(本発明の一実施の形態に係るパチンコ遊技機1の構成等)
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報である特別図柄(特図)の可変表示(特図ゲーム)を行う、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
特別図柄の可変表示とは、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(他の可変表示についても同じ)。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示)される。第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」と、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。第1特図の特図ゲームを「第1特図ゲーム」と、第2特図の特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報である飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。一例として、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)が行われる。画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hが配置されている。表示エリア5Hでは、実行が保留されている特図ゲームに対応する保留表示画像を表示する。特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。
特図保留記憶数を特定可能に表示する第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって第1特図保留記憶数(第1特図ゲームの保留記憶数)と第2特図保留記憶数(第2特図ゲームの保留記憶数)とを表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、第1始動口スイッチ22A(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る)。
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が普通入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、第2始動口スイッチ22B(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る)。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1では遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報である普通図柄(普図、普通図)の可変表示を行う。普通図柄の可変表示は普図ゲーム(普通図ゲーム)ともいう。普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、遊技領域周辺部には遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9はLEDを含んで構成されている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、遊技球を保持(貯留)する上皿(打球供給皿)と、上皿からの余剰球などを保持(貯留)する下皿(余剰球貯留皿)が設けられている。上皿を形成する部材にはプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作(例えば押下)を検出し、操作検出信号を演出制御基板12に出力するプッシュセンサ35Bが設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板37、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。パチンコ遊技機1には、払出制御基板37からの賞球個数コマンドに基づいて遊技球を上皿等に払い出す球払出装置97を備えている。球払出装置97は、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行(特図ゲーム、普図ゲームの実行など)を制御する機能(演出制御基板12に向けて演出制御コマンドを送信する機能を含む。)を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。一例として、CPU103がROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、主基板11の機能(遊技の進行の制御)を実現する。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターンや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数はCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。I/O105は、各種信号が入力される入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技球が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。主基板11から演出制御基板12に伝送される演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて各種の演出(飾り図柄の可変表示を含む。)を実行する機能を有する。演出制御基板12には、演出制御用CPU120、ROM121、RAM122、表示制御部123、乱数回路124、I/O125が搭載されている。一例として、演出制御用CPU120がROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、演出制御基板12の機能(演出の実行)を実現する。このとき、ROM121が記憶する各種データ(演出制御パターンに用いるデータや各種の決定テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。
乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるものであってもよい。演出制御基板12に搭載されたI/O125は、主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを備える。
音声制御基板13は、演出制御基板12からの効果音信号に基づき、スピーカ8L,8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させる機能を有する。ランプ制御基板14は、演出制御基板12からの電飾信号に基づき、遊技効果ランプ9の点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行う機能を有する。
払出制御基板37は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、主基板11から送信された制御コマンドや通知信号を受信して、払出モータによる遊技球の払出動作を制御するための払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載されている。主基板11と払出制御基板37との間では、例えば双方向でシリアル通信を行うことにより、各種の制御コマンドや通知信号が伝送される。
画像表示装置5は、液晶パネルなどの表示パネルと、表示パネルを駆動するドライバ回路を備える。表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これにより、画像表示装置5には、各種の演出画像が表示される。
(遊技の進行や演出の進行など)
パチンコ遊技機1の打球操作ハンドルを遊技者が回転操作すると、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過したときには、普図ゲームが開始される。すでに他の普図ゲームが実行されている下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないときには、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、開始可能になったときに開始される。
普図ゲームで停止表示される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われる。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。すでに他の特図ゲームが実行されている、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、開始条件の成立により実行される。
特図ゲームで停止表示される可変表示結果には、大当り図柄(例えば「3」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。第1又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が開放状態となる。開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。この開放状態をラウンド遊技(ラウンド)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が、所定の上限回数(例えば「15回」)に達するまで繰返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する)。
「大当り」には、「非確変」、「確変」という大当り種別が設定されている。大当り種別が「非確変」のときには、「3」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときには、「7」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときの「大当り」を「確変大当り」、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」を「非確変大当り」ともいう。「確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」ともいう。「非確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」ともいう。
確変大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続する。確変状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
確変大当り遊技状態又は非確変大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続する。時短状態は、遊技者にとって有利な遊技状態である。
時短状態では、通常状態などの非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させる。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は「高ベース」と、時短状態でない遊技状態は「低ベース」「非時短状態」と、確変状態は「高確」ともいわれる。確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」ともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース」ともいわれる。確変状態となっているが時短状態になっていないときの遊技状態は、「高確低ベース」ともいわれる。確変状態となっていないが時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース」ともいわれる。通常状態は、「低確低ベース」ともいわれる。
画像表示装置5の「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも演出の一種である。)が開始される。第1、第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう)が停止表示されるときには、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)が停止表示(導出表示)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様などのことである。
実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する)及びスーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する)が用意されている。実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチ(スーパーリーチに発展しないノーマルリーチ)の順で高い。大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、ここでは、飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる割合でもある。
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、確変大当りのときに「7」、非確変大当りのときに「6」など)が揃って停止表示される。実施の形態では、後述する図3(B)に示すように、「非確変」には、大当り中に昇格演出(失敗)が実行される非確変大当りと、昇格演出自体を実行しない非確変大当りの2種類があり、「確変」には、大当り中に昇格演出(成功)が実行される確変大当りと、昇格演出自体を実行しない確変大当りの2種類がある。昇格演出は、確変昇格演出のことであり、大当り中の所定ラウンド(例えば、7ラウンド)において実行され、確変大当りへの昇格に成功又は失敗したことを表示する演出である。大当り種別が「非確変(昇格演出失敗)」のときには、同一の飾り図柄「6」が揃って停止表示され、大当り中の7ラウンドにおいて確変昇格演出(失敗)が実行される。大当り種別が「確変(昇格演出成功)」のときには、同一の飾り図柄「6」が揃って停止表示され、大当り中の7ラウンドにおいて確変昇格演出(成功)が実行される。なお、確変昇格演出は、7ラウンド以外のラウンドや複数ラウンドにわたって実行されるものや、ファンファーレ演出、エンディング演出などに実行されるものであってもよい。また、昇格演出は、ラウンド継続を報知するラウンド昇格演出などであってもよい。
可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(リーチハズレ組合せ)の確定飾り図柄が停止表示されることもある。
パチンコ遊技機1の主要な動作を、フローチャートなどを参照して説明する。各動作(各処理)では、フローチャートに現れていない処理などが行われる場合がある。
(主基板11の主要な動作)
主基板11では、CPU103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給されるCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと、つまり、割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごとに実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現するための処理である。普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現するための処理である。コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンド)
次に、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。図3(A)に、主な演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。
変動パターン指定コマンド81XX(H)、表示結果指定コマンド8CXX(H)、図柄確定指定コマンド8F00(H)、当り開始指定コマンドA0XX(H)、当り終了指定コマンドA3XX(H)、第1始動入賞指定コマンドB100(H)、第2始動入賞指定コマンドB200(H)、大入賞口入賞指定コマンドB300(H)が予め用意されている。「XX」はEXTデータである。表示結果指定コマンド8CXX(H)の「XX」には、可変表示結果に対応する数値が設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「非確変大当り」なら「01」、「非確変大当り(昇格演出失敗)」なら「02」、「確変大当り」なら「03」、「確変大当り(昇格演出成功)」なら「04」など)。
(特別図柄プロセス処理)
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。以下で説明する各フラグ、各カウンタ、各タイマは、RAM102に設けられる。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。例えば、CPU103は、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか(スイッチ処理でオンと判定されたか。他のスイッチについても同じ。)を判定する。オンの場合には、第1特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第1始動入賞が発生したとして、乱数回路104または遊技用乱数更新処理で更新される遊技用乱数値のうちから、特図表示結果(特別ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を抽出し、抽出した数値を第1保留データとして、RAM102の第1特図保留記憶部に保持する。第2始動口スイッチ22Bがオンであるかを判定する。オンの場合には、第2特図保留記憶数が上限数(例えば、4)に達しているかを判定し、上限数に達していない場合には、第2始動入賞が発生したとして、前記と同様に乱数値MR1〜MR3を抽出し、抽出した数値を第2保留データとして、RAM102の第2特図保留記憶部に保持する。第1保留データ及び第2保留データは、始動入賞順に保持される。第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数は、第1保留データや第2保留データの数や、各記憶数をカウントするカウンタによって特定すればよい(以下、同じ。)。始動入賞判定処理では、第1始動入賞があったときに、第1始動入賞指定コマンド、第1特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われ、第2始動入賞があったときに、第2始動入賞指定コマンド、第2特図保留記憶数の加算指定コマンドの送信設定が行われる。
CPU103は、ステップS101を実行した後、特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜ステップS117の処理のいずれかを選択して実行する。下記の時短フラグは、時短状態のときにオンになるフラグで、確変フラグは、確変状態のときにオンになるフラグである。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。例えば、CPU103は、第2特図保留記憶数が「0」でないときには、第2特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。第2特図保留記憶数が「0」で、第1特図保留記憶数が「0」でないときには、第1特図ゲームを実行するための処理を行い、特図プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理を終了する。両者が「0」のときは、本処理を終了する。
第2特図ゲームを実行するための処理では、第2特図保留記憶部に保持されている第2保留データ(乱数値MR1〜MR3)のうち最も古い第2保留データを第2特図保留記憶部からRAM102の所定バッファに読み出す。読み出された第2保留データは、第2特図保留記憶部から削除される。そして、所定バッファに読み出した第2保留データのうち、乱数値MR1と、大当り決定テーブル(ROM101に格納されている。以下、決定テーブルについて同じ)と、に基づいて、今回実行する第2特図ゲームの可変表示結果(「大当り」又は「ハズレ」)を決定する。「大当り」とする決定割合は、確変状態のとき(確変フラグがオンのとき)の方が、非確変状態のとき(確変フラグがオフのとき)よりも高い。「大当り」と決定した場合には、乱数値MR2と、大当り種別決定テーブルと、に基づいて、大当り種別(「確変」又は「非確変」)を決定する。実施の形態では、「非確変」、「非確変(昇格演出失敗)」、「確変」、「確変(昇格演出成功)」のいずれかを決定する。前記の決定結果や第2特図ゲームを実行する旨の情報はRAM102に保持され、適宜参照される(他の決定などについても同じ)。
第1特図ゲームを実行するための処理でも、上記第2特図ゲームを実行するための処理と同様の処理を行い、第1保留データの所定バッファへの読み出し、第1特図ゲームの可変表示結果の決定(大当り種別の決定を含む)などを行う。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。例えば、CPU103は、変動パターンを決定(選択)し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行開始の設定を行う。変動パターンは、可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するものである。
実施の形態では、図5に示すように、ハズレ時変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−4がある。大当り時変動パターンとして、B3−2〜PB3−4がある。PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間(特図ゲームの実行期間)が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターンである。PA3−2、PB3−2は、ノーマルリーチの実行(スーパーリーチへの発展無し)を指定し、PA3−3、PB3−3は、スーパーリーチA(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定し、PA3−4、PB3−4は、スーパーリーチB(ノーマルリーチから発展する。)の実行を指定する。
CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときには、所定バッファに読み出した第1、第2保留データのうちの乱数値MR3と大当り用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PB3−2〜PB3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ非時短状態のとき(時短フラグがオフのとき)には、乱数値MR3と第1ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。可変表示結果が「ハズレ」のときで且つ時短状態のとき(時短フラグがオンのとき)には、乱数値MR3と第2ハズレ用の変動パターン決定テーブルとに基づいて、PA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれかを今回の変動パターンとして決定する。変動パターンの決定割合は、ハズレ時は、PA1−1又はPA2−1>PA3−2>PA3−3>PA3−4の順で高い。大当り時は、PB3−4>PB3−3>PB3−2の順で高い。このため、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で大当り期待度が高い。
変動パターンの決定後、例えば、駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給開始し、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの実行を開始する。上記の決定結果や現在の遊技状態(確変フラグや時短フラグの状態で特定できる)などを指定する、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数の減算指定コマンド、変動パターン指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「2」にしてから、本処理を終了する。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。例えば、CPU103は、特図ゲームが開始してからの経過時間(タイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、今回の変動パターンに対応する特図変動時間に達したか(可変表示結果の導出タイミングであるか)を判定し、達していないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行する駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間に達したときには、所定の駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給し、今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」のときは「−」、「確変大当り」のときは「7」、「非確変大当り」のときは「3」など)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。例えば、CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のときは、時短フラグ、確変フラグをオフにリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定し(例えば、カウンタなどによってカウントすればよい。)、所定回数の可変表示が実行されている場合には、時短フラグをオフにリセットし、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の可変表示が未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。例えば、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ23がオンの回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(カウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド82をオフにする処理)などを行う。このとき、終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(カウンタなどでカウントすればよい。)、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値を「7」に更新し、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
ステップS114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにステップS115、ステップS116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が「7」のときに実行される。例えば、最後のラウンド遊技を終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、予め定められたエンディング待ち時間(大当り遊技状態におけるエンディングの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していないときには、本処理を終了する。エンディング待ち時間に達したときには、エンディングが終了するので、今回の大当り種別が「確変」のときに時短フラグ及び確変フラグをオンにし、「非確変」のときに、時短フラグをオンにして、確変フラグをオフのままにする。そして、特図プロセスフラグの値を「0」に更新して本処理を終了する。
(演出制御基板12の動作)
図7は、演出制御基板12の演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS51)。その後、タイマ割込フラグの監視(ステップS52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、そのフラグをクリアし(ステップS53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS54)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3参照)であるのか解析し、解析結果に対応した設定や制御などを行う。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS55)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置5の表示制御を実行する。次いで、演出制御用CPU120は、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し(ステップS56)、この後、ステップS52に移行する。
(コマンド解析処理)
コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板12が受信した演出制御コマンド)を解析し(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。
図6に、コマンド解析処理による解析によって特定された演出制御コマンドと、その演出制御コマンドに対応してコマンド解析処理にて行われる処理内容と、の関係を示す。図中における各フラグ、各格納領域は、RAM122に設けられる。フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。各フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、適宜のタイミングでリセットや消去されるようにすればよい。特図保留記憶数の加算指定コマンドや特図保留記憶数の減算指定コマンドを受信したときには、それに応じて表示エリア5Hの保留表示画像の数を増減させてもよい。
(演出制御プロセス処理)
演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理において各種演出の実行を開始するための開始設定(演出の開始設定)、開始設定した演出を実行する演出動作制御などを行う。以下で説明する各フラグ、各タイマ、各カウンタなどはRAM122に設けられる。
演出の開始設定は、例えば、演出制御パターンをRAM122に使用パターンとしてセットし、かつ、プロセスタイマに、前記でセットした演出制御パターンに応じた初期値を設定することを含む。プロセスタイマのタイマ値は、初期値の設定後、タイマ割り込みの発生毎に所定タイミング(演出制御プロセス処理開始時、後述の演出動作制御時など)において減算される。演出制御パターンは、各種演出(飾り図柄の可変表示を含む。)を実行するためのデータの集まりであって、プロセスタイマのタイマ値と比較されるプロセスタイマ判定値と、当該判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御パターンを構成するデータは、ROM121に格納されている。
演出動作制御は、演出の開始設定でセットした演出制御パターンに基づいて演出の実行する制御である。具体的には、プロセスタイマの現在のタイマ値に合致するプロセスタイマ判定値に対応する演出制御実行データのうちの、表示制御データに従った表示制御指令を表示制御部123に伝送して画像表示装置5に画像を表示させたり、音声制御データに従った効果音信号を音声制御基板13に伝送してスピーカ8L,8Rから音声を出力させたり、点灯制御データに従った電飾信号をランプ制御基板14に伝送して遊技効果ランプ9を点灯/消灯させたりして、演出を実行する制御を行う。タイマ割り込みの発生毎に演出動作制御が繰り返し行われることで、各種の演出の実行が実現される。
図8は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値に応じて、ステップS170〜ステップS175のいずれかを実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「0」のときに実行される処理である。可変表示開始待ち処理では、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドなどを受信したか否かを判定する。当該判定は、例えば変動パターン指定コマンド格納領域に当該コマンドが格納されているか否かによって判定すればよい。当該コマンドを受信している場合、演出プロセスフラグの値を「1」に更新して本処理は終了する。当該コマンドを受信していない場合、本処理はそのまま終了する。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が「1」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、今回の可変表示結果(表示結果指定コマンド格納領域に格納された表示結果指定コマンドで指定される。以下同じ。)に応じた最終停止図柄(導出表示する飾り図柄の組合せ)を決定する。今回の変動パターン(変動パターン指定コマンド格納領域に格納された変動パターン指定コマンドで指定される。以下同じ)に応じた演出制御パターンをセットするなどして、変動パターンが指定する態様での飾り図柄の可変表示やリーチ演出などを実行するための演出の開始設定を行う。その後、演出プロセスフラグの値を「2」に更新してから、本処理は終了する。なお、このときに、開始設定した演出について最初の演出動作制御を実行するようにしてもよい。
図9は、可変表示開始設定処理として、図8のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS321)。ステップS321の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。一例として、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容には、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」があればよい。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「非確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態となる。可変表示内容が「確変(大当り)」の場合には、可変表示結果が「大当り」となり、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が確変状態となる。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の画面上における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合に、演出制御用CPU120は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタなどにより更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の画面上における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、可変表示内容が「非確変(大当り)」と「確変(大当り)」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄(例えば偶数を示す飾り図柄)と確変図柄(例えば奇数を示す飾り図柄)のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。大当り中昇格演出は、画像表示装置5において大当りを想起させるが確変状態を想起させないような飾り図柄の組合せ(非確変大当り組合せ)が一旦は停止表示されてから、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に確変状態となるか否かを報知する演出である。
具体的な一例として、可変表示内容が「非確変(大当り)」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、可変表示内容が「確変(大当り)」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、可変表示内容が「確変(大当り)」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
なお、ステップS321の処理では、可変表示内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを遊技者が認識可能に報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。ステップS321の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS321の処理における最終停止図柄などの決定に続いて、遊技者の動作が所定期間(例えば、演出を進行させる閾値など)に亘って検出されたときに演出を進行させることが可能な動作演出(例えば、ボタン演出など)の実行設定を行う動作演出設定処理(図10)が実行される(ステップS322)。この実施の形態では、動作演出は、ノーマルリーチからスーパーリーチへの発展を示唆するスーパーリーチ発展演出の一例であるボタン演出としている。この動作演出としては、図13に示す動作演出(長押し)と、図14に示す動作演出(連打)と、図15に示す動作演出(一撃)との3種類がある。図13に示す動作演出(長押し)は、遊技者がプッシュボタン31Bを所定期間(例えば、演出を進行させる閾値など)に亘って長押ししたときにスーパーリーチ演出に進行する演出である。また、図14に示す動作演出(連打)は、遊技者がプッシュボタン31Bを所定回数(例えば、演出を進行させる閾値など)に亘って連打したときにスーパーリーチ演出に進行する演出である。図15に示す動作演出(一撃)は、遊技者がプッシュボタン31Bを1回操作(押下)したときにスーパーリーチ演出に進行する演出である。
図10は、図9のステップS322にて実行される動作演出設定処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す動作演出設定処理では、まず、演出制御用CPU120は、主基板11からの変動パターン指定コマンドに示された変動パターンに基づいて、スーパーリーチAの変動パターンPA3−3、PB3−3であるかを判定する(ステップS501)。スーパーリーチAの変動パターンであると判定された場合(ステップS501;Yes)には、動作演出の有無及び種類を決定する(ステップS502)。詳しくは、ステップS502の処理では、演出制御用CPU120は、動作演出決定用乱数を示す数値データを抽出するとともに、この抽出した数値データと図10(B)に示す動作演出決定用テーブルとを用いて、動作演出を実行するか否かを決定する。
図10(B)に示すように、スーパーリーチA(ハズレ)の変動パターンPA3−3の場合は、「実行なし」が10%、「実行あり」で「動作演出(長押し)パターンPTA−1」が40%の確率で決定され、「実行あり」で「動作演出(連打)パターンPTA−2」が30%の確率で決定され、「実行あり」で「動作演出(一撃)パターンPTA−3」が20%の確率で決定される。これに対して、スーパーリーチA(大当り)の変動パターンPB3−3の場合は、「実行なし」が5%、「実行あり」で「動作演出(長押し)パターンPTA−1」が20%の確率で決定され、「実行あり」で「動作演出(連打)パターンPTA−2」が25%の確率で決定され、「実行あり」で「動作演出(一撃)パターンPTA−3」が50%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも動作演出が実行され易くなっており、動作演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)の変動パターンPB3−3の場合は、スーパーリーチA(ハズレ)の変動パターンPA3−3の場合よりも、「動作演出(一撃)パターンPTA−3」の動作演出が実行され易くなっており、動作演出(一撃)について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)の変動パターンPB3−3の場合にも、「動作演出(長押し)パターンPTA−1」の動作演出や「動作演出(連打)パターンPTA−2」の動作演出が実行されるため、動作演出(長押し)や動作演出(連打)についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
なお、動作演出は、スーパーリーチAの変動パターンの場合に実行可能となっているが、これに限らず、スーパーリーチBの変動パターンや擬似連変動を有するスーパーリーチの変動パターンに実行可能としてもよい。例えば、擬似連変動の回数が多いほど期待度が高くなるような決定割合(例えば、擬似連変動の回数が多いほど動作演出(一撃)が実行され易くなるような決定割合など)にしてもよい。大当りか否かと擬似連変動の回数とに応じて決定割合を異なるように設定すればよい。
ステップS502の処理の後、動作演出が有りに決定されたか否かを判定する(ステップS503)。動作演出が有りに決定された場合(ステップS503;Yes)には、動作演出の実行有りを示す動作演出フラグをオン状態にセットする(ステップS504)。ステップS504の処理の後、ステップS502で決定された種類の動作演出パターンを設定する(ステップS505)。つまり、ステップS502において、「動作演出(長押し)パターンPTA−1」、「動作演出(連打)パターンPTA−2」及び「動作演出(一撃)パターンPTA−3」の中からで決定された動作演出パターンを設定する。ステップS501にてスーパーリーチAの変動パターンでないと判定された場合(ステップS501;No)や、ステップS503にて動作演出が有りでない場合(ステップS503;No)や、ステップS505の処理の後には、動作演出設定処理を終了する。
図9に戻って、ステップS322の動作演出設定処理に続いて、リーチ演出の実行設定を行うリーチ演出設定処理が実行される(ステップS323)。リーチ演出設定処理では、リーチ演出(例えばスーパーリーチにおけるリーチ演出やノーマルリーチにおけるリーチ演出など)の実行設定が行われる。
詳しくは、リーチ演出設定処理では、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに基づいて、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態にはならない「非リーチ」であるか否かを判定する。「非リーチ」である場合には、そのままリーチ演出設定処理を終了する。これに対し、「非リーチ」以外である場合には、変動パターンに応じたリーチ演出の設定を行ってから、リーチ演出設定処理を終了する。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS324)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)のいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS324の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS325)。そして、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS326)。このときには、例えばステップS324の処理にて決定された演出制御パターン(特図変動時演出制御パターン)に含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDPに対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS326の処理を実行した後には、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、第1保留表示部5HRにおける第1保留表示や第2保留表示部5HLにおける第2保留表示といった、保留表示などを更新するための設定を行う(ステップS327)。例えば、第1特図を用いた特図ゲームが実行(開始)される場合には、第1保留表示部5HRにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(左端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第1保留表示を1つずつ左方向に移動(シフト)させる。一方、第2特図を用いた特図ゲームが実行(開始)される場合には、第2保留表示部5HLにおいて、保留番号が「1」に対応した表示部位(右端の表示部位)を消去(消化)するとともに、他の保留番号「2」〜「4」に対応した表示部位における第2保留表示を1つずつ右方向に移動(シフト)させる。
ステップS327の処理により保留表示などを更新した後には、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS328)、可変表示開始設定処理を終了する。
ステップS172の可変表示中処理は、演出プロセスフラグの値が「2」のときに実行される処理である。当該処理は、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などを実現するための処理であり、飾り図柄の可変表示の終了タイミングであるかを判定する。当該終了タイミングは演出制御パターンにて規定されていればよい。終了タイミングでないときには、設定されている演出制御パターンに基づいて演出動作制御を行い、本処理を終了する。タイマ割り込みの発生毎に当該演出動作制御が実行されることで、飾り図柄の可変表示やリーチ演出などの実行が実現する。前記終了タイミングと判定したときには、図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する。図柄確定指定コマンド受信フラグがオンであれば、当該コマンドの受信があったと判定すればよい。当該コマンドの受信がなければ、本処理を終了する。図柄確定指定コマンドの受信があった場合には、表示制御部123に表示制御指令を伝送させて、最終停止図柄を導出表示させる制御を行う。その後、演出プロセスフラグを「3」に更新して、本処理を終了する。
図11は、可変表示中処理として、図8のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す可変表示中処理において、演出制御用CPU120は、まず、演出制御用CPU120は、例えば演出制御プロセスタイマのタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS341)。一例として、ステップS341の処理では、演出制御プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。ステップS341にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS341;No)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出期間であるか否かを判定する(ステップS342)。リーチ演出期間は、例えば変動パターンに応じて決定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS342にてリーチ演出期間であると判定されたときには(ステップS342;Yes)、リーチ演出を実行するための制御が行われる(ステップS343)。ステップS343の処理の後には、演出制御用CPU120は、動作演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS344)。動作演出フラグがオンである場合には(ステップS344;Yes)、動作演出期間であるか否かを判定する(ステップS345)。動作演出期間である場合には(ステップS345;Yes)、動作演出表示制御処理が行われる(ステップS346)。
図12に示す動作演出表示制御処理では、演出制御用CPU120は、まず、動作演出(一撃)であるか否かを判定する(ステップS701)。例えば、図10に示す動作演出設定処理のステップS505にて設定された動作演出パターンが「動作演出(一撃)パターンPTA−3」であるか否かを判定する。動作演出(一撃)でない場合には(ステップS701;No)、表示開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS702)。表示開始フラグがオンでない場合には(ステップS702;No)、操作促進表示と動作説明表示と有効期間バー表示とを開始する(ステップS703)。なお、ステップS703において、動作説明表示は、図10に示す動作演出設定処理のステップS505にて設定された動作演出パターン(つまり、「動作演出(長押し)パターンPTA−1」、「動作演出(連打)パターンPTA−2」及び「動作演出(一撃)パターンPTA−3」のいずれかに設定されている)に基づいて、特定される。
操作促進表示は、遊技者に対してプッシュボタン31Bの操作を促すための表示であり、この実施の形態ではプッシュボタン31Bを模したボタン画像G1(図13(B)、図14(B)参照)としている。なお、ボタン画像G1は、図13(B)に示すようなプッシュボタン31Bを模した画像に限らず、プッシュボタン31Bを特定可能な画像であればよく、簡易的な表示、概略的な表示、装飾的な表示、アウトライン表示などとしてもよい。
動作説明表示は、遊技者に対してプッシュボタン31Bの操作内容を知らせるための表示であり、この実施の形態ではプッシュボタン31Bの操作内容を文字等表記した動作説明画像G3としている。例えば、動作演出(長押し)の場合には、図13(B)に示すように「長押し!」の動作説明画像G3とし、動作演出(連打)の場合には、図14(B)に示すように「連打!」の動作説明画像G3とし、動作演出(一撃)の場合には、図15(B)に示すように「一撃!」の動作説明画像G3としている。なお、動作説明画像G3とともに、その内容の音声出力である動作説明音声(例えば、動作演出(長押し)の場合には、「長押しせよ」の音声)をスピーカ8L、8Rから繰り返しあるいは単発的に出力するようにしてもよいし、動作説明画像G3に替えて動作説明音声をスピーカ8L、8Rから繰り返しあるいは単発的に出力するようにしてもよい。
有効期間バー表示は、遊技者に対してプッシュボタン31Bの操作有効期間を知らせるための表示であり、この実施の形態では全有効期間に対して残りの有効期間を逐次に表示可能な操作有効期間表示画像G2としている。なお、バー表示形式に限らず、カウントダウン表示形式(例えば、有効期間終了までの時間(残時間)をカウントダウン表示するもの)、カウントアップ表示形式(例えば、有効期間終了までの時間をカウントアップ表示するもの)など、種々の形式の有効期間表示であってもよい。
ステップS703の処理の後、表示開始を示す表示開始フラグをオン状態にセットする(ステップS704)。なお、表示開始フラグは、操作促進表示と動作説明表示と有効期間バー表示とのうちの少なくとも一つが開始されたことを示すフラグとしてもよい。
ステップS702において表示開始フラグがオンである場合(ステップS702;Yes)や、ステップS704の処理の後には、有効期間バーを更新表示する(ステップS705)。例えば、全有効期間に対して、現時点での残りの有効期間を示す表示に更新する。具体的には、図13(C)〜(F)に示すように、残りの有効期間を示すハッチング表示部分が時間経過に連れて短くなるように表示が更新される。ステップS705の処理の後には、プッシュボタン31Bの操作の有無を判定する(ステップS706)。プッシュボタン31Bの操作があった場合には(ステップS706;Yes)、動作演出(長押し)か否かを判定する(ステップS707)。動作演出(長押し)である場合には(ステップS707;Yes)、プッシュボタン31Bの長押し操作に応じてボタン画像G1のサイズが変化(縮小)する(ステップS708)。動作演出(長押し)は、図13に示すように、第1サイズ(開始時サイズ)で表示されたボタン画像G1が、操作有効期間におけるプッシュボタン31Bの操作期間に応じた分だけその大きさが小さくなっていき、操作閾値(例えば、累積長押し期間が5秒間)に到達するとボタン画像G1が第2サイズ(「0」サイズよりも大きいサイズや、「0」サイズ(消去されて見えない)とした最終サイズ(例えば最小サイズ)としてもよい)で表示された後に、スーパーリーチ演出に進行する演出である。
一方、動作演出(長押し)でない場合には(ステップS707;No)、プッシュボタン31Bの連打操作に応じてボタン画像G1のサイズが変化(縮小)する(ステップS709)。動作演出(連打)は、図14に示すように、第1サイズ(開始時サイズ)で表示されたボタン画像G1が、操作有効期間におけるプッシュボタン31Bの操作回数に応じた分だけその大きさが小さくなっていき、操作閾値(例えば、累積連打回数が10回)に到達するとボタン画像G1が第2サイズ(「0」サイズよりも大きいサイズや、「0」サイズ(消去されて見えない)とした最終サイズ(例えば最小サイズ)としてもよい)で表示された後に、スーパーリーチ演出に進行する演出である。
ステップS706にてプッシュボタン31Bの操作が無いと判定されたときや(ステップS706;No)、ステップS708の処理の後、ステップS709の処理の後には、操作閾値に到達したか否かを判定する(ステップS710)。例えば、演出制御基板12は、動作演出(長押し)の場合に用いる、累積長押し期間をカウントする時間計測用カウンタを備えており、時間計測用カウンタによるカウント値が操作閾値(例えば、累積長押し期間が5秒間)に到達した否かを判定可能となっている。また、演出制御基板12は、動作演出(連打)の場合に用いる、連打回数をカウントする連打回数計測用カウンタを備えており、連打回数用カウンタによるカウント値が操作閾値(例えば、累積連打回数が10回)に到達した否かを判定可能となっている。操作閾値に到達した場合には(ステップS710;Yes)、操作促進表示と動作説明表示と有効期間バー表示とを終了する(ステップS711)。ステップS711の処理の後、発展表示を実行する(ステップS712)。ステップS712では、図13(G)に示すように、「CHANCE!」といった発展表示が実行される。なお、「激熱」やこの後に実行されるスーパーリーチの内容を示唆する表示(例えば、タイトル画像など)を表示するようにしてもよい。
ステップS712の処理の後、表示開始フラグと動作演出フラグをオフ状態にリセットし(ステップS713)、動作演出表示制御を終了する。
一方、ステップS710において、操作閾値に到達していない場合には(ステップS710;No)、発展表示期間であるか否かを判定する(ステップS714)。発展表示期間である場合には(ステップS714;Yes)、前述したように、操作促進表示と動作説明表示と有効期間バー表示とを終了し(ステップS711)、発展表示を実行し(ステップS712)、表示開始フラグと動作演出フラグをオフ状態にリセットし(ステップS713)、動作演出表示制御を終了する。この実施の形態では、遊技者がプッシュボタン31Bの操作をしなかった場合や、操作閾値に到達しなかった場合でも、発展表示が実行されるので、プッシュボタン31Bの操作に不慣れな遊技者に対しても適切に発展表示を見せることができる構成となっている。これに対して、遊技者がプッシュボタン31Bの操作をしなかった場合や、操作閾値に到達しなかった場合には、発展表示をしない構成としたり、代替表示を実行する構成としたりしてもよい。また、ステップS714にて、発展表示期間でない場合には(ステップS714;No)、動作演出表示制御を終了する。
ステップS701にて、動作演出(一撃)であると判定された場合には(ステップS701;Yes)、表示開始フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS715)。表示開始フラグがオンでない場合には(ステップS715;No)、操作促進表示と動作説明表示とを開始し(ステップS716)、有効期間バー表示については開始されない。ステップS716の処理の後、表示開始を示す表示開始フラグをオン状態にセットする(ステップS717)。
動作演出(一撃)は、図15に示すように、第1サイズ(開始時サイズ)で表示されたボタン画像G1の大きさが操作有効期間の経過に連れて小さくなっていき、ボタン画像G1が第2サイズ(「0」サイズよりも大きいサイズや、「0」サイズ(消去されて見えない)とした最終サイズ(例えば最小サイズ)としてもよい)になるまでに遊技者がプッシュボタン31Bを1回操作(押下)された後に、スーパーリーチ演出に進行する演出である。動作演出(一撃)では、ボタン画像G1の大きさで操作有効期間を示唆していることから、図13や図14に示すような有効期間バー表示を行わない。
ステップS715において表示開始フラグがオンである場合(ステップS715;Yes)や、ステップS717の処理の後には、有効期間に応じて操作促進表示(ボタン画像G1)を更新表示する(ステップS718)。例えば、全有効期間に対して、現時点での残りの有効期間に応じた大きさでボタン画像G1を表示する。例えば、図15(C)〜(F)に示すように、残りの有効期間が少なくなるに連れてボタン画像G1が小さくなるようにボタン画像G1の表示が更新される。ステップS718の処理の後には、プッシュボタン31Bの操作の有無を判定する(ステップS719)。プッシュボタン31Bの操作があった場合には(ステップS719;Yes)、プッシュボタン31Bの1回操作(押下)に応じてボタン画像G1が変化(操作がされたことを示す発光態様に変化)し(ステップS720)、操作促進表示と動作説明表示とを終了する(ステップS721)。ステップS721の処理の後、発展表示を実行する(ステップS722)。ステップS722では、図15(G)に示すように、「CHANCE!」といった発展表示が実行される。なお、「激熱」やこの後に実行されるスーパーリーチの内容を示唆する表示(例えば、タイトル画像など)を表示するようにしてもよい。
ステップS722の処理の後、表示開始フラグと動作演出フラグをオフ状態にリセットし(ステップS723)、動作演出表示制御を終了する。
一方、ステップS719において、プッシュボタン31Bの操作がない場合には(ステップS719;No)、発展表示期間であるか否かを判定する(ステップS724)。発展表示期間である場合には(ステップS724;Yes)、前述したように、操作促進表示と動作説明表示とを終了し(ステップS721)、発展表示を実行し(ステップS722)、表示開始フラグと動作演出フラグをオフ状態にリセットし(ステップS723)、動作演出表示制御を終了する。この実施の形態では、遊技者がプッシュボタン31Bの操作をしなかった場合でも、発展表示が実行されるので、プッシュボタン31Bの操作に不慣れな遊技者に対しても適切に発展表示を見せることができる構成となっている。これに対して、遊技者がプッシュボタン31Bの操作をしなかった場合には、発展表示をしない構成としたり、代替表示を実行する構成としたりしてもよい。また、ステップS724にて、発展表示期間でない場合には(ステップS724;No)、動作演出表示制御を終了する。
一方、ステップS724において、発展表示期間である場合には(ステップS724;Yes)、前述したように、操作促進表示と動作説明表示とを終了し(ステップS721)、発展表示を実行し(ステップS722)、表示開始フラグと動作演出フラグをオフ状態にリセットし(ステップS723)、動作演出表示制御を終了する。
図11に戻って、ステップS344にて動作演出フラグがオンではないと判定されたときや(ステップS344;No)、ステップS345にて動作演出期間ではないと判定されたときや(ステップS345;No)、ステップS346の処理の後には、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンに対応して決定された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた可変表示中における演出を実行するための制御が行われる(ステップS348)。
ステップS341にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS341;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS349)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS349;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。ステップS349にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS349;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS350)。また、ステップS350の処理では、飾り図柄の可変表示における最終停止図柄を導出表示させる。そして、ステップS350の処理の後には、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS351)。そして、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS352)、可変表示中演出処理を終了する。
図8に戻って、ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、最終停止図柄を導出表示させてからの現在の経過時間(所定のタイマで計測すればよい)が、予め設定されている当り開始指定コマンド受信待ち時間に達したかを判定し、達していないときに、当り開始指定コマンドの受信があった場合(当り開始指定コマンド受信フラグがオンのとき)、大当り中演出(大当り遊技状態中に実行されるファンファーレ開始からエンディングの前までの演出)の開始設定(演出制御パターンのセットなど)を行う。その後、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、本処理を終了する。当り開始指定コマンド受信待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンドの受信もない場合は、そのまま本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達している場合、特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」と判断して、演出プロセスフラグの値を「0」に更新し、本処理を終了する。現在の経過時間が前記の待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンド受信待ち時間は経過していないことになるので、そのまま本処理を終了する。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。例えば、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L,8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯、消灯等させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。当り中処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理であり、大当り遊技状態終了時のエンディングを実行するための処理である。
(動作演出(長押し)の演出画面例)
スーパーリーチAの変動パターンPA3−3またはPB3−3が実行されて、図13(A)に示すようにノーマルリーチが成立すると、図10のステップS505にて「動作演出(長押し)パターンPTA−1」に設定されている場合には、図13(B)に示すように、操作促進表示であるボタン画像G1、有効期間バー表示である操作有効期間表示画像G2及び動作説明表示である「長押し!」の動作説明画像G3が表示され、動作演出(長押し)が開始される。
図13(B)に示すように、動作演出(長押し)の開始時には、操作促進表示であるボタン画像G1は、第1サイズ(開始時サイズ)で表示されている。第1サイズは、例えば、残り長押し5秒分の大きさに対応している。また、動作説明表示である「長押し!」の動作説明画像G3は、遊技者に対してプッシュボタン31Bの長押しを示唆する表示内容となっている。また、有効期間バー表示(操作有効期間表示画像G2)は、プッシュボタン31Bの操作が有効である期間を示す画像であって、時間経過に連れて残りの操作有効期間を表示されるようになっている。この実施の形態では、操作有効期間は例えば10秒間に設定されている。
図13(C)に示すように、遊技者によるプッシュボタン31Bの1秒間の長押しに対応して、ボタン画像G1が小さくなっている。つまり、プッシュボタン31Bが1秒間の長押しされた分だけボタン画像G1が小さくなっている。言い換えれば、長押し残り4秒分の大きさに縮小している。この実施の形態では、長押し単位時間(例えば1秒間)毎にその分だけボタン画像G1が小さくなるようにしているが、長押し単位時間は、1秒間に限定されず、0.2秒間、0.5秒間などのように長押しと想定可能な任意の値に設定してもよい。なお、操作有効期間表示画像G2は、現時点での残りの操作有効期間を表示している。
図13(D)に示すように、遊技者によるプッシュボタン31Bのさらなる1秒間の長押しに対応して、ボタン画像G1が小さくなっている。つまり、長押し残り3秒分の大きさに縮小している。また、図13(E)に示すように、遊技者によるプッシュボタン31Bのさらなる1秒間の長押しに対応して、ボタン画像G1が小さくなっている。つまり、長押し残り2秒分の大きさに縮小している。また、図13(F)に示すように、遊技者によるプッシュボタン31Bのさらなる1秒間の長押しに対応して、ボタン画像G1が小さくなっている。つまり、長押し残り1秒分の大きさに縮小している。なお、図13(D)〜(F)に示すように、操作有効期間表示画像G2は、現時点での残りの操作有効期間を表示している。
そして、遊技者によるプッシュボタン31Bの累積長押し期間が5秒間に到達すると、ボタン画像G1、操作有効期間表示画像G2及び動作説明画像G3が消去されて、図13(G)に示すように、「CHANCE!」といった発展表示がなされる。なお、「激熱」やこの後に実行されるスーパーリーチの内容を示唆する表示(例えば、タイトル画像など)を表示するようにしてもよい。そして、この発展表示がなされた後に、スーパーリーチ演出へ発展する。
(動作演出(連打)の演出画面例)
スーパーリーチAの変動パターンPA3−3またはPB3−3が実行されて、図14(A)に示すようにノーマルリーチが成立すると、図10のステップS505にて「動作演出(連打)パターンPTA−2」に設定されている場合には、図14(B)に示すように、操作促進表示であるボタン画像G1、有効期間バー表示である操作有効期間表示画像G2及び動作説明表示である「連打!」の動作説明画像G3が表示され、動作演出(連打)が開始される。
図14(B)に示すように、動作演出(連打)の開始時には、操作促進表示であるボタン画像G1は、第1サイズ(開始時サイズ)で表示されている。第1サイズは、例えば、残り連打回数が20回分の大きさに対応している。また、動作説明表示である「連打!」の動作説明画像G3は、遊技者に対してプッシュボタン31Bの連打を示唆する表示内容となっている。また、有効期間バー表示(操作有効期間表示画像G2)は、プッシュボタン31Bの操作が有効である期間を示す画像であって、時間経過に連れて残りの操作有効期間を表示されるようになっている。この実施の形態では、操作有効期間は例えば10秒間に設定されている。
図14(C)に示すように、遊技者によるプッシュボタン31Bの5回分の押下(連打)に対応して、ボタン画像G1が小さくなっている。つまり、プッシュボタン31Bが5回分押下された分だけボタン画像G1が小さくなっている。言い換えれば、連打残り15回分の大きさに縮小している。なお、操作有効期間表示画像G2は、現時点での残りの操作有効期間を表示している。
図14(D)に示すように、遊技者によるプッシュボタン31Bのさらなる5回分の連打に対応して、ボタン画像G1が小さくなっている。つまり、連打残り10回分の大きさに縮小している。また、図14(E)に示すように、遊技者によるプッシュボタン31Bのさらなる5回分の連打に対応して、ボタン画像G1が小さくなっている。つまり、連打残り5回分の大きさに縮小している。また、図14(F)に示すように、遊技者によるプッシュボタン31Bのさらなる4回分の連打に対応して、ボタン画像G1が小さくなっている。つまり、連打残り1回分の大きさに縮小している。なお、図14(D)〜(F)に示すように、操作有効期間表示画像G2は、現時点での残りの操作有効期間を表示している。
そして、遊技者によるプッシュボタン31Bの累積連打回数が20回に到達すると、ボタン画像G1、操作有効期間表示画像G2及び動作説明画像G3が消去されて、図14(G)に示すように、「CHANCE!」といった発展表示がなされる。なお、「激熱」やこの後に実行されるスーパーリーチの内容を示唆する表示(例えば、タイトル画像など)を表示するようにしてもよい。そして、この発展表示がなされた後に、スーパーリーチ演出へ発展する。
(動作演出(一撃)の演出画面例)
スーパーリーチAの変動パターンPA3−3またはPB3−3が実行されて、図15(A)に示すようにノーマルリーチが成立すると、図10のステップS505にて「動作演出(一撃)パターンPTA−3」に設定されている場合には、図15(B)に示すように、操作促進表示であるボタン画像G1及び動作説明表示である「一撃!」の動作説明画像G3が表示され、動作演出(一撃)が開始される。
図15(B)に示すように、動作演出(一撃)の開始時には、操作促進表示であるボタン画像G1は、第1サイズ(開始時サイズ)で表示されている。第1サイズは、例えば、操作有効期間である例えば5秒間に対応する大きさとなっている。また、動作説明表示である「一撃!」の動作説明画像G3は、遊技者に対してプッシュボタン31Bの1回押下を示唆する表示内容となっている。
図15(C)に示すように、動作演出(一撃)の開始から1秒経過した分だけボタン画像G1が小さくなっている。つまり、ボタン画像G1が残り4秒分の大きさに縮小している。このように、ボタン画像G1の大きさの変化によって操作有効期間が示唆されている。
図15(D)に示すように、さらに1秒経過すると、その経過した分だけボタン画像G1が小さくなっている。つまり、ボタン画像G1が残り3秒分の大きさに縮小している。また、図15(E)に示すように、さらに1秒経過すると、その経過した分だけボタン画像G1が小さくなっている。つまり、ボタン画像G1が残り2秒分の大きさに縮小している。また、図15(F)に示すように、さらに1秒経過すると、その経過した分だけボタン画像G1が小さくなっている。つまり、ボタン画像G1が残り1秒分の大きさに縮小している。ここでは、例えば、このときに遊技者によりプッシュボタン31Bが押下されたとする。
そして、遊技者によるプッシュボタン31Bの押下により、ボタン画像G1及び動作説明画像G3が消去されて、図15(G)に示すように、「CHANCE!」といった発展表示がなされる。なお、「激熱」やこの後に実行されるスーパーリーチの内容を示唆する表示(例えば、タイトル画像など)を表示するようにしてもよい。そして、この発展表示がなされた後に、スーパーリーチ演出へ発展する。
上記実施の形態では、促進報知実行手段(例えば、図12に示すステップS708の処理を実行する演出制御用CPU120など)は、遊技者の動作期間(例えば、長押しした期間など)を促進報知(ボタン画像G1)の報知態様(例えば表示態様など)により示唆することが可能であるので、遊技演出の興趣を向上させることができる。
また、促進報知実行手段(例えば、図12に示すステップS709の処理を実行する演出制御用CPU120など)は、遊技者の動作回数(例えば、連打した回数など)を促進報知(ボタン画像G1)の報知態様により示唆することが可能であるので、遊技演出の興趣を向上させることができる。
また、促進報知であるボタン画像G1は、図13(B)〜(F)に示すように、所定期間(例えば、演出を進行させる閾値など)となるまでに要する遊技者の動作期間を示唆する報知態様(例えば、大きさなど)で実行されるので、所定期間となるまでに必要な動作期間(例えば、要求されている残りの長押し期間など)を把握することができる。
また、促進報知であるボタン画像G1は、所定回数(例えば、演出を進行させる閾値など)となるまでに要する遊技者の動作回数を示唆する報知態様(例えば、大きさなど)で実行されるので、所定期間となるまでに必要な動作期間(例えば、要求されている残りの連打回数など)を把握することができる。
また、動作演出実行手段は、動作演出として、第1動作演出(例えば、長押し演出など)と、該第1動作演出とは異なる第2動作演出(例えば、連打演出、一撃演出など)とを実行可能であり、促進報知実行手段は、第1動作演出において遊技者の動作期間(例えば、長押しした期間など)を促進報知の報知態様により示唆することが可能である(例えば、図12に示すステップS708の処理を実行する演出制御用CPU120など)。これにより、遊技演出の興趣を向上させることができる。
また、動作演出実行手段は、動作演出として、第1特定動作演出(例えば、連打演出など)と、該第1特定動作演出とは異なる第2特定動作演出(例えば、長押し演出、一撃演出など)とを実行可能であり、促進報知実行手段は、第1動作演出において遊技者の動作回数(例えば、連打した回数など)を促進報知の報知態様により示唆することが可能である(例えば、図12に示すステップS709の処理を実行する演出制御用CPU120など)。これにより、遊技演出の興趣を向上させることができる。
また、促進報知実行手段は、検出手段(プッシュセンサ35B)の検出結果に基づいて促進報知の報知態様(例えば、大きさなど)を変化させることにより遊技者の動作期間を示唆することが可能であり、前記促進報知の実行とともに動作説明表示(例えば、「長押し!」など)を実行可能であり、該動作説明表示の表示態様(例えば、大きさ、内容など)は変化しない。これにより、動作説明表示の表示態様は変化しないため、促進報知の報知態様が変化しても遊技者の動作を促すことができる。
また、促進報知実行手段は、検出手段(プッシュセンサ35B)の検出結果に基づいて促進報知の報知態様(例えば、大きさなど)を変化させることにより遊技者の動作回数を示唆することが可能であり、促進報知の実行とともに動作説明表示(例えば、「連打!」など)を実行可能であり、該動作説明表示の表示態様(例えば、大きさ、内容など)は変化しない。これにより、動作説明表示の表示態様は変化しないため、促進報知の報知態様が変化しても遊技者の動作を促すことができる。
また、検出手段(プッシュセンサ35B)により遊技者の動作が検出される前と、検出された後とで促進報知の視認性が異なる(例えば、ボタン画像が第1大きさ(例えば開始時サイズなど)から第2大きさ(最終サイズとなるまでの途中サイズや、最終サイズなど)に変化することなど)ので、遊技演出の興趣を向上させることができる。
また、検出手段(プッシュセンサ35B)により遊技者の動作が検出される前と、検出された後とで促進報知の視認性が異なる(例えば、ボタン画像が第1大きさ(例えば開始時サイズなど)から第2大きさ(最終サイズとなるまでの途中サイズや、最終サイズなど)に変化することなど)ので、遊技演出の興趣を向上させることができる。
なお、促進報知実行手段は、遊技者の動作が検出されていないことを報知する第1態様(例えば、ボタン画像G1のボタン部分が凹んでいない態様など)と、遊技者の動作が検出されていることを報知する第2態様(例えば、ボタン画像G1のボタン部分が凹んでいる態様など)とで促進表示を実行可能としてもよい。例えば、図12のステップS703におけるボタン画像G1はそのボタン部分が凹んでいない報知態様とし、図12のステップS708、ステップS709におけるボタン画像G1はでそのボタン部分が凹んでいる報知態様とすればよい。これによれば、遊技者の動作が検出されているか否かを把握することができる。また、操作前は、ボタン画像G1が凸状態で揺動し、操作後は揺動しないとしてもよいし、また、操作前は、ボタン画像G1が揺動せず、操作後に揺動するとしてもよいし、動作説明表示の表示態様を操作前後で変化させてもよい(例えば、操作前は「押せ」を操作後に「長押し」のように変化させるなど)。
また、促進報知実行手段は、動作有効期間を促進報知(ボタン画像G1)の報知態様により示唆することが可能である(例えば、図12に示すステップS718の処理を実行する演出制御用CPU120など)ので、遊技演出の興趣を向上させることができる。
また、促進報知は、作有効期間の長さを示唆する報知態様(例えば、大きさなど)で実行されるので、動作有効期間を把握することができる。
また、動作演出実行手段は、前記動作演出として、第1種動作演出(例えば、一撃演出など)と、該第1種動作演出とは異なる第2種動作演出(例えば、長押し演出、連打演出など)とを実行可能であり、促進報知実行手段は、第1種動作演出において動作有効期間を促進報知の報知態様により示唆することが可能である(例えば、図12に示すステップS718の処理を実行する演出制御用CPU120など)ので、遊技演出の興趣を向上させることができる。
また、促進報知実行手段は、促進報知の報知態様(例えば、大きさなど)を変化させることにより動作有効期間を示唆することが可能であり、促進報知の実行とともに動作説明表示(例えば、「押せ!」など)を実行可能であり、該動作説明表示の表示態様(例えば、大きさ、内容など)は変化しない。よって、動作説明表示の表示態様は変化しないため、促進報知の報知態様が変化しても遊技者の動作を促すことができる。
また、促進報知実行手段は、促進報知の報知態様(例えば、大きさなど)を変化させることにより動作有効期間を示唆することが可能であり、変化前の促進報知の報知態様と、変化後の促進報知の報知態様とで視認性が異なる(例えば、ボタン画像G1が第1大きさから第2大きさに変化することなど)ので、遊技演出の興趣を向上させることができる。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、さらに様々な変形及び応用が可能である(上記構成を削除してもよい)。以下に上記実施の形態の変形例を示す。下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
(変形例1)
実施の形態では、図13〜図15に示すように動作演出において、操作促進表示(ボタン画像G1)が開始時サイズから最終サイズへと縮小する報知態様としているが、これに限定されない。図16に示す変形例1のように、開始時サイズから最終サイズへと拡大する報知態様としてもよい。図16(A)に示す「プッシュボタンを長押しせよ!」との文字情報画像を動作説明画像G3として表示するようにしもよいし、図16(A)に示す「プッシュボタンを長押しせよ!」を表示することなく、図16(B)に示すような動作説明画像G3を表示するようにしてもよい。変形例1では、図16(B)に示すように、ボタン画像G1が開始時サイズから長押し操作が2秒分だけ拡大されたサイズに変化している。また、最終サイズを示す画像G4が表示されており、現在のボタン画像G1と最終サイズを示す画像G4との比較により、残り3秒分長押しすればよいことが分かるし、ボタン画像G1の最終サイズを明確に示すことができる。そして、残り長押し3秒分が実行されると、図16(C)に示すようにボタン画像G1が最終サイズを示す画像G4と一致し、その後に図16(D)に示すように発展表示がなされる。なお、図16(B)に示す現在のボタン画像G1を濃い表示とし、最終サイズを示す画像G4を画像G1よりも淡い表示としてもよい。この場合にも、現在のボタン画像G1と最終サイズを示す画像G4との比較により、残り時間分(図16(B)では3秒分)長押しすればよいことが分かるし、ボタン画像G1の最終サイズを明確に示すことができる。
(変形例2)
実施の形態では、図13〜図15に示すように動作演出において、操作促進表示(ボタン画像G1)が開始時サイズから最終サイズへと縮小した後に、発展表示がなされているが、これに限定されない。図17に示す変形例2のように、ボタン画像G1が開始時サイズから最終サイズへと縮小する過程で、ボタン画像G1の背後に隠れていた発展表示が段階的に視認可能となるようにしてもよい。なお、図17(A)に示すように一部が視認可能となった発展表示と同じ発展表示がなされる(図17(B)参照)としてもよいし、図17(B)に示す発展表示にてその表示内容の少なくとも一部を異なる表示内容に変更したものを表示するようにしてもよい。
(変形例3)
変形例2では、図18(A)に示すように、最終サイズを示す画像G4の領域内に、桜柄、フルーツ柄、虹柄などの特定報知態様を表示しておき、動作演出において、操作促進表示(ボタン画像G1)が開始時サイズから最終サイズへと縮小する過程において、画像G4の領域内の特定報知態様が徐々に視認可能となるようにしてもよい。これによれば、ボタン操作意欲を向上させることができる。また、画像G4の領域内の特定報知態様の種類に応じて、大当り期待度が異なるようにしてもよい。例えば、桜柄<フルーツ柄<虹柄の順に大当り期待度が設定されるようにしてもよい。これによれば、動作演出(ボタン演出)において、ボタン操作に際して、画像G4の領域内の特定報知態様の種類に遊技者を注目させることができ、動作演出(ボタン演出)についての興趣を向上させることができる。
(変形例4)
実施の形態では、図10(A)のステップS502及び図10(B)に示すように、動作演出の実行の有無及び実行ありの場合にその種類を決定する構成としているが、これに限らない。図19に示す変形例4のように、ガセ動作演出が決定可能な構成としてもよい。図19(A)のステップS502Aでは、動作演出は通常かガセかを決定し、その種類を決定する。
図19(B)に示すように、スーパーリーチA(ハズレ)の変動パターンPA3−3の場合は、「ガセ動作演出」が10%、「実行あり」で「動作演出(長押し)パターンPTA−1」が40%の確率で決定され、「実行あり」で「動作演出(連打)パターンPTA−2」が30%の確率で決定され、「実行あり」で「動作演出(一撃)パターンPTA−3」が20%の確率で決定される。これに対して、スーパーリーチA(大当り)の変動パターンPB3−3の場合は、「ガセ動作演出」が5%、「実行あり」で「動作演出(長押し)パターンPTA−1」が20%の確率で決定され、「実行あり」で「動作演出(連打)パターンPTA−2」が25%の確率で決定され、「実行あり」で「動作演出(一撃)パターンPTA−3」が50%の確率で決定される。大当りの場合には、ハズレの場合よりも動作演出が実行され易くなっており、動作演出について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)の変動パターンPB3−3の場合は、スーパーリーチA(ハズレ)の変動パターンPA3−3の場合よりも、「動作演出(一撃)パターンPTA−3」の動作演出が実行され易くなっており、動作演出(一撃)について大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)の変動パターンPB3−3の場合にも、「動作演出(長押し)パターンPTA−1」の動作演出や「動作演出(連打)パターンPTA−2」の動作演出が実行されるため、動作演出(長押し)や動作演出(連打)についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。また、スーパーリーチA(大当り)の変動パターンPB3−3の場合にも、「ガセ動作演出」が実行されるため、「ガセ動作演出」についても大当りの期待感を持つことができ、遊技の興趣が向上する。なお、スーパーリーチA(大当り)の変動パターンPB3−3の場合には、「ガセ動作演出」が実行されないようにしてもよい。例えば、図19(B)に示すスーパーリーチA(大当り)の変動パターンPB3−3の場合において、ガセ動作演出を「0%」とし、「動作演出(一撃)パターンPTA−3」を「55%」等とすればよい。また、図19(B)に示す決定例において、特定演出が実行しないものを含めてもよい(例えば図10(B)に示すように「実行なし」を含めてもよい)。
ステップS502Aにおいて決定された動作演出が通常であるかガセであるかを判定する(ステップS503A)。動作演出が通常である場合(ステップS503A;Yes)には、前述の実施の形態と同様にステップS504、ステップS505の処理が実行される。一方、動作演出がガセである場合(ステップS503A;No)には、ガセ動作演出の種類を決定する(ステップS506)。例えば、ガセ動作演出(長押し)とガセ動作演出(連打)との決定割合が異なるように設定されている。例えば、ガセ動作演出(長押し)が「70%」、ガセ動作演出(連打)が「30%」などとしている。また、ガセ動作演出(長押し)とガセ動作演出(連打)との決定割合が同じに設定されていてもよい。例えば、ガセ動作演出(長押し)が「50%」、ガセ動作演出(連打)が「50%」としてもよい。ステップS506の処理の後、ガセ動作演出フラグをオン状態にセットする(ステップS507)。ステップS507の処理の後、ステップS506で決定された種類のガセ動作演出パターンを設定する(ステップS508)。
ガセ動作演出としては、ガセ(演出が進行しない)演出とすればよい。ガセ動作演出では、ボタン画像G1が変化する間隔を、通常の動作演出(つまり、ガセではない動作演出)の場合と比べて長くしたり(ゆっくり変化したり、長押しの場合では長押し2秒で1秒分の変化としたり、連打の場合には連打2回で1回分の変化としたり)、ボタン画像G1が一定の変化段階(例えば一定のサイズ)から変化しないとする演出とすればよい。これによれば、大当り期待感を残すことができる。
具体的に言えば、ガセ動作演出の場合に、例えば、押し切れない程の数のボタン画像が表示され、ホタン操作でこれら大量のボタン画像を消去される演出とした場合には、一見して、大当り期待感を持てない印象を与えてしまう。つまり、操作有効期間内にこれらの大量のボタン画像をボタン操作によって消去することができないことから、大量のボタン画像が表示された時点で、完全に大当り期待感を喪失することになる。しかしながら、本発明のガセ動作演出では、前記したようにボタン画像G1がゆっくり変化するので、期待感を残すことができる。
(変形例5)
図20及び図21に示す変形例5のように、動作演出においてボタン画像G1に作用する作用演出を含む構成としてもよい。図20(A)は、リーチになった場面(T2)である。図20(B)は、スーパーリーチになった場面(T3)である。図20(C)は、ボタン画像である小ボタン(白)画像D1の表示が開始された場面(T4)である。非有効期間(T4〜T11)であるため、図20(C)では、小ボタン(白)画像D1に重畳して規制線画像Kが表示されている。
図20(D)は、タイミング1における変化等(変化無、弱変化、中変化、強変化)に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T5)である。変形例5ではタイミング1における変化等に対応するボタン等作用演出は実行されないため、図20(D)では、図20(C)と同様の表示(キャラC1、キャラC2の動作を除く)となっている。図20(E)は、タイミング1における変化等が行われる場面(T6)である。変形例5ではタイミング1における変化はないため、図20(E)では、図20(D)と同様の表示(キャラC1、キャラC2の動作を除く)となっている。
図20(F)は、タイミング2における変化等(変化無、弱変化、中変化、強変化)に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T7)である。変形例5ではタイミング2における変化等に対応するボタン等作用演出は実行されないため、図20(F)では、図20(E)と同様の表示(キャラC1、キャラC2の動作を除く)となっている。図21(G)は、タイミング2における変化等が行われる場面(T8)である。変形例5ではタイミング2において弱変化となるため、図21(G)では、小ボタン(白)画像D1が大ボタン(白)画像D2に変化(1段階変化)している。非有効期間(T4〜T11)であるため、図21(G)では、大ボタン(白)画像D2に重畳して規制線画像Kが表示されている。
図21(H)は、タイミング3における変化等(変化無、弱変化、中変化、強変化)に対応するボタン等作用演出の実行が開始される場面(T9)である。変形例5ではタイミング3における変化等に対応するボタン等作用演出として作用演出(キャラ登場)が実行されるため、図21(H)では、作用演出としてキャラクタが祈る画像JS1が表示されている。図21(I)は、タイミング3における変化等が行われる場面(T10)である。変形例5ではタイミング3において弱変化となるため、図21(I)では、大ボタン(白)画像D2が大ボタン(赤)画像D3に変化(1段階変化)している。非有効期間(T4〜T11)であるため、図21(I)では、大ボタン(赤)画像D3に重畳して規制線画像Kが表示されている。また、図21(I)では、キャラクタが喜ぶ画像JS2も表示されている。なお、図21(I)において、大ボタン(赤)画像D3ではなく他の操作手段の画像(例えば、スティックコントローラを模した画像など)に変化(2段階変化)するようにしてもよい。この場合は、後述する図21(J)、図21(K)において、他の操作手段の画像(例えば、スティックコントローラを模した画像など)が表示され、図21(K)において、前述の実施の形態の動作演出を実行するようにしてもよい。つまり、図21(K)において、スティックコントローラを模した画像と操作有効期間表示画像G2と動作説明画像G3とが表示されるようにしてもよい。
図21(J)は、大ボタン(赤)画像D3に対応する操作(プッシュボタン31Bの操作)が有効になった場面(T11)である。有効期間(T11〜T13)となったため、図21(J)では、規制線画像Kが表示されていない。図21(K)は、図21(J)の直後の場面(T12)である。遊技者にプッシュボタン31Bの操作を促すため、図21(J)では表示領域の右下に表示していた大ボタン(赤)画像D3を、図21(K)では大ボタン(赤)画像D3Uとして表示領域の中央部に大きく表示している。この図21(K)において、前述の実施の形態の動作演出を実行するようにしてもよい。つまり、図21(K)において、ボタン画像G1と操作有効期間表示画像G2と動作説明画像G3とが表示されるようにしてもよい。
図21(L)は、有効期間中(T11〜T13)に遊技者がプッシュボタン31Bを操作した場合の操作があったときの場面、又は、有効期間中(T11〜T13)に遊技者がプッシュボタン31Bを操作しなかった場合の有効期間が終了したときの場面(T13)である。変形例5では、大当りとなるため、味方キャラであるキャラC1が勝利している。つまり、大ボタン(赤)D3(大ボタン(赤)D3U)に対応する操作(プッシュボタン31Bの操作)の結果として、勝敗(キャラC1の勝利)を報知している。なお、図21(L)では、遊技者がプッシュボタン31Bを操作しなかった場合として、T13と記載している。他図でも同様である。図21(M)は、可変表示が終了する場面(T14)である。なお、図21(M)の直後にはファンファーレ演出が実行される。なお、変形例5では、スーパーリーチ演出において動作演出を実行しているが、ノーマルリーチ成立後のリーチ発展演出として、作用演出を含む動作演出を実行するようにしてもよい。
実施の形態では、動作説明画像G3は、図13〜図15に示すように、大きさが変化することなく且つ同一箇所に表示されているが、大きさが変化することなく、表示位置が変化するようにしてもよい。例えば、ボタン画像G1の縮小に伴って動作説明画像G3をボタン画像G1の方に順次に移動させる(画面中央へ近づくように順次に移動させる)ようにしてもよい。これによれば、縮小されるボタン画像G1との関係を保つことができ、縮小するボタン画像G1との関係で動作説明画像G3が分かり易く表示することができる。
実施の形態では、動作演出は、スーパーリーチ発展演出としているが、確変昇格演出、大当り昇格演出、予告演出などに適用してもよい。
実施の形態では、動作演出(長押し)において長押し閾値を5秒としているが、10秒など任意の値としてもよい。また、長押し閾値として、5秒のパターンと10秒のパターンとが選択可能な構成としてもよい。例えば、長押し閾値の秒数が大きい程(あるいは小さい程)、大当り期待度が高くするようにしてもよい。長押し閾値が5秒間のパターンと10秒間のパターンとでボタン画像G1の第1サイズ(開始時サイズ)は同一とし、単位長押し毎の変化態様(例えば、縮小する量)が異なるようにしてもよい。例えば、長押し閾値が10秒間のパターンのときに単位長押し毎に縮小する量Δ1は、開始時サイズから最終サイズを10等分した大きさとすればよく、長押し閾値が5秒間のパターンのときに単位長押し毎に縮小する量Δ2は、量Δ1の2倍とすればよい。なお、このように等分に変化(縮小)させるのではなく、変則的な変化としてもよい。例えば、長押し閾値が5秒間のパターンの場合に、1回目の単位長押しにより、長押し閾値が10秒のパターンのときの残り10秒分のサイズから残り4秒分のサイズまで一気に縮小し、その後は1回の単位長押し毎に1回分のサイズだけ縮小するようにすればよい。
実施の形態では、動作演出(連打)において連打閾値を20回としているが、10回など任意の値としてもよい。また、連打閾値として、10回のパターンと20回のパターンとが選択可能な構成としてもよい。例えば、連打閾値の回数が大きい程(あるいは小さい程)、大当り期待度が高くするようにしてもよい。連打閾値が20回のパターンと10回のパターンとでボタン画像G1の第1サイズ(開始時サイズ)は同一とし、1回の押下ごとの変化態様(例えば、縮小する量)が異なるようにしてもよい。例えば、連打閾値が20回のパターンのときに1回押下毎に縮小する量Δ1は、開始時サイズから最終サイズを20等分した大きさとすればよく、連打閾値が10回のパターンのときに1回押下毎に縮小する量Δ2は、量Δ1の2倍とすればよい。なお、このように等分に変化(縮小)させるのではなく、変則的な変化としてもよい。例えば、連打閾値が10回のパターンの場合に、1回目の押下により、連打閾値が20回のパターンのときの残り20回分のサイズから残り9回分のサイズまで一気に縮小し(つまり、量Δ1の11個分一気に縮小し)、その後は1回の押下毎に1回分のサイズだけ縮小するようにすればよい。
実施の形態では、動作演出(一撃)において、操作有効期間は5秒間としているが、それ以外の値(例えば10秒間など)としてもよい。操作有効期間が5秒間のパターンと10秒間のパターンとでボタン画像G1の第1サイズ(開始時サイズ)は同一とし、1秒ごとの変化態様(例えば、縮小する量)が異なるようにしてもよい。例えば、操作有効期間が10秒間のパターンのときに1秒毎に縮小する量Δ1は、開始時サイズから最終サイズを10等分した大きさとすればよく、操作有効期間が5秒間のパターンのときに1秒毎に縮小する量Δ2は、量Δ1の2倍とすればよい。また、動作演出(一撃)において操作有効期間が5秒間のパターンと10秒間のパターンとが選択可能な構成としてもよい。例えば、動作演出(一撃)において操作有効期間が大きい程(あるいは小さい程)、大当り期待度が高くするようにしてもよい。
実施の形態の動作演出では、ボタン画像G1のサイズを変化させているが、これに限定されない。その他の動作演出例を以下に例示する。
(例1)動作演出の例1として、ボタン画像G1が画像表示装置5の表示画面外へフェードアウトあるいは表示画面内へフェードインするようにしてもよい。
(例2)動作演出の例2として、ボタン画像G1の色が青系統の色から赤系統の色に段階的にあるいは連続的に変化するようにしたり、ボタン画像G1の色が赤系統の色から青系統の色に段階的にあるいは連続的に変化するようにしたりしてもよい。
(例3)動作演出の例3として、ボタン画像G1の透明度が低い状態(視認性高、つまり透けていないのでハッキリ見えている)から徐々に高い状態(視認性低、つまり透けているのでハッキリ見えない)に変化するようにしてもよい。
(例4)動作演出の例4として、ボタン画像G1の明度が高い状態(明るい状態)から徐々に低い状態(暗い状態)に変化するようしてもよい。
(例5)動作演出の例4として、ボタン画像G1の見た目がきれいな状態から徐々にヒビが入った状態に変化するようにしたりしてもよい。
実施の形態や変形例では、促進報知としての促進表示を実行しているが、促進表示に限定されない。促進報知として、促進表示以外のもの(例えば、音、光、振動、役物など)を単独で実行したり、あるいは促進表示に加えて実行したりしてもよい。つまり、促進表示以外に、音、光、振動、役物などで、押下時間などの操作時間(例えば長押しした期間など)、押下回数などの操作回数(例えば連打した回数など)、動作有効期間(例えば、有効期間など)を報知してもよい。一例として、音の場合には、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」といった音が段々小さくなり(あるいは大きくなってもよい)、最後の「ド」になると終了(ゴール)としてもよい。また、光の場合には、輝度が最も高い状態から段々と輝度が低下していき最終輝度(消灯であってもよい)になると終了(ゴール)としてもよい(あるいは逆の動作であってもよい)。また、振動の場合には、振動周期が短い状態から段々と周期が長い振動に変化していき振動停止(あるいは周期が最も長い状態)になると終了(ゴール)としてもよい(あるいは逆の動作であってもよい)。また、役物の場合には、突出した状態から段々と最終位置に向けて後退動作し(あるいは逆の動作であってもよい)、最終位置に移動すると終了(ゴール)としてもよい。
実施の形態や変形例では、動作演出において遊技者の動作期間あるいは動作回数を促進報知の報知態様により示唆しているが、動作演出以外の演出(例えば、動作演出よりも前の演出など)において示唆してもよい。
実施の形態では、動作演出(長押し)と動作演出(連打)と動作演出(一撃)とのいずれもボタン画像G1の大きさが変化するものとしているが、動作演出(長押し)と動作演出(連打)と動作演出(一撃)とでそれぞれ示唆の方法が異なるようにしてもよい。例えば、動作演出(長押し)では前記(例1)とし、動作演出(連打)では前記(例2)とし、動作演出(一撃)ではボタン画像G1の大きさが変化とすればよいし、前記(例3)〜(例5)を適宜に採用してもよい。
実施の形態では、プッシュボタン31Bの操作手段を備えているが、プッシュボタン31Bに替えてスティックコントローラや十字ボタンなどの他の操作手段を備えるようにしてもよいし、スティックコントローラや十字ボタンなどの他の操作手段も備えた複数の操作手段であってもよい。このように他の操作手段を備える場合には、促進報知(促進表示)も各操作手段に対応した態様で前述した実施の形態のように実行すればよい。
実施の形態では、検出手段としてプッシュセンサ35Bを用いた例について説明したが、これに限らず、赤外線センサ等の非接触式の検出手段やタッチパネルなどの接触式の検出手段を設け、遊技者の動作を検出するようにしてもよい。
識別情報(特図、飾り図柄、普図など)の可変表示は識別情報が点滅することも含む。例えば特図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すものも可変表示に含まれる。可変表示にて停止表示される特別図柄は、停止表示の前(変動中)に表示される特別図柄とは異なる図柄であってもよい(飾り図柄、普通図柄についても同様)。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を示したが、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲーム(遊技)を実行可能なスロットマシンなどのスロット機(例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZ(以下、ボーナス等)のうち1以上を搭載するスロット機)にも、本発明を適用可能である。
本発明の遊技機は、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機などにも適用することができる。
また、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。また、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信しているが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。また、上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し(大当り種別などで特定すればよい。)、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があってもこの発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技を行うことが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えば、プッシュボタン31Bの操作を検出するプッシュセンサ35Bなど)と、遊技者の動作を促す促進報知(例えば、ボタン画像G1など)を実行可能な促進報知実行手段(例えば、図12に示すステップS703、ステップS716の処理を実行する演出制御用CPU120により画像表示装置5に促進表示させることなど)と、遊技者の動作が所定期間(例えば、演出を進行させる閾値など)に亘って検出されたときに演出を進行させることが可能な動作演出(例えば、ボタン演出など)を実行可能な動作演出実行手段(例えば、図12に示すステップS346の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、前記促進報知実行手段は、遊技者の動作期間(例えば、長押しした期間など)を前記促進報知の報知態様により示唆することが可能であり(例えば、図12に示すステップS708の処理を実行する演出制御用CPU120など)、さらに、遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目を表示する表示手段(たとえば、図48に示すように、複数種類の楽曲に対応する項目を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記複数の項目のうちいずれかの項目を選択する選択演出を実行可能な選択演出手段(図48に示すように、選択操作により選択される項目を変更する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記選択演出手段において選択された項目に対応した演出を実行可能な対応演出実行手段(図48に示すように、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力を行なう演出制御用マイクロコンピュータ90200等)とを備え、前記表示手段は、前記選択演出において前記複数種類の演出のうちの第1演出が実行されている状態であっても当該第1演出に対応した項目を表示可能であり(たとえば、図48(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である等)、前記対応演出実行手段は、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出とは異なる第2演出に対応する項目が選択された場合には、当該第2演出を実行し(たとえば、図48(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する等)、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出に対応する項目が再度選択された場合には、実行されている前記第1演出の状態を引継いで実行する(たとえば、図48(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aをそのまま流す等)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、遊技者の動作期間が促進報知の報知態様により示唆されるため、遊技演出の興趣を向上させることができる。また、選択されていた演出が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
あるいは、本発明の遊技機としては、他にも、遊技を行うことが可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、遊技者の動作を検出可能な検出手段(例えば、プッシュボタン31Bの操作を検出するプッシュセンサ35Bなど)と、遊技者の動作を促す促進報知(例えば、ボタン画像G1など)を実行可能な促進報知実行手段(例えば、図12に示すステップS703、ステップS716の処理を実行する演出制御用CPU120により画像表示装置5に促進表示させることなど)と、遊技者の動作が所定回数(例えば、演出を進行させる閾値など)検出されたときに演出を進行させることが可能な動作演出(例えば、ボタン演出など)を実行可能な動作演出実行手段(例えば、図12に示すステップS346の処理を実行する演出制御用CPU120など)と、を備え、前記促進報知実行手段は、遊技者の動作回数(例えば、連打した回数など)を前記促進報知の報知態様により示唆することが可能であり(例えば、図12に示すステップS709の処理を実行する演出制御用CPU120など)、さらに、遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目を表示する表示手段(たとえば、図48に示すように、複数種類の楽曲に対応する項目を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記複数の項目のうちいずれかの項目を選択する選択演出を実行可能な選択演出手段(図48に示すように、選択操作により選択される項目を変更する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記選択演出手段において選択された項目に対応した演出を実行可能な対応演出実行手段(図48に示すように、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力を行なう演出制御用マイクロコンピュータ90200等)とを備え、前記表示手段は、前記選択演出において前記複数種類の演出のうちの第1演出が実行されている状態であっても当該第1演出に対応した項目を表示可能であり(たとえば、図48(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である等)、前記対応演出実行手段は、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出とは異なる第2演出に対応する項目が選択された場合には、当該第2演出を実行し(たとえば、図48(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する等)、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出に対応する項目が再度選択された場合には、実行されている前記第1演出の状態を引継いで実行する(たとえば、図48(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aをそのまま流す等)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、遊技者の動作回数が促進報知の報知態様により示唆されるため、遊技演出の興趣を向上させることができる。また、選択されていた演出が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
なお、遊技者の動作を促す促進報知を、例えばボタン画像G1などの促進表示によって実行する場合には、該促進報知(促進表示)を、遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目を表示する表示手段と同じ表示手段で表示する(促進表示および遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目の表示を、共通の画像表示装置5や演出表示装置909において行う)ようにしてもよいし、別個の表示手段で表示するようにしてもよい。また、遊技者が動作を行う対象としての操作手段(例えば、プッシュボタンやスティックコントローラ)と、遊技者が複数種類の演出から選択する際に操作する操作手段を、同じ操作手段で構成してもよいし、別個の操作手段で構成してもよい。
さらに、遊技演出の興趣を向上させることができ、また、選択されていた演出が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる遊技機の形態の一例として、遊技を行なう遊技機(たとえば、パチンコ遊技機901等)であって、遊技者が選択可能な複数種類の演出に対応する複数の項目を表示する表示手段(たとえば、図48に示すように、複数種類の楽曲に対応する項目を表示する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記複数の項目のうちいずれかの項目を選択する選択演出を実行可能な選択演出手段(図48に示すように、選択操作により選択される項目を変更する演出制御用マイクロコンピュータ90200等)と、前記選択演出手段において選択された項目に対応した演出を実行可能な対応演出実行手段(図48に示すように、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力を行なう演出制御用マイクロコンピュータ90200等)とを備え、前記表示手段は、前記選択演出において前記複数種類の演出のうちの第1演出が実行されている状態であっても当該第1演出に対応した項目を表示可能であり(たとえば、図48(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である等)、前記対応演出実行手段は、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出とは異なる第2演出に対応する項目が選択された場合には、当該第2演出を実行し(たとえば、図48(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する等)、前記第1演出が実行されている状態で、当該第1演出に対応する項目が再度選択された場合には、実行されている前記第1演出の状態を引継いで実行する(たとえば、図48(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aをそのまま流す等)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図22はパチンコ遊技機(弾球遊技機)901を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、この発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、たとえば、画像式の遊技機、コイン遊技機等であってもよい。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。
図22に示すように、パチンコ遊技機901は、額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1の実行条件である第1始動条件の成立(たとえば、打球が第1始動入賞口9013に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第1飾り図柄)を可変表示(以下、変動表示または変動とも称する)し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第1可変表示部909aという。)と、第2の実行条件である第2始動条件の成立(たとえば、打球が第2始動入賞口9014に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄(第2飾り図柄)を可変表示し表示結果を導出表示する表示領域(以下、第2可変表示部909bという。)と、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bよりも遊技者が表示内容を視認することが容易な表示領域(以下、演出図柄表示部909cという。)とがある。なお、表示内容を視認することが容易とは、たとえば、表示領域のサイズが大きいことであったり、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bにおける表示内容が常に単色であるのに対して表示色が変わったりすることである。また、この実施形態では、演出図柄表示部909cには、左・中・右の3つの表示領域に識別情報(以下、演出図柄ともいう。)が表示制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。この実施の形態では、2つの可変表示部(第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909b)に対して1つの演出図柄表示部909cが設けられ、演出図柄表示部909cにおいて、2つの可変表示部において可変表示される飾り図柄(第1飾り図柄および第2飾り図柄)のいずれかに対応した演出が実行されるので、飾り図柄の状況(たとえば、大当り図柄が導出表示されるか否か)を把握しづらくする。
演出表示装置909の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)908aおよび第2特別図柄表示器908bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、それぞれ、たとえば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、停止図柄が確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器908aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄ということがある。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。なお、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、一部が異なっていてもよい。一例として、第1特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2特別図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1特別図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
第1特別図柄表示器908aの近傍には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器908bの近傍には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第1可変表示部909aは、第1特別図柄表示器908aによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行なう。また、第2可変表示部909bは、第2特別図柄表示器908bによる特別図柄の可変表示時間中に、装飾用の図柄としての飾り図柄の可変表示を行なう。ここで、この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aによる特別図柄の可変表示と第2特別図柄表示器908bによる特別図柄の可変表示とは同時に可変表示することが可能である。
