JP2019155351A - 触媒群 - Google Patents

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Abstract

【課題】オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に、圧力損失を低減し、それによりコーキングを抑制することができ、高収率で対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造できる触媒群の提供。【解決手段】不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、直胴部A及び空胴部Bを有するリング形状の触媒を200以上含む触媒群であって、下記(1)及び(2)を満たす触媒粒子群。(1)該直胴部の長さ3が該空胴部の長さ7より短く、該直胴部Aが該空胴部Bの一方の端部Cを含む面と他方の端部を含む面との間にあり、且つ、少なくとも一方の端部Cにおいて該直胴部の端部から該空胴部の端部Cまでが直線状である及び/又は凹曲している触媒(A)を含む。(2)該触媒群の振とう試験による上向き比率が70%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、触媒群に関する。詳しくは、オレフィン又はターシャリーブタノールを気相
接触酸化反応させて対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際
に用いる触媒群に関する。
従来、オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽
和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造するために用いる触媒の形状については
種々提案されている。
例えば、特許文献1には、中空円筒体状に成形され、該中空円筒体状の端面が湾曲して
いる不均一系触媒反応用の成形触媒が記載されている。特許文献2には、プロピレン等か
らアクロレインを製造するための触媒として、Mo、Bi及びFeを少なくとも含有する
リング状の非担持触媒であり、特定の長さ、外径及び壁厚を有し、端面が湾曲している又
は湾曲していない触媒が記載されている。また、特許文献3には、環状担体の両正面が内
から外へ斜めに面取りされて、円筒外壁の長さが円筒内壁の長さに比して少なくとも20
%だけ短くなっている、バナジウム及びチタン及び/又はジルコンを含有する無水フタル
酸を製造するための担持触媒が記載されている。
特開昭61−141933号公報 特表2007−505740号公報 特開昭55−139834号公報
しかしながら、これら従前知られた触媒では、該触媒が充填された反応器等によりオレ
フィン又はターシャリーブタノールを流通して気相接触酸化反応により対応する不飽和ア
ルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する場合、圧力損失が高く、オレフィン又は
ターシャリーブタノールの転化率が低く、対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カ
ルボン酸の選択率が低く、収率が低下するという問題があった。
例えばリング形状の触媒では、反応器に均一に充填されない場合があり、反応場が反応
器内で不均一となり、転化率、選択率の低下が起こる可能性がある。又、中空円筒体状の
端面が湾曲している触媒では、例えば打錠成形法で製造した場合、湾曲している部分が剥
がれやすく、成形が困難となる(「紛体の圧縮成型技術」日刊工業新聞社発行 1998
年 79−80頁)。加えて、成形品においても湾曲している部分が剥がれやすいために
、衝撃に対して弱く、特に不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を工業的に製造
する固定床管型反応器のように、充填層の長い反応管に充填した場合、反応管内で触媒の
粉化等が生じ、圧力損失の増大や触媒性能の低下につながる可能性がある。加えて、触媒
体積に対する触媒表面積が小さく、反応活性点が少ないため、触媒数が多くなるにつれ、
反応の効率が低くなり、転化率、選択率が低下する場合がある。
また、不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の製造において、触媒表面に炭化
物が付着するが、該炭化物の触媒表面への付着(コーキング)は多管式反応器の圧力損失
が高い反応管において、ガス量が少なくなることにより発生しやすい。一旦コーキングが
発生すると、更に圧力損失が高くなるので、より炭化物の触媒表面への付着が加速する悪
循環が生じ、最終的には反応を停止せざるを得ない状況に追い込まれる可能性がある。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、オレ
フィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽和アルデヒド
及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に、圧力損失を低減してガス量を高く保持し、
それによりコーキングを抑制することができ、高収率で対応する不飽和アルデヒド及び/
又は不飽和カルボン酸を製造することができる触媒群を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、オレフィン又はターシャリ
ーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カル
ボン酸を製造する際に用いる、直胴部及び空胴部を有するリング形状の触媒を200以上
含む触媒群であって、下記(1)及び(2)を満たす触媒群とすることにより、圧力損失
を低く抑えることができ、高収率で対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン
酸を製造することが可能となることを見いだし、本発明に至った。
(1)該直胴部の長さが該空胴部の長さより短く、該直胴部が該空胴部の一方の端部を含
む面と他方の端部を含む面との間にあり、且つ、少なくとも一方の端部において該直胴部
の端部から該空胴部の端部までが直線状である及び/又は凹曲している触媒(A)を含む

(2)該触媒群の振とう試験による上向き比率が70%以下である。
すなわち、本発明は以下である。
[1] オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽
和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、直胴部及び空胴部を有
するリング形状の触媒を200以上含む触媒群であって、下記(1)及び(2)を満たす
触媒群。
(1)該直胴部の長さが該空胴部の長さより短く、該直胴部が該空胴部の一方の端部を含
む面と他方の端部を含む面との間にあり、且つ、少なくとも一方の端部において該直胴部
の端部から該空胴部の端部までが直線状である及び/又は凹曲している触媒(A)を含む

(2)該触媒群の振とう試験による上向き比率が70%以下である。
(触媒群の振とう試験による上向き比率の測定法)
触媒群中、無作為に抽出したリング形状の触媒100個をステンレス角バット(幅29
6mm、奥行231mm、高さ49mm)に入れ、該ステンレス角バットをデジタルシェ
ーカーFLK-L330-D(アズワン株式会社製)に装着し、往復振とう幅10mmで、振とう速
度350往復/分により1分間振とうさせた後、該リング形状の触媒100個に対して、
空胴部が上を向いている触媒の個数を上向き比率とする。
[2] 前記触媒(A)の、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部との間の距離(mm)
に対する、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部を結ぶ面と前記直線状部又は凹曲した面
との最大距離(mm)との比が0以上0.2以下である[1]に記載の触媒群。
[3] 前記触媒(A)の両方の端部において、前記直胴部の端部から前記空胴部の端部
までが直線状である及び/又は凹曲している[1]又は[2]に記載の触媒群。
[4] [1]乃至[3]のいずれかに記載の触媒群の存在下、プロピレンを気相接触酸
化するアクロレイン及び/又はアクリル酸の製造方法。
本発明の触媒群によれば、該触媒群が充填された反応器を用いてプロピレン等のオレフ
ィン又はターシャリーブタノールと酸素含有ガスとの気相接触酸化によりアクロレイン等
の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する際の圧力損失
が低減されて、ガス量を高く保持することができる。それによりコーキングを抑えること
ができ、プロピレン等のオレフィン又はターシャリーブタノールより高収率でアクロレイ
ン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造することがで
きる。
また、コーキングされた状態であったとしても、従来の形状の触媒と比較して、圧力損
失低減の効果は保持されるので、デコーキングの頻度を低減できる。
図1(a)は本発明の触媒群における触媒(A)の一例における横断面図であり、図1(b)は本発明の触媒群における触媒(A)の他の例における横断図面である。 図2(a)は本発明の触媒群における触媒(A)の図1(a)に示す例における端部の横断面図であり、図2(b)は本発明の触媒群における触媒(A)の図1(b)に示す例における端部の横断図面である。 図3(a)は本発明の触媒群における触媒(A)の一例における横断面図であり、図3(b)は本発明の触媒群における触媒(A)の他の例における横断図面である。 図4(a)は本発明の触媒群における触媒(A)の図3(a)に示す例における端部の横断面図であり、図4(b)は本発明の触媒群における触媒(A)の図3(b)に示す例における端部の横断図面である。 図5は従来の触媒の横断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、本発明は以下に説明
する実施形態の限定されるものではない。
尚、本明細書においてモリブデン(Mo)、ビスマス(Bi)、ケイ素(Si)、コバ
ルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、
ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、タリウム(Tl)、ホウ素(B)、リン(P)
、ヒ素(As)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、セリウム
(Ce)、サマリウム(Sm)の各元素は、それぞれカッコ内の元素記号を用いて表記す
る場合がある。
本明細書において、リング形状の触媒の「端部」とは、リング形状の触媒の開口方向(
軸方向)における末端周辺の領域を指す。リング形状の触媒は2つの端部(上端及び下端
)を有する。
本明細書において、リング形状の触媒の「直胴部」とは、リング形状の触媒において、
