JP2019151749A - 触媒組成物、ポリアルキレンカーボネート及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネートを低分子量に制御しつつ容易に製造できる触媒組成物、末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネート、前記ポリアルキレンカーボネートを低分子量に制御しつつ容易に製造する方法を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される多核金属錯体と、下記一般式(2)で表される化合物とを含有する触媒組成物を用いる。LM1mM2n・・・(1)(式(1)中、M1は周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、M2は周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、LはM1及びM2の配位子であり、m及びnはそれぞれ1以上の整数である。)R14QX1・・・(2)(式(2)中、R1はアルキル基又はアリール基であり、Qは窒素原子またはリン原子であり、Xはアニオン性基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、触媒組成物、ポリアルキレンカーボネート及びその製造方法に関する。
二酸化炭素は、工業的生産活動、物や人の移動、及び人の生活活動に伴い、大量に大気圏へ放出され、地球温暖化の要因となっている。二酸化炭素を原料として利用し、生活必需品の原料となる化合物への変換が可能であれば、枯渇する資源問題及び環境問題を解決できる可能性がある。
しかし、大気圏へ放出される二酸化炭素は、反応性に非常に乏しいため、原料として利用することが困難である。
従来、二酸化炭素を樹脂の原料とする方法が数多く報告されている。
例えば、非特許文献1には、様々な単核及び二核有機金属錯体触媒(亜鉛、クロム、コバルト)を用いて、二酸化炭素とエポキシドとを反応させる方法が開示されている。
G. W. Coates, D. R. Moore, Angew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 6618-6639.
しかしながら、非特許文献1に記載の触媒では、二酸化炭素とエポキシドとの反応生成物(ポリアルキレンカーボネート)の分子量を制御することが困難であり、特に分子量の低いポリアルキレンカーボネートが得られにくい。
ところで、ポリアルキレンカーボネート等の樹脂が末端にアルキル基等の官能基を有していれば、樹脂の物性を調節したり、他の樹脂や単量体等と反応させる際の反応性を高めたりしやすくなる。
よって、末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネートを容易に製造できる触媒が求められている。
本発明は、末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネートを低分子量に制御しつつ容易に製造できる触媒組成物、末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネート、前記ポリアルキレンカーボネートを低分子量に制御しつつ容易に製造する方法を提供する。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の多核金属錯体と、アンモニウム塩やホスホニウム塩等の第四級塩とを併用することで、末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネートを低分子量に制御しつつ容易に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1] 二酸化炭素とエポキシドとの反応に用いられる触媒組成物であって、下記一般式(1)で表される多核金属錯体と、下記一般式(2)で表される化合物とを含有する、触媒組成物。
LM ・・・(1)
(式(1)中、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、Mは周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、LはM及びMの配位子であり、m及びnはそれぞれ1以上の整数である。)
QX ・・・(2)
(式(2)中、Rはアルキル基又はアリール基であり、Qは窒素原子またはリン原子であり、Xはアニオン性基である。)
[2] 前記一般式(1)中のLが下記一般式(3)で表される配位子である、[1]に記載の触媒組成物。
Figure 2019151749
式(3)中、R〜Rは各々独立にアルキレン基であり、R〜R10は各々独立に水素原子又はアルキル基であるか、あるいはR及びR10、R及びR、R及びRがMとなり互いに結合してもよく、R11〜R16は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、Xはアニオン性基である。
[3] 前記多核金属錯体が下記一般式(4)で表される錯体である、[1]又は[2]に記載の触媒組成物。
Figure 2019151749
