JP2015028961A - 放熱用ヒートシンク及び半導体発光素子を用いた照明装置 - Google Patents

放熱用ヒートシンク及び半導体発光素子を用いた照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた放熱効果を有すると共に大幅な軽量化を実現できる放熱用ヒートシンク及び半導体発光素子を用いた照明装置を提供する。【解決手段】放熱用ヒートシンクは、発熱源に固着又は一体化された熱伝導基板と、この熱伝導基板に一端が熱的に結合しており、熱伝導基板から離れる方向に伸長している複数の放熱板と、複数の放熱板の各々の表面及び裏面にそれぞれ固着され、各放熱板の伸長方向に沿って複数列で配列されている扁平形状の第1のコイル状フィン列とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、放熱用ヒートシンク及びこの放熱用ヒートシンクを用いかつ発光ダイオード(LED)素子等の半導体発光素子を用いた照明装置に関する。
特許文献1及び2には、背面に複数の放熱フィンを平行に立設してなるベースプレートの表面上のLEDからの熱を放熱するためのヒートシンクが開示されている。このヒートシンクでは、ベースプレート又は各放熱フィンにスリット若しくは孔を形成し、そのスリット若しくは孔の面積の総和を各放熱フィンの表面積の総和に対して1/5〜4/5に設定している。
特開2013−093169号公報 特開2013−093419号公報
これら特許文献1及び2に記載されている照明装置は、各放熱フィンが矩形プレートで構成されているため、空気と接触する表面積がさほど大きくならず、また、放熱フィン内部を通過する空気量も多くはならないため、空気の対流による放熱効果をさほど期待することができなかった。しかも、全体の重量が重くなるため、高所や荷重をかけられない支持部に設置することが難しかった。
従って本発明の目的は、優れた放熱効果を有すると共に大幅な軽量化を実現できる放熱用ヒートシンク及び半導体発光素子を用いた照明装置を提供することにある。
本発明によれば、放熱用ヒートシンクは、発熱源に固着又は一体化された熱伝導基板と、この熱伝導基板に一端が熱的に結合しており、熱伝導基板から離れる方向に伸長している複数の放熱板と、複数の放熱板の各々の表面及び裏面にそれぞれ固着され、各放熱板の伸長方向に沿って複数列で配列されている扁平形状の第1のコイル状フィン列とを備えている。
熱伝導基板に立設した放熱板の表面及び裏面に複数列のコイル状フィン列が配列されているため、発熱源からの熱が熱伝導基板から放熱板に、さらにコイル状フィン列に伝導されてこのコイル状フィン列から放熱されることによる放熱効果はもちろんのこと、対流によって生じた空気の流れが複数の放熱板に沿って移動するエントツ効果が生じてその空気が表面積の大きなコイル状フィンの隙間を多量に通過することから、コイル状フィンとの接触による空気への熱伝導が非常に良好となり、極めて優れた放熱効果を得ることができる。しかも、コイル状フィンは表面積に比して軽量であるため、大幅な軽量化を実現することができる。
熱伝導基板から垂直に立ち上がる中心軸部材をさらに備えており、複数の放熱板が中心軸部材に対して放射状に配設された複数の矩形状板部材から構成されていることが好ましい。この場合、複数の矩形状板部材の各々が、この矩形状板部材の伸長方向に沿って伸長する複数の貫通孔を内部に有する金属板部材から構成されているか、又は、複数の矩形状板部材の各々が、中実の金属板部材から構成されていることがより好ましい。
各矩形状板部材が複数の貫通孔を内部に有している場合、複数の貫通孔を矩形状板部材の一方の表面に開口する切り欠き部か、又は各矩形状板部材が一端が複数の貫通孔にそれぞれ連通し、他端が矩形状板部材の一方の表面に開口する連通孔を下方に有していることがより好ましい。
熱伝導基板から垂直に立ち上がる中心軸部材をさらに備えており、複数の放熱板が中心軸部材と同軸にかつ中心軸部材とは離隔して周方向に沿って配設された複数の円弧状板部材から構成されていることも好ましい。この場合、複数の円弧状板部材の各々が、この円弧状板部材の伸長方向に沿って伸長する複数の長溝を両面に有する金属板部材から構成されていることがより好ましい。この場合、各円弧状板部材が、一端が複数の長溝にそれぞれ開口し、他端が円弧状板部材の表面に開口する連通孔を下方に有していることがより好ましい。
熱伝導基板から垂直に立ち上がる中心軸部材をさらに備えており、複数の放熱板が中心軸部材と同軸に中心軸部材とは離隔して周方向に沿って配設された複数の平板状板部材から構成されていることも好ましい。この場合、複数の平板状板部材の各々が、この平板状板部材の伸長方向に沿って伸長する複数の貫通孔を内部に有する金属板部材から構成されていることがより好ましい。この場合、各平板状板部材が、一端が複数の貫通孔にそれぞれ連通し、他端がこの平板状板部材の一方の表面に開口する連通孔を下方に有していることがより好ましい。
複数列の第1のコイル状フィン列が、複数の長溝にそれぞれ嵌合して固着されていることもより好ましい。
中心軸部材が、中心軸部材に沿って伸長する複数の長溝を周囲に有する円筒形状の柱部材と、柱部材の複数の長溝にそれぞれ嵌合して固着され、複数の長溝に沿って伸長している複数列の扁平形状の第2のコイル状フィン列とを備えていることも好ましい。この場合、複数列の第2のコイル状フィン列の各列が、金属線材がコイル状に巻回され、巻回単位が隣接する巻回単位に相互に位置ずれして空隙部及び接触部が形成されているコイル状フィン列からなることも好ましい。
また、複数列の第1のコイル状フィン列の各列が、金属線材がコイル状に巻回され、巻回単位が隣接する巻回単位に相互に位置ずれして空隙部及び接触部が形成されているコイル状フィン列からなることも好ましい。
本発明によれば、さらに、発熱源である複数の半導体発光素子及び複数の半導体発光素子が装着された半導体発光素子基板と、半導体発光素子基板の光照射面とは異なる面に固着又は一体化されている前述の放熱用ヒートシンクとを備えている半導体発光素子を用いた照明装置が提供される。
本発明によれば、発熱源からの熱が熱伝導基板から放熱板に、さらにコイル状フィン列に伝導されてこのコイル状フィン列から放熱されることによる放熱効果はもちろんのこと、対流によって生じた空気の流れが複数の放熱板に沿って移動するエントツ効果が生じてその空気が表面積の大きなコイル状フィンの隙間を多量に通過することから、コイル状フィンとの接触による空気への熱伝導が非常に良好となり、極めて優れた放熱効果を得ることができる。しかも、コイル状フィンは表面積に比して軽量であるため、大幅な軽量化を実現することができる。
本発明の放熱用ヒートシンクを用いた照明装置の第1の実施形態における全体構成を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態における照明装置の側面図である。 第1の実施形態における照明装置の底面図である。 第1の実施形態における放熱板の構成を示す斜視図である。 第1の実施形態におけるコイル状フィン列の一部の構成を示す平面図である。 第1の実施形態における放熱用ヒートシンクの放熱作用を説明する図である。 第1の実施形態における放熱用ヒートシンクの放熱特性を説明するための温度特性図である。 図7aの温度特性の測定位置を説明するための図である。 本発明の放熱用ヒートシンクを用いた照明装置の第2の実施形態における全体構成を概略的に示す斜視図である。 第2の実施形態における照明装置の側面図である。 第2の実施形態における照明装置の底面図である。 第2の実施形態における放熱板を示す斜視図である。 第2の実施形態における放熱用ヒートシンクの放熱特性を説明するための温度特性図である。 図12aの温度特性の測定位置を説明するための図である。 本発明の放熱用ヒートシンクを用いた照明装置の第3の実施形態における全体構成を概略的に示す斜視図である。 第3の実施形態における照明装置の側面図である。 第3の実施形態における照明装置の底面図である。 第3の実施形態における放熱板を示す斜視図である。 第3の実施形態における放熱用ヒートシンクの放熱特性を説明するための温度特性図である。 図17aの温度特性の測定位置を説明するための図である。 本発明の放熱用ヒートシンクを用いた照明装置の第4の実施形態における全体構成を概略的に示す斜視図である。 第4の実施形態における照明装置の側面図である。 第4の実施形態における照明装置の底面図である。 第4の実施形態における放熱板を示す斜視図である。 第4の実施形態における照明装置の平面図である。 第4の実施形態における放熱用ヒートシンクの放熱特性を説明するための温度特性図である。 図23aの温度特性の測定位置を説明するための図である。
