まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。尚、以下の説明にて、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を後方(背面)側として説明する。尚、本実施例でパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、フローチャートの各ステップの説明にて、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。また、本実施例で『実行』と『実施』とは同義である。
図1は、本実施例のパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機1(以下、遊技機と略記する場合がある)は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠3(台枠)とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。遊技領域には、遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDで点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよいし、これら「00」〜「99」を示す各セグメントが、「00」〜「99」を視認不能にランダムに配置された表示器により変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2の遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄(飾り図柄ともいう)が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bでの第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて演出図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、演出表示装置5の「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aでの第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bでの第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、演出図柄の変動表示中に変動表示が仮停止するようにしても良い。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、「大当り」となる組合せや「はずれ」となる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5R、又は、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)にて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。即ち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示と第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示とを丸型の白色表示とする。
尚、以下の説明では、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでの表示を保留表示と総称することがある。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態にて、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する所定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)し易くする。このように、大入賞口は、遊技球が通過(進入)し易く遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、開放状態となった特別可変入賞球装置7の大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、他の入賞口(例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口)を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7の大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7の大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
また、演出表示装置5の上方には、可動役物400が設けられている。該可動役物400は、可動役物第1駆動モータ301(図2参照)の駆動と図示しない駆動機構によって図1に示す演出表示装置5の上方位置である退避位置と、該退避位置よりも下方であり、パチンコ遊技機1の正面視において演出表示装置5と重畳する演出位置と、の間で垂直移動可能となっている。
更に、図1に示すように、可動役物400の左部には第1可動部401が配置されており、可動役物400の右部には第2可動部402が配置されている。第1可動部401は、可動役物400の左右幅方向における中央左部と左端部との間で移動可能に設けられており、第2可動部402は、可動役物400の左右幅方向における中央右部と右端部との間で移動可能に設けられている。特に本実施例の可動役物400は、可動役物第2駆動モータ302(図2参照)の駆動と図示しない駆動機構によって第1可動部401と第2可動部402とが連動して移動することによって、第1可動部401と第2可動部402とが左右幅方向の中央部で近接する近接状態(図1参照)と、第1可動部401と第2可動部402とがそれぞれ可動役物400の左端部と右端部とに移動して離間する離間状態(図19(J)参照)と、に変化可能となっている。尚、本実施例での可動役物400は、退避位置において近接状態にて配置され、演出位置に配置されることによって離間状態に変化するようになっている。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の下方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の側方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、演出用LED9が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域下方の遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や貸し出しによって払い出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿(図示略)が設けられている。
また、上皿には、遊技機の前方に膨出する膨出部30が形成されており、該膨出部30の上面には、遊技者が操作可能なプッシュボタン31Bが設けられている。本実施例のプッシュボタン31Bは、ボタン駆動モータ303(図2参照)の駆動と図示しない駆動機構によって膨出部30内に収納されている非突出状態と該非突出状態よりも膨出部30の上方に向けて突出する突出状態とに変化可能に設けられており、遊技者は、これら非突出状態のプッシュボタン31Bと突出状態のプッシュボタン31Bとを操作可能となっている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの配置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば、図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1での遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの出力信号を入力可能とする機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、外部に各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。即ち、演出制御基板12は、演出表示装置5の表示動作や、可動役物400の動作、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などの点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。尚、中継基板15を有しない構成としても良い。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データ(音番号や音量レベル等)などに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。LED制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたLED出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9などの点灯/消灯駆動を行うLEDドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。
図3は、本実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。尚、図3に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じた値であればよい。
コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器4Aでの変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器4Bでの変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、変動パターン(変動時間)を指定する変動パターン指定コマンドであり、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、変動表示結果通知コマンドであり、変動表示結果を指定する演出制御コマンドである。尚、コマンド8C00Hは、「はずれ」となる旨の事前決定結果を示すコマンドである。コマンド8C01Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りA」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C02Hは、「大当り」で大当り種別が「確変大当りB」となる旨を通知するコマンドである。コマンド8C03Hは、「大当り」で大当り種別が「非確変大当り」となる旨を通知するコマンドである。
コマンド8F00Hは、演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、その時点の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態の開始を指定する大当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態となったこと及び大入賞口が開放状態である期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態にて、大入賞口が開放状態から閉鎖状態となったこと及び大入賞口が閉鎖状態である期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態の終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
尚、大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態のラウンドの実行回数(例えば「1」〜「16」または「1」〜「5」)に対応したEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口への入賞によって第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口への入賞によって第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory 101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory 102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit 103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport 105)とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、遊技の進行を制御するための各種処理が実行される。
主基板11では、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4等の各種乱数値の数値データが、カウント可能に制御される。尚、乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントできるものであればよく、乱数回路104にてカウントしない乱数値については、CPU103が、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することでカウントするようにすればよい。
図5は、本実施例の変動パターンを示している。本実施例では、図5に示すような複数の変動パターンが予め用意されている。具体的に、本実施例では、変動表示結果が「はずれ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンである大当り変動パターンや、演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合のリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図5に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度(大当り信頼度)が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度(大当り信頼度)が高くなっている。また、本実施例では、大当りとなる場合に、必ずリーチ状態となってスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチのいずれかが実行されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、非リーチの変動パターンでも大当りとなる場合があるようにしてもよい。尚、詳細は後述するが、本実施例のスーパーリーチの変動パターンは、リーチ演出中において遊技者に対してプッシュボタン31Bの操作を促す操作促進画像及び操作促進メッセージを演出表示装置5に表示し、変動表示結果が大当りであれば、プッシュボタン31Bの操作に基づいて可動役物400を動作させて大当りの報知を行うようになっている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図5に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図6は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bの特図ゲームにおいて確定特別図柄が導出表示される前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「はずれ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルでは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に対して判定用データが割り当てられている。具体的に、本実施例では、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。即ち、表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
尚、ROM101には、大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照される大当り種別判定テーブルや、乱数値MR3に基づいて変動パターンを、前述した図5に示す変動パターンのいずれかに決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変大当りA」、「確変大当りB」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図7(B)を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りAや確変大当りBと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する非確変大当りとが設定されている。
「確変大当りA」による大当り遊技状態と「非確変大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。一方、「確変大当りB」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが5回(いわゆる5ラウンド)、繰返し実行される短期開放大当りである。よって、「確変大当りA」を16ラウンド(16R)確変大当りと呼称し、「確変大当りB」を5ラウンド(5R)確変大当りと呼称する場合がある。
確変大当りAや確変大当りBの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りAや確変大当りBである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「非確変大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図7(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「確変大当りA」と「確変大当りB」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。即ち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「81」〜「100」の範囲の値)がラウンド数の少ない「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「確変大当りB」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合と、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに決定する場合とで、大当り種別をラウンド数の少ない「確変大当りB」に決定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「確変大当りB」としてラウンド数の少ない短期開放大当り状態に制御すると決定されることがないので、例えば時短制御に伴う高開放制御により、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、得られる賞球が少ない短期開放大当り状態の頻発を回避して遊技興趣が低下してしまうことを防止できるようになっている。
尚、図7(A)に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、「非確変」の大当り種別に対する判定値の割当ては、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに係わらず同一とされているので、非確変の大当りとなる確率と確変の大当りとなる確率は、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず同一とされている。
よって、上記したように、「確変大当りB」に対する判定値の割り当てが、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なることに応じて、「確変大当りA」に対する判定値の割り当ても変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて異なり、ラウンド数の多い「確変大当りA」については、変動特図が第2特図である場合の方が第1特図である場合よりも決定され易くなるように設定されている。
尚、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「確変大当りB」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の決定を行うようにしてもよい。
また、ROM101に記憶されている変動パターン判定テーブルとしては、「大当り」とすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、「はずれ」にすることが事前決定されたときに使用されるはずれ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。尚、本実施例では、はずれのときよりも大当りとなるときの方がリーチの変動パターンが決定されやすくなり、リーチが発生した場合の方が大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高くなるとともに、同じリーチの変動パターンであっても、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高く、同じスーパーリーチであってもスーパーリーチβの変動パターンの方が、確変大当りになる可能性(信頼度や期待度)が高くなるように、大当り用変動パターン判定テーブルとはずれ用変動パターン判定テーブルにおいて、各変動パターンに対応する判定値が設定されている。
尚、はずれ用変動パターン判定テーブルは、合計保留記憶数や時短状態に対応した複数のテーブルを含んでおり、保留記憶数や時短状態に応じて、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−2)や、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−3)や、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)を、合計保留記憶数や遊技状態(時短状態)に応じて決定することで、合計保留記憶数が多くなる程、短い変動パターンが実行され易い、つまり、単位時間当りの変動回数が高まることで、無駄な始動入賞の発生を防ぐことが可能であるとともに、時短制御中(時短状態中)では、時短制御が実行されていないときよりも、短縮の非リーチはずれの変動パターン(PA1−4)が多く決定されて単位時間当りの変動回数が高まることで、次の大当りまでの期間を短縮でき、遊技者の連荘感を向上できるようになっている。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板からのバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存され、再度の電源投入にて、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータ等の遊技の進行状態を示すデータを引き継ぐようにすればよい。
このようなRAM102には、遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、図示しない遊技制御用データ保持エリアが設けられている。遊技制御用データ保持エリアは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第1特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データなどを記憶する第1特図保留記憶部と、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない第2特図を用いた特図ゲームの保留データとして、乱数値MR1、乱数値MR2、乱数値MR3を示す数値データなどを記憶する第2特図保留記憶部と、普図保留記憶部と、特図プロセスフラグ等の遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている遊技制御フラグ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている遊技制御タイマ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている遊技制御カウンタ設定部と、遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている遊技制御バッファ設定部と、を備えている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5での表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種処理が実行される。例えば、これら演出動作を制御するための処理として、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信処理、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信処理なども行われる。
尚、演出制御基板12の側でも、主基板11と同様に、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための各種の乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、可動役物400の演出動作を制御するために用いられる各種のテーブルデータ、例えば、各種演出の実行、非実行や、演出の種別等を決定するための複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各変動パターンに対応する演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
演出制御パターンのうち、特図変動時演出制御パターンは、各変動パターンに対応して、特別図柄の変動が開始されてから確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作や可動役物400を動作させるリーチ演出等の様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。
また、RAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図示しない演出制御用データ保持エリアが設けられている。演出制御用データ保持エリアは、演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている演出制御フラグ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマやカウンタが設けられている演出制御タイマ設定部や演出制御カウンタ設定部と、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている演出制御バッファ設定部とを備えている。
尚、本実施例では、演出制御バッファ設定部の所定領域に、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)が設けられ、その時点の保留記憶の状況を特定可能な保留記憶バッファを構成するデータが記憶されており、該保留記憶バッファのデータに基づいて、第1保留記憶表示エリア5Dと第2保留記憶表示エリア5Uの保留表示が表示される。
また、図2に示すように、演出制御基板12には、可動役物400を垂直方向に駆動するための可動役物第1駆動モータ301と、可動役物400を構成する第1駆動部及び第2駆動部(図1参照)を水平方向に駆動するための可動役物第2駆動モータ302と、プッシュボタン31Bを非突出状態から突出状態に変化させるためのボタン駆動モータ303と、が接続されている。演出制御用CPU120は、これら可動役物第1駆動モータ301、可動役物第2駆動モータ302、ボタン駆動モータ303を個別に制御することで、可動役物400とプッシュボタン31Bとを個別に制御することが可能となっている。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時の状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図8のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。図8に示す遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行する(S13)。
次に、乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、図9に示す特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄表示器20での表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bの可動翼片の傾動動作設定などを行う普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。その後、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを送信(出力)する(S17)。
図9は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理では、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。その後、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、乱数値MR1、MR2、MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部の空きエントリの最上位に格納する。
S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。特別図柄通常処理では、保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、乱数値MR1を示す数値データに基づき、変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、変動表示結果に対応して確定特別図柄(大当り図柄やはずれ図柄のいずれか)が設定される。そして、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。そして、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。尚、特別図柄の変動経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態にてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。具体的には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「非確変大当り」または「確変大当りA」である場合には、「16回」に設定する。一方、大当り種別が「確変大当りB」である場合には、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定する。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、大当り遊技状態の終了を報知するエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理では、遊技制御バッファ設定部に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当りA」、「確変大当りB」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、図10に示す演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、コマンド解析処理を行う(S54)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドが、どのコマンド(図3参照)であるのか解析する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(S56)、その後、S52に移行する。
