1つのヒータ電極500の形状に対応した形状に形成されている。打ち抜き台920は、例えば1つのヒータ電極500の形状に対応した形状の開口部(図示せず)が形成されている。打ち抜き台920上に、複数枚の半硬化導電パターン800Aを重ねて配置する。次に、図6(B)に示すように、打ち抜き用パンチ910を、複数枚の半硬化導電パターン800Aの上から、打ち抜き台920の開口部を介して打ち抜き台920を貫通させると、互いに重ねられた複数枚の半硬化導電パターン800Aがヒータ電極500の形状に対応した形状に打ち抜かれる。これにより、同一形状の複数の半硬化導電パターン800Aを一括で形成することができる。このように、同一形状の半硬化導電パターン(半硬化導電パターン800A)を多数形成する場合、打ち抜き型を用いる方法が好ましい。なお、半硬化導電パターンを形成するための他の方法としては、例えば、カッティングプロッターを用いて半硬化シート800から半硬化導電パターン800Aを切り出す方法が挙げられる。形状が互いに異なる半硬化導電パターンを多数形成する場合には、カッティングプロッターを用いる方法が好ましい。また、このように半硬化導電パターンから打ち出しや切り出しによって導電部前駆体を形成することにより、例えば上述したようにヒータ電極500の表面501の近傍に位置する導電性材料の粒子Mが切断され、その結果、切断された粒子Mの切断面MDがヒータ電極500の表面501に露出する(図4のX1部参照)。これにより、例えばヒータ電極500の線幅を均一にすることができる。
A−4−3.導電部前駆体を形成する工程(S130):
導電部前駆体(例えばヒータ電極前駆体500A)を形成する工程(S130)では、まず、例えばアルミナを主成分とするグリーンシート950Aを複数準備する。そして、それらのうちの1つのグリーンシート950Aに半硬化導電パターン800Aを貼る。具体的には、図7(A)に示すように、半硬化導電パターン800Aの第1の端部821Aが、グリーンシート950Aに露出する焼成前の第1のヒータ側ビア前駆体721A上に配置され、第2の端部822Aがグリーンシート950Aに露出する焼成前の第2のヒータ側ビア前駆体722A上に配置される。なお、半硬化導電パターン800Aをグリーンシート950Aに貼る方法は特に限定されず、例えば、半硬化導電パターン800Aをグリーンシート950Aに直接押し付けて圧着してもよい。また、半硬化導電パターン800Aが薄く、半硬化導電パターン800A単独では扱いにくい場合、半硬化導電パターン800Aを、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムのような搬送用のフィルム上に貼って扱ってもよい。なお、本実施形態において、グリーンシート950Aは、硬化性樹脂を含む形成材料により形成されたもの(ゲルキャスト成形されたもの)でもよい。ただし、硬化性樹脂を含むグリーンシートは、比較的に硬くなりやすいため、第1のヒータ側ビア721等のための貫通孔を形成する際に、グリーンシートにクラックが生じるおそれがある。また、グリーンシートのような比較的に幅広のものをゲルキャスト成形すると、硬化する際の収縮量が大きいため、例えばグリーンシートの端部に反りが生じやすい。そのため、グリーンシート950Aは、硬化性樹脂を含まず、熱可塑性バインダーを含んで形成されたものが好ましい。
次に、グリーンシート950Aに貼られた半硬化導電パターン800Aを、熱および光の少なくとも一方によって硬化させる。具体的には、半硬化導電パターン800Aを乾燥機で加熱したり、露光機で露光したりする。これにより、半硬化導電パターン800Aの粘着力によって、グリーンシート950A上に接着されたヒータ電極前駆体500Aを作製することができる(図7(B)参照)。なお、他のグリーンシート950Aに対して、スルーホールの形成やビア用インクの充填、チャック電極40の形成のための電極用インクの塗布等の必要な加工を行う。なお、ビア用インクや電極用インクとしては、例えばアルミナを主成分とするグリーンシート用の原料粉末にタングステン粉末を混合してスラリー状としたメタライズインクが用いられる。
A−4−4.ヒータ電極500等を備えるセラミックス部材10を形成する工程(S140):
セラミックス部材10を形成する工程(S140)では、導電部前駆体(ヒータ電極前駆体500A等)が接着されたグリーンシート950Aと、他のグリーンシート950Aとを積層して熱圧着し、この積層体を所定の形状にカットし、還元雰囲気中で焼成(例えば、1400〜1800℃で焼成)を行う。この焼成処理により、複数のグリーンシート950Aと導電部前駆体とが同時焼結され、グリーンシート950Aがセラミックス部950となり、導電部前駆体が導電部(ヒータ電極500等)となる。これにより、セラミックス部材10が形成される。
次に、ベース部材20は、公知の方法により作製することができる。その後、例えばシリコーン系樹脂やアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の接着剤を用いて、セラミックス部材10とベース部材20とを接合する(S150)。これにより、上述した構成の静電チャック100の製造が完了する。
A−5.本実施形態の効果:
