JP2019153442A - 超伝導送電管 - Google Patents

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Abstract

【課題】歪みに弱い高温超伝導体を超伝導線として用いることが可能な超伝導送電管を提供する。【解決手段】超伝導送電管100は、超伝導線1と超伝導線1が挿入されたシース2とからなる導体ユニット3は、冷媒が充填された冷却管5内に固定部材4を介して剛に支持され、冷却管5は、真空排気された外管8内に荷重支持部材7を介して剛に支持されて構成される。【選択図】図1

Description

本発明は、超伝導線を用いて電流を送電する送電管に関する。
一般に、商用電力の送電用や鉄道のき電線用に研究・開発されている高温超伝導体を用いた電力ケーブルは、事故時の安全性確保などの観点から、その性能などに一定の余裕を確保しておく必要がある。そのため、その電力ケーブルの構造は、どうしても複雑にならざるを得ない面があった。
また、このような電力ケーブルで採用が検討されている高温超伝導体は、多くがビスマス系超伝導体(一部レアアース系)であり、その形状は、テープ状である。そのため、その電力ケーブルのコアは、芯となるもの(例えば銅線)にテープ状の超伝導体をらせん状に巻きつけた構造となっている。
これに対し、近年では、高温超伝導体ではあるが、より安価でありふれた化合物であるMgB(二ホウ化マグネシウム)を用いることも多くなっている。例えば、欧州原子核研究機構(CERN)では、加速器研究施設内における電力消費量を低減することを目的として、MgBを用いた超伝導送電管が開発されている。この超伝導送電管は、直流で使用されるものであるが、大電流で使用されることもあって、複雑な構造となっている(非特許文献1参照)。
しかしながら、超伝導送電管が比較的低電流で直流または低周波交流の電力ケーブルとして用いられるような場合には、必ずしも従来のような複雑な構造である必要はないと考えられる。例えば、非特許文献2に示されているような加速器システムにおけるトランスミッション型磁石に適用される超伝導送電管では、帰路導体が必要でなく、また、冷媒も一方向の流路があればよい。
ところで、超伝導送電管(超伝導体を用いた電力ケーブル)では、電流路となる超伝導体を超伝導の臨界温度以下の温度に冷却する必要がある。そのため、超伝導送電管は、通常、電流路となる超伝導体およびそれを冷却する冷媒が入れられた内管が真空の外管の中に入れられるという、少なくとも二重の管構造を有することとなる。例えば、特許文献1には、外管と内管とからなる二重の管構造を有し、その内管内に3芯の超伝導ケーブルコアが設けられている超伝導ケーブルの例が開示されている。なお、この超伝導ケーブルコアでは、ビスマス系の超伝導テープ材が用いられている。
特開2011−179543号公報
A. Ballarino, 他5名, "Progress on MgB2 at CERN", [online], April 9, 2014, CERN, [平成29年4月10日検索], インターネット, <URL:http://www.slideshare.net/SR2S/progress-on-mgb2-at-cern> Toru Ogitsu, 他7名, "Design Study of Superconducting Transmission Line Magnet for J-PARC MR Upgrade", DOI (identifier) 10.1109/TASC.2017.2656247, for publication in IEEE Transactions on Applied Superconductivity (January 20, 2017)
以上、背景技術でも述べたように、従来の超伝導電力ケーブルである超伝導送電管は、構造が複雑、言い換えれば、民生用など比較的小規模のシステムに適用するには過剰な仕様の構造となっている。その結果、比較的小規模のシステム、とくに短距離送電の用途では、超伝導送電管のコストが相対的に高くつくものとなっている。
一方、比較的小規模な用途であっても、超伝導送電管を直流または低周波数の交流を流す電力ケーブルとして用いる限り、その電流路となる超伝導体(超伝導線)は、外部磁場や自身の電流に応じて決して小さくない電磁力を受けることとなる。そして、その電磁力により、超伝導線が変形し歪が生じると、超伝導線の超伝導特性が劣化する可能性がある。とくに、MgBが超伝導線に用いられる場合、MgBは、他の高温超伝導体に比べ歪みに弱いので、超伝導送電管の構造は、超伝導線に大きな歪みが生じないようなものとする必要がある。
