以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.車両の構成>
まず、図1〜図4を参照して、本発明の実施形態に係る制御システム100が搭載される車両1の構成について説明する。なお、車両1は、本実施形態に係る制御システム100が搭載される車両の一例に過ぎず、制御システム100は、他の構成を有する車両にも搭載され得る。
図1は、本実施形態に係る制御システム100が搭載される車両1の概略構成の一例を示す模式図である。図2は、本実施形態に係るハイブリッド制御装置110及び表示制御装置120の各々とバッテリセンサ93とを接続する伝送経路の一例を示す模式図である。
車両1は、例えば、図1に示されるように、エンジン11と、第1モータジェネレータ21と、第1インバータ22と、第2モータジェネレータ23と、第2インバータ24と、バッテリ25と、動力分割機構51と、ギヤ列52と、車輪53とを備える。車両1は、車両1を駆動するための動力を出力する駆動源として、エンジン11と第2モータジェネレータ23とを備えるハイブリッド車両である。
エンジン11は、ガソリン等を燃料として動力を生成する内燃機関である。エンジン11の出力軸であるクランクシャフトは動力分割機構51と接続され、エンジン11から出力される動力は動力分割機構51へ伝達される。
動力分割機構51は、エンジン11、第1モータジェネレータ21及びギヤ列52の入力側と接続され、これらの間で動力を分割して伝達する。例えば、動力分割機構51は、エンジン11から出力される動力を第1モータジェネレータ21及びギヤ列52へ分割して伝達する。動力分割機構51として、例えば、動力を伝達する回転要素であるサンギヤ、キャリア及びリングギヤを備える遊星歯車機構が用いられる。
ギヤ列52の出力側は車輪53の車軸と接続され、エンジン11から出力される動力はギヤ列52を介して車輪53へ伝達される。具体的には、ギヤ列52は変速機を含んでもよく、エンジン11から出力される動力はギヤ列52を介して変速されて車輪53へ伝達され得る。
第1モータジェネレータ21は、例えば、三相交流式のモータであり、第1インバータ22を介してバッテリ25と接続されている。第1モータジェネレータ21は、エンジン11から出力される動力を用いて発電可能である。第1モータジェネレータ21により発電される電力は、第1インバータ22を介してバッテリ25へ供給される。それにより、バッテリ25が第1モータジェネレータ21により発電される電力によって充電される。
なお、第1モータジェネレータ21は、バッテリ25の電力を用いて駆動(力行駆動)されて動力を出力してもよい。例えば、第1モータジェネレータ21から出力される動力は、エンジン11の始動に用いられ得る。また、例えば、第1モータジェネレータ21から出力される動力は、車輪53へ伝達されて車両1の駆動に用いられてもよい。
第2モータジェネレータ23は、例えば、三相交流式のモータであり、第2インバータ24を介してバッテリ25と接続されている。第2モータジェネレータ23は、バッテリ25の電力を用いて駆動(力行駆動)されて動力を出力する。第2モータジェネレータ23はギヤ列52の入力側と接続されており、第2モータジェネレータ23から出力される動力はギヤ列52を介して車輪53へ伝達される。このように、第2モータジェネレータ23は、本発明に係る駆動モータの一例に相当する。
なお、第2モータジェネレータ23は、車両1の減速時に回生駆動されて車輪53の運動エネルギを用いて発電可能であってもよい。第2モータジェネレータ23により発電される電力は、第2インバータ24を介してバッテリ25へ供給される。それにより、バッテリ25が第2モータジェネレータ23により発電される電力によって充電される。
バッテリ25は、電力を充放電可能な電池である。バッテリ25として、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池又は鉛蓄電池が用いられるが、これら以外の電池が用いられてもよい。バッテリ25は、第1モータジェネレータ21及び第2モータジェネレータ23へ供給される電力を蓄電する。
第1インバータ22及び第2インバータ24は、双方向の電力変換を行う電力変換装置である。第1インバータ22及び第2インバータ24は、例えば、三相ブリッジ回路を含んで構成される。
第1インバータ22は、バッテリ25から供給される直流電力を交流電力に変換して第1モータジェネレータ21へ供給可能である。また、第1インバータ22は、第1モータジェネレータ21により発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ25側へ供給可能である。第1インバータ22にはスイッチング素子が設けられ、スイッチング素子の動作が制御されることにより、第1インバータ22による電力の変換が制御される。
第2インバータ24は、バッテリ25から供給される直流電力を交流電力に変換して第2モータジェネレータ23へ供給可能である。また、第2インバータ24は、第2モータジェネレータ23により発電された交流電力を直流電力に変換してバッテリ25側へ供給可能である。第2インバータ24にはスイッチング素子が設けられ、スイッチング素子の動作が制御されることにより、第2インバータ24による電力の変換が制御される。
上記のように、車両1は、駆動源としてエンジン11及び第2モータジェネレータ23を備える。それにより、車両1の走行モードを、エンジン11を停止させ第2モータジェネレータ23から出力される動力を用いて車両1を走行させるEV走行モードと、エンジン11及び第2モータジェネレータ23の双方から出力される動力を用いて車両1を走行させるHV走行モードとの間で切り替えることができる。
なお、車両1において、駆動源から出力される動力が伝達される車輪53は、前輪であってもよく、後輪であってもよい。また、ギヤ列52の出力側から出力される動力は、図示しないプロペラシャフトを介して前輪及び後輪の双方へ伝達されてもよい。
また、車両1は、例えば、図1に示されるように、表示装置41と、アクセル開度センサ91と、車速センサ92と、バッテリセンサ93と、ハイブリッド制御装置110と、表示制御装置120とをさらに備える。車両1では、ハイブリッド制御装置110と、表示制御装置120とを含んで制御システム100が構成される。
表示装置41は、情報を視覚的に表示する装置である。具体的には、表示装置41は、バッテリ25のSOCを表示する。表示装置41は、例えば、車両1のインストルメントパネルに設けられる。なお、表示装置41はこのような例に特に限定されない。例えば、表示装置41として、ヘッドアップディスプレイ(Head Up Display:HUD)と称される技術を利用して種々の画像を表示し得る装置又はフロントガラスに重ねて設けられる透過型ディスプレイが用いられてもよい。
アクセル開度センサ91は、ドライバによるアクセルペダルの操作量であるアクセル開度を検出し、検出結果を出力する。
車速センサ92は、車両1の速度である車速を検出し、検出結果を出力する。
バッテリセンサ93は、バッテリ25に関する情報を検出し、検出結果を出力する。具体的には、バッテリセンサ93は、バッテリ25のSOCをバッテリ25に関する情報として検出する。このように、バッテリセンサ93は、本発明に係る検出装置の一例に相当する。
ハイブリッド制御装置110は、車両1の駆動に関する制御である駆動制御を行う制御装置である。ハイブリッド制御装置110は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)及びCPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等で構成される。
また、ハイブリッド制御装置110は、車両1に搭載される各装置と通信を行う。ハイブリッド制御装置110と各装置との通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)通信を用いて実現される。例えば、ハイブリッド制御装置110は、エンジン11、第1インバータ22、第2インバータ24、アクセル開度センサ91、車速センサ92、バッテリセンサ93及び表示制御装置120と通信を行う。ハイブリッド制御装置110が有する機能は複数の制御装置により分割されてもよく、その場合、当該複数の制御装置は、CAN等の通信バスを介して、互いに接続されてもよい。例えば、ハイブリッド制御装置110が有するエンジン11の制御に関する機能と、第1モータジェネレータ21及び第2モータジェネレータ23の制御に関する機能とは互いに異なる制御装置に分割されてもよい。
