JP4704671B2 - ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対するdnaワクチン - Google Patents

ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対するdnaワクチン Download PDF

Info

Publication number
JP4704671B2
JP4704671B2 JP2003344665A JP2003344665A JP4704671B2 JP 4704671 B2 JP4704671 B2 JP 4704671B2 JP 2003344665 A JP2003344665 A JP 2003344665A JP 2003344665 A JP2003344665 A JP 2003344665A JP 4704671 B2 JP4704671 B2 JP 4704671B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flounder
viral hemorrhagic
virus
dna
dna vaccine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003344665A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005112726A (ja
Inventor
宙 青木
育生 廣野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meiji Seika Kaisha Ltd
Original Assignee
Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meiji Seika Kaisha Ltd filed Critical Meiji Seika Kaisha Ltd
Priority to JP2003344665A priority Critical patent/JP4704671B2/ja
Publication of JP2005112726A publication Critical patent/JP2005112726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4704671B2 publication Critical patent/JP4704671B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Description

本発明は、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルス(Viral Hemorrhagic Septicemia Virus;VHSV)の魚類への感染症に対する防御免疫を誘導するためのDNAワクチンに関する。
本明細書における「ヒラメのウイルス性出血性敗血症」とは、ヒラメVHSVの感染により引き起こされるウイスル性出血性敗血症を意味し、従って、ヒラメにおいて発症したウイルス性出血性敗血症が含まれるだけでなく、ヒラメ以外の魚類[例えば、カレイ科若しくはヒラメ科に属する魚種(例えば、カレイ又はヒラメ等)又はアユ若しくはクロダイ等]において発症したウイルス性出血性敗血症が含まれる。
魚介類を代表とする多くの水生生物の養殖産業において、閉鎖系である養殖領域でのウイルス性疾病及び細菌性疾病は、個体が高密度に存在していることから、それらの感染の影響は大きく、養殖産業において深刻な問題となっている。
ウイルス性出血性敗血症は、ヨーロッパ諸国の養殖ニジマスに産業的被害を引き起こすウイルス病として古くから知られている。その原因ウイルスは多くのサケ科魚類や野生の海産魚類から見つかっており、海産養殖を脅かす問題となっている(非特許文献1)。
ウイルス性出血性敗血症ウイルスはラブドウイルス科に属し、エンベロープを持つ一本鎖RNAウイルスである。ウイルス性出血性敗血症の症状は、体色の黒化、眼球の突出、腹部膨満、貧血、体側・鰭基部の出血を呈する。また、肝臓や腎臓の充出血・腫張・褪色、骨格筋の点状出血がみられる(非特許文献2)。更に、病理組織学的には、腎臓の泌尿系と造血組織の壊死、肝臓・脾臓の部分壊死と骨格筋の出血が顕著である。
1996年3〜5月にかけて、香川県下の海面小割生簀で起きた養殖ヒラメの大量死はウイルス性出血性敗血症によるものであることが明らかになった。これまでサケ科魚類ではウイルス性出血性敗血症は知られているが、海産魚には知られておらず、海産魚ではじめて本症が発症することが明らかになった。その後、ヒラメのウイルス性出血性敗血症は1998年以降、徐々にその発生海域が拡大し、2000年には瀬戸内海沿岸と豊後水道沿岸の複数県のヒラメ養殖場でも発生し、全国的な問題となっている。本症は12月〜5月の水温8〜15℃で発症し、累積死亡率は育成魚で70%を超える場合もあり、小型魚では全滅することかもある。そのため、ヒラメのウイルス性出血性敗血症は持続的養殖生産確保法が施行されて以来、初めての新疾病に位置づけられた(非特許文献3)。また、本明細書に記載されているヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルス株は分類学上これまで知られているサケ科魚類のウイルス株とはグループが異なると考えられている(非特許文献4)。以上のようにヒラメのウイルス性出血性敗血症は産業的に問題になっている重要な疾病である。
また、ほとんどの魚介類用ワクチンが細菌に対して開発されている。しかし、ウイルス性疾患又は寄生性疾患に効果のあるワクチンは、サケ科魚類の一部及びスズキ目のイリドウイルスに対するワクチン(特許文献1)が開発されているのみでほとんど開発されていない。
ウイルス感染症の予防又は治療には、一般的にワクチンが使用されている。ワクチンには不活化ワクチン(日本脳炎、ワイル病など)、トキソイド(破傷風、ジフテリアなど)、弱毒ワクチン(BCG、ポリオなど)、遺伝子組換えワクチン(B型肝炎ウイルスなど)などがある。不活化ワクチン及び外毒素を無毒化したトキソイドは、これらに対する抗体を誘導する比較的安全なワクチンである。遺伝子組換えワクチンは、不活化ワクチンと比較すると、不純物を含まないので、より安全なワクチンと考えられている。
しかしながら、これらのワクチンにおいて抗体産生は誘導することができるが、細胞性免疫は誘導されにくいのが欠点である。また、不活化ワクチン及び弱毒ワクチンは、抗原となるウイルスを産業的には大量に得ることが必要であり、適当な細胞の確保が必須である。更に、弱毒ワクチンで獲得した免疫効果は、長期間維持される場合が多いが、一方で副作用、危険性が指摘されている。不活化ワクチン及び遺伝子組換えワクチンは、抗原の持続性が宿主内において短いと考えられており、アジュバントなどを必要とする。これら従来型のワクチンは製造から被検体に接種するまでの間、冷蔵保存する必要があるため、コストの増加と効力の低下が生じる問題点があった。
