JP2019153781A - ヒートシンク及び電子部品パッケージ - Google Patents
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Abstract
Description
このヒートシンクでは、前記複数の筒状突起や複数の溝により、良好な放熱性能を得ることができる。
一方側の面を電子部品接触面とした板状のベース部と、前記ベース部を境にした他方側の内部空間を囲むようにして前記ベース部の周縁側から突出する囲繞部とを備え、前記囲繞部には、前記内部空間を前記囲繞部の側方の外部空間へ連通する通気部が設けられ、この通気部の内縁には、前記内部空間側へ突出する突片部が設けられていることを特徴とするヒートシンク。
第一の特徴は、一方側の面を電子部品接触面とした板状のベース部と、前記ベース部を境にした他方側の内部空間を囲むようにして前記ベース部の周縁側から突出する囲繞部とを備え、前記囲繞部には、前記内部空間を前記囲繞部の側方の外部空間へ連通する通気部が設けられ、この通気部の内縁には、前記内部空間側へ突出する突片部が設けられている(図1〜図8参照)。
ここで、前記「通気部」には、前記囲繞部を貫通する貫通孔や切欠を含む。
次に、上記特徴を有する具体的な実施態様について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4に示すヒートシンクAは、一方側の面を電子部品接触面11とした板状のベース部10と、ベース部10を境にした他方側の内部空間S2を囲むようにしてベース部10の周縁側から突出する囲繞部20とを備える。
このヒートシンクAは、アルミニウム、銅、ステンレス、ニッケル又はマグネシウム等を含む金属材料から形成され、その表面にはアルマイト処理が施される。
このベース部10の他方側(図示例によれば上側)の面は、貫通孔や凹凸のない平坦状に形成されるが、必要に応じて、適宜形状の放熱フィン等を設けることも可能である。
各囲繞片21には、ベース部10面に沿う方向(図示例によれば水平方向)へ並ぶ複数の通気部21aが設けられる。
複数の囲繞片21は、内部空間S2を囲む角筒状(図示例によれば四角筒状)に構成され、その反ベース部側(図示の上方)を開口している。
各囲繞片21とベース部10間の内角部分及び外角部分は、曲げ加工等により曲面状に形成されている。
隣接する二つの通気部21a,21a間に位置する突片部22は、両側の空間を仕切る単一板状に形成される。
すなわち、突片部22,23は、図1に示すように、内部空間S2側へ突出する四角筒状に構成され、図示の水平方向に複数並んでいる。
ベース部10の電子部品接触面11を、発熱中の電子部品Xに接触させた状態(図3及び図4参照)において、ベース部10上方側の内部空間S2には、ベース部10の熱により上昇する空気の流れが形成される。このため、この上昇する気流に、比較的温度の低い外部空間S1の空気が引き込まれて、連続的な空気の流れFが形成される。
したがって、前記のように連続的に流れる空気が、各突片部23に接触して、効率的な熱交換が行われ、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇が抑制される。
次に、本発明に係るヒートシンクの他の実施態様について説明する。なお、以下に示す実施態様は、上述した実施態様を一部変更したものであるため、主にその変更部分について詳述し、共通部分の説明は同一符号を用いる等して適宜省略する。
この通気部21a’は、囲繞片21の立ち上がり方向に沿って複数(図示例によれば三つ)設けられる。
隣接する二つの通気部21a’,21a’の間に位置する突片部23’は、上下方向の両側の空間を仕切る単一板状に形成される。
したがって、連続的に流れる空気が、突片部23’に接触して、効率的な熱交換が行われ、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇が抑制される。
図6に示すヒートシンクCは、上記構成のヒートシンクAに対し、各通気部21aに対応する上下の突片部23,23(図1参照)を省いたものである。
すなわち、このヒートシンクCでは、突片部22が、通気部21aにおける両側の長縁に沿ってそれぞれ設けられる。そして、これら両側の突片部22,22は、その長手方向の端部間を開口しており、この開口に空気を流通するようにしている。
このヒートシンクCによれば、外部空間S1から通気部21aへ侵入した空気が、隣接する突片部22,22間に沿って上昇し、突片部22,22間から上方へ抜け、比較的抵抗を受け難い連続的な空気の流れFが形成される。
このため、上述したヒートシンクAと略同様に作用するのに加えて、空気の流れFによっていっそう効率的な熱交換が行われ、ひいては、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇をより効果的に抑制することができる。
図7に示すヒートシンクDは、上記構成のヒートシンクCに対し、内部空間S2を間にして対向する両側の通気部21a及び突片部22を、それぞれ、第二の通気部21a’及び突片部23”に置換したものである。