本発明の目的は、歪みに弱い高温超伝導体を超伝導線として用いることが可能な超伝導送電管を提供することにある。
本発明に係る超伝導送電管は、超伝導線と、前記超伝導線が挿入されたシースと、前記シースが挿入されるとともに、前記シースを冷却する冷媒が充填された冷却管と、前記冷却管が挿入されるとともに、真空排気された外管と、を備えてなる超伝導送電管であって、前記シースは、前記冷却管内に設けられた第1の支持部材によって、前記冷却管に剛に支持され、前記冷却管は、前記外管内に設けられた第2の支持部材によって、前記外管に剛に支持されていることを特徴とする。
本発明によれば、歪みに弱い高温超伝導体を超伝導線として用いることが可能な超伝導送電管が提供される。
第1の実施形態に係る超伝導送電管の中心軸方向に垂直な切断面から見える断面図の例を示した図。 第1の実施形態に係る超伝導送電管の中心軸を含む切断面における断面図の例を示した図。 第1の実施形態の変形例に係る超伝導送電管の導体ユニットの構成の例を示した図。 第2の実施形態に係る超伝導送電管の中心軸方向に垂直な切断面から見える断面図の例を示した図。 第3の実施形態に係る超伝導送電管の中心軸方向に垂直な切断面から見える断面図の例を示した図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面において、共通する構成要素には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る超伝導送電管100の中心軸方向に垂直な切断面から見える断面図の例を示した図である。また、図2は、本発明の第1の実施形態に係る超伝導送電管100の中心軸を含む切断面における断面図の例を示した図である。
図1および図2に示すように、超伝導送電管100は、超伝導体からなる超伝導線1と、超伝導線1が挿入されたシース2と、シース2を冷却する冷媒が充填された冷却管5と、冷却管5を真空排気された空間内に保持する外管8と、を備えて構成される。そして、シース2は、固定部材4を介して冷却管5の内壁に固定され、また、冷却管5は、荷重支持部材7を介して外管8の内壁に固定される。すなわち、シース2は、冷却管5に剛に支持され、冷却管5は、外管8に剛に支持される。
ここで、シース2の外側で冷却管5の内側の空間は、冷媒の流路9となる。なお、本実施形態では、冷媒の流れの方向は一方向のみであり、図2では、その方向が矢印で示されている。また、冷却管5の外側で外管8の内側の空間は、真空排気された真空空間10であり、真空断熱空間として用いられる。すなわち、真空空間10は、外管8の熱が冷却管5に伝導するのを抑制するために設けられた空間である。
また、シース2を冷却管5に固定する固定部材4および冷却管5を外管8に固定する荷重支持部材7は、図1および図2に示すように、いずれもドーナツ状の円板で構成されている。そして、その円板面には、複数の大きな開口部(図1でいえば、冷媒の流路9および真空空間10に対応)が設けられている。ここで、固定部材4に設けられた開口部は、冷媒の流路9を確保するために設けられたものであり、また、荷重支持部材7に設けられた開口部は、真空排気のためと外管8と冷却管5とをつなぐ熱伝導路を小さくするために設けられたものである。
さらに、図2に示すように、固定部材4および荷重支持部材7は、超伝導送電管100の中心軸に沿って、所定の間隔(例えば、200mm)で配置され、それぞれ冷却管5および外管8に固定される。また、冷却管5の外側で荷重支持部材7が設けられていない部分には、外管8から冷却管5への輻射熱の侵入を抑制するためのスーパーインシュレータ6が設けられている。スーパーインシュレータ6は、多重断熱材であり、例えばアルミニウム蒸着フィルムとスペーサーとが積層されたもので構成される。
なお、荷重支持部材7は、低温の冷却管5を常温の外管8で剛に支持させるための部材であるため、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)のような剛性が大きくかつ熱伝導率の小さい材料によって構成される。ただし、超伝導送電管100の仕様やその使用条件によっては、荷重支持部材7をFRPでない通常のプラスチックで構成してもよい。
本実施形態では、超伝導線1の材料は、MgBであるとするが、これに限定されず、他の超伝導体であってもよい。なお、超伝導線1の材料がMgBである場合、冷却管5内を通流させる冷媒として、例えば、20Kのヘリウムガスを用いることができる。
また、本実施形態では、超伝導線1と超伝導線1が挿入されたシース2とをまとめて導体ユニット3と称する。そして、シース2を、例えば、銅などの良導体の金属で構成するものとする。その場合には、シース2を、超伝導線1が常電導転移したときの予備の電流路として利用することができる。なお、このことについては、後記にて別途説明する。
また、MgBを材料とする超伝導線1とシース2とからなる導体ユニット3を製造する場合には、その製造手順として、熱処理前の超伝導線1をシース2に通しておき、シース2ごと熱処理するという製造方法を採用することができる。この場合、MgBを材料とする超伝導線1の歪み許容量は、熱処理後よりも熱処理前のほうが大きいことから、導体ユニット3製造時の作業性を向上させることができるという利点がある。
そして、その結果として、超伝導線1を曲がった状態のシース2へ挿入することも、あるいは超伝導線1をシース2へ挿入した後、シース2に曲げを加えることも容易になる。これにより、曲がりのある導体ユニット3、すなわち、曲がりのある超伝導送電管100を製造することも可能となる。
なお、以上のように超伝導線1をシース2に通してから熱処理するという導体ユニット3の製造方法は、超伝導線1の材料がMgBである場合に限定されず、熱処理が必要な他の超伝導材料に対しても共通に適用可能である。
ところで、超伝導線1は、径の大きな単線や直線状の細線の束などであってもよいが、複数の細線を撚り合せた撚り線であったほうが好ましい。超伝導線1を複数の細線による撚り線で構成した場合には、複数の細線が撚り合されて一体化されるので、シース2への挿入性が良くなる。また、外部磁場変化や交流通電時の結合損失(渦電流損失など)を低減させることができる。
また、超伝導線1は、シース2に単に挿入されているだけもよいが、超伝導線1が挿入されたシース2内の空隙に樹脂または金属が充填されているほうがさらに好ましい。超伝導線1の寸法やシース2の寸法は、超伝導送電管100を流れる電流に応じて適宜決定されるが、超伝導線1をシース2に単に挿入しただけでは、超伝導線1がシース2内で空間的余裕を持った構造となる場合があり得る。その場合、外部磁場などにより超伝導線1に電磁力が印加されると、超伝導線1がシース2内で歪んだり撓んだりして、その超伝導特性が劣化する恐れがある。そこで、超伝導線1が挿入されたシース2内の空隙に樹脂や半田などを充填させ、超伝導線1とシース2とを物理的に一体化することにより、電磁力などに起因する超伝導線1の歪みや変形を防止することができる。
また、本実施形態では、超伝導送電管100の仕様に応じて、導体ユニット3と冷却管5との間は、電気的に絶縁されているとしてもよいし、電気的に接続されているとしてもよい。導体ユニット3と冷却管5との間を電気的に絶縁する場合には、固定部材4の材料としては、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastic)や樹脂などの絶縁材を使用することとなる。
しかしながら、導体ユニット3とアース間の電位差が大きい場合や、冷媒にヘリウムガスを使用するような場合には、寸法にもよるが、導体ユニット3と冷却管5との間で絶縁を確保するのは困難となる場合がある。その場合には、ステンレスなどの金属製の固定部材4を介して導体ユニット3と冷却管5とを電気的に接続するものとし、冷却管5と外管8との間で絶縁をとるのがよい。
なお、前記したように、冷却管5と外管8との間の真空の空間10は、断熱のための空間である。したがって、冷却管5と外管8とをつなぐ荷重支持部材7は、断熱性確保の要請から熱伝導度の小さいFRPなどの絶縁材が使用される。したがって、冷却管5と外管8との間で絶縁をとることは、合理的といえる。
以上のように本実施形態に係る超伝導送電管100は、一方向の電流路となる超伝導線1しか備えておらず、また、一方向の冷媒流路となる冷却管5しか備えていない。つまり、本実施形態では、超伝導送電管100の構造は、簡素なものとなっており、その結果、超伝導送電管100の製造コストを低減することができる。