最近、ワクチンの研究開発が進み、免疫原性タンパク質をコードするプラスミドDNAの投与をすることにより、免疫誘発をもたらす新しいワクチン種(DNAワクチン)が開発され、次に述べるような従来型ワクチンの不利益が改善されてきている。すなわち、DNAワクチンは、体液性免疫応答のみならず、細胞性免疫を強力に誘導できるので、感染症に対する防御能を賦与することが可能となること、また、高度に純化できること、室温又は高温下でも安定であり、冷蔵保存は必須でなく長期間の貯蔵が可能であること、遺伝子工学的手法によりDNAワクチンの迅速な改良がし易いこと、及びワクチン開発に費やす時間の短縮などの利点がある。
ラブドウイルス(Rhabdovirus)の構成タンパク質のグリコプロテインをコードしている遺伝子を筋肉に注射することによって、ニジマスの免疫応答を刺激することが知られている(非特許文献5)。また、ニジマスについてはDNAワクチンの報告もある(非特許文献6)。しかし、他の魚種でDNAワクチンの報告はない。
また、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルス感染症に対する防御免疫を刺激するためのワクチンの報告はない。
特開平9−176043号公報 高野(Takano)ら,「ブレテン・オブ・ザ・ヨーロピアン・アソシエーション・オブ・フィッシュ・パソロジスト(Bulletin of the European Association of Fish Pathologist)」,(スコットランド),2000年,20巻,5号,p.186 室賀清邦、江草周三編集,「魚病学概論」,(恒星社厚生閣),1996年,p.34 一色正及び長野泰三,1.ヒラメのウイルス性出血性敗血症について,「第7回水産研究発表会要旨」,平成14年3月12日開催 西沢(Nishizawa)ら,「ディジーズ・オブ・アクアティック・オーガニズムス(Diseases of Aquatic Organisms)」,(ドイツ),2002年,48巻,p.143−148 ピー・ボウディノット(P.Boudinot)ら,「ビロロジー(Virology)」,(米国),1998年,249巻,p.297−306 マクラウクラン(McLauchlan)ら,「フィッシュ・アンド・シェルフィッシュ・イムノロジー(Fish and shellfish Immunology)」,(英国),2003年,15巻,p.39−50
本発明の課題は、ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対する防御免疫を誘導するための魚類用DNAワクチンを提供することにある。
本発明者らは、ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対する有効なワクチンを鋭意研究した結果、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルス(VHSV)のグリコプロテインをコードする遺伝子を有するプラスミドDNAをヒラメに接種したところ、ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対する免疫効果を有すること及び免疫関連遺伝子の発現量が増加することを見出し、本発明が完成した。すなわち、本発明は、
1.ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むDNA、又は前記DNAを含む発現ベクターを有効成分として含むことを特徴とする、魚類用DNAワクチン、
2.前記免疫原性ポリペプチドが、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスのグリコプロテイン又はその部分断片である、上記1に記載の魚類用DNAワクチン、
3.前記グリコプロテインが、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又はその部分断片である、上記2に記載の魚類用DNAワクチン、
4.前記免疫原性ポリペプチドが、(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、しかも、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性を有する改変ポリペプチド、若しくは(3)配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が80%以上であり、しかも、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性を有する相同ポリペプチド、又はそれらの部分断片である、上記1に記載の魚類用DNAワクチン、
5.前記ヌクレオチド配列が、(1)配列番号1で表されるヌクレオチド配列、若しくは(2)配列番号1で表されるヌクレオチド配列との相同性が80%以上であり、しかも、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、又はそれらの部分配列である、上記1に記載の魚類用DNAワクチン、
6.前記発現ベクターが、受託番号FERM P- 19504のプラスミドpCMV−VHSVgである、上記1に記載の魚類用DNAワクチン、
7.上記1〜6のいずれか一項に記載の魚類用DNAワクチンを魚に投与することを特徴とする、ウイルス性出血性敗血症の予防又は治療方法、
8.前記魚が、カレイ科又はヒラメ科に属する魚である、上記7に記載の方法、並びに
9.上記1〜6のいずれか一項に記載の魚類用DNAワクチンの、ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対する免疫応答の誘発への使用
に関するものである。
本発明の魚類用DNAワクチンによれば、ヒラメVHSVによるウイルス性出血性敗血症に対する免疫能を付与することができる。より詳細には、本発明の魚類用DNAワクチンによれば、ヒラメVHSVの感染症、あるいは、ヒラメVHSVの感染に起因するウイルス性出血性敗血症に対する免疫応答(体液性免疫応答及び細胞性免疫応答を含む)を誘導することができるので、ヒラメVHSVの感染の予防又は治療、あるいは、前記ウイルス性出血性敗血症の予防又は治療に有効である。例えば、本発明の魚類用DNAワクチンの有効成分として用いることのできるpCMV−VHSVgは、ヒラメでのウイルス性出血性敗血症ウイルス感染防御試験及び免疫関連の遺伝子の発現量の大幅な増加を確認した結果から、DNAワクチンの有効成分として有効であり、ヒラメでのウイルス性出血性敗血症ウイルスの感染の予防に期待ができる。