式(4)中、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、Mは周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、R11〜R16は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、Xはアニオン性基である。
[4] 前記一般式(1)中のMが亜鉛であり、Mがランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の触媒組成物。
[5] 前記一般式(2)中のQが窒素原子であり、Xが下記一般式(5)で表されるアニオン性基である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の触媒組成物。
17COO ・・・(5)
(式(5)中、R17はアルキル基又はアリール基である。)
[6] 前記一般式(5)中のR17が炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基である、[5]に記載の触媒組成物。
[7] 下記一般式(6)で表される、ポリアルキレンカーボネート。
Figure 2019151749
式(6)中、R18はアルキル基又はアリール基であり、pは1以上の整数である。
[8] 前記一般式(6)中のR18が炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基である、[7]に記載のポリアルキレンカーボネート。
[9] [1]〜[6]のいずれか1つに記載の触媒組成物の存在下で、二酸化炭素とエポキシドとを反応させる、ポリアルキレンカーボネートの製造方法。
本発明の触媒組成物によれば、末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネートを低分子量に制御しつつ容易に製造できる。
本発明のポリアルキレンカーボネートは、末端に官能基を有する。よって本発明のポリアルキレンカーボネートは、樹脂としての物性を調節しやすく、また、他の樹脂や単量体等と反応させる際の反応性を高めることができる。
本発明のポリアルキレンカーボネートの製造方法によれば、末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネートを低分子量に制御しつつ容易に製造できる。
多核金属錯体のX線結晶構造解析により得られた結晶構造の一例を表す図である。 実施例1で得られたポリアルキレンカーボネートのMALDI−TOF MSスペクトルである。 実施例6で得られたポリアルキレンカーボネートのMALDI−TOF MSスペクトルである。 実施例7で得られたポリアルキレンカーボネートのMALDI−TOF MSスペクトルである。 実施例8で得られたポリアルキレンカーボネートのMALDI−TOF MSスペクトルである。 実施例9で得られたポリアルキレンカーボネートのMALDI−TOF MSスペクトルである。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「低分子量」とは、第四級塩を添加しない以外は同様の重合条件で得られるポリマーよりも数平均分子量が低いことを意味する。
「数平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定される数平均分子量(ポリスチレン換算)である。
「末端」とは、ポリマー鎖の成長停止反応による停止末端を意味する。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
「触媒組成物」
本発明の触媒組成物は、二酸化炭素とエポキシドとの反応に用いられ、以下に示す多核金属錯体と第四級塩とを含有する。
<多核金属錯体>
本発明の触媒組成物に含まれる多核金属錯体は、下記一般式(1)で表される錯体である。
LM ・・・(1)
(式(1)中、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、Mは周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、LはM及びMの配位子であり、m及びnはそれぞれ1以上の整数である。)
は周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属である。Mとしては、具体的には、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)が挙げられる。これらの中でも、多核金属錯体の原料として入手が容易であり、毒性が低く、取り扱いやすく、高い触媒活性が得られる観点から、Mとしては亜鉛が好ましい。
mは1以上の整数であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。また、mは20以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。mは3が特に好ましい。mが2以上の場合、m個のMは同一でもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