ハイブリッド制御装置110は、具体的には、エンジン11、第1モータジェネレータ21及び第2モータジェネレータ23の動作をそれぞれ制御する。
ハイブリッド制御装置110は、エンジン11における各装置の動作を制御することによって、スロットル開度、点火時期及び燃料噴射量等を制御する。それにより、ハイブリッド制御装置110は、エンジン11の出力を制御し得る。
また、ハイブリッド制御装置110は、第1インバータ22の動作を制御することによって、第1モータジェネレータ21とバッテリ25との間の電力の供給を制御する。それにより、ハイブリッド制御装置110は、第1モータジェネレータ21による動力の出力及び発電を制御し得る。
また、ハイブリッド制御装置110は、第2インバータ24の動作を制御することによって、第2モータジェネレータ23とバッテリ25との間の電力の供給を制御する。それにより、ハイブリッド制御装置110は、第2モータジェネレータ23による動力の出力及び発電を制御し得る。
ハイブリッド制御装置110は、例えば、加速要求や車速等の車両1の走行状態に応じてエンジン11及び第2モータジェネレータ23の出力を制御する。具体的には、ハイブリッド制御装置110は、エンジン11及び第2モータジェネレータ23から出力される動力が要求値と一致するようにエンジン11及び第2モータジェネレータ23の出力を制御する。なお、加速要求は、アクセル開度の検出結果に基づいて算出され得る。
また、ハイブリッド制御装置110は、車両1の走行モードとして、エンジン11を停止させ第2モータジェネレータ23から出力される動力を用いて車両1を走行させるEV走行モードと、エンジン11及び第2モータジェネレータ23の双方から出力される動力を用いて車両1を走行させるHV走行モードとを切り替える。
具体的には、ハイブリッド制御装置110は、車両1の走行モードとして、EV走行モードと、HV走行モードとをバッテリセンサ93との通信により得られるSOCを示す第1残存容量情報(以下、第1SOC情報とも称する。)に基づいて切り替える。具体的には、ハイブリッド制御装置110は、バッテリセンサ93と第1伝送経路R10を介して通信することによって、第1SOC情報を取得する。第1伝送経路R10は、ハイブリッド制御装置110とバッテリセンサ93とを接続する伝送経路に相当する。
第1伝送経路R10は、例えば、図2に示されるように、ハイブリッド制御装置110とバッテリセンサ93とを直接的に接続する伝送経路であり、第1伝送経路R10にはハイブリッド制御装置110と異なる他の装置は介在しない。なお、第1伝送経路R10は、具体的には、信号を伝送するケーブルによって形成される。
例えば、ハイブリッド制御装置110は、第1SOC情報により示されるSOCである第1SOCが残存容量閾値(以下、SOC閾値とも称する。)より大きい場合に走行モードをEV走行モードに切り替え、第1SOCがSOC閾値以下である場合に走行モードをHV走行モードに切り替える。SOC閾値は、具体的には、バッテリ25のSOCが低下し電力が枯渇することなくEV走行モードでの走行を継続できるか否かを適切に判定し得る値に設定される。なお、以下では、SOC閾値が30%に設定される例について主に説明するが、SOC閾値の設定値はこのような例に限定されない。
表示制御装置120は、表示装置41による表示に関する制御である表示制御を行う制御装置である。表示制御装置120は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)及びCPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等で構成される。
また、表示制御装置120は、車両1に搭載される各装置と通信を行う。表示制御装置120と各装置との通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)通信を用いて実現される。例えば、表示制御装置120は、表示装置41、バッテリセンサ93及びハイブリッド制御装置110と通信を行う。表示制御装置120が有する機能は複数の制御装置により分割されてもよく、その場合、当該複数の制御装置は、CAN等の通信バスを介して、互いに接続されてもよい。
表示制御装置120は、具体的には、表示装置41によるバッテリ25のSOCの表示を制御する。
表示制御装置120は、表示装置41によるSOCの表示を、バッテリセンサ93との通信により得られるSOCを示す第2残存容量情報(以下、第2SOC情報とも称する。)に基づいて制御する。具体的には、表示制御装置120は、バッテリセンサ93と第1伝送経路R10とは異なる第2伝送経路R20を介して通信することによって、第2SOC情報を取得する。第2伝送経路R20は、表示制御装置120とバッテリセンサ93とを接続する伝送経路に相当する。
なお、本明細書では、ハイブリッド制御装置110と表示制御装置120との間で、バッテリセンサ93との通信に用いられる伝送経路が上記のように互いに異なる例を説明するが、両制御装置の間でバッテリセンサ93との通信に用いられる伝送経路は一致していてもよい。
第2伝送経路R20は、第1伝送経路R10と異なる伝送経路であり、例えば、図2に示されるように、第2伝送経路R20には表示制御装置120と異なる他の装置として充電制御装置130及びセントラルゲートウェイ210が介在する。充電制御装置130は、具体的には、バッテリ25が車両1の外部の外部電源と接続された状態において、外部電源から供給される電力を用いたバッテリ25の充電を制御する。セントラルゲートウェイ210は、具体的には、車両1に搭載される複数の制御装置の間に接続される。なお、第2伝送経路R20は、具体的には、信号を伝送するケーブルによって形成される。
また、表示制御装置120は、表示装置41の表示モードを、ハイブリッド制御装置110による車両1の走行モードの切り替えに伴って切り替える。具体的には、表示制御装置120は、車両1の走行モードがEV走行モードに切り替えられた場合、表示装置41の表示モードをEV走行モード時の表示モードであるEV表示モードへ切り替える。一方、表示制御装置120は、車両1の走行モードがHV走行モードに切り替えられた場合、表示装置41の表示モードをHV走行モード時の表示モードであるHV表示モードへ切り替える。
表示制御装置120は、EV表示モードにおいて、例えば、連続的に伸縮するバーグラフB11を用いてSOCを表示装置41に表示させる。
図3は、EV表示モードにおける表示装置41によるSOCの表示の一例を示す説明図である。例えば、EV表示モードでは、図3に示されるように、連続的に伸縮するバーグラフB11が重畳される表示領域A11が表示装置41により表示される。EV表示モードでは、バーグラフB11の長さによってSOCが示される。具体的には、表示装置41により表示されるSOCの減少に応じてバーグラフB11の長さは短くなる。例えば、EV表示モードにおいて表示可能なSOCの下限値はSOC閾値である30%に設定され、上限値は100%に設定される。
表示制御装置120は、HV表示モードにおいて、例えば、複数のセグメントを用いてSOCを表示装置41に表示させる。
図4は、HV表示モードにおける表示装置41によるSOCの表示の一例を示す説明図である。例えば、HV表示モードでは、図4に示されるように、複数のセグメントが並設された表示領域A12が表示装置41により表示される。具体的には、図4では、表示領域A12において、第1セグメントSeg1〜第8セグメントSeg8の8個のセグメントが一方向に並設される例が示されている。HV表示モードでは、複数のセグメントのうち強調表示(例えば、点灯)されるセグメントの数である表示セグメント数によってSOCが示される。具体的には、表示装置41により表示されるSOCの減少に応じて表示セグメント数は減少する。より具体的には、表示セグメント数のセグメントが第1セグメントSeg1から順に強調表示される。例えば、図4では、表示セグメント数が4である場合の例が示されており、第1セグメントSeg1〜第4セグメントSeg4が強調表示されている。