本発明の魚類用DNAワクチンは、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列1つ以上を少なくとも含むDNA構築物である限り、特に限定されるものではないが、本発明の魚類用DNAワクチンには、例えば、
(a)ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むDNA、又は
(b)前記DNA(a)を含む発現ベクター
が含まれる。前記DNA(a)は、免疫原性ポリペプチドの発現に必要な各種の調節配列を更に含むことができ、前記発現ベクター(b)も、前記調節配列を含むことができる。
本明細書において「ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性ポリペプチド」とは、ヒラメVHSVに対する免疫(体液性免疫及び細胞性免疫を含む)を生体内で誘導することのできるポリペプチドを意味する。
ヒラメVHSVに対する免疫原性ポリペプチドとしては、ヒラメVHSVに対する免疫(体液性免疫及び細胞性免疫を含む)を生体内で誘導することができるポリペプチドである限り、特に限定されるものではないが、例えば、ラブドウイルス科に属するウイルス(特には、ヒラメVHSV)の構造タンパク質である5つのタンパク質(室賀清邦、江草周三編集、魚病学概論)、すなわち、グリコプロテイン、ヌクレオキャプシドプロテイン、RNA依存的RNA合成酵素、並びにマトリックスプロテインM1及びM2(室賀清邦、江草周三編集、魚病学概論)、並びにそれらの部分断片を挙げることができる。前記免疫原性ポリペプチドとしては、ヒラメVHSVのグリコプロテイン又はその部分断片が好ましく、配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド又はその部分断片がより好ましい。
また、前記免疫原性ポリペプチドとしては、更に、(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1若しくは複数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列を含み、しかも、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性を有する改変ポリペプチド、若しくは(3)配列番号2で表されるアミノ酸配列との相同性が80%以上(好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上)であり、しかも、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性を有する相同ポリペプチド、又はそれらの部分断片を挙げることができる。
本明細書において、改変ポリペプチドとは、配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1以上(例えば、1〜数個、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個、更に好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個、特に好ましくは1個)のアミノ酸の改変(例えば、欠失、置換、及び/又は付加)が生じたタンパク質であって、依然として本発明が適用される魚類に対して免疫を付与することのできるものを意味する。
また、本明細書において、アミノ酸配列における相同性とは、2種類のアミノ酸配列をコンピューター解析ソフト(SDCソフトウェア)にて比較解析し、同一種のアミノ酸が同じ位置に存在する場合にアミノ酸が2種類の配列で同一であるとして算出した同一性を意味する。
本発明に用いる、免疫原性ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列としては、これまで挙げた各免疫原性ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を挙げることができ、例えば、ラブドウイルス科に属するウイルス(特には、ヒラメVHSV)の各構造タンパク質、配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド、前記改変ポリペプチド、若しくは前記相同ポリペプチド、又はそれらの部分断片をコードするヌクレオチド配列を挙げることができる。
前記ヌクレオチド配列としては、(1)配列番号1で表されるヌクレオチド配列、若しくは(2)配列番号1で表されるヌクレオチド配列との相同性が80%以上であり、しかも、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、又はそれらの部分配列が好ましい。なお、本明細書において、ヌクレオチド配列における相同性とは、2種類のヌクレオチド配列をコンピューター解析ソフト(SDCソフトウェア)にて比較解析し、同一種のヌクレオチドが同じ位置に存在する場合にヌクレオチドが2種類の配列で同一であるとして算出した値を意味する。また、前記部分配列の長さは、その部分ヌクレオチド配列によりコードされるポリペプチドが、ヒラメVHSVに対する免疫(体液性免疫及び細胞性免疫を含む)を生体内で誘導することができる限り、特に限定されるものではない。
また、免疫原性ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、天然由来のものであっても、全合成したものであっても良く、また、天然由来のものの一部を利用して合成を行ったものでもよい。
本発明に用いる免疫原性ポリペプチド(例えば、グリコプロテイン)をコードするヌクレオチド配列は、例えば、ラブドウイルス科に属するウイルス、具体的にはヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスから得ることができる。本発明に用いる前記ヌクレオチド配列の典型的な取得方法としては、遺伝子工学の分野で慣用されている方法、例えば、部分アミノ酸配列の情報を基にして作製した適当なDNAプローブを用いて、スクリーニングを行う方法などが挙げられる。
本発明に用いる発現ベクターは、魚類の細胞内で発現可能なベクターである限り、特に限定されるものではない。本発明に用いる発現ベクターは、自己複製ベクター、すなわち、染色体外の独立体として存在し、その複製が染色体の複製に依存しない、例えば、プラスミドを基本に構築することができる。また、前記発現ベクターは、宿主に導入されたとき、その宿主のゲノム中に取り込まれ、それが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであってもよい。本発明に用いることのできる発現ベクターの構築の手順及び方法は、遺伝子工学の分野で慣用されているものを用いることができる。
