JP2022156371A - 触媒組成物、ポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、及びポリカプロラクトン、並びにこれらの製造方法 - Google Patents

触媒組成物、ポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、及びポリカプロラクトン、並びにこれらの製造方法 Download PDF

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和志 真島
Kazuyuki Majima
春樹 長江
Haruki Nagae
慎也 明比
Shinya AKEBI
史彦 清水
Fumihiko Shimizu
洋平 小西
Yohei Konishi
啓司 山元
Keiji Yamamoto
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Abstract

【課題】末端シアノ基や末端ケトン基を有するポリマーを容易に合成することができる触媒組成物を提供する。【解決手段】二酸化炭素とエポキシドとの反応、L-(-)-ラクチドの開環重合、又はε-カプロラクトンの開環重合に用いられる触媒組成物であって、式(1)で表される多核金属錯体と、式(2)又は(3)で表される化合物とを含有する触媒組成物。LM1mM2n・・・(1)(M1は周期表第12族に属する元素。M2は周期表第3族に属する元素又はランタノイド系元素。Lは配位子。m,nは1以上の整数。)TIFF2022156371000031.tif39140(X1はC数4~9の飽和又は不飽和の二価の炭化水素基。R1,R18~R21はH、メトキシ基等。)【選択図】図1

Description

本発明は、触媒組成物、ポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、及びポリカプロラクトン、並びにこれらの製造方法に関する。
開環重合を伴う重合系は非常に有用であり、開環重合反応は、ポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、ポリカプロラクトン等の製造に用いられている。これらのポリマーは多様な用途をもつ機能性樹脂であり、広く用いられている。また、近年、より高度な機能性材料としての利用を目的とした研究が活発に行われている。
その一例として、二酸化炭素とエポキシドの交互共重合による脂肪族ポリカーボネートの合成手法が、環境調和性に優れた手法として広く研究されている。
例えば、非特許文献1には、様々な単核及び二核有機金属錯体触媒(亜鉛、クロム、コバルト)を用いて、二酸化炭素とエポキシドとを反応させる方法が開示されている。
しかしながら、非特許文献1に記載の触媒では、二酸化炭素とエポキシドとの反応生成物(ポリアルキレンカーボネート)の分子量を制御することが困難であり、特に分子量の低いポリアルキレンカーボネートが得られにくい。このため、より高活性かつ分子量分布の狭いポリマーを与える触媒の開発が進められている。
一方で、得られるポリマーに新たな機能を持たせるための手法として、ポリマーの開始末端又は停止末端に官能基を導入する末端官能基化重合反応が挙げられる。末端官能基化重合反応では、ポリマー末端に様々な官能基を導入することでガラス転移温度などの制御や、グラフトモノマーとしての利用、さらなる官能基変換による利用を可能にするため、機能性樹脂の開発において非常に有効な手法である。
このような目的のもとに、特徴文献1には、末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネートを低分子量に制御しつつ容易に製造できる触媒組成物として、二酸化炭素とエポキシドとの反応に用いられる触媒組成物であって、下記一般式(1)で表される多核金属錯体と、下記一般式(2)で表されるアルコール化合物とを含有する触媒組成物が提案されている。
LM ・・・(1)
(式(1)中、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、Mは周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、LはM及びMの配位子であり、m及びnはそれぞれ1以上の整数である。)
OH ・・・(2)
(式(2)中、Rはアルキル基又はアリール基である。)
また、特許文献2には、二酸化炭素とエポキシドとの反応に用いられる触媒組成物であって、下記一般式(1)で表される多核金属錯体と、下記一般式(2)で表される化合物とを含有する触媒組成物が提案されている。
LM ・・・(1)
(式(1)中、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、Mは周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、LはM及びMの配位子であり、m及びnはそれぞれ1以上の整数である。)
QX ・・・(2)
(式(2)中、Rはアルキル基又はアリール基であり、Qは窒素原子またはリン原子であり、Xはアニオン性基である。)