第1セグメントSeg1、第2セグメントSeg2、第3セグメントSeg3、第4セグメントSeg4、第5セグメントSeg5、第6セグメントSeg6、第7セグメントSeg7及び第8セグメントSeg8は、例えば、0%以上20%以下のSOC領域、20%より大きく28%以下のSOC領域、28%より大きく29%以下のSOC領域、29%より大きく30%以下のSOC領域、30%より大きく31%以下のSOC領域、31%より大きく40%以下のSOC領域、40%より大きく70%以下のSOC領域及び70%より大きく100%以下のSOC領域とそれぞれ対応する。ゆえに、表示セグメント数が1、2、3、4、5、6、7及び8である場合は、表示装置41により表示されるSOCがそれぞれ0%以上20%以下、20%より大きく28%以下、28%より大きく29%以下、29%より大きく30%以下、30%より大きく31%以下、31%より大きく40%以下、40%より大きく70%以下及び70%より大きく100%以下である場合に対応する。
このように、HV表示モードにおいて、SOCの表示の分解能はSOC閾値に近いSOCほど高くなるように設定されてもよい。なお、図4を参照して例示した各セグメントのSOC領域の設定値はあくまでも一例であり、各セグメントのSOC領域の設定値はこのような例に限定されない。また、HV表示モードにおいて表示可能なSOCの下限値及び上限値についても図4に示した例に限定されない。また、HV表示モードにおいて表示領域A12に並設されるセグメントの数は8個と異なる個数であってもよい。
なお、図3及び図4を参照して説明したEV表示モード及びHV表示モードにおける表示装置41によるSOCの表示の例はあくまでも一例であり、このような例に特に限定されない。EV表示モードとHV表示モードとの間でSOCの表示の態様が異なればよい。
上述したように、ハイブリッド制御装置110及び表示制御装置120の各制御装置は、バッテリセンサ93とそれぞれ個別に通信することによりSOCを示す情報を取得し、得られる情報により示されるSOCを参照して各制御を行う。それにより、ハイブリッド制御装置110と表示制御装置120との間で、同一時刻において参照されるSOCが互いに異なり得る。
具体的には、本実施形態では、ハイブリッド制御装置110とバッテリセンサ93とを接続する第1伝送経路R10と、表示制御装置120とバッテリセンサ93とを接続する第2伝送経路R20とは互いに異なる。ゆえに、第1伝送経路R10と第2伝送経路R20との間で、伝送経路の全長の差異が生じ得る。また、第1伝送経路R10と第2伝送経路R20との間で、伝送経路に介在する装置の数及び種類の差異に起因して、伝送経路に介在する装置による処理時間の差異が生じ得る。それにより、同一時刻において、ハイブリッド制御装置110により駆動制御において参照される第1SOCと、表示制御装置120により表示制御において参照される第2SOCとは互いに異なり得る。
なお、上述したように、ハイブリッド制御装置110と表示制御装置120との間で、バッテリセンサ93との通信に用いられる伝送経路は一致していてもよく、その場合であっても、例えば、各制御装置の間でSOCを示す情報の取得及び更新を実行するタイミングが互いに異なることに起因して、同一時刻において参照されるSOCは互いに異なり得る。
ハイブリッド制御装置110は、例えば、第1SOCがSOC閾値以下になったことをトリガとして車両1の走行モードをEV走行モードからHV走行モードへ切り替える。それに伴って、表示制御装置120は、表示装置41の表示モードをEV表示モードからHV表示モードへ切り替える。このとき、第1SOCはSOC閾値と一致しているものの、第2SOCは、SOC閾値と必ずしも一致せず、SOC閾値より小さい又は大きい場合もあるのでばらつき得る。よって、仮に表示モードの切り替え直後において第2SOCを表示装置41に表示させた場合、ドライバへ違和感を与える要因となる。本実施形態では、表示モードの切り替えの際において表示制御装置120により行われる表示制御によって、ドライバへ与えられる違和感を低減することが可能となる。なお、表示制御装置120が行う表示制御については、後述にて詳細に説明する。
<2.制御システムの動作>
続いて、図5〜図15を参照して、本実施形態に係る制御システム100の動作について説明する。
[2−1.駆動制御]
まず、図5を参照して、本実施形態に係るハイブリッド制御装置110が行う駆動制御について説明する。
図5は、本実施形態に係るハイブリッド制御装置110が行う駆動制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図5に示される制御フローは、例えば、常時繰り返し実行される。
図5に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS501において、ハイブリッド制御装置110は、第1SOCがSOC閾値より大きいか否かを判定する。第1SOCがSOC閾値より大きいと判定された場合(ステップS501/YES)、ステップS503へ進む。一方、第1SOCがSOC閾値以下であると判定された場合(ステップS501/NO)、ステップS505へ進む。
ステップS503において、ハイブリッド制御装置110は、車両1の走行モードをEV走行モードに切り替え、EV走行モードで駆動制御を実行する。それにより、エンジン11が停止した状態で第2モータジェネレータ23から出力される動力を用いて車両1の走行が行われる。
ステップS505において、ハイブリッド制御装置110は、車両1の走行モードをHV走行モードに切り替え、HV走行モードで駆動制御を実行する。それにより、エンジン11及び第2モータジェネレータ23の双方から出力される動力を用いて車両1の走行が行われる。
ステップS503又はステップS505の次に、図5に示される制御フローは終了する。
[2−2.表示制御]
次に、図6〜図15を参照して、本実施形態に係る表示制御装置120が行う表示制御について説明する。
(全体的な処理の流れ)
まず、図6を参照して、本実施形態に係る表示制御装置120が行う表示制御における全体的な処理の流れについて説明する。
図6は、本実施形態に係る表示制御装置120が行う表示制御における全体的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。図6に示される制御フローは、走行モードがEV走行モードとなっており表示装置41の表示モードがEV表示モードとなっているときに開始される。
図6に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS601において、表示制御装置120は、EV表示モードで表示装置41によるSOCの表示を制御する。
EV表示モードでは、例えば、図3を参照して説明したように、連続的に伸縮するバーグラフB11を用いたSOCの表示が行われる。
次に、ステップS603において、表示制御装置120は、走行モードがHV走行モードへ切り替えられたか否かを判定する。走行モードがHV走行モードへ切り替えられたと判定された場合(ステップS603/YES)、ステップS605へ進む。一方、走行モードがHV走行モードへ切り替えられていないと判定された場合(ステップS603/NO)、ステップS601へ戻る。
表示制御装置120は、具体的には、ハイブリッド制御装置110と通信することによって、ハイブリッド制御装置110による車両1の走行モードの切り替え結果を取得し得る。なお、ハイブリッド制御装置110と表示制御装置120とは、例えば、他の装置を介在させずに直接的に伝送経路によって接続され得る。
ステップS605において、表示制御装置120は、表示装置41の表示モードをHV表示モードに切り替える。
HV表示モードでは、例えば、図4を参照して説明したように、複数のセグメントを用いたSOCの表示が行われる。
次に、ステップS700において、表示制御装置120は、HV表示モードで遷移表示制御を実行する。遷移表示制御は、第2SOC情報に依存しない基準SOCを表示モードの切り替え直後に表示装置41に表示させる制御である。具体的には、表示制御装置120は、遷移表示制御において、基準SOCを表示装置41に表示させた後、表示装置41により表示されるSOCが第2SOC情報により示される第2SOCに時間経過に伴って近づくように表示装置41によるSOCの表示を制御する。基準SOCは、具体的には、SOC閾値に対応する値であり、例えば、SOC閾値と一致し得る。ただし、基準SOCは、必ずしもSOC閾値と一致しなくともよく、例えば、SOC閾値の近傍の値に設定されてもよい。また、基準SOCの設定値は、ドライバにより変更可能であってもよい。なお、遷移表示制御における具体的な処理例については、後述にて詳細に説明する。