本発明で用いることのできる転写調節配列としては、例えば、構成プロモーター、誘導性又は調節性プロモーター、組織特異的プロモーター、又は発現されている抗原の遺伝子由来のプロモーター等が挙げられるが、魚類の細胞内で発現可能である限り、特にそれらに限定されない。構成プロモーターとしては、例えば、サイトメガロウイルス(CMV)由来のプロモーター配列、又はラウス肉腫ウイルス(RSV)、シミアンウイルス−40(SV-40)、筋βアクチンプロモーター、又は単純ヘルペスウイルス(HSV)などの強力プロモーター等が挙げられる。組織特異的プロモーターとしては、例えば、チミヂンキナーゼプロモーター等が挙げられる。誘導性又は調節性プロモーターとしては、例えば、成長ホルモン調節性プロモーター、lacオペロン配列の制御下にあるプロモーター、又は亜鉛誘導性メタロチオネインプロモーターを挙げることができる。前記転写調節配列は、免疫原性ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に、操作可能に(すなわち、前記ヌクレオチド配列の発現を調節することができるように)結合させることができる。
前記調節配列は、プロモーター(例えば、前記誘導性又は構成性プロモーター)DNA配列を含む発現制御配列を含むことができ、所望により、更に、エンハンサー要素、転写又はポリアデニル化シグナル[例えば、シミアンウイルス−40(SV−40)又はウシ成長ホルモン由来]のスプライシングのためのイントロン配列、又はCpGモチーフとして知られている免疫刺激DNA配列のうち、1つ若しくはそれ以上のコピーを含むことができる。
また、発現ベクターは、所望により、例えば、細菌複製起点配列、あるいは、選別させるための抗生物質耐性(例えば、カナマイシンなど)遺伝子又は非抗生物質耐性遺伝子(例えば、β−ガラクトシダーゼ遺伝子など)等の選択性マーカーを含むことができる。
非メチル化CpGヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドは、免疫系を活性化することが知られている(A. Krieg et al.、Nature, 1995, 374, 546-549)。フランキング配列に依存して、或るCpGモチーフはB細胞又はT細胞応答に対してより免疫刺激的であり、優先的にある種を刺激する。DNA発現ベクターにおけるCpGモチーフのコピーは、発現タンパク質に対する免疫応答を誘発するアジュバントとして作用する。CpGモチーフ、すなわち、特異化された配列内のCpGジヌクレオチドを含むDNA伸長部は、長さが5〜40塩基対程度から選ぶことができる。複数のCpGモチーフが、発現ベクターの非コード領域に挿入されてもよい。体液性応答が所望であるとき、好ましいCpGモチーフはCD8+T細胞応答を刺激することが知られているサイトカインの分泌を刺激するCpGモチーフである。
本発明を適応することができる魚類としては、ヒラメVHSVが感染する可能性のある魚類である限り、特に限定されるものではないが、例えば、カレイ科若しくはヒラメ科に属する魚種(例えば、カレイ又はヒラメ等)又はアユ若しくはクロダイなどが挙げられる。
DNAワクチンの接種法は、例えば、経口投与、筋肉内注射、腹腔内注射、遺伝子銃を用いた投与及び液浸が挙げられるが、好ましくは筋肉内注射、遺伝子銃を用いた投与である。遺伝子銃を用いた投与とは、プラスミドを1μm程の大きさの金粒子にコーティングし、高圧ヘリウムガスを用い、専用の器具で被検体の皮膚、細胞又は組織に空気銃の要領で撃ち込む方法である。この遺伝子銃による投与は、筋肉内注射と比較し、100〜1000分の1のDNA量で、同等の免疫効果を挙げることができる点、筋肉内注射と比較し再現性に優れている点などの優れた特徴を有している。
また、アジュバントは、免疫系を刺激して抗原に対する免疫反応を高めるものであり、主にワクチンに補助剤として添加される。代表的なアジュバントとしては、例えば、アルミニウム化合物、ポリヌクレオチド又は細菌の菌体成分などが知られているが、これらの中には本発明に適用するには充分な効果が得られないものも多い。特に、アジュバントの作用は抗原物質に広く有効であるため、抗原に含まれる不純物の抗原刺激性を増強したり、有害な副作用を生ずる危険もあり、使用する抗原の純度に充分な配慮をする必要があるなどの問題がある。そのような中で、例えばIL-1βはアジュバントとして有効であることが報告されている(J. Y. Scheerlinck, Genetic adjuvants for DNA Vaccine, 19, 2647-2656, 2001)。本発明においては、魚類(例えばヒラメなど)の体内で発現可能なようにIL-1β遺伝子を挿入したプラスミドを作製し、本発明のワクチンとともに魚類に接種することができる。
免疫機構は、様々な役割を担った細胞が相互に機能調節を行いながら、多様な生理機能を発揮している。生体防御に重要な役割を担っている因子であるT細胞及びB細胞の細胞表面上に存在しているT細胞抗原レセプター(TCR)、主要組織適合性複合体(MHC)、又は免疫グロブリン(Ig)の発現量を指標に、免疫システムの活性化を調べることが可能である。本発明においては、例えば、ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対するDNAワクチンをヒラメに接種後、魚体内における生体防御機構の活性化について解析するため、例えば、TCR、MHC、及びIgの発現量の変化についてリアルタイムPCRを行い定量的に確認し、免疫システムの活性化を調べることができる。
リアルタイムPCRとは、PCRによる遺伝子の増幅の過程を蛍光検知装置により、リアルタイムで追跡し、そのPCR反応曲線をプロファイリングする検出技術である。検査対象の検体がPCRにより増幅された場合、指数増加カーブに到達するPCRサイクル数を検査すれば、正確なDNA量を計算することが可能となる。リアルタイムPCRには、例えば、Perkin-Elmer社製のTaqMan、BioRad社製のiCyclerを用い行うことができる。
リアルタイムPCRでは、リアルタイムPCR用(SG)及び標準DNA用(SG200)の二種類のプライマーを用いる。リアルタイムPCR用(SG)は、アンプリコンは短め(60〜100 bp)でGC含量が少なくなるよう設計する。3' UTR部分にプライマーを作製すると、比較的容易で、かつ正確に遺伝子特異的プライマーを設計することができる。また、ソフト(例えば、primer express;PEバイオシステムジャパン株式会社)を使ってコンピュータ上でも設計する方法もある。リアルタイムPCRで設計したプライマーの外側に標準DNA用プライマー(SG200)を設計する。遺伝子同士を比較したい場合、アンプリコンは揃えるのが望ましい。
