JP2019152189A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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一樹 白田
知弘 足立
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Abstract

【課題】より低い制御温度でPMを効率よく燃焼させ、かつ、耐久性を向上した排ガス浄化装置を提供することを目的とする。【解決手段】セル壁7で区画された複数のセルを有する多孔質のフィルタ基材2と、フィルタ基材2流入側のセル壁7に少なくとも2種類の融点の異なる溶融塩型排ガス浄化触媒とを備え、融点の低い溶融塩型排ガス浄化触媒がフィルタ基材2の排ガス流入面3側のセル壁7の上流部分にのみ存在していることにより低い制御温度でPMを効率よく燃焼させ、かつ、耐久性を向上した排ガス浄化装置を提供することを目的とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジン等の内燃機関の排ガスの浄化に使用される排ガス浄化装置に関するものである。
従来、ディーゼルエンジン等の内燃機関は、固体状炭素微粒子や、液体又は固体状の高分子量炭化水素微粒子などの粒子状物質(以下、PM:Particulate Matterと記す。)が有害成分として排出される。
ところで、ディーゼルエンジンから排出されるPMは、その粒子径の殆どが1μm以下であり、大気中に浮遊しやすく、呼吸により人体に取り込まれやすい。しかも、PMにはベンゾピレン等の発癌性物質が含まれていることが明らかとなり、人体への影響が大きな問題となってきている。このため、ディーゼルエンジンから排出されるPMを効率よく除去する方法が種々検討されている。
近年、PMを除去する方法の一つとして、セラミックハニカム、セラミックフォーム、金属発泡体等の耐熱性の排ガス浄化フィルタを用いる方法が開発されている。この方法では、まず排ガス浄化フィルタで排ガス中のPMを捕集する。そして、PMの捕集により背圧が上昇した場合には、バーナー又はヒーターを用いたり、もしくは配管やエンジン内への燃料の噴射燃焼を行うことにより、排ガス温度を上昇させることで、排ガス浄化フィルタを加熱し、堆積したPMを燃焼させ、炭酸ガスに変えて外部に放出することで、フィルタを再生する。しかし、この方法では、捕集したPMを燃焼してフィルタを再生するために多量のエネルギーが必要となる。また、PMの燃焼温度が高温となるため、フィルタの融解や割れを生じる恐れがあった。
一方、触媒を排ガス浄化フィルタに担持し、PMを触媒作用により燃焼させることで、バーナー又はヒーターもしくは配管やエンジン内への燃料の噴射燃焼などによるPMの燃焼操作を軽減して、フィルタを再生する方法がある。例えば、耐熱性セラミックからなるフィルタ基材に予めPM燃焼触媒を担持させておき、PMの捕集と共に燃焼反応を行わせる方法が研究されている。
現在、PM燃焼触媒には白金、パラジウム等の白金族金属が広く使用されている。これは白金族金属を用いた触媒が、良好なPM燃焼性能と耐久性とを持つためである。しかし、白金族金属は希少、かつ高価である。そのためPM燃焼触媒においては白金族金属の省使用、白金族金属の代替材料に関する研究が世界中において行われている(非特許文献1参照)。
また、白金族金属を不使用にしたPM燃焼触媒としては、アルカリ金属等からなる溶融塩型触媒(または溶融易動型触媒とも言う)がある。溶融塩型触媒は、PMとの反応温度近傍において溶融し、液相となる。そのため、触媒とPMとの接触は飛躍的に増大し、性能が良化すると考えられている。溶融塩型触媒としては、例えば、セシウム(Cs)とバナジウム(V)との複合酸化物(以下、CsV酸化物と記載)が知られている。CsV酸化物の触媒としては、例えばTiO2にCsV酸化物を担持してなる触媒が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2012/147333号
羽田政明他、「排出ガス浄化触媒の白金族金属使用量低減及び代替技術」、自動車技術 Vol.63、42−47頁、2009年