例えば、導電性材料を含み、かつ硬化性樹脂を含まない非硬化性の導電ペーストから導電パターンを形成しようとすると、非硬化性の導電ペーストは、形状を維持する定形性が低いため、導電パターンを導電部に対応した形状(例えば設計上の形状)に精度よく形成することが困難である。例えば、非硬化性の導電ペーストから導電パターンを切り出そうとしてもパターン形状を維持できず、導電パターンを導電部に対応した形状に精度よく形成することができない。また、非硬化性の導電ペーストを積層される複数のグリーンシートの間に挟み込んで押圧する際に、その押圧力によって導電ペーストが変形しやすい。これに対して、本実施形態における静電チャック100の製造方法では、半硬化状態である半硬化シート800から半硬化導電パターン800Aを形成する。半硬化シート800は、上記非硬化性の導電ペーストに比べて定形性が高いため、非硬化性の導電ペーストを利用する場合に比べて、半硬化導電パターン800Aを導電部(ヒータ電極500等)に対応した形状に精度よく形成することができる。
また、本実施形態では、半硬化導電パターン800Aを、グリーンシート950A上に配置し、熱および光の少なくとも一方によって硬化させることによって、グリーンシート950A上に接着された導電部前駆体(ヒータ電極前駆体500A等)を形成する。これにより、導電部前駆体が形成されたグリーンシート950Aのハンドリング性が向上する。例えば、導電部前駆体が接着されたグリーンシート950Aを含む、複数のグリーンシート950Aを重ねる際、グリーンシート950A上における導電部前駆体の位置がずれることが抑制される。
ここで、導電パターンをグリーンシート上に形成する方法としては、例えば導体ペーストをスクリーン印刷により形成する方法がある。しかし、このスクリーン印刷による方法では、メッシュマスクの線径や導電性材料の粒径の制約があるため、微細パターン(例えば線幅が50μm以下)を精度よく形成することができない。例えば、印刷された導体ペーストの表面の近傍に導電性材料の粒子が存在する場合、その粒子が導体ペーストの表面から凸状に突出し、導体ペーストの線幅がばらつくおそれがある。また、スクリーン印刷による方法では、印刷後にスクリーンマスクを外す際に導体ペーストに凹凸が生じたり、マスク線径の凹凸が転写されたりして、導体ペーストの厚さがばらつくおそれがある。これに対して、上述したように、本実施形態では、まず、導体ペーストをシート化して半硬化シート800を形成する。これにより、厚さの略均一な半硬化シート800を形成することができる。そして、スクリーン印刷によることなく、半硬化シート800から形成した半硬化導電パターン800Aをグリーンシート950Aに配置して硬化させることにより、ヒータ電極前駆体500Aをグリーンシート950A上に形成する。これにより、正確な線幅や厚さの半硬化導電パターン800Aをグリーンシート950A上に形成することができ、その結果、抵抗値のばらつき等が抑制された導電部を形成することができる。
また、本実施形態では、複数枚の半硬化シート800を重ねてまとめて打ち抜き加工を施すことにより、導電部に対応した形状の複数の半硬化導電パターン800Aを一括形成する(図6参照)。これにより、複数の半硬化導電パターン800Aを個別に形成する場合に比べて、複数の半硬化導電パターン800A(ひいては複数の導電部)の形状の同一性の向上と、製造工数の軽減とを図ることができる。
また、本実施形態では、導電部(ヒータ電極500)の表面の少なくとも一部には、導電性材料の粒子Mの切断面MDが露出している(図4参照)。これにより、切断されていない導電性材料の粒子が導電部の表面から凸状に突出している構成に比べて、導電部の形状の精度が高いため、導電部の厚みや幅がばらつくことを抑制することができる。
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
上記実施形態における静電チャック100の製造方法は、あくまで一例であり、種々変形可能である。例えば、半硬化シート800を準備する工程(S110)において、セラミックス粉末と硬化剤と分散剤と溶媒とのうちの少なくとも1つを用いずに導体ペーストを形成するとしてもよい。また、導電性材料の粒径は、0.1μm未満であるとしてもよいし、100μmを超えるとしてもよい。
また、上記実施形態では、半硬化シート800から半硬化導電パターン800Aを形成する方法として、打ち抜きや切り出しによる方法を例示したが、例えば、半硬化シート800に対して露光によるエッチングを施すことにより、半硬化導電パターン800Aを形成するとしてもよい。ただし、露光によるエッチングでは、半硬化シート800の厚さによっては、エッチング後の半硬化導電パターン800A(ヒータ電極500)の抵抗値がばらつくことによって発熱量がばらつくおそれがある。すなわち、露光によるエッチングでは、半硬化シート800における露光面への露光量と、該露光面とは反対側の面への露光量とに差が生じることにより、形成された導電パターンにおける露光面と反対側の面とで硬化度合いが相違するおそれがある。また、半硬化シート800の密度によってエッジングされやすい部分とエッジングされにくい部分とが生じるおそれがある。その結果、1つのヒータ電極500において発熱量がばらついたり、複数のヒータ電極500同士の間で発熱量がばらついたりするおそれがある。したがって、半硬化シート800の厚さが比較的に厚い場合には、上記実施形態の打ち抜きや切り出しによる方法を採用することが好ましい。