標準DNAの調製は、まず測定したい遺伝子それぞれに対し特異的なプライマー(SG200)を用い、全量 50μLのPCRをプラトーに達するまで反応させる(PCRは95℃で2分間処理後、次いで95℃で30秒間、55℃で30秒間、72℃で1分間を1サイクルとする処理を30回行う)。その後、PCR産物をカラム(例えば、Microcon-PCR Centrifugal Filter Devices;MILLIPORE社製)を用い余分なプライマーを除去し、濃度を測る。アボガドロ定数(1mol=6.022 × 1023molecules)よりコピー数を算出する。次いで、PCR産物は21段階の希釈系列(コピー数1013〜10-7)を作り、内側に設計したプライマー(SG)を用いて再度PCRを行う。この際、増幅が指数関数的に起こる様、サイクル数は14サイクルで行う。このようにして得たPCR産物をアガロースゲル電気泳動し、バンドが全く見えなくなってからの5段階が指数関数的に増幅しているため、この5段階を標準DNAとして実際のリアルタイムPCRに用いる。
以下、実施例によって本発明を具体的に詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルス(VHSV)由来グリコプロテイン遺伝子の単離
(1)PCRプライマーの作製
J.R. Winton and K. Einer-Jensen又はP. Ahrens and K. Einer-Jensenによって報告されているニジマスのウイルス性出血性敗血症ウイルスのグリコプロテイン遺伝子(GenBank= AF345857)のアミノ酸配列を元に、対応するDNAの塩基配列から下記のPCRプライマーを、常法に従い、作製した。
VHSV-glys: 5-TTTGCTAGCATGGAATGGAATACTTTTTTCTTG-3(配列番号3)
VHSV-glya: 5-TTTGAATTCTCAGACCATCTGACTTCTGG-3 (配列番号4)
(2)cDNAの単離
市販のL-15培地(インビトロジェン株式会社)に、20%となるようにウシ胎児血清(FBS)を加え、ペニシリン及びストレプトマイシンの終濃度がそれぞれ100units/mLと100μg/mLとなるように調整した後、この培地にてEPC細胞[Fijian, N. D. Sulimanavois et al., Some properties of the epithelioma papulosum cyprini (EPC) cell line from carp Cyprinus carpio. Annual Viology, 134E, 207-220, 1983]を20℃で培養した。コンフルエントとなるまで培養したEPC細胞に、−80℃で保管しておいたヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスkrrv 9822株(Nishizawa et al. Dis.Aquat.Org.2002.48.143-148)を感染させた。krrv 9822株のEPC細胞への感染後、2〜7日でCPE(Cytopathic Effect)を観察することができる。
krrv 9822株の培養液(1.0x108TCID50/mL)150μL及びTRIzol(GIBCO社製)1mLを混和し、5分間室温に静置した。次にクロロホルム200μLを加えよく混和し、室温で5分間静置した後、遠心分離(15,000rpm、4℃、5分間)を行い、上層を新しい遠心管に移した。上層に対して等量のイソプロピルアルコールを加え、10分間室温に放置した。遠心分離後(15,000rpm、10分間)、上層を捨てペレット状態となったゲノミックRNAを乾燥させ、ジエチルピロカルボネート(DEPC)処理水10μLに溶解した。
このように抽出したゲノミックRNAから、市販のcDNA合成キット(cDNA SYNTHESIS KIT 1st STRAND with AMV Reverse Transcriptase;宝酒造社製)により、添付の操作方法に従ってcDNAを合成した。このcDNAを鋳型に、実施例1(1)で作製したPCRプライマーを用いて、常法に従いPCRを行なった。PCRは、添付の10xbuffer 5μL、dNTP 4μL、VHSV -glys 1μL(25pmol/μL)、VHSV-glya 1μL(25pmol/μL)、DNAポリメラーゼ0.5μL(5units/μL)、cDNA 3μL(10ng)、及び滅菌水35.5μLで50μLに調製後、95℃で5分間処理後、次いで95℃で30秒間、55℃で30秒間、及び72℃で2分間を1サイクルとする処理を30回施した後、72℃で2分間処理するという反応条件で行った。得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動した結果、約1.5kbp程のDNA断片が増幅されていたことを目視にて確認した。
(3)DNA塩基配列の解析
その増幅されたDNA断片をpGEM-T Eazyベクター (プロメガ社製)へと挿入し、蛍光標識されたM13プライマー(日清紡績社製)及び市販のシークエンスキット(Thermo Sequence Fluorescent Labeled Primer Cycle Sequencing Kit with 7-deaza-dGTP;amersham pharmacia bitech社製) を用いてダイデオキシ法(Dideoxy method)でサンプルを作成した後、DNAシークエンサー(DNA sequencer model 4000;LI-COR社製)を用いて塩基配列を決定した。この配列を解析したところ、PCRで増幅されたDNA断片は、1524bpからなるオープンリーディングフレーム(ORF)が存在した(配列番号1)。このORFから予測されるタンパク質は、507アミノ酸残基であり、相同性検索(FASTA)を行なった結果、J.R. Winton and K. Einer-JensenまたはP. Ahrens and K. Einer-Jensenによって報告されているニジマスのウイルス性出血性敗血症ウイルスのグリコプロテイン遺伝子(GenBank= AF345857)のDNA塩基配列との相同性は85.6%であり、アミノ酸配列との相同性は91.5%であった。また、S.M. Kim and S.I. Parkによって報告されているヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスのグリコプロテイン遺伝子(GenBank= AY167587)のDNA塩基配列との相同性は99.0%であり、アミノ酸配列との相同性は98.6%であった。以下、得られた、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスのグリコプロテインを「VHSVg」と称することがある。
実施例2:プラスミドpCMV−VHSVgの作製