は周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属である。Mとしては、具体的には、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)が挙げられる。これらの中でも、多核金属錯体の原料として入手が容易であり、取り扱いやすく、高い触媒活性が得られる観点から、Mとしてはランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属が好ましく、その中でも特にランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウムが好ましく、ランタン、セリウムがより好ましい。
nは1以上の整数であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい。nは1が特に好ましい。nが2以上の場合、n個のMは同一でもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
LはM及びMの配位子である。Lとしては、下記一般式(3)で表される配位子が好ましい。
Figure 2019151749
式(3)中、R〜Rは各々独立にアルキレン基であり、R〜R10は各々独立に水素原子又はアルキル基であるか、あるいはR及びR10、R及びR、R及びRがMとなり互いに結合してもよく、R11〜R16は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、Xはアニオン性基である。
〜Rのアルキレン基の炭素数は1〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。このようなアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基などが挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基が好ましく、イソプロピレン基がより好ましい。
〜R16のアルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基などが挙げられる。R〜R10としては、R及びR10、R及びR、R及びRがMとなり互いに結合していることが好ましい。R11〜R16としては、それぞれ水素原子、炭素数2〜6のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
はアニオン性基である。Xとしては、下記一般式(7)又は(8)で表されるアニオン性基、NO 、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)などが挙げられる。
19COO ・・・(7)
(式(7)中、R19はアルキル基又はアリール基である。)
20SO ・・・(8)
(式(8)中、R20はアルキル基又はアリール基である。)
19及びR20のアルキル基の炭素数は、それぞれ1〜3が好ましい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
19及びR20のアリール基の炭素数は、それぞれ6〜15が好ましい。このようなアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。
19及びR20のアルキル基、アリール基の水素原子の少なくとも一部は、ハロゲン原子、ビニル基、アルコキシ基等に置換されていてもよい。
19としては、メチル基、フェニル基、フェニル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子又はビニル基に置換されているものが好ましい。
20としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、その中でも特にアルキル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換されているものが好ましく、CFがより好ましい。
上述した中でも、Xとしては、前記一般式(7)又は(8)で表されるアニオン性基、NO が好ましく、前記一般式(7)で表されるアニオン性基がより好ましい。
多核金属錯体としては、下記一般式(4)で表される錯体が好ましい。
Figure 2019151749
式(4)中、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、Mは周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、R11〜R16は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、Xはアニオン性基である。
前記一般式(4)中のM及びMは、前記一般式(1)中のM及びMと同じである。前記一般式(4)中のR11〜R16及びXは、それぞれ前記一般式(3)中のR11〜R16及びXと同じである。
また、前記一般式(4)で表される錯体は、前記一般式(1)中のmが3であり、nが1である錯体に相当する。
多核金属錯体の製造方法としては特に制限されないが、例えば前記一般式(4)で表される錯体は以下のようにして製造される。
すなわち、M(X・xHOと、M(X・xHOと、2,3−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジカルボアルデヒドとを混合した後、得られた混合物に2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミンを滴下することで得られる。この反応は有機溶媒の存在下で行われてもよい。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類あるいはその誘導体;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類あるいはこれらのアルキル又はアリール誘導体;アセトン等のケトン類あるいはその誘導体などが挙げられる。これら有機溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<第四級塩>
本発明の触媒組成物に含まれる第四級塩は、下記一般式(2)で表される化合物である。
QX ・・・(2)
(式(2)中、Rはアルキル基又はアリール基であり、Qは窒素原子またはリン原子であり、Xはアニオン性基である。)
のアルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、2〜6がさらに好ましい。このようなアルキル基としては、R〜R16の説明において先に例示したアルキル基が挙げられる。
のアリール基の炭素数は6〜15が好ましい。このようなアリール基としては、R19及びR20の説明において先に例示したアリール基が挙げられる。
Qは窒素原子またはリン原子であり、窒素原子が好ましい。
はアニオン性基である。Xとしては、下記一般式(5)又は(9)で表されるアニオン性基、NO 、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)などが挙げられる。
17COO ・・・(5)
(式(5)中、R17はアルキル基又はアリール基である。)
21SO ・・・(9)
(式(9)中、R21はアルキル基又はアリール基である。)
17及びR21のアルキル基の炭素数は、それぞれ1〜3が好ましい。このようなアルキル基としては、R19及びR20の説明において先に例示したアルキル基が挙げられる。
17及びR21のアリール基の炭素数は、それぞれ6〜15が好ましい。このようなアリール基としては、R19及びR20の説明において先に例示したアリール基が挙げられる。
17及びR21のアルキル基、アリール基の水素原子の少なくとも一部は、ハロゲン原子、ビニル基、アルコキシ基等に置換されていてもよい。
17としては、メチル基、フェニル基、フェニル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子又はビニル基に置換されているものが好ましい。
21としては、炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、その中でも特にアルキル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換されているものが好ましく、CFがより好ましい。
上述した中でも、Xとしては、前記一般式(5)又は(9)で表されるアニオン性基、NO が好ましく、前記一般式(5)で表されるアニオン性基がより好ましい。
なお、多核金属錯体が前記一般式(4)で表される錯体である場合、XとXとは同一でもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物としては、酢酸テトラブチルアンモニウム、安息香酸テトラブチルアンモニウム、4−クロロ安息香酸テトラブチルアンモニウム、4−ブロモ安息香酸テトラブチルアンモニウム、4−ビニル安息香酸テトラブチルアンモニウム、4−メトキシ安息香酸テトラブチルアンモニウム、4−メチル安息香酸テトラブチルアンモニウムなどが挙げられる。
触媒組成物中の第四級塩の含有量は、多核金属錯体(1モル当量)に対して0.5〜50モル当量が好ましく、1〜20モル当量がより好ましく、1〜10モル当量がさらに好ましい。第四級塩の含有量が0.5モル当量以上であれば、触媒組成物が連鎖移動剤としての機能をより効果的に発現できる。よって、詳しくは後述するが、本発明の触媒組成物を二酸化炭素とエポキシドとの反応に用いた際に、低分子量のポリアルキレンカーボネートが得られやすくなる。第四級塩の含有量が多くなるほどポリアルキレンカーボネートの分子量が小さくなる傾向にあるが、第四級塩の含有量が多すぎると触媒活性が低下する恐れがある。第四級塩の含有量が50モル当量以下であれば、触媒活性を良好に維持しつつ、低分子量のポリアルキレンカーボネートが得られる。特に、第四級塩の含有量が1〜10モル当量であれば、触媒活性が向上する。
<その他の成分>
本発明の触媒組成物は、上述した多核金属錯体及び第四級塩のみからなるものでもよいが、多核金属錯体及び第四級塩以外の成分(任意成分)を含有してもよい。ただし、本発明の効果を充分に発現させる観点から、多核金属錯体及び第四級塩の含有量の合計が、触媒組成物の総質量に対して90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