次に、ステップS800において、表示制御装置120は、HV表示モードで通常表示制御を実行する。通常表示制御は、第2SOC情報により示されるSOCである第2SOCに対応するSOC(具体的には、第2SOCと一致するSOC又は第2SOCの近傍のSOC)を表示装置41に表示させる制御である。具体的には、表示制御装置120は、通常表示制御において、第2SOC情報により示されるSOCである第2SOCに対してなまし処理を施すことにより得られるなまし値に基づいて表示装置41によるSOCの表示を制御する。なお、通常表示制御における具体的な処理例については、後述にて詳細に説明する。
次に、図6に示される制御フローは終了する。
後述されるように、通常表示制御は、具体的には、車両1の走行モードがEV走行モードへ切り替えられた場合に、表示装置41の表示モードがEV表示モードに切り替えられた後に終了する。このような状況は、例えば、バッテリ25が回生発電により充電されてSOCが増加することによって生じ得る。ゆえに、図6に示される制御フローが終了した時点において走行モードはEV走行モードとなっており、表示モードはEV表示モードになっている。
なお、車両1の電源システムの起動時において、SOCがSOC閾値より低く、走行モードがHV走行モードである場合には、例えば、図6に示される制御フローのステップS800から処理が開始され得る。ゆえに、そのような場合には、車両1の電源システムの起動後にHV表示モードでの通常表示制御が実行され得る。
上記のように、表示制御装置120は、表示装置41の表示モードが切り替えられた際に、基準SOCを表示モードの切り替え直後に表示装置41に表示させる遷移表示制御を実行した後、通常表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置120は、走行モードがEV走行モードからHV走行モードへ切り替えられたことに伴って表示モードをEV表示モードからHV表示モードへ切り替えた際に、遷移表示制御を実行した後に通常表示制御を実行する。
なお、表示制御装置120は、走行モードがHV走行モードからEV走行モードへ切り替えられたことに伴って表示モードをHV表示モードからEV表示モードへ切り替えた際に、遷移表示制御を実行した後に通常表示制御を実行してもよい。換言すると、表示制御装置120は、EV表示モードからHV表示モードへの切り替えとHV表示モードからEV表示モードへの切り替えのうちの少なくとも一方を行う際に、遷移表示制御を実行した後、通常表示制御を実行すればよい。
(遷移表示制御における具体的な処理例)
続いて、図7〜図10を参照して、本実施形態に係る表示制御装置120が行う遷移表示制御における具体的な処理例について説明する。
図7は、本実施形態に係る表示制御装置120が行う遷移表示制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7に示される制御フローは、具体的には、図6に示される制御フローにおけるステップS700において実行される。
図7に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS701において、表示制御装置120は、表示セグメント数を基準SOCに対応するセグメント数に設定してSOCを表示させる。
基準SOCに対応するセグメント数は、HV表示モードにおいて基準SOCを表示するために強調表示する必要のあるセグメントの数に相当する。例えば、基準SOCが30%である場合、表示制御装置120は、表示セグメント数を4に設定してSOCを表示させる。
このように、表示制御装置120は、表示モードの切り替え直後に基準SOCを表示装置41に表示させる。
次に、ステップS703において、表示制御装置120は、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したと判定された場合(ステップS703/YES)、ステップS705へ進む。一方、所定時間が経過していないと判定された場合(ステップS703/NO)、ステップS703の判定処理が繰り返される。
このように、表示制御装置120は、表示モードの切り替え直後において、具体的には、基準SOCを所定時間継続して表示装置41に表示させる。当該所定時間は、具体的には、基準SOCが表示されていることをドライバに適切に認識させつつ、遷移表示制御が過剰に長い時間に亘って実行され続けることを抑制し得る時間に設定される。
ステップS705において、表示制御装置120は、第2SOCに対応するセグメント数を特定する。
第2SOCに対応するセグメント数は、HV表示モードにおいて第2SOCを表示するために強調表示する必要のあるセグメントの数に相当する。
次に、ステップS707において、表示制御装置120は、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1以下であるか否かを判定する。第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1以下であると判定された場合(ステップS707/YES)、ステップS719へ進む。一方、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1より大きいと判定された場合(ステップS707/NO)、ステップS709へ進む。
このように、表示制御装置120は、遷移表示制御において、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が基準差(例えば1)以下であるか否かを判定する。ここで、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が基準差以下と判定された場合は、表示装置41により表示されるSOCが第2SOCに対応する値まで到達した場合に相当する。
なお、以下では、ステップS707において行われる第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差に関する判定処理をセグメント数差判定とも称する。
ステップS709において、表示制御装置120は、セグメント数差判定の処理回数が基準回数に達したか否かを判定する。セグメント数差判定の処理回数が基準回数に達したと判定された場合(ステップS709/YES)、ステップS719へ進む。一方、セグメント数差判定の処理回数が基準回数に達していないと判定された場合(ステップS709/NO)、ステップS711へ進む。
基準回数は、具体的には、遷移表示制御が過剰に長い時間に亘って実行され続けることを抑制し得る時間に設定される。ここで、セグメント数差判定の処理回数が基準回数に達したと判定された場合は、表示装置41により表示されるSOCが基準時間内に第2SOCに対応する値まで到達しなかった場合に相当する。基準時間は、遷移表示制御が継続して実行されている時間が過剰に長いか否かを判定し得る時間に相当する。
ステップS711において、表示制御装置120は、第2SOCに対応するセグメント数が表示セグメント数より大きいか否かを判定する。第2SOCに対応するセグメント数が表示セグメント数より大きいと判定された場合(ステップS711/YES)、ステップS713へ進む。一方、第2SOCに対応するセグメント数が表示セグメント数より小さいと判定された場合(ステップS711/NO)、ステップS715へ進む。
ステップS713において、表示制御装置120は、表示セグメント数を1つ増加させてSOCを表示させる。それにより、第2SOCが表示装置41により表示されるSOCより大きい場合に、表示装置41により表示されるSOCが増加して第2SOCに近づく。
ステップS715において、表示制御装置120は、表示セグメント数を1つ減少させてSOCを表示させる。それにより、第2SOCが表示装置41により表示されるSOCより小さい場合に、表示装置41により表示されるSOCが減少して第2SOCに近づく。