図1は本発明の放熱用ヒートシンクを用いた照明装置の第1の実施形態における全体構成を概略的に示しており、図2は本実施形態における照明装置の側面を示しており、図3は本実施形態における照明装置の底面を示している。ただし、図3においては、後述する放熱用ヒートシンク12の第1のコイル状フィン列15についてその一部のみが示されている。
これらの図において、10は前面(図1及び図2においては下方に示した面)10aが照射面である本実施形態では円板形状のLED基板、11はLED基板10上に搭載された複数の発光ダイオード(LED)素子、12はLED基板10の照射面とは反対側の裏面10bが固着された放熱用ヒートシンクをそれぞれ示している。
LED基板10は、絶縁性がありかつ熱伝導性の良い材料を用いて円板形状に形成されている。例えばセラミックや金属に絶縁被覆を被着させたものを用いることができる。LED基板10の表面10a上には、本実施形態においては複数の大出力のチップ型LED素子11が任意の配列で搭載されている。このLED基板10はその裏面10bが放熱用ヒートシンク12の熱伝導基板13に直接的に固着され支持されている。LED素子11は、擬似白色LED素子、赤色LED素子、緑色LED素子及び/又は青色LED素子のいずれであっても良い。LED素子11の数及びその配列は任意である。LED基板10の表面上には、LED素子11の図示されていない電極、抵抗、及びこれらと電気的に接続されているプリント配線が形成されている。これらプリント配線は例えば図示されていないソケットを介して外部の電源ケーブルに接続されている。なお、本実施形態においては、LED素子11及びLED基板10にカバーが被せられていない構成とされているが、実際の照明装置では、LED素子11及びLED基板10がケーシング内に水密的に収容されていることが多い。
放熱用ヒートシンク12は、LED基板10が一方の面に固着された熱伝導基板13と、この熱伝導基板13の他方の面に一端が熱的に結合するように固着されており、熱伝導基板13から垂直に伸長している複数の放熱板14と、複数の放熱板14の各々の表面及び裏面にそれぞれ固着され、各放熱板14の伸長方向に沿って複数列で配列されている扁平形状の第1のコイル状フィン列15と、熱伝導基板13の中央部においてこの熱伝導基板13に一端が熱的に結合するように固着されており、この熱伝導基板13から垂直に立ち上がる柱部材16と、柱部材16の周面に固着されその立ち上がり方向(伸長方向)に沿って複数列に配列された扁平形状の第2のコイル状フィン列17とを備えている。本実施形態における柱部材16及び第2のコイル状フィン列17が本発明の中心軸部材に対応している。
熱伝導基板13は、熱伝導性の平板(本実施形態では円盤状の平板)であり、LED基板10の裏面10bが固着されて熱的に接続されているか、又はLED基板10の底板の一部であっても良い。この場合の固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法が用いられる。熱伝導基板13は、本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の熱伝導性の高い材質、例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、これらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料、又は炭素材料等で形成されていても良い。
本実施形態においては、複数の放熱板14は、柱部材16と同軸にかつこの柱部材16とは離隔して周方向に沿って配設された4つの円弧状の金属板部材から構成されている。金属板部材として本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、又はこれらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料で形成されていても良い。複数の放熱板14の熱伝導基板13への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。
図4は本実施形態における放熱板14の構成を示している。同図に示すように、各放熱板14には、その外表面14a及び内表面(柱部材16と対向する面)14bに、放熱板14の伸長方向に沿って互いに平行に伸長する複数の長溝18及び19がそれぞれ形成されている。さらに、放熱板14の下方(熱伝導基板13に近い部分)には、一端が外表面14aの複数の長溝18にそれぞれ開口し、他端が内表面14bに直接開口する複数の連通孔20が設けられている。図示されていないが、放熱板14の下方(熱伝導基板13に近い部分)には、一端が内表面14bの複数の長溝19にそれぞれ開口し、他端が外表面14aに直接開口する複数の連通孔が設けられている。
各放熱板14の外表面14a及び内表面14bに設けられたこれら複数の長溝18及び19の各々には、図1〜図3に示すように、第1のコイル状フィン列15が嵌め込まれて固着されている。第1のコイル状フィン列15の長溝18及び19への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。
図1及び図3に示すように、柱部材16は、この柱部材16に沿って伸長する複数の長溝21を周囲に有する円筒形状に構成されており、この柱部材16の一端は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法により熱伝導基板13に固着されており熱結合されている。柱部材16の各長溝21には第2のコイル状フィン列17が嵌め込まれて固着されている。第2のコイル状フィン列17の長溝21への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。柱部材16は、本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の熱伝導性の高い材質、例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、これらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料、又は炭素材料等で形成されていても良い。柱部材16の下方(熱伝導基板13に近い部分)に、その円筒形状の壁を貫通する複数の連通孔22(図6参照)を設けても良い。
図5は本実施形態におけるコイル状フィン列の一部の構成を示している。同図に示すように、第1のコイル状フィン列15及び第2のコイル状フィン列17を構成するフィンコイル50は、金属線材がコイル状に巻回されて扁平な帯状に形成されている。
即ち、本実施形態では、フィンコイル50は、コイル状の金属線材が全体が扁平となるように連続形成され、各巻回単位51が相互に幅方向と長手方向に位置ずれして交差して、空隙部52と接触部53とを形成している。特に、各巻回単位51が相互に位置ずれしているため多数の空隙部52及び接触部53が形成される。そして、金属線材が扁平に形成されているため、各巻回単位51が相互に接触した接触部53の接触面積が大きくなる。ここで巻回単位51とは、金属線材がそれぞれコイル状に巻回されたときの各金属線材の1回転する単位を指している。
具体的には、左巻きに巻回されたコイル状の金属線材50aと、右巻きに巻回されたコイル状の金属線材50bとが組み合わされる。そして、圧延等の手段により各金属線材50a及び50bを扁平に形成することによって、帯状のフィンコイル50が得られる。この圧延の際には、金属線材の帯形の中心部分が内側(重合わせの内部側)に折曲げられると共に、金属線材の重合わせの表側の部分が圧潰されて中心部分に扁平な面が形成される。また、外側に突出している金属線材の中心部分が内側に折曲げられて厚さが削減され、端部に金属線材が複雑に錯綜した凹凸構造が形成される。
なお、各巻回単位51が相互に接触した接触部53は、半田付け、半田メッキ、接着剤又は粘着剤等の接着手段や、振動溶接又はフラッシュ溶接等の接合手段を用いて接触した線材同士が離れないように固定することで、伝熱抵抗を減少させるための熱的結合を行うことができる。接触部53が固定されることで、巻回単位の相互の密着が確実に行われ、フィンコイル50全体の機械的安定性が向上し、また接触部53を介した熱伝導性も向上する。
このフィンコイル50についても、熱伝導基板13の場合と同様に種々の材質から構成することができる。具体的には、アルミニウム、ステンレス、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、又はこれらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金等を挙げることができる。本実施形態では、フィンコイルは、熱伝導性が高くかつ低コストのアルミニウムから形成されている。
フィンコイル50のコイル径は、特に限定されることなく、要求される放熱性能に応じて適宜設定することができる。一般には、コイル径が大きくなると表面積が増加し、放熱性が向上する。具体的には、ヒートシンクの用途によっても異なるが、数mm〜数cm程度が適当である。金属線材の径も特に限定されることはなく、この径を小さくしてフィンコイル50を密にするほど表面積が増加し放熱性が向上するので、素材の強さや放熱性に応じて設計する。
本実施形態における放熱用ヒートシンク12の全体寸法は、熱伝導基板13の径が約300mm、熱伝導基板13の厚みを含めた放熱板14の高さが約225mmであり、放熱用ヒートシンク12の重量は約6.76kgである。また、この熱伝導基板13に同軸に固着されたLED基板10の径は約120mmである。
図6は本実施形態における放熱用ヒートシンク12の放熱作用を説明している。同図から分かるように、LED素子11から発生した熱がLED基板10及び熱伝導基板13を介して放熱板14及び柱部材16に素早くかつ効率的に伝導し、さらに第1及び第2のコイル状フィン列15及び17に素早く伝導され、第1及び第2のコイル状フィン列15及び17から空気中に放熱される。その際、第1のコイル状フィン列15内部、及び隣接する第1のコイル状フィン列15間の間隙に対流60が生じ、さらに第2のコイル状フィン列17内部、及び隣接する第2のコイル状フィン列17間の間隙に対流61が生じることによって大量の空気が表面積の大きなコイル状フィンの隙間を通過する。また、4つの放熱板14及び柱部材16によって空気の流れが軸方向に規制されており、このため、気流は放熱板16及び柱部材18に沿って上方に流れて上端開口から放出される。気流が上端開口から放出されると、この4つの放熱板14及び柱部材16の間には、外部から内部へ空気を取り込もうとする、いわゆる煙突効果が働く。そのため、放熱板14の下方に設けられた複数の連通孔20を介して外部からの空気が流れ込み、対流62が生じて、コイル状フィン列との接触による空気への熱伝導及び空気の対流が非常に良好となり、極めて優れた放熱効果を得ることができる。
特にフィンコイルが扁平化されていることで、熱交換面積を削減することなく軸中心部分の空間にコイルが充填されているので表面積が大きく、また隣接する巻回単位の密着部分を通じて熱が速やかに伝導する。前述したように、コイル状フィン列を構成するフィンコイル50は、隣接する巻回単位51が幅方向に湾曲しつつ配置され、空隙部52が湾曲する筒状にわたって形成されており、巻回単位51が幅方向に湾曲することで、この空隙部52が拡大されている。即ち、フィンコイル50が筒状の内側に向けて湾曲することにより、空隙部52のうち、筒状外部の空隙部は筒状内部の空隙部よりも拡大され、そのため、筒状外部から内部に向かう気流が発生しやすくなり、筒状外部の空気を取り込みやすくなっている。
また、前述したように、フィンコイル50は、それぞれ異なる向きに巻回され、扁平なコイル状の金属線材50a及び50bを組み合わせることで、金属線材50a及び50bが密集して密に形成され、そのため金属線材50a及び50bとの相互の間で熱が伝導しやすく、フィンコイル50全体に伝熱され、放熱性能も高くなっている。さらに、フィンコイル50は、空気との接触面積が大きくなり、空気の通気孔としての機能も高くなっている。従って、空気はフィンコイル50の空隙部を通過し、放熱板14や熱伝導基板13の熱を速やかに除去することが可能となる。また、それぞれ左巻き及び右巻きの金属線材50a及び50b同士が良好に絡み合っているため、形態の安定性が付与されている。そのため製造しやすいほか、使用している際も破損しにくい。
柱部材16は熱伝導性の良好なアルミニウムで構成され、熱伝導基板13に熱的に接続されているので、柱部材16も、熱伝導基板13の熱を接触する空気と熱交換する作用を有する。また、図6に示すように、柱部材16を筒状に形成し、その下部にこの筒状の壁を貫通する連通孔22を設ければ、柱部材16の内部においても対流63が発生し、熱交換の効率を高めることができる。
フィンコイルを形成する金属線材は、単線又は縒線とすることができる。単線は一本の線材からなるもので、曲げやすくある程度の太さのあるものであれば縒線よりも一定の形状に整えやすく維持しやすい。そのため単線による金属線材は加工が容易である。また、単線による金属線材はコストが低廉である。縒線(又は撚線)は2本以上の複数の線材をまとめ、又は縒り合わせた線材を指す。単線をまとめ又は縒り合わせた後に上述した被覆を行ったものや、上述した被覆を行った単線をまとめ又は縒り合わせたもの(撚対線)を含む。縒線は表面に凹凸が多く単線よりも表面積が大きいためより高い熱交換効率を得られ、単線よりも耐久性も高い。
また、本実施形態によれば、放熱用フィンとしてコイル状のフィンである第1のコイル状フィン列15及び第2のコイル状フィン列17を用いており、このようなコイル状フィンは表面積に比して軽量であるため、放熱用ヒートシンク12全体を従って照明装置全体を大幅に軽量化することができる。
図7aは本実施形態における放熱用ヒートシンクの放熱特性を説明するための温度特性を示しており、図7bはこの温度特性の測定位置を説明している。
図7aに示す温度特性は、本実施形態の放熱用ヒートシンク12において、図7bに示すごとく、熱伝導基板13の下面にLED基板10に代えてセラミックヒータ10′を取付けて約400Wの電力を印加した際の種々の位置における温度の対時間変化特性を示している。即ち、A1はセラミックヒータ10′自体の温度、A2は熱伝導基板13の中央部の上面の温度、A3は熱伝導基板13の外周部の上面の温度、A4は柱部材16の頂部の温度、A5は放熱板14の上下中間位置の温度、A6は室内温度をそれぞれ示している。セラミックヒータ10′自体の温度A1を除いて、いずれの位置においても、50分後の温度は、100℃を超えていない。因みに、セラミックヒータ24への印加電圧は118V、電流は3.3A、電力は389Wであった。電力印加開始後、53分経過後は、温度がほぼ飽和しており、セラミックヒータ10′自体の温度A1が145.7℃、熱伝導基板13の中央部の上面の温度A2が100.6℃、熱伝導基板13の外周部の上面の温度A3が93.2℃、柱部材16の頂部の温度A4が87.1℃、放熱板14の上下中間位置の温度A5が78.4℃、室内温度A6が25.6℃であった。また、熱抵抗は0.199℃/Wであった。
以上述べた第1の実施形態の放熱用ヒートシンク12によれば、煙突効果によって大きな対流が生じて放熱効果に優れるが、4つの円弧状の放熱板14の内側に流入する空気量がさほど大きくないこともあって、熱抵抗は0.199℃/Wである。また、重量は約6.76kgと比較的軽量となる。
図8は本発明の放熱用ヒートシンクを用いた照明装置の第2の実施形態における全体構成を概略的に示しており、図9は本実施形態における照明装置の側面を示しており、図10は本実施形態における照明装置の底面を示している。ただし、図10においては、後述する放熱用ヒートシンク82の第1のコイル状フィン列85についてその一部のみが示されている。
これらの図において、80は前面(図8及び図9においては下方に示した面)80aが照射面である本実施形態では円板形状のLED基板、81はLED基板80上に搭載された複数のLED素子、82はLED基板80の照射面とは反対側の裏面80bが固着された放熱用ヒートシンクをそれぞれ示している。
LED基板80は、絶縁性がありかつ熱伝導性の良い材料を用いて円板形状に形成されている。例えばセラミックや金属に絶縁被覆を被着させたものを用いることができる。LED基板80の表面80a上には、本実施形態においては複数の大出力のチップ型LED素子81が任意の配列で搭載されている。このLED基板80はその裏面80bが放熱用ヒートシンク82の熱伝導基板83に直接的に固着され支持されている。LED素子81は、擬似白色LED素子、赤色LED素子、緑色LED素子及び/又は青色LED素子のいずれであっても良い。LED素子81の数及びその配列は任意である。LED基板80の表面上には、LED素子81の図示されていない電極、抵抗、及びこれらと電気的に接続されているプリント配線が形成されている。これらプリント配線は例えば図示されていないソケットを介して外部の電源ケーブルに接続されている。なお、本実施形態においては、LED素子81及びLED基板80にカバーが被せられていない構成とされているが、実際の照明装置では、LED素子81及びLED基板80がケーシング内に水密的に収容されていることが多い。
放熱用ヒートシンク82は、LED基板80が一方の面に固着された熱伝導基板83と、この熱伝導基板83の他方の面に一端が熱的に結合するように固着されており、熱伝導基板83から垂直に伸長している複数の放熱板84と、複数の放熱板84の各々の表面及び裏面にそれぞれ固着され、各放熱板84の伸長方向に沿って複数列で配列されている扁平形状の第1のコイル状フィン列85と、熱伝導基板83の中央部においてこの熱伝導基板83に一端が熱的に結合するように固着されており、この熱伝導基板83から垂直に立ち上がる柱部材86と、柱部材86の周面に固着されその立ち上がり方向(伸長方向)に沿って複数列に配列された扁平形状の第2のコイル状フィン列87とを備えている。本実施形態における柱部材86及び第2のコイル状フィン列87が本発明の中心軸部材に対応している。
熱伝導基板83は、熱伝導性の平板(本実施形態では円盤状の平板)であり、LED基板80の裏面80bが固着されて熱的に接続されているか、又はLED基板80の底板の一部であっても良い。この場合の固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法が用いられる。熱伝導基板83は、本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の熱伝導性の高い材質、例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、これらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料、又は炭素材料等で形成されていても良い。
本実施形態においては、複数の放熱板84は、その中央部が柱部材86と同軸にかつこの柱部材86とは離隔して周方向に沿って配設された8つの平板状の金属板部材から構成されている。金属板部材として本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、又はこれらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料で形成されていても良い。複数の放熱板84の熱伝導基板83への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。
図11は本実施形態における放熱板84の構成を示している。同図に示すように、各放熱板84には、その内部に放熱板84の伸長方向に沿って互いに平行に伸長する矩形断面の複数の長孔93が形成されている。さらに、放熱板84の下方(熱伝導基板83に近い部分)には、複数の長孔93にそれぞれ連通しており、一端がこの放熱板84の外表面84aにそれぞれ開口し、他端が内表面(柱部材86と対向する面)84bに直接開口する複数の連通孔94が設けられている。
各放熱板84の外表面84a及び内表面84bには、図8〜図10に示すように、扁平な第1のコイル状フィン列85がほぼ垂直に固着されている。第1のコイル状フィン列85の放熱板84への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。
図8及び図10に示すように、柱部材86は、この柱部材86に沿って伸長する複数の長溝91を周囲に有する円筒形状に構成されており、この柱部材86の一端は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法により熱伝導基板83に固着されており熱結合されている。柱部材86の各長溝91には第2のコイル状フィン列87が嵌め込まれて固着されている。第2のコイル状フィン列87の長溝91への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。柱部材86は、本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の熱伝導性の高い材質、例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、これらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料、又は炭素材料等で形成されていても良い。柱部材86の下方(熱伝導基板83に近い部分)に、その円筒形状の壁を貫通する複数の連通孔を設けても良い。
第1及び第2のコイル状フィン列85及び87の構成及び作用効果は第1の実施形態の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態における放熱用ヒートシンク82の全体寸法は、熱伝導基板83の径が約300mm、熱伝導基板83の厚みを含めた放熱板84の高さが約225mmであり、放熱用ヒートシンク82の重量は約6.48kgである。また、この熱伝導基板83に同軸に固着されたLED基板80の径は約120mmである。
第1の実施形態において放熱作用の説明に用いた図6からも分かるように、本実施形態においては、LED素子81から発生した熱がLED基板80及び熱伝導基板83を介して放熱板84及び柱部材86に素早くかつ効率的に伝導し、さらに第1及び第2のコイル状フィン列85及び87に素早く伝導され、第1及び第2のコイル状フィン列85及び87から空気中に放熱される。その際、第1のコイル状フィン列85内部、及び隣接する第1のコイル状フィン列85間の間隙に対流60(図6参照)が生じ、さらに第2のコイル状フィン列87内部、及び隣接する第2のコイル状フィン列87間の間隙に対流61(図6参照)が生じることによって大量の空気が表面積の大きなコイル状フィンの隙間を通過する。また、8つの放熱板84及び柱部材86によって空気の流れが軸方向に規制されており、このため、気流は放熱板86及び柱部材88に沿って上方に流れて上端開口から放出される。気流が上端開口から放出されると、この8つの放熱板84及び柱部材86の間には、外部から内部へ空気を取り込もうとする、いわゆる煙突効果が働く。そのため、放熱板84の下方に設けられた複数の連通孔94を介して外部からの空気が流れ込み、対流62(図6参照)が生じて、コイル状フィン列との接触による空気への熱伝導及び空気の対流が非常に良好となり、極めて優れた放熱効果を得ることができる。さらに、放熱板84の内部に設けられた長孔93を介しても対流が生じるため、空気への熱伝導及び空気の対流がさらに良好となり、極めて優れた放熱効果を得ることができる。
特にフィンコイルが扁平化されていることで、熱交換面積を削減することなく軸中心部分の空間にコイルが充填されているので表面積が大きく、また隣接する巻回単位の密着部分を通じて熱が速やかに伝導する。図5を参照して述べたように、コイル状フィン列を構成するフィンコイル50は、隣接する巻回単位51が幅方向に湾曲しつつ配置され、空隙部52が湾曲する筒状にわたって形成されており、巻回単位51が幅方向に湾曲することで、この空隙部52が拡大されている。即ち、フィンコイル50が筒状の内側に向けて湾曲することにより、空隙部52のうち、筒状外部の空隙部は筒状内部の空隙部よりも拡大され、そのため、筒状外部から内部に向かう気流が発生しやすくなり、筒状外部の空気を取り込みやすくなっている。
また、前述したように、フィンコイル50は、それぞれ異なる向きに巻回され、扁平なコイル状の金属線材50a及び50bを組み合わせることで、金属線材50a及び50bが密集して密に形成され、そのため金属線材50a及び50bとの相互の間で熱が伝導しやすく、フィンコイル50全体に伝熱され、放熱性能も高くなっている。さらに、フィンコイル50は、空気との接触面積が大きくなり、空気の通気孔としての機能も高くなっている。従って、空気はフィンコイル50の空隙部を通過し、放熱板84や熱伝導基板83の熱を速やかに除去することが可能となる。また、それぞれ左巻き及び右巻きの金属線材50a及び50b同士が良好に絡み合っているため、形態の安定性が付与されている。そのため製造しやすいほか、使用している際も破損しにくい。
柱部材86は熱伝導性の良好なアルミニウムで構成され、熱伝導基板83に熱的に接続されているので、柱部材86も、熱伝導基板83の熱を接触する空気と熱交換する作用を有する。また、柱部材86を筒状に形成し、その下部にこの筒状の壁を貫通する連通孔を設ければ、柱部材86の内部においても対流63(図6参照)が発生し、熱交換の効率を高めることができる。
フィンコイルを形成する金属線材は、単線又は縒線とすることができる。単線は一本の線材からなるもので、曲げやすくある程度の太さのあるものであれば縒線よりも一定の形状に整えやすく維持しやすい。そのため単線による金属線材は加工が容易である。また、単線による金属線材はコストが低廉である。縒線(又は撚線)は2本以上の複数の線材をまとめ、又は縒り合わせた線材を指す。単線をまとめ又は縒り合わせた後に上述した被覆を行ったものや、上述した被覆を行った単線をまとめ又は縒り合わせたもの(撚対線)を含む。縒線は表面に凹凸が多く単線よりも表面積が大きいためより高い熱交換効率を得られ、単線よりも耐久性も高い。
また、本実施形態によれば、放熱用フィンとしてコイル状のフィンである第1のコイル状フィン列85及び第2のコイル状フィン列87を用いており、このようなコイル状フィンは表面積に比して軽量であるため、放熱用ヒートシンク82全体を従って照明装置全体を大幅に軽量化することができる。
図12aは本実施形態における放熱用ヒートシンクの放熱特性を説明するための温度特性を示しており、図12bはこの温度特性の測定位置を説明している。
図12aに示す温度特性は、本実施形態の放熱用ヒートシンク82において、図12bに示すごとく、熱伝導基板83の下面にLED基板80に代えてセラミックヒータ80′を取付けて約400Wの電力を印加した際の種々の位置における温度の対時間変化特性を示している。即ち、B1はセラミックヒータ80′自体の温度、B2は熱伝導基板83の中央部の上面の温度、B3は熱伝導基板83の外周部の上面の温度、B4は柱部材86の頂部の温度、B5は放熱板84の上下中間位置の温度をそれぞれ示している。セラミックヒータ80′自体の温度B1を除いて、いずれの位置においても、43分後の温度は、105℃を超えていない。因みに、セラミックヒータ80′への印加電圧は120V、電流は3.4A、電力は408Wであった。電力印加開始後、45分経過後は、温度がほぼ飽和しており、セラミックヒータ80′自体の温度B1が146.4℃、熱伝導基板83の中央部の上面の温度B2が104.5℃、熱伝導基板83の外周部の上面の温度B3が95.4℃、柱部材86の頂部の温度B4が85.8℃、放熱板84の上下中間位置の温度B5が96.3℃、室内温度が25.5℃であった。また、熱抵抗は0.19℃/Wであった。
以上述べた第2の実施形態の放熱用ヒートシンク82によれば、8つの放熱板84の間隙から多量の空気がこれら放熱板84で囲む内側に流入するため、大きな対流が生じて優れた煙突効果が得られる。また、放熱板84内にも長孔93を介して空気流が通るため優れた煙突効果が得られる。従って、熱抵抗は0.19℃/Wであり、重量は長孔93を有する放熱板84を用いていることも相まって約6.48kgとかなり軽量となる。
図13は本発明の放熱用ヒートシンクを用いた照明装置の第3の実施形態における全体構成を概略的に示しており、図14は本実施形態における照明装置の側面を示しており、図15は本実施形態における照明装置の底面を示している。ただし、図15においては、後述する放熱用ヒートシンク132のコイル状フィン列135についてその一部のみが示されている。
これらの図において、130は前面(図13及び図14においては下方に示した面)130aが照射面である本実施形態では円板形状のLED基板、131はLED基板130上に搭載された複数のLED素子、132はLED基板130の照射面とは反対側の裏面130bが固着された放熱用ヒートシンクをそれぞれ示している。
LED基板130は、絶縁性がありかつ熱伝導性の良い材料を用いて円板形状に形成されている。例えばセラミックや金属に絶縁被覆を被着させたものを用いることができる。LED基板130の表面130a上には、本実施形態においては複数の大出力のチップ型LED素子131が任意の配列で搭載されている。このLED基板130はその裏面130bが放熱用ヒートシンク132の熱伝導基板133に直接的に固着され支持されている。LED素子131は、擬似白色LED素子、赤色LED素子、緑色LED素子及び/又は青色LED素子のいずれであっても良い。LED素子131の数及びその配列は任意である。LED基板130の表面上には、LED素子131の図示されていない電極、抵抗、及びこれらと電気的に接続されているプリント配線が形成されている。これらプリント配線は例えば図示されていないソケットを介して外部の電源ケーブルに接続されている。なお、本実施形態においては、LED素子131及びLED基板130にカバーが被せられていない構成とされているが、実際の照明装置では、LED素子131及びLED基板130がケーシング内に水密的に収容されていることが多い。
放熱用ヒートシンク132は、LED基板130が一方の面に固着された熱伝導基板133と、この熱伝導基板133の他方の面に一端が熱的に結合するように固着されており、熱伝導基板133から垂直に伸長している複数の放熱板134と、複数の放熱板134の各々の表面及び裏面にそれぞれ固着され、各放熱板134の伸長方向に沿って複数列で配列されている扁平形状のコイル状フィン列135と、熱伝導基板133の中央部においてこの熱伝導基板133に一端が熱的に結合するように固着されており、この熱伝導基板133から垂直に立ち上がる柱部材136とを備えている。
熱伝導基板133は、熱伝導性の平板(本実施形態では円盤状の平板)であり、LED基板130の裏面130bが固着されて熱的に接続されているか、又はLED基板130の底板の一部であっても良い。この場合の固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法が用いられる。熱伝導基板133は、本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の熱伝導性の高い材質、例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、これらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料、又は炭素材料等で形成されていても良い。
本実施形態においては、複数の放熱板134は、それらの一方の側端が柱部材136に固着されかつこの柱部材136から放射方向に伸長して等角度間隔で配設された12個の平板状の金属板部材から構成されている。金属板部材として本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、又はこれらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料で形成されていても良い。複数の放熱板134の熱伝導基板133及び柱部材136への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。
図16は本実施形態における放熱板134の構成を示している。同図に示すように、各放熱板134は中実の平板状の金属板部材で構成されており、長溝や貫通孔や長孔は設けられていない。
各放熱板134の一方の表面134a及び他方の表面134bには、図13〜図15に示すように、扁平なコイル状フィン列135がその表面134a及び134bとほぼ平行となるように固着されている。これらコイル状フィン列135の放熱板134への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。
図13及び図15に示すように、柱部材136は、円筒形状に構成されており、この柱部材136の一端は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法により熱伝導基板133に固着されており熱結合されている。柱部材136には、前述の通り、12個の放熱板134が固着されている。12個の放熱板134の柱部材136への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。柱部材136は、本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の熱伝導性の高い材質、例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、これらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料、又は炭素材料等で形成されていても良い。柱部材136の下方(熱伝導基板133に近い部分)に、その円筒形状の壁を貫通する複数の連通孔を設けても良い。
コイル状フィン列135の構成及び作用効果は第1の実施形態の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態における放熱用ヒートシンク132の全体寸法は、熱伝導基板133の径が約300mm、熱伝導基板133の厚みを含めた放熱板134の高さが約250mmであり、放熱用ヒートシンク132の重量は約9.29kgである。また、この熱伝導基板133に同軸に固着されたLED基板130の径は約120mmである。
第1の実施形態において放熱作用の説明に用いた図6からも分かるように、本実施形態においては、LED素子131から発生した熱がLED基板130及び熱伝導基板133を介して放熱板134及び柱部材136に素早くかつ効率的に伝導し、さらにコイル状フィン列135に素早く伝導され、これらコイル状フィン列135から空気中に放熱される。その際、コイル状フィン列135内部、及び隣接するコイル状フィン列135間の間隙に対流60(図6参照)が生じることによって大量の空気が表面積の大きなコイル状フィンの隙間を通過する。また、12個の放熱板134及び柱部材136によって空気の流れがある程度軸方向に規制されており、このため、気流は放熱板134及び柱部材136に沿って上方に流れて上端開口から放出される。気流が上端開口から放出されると、この12個の放熱板134の間には、外部から内部へ空気を取り込もうとする、いわゆる煙突効果が働く。そのため、放熱板134の間には外部からの空気が流れ込み、対流62(図6参照)が生じて、コイル状フィン列との接触による空気への熱伝導及び空気の対流が非常に良好となり、極めて優れた放熱効果を得ることができる。
特にフィンコイルが扁平化されていることで、熱交換面積を削減することなく軸中心部分の空間にコイルが充填されているので表面積が大きく、また隣接する巻回単位の密着部分を通じて熱が速やかに伝導する。図5を参照して述べたように、コイル状フィン列を構成するフィンコイル50は、隣接する巻回単位51が幅方向に湾曲しつつ配置され、空隙部52が湾曲する筒状にわたって形成されており、巻回単位51が幅方向に湾曲することで、この空隙部52が拡大されている。即ち、フィンコイル50が筒状の内側に向けて湾曲することにより、空隙部52のうち、筒状外部の空隙部は筒状内部の空隙部よりも拡大され、そのため、筒状外部から内部に向かう気流が発生しやすくなり、筒状外部の空気を取り込みやすくなっている。
また、前述したように、フィンコイル50は、それぞれ異なる向きに巻回され、扁平なコイル状の金属線材50a及び50bを組み合わせることで、金属線材50a及び50bが密集して密に形成され、そのため金属線材50a及び50bとの相互の間で熱が伝導しやすく、フィンコイル50全体に伝熱され、放熱性能も高くなっている。さらに、フィンコイル50は、空気との接触面積が大きくなり、空気の通気孔としての機能も高くなっている。従って、空気はフィンコイル50の空隙部を通過し、放熱板134や熱伝導基板133の熱を速やかに除去することが可能となる。また、それぞれ左巻き及び右巻きの金属線材50a及び50b同士が良好に絡み合っているため、形態の安定性が付与されている。そのため製造しやすいほか、使用している際も破損しにくい。
柱部材136は熱伝導性の良好なアルミニウムで構成され、熱伝導基板133に熱的に接続されているので、柱部材136も、熱伝導基板133の熱を接触する空気と熱交換する作用を有する。また、柱部材136を筒状に形成し、その下部にこの筒状の壁を貫通する連通孔を設ければ、柱部材136の内部においても対流63(図6参照)が発生し、熱交換の効率を高めることができる。
フィンコイルを形成する金属線材は、単線又は縒線とすることができる。単線は一本の線材からなるもので、曲げやすくある程度の太さのあるものであれば縒線よりも一定の形状に整えやすく維持しやすい。そのため単線による金属線材は加工が容易である。また、単線による金属線材はコストが低廉である。縒線(又は撚線)は2本以上の複数の線材をまとめ、又は縒り合わせた線材を指す。単線をまとめ又は縒り合わせた後に上述した被覆を行ったものや、上述した被覆を行った単線をまとめ又は縒り合わせたもの(撚対線)を含む。縒線は表面に凹凸が多く単線よりも表面積が大きいためより高い熱交換効率を得られ、単線よりも耐久性も高い。
また、本実施形態によれば、放熱用フィンとしてコイル状のフィンであるコイル状フィン列135を用いており、このようなコイル状フィンは表面積に比して軽量であるため、放熱用ヒートシンク132全体を従って照明装置全体を大幅に軽量化することができる。
図17aは本実施形態における放熱用ヒートシンクの放熱特性を説明するための温度特性を示しており、図17bはこの温度特性の測定位置を説明している。
図17aに示す温度特性は、本実施形態の放熱用ヒートシンク132において、図17bに示すごとく、熱伝導基板133の下面にLED基板130に代えてセラミックヒータ130′を取付けて約400Wの電力を印加した際の種々の位置における温度の対時間変化特性を示している。即ち、C2は熱伝導基板133の中央部の上面の温度、C3は熱伝導基板133の外周部の上面の温度、C4は柱部材136の頂部の温度、C5は放熱板134の上下中間位置の温度、C6は室内温度をそれぞれ示している。いずれの位置においても、49分後の温度は、95℃を超えていない。因みに、セラミックヒータ130′への印加電圧は120V、電流は3.4A、電力は408Wであった。電力印加開始後、50分経過後は、温度がほぼ飽和しており、熱伝導基板133の中央部の上面の温度C2が92.2℃、熱伝導基板133の外周部の上面の温度C3が85.2℃、柱部材136の頂部の温度C4が64.0℃、放熱板134の上下中間位置の温度C5が61.6℃、室内温度が24.8℃であった。また、熱抵抗は0.17℃/Wであった。
以上述べた第3の実施形態の放熱用ヒートシンク132によれば、12個の放射状の放熱板134の間に多量の空気が流入するため、大きな対流が生じて優れた煙突効果が得られる。また、熱伝導基板133と放熱板134との接合面積が大きくなるため、熱伝導基板133から放熱板134へと垂直方向の熱伝導が非常に良好となり、煙突効果とも相まって非常に優れた放熱効果が得られる。従って、熱抵抗は0.17℃/Wとなるが、重量は約9.29kgと、他の実施形態の場合に比して重くなっている。
図18は本発明の放熱用ヒートシンクを用いた照明装置の第4の実施形態における全体構成を概略的に示しており、図19は本実施形態における照明装置の側面を示しており、図20は本実施形態における照明装置の底面を示している。ただし、図20おいては、後述する放熱用ヒートシンク182のコイル状フィン列185についてその一部のみが示されている。
これらの図において、180は前面(図18及び図19においては下方に示した面)180aが照射面である本実施形態では円板形状のLED基板、181はLED基板180上に搭載された複数のLED素子、182はLED基板180の照射面とは反対側の裏面180bが固着された放熱用ヒートシンクをそれぞれ示している。
LED基板180は、絶縁性がありかつ熱伝導性の良い材料を用いて円板形状に形成されている。例えばセラミックや金属に絶縁被覆を被着させたものを用いることができる。LED基板180の表面180a上には、本実施形態においては複数の大出力のチップ型LED素子181が任意の配列で搭載されている。このLED基板180はその裏面180bが放熱用ヒートシンク182の熱伝導基板183に直接的に固着され支持されている。LED素子181は、擬似白色LED素子、赤色LED素子、緑色LED素子及び/又は青色LED素子のいずれであっても良い。LED素子181の数及びその配列は任意である。LED基板180の表面上には、LED素子181の図示されていない電極、抵抗、及びこれらと電気的に接続されているプリント配線が形成されている。これらプリント配線は例えば図示されていないソケットを介して外部の電源ケーブルに接続されている。なお、本実施形態においては、LED素子181及びLED基板180にカバーが被せられていない構成とされているが、実際の照明装置では、LED素子181及びLED基板180がケーシング内に水密的に収容されていることが多い。
放熱用ヒートシンク182は、LED基板180が一方の面に固着された熱伝導基板183と、この熱伝導基板183の他方の面に一端が熱的に結合するように固着されており、熱伝導基板183から垂直に伸長している複数の放熱板184と、複数の放熱板184の各々の表面及び裏面にそれぞれ固着され、各放熱板184の伸長方向に沿って複数列で配列されている扁平形状のコイル状フィン列185と、熱伝導基板183の中央部においてこの熱伝導基板183に一端が熱的に結合するように固着されており、この熱伝導基板183から垂直に立ち上がる柱部材186とを備えている。
熱伝導基板183は、熱伝導性の平板(本実施形態では円盤状の平板)であり、LED基板180の裏面180bが固着されて熱的に接続されているか、又はLED基板180の底板の一部であっても良い。この場合の固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法が用いられる。熱伝導基板183は、本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の熱伝導性の高い材質、例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、これらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料、又は炭素材料等で形成されていても良い。
本実施形態においては、複数の放熱板184は、それらの一方の側端が柱部材186に固着されかつこの柱部材186から放射方向に伸長して等角度間隔で配設された12個の平板状の金属板部材から構成されている。金属板部材として本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、又はこれらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料で形成されていても良い。複数の放熱板184の熱伝導基板183及び柱部材186への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。
図21は本実施形態における放熱板184の構成を示している。同図に示すように、各放熱板184には、その内部に放熱板184の伸長方向に沿って互いに平行に伸長する矩形断面の複数の長孔193が形成されている。さらに、放熱板184の下方(熱伝導基板183に近い部分)には、これら複数の長孔193の全てに連通し、放熱板184の下端に沿った切り欠き部195が設けられている。従って、複数の長孔193は一端が放熱板184の上端に開口し、他端が切り欠き部195を介してこの放熱板184の一方の表面184bのみに開口していることとなる。これら切り欠き部195及び複数の長孔193は、空気の流れが放熱板184内を通ること(煙突効果)により放熱効果を高めるため、及び放熱用シンク182の重量を軽減するために設けられている。切り欠き部195に代えて、一端が複数の長孔193の他端にそれぞれ連通し、他端が放熱板184の一方の表面184bのみに開口している複数の連通孔を設けても良い。
各放熱板184の一方の表面184b及び他方の表面184aには、図18〜図20に示すように、扁平なコイル状フィン列185が表面184a及び184bにそれぞれほぼ平行となるように固着されている。コイル状フィン列185の放熱板184への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。
図18及び図20に示すように、柱部材186は、円筒形状に構成されており、この柱部材186の一端は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法により熱伝導基板183に固着されており熱結合されている。柱部材186には、前述の通り、12個の放熱板184が固着されている。12個の放熱板184の柱部材186への固着は、半田付けや溶接又は各種の接着などの種々の方法によって行われる熱結合である。柱部材186は、本実施形態ではアルミニウムで形成されているが、それ以外の熱伝導性の高い材質、例えば、ステンレススチール、鋼鉄、銅、銀若しくは金等の金属材料、これらとニッケル、マグネシウム、亜鉛若しくはケイ素等との合金材料、又は炭素材料等で形成されていても良い。柱部材186の下方(熱伝導基板183に近い部分)に、その円筒形状の壁を貫通する複数の連通孔を設けても良い。
コイル状フィン列185の構成及び作用効果は第1の実施形態の場合と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図22は本実施形態における照明装置の平面を示している。同図に表されているように、放熱用ヒートシンク182の熱伝導基板183には、LED基板180が固着されている部分以外の領域に複数の貫通孔196が設けられており、これら貫通孔196を介して空気流が熱伝導基板183を通過することができるように構成されている。特に、同図に示すように、貫通孔196を放熱板184の真下に設け、切り欠き部195及びその上の複数の長孔193に連通して空気の対流がよりスムーズとなるように構成されている。ただし、これら貫通孔196の形状、位置及び数は図22に示したものに限定されないことは明かである。例えば、貫通孔196を放熱板184の真下のみに設けるように構成しても良い。また、LED基板180上に搭載されるLED素子181の数及び配置が同図に示された例に限定されるものではないことも明かである。
本実施形態における放熱用ヒートシンク182の全体寸法は、熱伝導基板183の径が約300mm、熱伝導基板183の厚みを含めた放熱板184の高さが約250mmであり、放熱用ヒートシンク182の重量は約6.9kgである。また、この熱伝導基板183に同軸に固着されたLED基板180の径は約120mmである。
第1の実施形態において放熱作用の説明に用いた図6からも分かるように、本実施形態においては、LED素子181から発生した熱がLED基板180及び熱伝導基板183を介して放熱板184及び柱部材186に素早くかつ効率的に伝導し、さらにコイル状フィン列185に素早く伝導され、これらコイル状フィン列185から空気中に放熱される。その際、コイル状フィン列185内部、及び隣接するコイル状フィン列185間の間隙に対流60(図6参照)が生じることによって大量の空気が表面積の大きなコイル状フィンの隙間を通過する。また、12個の放熱板184及び柱部材186によって空気の流れがある程度軸方向に規制されており、このため、気流は放熱板184及び柱部材186に沿って上方に流れて上端開口から放出される。気流が上端開口から放出されると、この12個の放熱板184及び柱部材186の間には、外部から内部へ空気を取り込もうとする、いわゆる煙突効果が働く。そのため、放熱板184の間から外部からの空気が流れ込み、対流62(図6参照)が生じて、コイル状フィン列との接触による空気への熱伝導及び空気の対流が非常に良好となり、極めて優れた放熱効果を得ることができる。さらに、放熱板184の下方に設けられ、その一方の表面のみに開口する切り込み部195及びこれに連通する複数の長孔193を介して空気の流れが放熱板184の内部を通過するため、さらに優れた放熱効果を得ることができる。加えて、複数の貫通孔196を介して空気流が熱伝導基板183を通過できる。
特にフィンコイルが扁平化されていることで、熱交換面積を削減することなく軸中心部分の空間にコイルが充填されているので表面積が大きく、また隣接する巻回単位の密着部分を通じて熱が速やかに伝導する。図5を参照して述べたように、コイル状フィン列を構成するフィンコイル50は、隣接する巻回単位51が幅方向に湾曲しつつ配置され、空隙部52が湾曲する筒状にわたって形成されており、巻回単位51が幅方向に湾曲することで、この空隙部52が拡大されている。即ち、フィンコイル50が筒状の内側に向けて湾曲することにより、空隙部52のうち、筒状外部の空隙部は筒状内部の空隙部よりも拡大され、そのため、筒状外部から内部に向かう気流が発生しやすくなり、筒状外部の空気を取り込みやすくなっている。
また、前述したように、フィンコイル50は、それぞれ異なる向きに巻回され、扁平なコイル状の金属線材50a及び50bを組み合わせることで、金属線材50a及び50bが密集して密に形成され、そのため金属線材50a及び50bとの相互の間で熱が伝導しやすく、フィンコイル50全体に伝熱され、放熱性能も高くなっている。さらに、フィンコイル50は、空気との接触面積が大きくなり、空気の通気孔としての機能も高くなっている。従って、空気はフィンコイル50の空隙部を通過し、放熱板184や熱伝導基板183の熱を速やかに除去することが可能となる。また、それぞれ左巻き及び右巻きの金属線材50a及び50b同士が良好に絡み合っているため、形態の安定性が付与されている。そのため製造しやすいほか、使用している際も破損しにくい。
柱部材186は熱伝導性の良好なアルミニウムで構成され、熱伝導基板183に熱的に接続されているので、柱部材186も、熱伝導基板183の熱を接触する空気と熱交換する作用を有する。また、柱部材186を筒状に形成し、その下部にこの筒状の壁を貫通する連通孔を設ければ、柱部材186の内部においても対流63(図6参照)が発生し、熱交換の効率を高めることができる。
フィンコイルを形成する金属線材は、単線又は縒線とすることができる。単線は一本の線材からなるもので、曲げやすくある程度の太さのあるものであれば縒線よりも一定の形状に整えやすく維持しやすい。そのため単線による金属線材は加工が容易である。また、単線による金属線材はコストが低廉である。縒線(又は撚線)は2本以上の複数の線材をまとめ、又は縒り合わせた線材を指す。単線をまとめ又は縒り合わせた後に上述した被覆を行ったものや、上述した被覆を行った単線をまとめ又は縒り合わせたもの(撚対線)を含む。縒線は表面に凹凸が多く単線よりも表面積が大きいためより高い熱交換効率を得られ、単線よりも耐久性も高い。
また、本実施形態によれば、放熱用フィンとしてコイル状のフィンであるコイル状フィン列185を用いており、このようなコイル状フィンは表面積に比して軽量であるため、放熱用ヒートシンク182全体を従って照明装置全体を大幅に軽量化することができる。
図23aは本実施形態における放熱用ヒートシンクの放熱特性を説明するための温度特性を示しており、図23bはこの温度特性の測定位置を説明している。
図23aに示す温度特性は、本実施形態の放熱用ヒートシンク182において、図23bに示すごとく、熱伝導基板183の下面にLED基板180に代えてセラミックヒータ180′を取付けて約400Wの電力を印加した際の種々の位置における温度の対時間変化特性を示している。即ち、D1はセラミックヒータ180′自体の温度、D2は熱伝導基板183の中央部の上面の温度、D3は熱伝導基板183の外周部の上面の温度、D4は柱部材186の頂部の温度、D5は放熱板184の上下中間位置の温度、D6は室内温度をそれぞれ示している。いずれの位置においても、30分後の温度は、100℃を超えていない。因みに、セラミックヒータ180′への印加電圧は120V、電流は3.4A、電力は408Wであった。電力印加開始後、32分経過後は、温度がほぼ飽和しており、熱伝導基板183の中央部の上面の温度D2が96.3℃、熱伝導基板183の外周部の上面の温度D3が89.7℃、柱部材186の頂部の温度D4が62.0℃、放熱板184の上下中間位置の温度D5が59.7℃、室内温度が26.9℃であった。また、熱抵抗は0.17℃/Wであった。
以上述べた第4の実施形態の放熱用ヒートシンク182によれば、12個の放射状の放熱板184の間に多量の空気が流入するため、大きな対流が生じて優れた煙突効果が得られる。また、熱伝導基板183と放熱板184との接合面積が大きくなるため、熱伝導基板183から放熱板184へと垂直方向の熱伝導が非常に良好となり、煙突効果とも相まって非常に優れた放熱効果が得られる。さらに、本実施形態では、放熱板184に切り欠き部195及び複数の長孔193が設けられているため、空気の流れが放熱板184内を通る煙突効果も得られ、しかも、放熱用シンク182の重量を大幅に軽減することができる。従って、熱抵抗は0.17℃/Wとなると共に、重量は約6.9kgと、非常に軽量である。
以上説明した実施形態では、本発明の放熱用ヒートシンクをLED素子使用の照明装置の放熱機構として用いているが、本発明の放熱用ヒートシンクは、その他の光源を利用した照明装置や、例えば半導体装置等のその他種々の装置における放熱機構として使用可能であることはもちろんである。
なお、本発明のLED基板としては、上述した実施形態における円形形状以外のその他の形状、例えば矩形形状、三角形形状、多角形形状又はその他の形状であっても良い。
また、半導体発光素子として、LED素子に代えて、半導体レーザアレイ素子又は有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子を用いても良い。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
10、80、130、180 LED基板
10a、80a、130a、180a 前面
10b、80b、130b、180b 裏面
11、81、131、181 LED素子
12、82、132、182 放熱用ヒートシンク
13、83、133、183 熱伝導基板
14、84、134、184 放熱板
14a、84a 外表面
14b、84b 内表面
15、85 第1のコイル状フィン列
16、86、136、186 柱部材
20、22、94 連通孔
17、87 第2のコイル状フィン列
18、19、21、91 長溝
10′、80′、130′、180′ セラミックヒータ
50 フィンコイル
50a、50b 金属線材
51 巻回単位
52 空隙部
53 接触部
60、61、62、63 対流
93、193 長孔
134a、184a 一方の表面
134b、184b 他方の表面
135、185 コイル状フィン列
195 切り欠き部
196 貫通孔

Claims (17)

  1. 発熱源に固着又は一体化された熱伝導基板と、該熱伝導基板に一端が熱的に結合しており、該熱伝導基板から離れる方向に伸長している複数の放熱板と、該複数の放熱板の各々の表面及び裏面にそれぞれ固着され、該各放熱板の伸長方向に沿って複数列で配列されている扁平形状の第1のコイル状フィン列とを備えていることを特徴とする放熱用ヒートシンク。
  2. 前記熱伝導基板から垂直に立ち上がる中心軸部材をさらに備えており、前記複数の放熱板が前記中心軸部材に対して放射状に配設された複数の矩形状板部材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の放熱用ヒートシンク。
  3. 前記複数の矩形状板部材の各々が、当該矩形状板部材の伸長方向に沿って伸長する複数の貫通孔を内部に有する金属板部材から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の放熱用ヒートシンク。
  4. 前記複数の矩形状板部材の各々が、前記複数の貫通孔を当該矩形状板部材の一方の表面に開口する切り欠き部を下方に有していることを特徴とする請求項3に記載の放熱用ヒートシンク。
  5. 前記複数の矩形状板部材の各々が、一端が前記複数の貫通孔にそれぞれ連通し、他端が当該矩形状板部材の一方の表面に開口する連通孔を下方に有していることを特徴とする請求項3に記載の放熱用ヒートシンク。
  6. 前記前記複数の矩形状板部材の各々が、中実の金属板部材から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の放熱用ヒートシンク。
  7. 前記熱伝導基板から垂直に立ち上がる中心軸部材をさらに備えており、前記複数の放熱板が該中心軸部材と同軸にかつ該中心軸部材とは離隔して周方向に沿って配設された複数の円弧状板部材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の放熱用ヒートシンク。
  8. 前記複数の円弧状板部材の各々が、当該円弧状板部材の伸長方向に沿って伸長する複数の長溝を両面に有する金属板部材から構成されていることを特徴とする請求項7に記載の放熱用ヒートシンク。
  9. 前記複数列の第1のコイル状フィン列が、前記複数の長溝にそれぞれ嵌合して固着されていることを特徴とする請求項8に記載の放熱用ヒートシンク。
  10. 前記複数の円弧状板部材の各々が、一端が前記複数の長溝にそれぞれ開口し、他端が当該円弧状板部材の表面に開口する連通孔を下方に有していることを特徴とする請求項8又は9に記載の放熱用ヒートシンク。
  11. 前記熱伝導基板から垂直に立ち上がる中心軸部材をさらに備えており、前記複数の放熱板が該中心軸部材と同軸に該中心軸部材とは離隔して周方向に沿って配設された複数の平板状板部材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の放熱用ヒートシンク。
  12. 前記複数の平板状板部材の各々が、当該平板状板部材の伸長方向に沿って伸長する複数の貫通孔を内部に有する金属板部材から構成されていることを特徴とする請求項11に記載の放熱用ヒートシンク。
  13. 前記複数の平板状板部材の各々が、一端が前記複数の貫通孔にそれぞれ連通し、他端が当該平板状板部材の一方の表面に開口する連通孔を下方に有していることを特徴とする請求項12に記載の放熱用ヒートシンク。
  14. 前記中心軸部材が、該中心軸部材に沿って伸長する複数の長溝を周囲に有する円筒形状の柱部材と、該柱部材の前記複数の長溝にそれぞれ嵌合して固着され、該複数の長溝に沿って伸長している複数列の扁平形状の第2のコイル状フィン列とを備えていることを特徴とする請求項7から13のいずれか1項に記載の放熱用ヒートシンク。
  15. 前記複数列の第2のコイル状フィン列の各列が、金属線材がコイル状に巻回され、巻回単位が隣接する巻回単位に相互に位置ずれして空隙部及び接触部が形成されているコイル状フィン列からなることを特徴とする請求項14に記載の放熱用ヒートシンク。
  16. 前記複数列の第1のコイル状フィン列の各列が、金属線材がコイル状に巻回され、巻回単位が隣接する巻回単位に相互に位置ずれして空隙部及び接触部が形成されているコイル状フィン列からなることを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の放熱用ヒートシンク。
  17. 前記発熱源である複数の半導体発光素子及び該複数の半導体発光素子が装着された半導体発光素子基板と、前記半導体発光素子基板の光照射面とは異なる面に固着又は一体化されている請求項1から16のいずれか1項に記載の放熱用ヒートシンクとを備えていることを特徴とする半導体発光素子を用いた照明装置。
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