JP2019151465A - 調速機及びエレベーター - Google Patents

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Yoshihiro Okada
佳寛 岡田
悠至 酒井
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Abstract

【課題】バネによって調速機ロープにテンションを与える方式の調速機において、自動的にバネの長さを戻すことができる機構を有する調速機、及び、その調速機を備えたエレベーターを提供する。【解決手段】調速機ロープにおける上下方向の下側折り返し部が巻き掛けられた張りプーリと、張りプーリの一部又は全部を覆うカバー部と、カバー部に接続され、カバー部に対して張りプーリを回転可能に支持するプーリシャフトとを備える。さらに、カバー部を支持すると共に、カバー部に下向きの力を付与する弾性部材を支持する支持部材と、支持部材を介して弾性部材を自動的に元の長さに戻す自動再圧縮機構とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、乗りかごの昇降速度を監視する調速機、及びこの調速機を備えたエレベーターに関するものである。
エレベーターには、一般に、乗りかごの昇降速度を常時監視して、昇降速度が定格速度を超えて所定の過速度状態に陥った乗りかごを非常停止させるための安全装置として調速機が備えられている。調速機は、昇降路上側に配置される調速機プーリと、昇降路下側において調速機プーリと対向する位置に配置された張りプーリと、調速機プーリと張りプーリとに巻き架けられた無端状の調速機ロープとを備える。このような調速機では、調速機プーリの回転速度を検出することによって乗りかごの昇降速度を監視している。
ところで、従来、バネによって調速機ロープにテンションを与える方式の調速機が知られている。例えば、特許文献1には、調速機ロープが巻き掛けられているプーリ本体、及び、プーリ本体を回転可能に支持するプーリ支持体で構成された調速機用テンションプーリが開示されている。特許文献1におけるプーリ支持体は、垂直方向に延びた2本のテンションプーリガイドに両側からガイドされており、プーリ支持体の下端部には弾性部材の一種である引張りバネの上端が接続されている。そして、2本のテンションプーリガイドの下端部付近には、水平方向に延びたバーが固定されており、引張りバネの下端は、このバーに接続されている。
また、特許文献2においても、特許文献1に開示された発明と同様、ばねで構成された張力調整機構により、コンペンロープに張力を付与する構成が開示されている。
特開2015−3772号公報 特開2015−174719号公報
ところで、特許文献1及び2に記載されるようなバネによって調速機ロープにテンションを与える方式の調速機においては、張りプーリと調速機ロープとの間の摩擦力は調速機ロープの経年による伸張に伴うバネの緩みによって低下し、最終的に調速機ロープは張りプーリに対して滑り出し正確な速度検出ができなくなる。このため、定期的に保守員がバネを元の長さに戻す必要があった。
そこで、本発明の目的は、バネによって調速機ロープにテンションを与える方式の調速機において、自動的にバネの長さを戻すことができる機構を有する調速機、及び、その調速機を備えたエレベーターを提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するため、本発明の調速機は、エレベーターの乗りかごの昇降速度を監視する調速機において、乗りかごの昇降動作に合わせて循環移動する無端状の調速機ロープと、調速機ロープにおける上下方向の上側折り返し部が巻き掛けられた調速機プーリとを備える。また、調速機ロープにおける上下方向の下側折り返し部が巻き掛けられた張りプーリと、張りプーリの一部又は全部を覆うカバー部と、カバー部に接続され、カバー部に対して張りプーリを回転可能に支持するプーリシャフトとを備える。さらに、カバー部を支持すると共に、カバー部に下向きの力を付与する弾性部材を支持する支持部材と、支持部材を介して弾性部材を自動的に元の長さに戻す自動再圧縮機構とを備える。
また、本発明のエレベーターは、上述した調速機を備える。
本発明によれば、保守作業員によるバネの長さ調整の作業が必要無くなる。
本発明の第1の実施形態に係るエレベーターの構成例を示す概略構成図である。 張りプーリ、テンション付与機構、及び自動再圧縮機構を含む調速機の要部の構成を示す概略図(その1)である。 張りプーリ、テンション付与機構、及び自動再圧縮機構を含む調速機の要部の構成を示す概略図(その2)である。 図4Aは、図3の領域S1で示す部分を拡大して示した図である。図4Bは、図3の領域S2で示す部分を拡大して示した図である。 図3におけるA−A線上よりも上面側から調速機10の要部を見た断面構成図である。 図3を側面から見た図である。 図7Aは第1バネ及び第2バネが伸びた(緩んだ)状態の調速機の要部の構成を示す側面図である。図7Bは第1バネ及び第2バネが伸びた(緩んだ)状態の調速機の要部の構成を示す正面図である。 図8Aは張りプーリが反時計回りに回転することにより、第2バネのみが自動的に再圧縮されたときの調速機の要部の構成を示す側面図である。図8Bは張りプーリが反時計回りに回転することにより、第2バネのみが自動的に再圧縮されたときの調速機の要部の構成を示す正面図である。 図9Aは張りプーリが時計回りに回転することにより、図8A及び図8Bの状態から第1バネが自動的に再圧縮されたときの調速機の要部の構成を示す側面図である。図9Bは張りプーリが時計回りに回転することにより、図8A及び図8Bの状態から第1バネが自動的に再圧縮されたときの調速機の要部の構成を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態に係る調速機の要部の構成を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態に係る調速機の要部の構成を示す側面図である。