実施例1(3)のDNA塩基配列の解析で用いたプラスミドをEcoRI及びNhe Iで処理した。そして、pGEM-T Easyベクターから切り出された実施例1(2)で得られたkrrv 9822株由来のグリコプロテイン遺伝子を、pCDNA3.1ベクター (インビトロジェン社製)のヒトサイトメガロウイルス由来のプロモーター領域がコードされている配列の下流に位置するマルチクローニングサイトのEcoRI及びNhe I認識部位へ挿入し、プラスミドpCMV−VHSVgを作製した。なお、pCMV−VHSVgは、2003年(平成15年)8月29日に独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(あて名:〒305-8566 日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6)に国内寄託されたものであり、その受託番号は、FERM P- 19504である。
実施例3:グリコプロテイン遺伝子の発現確認
COS細胞(理研バイオリソースセンター)にpCMV−VHSVgを市販のトランスフェクション試薬(EffecteneTM Transfection Reagent;QIAGEN社製) を用いてトランスフェクションした後、48時間間培養した。次に、培養した細胞を遠心管に集め、遠心分離(3,000rpm、5分間)し、培地のみを捨て、実施例1(2)と同様の方法で培養細胞の総RNAを抽出し、RT-PCRを行った。その結果、グリコプロテイン遺伝子が発現していることを確認した。更に、市販の転写翻訳系(TnT Quick Coupled Transcription/Translation system;promega) を用いてVHSVgの分子量を確認した。
図1に、グリコプロテイン遺伝子の発現の確認した結果を示し、図2に、VHSVgの分子量を確認した結果を示す。
図1における各レーンは以下のとおりである:
レーン1:λ DNAを制限酵素HindIIIで処理した分子サイズマーカー
レーン2:pCMV−VHSVgで形質転換したCOS細胞
レーン3:pCDNAベクターで形質転換したCOS細胞(対照)
レーン4:未処理COS細胞
レーン5:100bp DNAマーカー
また、図2における各レーンは以下のとおりである:
レーンM:広範囲分子サイズマーカー
レーン1:pCMV−VHSVg
レーン2:pCDNA3.1ベクター
実施例4:pCMV−VHSVgのヒラメへの導入
ヒラメ一尾当たり10.0μgのpCMV−VHSVgをリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)50μLとともに、27Gの注射針を装着した注射器を用いて筋肉へと接種した。
実施例5:ヒラメに対する感染防御試験
各試験区には、ヒラメ稚魚(全長約5cm、平均魚体重2g)を用いた。試験魚は、60Lの水槽で、ろ過処理した天然海水を循環して飼育し、平均水温13.0℃で飼育した。
まず、実施例4の方法に準じて、pCMV−VHSVg 10.0μg、コントロールとしてPBS 50μL、pCDNA3.1ベクター10.0μg、又はホルマリンによって不活化したVHSV(1.0 × 102TCID50/魚)をそれぞれヒラメへ接種した。その接種の30日後に、実施例1(2)の条件と同様にEPC細胞(L-15培地+20%FBS)で培養したkrrv9822株培養上澄を、1.0 × 102TCID50/50μL又は1.0 × 103TCID50/50μLまで希釈した濃度で、ヒラメ1尾当り50μLを腹腔内注射により接種した。感染防御試験を行なった区画は、次の通りである。
試験区1:pCMV−VHSVg+1.0 × 102TCID50krrv 9822株/ヒラメ1尾
試験区2:pCDNA3.1ベクター+1.0 × 102TCID50krrv 9822株/ヒラメ1尾
試験区3:PBS+1.0 × 102TCID50krrv 9822株/ヒラメ1尾
試験区4:ホルマリン不活化VHSV+1.0 × 102TCID50krrv 9822株/ヒラメ1尾
試験区5:pCMV−VHSVg+1.0 × 103TCID50krrv 9822株/ヒラメ1尾
試験区6:pCDNA3.1ベクター+1.0 × 103TCID50krrv 9822株/ヒラメ1尾
試験区7:PBS+1.0 × 103TCID50krrv 9822株/ヒラメ1尾
試験区8:ホルマリン不活化VHSV+5 × 103TCID50krrv 9822株/ヒラメ1尾
krrv 9822株感染後、ヒラメを2週間観察し続け、試験区1〜試験区8のヒラメの累積死亡率(死亡個体数/試験個体数)×100(%)を算出し、その結果を1.0 × 102TCID50/50μL感染群(試験区1〜4)及び1.0 × 103TCID50/50μL感染群(試験区5〜8)に分けて図3及び図4並びに表1に示す。なお、表における「RPS」は、relative percent survivalの略であり、以下の計算式で算出する:
RPS={1−(X/C)}×100
[式中、記号Xは「%ワクチン接種区の死亡率」であり、Cは「%陰性コントロール区の死亡率」である]
ワクチンの効果は、その比較によって判定した。
その結果、試験区2、3、及び4は、それぞれ約96、73、及び91%累積死亡率であるのに対して、試験区1のそれは約5%であった。また、試験区6、7、及び8はそれぞれ約95、100、及び90%累積死亡率であるのに対して、試験区5のそれは約0%であったことから、krrv 9822株感染に対するpCMV−VHSVgの感染防御の有効性、すなわち、ワクチン効果が明らかとなった。
Figure 0004704671
本発明のDNAワクチンは、ヒラメのウイルス性出血性敗血症の予防又は治療の用途に適用することができる。
以下の配列表の数字見出し<223>には、「Artificial Sequence」の説明を記載する。具体的には、配列番号3で表される塩基配列は、プライマーVHSV-glysであり、配列番号4で表される塩基配列は、プライマーVHSV-glyaである。
pCMV-VHSgをトランスフェクションし48時間経過したCOS細胞からのグリコプロテイン遺伝子の発現を示す、図面に代わる写真である。 市販の転写翻訳系(TnT Quick Coupled Transcription/Translation system;promega) を用いたVHSVgの分子量を示す、図面に代わる写真である。 VHSV(1.0 × 102TCID50/魚)攻撃後の累積死亡率に関して、1.0 × 102TCID50/50μL感染群における、DNAワクチン処理によるヒラメの累積死亡率の経時的変化を示すグラフである。 VHSV(1.0 × 103TCID50/魚)攻撃後の累積死亡率に関して、1.0 × 103TCID50/50μL感染群における、DNAワクチン処理によるヒラメの累積死亡率の経時的変化を示すグラフである。