飾り図柄の可変表示を行なう第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。以下、第1可変表示部909aにおいて可変表示される識別情報を第1飾り図柄といい、第2可変表示部909bにおいて可変表示される識別情報を第2飾り図柄ということがある。また、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。なお、第1飾り図柄の種類と第2飾り図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。種類が異なる場合、一部が異なっていてもよい。一例として、第1飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタとを含み、第2飾り図柄の種類は、0〜5の数字と数字以外のキャラクタであって第1飾り図柄のキャラクタとは異なるものとを含むようにしてもよい。
演出表示装置909の表示画面には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数と、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、図柄保留記憶表示部9018cという。)がある。このように、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計を、比較的遊技者に視認されやすい図柄保留記憶表示部9018cにおいて表示することによって、遊技者に、第1保留記憶数と第2保留記憶数のそれぞれを把握しづらくする。この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、それぞれ、図柄保留記憶表示部9018cよりも小型のランプやLEDのような4つの表示器で構成されているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とをより把握しづらくするために、他の態様の表示器を用いてもよい。一例として、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bをそれぞれ1個の表示器で構成し、保留記憶数に応じて表示色を異ならせたり、表示濃度を異ならせるようにする。
この実施の形態では、表示可能な合算保留記憶数すなわち合算保留記憶数の上限値は8である。図柄保留記憶表示部9018cは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示領域の数を1減らす。または、図柄保留記憶表示部9018cにおける8つの表示領域のうち、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bの可変表示が開始される毎に、あらかじめ有効始動入賞として決められている色で表示される領域の数を1減らす。
また、この実施の形態では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にする。従って、第1保留記憶数が4である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第1保留記憶数が4未満である場合に第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したときには、その入賞は第1始動条件を成立させる有効始動入賞(第1有効始動入賞)になる。同様に、第2保留記憶数が4である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させない無効始動入賞になる。第2保留記憶数が4未満である場合に第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したときには、その入賞は第2始動条件を成立させる有効始動入賞(第2有効始動入賞)になる。なお、この例では、第1保留記憶数の上限値を4にし、第2保留記憶数の上限値を4にし、合算保留記憶数の上限値を8にするが、それらの値は一例である。また、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。第1始動口スイッチ9013aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
演出表示装置909の右方には、ゲート9032が設けられている。ゲート9032を通過した遊技球は、ゲートスイッチ9032aによって検出される。また、ゲート9032の下方には、作動ゲート9017が設けられている。作動ゲート9017を通過した遊技球は、作動ゲートスイッチ9017aによって検出される。
ここで、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示結果として大当り図柄が導出表示されると直ちに大当り遊技が開始されるのではなく、作動ゲート9017を遊技球が通過し、作動ゲートスイッチ9017aで検出されたことを条件として、大当り遊技に移行するように構成されている。そのため、大当り遊技状態終了後に遊技者が遊技を休憩した場合に、遊技者の休憩中に大当り遊技状態への制御が進行してしまわないように制限することができる。特に、この実施の形態では、後述するように第2特別図柄の変動時間が15分や5分と長いので、第2特別図柄の変動表示が実行されて長時間の変動表示中に遊技者が休憩に入ってしまう場合がある。このような場合であっても、その第2特別図柄の変動表示が大当りとなっても休憩中に大当り遊技が進行してしまうことを制限することができ、遊技者の利益が損なわれる事態を防止することができる。なお、この実施の形態では、ゲート9032とは別に作動ゲート9017を設ける場合を示しているが、ゲート9032と作動ゲート9017とを共通のゲートとして構成するようにしてもよい。また、必ずしも作動ゲート9017を設ける必要はなく、大当り図柄が導出表示されると、そのまま図柄確定表示時間経過後に大当り遊技に移行するように構成してもよい。
作動ゲート9017の下方には、大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する有利状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球は第1カウントスイッチ9023aで検出される。第1カウントスイッチ9023aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(たとえば15個)の遊技球が賞球として払い出される。
特別可変入賞球装置9020の下方には、小当り用の特殊入賞口9024を形成する特殊可変入賞球装置9022と、第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015とが設けられており、図22に示すように、左側に特殊可変入賞球装置9022が配置され、その右側に隣り合うように可変入賞球装置9015が配置されている。詳細は後述するが、これら特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015は、やや傾斜した状態で左右方向に延在し、遊技球が流下する流路の底面として形成される板状の底面部材を、前後方向に進退移動させることにより、底面部材の下方に位置する特殊入賞口9024や第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な開状態(開放状態ともいう)と遊技球が入賞不能な閉状態(閉鎖状態ともいう)とに変化させる。特殊可変入賞球装置9022は、第2特別図柄表示器908bに所定表示結果(小当り図柄)が導出表示されたときに生起する小当り遊技状態において、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる特殊入賞口9024を開状態とする開放制御を実行する。また、可変入賞球装置9015は、普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示されたときに、底面部材を前方に向けて前進移動させた閉状態から底面部材を後方に向けて後退移動させ、入賞領域となる第2始動入賞口9014を開状態とする開放制御を実行する。
なお、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは、同様の構造を有するように形成されているのであるが、図22に示すように、可変入賞球装置9015と比較して特殊可変入賞球装置9022の方が若干大きい。また、図22に示すように、特殊可変入賞球装置9022と可変入賞球装置9015とは隣り合うように配置されているので、特別可変入賞球装置9020に入賞することなく遊技領域907を落下した遊技球は、まず可変入賞球装置9015の上に落下するのであるが、この際に可変入賞球装置9015の底面部材が後退移動されて第2始動入賞口9014が開状態となっていれば、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞し、特殊可変入賞球装置9022の方には遊技球は流れて行かない。一方、第2始動入賞口9014が開状態となっていなければ、遊技球は可変入賞球装置9015の底面部材の上を移動して特殊可変入賞球装置9022の方に導かれる。この際に特殊可変入賞球装置9022の底面部材が後退移動されて特殊入賞口9024が開状態となっていれば、遊技球は特殊入賞口9024に入賞する。さらに、特殊入賞口9024も開状態となっていなければ、遊技球は特殊可変入賞球装置9022の底面部材の上を移動して、そのままアウト口9026の方へ落下することになる。
なお、この実施の形態では、図22に示すように、特殊可変入賞球装置9022が左側に配置され、可変入賞球装置9015が右側に配置されているのであるが、特殊可変入賞球装置9022および可変入賞球装置9015の底面部材が右上方から左下方に緩やかに傾斜するように形成され、底面部材が後退しておらず閉状態である場合には可変入賞球装置9015の方から特殊可変入賞球装置9022の方に向かって遊技球が流れるように構成されているので、この意味で、可変入賞球装置9015の方が上流側に設けられ、特殊可変入賞球装置9022の方が下流側に設けられているといえる。
特殊入賞口9024内には、特殊入賞口9024内に入賞した遊技球を検出可能なスイッチ(第2カウントスイッチ9025a、図26参照)が設けられている。第2カウントスイッチ9025aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(たとえば10個)の遊技球が賞球として払い出される。ここで、特殊可変入賞球装置9022において開状態となった特殊入賞口9024を遊技球が通過(進入)したときには、大入賞口に遊技球が入賞したときと比較すると賞球の数が少ないものの、たとえば第1始動入賞口9013や第2始動入賞口9014といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出されるようになっている。従って、特殊可変入賞球装置9022が開放制御されて特殊入賞口9024が開状態となれば、遊技者にとって有利な状態となる。その一方で、特殊可変入賞球装置9022が閉鎖制御されて特殊入賞口9024が閉状態となれば、特殊入賞口9024に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な状態となる。
また、第2始動入賞口9014内には、第2始動入賞口9014内に入賞した遊技球を検出可能な第2始動口スイッチ9014aが設けられている。第2始動口スイッチ9014aによって遊技球が検出された場合には、この検出情報に基づき、所定個数(1個)の遊技球が賞球として払い出される。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
なお、この実施の形態では、ゲート9032、作動ゲート9017、特別可変入賞球装置9020(大入賞口)、可変入賞球装置9015(第2始動入賞口9014)、および特殊可変入賞球装置9022(特殊入賞口9024)が遊技領域907の右方に設けられているので、大当り遊技中や後述するKT状態中である場合には、遊技者は遊技領域907の右方を狙って発射操作(いわゆる右打ち操作)を行なう。従って、この実施の形態では、詳細な説明を省略しているが、大当り遊技中やKT状態中である場合には、たとえば、演出表示装置909において「右打ち」などの表示を行ったり右方向を示す矢印表示を行ったりして、右打ち操作期間中であることを報知するように構成することが望ましい。
演出表示装置909の下方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器9010は、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器9010は、7セグメントLEDなどにかぎらず、たとえば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(たとえば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置9015の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤906の遊技領域907の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ9025が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028bおよび右枠ランプ9028cが設けられている。また、左枠ランプ9028bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ9051が設けられ、右枠ランプ9028cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ9052が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。遊技者が打球操作ハンドル905を継続して操作した場合には、0.6秒毎に遊技球が打ち出される。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第1可変表示部909aにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄は第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。
また、遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(たとえば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、第2可変表示部909bにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄は第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合算保留記憶数(合計数)を1増やす。ただし、第2保留記憶数が上限値に達していても、合算保留記憶数が上限値に達していなければ、図柄保留記憶表示部9018cに表示される合計数を1増やす。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示および第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定時間(たとえば29秒)が経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置9020が開放される。特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(たとえば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または特別可変入賞球装置9020が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば、2ラウンド、6ラウンド、16ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、特別可変入賞球装置9020の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。なお、大当り遊技状態におけるラウンド数は、大当りの種別によって異なる。この実施の形態において大当りの種別は2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りがあり、たとえば、2R通常大当りまたは2R確変大当りが発生すれば2ラウンドの大当り遊技状態が付与され、6R通常大当りまたは6R確変大当りが発生すれば6ラウンドの大当り遊技状態が付与され、16R確変大当りが発生すれば16ラウンドの大当り遊技状態が付与される。
第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、たとえば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示および第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。
第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、たとえば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が低確率状態(後述する低確率/非KT状態と低確率/第1KT状態とがある)よりも高い確変状態(低確率状態よりも大当りが発生しやすい高確率状態)という遊技者にとって有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に移行した場合には、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても低確率状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、停止時の第2特別図柄が小当り図柄になると、小当り遊技状態に移行する。すなわち、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能な程度の一定時間が経過するまで特殊可変入賞球装置9022が開放される。これにより、小当り遊技状態にも、大当り遊技状態よりも少ないものの、遊技者が出玉を得ることができるような開放態様としている。
確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:たとえば、0〜9のうちの奇数)になる確率が低確率状態より高められる。
ここで、この実施の形態における遊技状態について説明する。まず、この実施の形態における遊技状態には、通常状態(低確率/非KT状態)と、通常状態よりも小当りになりやすいKT状態(いわゆる小当りタイム)とがある。さらに、KT状態には第1KT状態と第2KT状態との2種類があり、この実施の形態では、遊技状態には、低確率状態且つ非KT状態(低確率/非KT状態:通常状態)に制御されている場合と、低確率且つ第1KT状態(低確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第1KT状態(高確率/第1KT状態)に制御されている場合と、高確率且つ第2KT状態(高確率/第2KT状態)に制御されている場合とがある。
KT状態のうち第1KT状態は、後述するように、小当りが発生しやすく特殊可変入賞球装置9022が開状態となりやすいものの、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が極めて長く、小当りが発生しても下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞するケースは極めて少ない(たとえば、100変動するごとに1球程度)。また、KT状態のうち第2KT状態は、後述するように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短く、小当りが発生した場合に下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞しやすい。
確変状態は、低確率状態よりも大当りになりやすい遊技状態である。具体的には、確変状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数が、低確率状態における大当り判定テーブルの大当り判定値の数の10倍あるため、確変状態を、低確率状態よりも大当りの発生しやすい遊技状態としている。
また、KT状態は、通常状態(低確率/非KT状態)よりも小当りになりやすい遊技状態である。具体的には、この実施の形態では、KT状態であっても普図当りとなって可変入賞球装置9015が開状態となる確率は通常状態と同じなのであるが、第2特別図柄の変動時に選択する変動パターンの有する変動時間が、KT状態の方が通常状態よりも短いため、KT状態の方が通常状態よりも一定時間に対する変動回数の割合が高くなる。また、第2特別図柄の変動が大当りとならなかったときの一部で小当りとなるよう構成されているため、KT状態を、通常状態よりも小当りになりやすい遊技状態としている。これにより、KT状態では、主に第2特別図柄の変動を行なわせることにより小当りを頻繁に発生させ、遊技者に有利な遊技状態となっている。
次に、この実施の形態における遊技状態の遷移について説明する。まず、この実施の形態では、通常状態(低確率/非KT状態)では、遊技者は遊技領域907の左方を狙って遊技球の発射操作(左打ち)を行なう。そのため、通常状態では、主として第1始動入賞口9013への始動入賞が発生し、主として第1特別図柄の変動表示が実行される。通常状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。たとえば、6R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、たとえば、6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、たとえば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御される場合に一律に100回の変動表示を終了すると第1KT状態を終了する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、低確率/第1KT状態の契機となる大当りの種別を複数設けるように構成し、その大当り種別に応じて大当り遊技終了後に第1KT状態が継続する変動表示の回数が異なる(たとえば、20回や、30回、50回、100回)ように構成してもよい。
KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)に移行した後である場合には、この実施の形態では、遊技者は遊技領域907の右方を狙って遊技球の発射操作(右打ち)を行なう。そのため、KT状態では、主として第2始動入賞口9014への始動入賞が発生し、主として第2特別図柄の変動表示が実行される。KT状態において大当りが発生した場合には、低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、または高確率/第2KT状態へ移行する。たとえば、2R通常大当りが発生した場合、低確率/第1KT状態に移行し、その後、大当りが発生することなく100回の変動表示を終了すると、第1KT状態を終了して通常状態へ移行する。また、たとえば、2R確変大当りまたは6R確変大当りが発生した場合、高確率/第1KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第1KT状態が維持される。また、たとえば、16R確変大当りが発生した場合、高確率/第2KT状態に移行し、その後、次の大当りが発生するまで高確率/第2KT状態が維持される。
ただし、後述するように、大当り開始前に非KT状態であったにもかかわらず第2特別図柄の変動表示が実行されて16R確変大当りとなったような場合には、高確率状態に移行するものの、第2KT状態ではなく第1KT状態に移行するように制御する。すなわち、通常状態であるにもかかわらず右打ちされて第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合であり、そのような場合に第2KT状態に移行して小当り遊技において相当数の賞球を得られるようにしてしまうと、KT状態における本来の遊技性が損なわれることから、第1KT状態にしか移行しないようにして、通常状態で右打ちしても小当り遊技による賞球をあまり得られないように構成している。
具体的には、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにし、大当り開始前に非KT状態であった場合には第1KT状態に移行するように構成している。すなわち、非KT状態(低確率/非KT状態)では、左打ち操作を行うように構成されており主として第1特別図柄の変動表示が実行されることを想定して構成されている。ところが、第2特別図柄の変動表示により16R確変大当りが発生した場合に無条件に第2KT状態に移行されるように構成してしまったのでは、非KT状態でも敢えて右打ち操作を行なって第2KT状態に移行させることが可能となってしまい、本来の遊技性を損ね不必要に射幸性を高めるおそれがある。そこで、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示にもとづいて16R確変大当りとなった場合には、大当り開始前にKT状態であった場合にのみ第2KT状態に移行するようにして、そのような事態を防止し、非KT状態では遊技者に左打ち操作を促すようにしている。なお、非KT状態において右打ちをした場合には、警告音を出力することで左打ち操作を促すようにしてもよい。
また、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1可変表示部909aにおける第1飾り図柄の可変表示とは同期している。さらに、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2可変表示部909bにおける第2飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて大当り図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて大当り図柄が停止表示される。
さらに、第1特別図柄表示器908aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第1可変表示部909aにおいて確変図柄を想起させるような飾り図柄(たとえば「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器908bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、第2可変表示部909bにおいて確変図柄を想起させるような特別の飾り図柄(たとえば「7」)が停止表示される。
また、演出図柄表示部909cでは、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示されているときに、第1特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。たとえば、演出図柄表示部909cにおける3つの表示領域において演出図柄が可変表示される。リーチ演出を行なう場合には、たとえば、可変表示中に左右の演出図柄が停止表示される。そして、基本的に第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、演出図柄表示部909cにおいて演出図柄の停止図柄が導出表示される(3つの表示領域において演出図柄が最終停止される。)。第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合には、演出図柄の停止図柄は、第1特別図柄の停止図柄が大当り図柄であることを遊技者に想起させるような演出図柄(たとえば、左中右が揃った状態の3つの演出図柄)になる。以下、そのような演出図柄も、大当り図柄という。
第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときに、第2特別図柄の可変表示に対応した演出が実行される。たとえば、演出図柄表示部909cにおける3つの表示領域において演出図柄が可変表示される。
また、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄が可変表示され、同時に第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄が可変表示されているときには、第1特別図柄と第2特別図柄とのうちのいずれかの可変表示に対応した演出が実行される。
そして、第1特別図柄または第2特別図柄が単独で可変表示されている場合には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が終了し第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄が導出表示されるときに、演出図柄の可変表示は終了し、演出図柄の停止図柄が導出表示される。また、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている場合、具体的には、第1特別図柄および第2特別図柄が同時に可変表示されている期間が存在する場合には、遅く可変表示が終了する方の特別図柄が停止表示されるときに、演出図柄の可変表示は終了する。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、3つの演出図柄のうち停止した演出図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない演出図柄については可変表示(変動表示)が行なわれていること、および全てまたは一部の演出図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、演出図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる飾り図柄(たとえば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、演出図柄表示部909cにおける左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行なわれ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれる。その演出と演出図柄表示部909cにおけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、演出図柄とは異なるもの)を表示させたり、演出図柄表示部909cの背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。
次に図23〜図25は、特殊可変入賞球装置9022を示す図である。以下では、図23〜図25を参照して特殊可変入賞球装置9022について説明する。なお、この実施の形態については、図23〜図25を用いて特殊可変入賞球装置9022の構造について説明を行っているが、特殊可変入賞球装置9022よりも若干サイズが小さいだけで、可変入賞球装置9015の構造も特殊可変入賞球装置9022の構造と同様である。
図23〜図25に示すように、特殊可変入賞球装置9022は、左右方向に長い矩形板状のベース板部90101を備えている。特殊可変入賞球装置9022は、このベース板部90101が遊技領域907にたとえば螺子などで固定されることで、遊技領域907に固定支持される。ベース板部90101の略中央領域には、前方に向けて開口する特殊入賞口9024(可変入賞球装置9015の場合は第2始動入賞口9014)が形成されるとともに、ベース板部90101における特殊入賞口9024よりも上方の位置には、底面部材9023が後退移動した際に、底面部材9023を遊技領域907の背面側(後方)に収容するための左右方向に長いスリット状の収容孔90102が形成されている。なお、この実施形態において特殊入賞口9024は詳しくは、ベース板部90101の左右方向中央よりやや左側に形成されているが、これよりも左または右であってもよい。
底面部材9023は、右方からその上面に進入した遊技球を、左方に向けて流下させるように、左下がり傾斜し、収容孔90102は、底面部材9023の傾斜に沿うように、左下がり傾斜するように形成されている。底面部材9023は、図24に示す前進移動された状態と、図25に示す後退移動した状態とに進退移動可能とされており、ベース板部90101の背面側(後方)には、底面部材9023を進退移動させる駆動装置(図示せず)が配置されている。
図23〜図25に戻り、ベース板部90101の正面側には、前方に向けて突出した流路形成台部90112が形成されており、この流路形成台部90112の上部には、前進移動した状態の底面部材9023の上方側端部(右端部)である上流領域9023Uと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する上流側流路部90113と、底面部材9023の下方側端部(左端部)である下流領域9023Lと底面部材9023の長手方向で連なり、底面部材9023とともに遊技球の流路を形成する下流側流路部90114とが形成されている。
また、流路形成台部90112の上部には、上流側流路部90113および下流側流路部90114の底面部材9023側の端部から下方に凹み、正面視で、特殊入賞口9024を左右および下方から囲うようにして、底面部材9023の下方に落下した遊技球を特殊入賞口9024に案内する案内流路部90115が形成されている。
上流側流路部90113および下流側流路部90114は、遊技球を左方に流下させるべく左下がりに傾斜するように形成されている。また、案内流路部90115の底部は、特殊入賞口9024側に向けて左下がりに延びるとともに、特殊入賞口9024の前方の位置で凹んでいる。そして、案内流路部90115の底部において上記凹んだ空間には、遊技球を特殊入賞口9024側(遊技領域907の背面側)に向けて後方に案内する三角形状のガイド部90116が配設されている。
またさらに、流路形成台部90112の前部(遊技者側)には、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆う被覆部90117が一体に形成されている。この被覆部90117は、上流側流路部90113、下流側流路部90114および案内流路部90115を前方から覆うことで、これら各流路部を流下する遊技球がガラス扉枠902側に跳ねてしまうことを防ぐ機能を有している。なお、この実施形態では、被覆部90117が流路形成台部90112に一体形成されるが、別体で固定されるものでもよい。
特殊可変入賞球装置9022では、ベース板部90101と被覆部90117との間において、上流側流路部90113、底面部材9023、および下流側流路部90114からなる、左右方向に連なる遊技球の流路Fが形成される。ここで、この実施形態では、ベース板部90101および被覆部90117に、流路Fを流下する遊技球の流下速度を低下させる複数の規制片90118が形成されている。
この実施形態において、規制片90118は、ベース板部90101および被覆部90117に一体形成され、ベース板部90101から前方に突出する、または被覆部90117から後方に突出するリブ状に形成され、遊技球に干渉することで、左方に向けて流下する遊技球を前後方向成分の動きをもって蛇行するように、遊技球の流下方向を変更させて、その流下にかかる時間を、規制片90118がない場合よりも遅延させる。これら規制片90118は、流路Fにおける遊技球の流下方向で、所定間隔を空けて並ぶように形成され、かつベース板部90101および被覆部90117に交互に形成されている。また、規制片90118は、底面部材9023の前後方向幅の1/3〜1/4程度の幅寸法に設定され、かつ隣接するもの同士の間に遊技球が通過可能な幅寸法に設定されている。さらに詳しくは、この実施形態では、被覆部90117のうちの上流側流路部90113を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されるとともに、被覆部90117のうちの下流側流路部90114を前方から覆う部位に、規制片90118が1つ形成されている。また、ベース板部90101および被覆部90117のうちの底面部材9023を覆う部位には、ベース板部90101および被覆部90117に交互に形成された規制片90118が合計5つ形成されている。なお、このような規制片90118の数は、特段限定されるものではない。また、この実施形態では、規制片90118の大部分が、前方(遊技者側)から被覆部90117によって覆われるようになっている。
以上のような規制片90118の配置により、図24を参照し、この実施形態の特殊可変入賞球装置9022(および同様に構成された可変入賞球装置9015)では、流路Fを流下しようとする遊技球Pが、流路F上を蛇行するようにして流下することになる。そして、このような流路Fが形成される特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が閉鎖されているとき、遊技球Pが特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞せずに、特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)を基本的に通過する。一方で、図25を参照し、底面部材9023が後退移動した特殊可変入賞球装置9022(または可変入賞球装置9015)が開放されているとき、遊技球Pが、流路形成台部90112の案内流路部90115に落下することが可能となり、この案内流路部90115を流下して、特殊入賞口9024(または第2始動入賞口9014)に入賞することが可能となる。
図26は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図26には、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載され、特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021、特殊可変入賞球装置9022を開閉するソレノイド90106、および可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド90206を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ90560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板9031に搭載されている。なお、主基板9031には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板9077を介して遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bと、演出図柄を可変表示する演出図柄表示部909cと、図柄保留記憶表示部9018cとの表示制御を行なう。
図27は、中継基板9077、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図27に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90201およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90200を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90201は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板9077を介して入力される主基板9031からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ90202および入力ポート90203を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90201は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90209に、演出表示装置909の表示制御を行なわせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板9080において、まず、入力ドライバ90202に入力する。入力ドライバ90202は、中継基板9077から入力された信号を演出制御基板9080の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080の内部から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板9077には、主基板9031から入力された信号を演出制御基板9080に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板9080から中継基板9077への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路9074が搭載されている。単方向性回路として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図27には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート90571を介して主基板9031から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板9077から主基板9031の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板9077からの信号は主基板9031の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ90560側)に入り込まない。なお、出力ポート90571は、図26に示されたI/Oポート部9057の一部である。また、出力ポート90571の外側(中継基板9077側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU90201は、入出力ポート90205を介してランプドライバ基板9035に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90201は、入出力ポート90204を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ90351を介してランプドライバ90352に入力される。ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ9028a、左枠ランプ9028b、右枠ランプ9028cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ9025に供給する。さらに、この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022内に特殊入賞口ランプ9024aが設けられており、ランプドライバ90352は、ランプを駆動する信号を増幅して特殊入賞口ランプ9024aに供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入出力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU90201とランプドライバ基板9035および音声出力基板9070との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU90201は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置909に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄、演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU90201は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP90209に出力する。VDP90209は、演出制御用CPU90201から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置909の表示制御を行なうVDP90209が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90209は、演出制御用マイクロコンピュータ90200とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90209は、VRAM内の画像データを演出表示装置909に出力する。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(たとえば、図27に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など)を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070やランプドライバ基板9035にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(たとえば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
次に、遊技機の動作について説明する。図28は、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行なう(ステップS904)。なお、割込モード2は、CPU9056が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU9056は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU9056は、通常の初期化処理を実行する(ステップS9010〜ステップS9015)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(ステップS907)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、CPU9056は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(ステップS908)。ステップS908では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9091)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9092)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9091およびS9092の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9093)、その内容に従って演出制御基板9080に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS9094)。そして、ステップS9015に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行なう(ステップS9010)。なお、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、たとえば、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、ROM9054に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9013)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS9014)。初期化コマンドとして、演出表示装置909に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS9015において、CPU9056は、所定時間(たとえば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS9010〜S9015)が完了すると、CPU9056は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS9017)および初期値用乱数更新処理(ステップS9018)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS9016)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS9019)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り判定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り判定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図29に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS9020)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU9056は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、第2カウントスイッチ9025a、ゲートスイッチ9032a、および作動ゲートスイッチ9017aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:ステップS9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、第1特別図柄保留記憶表示器9018aおよび第2特別図柄保留記憶表示器9018bの表示制御を行なう表示制御処理を実行する(ステップS9022)。第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bについては、ステップS9032で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:ステップS9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS9024,S9025)。
図30は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1´:大当りを発生させるか否か、または小当りを発生させるか否かを決定する(大当り、小当り判定用)
(2)ランダム2´:大当りの種別、すなわち、2R通常大当り、2R確変大当り、6R通常大当り、6R確変大当り、および16R確変大当りのいずれにするかを決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム5´:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)
(4)ランダム6´:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム7´:ランダム1´の初期値を決定する(ランダム1´初期値決定用)
(6)ランダム8´:ランダム6´の初期値を決定する(ランダム6´初期値決定用)
図29に示された遊技制御処理におけるステップS9023では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、(1)の大当り、小当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(6)の乱数以外の乱数も用いられている。また、この実施の形態では大当りの種別を決定する乱数と小当りの種別を決定する乱数として、共通の乱数(ランダム2´)を設けるものとしたが、それぞれ異なる乱数が設けられているものであってもよい。
さらに、CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS9026A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器908aや特別可変入賞球装置9020を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS9026B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器908bや特別可変入賞球装置9020、特殊可変入賞球装置9022を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。そして、CPU9056は、普通図柄プロセス処理を行なう(ステップS9026C)。普通図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて普通図柄表示器9010や可変入賞球装置9015を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU9056は、保留記憶処理を行なう(ステップS9027a)。保留記憶処理では、CPU9056は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を算出し管理する処理を実行する。
次いで、CPU9056は、第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:ステップS9028)。
さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(ステップS9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(ステップS9030)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、第1カウントスイッチ9023a、および第2カウントスイッチ9025aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9031:出力処理)。
また、CPU9056は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行なうための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行なうための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(ステップS9032)。CPU9056は、たとえば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
また、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(ステップS9033)。CPU9056は、たとえば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の可変表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS9034)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9033(ステップS9029を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU9056は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行なう。
図31は、大当り判定テーブルと小当り判定テーブルとを示す説明図である。図31(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、低確率状態(低確率/非KT状態、低確率/第1KT状態)において用いられる非確変時大当り判定テーブルと、確変状態(高確率状態(高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態))において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。非確変時大当り判定テーブルには、図31の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図31の右欄に記載されている各数値が設定されている。図31(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダム1´)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図31(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りにすることに決定する。なお、図31(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
また、図31(B)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダム1´と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルは、第1特別図柄については、判定値が設定されておらず、第2特別図柄にのみ小当り判定値が設定されている。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を小当り判定用乱数(ランダム1´)の値とするのであるが、小当り判定用乱数値が図31(B)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図31(B)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、無条件に全てはずれとされる。また、第2特別図柄の変動表示を実行する場合に大当りとしないことに決定した場合には、図31(B)の小当り判定テーブルにより小当りに決定される。
図32は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブル90131aを示す説明図である。大当り種別判定テーブル90131aは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム2´)にもとづいて、大当りの種別を「2R通常大当り」、「2R確変大当り」、「6R通常大当り」、「6R確変大当り」、または「16R確変大当り」のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図32(A)に示すように、この実施の形態では、第1特別図柄の変動表示を実行する場合には、20%の確率で「16R確変大当り」と決定され、45%の確率で「6R確変大当り」と決定され、35%の確率で「6R通常大当り」と決定される。また、図32(B)に示すように、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、30%の確率で「16R確変大当り」と決定され、30%の確率で「6R確変大当り」と決定され、5%の確率で「2R確変大当り」と決定され、35%の確率で「2R通常大当り」と決定される。
「16R確変大当り」とは、16ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第2KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第2KT状態にも移行される)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第2KT状態が継続する。
ただし、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を実行する場合には、大当り開始前に非KT状態であった場合には、「16R確変大当り」となっても第2KT状態ではなく第1KT状態に移行する場合がある。
「6R確変大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する。
「6R通常大当り」とは、6ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する。
「2R確変大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に高確率/第1KT状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに第1KT状態にも移行される)。そして、次の大当りが発生するまで、確変状態および第1KT状態が継続する。
「2R通常大当り」とは、2ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に第1KT状態のみに移行させる大当りである。そして、第1KT状態に移行した後、変動表示を所定回数(この実施の形態では100回)終了すると第1KT状態が終了する。なお、変動表示を所定回数終了する前であっても、次の大当りが発生した場合にも、第1KT状態を終了する。
なお、大当り種別の種類は、この実施の形態で示したものにかぎられない。第2特別図柄の変動表示を実行する場合に、16R確変大当り、2R確変大当り、および2R通常大当り以外に、3R確変大当り〜7R確変大当りを決定可能に構成してもよく、様々な態様が考えられる。
図33〜図35は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図33〜図35に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図33〜図35に示す例では、第1特別図柄および第1飾り図柄についての第1変動パターン#01〜#07の7種類と、第2特別図柄および第2飾り図柄についての第2変動パターン#A〜#18の25種類とが用いられる。以下、たとえば変動パターン#n(n=01〜07またはA〜18)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図33(A)に示す非KT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図33(A)に示すように、非KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#01〜#05のいずれかに決定される。
第1特別図柄の変動表示を実行する場合、KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態、高確率/第2KT状態)である場合には、図33(B)に示すKT時用の第1特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図33(B)に示すように、KT状態において第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第1変動パターン#06〜#07のいずれかに決定される。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、非KT状態(低確率/非KT状態)である場合には、図34(C)に示す非KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図34(C)に示すように、非KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#A〜#02のいずれかに決定される。具体的には、はずれと決定する場合には第2変動パターン#Aが決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。小当りと決定する場合には第2変動パターン#01が決定されて、15分間の長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。また、大当りと決定する場合にも第2変動パターン#02が決定されて、5分間というある程度長期間にわたって第2特別図柄の変動表示が実行される。
この実施の形態では、非KT状態中であっても第2特別図柄の変動表示が実行されて小当りとなると、特殊入賞口9024への遊技球の入賞によりある程度の賞球を期待できる状況が生じてしまう。そこで、この実施の形態では、図34(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行されても、変動時間を極端に長くし変動表示の実行頻度を低下させることによって却って小当りの発生頻度を低下させるようにし、非KT状態中であるにもかかわらず小当りによる賞球の獲得を狙われてしまう事態を防止している。
なお、この実施の形態では、図34(C)に示すように、非KT状態中に第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、大当りとなる場合であっても変動時間を5分と比較的長くすることによって、非KT状態中に不当に特殊入賞口9024への入賞による賞球を狙う行為を防止するようにしている。ただし、大当りとなる場合には、小当りとなる場合と比較して第1保留記憶の消化を長くしなくてもよいので、小当りとなる場合よりも短い変動時間となるように構成している。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、低確率/第1KT状態である場合には、その低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図34(D)に示す低確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図34(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#B〜#04のいずれかに決定される。
なお、図34(D)に示すように、低確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合には、小当りとしては比較的長めの7秒の変動時間である第2変動パターン#03(第2始動入賞口開放準備用の変動パターン)に決定される。この実施の形態では、既に説明したように、第1KT状態に制御される場合には、小当りの頻度が高くなるものの可変入賞球装置9015の開放時間を長くすることによって実際には特殊可変入賞球装置9022内の特殊入賞口9024には滅多に入賞しないように設定されている。しかしながら、低確率/第1KT状態に移行した直後の状態では可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上にある程度の遊技球が溜まっている可能性があり、直ちに特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御してしまったのでは、相当数の遊技球が特殊入賞口9024に入賞してしまう可能性がある。そこで、この実施の形態では、第1KT状態の1変動目では、少なくとも7秒の変動時間を確保することによって、第1KT状態に移行する前から可変入賞球装置9015や特殊可変入賞球装置9022の底面部材上に溜まっている遊技球が全て落下するまでに十分な時間が経過してから特殊可変入賞球装置9022を開状態に制御して特殊入賞口9024への入賞を可能とすることにより、第1KT状態において想定以上の賞球が得られるような事態が生じることを防止している。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2〜99変動目の変動表示を実行する場合であれば、図34(E)に示す低確率/第1KT時且つ2〜99変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図34(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#C〜#07のいずれかに決定される。また、図34(E)に示すように、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#05に決定される場合がある。なお、この実施の形態では、低確率/第1KT状態の2〜99変動目として小当りと決定し、第2変動パターン#07にもとづいて変動表示が実行される場合には、演出表示装置909における演出図柄の変動表示において、リーチとなったり滑り演出が実行されるなど図柄煽りの演出が実行される。
また、低確率/第1KT状態の契機となった6R通常大当りや2R通常大当りにもとづく大当り遊技を終了してから100変動目の変動表示(すなわち、低確率/第1KT状態における最終変動)を実行する場合であれば、図34(F)に示す低確率/第1KT時且つ100変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図34(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#D〜#09のいずれかに決定される。
この実施の形態では、低確率/第1KT状態に制御されている場合には、たとえば、演出表示装置909において「チャンスタイム中」などの文字表示が表示される。図34(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として小当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行なう終了表示を伴う第2変動パターン#08に決定される。また、図34(F)に示すように、低確率/第1KT状態の100変動目として大当りと決定する場合には、演出表示装置909において「チャンスタイム終了!!」などの文字表示を行なう終了表示の後に所定の復活表示を伴う第2変動パターン#09に決定される。
なお、この実施の形態では、図33に示すように、KT状態中に第1特別図柄の変動表示で大当りとなった場合には、変動時間が1分の第1変動パターン#07を決定するように構成されている。これは、第2KT状態に移行した直後に第1特別図柄の変動表示で直ちに大当りが発生してしまったようなケースで、大当りの変動時間をはずれと同じ短い変動時間としてしまうと、遊技者が小当りによる利益を一切受けられなくなる。そのため、この実施の形態では、そのようなケースであっても、少なくとも複数回小当りが発生可能な十分な時間(本例では、1分)が確保されるように構成されている。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第1KT状態である場合には、その高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してからの変動回数に応じて、変動パターンテーブルを選択する。この場合、1変動目の変動表示を実行する場合であれば、図35(G)に示す高確率/第1KT時且つ1変動目用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図35(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#E〜#12のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の1変動目と同様に、図35(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、第2始動入賞口開放準備用の変動パターン(第2変動パターン#10)に決定される場合がある。また、図35(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#12が決定される。また、図35(G)に示すように、高確率/第1KT状態の1変動目として小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#11が決定される場合がある。
また、高確率/第1KT状態の契機となった6R確変大当りや2R確変大当りにもとづく大当り遊技を終了してから2変動目以降の変動表示を実行する場合であれば、図35(H)に示す高確率/第1KT時且つ2変動目以降用の第2特別図柄変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図35(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#F〜#15のいずれかに決定される。
なお、低確率/第1KT状態の2〜99変動目と同様に、図35(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合には、変動時間が5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#13に決定される場合がある。また、図35(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として大当りと決定する場合には、確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#15が決定される。また、図35(H)に示すように、高確率/第1KT状態の2変動目以降として小当りと決定する場合にも、バトル演出を含む第2変動パターン#14が決定される場合がある。
第2特別図柄の変動表示を実行する場合、高確率/第2KT状態である場合には、図35(I)に示す高確率/第2KT時用の第2特別図柄用変動パターンテーブルが選択されて変動パターンが決定される。図35(I)に示すように、高確率/第2KT状態において第2特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2変動パターン#G〜#18のいずれかに決定される。
なお、図35(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、第1KT状態(低確率/第1KT状態、高確率/第1KT状態)において短縮変動の変動表示が実行される場合よりもさらに変動時間が1.5秒と短い短縮変動の第2変動パターン#16に決定される場合がある。また、図35(I)に示すように、高確率/第2KT状態において小当りと決定する場合には、高確率/第2KT状態が継続するか否かを示唆する継続演出を含む第2変動パターン#17に決定される場合がある。また、図35(I)に示すように、高確率/第2KT状態において大当りと決定する場合には、継続演出の後に確変状態(高確率状態)が終了するか否かを示唆するためのバトル演出を含む第2変動パターン#18が決定される。
なお、この実施の形態では、継続演出やバトル演出を含む変動パターンに決定された場合には、演出表示装置909において演出図柄の変動表示において継続演出やバトル演出が実行されるのであるが、確変大当り(16R確変大当り、6R確変大当り、2R確変大当り)となる場合にはバトル演出において勝利の態様の演出が実行され、通常大当り(6R通常大当り、2R通常大当り)となる場合にはバトル演出において敗北の態様の演出が実行され、小当りとなる場合にはバトル演出において引き分けの態様の演出が実行される。なお、この実施の形態で示した態様にかぎらず、たとえば、大当り遊技中のラウンド数が少ない2R確変大当りとなる場合もバトル演出において敗北の態様の演出が実行されるように構成してもよい。
なお、第2変動パターン#05,#13,#16の短縮変動の変動パターンを決定する場合に、たとえば、保留記憶数に応じて異なる割合で短縮変動の変動パターンを決定するように構成してもよい。たとえば、保留記憶数が多くなるに従って高い割合で短縮変動の変動パターンを決定するようにして、保留記憶の消化を早め稼働率を高めるように構成してもよい。
また、図34および図35に示す例では、第1KT状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、第2KT状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成する場合を示しているが、そのような態様にかぎられない。たとえば、低確率状態の場合に5秒の短縮変動を実行し、高確率状態の場合にさらに短い1.5秒の短縮変動を実行するように構成してもよい。
次に、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図36は、KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを説明するための説明図である。このうち、図36(1)は、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示し、図36(2)は、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンを示している。
まず、図36(1)を用いて、第1KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図36(1)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図36(1)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図36(1)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間0.1秒を経過してから、可変入賞球装置9015が5.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図36(1)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。しかしながら、第1KT状態では、図36(1)に示すように、下流側の特殊可変入賞球装置9022の開放時間が0.8秒と短いのに対して、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が5.5秒と長い。従って、第1KT状態では、小当りが発生しやすい状態ではあるものの、特殊入賞口9024に遊技球が入賞することは極めて稀である(たとえば、100変動表示ごとに1球程度)。
なお、第1KT状態では、図36(1)に示すように、可変入賞球装置9015の開放を終了した後、次の可変入賞球装置9015の開放を行なえるのは、次の普通図柄の変動時間0.2秒と図柄確定時間0.2秒と第2始動入賞口開放前処理時間0.1秒とを合計した少なくとも0.5秒を経過した後である。従って、この実施の形態では、第1KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間として少なくとも0.5秒の閉鎖期間が設けられていることになる。
次に、図36(2)を用いて、第2KT状態における可変入賞球装置9015および特殊可変入賞球装置9022の開放パターンについて説明する。図36(2)に示すように、ゲート9032を遊技球が通過してゲートスイッチ9032aにて遊技球が検出されると、普通図柄表示器9010において普通図柄の変動表示が実行され、普図当りと決定された場合には普通図柄表示器9010に当り図柄が導出表示され、はずれと決定された場合には普通図柄表示器9010にはずれ図柄が導出表示される。この実施の形態では、図36(2)に示すように、普通図柄の変動時間は0.2秒とされ、当り図柄やはずれ図柄を導出表示する図柄確定時間は0.2秒とされている。そして、当り図柄を導出表示した場合には、図36(2)に示すように、図柄確定時間0.2秒を経過した後、第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒を経過してから、可変入賞球装置9015が0.5秒間にわたって開状態とされ、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能となる。
可変入賞球装置9015が開状態となっているときに第2始動入賞口9014に遊技球が入賞すると、第2特別図柄の変動表示が実行され、小当りとすることに決定された場合には、第2特別図柄表示器908bに小当り図柄が導出表示される。そして、小当り図柄を導出表示した場合には、図36(2)に示すように、特殊可変入賞球装置9022が0.8秒間にわたって開状態とされ、特殊入賞口9024に遊技球が入賞可能となる。
第2KT状態では、第1KT状態とは異なり可変入賞球装置9015の開放時間が0.5秒と極めて短い。また、この実施の形態では、第2KT状態では、可変入賞球装置9015の開放した後のインターバル期間(閉鎖期間)として少なくとも3.0秒(普通図柄の変動時間0.2秒+図柄確定時間0.2秒+第2始動入賞口開放処理前時間2.6秒)という比較的長い期間が確保されている。従って、第2KT状態では、図36(2)に示すように、上流側の可変入賞球装置9015の開放時間が短いとともにインターバル期間(閉鎖期間)が長いので、第1KT状態と比較して下流側の特殊可変入賞球装置9022に遊技球が進入しやすく特殊入賞口9024に遊技球が入賞しやすい。
なお、この実施の形態では、普通図柄の変動表示を実行したり可変入賞球装置9015を開放制御したりする処理は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)によって普通図柄プロセス処理(ステップS9026C参照)が実行されることによって行なわれる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ステップS9026Cの普通図柄プロセス処理において、普図当りとするか否かを決定する処理も実行するのであるが、遊技状態に関係なく同じ確率(たとえば、10%)により普図当りとするか否かを決定する。具体的には、遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かや、非KT状態、第1KT状態または第2KT状態のいずれであるか、大当り遊技状態であるか否かに関係なく、同じ確率により普図当りとするか否かを決定する。
なお、この実施の形態では、第1KT状態と第2KT状態とで普通図柄の変動時間と図柄確定時間とはそれぞれ0.2秒ずつで同じであり、第2始動入賞口開放処理前時間が第1KT状態では0.1秒と短く第2KT状態では2.6秒と長くすることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせる場合を示したが、そのような態様にかぎられない。たとえば、第1KT状態と第2KT状態とで変動時間や図柄確定時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。また、たとえば、可変入賞球装置9015を閉鎖した後の第2始動入賞口開放処理後時間を制御可能に構成し、第1KT状態と第2KT状態とで第2始動入賞口開放処理後時間を異ならせることによって、可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)を異ならせるように構成してもよい。特に、上記のいずれかの方法により第1KT状態における可変入賞球装置9015の閉鎖期間(インターバル期間)が短くなるように構成すれば、第1KT状態における特殊入賞口9024への入賞を抑制することができる。
また、たとえば、可変入賞球装置9015の開放時間を延長することを示す特殊フラグ(開放延長フラグ)を設けるようにし、その特殊フラグがセットされていれば図36(1)に示すような可変入賞球装置9015を長時間開放する第1開放パターン(ロング開放)で制御し、特殊フラグがセットされていなければ図36(2)に示す可変入賞球装置9015を短時間開放する第2開放パターン(ショート開放)で制御するように構成してもよい。
また、第1KT状態であっても、低確率/第1KT状態中の最後の変動表示を実行する場合には、可変入賞球装置9015の開放時間を短くしてもよい。そのように構成すれば、低確率/第1KT状態の終了後に、左打ち報知を行なうときに、可変入賞球装置9015がロング開放していることに対する違和感を防止することができる。
また、低確率/非KT状態中においては可変入賞球装置9015をショート開放するように構成してもよい。そのように構成すれば、低確率/非KT状態(左打ち状態)である場合に可変入賞球装置9015の開放確率が高くなるように構成する場合には、遊技球を数個発射操作しただけでは可変入賞球装置9015に入賞しないようすることができ、低確率/非KT状態中に右打ち操作が行なわれてしまうことを防止することができる。
図37および図38は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図37に示す例において、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8022(H)は、特別図柄の可変表示に対応して第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、コマンド8000(H)〜8007(H),8011(H)〜8022(H)のいずれかを受信すると、第1可変表示部909aまたは第2可変表示部909bにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド9001(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果1指定コマンド)(はずれ指定コマンド))である。コマンド9002(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を16R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果2指定コマンド(16R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9003(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果3指定コマンド(6R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9004(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を6R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果4指定コマンド(6R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9005(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R確変大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果5指定コマンド(2R確変大当り指定コマンド))である。コマンド9006(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を2R通常大当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果6指定コマンド(2R通常大当り指定コマンド))である。コマンド9007(H)は、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を小当りとすることを指定する演出制御コマンド(表示結果7指定コマンド(小当り指定コマンド))である。
以下、表示結果1指定コマンド〜表示結果7指定コマンドを、表示結果指定コマンドということがある。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は変動パターンコマンドの直前に表示結果指定コマンドを送信するので、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が第1変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定でき、第2変動パターンコマンドの直前に受信した表示結果指定コマンドは第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドであると判定できるので、表示結果指定コマンドを第1飾り図柄と第2飾り図柄とについて兼用できるが、第1飾り図柄についての表示結果指定コマンドと第2飾り図柄についての表示結果指定コマンドとを別にしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が表示結果指定コマンドを送信するのではなく、15R確変大当り/6R確変大当り/6R通常大当り/2R確変大当り/2R通常大当り/小当り/はずれのそれぞれに対応させて変動パターンコマンドを定め、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第1図柄確定指定コマンド(第1飾り図柄停止指定コマンド))である。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンド(第2図柄確定指定コマンド(第2飾り図柄停止指定コマンド))である。
コマンドBXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、B000(H)は、第1大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。B001(H)は、第1大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。B002(H)は、第2大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。B003(H)は、第2大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。B004(H)は、小当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(小当り開始指定コマンド)である。B005(H)は、小当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドB2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドB400(H)は、大入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(大入賞口入賞指定コマンド)である。コマンドB401(H)は、特殊入賞口に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(特殊入賞口入賞指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が4に達していない状態で第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC001(H)は、第2保留記憶数が4に達していない状態で第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを示す演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。なお、第1有効始動入賞指定コマンドとして第1保留記憶数を示すコマンドを送信し、第2有効始動入賞指定コマンドとして第2保留記憶数を示すコマンドを送信してもよいが、この実施の形態では、第1有効始動入賞指定コマンドおよび第2有効始動入賞指定コマンドは、始動入賞があったことを示すコマンドである。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
コマンドE000(H)は、遊技状態が低確率/非KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/非KT背景指定コマンド)である。コマンドE001(H)は、遊技状態が低確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(低確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE002(H)は、遊技状態が高確率/第1KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第1KT背景指定コマンド)である。コマンドE003(H)は、遊技状態が高確率/第2KT状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確/第2KT背景指定コマンド)である。
演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)は、主基板9031に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ90560から上述した演出制御コマンドを受信すると図37および図38に示された内容に応じて第1可変表示部909aおよび第2可変表示部909bの表示状態や演出図柄表示部909cの表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。なお、図37および図38に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板9031から演出制御基板9080に送信される。たとえば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(たとえば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板9031から演出制御基板9080に送信される。
図39は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS9026A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aおよび特別可変入賞球装置9020を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第1特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤906に設けられている第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口9013に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS90311)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90312)。その後、CPU9056は、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
ステップS90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS90300):第1特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS90301):第1特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
第1表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):第1特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS90303):第1特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第1特別図柄停止処理(ステップS90304):第1特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第1大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。第1大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第1大入賞口開放前処理(ステップS90305):第1特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第1大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第1大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第1大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第1大入賞口開放中処理(ステップS90306):第1特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行なう。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS90307):第1特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図40は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する第2特別図柄プロセス処理(ステップS9026B)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第2特別図柄プロセス処理では第2特別図柄表示器908b、特別可変入賞球装置9020、および特殊可変入賞球装置9022を制御するための処理が実行される。
CPU9056は、第2特別図柄プロセス処理を行なう際に、遊技盤906に設けられている第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口9014に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS90321)、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90322)。なお、図40に示した第1始動口スイッチ通過処理の「第1」を「第2」と読み替えれば、第2始動口スイッチ通過処理が説明されることになる。その後、CPU9056は、内部状態(具体的には、第2特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS90350〜S90360のうちのいずれかの処理を行なう。
ステップS90350〜S90360の処理は、以下のような処理である。
第2特別図柄通常処理(ステップS90350):第2特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第2大当りフラグをセットする。一方、大当りとしない場合には小当りフラグをセットする。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90351に応じた値(この例では1)に更新する。なお、第2大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。また、小当りフラグは、小当り遊技が終了するときにリセットされる。
第2変動パターン設定処理(ステップS90351):第2特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90352に対応した値(この例では2)に更新する。
第2表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90352):第2特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90200に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90353に対応した値(この例では3)に更新する。
第2特別図柄変動中処理(ステップS90353):第2特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。第2変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90351でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行ない、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90354に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において飾り図柄が停止されるように制御する。
第2特別図柄停止処理(ステップS90354):第2特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。第2大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90358に対応した値(この例では8)に更新する。第2大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合(強制はずれとした場合)には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90350に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
第2大入賞口開放前処理(ステップS90355):第2特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。第2大入賞口開放前処理では、特別可変入賞球装置9020を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、特別可変入賞球装置9020に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって第2大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90356に対応した値(この例では6)に更新する。なお、第2大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、第2大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
第2大入賞口開放中処理(ステップS90356):第2特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200に送信する制御や特別可変入賞球装置9020の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。また、大入賞口に遊技球が入賞し、第1カウントスイッチ9023aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して大入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行なう。特別可変入賞球装置9020の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90355に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90357に対応した値(この例では7)に更新する。
第2大当り終了処理(ステップS90357):第2特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行なわせるための制御を行なう。また、遊技状態を示すフラグ(たとえば、確変フラグや、第1KTフラグ、第2KTフラグ)をセットする処理を行なう。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90350に対応した値(この例では0)に更新する。
第2小当り開放前処理(ステップS90358):第2特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。第2小当り開放前処理では、特殊可変入賞球装置9022を開放する制御を行なう。具体的には、カウンタ(たとえば、特殊入賞口9024に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド90106を駆動して特殊可変入賞球装置9022を開放制御にする。また、タイマによって第2小当り開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90359に対応した値(この例では9)に更新する。なお、第2小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
第2小当り開放中処理(ステップS90359):第2特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。特殊可変入賞球装置9022の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう。この実施の形態では、特殊可変入賞球装置9022の開放時間0.8秒(図36参照)が経過すると閉成条件が成立する。また、特殊入賞口に遊技球が入賞し、第2カウントスイッチ9025aで遊技球を検出した場合には、演出制御用マイクロコンピュータ90200に対して特殊入賞口入賞指定コマンドを送信する制御を行なう。また、閉成条件が成立した場合には、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90360に対応した値(この例では10(10進数))に更新する。
第2小当り終了処理(ステップS90360):第2特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90200に行なわせるための制御を行なう。そして、内部状態(第2特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図41は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90201は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701A)。その後、演出制御用CPU90201は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702A)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90201は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90201は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90201は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(コマンド解析処理:ステップS90704)。次いで、演出制御用CPU90201は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705A)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1可変表示部909aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS90705B)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第2可変表示部909bの表示制御を実行する。さらに、演出図柄表示部909cの表示状態の制御を行う演出図柄プロセス処理を実行する(ステップS90706)。また、図柄保留記憶表示部9018cの表示状態の制御を行う保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS90707)。また、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90708)。その後、ステップS90702Aに移行する。
図42は、図41に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90201は、S90700の処理を行なった後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90810のうちいずれかの処理を行なう。各処理においては以下のような処理を実行する。
先読み処理(S90700):遊技制御用マイクロコンピュータ90560が有する保留記憶情報に対応する保留記憶情報(保留情報)を記憶し、当該保留記憶情報を先読み演出のために使用可能とする処理である。先読み演出とは、ある保留記憶情報に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留記憶情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留記憶情報が小当りまたは大当りとなることを示すときに、保留連報知演出と呼ばれる予告演出(図43参照)が先読み演出として実行可能である。以下では、先読み演出の対象とした保留記憶情報を「ターゲットの保留記憶情報」と称する。また、先読み処理の後には、大当り関連処理(S90701)、ラッシュ時処理(S90702)が実行されるが、詳細は後述する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800):遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S90801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S90801):特別図柄の変動表示に対応する演出である変動時演出が開始されるように制御する。受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、実行する演出時間を計時する演出時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出中処理(S90802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S90802):演出パターンを構成する各状態の切替えタイミング等を制御するとともに、演出時間タイマにより計時される演出時間が終了したか否かを監視する。そして、演出時間が終了したか、または、図柄確定指定コマンドを受信したことに基づいて、変動時演出を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を変動時演出停止処理(S90803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S90803):変動時演出を停止し、特別図柄の変動表示結果(停止図柄)に対応した演出結果を表示する制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S90804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S90804):大当りが発生したときに、演出表示装置909に大当りの発生を報知するための大当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S90805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S90805):大当りのラウンド中の表示制御を行なう。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S90806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S90807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S90806):大当りのラウンド間の表示制御を行なう。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S90805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S90807):演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(S90808):小当りが発生したときに、演出表示装置909に小当りの発生を報知するための小当り表示等の演出としてのファンファーレ演出を行なう制御等の表示制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(S90809)に対応した値に更新する。
小当り開放中処理(S90809):小当りにおいて、特殊可変入賞球装置9022の開放中における各種の演出制御を行なう。たとえば、小当り遊技状態において、特殊入賞口9024内の第2カウントスイッチ9025aにより遊技球が検出されたときに各種の演出を実行する。そして、特殊可変入賞球装置9022が閉鎖したら、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(S90810)に対応した値に更新する。
小当り終了演出処理(S90810):演出表示装置909において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出制御を行なう。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)に対応した値に更新する。
演出制御プロセス処理では、上記した各処理により、演出表示装置909の表示状態が制御され、特別図柄の変動表示に対応した変動時演出が開始され、特別図柄の変動表示結果に対応した演出結果が表示される。演出制御用CPU90201は、たとえば、受信した変動パターンコマンド、および、表示結果指定コマンドに基づいて、実行される変動表示について、指定された変動パターン、および、表示結果を認識し、変動時演出の演出結果を決定する。
[大当り中の演出]
次に、この実施の形態で実行される大当り中の演出について説明する。この実施の形態では、大当り表示結果が導出されたときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に制御される。そして、大当り遊技状態中(大当り状態中、大当り中とも称する)には、様々な演出が実行される。
[保留連演出]
たとえば、大当り中の演出として保留連演出がある。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014のような始動入賞領域に遊技球が進入したときに、大当り判定用の乱数値、大当り種別決定用の乱数値、および、変動パターン決定用の乱数値を抽出する。そして、変動表示の実行中でないといった条件や大当り中でないといった条件などの変動表示を開始できる開始条件が、始動入賞時に成立していれば、抽出した乱数値に基づいて変動表示が実行される。
一方、始動入賞領域に遊技球が進入したにもかかわらず未だ開始条件が成立していない変動表示について、始動入賞時に、抽出した乱数値を示す情報をRAM9055に記憶させる。そして、その始動入賞時に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90200に、大当りとするか否かを示す情報および変動パターンを示す情報などを特定可能な先読み結果通知コマンドを送信する。保留記憶は、変動表示の開始条件が成立するたびに、古いものから読出され、読出された保留記憶の情報に基づいて変動表示が実行される。
そのような先読み結果通知コマンドを受信することによって、演出制御用マイクロコンピュータ90200は、大当りや特定の変動パターン種別となる変動表示が実行されるまでの間に、大当りや特定の変動パターン種別となるか否かを示唆したり予告したりする先読み演出を実行することができる。
このような先読み演出は、先の大当り状態のときから後の大当り状態となる変動表示までの間に実行される場合がある。この実施の形態においては、先の大当り状態のときに実行される先読み演出を保留連演出という。大当り状態のときに次に大当り状態とすることが決定されている保留記憶がある場合(いわゆる保留連する場合)に次の大当り状態までの間に、成功パターンの保留連演出が実行される。また、失敗パターンの保留連演出が実行されることもある。そして、成功パターンの保留連演出では、その後に通常の大当りでは見ることのできないプレミアム映像が流れる。
また、大当り状態から次の大当り状態と決定されている保留記憶の間に小当り状態となる保留記憶が記憶されていることもある。このような、保留連演出や、保留連演出中に小当り状態に制御される保留記憶がある場合について図43を用いて説明する。
図43は、大当り中に実行される演出を示す演出図面である。図43(a)〜(f)の順に大当り中の演出が行なわれる。図43(a)は、大当り開始時の演出表示装置909の画面を示している。遊技状態が大当り状態へと切替わり1ラウンド目のラウンド遊技が開始されると、大当り中の映像に画像が切替わる。演出表示装置909の画面の右上には、現在のラウンド数を示す画像が表示され、画面の右下には、いずれの演出図柄で大当りが開始されたのかを示す数字図柄が示される。また、画面の左上には、大当り中の入賞により獲得した獲得出玉が合計獲得画像90194により示される。図43(a)示すように、大当りの開始時には、獲得数が0個であることが示す「0GET」の合計獲得画像90194が表示される。