G. W. Coates, D. R. Moore, Angew. Chem. Int. Ed. 2004, 43, 6618-6639.
特開2019-151742号公報 特開2019-151749号公報
開環重合系において、末端基を導入できる官能基は非常に限定的であり、水酸基やアミノ基などのヘテロ原子-水素結合を有する酸性度の高い化合物に限られている。このため、より効率よく様々な末端基をポリマー末端に導入する手法の開発が求められている。
本発明は、特許文献1,2では達成できなかった末端シアノ基や末端ケトン基を有するポリマーを容易に合成することができる触媒組成物と、この触媒組成物を用いたポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、又はポリカプロラクトンを提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の多核金属錯体に、新たな連鎖移動剤としてこれまで注目されてこなかった特定の構造を有する化合物を組み合わせて用いることで、従来技術では達成できなかった末端シアノ基や末端ケトン基のポリマーの合成に成功した。また、得られた末端官能基化ポリマーを用いて、さらなる修飾反応を行うことにより、これまでにない新たな機能性材料の創出が可能であると考え、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
[1] 二酸化炭素とエポキシドとの反応、L-(-)-ラクチドの開環重合、エチレンカーボネートの開環重合、又はε-カプロラクトンの開環重合に用いられる触媒組成物であって、下記一般式(1)で表される多核金属錯体と、下記一般式(2)又は(3)で表される化合物とを含有する、触媒組成物。
LMmMn ・・・(1)
(式(1)中、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、
は周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、LはM及びMの配位子であり、m及びnはそれぞれ1以上の整数である。)
Figure 2022156371000002
(式(2)中、Xは炭素数2~9の飽和又は不飽和の二価の炭化水素基を表し、Xが形成する環上に置換基を有していてもよい。)
Figure 2022156371000003
(式(3)中、R、R18~R21は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR22、CO22、COM′、C(O)N(R23、C(O)R22、SR22、SO22、SOR22、OSO22、P(O)(OR222-y(R23、CN、NHR22、N(R23、Si(OR233-x(R23、OSi(OR233-x(R23、NO、SOM′、POM′、P(O)(OR22M′、CF又はエポキシ含有基を表す。ここで、R23は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。R22は炭素数1~20の炭化水素基を表す。M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す。なお、R、R18~R21から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していてもよい。)
[2] 前記一般式(1)中のLが下記一般式(4)で表される配位子である、[1]に記載の触媒組成物。
Figure 2022156371000004
(式(4)中、R~Rは各々独立にアルキレン基であり、R~R10は各々独立に水素原子又はアルキル基であるか、あるいはR及びR10、R及びR、R及びRがMとなり互いに結合してもよく、R11~R16は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、Xはアニオン性基である。)
[3] 前記多核金属錯体が下記一般式(5)で表される錯体である、[2]に記載の触媒組成物。
Figure 2022156371000005
(式(5)中、M,Mは、前記一般式(1)におけるM,Mと同義であり、R11~R16,Xは、前記一般式(4)におけるR11~R16,Xと同義である。)
[4] 前記一般式(1)中のMが亜鉛であり、Mがランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属である、[1]~[3]のいずれかに記載の触媒組成物。
[5] 前記一般式(2)が、下記一般式(6)で表される、[1]~[4]のいずれかに記載の触媒組成物。
Figure 2022156371000006
(式(6)中、R24及びR25は各々独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。)
[6] 前記一般式(6)中のR24及びR25が、メチル基である、[5]に記載の触媒組成物。
[7] 前記一般式(3)中のR、R18、R20、R21が水素原子であり、R19がメトキシ基又はCFである、[1]~[6]のいずれかに記載の触媒組成物。
[8] 末端構造が下記一般式(7)又は(8)である、ポリアルキレンカーボネート。
[9] 末端構造が下記一般式(7)又は(8)である、ポリラクチド。
[10] 末端構造が一般式(7)又は(8)である、ポリカプロラクトン。
Figure 2022156371000007
(式(7)中、Xは炭素数4~9の飽和又は不飽和の二価の炭化水素基を表し、Xが形成する環上に置換基を有していてもよい。
式(8)中、R26~R30は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR22、CO22、COM′、C(O)N(R23、C(O)R22、SR22、SO22、SOR22、OSO22、P(O)(OR222-y(R23、CN、NHR22、N(R23、Si(OR233-x(R23、OSi(OR233-x(R23、NO、SOM′、POM′、P(O)(OR22M′、CF又はエポキシ含有基を表す。ここで、R23は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。R22は炭素数1~20の炭化水素基を表す。M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す。なお、R26~R30から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していてもよい。)
[11] [1]~[7]のいずれかに記載の触媒組成物の存在下で、二酸化炭素とエポキシドとを反応させる、ポリアルキレンカーボネートの製造方法。
[12] [1]~[7]のいずれかに記載の触媒組成物の存在下で、L-(-)-ラクチドを開環重合させる、ポリラクチドの製造方法。
[13] [1]~[7]のいずれかに記載の触媒組成物の存在下で、ε-カプロラクトンを開環重合させる、ポリカプロラクトンの製造方法。
本発明の触媒組成物によれば、従来技術では達成できなかった末端シアノ基や末端ケトン基ポリマーを容易に合成することができる。
具体的には、本発明の触媒組成物の存在下で、二酸化炭素とエポキシドとを反応させることで、末端シアノ基や末端ケトン基等の末端に官能基を有するポリアルキレンカーボネートを製造することができる。
また、本発明の触媒組成物の存在下で、L-(-)-ラクチドを開環重合させることで、末端シアノ基や末端ケトン基等の末端に官能基を有するポリラクチドを製造することができる。
更に、本発明の触媒組成物の存在下で、ε-カプロラクトンを開環重合させることで、末端シアノ基や末端ケトン基等の末端に官能基を有するポリカプロラクトンを製造することができる。
