JP2019154256A - 卵加工食品、卵加工食品の製造方法及び卵加工食品の光退色抑制方法 - Google Patents

卵加工食品、卵加工食品の製造方法及び卵加工食品の光退色抑制方法 Download PDF

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聡 笠谷
孝 大倉野
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孝 大倉野
淳 大堀
Atsushi Ohori
淳 大堀
祐介 頼本
Yusuke Yorimoto
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Abstract

【課題】光退色が抑制された、黄色味が鮮やかな卵加工食品を提供する。【解決手段】トコフェロール及び乳化剤を含有する前記卵加工食品であって、前記トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合が40質量%以上である前記卵加工食品。前記トコフェロールの一重項酸素補足機能及びフリーラジカル補足機能、αトコフェロールとγトコフェロールの抗酸化力の差、更には、乳化剤による前記トコフェロールを前記卵加工食品中に均一に分散させる機能により、前記卵加工食品中のトコフェロールの含有量を多くすることができ、食品中に点在するカロテノイド色素との接触性が向上し、光照射により発生したフリーラジカルを効率的に補足することによる、前記光退色の抑制。【選択図】なし

Description

本発明は光による退色が防止された卵加工食品に関する。
近年、コンビニエンスストアやスーパー等でチルドの卵焼きやプリン等の卵加工食品が売られている。これらの商品は、中身が見えるように透明な樹脂フィルムでパッケージされていることが多く、ショーケースにおいて強い光に曝されることで、卵由来の黄色味が退色してしまい、商品価値が失われることが課題となっていた。特に黄色味が濃い商品においては、それが顕著であり、解決が求められていた。
たとえば、食品中のカロテノイド系の色素の退色を抑制する方法として、茶抽出物とαトコフェロールを併用する技術が開示されている(特許文献1)。
また、飲食品の製造または保存中における光、熱、酸素などの影響による食品成分の酸化劣化を防止する方法として、特定のポリグリセリン脂肪酸エステルを用いて油溶性酸化防止素材を水中に分散した際の粒子径を微細に制御することで、油溶性酸化防止素材によるフリーラジカルとの反応性を向上させて酸化防止効果を高める技術が開示されており、油溶性酸化防止素材としてαトコフェロールが記載されている(特許文献2)。
また、非特許文献1には、油脂に対してトコフェロールを0.05%以上添加する場合、酸化が促進されるとの記載がある。
特開2015−119647号公報 特開2016−152773号公報
栄養と食糧 vol.33 No6 393−398 1980
しかしながら、特許文献1においては、茶抽出物が含有されているため、着色したり、苦味が生じるといった問題があった。
また、特許文献2においては、風味劣化の防止についての評価、記述があるのみで、退色、特に光による退色防止についての評価、記述はなされていない。特に、卵加工食品の中でもとりわけ黄色味が濃い商品の光退色の防止に関しては、何ら示唆されていない。
本発明は、上記課題を鑑みたものであり、卵を原料とする加工食品の保管時における色調の低下、すなわち継時的な黄色の退色を防止し、品質を保持するための技術を提供する事を目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく検討を重ねた結果、従来、トコフェロールの含有量を増やすと、酸化を促進し、退色防止が難しいと考えられていたが、卵加工食品において、γトコフェロールの割合が特定量以上のトコフェロール製剤を含有させることにより、光退色性の課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] トコフェロール及び乳化剤を含有する卵加工食品であって、該トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合が40質量%以上である、卵加工食品。
[2] 総トコフェロールの含有量が0.04〜0.4質量%である、[1]に記載の卵加工食品。
[3] 前記乳化剤がグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、及び多糖類からなる群より選ばれる少なくとも1つの乳化剤を含有する、[1]又は[2]に記載の卵加工食品。
