JP2019151579A - 魚類用dnaワクチン - Google Patents

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秀裕 近藤
育生 廣野
Ikuo Hirono
育生 廣野
圭吾 小林
Keigo Kobayashi
圭吾 小林
久美子 都留
Kumiko Tsuru
久美子 都留
穣 福田
Minoru Fukuda
穣 福田
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Abstract

【課題】本発明の目的は、効果的なハダムシ症の治療及び予防方法を提供することである。【解決手段】前記課題は、本発明のベネデニア・セリオラエ(Benedenia seriolae)又はネオベネデニア・ギレラエ(Neobenedenia girellae)の、ヒスチジン、アスパラギン酸、及びセリンを活性中心に含むセリンプロテアーゼ若しくはその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むDNA、又は前記DNAを含む発現ベクターを有効成分として含むことを特徴とする、魚類用DNAワクチンによって解決することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、魚類用DNAワクチンに関する。本発明によれば、魚類に対する単生綱寄生虫、例えばハダムシの寄生を効果的に抑制することができる。
魚介類を代表とする多くの水生生物の養殖産業において、閉鎖系である養殖領域での寄生虫疾病は、個体が高密度に存在していることから、それらの感染の影響は大きく、養殖産業において深刻な問題となっている。
例えば、ブリ、カンパチ、ヒラマサなどのブリ属魚類の養殖における寄生虫感染として、ハダムシ症が問題となっている。ハダムシ症は主にベネデニア属(Benedenia)又はネオベネデニア属(Neobenedenia)(以下、ハダムシと称することがある)の寄生によって引き起こされる寄生虫症である。ハダムシは、ブリ属魚類の体表に寄生することで、糜爛を引き起こし、他の感染症の二次感染の原因になると考えられている(非特許文献1)。具体的には、表皮の粘液過多、又は魚体の成長不良の原因となり、更にブリなどがハダムシを排除するために魚体を生簀の網地に擦り付ける行動をとり、体表のすれ傷を誘引し、日和見感染の原因となることもある。
このハダムシ症に対して、特許文献1には、ココアパウダー又はカカオ豆の豆殻を含む寄生虫症抑制剤が開示されている。また、特許文献2には、ぶどうポリフェノール含む寄生虫予防及び駆除用飼料添加物が開示されている。
特開2006−61107号公報 特開2005−350429号公報
「ジャパン・ジャーナル・オブ・ベテリナリー・パラザイトロジー(Japanese Journal of Veterinary Parasitology)」2016年(日本)第15巻、p.100-110
更に、ハダムシ症の対策として、淡水浴が行われている(非特許文献1)。ハダムシは、淡水に耐性が低く、淡水中では宿主に付着できなくなり、宿主から離れてしまう。従って、淡水浴はハダムシ症に対して有効な方法である。しかしながら、魚類を淡水に置くことは、酸欠などを起こす場合もあり、魚類にとってストレスである。また、養殖業者にとっても、作業負担となっていた。
従って、本発明の目的は、効果的なハダムシ症の治療及び予防方法を提供することである。
本発明者は、効果的なハダムシ症の治療及び予防方法について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、ベネデニア・セリオラエのセリンプロテアーゼをコードするDNAを有するプラスミドをヒラマサに投与したところ、魚体に付着するハダムシの虫体数を抑制できることを見出した。また、魚類の生残率が改善できることを見いだした。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1]ベネデニア・セリオラエ(Benedenia seriolae)又はネオベネデニア・ギレラエ(Neobenedenia girellae)の、ヒスチジン、アスパラギン酸、及びセリンを活性中心に含むセリンプロテアーゼ若しくはその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むDNA、又は前記DNAを含む発現ベクターを有効成分として含むことを特徴とする、魚類用DNAワクチン、
[2]前記セリンプロテアーゼが、配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列からなるセリンプロテアーゼである、[1]に記載の魚類用DNAワクチン、