外形が一定である部分をいう。「直胴部の長さ」とは、直胴部の、軸方向の長さをいう。
「直胴部の端部」とは、直胴部の軸方向の末端における、リング形状の触媒の外縁部をい
う。リング形状の触媒は、2つの直胴部の端部(上端及び下端)を有する。
本明細書において、リング形状の触媒の「空胴部」とは、リング形状の触媒の中空部分
における、内径が一定の部分を指す。「空胴部の長さ」とは、空胴部の、軸方向の長さを
いうが、図3に示すようにリング形状の触媒が底面部を有する場合は、空胴部の軸方向の
末端における、リング形状の触媒の外縁部をいう。リング形状の触媒は2つの空胴部の末
端(上端及び下端)を有する。
本発明の触媒群は、オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて
対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、直胴部及
び空胴部を有するリング形状の触媒を200以上含む触媒群であって、下記(1)及び(
2)を満たす触媒群である。
(1)直胴部の長さが空胴部の長さより短く、直胴部が空胴部の一方の端部を含む面と他
方の端部を含む面との間にあり、且つ、少なくとも一方の端部において直胴部の端部から
空胴部の端部までが直線状である及び/又は凹曲している触媒を含む。
(2)触媒群の振とう試験による上向き比率が70%以下である。
(触媒群の振とう試験による上向き比率の測定法)
触媒群中、無作為に抽出したリング形状の触媒100個をステンレス角バット(幅29
6mm、奥行231mm、高さ49mm)に入れ、該ステンレス角バットをデジタルシェ
ーカーFLK-L330-D(アズワン株式会社製)に装着し、往復振とう幅10mmで、振とう速
度350往復/分により1分間振とうさせた後、リング形状の触媒100個に対して、空
胴部が上を向いている触媒の個数を上向き比率とする。
なお、「空胴部が上を向いている」とは、リング形状の触媒の開口方向(軸方向)がス
テンレス角バットの底面に対して垂直であることをいう。
なお、以下において直胴部の長さが空胴部の長さより短く、直胴部が空胴部の一方の端
部を含む面と他方の端部を含む面との間にあり、且つ、少なくとも一方の端部において直
胴部の端部から空胴部の端部までが直線状である及び/又は凹曲している触媒を「触媒(
A)」ともいう。
本発明の触媒群は直胴部及び空胴部を有するリング形状の触媒を200以上含む触媒群
である。該触媒群に含まれるリング形状の触媒の数は250以上が好ましく、300以上
がより好ましく、1000以上がさらに好ましく、2000以上がとりわけ好ましく、3
000以上が特に好ましい。前記範囲であることにより、該触媒群を反応管等に充填し、
プロピレンと酸素含有ガスとの気相接触酸化によりアクロレイン及び/又はアクリル酸を
製造する際の圧力損失が低減され、プロピレンの転化率を高め、高選択率でアクロレイン
及び/又はアクリル酸を製造することができる。尚、上限は反応管への充填量の観点より
、20000が好ましく、15000がより好ましく、12000がさらに好ましい。
本発明の触媒群におけるリング形状の触媒の総数に対する触媒(A)の数の比率は10
%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましく、95%以上
が特に好ましい。前記範囲であることにより該触媒群を反応器に充填し、プロピレン等の
オレフィン又はターシャリーブタノールと酸素含有ガスとの気相接触酸化によりアクロレ
イン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する際の圧
力損失が低減され、高収率でアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等
の不飽和カルボン酸を製造することができる。
本発明の触媒群の振とう試験による上向き比率は70%以下であり、好ましくは50%
以下であり、より好ましくは40%以下であり、さらに好ましくは30%以下であり、と
りわけ好ましくは25%以下である。該上向き比率の下限は好ましくは1%であり、より
好ましくは3%であり、さらに好ましくは5%である。前記範囲内であることにより、該
触媒群を反応管等の反応器に充填し、プロピレン等のオレフィン又はターシャリーブタノ
ールと酸素含有ガスとの気相接触酸化によりアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又
はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する際の、圧力損失が低減され、高収率でアク
ロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造するこ
とができる。
図1(a)及び図3(a)が直胴部の端部から空胴部の端部までが直線状である触媒(
A)の例であり、図1(b)及び図3(b)が直胴部の端部から空胴部の端部までが凹曲
している触媒(A)の例である。
尚、図3に示す例は直胴部からの直線状部又は凹曲した面が空胴部まで達しておらず、
リング形状における底面部に留まっている例であるが、先述の通りリング形状の触媒が底
面部を有する場合は、底面部の軸方向の末端におけるリング形状の触媒の外縁部が空胴部
の端部であり、このような例も触媒(A)に相当する。
本発明における触媒群に含まれる触媒(A)としては、体積に対する表面積が大きいこ
とより、図1のように底面部がない触媒(A)が好ましい。
触媒(A)の端部の総数に対する直胴部の端部から空胴部の端部までが凹曲している端