図11は、演出制御メイン処理の演出制御プロセス処理(S55)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、先ず、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放中指定コマンドや大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置5におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図12は、図11に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S74)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S271)。第1変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S271;Y)、バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S272)。尚、バッファ番号「1−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
また、S271において第1変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S271;N)、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(S273)。第2変動開始コマンド受信フラグがセットされていない場合は(S273;N)、演出図柄変動開始処理を終了し、第2変動開始コマンド受信フラグがセットされている場合は(S273;Y)、バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域に対応付けて格納されている各種コマンドデータと各種フラグを、バッファ番号1個分ずつ上位にシフトする(S274)。尚、バッファ番号「2−1」の内容については、シフトする先が存在しないためにシフトすることはできないので消去される。
S272またはS274の実行後、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンド格納領域から変動パターン指定コマンドを読み出す(S275)。
次いで、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S276)。この場合、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドで指定される表示結果に応じた演出図柄の停止図柄を決定し、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
尚、この実施例では、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りAに該当する第2変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が「7」で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが確変大当りBに該当する第3変動表示結果指定コマンドである場合においては、停止図柄として、「7」以外の奇数図柄の複数の組合せ(例えば「111」、「333」、「555」、「999」などの演出図柄の組合せ)の中から決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが非確変大当りに該当する第4変動表示結果指定コマンドである場合において、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄として3図柄が偶数図柄で揃った演出図柄の組合せ(大当り図柄)を決定する。また、受信した変動表示結果指定コマンドが、はずれに該当する第1変動表示結果指定コマンドである場合には、停止図柄として3図柄が不揃いとなる演出図柄の組合せ(はずれ図柄)を決定する。
これら停止図柄の決定においては、演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄判定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定すれば良い。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定すれば良い。
次いで、演出制御用CPU120は、S275において読み出した変動パターン指定コマンドから当該変動表示の変動パターンを特定し、該変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S277)。スーパーリーチの変動パターンである場合(S277;Y)は、リーチ演出中において遊技者に対してプッシュボタン31Bの操作を促す操作促進画像及び操作促進メッセージを演出表示装置5に表示する際にプッシュボタン31Bを突出状態に変化させるか否かを、図示しないプッシュボタン突出決定テーブルと変動表示結果及びプッシュボタン突出決定用乱数値に基づいて決定して記憶する(S278)。
尚、S278においては、図13に示すように、変動表示結果が「はずれ」である場合は、10%の割合でプッシュボタン31Bの突出(突出状態への変化)の実行を決定し、90%の割合でプッシュボタン31Bの突出の非実行を決定する。また、変動表示結果が「大当り」である場合は、90%の割合でプッシュボタン31Bの突出(突出状態への変化)の実行を決定し、10%の割合でプッシュボタン31Bの突出の非実行を決定する。このように、変動表示結果が「大当り」である場合は、変動表示結果が「はずれ」である場合よりも高い割合でプッシュボタン31Bの突出(突出状態への変化)の実行を決定するので、プッシュボタン31Bの操作を促す操作促進画像及び操作促進メッセージが演出表示装置5に表示される際にプッシュボタン31Bが突出状態に変化するか否かに対して遊技者を注目させることができるので、遊技興趣を向上できる。
そして、スーパーリーチの変動パターンでない場合(S277;N)やS278の実行後は、プッシュボタン31Bの突出の有無と変動パターン指定コマンドに応じた演出制御パターン(プロセステーブル)を選択する。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における変動プロセスタイマをスタートさせる(S282)。
尚、プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、可動役物400の動作を制御するための可動役物制御実行データ、プッシュボタン31Bの操作を制御するための操作部制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、変動プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、可動役物制御実行データ1、操作部制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、可動役物400、操作部(プッシュボタン31B等))の制御を実行する(S283)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
尚、この実施例では、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の変動表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
そして、変動時間タイマに、変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S284)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(S285)。尚、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU120は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、表示制御部123がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置5に出力し、演出表示装置5が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。次いで、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値にする(S286)。
図14は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、変動プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(S301,S302,S303)。
S304において演出制御用CPU120は、変動プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する。変動プロセスタイマがタイマアウトしていたら(S304;Y)、変動プロセスデータの切り替えを行う(S305)。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を変動プロセスタイマに設定することによって変動プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S306)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、可動役物制御実行データ、操作部制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S307)。一方、変動プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S304;N)は、変動プロセスタイマに対応する変動プロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、可動役物制御実行データ、操作部制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S308)。
次に、演出制御用CPU120は、当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する(S309)。当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンでない場合(S309;N)はS324に進み、当該変動表示の変動パターンがスーパーリーチの変動パターンである場合(S309;Y)は、プッシュボタン31Bの操作が受け付けられたことを示すプッシュボタン操作受付フラグがセットされているか否かを判定する(S310)。プッシュボタン操作受付フラグがセットされている場合(S310;Y)はS323に進み、プッシュボタン操作受付フラグがセットされていない場合は、プッシュボタン31Bの突出状態への変化が決定されているか否かを判定する(S311)。
プッシュボタン31Bの突出状態への変化が決定されていない場合(S311;N)はS314に進み、プッシュボタン31Bの突出状態への変化が決定されている場合(S311;Y)は、変動プロセスデータを参照してボタン駆動モータ303の駆動期間中であるか否かを判定する(S312)。ボタン駆動モータ303の駆動期間中でない場合(S312;N)はS314に進み、ボタン駆動モータ303の駆動期間中である場合(S312;Y)は、ボタン駆動モータ303を駆動させてS314に進む(S313)。
S314において演出制御用CPU120は、変動プロセスデータを参照してプッシュボタン31Bの操作受付開始タイミングであるか否かを判定する。プッシュボタン31Bの操作受付開始タイミングでない場合(S314;N)はS316に進み、プッシュボタン31Bの操作受付開始タイミングである場合(S314;Y)は、プッシュボタン31Bの突出の有無(プッシュボタン31Bを突出状態に変化させるか否かの決定)に応じた操作促進画像の表示を演出表示装置5にて開始する(S315a)。また、遊技者に対してプッシュボタン31Bの操作を促す操作促進メッセージの表示を演出表示装置5にて開始する(S315b)。そして、S316に進む。
S316において演出制御用CPU120は、変動プロセスデータを参照してプッシュボタン31Bの操作受付期間中であるか否かを判定する。プッシュボタン31Bの操作受付期間中でない場合(S316;N)はS324に進み、プッシュボタン31Bの操作受付期間中である場合(S316;Y)は、更に、プッシュボタン31Bの操作受付有りか否か(プッシュボタン31Bが操作されたか否か)を判定する(S317)。尚、本実施例においてプッシュボタン31Bが操作されたことを判定するタイミングは、プッシュセンサ35が遊技者によるプッシュボタン31Bの操作終了を検出したタイミングであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、プッシュボタン31Bが操作されたことを判定するタイミングは、プッシュセンサ35が遊技者によるプッシュボタン31Bの操作開始を検出したタイミングであってもよい。
また、本実施例では、後述するように、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作に基づいて可動役物400が退避位置から演出位置に移動(落下)することにより変動表示結果が大当りとなることを報知する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作態様は、短期間での1回操作(単発押し)の他、継続操作(長押し)や複数回操作(連打)等のうち、いずれか1の操作態様のみを設けてもよいし、複数の操作態様を設けてもよい。
プッシュボタン31Bの操作受付有りの場合(S317;Y)はS321aに進み、プッシュボタン31Bの操作受付無しの場合(S317;N)は、更にプッシュボタン31Bの操作受付終了タイミングであるか否かを判定する(S319)。プッシュボタン31Bの操作受付終了タイミングである場合(S319;Y)はS321aに進み、プッシュボタン31Bの操作受付終了タイミングでない場合(S319;N)はS322に進む。
S321aにおいて演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bの操作受付期間中にプッシュボタン31Bが操作されたこと、または、プッシュボタン31Bが操作されることなくプッシュボタン31Bの操作受付期間が終了したことに基づいてプッシュボタン操作受付フラグをセットする。また、演出表示装置5における操作促進画像の表示を維持しつつ操作促進メッセージの表示を終了してS322に進む(S321b)。
S322において演出制御用CPU120は、プッシュボタン操作受付フラグがセットされているか否かを判定する。プッシュボタン操作受付フラグがセットされている場合(S322;Y)はS323に進み、プッシュボタン操作受付フラグがセットされていない場合はS324に進む。尚、S323において演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bの操作受付期間中にプッシュボタン31Bが操作されたこと、または、プッシュボタン31Bが操作されることなくプッシュボタン31Bの操作受付期間が終了したことに基づいて操作後演出を実行するための操作後演出実行処理を実行してS324に進む。
次に、変動制御タイマがタイマアウトしているか否かを確認する(S324)。変動制御タイマがタイマアウトしている場合には(S324;Y)、演出制御用CPU120は、左中右の演出図柄の次表示画面(前回の演出図柄の表示切り替え時点から30ms経過後に表示されるべき画面)の画像データを作成し、VRAMの所定領域に書き込む(S325)。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動制御が実現される。表示制御部123は、設定されている背景画像等の所定領域の画像データと、プロセステーブルに設定されている表示制御実行データにもとづく画像データとを重畳したデータに基づく信号を演出表示装置5に出力する。そのようにして、演出表示装置5において、演出図柄の変動における背景画像、キャラクタ画像及び演出図柄が表示される。また、変動制御タイマに所定値を再セットする(S326)。
また、変動制御タイマがタイマアウトしていない場合(S324;N)、S326の実行後、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S327)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S329)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S328;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新する(S329)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御に用いられているプロセステーブルには、演出図柄の変動表示中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演出図柄の変動時間に相当する。よって、S304の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(表示制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御は終了する。
図15は、演出図柄変動中処理における操作後演出実行処理(S323)を示すフローチャートである。操作後演出実行処理において、演出制御用CPU120は、先ず、操作後演出プロセスタイマが動作中であるか否かを判定する(S401)。操作後演出プロセスタイマが動作中である場合(S401;Y)はS408に進み、操作後演出プロセスタイマが動作中でない場合(S401;N)は、変動表示結果が大当りであるか否かを判定する(S402)。変動表示結果が大当りである場合(S402;Y)は大当り用の操作後演出プロセステーブルを選択し(S403)、変動表示結果がはずれである場合(S402;N)ははずれ用の操作後演出プロセステーブルを選択する(S404)。
そして、S403またはS404の実行後は、選択した操作後演出プロセステーブルのプロセスデータ1における操作後演出プロセスタイマをスタートさせる(S405)。
尚、操作後演出プロセステーブルには、演出表示装置5の表示を制御するための表示制御実行データ、各LEDの点灯を制御するためのLED制御実行データ、スピーカ8L,8Rから出力する音の制御するための音制御実行データや、可動役物400の動作を制御するための可動役物制御実行データ等が、各プロセスデータn(1〜N番まで)に対応付けて時系列に順番配列されている。
次いで、演出制御用CPU120は、操作後演出プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、LED制御実行データ1、音制御実行データ1、可動役物制御実行データ1、)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種LED及び演出用部品としてのスピーカ8L,8R、可動役物400等))の制御を実行する(S406)。例えば、演出表示装置5において変動表示結果に応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、LED制御基板14に対して制御信号(LED制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動役物400を動作させるために、可動役物第1駆動モータ301や可動役物第2駆動モータ302を駆動させる。また、演出表示装置5に表示されている操作促進画像を操作後画像として更新を開始して操作後演出実行処理を終了する(S407)。
また、S408において演出制御用CPU120は、操作後演出プロセスタイマの値を−1する。そして、操作後演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S409)。操作後演出プロセスタイマがタイマアウトした場合(S409;Y)は、操作後演出プロセスデータの切り替えを行う(S410)。即ち、操作後演出プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値を操作後演出プロセスタイマに設定することによって操作後演出プロセスタイマをあらためてスタートさせる(S411)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、可動役物制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S412)。一方、操作後演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合(S409;N)は、操作後演出プロセスタイマに対応する操作後演出プロセスデータの内容(表示制御実行データ、LED制御実行データ、音制御実行データ、可動役物制御実行データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行する(S413)。
そして、S412またはS413の実行後は、演出表示装置5に表示されている操作後画像を更新し(S414)、変動表示結果が大当りであるか否かを判定する(S415)。変動表示結果がはずれである場合(S415;N)は操作後演出実行処理を終了し、変動表示結果が大当りである場合(S415;Y)は、可動役物第1駆動モータ301の正転駆動期間中であるか否か、つまり、可動役物400の退避位置から演出位置に向けての移動期間中であるか否かを判定する(S416)。可動役物第1駆動モータ301の正転駆動期間中である場合(S416;Y)は可動役物第1駆動モータ301を正転駆動させることによって可動役物400を演出位置に向けて移動させ、S418に進む(S417)。また、可動役物第1駆動モータ301の正転駆動期間中でない場合(S416;N)は、S417を経由することなくS418に進む。
S418において演出制御用CPU120は、可動役物第1駆動モータ301の逆転駆動期間中であるか否か、つまり、可動役物400の演出位置から退避位置に向けての移動期間中であるか否かを判定する。可動役物第1駆動モータ301の逆転駆動期間中である場合(S418;Y)は、可動役物第1駆動モータ301を逆転駆動させることによって可動役物400を退避位置に向けて移動させ、S420に進む(S419)。また、可動役物第1駆動モータ301の逆転駆動期間中でない場合(S418;N)は、S419を経由することなくS420に進む。
S420において演出制御用CPU120は、可動役物第2駆動モータ302の正転駆動期間中であるか否か、つまり、可動役物400が演出位置に位置している状態において、可動役物400を第1可動部401と第2可動部402とが近接する近接状態から第1可動部401と第2可動部402とが離間する離間状態に変化させる期間中であるか否かを判定する。可動役物第2駆動モータ302の正転駆動期間中である場合(S420;Y)は、可動役物第2駆動モータ302を正転駆動させることによって可動役物400を離間状態に変化させるとともに(S421)、演出表示装置5に可動役物400が退避位置に移動したことに対応するエフェクト画像を表示してS423に進む(S422)。また、可動役物第2駆動モータ302の正転駆動期間中でない場合(S420;N)は、S421及びS422を経由せず、つまり、演出表示装置5でのプッシュボタン31Bの画像の表示中であれば、該プッシュボタン31Bの画像の表示を継続してS423に進む。
S423において演出制御用CPU120は、可動役物第2駆動モータ302の逆転駆動期間中であるか否か、つまり、可動役物400が演出位置に位置している状態において第1可動部401及び第2可動部402の離間位置から近接位置に向けての移動期間中であるか否かを判定する。可動役物第2駆動モータ302の逆転駆動期間中である場合(S423;Y)は、可動役物第2駆動モータ302を逆転駆動させることによって第1可動部401及び第2可動部402を近接位置に向けて移動させて操作後演出実行処理を終了する(S424)。また、可動役物第2駆動モータ302の逆転駆動期間中でない場合(S423;N)は、S424を経由せずに操作後演出実行処理を終了する。
以上のように演出制御用CPU120によって演出図柄変動開始処理、演出図柄変動中処理、操作後演出実行処理が実行されることによって、スーパーリーチの変動表示においてプッシュボタン31Bを突出させず(演出図柄変動開始処理のS278においてプッシュボタン31Bの非突出状態から突出状態への変化の非実行を決定した場合)変動表示結果が大当りとなる場合は、図16(A)に示すように、変動開始から期間L1が経過したタイミング(リーチ演出実行中のタイミング)から演出表示装置5に操作促進画像としての非突出状態のプッシュボタン31Bの画像と操作促進メッセージの表示が開始される。そして、プッシュボタン31Bの操作受付期間中にプッシュボタン31Bが操作されるかプッシュボタン31Bが操作されることなく該操作受付期間が経過した場合は、プッシュボタン31Bの操作を受け付けたタイミング、または、プッシュボタン31Bの操作受付期間が終了したタイミングにおいて操作促進メッセージの表示が終了する。
また、プッシュボタン31Bの操作を受け付けたタイミング、または、プッシュボタン31Bの操作受付期間が終了したタイミングから期間L2に亘って、操作促進画像(非突出状態のプッシュボタン31Bの画像)である操作後画像が演出表示装置5から消去される。更に、プッシュボタン31Bの操作を受け付けたタイミング、または、プッシュボタン31Bの操作受付期間が終了したタイミングから期間L2よりも長い期間である期間L3に亘って、可動役物400を図1に示す退避位置から演出表示装置5と重畳する演出位置に向けての移動(落下)が実行される。
可動役物400の演出位置への移動完了後は、第1可動部401及び第2可動部402を移動させることによって演出位置において可動役物400を近接状態から離間状態に変化させた後、可動役物400を離間状態から近接状態に変化させる。そして、再び可動役物400を演出位置から退避位置に移動させ、変動表示が終了する。
スーパーリーチの変動表示においてプッシュボタン31Bを突出させて(演出図柄変動開始処理のS278においてプッシュボタン31Bの非突出状態から突出状態への変化の実行を決定した場合)変動表示結果が大当りとなる場合は、図16(B)に示すように、変動開始から期間L1が経過したタイミング(リーチ演出実行中のタイミング)から演出表示装置5に操作促進画像としての突出状態のプッシュボタン31Bの画像と操作促進メッセージの表示が開始される。尚、プッシュボタン31Bは、リーチ演出中における操作促進画像や操作促進メッセージの表示開始前タイミングの直前に非突出状態から突出状態に変化する。そして、プッシュボタン31Bの操作受付期間中にプッシュボタン31Bが操作されるかプッシュボタン31Bが操作されることなく該操作受付期間が経過した場合は、プッシュボタン31Bの操作を受け付けたタイミング、または、プッシュボタン31Bの操作受付期間が終了したタイミングにおいて操作促進メッセージの表示が終了する。
また、プッシュボタン31Bの操作を受け付けたタイミング、または、プッシュボタン31Bの操作受付期間が終了したタイミングから期間L3に亘って、可動役物400を図1に示す退避位置から演出表示装置5と重畳する演出位置に向けての移動(落下)が実行される。
更に、可動役物400の退避位置から演出位置への移動(落下)期間中は、操作後演出として、操作促進画像(突出状態のプッシュボタン31Bの画像)である操作後画像を、非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新する。このように、可動役物400の退避位置から演出位置への移動に併せて操作後演出を実行することで、遊技者に対してあたかも落下する可動役物400が突出状態のプッシュボタン31Bの画像を操作して非突出状態に変化させるように見せることができる。
尚、本実施例では、操作後画像である突出状態のプッシュボタン31Bの画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新することによって、落下する可動役物400が突出状態のプッシュボタン31Bの画像を操作して非突出状態に変化させるように見せる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作後画像である突出状態のプッシュボタン31Bの画像は、可動役物400が突出状態のプッシュボタン31Bの画像を操作するように遊技者に対して見せかけることができるのであれば非突出状態のプッシュボタン31Bの画像とは異なる画像に更新するようにしてもよい。
操作後演出として操作後画像である非突出状態のプッシュボタン31Bの画像の更新が終了した後は、該非突出状態のプッシュボタン31Bの画像が期間L2に亘って演出表示装置5から消去される。尚、本実施例では、図16(B)に示すように、突出状態から非突出状態に変化した後のプッシュボタン31Bの画像の消去が終了するタイミングが可動役物400の退避位置から演出位置への移動完了タイミングと同一タイミングとなっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、突出状態から非突出状態に変化した後のプッシュボタン31Bの画像の消去が終了するタイミングと可動役物400の退避位置から演出位置への移動完了タイミングとは異なるタイミングであってもよい。
可動役物400の演出位置への移動完了後は、第1可動部401及び第2可動部402を移動させることによって演出位置において可動役物400を近接状態から離間状態に変化させる。尚、可動役物400の離間状態への変化が完了したタイミングでは、演出表示装置5に、可動役物400が演出位置において離間状態に変化したことを示すエフェクト画像を表示する。そして、可動役物400を離間状態から近接状態に変化させた後、再び可動役物400を演出位置から退避位置に移動させ、変動表示が終了する。
スーパーリーチの変動表示においてプッシュボタン31Bを突出させず(演出図柄変動開始処理のS278においてプッシュボタン31Bの非突出状態から突出状態への変化の非実行を決定した場合)変動表示結果がはずれとなる場合は、図17(A)に示すように、変動開始から期間L1が経過したタイミング(リーチ演出実行中のタイミング)から演出表示装置5に操作促進画像としての非突出状態のプッシュボタン31Bの画像と操作促進メッセージの表示が開始される。そして、プッシュボタン31Bの操作受付期間中にプッシュボタン31Bが操作されるかプッシュボタン31Bが操作されることなく該操作受付期間が経過した場合は、プッシュボタン31Bの操作を受け付けたタイミング、または、プッシュボタン31Bの操作受付期間が終了したタイミングにおいて操作促進メッセージの表示が終了する。
また、プッシュボタン31Bの操作を受け付けたタイミング、または、プッシュボタン31Bの操作受付期間が終了したタイミングから期間L2に亘って、操作促進画像(非突出状態のプッシュボタン31Bの画像)である操作後画像が演出表示装置5から消去される。そして、可動役物400が退避位置から演出位置に向けて移動(落下することなく)変動表示が終了する。
スーパーリーチの変動表示においてプッシュボタン31Bを突出させて(演出図柄変動開始処理のS278においてプッシュボタン31Bの非突出状態から突出状態への変化の実行を決定した場合)変動表示結果がはずれとなる場合は、図17(B)に示すように、変動開始から期間L1が経過したタイミング(リーチ演出実行中のタイミング)から演出表示装置5に操作促進画像としての突出状態のプッシュボタン31Bの画像と操作促進メッセージの表示が開始される。尚、プッシュボタン31Bは、リーチ演出中における操作促進画像や操作促進メッセージの表示開始前タイミングの直前に非突出状態から突出状態に変化する。そして、プッシュボタン31Bの操作受付期間中にプッシュボタン31Bが操作されるかプッシュボタン31Bが操作されることなく該操作受付期間が経過した場合は、プッシュボタン31Bの操作を受け付けたタイミング、または、プッシュボタン31Bの操作受付期間が終了したタイミングにおいて操作促進メッセージの表示が終了する。
そして、プッシュボタン31Bの操作を受け付けたタイミング、または、プッシュボタン31Bの操作受付期間が終了したタイミングから期間L2に亘って、操作促進画像(突出状態のプッシュボタン31Bの画像)である操作後画像が演出表示装置5から消去される。そして、可動役物400が退避位置から演出位置に向けて移動(落下)することなく変動表示が終了する。
次に、スーパーリーチの変動表示においてプッシュボタン31Bを突出させることが決定されている場合での演出表示装置5の表示態様及び可動役物400の動作態様について図18及び図19に基づいて説明する。
先ず、図18(A)〜図18(D)に示すように、可動役物400が退避位置に配置されている状態において演出図柄がリーチの組み合わせとなると、演出表示装置5においてリーチ演出(スーパーリーチ演出)が開始される。該スーパーリーチ演出中は、所定時間が経過すると、ボタン駆動モータ303の駆動によって非突出状態のプッシュボタン31Bが突出状態に変化する。そして、図18(E)に示すように、演出表示装置5に操作促進画像として突出状態のプッシュボタン31Bの画像と「押せ!!」等の操作促進メッセージが表示され、プッシュボタン31Bの操作の受け付けが開始される。