また、上記実施形態において、半硬化シート800は、導電性を有していなくてもよく、少なくとも焼成後に導電性を有するものであればよい。
上記実施形態では、導電部として、チャック電極40、ヒータ電極層50およびドライバ電極層60を例示したが、例えば電極パッドなどもよい。また、導電部は、セラミックス部材の内部に配置されたものに限らず、セラミックス部材の外部に配置されたもの(給電パッドや外部配線など)でもよい。
また、上記実施形態において、各ビアは、単数のビアにより構成されてもよいし、複数のビアのグループにより構成されてもよい。また、上記実施形態において、各ビアは、ビア部分のみからなる単層構成であってもよいし、複数層構成(例えば、ビア部分とパッド部分とビア部分とが積層された構成)であってもよい。
また、上記実施形態におけるセグメントSEの設定態様は、任意に変更可能である。例えば、上記実施形態では、各セグメントSEが吸着面S1の円周方向CDに並ぶように複数のセグメントSEが設定されているが、各セグメントSEが格子状に並ぶように複数のセグメントSEが設定されてもよい。また、例えば、上記実施形態では、静電チャック100の全体が複数のセグメントSEに仮想的に分割されているが、静電チャック100の一部分が複数のセグメントSEに仮想的に分割されていてもよい。また、静電チャック100において、必ずしもセグメントSEが設定されている必要はない。
また、上記実施形態では、セラミックス部材10の内部に1つのチャック電極40が設けられた単極方式が採用されているが、セラミックス部材10の内部に一対のチャック電極40が設けられた双極方式が採用されてもよい。また、上記実施形態の静電チャック100における各部材を形成する材料は、あくまで例示であり、各部材が他の材料により形成されてもよい。
また、本発明は、セラミックス部材10とベース部材20とを備え、静電引力を利用してウェハWを保持する静電チャック100に限らず、導電部を備えるセラミックス部材を含むもの(例えば、CVDヒータ等のヒータ装置、真空チャック等の保持装置や、シャワーヘッド等の半導体製造装置用部品)にも適用可能である。
10:セラミックス部材 12:凹部 20:ベース部材 21:冷媒流路 22:貫通孔 30:接着層 32:貫通孔 40:チャック電極 50:ヒータ電極層 60:ドライバ電極層 61:第1のドライバ電極 62:第2のドライバ電極 100:静電チャック 110:第1の端子用孔 120:第2の端子用孔 500:ヒータ電極 500A:ヒータ電極前駆体 501:表面 521:第1の端部 522:第2の端部 711:第1の給電側ビア 712:第2の給電側ビア 721:第1のヒータ側ビア 721A:第1のヒータ側ビア前駆体 722:第2のヒータ側ビア 722A:第2のヒータ側ビア前駆体 731:第1の電極パッド 732:第2の電極パッド 741:第1の給電端子 742:第2の給電端子 800:半硬化シート 800A:半硬化導電パターン 821A:第1の端部 822A:第2の端部 900:打ち抜き型 910:打ち抜き用パンチ 920:打ち抜き台 950:セラミックス部 950A:グリーンシート BL1:第1の境界線 BL2:第2の境界線 CD:円周方向 M:粒子 MD:切断面 Px:中心点 RD:径方向 S1:吸着面 S2:下面 S3:上面 S4:下面 SE:セグメント W:ウェハ

Claims (3)

  1. 導電部を備えるセラミックス部材の製造方法において、
    導電性材料と、熱および光の少なくとも一方によって硬化する硬化性樹脂と、を含んでおり、少なくとも焼成後に導電性を有し、かつ半硬化状態である半硬化シートを準備する工程と、
    前記半硬化シートから、前記導電部に対応した形状の半硬化導電パターンを形成する工程と、
    前記半硬化導電パターンを、セラミックスグリーンシート上に配置し、熱および光の少なくとも一方によって硬化させることによって、前記セラミックスグリーンシート上に接着された導電部前駆体を形成する工程と、
    前記導電部前駆体が接着された前記セラミックスグリーンシートを含む、複数のセラミックスグリーンシートを重ねて焼成することによって、前記導電部を備える前記セラミックス部材を形成する工程と、
    を含む、
    ことを特徴とする導電部を備えるセラミックス部材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の導電部を備えるセラミックス部材の製造方法において、
    前記セラミックス部材は、互いの形状が略同一である複数の前記導電部を備えており、
    前記半硬化導電パターンを形成する工程において、複数枚の前記半硬化シートを重ねてまとめて打ち抜き加工を施すことにより、前記導電部に対応した形状の複数の前記半硬化導電パターンを一括形成する、
    ことを特徴とする導電部を備えるセラミックス部材の製造方法。
  3. セラミックス部と、
    前記セラミックス部に配置され、導電性材料の粒子を含む導電部と、を備え、
    前記導電部の表面の少なくとも一部には、前記導電性材料の粒子の切断面が露出している、
    ことを特徴とするセラミックス部材。
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