以下、本発明の実施形態に係る調速機及び調速機を備えるエレベーターの一例を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は以下の順で説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
1.第1の実施形態
1−1.エレベーターの構成
1−2.調速機の要部の構成
1−3.動作説明
2.第2の実施形態
1.第1の実施形態
1−1.エレベーターの構成
まず、本発明の第1の実施形態に係るエレベーターの構成について説明する。図1は、本実施形態のエレベーター1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のエレベーター1は、建築構造物内に形成された昇降路108内を昇降動作する。エレベーター1は、人や荷物を載せる乗りかご103と、主ロープ105と、釣合おもり107と、巻上機101と、調速機10とを備えている。また、エレベーター1は、非常止め装置104と、ガイドレール106とを備えている。なお、昇降路108は、建築構造物内に形成され、その頂部には機械室100が設けられている。また、昇降路108の底部には、ピット109が設けられている。
乗りかご103は、昇降路108内に配置されている。乗りかご103には、不図示のスライダが設けられている。スライダは、昇降路108に設置された一対のガイドレール106に摺動可能に係合する。そして、乗りかご103は、ガイドレール106に沿って昇降路108内を昇降する。以下、乗りかご103が昇降する方向を昇降方向とする。また、乗りかご103の上端部には、主ロープ105が接続されている。
主ロープ105の一端は、乗りかご103に接続され、主ロープ105の他端は、釣合おもり107の上部に接続されている。また、主ロープ105は、巻上機101に巻き掛けられている。巻上機101は、機械室100に設置されている。巻上機101の近傍には、主ロープ105が装架される反らせ車102が設けられている。そして、巻上機101が駆動することで、乗りかご103及び釣合おもり107が昇降路108内を昇降する。
非常止め装置104は、乗りかご103に設けられている。非常止め装置104は、後述する調速機ロープ14に接続される作動レバー111、及び、作動レバー111の作動によりガイドレール106を把持するくさび部(図示を省略する)を備えている。非常止め装置104では、作動レバー111の動作により、くさび部がガイドレール106を把持する。これにより、乗りかご103の昇降動作が停止する。
調速機10は、調速機プーリ11と、張りプーリ9と、調速機ロープ14と、テンション付与機構2と、自動再圧縮機構3(図2参照)とを備える。調速機プーリ11は、機械室100に配置される。また、張りプーリ9、テンション付与機構2、及び、自動再圧縮機構3(図2参照)は、ピット109に配置されている。
調速機ロープ14は、その軸方向の両端が連結された、いわゆる無端状に形成されている。調速機ロープ14における上下方向の上側折り返し部は、調速機プーリ11に巻き掛けられている。また、調速機ロープ14における上下方向の下側折り返し部は、張りプーリ9に巻き掛けられている。さらに、調速機ロープ14の軸方向の中途部には、非常止め装置104を構成する作動レバー111が接続されている。
調速機ロープ14は、乗りかご103の昇降動作に合わせて、調速機プーリ11と張りプーリ9との間を循環移動する。そのため、調速機ロープ14の移動速度と、乗りかご103の昇降速度は互いに連動している。そして、調速機10では、調速機ロープ14の移動速度、すなわち、調速機プーリ11又は張りプーリ9の回転速度から乗りかご103の昇降速度を検出する。
テンション付与機構2は、張りプーリ9に対して下方向に引張する力を付与する。また、自動再圧縮機構3(図2参照)は、テンション付与機構2に設けられた第1バネ25及び第2バネ26(図2参照)を自動的に元の長さに戻す機構である。テンション付与機構2及び自動再圧縮機構3の構成については後で詳述する。
調速機10は、乗りかご103の昇降速度が定格速度を超えて第1過速度(通常は定格速度の1.3倍を超えない速度)に達すると、巻上機101を駆動する駆動装置の電源及びこの駆動装置を制御する制御装置の電源をそれぞれ遮断する。
また、調速機10は、乗りかご103の下降速度が第1過速度を超えて第2過速度(通常は定格速度の1.4倍を超えない速度)に達すると、乗りかご103に設けられた作動レバー111を作動させて非常止め装置104を動作させる。これにより、乗りかご103の昇降動作が機械的に停止される。
1−2.調速機の要部の構成
次に、調速機10の要部の構成について説明する。図2及び図3は、張りプーリ9、テンション付与機構2、及び自動再圧縮機構3を含む調速機10の要部の構成を示す概略図である。図2及び図3では、説明を分かりやすくするため、それぞれ、一部を透過して示している。また、図4Aは、図3の領域S1で示す部分を拡大して示した図であり、図4Bは、図3の領域S2で示す部分を拡大して示した図である。また、図5は、図3におけるA−A線上よりも上面側から調速機10の要部を見た図である。また、図6は、図3を側面から見た図である。
本実施形態の調速機10におけるテンション付与機構2は、カバー部21と、プーリシャフト22と、第1支持部材23と、第2支持部材24と、第1バネ25(本発明の弾性部材)と、第2バネ26(本発明の弾性部材)とで構成されている。また、本実施形態の調速機10における自動再圧縮機構3は、図3及び図5に示すように、第1ラックピニオン機構31、第2ラックピニオン機構32(本発明のトルク伝達機構)、第1ワンウェイクラッチ51及び第2ワンウェイクラッチ52(本発明のトルク方向制限機構)を備える。さらに、本実施形態の調速機10における自動再圧縮機構3は、第1トルクリミッタ53、第2トルクリミッタ54(本発明のトルク値制限機構)、第1動作方向制限機構41及び第2動作方向制限機構42を備える。以下に各構成について詳述する。
[カバー部]
カバー部21は、張りプーリ9の一部又は全部を覆うプーリカバー本体21aと、プーリカバー本体21aを第1支持部材23及び第2支持部材24に支持させるプーリカバー支持部21bとを備える。プーリカバー本体21aは、図6に示すように、張りプーリ9の上下方向における上面側を覆う上面部と、張りプーリ9の上下方向における下面側を覆う下面部と、張りプーリの回転面に沿う面を覆う対向する2つの平面部とで構成された角筒状の部材で構成されている。また、プーリカバー本体21aは、張りプーリ9の回転面に沿う方向の長さが、張りプーリ9の直径よりも短く構成され、張りプーリ9の両端部がプーリカバー本体21aから露出する構成となっている。これにより、張りプーリ9から上方側に延びる調速機ロープ14とプーリカバー本体21aとが干渉しない。
また、プーリカバー本体21aを構成する対向する平面部の中央には、後述するプーリシャフト22を貫通する貫通孔が設けられている。貫通孔にはベアリング22a(図5参照)が設けられており、プーリシャフト22を回転可能に支持する。
また、プーリカバー支持部21bは、図6に示すように、後述する第1支持部材23と第2支持部材24とを跨ぐ大きさに構成された平板状部材で構成されており、プーリカバー本体21aの上面部にボルト45によって固定されている。プーリカバー支持部21bには、後述する自動再圧縮機構3を構成する第1動作方向制限機構41及び第2動作方向制限機構42の一部が設けられている。第1動作方向制限機構41及び第2動作方向制限機構42により、プーリカバー支持部21bは第1支持部材23及び第2支持部材24に支持されている。
[プーリシャフト]
プーリシャフト22は、張りプーリ9をプーリカバー本体21aに対して回転可能に支持する。また、図5に示すように、プーリシャフト22の張りプーリ9を挟んだ一方の端部には、第1ワンウェイクラッチ51、第1トルクリミッタ53及び第1ピニオン31aが設けられている。一方、プーリシャフト22の張りプーリ9を挟んだ他方の端部には、第2ワンウェイクラッチ52、第2トルクリミッタ54及び第2ピニオン32aが設けられている。なお、第1ワンウェイクラッチ51及び第2ワンウェイクラッチ52は、本発明のトルク方向制限機構を構成する。また、第1トルクリミッタ53及び第2トルクリミッタ54は、本発明のトルク値制限機構を構成する。また、第1ピニオン31a及び第2ピニオン32aは、それぞれ、後述する第1ラックピニオン機構31及び第2ラックピニオン機構32を構成する。
[第1支持部材、第2支持部材]
第1支持部材23及び第2支持部材24は、それぞれ、上下方向に延びる棒状の部材で構成されている。また、第1支持部材23及び第2支持部材24は、互いに、張りプーリ9の回転軸を挟んだ位置に配置されると共に、張りプーリ9の回転面を挟んだ位置に配置されている。第1支持部材23及び第2支持部材24は、カバー部21の上面側に配置された水平方向に延材する固定ブラケット7に設けられた貫通孔7a、7b(図3参照)にそれぞれ挿通されると共に、プーリカバー支持部21bに設けられた貫通孔21c(図4A、図4B参照)に挿通されている。固定ブラケット7は、図1に示すように近傍に位置するガイドレール106に固定されている。
また、第1支持部材23は、固定ブラケット7と、プーリカバー支持部21bとの間において、所定のバネ定数を有する第1バネ25に挿通されている。同様に、第2支持部材24は、固定ブラケット7と、プーリカバー支持部21bとの間において、第1バネ25と同様のバネ定数を有する第2バネ26に挿通されている。
また、第1支持部材23は、後述する第1動作方向制限機構41を構成する溝部41aを有する。第2支持部材24も同様に、第2動作方向制限機構42を構成する溝部42aを有する。
さらに、第1支持部材23は、図3に示すように、その中間部において、第1ラックピニオン機構31を構成する第1ラック31bとなる歯部が設けられている。また、第2支持部材24は、その中間部において、第2ラックピニオン機構32を構成する第2ラック32bとなる歯部が設けられている。
また、第1支持部材23及び第2支持部材24において、張りプーリ9の回転軸を挟んだ固定ブラケット7とは反対側の端部は、第1支持部材23及び第2支持部材24の側面の一部又は全部(本実施形態では一部)を覆う形状に構成された第1ブラケット5及び第2ブラケット6に挿通されている。第1ブラケット5及び第2ブラケット6は、図1に示すように、近傍に位置するガイドレール106に固定されている。本実施形態では、第1支持部材23及び第2支持部材24の下端部が、それぞれ第1ブラケット5及び第2ブラケット6に挿通されている。これにより、第1支持部材23及び第2支持部材24が、第1支持部材23及び第2支持部材24の延在方向に対して垂直な面方向に動いた場合には、それぞれ第1ブラケット5及び第2ブラケット6に当たる。この結果、第1支持部材23及び第2支持部材24の上下方向以外の移動が規制される。
[第1バネ、第2バネ]
図2に示すように、第1バネ25及び第2バネ26は、それぞれ、第1支持部材23及び第2支持部材24における固定ブラケット7とカバー部21との間に挿通されている。第1バネ25及び第2バネ26は、それぞれ、固定ブラケット7側の端部が固定ブラケット7に係止され、プーリカバー支持部21b側の端部が第1支持部材23及び第2支持部材24のそれぞれに設けられた係止部23a、24aに係止されている。係止部23a、24aは、リング状の部材であり、第1支持部材23及び第2支持部材24のそれぞれにおいて、固定ブラケット7とカバー部21との間の所定の位置に固定されている。第1バネ25及び第2バネ26は、それぞれ、固定ブラケット7と第1支持部材23又は第2支持部材24に係止された係止部23a、24aとの間において、所定の付勢力を有するように圧縮された状態で保持されている。
本実施形態では、第1支持部材23及び第2支持部材24のそれぞれにおいて、固定ブラケット7と係止部23a、24aとの間に第1バネ25及び第2バネ26を圧縮した状態で介在させることによってカバー部21に下向きの力を付与している。これにより、カバー部21及びカバー部21に回転可能に支持されている張りプーリ9が第1バネ25及び第2バネ26の弾性力によって下方向に押圧され、調速機ロープ14に所定のテンションを与えることができる。
[第1ラックピニオン機構、第2ラックピニオン機構]
本実施形態では、張りプーリ9の回転面を挟んだ一方側において、第1ラック31b及び第1ピニオン31aで第1ラックピニオン機構31が構成される。一方、張りプーリ9の回転面を挟んだ他方側において、第2ラック32b及び第2ピニオン32aで第2ラックピニオン機構32が構成される。
[第1ワンウェイクラッチ、第2ワンウェイクラッチ]
第1ワンウェイクラッチ51は、張りプーリ9を回転可能に支持するプーリシャフト22の一方端側に設けられている。第1ワンウェイクラッチ51は同一軸上にある外輪と内輪を有しており、外輪が一方に回転した場合(本実施形態では図3の時計回り)には内輪に動力を伝達し、外輪が他方側に回転した場合(本実施形態では図3の反時計回り)には外輪が空転する機構となっている。
一方、第2ワンウェイクラッチ52は、張りプーリ9を回転可能に支持するプーリシャフト22の他方端側に設けられている。第2ワンウェイクラッチ52は同一軸上にある外輪と内輪を有しており、外輪が他方に回転した場合(本実施形態では図3の反時計回り)には内輪に動力を伝達し、外輪が一方側に回転した場合(本実施形態では図3の時計回り)には外輪が空転する機構となっている。
このように、本実施形態では、第1ワンウェイクラッチ51及び第2ワンウェイクラッチ52は、互いに逆回転の動力を内輪に伝達可能に構成されている。
本実施形態では、第1ピニオン31aは、第1ワンウェイクラッチ51により、回転方向が図3の時計回りにのみ回転する構成となっている。一方、第2ピニオン32aは、第2ワンウェイクラッチ52により、回転方向が図3の反時計回りにのみ回転する構成となっている。これにより、張りプーリ9の図3における時計回りの回転に伴い第1ピニオン31aが時計回りに回転した場合に、第1ラック31bが設けられた第1支持部材23を上方向に移動させることができる。また、張りプーリ9の図3における反時計回りの回転に伴い第2ピニオン32aが反時計回りに回転した場合に、第2ラック32bが設けられた第2支持部材24を上方向に移動させることができる。
[第1トルクリミッタ、第2トルクリミッタ]
第1トルクリミッタ53は、張りプーリ9を回転可能に支持するプーリシャフト22の一方端側であって、第1ワンウェイクラッチ51と第1ピニオン31aとの間に設けられている。第1トルクリミッタ53は、第1及び第2ワンウェイクラッチ51、52と同様、同一軸上にある外輪と内輪を有しており、負荷されるトルクが制限値を超えると、内輪と外輪との接続が外れ、外輪が空転する機構となっている。本実施形態では、第1ワンウェイクラッチ51の内輪と、第1トルクリミッタ53の外輪が接続されている。また、第1トルクリミッタ53の内輪と第1ピニオン31aが接続されている。
したがって、第1ワンウェイクラッチ51の内輪が回転した場合に、第1ワンウェイクラッチ51の内輪によってプーリシャフト22の動力が第1トルクリミッタ53に伝達される。そして、このとき、第1トルクリミッタ53の内輪が第1ピニオン31aに動力を伝達するため、第1ピニオン31aが回転し、第1支持部材23は上方向に移動する。一方、第1ワンウェイクラッチ51の内輪から伝達される動力が制限値を超えた場合には、第1トルクリミッタ53の外輪が空転する。このとき、第1トルクリミッタ53の内輪に接続される第1ピニオン31aは回転しないため、第1支持部材23は移動しない。
一方、第2トルクリミッタ54は、張りプーリ9を回転可能に支持するプーリシャフト22の他方端側であって、第2ワンウェイクラッチ52と第2ピニオン32aとの間に設けられている。第2トルクリミッタ54は、第1及び第2ワンウェイクラッチ51、52と同様、同一軸上にある外輪と内輪を有しており、負荷されるトルクが制限値を超えると、内輪と外輪との接続が外れ、外輪が空転する機構となっている。本実施形態では、第2ワンウェイクラッチ52の内輪と、第2トルクリミッタ54の外輪が接続されている。また、第2トルクリミッタ54の内輪と第2ピニオン32aが接続されている。
したがって、第2ワンウェイクラッチ52の内輪が回転した場合に、第2ワンウェイクラッチ52の内輪によってプーリシャフト22の動力が第2トルクリミッタ54に伝達される。そして、このとき、第2トルクリミッタ54の内輪が第2ピニオン32aに動力を伝達するため、第2ピニオン32aが回転し第2支持部材24は上方向に移動する。一方、第2ワンウェイクラッチ52の内輪から伝達される動力が制限値を超えた場合には、第2トルクリミッタ54の外輪が空転する。このとき、第2トルクリミッタ54の内輪に接続される第2ピニオン32aは回転しないため、第2支持部材24は移動しない。
第1トルクリミッタ53のトルク制限値は、第1ラックピニオン機構31によって第1支持部材23に与える力の最大値が第1バネ25一本あたりの付勢力の規定値と等しくなるように設定されている。同様に、第2トルクリミッタ54のトルク制限値は、第2ラックピニオン機構32によって第2支持部材24に与える力の最大値が第2バネ26一本あたりの付勢力の規定値と等しくなるように設定されている。
ここで、第1バネ25及び第2バネ26のそれぞれ一本あたりの付勢力の規定値は、調速機10の組立時に、調速機ロープ14に所定の張力を付与できるように、初めに定められた所定の付勢力である。したがって、第1ラックピニオン機構31によって伝達される第1支持部材23を上向きに動かそうとする動力は、第1トルクリミッタ53により第1バネ25の付勢力が規定値に達した時点で遮断される。同様に、第2ラックピニオン機構32によって伝達される第2支持部材24を上向きに動かそうとする動力は、第2トルクリミッタ54により第2バネ26の付勢力が規定値に達した時点で遮断される。これにより、第1バネ25及び第2バネ26がさらに圧縮されることはない。
[第1動作方向制限機構、第2動作方向制限機構]
第1動作方向制限機構41及び第2動作方向制限機構42は、それぞれ、第1支持部材23及び第2支持部材24の動作方向を制限する機構である。第1支持部材23における第1動作方向制限機構41は、図4Aに示すように、第1支持部材23に設けられたノコギリ型の溝部41aと、プーリカバー支持部21bに設けられた噛み合い部41b及びバネ部41cによって構成されている。
ノコギリ型の溝部41aは、下側が張りプーリ9の外径方向に傾斜した斜面を有し、上側が水平面で構成されており、溝部41aは、第1支持部材23の上下方向に連続して設けられている。噛み合い部41bは、一端が溝部41aにかみ合う形状に形成されており他端がプーリカバー支持部21bの貫通孔21cに連通する横穴21dに収納されたバネ部41cに接続されている。そして、噛み合い部41bは、バネ部41cの弾性力によって常時溝部41aの一部に噛み合うように付勢されている。
ここで、バネ部41cの弾性係数は、第1ラックピニオン機構31による第1支持部材23を上方向に移動させる動力を妨げない値に設定されている。すなわち、第1ラックピニオン機構31が第1支持部材23を上方向に移動させる動力が発生した場合には、噛み合い部41bは溝部41aの斜面を摺動移動しながら横穴21dに一度収納される。そして、第1支持部材23の移動が止まった後に再度対向する位置にある溝部41aに噛み合うようにバネ部41cによって付勢される。
一方、第2支持部材24における第2動作方向制限機構42も、第1支持部材23における第1動作方向制限機構41と同様の構成を有する。第2支持部材24における第2動作方向制限機構42も、図4Bに示すように、第2支持部材24の設けられたノコギリ型の溝部42aと、プーリカバー支持部21bに設けられた噛み合い部42b及びバネ部42cによって構成されている。第2支持部材24における第2動作方向制限機構42の溝部42a、噛み合い部42b、バネ部42cの構成は、第1支持部材23における第1動作方向制限機構41の溝部41a、噛み合い部41b、バネ部41cの構成と同様であるから重複説明を省略する。
本実施形態では、溝部41a、42aがノコギリ型に形成されているため、第1支持部材23及び第2支持部材24が、それぞれ、カバー部21に対して相対的に下方向に移動するのを防ぐことができる。また、カバー部21は、乗りかご103の昇降方向と平行であって、張りプーリ9の中心軸に対して対称に設置された第1支持部材23及び第2支持部材24から第1動作方向制限機構41及び第2動作方向制限機構42を介して下向きの力のみを受ける。このため、調速機ロープ14の経年劣化により調速機ロープ14に伸びが生じた場合には、第1支持部材23及び第2支持部材24が下方向に下がると共に、カバー部21が下方向に下がる。
一方、第1及び第2ラックピニオン機構31、32により、第1支持部材23及び第2支持部材24が、それぞれ上方向に移動する動力を受けた場合には、第1支持部材23及び第2支持部材24は、カバー部21に対して上方向に移動する。
1−3.動作説明
[調速機ロープに伸びが発生していない場合]
まず、調速機ロープ14に伸びが発生していない場合について説明する。この場合、第1バネ25及び第2バネ26により所定の付勢力によりカバー部21が下方向に押圧されているため、カバー部21に支持された張りプーリ9は傾くこと無く調速機ロープ14との間の摩擦力により乗りかご103と連動して回転する。
例えば、張りプーリ9が図3の反時計回りに回転した場合、締結されたプーリシャフト22も連動して回転するが、トルク方向制限機構である第1ワンウェイクラッチ51の外輪が空転する。これにより、第1ラックピニオン機構31を介して伝達される第1支持部材23を下向きに動かそうとする動力は遮断される。
また、第2ラックピニオン機構32が第2支持部材24に与える力の最大値が第2バネ26の1本あたりの付勢力の規定値と等しくなるように第2トルクリミッタ54のトルク制限値が設定されている。このため、第2バネ26が規定値まで圧縮されている場合、第2トルクリミッタ54の外輪が空転し、張りプーリ9の回転は第2ラックピニオン機構32に伝達されない。これにより、第2バネ26がさらに圧縮されることはない。
一方、張りプーリ9が図3の時計回りに回転した場合、第2ワンウェイクラッチ52の外輪が空転することによって、第2ラックピニオン機構32を介して伝達される第2支持部材24を下向きに動かそうとする動力は遮断される。さらに、第1バネ25が規定値まで圧縮されている場合、第1トルクリミッタ53の外輪が空転し、張りプーリ9の回転は第1ラックピニオン機構31に伝達されない。これにより、第1バネ25がさらに圧縮されることはない。
ところで、張りプーリ9と調速機ロープ14との間の摩擦力は、調速機ロープ14の経年による伸張に伴う第1バネ25及び第2バネ26の緩みによって低下し、最終的に調速機ロープ14は張りプーリ9に対して滑り出す。このため、従来は、定期的に保守員が第1バネ25及び第2バネ26を元の長さに戻す必要があった。これに対し、本実施形態では、調速機10が備える自動再圧縮機構3により、第1バネ25及び第2バネ26は自動的に再圧縮される。以下、調速機ロープ14に伸びが発生した場合の自動再圧縮機構3における動作について説明する。
[調速機ロープに伸びが発生した場合]
図7A及び図7Bは、それぞれ、調速機ロープ14が経年変化によって伸びることにより張りプーリ9及びカバー部21が下方向に幅Wだけ移動し、第1バネ25及び第2バネ26が伸びた(緩んだ)状態の調速機10の要部の構成を示す側面図及び正面図である。また、図8A及び図8Bは、それぞれ、張りプーリ9が反時計回りに回転することにより、第2バネ26のみが自動的に再圧縮されたときの調速機10の要部の構成を示す側面図及び正面図である。また、図9A及び図9Bは、それぞれ、張りプーリ9が時計回りに回転することにより、図8A及び図8Bの状態から第1バネ25が自動的に再圧縮されたときの調速機10の要部の構成を示す側面図及び正面図である。
調速機ロープ14が伸びることによって第1バネ25及び第2バネ26が伸びると、第1バネ25及び第2バネ26がカバー部21を押圧する力が弱まる。本実施形態では、自動再圧縮機構3により、第1バネ25及び第2バネ26を元の長さに戻す。
図7Bに示すように、張りプーリ9が図7Bの矢印a1で示すように反時計回りに回転した場合、第1ワンウェイクラッチ51の外輪が空転する。これによって、第1ラックピニオン機構31を介して伝達される第1支持部材23を下向きに動かそうとする動力は遮断される。したがって、張りプーリ9が図7Bにおける反時計回りに回転した場合、第1支持部材23が下方向に移動することはない。
一方、第2バネ26が伸びている状態で、張りプーリ9が反時計周りに回転した場合、第2ワンウェイクラッチ52及び第2トルクリミッタ54の内輪は、張りプーリ9の回転に伴い回転する。これにより、第2ピニオン32aが回転し、第2支持部材24は、第2ラックピニオン機構32から伝達される力によって第2バネ26の付勢力が規定値に達するまでカバー部21に対して上向きに動く。すなわち、張りプーリ9の反時計周りにおける回転トルクが、第2ラックピニオン機構32を介して第2支持部材24に伝達され、第2支持部材24をカバー部21に対して上向きに動かす。
そして、第2支持部材24がカバー部21に対して上方向に移動し、第2バネ26が規定値まで圧縮されると、第2トルクリミッタ54の外輪が空転するため、第2ラックピニオン機構32から第2支持部材24に伝達される動力が遮断される。これにより、第2バネ26の再圧縮が完了し、図8A及び図8Bに示す状態となる。
図8Bに示すように、張りプーリ9が図8Bの矢印a2で示すように時計回りに回転した場合、第2ワンウェイクラッチ52の外輪が空転する。これによって、第2ラックピニオン機構32を介して伝達される第2支持部材24を下向きに動かそうとする動力は遮断される。したがって、張りプーリ9が図8Bにおける時計回りに回転した場合、第2支持部材24が下方向に移動することはない。
一方、第1バネ25が伸びている状態で、張りプーリ9が時計周りに回転した場合、第1ワンウェイクラッチ51及び第1トルクリミッタ53の内輪は、張りプーリ9の回転に伴い回転する。これにより、第1ピニオン31aが回転し、第1支持部材23は、第1ラックピニオン機構31から伝達される力によって第1バネ25の付勢力が規定値に達するまでカバー部21に対して上向きに動く。すなわち、張りプーリ9の時計周りにおける回転トルクが、第1ラックピニオン機構31を介して第1支持部材23に伝達され、第1支持部材23をカバー部21に対して上向きに動かす。
そして、第1支持部材23がカバー部21に対して上方向に移動し、第1バネ25が規定値まで圧縮されると、第1トルクリミッタ53の外輪が空転するため、第1ラックピニオン機構31から第1支持部材23に伝達される動力が遮断される。これにより、第1バネ25の再圧縮が完了し、図9A及び図9Bに示す状態となる。
以上のように、本実施形態では、第1バネ25及び第2バネ26が伸びた(緩んだ)場合、乗りかご103の昇降動作に伴う張りプーリ9の回転に伴って、自動的に、第1バネ25及び第2バネ26が初期状態まで再圧縮される。なお、第1バネ25及び第2バネ26がどの程度緩んだ場合に再圧縮が為されるかは、第1トルクリミッタ53及び第2トルクリミッタ54の精度に依存する。
そして、本実施形態では、第1支持部材23及び第2支持部材24はガイドレール106に固定されている第1ブラケット5及び第2ブラケット6にそれぞれ上下方向以外の動きが制限されている。これにより、張りプーリ9及びカバー部21が傾くことがない。
図9A及び図9Bに示すように、第1バネ25及び第2バネ26が一度緩んだ後に再圧縮されると、図6に示す状態と比較して、張りプーリ9の位置は、調速機ロープ14の伸びた分だけ下位位置となっている。しかしながら、第1バネ25及び第2バネ26はそれぞれ規定値まで圧縮されているため、調速機ロープ14は規定の張力によって張架され張りプーリ9に対して滑り出すことはない。
本実施形態では、トルク伝達機構として、ラックピニオン機構を用いる例を示したが、これに限られるものでない。トルク伝達機構は、張りプーリ9の回転トルクを第1バネ25及び第2バネ26の伸縮方向の力として第1支持部材23及び第2支持部材24に伝達する機構であればよい。例えばベベルギヤを用いてプーリシャフト22の回転を第1支持部材23及び第2支持部材24に伝達し、第1支持部材23及び第2支持部材24に設置したボールネジにより回転トルクを第1バネ25及び第2バネ26の伸縮方向の力に変える形態が考えられる。また、本実施形態では、トルク方向制限機構としてワンウェイクラッチを用いる構成としたが、これに限られるものではない。トルク方向制限機構は、張りプーリ9から第1支持部材23及び第2支持部材24に、それぞれ第1バネ25及び第2バネ26の圧縮方向と逆向きの力が伝達されることを防ぐことができる構成であれば種々の変更が可能である。さらに、本実施形態では、トルク値制限機構としてトルクリミッタを用いる構成としたが、これに限られるものではない。トルク値制限機構は、張りプーリ9から第1支持部材23及び第2支持部材24に規定値以上のトルクが伝達されるのを防ぐ構成であれば種々の変更が可能である。
本実施形態では、張りプーリ9の回転力を利用して第1支持部材23及び第2支持部材24を上方向に移動させて第1バネ25及び第2バネ26を再圧縮できるので、第1支持部材23及び第2支持部材24を引き上げに関する電源などが必要ない。これにより、維持コストがかからない。
ところで、本実施形態では、第1バネ25及び第2バネ26の緩みを第1トルクリミッタ53及び第2トルクリミッタ54により検出し、緩みが検出された場合には、張りプーリ9の回転力を利用して第1支持部材23及び第2支持部材24を上方向に押し戻す構成であった。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、第1バネ25及び第2バネ26の伸びをセンサなどの検出器で検出し、第1支持部材23及び第2支持部材24のカバー部21に対する位置を自動的に制御する構成としてもよい。以下に、自動再圧縮機構の他の例について説明する。
2.第2の実施形態(制御系を用いて自動再圧縮機構を構成する例)
図10は、本発明の第2の実施形態に係る調速機の要部を示す正面図であり、一部ブロック図で示している。また、図11は、本発明の第2の実施形態に係る調速機の要部を示す側面図である。図10及び図11において、それぞれ、図3及び図6に対応する部分には同一符号を付し、重複説明を省略する。
本実施形態の調速機におけるテンション付与機構2は、カバー部21と、プーリシャフト22と、第1支持部材23と、第2支持部材24と、第1バネ25と、第2バネ26とで構成されている。また、本実施形態の調速機における自動再圧縮機構70は、バネ長検出器71と、支持部材移動装置72と、制御部73とで構成されている。
本実施形態では、プーリシャフト22は、張りプーリ9をプーリカバー本体21aに対して回転可能に支持している。また、本実施形態では、プーリシャフト22の端部に、第1トルクリミッタ、第2トルクリミッタ、第1ワンウェイクラッチ、第2ワンウェイクラッチ、第1ピニオン、第2ピニオンが構成されていない点で、第1の実施形態におけるプーリシャフト22と異なる。すなわち、本実施形態においては、張りプーリ9の回転に伴う動力はプーリシャフト22から第1支持部材23及び第2支持部材24には伝達しない。
また、本実施形態では、第1支持部材23及び第2支持部材24に、それぞれ、第1ラック及び第2ラックとなる溝部が形成されていない点で、第1の実施形態における第1支持部材23及び第2支持部材24と異なる。本実施形態における第1支持部材23及び第2支持部材24におけるその他の構成は、第1の実施形態における第1支持部材23及び第2支持部材24と同様である。
バネ長検出器71は、第1バネ25のバネ長、及び第2バネ26のバネ長をそれぞれ検出し、検出された値を制御部73に送信する。支持部材移動装置72は、制御部73の制御の下、第1支持部材23及び第2支持部材24のそれぞれを、上方向に引き上げる装置である。このとき、第1支持部材23及び第2支持部材24を引き上げる力は、第1動作方向制限機構41及び第2動作方向制限機構42を構成するバネ部41c、42c(図4A、図4B参照)の力に抗して第1支持部材23及び第2支持部材24を引き上げることができる程度の力に設定されている。
制御部73は、バネ長検出器71から送信されてきた第1バネ25及び第2バネ26のバネ長と、初期段階における第1バネ25及び第2バネ26のバネ長(すなわち、調速機ロープ14に伸びが発生していない状態におけるバネ長)とを随時比較する。そして、制御部73が、第1バネ25及び第2バネ26のバネ長が初期段階におけるバネ長に比較して長くなっていたと判断した場合には、バネ長が初期段階におけるバネ長となるように、第1支持部材23及び第2支持部材24を上方向に引き上げるように支持部材移動装置72を制御する。
本実施形態においても、調速機ロープ14に経年による伸びが発生することによって張りプーリ9及びカバー部21が下方向に移動し、第1バネ25及び第2バネ26に緩みが発生した場合にも、自動的に第1支持部材23及び第2支持部材24をカバー部21に対して引き上げることができる。これにより、第1バネ25及び第2バネ26を再度圧縮することができ、調速機ロープ14が張りプーリ9に対して滑るのを防ぐことができる。
そして、本実施形態においても、自動的に第1バネ25及び第2バネ26を再圧縮することができるので、保守員による定期的なメンテナンスが必要無くなる。