すなわち、このヒートシンクDは、通気部として、前記他方側(図示の上方側)へ長尺状に延設された第一の通気部21aと、ベース部10面に沿う方向へ長尺状の第二の通気部21a’とを有し、これら第一の通気部21aと第二の通気部21a’には、それぞれ、その長縁に沿う突片部22,23’が設けられている。
なお、隣接する二つの突片部23’,23’間は、ベース部10面に沿う方向(図示の水平方向)において貫通しており、この点はヒートシンクBのものと異なる。
詳細に説明すれば、このヒートシンクDでは、例えば、ベース部10の電子部品接触面11を側方へ向け、通気部21aを有する囲繞片21を下方へ向けた姿勢で、突片部23’が上下方向へ連続する長尺な空気流路になる。このため、このような横向きの姿勢で用いられた場合でも、内部空間S2の空気の流れを良好にして、効率的な熱交換を行うことができる。
図8に示すヒートシンクEは、上記構成のヒートシンクDに対し、内部空間S2へ向く突片部23”を、外部空間S1へ向へ突片部23”に置換したものである。
すなわち、このヒートシンクEは、通気部として、前記他方側(図示の上方側)へ長尺状に延設された第一の通気部21aと、ベース面10に沿う方向へ長尺状に延設された第二の通気部21a’とを有する。
そして、これら第一の通気部21aと第二の通気部21a’のうち、その一方の通気部(図示例によれば第一の通気部21a)には、その長縁に沿って内部空間S2側へ突出する突片部22が設けられ、他方の通気部(図示例によれば第二の通気部21a’)には、外部空間S1側へ突出する突片部23”が設けられている。
特に、このヒートシンクEは、突片部23”の突出方向に設置スペースの余裕がある場合に有効である。
次に、上記構成のヒートシンクA(図1〜図4参照)と、ヒートシンクC(図6参照)について、空気の流れを可視化するようにしたコンピュータ解析の結果を説明する。このコンピュータ解析では、ベース部10を下方へ向けた縦置き姿勢とし、その下端の電子部品接触面11に熱源が接触しているものとする。
さらに、ヒートシンクCでは、囲繞片21内側における上部側の流れが、ヒートシンクAの場合よりも多くなることを確認できた(図10参照)。
これら解析結果より、連続的な空気の流れFが、熱交換を促進し、ベース部10の温度上昇を効果的に抑制するものと考えられる。
特に、以下に示す実施態様は、ベース部10を側方へ向けた場合でも放熱性能の変化が比較的小さい好ましい態様である。
図11〜図12に示すヒートシンクGは、ヒートシンクAに対し、突片部22,23を、第一の通気部21a毎の突片部24,25に置換し、要所に第三の通気部21bを設けたものである。
各第一の通気部21aは、囲繞片21の立ち上がり方向に沿う長尺状(図示例によれば長方形状)に形成され、囲繞片21を厚み方向へ貫通して、内部空間S2を囲繞部20側方の外部空間S1に連通している。
一方の突片部24は、第一の通気部21aの両側の各長縁に沿って設けられる。他方の突片部25は、第一の通気部21aの上下の各短縁に沿って設けられる。そして、これら両側と上下の突片部24,25は、囲繞片21内面から内部空間S2へ突出する筒状に構成される。
詳細に説明すれば、囲繞部20は、隣接する囲繞片21,21間に内隅21cを有する角筒状に形成される。第三の通気部21bは、各囲繞片21において、突片部24,25よりも内隅21c寄りに設けられている。
さらに、第三の通気部21bは、各囲繞片21において、隣接する二つの第一の通気部21a,21aの間にも設けられる。
したがって、連続的に流れる空気が、突片部24,25等に接触して、効率的な熱交換が行われ、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇を抑制することができる。
ヒートシンクGは、Z方向を垂直にした姿勢(図11参照)で74.5℃、X方向を垂直にした姿勢(図12参照)で80.8℃であった。
それに対し、従来のヒートシンク100は、Z方向を垂直にした姿勢(図17参照)で74.0℃、X方向を垂直にした姿勢で88.7℃であった。
つまり、ヒートシンクGでは、ZX方向の姿勢の違いによる温度差が比較的に小さく、且つ、特にX方向を垂直にした姿勢で、従来品よりも低い温度が得られた。
図13〜図14に示すヒートシンクHは、ヒートシンクAに対し、四つの囲繞片のうち、対向する二つの囲繞片について、突片部22,23を省き、突片部の無い第三の通気部21bを設けたものである。
他方の各囲繞片21’には、ベース部10面方向に間隔を置いて、突片部の無い複数の第三の通気部21bが設けられる。各第三の通気部21bは、第一の通気部21aよりも幅狭に形成される。
したがって、連続的に流れる空気が、突片部22,23に接触して、効率的な熱交換が行われ、ベース部10及び電子部品の温度上昇を抑制することができる。
ヒートシンクHは、Z方向を垂直にした姿勢(図13参照)で73.0℃、X方向を垂直にした姿勢(図14参照)で77.4℃であった。
つまり、ヒートシンクHでは、先に説明した従来のヒートシンク100(図17参照)と比較し、低い温度が得られる上、特に、X方向を略垂直にして用いた場合(図14参照)でも、温度変化が小さかった。