[3]前記セリンプロテアーゼが、(1)配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、(2)配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換、又は付加されたアミノ酸配列を含み、しかも、前記DNAワクチンがハダムシの除去効果を有するポリペプチド、又は(3)配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列との同一性が80%以上であり、しかも前記DNAワクチンがハダムシの除去効果を有するポリペプチド、又はそれらの抗原性断片である、[1]に記載の魚類用DNAワクチン、
[4]前記ヌクレオチド配列が、(1)配列番号24〜46で表されるヌクレオチド配列、(2)配列番号24〜46で表されるヌクレオチド配列との相同性が80%以上であり、しかも前記DNAワクチンがハダムシの除去効果を有するヌクレオチド配列、又は(3)前記ヌクレオチド配列(1)又は(2)において、ブリ属魚類のコドン使用頻度を元に改変したヌクレオチド配列である、[1]に記載の魚類用DNAワクチン、
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の魚類用DNAワクチンを魚に投与することを特徴とする、単生綱寄生虫症の予防又は治療方法、
[6]前記魚がスズキ目、フグ目、又はカレイ目に属する魚である、[5]に記載の方法、及び
[7][1]〜[4]のいずれかに記載の魚類用DNAワクチンの、海産魚の単生綱寄生虫症に対する免疫応答の誘発への使用、
に関する。
本発明の魚類用DNAワクチンによれば、魚類に単生綱寄生虫のセリンプロテアーゼに対する免疫反応を誘導し、単生綱寄生虫症、例えばハダムシ症を治療又は予防することができる。具体的には、本発明の魚類用DNAワクチンは、魚体への単生綱寄生虫(例えば、ベネデニア・セリオラエ(Benedenia seriolae)又はネオベネデニア・ギレラエ(Neobenedenia girellae))の付着を防止できる。更に、本発明の魚類用DNAワクチンは、養殖されている魚類、例えばブリ属魚類の生残率を改善することができる。
本発明のDNAワクチンに用いるベネデニア・セリオラエの23種のセリンプロテアーゼのアラインメントを示した図である。 DNAワクチンの接種によるハダムシのヒラマサの表皮への寄生数を示したグラフである。 DNAワクチン接種後のヒラマサの生残率(斃死率)を示したグラフである。
[1]魚類用DNAワクチン
本発明の魚類用DNAワクチンは、ベネデニア・セリオラエ(Benedenia seriolae)又はネオベネデニア・ギレラエ(Neobenedenia girellae)の、ヒスチジン、アスパラギン酸、及びセリンを活性中心に含むセリンプロテアーゼ、若しくはその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むDNA、又は前記DNAを含む発現ベクターを有効成分として含む。
《単生綱寄生虫症》
本発明の魚類用DNAワクチンが適用可能な疾患は、特に限定されるものではないが、例えば、寄生時にセリンプロテアーゼを用いて宿主(主として魚類)の上皮組織、粘液、又は血液などを摂食する単生綱寄生虫の疾患に適用できる。
単生綱に属する寄生虫は、単後吸盤亜綱及び多後吸盤亜綱に分類される。単後吸盤亜綱に属する寄生虫としては、タンバンチュウ目の寄生虫(例えば、カギハダムシ科、及びタンバンチュウ科の寄生虫)、ハダムシ目の寄生虫(例えば、ハダムシ科、ギバンハダムシカ科の寄生虫)、サンダイチュウ目の寄生虫(例えば、サンダイチュウ科、タイヒレムシ科、ツツジラミ科、及びニヨセツカギムシ科の寄生虫)、及びシセンチュウ目の寄生虫(例えば、シセンチュウ科、ヨツメイカリ科、ナマズエラムシ科、ヒダエラムシ科、ニセユビガタムシ科、オウギエラムシ科、及びヨツカギムシ科の寄生虫)が挙げられる。
多後吸盤亜綱に属する寄生虫としては、ソウチツムシ属の寄生虫、エラムシ属の寄生虫、フセイチュウ属の寄生虫、及びコガタツカミムシ属の寄生虫が挙げられる。
(ハダムシ症)
前記単生綱寄生虫症の1つとしてハダムシ症が挙げられる。ハダムシ症は、例えばベネデニア・セリオラエ(Benedenia seriolae;ブリハダムシ)、ベネデニア・エピネフェリ(Benedenia epinepheli;マハダハダムシ)、ベネデニア・ホシナイ(Benedenia hoshinai)、ベネデニア・セキイ(Benedenia sekii;マダイハダムシ)又はネオベネデニア・ギレラエ(Neobenedenia girellae;シンハダムシ)が、魚類の表皮に付着して発症する寄生虫感染症である。前記ベネデニア・セリオラエ、ベネデニア・エピネフェリ、ベネデニア・ホシナイ、及びベネデニア・セキイは、前記の通り扁形動物門、単生綱、単後吸盤目、カプサラ科、ハダムシ属に属する寄生虫であり、ネオベネデニア・ギレラエは、カプサラ科、シンハダムシ属に属する寄生虫である。