プッシュボタン31Bの操作受付期間中に遊技者がプッシュボタン31Bを操作する、または、遊技者がプッシュボタン31Bを操作することなくプッシュボタン31Bの操作受付期間が終了すると、図19(F)〜図19(H)に示すように、演出表示装置5から操作促進メッセージが消去され、可動役物400が退避位置から演出位置に向けて移動(落下)を開始する。更に、該可動役物400の移動(落下)に連動して、操作後画像としての突出状態のプッシュボタン31Bの画像が非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に漸次更新されている。
そして、図19(I)及び図19(J)に示すように、可動役物400の演出位置への移動(落下)と非突出状態のプッシュボタン31Bの画像への更新が完了すると、演出表示装置5での操作後画像として非突出状態のプッシュボタン31Bの画像の表示が終了され、可動役物400が近接状態から離間状態に変化する。また、演出表示装置5にエフェクト画像を表示する。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、図19に示すように、遊技者が突出状態のプッシュボタン31Bを操作したことに基づいて、操作後演出として可動役物400を落下させるとともに演出表示装置5に表示されている突出状態のプッシュボタン31Bの画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新する(変化させる)ことによって、可動役物400があたかも突出状態のプッシュボタン31B画像を操作したように見せかけることができるので、これら可動役物400の動作とプッシュボタン31Bの画像の表示態様の変化との対応によって遊技興趣を向上できる。尚、本実施例では、操作促進画像である突出状態のプッシュボタン31Bの画像が変化する例として、非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新される形態を開示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作促進画像である突出状態のプッシュボタン31Bの画像の変化には、該プッシュボタン31Bの画像が非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に変化した後、更に演出表示装置5から消去されるまでを含んでもよい。
尚、本実施例では、可動役物400を落下させることによって可動役物400があたかも突出状態のプッシュボタン31Bの画像を操作したように見せかける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、突出状態のプッシュボタン31Bの画像を操作したように見せかけることが可能であれば、可動役物400の動作態様は落下以外であってもよい。
また、操作後演出では、可動役物400の落下に応じて突出状態のプッシュボタン31Bの画像が非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新されるので、可動役物400の落下に対応してプッシュボタン31Bの画像の表示態様が変化したことを遊技者が認識し易くなるため、遊技興趣を向上できる。
また、操作後演出では、可動役物400の落下に応じて突出状態のプッシュボタン31Bの画像が非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新された後に、該非突出状態のプッシュボタン31Bの画像を演出表示装置5から消去することで、操作後演出における可動役物400の落下による演出効果を向上できる。
尚、本実施例の操作後演出では、可動役物400の落下に応じて突出状態のプッシュボタン31Bの画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新した後、該非突出状態のプッシュボタン31Bの画像を演出表示装置5から消去する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、操作後演出では、可動役物400の落下に応じて突出状態のプッシュボタン31Bの画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新することなく消去するようにしてもよいし、可動役物400の落下に応じて突出状態のプッシュボタン31Bの画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新した後に演出表示装置5から消去しないようにしてもよい。つまり、本発明において、『操作体対応画像(突出状態のプッシュボタン31Bの画像)の表示態様を可動体(可動役物400)の動作に対応して変化させることには、突出状態のプッシュボタン31Bの画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新することと、演出表示装置5からプッシュボタン31Bの画像を消去することの両方が含まれている。
また、本実施例では、操作後演出が開始されてから演出表示装置5から操作後画像であるプッシュボタン31Bの画像を消去するので、可動役物400の落下に対応してプッシュボタン31Bの画像が消去されたことを遊技者が認識し易くなるので、遊技興趣を向上できる。
また、スーパーリーチの変動表示においてに変動表示結果がはずれとなる、つまり、プッシュボタン31Bの操作に基づいて操作後演出として可動役物400の移動(落下)が実行されない場合は、突出状態のプッシュボタン31Bが操作された場合と非突出状態のプッシュボタン31Bが操作された場合とのいずれにおいても、プッシュボタン31Bの画像が期間L2に亘って演出表示装置5から消去される、つまり、同一タイミングでプッシュボタン31Bの画像が演出表示装置5から消去されるので、突出状態のプッシュボタン31Bが操作された場合と非突出状態のプッシュボタン31Bが操作された場合とで可動役物400の移動(落下)が実行されないときのプッシュボタン31Bの画像の表示期間を共通とすることができ、遊技興趣の低下を防ぐことができる。
尚、本実施例では、プッシュボタン31Bの操作に基づいて操作後演出として可動役物400の移動(落下)が実行されない場合は、突出状態のプッシュボタン31Bが操作された場合と非突出状態のプッシュボタン31Bが操作された場合とで共通のタイミングで演出表示装置5からプッシュボタン31Bの画像を消去する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プッシュボタン31Bの操作に基づいて操作後演出として可動役物400の移動(落下)が実行されない場合は、突出状態のプッシュボタン31Bが操作された場合と非突出状態のプッシュボタン31Bが操作された場合とで異なるタイミングで演出表示装置5からプッシュボタン31Bの画像を消去してもよい。
また、スーパーリーチの変動表示においてプッシュボタン31Bを突出させて(演出図柄変動開始処理のS278においてプッシュボタン31Bの非突出状態から突出状態への変化の実行を決定した場合)変動表示結果が大当りとなる場合は、図16(B)に示すように、プッシュボタン31Bの操作に基づいて、該プッシュボタン31Bが操作されてから期間L3が経過したことに基づいてプッシュボタン31Bの画像を消去し、スーパーリーチの変動表示においてプッシュボタン31Bを突出させて(演出図柄変動開始処理のS278においてプッシュボタン31Bの非突出状態から突出状態への変化の実行を決定した場合)変動表示結果がはずれとなる場合は、図17(B)に示すように、プッシュボタン31Bの操作に基づいて、該プッシュボタン31Bが操作されてから期間L2(期間L3>期間L2)が経過したことに基づいてプッシュボタン31Bの画像を消去する、つまり、プッシュボタン31Bが突出状態に変化しても、プッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて可動役物400の移動(落下)が実行される場合と実行されない場合とでプッシュボタン31Bの画像の表示を終了する態様が異なるので、遊技興趣を向上できる。
また、スーパーリーチの変動表示においてプッシュボタン31Bを突出させず(演出図柄変動開始処理のS278においてプッシュボタン31Bの非突出状態から突出状態への変化の非実行を決定した場合)変動表示結果が大当りとなる場合は、図16(A)に示すように、プッシュボタン31Bが操作されてから期間L2に亘って操作後画像である非突出状態のプッシュボタン31Bの画像を演出表示装置5から消去し、スーパーリーチの変動表示においてプッシュボタン31Bを突出させて(演出図柄変動開始処理のS278においてプッシュボタン31Bの非突出状態から突出状態への変化の実行を決定した場合)変動表示結果が大当りとなる場合は、図16(B)に示すように、プッシュボタン31Bが操作されてから期間L3(期間L3>期間L2)に亘って、突出状態のプッシュボタン31Bの画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像への更新と、操作後画像である該非突出状態のプッシュボタン31Bの画像の演出表示装置5からの消去を実行する、つまり、演出表示装置5に表示されるプッシュボタン31Bの表示態様に応じてプッシュボタン31Bが操作されてからプッシュボタン31Bの画像の表示が終了されるまでの期間が異なるとにより、遊技興趣を向上できる。特に、期間L3は、期間L2よりも長い期間であり、該期間L3中に突出状態のプッシュボタン31Bの画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新することができるので、該プッシュボタン31Bの画像の更新に遊技者を注目させることができ、遊技興趣を向上できる。更に、期間L3中に突出状態のプッシュボタン31Bの画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新することで、可動役物400の移動(落下)に対応してプッシュボタン31Bの画像が更新されたことを遊技者が認識し易くなるので、遊技興趣を向上できる。
また、スーパーリーチの変動表示において操作促進画像として表示されるプッシュボタン31Bの画像は、非突出状態のプッシュボタン31Bを示す画像と、突出状態のプッシュボタン31Bを示す画像と、であるので、操作促進画像としてプッシュボタン31Bの態様(突出状態または非突出状態)に適したプッシュボタン31Bの画像を演出表示装置5に表示することができる。
また、プッシュボタン31Bの突出の実行を決定した場合とプッシュボタン31Bの突出の非実行を決定した場合とでは、図16(A)、図16(B)、図17(A)、図17(B)に示すように、同一タイミング(変動開始から期間L1が経過したタイミング)から、操作促進画像として突出状態のプッシュボタン31Bの画像または非突出状態のプッシュボタン31Bの画像の表示を開始するので、突出状態のプッシュボタン31Bの画像や非突出状態のプッシュボタン31Bの画像の表示が開始されるタイミングを遊技者が認識し易くなるので、遊技興趣を向上できる。尚、本実施例では、本発明における第1操作促進表示を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像、第2操作促進表示を突出状態のプッシュボタン31Bの画像とし、これら非突出状態のプッシュボタン31Bの画像と突出状態のプッシュボタン31Bの画像とを、同一タイミング(変動開始から期間L1が経過したタイミング)から操作促進画像として演出表示装置5に表示する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら非突出状態のプッシュボタン31Bの画像と突出状態のプッシュボタン31Bの画像とは、異なるタイミングから操作促進画像として演出表示装置5に表示してもよい。つまり、第1操作促進表示と第2操作促進表示とは、それぞれプッシュボタン31Bが非突出状態のときの異なるタイミングで表示されるものでもよく、また、それぞれプッシュボタン31Bが突出状態のときの異なるタイミングで表示されるものでもよい。
また、操作後演出において可動役物400が退避位置から演出位置に移動(落下)した際には、演出表示装置5に表示されているプッシュボタン31Bの画像を更新しつつ維持する一方で、可動役物400が演出位置に配置されているときに、第1可動部401と第2可動部402とを可動役物400の左右幅方向略中央部に近接配置されている状態から互いが離間するように移動させることによって、可動役物400を近接状態から離間状態に変化させた場合は、演出表示装置5にプッシュボタン31Bの画像とは異なるエフェクト画像を表示することにより、好適に操作後演出を実行することができる。
また、操作後演出は、遊技者によるプッシュボタン31Bの操作に基づいて実行されるので、遊技興趣を向上できる。
また、演出表示装置5に操作促進画像として表示される突出状態のプッシュボタン31Bの画像は、可動役物400が退避位置から演出位置に向けて移動(落下)したことに連動して、操作後画像として非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新されるので、遊技興趣を向上できる。
また、操作後演出において可動役物400が退避位置から演出位置に向けて移動(落下)する場合には、操作後画像として、突出状態のプッシュボタン31Bの画像が非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新されつつ継続して表示されるので、遊技興趣を向上できる。
尚、本実施例では、本発明における所定画像であるプッシュボタン31Bの画像を、可動役物400が演出位置において近接状態から離間状態に変化開始する前のタイミングで演出表示装置5から消去する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、プッシュボタン31Bの画像は、可動役物400が演出位置において近接状態から離間状態に変化開始タイミングで演出表示装置5から消去してもよい。このようにすることで、可動役物400の近接状態から離間状態への変化に対応して演出表示装置5にプッシュボタン31Bの画像に替えてエフェクト画像が表示されるので、操作後演出の演出効果を高めることができる。
また、図16(B)に示すように、リーチ演出中にプッシュボタン31Bが遊技者によって操作された場合には、プッシュボタン31Bが操作されたタイミングにおいて本発明における補助画像としての操作促進メッセージを演出表示装置5から消去し、操作後画像であるプッシュボタン31Bの画像は、可動役物400の落下が完了したタイミング(プッシュボタン31Bが操作されてから期間L3が経過したタイミング)にて演出表示装置5から消去されるので、遊技興趣を向上しつつ、プッシュボタン31Bの操作がパチンコ遊技機1(演出制御用CPU120)に認識されたことを遊技者が把握し易くできる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、操作後演出として、突出状態のプッシュボタン31Bが遊技者によって操作されたことに基づいて可動役物400を退避位置から演出位置に移動(落下)させるとともに、演出表示装置5に表示されている突出状態のプッシュボタン31Bの画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新することで、あたかも可動役物400がプッシュボタン31Bの画像を操作しているように見せる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例1として図20(A)〜図20(C)に示すように、操作後演出では、可動役物400の退避位置から演出位置への移動(落下)に替えて、演出表示装置5に突出状態のプッシュボタン31Bの画像に所定のキャラクタ画像が作用する作用演出を表示するようにしてもよい。このようにすることで、作用演出に対応して突出状態のプッシュボタン31Bの画像が非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新されるので、該作用演出に遊技者を注目させ、遊技興趣を向上できる。
尚、本変形例1では、作用演出に対応させてプッシュボタン31Bの画像の態様を変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、プッシュボタン31Bの画像の態様に対応させる演出は、作用演出以外の演出であってもよい。
また、前記実施例では、図16及び図17に示すように、演出表示装置5に突出状態のプッシュボタン31Bの画像の表示を開始するタイミングと非突出状態のプッシュボタン31Bの画像の表示を開始するタイミングとが同一である(変動開始から期間L1が経過したタイミング)形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例2として、突出状態のプッシュボタン31Bの画像の表示を開始するタイミングと非突出状態のプッシュボタン31Bの画像の表示を開始するタイミングとが異なるようにしてもよい。
尚、このように突出状態のプッシュボタン31Bの画像の表示を開始するタイミングと非突出状態のプッシュボタン31Bの画像の表示を開始するタイミングとが異なる場合は、突出状態のプッシュボタン31Bの画像が表示されているときにプッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて該突出状態のプッシュボタン31Bの画像を消去する態様と、非突出状態のプッシュボタン31Bの画像が表示されているときにプッシュボタン31Bが操作されたことに基づいて該非突出状態のプッシュボタン31Bの画像を消去する態様と、が異なるようにし、遊技興趣を向上できるようにしてもよい。
また、前記実施例のリーチ演出中に操作促進画像として突出状態のプッシュボタン31Bの画像が表示される場合は、操作促進画像として非突出状態のプッシュボタン31Bの画像が表示される場合よりも変動表示結果が大当たりとなる割合が高い形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5に非突出状態のプッシュボタン31Bの画像を表示した後、該非突出状態のプッシュボタン31Bの画像が突出状態のプッシュボタン31Bの画像に変化する場合を設けてもよい。更に、このように非突出状態のプッシュボタン31Bの画像が突出状態のプッシュボタン31Bの画像に変化する際には、非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に特定のキャラクタの画像が作用する作用演出を実行し、該作用演出の実行後に突出状態のプッシュボタン31Bの画像に変化させることによって、非突出状態のプッシュボタン31Bの画像が突出状態のプッシュボタン31Bの画像に変化することを分かり易くし、遊技興趣を向上してもよい。
また、前記実施例では、本発明における第1操作体対応画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像とし、本発明における第2操作体対応画像を突出状態のプッシュボタン31Bの画像とし、可動役物400の退避位置から演出位置に移動(落下)に対応して突出状態のプッシュボタン31Bの画像を非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明における第1操作体対応画像と第2操作体対応画像とは、互いの表示態様が異なる画像であれば、例えば、色や大きさが異なる画像であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、変動時間及びリーチ演出の種類等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU103は、1つ目のコマンドでは、例えば、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドと2つ目のコマンドで変動時間のみを通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方位置に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方位置から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、大当り遊技において大入賞口の開放を実施することで多くの遊技球を獲得できる大当りのみを発生させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、確変大当りBを、ラウンド遊技における大入賞口の開放時間を著しく短くして、大入賞口が開放したことを遊技者に認識されないようにして、該確変大当りBの発生により、突然に確変状態となったように見せる突確大当りとしても良い。尚、これら確変大当りBを突確大当りとする場合には、該確変大当りBの大当り遊技における大入賞口の開放パターンと同一の開放パターンにて大入賞口を開放する小当りを設けるようにして、確変大当りBや小当りの発生後の遊技状態が、高確状態であるのか、或いは低確状態にあるのかが不明な状態(いわゆる潜伏状態)が発生するようにしても良い。
また、前記実施例では、始動入賞口を、第1始動入賞口と第2始動入賞口の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞口を1つのみとしても良いし、始動入賞口を3以上としても良い。
また、前記実施例では、特別図柄を、第1特図と第2特図の2つとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特別図柄を1つのみとしても良いし、特別図柄を3以上としても良い。
また、前記実施例では、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ表示結果となる最終停止図柄を含む複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示結果となる最終停止図柄を含めずに複数種類の特別図柄を変動表示した後に、最終停止図柄を停止表示するものであっても良い。つまり、表示結果となる最終停止図柄は、変動表示に用いられる特別図柄と異なる図柄であっても良い。
前記遊技者にとって有利な状態とは、遊技者が多くの遊技媒体を獲得できる遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り等)や、獲得できる遊技媒体の期待値が異なる複数種類の特定遊技状態(ラウンド数が異なる大当り等)や、通常遊技状態よりも賞球払出の条件が成立しやすくなる高ベース状態(時短状態)や、前記特定遊技状態となる確率が高い高確率遊技状態(高確率状態)や高確低ベース状態(潜伏確変状態)、特別リーチ状態(例えば、スーパーリーチ等)、当該変動パターンが大当り変動パターンに基づく変動パターンである状態等が含まれる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、遊技者が操作可能な操作体(例えば、プッシュボタン31B)と、動作可能な可動体(例えば、可動役物400)と、前記操作体が操作されたことに基づいて前記可動体を動作させる動作演出(例えば、操作後演出)を実行可能な動作演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120が図15に示す操作後演出実行処理を実行する部分)と、前記動作演出を実行するときに、前記操作体の操作を促すための画像(例えば、操作促進画像)として、前記操作体に対応する操作体対応画像(例えば、プッシュボタン31Bの画像)を表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置5)と、を備え、前記操作体対応画像の表示態様は、前記可動体の動作に対応して変化可能であり(例えば、図19に示すように、可動役物400の退避位置から演出位置への移動(落下)に対応して突出状態のプッシュボタン31Bの画像が非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新される部分)、さらに、遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目を表示する項目表示手段(たとえば、図47に示すように、複数種類の楽曲に対応する項目を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記複数の項目のうちいずれかの項目を選択する選択演出を実行可能な選択演出手段(図47に示すように、選択操作により選択される項目を変更する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記選択演出手段において選択された項目に対応した演出を実行可能な対応演出実行手段(図47に示すように、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力を行なう演出制御用マイクロコンピュータ90200等)とを備え、前記項目表示手段は、前記選択演出において前記複数種類の演出のうちの第1演出が実行されている状態であっても当該第1演出に対応した項目を表示可能であり(たとえば、図47(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である等)、前記対応演出実行手段は、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出とは異なる第2演出に対応する項目が選択された場合には、当該第2演出を実行し(たとえば、図47(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する等)、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出に対応する項目が再度選択された場合には、実行されている前記第1演出の状態を引継いで実行する(たとえば、図47(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aをそのまま流す等)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、可動体の動作と操作体対応画像の表示態様の変化との対応によって遊技興趣を向上できる。また、選択されていた演出が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
あるいは、本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、遊技者が操作可能な操作体(例えば、プッシュボタン31B)と、前記操作体が操作されたことに基づいて所定画像による所定演出(例えば、図20に示す作用演出)を実行可能な所定演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120が作用演出を実行する部分)と、前記所定演出を実行するときに、前記操作体の操作を促すための画像として、前記操作体に対応する操作体対応画像(例えば、プッシュボタン31Bの画像)を表示可能な表示手段(例えば、演出表示装置5)と、を備え、前記操作体対応画像の表示態様は、前記所定演出に対応して変化可能であり(例えば、図20に示すように、作用演出に対応して突出状態のプッシュボタン31Bの画像が非突出状態のプッシュボタン31Bの画像に更新される部分)、さらに、遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目を表示する項目表示手段(たとえば、図47に示すように、複数種類の楽曲に対応する項目を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記複数の項目のうちいずれかの項目を選択する選択演出を実行可能な選択演出手段(図47に示すように、選択操作により選択される項目を変更する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記選択演出手段において選択された項目に対応した演出を実行可能な対応演出実行手段(図47に示すように、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力を行なう演出制御用マイクロコンピュータ90200等)とを備え、前記項目表示手段は、前記選択演出において前記複数種類の演出のうちの第1演出が実行されている状態であっても当該第1演出に対応した項目を表示可能であり(たとえば、図47(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である等)、前記対応演出実行手段は、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出とは異なる第2演出に対応する項目が選択された場合には、当該第2演出を実行し(たとえば、図47(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する等)、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出に対応する項目が再度選択された場合には、実行されている前記第1演出の状態を引継いで実行する(たとえば、図47(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aをそのまま流す等)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、所定演出と動作対応画像の表示態様の変化との対応によって遊技興趣を向上できる。また、選択されていた演出が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
なお、操作体の操作を促すための画像として表示される、操作体に対応する操作体対応画像(例えば、プッシュボタン31Bの画像)、および、遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目(例えば、複数種類の楽曲に対応する項目)の表示を同じ表示装置(例えば、演出表示装置5、909)で表示する場合には、操作体に対応する操作体対応画像を表示可能な表示手段は、遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目を表示することになり、また、操作体が操作されたことに基づいて実行可能な所定画像による所定演出(例えば、図20に示す作用演出)は、遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目を表示する項目表示手段において実行されることになる。つまり、遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目を表示する項目表示手段は、操作体に対応する操作体対応画像を表示可能な表示手段、あるいは、所定演出において所定画像を表示するとともに操作体に対応する操作体対応画像を表示可能な表示手段に含まれることになる。
さらに、所定演出と動作対応画像の表示態様の変化との対応によって遊技興趣を向上でき、また、選択されていた演出が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる遊技機の形態の一例として、遊技を行なう遊技機(たとえば、パチンコ遊技機901等)であって、遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目を表示する項目表示手段(たとえば、図47に示すように、複数種類の楽曲に対応する項目を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記複数の項目のうちいずれかの項目を選択する選択演出を実行可能な選択演出手段(図47に示すように、選択操作により選択される項目を変更する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記選択演出手段において選択された項目に対応した演出を実行可能な対応演出実行手段(図47に示すように、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力を行なう演出制御用マイクロコンピュータ90200等)とを備え、前記項目表示手段は、前記選択演出において前記複数種類の演出のうちの第1演出が実行されている状態であっても当該第1演出に対応した項目を表示可能であり(たとえば、図47(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である等)、前記対応演出実行手段は、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出とは異なる第2演出に対応する項目が選択された場合には、当該第2演出を実行し(たとえば、図47(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する等)、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出に対応する項目が再度選択された場合には、実行されている前記第1演出の状態を引継いで実行する(たとえば、図47(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aをそのまま流す等)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図21はパチンコ遊技機(弾球遊技機)901を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、この発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、たとえば、画像式の遊技機、コイン遊技機等であってもよい。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。