図43(a)の状態からラウンドが進み、5Rとなったときに、保留連の演出が実行される。保留連演出に成功すると、図43(b)に示すような保留連演出を示す「連チャン」の文字からなる保留連画像90195が表示される。また、大当りの映像が通常の大当り映像から保留連の際にしか見ることのできないプレミアム映像へと切替わる。このとき、獲得数が450個であることを示す「450GET」の合計獲得画像90194が表示される。その後、1つ目の大当り終了のラウンドである16ラウンドのときに図43(c)の画面が表示される。図43(c)に示すように、プレミアム映像が流れ、獲得数が1550個であることを示す「1550GET」の合計獲得画像90194が表示される。
1つ目の大当りから2つ目の大当りの間の保留記憶の中に、小当りに関する情報が記憶されているときには、図43(d)に示すような画面が表示される。図43(d)では、1回の小当り当選で特殊可変入賞球装置9022の特殊入賞口9024に遊技球が入賞することにより100個の遊技球を獲得したことを示す「+100」の文字で表示される第1獲得画像90196が表示される。第1獲得画像90196は、画面中央において虹色の背景とともに表示される。このような、大当り間の小当りによる演出を獲得報知演出とも称する。また、画面の右下には、小当り当選を示す図柄である「123」の数字がバラケ目で表示される。また、画面の右上にはこの一回の小当り当選が1ラウンドとして計数されることを示す「17R」の文字が表示される。また、画面の左上には、1つ目の大当りで獲得した遊技球との合計の獲得数を示す「1600GET」の合計獲得画像90194が表示される。そして、図43(d)では、図43(c)から継続して一連のプレミアム映像が流れる。
次に、小当り状態が終了した後に2つ目の大当りが始まったときの様子を図43(e)により説明する。2つ目の大当りの開始時には、画面の右上に、1つ目の大当りのラウンド数と小当りを1ラウンドとして計数した後、次の大当りの1ラウンドが始まったことを合計した「18R」の文字が表示される。また、画面の右下には、今回の大当り図柄を示す「7」の図柄が表示される。また、画面の左上には、遊技球の合計の獲得数を示す「1750GET」の合計獲得画像90194が表示される。このときも、一連のプレミアム映像が継続して流される。
2つ目の大当りの終了時には、図43(f)のような画面となる。画面の右上には、1つ目の大当りのラウンド数と小当りを1ラウンドとして計数した後、次の大当りのラウンド数とを合計した「33R」の文字が表示される。また、画面の右下には、今回の大当り図柄を示す「7」の図柄が表示される。また、画面の左上には、遊技球の合計の獲得数を示す「3200GET」の合計獲得画像90194が表示される。このときも、一連のプレミアム映像が継続して流される。
図43に示すように、大当り状態から次回の大当り状態までの間に一連の映像として保留演出によるプレミアム映像が流れる。このような、プレミア映像は、大当り状態から次回の大当り状態が開始されるまでの特定の期間に小当り状態に制御されるときにも流れる。このようにすれば、映像による演出が一連であるので、遊技状態が変化しても大当りが継続している印象を与えることができる。よって、大当り状態から次回の大当り状態までの期間に大当り状態とは異なる小当り状態に制御されることが決定されている保留記憶がある場合に、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、1つ目の大当りの終了後には、次の大当りまでにはずれ変動が含まれることもあるが、この場合であってもプレミアム映像が継続して流れる。
[ラッシュ中の演出]
次にラッシュ中の演出について説明する。この実施の形態では、大当り遊技状態の終了後、高確率/第1KT状態あるいは高確率/第2KT状態となれば、ラッシュ状態に突入する。ラッシュ状態において、高確率/第1KT状態では小当りによる出玉の獲得が望めない。それに対し、高確率/第2KT状態のラッシュ状態であれば、小当りが発生しやすく、発生した小当りにより特殊入賞口9024に遊技球が入賞したことにもとづく賞球が随時加算される。よって、確率/第2KT状態のラッシュ状態中は、他の遊技状態と比べ出玉の増えやすい遊技状態である。
図44は、ラッシュ中に実行される演出を示す演出図面である。大当り遊技状態の終了後にラッシュ状態となったときには、図44(a)に示すような、ラッシュ中の画面となる。図44(a)に示すように、演出表示装置909の画面の中央には、左,中,右の図柄表示エリア9091,9092,9093において、現在変動表示が実行されていることが下向きの矢印により示される。また、画面の右上には、大当りで獲得した獲得出玉とラッシュ中の出玉との合計数を示す合計獲得画像90194が表示されている。また、画面の右側には、現在ラッシュ状態中であることを示す「RUSH」の文字が表示される。また、画面の左下には、発生した保留記憶情報を表示する保留表示Hが保留記憶情報の数に対応して表示される。
図44(a)の状態から、現在の変動が小当り表示結果となる変動であった場合には、図44(b)のように、表示結果として小当り状態に制御されることを示す「222」の偶数図柄の組合せが表示される。なお、図44(b)の白抜きの偶数図柄は、青色である。また、画面の右下には、小当り中に獲得した出玉が「+100」の文字の第2獲得画像90197として表示される。
図44(b)に示すように、ラッシュ状態において小当り状態となったときに、特殊可変入賞球装置9022に遊技球が入賞したことを報知する第2獲得画像90197が表示される。このようにすれば、遊技球を獲得したことが明確に報知されるので、小当り状態に制御されたことが分かり易く、また、演出に勢いを付けることができる。よって、小当り状態に制御されたときの興趣を向上することができる。
また、図44(a)の状態から、現在の変動が小当り表示結果となる変動であった場合であり、かつ、保留記憶内に小当り状態に制御される保留記憶があるときは、図44(c)のような表示画面となる。図44(c)では、表示結果として小当り状態に制御されることを示す「222」の偶数図柄の組合せが表示される。ここまでは、図44(b)と同じである。しかし、画面の右下には、小当り中に獲得した出玉が「GET」の文字の第3獲得画像90198として表示される。
図44(b),(c)に示すように、小当り状態中において、保留内に小当り状態に制御されると判定された保留記憶がない場合の第2獲得画像90197と、保留内に小当り状態に制御されると判定された保留記憶がある場合の第3獲得画像90198とは、異なる態様で表示される。このようにすれば、小当り状態に制御されると判定された保留記憶がある場合(保留情報が記憶されている場合)に、遊技者に特別感を与えることができる。よって、今後の遊技状態に期待を持たせることができる。
また、図43(d),図44(b),(c)に示すように、大当り状態から次回の大当り状態までの期間に小当り状態に制御されるときの第1獲得画像90196と、それ以外の期間での第2獲得画像90197や第3獲得画像90198とで獲得画像の表示態様を異ならせて表示している。このようにすれば、これらの状態の中で最も遊技球を獲得できる保留連演出中の小当り状態による第1獲得画像90196は、他の状態のときの獲得画像より、画面の中央で大きく、また虹色で表示される。これにより、大当り間の小当り状態に制御されるときに特別感を与えることができる。
次に、図44(a)の状態から、確変大当りとなったとき(高確率/第1KT状態または高確率/第2KT状態)には、図44(d)に示すような画面となる。図44(d)に示すように、表示結果として確変大当り状態に制御されることを示す「777」の奇数図柄の組合せが表示される。なお、図44(d)の塗りつぶしの奇数図柄は、赤色である。その後、図44(e)に示すように、確変大当りが開始され、確変大当りに対応する映像が流される。なお、小当りによる出玉獲得が望めない高確率/第1KT状態と小当りによる出玉獲得が望める高確率/第2KT状態とでは、確変大当り図柄を異ならせてもよい。たとえば、高確率/第1KT状態となるときには、「333」の奇数図柄で表示し、高確率/第2KT状態となるときには、「777」で表示することで特別感を出すことができる。また、「3」図柄と「7」図柄とで数字の色を異ならせてもよい。
また、図44(a)の状態から、通常大当りとなったとき(低確率/第1KT状態)には、図44(f)に示すように、ラッシュ状態の終了を示す「END」の図柄が表示される。そして、図44(g)に示すように、通常大当りが開始され、通常大当りに対応する映像が流される。また、通常大当り終了後に、100回の低確率/第1KT状態の変動が終了すると、非KT状態に制御される。
図44に示すように、表示結果には、図44(b)に示す青図柄の組合せから構成される小当り表示結果と、図44(d)に示す赤図柄の組合せから構成される確変大当り表示結果とが含まれる。そして、小当り表示結果が導出表示されたときには小当り状態に制御され、確変大当り表示結果が導出表示されたときには大当り状態に制御される。このように、小当り表示結果であるか大当り表示結果であるかにより表示結果を異ならせることで、制御される遊技状態を分かり易く示すことができる。
また、一連のプレミアム映像が流れていないラッシュ状態中において小当り状態に制御されるときには、図44(b)に示す青図柄の組合せから構成される小当り表示結果を導出表示し、図43(d)に示す一連のプレミアム映像が流れた後のラッシュ状態中に小当り状態に制御されるときは、画面の右下でバラケ目を表示するように制御する。このようにすれば、プレミアム映像の対象が小当り状態に制御されることだと勘違いさせてしまい、遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
なお、図44(g)において、通常大当りに対応する映像の途中でラッシュ状態が継続するチャレンジ演出を実行してもよい。チャレンジ演出とは、通常大当りと見せかけて実はラッシュ状態が継続する確変大当りであったことを示す演出である。具体的には、ラッシュ状態の終了を示す「END」の図柄を出した後に、プッシュボタンを押させる演出をし、プッシュボタン操作により画面上の壁が開けばチャレンジ成功でラッシュ状態が継続し、プッシュボタンを操作しても画面上の壁が開かなければチャレンジ失敗でラッシュ状態の終了が確定するような演出である。
[大当り関連処理]
次に、大当り中に実行される大当り関連処理について説明する。図45は、大当り関連処理を示すフローチャートである。大当り関連処理は、演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。大当り関連処理において、演出制御用CPU90201は、演出表示装置909において図43に示すような演出の設定に関連する処理を実行する。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
大当り関連処理では、まず、演出制御用CPU90201は、大当りの開始時であるか否かを判定する(S90500)。演出制御用CPU90201は、大当りの開始時であると判定した場合には(S90500でY)、保留記憶バッファ内を確認し(S90501)、S90502へ移行する。一方、演出制御用CPU90201は、大当りの開始時でないと判定した場合には(S90500でN)、処理を終了する。
S90502では、大当りの保留記憶があるか否かを判定する。演出制御用CPU90201は、大当りの保留記憶があると判定した場合には(S90502でY)、保留連演出の実行の有無を決定し、保留連演出を実行する場合には成功パターンに設定し(S90503)、S90504へ移行する。
S90504では、演出制御用CPU90201は、次回の大当りまでに小当りの保留記憶があるか否かを判定する。演出制御用CPU90201は、次回の大当りまでに小当りの保留記憶があると判定した場合には(S90504でY)、大当り間小当り時の図柄と獲得報知演出を設定し(S90505)、一連の大当り映像を流すように設定する(S90506)。次いで、演出制御用CPU90201は、その他の演出を設定し(S90507)、処理を終了する。
S90504において、演出制御用CPU90201は、次回の大当りまでに小当りの保留記憶がないと判定した場合には(S90504でN)、S90505の処理を行なわずに、一連の大当り映像を流すように設定する(S90506)。次いで、演出制御用CPU90201は、その他の演出を設定し(S90507)、処理を終了する。ここで、S90506においては、大当り間に小当りがある場合には、図43に示すようなプレミアム映像に加え、小当りの獲得報知演出に関する画像を表示する設定をする。
S90502において、演出制御用CPU90201は、大当りの保留記憶がないと判定した場合には(S90502でN)、保留連演出の実行の有無を決定し、保留連演出を実行する場合には失敗パターンに設定する(S90508)。次いで、演出制御用CPU90201は、大当り終了によりプレミアム映像ではない通常の大当り映像が終了するように設定する(S90509)。そして、その他の演出を設定し(S90507)、処理を終了する。
なお、保留連演出として成功パターンと失敗パターンを設けるのではなく、S90502において大当りの保留記憶がある場合にのみ保留連演出が実行されるようにしてもよい。また、保留連演出は、大当りの開始時からプレミアム映像が流れるものでもよく、ラウンドの途中で成功や失敗の演出を実行しなくてもよい。
また、S90505においては、大当り間小当り時の図柄と獲得報知演出を設定する場合には、獲得報知演出を実行するためのフラグを立てておくようにしてもよい。そして、小当り変動の開始時に当該フラグの有無を確認し、獲得報知演出を実行するようにしてもよい。
[ラッシュ時処理]
図46は、ラッシュ時処理を示すフローチャートである。ラッシュ時処理は、演出制御用マイクロコンピュータ90200(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。ラッシュ時処理では、ラッシュ時である場合に、実行される変動表示の結果に応じて、大当り図柄や獲得報知演出を決定する。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
ラッシュ時処理では、まず、演出制御用CPU90201は、現在の遊技状態がラッシュ中であるか否かを判定する(S90520)。演出制御用CPU90201は、現在の遊技状態がラッシュ中であると判定した場合には(S90520でY)、S90521へ移行する。一方、演出制御用CPU90201は、現在の遊技状態がラッシュ中でないと判定した場合には(S90520でN)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。
S90521では、演出制御用CPU90201は、今回の変動が大当りであるか否かを判定する。演出制御用CPU90201は、今回の変動が大当りでないと判定した場合には(S90521でN)、今回の変動が小当りであるか否かを判定し(S90522)、小当りである場合には(S90522でY)、S90523の処理へ移行する。S90522において、演出制御用CPU90201は、今回の変動が小当りでないと判定した場合には(S90522でN)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。S90523おいて、演出制御用CPU90201は、保留記憶内に小当りの保留記憶があるか否かを判定する(S90523)。そして、演出制御用CPU90201は、保留記憶内に小当りの保留記憶があると判定した場合には(S90523でY)、小当り保留あり時の獲得報知演出を設定し(S90529)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、保留記憶内に小当りの保留記憶がないと判定した場合には(S90523でN)、小当り保留なし時の獲得報知演出を設定し(S90524)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。
S90521において、演出制御用CPU90201は、今回の変動が大当りであると判定した場合には(S90521でY)、確変大当りであるか否かを判定する(S90526)。演出制御用CPU90201は、確変大当りであると判定した場合には(S90526でY)、確変大当り時の図柄を設定し(S90527)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、確変大当りでないと判定した場合には(S90526でN)、通常大当り時の図柄を設定し(S90528)、その他の演出を設定し(S90525)、処理を終了する。このような、ラッシュ時処理で設定された演出内容によって、図44に示すようなラッシュ時の演出が決定される。
[大当り中演出の変形例]
図47は、変形例における大当り中の処理を示すタイミングチャートである。上記の実施形態においては、可変入賞球装置9015と特殊可変入賞球装置9022とが、併設して配置されている例を説明した。しかし、特殊可変入賞球装置9022を設けず、1つの可変入賞球装置9015により、上記した各種の処理を実行してもよい。
たとえば、1つの可変入賞球装置9015であるいわゆるアタッカーを用いる場合には、このようなアタッカーが第1の大当り区間において1R〜16Rまで開閉を繰返す。そして、大当り終了後の変動区間が終了した後、小当り状態に制御されることで、アタッカーが短開放の開閉を5回繰返す小当り区間に移行する。当該小当り区間は、演出表示装置909の画面上では、17Rとして示される。そして、小当り区間終了後の変動区間が終了した後、再度大当り状態に制御されることで、アタッカーが第2の大当り区間において1R〜16Rまで開閉を繰返す。当該第2の大当り区間は、演出表示装置909の画面上では、18R〜33Rとして表示される。このような、第1の大当り区間から小当り区間を含む第2の大当り区間の終了までは、一連の大当りの映像が流される。なお、図43に示したように、大当りの映像は、保留連演出を契機にプレミアム映像が流れるようにしてもよいし、第1大当りの開始時からプレミアム映像が流れるようにしてもよい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態における大当り演出中の処理について説明する。第2実施形態においては、大当り中に楽曲を選択できる場合について説明する。第2実施形態においては、大当り中に遊技者の操作に基づいて複数の楽曲からいずれかの楽曲を選択する選択演出を実行する。第2実施形態においては、パチンコ遊技機901に、操作手段としてスティックコントローラやプッシュボタンが設けられているとする(図示省略)。たとえば、スティックコントローラは、余剰球受皿904を形成する部材の所定位置に取付けられ、プッシュボタンは、打球供給皿903を形成する部材の上面等に取付けられるようにすればよい。これらの操作手段が操作されたときには、内部に設けられたセンサにより遊技者の動作が検出され、当該検出信号が演出制御基板9080に送信され、操作に基づいた演出が実行される。なお、選択演出としては、大当り中に複数種類の映像からいずれかの映像を選択できるようにしてもよいし、複数種類のモードからいずれかのモードが選択できるようにしてもよい。
図48は、大当り中に実行される演出を示す演出図面である。図48により、大当り中の演出について説明する。図48(a)に示すように、大当り開始時には、楽曲選択画面が表示される。この大当り開始時の楽曲選択画面は、遊技者の操作に関わらず表示される。演出表示装置909の表示画面における左側の領域には、A〜Dの楽曲に対応する項目が表示される。Aの楽曲に対応する第1選択画像90170、Bの楽曲に対応する第2選択画像90171、Cの楽曲に対応する第3選択画像90172、Dの楽曲に対応する第4選択画像90173が上から順に並んで表示される。また、第1選択画像90170の周囲には、当該画像に対応する項目が選択されていることが縁取りした表示により示されている。
第1選択画像90170〜第4選択画像90173の右側には、映像領域90175が表示される。映像領域90175には、A〜Dの楽曲に対応する映像が流れる。大当りの開始時には、第1選択画像90170が選択されている状態で、映像領域90175に楽曲Aに対応する映像が特定部(たとえば、楽曲の聞かせどころであるサビ部分)から流れる。また、大当りの開始時には、最初に選択されている楽曲Aに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。ここで、特定部とは、楽曲の聞かせどころであるサビ部分以外の部分であってもよい。たとえば、その楽曲の盛り上がる部分であるがサビ部分とは異なる楽曲の主要部等であってもよい。なお、楽曲に対応する映像や音は、楽曲の最初から再生されるようにしてもよい。
また、演出表示装置909の画面の下部の左側には、スティックコントローラを模した楽曲選択操作を促す選択操作画像90176が表示される。また、画面の下部の中央には、プッシュボタンを模した楽曲決定操作を促す決定画像90177が表示される。また、画面の下部の右側には、現在の大当りがいずれの図柄による大当りであるのかを示す「7」の画像が表示される。また、画面の上部左側には、現在のラウンド数、画面上部右側には、右側の領域を狙って遊技をすることを促す右打ち指示の画像が表示される。
図48(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されたときの様子を図48(b)を用いて説明する。図48(a)の状態からスティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されると、第2選択画像90171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域90175に楽曲Bに対応する映像が特定部(サビ部分)から流れとともに、楽曲Bに対応する楽曲が特定部(サビ部分)から再生される。
図48(b)の状態から、楽曲Aに決定された場合を図48(c)により説明する。大当り開始時の楽曲選択において、楽曲Aに決定された場合には、大当り開始時の楽曲決定画面として画面中央に移動した映像領域90175において、楽曲Aに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Aが最初から再生される。決定操作により、選択操作画像90176および決定画像90177の表示は消去される。ここで、大当り開始時の楽曲選択操作は、1ラウンド開始から2ラウンドの終了時までの期間行なうことができる。2ラウンド終了時までに選択操作も決定操作もされなければ、初期設定されている楽曲Aに対応する映像や音が2ラウンド終了時から流れることとなる。また、選択操作のみ実行され、決定操作が実行されていない状態で2ラウンドが終了した場合には、選択操作で選択されている項目に対応する楽曲の映像および音が出力される。
図48(c)の状態から、3ラウンド開始時には図48(d)に示すように、画面中央の映像領域90175に楽曲Aに対応する映像が続けて流されるとともに楽曲Aに対応する音が出力される。また、3ラウンドの開始時には、画面の下部に選択操作画像90176が再び表示される。そして、遊技者がスティックコントローラを操作することにより、図48(e)に示すように、楽曲選択画面が再び表示される。このように、2回目の楽曲選択画面は遊技者の操作に基づいて表示される。なお、1回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、2回目の楽曲選択画面は、操作の有効期間が3ラウンド開始時から最終ラウンド(16ラウンド)までに設定されている。なお、これらの期間はどのように設定されてもよく、選択可能期間が3回以上あってもよく、いずれかのラウンド中は選択操作ができないように設定されていてもよい。
図48(e)の楽曲選択画面では、図48(a)の大当り開始時の楽曲選択画面と比較して、楽曲Aの項目に対応する第1選択画像90170の文字が「A」という楽曲を示す文字から「戻る」の文字へと変更されている。また、現在選択されている「戻る」の第1選択画像90170は縁取りされて表示される。また、図48(d)の状態からは、楽曲Aに対応する映像と音とそのまま続けて流れている。また、決定画像90177が新たに表示されている。このような状態から、スティックコントローラが操作されBの楽曲に対応する項目が選択されると、図48(f)に示すように、第2選択画像90171が縁取りされた状態で表示される。また、映像領域90175に楽曲Bに対応する映像がサビ部分から流れる。ただし、このような選択操作があった場合であっても楽曲Aの音が引き続き出力される。
図48(f)の状態から、楽曲Aが選択された場合には、図48(g)のようになる。図48(g)では、図48(f)において「戻る」で示す第1選択画像90170に対応する楽曲Aの項目が選択されたため、映像領域90175においてAに対応する映像が続きから再生される。また、楽曲Aの音がそのまま続けて流される。それに対し、図48(f)の状態から、楽曲Bが選択された場合には、図48(h)のようになる。図48(h)では、図48(f)において「B」で示す第2選択画像90171に対応する楽曲Bの項目が選択されたため、映像領域90175においてBに対応する映像が最初から再生される。また、楽曲Bの音が最初から再生される。
図48(a)に示すように、大当りの開始時には、複数種類の楽曲に対応する項目が表示される。そして、遊技者は、図48(b)に示すように、選択操作により選択される項目を変更することができる。また、選択操作により、選択された項目に対応した楽曲の出力や映像の出力が行なわれる。そして、図48(e)に示すように、楽曲Aに対応する項目が実行されている状態であっても楽曲Aに対応する項目を「戻る」で表示可能である。このような状況において、図48(g)に示すように、楽曲Aに対応する項目が再度選択された場合には楽曲Aの音がそのまま続けて流される。また、図48(h)に示すように、楽曲Aとは異なる楽曲Bに対応する項目が選択された場合には楽曲Bを最初から再生する。
このようにすれば、楽曲Aに対応する楽曲を流しつつも他の選択項目に何があるか確認することができる。そして、再度楽曲Aに決め直した場合であっても楽曲Aが最初から再生されず途中から継続して流れるので、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、遊技の興趣の低下を防止することができる。より具体的には、すでに選択された楽曲が再度選択されることで、その楽曲が最初から再生されてしまうと煩わしく思うことがあり、興趣が低下してしま虞がある。しかし、上記のような処理により、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも、その楽曲が最初から再生してしまうことが防げるので、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、図48に示したように、項目を選択する選択演出を大当り状態中に実行可能である。よって、選択されていた楽曲が再度選択された場合にも大当り状態中における遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、楽曲を選択する楽曲選択演出には、図48(a)に示すように、大当り開始時に遊技者の操作に関わらず実行するラウンド開始時の選択演出と、図48(d)に示すように、3ラウンド開示時に遊技者の操作に基づいて実行される選択演出とが含まれる。このようにすれば、大当り状態中において、選択演出の実行タイミングが複数あるので、1回目の選択演出では楽曲を選ばず2回目の選択演出で楽曲を選択する等の遊技者の好みに応じた選択演出を実行することができる。
また、図48に示すように、ラウンド開始時の1回目の選択演出は1ラウンド開始時から2ラウンド終了時までに設定されており、3ラウンド開始時の2回目の選択演出は3ラウンド開始時から最終ラウンドまでに設定されている。よって、遊技者の操作に基づいて実行する2回目の選択演出の実行可能な期間を長くすることで、1回目に選択操作ができなかった等の多種態様な遊技者に対応することができる。
また、図48に示すように、楽曲を再生可能であるものにおいて、図48(a),(b)に示すように、ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合に、項目の変更に応じて再生される楽曲が変化する。それに対し、図48(e),(f)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、遊技者の操作に基づいて項目が変更された場合であっても、再生される楽曲は変化しない。このようにすれば、頻繁に楽曲が切替わらないため、頻繁に楽曲が切替わることにより遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
また、図48(e)に示すように、3ラウンド開始時の選択演出においては、現在実行されている楽曲に対応した項目の表示をラウンド開始時の選択演出の「A」の表示と異なる「戻る」で表示する。このようにすれば、現在流れている楽曲がいずれの楽曲なのかを遊技者に分かり易く示すことができる。
なお、上記した選択演出について、保留連演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて保留連演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで保留連演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する1回目の選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、2ラウンド終了時まで遊技者の決定操作が無い場合には、2ラウンドのラウンド終了時のコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90200が受付けたタイミングで、保留連演出を実行するようにしてもよい。また、大当り開始時の選択演出ではなく、3ラウンド目開始時の2回目の選択演出において、遊技者が操作したタイミングで保留連演出を実行してもよい。なお、3ラウンド目開始時の選択演出から最終ラウンドまで、遊技者が選択操作を行なわなかった場合には、選択演出の実行可能な期間が終わった後のタイミングにおいて保留連演出を実行してもよい。
また、有利状態としての大当り状態について、第1有利状態としての通常大当りと、当該第1有利状態よりも有利な第2有利状態としての確変大当りを設けるようにしてもよい。そして、通常大当り中に確変大当りへと昇格する確変昇格演出を実行してもよい。たとえば、ラウンド中の複数のタイミングのいずれかにおいて確変昇格演出を実行可能であるとする。そして、複数のタイミングのうちの一のタイミングとして、ラウンド開始時の複数の項目のうちいずれかの項目を選択したタイミングで確変昇格演出を実行してもよい。このようにすれば、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において遊技者に驚きを与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、確変昇格演出の場合は、大当り開始時に実行タイミングを決定するものでもよい。そして、確変昇格演出の実行タイミングとして、楽曲の選択時、11R〜13Rの固定的な確変昇格演出の煽り演出の結果時、エンディング時(16Rの終了後)の複数のタイミングを持つようにしてもよい。この3パターンの中から所定の乱数抽選により、楽曲の選択時のタイミングに決定された場合に、大当り開始時に楽曲選択する選択演出において確変昇格演出を実行してもよい。
また、ラウンドの異なる大当りを複数設け、ラウンド数が少ない大当りからラウンド数の多い大当りへと昇格するラウンド昇格演出に適用してもよい。
図49は、大当り時楽曲選択処理を示すフローチャートである。大当り時楽曲選択処理は、演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90201)が実行する演出制御プロセス処理において実行される。大当り時楽曲選択処理では、大当り時である場合に、図48に示した演出についての処理を実行する。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
大当り時楽曲選択処理では、まず、演出制御用CPU90201は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であるか否かを判定する(S90601)。演出制御用CPU90201は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間であると判定した場合には(S90601でY)、初期楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S90602)。演出制御用CPU90201は、初期楽曲決定フラグがセットされている場合には(S90602でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90602において、演出制御用CPU90201は、初期楽曲決定フラグがセットされていない場合には(S90602でN)、楽曲変更期間であるか否かを判定し(S90603)、楽曲変更期間であると判定した場合には(S90603でY)、選択操作があるか否かを判定する(S90604)。一方、演出制御用CPU90201は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S90603でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90604において、演出制御用CPU90201は、選択操作があると判定した場合には(S90604でY)、楽曲選択に合わせて楽曲に対応する映像および楽曲をサビから再生する(S90605)。一方、演出制御用CPU90201は、選択操作がないと判定した場合には(S90604でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90605の後のS90606において、演出制御用CPU90201は、決定操作があるか否かを判定する(S90606)。演出制御用CPU90201は、決定操作があると判定した場合には(S90606でY)、決定された楽曲に対応する映像および楽曲を最初から再生する(S90607)。次いで、初期楽曲決定フラグをセットし(S90608)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、決定操作がないと判定した場合には(S90606でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90601において、演出制御用CPU90201は、現在のラウンドが1R〜2Rの期間でないと判定した場合には、最終楽曲決定フラグがセットされているか否かを判定する(S90610)。演出制御用CPU90201は、最終楽曲決定フラグがセットされている場合には(S90610でY)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、最終楽曲決定フラグがセットされていないと判定した場合には(S90610でN)、楽曲変更画面を表示する(S90611)。次いで、画面変更フラグがセットされているか否かを判定する(S90612)。
S90612において、演出制御用CPU90201は、画面変更フラグがセットされていないと判定した場合には(S90612でN)、変更操作があるか否かを判定する(S90613)。演出制御用CPU90201は、変更操作がないと判定した場合には(S90613でN)、初期楽曲に対応する映像と楽曲をそのまま流し(S90616)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、変更操作があると判定した場合には(S90613でY)、画面フラグをセットし(S90614)、初期楽曲を「戻る」にした楽曲選択画面を表示し(S90615)、S90617へ移行する。S90612において、演出制御用CPU90201は、画面変更フラグがセットされていると判定した場合には(S90612でY)、S90613からS90615の処理を行なわずに、S90617へ移行する。
S90617では、演出制御用CPU90201は、楽曲変更期間であるか否かを判定する。演出制御用CPU90201は、楽曲変更期間であると判定した場合には(S90617でY)、選択操作があるか否かを判定する(S90618)。S90617において、演出制御用CPU90201は、楽曲変更期間でないと判定した場合には(S90617でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。演出制御用CPU90201は、選択操作があると判定した場合には(S90618でY)、選択された楽曲に対応する映像をサビから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S90619)。そして、S90620へ移行する。一方、演出制御用CPU90201は、選択操作がないと判定した場合には(S90618でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
S90620では、演出制御用CPU90201は、決定操作があるか否かを判定する。演出制御用CPU90201は、決定操作があると判定した場合には(S90620でY)、初期楽曲に決定されたか否かを判定する(S90621)。S90620において、演出制御用CPU90201は、決定操作がないと判定した場合には(S90620でN)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。S90621において、初期楽曲に決定された場合には(S90621でY)、初期楽曲に対応する映像を続きから再生するとともに初期楽曲をそのまま流す(S90622)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S90624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。一方、演出制御用CPU90201は、初期楽曲に決定されなかった場合には(S90621でN)、変更した楽曲に対応する映像を最初から再生するとともに変更した楽曲を最初から再生する(S90623)。次いで、最終楽曲決定フラグをセットして(S90624)、記憶領域に各種のデータを記憶し(S90609)、処理を終了する。
[楽曲選択制御の変形例]
次に、パチンコ遊技機901において、大当り楽曲等の遊技中に再生する楽曲の選択制御の変形例を説明する。この変形例においては、所定のメニュー画面表示時に遊技者の操作(動作)に応じて、遊技時に再生する楽曲を選択可能とする楽曲選択制御処理を説明する。楽曲選択制御処理は、演出制御用CPU90201により実行される。
[メニュー画面の構成]