[4] 前記卵加工食品は、さらに乳成分を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の卵加工食品。
[5] 前記卵加工食品がプリンである、[4]に記載の卵加工食品。
[6] 前記卵加工食品が卵焼きである、[1]〜[3]のいずれかに記載の卵加工食品。
[7] 前記卵加工食品が、オムライス、卵とじ丼、マヨネーズ、カルボナーラ、スポンジケーキ、カステラ、茶わん蒸し、焼き菓子、又はカスタードクリームである、[1]〜[3]のいずれかに記載の卵加工食品。
[8] 液卵を含む卵加工食品の原料液を調製する調製工程と、調製された原料液を加工して卵加工食品を製造する加工工程とを含む卵加工食品の製造方法において、該調製工程において、該液卵又は原料液に、トコフェロール及び乳化剤を含む製剤を添加混合することを特徴とする[1]ないし[7]のいずれかに記載の卵加工食品の製造方法。
[9] トコフェロール及び乳化剤を用いた卵加工食品の光退色抑制方法であって、該トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合が40質量%以上である、卵加工食品の光退色抑制方法。
本発明によれば、卵を原料とする加工食品の保管時における色調の低下、すなわち継時的な黄色の退色を防止し、品質を保持するための技術が提供される。また、本発明によれば、光退色が抑制された、黄色味が鮮やかな卵加工食品が提供される。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定はされない。
本発明の卵加工食品は、トコフェロールと、乳化剤とを含有する卵加工食品であって、トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合が40質量%以上であることを特徴とするものであり、このような本発明の卵加工食品は、本発明の卵加工食品の製造方法に従って、液卵を含む卵加工食品の原料液を調製する調製工程と、調製された原料液を加工して卵加工食品を製造する加工工程とを含む卵加工食品の製造方法において、該調製工程において、該液卵又は原料液に、トコフェロールと、乳化剤とを含む製剤を添加混合することにより製造することができる。
[メカニズム]
本発明により奏される卵加工食品の光退色抑制効果のメカニズムの詳細は明らかではないが、トコフェロールの一重項酸素補足機能及びフリーラジカル補足機能、αトコフェロールとγトコフェロールの抗酸化力の差、更には、乳化剤によるトコフェロールを卵加工食品中に均一に分散させる機能により、卵加工食品中のトコフェロールの含有量を多くすることができ、食品中に点在するカロテノイド色素との接触性が向上し、光照射により発生したフリーラジカルを効率的に補足することで、光退色が抑制されることによると推定される。
[トコフェロール及び乳化剤を含む製剤]
本発明の卵加工食品を製造するには、トコフェロールと乳化剤をそれぞれ別々に混合しても構わないが、トコフェロール及び乳化剤を含む製剤を用いることが好ましい。本発明におけるトコフェロール及び乳化剤を含む製剤とは、トコフェロール(ビタミンE)を含み、乳化剤で均一な状態に安定化されたものである。
本発明におけるトコフェロールとしては、γトコフェロールの含有割合が多いものを用いる。具体的には、総トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合が40質量%以上であり、γトコフェロールの含有割合は好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、通常90質量%以下、好ましくは80質量%以下である。トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合が40質量%未満の場合、抗酸化力が弱くなり光退色を十分に抑制できない。
乳化剤としては食品用乳化剤であればよく、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、有機酸グリセリン脂肪酸エステル、乳酸脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。天然物の乳化剤としては、加工デンプン、デキストリン、植物レシチン、卵黄レシチン、分別レシチン、酵素処理レシチン、酵素分解レシチン等のレシチン類、サポニン、キラヤサポニン、大豆サポニン等のサポニン類、スフィンゴ脂質、植物性ステロール、動物性ステロール等のリン脂質、胆汁末、トマト糖脂質などの糖脂質などが挙げられる。これらのうち、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、これらのうち、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、多糖類を用いることが好ましく、多糖類の中でもオクテニルコハク酸デンプンナトリウムやデキストリンが特に好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