<製造方法>
本発明の触媒組成物は、例えば多核金属錯体に対する第四級塩の比率が上述した範囲内となるように、多核金属錯体と第四級塩とを混合することで得られる。
<作用効果>
以上説明した本発明の触媒組成物は、上述した多核金属錯体と第四級塩とを含有する。多核金属錯体と第四級塩とを組み合わせて用いることで、連鎖移動剤としての機能が発現される。よって、本発明の触媒組成物を二酸化炭素とエポキシドとの反応に用いた際に、末端に官能基を有し、低分子量のポリアルキレンカーボネートが得られやすくなる。係る理由は以下のように考えられる。
触媒組成物に含まれる多核金属錯体は、例えば図1に示すような結晶構造を有している。なお、図1に示す結晶構造の多核金属錯体は、前記一般式(4)で表される錯体であり、式(4)中のMが亜鉛(Zn)であり、Mがセリウム(Ce)であり、R11〜R16が水素原子であり、XがCHCOOである。図1に示す結晶構造において、全ての水素原子は省略してある。
図1に示すように、この例の多核金属錯体においては、3つのアニオン性基(X)であるアセテート(CHCOO)のうち、1つはMである亜鉛とMであるセリウムとを架橋しており、残りの2つは亜鉛にのみ単座配位している。これら3つのアセテートは分子内で非常に速い速度で交換する。さらに、この多核金属錯体に上述した第四級塩を添加すると、多核金属錯体中の3つのアセテートが分子内のみならず、第四級塩中のアニオン性基(X)とも非常に速い速度で交換する。このアニオン交換反応を二酸化炭素とエポキシドとの反応に用いた場合、例えば以下に示すような化学反応式となる。なお、以下に示す化学反応式は、エポキシドとしてシクロヘキセンオキシド(以下、「CHO」とも略す。)を用い、第四級塩中のアニオン性基(X)がアセテートである場合の化学反応式である。
Figure 2019151749
まず、重合の開始として、亜鉛に結合したアセテートが、近接するセリウムによって活性化されたCHOを攻撃して、セリウム原子にアルコキシドが結合する。次いで、セリウム原子に結合したアルコキシドは、亜鉛によって活性化された二酸化炭素と反応する。多核金属錯体中の亜鉛は二酸化炭素との結合に有利である。その結果、亜鉛に結合した炭酸塩が形成され、セリウム上の活性化CHOをさらに攻撃する。
さらに、多核金属錯体と第四級塩との相互作用により連鎖移動反応が進行し、第四級塩中のアセテートがポリマー鎖を切断する。しかも、多核金属錯体中のアセテートは、第四級塩中のアセテートと迅速に交換するので、第四級塩中のアセテートがポリマー(ポリアルキレンカーボネート)の末端基となるテロメル化が進行する。よって、本発明の触媒組成物を二酸化炭素とエポキシドとの反応に用いれば、末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネートを低分子量に制御しつつ容易に製造できる。ポリアルキレンカーボネートの分子量は、触媒組成物中の第四級塩の含有量によって容易に調節できる。
なお、図1に示す多核金属錯体以外の多核金属錯体、及びXがアセテート以外の第四級塩を用いた場合でも、上述した化学反応式と同様の挙動を示すものと考えられる。
「ポリアルキレンカーボネート」
本発明のポリアルキレンカーボネートは、下記一般式(6)で表される化合物である。
Figure 2019151749
式(6)中、R18はアルキル基又はアリール基であり、pは1以上の整数である。
18のアルキル基の炭素数は、1〜3が好ましい。このようなアルキル基としては、R19及びR20の説明において先に例示したアルキル基が挙げられる。
18のアリール基の炭素数は、6〜15が好ましい。このようなアリール基としては、R19及びR20の説明において先に例示したアリール基が挙げられる。
ポリアルキレンカーボネートの数平均分子量は特に制限されず、反応時間等の反応条件にもよるが、1,000〜150,000が好ましく、1,500〜100,000がより好ましく、3,000〜80,000がさらに好ましい。
<製造方法>
ポリアルキレンカーボネートは、二酸化炭素とエポキシドとを反応させることで得られる。
エポキシドとしては、モノエポキシドが好ましく、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、イソブチレンオキシド、1−ペンテンオキシド、2−ペンテンオキシド、1−ヘキセンオキシド、1−オクテンオキシド、1−デセンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、3−フェニルプロピレンオキシド、3,3,3−トリフルオロプロピレンオキシド、3−ナフチルプロピレンオキシド、3−フェノキシプロピレンオキシド、3−ナフトキシプロピレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、3−トリメチルシリルオキシプロピレンオキシド、メチルグリシジルカーボネート、エチルグリシジルカーボネート、コレステリルグリシジルカーボネートなどが挙げられる。これらの中でも、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシドが好ましい。これらエポキシドは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
二酸化炭素の圧力は、0.1〜20MPaが好ましく、0.2〜10MPaがより好ましく、0.5〜5MPaがさらに好ましい。
反応温度は、0〜200℃が好ましく、50〜150℃がより好ましい。
反応時間は、10分〜240時間が好ましく、30分〜80時間がより好ましく、1〜10時間がさらに好ましい。
二酸化炭素とエポキシドとの反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法において行うことができ、さらに反応条件の異なる2段以上に分けて反応を行ってもよい。
二酸化炭素とエポキシドとの反応は、上述した本発明の触媒組成物の存在下で行われることが好ましい。本発明の触媒組成物の存在下で二酸化炭素とエポキシドとを反応させて得られるポリアルキレンカーボネートは、触媒組成物に含まれる第四級塩中のアニオン性基(X)が末端に導入される。例えば、第四級塩中のアニオン性基(X)が前記一般式(5)で表されるアニオン性基である場合、前記一般式(5)中のR17と、前記一般式(6)中のR18は同一である。
触媒組成物の使用量は、多核金属錯体1モルに対して、エポキシドが100〜1,000,000モルとなる量が好ましく、より好ましくは200〜100,000モルであり、さらに好ましくは500〜10,000モルである。
二酸化炭素とエポキシドとの反応は、有機溶媒の存在下で行ってもよい。
有機溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、灯油等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類あるいはこれらのアルキル又はアリール誘導体;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類あるいはその誘導体;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類などが挙げられる。これら有機溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
以上説明した本発明のポリアルキレンカーボネートは、末端に官能基(R18)を有する。よって、本発明のポリアルキレンカーボネートは物性を調節しやすい。加えて、本発明のポリアルキレンカーボネート以外の樹脂や単量体と、本発明のポリアルキレンカーボネートとを反応させる際の反応性が高い。
また、本発明のポリアルキレンカーボネートの製造方法によれば、上述した本発明の樹脂組成物の存在下で二酸化炭素とエポキシドとを反応させるので、末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネートを低分子量に制御しつつ容易に製造できる。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
「実施例1」
<多核金属錯体の合成>
酢酸セリウム(III)水和物(1.0モル当量)を含むメタノール及び水の混合溶液(メタノール:水=2:1)に、酢酸亜鉛二水和物(3.0モル当量)のメタノール溶液及び2,3−ジヒドロキシベンゼン−1,4−ジカルボアルデヒド(3.0モル当量)のクロロホルム溶液を加えて、室温(25℃)で30分撹拌した。引き続き、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン(3.3モル当量)のクロロホルム溶液を滴下した。反応溶液を室温で18時間撹拌した後、全ての溶媒を減圧留去した。メタノール、ジエチルエーテル及びヘキサンを用いて、得られた反応生成物を再結晶化させた。濾過により溶媒を除去した後、80℃で真空乾燥させ、前記一般式(4)中、Mが亜鉛であり、Mがセリウムであり、XがCHCOOである多核金属錯体を得た。得られた多核金属錯体は、アルゴン下、グローブボックス内で保管した。
得られた多核金属錯体の結晶をミネラルオイルとともにCryoLoop(HamptonResearch社製)上にセットし、−160℃に冷却し、単結晶X線回折装置(株式会社リガク製、「XtaLAB P200システム」、グラファイトで単色化したMo−Kα線(0.71075Å)を用いて回折強度測定を行った。
プログラムSIR−92を用いて直接法で構造決定し、SHELXL−2013によって観測された反射のF2に対して、フルマトリクス最小2乗法により精密化を行った。なお、水素以外のすべての原子について、異方性温度因子により構造精密化を行い、水素原子の位置は計算により定め、等方性温度因子により構造精密化を行った。
X線結晶構造解析により得られた結晶構造を図1に示す。なお、図1に示す結晶構造において、全ての水素原子は省略した。
図1から明らかなように、3つのアニオン性基(X)であるアセテート(CHCOO)のうち、2つはMである亜鉛とMであるセリウムとを架橋しており、残りの1つは亜鉛にのみ単座配位していることが確認された。
<ポリアルキレンカーボネートの製造>
上記で合成された多核金属錯体12.7mg(0.010mmol)を、アルゴン雰囲気下でオートクレーブ用内管に投入し、さらに第四級塩として酢酸テトラブチルアンモニウム(前記一般式(2)中、Rがn−ブチル基であり、Qが窒素原子であり、Xが前記一般式(5)で表されるアニオン性基であり、前記一般式(5)中、R17がメチル基(CH−)である。)を加えて触媒組成物とした後、オートクレーブにセットした。第四級塩の添加量は、多核金属錯体1.0モル当量に対して1.0モル当量とした。
次いで、オートクレーブ用内管にシクロヘキセンオキシドを2.0mL(20mmol)加え、オートクレーブ内を二酸化炭素で置換し、二酸化炭素の圧力を1.0MPaに昇圧した。100℃のオイルバスにオートクレーブをセットし、オートクレーブ内を撹拌しながら3時間加熱し、二酸化炭素とシクロヘキセンオキシドとを反応させた。反応後、オートクレーブを0℃に冷却し、さらに脱圧した。
次いで、反応生成物をジクロロメタンで希釈し、内部標準物質としてフェナントレン約100mgを正確に加え、ジクロロメタン溶液とした。得られたジクロロメタン溶液の一部を採取し、重水素化クロロホルムを用いて、H−NMRを測定し、転化率及びカーボネートリンケージを決定した。
ジクロロメタン溶液をシリカゲルカラムに通して触媒組成物を除去した後、溶媒を減圧留去することで、前記一般式(6)で表される構造であり、白色のポリアルキレンカーボネートを得た。
得られたポリアルキレンカーボネートの数平均分子量をGPCにより、ポリスチレン換算で求めた。溶媒としてはテトラヒドロフランを用いた。結果を表1に示す。
また、ポリアルキレンカーボネートの末端基(前記一般式(6)中のR18)の同定を行った。同定は、trans−2−[3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチル−2−プロペニリデン]マロノニトリル(DCTB)をマトリックスとしてマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI−TOF−MS)により行った。MALDI−TOF MSスペクトルを図2に示す。図2の結果より、実施例1で得られたポリアルキレンカーボネートは、下記一般式(6−1)で表される化合物であることが示された。
Figure 2019151749
「実施例2〜5」
多核金属錯体1.0モル当量に対する第四級塩の添加量を表1に示す値となるように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリアルキレンカーボネートを製造し、得られたポリアルキレンカーボネートの数平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
「実施例6」
第四級塩として安息香酸テトラブチルアンモニウム(前記一般式(2)中、Rがn−ブチル基であり、Qが窒素原子であり、Xが前記一般式(5)で表されるアニオン性基であり、前記一般式(5)中、R17がフェニル基(C−)である。)を用い、添加量を多核金属錯体1.0モル当量に対して10.0モル当量とした以外は、実施例1と同様にしてポリアルキレンカーボネートを製造し、得られたポリアルキレンカーボネートの数平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
また、得られたポリアルキレンカーボネートについて、実施例1と同様にして末端基の同定を行った。MALDI−TOF MSスペクトルを図3に示す。図3の結果より、実施例6で得られたポリアルキレンカーボネートは、下記一般式(6−2)で表される化合物であることが示された。
Figure 2019151749
「実施例7」
第四級塩として4−クロロ安息香酸テトラブチルアンモニウム(前記一般式(2)中、Rがn−ブチル基であり、Qが窒素原子であり、Xが前記一般式(5)で表されるアニオン性基であり、前記一般式(5)中、R17が4−クロロフェニル基(4−Cl−C−)である。)を用い、添加量を多核金属錯体1.0モル当量に対して10.0モル当量とした以外は、実施例1と同様にしてポリアルキレンカーボネートを製造し、得られたポリアルキレンカーボネートの数平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
また、得られたポリアルキレンカーボネートについて、実施例1と同様にして末端基の同定を行った。MALDI−TOF MSスペクトルを図4に示す。図4の結果より、実施例7で得られたポリアルキレンカーボネートは、下記一般式(6−3)で表される化合物であることが示された。
Figure 2019151749
「実施例8」
第四級塩として4−ブロモ安息香酸テトラブチルアンモニウム(前記一般式(2)中、Rがn−ブチル基であり、Qが窒素原子であり、Xが前記一般式(5)で表されるアニオン性基であり、前記一般式(5)中、R17が4−ブロモフェニル基(4−Br−C−)である。)を用い、添加量を多核金属錯体1.0モル当量に対して10.0モル当量とした以外は、実施例1と同様にしてポリアルキレンカーボネートを製造し、得られたポリアルキレンカーボネートの数平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
また、得られたポリアルキレンカーボネートについて、実施例1と同様にして末端基の同定を行った。MALDI−TOF MSスペクトルを図5に示す。図5の結果より、実施例8で得られたポリアルキレンカーボネートは、下記一般式(6−4)で表される化合物であることが示された。
Figure 2019151749
「実施例9」
第四級塩として4−ビニル安息香酸テトラブチルアンモニウム(前記一般式(2)中、Rがn−ブチル基であり、Qが窒素原子であり、Xが前記一般式(5)で表されるアニオン性基であり、前記一般式(5)中、R17が4−ビニルフェニル基(4−CH=CH−C−)である。)を用い、添加量を多核金属錯体1.0モル当量に対して10.0モル当量とした以外は、実施例1と同様にしてポリアルキレンカーボネートを製造し、得られたポリアルキレンカーボネートの数平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
また、得られたポリアルキレンカーボネートについて、実施例1と同様にして末端基の同定を行った。MALDI−TOF MSスペクトルを図6に示す。図6の結果より、実施例9で得られたポリアルキレンカーボネートは、下記一般式(6−5)で表される化合物であることが示された。
Figure 2019151749
「比較例1」
第四級塩を添加しなかった以外は、実施例1と同様にしてポリアルキレンカーボネートを製造し、得られたポリアルキレンカーボネートの数平均分子量を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2019151749
表1から明らかなように、各実施例で得られたポリアルキレンカーボネートは、比較例1で得られたポリアルキレンカーボネートに比べて数平均分子量が低かった。ポリアルキレンカーボネートの数平均分子量は、第四級塩の添加量で調節できた。
また、各実施例で得られたポリアルキレンカーボネートは、末端に第四級塩に応じた官能基を有していた。

Claims (9)

  1. 二酸化炭素とエポキシドとの反応に用いられる触媒組成物であって、
    下記一般式(1)で表される多核金属錯体と、下記一般式(2)で表される化合物とを含有する、触媒組成物。
    LM ・・・(1)
    (式(1)中、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、Mは周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、LはM及びMの配位子であり、m及びnはそれぞれ1以上の整数である。)
    QX ・・・(2)
    (式(2)中、Rはアルキル基又はアリール基であり、Qは窒素原子またはリン原子であり、Xはアニオン性基である。)
  2. 前記一般式(1)中のLが下記一般式(3)で表される配位子である、請求項1に記載の触媒組成物。
    Figure 2019151749
    (式(3)中、R〜Rは各々独立にアルキレン基であり、R〜R10は各々独立に水素原子又はアルキル基であるか、あるいはR及びR10、R及びR、R及びRがMとなり互いに結合してもよく、R11〜R16は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、Xはアニオン性基である。)
  3. 前記多核金属錯体が下記一般式(4)で表される錯体である、請求項1又は2に記載の触媒組成物。
    Figure 2019151749
    (式(4)中、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、Mは周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、R11〜R16は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、Xはアニオン性基である。)
  4. 前記一般式(1)中のMが亜鉛であり、Mがランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の触媒組成物。
  5. 前記一般式(2)中のQが窒素原子であり、Xが下記一般式(5)で表されるアニオン性基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の触媒組成物。
    17COO ・・・(5)
    (式(5)中、R17はアルキル基又はアリール基である。)
  6. 前記一般式(5)中のR17が炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基である、請求項5に記載の触媒組成物。
  7. 下記一般式(6)で表される、ポリアルキレンカーボネート。
    Figure 2019151749
    (式(6)中、R18はアルキル基又はアリール基であり、pは1以上の整数である。)
  8. 前記一般式(6)中のR18が炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数6〜15のアリール基である、請求項7に記載のポリアルキレンカーボネート。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の触媒組成物の存在下で、二酸化炭素とエポキシドとを反応させる、ポリアルキレンカーボネートの製造方法。
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