図21に示すように、パチンコ遊技機901は、額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(たとえば、打球が第1始動入賞口9013に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示(以下、変動表示または変動とも称する)し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部909aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(たとえば、打球が第2始動入賞口9014に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部909bという。)と、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、演出図柄表示部909cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、たとえば、表示領域のサイズが大きいことであったり、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、演出図柄表示部909cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、演出図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909b)に対して1つの演出図柄表示部909cが設けられ、演出図柄表示部909cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(たとえば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。
演出表示装置909の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)908aおよび第2特別図柄表示器908bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、それぞれ、たとえば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器908aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器908aの近傍には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器908bの近傍には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部909aは、第1特別図柄表示器908aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行なう。また、第2可変表示部909bは、第2特別図柄表示器908bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行なう。ここで、この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aによる特別図柄の可変表示と第2特別図柄表示器908bによる特別図柄の可変表示とは同時に可変表示することが可能である。
飾り図柄の可変表示を行なう第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部909aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部909bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
演出表示装置909の表示画面には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部9018cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部9018cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部9018cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部9018cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部9018cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。第1始動口スイッチ9013aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
演出表示装置909の右方には、ゲート9032が設けられている。ゲート9032を通過した遊技球は、ゲートスイッチ9032aによって検出される。また、ゲート9032の下方には、作動ゲート9017が設けられている。作動ゲート9017を通過した遊技球は、作動ゲートスイッチ9017aによって検出される。
ここで、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、作動ゲート9017を遊技球が通過し、作動ゲートスイッチ9017aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。そのため、大当り遊技状態終了後に遊技者が遊技を休憩した場合に、遊技者の休憩中に大当り遊技状態への制御が進行してしまわないように制限することができる。特に、この実施の形態では、後述するように第2特別図柄の変動時間が15分や5分と長いので、第2特別図柄の変動表示が実行されて長時間の変動表示中に遊技者が休憩に入ってしまう場合がある。このような場合であっても、その第2特別図柄の変動表示が大当りとなっても休憩中に大当り遊技が進行してしまうことを制限することができ、遊技者の利益が損なわれる事態を防止することができる。なお、この実施の形態では、ゲート9032とは別に作動ゲート9017を設ける場合を示しているが、ゲート9032と作動ゲート9017とを共通のゲートとして構成するようにしてもよい。また、必ずしも作動ゲート9017を設ける必要はなく、大当り図柄が導出表示されると、そのまま図柄確定表示時間経過後に大当り遊技に移行するように構成してもよい。
作動ゲート9017の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ9023aで検出される。第1カウントスイッチ9023aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(たとえば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置9020の下方には、小当り用の特殊入賞口9024を形成する特殊可変入賞球装置9022と、第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015とが設けられており、図21に示すように、左側に特殊可変入賞球装置9022が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置9015が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口9024や第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置9022は、第2特別図柄表示器908bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口9024を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置9015は、普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口9014を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図21に示すように、可変入賞球装置9015と比較して特殊可変入賞球装置9022の方が若干大きい。また、図21に示すように、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置9020に入賞することなく遊技領域907を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置9015の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置9015の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口9014が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞し、特殊可変入賞球装置9022の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口9014が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置9015の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置9022の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置9022の底面部材が後退移動されて特殊入賞口9024が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口9024に入賞する。さらに、特殊入賞口9024も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置9022の底面部材の上を移動して、そのままアウト口9026の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図21に示すように、特殊可変入賞球装置9022が左側に配置され、可変入賞球装置9015が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置9015の方から特殊可変入賞球装置9022の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置9015の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置9022の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口9024内には、特殊入賞口9024内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ9025a、図25参照)が設けられている。第2カウントスイッチ9025aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(たとえば10個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置9022において開状態となった特殊入賞口9024を遊技球が通過(進入)したときには、大入賞口に遊技球が入賞したときと比較すると賞球の数が少ないものの、たとえば第1始動入賞口9013や第2始動入賞口9014といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置9022が開放制御されて特殊入賞口9024が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置9022が閉鎖制御されて特殊入賞口9024が閉状態となれば、特殊入賞口9024に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口9014内には、第2始動入賞口9014内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ9014aが設けられている。第2始動口スイッチ9014aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、ゲート9032、作動ゲート9017、特別可変入賞球装置9020(大入賞口)、可変入賞球装置9015(第2始動入賞口9014)、および特殊可変入賞球装置9022(特殊入賞口9024)が遊技領域907の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域907の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行なう。従って、この実施の形態では、詳細な説明を省略しているが、大当り遊技中やKT状態中である場合には、たとえば、演出表示装置909において「右打ち」などの表示を行ったり右方向を示す矢印表示を行ったりして、右打ち操作期間中であることを報知するように構成することが望ましい。
演出表示装置909の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器9010は、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器9010は、7セグメントLEDなどにかぎらず、たとえば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(たとえば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置9015の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤906の遊技領域907の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ9025が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028bおよび右枠ランプ9028cが設けられている。また、左枠ランプ9028bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ9051が設けられ、右枠ランプ9028cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ9052が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル905を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1可変表示部909aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部909bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(たとえば29秒)が経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置9020が開放される。特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置9020の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。この実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、たとえば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば6ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、たとえば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、たとえば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置9022が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:たとえば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、この実施の形態における遊技状態について説明する。まず、この実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置9022が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(たとえば、100変動するごとに1球程度)。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞しやすい。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置9015が開状態となる確率は通常状態と同じなのであるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短いため、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。また、第2特別図柄の変動が大当りとならなかったときの一部で小当りとなるよう構成されているため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行なわせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
次に、この実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、この実施の形態では、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技者は遊技領域907の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行なう。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口9013への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。通常状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。たとえば、6R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、たとえば、6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、たとえば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御される場合に一律に100回の変動表示を終了すると第1KT状態を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、低確率/第1KT状態の契機となる大当りの種別を複数設けるように構成し、その大当り種別に応じて大当り遊技終了後に第1KT状態が継続する変動表示の回数が異なる(たとえば、20回や、30回、50回、100回)ように構成してもよい。
KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域907の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行なう。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口9014への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。KT状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。たとえば、2R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、たとえば、2R確変大当りまたは6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、たとえば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
ただし、後述するように、大当り開始前に非KT状態であったにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が実行されて16R確変大当りとなったような場合には、高確率状態に移行するものの、第2KT状態ではなく第1KT状態に移行するように制御する。すなわち、通常状態であるにもかかわらず右打ちされて第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合であり、そのような場合に第2KT状態に移行して小当り遊技において相当数の賞球を得られるようにしてしまうと、KT状態における本来の遊技性が損なわれることから、第1KT状態にしか移行しないようにして、通常状態で右打ちしても小当り遊技による賞球をあまり得られないように構成している。
具体的には、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにし、大当り開始前に非KT状態であった場合には第1KT状態に移行するように構成している。すなわち、非KT状態(低確率/非KT状態)では、左打ち操作を行うように構成されており主として第1特別図柄の変動表示が実行されることを想定して構成されている。ところが、第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合に無条件に第2KT状態に移行されるように構成してしまったのでは、非KT状態でも敢えて右打ち操作を行なって第2KT状態に移行させることが可能となってしまい、本来の遊技性を損ね不必要に射幸性を高めるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにして、そのような事態を防止し、非KT状態では遊技者に左打ち操作を促すようにしている。なお、非KT状態において右打ちをした場合には、警告音を出力することで左打ち操作を促すようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。さらに、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器908aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(たとえば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(たとえば「7」)が停止表示される。
また、演出図柄表示部909cでは、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。たとえば、演出図柄表示部909cにおける3つの表示領域において演出図柄が可変表示される。リーチ演出を行なう場合には、たとえば、可変表示中に左右の演出図柄が停止表示される。そして、基本的に第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、演出図柄表示部909cにおいて演出図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において演出図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、演出図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような演出図柄(たとえば、左中右が揃った状態の3つの演出図柄)になる。以下、そのような演出図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。たとえば、演出図柄表示部909cにおける3つの表示領域において演出図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、演出図柄の可変表示は終了し、演出図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、演出図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの演出図柄のうち停止した演出図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない演出図柄については可変表示(変動表示)が行なわれていること、および全てまたは一部の演出図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、演出図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(たとえば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、演出図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれる。その演出と演出図柄表示部909cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、演出図柄とは異なるもの)を表示させたり、演出図柄表示部909cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図22〜図24は、特殊可変入賞球装置9022を示す図である。以下では、図22〜図24を参照して特殊可変入賞球装置9022について説明する。なお、この実施の形態については、図22〜図24を用いて特殊可変入賞球装置9022の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置9022よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置9015の構造も特殊可変入賞球装置9022の構造と同様である。
図22〜図24に示すように、特殊可変入賞球装置9022は、左右方向に長い矩形板状のベース板部90101を備えている。特殊可変入賞球装置9022は、このベース板部90101が遊技領域907にたとえば螺子などで固定されることで、遊技領域907に固定支持される。ベース板部90101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口9024(可変入賞球装置9015の場合は第2始動入賞口9014)が形成されるとともに、ベース板部90101における特殊入賞口9024よりも上方の位置には、底面部材9023が後退移動した際に、底面部材9023を遊技領域907の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔90102が形成されている。なお、この実施形態において特殊入賞口9024は詳しくは、ベース板部90101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材9023は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔90102は、底面部材9023の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材9023は、図23に示す前進移動された状態と、図24に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部90101の背面側(後方)には、底面部材9023を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図22〜図24に戻り、ベース板部90101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部90112が形成されており、この流路形成台部90112の上部には、前進移動した状態の底面部材9023の上方側端部(右端部)である上流領域9023Uと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部90113と、底面部材9023の下方側端部(左端部)である下流領域9023Lと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部90114とが形成されている。
また、流路形成台部90112の上部には、上流側流路部90113および下流側流路部90114の底面部材9023側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口9024を左右および下方から囲うようにして、底面部材9023の下方に落下した遊技球を特殊入賞口9024に案内する案内流路部90115が形成されている。
上流側流路部90113および下流側流路部90114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部90115の底部は、特殊入賞口9024側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口9024の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部90115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口9024側(遊技領域907の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部90116が配設されている。
またさらに、流路形成台部90112の前部(遊技者側)には、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆う被覆部90117が一体に形成されている。この被覆部90117は、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠902側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、この実施形態では、被覆部90117が流路形成台部90112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置9022では、ベース板部90101と被覆部90117との間において、上流側流路部90113、底面部材9023、および下流側流路部90114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、この実施形態では、ベース板部90101および被覆部90117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片90118が形成されている。
この実施形態において、規制片90118は、ベース板部90101および被覆部90117に一体形成され、ベース板部90101から前方に突出する、または被覆部90117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片90118がない場合よりも遅延させる。これら規制片90118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部90101および被覆部90117に交互に形成されている。また、規制片90118は、底面部材9023の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、この実施形態では、被覆部90117のうちの上流側流路部90113を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されるとともに、被覆部90117のうちの下流側流路部90114を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されている。また、ベース板部90101および被覆部90117のうちの底面部材9023を覆う部位には、ベース板部90101および被覆部90117に交互に形成された規制片90118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片90118の数は、特段限定されるものではない。また、この実施形態では、規制片90118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部90117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片90118の配置により、図23を参照し、この実施形態の特殊可変入賞球装置9022(および同様に構成された可変入賞球装置9015)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)を基本的に通過する。一方で、図24を参照し、底面部材9023が後退移動した特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部90112の案内流路部90115に落下することが可能となり、この案内流路部90115を流下して、特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞することが可能となる。
図25は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図25には、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載され、特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021、特殊可変入賞球装置9022を開閉するソレノイド90106、および可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド90206を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ90560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板9031に搭載されている。なお、主基板9031には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板9077を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bと、演出図柄を可変表示する演出図柄表示部909cと、図柄保留記憶表示部9018cとの表示制御を行なう。
図26は、中継基板9077、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図26に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板9077を介して入力される主基板9031からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ90202および入力ポート90203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90209に、演出表示装置909の表示制御を行なわせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板9080において、まず、入力ドライバ90202に入力する。入力ドライバ90202は、中継基板9077から入力された信号を演出制御基板9080の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080の内部から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板9077には、主基板9031から入力された信号を演出制御基板9080に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路9074が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図26には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート90571を介して主基板9031から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板9077から主基板9031の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板9077からの信号は主基板9031の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ90560側)に入り込まない。なお、出力ポート90571は、図25に示されたI/Oポート部9057の一部である。また、出力ポート90571の外側(中継基板9077側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU90201は、入出力ポート90205を介してランプドライバ基板9035に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90201は、入出力ポート90204を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ90351を介してランプドライバ90352に入力される。ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028b、右枠ランプ9028cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ9025に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022内に特殊入賞口ランプ9024aが設けられており、ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ9024aに供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入出力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU90201とランプドライバ基板9035および音声出力基板9070との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU90201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置909に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU90201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP90209に出力する。VDP90209は、演出制御用CPU90201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置909の表示制御を行なうVDP90209が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90209は、演出制御用マイクロコンピュータ90200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90209は、VRAM内の画像データを演出表示装置909に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(たとえば、図26に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など)を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070やランプドライバ基板9035にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(たとえば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図27は、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行なう(ステップS904)。なお、割込モード2は、CPU9056が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU9056は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU9056は、通常の初期化処理を実行する(ステップS9010〜ステップS9015)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(ステップS907)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU9056は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(ステップS908)。ステップS908では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9091)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9092)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9091およびS9092の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9093)、その内容に従って演出制御基板9080に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS9094)。そして、ステップS9015に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行なう(ステップS9010)。なお、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、たとえば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9013)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS9014)。初期化コマンドとして、演出表示装置909に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS9015において、CPU9056は、所定時間(たとえば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS9010〜S9015)が完了すると、CPU9056は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS9017)および初期値用乱数更新処理(ステップS9018)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS9016)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS9019)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図28に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS9020)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU9056は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:ステップS9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bの表示制御を行なう表示制御処理を実行する(ステップS9022)。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bについては、ステップS9032で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:ステップS9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS9024,S9025)。
図29は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1´:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り、小当り判定用)
(2)ランダム2´:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5´:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6´:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7´:ランダム1´の初期値を決定する(ランダム1´初期値決定用)
(6)ランダム8´:ランダム6´の初期値を決定する(ランダム6´初期値決定用)
図28に示された遊技制御処理におけるステップS9023では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、(1)の大当り、小当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2´)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS9026A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器908aや特別可変入賞球装置9020を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS9026B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器908bや特別可変入賞球装置9020、特殊可変入賞球装置9022を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU9056は、普通図柄プロセス処理を行なう(ステップS9026C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器9010や可変入賞球装置9015を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU9056は、保留記憶処理を行なう(ステップS9027a)。保留記憶処理では、CPU9056は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU9056は、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:ステップS9028)。
さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(ステップS9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(ステップS9030)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9031:出力処理)。
また、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行なうための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行なうための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(ステップS9032)。CPU9056は、たとえば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(ステップS9033)。CPU9056は、たとえば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS9034)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9033(ステップS9029を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU9056は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行なう。
図30は、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを示す説明図である。図30(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図30の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図30の右欄に記載されている各数値が設定されている。図30(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1´)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図30(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。なお、図30(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
また、図30(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1´と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルは、第1特別図柄については、判定値が設定されておらず、第2特別図柄にのみ小当り判定値が設定されている。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を小当り判定用乱数(ランダム1´)の値とするのであるが、小当り判定用乱数値が図30(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図30(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、図30(B)の小当り判定テーブルにより小当りに決定される。
図31は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブル90131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル90131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2´)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図31(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、20%の確率で「16R確変大当り」と決定され、45%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図31(B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、30%の確率で「16R確変大当り」と決定され、30%の確率で「6R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第2KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第2KT状態にも移行される)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第2KT状態が継続する。
ただし、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当り開始前に非KT状態であった場合には、「16R確変大当り」となっても第2KT状態ではなく第1KT状態に移行する場合がある。
「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する。
「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する。
なお、大当り種別の種類は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第2特別図柄の変動表示を実行する場合に、16R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当り以外に、3R確変大当り〜7R確変大当りを決定可能に構成してもよく、様々な態様が考えられる。
図32〜図34は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図32〜図34に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図32〜図34に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#A〜#18の25種類とが用いられる。以下、たとえば変動パターン#n(n=01〜07またはA〜18)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図32(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図32(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図32(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図32(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図33(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図33(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#A〜#02のいずれかに決定される。具体的には、はずれと決定する場合には第2変動パターン#Aが決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。小当りと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口9024への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図33(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。
なお、この実施の形態では、図33(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口9024への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図33(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図33(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#B〜#04のいずれかに決定される。
なお、図33(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#03(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置9015の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置9022内の特殊入賞口9024には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口9024に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御して特殊入賞口9024への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜99変動目の変動表示を実行する場合であれば、図33(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜99変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図33(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#C〜#07のいずれかに決定される。また、図33(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#05に決定される場合がある。なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定し、第2変動パターン#07にもとづいて変動表示が実行される場合には、演出表示装置909における演出図柄の変動表示において、リーチとなったり滑り演出が実行されるなど図柄煽りの演出が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから100変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図33(F)に示す低確率/第1KT時且つ100変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図33(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#D〜#09のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、たとえば、演出表示装置909において「チャンスタイム中」などの文字表示が表示される。図33(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として小当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行なう終了表示を伴う第2変動パターン#08に決定される。また、図33(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行なう終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#09に決定される。
なお、この実施の形態では、図32に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が1分の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、この実施の形態では、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(本例では、1分)が確保されるように構成されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図34(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図34(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#E〜#12のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図34(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#10)に決定される場合がある。また、図34(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#12が決定される。また、図34(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#11が決定される場合がある。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図34(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図34(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#F〜#15のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜99変動目と同様に、図34(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#13に決定される場合がある。また、図34(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#15が決定される。また、図34(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#14が決定される場合がある。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図34(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図34(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#G〜#18のいずれかに決定される。
なお、図34(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#16に決定される場合がある。また、図34(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#17に決定される場合がある。また、図34(I)に示すように、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、継続演出の後に確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#18が決定される。
なお、この実施の形態では、継続演出やバトル演出を含む変動パターンに決定された場合には、演出表示装置909において演出図柄の変動表示において継続演出やバトル演出が実行されるのであるが、確変大当り(16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り)となる場合にはバトル演出において勝利の態様の演出が実行され、通常大当り(6R通常大当り、2R通常大当り)となる場合にはバトル演出において敗北の態様の演出が実行され、小当りとなる場合にはバトル演出において引き分けの態様の演出が実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、たとえば、大当り遊技中のラウンド数が少ない2R確変大当りとなる場合もバトル演出において敗北の態様の演出が実行されるように構成してもよい。
なお、第2変動パターン#05,#13,#16の短縮変動の変動パターンを決定する場合に、たとえば、保留記憶数に応じて異なる割合で短縮変動の変動パターンを決定するように構成してもよい。たとえば、保留記憶数が多くなるに従って高い割合で短縮変動の変動パターンを決定するようにして、保留記憶の消化を早め稼働率を高めるように構成してもよい。
また、図33および図34に示す例では、第1KT状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、低確率状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図35は、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図35(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示し、図35(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示している。
まず、図35(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図35(1)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図35(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図35(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置9015が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図35(1)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図35(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置9022の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口9024に遊技球が入賞することは極めて稀である(たとえば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図35(1)に示すように、可変入賞球装置9015の開放を終了した後、次の可変入賞球装置9015の開放を行なえるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
次に、図35(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図35(2)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図35(2)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図35(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置9015が0.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図35(2)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置9015の開放時間が0.5秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.0秒(普通図柄の変動時間0.2秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図35(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が進入しやすく特殊入賞口9024に遊技球が入賞しやすい。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置9015を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)によって普通図柄プロセス処理(ステップS9026C参照)が実行されることによって行なわれる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ステップS9026Cの普通図柄プロセス処理において、普図当りとするか否かを決定する処理も実行するのであるが、遊技状態に関係なく同じ確率(たとえば、10%)により普図当りとするか否かを決定する。具体的には、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、たとえば、可変入賞球装置9015を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口9024への入賞を抑制することができる。