このような従来の排ガス浄化装置においては、溶融塩型触媒が液相となることで十分な性能を発揮し、融点が低いもの程、PMの燃焼温度も低くなる傾向がある。一方、高温になると液相であるために排ガスと接触して移動する懸念や、蒸散する懸念がある。
つまり、融点よりも高い温度を加え続けると蒸散する懸念がより高くなる。
そこで本発明は、上記課題を解決するものであり、溶融塩型排ガス浄化触媒において通過させる排ガスの温度をより低く制御してPMを効率よく燃焼させ、かつ、耐久性を向上した排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
本発明は、多孔質のフィルタ基材内の流入路において入口側と奥側で温度勾配が生じさせることと、溶融塩型触媒の融点に着眼してなしたものである。
そして、上記目的を達成するために、本発明に係る排ガス浄化装置は、セル壁で区画された複数のセルを有する多孔質のフィルタ基材と、前記フィルタ基材の流入側の面に第一溶融塩型排ガス浄化触媒とを備え、
前記第一溶融塩型排ガス浄化触媒の上流側に該第一溶融塩型排ガス浄化触媒よりも融点の低い第二溶融塩型排ガス浄化触媒が存在していることを特徴とするものであり、これにより、所定の目的を達成するものである。
本発明は、セル壁で区画された複数のセルを有する多孔質のフィルタ基材と、前記フィルタ基材の流入側の面に第一溶融塩型排ガス浄化触媒とを備え、前記第一溶融塩型排ガス浄化触媒の上流側に該第一溶融塩型排ガス浄化触媒よりも融点の低い第二溶融塩型排ガス浄化触媒が存在している構成になっている。
これにより、内部温度の低い多孔質フィルタ基材上流部分では、より低温でPMを燃焼することができる融点の低い溶融塩型排ガス浄化触媒によりPMを燃焼することができる。下流部分では上流部分でPMを燃焼することにより温められた排ガスが流れるため、耐久性の高い融点の高い方の溶融塩型排ガス浄化触媒によりPMを効率よく燃焼することができる。すなわち多孔質のフィルタ基材内に温度勾配を起こさせる温度の排ガスを通過させて、より低い制御温度でPMを効率よく燃焼させ、かつ、耐久性を向上した排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
本発明の実施の形態1の排ガス浄化装置の斜視図 同実施の形態1の排ガス浄化装置の断面図 同実施の形態1の第二触媒層に関する別形態の断面図 試験例1における位置1にある熱電対で測定する排ガス温度が550℃なるように制御して、それぞれ10分間制御したときの位置2における排ガス温度を示す図 試験例1における位置1にある熱電対で測定する排ガス温度が500℃になるように15分間制御したときの位置2における排ガス温度を示す図 試験例2における位置1にある熱電対で測定する排ガス温度が550℃なるように制御して、それぞれ10分間制御したときの位置2における排ガス温度を示す図 試験例2における位置1にある熱電対で測定する排ガス温度が500℃になるように15分間制御したときの位置2における排ガス温度を示す図 試験例2における位置1にある熱電対で測定する排ガス温度が580℃なるように制御して、それぞれ10分間制御したときの位置2における排ガス温度を示す図
本発明の請求項1に係る排ガス浄化装置は、セル壁で区画された複数のセルを有する多孔質のフィルタ基材と、前記フィルタ基材の流入側の面に第一溶融塩型排ガス浄化触媒とを備え、前記第一溶融塩型排ガス浄化触媒の上流側に該第一溶融塩型排ガス浄化触媒よりも融点の低い第二溶融塩型排ガス浄化触媒が存在しているものである。
これにより、第二溶融塩型排ガス浄化触媒を溶融させる温度に排ガスを加熱してフィルタ基材を通過させると、フィルタ基材の上流部分では、融点の低い第二溶融塩型排ガス浄化触媒によりPMを燃焼することができる。下流部分では上流部分でPMを燃焼することにより温められた排ガスが流れるため、融点の高い方の第一溶融塩型排ガス浄化触媒によりPMを効率よく燃焼することができる。すなわち、下流側の第一溶融塩型排ガス浄化触媒の融点で排ガスの加熱をしなくても、上流側でPMの燃焼によって温度を上げることができ、より低い制御温度でPMを効率よく燃焼させ、かつ、耐久性を向上した排ガス浄化装置を提供することができる。