トコフェロール及び乳化剤を含む製剤中の総トコフェロールの含有量は、5〜50質量%、特に8〜40質量%であることが好ましい。トコフェロールの含有量が上記下限以上であると、光退色抑制のために添加する製剤量を過度に多くする必要がなく、一方、上記上限以下であると安定な製剤とすることができる。
また、トコフェロール及び乳化剤を含む製剤中の乳化剤の含有量は、5〜90質量%、特に60〜80質量%であることが好ましく、製剤中のトコフェロールに対する乳化剤の割合は0.5〜10質量倍、特に1〜6質量倍であることが好ましい。乳化剤の含有量が上記範囲内であると製剤中のトコフェロールを安定に乳化することができる。
本発明で用いるトコフェロール及び乳化剤を含む製剤は、トコフェロール及び乳化剤の他、他の成分を含有していてもよく、他の成分としては、ビタミンC、ケセルチン、ポリフェノール、クロロゲン酸等の酸化防止剤やオリゴトース、トレハロース、キシリトール、エリスリトールなどの糖アルコール、糖類等が挙げられる。これらの他の成分は、本発明で用いるトコフェロール及び乳化剤を含む製剤中に0.1〜90質量%程度の含有量で含有させることが好ましい。ただし、前述の通り、茶抽出物は、卵加工食品の色調や風味を損なうため、本発明で用いるトコフェロール及び乳化剤を含む製剤は、茶抽出物を含まないことを特徴とする。
本発明で用いるトコフェロール及び乳化剤を含む製剤は、通常、トコフェロールと乳化剤と、必要に応じて用いられるその他の成分を水に加えて混合し、常法に従って乳化させることで製造することができる。
このようなトコフェロール及び乳化剤を含む製剤は、本発明の卵加工食品中に0.2〜2.0質量%、特に0.25〜1.0質量%の割合で含有されることが好ましい。
また、本発明の卵加工食品中の総トコフェロールの含有量は、0.04〜0.4質量%、特に0.05〜0.2質量%であることが好ましい。また、卵加工食品中の乳化剤の含有量は、0.01〜20質量%、特に0.1〜2質量%であることが好ましい。
本発明の卵加工食品中のトコフェロール及び乳化剤を含む製剤及びトコフェロールの含有量が上記範囲内であると、光退色抑制効果を十分に得ることができる。
また、乳化剤の含有量が上記範囲内であると卵加工食品中にトコフェロールを添加した際、pHの変化や加熱などを行ってもトコフェロールが乳化物として卵加工食品中で安定して分散させることができる。
本発明では、このように、トコフェロールを予め乳化剤で乳化した製剤を用いると、卵加工食品に添加したトコフェロールを卵加工食品中により均一に分散させることができることから、従来よりもトコフェロールの含有量を多くして、トコフェロールによる光退色抑制効果をより一層高めることができるようになり、好ましい。
[卵加工食品]
本発明が適用される卵加工食品は特に制限はなく、卵を使用した加工品であれば、本発明を適用して良好な光退色抑制効果を得ることができ、卵加工食品特有の黄色味を長期間維持することができ、商品としてショーケース等に並べた後も商品価値を十分に維持することができる。
卵加工食品の原料としての卵は鶏卵が一般的であるが、鶉、家鴨、烏骨鶏等の卵であってもよい。
また、本発明が適用される卵加工食品としては、具体的には、プリン、卵焼き(出汁巻き卵、厚焼き卵、薄焼き卵(オムライスシート、錦糸卵)、炒り卵、オムレツ、スクランブルエッグなどを含む)、オムライス、卵とじ丼、マヨネーズ、カルボナーラ、スポンジケーキ、カステラ、茶わん蒸し、焼き菓子、カスタードクリーム、かに玉、伊達巻、卵豆腐、卵を使用した半固体状ドレッシングなどが挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
特に、本発明の卵加工食品は、生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、クリーム、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、たん白質濃縮ホエイパウダー、バターミルクパウダー、調整粉乳、はっ酵乳などの乳成分を含むプリン、カスタードクリーム、スポンジケーキ、アイスクリーム等において、黄色味の維持に有効である。また、卵焼きなどにおいても、良好な光退色抑制効果を得ることができる。