ハダムシは、宿主魚の表皮細胞を栄養源としているため、寄生された魚類の表皮が極めて薄くなることがある。また、寄生の刺激によって、魚が養殖槽の璧面、底、及び排水管などの障害物に体をすりつけて、体表に損傷を生じることもある。この傷口がノカルジアなどの細菌の二次感染の侵入門戸となることもあり、患部の糜爛の原因となったり、更に二次感染によって魚が斃死する原因ともなっている。更に、ハダムシは、表皮の粘液細胞も食するため、寄生された魚の粘液分泌量が減少していると考えられる。一方で、寄生による炎症により、粘液量が増加することがある。
ベネデニア・セリオラエの宿主特異性は高く、ブリ、カンパチ、及びヒラマサ等のブリ属魚類に寄生する。ベネデニア・エピネフェリは、ハタ類、ヒラメ、トラフグなどの複数の魚種に寄生する。また、ベネデニア・ホシナイは、イシダイ及びイシガキダイに寄生し、ベネデニア・セキイは、マダイに寄生することが知られている。更に、オベネデニア・ギレラエは、宿主特異性が極めて低く、ブリ属魚類以外に、ヒラメ、トラフグ、マダイ、又はハタ類など15種以上の魚種への感染が報告されている。
(エラムシ症)
養殖魚に見られるエラムシ症は、多後吸盤亜綱に属する寄生虫を原因とするもの、及び単後吸盤亜綱に属する寄生虫を原因とするものに分けられる。
多後吸盤亜綱に属する、養殖魚に見られるエラムシとして、ソウチツムシ属に属するビバギナ・タイ(Bivagina tai;マダイソウチツムシ)、エラムシ属に属するヘテラキシネ・ヘテロセルカ(Heteraxine heterocerca;ブリエラムシ)、フセイチュウに属するゼウクサプタ・ジャポニカ(Zeuxapta japonica;ニホンフセイチュウ)、コガタツカミムシに属するミクロコチレ・セバスティス(Microcotyle sebastis;クロゾイコガタツカミムシ)が挙げられる。
前記ビバギナ・タイは、マダイに特異的に寄生する。ヘテラキシネ・ヘテロセルカは、養殖ブリに見られるが、カンパチにも寄生する。また、ゼウクサプタ・ジャポニカもヒラマサ、及びカンパチでの寄生が報告されている。更に、ミクロコチレ・セバスティスはクロイソに寄生する。エラムシは、鰓から吸血するため、重篤な寄生では貧血症状を呈することがある。また、慢性的な寄生によって、摂餌の低下、肥満度の低下及び成長不良などの症状が見られることがある。
単後吸盤亜綱に属するエラムシとして、ディクドフィラ科、サカテムシ属に属するヘテロボツリウム・オカモトイ(Heterobothrium okamotoi;トラフグサカテムシ)、及びディクドフィラ科、シンサカテムシ属に属するネオヘテロボツリウム・ヒラメ(Neoheterobothrium hirame;ヒラメシンサカテムシ)が挙げられる。これらのエラムシは宿主特異性が高く、ヘテロボツリウム・オカモトイはトラフグに寄生し、ネオヘテロボツリウム・ヒラメはヒラメに寄生する。これらのエラムシは、鰓腔壁又は口腔内に寄生し、重篤な寄生をうけた魚類は、貧血により鰓又は内臓が褪色する。また、摂餌が低下することがある。
更に、本発明のDNAワクチンは、淡水魚の単生綱寄生虫症にも有効である。淡水魚の単正孔寄生虫症として、ダクチロギルス症、シュードダクチロギルス症、及びギロダクチルス症が挙げられる。
《セリンプロテアーゼ》
本発明のDNAワクチンのヌクレオチド配列がコードしているセリンプロテアーゼは、ヒスチジン、アスパラギン酸、及びセリンを活性中心に含むセリンプロテアーゼである限りにおいて、特に限定されるものではない。図1に23種のハダムシのセリンプロテアーゼのアラインメントを示す。図に示すように、前記セリンプロテアーゼは、そのアミノ酸配列にヒスチジン、アスパラギン酸、及びセリンをその順番で含んでおり、これらの3つのアミノ酸が活性中心に存在している。前記23種のセリンプロテーゼのアミノ酸配列を、それぞれ配列番号1〜23に示す。
また、前記23種のセリンプロテアーゼのアミノ酸配列の同一性は、配列番号1に表されるハダムシセリンプロテアーゼ1に対して、19〜38%である。前記の通り、本発明のDNAワクチンに用いられるセリンプロテアーゼは、ハダムシ由来であり、ヒスチジン、アスパラギン酸、及びセリンを活性中心に含むセリンプロテアーゼである限りにおいて、特に限定されるものではないが、そのアミノ酸配列の同一性は、配列番号1に表されるハダムシセリンプロテアーゼ1のアミノ酸配列に対して、好ましくは15%以上であり、より好ましくは19%以上であり、より好ましくは20%以上であり、より好ましくは25%以上であり、更に好ましくは30%以上である。
本発明のDNAワクチンのヌクレオチド配列がコードしているセリンプロテアーゼの抗原性断片は、それらの抗原性断片が魚類に対して抗原性(免疫原性)を有する限りにおいて、特に限定されるものではない。例えば、数個のアミノ酸のペプチドでも、抗原性を有していることは公知である。従って、抗原性断片のアミノ酸配列の長さは、好ましくは5アミノ酸以上であり、より好ましくは10アミノ酸以上であり、より好ましくは30アミノ以上であり、より好ましくは50アミノ酸以上であり、より好ましくは100アミノ酸以上であり、より好ましくは150アミノ酸以上であり、より好ましくは200アミノ酸以上である。