また、請求項2に係る排ガス浄化装置は、前記第一、第二溶融塩型排ガス浄化触媒が、いずれもバナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が0.5≦Cs/V≦1.5である、セシウムとバナジウムの複合酸化物を含む溶融塩型排ガス浄化触媒であることを特徴とするものである。
これにより、下流側の第一溶融塩型排ガス浄化触媒の融点で排ガスの加熱をしなくても、上流側でPMの燃焼によって温度を上げることができ、より低い制御温度でPMを効率よく燃焼させ、かつ、耐久性を向上した排ガス浄化装置を提供することができる。
また、請求項3に係る排ガス浄化装置は、前記第一溶融塩型排ガス浄化触媒がCsVO3を主成分とする溶融塩型排ガス浄化触媒であり、前記第二溶融塩型排ガス浄化触媒がC2V4O11を主成分とする溶融塩型排ガス浄化触媒であることを特徴とするものである。
これにより、C2V4O11を溶融させる温度に排ガスを加熱してフィルタ基材を通過させると、フィルタ基材の上流部分では、融点の低いC2V4O11を主成分とする溶融塩型排ガス浄化触媒によりPMを燃焼することができる。加えて下流部分では上流部分でPMを燃焼することにより温められた排ガスが流れるため、融点の高い方のCsVO3を主成分とする溶融塩型排ガス浄化触媒によりPMを効率よく燃焼することができる。すなわち、下流側のCsVO3を主成分とする溶融塩型排ガス浄化触媒の融点で排ガスを加熱しなくても、上流側でPMの燃焼によって温度を上げることができ、排ガスを加熱する際により低い制御温度でPMを効率よく燃焼させ、かつ、耐久性を向上した排ガス浄化装置を提供することができる。
また、請求項4に係る排ガス浄化装置は、酸化物担体を有し、前記第一溶融塩型排ガス浄化触媒と第二溶融塩型排ガス浄化触媒のうちどちらか一方、または両方が前記酸化物担体に担持されていることを特徴とするものである。
これにより、触媒の比表面積が増えるためPMと触媒との接触可能な面積が広くなりPM燃焼効率があがる。また、担体が触媒を保持することで、融点以上の温度で触媒が溶けた際に、溶融塩型排ガス浄化触媒の移動を抑制することができ劣化を抑制することができる。
また、請求項5に係る排ガス浄化装置は、前記第二溶融塩型排ガス浄化触媒がフィルタ基材の流入面のうち、上流側の5〜50%を被覆していることを特徴とするものである。
これにより、多孔質フィルタ基材内部の温度を、第一溶融塩型排ガス浄化触媒媒でPMを効率よく燃焼することができる温度まで上げることができるため、多孔質フィルタ基材全体で効率よくPMを燃焼することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明をする。
(実施の形態1)
図1に示すように排ガス浄化フィルタ1は、複数のセルを有する多孔質のフィルタ基材2を備え、筒形状を有している。筒形状の端部(排ガス流入面3、排ガス流出面4)において確認できるように、流入セル5と流出セル6とが交互に配置されている。
図2に示すように、流入セル5と流出セル6は、セル壁7によって区画されており、流入セル5側のセル壁7にはPMを燃焼して浄化する第一触媒層8と第二触媒層9とを備えている。
フィルタ基材2は、ウォールフロー型の構造体である。この場合、セル壁7で区画された複数のセルを備え、隣接するセルの端部が交互に目封じされている。これにより、排気通路の上流側を開口し、下流側が閉塞した排ガスの流入セル5と、排ガスの上流側が閉塞し、下流側が開口した排ガスの流出セル6とが、セル壁7を介して隣接した構成となっている。
なお、フィルタ基材2の形状は上記のウォールフロー型に限定されるものではなく、他の形状、すなわちウォールスルー型、フロースルーハニカム型、金属あるいはセラミックスの発泡体型などでもよい。
フィルタ基材2の材質は、耐熱性セラミックスや金属材料等からなる多孔質材料であればよい。耐熱性セラミックスとしては、例えば炭化ケイ素(SiC)、コージェライト、窒化ケイ素、チタン酸アルミニウム等を用いることができる。金属材料としては、例えばステンレス合金、Fe−Cr−Al合金等を用いることができる。これらの中でも、耐熱性および触媒塗工性の観点から、炭化ケイ素が好ましい。
セル壁7に設けられた細孔の平均細孔径は、特に限定されないが、例えば5μm〜50μmとすることができる。平均細孔径が5μm以上の場合には、PMが堆積しても圧力損失の過度の上昇を抑制することができる。また、平均細孔径が50μm以下の場合には、PMの過度の素抜けを抑制することができる。
流入セル5と流出セル6の形状は、特に限定されないが、触媒とPMの接触面積を大きくできる観点から、4〜8角形のうちのいずれかであることが好ましい。また、流入セル5と流出セル6の形成密度は特に限定されないが、上記と同様、触媒とPMの接触面積を大きくするという観点から、セルの数は1平方インチあたり200〜400セルであることが好ましい。セル数を200セル以上とすることで、触媒とPMの接触面積を十分に確保することができる。また、セル数を400セル以下とすることで、セルへのPM堆積による目詰まりを生じにくくすることができる。
本実施の形態の第一触媒層8と第二触媒層9とは、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が1.0≦Cs/V≦1.5である、セシウムとバナジウムの複合酸化物を含む溶融塩型触媒である。
溶融塩型触媒は、PMとの反応温度近傍において溶融し、液相となる。そのため、触媒とPMとの接触は飛躍的に増大し、性能が良化すると考えられている。中でも、優れたPM燃焼活性を示す触媒として、セシウムとバナジウムの複合酸化物(以下、Cs−V複合酸化物と記載)が知られている。
バナジウム化合物は、排ガス中の酸素を取り入れて活性酸素に変換する作用があるため、セシウムと複合酸化物を形成することで、活性酸素への変換作用が向上すると推測される。さらに、当該Cs−V複合酸化物は、後述するように、高熱安定性及び高比表面積を有するセリウム含有酸化物に担持されている。そのため、PMの燃焼熱や排ガスによるCs−V複合酸化物の凝集を抑制し、良好なPM燃焼活性を長期間維持することが可能となる。
上述のCs−V複合酸化物としては、例えば、CsVO3(メタバナジン酸セシウム、Cs:V=1.0:1.0、すなわちCs/V=1.0)、Cs2V4O11(Cs:V=1.0:2.0、すなわちCs/V=0.5)、Cs5V3O10(Cs:V=1.7:1.0、すなわちCs/V=1.7)、Cs32V18O61(Cs:V=1.8:1.0、すなわちCs/V=1.8)、Cs4V2O7(Cs:V=2.0:1.0、すなわちCs/V=2.0)、Cs3VO4(Cs:V=3.0:1.0、すなわちCs/V=3.0)などを挙げることができる。
Cs−V複合酸化物は、構造により融点が異なるため、用途により構造を選択するとよい。この中でも、Cs−V複合酸化物としては、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)がCs/V=1.0であるバナジン酸セシウムは化学的安定性が高いため、長期間に亘り優れたPM燃焼活性を維持することが可能となる。一方で、バナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)がCs/V=0.5であるバナジン酸セシウムはCs/V=1.0であるバナジン酸セシウムよりも融点が低いため高いPM燃焼性能を持つが、耐久性にはやや劣るという特徴を持つ。
フィルタ基材2は上流側に比べ、下流側の排ガス温度は高くなるため、上流側には融点が低い融点が低い溶融塩型触媒、下流側には融点が高い溶融塩型触媒を配置することが良い。
下流側に第一触媒層8としてバナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)がCs/V=1.0であるバナジン酸セシウム、上流側に第二触媒層9としてバナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)がCs/V=0.5であるバナジン酸セシウムを用いることが好ましい。
なお、上流側に融点が低い融点が低い溶融塩型触媒、下流側に融点が高い溶融塩型触媒を配置するために、添加剤を用いて融点の異なる溶融塩型触媒を配置してもよい。
本実施の形態の第一触媒層8と第二触媒層9は、遷移金属含有酸化物を含んでいる。遷移金属含有酸化物は、前記のCs−V複合酸化物をその表面に担持する担体として機能する。Cs−V複合酸化物は単独でも高いPM燃焼性を有しているが、触媒の比表面積が低いためにPMと触媒との接触率が低下し、燃焼反応が起こり難い恐れがある。
また、担体として遷移金属含有酸化物を用いない場合には、排ガスの温度及び組成変動により容易に凝集し、PM燃焼活性が低下する恐れがある。そのため、Cs−V複合酸化物を、遷移金属含有酸化物の表面に接触して保持することにより、Cs−V複合酸化物の比表面積を増加させつつも、高温雰囲気下での凝集を抑制することができる。
上述のとおり、遷移金属含有酸化物を含む担体を用いることで、Cs−V複合酸化物が有するPM燃焼活性を維持しつつも、比表面積の増加と凝集の抑制とを両立することが可能となる。
特に、セリウム含有酸化物は、排ガスの空気過剰率に対応した酸素吸蔵放出能を有している。そして、バナジウム化合物は、排ガス中の酸素を取り入れて活性酸素に変換する作用を有している。そのため、バナジウム化合物により、排ガス中の酸素だけでなく、セリウム含有酸化物から放出される酸素が活性酸素に変換されるため、生成した活性酸素によりPM燃焼反応をさらに促進することが可能となる。
また、当該担体は、セリウム酸化物以外の元素を含有してもよく、例えばアルミニウム、ジルコニウム、チタン、ケイ素、ニオブ、ランタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、プラセオジム、イットリウム、鉄、マンガン、コバルト、ニッケル、およびスズからなる群より選ばれる少なくとも一つを含有することができる。特に融点が低い溶融塩型触媒を用いる場合は触媒自体が高いPM燃焼活性を発揮するためアルミニウムなど安価な遷移金属を主成分とした酸化物を担体として使用することができる。このような金属元素は、担体の耐熱性を向上させることができる。なお、担体の平均粒子径(メジアン径、D50)は、特に限定されないが、Cs−V複合酸化物とPMとの接触界面を増大させる観点から、10nm〜10μmとすることが好ましい。
第二触媒層9の被覆率は、第一触媒層8でPMを燃焼するために必要な温度まで第二触媒層9で温度を上げることができればよく、5〜50%であることが好ましい。この際、図2に示すように、第二触媒層9がフィルタ基材2上に直接存在してもよいが、図3に示すように第一触媒層8上に存在する構成でもよい。
〔試験例1〕
<融点が低いバナジン酸セシウムの触媒におけるPMの燃焼温度例>
長さ約150mmのSiC基材にバナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)がCs/V=0.5であるバナジン酸セシウム(Cs2V4O11)を含む触媒を塗布した排ガス浄化フィルタを作製した。
この排ガス浄化フィルタにPMを一定量堆積させ、エンジンベンチ試験装置を用いて、ディーゼルエンジンの排ガス経路に設置した。
排ガス浄化フィルタの上流から20mm(以下位置1)と130mm(以下位置2)の位置に熱電対を配置した。
位置1にある熱電対で測定する排ガス温度がCs/V=0.5であるバナジン酸セシウムの融点より高い550℃と、同バナジン酸セシウムの融点より高い525℃になるように制御して、それぞれ10分間以上、15分間以上、PMを燃焼させた。
このときの位置1と位置2で測定した排ガスの温度を図4、5に示す。位置2で測定した排ガスの温度は位置1にある排ガスの温度より10〜15℃程度高くなっていることが確認された。
すなわち、Cs/V=0.5であるバナジン酸セシウムの融点によりも高い温度の排ガスを通過させた場合、フィルタ基材内に温度勾配を起こさせて、下流側で少なくとも10℃温度を高くできることが確認された。
〔試験例2〕
<融点が高いバナジン酸セシウムの触媒におけるPMの燃焼温度例>
長さ約150mmのSiC基材にバナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)がCs/V=1.0であるバナジン酸セシウム(CsVO3)を含む触媒を塗布した排ガス浄化フィルタを作製した。
試験例1と同様に、この排ガス浄化フィルタにPMを一定量堆積させ、エンジンベンチ試験装置を用いて、ディーゼルエンジンの排ガス経路に設置した。
排ガス浄化フィルタの上流から20mm(以下位置1)と130mm(以下位置2)の位置に熱電対を配置した。
位置1にある熱電対で測定する排ガス温度がCs/V=1.0であるバナジン酸セシウムの融点とほとんど変わらない550℃と、Cs/V=1.0であるバナジン酸セシウムの融点より高い580℃と、Cs/V=1.0であるバナジン酸セシウム融点より低い525℃になるように制御して、それぞれ10分間、15分間PMを燃焼させた。
このときの位置1と位置2で測定した排ガスの温度を図6、7、8に示す。
550℃での制御では、位置1と位置2で排ガス温度がほとんどかわらなかった。すなわちバナジン酸セシウムの融点とほとんど変わらない温度は、フィルタ基材内に温度勾配を起こさせる温度ではない。
580℃での制御では、位置2の温度の方が10℃以上高くなっている。つまり、融点を大きく超える温度で上流側の温度を制御することで、フィルタ基材内に温度勾配を起こさせて下流側の温度を上げることが可能となる。
また、525℃での制御では位置1よりも位置2の温度が低くなっている。これはバナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)がCs/V=1.0であるバナジン酸セシウムは融点が540℃付近であるため、融点以下の温度では効率的にPMを燃焼することができず、PM燃焼による温度上昇より外気による冷却速度の方が早かったためであると推測される。
これら試験例の結果から、フィルタ上流部分に融点に低い溶融塩型触媒がある方が、フィルタ内部の温度をより高く保つことができるため、融点の高い溶融塩型触媒を効率的に溶融させてPMを燃焼することができると考えられる。
一例を示して、説明を加えると第二溶融塩型触媒としてCs2V4O11と第一溶融塩型触媒CsVO3とを備えた場合、位置1を通過させる排ガスの温度を540℃に制御するだけで(実施例2のように550℃に制御しなくても)、位置2において550℃〜555℃の温度にすることができる。すなわち、第一溶融塩型触媒の融点を超えた温度にすることができる。
本発明にかかる排ガス浄化フィルタは、低温でのPM燃焼性能と耐久性とを併せ持つため、各種内燃機関から発生する排ガスを浄化する排ガス浄化フィルタや、ディーゼルエンジンの排ガスを浄化する触媒DPF等として有用である。
1 排ガス浄化フィルタ
2 フィルタ基材
3 排ガス流入面
4 排ガス流出面
5 流入セル
6 流出セル
7 セル壁
8 第一触媒層
9 第二触媒層

Claims (5)

  1. セル壁で区画された複数のセルを有する多孔質のフィルタ基材と、前記フィルタ基材の流入側の面にCsVO3を含む第一溶融塩型排ガス浄化触媒とを備え、
    前記第一溶融塩型排ガス浄化触媒の上流側に該第一溶融塩型排ガス浄化触媒よりも融点の低い第二溶融塩型排ガス浄化触媒が存在していることを特徴とする排ガス浄化装置。
  2. 前記第一、第二溶融塩型触媒は、いずれもバナジウムに対するセシウムのモル比(Cs/V)が0.5≦Cs/V≦1.5である、セシウムとバナジウムの複合酸化物を含む溶融塩型排ガス浄化触媒であることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化装置。
  3. 前記第一溶融塩型排ガス浄化触媒がCsVO3を主成分とする溶融塩型排ガス浄化触媒であり、前記第二溶融塩型排ガス浄化触媒がC2V4O11を主成分とする溶融塩型排ガス浄化触媒であることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化装置。
  4. 酸化物担体を有し、前記第一溶融塩型排ガス浄化触媒と第二溶融塩型排ガス浄化触媒のうちどちらか一方、または両方が前記酸化物担体に担持されていることを特徴とする請求項1または3記載の排ガス浄化装置。
  5. 前記第二溶融塩型排ガス浄化触媒がフィルタ基材の流入面のうち、上流側の5〜50%を被覆していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の排ガス浄化装置。
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CN113769730A (zh) * 2021-09-30 2021-12-10 苏州松之源环保科技有限公司 一种铯钒掺杂镧系金属的复合氧化物催化剂的制备方法

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