メニュー画面は、たとえば、客待ちデモ表示(客待ちデモンストレーション表示の略称)時、および、大当遊技状態の開始時等の特定のタイミングにおいて、演出表示装置909で、遊技者により選択可能な各種設定項目を選択肢形式(メニュー形式)の画像で提示する表示画面である。客待ちデモ表示は、遊技が所定期間実行されていない状態(客待ち状態)において、演出表示装置909において、所定の画像を遊技中に表示する画像以外のデモンストレーション表示として表示することをいう。メニュー画面は、メインメニュー画面とサブメニュー画面とを含む。メインメニュー画面は、主な設定項目を一覧形式で表示可能な上層メニュー画像を表示する画面である。サブメニュー画面は、メインメニュー画面で表示された設定項目のうちのいずれかが選択決定されたことに応じて、選択決定された設定項目の詳細事項を表示する画面である。
メニュー画面におけるメインメニュー画面においては、複数種類の設定項目のそれぞれに対応したアイコン画像(以下、アイコンと呼ぶ)が上下方向に並んで表示される。複数種類の設定項目には、遊技時に再生する楽曲を設定するための楽曲選択設定が含まれる。メインメニュー画面において、楽曲選択設定に対応するアイコン画像としては、楽曲に関する情報を特定可能なアイコン画像である楽曲画像が表示される。
メインメニュー画面上では、複数種類の設定項目のうち、1つの選択可能な設定項目に対応するアイコンがハイライト表示(高輝度表示)される選択可能表示がされる。前後方向および左右方向に操作可能なスティックコントローラが前方向に傾倒操作されることに応じて、選択可能表示がされるアイコンが上方向に切替えられ、スティックコントローラが後方向に傾倒操作されることに応じて、選択可能表示がされるアイコンが下方向に切替えられる。プッシュボタンが操作されると、表示画面が、メインメニュー画面から、選択可能表示がされているアイコンに対応する設定項目に対応するサブメニュー画面に切替えられる。
[楽曲選択画面の構成]
図50は、サブメニュー画面として表示される楽曲選択画面を用いて楽曲が選択決定されるときに実行される楽曲選択制御の制御例を示す図である。
図50(A)には、演出表示装置909に表示可能な楽曲選択画面表示例が示される。図50(B)には、楽曲選択画面における楽曲画像の巡回イメージが示される。図50(C)には、楽曲画像のスクロール速度設定データが示される。図50(D)には、楽曲画像のスクロールモード設定データが示される。図50(E)には、楽曲画像のスクロールモード演出パターンデータが示される。
メインメニュー画面上で、遊技者の操作に応じて楽曲選択設定が選択決定されると、演出表示装置909においてサブメニュー画面として図50(A)に示すような楽曲選択画面が表示される。楽曲選択画面においては、図50(B)に示すような複数種類(たとえば、6種類)の楽曲に対応する楽曲画像が、選択可能楽曲画像9096または選択不可能楽曲画像9097により表示可能である。複数種類の楽曲に対応する楽曲画像は、図中の矢印で示される巡回順番に従って、左方向または右方向にスクロール表示可能である。楽曲画像は、楽曲名等の楽曲に関する情報(以下、楽曲情報と呼ぶ)が示されたアイコン形状の画像である。楽曲画像のスクロール表示は、スティックコントローラ9031Aが左方向または右方向に操作されることに対応して、図50(A)において矢印で示すように、左方向または右方向に楽曲画像が移動する態様で実行される。
図50(B)に示すように、楽曲選択画面において表示される楽曲画像には、再生するための選択が可能となっている選択可能楽曲に対応する選択可能楽曲画像9096と、再生するための選択が未だ不可能な選択不可能楽曲に対応する選択不可能楽曲画像9097とが含まれる。選択可能楽曲画像9096と、選択不可能楽曲画像9097とは、次のような条件に基づいて区別して表示される。たとえば、パチンコ遊技機901の電源投入時には、所定の楽曲(たとえば、第1楽曲、第2楽曲)が選択可能楽曲として初期設定され、その他の楽曲(たとえば、第3楽曲〜第6楽曲)が選択不可能楽曲として初期設定される。そして、特定の楽曲追加条件が成立するごとに、選択可能楽曲を追加して増加させる制御が演出制御用CPU90201により実行される。これにより、選択不可能楽曲画像9097は、楽曲追加条件が成立するごとに、選択可能楽曲画像9096に変更可能である。
特定の楽曲追加条件は、たとえば、1日の電源投入時から実行された特別図柄の変動表示回数の積算値(たとえば、演出制御用CPU90201が変動表示回数を計数する)が予め定められた回数(たとえば、100回、200回、300回等)に達するごとに成立する。
図50(A)に示すように、楽曲選択画面においては、選択可能楽曲画像9096と、選択不可能楽曲画像9097とを併せて表示可能である。これにより、楽曲を再生する演出に関する遊技者の興味を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
選択可能楽曲画像9096は、楽曲情報等の画像がカラー画像で示される表示態様のアイコン画像で表示される。一方、選択不可能楽曲画像9097は、楽曲情報等の画像がグレイ画像(灰色等を用いたモノクロ画像)で示される表示態様のアイコン画像で表示される。図50(A)においては、カラー画像の選択可能楽曲画像9096と、グレイ画像の選択不可能楽曲画像9097とを区別するために、選択不可能楽曲画像9097が斜線で示されている。このように、選択可能楽曲画像9096と選択不可能楽曲画像9097とが異なる表示態様で表示されることにより、複数種類の楽曲のうち、いずれの楽曲が選択可能(再生可能)かを視覚的に容易に区別可能である。
図50(A)に示すように、楽曲選択画面の中央部においては、選択対象の楽曲画像が滞留表示(停止表示)可能な領域としての選択領域9098が設けられている。楽曲選択画面では、選択領域9098において、いずれかの選択可能楽曲画像9096が画像の全部を表示する表示態様で滞留表示(停止表示)される。楽曲選択画面では、選択領域9098において、選択不可能楽曲画像9097が滞留表示(停止表示)されない。
[楽曲選択画面でのスクロール表示態様]
スティックコントローラが左方向に1回傾倒操作されると、その操作に応じて、楽曲画像が左方向にスクロール表示される。一方、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作されると、その操作に応じて、楽曲画像が右方向にスクロール表示される。左方向および右方向のどちらの方向へのスクロール表示においても、1回の操作に応じて、選択領域9098において、スクロール表示前に表示されていた選択可能楽曲画像9096が、楽曲画像の巡回順番に従って、スクロール表示後に新たな選択可能楽曲画像9096に変更される。そのようなスクロール表示がされるときに、選択不可能楽曲画像9097は、楽曲画像の巡回順番に従ってスクロール表示されるが、選択領域9098上で一旦表示(一時的に留まるような表示)された後に、移動する表示がされる。
スティックコントローラの操作に応じたスクロール表示は、以下に説明するように、スクロール方向の巡回順番における次の巡回順番の楽曲画像が、選択可能楽曲画像9096であるときと、選択不可能楽曲画像9097であるときとで異なるスクロール表示態様で実行される。
楽曲画像のそのスクロール表示において、操作前に選択領域9098に滞留表示されていた選択可能楽曲画像9096のスクロール表示方向への巡回順番における1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるときは、当該1つ次の巡回順番の選択可能楽曲画像9096が、スクロール表示後に新たに選択領域9098に滞留表示されることにより、選択領域9098に滞留表示される選択可能楽曲画像9096が変更される。
つまり、1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるときは、スクロール表示後に、その選択可能楽曲画像9096が新たに選択領域9098に滞留表示される。具体例として、左方向にスクロール表示をする場合において、スクロール表示前において選択領域9098に滞留表示されていた第1楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であり、図50(B)のように、第1楽曲の次の巡回順番の第2楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるときには、スクロール表示後に、第2楽曲に対応する選択可能楽曲画像9096が新たに選択領域9098に滞留表示される。
一方、そのスクロール表示において、操作前に選択領域9098に滞留表示されていた選択可能楽曲画像9096のスクロール方向への巡回順番における1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択不可能楽曲画像9097であるときは、当該1つ次の巡回順番の選択不可能楽曲画像9097を選択領域9098において一旦表示(一時的に留まるような表示)した後に、遊技者の動作によらず、スクロール表示により、当該次の巡回順番の選択不可能楽曲画像9097の次の順番以降に対応する選択可能楽曲画像9096が、新たに選択領域9098に滞留表示されることにより、選択領域9098に滞留表示される選択可能楽曲画像9096が変更される。
つまり、1つ次の巡回順番の楽曲画像が選択不可能楽曲画像9097であるときは、スクロール表示後に、その選択不可能楽曲画像9097を含めそれ以降の巡回順番の選択不可能楽曲画像9097が、選択領域9098上で一旦滞留表示されつつ選択領域9098上を通過する表示がされ、それ以降の巡回順番の選択可能楽曲画像9096が、新たに選択領域9098に滞留表示されることにより、選択領域9098に滞留表示される選択可能楽曲画像9096が変更される。具体例として、右方向にスクロール表示をする場合において、スクロール表示前において選択領域9098に滞留表示されている第1楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であり、図50(B)のように、第1楽曲の次の巡回順番の第6楽曲、第5楽曲、および、第4楽曲のそれぞれに対応する楽曲画像が選択不可能楽曲画像9097であり、その次の巡回順番の第3楽曲に対応する楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるときには、スクロール表示において、第6楽曲、第5楽曲、および、第4楽曲のそれぞれに対応する選択不可能楽曲画像9097が選択領域9098上で一旦表示(一時的に留まるような表示)されつつ選択領域9098上を通過する表示がされ、スクロール表示後に、第3楽曲に対応する選択可能楽曲画像9096が新たに選択領域9098に滞留表示される。
このように、楽曲選択画面においては、遊技者による1回の操作に応じたスクロール表示により、選択領域9098において滞留表示する選択可能楽曲画像9096を、当該次の順番に対応する前記選択可能画像に変更可能である。
図50(A)に示すように、楽曲選択画面における選択領域9098の左右両側の領域においては、選択領域9098で停止表示された選択可能楽曲画像9096の1つ前の巡回順番の楽曲画像と、1つ後の巡回順番の楽曲画像とのそれぞれが画像の一部を表示する表示態様で停止表示される。これにより、選択可能楽曲画像9096は、画像の全部を停止表示する場合と、画像の一部を停止表示する場合とがある。一方、選択不可能楽曲画像9097は、画像の全部を停止表示する場合がなく、画像の一部を停止表示する場合がある。選択不可能楽曲画像9097については、画像の一部を停止表示するため、選択不可能画像があることを認識可能になることにより遊技の興趣を向上させることができる。
[楽曲選択画面でのスクロール表示設定]
楽曲選択画面でのスクロール表示は、図50(C)のスクロール速度設定データ、図50(D)のスクロールモード設定データ、および、図50(E)のスクロールモード演出パターンデータに基づいて、表示パターン(演出パターン)が設定されて実行される。
図50(C)には、楽曲選択画面でのスクロール表示を実行するときに、スクロール速度を設定するときに用いるスクロール速度設定データが示されている。図50(C)に示すように、楽曲選択画面でスクロール表示を実行するときにおいて、スクロール速度は、次のように設定される。
図50(B)の第1楽曲画像と第2楽曲画像との間、および、第2楽曲画像と第3楽曲画像との間のような、選択可能楽曲画像9096と選択可能楽曲画像9096との相互間でのスクロール表示は、第1速度V1がスクロール速度として設定される。図50(B)の第4楽曲画像と第5楽曲画像との間、および、第5楽曲画像と第6楽曲画像との間のような、選択不可能楽曲画像9097と選択不可能楽曲画像9097との相互間でのスクロール表示は、第2速度V2がスクロール速度として設定される。図50(B)の第1楽曲画像と第6楽曲画像との間のような、選択可能楽曲画像9096と選択不可能楽曲画像9097との間でのスクロール表示は、第2速度V2がスクロール速度として設定される。図50(C)に示すように、第2速度V2は、第1速度V1よりも高速度である。
このように、楽曲選択画面でのスクロール表示については、スクロール速度が、選択可能楽曲画像相互間と、選択不可能楽曲画像相互間とで異なる。これにより、スクロール表示を用いた演出の演出パターンが変化に富むようになり、遊技の興趣を向上させることができる。スクロール表示の速度については、選択不可能楽曲画像相互間の第2速度V2の方が、選択可能楽曲画像相互間の第1速度V1よりも高速度である。これにより、選択不可能楽曲画像9097が表示される期間を減少させることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
図50(D)には、楽曲選択画面でのスクロール表示を実行するときに、スクロールモードを設定するときに用いるスクロールモード設定データが示されている。スクロールモードは、スクロール表示をするときの演出パターンのモードである。スクロールモードには、低速スクロールモードと、高速スクロールモードとがある。
図50(D)に示すように、選択領域9098を基準位置として、スクロールの次巡回順番が選択可能楽曲画像9096である場合は、低速スクロールモードが選択される。たとえば、選択領域9098に選択可能楽曲画像9096である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から左方向にスクロール表示する場合に、次巡回順番が選択可能楽曲画像9096である第2楽曲画像であるときは、低速スクロールモードが選択される。一方、選択領域9098を基準位置として、スクロールの次巡回順番が選択不可能楽曲画像9097である場合は、高速スクロールモードが選択される。たとえば、選択領域9098に選択可能楽曲画像9096である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から右方向にスクロール表示する場合に、次巡回順番が選択不可能楽曲画像9097である第6楽曲画像であるときは、高速スクロールモードが選択される。
図50(E)には、スクロールモード別のスクロール表示の演出パターンデータが示されている。低速スクロールモードでは、第1速度V1で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択可能楽曲画像9096を選択領域9098に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が実行される。たとえば、選択領域9098に選択可能楽曲画像9096である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から左方向にスクロール表示する場合に、低速スクロールモードにより、第1速度V1で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択可能楽曲画像9096である第2楽曲画像を選択領域9098に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が行なわれる。
高速スクロールモードでは、第2速度V2で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択不可能楽曲画像9097を選択領域9098に一旦表示(一時的に留まるような表示)させつつ通過させる飛ばし表示をし、最終的に、次巡回順番の選択不可能画像以降における次の順番の選択可能楽曲画像を選択領域に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が実行される。たとえば、選択領域9098に選択可能楽曲画像9096である第1楽曲画像が滞留表示されている状態から右方向にスクロール表示する場合に、高速スクロールモードにより、第2速度V2で楽曲画像を移動させ、次巡回順番の選択不可能楽曲画像9097である第6楽曲画像、第5楽曲画像、および、第4楽曲画像を選択領域に9098に一旦表示させつつ通過させる飛ばし表示をし、最終的に、選択可能楽曲画像9096である第3楽曲画像を選択領域に滞留表示させる演出パターンでスクロール表示が実行される。選択不可能楽曲画像9097については、選択領域9098において一旦表示されることにより、演出についての遊技者の興味が増すようにすることができる。また、選択不可能楽曲画像9097に対応する楽曲を選択できないにも関わらず表示したままにしないので、当該楽曲を選択できると遊技者が勘違いしにようにすることができる。
図50(A)に示す楽曲画像を表示するためのデータ、図50(B)に示す楽曲画像の巡回順番に関するデータ、図50(C)に示すスクロール速度設定データ、図50(D)に示すスクロールモード設定データ、および、図50(E)に示すスクロールモード演出パターンデータのそれぞれは、演出制御用のROMに記憶されており、楽曲選択画面においてスクロール表示が実行されるときに、スクロール表示の各種設定等に用いられる。
[楽曲選択処理]
図51は、演出制御用CPU90201により実行される楽曲選択処理の一例を示すフローチャートである。以下に説明する楽曲選択処理を実行することで、客待ちデモ表示(デモンストレーション表示の略称)時、および、大当り遊技状態の開始時等の特定のタイミングにおいて、遊技者の操作により、再生する楽曲が選択可能である。これにより、遊技中に再生する楽曲を遊技者の意思(好み)に応じて選択決定することができる。
客待ちデモ表示時に楽曲選択処理を実行する場合は、選択決定された楽曲が、演出図柄の変動表示中に再生される。大当り遊技状態の開始時に楽曲選択処理を実行する場合は、選択決定された楽曲が、たとえば、大当り遊技状態中に再生される。以下においては、大当り遊技状態の開始時に楽曲選択処理を実行する例を説明する。
前述したように、メインメニュー画面において、楽曲選択設定の項目(図示せず)が選択決定されてサブメニュー画面として、図50(A)に示す楽曲選択画面が表示された状態において、遊技者によるスティックコントローラの操作およびプッシュボタンの操作に応じて、遊技中に再生する楽曲の選択決定が可能となる。
具体的に、楽曲選択画面が表示された状態においては、遊技者がスティックコントローラを左方向または右方向に傾倒操作することに基づいて、表示される楽曲画像が左方向または右方向にスクロール表示されることにより、選択領域9098に滞留表示される楽曲画像を切替える選択切替操作が可能である。また、プッシュボタンを押圧操作することに応じて、遊技中に再生する楽曲を選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像に対応する楽曲に決定する決定操作が可能である。
楽曲選択処理は、客待ちデモ表示時に実行される場合に、演出制御プロセス処理において、客待ちデモ表示の実行中の所定期間に亘り実行される。また、楽曲選択処理は、大当り遊技状態の開始時に実行される場合に、演出制御プロセス処理において、客待ちデモ表示の実行中の所定期間に亘り実行される。なお、楽曲選択処理は、客待ちデモ表示時および大当り遊技状態の開始時に限らず、確変状態の開始時、または、時短状態の開始時のような、その他のタイミングで実行してもよい。
以下においては、楽曲選択処理を大当り遊技状態の開始時に実行する例を説明する。
楽曲選択処理において、演出制御用CPU90201は、まず、楽曲選択画面が表示されている状態であるか否かを確認するために、楽曲選択中フラグがセットされているか否かを判定する(S90720)。楽曲選択中フラグとは、楽曲選択画面(図50(A))が表示されているか否かを判定するためのフラグであって、メインメニュー画面において楽曲選択設定の項目が選択決定されたときに、楽曲選択処理とは別に実行されるメインメニュー表示処理においてセットされ、後述するS90730でリセットされる。たとえば、演出制御用CPU90201は、楽曲選択中フラグがセットされていれば楽曲選択画面が表示されていると判定し、セットされていなければ楽曲選択画面が表示されていないと判定する。
楽曲選択中フラグがセットされていない場合(S90720;No)、演出制御用CPU90201は、楽曲選択処理を終了する。一方、楽曲選択中フラグがセットされている場合(S90720;Yes)、演出制御用CPU90201は、スティックコントローラによる選択切替操作があったか否かを判定する(S90721)。具体的に、S90721では、センサからの検出信号に基づいて、選択切替操作の有無が判定される。
選択切替操作がなかった場合(S90721;No)、演出制御用CPU90201は、後述するS90727の処理を実行する。一方、選択切替操作があった場合(S90721;Yes)、演出制御用CPU90201は、選択切替操作に応じたスクロール表示(左方向スクロール表示または右方向スクロール表示)における楽曲画像の巡回順番の次順番が選択可能楽曲画像9096であるか否かを判定する(S90722)。
たとえば、図50(A)に示すように選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作された場合は、左方向スクロール表示の巡回順番において第1楽曲画像の次の巡回順番の第2楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるか否かを判定する。図50(B)に示すように、第2楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるときは(S90722;Yes)、後述するS90725の処理を実行する。一方、図50(A)に示すように選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作された場合は、右方向スクロール表示の巡回順番において第1楽曲画像の次の巡回順番の第6楽曲画像が選択可能楽曲画像9096であるか否かを判定する。図50(B)に示すように第6楽曲画像が選択不可能楽曲画像9097であるときは(S90722;No)、後述するS90723の処理を実行する。
S90722において次順番が選択可能楽曲画像9096ではないと判定された場合は、スクロール表示(左方向スクロール表示または右方向スクロール表示)における楽曲画像の巡回順番の次順番以降の最初の選択可能楽曲画像9096を次回滞留表示画像として決定する(S90723)。そして、S90723で決定した次回滞留表示画像を選択領域9098まで、選択切替操作がされた方向に移動させるスクロール表示を高速モードで実行する(S90724)。
たとえば、図50(A)に示すように選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが右方向に1回傾倒操作された場合は、左方向スクロール表示の巡回順番において図50(B)に示すように、第1楽曲画像の次の巡回順番の楽曲画像が、選択不可能楽曲画像9097としての第6楽曲画像である。その場合には、第6楽曲画像の次の順番以降の最初の選択可能楽曲画像9096が、第3楽曲画像であるから、第3楽曲画像を次回滞留表示画像に決定する(S90723)。そして、第3楽曲画像を選択領域9098まで、右方向に移動させるスクロール表示を高速モードで実行する(S90724)。これにより、高速モードでの右方向スクロール表示が実行され、選択領域9098において、第6楽曲画像、第5楽曲画像、第4楽曲画像の順でこれらの楽曲画像が一旦表示されつつ移動する飛ばし表示をした後、最終的に第3楽曲画像が滞留表示される。
一方、S90722において次順番が選択可能楽曲画像9096であると判定された場合は、スクロール表示(左方向スクロール表示または右方向スクロール表示)における楽曲画像の巡回順番の次順番の楽曲画像を次回滞留表示画像に決定する(S90725)。そして、S90725で決定した次回滞留表示画像を選択領域9098まで、選択切替操作がされた方向に移動させるスクロール表示を低速モードで実行する(S90726)。
たとえば、図50(A)に示すように選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像が第1楽曲画像であって、スティックコントローラが左方向に1回傾倒操作された場合は、左方向スクロール表示の巡回順番において図50(B)に示すように、第1楽曲画像の次の巡回順番の楽曲画像が、選択可能楽曲画像9096としての第2楽曲画像である。その場合には、第1楽曲画像の次の順番の選択可能楽曲画像9096である第2楽曲画像を次回滞留表示画像に決定する(S90725)。そして、S90725で決定した次回滞留表示画像を選択領域9098まで、左方向に移動させるスクロール表示を低速モードで実行する(S90726)。これにより、低速モードでの右方向スクロール表示が実行され、選択領域9098に、第2楽曲画像が滞留表示される。
S90724の実行後、S90726の実行後、またはS90721において選択切替操作がなかったと判定した場合、演出制御用CPU90201は、選択された楽曲を決定する決定操作があったか否かを判定する(S90727)。具体的に、S90727では、センサからの検出信号に基づいて、プッシュボタンによる決定操作の有無が判定される。
決定操作がなかった場合(S90727;No)、演出制御用CPU90201は、楽曲選択処理を終了する。一方、決定操作があった場合(S90727;Yes)、演出制御用CPU90201は、選択領域9098に滞留表示されている楽曲を遊技中に再生する楽曲(大当り遊技状態中に再生する楽曲)に決定する(S90728)。たとえば、選択領域9098に第1楽曲画像が滞留表示されている状態で決定操作がされた場合は、遊技中に再生する楽曲が、第1楽曲画像に対応する第1楽曲に決定される。
演出制御用CPU90201は、選択領域9098に滞留表示されている楽曲を遊技中に再生する楽曲(大当り遊技状態中に再生する楽曲)に決定(S90728)した後、楽曲選択画面からメインメニュー画面に戻る表示がされる(S90729)。そして、楽曲選択中フラグをリセットし(S90730)、楽曲選択処理を終了する。このように、楽曲選択画面において、遊技中に再生する楽曲が決定されると、楽曲選択画面の表示が終了し、メインメニュー画面が表示される。
なお、この実施の形態においては、決定操作がされるまで楽曲選択中フラグはリセットされないこととしたが、楽曲選択中フラグがセットされてから、または、選択操作が最後にされてから、所定期間が経過したときに、当該所定期間経過時に選択領域9098に滞留表示されている楽曲画像に対応する楽曲に決定し、楽曲選択画面をメニュー画面に切替え、楽曲選択中フラグをリセットしてもよい。また、決定操作がされることで楽曲選択画面からメニュー画面に戻ることとしたが、楽曲選択画面に「戻る」ボタンを設け、「戻る」ボタンを選択し、プッシュボタン9031Bを押圧操作することで、楽曲選択中フラグをリセットするとともに、メニュー画面に戻るようにしてもよい。
(1) 上記変形例の遊技機は、
遊技を行う遊技機(パチンコ遊技機901など)であって、
特定期間(大当り遊技状態における期間など)において楽曲を再生可能な楽曲再生手段(演出制御用CPU90201など)と、
複数種類の楽曲(図50の複数種類の楽曲の再生演出等)のうちから再生する楽曲が選択可能な楽曲選択画面(図50の楽曲選択画面等)を表示可能な楽曲選択画面表示手段とを備え、
前記特定期間において再生される楽曲を複数種類の楽曲(楽曲A〜Fなど)のうちから選択可能であり、
前記楽曲再生手段は、楽曲選択時においては選択中の楽曲の一部であって該楽曲の先頭とは異なる特定部を再生し(演出制御用CPU90201がサビ部分を再生することなど)、
前記楽曲選択画面は、選択可能な楽曲(図50の第1楽曲〜第3楽曲等)を特定可能な選択可能画像(図50の選択可能楽曲画像9096等)と、未だ選択不可能な楽曲(図50の第4楽曲〜第6楽曲等)を特定可能な選択不可能画像(図50の選択不可能楽曲画像9097等)とを併せて表示可能である(図50(A)等)。
このような構成によれば、楽曲選択時の演出効果を向上させることができる。
(2) 上記(1)の遊技機において、
前記演出選択画面は、前記選択不可能画像として、該選択不可能画像の一部を表示する(図50(A)で斜線で示す選択不可能楽曲画像9097の一部をグレイ画像で表示する等)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、選択不可能画像があることを認識可能になることにより遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 上記(1)または上記(2)の遊技機において、
前記演出選択画面は、
遊技者の動作(スティックコントローラの左右操作による選択切替操作等)に応じて、所定の順番(図50(B)に示す楽曲画像の巡回順番等)により複数の前記選択可能画像および前記選択不可能画像(図50(B)に示す楽曲画像等)をスクロール表示可能であり(図50(A)の矢印方向に示すスクロール表示等)、
所定の表示領域(図50の選択領域9098)において前記選択可能画像を滞留表示(図50の選択領域9098内に滞留する表示)することにより、実行する演出を特定し(再生する楽曲に対応する楽曲画像を画面中央部で特定する等)、
前記演出選択画面表示手段は、
所定の表示領域において滞留表示されている前記選択可能画像の次の順番(正順)に対応する画像が前記選択可能画像(図50(A)で選択可能楽曲画像9096である第1楽曲の次の巡回順番の第2楽曲に対応する第2楽曲画像が選択可能楽曲画像9096等)であるときに、遊技者による1回の動作に応じたスクロール表示により、当該次の順番に対応する前記選択可能画像に変更可能であり(図51のS90725,S90726により、スクロール表示を実行して選択領域9098で次の順番の選択可能楽曲画像9096を滞留表示する低速スクロールモード(図50(E))でスクロール表示をする等。)、
前記所定の表示領域において滞留表示されている前記選択可能画像の次の順番(逆順)に対応する画像が前記選択不可能画像(図50(A)で第1楽曲の次の巡回順番の第6楽曲に対応する第6楽曲画像が選択不可能楽曲画像9097等)であるときに、遊技者による1回の動作に応じたスクロール表示により、前記所定の表示領域において、当該次の順番の前記選択不可能画像を一旦表示した後に、遊技者の動作によらず、スクロール表示により、当該次の順番の前記選択不可能画像の次の順番以降に対応する前記選択可能画像を前記所定の表示領域において滞留表示する(図51のS90723,S90724により、スクロール表示を実行して選択不可能楽曲画像9097を前記一旦表示させつつ飛ばし表示し、最終的に次の巡回順番以降における選択可能楽曲画像9096を滞留表示する高速スクロールモード(図50(E))でスクロール表示をする等。)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、所定の表示領域において選択不可能画像が一旦表示されることにより、演出についての遊技者の興味が増すようにすることができる。
(4) 上記(3)の遊技機において、
前記演出選択画面は、前記スクロール表示におけるスクロール速度が、前記選択可能画像相互間(図50(B)の第1速度V1等)と、前記選択不可能画像相互間(図50(B)の第2速度V2等)とで異なる(図50(C)のスクロール速度比「V1<V2」等)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、スクロール速度が異なることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 上記(4)の遊技機において、
前記演出選択画面は、前記スクロール表示におけるスクロール速度が、前記選択可能画像相互間(図50(B)の速度V1等)よりも、前記選択不可能画像相互間(図50(B)の速度V2等)の方が高速度である(図50(C)のスクロール速度比「V1<V2」等)、ようにしてもよい。
このような構成によれば、選択不可能画像が表示される期間を減少させることが可能となることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
(6) 上記(3)から上記(5)のいずれかの遊技機において、
前記演出選択画面は、前記スクロール表示におけるスクロール速度が、遊技者の動作期間により異なる([スクロール速度が遊技者の動作期間により異なる例])。
このような構成によれば、スクロール速度が遊技者の動作期間により異なることにより、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、第2特別図柄の小当りによる特殊可変入賞球装置22の開放パターンを複数種類設けてもよい。たとえば、短開放の回数が多いパターンと短開放の回数が少ないパターンとを設けてもよい。また、開放パターンの種類により、演出図柄として表示される図柄の種類を異ならせてもよい。具体的には、遊技者に有利な開放パターン(開放回数が多い等)であれば、赤色の図柄組合せで停止させ、遊技者に不利な開放パターン(開放回数少ない等)であれば、青色の図柄組合せで停止させるようにしてもよい。また、有利な開放パターンであれば「4」図柄で小当りに当選し、不利な開放パターンであれば「2」図柄で小当りに当選するようにしてもよい。なお、開放回数ではなく開放時間が異なるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、大当り間に小当りの保留記憶がある場合であっても一連のプレミアム映像を流す例について説明した。しかし、大当り間に小当りの保留記憶があるときと、大当り間に小当りの保留記憶が無いときとで、流される映像が異なるようにしてもよい。また、大当り間の小当りの数により(小当りが1個あるいは2個により)プレミアム映像の種類が異なるようにしてもよい。
(3) 前述した実施の形態では、大当り状態から次回の大当り状態までの期間に小当り状態に制御されるときの第1獲得画像90196と、それ以外の期間での第2獲得画像90197や第3獲得画像90198とが同じ表示態様であってもよい。また、保留内に小当りが有る状態である第1獲得画像90196と第3獲得画像90198とが同じであってもよい。また、獲得画像の数値は、小当りでの獲得数の合計を出すのではなく、単開放における1回の入賞毎の合計数を表示するものであってもよく、1球の入賞毎の獲得数を連続して表示するものでもよい。
(4) 前述した実施の形態では、遊技者が選択操作可能な選択演出として楽曲の変更に関するものについて説明した。しかし、選択演出で変更される演出は、楽曲以外のものであってもよい。たとえば、選択演出で変更される演出は、背景変化の演出、映像変化の演出、キャラクタ変化の演出等であってもよい。このような場合に、一度選択されていたものが再度選択された場合に演出を引継ぐようにすればよい。具体的には、プッシュボタン操作により背景を変化させることを予約できる遊技機において、背景を変化させようとしたが、現在の背景のままにしたいと思ったときは、現在の背景での演出が継続(たとえば現在の背景での音楽が継続して流れる等)されるようにしてもよい。
(5) 前述した実施の形態では、楽曲の選択演出は、大当り中に実行可能である場合について説明した。しかしながら、楽曲の選択演出をラッシュ中に実行できるようにしてもよいし、非KT状態中で実行できるようにしてもよい。このような場合には、選択演出を実行できる期間を複数設け、変動回数により変動回数が少ない場合(1〜10回)の期間と変動回数が多い場合(70〜100回)の期間とで楽曲の選択演出が実行されるようにしてもよい。なお、選択演出を客待ちデモ中に実行するようにしてもよい。たとえば、客待ちデモ中にプッシュボタンを操作することによりメニュー画面を開くことができ、当該メニュー画面内においてパチンコ遊技機の音量や光量を調整したり、演出の実行頻度を変更できるようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態では、図48(e)に示すように、現在実行されている項目が「戻る」という文字に変更される場合を説明した。しかしながら、文字に変化するのではなく、現在実行されている項目の色や形が異なるものであってもよい。
(7) 前述した実施の形態では、楽曲のサビ部分から再生される場合を説明した。楽曲によっては、「サビ」以外の部分(Aメロなど)から再生されるようにしてもよいし、楽曲によって再生される部分を異ならせてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、大当り遊技状態の大当り期間としては、アタッカー開放を繰り返す期間、つまり、ラウンド遊技期間としているが、これに限定されない。たとえば大当り期間としては、大当り遊技状態の開始時に実行されるファンファーレ演出の期間と、アタッカー開放を繰り返す期間(ラウンド遊技期間)と、大当り遊技状態の終了時に実行されるエンディング演出の期間とを含めた期間としてもよい。ファンファーレ演出とは、大当り遊技状態の開始時に実行される、大当り遊技状態になったことを報知する演出である。エンディング演出とは、大当り遊技状態の終了時に実行される、大当り遊技状態が終了することを報知する演出である。
(9) 前述した楽曲選択の各種制御は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。スロットマシンにおいては、筐体に設けられたプッシュボタンや十字キーにより楽曲の選択や決定操作が実行されるようにすればよい。
(10) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(11) この実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(12) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。たとえば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要はなく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、たとえば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(13) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(14) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(15) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。