Claims (5)

  1. ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性ポリペプチドが、(1)配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド、(2)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換、若しくは付加されたアミノ酸配列からなり、しかも、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性を有する改変ポリペプチド、若しくは(3)配列番号2で表されるアミノ酸配列との同一性が98%以上であり、しかも、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性を有する相同ポリペプチドであって、これをコードするヌクレオチド配列からなるDNAを含む発現ベクターを有効成分として含むことを特徴とする、ヒラメ用DNAワクチン。
  2. 前記ヌクレオチド配列が、(1)配列番号1で表されるヌクレオチド配列、若しくは(2)配列番号1で表されるヌクレオチド配列との相同性が80%以上であり、しかも、ヒラメのウイルス性出血性敗血症ウイルスに対する免疫原性を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列である、請求項1に記載のヒラメ用DNAワクチン。
  3. 前記発現ベクターが、受託番号FERM P−19504のプラスミドpCMV−VHSVgである、請求項1又は2に記載のヒラメ用DNAワクチン。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒラメ用DNAワクチンをヒラメに投与することを特徴とする、ヒラメのウイルス性出血性敗血症の予防又は治療方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒラメ用DNAワクチンの、ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対する免疫応答の誘発への使用方法。
JP2003344665A 2003-10-02 2003-10-02 ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対するdnaワクチン Expired - Fee Related JP4704671B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003344665A JP4704671B2 (ja) 2003-10-02 2003-10-02 ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対するdnaワクチン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003344665A JP4704671B2 (ja) 2003-10-02 2003-10-02 ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対するdnaワクチン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005112726A JP2005112726A (ja) 2005-04-28
JP4704671B2 true JP4704671B2 (ja) 2011-06-15