また、たとえば、可変入賞球装置9015の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図35(1)に示すような可変入賞球装置9015を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図35(2)に示す可変入賞球装置9015を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置9015の開放時間を短くしてもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行なうときに、可変入賞球装置9015がロング開放していることに対する違和感を防止することができる。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置9015をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置9015の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置9015に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行なわれてしまうことを防止することができる。
図36および図37は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図36に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8022(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8022(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)は、主基板9031に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ90560から上述した演出制御コマンドを受信すると図36および図37に示された内容に応じて第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示状態や演出図柄表示部909cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。なお、図36および図37に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板9031から演出制御基板9080に送信される。たとえば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(たとえば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板9031から演出制御基板9080に送信される。
図38は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS9026A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aおよび特別可変入賞球装置9020を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤906に設けられている第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口9013に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS90311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90312)。その後、CPU9056は、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
ステップS90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS90300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS90301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS90303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS90304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1大入賞口開放前処理(ステップS90305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS90306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行なう。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS90307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図39は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS9026B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器908b、特別可変入賞球装置9020、および特殊可変入賞球装置9022を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤906に設けられている第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口9014に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS90321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90322)。なお、図39に示した第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」と読み替えれば、第2始動口スイッチ通過処理が説明されることになる。その後、CPU9056は、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90350〜S90360のうちのいずれかの処理を行なう。
ステップS90350〜S90360の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS90350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。一方、大当りとしない場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS90351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS90353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90354に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS90354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90358に対応した値(この例では8)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(強制はずれとした場合)には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2大入賞口開放前処理(ステップS90355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90356に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS90356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行なう。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90357に対応した値(この例では7)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS90357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90350に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS90358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置9022を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、特殊入賞口9024に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド90106を駆動して特殊可変入賞球装置9022を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90359に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS90359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。特殊可変入賞球装置9022の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022の開放時間0.8秒(図35参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ9025aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行なう。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS90360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図40は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701A)。その後、演出制御用CPU90201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702A)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90201は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS90704)。次いで、演出制御用CPU90201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部909aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部909bの表示制御を実行する。さらに、演出図柄表示部909cの表示状態の制御を行う演出図柄プロセス処理を実行する(ステップS90706)。また、図柄保留記憶表示部9018cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS90707)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90708)。その後、ステップS90702Aに移行する。
図41は、図40に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90201は、S90700の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90810のうちいずれかの処理を行なう。各処理においては以下のような処理を実行する。
先読み処理(S90700):遊技制御用マイクロコンピュータ90560が有する保留記憶情報に対応する保留記憶情報(保留情報)を記憶し、当該保留記憶情報を先読み演出のために使用可能とする処理である。先読み演出とは、ある保留記憶情報に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留記憶情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留記憶情報が小当りまたは大当りとなることを示すときに、保留連報知演出と呼ばれる予告演出(図42参照)が先読み演出として実行可能である。以下では、先読み演出の対象とした保留記憶情報を「ターゲットの保留記憶情報」と称する。また、先読み処理の後には、大当り関連処理(S90701)、ラッシュ時処理(S90702)が実行されるが、詳細は後述する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800):遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S90801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S90801):特別図柄の変動表示に対応する演出である変動時演出が開始されるように制御する。受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、実行する演出時間を計時する演出時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S90802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S90802):演出パターンを構成する各状態の切替えタイミング等を制御するとともに、演出時間タイマにより計時される演出時間が終了したか否かを監視する。そして、演出時間が終了したか、または、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、変動時演出を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出停止処理(S90803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S90803):変動時演出を停止し、特別図柄の変動表示結果(停止図柄)に対応した演出結果を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S90804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S90804):大当りが発生したときに、演出表示装置909に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S90805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S90805):大当りのラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S90806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S90807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S90806):大当りのラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S90805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S90807):演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S90808):小当りが発生したときに、演出表示装置909に小当りの発生を報知するための小当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S90809)に対応した値に更新する。
小当り開放中処理(S90809):小当りにおいて、特殊可変入賞球装置9022の開放中における各種の演出制御を行なう。たとえば、小当り遊技状態において、特殊入賞口9024内の第2カウントスイッチ9025aにより遊技球が検出されたときに各種の演出を実行する。そして、特殊可変入賞球装置9022が閉鎖したら、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S90810)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S90810):演出表示装置909において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置909の表示状態が制御され、特別図柄の変動表示に対応した変動時演出が開始され、特別図柄の変動表示結果に対応した演出結果が表示される。演出制御用CPU90201は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、変動時演出の演出結果を決定する。
[大当り中の演出]
次に、この実施の形態で実行される大当り中の演出について説明する。この実施の形態では、大当り表示結果が導出されたときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。そして、大当り遊技状態中(大当り状態中、大当り中とも称する)には、様々な演出が実行される。
[保留連演出]
たとえば、大当り中の演出として保留連演出がある。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014のような始動入賞領域に遊技球が進入したときに、大当り判定用の乱数値、大当り種別決定用の乱数値、および、変動パターン決定用の乱数値を抽出する。そして、変動表示の実行中でないといった条件や大当り中でないといった条件などの変動表示を開始できる開始条件が、始動入賞時に成立していれば、抽出した乱数値に基づいて変動表示が実行される。
一方、始動入賞領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、始動入賞時に、抽出した乱数値を示す情報をRAM9055に記憶させる。そして、その始動入賞時に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、大当りとするか否かを示す情報および変動パターンを示す情報などを特定可能な先読み結果通知コマンドを送信する。保留記憶は、変動表示の開始条件が成立するたびに、古いものから読出され、読出された保留記憶の情報に基づいて変動表示が実行される。
そのような先読み結果通知コマンドを受信することによって、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、大当りや特定の変動パターン種別となる変動表示が実行されるまでの間に、大当りや特定の変動パターン種別となるか否かを示唆したり予告したりする先読み演出を実行することができる。
このような先読み演出は、先の大当り状態のときから後の大当り状態となる変動表示までの間に実行される場合がある。この実施の形態においては、先の大当り状態のときに実行される先読み演出を保留連演出という。大当り状態のときに次に大当り状態とすることが決定されている保留記憶がある場合(いわゆる保留連する場合)に次の大当り状態までの間に、成功パターンの保留連演出が実行される。また、失敗パターンの保留連演出が実行されることもある。そして、成功パターンの保留連演出では、その後に通常の大当りでは見ることのできないプレミアム映像が流れる。
また、大当り状態から次の大当り状態と決定されている保留記憶の間に小当り状態となる保留記憶が記憶されていることもある。このような、保留連演出や、保留連演出中に小当り状態に制御される保留記憶がある場合について図42を用いて説明する。
図42は、大当り中に実行される演出を示す演出図面である。図42(a)〜(f)の順に大当り中の演出が行なわれる。図42(a)は、大当り開始時の演出表示装置909の画面を示している。遊技状態が大当り状態へと切替わり1ラウンド目のラウンド遊技が開始されると、大当り中の映像に画像が切替わる。演出表示装置909の画面の右上には、現在のラウンド数を示す画像が表示され、画面の右下には、いずれの演出図柄で大当りが開始されたのかを示す数字図柄が示される。また、画面の左上には、大当り中の入賞により獲得した獲得出玉が合計獲得画像90194により示される。図42(a)示すように、大当りの開始時には、獲得数が0個であることが示す「0GET」の合計獲得画像90194が表示される。
図42(a)の状態からラウンドが進み、5Rとなったときに、保留連の演出が実行される。保留連演出に成功すると、図42(b)に示すような保留連演出を示す「連チャン」の文字からなる保留連画像90195が表示される。また、大当りの映像が通常の大当り映像から保留連の際にしか見ることのできないプレミアム映像へと切替わる。このとき、獲得数が450個であることを示す「450GET」の合計獲得画像90194が表示される。その後、1つ目の大当り終了のラウンドである16ラウンドのときに図42(c)の画面が表示される。図42(c)に示すように、プレミアム映像が流れ、獲得数が1550個であることを示す「1550GET」の合計獲得画像90194が表示される。
1つ目の大当りから2つ目の大当りの間の保留記憶の中に、小当りに関する情報が記憶されているときには、図42(d)に示すような画面が表示される。図42(d)では、1回の小当り当選で特殊可変入賞球装置9022の特殊入賞口9024に遊技球が入賞することにより100個の遊技球を獲得したことを示す「+100」の文字で表示される第1獲得画像90196が表示される。第1獲得画像90196は、画面中央において虹色の背景とともに表示される。このような、大当り間の小当りによる演出を獲得報知演出とも称する。また、画面の右下には、小当り当選を示す図柄である「123」の数字がバラケ目で表示される。また、画面の右上にはこの一回の小当り当選が1ラウンドとして計数されることを示す「17R」の文字が表示される。また、画面の左上には、1つ目の大当りで獲得した遊技球との合計の獲得数を示す「1600GET」の合計獲得画像90194が表示される。そして、図42(d)では、図42(c)から継続して一連のプレミアム映像が流れる。
次に、小当り状態が終了した後に2つ目の大当りが始まったときの様子を図42(e)により説明する。2つ目の大当りの開始時には、画面の右上に、1つ目の大当りのラウンド数と小当りを1ラウンドとして計数した後、次の大当りの1ラウンドが始まったことを合計した「18R」の文字が表示される。また、画面の右下には、今回の大当り図柄を示す「7」の図柄が表示される。また、画面の左上には、遊技球の合計の獲得数を示す「1750GET」の合計獲得画像90194が表示される。このときも、一連のプレミアム映像が継続して流される。
2つ目の大当りの終了時には、図42(f)のような画面となる。画面の右上には、1つ目の大当りのラウンド数と小当りを1ラウンドとして計数した後、次の大当りのラウンド数とを合計した「33R」の文字が表示される。また、画面の右下には、今回の大当り図柄を示す「7」の図柄が表示される。また、画面の左上には、遊技球の合計の獲得数を示す「3200GET」の合計獲得画像90194が表示される。このときも、一連のプレミアム映像が継続して流される。
図42に示すように、大当り状態から次回の大当り状態までの間に一連の映像として保留演出によるプレミアム映像が流れる。このような、プレミア映像は、大当り状態から次回の大当り状態が開始されるまでの特定の期間に小当り状態に制御されるときにも流れる。このようにすれば、映像による演出が一連であるので、遊技状態が変化しても大当りが継続している印象を与えることができる。よって、大当り状態から次回の大当り状態までの期間に大当り状態とは異なる小当り状態に制御されることが決定されている保留記憶がある場合に、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、1つ目の大当りの終了後には、次の大当りまでにはずれ変動が含まれることもあるが、この場合であってもプレミアム映像が継続して流れる。
[ラッシュ中の演出]
次にラッシュ中の演出について説明する。この実施の形態では、大当り遊技状態の終了後、高確率/第1KT状態あるいは高確率/第2KT状態となれば、ラッシュ状態に突入する。ラッシュ状態において、高確率/第1KT状態では小当りによる出玉の獲得が望めない。それに対し、高確率/第2KT状態のラッシュ状態であれば、小当りが発生しやすく、発生した小当りにより特殊入賞口9024に遊技球が入賞したことにもとづく賞球が随時加算される。よって、確率/第2KT状態のラッシュ状態中は、他の遊技状態と比べ出玉の増えやすい遊技状態である。
図43は、ラッシュ中に実行される演出を示す演出図面である。大当り遊技状態の終了後にラッシュ状態となったときには、図43(a)に示すような、ラッシュ中の画面となる。図43(a)に示すように、演出表示装置909の画面の中央には、左,中,右の図柄表示エリア9091,9092,9093において、現在変動表示が実行されていることが下向きの矢印により示される。また、画面の右上には、大当りで獲得した獲得出玉とラッシュ中の出玉との合計数を示す合計獲得画像90194が表示されている。また、画面の右側には、現在ラッシュ状態中であることを示す「RUSH」の文字が表示される。また、画面の左下には、発生した保留記憶情報を表示する保留表示Hが保留記憶情報の数に対応して表示される。
図43(a)の状態から、現在の変動が小当り表示結果となる変動であった場合には、図43(b)のように、表示結果として小当り状態に制御されることを示す「222」の偶数図柄の組合せが表示される。なお、図43(b)の白抜きの偶数図柄は、青色である。また、画面の右下には、小当り中に獲得した出玉が「+100」の文字の第2獲得画像90197として表示される。
図43(b)に示すように、ラッシュ状態において小当り状態となったときに、特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞したことを報知する第2獲得画像90197が表示される。このようにすれば、遊技球を獲得したことが明確に報知されるので、小当り状態に制御されたことが分かり易く、また、演出に勢いを付けることができる。よって、小当り状態に制御されたときの興趣を向上することができる。
また、図43(a)の状態から、現在の変動が小当り表示結果となる変動であった場合であり、かつ、保留記憶内に小当り状態に制御される保留記憶があるときは、図43(c)のような表示画面となる。図43(c)では、表示結果として小当り状態に制御されることを示す「222」の偶数図柄の組合せが表示される。ここまでは、図43(b)と同じである。しかし、画面の右下には、小当り中に獲得した出玉が「GET」の文字の第3獲得画像90198として表示される。
図43(b),(c)に示すように、小当り状態中において、保留内に小当り状態に制御されると判定された保留記憶がない場合の第2獲得画像90197と、保留内に小当り状態に制御されると判定された保留記憶がある場合の第3獲得画像90198とは、異なる態様で表示される。このようにすれば、小当り状態に制御されると判定された保留記憶がある場合(保留情報が記憶されている場合)に、遊技者に特別感を与えることができる。よって、今後の遊技状態に期待を持たせることができる。
また、図42(d),図43(b),(c)に示すように、大当り状態から次回の大当り状態までの期間に小当り状態に制御されるときの第1獲得画像90196と、それ以外の期間での第2獲得画像90197や第3獲得画像90198とで獲得画像の表示態様を異ならせて表示している。このようにすれば、これらの状態の中で最も遊技球を獲得できる保留連演出中の小当り状態による第1獲得画像90196は、他の状態のときの獲得画像より、画面の中央で大きく、また虹色で表示される。これにより、大当り間の小当り状態に制御されるときに特別感を与えることができる。
次に、図43(a)の状態から、確変大当りとなったとき(高確率/第1KT状態または高確率/第2KT状態)には、図43(d)に示すような画面となる。図43(d)に示すように、表示結果として確変大当り状態に制御されることを示す「777」の奇数図柄の組合せが表示される。なお、図43(d)の塗りつぶしの奇数図柄は、赤色である。その後、図43(e)に示すように、確変大当りが開始され、確変大当りに対応する映像が流される。なお、小当りによる出玉獲得が望めない高確率/第1KT状態と小当りによる出玉獲得が望める高確率/第2KT状態とでは、確変大当り図柄を異ならせてもよい。たとえば、高確率/第1KT状態となるときには、「333」の奇数図柄で表示し、高確率/第2KT状態となるときには、「777」で表示することで特別感を出すことができる。また、「3」図柄と「7」図柄とで数字の色を異ならせてもよい。
また、図43(a)の状態から、通常大当りとなったとき(低確率/第1KT状態)には、図43(f)に示すように、ラッシュ状態の終了を示す「END」の図柄が表示される。そして、図43(g)に示すように、通常大当りが開始され、通常大当りに対応する映像が流される。また、通常大当り終了後に、100回の低確率/第1KT状態の変動が終了すると、非KT状態に制御される。
図43に示すように、表示結果には、図43(b)に示す青図柄の組合せから構成される小当り表示結果と、図43(d)に示す赤図柄の組合せから構成される確変大当り表示結果とが含まれる。そして、小当り表示結果が導出表示されたときには小当り状態に制御され、確変大当り表示結果が導出表示されたときには大当り状態に制御される。このように、小当り表示結果であるか大当り表示結果であるかにより表示結果を異ならせることで、制御される遊技状態を分かり易く示すことができる。
また、一連のプレミアム映像が流れていないラッシュ状態中において小当り状態に制御されるときには、図43(b)に示す青図柄の組合せから構成される小当り表示結果を導出表示し、図42(d)に示す一連のプレミアム映像が流れた後のラッシュ状態中に小当り状態に制御されるときは、画面の右下でバラケ目を表示するように制御する。このようにすれば、プレミアム映像の対象が小当り状態に制御されることだと勘違いさせてしまい、遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
なお、図43(g)において、通常大当りに対応する映像の途中でラッシュ状態が継続するチャレンジ演出を実行してもよい。チャレンジ演出とは、通常大当りと見せかけて実はラッシュ状態が継続する確変大当りであったことを示す演出である。具体的には、ラッシュ状態の終了を示す「END」の図柄を出した後に、プッシュボタンを押させる演出をし、プッシュボタン操作により画面上の壁が開けばチャレンジ成功でラッシュ状態が継続し、プッシュボタンを操作しても画面上の壁が開かなければチャレンジ失敗でラッシュ状態の終了が確定するような演出である。
[大当り関連処理]
次に、大当り中に実行される大当り関連処理について説明する。図44は、大当り関連処理を示すフローチャートである。大当り関連処理は、演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。大当り関連処理において、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において図42に示すような演出の設定に関連する処理を実行する。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
大当り関連処理では、まず、演出制御用CPU90201は、大当りの開始時であるか否かを判定する(S90500)。演出制御用CPU90201は、大当りの開始時であると判定した場合には(S90500でY)、保留記憶バッファ内を確認し(S90501)、S90502へ移行する。一方、演出制御用CPU90201は、大当りの開始時でないと判定した場合には(S90500でN)、処理を終了する。
S90502では、大当りの保留記憶があるか否かを判定する。演出制御用CPU90201は、大当りの保留記憶があると判定した場合には(S90502でY)、保留連演出の実行の有無を決定し、保留連演出を実行する場合には成功パターンに設定し(S90503)、S90504へ移行する。
S90504では、演出制御用CPU90201は、次回の大当りまでに小当りの保留記憶があるか否かを判定する。演出制御用CPU90201は、次回の大当りまでに小当りの保留記憶があると判定した場合には(S90504でY)、大当り間小当り時の図柄と獲得報知演出を設定し(S90505)、一連の大当り映像を流すように設定する(S90506)。次いで、演出制御用CPU90201は、その他の演出を設定し(S90507)、処理を終了する。