部の数の割合(以下「凹曲割合」と称する場合がある。)が特定範囲であると、本発明の
触媒群を使用してプロピレン等のオレフィン又はターシャリーブタノールの気相接触酸化
によりアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を
製造する際の圧力損失が低減され、高収率でアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又
はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造することができる。なお、触媒(A)1つに対
して端部は2つ存在するため、触媒(A)の端部の総数は、触媒(A)の数の2倍である

本発明の触媒群において、凹曲割合は40%以上であることが好ましく、50%以上が
より好ましく、60%以上がさらに好ましく、70%以上がとりわけ好ましく、80%以
上が目立って好ましく、90%以上が特に好ましく、95%以上が特段好ましく、100
%が最も好ましい。
尚、例えば、触媒(A)が、一方の端部において、直胴部の端部から空胴部の端部まで
が直線状であり、他方の端部において、直胴部の端部から空胴部の端部までが凹曲してい
る場合には、凹曲割合は50%である。また、触媒(A)中の半数が、両方の端部におい
て、直胴部の端部から空胴部の端部までが直線状であり、他の半数が、両方の端部におい
て、直胴部の端部から空胴部の端部までが凹曲している場合にも凹曲割合は上記と同じく
50%となる。すなわち、上記事例のように、凹曲割合とは、触媒(A)中の端部総数に
対する直胴部の端部から空胴部の端部までが凹曲している数の割合のことである。
前記触媒(A)において、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部との間の距離(mm)
に対する、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部を結ぶ面と該凹曲した面(以下「凹曲面
」と称する場合がある。)との最大距離(mm)との比(以下「凹曲度合い」と称する場
合がある。)が0.01以上0.2以下であることが好ましく、より好ましくは0.02
以上0.15以下であり、さらに好ましくは0.05以上0.1以下である。前記範囲内
であることにより、該触媒群を多管式反応器等に充填し、プロピレン等のオレフィン又は
ターシャリーブタノールの気相接触酸化によりアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/
又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する際の、圧力損失が低減され、高収率でア
クロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する
ことができる。
尚、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部を結ぶ面と凹曲面との最大距離とは図2、図
4により明らかなように、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部を結ぶ面と凹曲面が最も
離れている部分の長さのことである。
前記触媒(A)において、両方の端部において直胴部の端部から空胴部の端部までが凹
曲していることが好ましい。この場合、触媒の流動性が良好となり、ロート等を使用して
多管式反応器等へ触媒群を充填されることにより、ロート内で触媒のブリッジングが抑制
され、反応管内に均一に触媒が充填されることにより、充填時間を短くすることができ、
更に多管式反応器等に充填後、プロピレン等のオレフィン又はターシャリーブタノールの
気相接触酸化によりアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和
カルボン酸を製造する際の、圧力損失が低減され、高収率でアクロレイン等の不飽和アル
デヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造することが可能となる。
前記直胴部と、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度は45°
以上85°以下が好ましく、55°以上80°以下がより好ましく、65°以上75°以
下が更に好ましい。該角度を前記範囲とすることにより、触媒群を反応器に充填し、プロ
ピレン等のオレフィン又はターシャリーブタノールの気相接触酸化によりアクロレイン等
の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を製造する際の、圧力損
失が効率よく低減され、高収率でアクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル
酸等の不飽和カルボン酸を製造することが可能となる。
尚、前記直胴部と、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度とは
、図1で示すように、該直胴部の端部を頂点として、該直胴部に沿い引いた延長線と、該
直胴部の端部と該空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度のことである。
本発明の触媒群における触媒(A)は、軸方向において空胴部を備える領域における内
径b(以下、単に「内径b」や「b」ともいう。単位はmm。)に対する直胴部における
外径a(以下、単位「外径a」や「a」ともいう。単位はmm。)の比(a/b)が2.