また、抗原性断片のアミノ酸配列の長さは、それぞれのセリンプロテアーゼの全長のアミノ酸長に対して、好ましくは1/20以上であり、より好ましくは1/10以上であり、より好ましくは1/5以上であり、より好ましくは1/4以上であり、より好ましくは1/3以上であり、より好ましくは1/2以上である。
前記ハダムシのセリンプロテアーゼをコードするヌクレオチド配列を含むDNAワクチンは、ハダムシの除去効果を有しているが、この除去効果はセリンプロテアーゼのアミノ酸配列が有する抗原性(免疫原性)によるものである。より具体的には、配列番号1〜23に表されたアミノ酸配列からなるポリペプチドが、ハダムシの除去効果を示す抗原性(免疫原性)を有している。この抗原性(免疫原性)を有するアミノ酸配列は、全長のアミノ酸配列でなくてもよく、一部のアミノ酸配列によってもハダムシの除去効果を得ることができるが好ましくはセリンプロテアーゼの活性中心であるヒスチジン、アスパラギン酸、及びセリンを含む抗原性断片である。ヒスチジン、アスパラギン酸、及びセリンを含む抗原性断片は、セリンプロテアーゼの活性中心に存在する3つのアミノ酸を有し、活性中心の構造を有しているからである。
また、単生綱寄生虫症に対するワクチン効果を示す抗原性(免疫原性)は、特に限定されるものではない。ワクチン効果を示す抗原性(免疫原性)を有するアミノ酸配列は、いくつかの部分配列を用いて、ハダムシの除去効果を調べることにより、特定することは可能であり、当業者にとって、慣用技術である。ワクチン効果を示す抗原性(免疫原性)として、前記セリンプロテアーゼの活性中心の抗原性が挙げられる。
前記セリンプロテアーゼのアミノ酸配列は、野生型セリンプロテアーゼのアミノ酸配列が改変されたアミノ酸配列でもよい。以下、セリンプロテアーゼのアミノ酸配列が改変されたアミノ酸配列からなるポリペプチドを、改変ポリペプチドと称することがある。
具体的には、改変ポリペプチドは、(1)配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列を含む改変ポリペプチド(以下、改変ポリペプチド(1)と称することがある)、(2)配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換、又は付加(付加は、アミノ酸配列への挿入を含む)されたアミノ酸配列を含み、しかも、前記DNAワクチンがハダムシの除去効果を有する改変ポリペプチド(以下、改変ポリペプチド(2)と称することがある)、又は(3)配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列との同一性が80%以上であり、しかも前記DNAワクチンがハダムシの除去効果を有するポリペプチド(以下、改変ポリペプチド(3)と称することがある)を含む。
前記改変ポリペプチド(1)としては、セリンプロテアーゼ(例えば、配列番号1〜23のいずれかのセリンプロテアーゼ)と他のタンパク質との融合タンパク質が挙げられる。セリンプロテアーゼと融合する他のタンパク質は、セリンプロテアーゼの免疫原性を阻害しない限りにおいて特に限定されるものではないが、発現を向上させるためSOD又はTrpEを融合タンパク質を用いてもよく、His−tagなどのタグペプチドを用いることもできる。
また、前記改変ポリペプチド(2)は、配列番号1〜23で表されるアミノ酸配列のいずれかにおいて、1以上(例えば、1〜数個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、更に好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個、特に好ましくは1個)のアミノ酸の改変(例えば、欠失、置換、及び/又は付加)が生じたタンパク質であって、依然として本発明が適用される魚類に対して免疫を付与することのできるものを意味する。
更に、前記改変ポリペプチド(3)は、配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列との同一性が80%以上であるタンパク質であって、依然として本発明が適用される魚類に対して免疫を付与することのできるものを意味する。
本明細書における改変ポリペプチドは、より具体的には、アミノ酸の置換等により改変がなされたことを意味するが、これらの改変は本発明のDNAワクチンの優れた効果を維持した置換、欠失、又は付加(以下、保存的置換と称することがある)である。
本明細書において「保存的置換」とは、本発明のDNAワクチンの優れた効果が失われない置換を意味する。すなわち、前記置換、又は欠失、若しくは付加された場合であっても、前記DNAワクチンがハダムシの除去効果を有することを意味する。
「保存的置換」の具体的な態様としては、限定されるものではないが、1若しくは数個のアミノ酸残基を、別の化学的に類似したアミノ酸残基で置き換えることを挙げることができる。例えば、ある疎水性残基を別の疎水性残基によって置換する場合、ある極性残基を同じ電荷を有する別の極性残基によって置換する場合などが挙げられる。このような置換を行うことでできる機能的に類似のアミノ酸は、アミノ酸毎に当該技術分野において公知である。非極性(疎水性)アミノ酸としては、例えば、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニンなどが挙げられる。極性(中性)アミノ酸としては、例えば、グリシン、セリン、トレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、システインなどが挙げられる。正電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、リジンなどが挙げられる。また、負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。
また、本明細書において、アミノ酸配列における同一性とは、2種類のアミノ酸配列をコンピューター解析ソフト(SDCソフトウェア)にて比較解析し、同一種のアミノ酸が同じ位置に存在する場合にアミノ酸が2種類の配列で同一であるとして算出した同一性を意味する。
《ヌクレオチド配列》
本発明に用いるヌクレオチド配列は、前記セリンプロテアーゼ、改変ポリペプチド、又はそれらの抗原性断片をコードするヌクレオチド配列である限りにおいて、特に限定されるものではないが、好ましくは(1)配列番号24〜46で表されるヌクレオチド配列、(2)配列番号24〜46で表されるヌクレオチド配列との相同性が80%以上であり、しかも前記DNAワクチンがハダムシの除去効果を有するヌクレオチド配列、若しくは(3)前記ヌクレオチド配列(1)若しくは(2)において、ブリ属魚類、トラフグ、ヒラメ類、ハタ類、又はタイ類(例えば、イシダイ、マダイ、又はイシガキダイ)のコドン使用頻度を元に改変したヌクレオチド配列、又は前記ヌクレオチド配列(1)、(2)、又は(3)の部分配列であり、且つ前記抗原性断片をコードするヌクレオチド配列である。
前記ブリ類魚類、トラフグ、ヒラメ類、ハタ類、又はタイ類のコドン使用頻度を元に改変したヌクレオチド配列とは、以下のとおりである。1つのアミノ酸は複数のコドンにコードされていることが多いが、動物種によって複数のコドンの使用頻度が異なることがある。そのため、アミノ酸をコードするコドンを、例えばブリ属魚類トラフグ、ヒラメ類、ハタ類、又はタイ類(例えば、イシダイ、マダイ、又はイシガキダイ)のそれぞれにおいて使用頻度の低いコドンから使用頻度の高いコドンに変更することにより、魚類の生体内で発現されるセリンプロテアーゼ、改変ポリペプチド、又はそれらの抗原性断片の発現量を増加させることが可能となる。これによって、DNAワクチンの効果を向上させることが可能である。
本明細書において、ヌクレオチド配列における相同性とは、2種類のヌクレオチド配列をコンピューター解析ソフト(SDCソフトウェア)にて比較解析し、同一種のヌクレオチドが同じ位置に存在する場合にヌクレオチドが2種類の配列で同一であるとして算出した値を意味する。また、前記部分配列の長さは、その部分ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドが、ハダムシに対する免疫(体液性免疫及び細胞性免疫を含む)を生体内で誘導することができる限り、特に限定されるものではない。
また、セリンプロテアーゼ、改変ポリペプチド、又はそれらの抗原性断片をコードするヌクレオチド配列は、天然由来のものであっても、全合成したものであってもよく、また、天然由来のものの一部を利用して合成を行ったものでもよい。
《発現ベクター》
本発明に用いる発現ベクターは、魚類の細胞内で発現可能なベクターである限り、特に限定されるものではない。本発明に用いる発現ベクターは、自己複製ベクター、すなわち、染色体外の独立体として存在し、その複製が染色体の複製に依存しない、例えば、プラスミドを基本に構築することができる。また、前記発現ベクターは、宿主に導入されたとき、その宿主のゲノム中に取り込まれ、それが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであってもよい。本発明に用いることのできる発現ベクターの構築の手順及び方法は、遺伝子工学の分野で慣用されているものを用いることができる。
本発明で用いることのできる転写調節配列としては、例えば、構成プロモーター、誘導性又は調節性プロモーター、組織特異的プロモーター、又は発現されている抗原の遺伝子由来のプロモーター等が挙げられるが、魚類の細胞内で発現可能である限り、特にそれらに限定されない。構成プロモーターとしては、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)由来のプロモーター配列、又はラウス肉腫ウイルス(RSV)、シミアンウイルス−40(SV−40)、筋βアクチンプロモーター、又は単純ヘルペスウイルス(HSV)などの強力プロモーター等が挙げられる。組織特異的プロモーターとしては、例えば、チミヂンキナーゼプロモーター等が挙げられる。誘導性又は調節性プロモーターとしては、例えば、成長ホルモン調節性プロモーター、lacオペロン配列の制御下にあるプロモーター、又は亜鉛誘導性メタロチオネインプロモーターを挙げることができる。前記転写調節配列は、免疫原性ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に、操作可能に(すなわち、前記ヌクレオチド配列の発現を調節することができるように)結合させることができる。