S90504において、演出制御用CPU90201は、次回の大当りまでに小当りの保留記憶がないと判定した場合には(S90504でN)、S90505の処理を行なわずに、一連の大当り映像を流すように設定する(S90506)。次いで、演出制御用CPU90201は、その他の演出を設定し(S90507)、処理を終了する。ここで、S90506においては、大当り間に小当りがある場合には、図42に示すようなプレミアム映像に加え、小当りの獲得報知演出に関する画像を表示する設定をする。
S90502において、演出制御用CPU90201は、大当りの保留記憶がないと判定した場合には(S90502でN)、保留連演出の実行の有無を決定し、保留連演出を実行する場合には失敗パターンに設定する(S90508)。次いで、演出制御用CPU90201は、大当り終了によりプレミアム映像ではない通常の大当り映像が終了するように設定する(S90509)。そして、その他の演出を設定し(S90507)、処理を終了する。
なお、保留連演出として成功パターンと失敗パターンを設けるのではなく、S90502において大当りの保留記憶がある場合にのみ保留連演出が実行されるようにしてもよい。また、保留連演出は、大当りの開始時からプレミアム映像が流れるものでもよく、ラウンドの途中で成功や失敗の演出を実行しなくてもよい。
また、S90505においては、大当り間小当り時の図柄と獲得報知演出を設定する場合には、獲得報知演出を実行するためのフラグを立てておくようにしてもよい。そして、小当り変動の開始時に当該フラグの有無を確認し、獲得報知演出を実行するようにしてもよい。
[ラッシュ時処理]
図45は、ラッシュ時処理を示すフローチャートである。ラッシュ時処理は、演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。ラッシュ時処理では、ラッシュ時である場合に、実行される変動表示の結果に応じて、大当り図柄や獲得報知演出を決定する。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
ラッシュ時処理では、まず、演出制御用CPU90201は、現在の遊技状態がラッシュ中であるか否かを判定する(S90520)。演出制御用CPU90201は、現在の遊技状態がラッシュ中であると判定した場合には(S90520でY)、S90521へ移行する。一方、演出制御用CPU90201は、現在の遊技状態がラッシュ中でないと判定した場合には(S90520でN)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。
S90521では、演出制御用CPU90201は、今回の変動が大当りであるか否かを判定する。演出制御用CPU90201は、今回の変動が大当りでないと判定した場合には(S90521でN)、今回の変動が小当りであるか否かを判定し(S90522)、小当りである場合には(S90522でY)、S90523の処理へ移行する。S90522において、演出制御用CPU90201は、今回の変動が小当りでないと判定した場合には(S90522でN)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。S90523おいて、演出制御用CPU90201は、保留記憶内に小当りの保留記憶があるか否かを判定する(S90523)。そして、演出制御用CPU90201は、保留記憶内に小当りの保留記憶があると判定した場合には(S90523でY)、小当り保留あり時の獲得報知演出を設定し(S90529)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、保留記憶内に小当りの保留記憶がないと判定した場合には(S90523でN)、小当り保留なし時の獲得報知演出を設定し(S90524)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。
S90521において、演出制御用CPU90201は、今回の変動が大当りであると判定した場合には(S90521でY)、確変大当りであるか否かを判定する(S90526)。演出制御用CPU90201は、確変大当りであると判定した場合には(S90526でY)、確変大当り時の図柄を設定し(S90527)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、確変大当りでないと判定した場合には(S90526でN)、通常大当り時の図柄を設定し(S90528)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。このような、ラッシュ時処理で設定された演出内容によって、図43に示すようなラッシュ時の演出が決定される。
[大当り中演出の変形例]
図46は、変形例における大当り中の処理を示すタイミングチャートである。上記の実施形態においては、可変入賞球装置9015と特殊可変入賞球装置9022とが、併設して配置されている例を説明した。しかし、特殊可変入賞球装置9022を設けず、1つの可変入賞球装置9015により、上記した各種の処理を実行してもよい。
たとえば、1つの可変入賞球装置9015であるいわゆるアタッカーを用いる場合には、このようなアタッカーが第1の大当り区間において1R〜16Rまで開閉を繰返す。そして、大当り終了後の変動区間が終了した後、小当り状態に制御されることで、アタッカーが短開放の開閉を5回繰返す小当り区間に移行する。当該小当り区間は、演出表示装置909の画面上では、17Rとして示される。そして、小当り区間終了後の変動区間が終了した後、再度大当り状態に制御されることで、アタッカーが第2の大当り区間において1R〜16Rまで開閉を繰返す。当該第2の大当り区間は、演出表示装置909の画面上では、18R〜33Rとして表示される。このような、第1の大当り区間から小当り区間を含む第2の大当り区間の終了までは、一連の大当りの映像が流される。なお、図42に示したように、大当りの映像は、保留連演出を契機にプレミアム映像が流れるようにしてもよいし、第1大当りの開始時からプレミアム映像が流れるようにしてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態における大当り演出中の処理について説明する。第2実施形態においては、大当り中に楽曲を選択できる場合について説明する。第2実施形態においては、大当り中に遊技者の操作に基づいて複数の楽曲からいずれかの楽曲を選択する選択演出を実行する。第2実施形態においては、パチンコ遊技機901に、操作手段としてスティックコントローラやプッシュボタンが設けられているとする(図示省略)。たとえば、スティックコントローラは、余剰球受皿904を形成する部材の所定位置に取付けられ、プッシュボタンは、打球供給皿903を形成する部材の上面等に取付けられるようにすればよい。これらの操作手段が操作されたときには、内部に設けられたセンサにより遊技者の動作が検出され、当該検出信号が演出制御基板9080に送信され、操作に基づいた演出が実行される。なお、選択演出としては、大当り中に複数種類の映像からいずれかの映像を選択できるようにしてもよいし、複数種類のモードからいずれかのモードが選択できるようにしてもよい。
図47は、大当り中に実行される演出を示す演出図面である。図47により、大当り中の演出について説明する。図47(a)に示すように、大当り開始時には、楽曲選択画面が表示される。この大当り開始時の楽曲選択画面は、遊技者の操作に関わらず表示される。演出表示装置909の表示画面における左側の領域には、A〜Dの楽曲に対応する項目が表示される。Aの楽曲に対応する第1選択画像90170、Bの楽曲に対応する第2選択画像90171、Cの楽曲に対応する第3選択画像90172、Dの楽曲に対応する第4選択画像90173が上から順に並んで表示される。また、第1選択画像90170の周囲には、当該画像に対応する項目が選択されていることが縁取りした表示により示されている。
第1選択画像90170〜第4選択画像90173の右側には、映像領域90175が表示される。映像領域90175には、A〜Dの楽曲に対応する映像が流れる。大当りの開始時には、第1選択画像90170が選択されている状態で、映像領域90175に楽曲Aに対応する映像が特定部(たとえば、楽曲の聞かせどころであるサビ部分)から流れる。また、大当りの開始時には、最初に選択されている楽曲Aに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。ここで、特定部とは、楽曲の聞かせどころであるサビ部分以外の部分であってもよい。たとえば、その楽曲の盛り上がる部分であるがサビ部分とは異なる楽曲の主要部等であってもよい。なお、楽曲に対応する映像や音は、楽曲の最初から再生されるようにしてもよい。
また、演出表示装置909の画面の下部の左側には、スティックコントローラを模した楽曲選択操作を促す選択操作画像90176が表示される。また、画面の下部の中央には、プッシュボタンを模した楽曲決定操作を促す決定画像90177が表示される。また、画面の下部の右側には、現在の大当りがいずれの図柄による大当りであるのかを示す「7」の画像が表示される。また、画面の上部左側には、現在のラウンド数、画面上部右側には、右側の領域を狙って遊技をすることを促す右打ち指示の画像が表示される。
図47(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されたときの様子を図47(b)を用いて説明する。図47(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されると、第2選択画像90171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域90175に楽曲Bに対応する映像が特定部(サビ部分)から流れとともに、楽曲Bに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。
図47(b)の状態から、楽曲Aに決定された場合を図47(c)により説明する。大当り開始時の楽曲選択において、楽曲Aに決定された場合には、大当り開始時の楽曲決定画面として画面中央に移動した映像領域90175において、楽曲Aに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Aが最初から再生される。決定操作により、選択操作画像90176および決定画像90177の表示は消去される。ここで、大当り開始時の楽曲選択操作は、1ラウンド開始から2ラウンドの終了時までの期間行なうことができる。2ラウンド終了時までに選択操作も決定操作もされなければ、初期設定されている楽曲Aに対応する映像や音が2ラウンド終了時から流れることとなる。また、選択操作のみ実行され、決定操作が実行されていない状態で2ラウンドが終了した場合には、選択操作で選択されている項目に対応する楽曲の映像および音が出力される。
図47(c)の状態から、3ラウンド開始時には図47(d)に示すように、画面中央の映像領域90175に楽曲Aに対応する映像が続けて流されるとともに楽曲Aに対応する音が出力される。また、3ラウンドの開始時には、画面の下部に選択操作画像90176が再び表示される。そして、遊技者がスティックコントローラを操作することにより、図47(e)に示すように、楽曲選択画面が再び表示される。このように、2回目の楽曲選択画面は遊技者の操作に基づいて表示される。なお、1回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、2回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が3ラウンド開始時から最終ラウンド(16ラウンド)までに設定されている。なお、これらの期間はどのように設定されてもよく、選択可能期間が3回以上あってもよく、いずれかのラウンド中は選択操作ができないように設定されていてもよい。
図47(e)の楽曲選択画面では、図47(a)の大当り開始時の楽曲選択画面と比較して、楽曲Aの項目に対応する第1選択画像90170の文字が「A」という楽曲を示す文字から「戻る」の文字へと変更されている。また、現在選択されている「戻る」の第1選択画像90170は縁取りされて表示される。また、図47(d)の状態からは、楽曲Aに対応する映像と音とそのまま続けて流れている。また、決定画像90177が新たに表示されている。このような状態から、スティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されると、図47(f)に示すように、第2選択画像90171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域90175に楽曲Bに対応する映像がサビ部分から流れる。ただし、このような選択操作があった場合であっても楽曲Aの音が引き続き出力される。
図47(f)の状態から、楽曲Aが選択された場合には、図47(g)のようになる。図47(g)では、図47(f)において「戻る」で示す第1選択画像90170に対応する楽曲Aの項目が選択されたため、映像領域90175においてAに対応する映像が続きから再生される。また、楽曲Aの音がそのまま続けて流される。それに対し、図47(f)の状態から、楽曲Bが選択された場合には、図47(h)のようになる。図47(h)では、図47(f)において「B」で示す第2選択画像90171に対応する楽曲Bの項目が選択されたため、映像領域90175においてBに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Bの音が最初から再生される。
図47(a)に示すように、大当りの開始時には、複数種類の楽曲に対応する項目が表示される。そして、遊技者は、図47(b)に示すように、選択操作により選択される項目を変更することができる。また、選択操作により、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力が行なわれる。そして、図47(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である。このような状況において、図47(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aの音がそのまま続けて流される。また、図47(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する。
このようにすれば、楽曲Aに対応する楽曲を流しつつも他の選択項目に何があるか確認することができる。そして、再度楽曲Aに決め直した場合であっても楽曲Aが最初から再生されず途中から継続して流れるので、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる。より具体的には、すでに選択された楽曲が再度選択されることで、その楽曲が最初から再生されてしまうと煩わしく思うことがあり、興趣が低下してしま虞がある。しかし、上記のような処理により、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、その楽曲が最初から再生してしまうことが防げるので、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、図47に示したように、項目を選択する選択演出を大当り状態中に実行可能である。よって、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも大当り状態中における遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、楽曲を選択する楽曲選択演出には、図47(a)に示すように、大当り開始時に遊技者の操作に関わらず実行するラウンド開始時の選択演出と、図47(d)に示すように、3ラウンド開示時に遊技者の操作に基づいて実行される選択演出とが含まれる。このようにすれば、大当り状態中において、選択演出の実行タイミングが複数あるので、1回目の選択演出では楽曲を選ばず2回目の選択演出で楽曲を選択する等の遊技者の好みに応じた選択演出を実行することができる。
また、図47に示すように、ラウンド開始時の1回目の選択演出は1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、3ラウンド開始時の2回目の選択演出は3ラウンド開始時から最終ラウンドまでに設定されている。よって、遊技者の操作に基づいて実行する2回目の選択演出の実行可能な期間を長くすることで、1回目に選択操作ができなかった等の多種態様な遊技者に対応することができる。
また、図47に示すように、楽曲を再生可能であるものにおいて、図47(a),(b)に示すように、ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合に、項目の変更に応じて再生される楽曲が変化する。それに対し、図47(e),(f)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合であっても、再生される楽曲は変化しない。このようにすれば、頻繁に楽曲が切替わらないため、頻繁に楽曲が切替わることにより遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、図47(e)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、現在実行されている楽曲に対応した項目の表示をラウンド開始時の選択演出の「A」の表示と異なる「戻る」で表示する。このようにすれば、現在流れている楽曲がいずれの楽曲なのかを遊技者に分かり易く示すことができる。
なお、上記した選択演出について、保留連演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて保留連演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで保留連演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する1回目の選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、2ラウンド終了時まで遊技者の決定操作が無い場合には、2ラウンドのラウンド終了時のコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200が受付けたタイミングで、保留連演出を実行するようにしてもよい。また、大当り開始時の選択演出ではなく、3ラウンド目開始時の2回目の選択演出において、遊技者が操作したタイミングで保留連演出を実行してもよい。なお、3ラウンド目開始時の選択演出から最終ラウンドまで、遊技者が選択操作を行なわなかった場合には、選択演出の実行可能な期間が終わった後のタイミングにおいて保留連演出を実行してもよい。
また、有利状態としての大当り状態について、第1有利状態としての通常大当りと、当該第1有利状態よりも有利な第2有利状態としての確変大当りを設けるようにしてもよい。そして、通常大当り中に確変大当りへと昇格する確変昇格演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて確変昇格演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで確変昇格演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、確変昇格演出の場合は、大当り開始時に実行タイミングを決定するものでもよい。そして、確変昇格演出の実行タイミングとして、楽曲の選択時、11R〜13Rの固定的な確変昇格演出の煽り演出の結果時、エンディング時(16Rの終了後)の複数のタイミングを持つようにしてもよい。この3パターンの中から所定の乱数抽選により、楽曲の選択時のタイミングに決定された場合に、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において確変昇格演出を実行してもよい。
また、ラウンドの異なる大当りを複数設け、ラウンド数が少ない大当りからラウンド数の多い大当りへと昇格するラウンド昇格演出に適用してもよい。
図48は、大当り時楽曲選択処理を示すフローチャートである。大当り時楽曲選択処理は、演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。大当り時楽曲選択処理では、大当り時である場合に、図47に示した演出についての処理を実行する。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
大当り時楽曲選択処理では、まず、演出制御用CPU90201は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であるか否かを判定する(S90601)。演出制御用CPU90201は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であると判定した場合には(S90601でY)、初期楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S90602)。演出制御用CPU90201は、初期楽曲決定フラグがセットされている場合には(S90602でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90602において、演出制御用CPU90201は、初期楽曲決定フラグがセットされていない場合には(S90602でN)、楽曲変更期間であるか否かを判定し(S90603)、楽曲変更期間であると判定した場合には(S90603でY)、選択操作があるか否かを判定する(S90604)。一方、演出制御用CPU90201は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S90603でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90604において、演出制御用CPU90201は、選択操作があると判定した場合には(S90604でY)、楽曲選択に合わせて楽曲に対応する映像および楽曲をサビから再生する(S90605)。一方、演出制御用CPU90201は、選択操作がないと判定した場合には(S90604でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90605の後のS90606において、演出制御用CPU90201は、決定操作があるか否かを判定する(S90606)。演出制御用CPU90201は、決定操作があると判定した場合には(S90606でY)、決定された楽曲に対応する映像および楽曲を最初から再生する(S90607)。次いで、初期楽曲決定フラグをセットし(S90608)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、決定操作がないと判定した場合には(S90606でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90601において、演出制御用CPU90201は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間でないと判定した場合には、最終楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S90610)。演出制御用CPU90201は、最終楽曲決定フラグがセットされている場合には(S90610でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、最終楽曲決定フラグがセットされていないと判定した場合には(S90610でN)、楽曲変更画面を表示する(S90611)。次いで、画面変更フラグがセットされているか否かを判定する(S90612)。
S90612において、演出制御用CPU90201は、画面変更フラグがセットされていないと判定した場合には(S90612でN)、変更操作があるか否かを判定する(S90613)。演出制御用CPU90201は、変更操作がないと判定した場合には(S90613でN)、初期楽曲に対応する映像と楽曲をそのまま流し(S90616)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、変更操作があると判定した場合には(S90613でY)、画面フラグをセットし(S90614)、初期楽曲を「戻る」にした楽曲選択画面を表示し(S90615)、S90617へ移行する。S90612において、演出制御用CPU90201は、画面変更フラグがセットされていると判定した場合には(S90612でY)、S90613からS90615の処理を行なわずに、S90617へ移行する。
S90617では、演出制御用CPU90201は、楽曲変更期間であるか否かを判定する。演出制御用CPU90201は、楽曲変更期間であると判定した場合には(S90617でY)、選択操作があるか否かを判定する(S90618)。S90617において、演出制御用CPU90201は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S90617でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。演出制御用CPU90201は、選択操作があると判定した場合には(S90618でY)、選択された楽曲に対応する映像をサビから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S90619)。そして、S90620へ移行する。一方、演出制御用CPU90201は、選択操作がないと判定した場合には(S90618でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90620では、演出制御用CPU90201は、決定操作があるか否かを判定する。演出制御用CPU90201は、決定操作があると判定した場合には(S90620でY)、初期楽曲に決定されたか否かを判定する(S90621)。S90620において、演出制御用CPU90201は、決定操作がないと判定した場合には(S90620でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。S90621において、初期楽曲に決定された場合には(S90621でY)、初期楽曲に対応する映像を続きから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S90622)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S90624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、初期楽曲に決定されなかった場合には(S90621でN)、変更した楽曲に対応する映像を最初から再生するとともに変更した楽曲を最初から再生する(S90623)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S90624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
[楽曲選択制御の変形例]
次に、パチンコ遊技機901において、大当り楽曲等の遊技中に再生する楽曲の選択制御の変形例を説明する。この変形例においては、所定のメニュー画面表示時に遊技者の操作(動作)に応じて、遊技時に再生する楽曲を選択可能とする楽曲選択制御処理を説明する。楽曲選択制御処理は、演出制御用CPU90201により実行される。
[メニュー画面の構成]
メニュー画面は、たとえば、客待ちデモ表示(客待ちデモンストレーション表示の略称)時、および、大当遊技状態の開始時等の特定のタイミングにおいて、演出表示装置909で、遊技者により選択可能な各種設定項目を選択肢形式(メニュー形式)の画像で提示する表示画面である。客待ちデモ表示は、遊技が所定期間実行されていない状態(客待ち状態)において、演出表示装置909において、所定の画像を遊技中に表示する画像以外のデモンストレーション表示として表示することをいう。メニュー画面は、メインメニュー画面とサブメニュー画面とを含む。メインメニュー画面は、主な設定項目を一覧形式で表示可能な上層メニュー画像を表示する画面である。サブメニュー画面は、メインメニュー画面で表示された設定項目のうちのいずれかが選択決定されたことに応じて、選択決定された設定項目の詳細事項を表示する画面である。
メニュー画面におけるメインメニュー画面においては、複数種類の設定項目のそれぞれに対応したアイコン画像(以下、アイコンと呼ぶ)が上下方向に並んで表示される。複数種類の設定項目には、遊技時に再生する楽曲を設定するための楽曲選択設定が含まれる。メインメニュー画面において、楽曲選択設定に対応するアイコン画像としては、楽曲に関する情報を特定可能なアイコン画像である楽曲画像が表示される。
メインメニュー画面上では、複数種類の設定項目のうち、1つの選択可能な設定項目に対応するアイコンがハイライト表示(高輝度表示)される選択可能表示がされる。前後方向および左右方向に操作可能なスティックコントローラが前方向に傾倒操作されることに応じて、選択可能表示がされるアイコンが上方向に切替えられ、スティックコントローラが後方向に傾倒操作されることに応じて、選択可能表示がされるアイコンが下方向に切替えられる。プッシュボタンが操作されると、表示画面が、メインメニュー画面から、選択可能表示がされているアイコンに対応する設定項目に対応するサブメニュー画面に切替えられる。
[楽曲選択画面の構成]
図49は、サブメニュー画面として表示される楽曲選択画面を用いて楽曲が選択決定されるときに実行される楽曲選択制御の制御例を示す図である。
図49(A)には、演出表示装置909に表示可能な楽曲選択画面表示例が示される。図49(B)には、楽曲選択画面における楽曲画像の巡回イメージが示される。図49(C)には、楽曲画像のスクロール速度設定データが示される。図49(D)には、楽曲画像のスクロールモード設定データが示される。図49(E)には、楽曲画像のスクロールモード演出パターンデータが示される。
メインメニュー画面上で、遊技者の操作に応じて楽曲選択設定が選択決定されると、演出表示装置909においてサブメニュー画面として図49(A)に示すような楽曲選択画面が表示される。楽曲選択画面においては、図49(B)に示すような複数種類(たとえば、6種類)の楽曲に対応する楽曲画像が、選択可能楽曲画像9096または選択不可能楽曲画像9097により表示可能である。複数種類の楽曲に対応する楽曲画像は、図中の矢印で示される巡回順番に従って、左方向または右方向にスクロール表示可能である。楽曲画像は、楽曲名等の楽曲に関する情報(以下、楽曲情報と呼ぶ)が示されたアイコン形状の画像である。楽曲画像のスクロール表示は、スティックコントローラ9031Aが左方向または右方向に操作されることに対応して、図49(A)において矢印で示すように、左方向または右方向に楽曲画像が移動する態様で実行される。
図49(B)に示すように、楽曲選択画面において表示される楽曲画像には、再生するための選択が可能となっている選択可能楽曲に対応する選択可能楽曲画像9096と、再生するための選択が未だ不可能な選択不可能楽曲に対応する選択不可能楽曲画像9097とが含まれる。選択可能楽曲画像9096と、選択不可能楽曲画像9097とは、次のような条件に基づいて区別して表示される。たとえば、パチンコ遊技機901の電源投入時には、所定の楽曲(たとえば、第1楽曲、第2楽曲)が選択可能楽曲として初期設定され、その他の楽曲(たとえば、第3楽曲〜第6楽曲)が選択不可能楽曲として初期設定される。そして、特定の楽曲追加条件が成立するごとに、選択可能楽曲を追加して増加させる制御が演出制御用CPU90201により実行される。これにより、選択不可能楽曲画像9097は、楽曲追加条件が成立するごとに、選択可能楽曲画像9096に変更可能である。
特定の楽曲追加条件は、たとえば、1日の電源投入時から実行された特別図柄の変動表示回数の積算値(たとえば、演出制御用CPU90201が変動表示回数を計数する)が予め定められた回数(たとえば、100回、200回、300回等)に達するごとに成立する。
図49(A)に示すように、楽曲選択画面においては、選択可能楽曲画像9096と、選択不可能楽曲画像9097とを併せて表示可能である。これにより、楽曲を再生する演出に関する遊技者の興味を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
選択可能楽曲画像9096は、楽曲情報等の画像がカラー画像で示される表示態様のアイコン画像で表示される。一方、選択不可能楽曲画像9097は、楽曲情報等の画像がグレイ画像(灰色等を用いたモノクロ画像)で示される表示態様のアイコン画像で表示される。図49(A)においては、カラー画像の選択可能楽曲画像9096と、グレイ画像の選択不可能楽曲画像9097とを区別するために、選択不可能楽曲画像9097が斜線で示されている。このように、選択可能楽曲画像9096と選択不可能楽曲画像9097とが異なる表示態様で表示されることにより、複数種類の楽曲のうち、いずれの楽曲が選択可能(再生可能)かを視覚的に容易に区別可能である。
図49(A)に示すように、楽曲選択画面の中央部においては、選択対象の楽曲画像が滞留表示(停止表示)可能な領域としての選択領域9098が設けられている。楽曲選択画面では、選択領域9098において、いずれかの選択可能楽曲画像9096が画像の全部を表示する表示態様で滞留表示(停止表示)される。楽曲選択画面では、選択領域9098において、選択不可能楽曲画像9097が滞留表示(停止表示)されない。