[卵加工食品の製造方法]
トコフェロール及び乳化剤を含む製剤を含む本発明の卵加工食品を製造するには、卵をといて液卵とし、この液卵に当該卵加工食品に必要な原料材を添加混合して卵加工食品の原料液を調製する工程のうちのいずれかの時点で、液卵又は原料液にトコフェロール及び乳化剤を含む製剤を添加混合し、トコフェロール及び乳化剤を含む製剤を含む原料液とし、この原料液を当該卵加工食品の調理方法に従って加工すればよい。
[b*値]
本発明の卵加工食品は、光照射前のb*値が8以上であることが好ましい。光照射前のb*値が大きい程、卵加工食品特有の黄色味が十分に維持される。この光照射前のb*値の好適な値は、卵加工食品の種類によっても異なり、例えばプリンであればb*値は8以上であることが好ましく、15以上がより好ましく、卵焼きであれば15以上が好ましい。
なお光照射前後のb*値は具体的には後掲の実施例の項に記載の方法で測定される。
以下に、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
<トコフェロール及び乳化剤を含む製剤>
以下の実施例において用いたトコフェロール製剤の仕様は次の通りである。
トコフェロール製剤A:トコフェロールを乳化剤(オクテニルコハク酸デンプンナトリウム及びデキストリン)で乳化した粉末
総トコフェロール含有量=18質量%
トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合=72質量%
乳化剤含有量=75質量%
植物油=残部
トコフェロール製剤B:トコフェロールを乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル及びグリセリン)で乳化した溶液
総トコフェロール含有量=34質量%
総トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合=63質量%
乳化剤含有量=60質量%
植物油=残部
トコフェロール製剤C:トコフェロールを乳化剤(オクテニルコハク酸デンプンナトリウム及びデキストリン)で乳化した粉末
総トコフェロール含有量=50質量%
総トコフェロール中のαトコフェロールの含有割合=95質量%
総トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合=5質量%
乳化剤含有量=42質量%
植物油=残部
トコフェロール製剤D:トコフェロールを乳化剤(オクテニルコハク酸デンプンナトリウム及びデキストリン)で乳化した粉末
総トコフェロール含有量=20質量%
総トコフェロール中のαトコフェロールの含有割合=50質量%
総トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合=25質量%
乳化剤含有量=75質量%
植物油=残部
トコフェロール製剤E:トコフェロールオイル
総トコフェロール含有量=68質量%
トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合=70質量%
植物油=残部
(実施例1)
原料として、全卵150g及び卵黄40gを混合したものを液卵とした。牛乳500mLに対してグラニュー糖80gを加熱しながら溶解させ、60℃となったところで加熱を止め、40℃まで放冷した。これと先ほどの液卵を混合し、35メッシュのザルを用いてこし、プリン原液とした。
このプリン原液にトコフェロール製剤Aを総トコフェロール含有量が0.2質量%となるように添加した。添加する際には、調製したプリン原液のうち、100gにあたる量を採取し、その5分の1量にトコフェロール乳化型製剤を加え、マグネティックスターラー及び撹拌子を用いて10分間撹拌したのちに残りの分量のプリン原液を加えて撹拌した。
トコフェロール製剤Aを添加したプリン原液を50gずつプリン型にとり、70℃の湯をはったバット上で湯煎しながら、120℃、水蒸気量20%でスチームコンベクションオーブンを用いて15分間蒸し焼きにした。
製造されたプリンを室温まで放冷後、ポリエチレン製の透明蓋をし、光照射器(LST−2000型 EYELA社製)内にて3000Lx・h,5℃で保管した。
(実施例2)
プリン原液にトコフェロール製剤Aを、総トコフェロール含有量が0.1質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にプリンの製造、保管を行った。
(実施例3)
プリン原液にトコフェロール製剤Bを、総トコフェロール含有量が0.28質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にプリンの製造、保管を行った。
(実施例4)
プリン原液にトコフェロール製剤Bを、総トコフェロール含有量が0.2質量%となるように添加した以外は、実施例1と同様にプリンの製造、保管を行った。
(比較例1)
トコフェロール製剤を添加しなかった以外は、実施例1と同様にプリンの製造、保管を行った。
<評価:プリンの測色(色彩値L*a*b*値による測定)>
実施例1〜4及び比較例1のプリン製造直後及び1〜6日経過後(積算光量7.2〜43.2万Lx)のそれぞれのプリン表面に色彩色差計(日本電色工業)のオプティカルファイバーを軽く押し当て、L*値、a*値、b*値を測定した。測定は1試料につき3回行い、平均値を測定値とした。b*値の測定結果を表1に示す。
L*値、a*値、b*値は値が大きいほど、それぞれ明るさ、赤み、黄色味が強いことを意味する。
プリンの保存試験においてはL*値及びa*値の変化はほとんどなく、b*値のみが表1の通り変化した。このときb*値の値として、12以下になると、b*値16のものと比較して、黄色味の退色が顕著となった。
Figure 2019154256
(実施例5)
原料として、全卵80質量%に対して水20質量%の比率で混合し35メッシュのザルを用いてこしたものを卵焼き原液とした。これにトコフェロール製剤Aを総トコフェロール含有量が0.4質量%となるように添加した。添加する際には、調製した卵焼き原液のうち、100gにあたる量を採取し、その5分の1量にトコフェロール製剤Aを加え、マグネティックスターラー及び撹拌子を用いて10分間撹拌したのちに残りの分量の卵焼き原液を加えて撹拌した。
卵焼き原液を50gずつ型にとり、85℃、水蒸気量20%でスチームコンベクションオーブンを用いて20分間焼いた。
製造された卵焼きを室温まで放冷後、ポリエチレン製の透明袋にいれ、光照射器(LST−2000型 EYELA社製)内にて4000Lx・h,5℃で保管した。
(実施例6)
トコフェロール製剤Bを、総トコフェロール含有量が0.2質量%となるように添加した以外は、実施例5と同様に卵焼きの製造、保管を行った。
(比較例2)
トコフェロール製剤を添加しなかった以外は、実施例5と同様に卵焼きの製造、保管を行った。
(参考例1)
トコフェロール製剤を添加しなかった以外は、実施例5と同様に卵焼きを製造し、遮光性の袋に入れ、光照射器(LST−2000型 EYELA社製)内にて4000Lx・h,5℃で保管した。
<評価:卵焼きの測色(色彩値L*a*b*値による測定)>
実施例5,6、比較例2及び参考例1の卵焼き製造直後及び一定の積算照度(20,30,40,60,140,220万Lx)経過後、それぞれの卵焼き表面に色彩色差計(日本電色工業)のオプティカルファイバーを軽く押し当て、L*値、a*値、b*値を測定した。測定は1試料につき3回行い、平均値を測定値とした。b*値の測定結果を表2に示す。
L*値、a*値、b*値は値が大きいほど、それぞれ明るさ、赤み、黄色味が強いことを意味する。
卵焼きの保存試験においてはL*値及びa*値の変化はほとんどなく、b*値のみが変化した。このときb*値の値として、12以下になると、黄色みの退色が顕著となった。
Figure 2019154256
(実施例7)
原料として、全卵150g及び卵黄40gを混合したものを液卵とした。牛乳500mLに対してグラニュー糖80gを加熱しながら溶解させ、60℃となったところで加熱を止め、40℃まで放冷した。これと先ほどの液卵を混合し、35メッシュのザルを用いてこし、プリン原液とした。
このプリン原液にトコフェロール製剤Aを総トコフェロール含有量が0.1質量%となるように添加した。添加する際には、調製したプリン原液のうち、100gにあたる量を採取し、その5分の1量にトコフェロール製剤Aを加え、マグネティックスターラー及び撹拌子を用いて10分間撹拌したのちに残りの分量のプリン原液を加えて撹拌した。
トコフェロール製剤Aを添加したプリン原液を50gずつプリン型にとり、70℃の湯をはったバット上で湯煎しながら、120℃、水蒸気量20%でスチームコンベクションオーブンを用いて15分間蒸し焼きにした。
製造されたプリンを室温まで放冷後、ポリエチレン製の透明蓋をし、光照射器(LST−2000型 EYELA社製)内にて3000Lx・h,5℃で保管した。
(比較例3)
プリン原液にトコフェロール製剤Dを、総トコフェロール含有量が0.1質量%となるように添加した以外は、実施例7と同様にプリンの製造、保管を行った。
(比較例4)
プリン原液にトコフェロール製剤Cを、総トコフェロール含有量が0.1質量%となるように添加した以外は、実施例7と同様にプリンの製造、保管を行った。
(実施例8)
プリン原液にトコフェロール製剤Aを、総トコフェロール含有量が0.2質量%となるように添加した以外は、実施例7と同様にプリンの製造、保管を行った。
(比較例5)
プリン原液にトコフェロール製剤Dを、総トコフェロール含有量が0.2質量%となるように添加した以外は、実施例7と同様にプリンの製造、保管を行った。
(比較例6)
プリン原液にトコフェロール製剤Cを、総トコフェロール含有量が0.2質量%となるように添加した以外は、実施例7と同様にプリンの製造、保管を行った。
(比較例7)
プリン原液にトコフェロール製剤Eを、総トコフェロール含有量が0.2質量%となるように添加した以外は、実施例7と同様にプリンの製造、保管を行った。
(比較例8)
トコフェロール製剤を添加しなかった以外は、実施例7と同様にプリンの製造、保管を行った。
(参考例2)
トコフェロール製剤を添加しなかった以外は、実施例7と同様にプリンを製造し、遮光性の袋に入れ、光照射器(LST−2000型 EYELA社製)内にて4000Lx・h,5℃で保管した。
<評価:プリンの測色(色彩値L*a*b*値による測定)>
実施例7〜8、比較例3〜8及び参考例2のプリンの製造直後及び積算光量75万Lx照射後のそれぞれのプリン表面に色彩色差計(日本電色工業)のオプティカルファイバーを軽く押し当て、L*値、a*値、b*値を測定した。測定は1試料につき3回行い、平均値を測定値とした。b*値の測定結果と、照射前(製造直後)のb*値に対する75万Lx照射後のb*値の割合(%)を表3に示す。
Figure 2019154256
以上の結果から、本発明によれば、光退色が抑制された卵加工食品が提供されることが分かる。

Claims (9)

  1. トコフェロール及び乳化剤を含有する卵加工食品であって、該トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合が40質量%以上である、卵加工食品。
  2. 総トコフェロールの含有量が0.04〜0.4質量%である、請求項1に記載の卵加工食品。
  3. 前記乳化剤がグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、及び多糖類からなる群より選ばれる少なくとも1つの乳化剤を含有する、請求項1又は2に記載の卵加工食品。
  4. 前記卵加工食品は、さらに乳成分を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の卵加工食品。
  5. 前記卵加工食品がプリンである、請求項4に記載の卵加工食品。
  6. 前記卵加工食品が卵焼きである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の卵加工食品。
  7. 前記卵加工食品が、オムライス、卵とじ丼、マヨネーズ、カルボナーラ、スポンジケーキ、カステラ、茶わん蒸し、焼き菓子、又はカスタードクリームである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の卵加工食品。
  8. 液卵を含む卵加工食品の原料液を調製する調製工程と、調製された原料液を加工して卵加工食品を製造する加工工程とを含む卵加工食品の製造方法において、該調製工程において、該液卵又は原料液に、トコフェロール及び乳化剤を含む製剤を添加混合することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の卵加工食品の製造方法。
  9. トコフェロール及び乳化剤を用いた卵加工食品の光退色抑制方法であって、該トコフェロール中のγトコフェロールの含有割合が40質量%以上である、卵加工食品の光退色抑制方法。
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JPH01157369A (ja) * 1987-12-11 1989-06-20 Honen Corp トコフェロール乳化組成物
JPH02163197A (ja) * 1988-12-16 1990-06-22 Uno Shoyu Kk 天然トコフェロール含有o/w型乳化物の製造方法

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