多核金属錯体のX線結晶構造解析により得られた結晶構造の一例を表す図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「低分子量」とは、後述の化合物(2)又は化合物(3)を添加する/しない以外は同様の重合条件で、化合物(2)又は化合物(3)を添加した時に、得られるポリマーの数平均分子量が、化合物(2)又は化合物(3)を添加しなかった時よりも低いことを意味する。
「数平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定される数平均分子量(ポリスチレン換算)である。
「末端」とは、ポリマー鎖の成長停止反応による停止末端を意味する。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値および上限値として含むことを意味する。
「触媒組成物」
本発明の触媒組成物は、二酸化炭素とエポキシドとの反応、L-(-)-ラクチドの開環重合、又はε-カプロラクトンの開環重合(以下、これらを「本発明の反応」と称す場合がある。)に用いられる触媒組成物であって、下記一般式(1)で表される多核金属錯体(以下、「多核金属錯体(1)」と称す場合がある。)と、下記一般式(2)又は(3)で表される化合物(以下、それぞれ「化合物(2)」「化合物(3)」と称す場合がある。)とを含有する。
LMmMn ・・・(1)
(式(1)中、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、
は周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、LはM及びMの配位子であり、m及びnはそれぞれ1以上の整数である。)
Figure 2022156371000008
(式(2)中、Xは炭素数2~9の飽和又は不飽和の二価の炭化水素基を表し、Xが形成する環上に置換基を有していてもよい。)
Figure 2022156371000009
(式(3)中、R、R18~R21は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR22、CO22、COM′、C(O)N(R23、C(O)R22、SR22、SO22、SOR22、OSO22、P(O)(OR222-y(R23、CN、NHR22、N(R23、Si(OR233-x(R23、OSi(OR233-x(R23、NO、SOM′、POM′、P(O)(OR22M′、CF又はエポキシ含有基を表す。ここで、R23は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。R22は炭素数1~20の炭化水素基を表す。M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す。なお、R、R18~R21から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していてもよい。)
<多核金属錯体(1)>
多核金属錯体(1)を表す前記一般式(1)において、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属である。Mとしては、具体的には、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)が挙げられる。これらの中でも、多核金属錯体の原料として入手が容易であり、毒性が低く、取り扱いやすく、高い触媒活性が得られる観点から、Mとしては亜鉛が好ましい。
mは1以上の整数であり、2以上が好ましく、3以上がより好ましい。また、mは20
以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下がさらに好ましい。mは3が特に好ましい。mが2以上の場合、m個のMは同一でもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
は周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属である。Mとしては、具体的には、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)が挙げられる。これらの中でも、多核金属錯体の原料として入手が容易であり、取り扱いやすく、高い触媒活性が得られる観点から、Mとしてはランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属が好ましく、その中でも特にランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウムが好ましく、ランタン、セリウムがより好ましい。
nは1以上の整数であり、5以下が好ましく、3以下がより好ましく、2以下がさらに好ましい。nは1が特に好ましい。nが2以上の場合、n個のMは同一でもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
LはM及びMの配位子である。Lとしては、下記一般式(4)で表される配位子が好ましい。
Figure 2022156371000010
(式(4)中、R~Rは各々独立にアルキレン基であり、R~R10は各々独立に水素原子又はアルキル基であるか、あるいはR及びR10、R及びR、R及びRがMとなり互いに結合してもよく、R11~R16は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、Xはアニオン性基である。)
~Rのアルキレン基の炭素数は1~10が好ましく、2~8がより好ましく、2~6がさらに好ましい。このようなアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、イソプロピレン基、n-ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基などが挙げられる。これらの中でも、メチレン基、エチレン基、イソプロピレン基が好ましく、イソプロピレン基がより好ましい。
~R16のアルキル基の炭素数は1~10が好ましく、2~8がより好ましく、2~6がさらに好ましい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基などが挙げられる。R~R10としては、R及びR10、R及びR、R及びRがMとなり互いに結合していることが好ましい。R11~R16としては、それぞれ水素原子、炭素数2~6のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
Xはアニオン性基である。Xとしては、下記一般式(9)又は(10)で表されるアニオン性基、NO 、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)などが挙げられる。
31COO ・・・(9)
(式(9)中、R31はアルキル基又はアリール基である。)
32SO ・・・(10)
(式(10)中、R32はアルキル基又はアリール基である。)
31及びR32のアルキル基の炭素数は、それぞれ1~3が好ましい。このようなアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
31及びR32のアリール基の炭素数は、それぞれ6~15が好ましい。このようなアリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などが挙げられる。
31及びR32のアルキル基、アリール基の水素原子の少なくとも一部は、ハロゲン原子、ビニル基、アルコキシ基等に置換されていてもよい。
31としては、メチル基、フェニル基、フェニル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子又はビニル基に置換されているものが好ましい。
32としては、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、その中でも特にアルキル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子に置換されているものが好ましく、CFがより好ましい。
上述した中でも、Xとしては、前記一般式(9)又は(10)で表されるアニオン性基、NO が好ましく、前記一般式(9)で表されるアニオン性基がより好ましい。
多核金属錯体(1)としては、下記一般式(5)で表される錯体(以下、「多核金属錯体(5)」と称す場合がある。)が好ましい。
Figure 2022156371000011
(式(5)中、M,Mは、前記一般式(1)におけるM,Mと同義であり、R11~R16,Xは、前記一般式(4)におけるR11~R16,Xと同義である。)
多核金属錯体(5)は、前記一般式(1)中のmが3であり、nが1である多核金属錯体(1)に相当する。
多核金属錯体(1)の製造方法としては特に制限されないが、例えば多核金属錯体(5)は以下のようにして製造される。
すなわち、多核金属錯体(5)は、M(X)・xHOと、M(X)・xHOと、2,3-ジヒドロキシベンゼン-1,4-ジカルボアルデヒドとを混合した後、得られた混合物に2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミンを滴下することで得られる。この反応は有機溶媒の存在下で行われてもよい。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類あるいはその誘導体;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類あるいはこれらのアルキル又はアリール誘導体;アセトン等のケトン類あるいはその誘導体などが挙げられる。これら有機溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<化合物(2)>
本発明の触媒組成物に含まれる化合物(2)は、前記一般式(2)で表される化合物である。
前記一般式(2)において、Xの炭素数2~9(Xは一般式(2)におけるケトン基の炭素原子を含まない)の飽和又は不飽和の二価の炭化水素基としては、炭素数2~9の、アルキレン基、アルケニレン基、ビニレン基等が挙げられる。具体的にはn-ブチレン基、ビニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基、ブタジエニレン基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数2~6のアルキレン基が好ましい。
また、Xが形成する環上に置換基を有する場合、該置換基としては、炭素数1~20アルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられる。
化合物(2)としては、下記一般式(6)で表される化合物(以下、「化合物(6)」と称す場合がある。)が好ましい。
Figure 2022156371000012
(式(6)中、R24及びR25は各々独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。)
一般式(6)におけるR24、R25の炭素数1~20のアルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基等の炭素数1~5のアルキル基が挙げられる。
一般式(6)におけるR24、R25は各々独立に、メチル基、エチル基、n-プロピル基であることが好ましく、共にメチル基であることがより好ましい。
化合物(2)の製造方法としては特に制限されないが、例えば、化合物(6)は、
J.Am.Chem.Soc.1955,77,24,6656-6658やScience of Synthesis,8b,1011-1140;2006に記載されている合成方法に従って製造される。
<化合物(3)>
本発明の触媒組成物に含まれる化合物(3)は、前記一般式(3)で表される化合物である。
化合物(3)を表す一般式(3)において、R、R18、R20、R21は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR22、CO22、COM′、C(O)N(R23、C(O)R22、SR22、SO22、SOR22、OSO22、P(O)(OR222-y(R23、CN、NHR22、N(R23、Si(OR233-x(R23、OSi(OR233-x(R23、NO、SOM′、POM′、P(O)(OR22M′、CF又はエポキシ含有基を表す。
上記ハロゲン原子としては、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
上記炭素数1~30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-デシル基、n-ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、p-メチルフェニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基が挙げられ、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、フェニル基が好ましい。
エポキシ含有基としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、α-ブチレンオキサイド、β-ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイド、α-メチルスチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類や、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、アリルグリシジルエーテル類、アリールグリシジルエーテル類等に基づくエポキシ含有基が挙げられる。
23およびR23の炭素数1~20の炭化水素基としては、
n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、及び、n-デシル基等の直鎖状アルキル基;
イソペンチル基(3-メチルブチル基)、t-ペンチル基(1,1-ジメチルプロピル基)、sec-ペンチル基(1-メチルブチル基)、2-メチルブチル基、ネオペンチル基(2,2-ジメチルプロピル基)、1,2-ジメチルプロピル基、及び、イソヘキシル基(4-メチルペンチル基)等の非環状アルキル基;
ペンテニル基、ヘキセニル基、スチリル基、及び、シンナミル基等のアルケニル基;
シクロペンチル基、2-メチルシクロペンチル基、3-メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、4-エチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、及び、デカヒドロナフチル基(ビシクロ[4,4,0]デシル基)等のシクロアルキル基;
フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、ビフェニル基、アントラセニル基、テルフェニル基、及び、フェナントレニル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基(2-フェニルエチル基)、9-フルオレニル基、ナフチルメチル基、及び、1-テトラリニル基等のアリールアルキル基;
トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、及び、デシルフェニル基等のアルキルアリール基;
が挙げられ、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、及び、n-デシル基等の直鎖状アルキル基が好ましい。
M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表すが、好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属である。
、R18~R21は、これらのうち、適宜選択された複数の基が互いに連結して、環員数5~8の、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよく、該環上に置換基を有していてもよいが、ここで形成される環としては、脂環式環、芳香族環が好ましい。また、この環上に置換基を有する場合、該置換基としてはアルキル基、アリール基が挙げられる。
好ましくはR、R18~R21としては、各々独立に、水素原子、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基、CF基等が挙げられる。
化合物(3)としては、特に、一般式(3)において、R、R18~R21が水素原子であり、R19がメトキシ基又はCFであるものが好ましい。
化合物(3)の製造方法としては特に制限されないが、例えば、Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 53, 10510 -10514に記載の合成方法に従って製造される。
<化合物(2)又は化合物(3)の含有量>
本発明の触媒組成物中の化合物(2)又は化合物(3)の含有量は、多核金属錯体(1)1モル当量に対して0.5~50モル当量が好ましく、1~30モル当量がより好ましく、1~20モル当量がさらに好ましい。化合物(2)又は化合物(3)の含有量が0.5モル当量以上であれば、触媒組成物が連鎖移動剤としての機能をより効果的に発現できる。よって、本発明の触媒組成物を本発明の反応に用いた際に、低分子量のポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、ポリカプロラクトンが得られやすくなる。化合物(2)又は化合物(3)の含有量が多くなるほどポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、ポリカプロラクトンの分子量が小さくなる傾向であるが、化合物(2)又は化合物(3)の含有量が多すぎると触媒活性が低下する恐れがある。化合物(2)又は化合物(3)の含有量が50モル当量以下であれば、触媒活性を良好に維持しつつ、低分子量のポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、ポリカプロラクトンが得られる。特に、化合物(2)又は化合物(3)の含有量が1~20モル当量であれば、触媒活性が向上する。
なお、本発明の触媒組成物には多核金属錯体(1)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。また、化合物(2)又は化合物(3)の1種のみが含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。また、本発明の触媒組成物には、化合物(2)と化合物(3)とが共に含まれていてもよいが、一般的には反応制御が容易となることから、化合物(2)又は化合物(3)の1種のみが含まれていることが好ましい。
本発明の触媒組成物が、化合物(2)及び化合物(3)を含む場合、これらの合計が上記好適含有量となるようにすることが好ましい。
<その他の成分>
本発明の触媒組成物は、上述した多核金属錯体(1)と化合物(2)又は化合物(3)のみからなるものでもよいが、多核金属錯体(1)と化合物(2)又は化合物(3)以外の成分(任意成分)を含有してもよい。ただし、本発明の効果を充分に発現させる観点から、多核金属錯体(1)と化合物(2)又は化合物(3)の含有量の合計が、触媒組成物の総質量に対して90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
<製造方法>
本発明の触媒組成物は、例えば多核金属錯体(1)に対する化合物(2)又は化合物(3)の比率が上述した範囲内となるように、多核金属錯体(1)と化合物(2)又は化合物(3)とを混合することで得られる。
<作用効果>
本発明の触媒組成物は、上述した多核金属錯体(1)と化合物(2)又は化合物(3)とを含有する。
多核金属錯体(1)と化合物(2)又は化合物(3)とを組み合わせて用いることで、連鎖移動剤としての機能が発現される。よって、本発明の触媒組成物を本発明の反応に用いた際に、末端に官能基を有し、低分子量であるポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、又はポリカプロラクトンが得られやすくなる。
[ポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、又はポリカプロラクトン]
本発明のポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、ポリカプロラクトンは、それぞれ、末端構造が下記一般式(7)又は(8)である、ポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、ポリカプロラクトンであり、本発明の触媒組成物を用いて、後述の本発明のポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、ポリカプロラクトンの製造方法により製造することができる。
Figure 2022156371000013
(式(7)中、Xは炭素数4~9の飽和又は不飽和の二価の炭化水素基を表し、Xが形成する環上に置換基を有していてもよい。
式(8)中、R26~R30は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR22、CO22、COM′、C(O)N(R23、C(O)R22、SR22、SO22、SOR22、OSO22、P(O)(OR222-y(R23、CN、NHR22、N(R23、Si(OR233-x(R23、OSi(OR233-x(R23、NO、SOM′、POM′、P(O)(OR22M′、CF又はエポキシ含有基を表す。ここで、R23は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。R22は炭素数1~20の炭化水素基を表す。M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す。なお、R26~R30から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していてもよい。)
一般式(7)において、Xは一般式(2)におけるXと同義であり、好ましいものも同じである。
一般式(8)において、R26~R30は一般式(3)におけるR,R18~R21と同義であり、好ましいものも同じである。
本発明のポリアルキレンカーボネートの数平均分子量は特に制限されず、反応時間等の反応条件にもよるが、1,000~150,000が好ましく、1,500~100,000がより好ましく、3,000~80,000がさらに好ましい。
本発明のポリアルキレンカーボネートとしては、具体的には以下一般式(7A),(8A)に示すものが挙げられる。
Figure 2022156371000014
(式(7A)中、Xは前記式(7)におけると同義であり、式(8A)中、R26~R30は前記式(8)におけると同義である。)
本発明のポリラクチドの数平均分子量は特に制限されず、反応時間等の反応条件にもよるが、1,000~150,000が好ましく、1,500~100,000がより好ましく、3,000~80,000がさらに好ましい。
本発明のポリラクチドとしては、具体的には下記一般式(7B),(8B)に示すものが挙げられる。
Figure 2022156371000015
(式(7B)中、Xは前記式(7)におけると同義であり、式(8B)中、R26~R30は前記式(8)におけると同義である。)
本発明のポリカプロラクトンの数平均分子量は特に制限されず、反応時間等の反応条件にもよるが、1,000~150,000が好ましく、1,500~100,000がより好ましく、3,000~80,000がさらに好ましい。
本発明のポリカプロラクトンとしては、具体的には下記一般式(7C),(8C)に示すものが挙げられる。
Figure 2022156371000016
(式(7C)中、Xは前記式(7)におけると同義であり、式(8C)中、R26~R30は前記式(8)におけると同義である。)
本発明のポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、ポリカプロラクトンは、末端に一般式(7)に示されるケトン基又は一般式(8)で示されるシアノ基を有するため、以下のような作用効果を示し、耐油性、耐薬品性、耐熱性等の物性改良に加え、多様な化合物と反応できる点で有用である。
(1) シアノ基は極性が高く、一般に材料に耐油性、耐薬品性、耐熱性を与える。
(2) シアノ基は、多様な官能基に変換できる。水やアルコールと反応しカルボン酸やアミド基を与えたり、還元することでアミン基を与えたりできる。所望の末端構造によって合成原料を変える必要はなく、シアノ基を持つ単一の材料から多様な材料グレードを創出できる。
(3) ケトン基は、求核付加反応を受けやすく、多様な官能基を誘導できる。
[ポリアルキレンカーボネート、ポリラクチド、又はポリカプロラクトンの製造方法]
<ポリアルキレンカーボネートの製造方法>
本発明のポリアルキレンカーボネートの製造方法は、本発明の触媒組成物の存在下で、二酸化炭素とエポキシドとを反応させることにより、ポリアルキレンカーボネートを製造する方法であり、前述の一般式(7)又は一般式(8)で表される末端構造を有するポリアルキレンカーボネートを容易かつ低分子量に製造することができる。
エポキシドとしては、モノエポキシドが好ましく、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1-ブテンオキシド、2-ブテンオキシド、イソブチレンオキシド、1-ペンテンオキシド、2-ペンテンオキシド、1-ヘキセンオキシド、1-オクテンオキシド、1-デセンオキシド、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、ビニルシクロヘキセンオキシド、3-フェニルプロピレンオキシド、3,3,3-トリフルオロプロピレンオキシド、3-ナフチルプロピレンオキシド、3-フェノキシプロピレンオキシド、3-ナフトキシプロピレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、3-トリメチルシリルオキシプロピレンオキシド、メチルグリシジルカーボネート、エチルグリシジルカーボネート、コレステリルグリシジルカーボネートなどが挙げられる。これらの中でも、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシドが好ましい。これらエポキシドは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
二酸化炭素の圧力は、0.1~20MPaが好ましく、0.2~10MPaがより好ましく、0.5~5MPaがさらに好ましい。
反応温度は、0~200℃が好ましく、50~150℃がより好ましい。
反応時間は、10分~240時間が好ましく、30分~80時間がより好ましく、1~10時間がさらに好ましい。
二酸化炭素とエポキシドとの反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法において行うことができ、さらに反応条件の異なる2段以上に分けて反応を行ってもよい。
二酸化炭素とエポキシドとの反応は、上述した本発明の触媒組成物の存在下で行われる。
本発明の触媒組成物の存在下で二酸化炭素とエポキシドとを反応させて得られるポリアルキレンカーボネートは、触媒組成物に含まれる化合物(2)中又は化合物(3)中のメチレン部位の酸性度が高いために、メチレン部位が末端に導入されることで、前記一般式(7)又は一般式(8)で表されるものとなる。
触媒組成物の使用量は、多核金属錯体1モルに対して、エポキシドが100~1,000,000モルとなる量が好ましく、より好ましくは200~100,000モルであり、さらに好ましくは500~10,000モルである。
二酸化炭素とエポキシドとの反応は、有機溶媒の存在下で行ってもよい。
有機溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、灯油等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類あるいはこれらのアルキル又はアリール誘導体;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、酪酸エチル等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類あるいはその誘導体;N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド類などが挙げられる。これら有機溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<ポリラクチドの製造方法>
本発明のポリラクチドの製造方法は、本発明の触媒組成物の存在下で、L-(-)-ラクチドを開環重合させることにより、ポリラクチドを製造する方法であり、前述の一般式(7)又は一般式(8)で表される末端構造を有するポリラクチドを容易かつ低分子量に製造することができる。
<ポリカプロラクトンの製造方法>
本発明のポリカプロラクトンの製造方法は、本発明の触媒組成物の存在下で、ε-カプロラクトンを開環重合させることにより、ポリカプロラクトンを製造するものであり、前述の一般式(7)又は一般式(8)で表される末端構造を有するポリカプロラクトンを容易かつ低分子量に製造することができる。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
[合成例1:多核金属錯体の合成]
酢酸セリウム(III)水和物(1.0モル当量)を含むメタノール及び水の混合溶液(メタノール:水=2:1)に、酢酸亜鉛二水和物(3.0モル当量)のメタノール溶液及び2,3-ジヒドロキシベンゼン-1,4-ジカルボアルデヒド(3.0モル当量)のクロロホルム溶液を加えて、室温(25℃)で30分撹拌した。引き続き、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(3.3モル当量)のクロロホルム溶液を滴下した。反応溶液を室温で18時間撹拌した後、全ての溶媒を減圧留去した。メタノール、ジエチルエーテル及びヘキサンを用いて、得られた反応生成物を再結晶化させた。濾過により溶媒を除去した後、80℃で真空乾燥させ、前記一般式(5)中、Mが亜鉛であり、Mがセリウムであり、XがCHCOOである多核金属錯体を得た。得られた多核金属錯体は、アルゴン下、グローブボックス内で保管した。
得られた多核金属錯体の結晶をミネラルオイルとともにCryoLoop(HamptonResearch社製)上にセットし、-160℃に冷却し、単結晶X線回折装置(株式会社リガク製、「XtaLAB P200システム」、グラファイトで単色化したM
o-Kα線(0.71075Å)を用いて回折強度測定を行った。
プログラムSIR-92を用いて直接法で構造決定し、SHELXL-2013によって観測された反射のF2に対して、フルマトリクス最小2乗法により精密化を行った。なお、水素以外のすべての原子について、異方性温度因子により構造精密化を行い、水素原子の位置は計算により定め、等方性温度因子により構造精密化を行った。
X線結晶構造解析により得られた結晶構造を図1に示す。なお、図1に示す結晶構造において、全ての水素原子は省略した。
図1から明らかなように、3つのアニオン性基(X)であるアセテート(CHCOO)のうち、2つはMである亜鉛とMであるセリウムとを架橋しており、残りの1つは亜鉛にのみ単座配位していることが確認された。
[実施例1:ポリアルキレンカーボネートの製造]
Figure 2022156371000017
上記で合成された多核金属錯体12mg(0.010mmol)を、アルゴン雰囲気下でオートクレーブ用内管に投入し、さらにジメドンを加えて触媒組成物とした後、オートクレーブにセットした。ジメドンの添加量は、多核金属錯体1.0モル当量に対して20.0モル当量とした。
次いで、オートクレーブ用内管にシクロヘキセンオキシドを2.0mL(20mmol)加え、オートクレーブ内を二酸化炭素で置換し、二酸化炭素の圧力を1.0MPaに昇圧した。100℃のオイルバスにオートクレーブをセットし、オートクレーブ内を撹拌しながら3時間加熱し、二酸化炭素とシクロヘキセンオキシドとを反応させた。反応後、オートクレーブを0℃に冷却し、さらに脱圧した。
次いで、反応生成物をジクロロメタンで希釈し、内部標準物質としてフェナントレン約50mgを正確に加え、ジクロロメタン溶液とした。得られたジクロロメタン溶液の一部を採取し、重水素化クロロホルムを用いて、H-NMRを測定し、転化率を決定した。
ジクロロメタン溶液をシリカゲルカラムに通して触媒組成物を除去した後、溶媒を減圧留去することで、白色のポリアルキレンカーボネートを得た。
[実施例2:ポリアルキレンカーボネートの製造]
Figure 2022156371000018
上記で合成された多核金属錯体6.4mg(0.005mmol)を、アルゴン雰囲気下でオートクレーブ用内管に投入し、さらに2-(4-(メトキシ)フェニル)アセトニトリルを加えて触媒組成物とした後、オートクレーブにセットした。2-(4-(メトキシ)フェニル)アセトニトリルの添加量は、多核金属錯体1.0モル当量に対して20.0モル当量とした。
次いで、オートクレーブ用内管にシクロヘキセンオキシドを2.0mL(20mmol)加え、オートクレーブ内を二酸化炭素で置換し、二酸化炭素の圧力を1.0MPaに昇圧した。100℃のオイルバスにオートクレーブをセットし、オートクレーブ内を撹拌しながら3時間加熱し、二酸化炭素とシクロヘキセンオキシドとを反応させた。反応後、オートクレーブを0℃に冷却し、さらに脱圧した。
次いで、反応生成物をジクロロメタンで希釈し、ジクロロメタン溶液とした。得られたジクロロメタン溶液の一部を採取し、重水素化クロロホルムを用いて、H-NMRを測定し、転化率及びカーボネートリンケージを決定した。
ジクロロメタン溶液をシリカゲルカラムに通して触媒組成物を除去した後、溶媒を減圧留去することで、白色のポリアルキレンカーボネートを得た。
[実施例3:ポリラクチドの製造]
Figure 2022156371000019
上記で合成された多核金属錯体6.4mg(0.005mmol)を、アルゴン雰囲気下でバイアル管に投入し、2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトニトリルとシクロヘキセンオキシドを加えて触媒組成物とした後、さらにL-ラクチドとトルエン2mLを加えて密閉し、100℃アルミプレートで18時間加熱した。2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトニトリルの添加量は、多核金属錯体1.0モル当量に対して20.0モル当量とし、シクロヘキセンオキシドの添加量は、多核金属錯体1.0モル当量に対して200.0モル当量とした。
反応後、反応生成物をジクロロメタンで希釈し、ジクロロメタン溶液とした。得られたジクロロメタン溶液の一部を採取し、重水素化クロロホルムを用いて、H-NMRを測定し、転化率を決定した。
ジクロロメタン溶液をシリカゲルカラムに通して触媒組成物を除去した後、溶媒を減圧留去することで、白色のポリラクチドを得た。
[実施例4:ポリカプロラクトンの製造]
Figure 2022156371000020
上記で合成された多核金属錯体6.4mg(0.005mmol)を、アルゴン雰囲気下でバイアル管に投入し、2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトニトリルとシクロヘキセンオキシドを加えて触媒組成物とした後、さらにε-カプロラクトンとトルエン2mLを加えて密閉し、100℃アルミプレートで18時間加熱した。2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトニトリルの添加量は、多核金属錯体1.0モル当量に対して20.0モル当量とし、シクロヘキセンオキシドの添加量は、多核金属錯体1.0モル当量に対して200.0モル当量とした。
反応後、反応生成物をジクロロメタンで希釈し、ジクロロメタン溶液とした。得られたジクロロメタン溶液の一部を採取し、重水素化クロロホルムを用いて、H-NMRを測定し、転化率を決定した。
ジクロロメタン溶液をシリカゲルカラムに通して触媒組成物を除去した後、溶媒を減圧留去することで、白色のポリカプロラクトンを得た。
[比較例1]
Figure 2022156371000021
上記で合成された多核金属錯体6.4mg(0.005mmol)を、アルゴン雰囲気下でバイアル管に投入し、第4級アンモニウムカルボキシレート塩とシクロヘキセンオキシドを加えて触媒組成物とした後、さらにL-ラクチドとトルエン2mLを加えて密閉し、100℃アルミプレートで18時間加熱した。第4級アンモニウムカルボキシレート塩の添加量は、多核金属錯体1.0モル当量に対して20.0モル当量とし、シクロヘキセンオキシドの添加量は、多核金属錯体1.0モル当量に対して200.0モル当量とした。
反応後、反応生成物をジクロロメタンで希釈し、ジクロロメタン溶液とした。得られたジクロロメタン溶液の一部を採取し、重水素化クロロホルムを用いて、H-NMRを測定し、転化率を決定した。
ジクロロメタン溶液をシリカゲルカラムに通して触媒組成物を除去した後、溶媒を減圧留去することで、白色のポリラクチドを得た。
[比較例2]
Figure 2022156371000022
上記で合成された多核金属錯体6.4mg(0.005mmol)を、アルゴン雰囲気下でバイアル管に投入し、第4級アンモニウムカルボキシレート塩とシクロヘキセンオキシドを加えて触媒組成物とした後、さらにε-カプロラクトンとトルエン2mLを加えて密閉し、100℃アルミプレートで18時間加熱した。2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)アセトニトリルの添加量は、多核金属錯体1.0モル当量に対して20.0モル当量とし、シクロヘキセンオキシドの添加量は、多核金属錯体1.0モル当量に対して200.0モル当量とした。
反応後、反応生成物をジクロロメタンで希釈し、ジクロロメタン溶液とした。得られたジクロロメタン溶液の一部を採取し、重水素化クロロホルムを用いて、H-NMRを測定し、転化率を決定した。
ジクロロメタン溶液をシリカゲルカラムに通して触媒組成物を除去した後、溶媒を減圧留去することで、白色のポリカプロラクトンを得た。

Claims (13)

  1. 二酸化炭素とエポキシドとの反応、L-(-)-ラクチドの開環重合、又はε-カプロラクトンの開環重合に用いられる触媒組成物であって、
    下記一般式(1)で表される多核金属錯体と、下記一般式(2)又は(3)で表される化合物とを含有する、触媒組成物。
    LMmMn ・・・(1)
    (式(1)中、Mは周期表第12族に属する元素から選ばれる1種以上の金属であり、
    は周期表第3族に属する元素及びランタノイド系元素から選ばれる1種以上の金属であり、LはM及びMの配位子であり、m及びnはそれぞれ1以上の整数である。)
    Figure 2022156371000023
    (式(2)中、Xは炭素数2~9の飽和又は不飽和の二価の炭化水素基を表し、Xが形成する環上に置換基を有していてもよい。)
    Figure 2022156371000024
    (式(3)中、R、R18~R21は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR22、CO22、COM′、C(O)N(R23、C(O)R22、SR22、SO22、SOR22、OSO22、P(O)(OR222-y(R23、CN、NHR22、N(R23、Si(OR233-x(R23、OSi(OR233-x(R23、NO、SOM′、POM′、P(O)(OR22M′、CF又はエポキシ含有基を表す。ここで、R23は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。R22は炭素数1~20の炭化水素基を表す。M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す。なお、R、R18~R21から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していてもよい。)
  2. 前記一般式(1)中のLが下記一般式(4)で表される配位子である、請求項1に記載の触媒組成物。
    Figure 2022156371000025
    (式(4)中、R~Rは各々独立にアルキレン基であり、R~R10は各々独立に水素原子又はアルキル基であるか、あるいはR及びR10、R及びR、R及びRがMとなり互いに結合してもよく、R11~R16は各々独立に水素原子又はアルキル基であり、Xはアニオン性基である。)
  3. 前記多核金属錯体が下記一般式(5)で表される錯体である、請求項2に記載の触媒組成物。
    Figure 2022156371000026
    (式(5)中、M,Mは、前記一般式(1)におけるM,Mと同義であり、R11~R16,Xは、前記一般式(4)におけるR11~R16,Xと同義である。)
  4. 前記一般式(1)中のMが亜鉛であり、Mがランタノイド系元素から選ばれる1種
    以上の金属である、請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒組成物。
  5. 前記一般式(2)が、下記一般式(6)で表される、請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒組成物。
    Figure 2022156371000027
    (式(6)中、R24及びR25は各々独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。)
  6. 前記一般式(6)中のR24及びR25が、メチル基である、請求項5に記載の触媒組成物。
  7. 前記一般式(3)中のR、R18、R20、R21が水素原子であり、R19がメトキシ基又はCFである、請求項1~6のいずれか一項に記載の触媒組成物。
  8. 末端構造が下記一般式(7)又は(8)である、ポリアルキレンカーボネート。
    Figure 2022156371000028
    (式(7)中、Xは炭素数4~9の飽和又は不飽和の二価の炭化水素基を表し、Xが形成する環上に置換基を有していてもよい。
    式(8)中、R26~R30は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR22、CO22、COM′、C(O)N(R23、C(O)R22、SR22、SO22、SOR22、OSO22、P(O)(OR222-y(R23、CN、NHR22、N(R23、Si(OR233-x(R23、OSi(OR233-x(R23、NO、SOM′、POM′、P(O)(OR22M′、CF又はエポキシ含有基を表す。ここで、R23は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。R22は炭素数1~20の炭化水素基を表す。M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す。なお、R26~R30から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していてもよい。)
  9. 末端構造が下記一般式(7)又は(8)である、ポリラクチド。
    Figure 2022156371000029
    (式(7)中、Xは炭素数4~9の飽和又は不飽和の二価の炭化水素基を表し、Xが形成する環上に置換基を有していてもよい。
    式(8)中、R26~R30は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR22、CO22、COM′、C(O)N(R23、C(O)R22、SR22、SO22、SOR22、OSO22、P(O)(OR222-y(R23、CN、NHR22、N(R23、Si(OR233-x(R23、OSi(OR233-x(R23、NO、SOM′、POM′、P(O)(OR22M′、CF又はエポキシ含有基を表す。ここで、R23は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。R22は炭素数1~20の炭化水素基を表す。M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す。なお、R26~R30から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していてもよい。)
  10. 末端構造が下記一般式(7)又は(8)である、ポリカプロラクトン。
    Figure 2022156371000030
    (式(7)中、Xは炭素数4~9の飽和又は不飽和の二価の炭化水素基を表し、Xが形成する環上に置換基を有していてもよい。
    式(8)中、R26~R30は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR22、CO22、COM′、C(O)N(R23、C(O)R22、SR22、SO22、SOR22、OSO22、P(O)(OR222-y(R23、CN、NHR22、N(R23、Si(OR233-x(R23、OSi(OR233-x(R23、NO、SOM′、POM′、P(O)(OR22M′、CF又はエポキシ含有基を表す。ここで、R23は水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基を表す。R22は炭素数1~20の炭化水素基を表す。M′は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウム又はフォスフォニウムを表し、xは0~3の整数、yは0~2の整数を表す。なお、R26~R30から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、又は酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。この時、環員数は5~8であり、該環上に置換基を有していてもよい。)
  11. 請求項1~7のいずれか一項に記載の触媒組成物の存在下で、二酸化炭素とエポキシドとを反応させる、ポリアルキレンカーボネートの製造方法。
  12. 請求項1~7のいずれか一項に記載の触媒組成物の存在下で、L-(-)-ラクチドを開環重合させる、ポリラクチドの製造方法。
  13. 請求項1~7のいずれか一項に記載の触媒組成物の存在下で、ε-カプロラクトンを開環重合させる、ポリカプロラクトンの製造方法。
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