Family

ID=34538224

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003344665A Expired - Fee Related JP4704671B2 (ja) 2003-10-02 2003-10-02 ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対するdnaワクチン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4704671B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5239023B2 (ja) 2006-04-13 2013-07-17 国立大学法人東京海洋大学 コイヘルペスウイルス(khv)病用dnaワクチン
JP2010065027A (ja) * 2008-08-12 2010-03-25 Mie Univ 魚類のウイルス性出血性敗血症に対する不活化ワクチンとその処方
CA2777920A1 (en) 2009-10-16 2011-04-21 National University Corporation Tokyo University Of Marine Science And T Echnology Aptamer capable of binding to viral hemorrhagic septicemia virus
CN101954092A (zh) * 2010-04-06 2011-01-26 国家海洋局第一海洋研究所 牙鲆淋巴囊肿病基因工程疫苗及其生产方法
KR101322228B1 (ko) 2012-05-04 2013-10-28 대한민국 넙치의 바이러스성 출혈성 패혈증 예방용 백신
KR101863335B1 (ko) * 2016-08-10 2018-05-31 경상대학교산학협력단 어류 바이러스성 출혈성 패혈증에 대한 예방 또는 치료용 dna 백신
CN115322971B (zh) * 2022-06-14 2023-10-10 中国水产科学研究院黄海水产研究所 一种鱼类圆环病毒及应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005112726A (ja) 2005-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sommerset et al. A DNA vaccine directed against a rainbow trout rhabdovirus induces early protection against a nodavirus challenge in turbot
Nusbaum et al. Protective immunity induced by DNA vaccination of channel catfish with early and late transcripts of the channel catfish herpesvirus (IHV-1)
Cuesta et al. An active DNA vaccine against infectious pancreatic necrosis virus (IPNV) with a different mode of action than fish rhabdovirus DNA vaccines
Takano et al. Development of a DNA vaccine against hirame rhabdovirus and analysis of the expression of immune-related genes after vaccination
Caipang et al. Genetic vaccines protect red seabream, Pagrus major, upon challenge with red seabream iridovirus (RSIV)
Kanellos et al. DNA vaccination can protect Cyprinus Carpio against spring viraemia of carp virus
Tafalla et al. In vitro and in vivo differential expression of rainbow trout (Oncorhynchus mykiss) Mx isoforms in response to viral haemorrhagic septicaemia virus (VHSV) G gene, poly I: C and VHSV
Fu et al. Protective immunity against infectious spleen and kidney necrosis virus induced by immunization with DNA plasmid containing mcp gene in Chinese perch Siniperca chuatsi
Yi et al. Construction of a DNA vaccine and its protective effect on largemouth bass (Micropterus salmoides) challenged with largemouth bass virus (LMBV)
DK2989205T3 (en) Bacterial artificial chromosomes
WO2007119279A1 (ja) コイヘルペスウイルス(khv)病用dnaワクチン
Einer-Jensen et al. Dual DNA vaccination of rainbow trout (Oncorhynchus mykiss) against two different rhabdoviruses, VHSV and IHNV, induces specific divalent protection
Buonocore et al. Vaccination and immune responses of European sea bass (Dicentrarchus labrax L.) against betanodavirus
Jung et al. DNA vaccine encoding myristoylated membrane protein (MMP) of rock bream iridovirus (RBIV) induces protective immunity in rock bream (Oplegnathus fasciatus)
Hwang et al. Montanide IMS 1312 VG adjuvant enhances the efficacy of immersion vaccine of inactivated viral hemorrhagic septicemia virus (VHSV) in olive flounder, Paralichthys olivaceus
Reyes et al. A novel “in-feed” delivery platform applied for oral DNA vaccination against IPNV enables high protection in Atlantic salmon (Salmon salar)
CA2796178C (en) Nucleic acid sequences of fish cardiomyopathy syndrome virus and the use thereof
JP4704671B2 (ja) ヒラメのウイルス性出血性敗血症に対するdnaワクチン
JP2006514537A (ja) アルスロバクター由来のHsp70
EP3873516A1 (en) 4/91 ibv vaccine with heterologous spike protein
Kurath et al. Fish rhabdovirus models for understanding host response to DNA vaccines.
JP4863341B2 (ja) ヒラメラブドウイルス感染魚類用dnaワクチン
JP6179903B2 (ja) 海産魚の類結節症に対するdnaワクチン
JP4702875B2 (ja) 海産魚のマダイイリドウイルスに対するdnaワクチン
Zheng et al. Construction and expression of DNA vaccine against reddish body iridovirus and evaluation of immune efficacy in turbot (Scophthalmus maximus)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060927

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100615

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100706

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110215

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110310

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140318

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140318

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees