JP2019149450A - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分割予定ライン上に金属を有したウェーハをドライエッチングする場合に、金属残りを原因としてウェーハに局所的にエッチングされない領域が発生することを防ぐ。【解決手段】基材W1上に積層されたデバイス層W2を備え、交差する分割予定ラインSと分割予定ラインS上の金属とを有したウェーハWの加工方法であって、ウェーハWの表面W2aをマスク部材Jで被覆するステップと、被覆ステップ実施後、分割予定ラインSに沿ってレーザビームを照射して分割予定ラインS上のマスク部材Jを金属とともに除去してマスクJ1を形成するステップと、マスク形成ステップ実施後、レーザ加工溝Mに金属が残存するか否かを検出するステップと、金属残り検出ステップでレーザ加工溝Mに金属残りが検出されなかったウェーハWに対してマスクJ1を介してドライエッチングを施すステップと、を備えたウェーハWの加工方法である。【選択図】図5

Description

本発明は、基材と基材上に積層されたデバイス層とを備え、交差する複数の分割予定ラインと分割予定ライン上の金属とを有したウェーハの加工方法に関する。
チップ製造における生産性の向上や分割予定ラインの狭幅化によるチップの取り数の向上等を達成するためには、プラズマエッチングを利用して板状のウェーハを個々のチップに分割するプラズマダイシング(例えば、特許文献1参照)が有効である。
特開2016−207737号公報
プラズマエッチングをウェーハに施すにあたっては、ウェーハのデバイスが形成されている表面を液状樹脂で被覆した後に、分割予定ライン上の樹脂を除去することでプラズマエッチングからデバイスを保護するマスクを形成している。
ウェーハには、例えばシリコン等の基材上にデバイスを構成する金属を含む回路層(デバイス層)が形成されているものがある。また、ウェーハによっては、分割予定ライン上に金属を含むTEG(Test Element Group)が形成されているものもある。このような分割予定ライン上に金属が存在しているウェーハにプラズマエッチングを施す場合には、先に分割予定ライン上の金属と被覆した樹脂とをウェーハから除去する。しかし、分割予定ライン上の金属を除去しきれていない場合、プラズマエッチングを施すと分割予定ライン上の金属が残存している領域ではエッチングが進行せず、局所的にエッチングが施されない領域が発生してしまうという問題がある。
よって、基材と基材上に積層されたデバイス層とを備え、交差する複数の分割予定ラインと分割予定ライン上の金属とを有したウェーハをプラズマエッチングする場合には、金属残りを要因としてウェーハの分割予定ライン上に局所的にエッチングが施されない領域が発生してしまうことを防ぐという課題がある。
上記課題を解決するための本発明は、基材と該基材上に積層されたデバイス層とを備え、交差する複数の分割予定ラインと該分割予定ライン上の金属とを有したウェーハの加工方法であって、ウェーハの表面をマスク部材で被覆する被覆ステップと、該被覆ステップを実施した後、該分割予定ラインに沿ってレーザビームを照射して該分割予定ライン上の該マスク部材を該金属とともに除去してマスクを形成するマスク形成ステップと、該マスク形成ステップを実施した後、レーザ加工溝に金属が残存するか否かを検出する金属残り検出ステップと、該金属残り検出ステップで該溝に金属残りが検出されなかったウェーハに対して該マスクを介してドライエッチングを施すドライエッチングステップと、を備えたウェーハの加工方法である。
前記金属残り検出ステップは、前記基材を透過するが前記金属は反射する波長の光を前記レーザ加工溝に照射して撮像画像を形成し、該撮像画像をもとに金属が残存するか否かを検出するものとすると好ましい。
前記金属残り検出ステップは、ウェーハの下に配設され前記光を反射する反射面を介して実施されると好ましい。
本発明に係るウェーハの加工方法は、マスク形成ステップを実施した後、レーザ加工溝に金属が残存するか否かを検出する金属残り検出ステップを実施し、金属残り検出ステップでレーザ加工溝に金属残りが検出されなかったウェーハに対してマスクを介してドライエッチングを施すことで、分割予定ライン上に金属残りを要因とする局所的にエッチングが施されない領域が発生してしまうことを防ぐことが可能となる。
金属残り検出ステップは、基材を透過するが金属は反射する波長の光をレーザ加工溝に照射して撮像画像を形成し、撮像画像をもとに金属が残存するか否かを検出するものとすることで、鮮明にレーザ加工溝上に残っている金属の撮像が可能となるため、金属残りの検出不良を防止できる。
金属残り検出ステップは、ウェーハの下に配設され光を反射する反射面を介して実施されることで、ウェーハに照射される光量が少なくてもレーザ加工溝上に残っている金属の鮮明な撮像が可能となるため、金属残りの検出不良を防止できる。
レーザ加工装置の一例を示す斜視図である。 裏面にテープが貼着され環状フレームで支持されたウェーハを示す斜視図である。 マスク被覆手段を用いてウェーハの表面に液状樹脂を滴下してマスク部材を被覆している状態を示す断面図である。 分割予定ラインに沿ってウェーハにレーザビームを照射して分割予定ライン上のマスク部材を金属とともに除去してマスクを形成している状態を示す断面図である。 基材を透過するが金属は反射する波長の光をレーザ加工溝に照射して撮像画像を形成し、撮像画像をもとにレーザ加工溝に金属が残存するか否かを検出している状態を説明する説明図である。 レーザ加工溝が写った2値化処理後の撮像画像の一例を説明する説明図である。 ウェーハにドライ(プラズマ)エッチングを施すプラズマエッチング装置の一例を示す断面図である。
図1に示すレーザ加工装置1は、保持テーブル30に保持したウェーハWにレーザビームを照射して加工を施す加工装置である。
図1、2に示すウェーハWは、例えば、シリコンからなる基材W1を備える円形の半導体ウェーハである。基材W1の表面W1aには金属を含むデバイス層W2(回路層)が積層されており、該デバイス層W2によって複数のデバイスDがマトリックス状に形成されている。なお、デバイス層W2は、金属からなる回路と、回路間を絶縁する絶縁部材とから構成されている。各デバイスDは、それぞれ直交差するようにウェーハWの表面W2a(デバイス層W2の上面)に設定された複数の分割予定ラインSによって区画されている。
分割予定ラインS上には、例えば、アルミニウム又は銅等の金属で構成される図示しないTEGが形成されている。
例えば、ウェーハWの外周縁には、結晶方位を示すマークであるノッチNが、ウェーハWの中心に向けて径方向内側に窪んだ状態で形成されている。
なお、基材W1はシリコン以外にガリウムヒ素、サファイア、窒化ガリウム又はシリコンカーバイド等で構成されていてもよい。また、ウェーハWは、本実施形態のように分割予定ラインS上に金属を含むデバイス層W2とTEGとの両方が存在しているものに限定されず、分割予定ラインS上にデバイス層W2のみが存在している又はTEGのみが存在しているものであってもよい。また、例えばTEGは、各分割予定ラインSの全長に渡って複数存在していてもよいし、ウェーハWの各分割予定ラインS上に局所的に存在していてもよい。
レーザ加工装置1の基台10上には、割り出し送り方向であるY軸方向に保持テーブル30を往復移動させるY軸移動手段20が備えられている。Y軸移動手段20は、Y軸方向の軸心を有するボールネジ200と、ボールネジ200と平行に配設された一対のガイドレール201と、ボールネジ200を回動させるモータ202と、内部のナットがボールネジ200に螺合し底部がガイドレール201に摺接する可動板203とから構成される。そして、モータ202がボールネジ200を回動させることで可動板203がガイドレール201にガイドされてY軸方向に移動し、可動板203上にX軸移動手段21を介して配設された保持テーブル30が可動板203の移動に伴いY軸方向に移動する。
可動板203上に配設されたX軸移動手段21は、X軸方向の軸心を有するボールネジ210と、ボールネジ210と平行に配設された一対のガイドレール211と、ボールネジ210を回動させるモータ212と、内部のナットがボールネジ210に螺合し底部がガイドレール211に摺接する可動板213とから構成される。そして、モータ212がボールネジ210を回動させることで可動板213がガイドレール211にガイドされてX軸方向に移動し、可動板213上に配設された保持テーブル30が可動板213の移動に伴い、加工送り方向であるX軸方向に移動する。
ウェーハWを保持する保持テーブル30は、例えば、その外形が円形状であり、ポーラス部材等からなり図示しない吸引源に連通し水平面である保持面30a上でウェーハWを吸引保持する。保持テーブル30は、底面側に配設された回転手段32により鉛直方向(Z軸方向)の軸心周りに回転可能である。保持テーブル30の周囲には、ウェーハWが環状フレームF(図2参照)に支持された状態となっている場合に環状フレームFを固定する固定クランプ33が、周方向に均等に4つ配設されている。
レーザ加工装置1は、CPU等から構成され装置全体の制御を行う制御手段19を備える。制御手段19は、図示しない配線によって、Y軸移動手段20、X軸移動手段21、及び回転手段32等に接続されており、制御手段19の制御の下で、Y軸移動手段20による保持テーブル30の割り出し送り動作や、X軸移動手段21による保持テーブル30の加工送り動作、及び回転手段32による保持テーブル30の回転動作等が制御される。
制御手段19は、例えば、制御プログラムや予め設定される情報等を格納するROM及び演算結果やその他の情報等を格納するRAMからなる記憶部192を備えている。
基台10の後方(+Y方向側)には、コラム10Aが立設されており、コラム10A前面の−X方向側の領域には、レーザビーム照射手段60が配設されている。
レーザビーム照射手段60は、コラム10Aの前面から−Y方向に水平に突出する略直方体状のハウジング600を備えており、ハウジング600の先端部には、照射ヘッド609と撮像手段67とがX軸方向に並んで配設されている。
ハウジング600内にはレーザビーム発振器601が配設されている。レーザビーム発振器601は、例えばYAGレーザ或いはYVO4レーザ等から構成されており、ウェーハWの基材W1に対して吸収性を有する波長又は分割予定ラインS上の金属に対して吸収性を有する波長のレーザビームを発振させることができる。
照射ヘッド609内にはレーザビームを集光する集光レンズ609aが配設されている。
レーザビーム照射手段60は、レーザビーム発振器601から−Y軸方向に向かって発振させたレーザビームを、出力鏡を通し照射ヘッド609に送り、照射ヘッド609の内部に備えた図示しないミラーで反射させ集光レンズ609aに入光させることで、レーザビームを保持テーブル30で保持されたウェーハWに集光し照射できる。なお、照射ヘッド609により集光されるレーザビームの集光点位置は、図示しない集光点位置調整手段によって保持テーブル30の保持面30aに対して垂直な方向(Z軸方向)に調整できる。
撮像手段67は、例えば、赤外線を下方に照射する赤外線照射手段670と、レンズ等から構成され被写体で反射した赤外線を捕らえる図示しない光学系と、光学系で結像された被写体像を光電変換して画像情報を出力する赤外線用撮像素子とを備えている。
また、撮像手段67は、例えば、可視光線を下方に照射する可視光線照射手段671と、図示しない光学系で結像された被写体像を光電変換して画像情報を出力する可視光線用撮像素子とを備えている。
例えば、レーザ加工装置1は、ウェーハWの表面W2aにマスク部材を被覆するマスク被覆手段4(スピンコータ)を備えている。なお、マスク被覆手段4は、レーザ加工装置1から独立していてもよい。
コラム10A前面の+X方向側の領域には、マスク被覆手段4を構成する直方体状のケーシング40が連結されており、ケーシング40の内部にはスピンナーテーブル41を収容する有底の収容部400が形成されており、ケーシング40の上面には収容部400内のスピンナーテーブル41にウェーハWを搬入出する搬入出口が形成されている。
スピンナーテーブル41は、例えば、その外形が円形状であり、ポーラス部材等からなり図示しない吸引源に連通する保持面41aを備えている。スピンナーテーブル41の周囲には、環状フレームF(図2参照)を固定する固定クランプ411が4つ周方向に所定間隔を空けて均等に配設されている。
スピンナーテーブル41の下方には回転手段42が配設されており、回転手段42は、スピンナーテーブル41の底面側に上端が固定されたスピンドル420をモータ等の回転駆動源421がZ軸方向の軸心周りに回転させることで、スピンナーテーブル41を所定の回転速度で回転させることができる。
マスク被覆手段4は、スピンナーテーブル41の保持面41aで吸引保持されたウェーハWに液状樹脂を滴下するノズル45を備えている。ノズル45は、例えば、収容部400の底401(図3参照)から立設しており、側面視略L字状の外形を備える。ノズル45は、Z軸方向の軸心周りに旋回可能であり、ノズル45の先端部分に形成された供給口450をスピンナーテーブル41の保持面41a上方に位置付けることができる。
ノズル45は、液状樹脂を蓄えた液状樹脂供給源47に連通している。液状樹脂供給源47に蓄えられた液状樹脂は、水溶性樹脂(例えば、ポリビニルピロリドンやポリビニルアルコール)であると好ましいが、水溶性の液状樹脂以外にも非水溶性の液状樹脂やレジスト液等であってもよい。また、本実施形態のように、吸光剤が液状樹脂に分散して含まれていると好ましいが、吸光剤は含まれていなくともよい。吸光剤は、本発明に係る加工方法のマスク形成ステップにおいて、分割予定ラインS上のマスク部材のレーザビームの吸収率を高め、マスク部材及び金属の除去効率を上げることができる。
例えば、マスク被覆手段4は、ウェーハWの表面W2aにマスク部材を被覆する以外にも、ウェーハWの表面W2aからマスクを洗浄除去する洗浄手段としての役割を果たすことができる。マスク被覆手段4は、スピンナーテーブル41の保持面41aで吸引保持されたウェーハWに洗浄水を噴射する洗浄ノズル46を備えている。洗浄ノズル46は、例えば、収容部400の底401(図3参照)から立設しており、側面視略L字状の外形を備える。洗浄ノズル46は、Z軸方向の軸心周りに旋回でき、洗浄ノズル46の先端部分に形成された噴射口460をスピンナーテーブル41の保持面41a上方に位置付け可能である。洗浄ノズル46は、洗浄水を蓄えた洗浄水供給源48に連通している。
コラム10A前面のマスク被覆手段4の上方に位置する領域には、スピンナーテーブル41からマスク部材被覆後のウェーハWを搬出して保持テーブル30へと搬送する搬送手段5が配設されている。搬送手段5は、例えば、ウェーハWを環状フレームFを介して保持する搬送パッド50と、ウェーハWを保持した搬送パッド50をX軸方向に移動させるパッド移動手段51と、搬送パッド50を昇降させるパッド昇降手段52とを備える。
パッド移動手段51は、コラム10Aの前面に配設されX軸方向の軸心を有するボールネジ510と、ボールネジ510と平行に配設された一対のガイドレール511と、ボールネジ510の一端に連結されたモータ512と、ボールネジ510に螺合し側部がガイドレール511上を摺動する可動ブロック513とを備えており、モータ512がボールネジ510を回動させると、これに伴い可動ブロック513が一対のガイドレール511にガイドされてX軸方向に移動し、可動ブロック513によって支持されるパッド昇降手段52の下端側に取り付けられた搬送パッド50がX軸方向に移動する。
パッド昇降手段52は、ボールネジ機構又はエアピストン機構等で構成されており、搬送パッド50をZ軸方向に昇降させ所定の高さ位置に位置付けることができる。
パッド昇降手段52の下端側に固定された搬送パッド50は、平面視H形状の外形を備え、その下面側にウェーハWを支持する環状フレームFを吸着する4個の吸着部501を備えている。各吸着部501には、吸着力を生み出す図示しない吸引源が連通している。
以下に、本発明に係る加工方法を実施して図1、2に示すウェーハWをデバイスDを備える個々のチップへと分割する場合の各ステップについて説明していく。
(1)被覆ステップ
加工方法の本実施形態においては、例えば、図2に示すように、ウェーハWよりも大径のテープTがウェーハWの裏面W1b(基材W1の裏面)に貼着され、テープTの粘着面の外周部が円形の開口を備える環状フレームFに貼着されることで、ウェーハWは、表面W2aが上方に露出した状態でテープTを介して環状フレームFに支持された状態になる。テープTのウェーハWに対する貼着等は、例えば、図示しないテープマウンタにおいて転動するローラによりテープTをウェーハWに押し付けてなされる。例えば、環状フレームF及びテープTは、後のドライエッチングステップで使用されるエッチングガス(例えば、SFガスやCガス)に対する耐性を備えていると好ましい。即ち、例えば、環状フレームFはSUSで形成され、テープTはポリオレフィン等で形成されていると好ましい。
なお、上記作業は、後述するドライエッチングステップにおいてウェーハWをフルカットする場合のハンドリングを、環状フレームFを用いて容易に行えるようにするためである。したがって、上記作業は、本実施形態のように最初に実施されていなくてもよく、少なくとも、ドライエッチングステップを実施する前段階までに行えばよい。
被覆ステップでは、ウェーハWが、テープT側を下にして図1に示すスピンナーテーブル41の保持面41a上に載置される。そして図示しない吸引源が生み出す吸引力が保持面41aに伝達されることで、図3に示すように、スピンナーテーブル41によりウェーハWが吸引保持される。また、各固定クランプ411により環状フレームFが固定される。
次いで、ノズル45が旋回し供給口450がウェーハWの中央上方に位置付けられる。液状樹脂供給源47が吸光剤入りの液状樹脂をノズル45に供給し、供給口450からウェーハWの表面W2aに所定量の液状樹脂が滴下される。そして、スピンナーテーブル41が回転することで、滴下された液状樹脂が遠心力によりウェーハWの表面W2aの中心側から外周側に向けて流れて全面にいきわたり、ほぼ一様な厚さのマスク部材J(図4参照)がウェーハWの表面W2aに被覆される。
その後、回転を継続してマスク部材Jを回転乾燥させる。なお、マスク部材Jの乾燥は、スピンナーテーブル41の上方にヒータを位置付けて、ヒータによってマスク部材Jを加熱して乾燥させてもよい。
(2)マスク形成ステップ
次に、図1に示す搬送手段5による保持テーブル30へのウェーハWの搬入が行われる。パッド移動手段51が搬送パッド50をY軸方向に移動し、各吸着部501がスピンナーテーブル41で保持されるウェーハWの環状フレームF上方に位置付けられる。パッド昇降手段52が搬送パッド50を降下させ、吸着部501が環状フレームFに接触して吸着を行うことで、搬送パッド50が環状フレームFに支持されたウェーハWを保持する。
搬送パッド50が上昇し、パッド移動手段51がウェーハWを保持した搬送パッド50を保持テーブル30の上方まで−X方向に移動させる。その後、表面W2aが上側を向くようにしてウェーハWが保持面30aに載置され、保持テーブル30が保持面30a上でウェーハWを吸引保持した後、搬送パッド50が保持テーブル30上から退避する。また、固定クランプ33が環状フレームFを挟持固定する。
図1に示すY軸移動手段20が可動板203をY軸方向に移動させるとともに、X軸移動手段21が可動板213をX軸方向に移動させて、撮像手段67の撮像領域内にウェーハWの表面W2aが収まるように保持テーブル30が所定位置に位置付けられる。撮像手段67のピントがウェーハWの表面W2aに合うようにオートフォーカスが行われた後、撮像手段67によりウェーハWの表面W2aが撮像される。即ち、撮像手段67の可視光線照射手段671が可視光線を下方に照射して表面W2aを照らし、ウェーハWからの反射光が光学系を通じて可視光線用撮像素子に受光され、分割予定ラインSが写った撮像画像が形成される。形成された撮像画像は撮像手段67から制御手段19に送られる。制御手段19は、該撮像画像を基にパターンマッチング等の画像処理を実施し、ウェーハWのレーザビームを照射する分割予定ラインSの座標位置を検出する。
分割予定ラインSの位置が検出されると、図4に示すように、保持テーブル30がY軸方向に移動され、分割予定ラインSとレーザビーム照射手段60の照射ヘッド609との位置合わせがなされる。次いで、集光レンズ609aによって集光されるレーザビームの集光点位置が、例えばウェーハWのデバイス層W2の高さ位置に合わせられる。そして、レーザビーム発振器601が、デバイス層W2を構成する金属及び図示しないTEGを構成する金属に対して吸収性を有する波長のレーザビームを発振し、レーザビームをデバイス層W2に集光し照射する。また、ウェーハWが往方向である−X方向(紙面奥側)に所定の加工送り速度で送られ、レーザビームが分割予定ラインSに沿ってデバイス層W2に照射されていくことで、分割予定ラインS上のデバイス層W2、TEG及びマスク部材Jが溶融することで除去されて、分割予定ラインSに対応するレーザ加工溝Mが形成されていく。レーザ加工溝Mの底には、基材W1の表面W1aが露出している。
なお、レーザビームの集光点位置を例えば基材W1の表面W1aの高さ位置に合わせて、レーザビーム発振器601から基材W1に吸収性を有する波長のレーザビームを発振させ、レーザビームを基材W1の表面W1aに集光し照射することで、基材W1の表面W1aをアブレーションして加工しつつ、デバイス層W2、TEG、及びマスク部材Jを除去してレーザ加工溝を形成していってもよい。
分割予定ラインSに沿ってレーザビームを照射し終える所定の位置までウェーハWが−X方向に進行すると、レーザビームの照射を停止するととも保持テーブル30がY軸方向に移動され、−X方向での加工送りにおいてレーザビーム照射の際に基準となった分割予定ラインSの隣に位置する分割予定ラインSと照射ヘッド609とのY軸方向における位置合わせが行われる。ウェーハWが復方向である+X方向(紙面手前側)へ加工送りされ、往方向でのレーザビームの照射と同様に、デバイス層W2、TEG、及びマスク部材Jが除去され分割予定ラインSに沿ってレーザ加工溝Mが形成される。順次同様のレーザビームの照射をX軸方向に延びる全ての分割予定ラインSに沿って行った後、保持テーブル30を90度回転させてから同様のレーザビームの照射を行うと、ウェーハWの表面W2aの分割予定ラインSに対応する領域以外の領域にマスクJ1が形成された状態になる。
(3)金属残り検出ステップ
次に、前ステップで形成されたレーザ加工溝Mにデバイス層W2又はTEGの金属が残存するか否かを検出する金属残り検出ステップを実施する。
例えば、ウェーハWの表面W2a上で同一方向に延びる各レーザ加工溝Mを第1チャンネルのレーザ加工溝Mとし、一方、ウェーハWの表面W2a上で上記第1チャンネルのレーザ加工溝Mと直交差する方向に延びる各レーザ加工溝Mを第2チャンネルのレーザ加工溝Mとする。そして、まず、第1チャンネルのレーザ加工溝M上に金属残りが有るか否かが検出されていく。
図5に示すように、保持テーブル30に保持されたウェーハWが−X方向(紙面奥側)に送られるとともに、ウェーハWのX軸方向に延びる一本のレーザ加工溝Mを撮像手段67で撮像できるように、ウェーハWと撮像手段67とがY軸方向において位置合わせされる。さらに保持テーブル30が−X方向に送られつつ、撮像手段67によりウェーハWのレーザ加工溝MがX軸方向において連続的に撮像されていく。即ち、図5に示すように、例えば、レーザ加工溝Mの溝底にピントが合わせられた撮像手段67において、赤外線照射手段670が赤外線を下方に照射してウェーハWのレーザ加工溝Mを照らし、そして、ウェーハWからの反射光が光学系を通じ赤外線用撮像素子に受光され、レーザ加工溝Mが写った撮像画像が形成される。
このように、金属残り検出ステップは、基材W1を透過するがデバイス層W2やTEGの金属は反射する波長の光(赤外線)をレーザ加工溝Mに照射して撮像画像を形成することで、鮮明にレーザ加工溝M上に残っている金属の撮像が可能となるため、後述する検出部191による金属残りの検出不良を防止できる。
なお、金属残り検出ステップにおける撮像画像の形成は、本実施形態のように、基材W1を透過するがデバイス層W2及びTEGの金属は反射する波長の赤外線をレーザ加工溝Mに照射して撮像画像を形成するのが好ましいが、撮像手段67の可視光線照射手段671から可視光線をレーザ加工溝Mに照射して撮像を行ってもよい。
また、赤外線照射手段670が照射できる赤外線の光量が足りない場合もあるため、ウェーハWの下方に、予め、撮像手段67が照射する光を反射する反射面を配設するものとしてもよい。該反射面は、ウェーハWを透過した赤外線を反射して赤外線用撮像素子への入射光量を増加させる。そのため、ウェーハWに照射される赤外線光量が少なくてもレーザ加工溝M上に残っている金属の鮮明な撮像が可能となるため、金属残りの検出不良を防止できる。
該反射面の1例としては、保持テーブル30の保持面30aを鏡面として反射面とする。または、吸引力を伝達可能な孔が形成された鏡又は鏡面が形成された金属板を、(2)マスク形成ステップを実施する前等に保持テーブル30の保持面30a上に載置して、該鏡や金属板を介して保持面30a上でウェーハWを吸引保持するものとしてもよい。若しくは、(1)被覆ステップ等において、テープTの粘着面のウェーハWが貼着される領域にウェーハWを貼着できる粘着層を備える鏡面金属シート等を貼着しておき、ウェーハWを鏡面金属シートを挟んでテープT上に貼着するものとしてもよい。
撮像手段67は、ウェーハWの表面W2aの1本のレーザ加工溝Mについての各撮像画像(レーザ加工溝Mが所定の長さ分写った撮像画像)を図1に示す制御手段19に逐次送信する。撮像手段67のX軸方向における撮像間隔は、例えば、撮像手段67の撮像領域の大きさによって決まり、一本のレーザ加工溝Mの上方を撮像手段67が通過しきるX軸方向の所定位置まで保持テーブル30が−X方向に進行した際に、一本のレーザ加工溝M中に撮像されていない箇所が生じないように決められる。
制御手段19は、例えば、図示しない2値化処理部を備えており、該2値化処理部は、取得されたレーザ加工溝Mを示す撮像画像に対して2値化処理を行う。2値化処理は、例えば、1画素の輝度値が8ビット諧調、即ち、0〜255までの256通りで表現される撮像画像を、スライスレベル(閾値)より輝度値の小さい画素を0とし、スライスレベルより輝度値の大きい画素を255として、2値化画像に変換する処理である。該スライスレベルは、金属残りを検出するために予め実験的、経験的、又は理論的に選択された輝度値であり、記憶部192のROMに記憶されている。
形成された撮像画像の1画素毎における輝度値、即ち、撮像手段67の赤外線用撮像素子の各1画素に入射した赤外線の光量は、レーザ加工溝M内に金属残りがある場合に、該金属残りで赤外線が反射することで違いが生じる。即ち、レーザ加工溝M上の金属残りがある箇所は入射光量が増えてその1画素は輝度値が255に近づいて白色に近づき、金属残りが無い箇所は入射光量が減りその1画素は輝度値0に近づいて黒色に近づく。
よって、2値化処理により、撮像画像において輝度値がスライスレベルを超えている画素は輝度値0(白)となり、例えば所定の解像度の仮想的な出力画面B上(図6参照)にレーザ加工溝M上の金属残りとして表示される。また、輝度値がスライスレベル以下である画素は輝度値255(黒)となり、出力画面B上にレーザ加工溝Mとして表示される。
図6には、1本のレーザ加工溝Mの一部が写った2値化処理後の撮像画像Gを模式的に示している。
図1に示すように、制御手段19は検出部191を備えており、検出部191は、撮像手段67により形成されたレーザ加工溝Mが写った撮像画像(本実施形態においては、図6に示す出力画面B上に表示された2値化処理後の撮像画像G)に写った黒色で示されるレーザ加工溝M上に金属残り(白色箇所)が有るか無いかを検出していく。
なお、2値化処理される前の撮像画像が出力画面Bに表示され、検出部191が2値化処理される前の撮像画像から金属残りの検出を行ってもよい。
そして、撮像手段67によるレーザ加工溝Mの撮像が連続的に行われ、また、検出部191が形成された撮像画像を基に金属残りの検出を実施していき、一本のレーザ加工溝Mの上方を撮像手段67が通過しきるX軸方向の所定位置まで保持テーブル30が−X方向に進行する。この時点において、検出部191が各2値化処理後の撮像画像から金属残りを検出しなかったものとする。すると、保持テーブル30の−X方向(往方向)への移動が一度停止する。次いで、保持テーブル30がY軸方向に割り出し送りされ、往方向において撮像手段67による撮像がなされたレーザ加工溝Mの隣に位置するレーザ加工溝Mと撮像手段67と位置合わせを行う。この後、先と同様に撮像手段67によるレーザ加工溝Mの撮像がされ、それに並行して検出部191による金属残りの検出が行われていく。
例えば、図5に示すレーザ加工溝M1の撮像が撮像手段67により行われ、検出部191が、レーザ加工溝M1が写った撮像画像からレーザ加工溝M1上に金属が残存することを検出したものとする。この場合には、金属残りが検出されたレーザ加工溝M1に再度レーザビームが照射される。
なお、検出部191は、レーザ加工溝M1上に金属が残存することを検出した場合には、警報音を鳴らす又はエラーを表示する等して、オペレータにその旨を通知してもよい。
制御手段19による制御の下で、保持テーブル30がY軸方向に割り出し送りされ、レーザビーム照射手段60の照射ヘッド609と図5に示すレーザ加工溝M1との位置合わせが行われる。また、集光レンズ609aにより集光されるレーザビームの集光点位置が、例えば、デバイス層W2の高さ位置に位置付けられる。ウェーハWを保持する保持テーブル30がX軸方向に送られると共に、レーザビーム照射手段60からデバイス層W2又はTEGを構成する金属に対して吸収性を有する波長のレーザビームがレーザ加工溝M1に照射され、レーザ加工溝M1の金属残りが除去される。なお、レーザビームのレーザ加工溝M1に対する照射は、レーザ加工溝M1の全長に対して行われなくともよく、レーザ加工溝M1の金属残りが検出された箇所に局所的になされてもよい。
例えば、レーザ加工溝M1に対するレーザビームの照射が行われた後、撮像手段67が先と同様にレーザ加工溝M1の撮像を行い、レーザ加工溝M1が写った撮像画像を基に検出部191が金属が残存しているか否かの検出を行う。そして、レーザ加工溝M1上に金属が残存していないとの判断がなされると、保持テーブル30がY軸方向に移動されて、レーザ加工溝M1の隣に位置するまだ撮像が行われていないレーザ加工溝Mと撮像手段67と位置合わせが行われる。この後、先と同様に撮像手段67による第1チャンネルのレーザ加工溝Mの撮像と、それに並行した検出部191による金属残りの検出とが行われていく。
検出部191が、第1チャンネルの全てのレーザ加工溝Mについて金属残りが無いことを検出すると、保持テーブル30が90度回転されて、第2チャンネルのレーザ加工溝Mについて金属残りの有無が検出されていく。そして、第2チャンネルのレーザ加工溝M上に金属が残存していないとの判断がなされると、ウェーハWは図7に示すプラズマエッチング装置9に搬送される。
なお、金属残り検出ステップは、撮像手段67による撮像と検出部191による検出とが上記のように並行して行われる形態に限定されない。
まず、第1チャンネルの各レーザ加工溝M全ての撮像を撮像手段67で行い、その後、形成された各撮像画像を基にして検出部191が金属残りの検出を行っていくものとしてもよい。
この場合における撮像手段67によるレーザ加工溝Mの撮像は、撮像手段67が、ウェーハWの表面W2aの1本のレーザ加工溝Mについての撮像画像(レーザ加工溝Mが所定の長さ分写った撮像画像)を、図1に示す制御手段19に逐次送信する。該撮像画像は、制御手段19の記憶部192のRAMに一本のレーザ加工溝Mの全体(全長)が写った撮像画像を構成可能に順番に記録される。そして、一本のレーザ加工溝Mの上方を撮像手段67が通過しきるX軸方向の所定位置まで、保持テーブル30が−X方向に進行すると、第1チャンネルの1本のレーザ加工溝Mの全体を示す撮像画像が取得される。
その後、保持テーブル30がY軸方向に割り出し送りされ、第1チャンネルの全てのレーザ加工溝Mそれぞれについて、その全体を示す撮像画像が同様に取得される。
例えば、制御手段19の記憶部192のROMには、ウェーハWの直径、ウェーハWの外周縁に形成されたノッチN(図2参照)とウェーハWの表面W2aに形成された複数の分割予定ラインSとの間隔等の情報を示すウェーハWのパターン設計値が記憶されている。そして、上記撮像画像の形成においては、ノッチNの位置と予め記憶しているウェーハWのパターン設計値とから、基準位置となるノッチNの位置に対する撮像画像が取得された1本のレーザ加工溝Mの相対的な座標位置が把握され、撮像画像と共にその撮像画像に写ったレーザ加工溝MのウェーハWの表面W2aにおける位置とが紐付けされて記憶部192のRAMに記憶されていってもよい。なお、撮像画像を取得したレーザ加工溝Mの位置情報は、撮像手段67に対する保持テーブル30の相対的な位置から把握されてもよい。
これにより、後述する検出部191が各レーザ加工溝Mの金属残りの有無を検出する際に、検出部191は、金属残りの検出の有無を実施しているレーザ加工溝Mが第1チャンネルのどの位置に位置するレーザ加工溝であるかを把握しつつ、金属残りを検出していく。
(4)ドライエッチングステップ
上記金属残り検出ステップにおいてレーザ加工溝Mに金属残りが検出されなかったウェーハW又はレーザ加工溝M1に金属残りが検出されてもその後レーザ加工溝M1から金属残りが除去されたウェーハWに対して、例えば、図7に示すプラズマエッチング装置9を用いてマスクを介してウェーハWにドライエッチング(プラズマエッチング)を施して、ウェーハWを分割予定ラインSに沿って個々のチップに分割(フルカット)する。
図7に示すプラズマエッチング装置9は、ウェーハWを保持する保持手段90と、ガスを噴出するガス噴出ヘッド91と、保持手段90及びガス噴出ヘッド91を内部に収容したチャンバ92とを備えている。
例えば、保持手段90は、静電チャックであり、セラミック又は酸化チタン等の誘電体で形成されており、支持柱900により下方から支持されている。保持手段90の内部には、電圧の印加により電荷を発生する円板状の電極901が保持手段90の保持面90aと平行に配設されており、電極901は、整合器94a及びバイアス高周波電源95aに接続されている。例えば、保持手段90の内部には、図示しない通水路が形成されており、該通水路を循環する冷却水により保持手段90が内部から所定温度に冷却される。
チャンバ92の上部に軸受け919を介して昇降自在に配設されたガス噴出ヘッド91の内部には、ガス拡散空間910が設けられており、ガス拡散空間910の上部にはガス導入口911が連通し、ガス拡散空間910の下部にはガス吐出口912が複数連通している。各ガス吐出口912の下端は保持手段90の保持面90aに向かって開口している。ガス導入口911に接続されたガス供給部93には、例えばSF、CF、C、C等のフッ素系ガスがエッチングガスとして蓄えられている。
ガス噴出ヘッド91には、整合器94を介して高周波電源95が接続されている。高周波電源95から整合器94を介してガス噴出ヘッド91に高周波電力を供給することにより、ガス吐出口912から吐出されたエッチングガスをプラズマ化できる。そして、図示しない制御部による制御下で、ガス吐出量や吐出時間、高周波電力等の条件がコントロールされる。
チャンバ92の底には排気口96が形成されており、排気口96には排気装置97が接続されている。排気装置97を作動させることで、チャンバ92の内部を所定の真空度まで減圧できる。チャンバ92の側部には、ウェーハWを搬入出する搬入出口920と、搬入出口920を開閉するゲートバルブ921とが設けられている。
チャンバ92の内部には、ドライエッチング実施中の環状フレームFの加熱を防ぐためのフレーム加熱防止ガード98が配設されている。フレーム加熱防止ガード98は、例えば、エッチングガスに対する耐性を備えるSUS等を環状の平板状に形成したものであり、チャンバ92の内側壁に取り付けられている。
ドライエッチングおいては、まず、搬入出口920からウェーハWをチャンバ92内に搬入し、マスクJ1側を上側に向けてウェーハWを保持手段90の保持面90a上に載置する。そして、ゲートバルブ921を閉じ、排気装置97によりチャンバ92内の空気を排気し、チャンバ92内を所定圧力の密閉空間とする。また、ウェーハWを支持する環状フレームFの上方は、フレーム加熱防止ガード98により覆われた状態になる。
ガス噴出ヘッド91をチャンバ92内の所定の高さ位置まで下降させ、ガス供給部93から例えばSFを主体とするエッチングガスをガス拡散空間910に供給し、ガス吐出口912から下方に噴出させる。また、高周波電源95からガス噴出ヘッド91に高周波電力を印加して、ガス噴出ヘッド91と保持手段90との間に高周波電界を生じさせ、エッチングガスをプラズマ化させる。これに並行して、電極901にバイアス高周波電源95aから電圧を印加して、保持手段90の保持面90aとウェーハWとの間に誘電分極現象を発生させ、電荷の分極により生じる静電吸着力によってウェーハWを保持面90a上で吸着保持する。
プラズマ化したエッチングガスは、ウェーハWの表面W2aのマスクJ1が形成されている領域はほとんどエッチングせず、基材W1の分割予定ラインSに沿って形成されたレーザ加工溝M内から基材W1を−Z方向に向かって異方性エッチングしていく。そのため、縦横の分割予定ラインSに沿って格子状に基材W1がエッチングされていく。プラズマ化したエッチングガスによる環状フレームFに対する熱影響は、環状フレームFの上方を覆うフレーム加熱防止ガード98によって抑えられる。
基材W1をフルカットするまでプラズマエッチングを行い、プラズマエッチングを終了させる。即ち、図7に示すチャンバ92内へのエッチングガス等の導入及びガス噴出ヘッド91への高周波電力の供給を停止し、また、チャンバ92内のエッチングガスを排気口96から排気装置97に排気する。その結果、ウェーハWはデバイスDを備える個々のチップに分割される。
なお、ドライエッチングステップは、上記のようなSFガス単体によるプラズマエッチングで行われる形態に限定されず、SFガスによるプラズマエッチングとCガスによる溝側壁等に対する保護膜堆積(デポジション)とを交互に繰り返すボッシュ法により行われるものとしてもよい。
また、ウェーハWにプラズマエッチングを施して、ウェーハWを分割予定ラインSに沿って個々のチップに分割(フルカット)する代わりに、ドライエッチングによりウェーハWに所定深さ(ウェーハWの仕上げ厚さに基づく深さ)のハーフカット溝を形成してもよい。この場合には、後に、ウェーハWの裏面W1bをハーフカット溝の底が露出するまで研削することで、ウェーハWは個々のチップに分割されることになる。
本発明に係るウェーハWの加工方法は、マスク形成ステップを実施した後、レーザ加工溝Mに金属が残存するか否かを検出する金属残り検出ステップを実施し、金属残り検出ステップでレーザ加工溝Mに金属残りが検出されなかったウェーハWに対してマスクJ1を介してドライエッチングを施すことで、分割予定ラインS上に金属残りを要因として局所的にエッチングが施されない領域が発生してしまうことを防ぐことが可能となる。
チップに分割されたウェーハWは、例えば、図1に示すマスク被覆手段4に搬送され、マスクJ1が洗浄除去される。なお、ウェーハWは、マスク被覆手段4とは別の洗浄装置によってマスクJ1が洗浄除去されるものとしてもよい。
また、マスクJ1が水溶性樹脂からなるものでない場合には、例えば、図7に示すプラズマエッチング装置9によるアッシング等によってマスクJ1がチップから除去されるものとしてもよい。
ウェーハWが、テープT側を下にして図1に示すスピンナーテーブル41の保持面41a上に載置され吸引保持される。また、各固定クランプ411により環状フレームFが固定される。次に、スピンナーテーブル41上のウェーハWの表面W2aの中心部に洗浄ノズル46から洗浄水が噴射されると共に、スピンナーテーブル41が所定の回転速度で回転する。これにより、各チップ上のマスクJ1が洗浄水によって溶解し、スピンナーテーブル41の回転により発生する遠心力によって洗浄水と共に表面W2a上を外周方向に向かって流れていき、チップから除去される。
なお、スピンナーテーブル41を回転させつつ、洗浄水を噴射する洗浄ノズル46をスピンナーテーブル41上で水平方向に往復移動させることで、マスクJ1の除去を行ってもよい。
なお、本発明に係る加工方法は上記実施形態に限定されるものではなく、また、添付図面に図示されている各装置の構成等についても、これに限定されず、本発明の効果を発揮できる範囲内で適宜変更可能である。
例えば、金属残り検出ステップにおける撮像画像の形成は、レーザ加工装置1の保持テーブル30上で行われる例に限定されず、レーザ加工装置1の外部で行われてもよい。
金属残り検出ステップにおける撮像手段67による撮像画像の形成は、本実施形態のようにウェーハWの全ての分割予定ラインSに沿ってレーザ加工溝Mを形成した後に行う以外にも、例えば、第1チャンネルの分割予定ラインSに沿ってレーザ加工溝Mを形成した後に、第2チャンネルの分割予定ラインSに沿ってレーザ加工溝Mを形成する前に実施してもよい。または、撮像手段67は、分割予定ラインSに沿ってレーザビームを照射している照射ヘッド609を後方から追いかけるように移動して、ウェーハWに形成されたレーザ加工溝Mを撮像していってもよい。この場合には、マスク形成ステップと金属残り検出ステップとが並行して行われていく。
金属残り検出ステップにおける検出部191による金属が残存するか否かの検出は、例えば、予め、記憶部192のROMに許容値を設定しておいて、該許容値との比較に基づいてなされてもよい。即ち、例えば、図6に示す2値化処理後の撮像画像Gに写った1本のレーザ加工溝M1上の金属残り(白色箇所)に、許容値以上の大きさのものが有る場合には、レーザ加工溝M1上に金属残りがあると検出部191は判断してもよい。
W:ウェーハ W1:基材 W2:デバイス層 S:分割予定ライン D:デバイス
T:テープ F:環状フレーム
1:レーザ加工装置 10:基台 10A:コラム
19:制御手段 191:検出部 192:記憶部
30:保持テーブル 32:回転手段 33:固定クランプ
20:Y軸移動手段 21:X軸移動手段
60:レーザビーム照射手段 600:ハウジング 601:レーザビーム発振器
609:照射ヘッド 609a:集光レンズ
67:撮像手段 670:赤外線照射手段 671:可視光線
4:マスク被覆手段 40:ケーシング 41:スピンナーテーブル 42:回転手段
45:ノズル 47:液状樹脂供給源 46:洗浄水ノズル 48:洗浄水供給源
9:プラズマエッチング装置
90:静電チャック 900:支持部材 901:電極 91:ガス噴出ヘッド 910:ガス拡散空間 911:ガス導入口 912:ガス吐出口 92:チャンバ 920:搬入出口 921:ゲートバルブ 93:ガス供給部 94,94a:整合器 95,95a:高周波電源,バイアス高周波電源 96:排気口 97:排気装置 98:フレーム加熱防止ガード

Claims (3)

  1. 基材と該基材上に積層されたデバイス層とを備え、交差する複数の分割予定ラインと該分割予定ライン上の金属とを有したウェーハの加工方法であって、
    ウェーハの表面をマスク部材で被覆する被覆ステップと、
    該被覆ステップを実施した後、該分割予定ラインに沿ってレーザビームを照射して該分割予定ライン上の該マスク部材を該金属とともに除去してマスクを形成するマスク形成ステップと、
    該マスク形成ステップを実施した後、レーザ加工溝に金属が残存するか否かを検出する金属残り検出ステップと、
    該金属残り検出ステップで該溝に金属残りが検出されなかったウェーハに対して該マスクを介してドライエッチングを施すドライエッチングステップと、を備えたウェーハの加工方法。
  2. 前記金属残り検出ステップは、前記基材を透過するが前記金属は反射する波長の光を前記レーザ加工溝に照射して撮像画像を形成し、該撮像画像をもとに金属が残存するか否かを検出する、請求項1に記載のウェーハの加工方法。
  3. 前記金属残り検出ステップは、ウェーハの下に配設され前記光を反射する反射面を介して実施される、請求項2に記載のウェーハの加工方法。
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