また、本実施形態に係る超伝導送電管100では、導体ユニット3(シース2)は、冷却管5に剛に支持され、冷却管5は、外管8に剛に支持されているので、超伝導線1が電磁力などを受けて歪むこと(変形すること)を抑制することができる。そのため、超伝導線1の材料としてMgBなど歪みに弱い高温超伝導体を用いた場合でも、超伝導線1の超伝導特性の劣化を抑制することができる。
(第1の実施形態の変形例)
図3は、第1の実施形態の変形例に係る超伝導送電管100の導体ユニット3aの構成の例を示した図であり、(a)は、導体ユニット3aの中心軸を含む第1の切断面における断面図、(b)は、導体ユニット3aの中心軸を含み第1の切断面に垂直な第2の切断面における断面図である。
一般に、超伝導線1を電力の送電線として用いる場合には、超伝導線1の常電導転移の事故対策が施される。すなわち、超伝導線1が常電導転移を起こすと、超伝導線1に流れる大電流により過大なジュール発熱が発生し超伝導線1が焼損することとなる。そこで、超伝導線1の適当な複数箇所に電圧端子を設けておき、その複数箇所間の電圧の異常を検知することにより電源遮断を行い、超伝導線1の焼損を防ぐようにされている。
しかしながら、超伝導状態での超伝導線1の電流容量や、電圧異常の検知から電流遮断までの時間遅れなどの問題により、超伝導線1に流れる大電流が適切に遮断されず瞬間的に過大なジュール発熱が生じ、超伝導線1の保護が困難になる場合がある。そのような場合に備え、しばしば、超伝導線1に流れる電流を迂回させる電流の迂回路が設けられることがある。
前記した第1の実施形態において、超伝導線1とシース2との間の空隙に半田などの導体物質が充填され、超伝導線1とシース2とが至る所で電気的に接続されている場合には、超伝導線1とシース2とは至る所で同電位となる。このような場合には、超伝導線1に常電導転移が発生しても、超伝導線1を流れていた電流は、すぐさま、銅などの良導体からなるシース2へ迂回して流れることとなる。したがって、超伝導線1が焼損する事故を防ぐことができる。
しかしながら、超伝導線1とシース2との間の空隙に絶縁物質が充填された場合や何も充填されなかった場合には、超伝導線1とシース2とが必ずしも電気的に接続されるとは限らない。このような場合には、超伝導線1に常電導転移が発生すると超伝導線1を流れていた電流の迂回路がないので、超伝導線1が焼損する恐れがある。
そこで、本変形例では、導体ユニット3aが超伝導線1とシース2とこれらの両端部に設けられた銅板11により構成されるものとし、超伝導線1およびシース2は、いずれも銅板11に電気的に接続されているものとした。また、シース2は、銅、アルミニウム、銅合金、アルミニウム合金などの良導体の金属で構成されているものとする。
なお、図3では、シース2内における超伝導線1の詳細な構造の図示は省略されているが、ここでは、超伝導線1は、超伝導体の複数の細線1aを撚り合せた撚り線であるとしている。そして、その複数の細線1aが銅板11に半田付けされているものとする。また、この場合、シース2と超伝導線1との空隙には、半田などの導電性の金属や絶縁性の樹脂が充填されていてもよく、さらには、何も充填されていなくてもよい。
以上のような構成の導体ユニット3aを有する超伝導送電管100では、超伝導線1の常電導転移は、導体ユニット3aの両端に設けられた2つの銅板11の間の電圧異常として検出される。そして、その電圧異常が検出されると、超伝導線1を流れる電流は、遮断されるが、遮断するまでの時間遅れの間に超伝導線1を流れる電流の一部または大部分は、シース2へ迂回して流れることとなる。したがって、超伝導線1に大電流が流れるのを防止することができるので、超伝導線1の焼損を防止することができる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る超伝導送電管100aの中心軸方向に垂直な切断面から見える断面図の例を示した図である。図4に示すように、第2の実施形態に係る超伝導送電管100aの構造は、冷却管5と外管8との間の真空空間10に、両者を隔てるように筒状のシールド板12が設けられている点で、第1の実施形態に係る超伝導送電管100と相違している。また、第1の実施形態に係る超伝導送電管100では、スーパーインシュレータ6が冷却管5の外側に接する位置に設けられていたが、第2の実施形態に係る超伝導送電管100aでは、シールド板12の外側に接する位置に設けられている点でも相違している。
シールド板12は、いわゆるサーマルアンカとして機能し、外管8から冷却管5への輻射熱を遮断するために設けられたものである。冷却管5の中を流れる冷媒の温度は、例えば10Kの場合、外管8の外側の温度は300K(常温)程度であるので、両者の温度差が大きい。このような場合、両者の中間の位置にサーマルアンカ(シールド板12)を設けることにより、冷却管5への輻射熱の侵入量を効果的に低減させることができる。また、この場合、スーパーインシュレータ6は、シールド板12の内側に配置するよりも、外側に配置したほうが輻射熱遮断の効果が大きい。
その他、第2の実施形態の効果は、第1の実施形態の効果と同様である。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る超伝導送電管100bの中心軸方向に垂直な切断面から見える断面図の例を示した図である。図5に示すように、第3の実施形態に係る超伝導送電管100bの構造は、冷却管5の中に2本(複数)の導体ユニット3が挿入されている点で、第1の実施形態に係る超伝導送電管100と相違している。
冷却管5の中に挿入されている2本の導体ユニット3が互いに接触して、両者の超伝導線1同士が電気的に接続されていてもよい。あるいは、2本の導体ユニット3が互いに離間し、両者の超伝導線1同士が電気的に絶縁されていてもよい。なお、2本の導体ユニット3が互いに絶縁されている場合には、両者の超伝導線1を電流の方向などが異なる2つの電流路として用いることができる。
その他、第2の実施形態の効果は、第1の実施形態の効果と同様である。
なお、本発明は、以上に説明した実施形態および変形例に限定されるものではなく、さらに、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態および変形例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態や変形例の構成の一部を、他の実施形態や変形例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態や変形例の構成に他の実施形態や変形例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態や変形例の構成の一部について、他の実施形態や変形例に含まれる構成を追加・削除・置換することも可能である。
1 超伝導線
1a 細線
2 シース
3,3a 導体ユニット
4 固定部材(第1の支持部材)
5 冷却管
6 スーパーインシュレータ
7 荷重支持部材(第2の支持部材)
8 外管
9 冷媒の流路
10 真空の空間
11 銅板
12 シールド板
100,100a,100b 超伝導送電管

Claims (7)

  1. 超伝導線と、前記超伝導線が挿入されたシースと、前記シースが挿入されるとともに、前記シースを冷却する冷媒が充填された冷却管と、前記冷却管が挿入されるとともに、真空排気された外管と、を備えてなる超伝導送電管であって、
    前記シースは、前記冷却管内に設けられた第1の支持部材によって、前記冷却管に剛に支持され、
    前記冷却管は、前記外管内に設けられた第2の支持部材によって、前記外管に剛に支持されていること
    を特徴とする超伝導送電管。
  2. 前記シースに挿入される超伝導線は、超伝導体からなる細線を撚り合せた撚り線であること
    を特徴とする請求項1に記載の超伝導送電管。
  3. 前記超伝導線が挿入された前記シース内の空隙には、樹脂または金属が充填されていること
    を特徴とする請求項1に記載の超伝導送電管。
  4. 前記超伝導線は、MgBにより構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の超伝導送電管。
  5. 前記冷却管は、前記シースに電気的に接続され、前記外管とは電気的に絶縁されていること
    を特徴とする請求項1に記載の超伝導送電管。
  6. 前記シースは、銅、アルミニウム、銅合金およびアルミニウム合金のうちのいずれかの金属により構成され、前記シースの両端部は、前記超伝導線の両端部と電気的に接続されていること
    を特徴とする請求項1に記載の超伝導送電管。
  7. 前記冷却管の外側で前記外管の内側の間の位置には、輻射熱を遮断するシールド板が設けられ、前記シールド板の外側には、さらにスーパーインシュレータが設けられていること
    を特徴とする請求項1に記載の超伝導送電管。
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