ステップS713又はステップS715の次に、ステップS717において、表示制御装置120は、所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過したと判定された場合(ステップS717/YES)、ステップS705へ戻る。一方、所定時間が経過していないと判定された場合(ステップS717/NO)、ステップS717の判定処理が繰り返される。
このように、表示制御装置120は、表示セグメント数を増減させた際に、具体的には、増減後の表示セグメント数でのSOCの表示を所定時間継続させる。当該所定時間は、具体的には、増減後の表示セグメント数でSOCが表示されていることをドライバに適切に認識させつつ、遷移表示制御が過剰に長い時間に亘って実行され続けることを抑制し得る時間に設定される。例えば、ステップS717における所定時間と、ステップS703における所定時間とは互いに一致する。なお、ステップS717における所定時間と、ステップS703における所定時間とは互いに異なってもよい。
ステップS707の判定処理又はステップS709の判定処理でYESと判定された場合、ステップS719において、表示制御装置120は、なまし値を第2SOCに設定する。
なまし値は、後述される通常表示制御において用いられる値である。具体的には、通常表示制御において、表示セグメント数がなまし値に対応するセグメント数に設定されてSOCの表示が行われる。
次に、図7に示される制御フローは終了する。
上記のように、ステップS707でYESと判定された場合、なまし値が第2SOCに設定されて図7に示される制御フローは終了する。そして、図6に示されるステップS800へ進み、通常表示制御が実行される。ステップS707でYESと判定された場合は、上述したように、表示装置41により表示されるSOCが第2SOCに対応する値まで到達した場合に相当する。このように、表示制御装置120は、遷移表示制御において、表示装置41により表示されるSOCが第2SOCに対応する値まで到達した場合、遷移表示制御を終了し、通常表示制御を実行する。
また、上記のように、ステップS709でYESと判定された場合、なまし値が第2SOCに設定されて図7に示される制御フローは終了する。そして、図6に示されるステップS800へ進み、通常表示制御が実行される。ステップS709でYESと判定された場合は、上述したように、表示装置41により表示されるSOCが基準時間内に第2SOCに対応する値まで到達しなかった場合に相当する。このように、表示制御装置120は、遷移表示制御において、表示装置41により表示されるSOCが基準時間内に第2SOCに対応する値まで到達しなかった場合、遷移表示制御を終了し、通常表示制御を実行する。
ここで、図8〜図10を参照して、本実施形態に係る表示制御装置120が行う遷移表示制御における第2SOC及び表示セグメント数の推移の例について説明する。図8〜図10では、時刻T0において車両1の走行モードがEV走行モードからHV走行モードへ切り替えられ、基準SOCが30%に設定されている場合の例が示されている。なお、図8〜図10及び後述にて参照される図13〜図15において、「表示セグ数」は表示セグメント数を意味する。
図8は、本実施形態に係る表示制御装置120が行う遷移表示制御における第2SOC及び表示セグメント数の推移の第1の例を示す説明図である。
図8に示される例では、時刻T0より以前において、車両1の走行モードがEV走行モードとなっているので、EV表示モードで表示装置41によるSOCの表示が行われる。時刻T0において、走行モードがHV走行モードへ切り替えられることに伴い、表示モードがHV表示モードへ切り替えられる。ゆえに、遷移表示制御が開始され、第2SOC情報に依存しない基準SOCが表示装置41により表示される。具体的には、図8に示されるように、基準SOC(30%)は第4セグメントのSOC領域内にあるので、基準SOCに対応するセグメント数は4である。ゆえに、第2SOCが第2セグメントのSOC領域内にあり第2SOCに対応するセグメント数が2であることによらず、表示セグメント数が4に設定される。
そして、時刻T0から所定時間経過した時刻T1において、セグメント数差判定が行われる。時刻T1において、第2SOCは第2セグメントのSOC領域内にあるので、第2SOCに対応するセグメント数は2である。一方、表示セグメント数は4である。ゆえに、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1より大きい。また、第2SOCに対応するセグメント数は表示セグメント数より小さいので、表示セグメント数が1つ減少して3になる。
そして、時刻T1から所定時間経過した時刻T2において、セグメント数差判定が再度行われる。時刻T2において、第2SOCは第2セグメントのSOC領域内にあるので、第2SOCに対応するセグメント数は2である。一方、表示セグメント数は3である。ゆえに、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1以下であるので、なまし値が第2SOCに設定された後、遷移表示制御が終了し通常表示制御が開始される。なお、この場合、時刻T2におけるなまし値に対応するセグメント数は2となるので、表示セグメント数は2に設定される。
上記のように、遷移表示制御において、具体的には、まず、表示セグメント数は基準SOCに対応するセグメント数に設定される。その後、表示セグメント数は、第2SOCに対応するセグメント数に時間経過に伴って近づくように推移する。このように、遷移表示制御では、まず、表示モードの切り替え直後に基準SOCが表示され、その後、表示装置41により表示されるSOCが第2SOCに時間経過に伴って近づくように制御される。
図9は、本実施形態に係る表示制御装置120が行う遷移表示制御における第2SOC及び表示セグメント数の推移の第2の例を示す説明図である。
図9に示される例では、図8に示される例と同様に、時刻T0において、表示モードがHV表示モードへ切り替えられ、表示セグメント数が4に設定される。なお、時刻T0において、第2SOCは第4セグメントのSOC領域内にあるので、第2SOCに対応するセグメント数は4である。
そして、時刻T0から所定時間経過した時刻T1において、セグメント数差判定が行われる。時刻T1において、第2SOCは第4セグメントのSOC領域内にあるので、第2SOCに対応するセグメント数は4である。一方、表示セグメント数は4である。ゆえに、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1以下であるので、なまし値が第2SOCに設定された後、遷移表示制御が終了し通常表示制御が開始される。なお、この場合、時刻T1におけるなまし値に対応するセグメント数は4となるので、表示セグメント数は4に設定される。
上記のように、遷移表示制御において、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1以下になった場合に遷移表示制御は終了する。ゆえに、遷移表示制御において行われるセグメント数差判定の処理回数は基準SOCの設定値や第2SOCの推移等に応じて異なり得る。例えば、図9に示される例では、遷移表示制御において、セグメント数差判定は1回のみ行われる。一方、上述した図8に示される例では、遷移表示制御において、セグメント数差判定は2回行われる。このように、遷移表示制御では、表示装置41により表示されるSOCが第2SOCに対応する値まで到達した場合に遷移表示制御が終了し、通常表示制御が実行される。
図10は、本実施形態に係る表示制御装置120が行う遷移表示制御における第2SOC及び表示セグメント数の推移の第3の例を示す説明図である。
図10に示される例では、図8に示される例と同様に、時刻T0において、表示モードがHV表示モードへ切り替えられ、表示セグメント数が4に設定される。なお、時刻T0において、第2SOCは第3セグメントのSOC領域内にあるので、第2SOCに対応するセグメント数は3である。
そして、時刻T0から所定時間経過した時刻T1において、セグメント数差判定が行われる。時刻T1において、第2SOCは第2セグメントのSOC領域内にあるので、第2SOCに対応するセグメント数は2である。一方、表示セグメント数は4である。ゆえに、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1より大きい。また、第2SOCに対応するセグメント数は表示セグメント数より小さいので、表示セグメント数が1つ減少して3になる。
そして、時刻T1から所定時間経過した時刻T2において、セグメント数差判定が再度行われる。時刻T2において、第2SOCは第5セグメントのSOC領域内にあるので、第2SOCに対応するセグメント数は5である。一方、表示セグメント数は3である。ゆえに、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1より大きい。また、第2SOCに対応するセグメント数は表示セグメント数より大きいので、表示セグメント数が1つ増加して4になる。
そして、時刻T2から所定時間経過した時刻T3において、セグメント数差判定が再度行われる。時刻T3において、第2SOCは第6セグメントのSOC領域内にあるので、第2SOCに対応するセグメント数は6である。一方、表示セグメント数は4である。ゆえに、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1より大きい。また、第2SOCに対応するセグメント数は表示セグメント数より大きいので、表示セグメント数が1つ増加して5になる。
そして、時刻T3から所定時間経過した時刻T4において、セグメント数差判定が再度行われる。時刻T4において、第2SOCは第3セグメントのSOC領域内にあるので、第2SOCに対応するセグメント数は3である。一方、表示セグメント数は5である。ゆえに、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1より大きい。また、第2SOCに対応するセグメント数は表示セグメント数より小さいので、表示セグメント数が1つ減少して4になる。
そして、時刻T4から所定時間経過した時刻T5において、セグメント数差判定が再度行われる。時刻T5において、第2SOCは第2セグメントのSOC領域内にあるので、第2SOCに対応するセグメント数は2である。一方、表示セグメント数は4である。ゆえに、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1より大きい。ここで、図10に示される例では、セグメント数差判定の処理回数についての基準回数が5回に設定されている。ゆえに、時刻T5において、セグメント数差判定の処理回数が基準回数に達しているので、なまし値が第2SOCに設定された後、遷移表示制御が終了し通常表示制御が開始される。なお、この場合、時刻T5におけるなまし値に対応するセグメント数は2となるので、表示セグメント数は2に設定される。
上記のように、遷移表示制御において、第2SOCに対応するセグメント数と表示セグメント数との差が1以下にならない場合であっても、セグメント数差判定の処理回数が基準回数に達した場合に遷移表示制御は終了し得る。このように、遷移表示制御では、表示装置41により表示されるSOCが基準時間内に第2SOCに対応する値まで到達しなかった場合に遷移表示制御が終了し、通常表示制御が実行される。なお、表示装置41により表示されるSOCが基準時間内に第2SOCに対応する値まで到達しない状況は、例えば、図10に示されるように、車両1内の装置の一部に異常が生じている場合等の第2SOCの時間変化が過剰に大きくなっている場合に生じ得る。
(通常表示制御における具体的な処理例)
続いて、図11〜図15を参照して、本実施形態に係る表示制御装置120が行う通常表示制御における具体的な処理例について説明する。
図11は、本実施形態に係る表示制御装置120が行う通常表示制御における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図11に示される制御フローは、具体的には、図6に示される制御フローにおけるステップS800において実行される。
図11に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS801において、表示制御装置120は、表示セグメント数をなまし値に対応するセグメント数に設定してSOCを表示させる。
なまし値に対応するセグメント数は、HV表示モードにおいてなまし値に一致するSOCを表示するために強調表示する必要のあるセグメントの数に相当する。
次に、ステップS803において、表示制御装置120は、設定時間が経過したか否かを判定する。設定時間が経過したと判定された場合(ステップS803/YES)、ステップS805へ進む。一方、設定時間が経過していないと判定された場合(ステップS803/NO)、ステップS803の判定処理が繰り返される。
このように、なまし値に応じたSOCの表示が設定時間継続した後にステップS805へ進む。設定時間は、具体的には、図7に示される制御フローのステップS703及びステップS717における所定時間と比較して、短い時間に設定される。
ステップS805において、表示制御装置120は、なまし値を更新する。
図12は、本実施形態に係る表示制御装置120が行う通常表示制御におけるなまし値の更新処理について説明するための説明図である。
図12では、現時刻tより設定時間前の時刻(t−1)における第2SOC(t−1)及びなまし値(t−1)と、現時刻tにおける第2SOC(t)及びなまし値(t)とが例示されている。表示制御装置120は、現時刻tにおいて、第2SOC(t)に対してなまし処理を施すことによってなまし値(t)を算出する。
例えば、表示制御装置120は、現時刻tにおいて、下記式(1)を用いて、なまし値(t)を算出する。それにより、図12に示されるように、なまし値が第2SOCに追従して更新され得る。
補正値は、なまし値の時間変化が円滑化されるように(換言すると、表示セグメント数の時間変化が円滑化されるように)なまし値が第2SOCに対して適切に追従することを実現し得る値に適宜設定され、例えば、0.25に設定される。
このように、表示制御装置120は、設定時間前のなまし値及び現時刻の第2SOCに基づいて現時刻におけるなまし値を算出することによって、なまし値を更新することができる。
次に、ステップS807において、表示制御装置120は、第2SOCに対応するセグメント数及び更新後のなまし値に対応するセグメント数を特定する。
次に、ステップS809において、表示制御装置120は、更新後のなまし値に対応するセグメント数が第2SOCに対応するセグメント数と一致するか否かを判定する。更新後のなまし値に対応するセグメント数が第2SOCに対応するセグメント数と一致すると判定された場合(ステップS809/YES)、ステップS813へ進む。一方、更新後のなまし値に対応するセグメント数が第2SOCに対応するセグメント数と一致しないと判定された場合(ステップS809/NO)、ステップS811へ進む。
ステップS811において、表示制御装置120は、第2SOCに対応するセグメント数が設定時間前から2以上変化したか否かを判定する。第2SOCに対応するセグメント数が設定時間前から2以上変化したと判定された場合(ステップS811/YES)、ステップS813へ進む。一方、第2SOCに対応するセグメント数が設定時間前から2以上変化していないと判定された場合(ステップS811/NO)、ステップS815へ進む。
このように、表示制御装置120は、なまし値に対応するセグメント数が第2SOCに対応するセグメント数と一致しない場合において、第2SOCに対応するセグメント数が設定時間前から基準変化量(例えば2)以上変化したか否かを判定する。ここで、第2SOCに対応するセグメント数が設定時間前から基準変化量以上変化したと判定された場合は、第2SOCの時間変化が過剰に大きい場合に相当する。
ステップS809の判定処理又はステップS811の判定処理でYESと判定された場合、ステップS813において、表示制御装置120は、なまし値を第2SOCに設定する。換言すると、表示制御装置120は、ステップS813において、更新後のなまし値を第2SOCで上書きする。
次に、ステップS815において、表示制御装置120は、走行モードがEV走行モードへ切り替えられたか否かを判定する。走行モードがEV走行モードへ切り替えられたと判定された場合(ステップS815/YES)、ステップS817へ進む。一方、走行モードがEV走行モードへ切り替えられていないと判定された場合(ステップS815/NO)、ステップS801へ戻る。
ステップS817において、表示制御装置120は、表示装置41の表示モードをEV表示モードに切り替える。
次に、図11に示される制御フローは終了する。
上記のように、走行モードがEV走行モードへ切り替えられた場合に、表示モードがEV表示モードに切り替えられた後に図11に示される制御フローが終了し、それに伴い、図6に示される制御フローが終了する。
一方、走行モードがHV走行モードに維持されている場合、ステップS801〜ステップS815の処理が繰り返され、HV表示モードでの通常表示制御が継続される。ゆえに、表示制御装置120は、走行モードがHV走行モードに維持されている場合、通常表示制御において、なまし値の更新及びなまし値に基づくSOCの表示制御を繰り返す。
ここで、図13〜図15を参照して、本実施形態に係る表示制御装置120が行う通常表示制御における第2SOC、なまし値及び表示セグメント数の推移の例について説明する。図13〜図15では、時刻t0において遷移表示制御が終了して通常表示制御が開始されている場合の例が示されている。
図13は、本実施形態に係る表示制御装置120が行う通常表示制御における第2SOC、なまし値及び表示セグメント数の推移の第1の例を示す説明図である。
図13に示される例では、時刻t0において、遷移表示制御の終了に伴い、なまし値が第4セグメントのSOC領域内の第2SOCに設定されている。ゆえに、時刻t0において、表示セグメント数は4に設定される。
そして、時刻t0から設定時間経過した時刻t1において、第2SOCは、第3セグメントのSOC領域内の値となっている。また、時刻t1において、時刻t0におけるなまし値及び時刻t1における第2SOCに基づいてなまし値の更新が行われ、時刻t1におけるなまし値が算出される。更新後のなまし値に対応するセグメント数は4であり、時刻t1における第2SOCに対応するセグメント数は3であるので、両セグメント数は一致せず、更新後のなまし値の第2SOCによる上書きは行われない。ゆえに、時刻t1において、表示セグメント数は4に設定される。
そして、時刻t1から設定時間経過した時刻t2において、第2SOCは、第3セグメントのSOC領域内の値となっている。また、時刻t2において、時刻t1におけるなまし値及び時刻t2における第2SOCに基づいてなまし値の更新が行われ、時刻t2におけるなまし値が算出される。更新後のなまし値に対応するセグメント数は4であり、時刻t2における第2SOCに対応するセグメント数は3であるので、両セグメント数は一致せず、更新後のなまし値の第2SOCによる上書きは行われない。ゆえに、時刻t2において、表示セグメント数は4に設定される。
そして、時刻t2から設定時間経過した時刻t3において、第2SOCは、第3セグメントのSOC領域内の値となっている。また、時刻t3において、時刻t2におけるなまし値及び時刻t3における第2SOCに基づいてなまし値の更新が行われ、時刻t3におけるなまし値が算出される。ここで、時刻t3における更新後のなまし値は、図13において破線三角形で示されている。更新後のなまし値に対応するセグメント数は3であり、時刻t3における第2SOCに対応するセグメント数は3であるので、両セグメント数は一致し、更新後のなまし値は第2SOCにより上書きされる。そして、時刻t3において、表示セグメント数は3に設定される。
上記のように、通常表示制御において、具体的には、表示セグメント数はなまし値に対応するセグメント数に設定される。このように、通常表示制御では、第2SOCに対してなまし処理を施すことにより得られるなまし値に基づいて表示装置41によるSOCの表示が制御される。ゆえに、なまし値が第2SOCに対して追従することに伴い、表示セグメント数が第2SOCに対応するセグメント数に対して追従する。よって、通常表示制御では、第2SOCに対応するSOCが表示装置41によって表示される。
図14は、本実施形態に係る表示制御装置120が行う通常表示制御における第2SOC、なまし値及び表示セグメント数の推移の第2の例を示す説明図である。
図14に示される例では、図13に示される例と同様に、時刻t0において、遷移表示制御の終了に伴い、なまし値が第4セグメントのSOC領域内の第2SOCに設定されている。ゆえに、時刻t0において、表示セグメント数は4に設定される。
そして、時刻t0から設定時間経過した時刻t1において、第2SOCは、第3セグメントのSOC領域内の値となっている。また、時刻t1において、時刻t0におけるなまし値及び時刻t1における第2SOCに基づいてなまし値の更新が行われ、時刻t1におけるなまし値が算出される。更新後のなまし値に対応するセグメント数は4であり、時刻t1における第2SOCに対応するセグメント数は3であるので、両セグメント数は一致せず、更新後のなまし値の第2SOCによる上書きは行われない。ゆえに、時刻t1において、表示セグメント数は4に設定される。
そして、時刻t1から設定時間経過した時刻t2において、第2SOCは、第4セグメントのSOC領域内の値となっている。また、時刻t2において、時刻t1におけるなまし値及び時刻t2における第2SOCに基づいてなまし値の更新が行われ、時刻t2におけるなまし値が算出される。ここで、時刻t2における更新後のなまし値は、図14において破線三角形で示されている。更新後のなまし値に対応するセグメント数は4であり、時刻t2における第2SOCに対応するセグメント数は4であるので、両セグメント数は一致し、更新後のなまし値は第2SOCにより上書きされる。そして、時刻t4において、表示セグメント数は4に設定される。
そして、時刻t2から設定時間経過した時刻t3において、第2SOCは、第4セグメントのSOC領域内の値となっている。また、時刻t3において、時刻t2におけるなまし値及び時刻t3における第2SOCに基づいてなまし値の更新が行われ、時刻t3におけるなまし値が算出される。ここで、時刻t3における更新後のなまし値は、図14において破線三角形で示されている。更新後のなまし値に対応するセグメント数は4であり、時刻t3における第2SOCに対応するセグメント数は4であるので、両セグメント数は一致し、更新後のなまし値は第2SOCにより上書きされる。そして、時刻t4において、表示セグメント数は4に設定される。
上記のように、図14に示される例では、表示セグメント数は4に維持される。ここで、仮に通常表示制御において第2SOCに対するなまし処理を行わずに表示セグメント数を第2SOC自体に対応するセグメント数に設定した場合、図14に示される例では、表示セグメント数は時刻t1において4から3へ減少した後に時刻t2において3から4へ増加する。このように、通常表示制御においてなまし値に基づいて表示装置41によるSOCの表示が制御されることによって、表示セグメント数の時間変化が円滑化される。
図15は、本実施形態に係る表示制御装置120が行う通常表示制御における第2SOC、なまし値及び表示セグメント数の推移の第3の例を示す説明図である。
図15に示される例では、図13に示される例と同様に、時刻t0において、遷移表示制御の終了に伴い、なまし値が第4セグメントのSOC領域内の第2SOCに設定されている。ゆえに、時刻t0において、表示セグメント数は4に設定される。
そして、時刻t0から設定時間経過した時刻t1において、第2SOCは、第4セグメントのSOC領域内の値となっている。また、時刻t1において、時刻t0におけるなまし値及び時刻t1における第2SOCに基づいてなまし値の更新が行われ、時刻t1におけるなまし値が算出される。ここで、時刻t1における更新後のなまし値は、図15において破線三角形で示されている。更新後のなまし値に対応するセグメント数は4であり、時刻t1における第2SOCに対応するセグメント数は4であるので、両セグメント数は一致し、更新後のなまし値は第2SOCにより上書きされる。そして、時刻t1において、表示セグメント数は4に設定される。
そして、時刻t1から設定時間経過した時刻t2において、第2SOCは、第2セグメントのSOC領域内の値となっている。また、時刻t2において、時刻t1におけるなまし値及び時刻t2における第2SOCに基づいてなまし値の更新が行われ、時刻t2におけるなまし値が算出される。ここで、時刻t2における更新後のなまし値は、図15において破線三角形で示されている。更新後のなまし値に対応するセグメント数は3であり、時刻t2における第2SOCに対応するセグメント数は2であるので、両セグメント数は一致しない。ここで、図15に示される例では、時刻t2より設定時間前の時刻t1から時刻t2までの間に、第2SOCに対応するセグメント数が2以上変化している。ゆえに、更新後のなまし値は第2SOCにより上書きされる。よって、時刻t2において、表示セグメント数は2に設定される。
上記のように、通常表示制御において、更新後のなまし値に対応するセグメント数と第2SOCに対応するセグメント数とが一致しない場合であっても、第2SOCに対応するセグメント数が設定時間前から2以上変化した場合に更新後のなまし値は第2SOCにより上書きされ得る。このように、通常表示制御では、第2SOCの時間変化が過剰に大きい場合に更新後のなまし値は第2SOCにより上書きされる。それにより、車両1内の装置の一部に異常が生じている場合等の第2SOCの時間変化が過剰に大きくなっている場合において、適切に表示セグメント数を第2SOCに対応するセグメント数に対して追従させることができる。
<3.制御システムの効果>
続いて、本実施形態に係る制御システム100の効果について説明する。
本実施形態に係る制御システム100では、表示装置41の表示モードが切り替えられた際に、第2SOC情報に依存しない基準SOCを表示モードの切り替え直後に表示装置41に表示させる遷移表示制御が実行された後、第2SOC情報により示される第2SOCに対応するSOCを表示装置41に表示させる通常表示制御が実行される。上述したように、走行モードの切り替えの制御において参照される第1SOCと、SOCの表示の制御において参照される第2SOCとは、ハイブリッド制御装置110及び表示制御装置120の各制御装置がバッテリセンサ93とそれぞれ個別に通信することにより第1SOC情報及び第2SOC情報が取得されることに起因して、同一時刻において互いに異なり得る。ゆえに、表示モードの切り替え直後における第2SOCの値はばらつきを有し得る。ここで、本実施形態によれば、表示モードの切り替え直後において、第2SOCが表示装置41により表示されずに、第2SOC情報に依存しない基準SOCが表示装置41により表示される。それにより、表示モードの切り替え直後において表示装置41により表示されるSOCがばらつくことを抑制することができる。よって、SOCを表示する表示装置41の表示モードが走行モードの切り替えに伴って切り替えられた際にドライバへ与えられる違和感を低減することができる。
また、本実施形態に係る制御システム100では、遷移表示制御において、基準SOCとしてSOC閾値に対応する値が表示モードの切り替え直後に表示装置41により表示され得る。それにより、走行モードの切り替えに伴う表示モードの切り替え直後において、表示装置41により表示されるSOCの値を適正化することができる。よって、表示モードが切り替えられた際にドライバへ与えられる違和感をより効果的に低減することができる。
また、本実施形態に係る制御システム100では、走行モードがEV走行モードからHV走行モードへ切り替えられたことに伴って表示モードが切り替えられた際に、遷移表示制御が実行された後に通常表示制御が実行され得る。それにより、EV走行モードでの車両1の走行時にバッテリ25の電力が消費されることによるSOCの低下に伴って走行モードがHV走行モードへ切り替えられる場合において、表示モードの切り替えによりドライバへ与えられる違和感を効果的に低減することができる。
また、HV走行モード時の表示モードであるHV表示モードにおいて、複数のセグメントを用いて表示装置41によりSOCが表示され得る。この場合、HV表示モードにおいて、SOCの表示の分解能はSOC閾値に近いSOCほど高くなるように設定され得る。一方、EV走行モード時の表示モードであるEV表示モードにおいて、連続的に伸縮するバーグラフB11を用いて表示装置41によりSOCが表示され得る。この場合、EV表示モードでは、SOCの表示の分解能はSOCによらず均一になり得る。ゆえに、HV表示モードでは、EV表示モードと比較して、SOC閾値の近傍におけるSOCの変化がドライバによって認識されやすい。よって、表示モードの切り替えによりドライバへ与えられる違和感を低減するために、表示モードがEV表示モードからHV表示モードに切り替えられた際に遷移表示制御を実行することが特に好ましい。
また、本実施形態に係る制御システム100では、遷移表示制御において、基準SOCが表示装置41により表示された後、表示装置41により表示されるSOCが第2SOC情報により示される第2SOCに時間経過に伴って近づくように表示装置41によるSOCの表示が制御され得る。それにより、遷移表示制御によって基準SOCが表示装置41により表示された後において、遷移表示制御から通常表示制御へ移行する際に表示装置41により表示されるSOCが急峻に変化することを抑制することができる。ゆえに、遷移表示制御から通常表示制御へ移行する際にドライバへ与えられる違和感を低減することができる。
また、本実施形態に係る制御システム100では、遷移表示制御において、表示装置41により表示されるSOCが第2SOC情報により示される第2SOCに対応する値まで到達した場合に遷移表示制御が終了し、通常表示制御が実行され得る。それにより、遷移表示制御から通常表示制御へ移行する際に表示装置41により表示されるSOCが急峻に変化することを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態に係る制御システム100では、遷移表示制御において、表示装置41により表示されるSOCが基準時間内に第2SOC情報により示される第2SOCに対応する値まで到達しなかった場合に遷移表示制御が終了し、通常表示制御が実行され得る。それにより、車両1内の装置の一部に異常が生じている場合等の第2SOCの時間変化が過剰に大きくなっている場合において、遷移表示制御が過剰に長い時間に亘って実行され続けることを抑制することができる。
また、本実施形態に係る制御システム100では、通常表示制御において、第2SOC情報により示される第2SOCに対してなまし処理を施すことにより得られるなまし値に基づいて表示装置41によるSOCの表示が制御され得る。それにより、仮に通常表示制御において第2SOCに対するなまし処理を行わずに第2SOC自体を表示装置41に表示させた場合と比較して、表示装置41により表示されるSOCの時間変化を円滑化することができる。
また、本実施形態に係る制御システム100では、EV走行モード時の表示モードであるEV表示モードにおいて、連続的に伸縮するバーグラフB11を用いて表示装置41によりSOCが表示され得る。また、HV走行モード時の表示モードであるHV表示モードにおいて、複数のセグメントを用いて表示装置41によりSOCが表示され得る。それにより、走行モードの切り替えに伴った表示モードの切り替えを効果的に行うことができる。ゆえに、現在の走行モードがいずれの走行モードであるかをドライバに対して効果的に認識させることができる。
<4.むすび>
以上説明したように、本実施形態に係る制御システム100は、走行モードとして、EV走行モードと、HV走行モードとを、バッテリセンサ93との通信により得られる第1SOC情報に基づいて切り替えるハイブリッド制御装置110を備える。また、制御システム100は、表示装置41によるSOCの表示を、バッテリセンサ93との通信により得られる第2SOC情報に基づいて制御する表示制御装置120を備える。また、表示制御装置120は、表示装置41の表示モードを、ハイブリッド制御装置110による走行モードの切り替えに伴って切り替える。
ここで、本実施形態に係る表示制御装置120は、表示装置41の表示モードが切り替えられた際に、第2SOC情報に依存しない基準SOCを表示モードの切り替え直後に表示装置41に表示させる遷移表示制御を実行した後、第2SOC情報により示される第2SOCに対応するSOCを表示装置41に表示させる通常表示制御を実行する。それにより、表示モードの切り替え直後において、第2SOCが表示装置41により表示されずに、第2SOC情報に依存しない基準SOCが表示装置41により表示される。ゆえに、表示モードの切り替え直後において表示装置41により表示されるSOCがばらつくことを抑制することができる。よって、SOCを表示する表示装置41の表示モードが走行モードの切り替えに伴って切り替えられた際にドライバへ与えられる違和感を低減することができる。
なお、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。