図15〜図16に示すヒートシンクIは、ヒートシンクAの四つの囲繞片のうち、一方の対向する二つの囲繞片について、突片部22,23を、第一の通気部21a毎の突片部24,25に置換し、他方の対向する二つの囲繞片について、突片部22,23を省き、突片部の無い第三の通気部21b,12b’を設け、さらに、隣接する囲繞片21,21’間に第三の通気部21b”を設けたものである。
各囲繞片21’の幅方向中央寄りに位置する複数(図示例によれば三つ)の第三の通気部21bは、それぞれ、第一の通気部21aよりも幅狭に形成される。
そして、これら第三の通気部21bの両側に位置する第三の通気部21b’,21b’は、前記第三の通気部21bよりも幅広に形成される。
したがって、連続的に流れる空気が、突片部24,25に接触して、効率的な熱交換が行われ、ベース部10及び電子部品Xの温度上昇を抑制することができる。
ヒートシンクIは、Z方向を垂直にした姿勢(図15参照)で71.8℃、X方向を垂直にした姿勢(図16参照)で76.8℃℃であった。
つまり、ヒートシンクIでは、先に説明した従来のヒートシンク100(図17参照)よりも低い温度が得られる上、特に、図示のX方向を略垂直にして用いた場合(図16参照)でも、温度変化が小さかった。
11:電子部品接触面
20:囲繞部
21,21’:囲繞片
21a:通気部(第一の通気部)
21a’:通気部(第二の通気部)
21b,21b’,21b”:第三の通気部
22,22’,23,23’,23”,24,25:突片部
S1:外部空間
S2:内部空間
S3:内隅側の内部空間
A〜I:ヒートシンク
F:空気の流れ
図8に示すヒートシンクEは、上記構成のヒートシンクDに対し、内部空間S2へ向く突片部23”を、外部空間S1へ向へ突片部23”に置換したものである。
すなわち、このヒートシンクEは、通気部として、前記他方側(図示の上方側)へ長尺状に延設された第一の通気部21aと、ベース部10面に沿う方向へ長尺状に延設された第二の通気部21a’とを有する。
そして、これら第一の通気部21aと第二の通気部21a’のうち、その一方の通気部(図示例によれば第一の通気部21a)には、その長縁に沿って内部空間S2側へ突出する突片部22が設けられ、他方の通気部(図示例によれば第二の通気部21a’)には、外部空間S1側へ突出する突片部23”が設けられている。
Claims (10)
- 一方側の面を電子部品接触面とした板状のベース部と、前記ベース部を境にした他方側の内部空間を囲むようにして前記ベース部の周縁側から突出する囲繞部とを備え、
前記囲繞部には、前記内部空間を前記囲繞部の側方の外部空間へ連通する通気部が設けられ、この通気部の内縁には、前記内部空間側へ突出する突片部が設けられていることを特徴とするヒートシンク。 - 前記通気部が長尺状の孔であり、前記突片部が前記通気部の長縁に沿って設けられていることを特徴とする請求項1記載のヒートシンク。
- 前記突片部が、前記通気部における両側の長縁に沿ってそれぞれ設けられ、
これら両側の突片部は、その長手方向の端部間を開口していることを特徴とする請求項2記載のヒートシンク。 - 前記通気部として、前記他方側へ長尺な第一の通気部と、前記ベース面に沿う方向へ長尺な第二の通気部とを有し、
これら第一の通気部と第二の通気部には、それぞれ、その長縁に沿う前記突片部が設けられていることを特徴とすることを特徴とする請求項1〜3何れか1項記載のヒートシンク。 - 前記通気部として、前記他方側へ長尺状に延設された第一の通気部と、前記ベース面に沿う方向へ長尺状に延設された第二の通気部とを有し、
これら第一の通気部と第二の通気部のうち、その一方の通気部には、その長縁に沿って前記内部空間側へ突出する前記突片部が設けられ、他方の通気部には、前記外部空間側へ突出する突片部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3記載のヒートシンク。 - 前記囲繞部には、前記突片部を有する通気部以外の部分で、前記囲繞部を厚み方向へ貫通して前記内部空間と前記外部空間とを連通する第三の通気部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5何れか1項記載のヒートシンク。
- 前記囲繞部が、隣接する前記囲繞片の間に内隅を有する角筒状に形成され、
前記第三の通気部が、前記突片部よりも前記内隅側に設けられていることを特徴とする請求項6記載のヒートシンク。 - 前記囲繞部には、前記突片部を有する通気部が間隔を置いて複数設けられ、これら複数の通気部のうち、隣接する二つの通気部の間に、前記第三の通気部が設けられていることを特徴とする請求項6又は7記載のヒートシンク。
- 前記囲繞部が、複数の囲繞片から角筒状に形成され、
前記複数の囲繞片のうち、少なくとも一つの囲繞片には、前記突片部を有する通気部と前記突片部が無く、かつ前記第三の通気部が設けられていることを特徴とする請求項6記載のヒートシンク。 - 前記ベース部の電子部品接触面に、電子部品が接触していることを特徴とする請求項1〜9何れか1項記載のヒートシンクを用いた電子部品パッケージ。
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