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述の実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、上述した実施形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。例えば、実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…エレベーター、2・・・テンション付与機構、3・・・自動再圧縮機構、5・・・第1ブラケット、6・・・第2ブラケット、7・・・固定ブラケット、9・・・張りプーリ、10・・・調速機、11・・・調速機プーリ、14・・・調速機ロープ、21・・・カバー部、21a・・・プーリカバー本体、21b・・・プーリカバー支持部、22・・・プーリシャフト、23・・・第1支持部材、24・・・第2支持部材、25・・・第1バネ、26・・・第2バネ、31・・・第1ラックピニオン機構、32・・・第2ラックピニオン機構、41・・・第1動作方向制限機構、41b・・・噛み合い部、41c・・・バネ部、42・・・第2動作方向制限機構、42b・・・噛み合い部、42c・・・バネ部、51・・・第1ワンウェイクラッチ、52・・・第2ワンウェイクラッチ、53・・・第1トルクリミッタ、54・・・第2トルクリミッタ、70・・・自動再圧縮機構、100・・・機械室、101・・・巻上機、102・・・そらせ車、105・・・主ロープ、106・・・ガイドレール、108・・・昇降路、109・・・ピット

Claims (10)

  1. エレベーターの乗りかごの昇降速度を監視する調速機において、
    前記乗りかごの昇降動作に合わせて循環移動する無端状の調速機ロープと、
    前記調速機ロープにおける上下方向の上側折り返し部が巻き掛けられた調速機プーリと、
    前記調速機ロープにおける上下方向の下側折り返し部が巻き掛けられた張りプーリと、
    前記張りプーリの一部又は全部を覆うカバー部と、
    前記カバー部に接続され、前記カバー部に対して前記張りプーリを回転可能に支持するプーリシャフトと、
    前記カバー部を支持すると共に、前記カバー部に下向きの力を付与する弾性部材を支持する支持部材と、
    前記支持部材を介して前記弾性部材を自動的に元の長さに戻す自動再圧縮機構と
    を備える調速機。
  2. 前記自動再圧縮機構は、
    前記張りプーリの回転トルクを前記弾性部材の伸縮方向の力として前記支持部材に伝達するトルク伝達機構と、
    前記張りプーリの回転トルクのうち、前記弾性部材の圧縮方向の回転トルクのみを伝達するトルク方向制限機構と、
    前記支持部材に伝達される前記回転トルクのトルク値を制限するトルク値制限機構と、
    前記支持部材の、前記カバー部に対する前記弾性部材の圧縮方向への動作のみを許容する動作方向制限機構とを備える
    請求項1に記載の調速機。
  3. 前記自動再圧縮機構は、
    前記弾性部材の長さを監視する検出器と、
    前記検出器により検出された値を受信する制御部と、
    前記制御部の制御の下、前記支持部材を上方向に引き上げる支持部材移動装置と、
    前記支持部材の、前記カバー部に対する前記弾性部材の圧縮方向への動作のみを許容する動作方向制限機構とを備える
    請求項1に記載の調速機。
  4. 前記トルク伝達機構は、前記プーリシャフトと、前記支持部材との接続部に設けられたラックピニオン機構によって構成されている
    請求項2に記載の調速機。
  5. 前記トルク方向制限機構は、前記プーリシャフトに設けられたワンウェイクラッチによって構成されている
    請求項2に記載の調速機。
  6. 前記トルク値制限機構は、前記プーリシャフトに設けられ、前記ワンウェイクラッチよりも前記支持部材側に設けられたトルクリミッタにより構成されている
    請求項5に記載の調速機。
  7. 前記動作方向制限機構は、
    前記支持部材の外周面に設けられた溝部であって、上方向の面が前記張りプーリの外径方向に傾斜した斜面を為し、下方向の面が水平面を為す溝部が上下方向に連続して設けられたノコギリ型の溝部と、
    前記溝部に噛み合う噛み合い部と、
    前記カバー部において、前記溝部の対面に設けられ、前記噛み合い部の他端を収納すると共に、噛み合い部の移動方向を案内する横穴と、
    前記横穴の内部に配置され、前記噛み合い部を前記溝部側に付勢するバネ部とを備える
    請求項2に記載の調速機。
  8. 前記支持部材は、前記張りプーリの回転軸を挟み、かつ、前記張りプーリの回転軸方向において前記張りプーリを挟む位置に2本設けられている
    請求項1に記載の調速機。
  9. 前記支持部材の下部に、前記支持部材の水平方向への移動を規制するブラケットを備える
    請求項1に記載の調速機。
  10. 乗りかごの昇降速度を監視する調速機を備えたエレベーターにおいて、
    乗りかごの昇降動作に合わせて循環移動する無端状の調速機ロープと、
    前記調速機ロープにおける上下方向の上側折り返し部が巻き掛けられた調速機プーリと、
    前記調速機ロープにおける上下方向の下側折り返し部が巻き掛けられた張りプーリと、
    前記張りプーリの一部又は全部を覆うカバー部と、
    前記カバー部に接続され、前記カバー部に対して前記張りプーリを回転可能に支持するプーリシャフトと、
    前記カバー部を支持すると共に、前記カバー部に下向きの力を付与する弾性部材を支持する支持部材と、
    前記支持部材を介して前記弾性部材を自動的に元の長さに戻す自動再圧縮機構とを有する調速機を備える
    エレベーター。
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