[楽曲選択画面でのスクロール表示態様]
スティックコントローラが左方向に1回傾倒操作されると、その操作に応じて、楽曲画像が左方向にスクロール表示される。一方、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作されると、その操作に応じて、楽曲画像が右方向にスクロール表示される。左方向および右方向のどちらの方向へのスクロール表示においても、1回の操作に応じて、選択領域9098において、スクロール表示前に表示されていた選択可能楽曲画像9096が、楽曲画像の巡回順番に従って、スクロール表示後に新たな選択可能楽曲画像9096に変更される。そのようなスクロール表示がされるときに、選択不可能楽曲画像9097は、楽曲画像の巡回順番に従ってスクロール表示されるが、選択領域9098上で一旦表示(一時的に留まるような表示)された後に、移動する表示がされる。
スティックコントローラの操作に応じたスクロール表示は、以下に説明するように、スクロール方向の巡回順番における次の巡回順番の楽曲画像が、選択可能楽曲画像9096であるときと、選択不可能楽曲画像9097であるときとで異なるスクロール表示態様で実行される。
楽曲画像のそのスクロール表示において、操作前に選択領域9098に滞留表示されていた選択可能楽曲画像9096のスクロール表示方向への巡回順番における1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるときは、当該1つ次の巡回順番の選択可能楽曲画像9096が、スクロール表示後に新たに選択領域9098に滞留表示されることにより、選択領域9098に滞留表示される選択可能楽曲画像9096が変更される。
つまり、1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるときは、スクロール表示後に、その選択可能楽曲画像9096が新たに選択領域9098に滞留表示される。具体例として、左方向にスクロール表示をする場合において、スクロール表示前において選択領域9098に滞留表示されていた第1楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であり、図49(B)のように、第1楽曲の次の巡回順番の第2楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるときには、スクロール表示後に、第2楽曲に対応する選択可能楽曲画像9096が新たに選択領域9098に滞留表示される。
一方、そのスクロール表示において、操作前に選択領域9098に滞留表示されていた選択可能楽曲画像9096のスクロール方向への巡回順番における1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択不可能楽曲画像9097であるときは、当該1つ次の巡回順番の選択不可能楽曲画像9097を選択領域9098において一旦表示(一時的に留まるような表示)した後に、遊技者の動作によらず、スクロール表示により、当該次の巡回順番の選択不可能楽曲画像9097の次の順番以降に対応する選択可能楽曲画像9096が、新たに選択領域9098に滞留表示されることにより、選択領域9098に滞留表示される選択可能楽曲画像9096が変更される。
つまり、1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択不可能楽曲画像9097であるときは、スクロール表示後に、その選択不可能楽曲画像9097を含めそれ以降の巡回順番の選択不可能楽曲画像9097が、選択領域9098上で一旦滞留表示されつつ選択領域9098上を通過する表示がされ、それ以降の巡回順番の選択可能楽曲画像9096が、新たに選択領域9098に滞留表示されることにより、選択領域9098に滞留表示される選択可能楽曲画像9096が変更される。具体例として、右方向にスクロール表示をする場合において、スクロール表示前において選択領域9098に滞留表示されている第1楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であり、図49(B)のように、第1楽曲の次の巡回順番の第6楽曲、第5楽曲、および、第4楽曲のそれぞれに対応する楽曲画像が選択不可能楽曲画像9097であり、その次の巡回順番の第3楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるときには、スクロール表示において、第6楽曲、第5楽曲、および、第4楽曲のそれぞれに対応する選択不可能楽曲画像9097が選択領域9098上で一旦表示(一時的に留まるような表示)されつつ選択領域9098上を通過する表示がされ、スクロール表示後に、第3楽曲に対応する選択可能楽曲画像9096が新たに選択領域9098に滞留表示される。
このように、楽曲選択画面においては、遊技者による1回の操作に応じたスクロール表示により、選択領域9098において滞留表示する選択可能楽曲画像9096を、当該次の順番に対応する前記選択可能画像に変更可能である。
図49(A)に示すように、楽曲選択画面における選択領域9098の左右両側の領域においては、選択領域9098で停止表示された選択可能楽曲画像9096の1つ前の巡回順番の楽曲画像と、1つ後の巡回順番の楽曲画像とのそれぞれが画像の一部を表示する表示態様で停止表示される。これにより、選択可能楽曲画像9096は、画像の全部を停止表示する場合と、画像の一部を停止表示する場合とがある。一方、選択不可能楽曲画像9097は、画像の全部を停止表示する場合がなく、画像の一部を停止表示する場合がある。選択不可能楽曲画像9097については、画像の一部を停止表示するため、選択不可能画像があることを認識可能になることにより遊技の興趣を向上させることができる。
[楽曲選択画面でのスクロール表示設定]
楽曲選択画面でのスクロール表示は、図49(C)のスクロール速度設定データ、図49(D)のスクロールモード設定データ、および、図49(E)のスクロールモード演出パターンデータに基づいて、表示パターン(演出パターン)が設定されて実行される。
図49(C)には、楽曲選択画面でのスクロール表示を実行するときに、スクロール速度を設定するときに用いるスクロール速度設定データが示されている。図49(C)に示すように、楽曲選択画面でスクロール表示を実行するときにおいて、スクロール速度は、次のように設定される。
図49(B)の第1楽曲画像と第2楽曲画像との間、および、第2楽曲画像と第3楽曲画像との間のような、選択可能楽曲画像9096と選択可能楽曲画像9096との相互間でのスクロール表示は、第1速度V1がスクロール速度として設定される。図49(B)の第4楽曲画像と第5楽曲画像との間、および、第5楽曲画像と第6楽曲画像との間のような、選択不可能楽曲画像9097と選択不可能楽曲画像9097との相互間でのスクロール表示は、第2速度V2がスクロール速度として設定される。図49(B)の第1楽曲画像と第6楽曲画像との間のような、選択可能楽曲画像9096と選択不可能楽曲画像9097との間でのスクロール表示は、第2速度V2がスクロール速度として設定される。図49(C)に示すように、第2速度V2は、第1速度V1よりも高速度である。
このように、楽曲選択画面でのスクロール表示については、スクロール速度が、選択可能楽曲画像相互間と、選択不可能楽曲画像相互間とで異なる。これにより、スクロール表示を用いた演出の演出パターンが変化に富むようになり、遊技の興趣を向上させることができる。スクロール表示の速度については、選択不可能楽曲画像相互間の第2速度V2の方が、選択可能楽曲画像相互間の第1速度V1よりも高速度である。これにより、選択不可能楽曲画像9097が表示される期間を減少させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図49(D)には、楽曲選択画面でのスクロール表示を実行するときに、スクロールモードを設定するときに用いるスクロールモード設定データが示されている。スクロールモードは、スクロール表示をするときの演出パターンのモードである。スクロールモードには、低速スクロールモードと、高速スクロールモードとがある。
図49(D)に示すように、選択領域9098を基準位置として、スクロールの次巡回順番が選択可能楽曲画像9096である場合は、低速スクロールモードが選択される。たとえば、選択領域9098に選択可能楽曲画像9096である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から左方向にスクロール表示する場合に、次巡回順番が選択可能楽曲画像9096である第2楽曲画像であるときは、低速スクロールモードが選択される。一方、選択領域9098を基準位置として、スクロールの次巡回順番が選択不可能楽曲画像9097である場合は、高速スクロールモードが選択される。たとえば、選択領域9098に選択可能楽曲画像9096である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から右方向にスクロール表示する場合に、次巡回順番が選択不可能楽曲画像9097である第6楽曲画像であるときは、高速スクロールモードが選択される。
図49(E)には、スクロールモード別のスクロール表示の演出パターンデータが示されている。低速スクロールモードでは、第1速度V1で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択可能楽曲画像9096を選択領域9098に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が実行される。たとえば、選択領域9098に選択可能楽曲画像9096である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から左方向にスクロール表示する場合に、低速スクロールモードにより、第1速度V1で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択可能楽曲画像9096である第2楽曲画像を選択領域9098に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が行なわれる。
高速スクロールモードでは、第2速度V2で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択不可能楽曲画像9097を選択領域9098に一旦表示(一時的に留まるような表示)させつつ通過させる飛ばし表示をし、最終的に、次巡回順番の選択不可能画像以降における次の順番の選択可能楽曲画像を選択領域に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が実行される。たとえば、選択領域9098に選択可能楽曲画像9096である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から右方向にスクロール表示する場合に、高速スクロールモードにより、第2速度V2で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択不可能楽曲画像9097である第6楽曲画像、第5楽曲画像、および、第4楽曲画像を選択領域に9098に一旦表示させつつ通過させる飛ばし表示をし、最終的に、選択可能楽曲画像9096である第3楽曲画像を選択領域に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が実行される。選択不可能楽曲画像9097については、選択領域9098において一旦表示されることにより、演出についての遊技者の興味が増すようにすることができる。また、選択不可能楽曲画像9097に対応する楽曲を選択できないにも関わらず表示したままにしないので、当該楽曲を選択できると遊技者が勘違いしにようにすることができる。
図49(A)に示す楽曲画像を表示するためのデータ、図49(B)に示す楽曲画像の巡回順番に関するデータ、図49(C)に示すスクロール速度設定データ、図49(D)に示すスクロールモード設定データ、および、図49(E)に示すスクロールモード演出パターンデータのそれぞれは、演出制御用のROMに記憶されており、楽曲選択画面においてスクロール表示が実行されるときに、スクロール表示の各種設定等に用いられる。
[楽曲選択処理]
図50は、演出制御用CPU90201により実行される楽曲選択処理の一例を示すフローチャートである。以下に説明する楽曲選択処理を実行することで、客待ちデモ表示(デモンストレーション表示の略称)時、および、大当り遊技状態の開始時等の特定のタイミングにおいて、遊技者の操作により、再生する楽曲が選択可能である。これにより、遊技中に再生する楽曲を遊技者の意思(好み)に応じて選択決定することができる。
客待ちデモ表示時に楽曲選択処理を実行する場合は、選択決定された楽曲が、演出図柄の変動表示中に再生される。大当り遊技状態の開始時に楽曲選択処理を実行する場合は、選択決定された楽曲が、たとえば、大当り遊技状態中に再生される。以下においては、大当り遊技状態の開始時に楽曲選択処理を実行する例を説明する。
前述したように、メインメニュー画面において、楽曲選択設定の項目(図示せず)が選択決定されてサブメニュー画面として、図49(A)に示す楽曲選択画面が表示された状態において、遊技者によるスティックコントローラの操作およびプッシュボタンの操作に応じて、遊技中に再生する楽曲の選択決定が可能となる。
具体的に、楽曲選択画面が表示された状態においては、遊技者がスティックコントローラを左方向または右方向に傾倒操作することに基づいて、表示される楽曲画像が左方向または右方向にスクロール表示されることにより、選択領域9098に滞留表示される楽曲画像を切替える選択切替操作が可能である。また、プッシュボタンを押圧操作することに応じて、遊技中に再生する楽曲を選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像に対応する楽曲に決定する決定操作が可能である。
楽曲選択処理は、客待ちデモ表示時に実行される場合に、演出制御プロセス処理において、客待ちデモ表示の実行中の所定期間に亘り実行される。また、楽曲選択処理は、大当り遊技状態の開始時に実行される場合に、演出制御プロセス処理において、客待ちデモ表示の実行中の所定期間に亘り実行される。なお、楽曲選択処理は、客待ちデモ表示時および大当り遊技状態の開始時に限らず、確変状態の開始時、または、時短状態の開始時のような、その他のタイミングで実行してもよい。
以下においては、楽曲選択処理を大当り遊技状態の開始時に実行する例を説明する。
楽曲選択処理において、演出制御用CPU90201は、まず、楽曲選択画面が表示されている状態であるか否かを確認するために、楽曲選択中フラグがセットされているか否かを判定する(S90720)。楽曲選択中フラグとは、楽曲選択画面(図49(A))が表示されているか否かを判定するためのフラグであって、メインメニュー画面において楽曲選択設定の項目が選択決定されたときに、楽曲選択処理とは別に実行されるメインメニュー表示処理においてセットされ、後述するS90730でリセットされる。たとえば、演出制御用CPU90201は、楽曲選択中フラグがセットされていれば楽曲選択画面が表示されていると判定し、セットされていなければ楽曲選択画面が表示されていないと判定する。
楽曲選択中フラグがセットされていない場合(S90720;No)、演出制御用CPU90201は、楽曲選択処理を終了する。一方、楽曲選択中フラグがセットされている場合(S90720;Yes)、演出制御用CPU90201は、スティックコントローラによる選択切替操作があったか否かを判定する(S90721)。具体的に、S90721では、センサからの検出信号に基づいて、選択切替操作の有無が判定される。
選択切替操作がなかった場合(S90721;No)、演出制御用CPU90201は、後述するS90727の処理を実行する。一方、選択切替操作があった場合(S90721;Yes)、演出制御用CPU90201は、選択切替操作に応じたスクロール表示(左方向スクロール表示または右方向スクロール表示)における楽曲画像の巡回順番の次順番が選択可能楽曲画像9096であるか否かを判定する(S90722)。
たとえば、図49(A)に示すように選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作された場合は、左方向スクロール表示の巡回順番において第1楽曲画像の次の巡回順番の第2楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるか否かを判定する。図49(B)に示すように、第2楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるときは(S90722;Yes)、後述するS90725の処理を実行する。一方、図49(A)に示すように選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作された場合は、右方向スクロール表示の巡回順番において第1楽曲画像の次の巡回順番の第6楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるか否かを判定する。図49(B)に示すように第6楽曲画像が選択不可能楽曲画像9097であるときは(S90722;No)、後述するS90723の処理を実行する。
S90722において次順番が選択可能楽曲画像9096ではないと判定された場合は、スクロール表示(左方向スクロール表示または右方向スクロール表示)における楽曲画像の巡回順番の次順番以降の最初の選択可能楽曲画像9096を次回滞留表示画像として決定する(S90723)。そして、S90723で決定した次回滞留表示画像を選択領域9098まで、選択切替操作がされた方向に移動させるスクロール表示を高速モードで実行する(S90724)。
たとえば、図49(A)に示すように選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作された場合は、左方向スクロール表示の巡回順番において図49(B)に示すように、第1楽曲画像の次の巡回順番の楽曲画像が、選択不可能楽曲画像9097としての第6楽曲画像である。その場合には、第6楽曲画像の次の順番以降の最初の選択可能楽曲画像9096が、第3楽曲画像であるから、第3楽曲画像を次回滞留表示画像に決定する(S90723)。そして、第3楽曲画像を選択領域9098まで、右方向に移動させるスクロール表示を高速モードで実行する(S90724)。これにより、高速モードでの右方向スクロール表示が実行され、選択領域9098において、第6楽曲画像、第5楽曲画像、第4楽曲画像の順でこれらの楽曲画像が一旦表示されつつ移動する飛ばし表示をした後、最終的に第3楽曲画像が滞留表示される。
一方、S90722において次順番が選択可能楽曲画像9096であると判定された場合は、スクロール表示(左方向スクロール表示または右方向スクロール表示)における楽曲画像の巡回順番の次順番の楽曲画像を次回滞留表示画像に決定する(S90725)。そして、S90725で決定した次回滞留表示画像を選択領域9098まで、選択切替操作がされた方向に移動させるスクロール表示を低速モードで実行する(S90726)。
たとえば、図49(A)に示すように選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが左方向に1回傾倒操作された場合は、左方向スクロール表示の巡回順番において図49(B)に示すように、第1楽曲画像の次の巡回順番の楽曲画像が、選択可能楽曲画像9096としての第2楽曲画像である。その場合には、第1楽曲画像の次の順番の選択可能楽曲画像9096である第2楽曲画像を次回滞留表示画像に決定する(S90725)。そして、S90725で決定した次回滞留表示画像を選択領域9098まで、左方向に移動させるスクロール表示を低速モードで実行する(S90726)。これにより、低速モードでの右方向スクロール表示が実行され、選択領域9098に、第2楽曲画像が滞留表示される。
S90724の実行後、S90726の実行後、またはS90721において選択切替操作がなかったと判定した場合、演出制御用CPU90201は、選択された楽曲を決定する決定操作があったか否かを判定する(S90727)。具体的に、S90727では、センサからの検出信号に基づいて、プッシュボタンによる決定操作の有無が判定される。
決定操作がなかった場合(S90727;No)、演出制御用CPU90201は、楽曲選択処理を終了する。一方、決定操作があった場合(S90727;Yes)、演出制御用CPU90201は、選択領域9098に滞留表示されている楽曲を遊技中に再生する楽曲(大当り遊技状態中に再生する楽曲)に決定する(S90728)。たとえば、選択領域9098に第1楽曲画像が滞留表示されている状態で決定操作がされた場合は、遊技中に再生する楽曲が、第1楽曲画像に対応する第1楽曲に決定される。
演出制御用CPU90201は、選択領域9098に滞留表示されている楽曲を遊技中に再生する楽曲(大当り遊技状態中に再生する楽曲)に決定(S90728)した後、楽曲選択画面からメインメニュー画面に戻る表示がされる(S90729)。そして、楽曲選択中フラグをリセットし(S90730)、楽曲選択処理を終了する。このように、楽曲選択画面において、遊技中に再生する楽曲が決定されると、楽曲選択画面の表示が終了し、メインメニュー画面が表示される。
なお、この実施の形態においては、決定操作がされるまで楽曲選択中フラグはリセットされないこととしたが、楽曲選択中フラグがセットされてから、または、選択操作が最後にされてから、所定期間が経過したときに、当該所定期間経過時に選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像に対応する楽曲に決定し、楽曲選択画面をメニュー画面に切替え、楽曲選択中フラグをリセットしてもよい。また、決定操作がされることで楽曲選択画面からメニュー画面に戻ることとしたが、楽曲選択画面に「戻る」ボタンを設け、「戻る」ボタンを選択し、プッシュボタン9031Bを押圧操作することで、楽曲選択中フラグをリセットするとともに、メニュー画面に戻るようにしてもよい。
(1) 上記変形例の遊技機は、
遊技を行う遊技機(パチンコ遊技機901など)であって、
特定期間(大当り遊技状態における期間など)において楽曲を再生可能な楽曲再生手段(演出制御用CPU90201など)と、
複数種類の楽曲(図49の複数種類の楽曲の再生演出等)のうちから再生する楽曲が選択可能な楽曲選択画面(図49の楽曲選択画面等)を表示可能な楽曲選択画面表示手段とを備え、
前記特定期間において再生される楽曲を複数種類の楽曲(楽曲A〜Fなど)のうちから選択可能であり、
前記楽曲再生手段は、楽曲選択時においては選択中の楽曲の一部であって該楽曲の先頭とは異なる特定部を再生し(演出制御用CPU90201がサビ部分を再生することなど)、
前記楽曲選択画面は、選択可能な楽曲(図49の第1楽曲〜第3楽曲等)を特定可能な選択可能画像(図49の選択可能楽曲画像9096等)と、未だ選択不可能な楽曲(図49の第4楽曲〜第6楽曲等)を特定可能な選択不可能画像(図49の選択不可能楽曲画像9097等)とを併せて表示可能である(図49(A)等)。
このような構成によれば、楽曲選択時の演出効果を向上させることができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記演出選択画面は、前記選択不可能画像として、該選択不可能画像の一部を表示する(図49(A)で斜線で示す選択不可能楽曲画像9097の一部をグレイ画像で表示する等)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、選択不可能画像があることを認識可能になることにより遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 上記(1)または上記(2)の遊技機において、
前記演出選択画面は、
遊技者の動作(スティックコントローラの左右操作による選択切替操作等)に応じて、所定の順番(図49(B)に示す楽曲画像の巡回順番等)により複数の前記選択可能画像および前記選択不可能画像(図49(B)に示す楽曲画像等)をスクロール表示可能であり(図49(A)の矢印方向に示すスクロール表示等)、
所定の表示領域(図49の選択領域9098)において前記選択可能画像を滞留表示(図49の選択領域9098内に滞留する表示)することにより、実行する演出を特定し(再生する楽曲に対応する楽曲画像を画面中央部で特定する等)、
前記演出選択画面表示手段は、
所定の表示領域において滞留表示されている前記選択可能画像の次の順番(正順)に対応する画像が前記選択可能画像(図49(A)で選択可能楽曲画像9096である第1楽曲の次の巡回順番の第2楽曲に対応する第2楽曲画像が選択可能楽曲画像9096等)であるときに、遊技者による1回の動作に応じたスクロール表示により、当該次の順番に対応する前記選択可能画像に変更可能であり(図50のS90725,S90726により、スクロール表示を実行して選択領域9098で次の順番の選択可能楽曲画像9096を滞留表示する低速スクロールモード(図49(E))でスクロール表示をする等。)、
前記所定の表示領域において滞留表示されている前記選択可能画像の次の順番(逆順)に対応する画像が前記選択不可能画像(図49(A)で第1楽曲の次の巡回順番の第6楽曲に対応する第6楽曲画像が選択不可能楽曲画像9097等)であるときに、遊技者による1回の動作に応じたスクロール表示により、前記所定の表示領域において、当該次の順番の前記選択不可能画像を一旦表示した後に、遊技者の動作によらず、スクロール表示により、当該次の順番の前記選択不可能画像の次の順番以降に対応する前記選択可能画像を前記所定の表示領域において滞留表示する(図50のS90723,S90724により、スクロール表示を実行して選択不可能楽曲画像9097を前記一旦表示させつつ飛ばし表示し、最終的に次の巡回順番以降における選択可能楽曲画像9096を滞留表示する高速スクロールモード(図49(E))でスクロール表示をする等。)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、所定の表示領域において選択不可能画像が一旦表示されることにより、演出についての遊技者の興味が増すようにすることができる。
(4) 上記(3)の遊技機において、
前記演出選択画面は、前記スクロール表示におけるスクロール速度が、前記選択可能画像相互間(図49(B)の第1速度V1等)と、前記選択不可能画像相互間(図49(B)の第2速度V2等)とで異なる(図49(C)のスクロール速度比「V1<V2」等)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、スクロール速度が異なることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 上記(4)の遊技機において、
前記演出選択画面は、前記スクロール表示におけるスクロール速度が、前記選択可能画像相互間(図49(B)の速度V1等)よりも、前記選択不可能画像相互間(図49(B)の速度V2等)の方が高速度である(図49(C)のスクロール速度比「V1<V2」等)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、選択不可能画像が表示される期間を減少させることが可能となることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 上記(3)から上記(5)のいずれかの遊技機において、
前記演出選択画面は、前記スクロール表示におけるスクロール速度が、遊技者の動作期間により異なる([スクロール速度が遊技者の動作期間により異なる例])。
このような構成によれば、スクロール速度が遊技者の動作期間により異なることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、第2特別図柄の小当りによる特殊可変入賞球装置22の開放パターンを複数種類設けてもよい。たとえば、短開放の回数が多いパターンと短開放の回数が少ないパターンとを設けてもよい。また、開放パターンの種類により、演出図柄として表示される図柄の種類を異ならせてもよい。具体的には、遊技者に有利な開放パターン(開放回数が多い等)であれば、赤色の図柄組合せで停止させ、遊技者に不利な開放パターン(開放回数少ない等)であれば、青色の図柄組合せで停止させるようにしてもよい。また、有利な開放パターンであれば「4」図柄で小当りに当選し、不利な開放パターンであれば「2」図柄で小当りに当選するようにしてもよい。なお、開放回数ではなく開放時間が異なるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、大当り間に小当りの保留記憶がある場合であっても一連のプレミアム映像を流す例について説明した。しかし、大当り間に小当りの保留記憶があるときと、大当り間に小当りの保留記憶が無いときとで、流される映像が異なるようにしてもよい。また、大当り間の小当りの数により(小当りが1個あるいは2個により)プレミアム映像の種類が異なるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、大当り状態から次回の大当り状態までの期間に小当り状態に制御されるときの第1獲得画像90196と、それ以外の期間での第2獲得画像90197や第3獲得画像90198とが同じ表示態様であってもよい。また、保留内に小当りが有る状態である第1獲得画像90196と第3獲得画像90198とが同じであってもよい。また、獲得画像の数値は、小当りでの獲得数の合計を出すのではなく、単開放における1回の入賞毎の合計数を表示するものであってもよく、1球の入賞毎の獲得数を連続して表示するものでもよい。
(4) 前述した実施の形態では、遊技者が選択操作可能な選択演出として楽曲の変更に関するものについて説明した。しかし、選択演出で変更される演出は、楽曲以外のものであってもよい。たとえば、選択演出で変更される演出は、背景変化の演出、映像変化の演出、キャラクタ変化の演出等であってもよい。このような場合に、一度選択されていたものが再度選択された場合に演出を引継ぐようにすればよい。具体的には、プッシュボタン操作により背景を変化させることを予約できる遊技機において、背景を変化させようとしたが、現在の背景のままにしたいと思ったときは、現在の背景での演出が継続(たとえば現在の背景での音楽が継続して流れる等)されるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、楽曲の選択演出は、大当り中に実行可能である場合について説明した。しかしながら、楽曲の選択演出をラッシュ中に実行できるようにしてもよいし、非KT状態中で実行できるようにしてもよい。このような場合には、選択演出を実行できる期間を複数設け、変動回数により変動回数が少ない場合(1〜10回)の期間と変動回数が多い場合(70〜100回)の期間とで楽曲の選択演出が実行されるようにしてもよい。なお、選択演出を客待ちデモ中に実行するようにしてもよい。たとえば、客待ちデモ中にプッシュボタンを操作することによりメニュー画面を開くことができ、当該メニュー画面内においてパチンコ遊技機の音量や光量を調整したり、演出の実行頻度を変更できるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、図47(e)に示すように、現在実行されている項目が「戻る」という文字に変更される場合を説明した。しかしながら、文字に変化するのではなく、現在実行されている項目の色や形が異なるものであってもよい。
(7) 前述した実施の形態では、楽曲のサビ部分から再生される場合を説明した。楽曲によっては、「サビ」以外の部分(Aメロなど)から再生されるようにしてもよいし、楽曲によって再生される部分を異ならせてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、大当り遊技状態の大当り期間としては、アタッカー開放を繰り返す期間、つまり、ラウンド遊技期間としているが、これに限定されない。たとえば大当り期間としては、大当り遊技状態の開始時に実行されるファンファーレ演出の期間と、アタッカー開放を繰り返す期間(ラウンド遊技期間)と、大当り遊技状態の終了時に実行されるエンディング演出の期間とを含めた期間としてもよい。ファンファーレ演出とは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。エンディング演出とは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。
(9) 前述した楽曲選択の各種制御は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、筐体に設けられたプッシュボタンや十字キーにより楽曲の選択や決定操作が実行されるようにすればよい。
(10) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(11) この実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(12) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(13) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(14) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(15) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。