前記調節配列は、プロモーター(例えば、前記誘導性又は構成性プロモーター)DNA配列を含む発現制御配列を含むことができ、所望により、更に、エンハンサー要素、転写又はポリアデニル化シグナル[例えば、シミアンウイルス−40(SV−40)又はウシ成長ホルモン由来]のスプライシングのためのイントロン配列、又はCpGモチーフとして知られている免疫刺激DNA配列のうち、1つ若しくはそれ以上のコピーを含むことができる。
また、発現ベクターは、所望により、例えば、細菌複製起点配列、あるいは、選別させるための抗生物質耐性(例えば、カナマイシンなど)遺伝子又は非抗生物質耐性遺伝子(例えば、β−ガラクトシダーゼ遺伝子など)等の選択性マーカーを含むことができる。
非メチル化CpGヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドは、免疫系を活性化することが知られている(A. Krieg et al., Nature, 1995, 374, 546-549)。フランキング配列に依存して、或るCpGモチーフはB細胞又はT細胞応答に対してより免疫刺激的であり、優先的にある種を刺激する。DNA発現ベクターにおけるCpGモチーフのコピーは、発現タンパク質に対する免疫応答を誘発するアジュバントとして作用する。CpGモチーフ、すなわち、特異化された配列内のCpGジヌクレオチドを含むDNA伸長部は、長さが5〜40塩基対程度から選ぶことができる。複数のCpGモチーフが、発現ベクターの非コード領域に挿入されてもよい。体液性応答が所望であるとき、好ましいCpGモチーフはCD8+T細胞応答を刺激することが知られているサイトカインの分泌を刺激するCpGモチーフである。
[2]単生綱寄生虫症の予防又は治療方法
本発明の単生綱寄生虫症の予防又は治療方法は、前記魚類用DNAワクチンを魚に投与することを特徴とするものである。
本発明の単生綱寄生虫症の予防又は治療方法が適用される疾患は、基本的に単生綱寄生虫症であるが、セリンプロテアーゼを寄生に用いる寄生虫症に有効に用いることができる。本発明の予防又は治療方法における単生綱寄生虫症は、前記「《単生綱寄生虫症》」の項に記載された疾患であるが、特にハダムシ症、又はエラムシ症に有効である。
本発明を適応することができる魚類としては、単生綱寄生虫が感染する可能性のある魚類である限り、特に限定されるものではないが、例えば、スズキ目に属する魚種(ブリ、カンパチ、クロダイ、マダイ、キジハタ等)、フグ目に属する魚種(トラフグ等)、又はカレイ目に属する魚種(ヒラメ等)が挙げられる。
DNAワクチンの接種法は、例えば、経口投与、筋肉内注射、腹腔内注射、遺伝子銃を用いた投与及び液浸が挙げられるが、好ましくは筋肉内注射、又は遺伝子銃を用いた投与である。遺伝子銃を用いた投与とは、プラスミドを1μm程の大きさの金粒子にコーティングし、高圧ヘリウムガスを用い、専用の器具で被検体の皮膚、細胞又は組織に空気銃の要領で撃ち込む方法である。この遺伝子銃による投与は、筋肉内注射と比較し、100〜1000分の1のDNA量で、同等の免疫効果を挙げることができる点、筋肉内注射と比較し再現性に優れている点などの優れた特徴を有している。
本発明のDNAワクチンは、そのまま投与してもよいが、アジュバントと混合して投与することが好ましい。
アジュバントは、免疫系を刺激して抗原に対する免疫反応を高めるものであり、主にワクチンに補助剤として添加される。代表的なアジュバントとしては、例えば、アルミニウム化合物、ポリヌクレオチド又は細菌の菌体成分などが知られているが、これらの中には本発明に適用するには充分な効果が得られないものも多い。特に、アジュバントの作用は抗原物質に広く有効であるため、抗原に含まれる不純物の抗原刺激性を増強したり、有害な副作用を生ずる危険もあり、使用する抗原の純度に充分な配慮をする必要があるなどの問題がある。そのような中で、例えばIL-1βはアジュバントとして有効であることが報告されている(J. Y. Scheerlinck, Genetic adjuvants for DNA Vaccine, 19, 2647-2656, 2001)。本発明においては、魚類(例えばヒラメなど)の体内で発現可能なようにIL-1β遺伝子を挿入したプラスミドを作製し、本発明のワクチンとともに魚類に接種することができる。
[3]魚類用DNAワクチンの使用
本発明の魚類用DNAワクチンは、海産魚のハダムシ症に対する免疫応答の誘発に使用できる。
免疫応答の誘発できる海産魚としては、特に限定されないが、例えば、スズキ目に属する魚種(ブリ、カンパチ、クロダイ、マダイ、キジハタ等)、又はフグ目に属する魚種(トラフグ等)カレイ目に属する魚種(ヒラメ等)等が挙げられる。免疫応答を誘発することにより、ハダムシ症を予防又は治療することができる。
《作用》
本発明のDNAワクチンが、魚類に対するハダムシの付着を抑制できるメカニズムは、詳細に調べられているわけではないが、以下のように推定される。しかしながら、本発明は以下の推定によって限定されるものではない。
本発明のDNAワクチンはセリンプロテアーゼに対する抗体を誘導することが可能であるが、セリンプロテアーゼに共通の強い抗原性(免疫原性)を有するアミノ酸配列(連続エピトープ又は非連続エピトープ)があると考えられる。例えばセリンプロテアーゼの活性中心もそのような強い抗原性を有するアミノ酸配列(非連続エピトープ)であると考えられる。従って、このセリンプロテアーゼの活性中心に対する抗体が単生綱寄生虫のセリンプロテアーゼの活性中心に結合することにより、セリンプロテアーゼ活性を阻害するため働かなくなり、単生綱寄生虫を抑制できると考えられる。すなわち、活性中心に同じアミノ酸をもつセリンプロテアーゼを寄生に用いている単生綱寄生虫について、ワクチン効果が得られると考えられる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
《実施例1:セリンプロテアーゼ遺伝子の単離》
本実施例では、ベネデニア・セリオラエのセリンプロテアーゼ4751の遺伝子を単離し、DNAワクチンを作成した。
(1)PCRプライマーの作製
セリンプロテアーゼ4751(配列番号1)のDNAの塩基配列から、下記のPCRプライマーを作製した。
4751−forward:5’-CTCGAGATGCAACATTGTGAGACAATGAATCC-3’(配列番号47)
4751−reverse:5’-TCTAGAGTGATGGTGATGGTGATGTAATGTTTTTC-3’(配列番号48)
(2)DNAワクチンの作製
ブリを淡水浴させ、体表から脱落したベネデニア・セリオラエの虫体を採取し、RNAlater(Qiagen)に保存した。1つの虫体から、RNAiso Plus(タカラバイオ社製)を用いて、mRNAを抽出した。
得られたmRNAから、RT−PCRによりDNAを得た。具体的には、High-Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Applied Biosystems社製)を用いて合成した。
得られたcDNAをテンプレートとし、市販のPCR反応試薬(ExTaq DNAポリメラーゼ;宝酒造社製)により、添付の操作方法に従って、前記PCRプライマーを用いて、常法に従いPCRを行なった。PCRは、添付の10xbuffer 5μL、dNTP 4μL、フォワードプライマー及びリバースプライマー1μL(25pmol/μL)、DNAポリメラーゼ0.5μL(5units/μL)、DNA1μL(10ng)、及び滅菌水37.5μLで50μLに調製後、95℃で5分間処理後、次いで95℃で30秒間、53℃で30秒間、及び72℃で1分間を1サイクルとする処理を30回施した後、72℃で5分間処理するという反応条件で行った。得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動した結果、約750bp程のDNA断片が増幅されていたことを目視にて確認した。
(3)DNA塩基配列の解析
増幅されたDNA断片をpGEM−T Eazyベクター(プロメガ社製)へと挿入し、蛍光標識されたM13プライマー(日清紡績社製)及び市販のシークエンスキット(Thermo Sequence Fluorescent Labeled Primer Cycle Sequencing Kit with 7-deaza-dGTP;amersham pharmacia bitech社製)を用いてダイデオキシ法(Dideoxy method)でサンプルを作成した後、DNAシークエンサー(DNA sequencer model 4000;LI-COR社製)を用いて塩基配列を決定した。この配列を解析し、セリンプロテアーゼ4751のDNAであることを確認した。セリンプロテアーゼ4751は249アミノ酸残基である。
(4)DNAワクチンの作製
前記セリンプロテアーゼ4751を含むプラスミドをXho I及Xba Iで処理した。そして、各ベクターから切り出されたセリンプロテアーゼ4751遺伝子を、pCL−neoベクター(Promega社製)のマルチクローニングサイトのXho I及びXba I認識部位へ挿入し、DNAワクチン用のプラスミドpCL−BsSP4751を作製した。
《比較例1》
本比較例では、ベネデニア・セリオラエをホモジナイザーでリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)中で破砕し、さらに超音波破砕して破砕虫体を作製した。
《実施例2:DNAワクチンのヒラマサへの接種》
本実施例では、DNAワクチンのヒラマサへの接種を行った。対照群として、「生理食塩水区」、「ハダムシホモジネート区」、及び「空ベクター区」を準備した。
各実験区ごとに、平均魚体重80.2gのヒラマサ50尾を準備した。実験開始前に、淡水浴を約5分行い、ハダムシを除去した。
ヒラマサ一尾当たり10μgのpCL−BsSP4751をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)50μLとともに、29Gの注射針を装着した注射器を用いて筋肉へと接種した。
生理食塩水対照区は、ヒラマサ一尾当たり100μLのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を29Gの注射針を装着した注射器を用いて筋肉へと接種した。
空ベクター区は、ヒラマサ一尾当たり10μgのpCL−neoをリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)50μLとともに、29Gの注射針を装着した注射器を用いて筋肉へと接種した。
「ハダムシホモジネート区」は、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)100μLとともに、29Gの注射針を装着した注射器を用いて腹腔内へと接種した。
各実験区のヒラマサを、屋外の生簀で32日間飼育した。ハダムシの感染は、自然感染で行った。
2週間後に、淡水浴を行い、表皮に付着したハダムシの虫体数を測定した。その結果、DNAワクチンを接種した「DNAワクチン区」では、「生理食塩水区」及び「空ベクター区」と比較して、付着するハダムシの虫体数を優位に抑制することができた。
2週間後から32日までの飼育中の生残率を図3に纏めた。「生理食塩水区」、「ハダムシホモジネート区」、及び「空ベクター区」の生残率が、それぞれ67.5%、65%及び67.5%であるのに対して、DNAワクチン区の生残率は、85%であった。DNAワクチンの接種により、ヒラマサの生残率が改善した。
本発明のDNAワクチンは、ブリ目に属する魚類、フグ目に属する魚種、及びカレイ目に属する魚種の養殖において、単生綱寄生虫症、特にはハダムシ症、又はエラムシ症の予防及び治療に用いることができる。

Claims (7)

  1. ベネデニア・セリオラエ(Benedenia seriolae)又はネオベネデニア・ギレラエ(Neobenedenia girellae)の、ヒスチジン、アスパラギン酸、及びセリンを活性中心に含むセリンプロテアーゼ若しくはその抗原性断片をコードするヌクレオチド配列を含むDNA、又は前記DNAを含む発現ベクターを有効成分として含むことを特徴とする、魚類用DNAワクチン。
  2. 前記セリンプロテアーゼが、配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列からなるセリンプロテアーゼである、請求項1に記載の魚類用DNAワクチン。
  3. 前記セリンプロテアーゼが、
    (1)配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、
    (2)配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列において、1又は複数個のアミノ酸が欠失、置換、又は付加されたアミノ酸配列を含み、しかも、前記DNAワクチンがハダムシの除去効果を有するポリペプチド、又は
    (3)配列番号1〜23のいずれか1つで表されるアミノ酸配列との同一性が80%以上であり、しかも前記DNAワクチンがハダムシの除去効果を有するポリペプチド、
    又はそれらの抗原性断片である、請求項1に記載の魚類用DNAワクチン。
  4. 前記ヌクレオチド配列が、
    (1)配列番号24〜46で表されるヌクレオチド配列、
    (2)配列番号24〜46で表されるヌクレオチド配列との相同性が80%以上であり、しかも前記DNAワクチンがハダムシの除去効果を有するヌクレオチド配列、又は
    (3)前記ヌクレオチド配列(1)又は(2)において、ブリ属魚類のコドン使用頻度を元に改変したヌクレオチド配列である、請求項1に記載の魚類用DNAワクチン。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の魚類用DNAワクチンを魚に投与することを特徴とする、単生綱寄生虫症の予防又は治療方法。
  6. 前記魚がスズキ目、フグ目、又はカレイ目に属する魚である、請求項5に記載の方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の魚類用DNAワクチンの、海産魚の単生綱寄生虫症に対する免疫応答の誘発への使用。
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