3以上、内径b(mm)に対する直胴部長さH(mm)の比(H/b)が1.3以上、直
胴部長さH(mm)が2mm〜11mm、且つ外径a(mm)が2mm〜11mmである
ことが好ましい。前記範囲であることにより反応器への充填の際の触媒の割れを抑制する
ことができ、オレフィン又はターシャリーブタノールと酸素含有ガスと酸素含有ガスとの
気相接触酸化により対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際
の、圧力損失が低減され、高収率で対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン
酸を製造することが可能となる。
又、前記範囲内とすることで、触媒群の振とう試験による上向き比率を制御することが
可能となる。
a/bは2.35以上であることがより好ましく、2.4以上であることがさらに好ま
しく、2.45以上であることがとりわけ好ましく、2.5以上であることが特に好まし
い。上限は特に限定されないが、触媒強度の観点より3.5であることが好ましい。
H/bは1.35以上であることがより好ましく、1.4以上であることがさらに好ま
しく、1.45以上であることがとりわけ好ましく、1.5以上であることが特に好まし
い。上限は特に限定されないが、多管式反応器等への充填時におけるブリッジング抑制効
果の観点より2.5が好ましい。
Hは2mm〜10mmであることがより好ましく、2.3mm〜9mmであることがさ
らに好ましく、2.6mm〜7mmであることがとりわけ好ましく、3mm〜5mmであ
ることが特に好ましい。
aは2mm〜10mmであることがより好ましく、3mm〜9mmであることがさらに
好ましく、4mm〜7mmであることがとりわけ好ましく、4mm〜5.6mmであるこ
とが特に好ましい。
更に、直胴部長さH(mm)に対する外径a(mm)の比(a/H)は1.47以上で
あることが好ましく、1.50以上であることがより好ましく、1.53以上であること
が更に好ましく、1.56以上であることが特に好ましい。上限は特に限定されないが、
2.5であることが好ましい。前記範囲内であることにより、オレフィン又はターシャリ
ーブタノールと酸素含有ガスとを気相で接触酸化により対応する不飽和アルデヒド及び/
又は不飽和カルボン酸を製造する際の、圧力損失が低減され、高収率で対応する不飽和ア
ルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造することが可能となる。
本発明の触媒群における触媒(A)はプロピレン等のオレフィン又はターシャリーブタ
ノールを酸素含有ガスと気相接触酸化反応させて、対応する不飽和アルデヒド及び/又は
不飽和カルボン酸を製造する際に用いる触媒であって、モリブデン及びビスマスを少なく
とも含む触媒であることが好ましい。かかる2つの成分を含む触媒であれば、本発明の触
媒に適応できるが、なかでも、下記の一般式(1)で表される触媒であることが好ましい
MoBiCoNiFeSi (1)
(式中、Xは、Na、K、Rb、Cs及びTlからなる群から選ばれる少なくとも1種の
元素であり、Yは、B、P、As及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素で
あり、Zは、Mg、Ca、Zn、Ce及びSmからなる群から選ばれる少なくとも1種の
元素であり、Qは、塩素などのハロゲン原子である。また、aからkはそれぞれの元素の
原子比を表わし、a=12のとき、b=0.5〜7、c=0〜10、d=0〜10、e=
0〜3、f=0〜3、g=0〜3、h=0〜1、i=0〜0.5、j=0〜40の範囲に
あり、またkは他の元素の酸化状態を満足させる数値である。)
本発明の触媒群における触媒は例えば以下のように製造される。
まず、上記触媒の各元素成分を含有する原料化合物を、製造する組成に応じて必要な量
を水性媒体中に適宜溶解又は分散させることにより、触媒成分を含む混合溶液又はその水
性スラリーが製造される。各触媒成分の原料は、それぞれの元素を含む、硝酸塩、アンモ
ニウム塩、水酸化物、酸化物、硫酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物、酢酸塩などが用いられる
。例えば、モリブデンとしては、パラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン、塩
化モリブデン等が使用される。ビスマスとしては、塩化ビスマス、硝酸ビスマス、酸化ビ
スマス、次炭酸ビスマス等が使用される。
上記の触媒成分を含む混合溶液又は水性スラリーは、各成分の偏在を防ぐために充分に
攪拌、混合することが好ましい。次いで、触媒成分を含む混合溶液又は水性スラリーは乾
燥して粉体とされる。乾燥は種々の方法で実施でき、例えば、噴霧乾燥機、スラリードラ
イヤー、ドラムドライヤー等による乾燥が挙げられるが、特に噴霧乾燥機による乾燥が好
ましい。
その後、乾燥により得られる粉体は、リング形状に成形され、触媒が得られる。リング
形状への成形方法は必ずしも制限されるものではないが、打錠成形、押出成形等が好まし
い。特に、直胴部と、直胴部の端部と空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度や前記凹曲度
合いの制御が容易であるため、打錠成形が好ましい。成形に際しては、成形助剤を使用し
てもよい。好ましい成形助剤は、シリカ、グラファイト、結晶性セルロース、セルロース
、デンプン、ポリビニルアルコール、ステアリン酸である。成形助剤は、粉体100重量
部に対して通常1重量部〜50重量部程度使用できる。また、必要によりセラミックス繊
維、ウイスカー等の無機繊維を触媒の機械的強度向上材として用いることもできる。これ
らの繊維の使用量は、粉体100重量部に対して通常1重量部〜30重量部である。
本発明の触媒群はリング形状以外の形状の触媒を含んでいてもよい。リング形状以外の
形状とは例えば、球状、円柱状等が挙げられる。
本発明の触媒群は、不活性充填物により希釈してオレフィン又はターシャリーブタノー
ルを気相接触酸化反応させて対応する不飽和アルデヒド及び/又は不飽和カルボン酸の製
造に使用したとしても、本発明の目的を損なわず効果を発現することができる。不活性充
填材とは気相接触酸化反応で余計な副反応を引き起こさない材料であればよく、例えば、
アルミナ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、シリカ等の高温処理した酸化物やステア
タイト、ムライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの高温焼結材料等を用いることができる
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない
限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<触媒群の調製>
酸素を除く構成成分の実験式が表1に示す組成である複合金属酸化物を以下のようにし
て製造した。なお、使用した各供給源化合物の量は、表1に示す量である。
容器に温水1090mlを入れ、更にパラモリブデン酸アンモニウム110gを加えて
溶解させ、溶液とした。次いで、該溶液にヒュームドシリカ水分散液407gを加えて、
撹拌し、懸濁液とした(以下、「懸濁液A」と称する)。該ヒュームドシリカ水分散液は
、ヒュームドシリカ5kg(比表面積50m/g)をイオン交換水22.5Lに加えて
ヒュームドシリカ懸濁液とした後に、該ヒュームドシリカ懸濁液を、ホモジナイザーであ
るULTRA-TURRAX T115KT(IKA社製)により、30分間分散処理を行い、ヒュームドシ
リカ水分散液としたものであり、ケイ素の供給源化合物とした。
別の容器に純水127mlを入れ、更に硝酸第二鉄15.1g、硝酸コバルト65.7
g及び硝酸ニッケル52.5gを加えて、加温して溶解させた(以下、「溶液B」と称す
る)。溶液Bを懸濁液Aに添加し、均一になるように攪拌し、加熱乾燥し、固形物を得た
。次いで該固形物を空気雰囲気で300℃、1時間熱処理した。
更に、別の容器に純水110ml、アンモニア水12mlを入れ、パラモリブデン酸ア
ンモニウム19.2gを加えて溶解し、「溶液C」とした。次いで、溶液Cにホウ砂1.
7g及び硝酸カリウム0.5gを加えて溶解し、「溶液D」とした。前記熱処理した固形
物150gを溶液Dに添加し、均一になるように混合した。次いでNaを0.53%固溶
した次炭酸ビスマス17.4gを加えて30分間混合した後、水分を除去するため加熱乾
燥し、乾燥品を得た。該乾燥品を粉砕し、得られた粉体を打錠成型し、密度1.27g/
cmのリング形状の成形品とした。該成形品を空気雰囲気下、515℃で2時間焼成し
て得られたリング形状の触媒を用いて以下に示す触媒群を調製した。
(実施例1)
実施例1の触媒群を構成するすべての触媒は、図1に示すように底面部がなく、外径:
5mm、内径:2mm、直胴部長さ:3mm、空胴部長さ:4mmであった。また、両方
の端部において、直胴部の端部から空胴部の端部までが直線状であった。更に、両方の端
部において、直胴部と、直胴部の端部と空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度、すなわち
、直胴部に沿い引いた延長線と、該直胴部の端部と該空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角
度はいずれも72°であった。触媒組成、圧力損失、プロピレンの気相接触酸化反応結果
等を表1、表2にまとめた。尚、圧力損失の測定には触媒数が4090(アクリル樹脂製
直管900mmの高さに相当)である触媒群を使用し、プロピレンの気相接触酸化反応に
は触媒数が322(40mlに相当)である触媒群を使用した。
(実施例2)
実施例2の触媒群を構成するすべての触媒は、図1に示すように底面部がなく、外径:
5mm、内径:2mm、直胴部長さ:3mm、空胴部長さ:4mmであった。また、一方
の端部において直胴部の端部から空胴部の端部までが直線状であり、他方の端部において
は直胴部の端部から空胴部の端部までが凹曲していた。すなわち、実施例2の触媒群の凹
曲割合は50%であった。更に、直胴部の端部と空胴部の端部との間の距離は1.59m
mであり、直胴部の端部と空胴部の端部を結ぶ平面と該凹曲面との最大距離は0.09m
mであった。更に、直胴部の端部と空胴部の端部との間の距離に対する、直胴部の端部と
空胴部の端部を結ぶ面と凹曲面との最大距離との比は0.06であった。触媒組成、圧力
損失、プロピレンの気相接触酸化反応結果等を表1、表2にまとめた。尚、圧力損失の測
定には触媒数が4014(アクリル樹脂製直管900mmの高さに相当)である触媒群を
用い、プロピレンの気相接触酸化反応には触媒数が315(40mlに相当)である触媒
群を用いた。
(実施例3)
実施例3の触媒群を構成するすべての触媒は、図1に示すように底面部がなく、外径:
5mm、内径:2mm、直胴部長さ:3mm、空胴部長さ:4mmであった。また、両方
の端部において直胴部の端部から空胴部の端部までが凹曲しているものであり、すなわち
、実施例3の触媒群の凹曲割合は100%であった。更に、直胴部の端部と空胴部の端部
との間の距離に対する、直胴部の端部と空胴部の端部を結ぶ面と凹曲面との最大距離との
比は0.1であった。触媒組成、圧力損失、プロピレンの気相接触酸化反応結果等を表1
、表2にまとめた。尚、圧力損失の測定には触媒数が4108(アクリル樹脂製直管90
0mmの高さに相当)である触媒群を用い、プロピレンの気相接触酸化反応には触媒数が
322(40mlに相当)である触媒群を用いた。
(実施例4)
実施例4の触媒群を構成するすべての触媒は、図1に示すように底面部がなく、外径:
5mm、内径:2mm、直胴部長さ:3mm、空胴部長さ:4mmであった。また、両方
の端部において直胴部の端部から空胴部の端部までが直線状又は凹曲しているものが混在
しており、凹曲しているものは直胴部の端部と空胴部の端部との間の距離に対する、直胴
部の端部と空胴部の端部を結ぶ面と凹曲面との最大距離との比は0.1であった。実施例
4の触媒群の凹曲割合は75%であった。触媒組成、圧力損失、プロピレンの気相接触酸
化反応結果等を表1、表2にまとめた。尚、圧力損失の測定には触媒数が4074(アク
リル樹脂製直管900mmの高さに相当)である触媒群を用い、プロピレンの気相接触酸
化反応には触媒数が319(40mlに相当)である触媒群を用いた。
(実施例5)
実施例5の触媒群を構成するすべての触媒は、図1に示すように底面部がなく、外径:
5mm、内径:2mm、直胴部長さ:3mm、空胴部長さ:4mmであった。また、両方
の端部において直胴部の端部から空胴部の端部までが直線状又は凹曲しているものが混在
しており、凹曲しているものは直胴部の端部と空胴部の端部との間の距離に対する、直胴
部の端部と空胴部の端部を結ぶ面と凹曲面との最大距離との比は0.1であった。実施例
5の触媒群の凹曲割合は80%であった。触媒組成、圧力損失、プロピレンの気相接触酸
化反応結果等を表1、表2にまとめた。尚、圧力損失の測定には触媒数が4091(アク
リル樹脂製直管900mmの高さに相当)である触媒群を用い、プロピレンの気相接触酸
化反応には触媒数が318(40mlに相当)である触媒群を用いた。
(比較例1)
比較例1の触媒群を構成するすべての触媒は外径:5mm、内径:2mm、直胴部長さ
:3mm、空胴部長さ:3mmであり、直胴部長さと空胴部長さが同じであること、直胴
部の端部から空胴部の端部まで平坦であったこと以外は実施例1と同じ触媒を得た。触媒
組成、圧力損失、プロピレンの気相接触酸化反応結果等を表1、表2にまとめた。尚、圧
力損失の測定には触媒数が5014(アクリル樹脂製直管900mmの高さに相当)であ
る触媒群を用い、プロピレンの気相接触酸化反応には触媒数が359(40mlに相当)
である触媒群を用いた。
<圧力損失の測定>
内径26mm、長さ1000mmのアクリル樹脂製直管を直立させ、前記触媒群を90
0mmの高さまで充填して、該アクリル樹脂製直管の上部に取り付けた内径6mmのSU
S製配管より室温で乾燥空気を50NL/分の流量で流通させ、SUS製配管より分岐し
た配管に取り付けたデジタル差圧計testo 506−3で差圧を測定した(差圧A)
。次いで、該リング形状の触媒をアクリル樹脂製直管より抜出して空筒とし、同様に差圧
を測定し、ブランク値とした。圧力損失は(差圧A)−ブランク値として求めた。
<プロピレンの気相接触酸化反応>
前記触媒群40mlおよび直径5mmのムライトボール52mlを混合して混合物とし
、内径15mmのステンレス鋼製ナイタージャケット付反応管に充填した。該反応管入口
よりプロピレン10容量%、スチーム17容量%、空気73容量%の原料ガスを70kP
aにて、流通し、該触媒群との接触時間6.0秒で通過させて、プロピレンの気相接触酸
化反応を実施した。尚、該反応管はナイター浴で加熱しており、浴温は330℃で実施し
た。反応生成物の分析は、反応管出口より反応生成物を回収し、ガスクロマトグラフィー
を用いて、常法により実施した。
プロピレン転化率、アクロレイン収率、アクリル酸の定義は、次の通りである。
・プロピレン転化率(モル%)=(反応したプロピレンのモル数/供給したプロピレン
のモル数)×100
・アクロレイン収率(モル%)=(生成したアクロレインのモル数/供給したプロピレ
ンのモル数)×100
アクリル酸収率(モル%)=(生成したアクリル酸のモル数/供給したプロピレンのモ
ル数)×100
・合計収率(モル%)=アクロレイン収率(モル%)+アクリル酸収率(モル%)
本発明の触媒群は実施例において示されているように、該触媒群が充填された反応器に
よりプロピレンからアクロレイン及び/又はアクリル酸を製造した際に、圧力損失が低く
抑えられ、且つ、プロピレンの転化率が高く、高選択率でアクロレイン及び/又はアクリ
ル酸とし、結果として高収率でアクロレイン及び/又はアクリル酸を製造することができ
た。
実施例における圧力損失は、触媒の充填層長さ900mmとし、簡易的に乾燥空気をガ
ス流速として50NL/分、流通させた測定により、従来技術に対する優位性を示してい
る。尚、圧力損失は、通常、下記Ergun式に示されるように触媒の充填層長さとガス
流速の二乗とに比例することが一般的である。アクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/
又はアクリル酸等の不飽和カルボン酸を工業的に製造する際には固定床管型反応器が用い
られ、通常、該固定床管型反応器には2000mm〜7000mmの反応管を数千〜数万
本有している(特開2011−225476号公報、WO2005/005037号公報
)。そのため、アクロレイン等の不飽和アルデヒド及び/又はアクリル酸等の不飽和カル
ボン酸の工業的な製造プラントにおいて、本発明の従来技術に対する圧力損失の差異は、
実施例で示した結果より2.2〜7.8倍拡大する方向であり、本発明の優位性は工業的
規模となるほど大きくなることは明らかである。更に、不飽和アルデヒド及び/又は不飽
和カルボン酸の製造においては圧力損失が高い方が、コーキングが発生し、又、時間経過
とともに圧力損失の上昇とコーキングの増大が起きる。すなわち、時間を経るに従い、本
発明の従来技術に対する圧力損失の差異は広がる方向であることは明らかである。
(ΔP:圧力損失、L:充填層長さ、ρ:ガス密度、u:ガス流速、Dp:粒子径、ε:
空隙率、Re:レイノルズ数)
1 内径
2 外径
3 直胴部長さ
4 直胴部と、直胴部の端部と空胴部の端部とを結ぶ線とのなす角度
5 直胴部の端部と空胴部の端部との間の距離
6 直胴部の端部と空胴部の端部を結ぶ平面と凹曲面との最大距離
7 空胴部の長さ
A 直胴部
B 空胴部
C 空胴部の端部

Claims (4)

  1. オレフィン又はターシャリーブタノールを気相接触酸化反応させて対応する不飽和アル
    デヒド及び/又は不飽和カルボン酸を製造する際に用いる、直胴部及び空胴部を有するリ
    ング形状の触媒を200以上含む触媒群であって、下記(1)及び(2)を満たす触媒群

    (1)該直胴部の長さが該空胴部の長さより短く、該直胴部が該空胴部の一方の端部を含
    む面と他方の端部を含む面との間にあり、且つ、少なくとも一方の端部において該直胴部
    の端部から該空胴部の端部までが直線状である及び/又は凹曲している触媒(A)を含む

    (2)該触媒群の振とう試験による上向き比率が70%以下である。
    (触媒群の振とう試験による上向き比率の測定法)
    触媒群中、無作為に抽出したリング形状の触媒100個をステンレス角バット(幅29
    6mm、奥行231mm、高さ49mm)に入れ、該ステンレス角バットをデジタルシェ
    ーカーFLK-L330-D(アズワン株式会社製)に装着し、往復振とう幅10mmで、振とう速
    度350往復/分により1分間振とうさせた後、該リング形状の触媒100個に対して、
    空胴部が上を向いている触媒の個数を上向き比率とする。
  2. 前記触媒(A)の、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部との間の距離(mm)に対す
    る、前記直胴部の端部と前記空胴部の端部を結ぶ面と前記直線状部又は凹曲した面との最
    大距離(mm)との比が0以上0.2以下である請求項1に記載の触媒群。
  3. 前記触媒(A)の両方の端部において、前記直胴部の端部から前記空胴部の端部までが
    直線状である及び/又は凹曲している請求項1又は2に記載の触媒群。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の触媒群の存在下、プロピレンを気相接触酸化す
    るアクロレイン及び/又はアクリル酸の製造方法。
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