JP2019149268A - 電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電池が過充電状態になったときに早期に充電を停止させ、かつ、電池に過充電が生じた後における電池の再利用を容易にする。【解決手段】電池システムは、二次電池(たとえば、リチウムイオン電池)と制御部とを備える。制御部は、二次電池の充電中に電池電圧が充電停止電圧Vs以上になったときにその充電を停止させるように構成される。二次電池の正極は、検知用金属(金、白金等)を含有する。検知用金属は、二次電池の電圧がVsよりも低い酸化開始電圧VOXになったときに酸化する。そして、検知用金属が酸化する(タイミングt0)ことにより二次電池の電圧が充電停止電圧Vs以上になる(タイミングt1)。【選択図】図3

Description

本開示は、電池システムに関し、特に、二次電池の過充電を検知する技術に関する。
二次電池(以下、単に「電池」とも称する)を充電すると、電池が満充電状態に近づくにつれて電池の電圧が高くなる。そして、電池が満充電状態になった後も電池の充電を継続すると、電池が過充電状態になり、電池の温度が上昇する。また、過充電状態においては、電池電圧の急激な上昇が生じることがある。この原因は、電池材料間での化学反応が急激に進行するためであると考えられる。電池に過電圧(過剰な電圧)が印加されると、電池に過電流(過剰な電流)が流れ、その過電流に伴うジュール熱によって電池温度が急激に上昇する。
電池及びその周辺の部品を保護するためには、電池に過充電が生じたときに早期に充電を停止させ、電池温度の上昇を抑制することが望ましい。特開2015−210846号公報(特許文献1)には、高電圧で変質する樹脂を用いて電池の過充電を検知し、過充電が検知されたときに充電を停止する技術が開示されている。特許文献1に記載される電池では、正極が正極第1層及び正極第2層を含んで構成される。そして、正極第1層が上記の樹脂を含有する。充電中の電池が過充電状態になったときに正極第1層中の樹脂が変質することによって正極第1層と正極第2層との電気的接続が遮断される。これにより、電池に電流が流れなくなり、充電が停止する。
特開2015−210846号公報
特許文献1に記載される上記の技術によれば、電池の過充電が検知されたときに充電を停止させることができる。しかし、上記樹脂において上記変質を生じさせる反応は不可逆反応であるため、電池の放電を行なっても樹脂は変質前の状態に戻らない。このため、上記のような方法で充電を停止する場合には、電池に過充電が生じた後(すなわち、樹脂が変質した後)に電池を再利用できる状態にすることが難しい。
本開示は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電池が過充電状態になったときに早期に充電を停止させ、かつ、電池に過充電が生じた後における電池の再利用を容易にすることである。
本開示の電池システムは、二次電池と制御部とを備える。制御部は、二次電池の充電中に二次電池の電圧が所定値(以下、「充電停止電圧Vs」又は単に「Vs」と称する場合がある)以上になったときに二次電池の充電を停止させるように構成される。二次電池の正極は、二次電池の電圧がVsよりも低い電圧(以下、「酸化開始電圧VOX」又は単に「VOX」と称する場合がある)になったときに酸化する金属(以下、「検知用金属」と称する場合がある)を含有する。そして、検知用金属が酸化することにより二次電池の電圧が充電停止電圧Vs以上になる。
電池が過充電状態になるときの電池電圧を充電停止電圧Vsとして設定すれば、検知用金属を使用しなくても、充電中の電池電圧に基づいて過充電を検知し、過充電が検知されたとき(すなわち、電池電圧がVs以上になったとき)に充電を停止させることは可能である。しかし、外乱等によって電池電圧が瞬間的に高くなることがあるため、こうした瞬間的な電圧上昇を考慮して充電停止電圧Vsを高く設定しなければ、過充電の誤検知が起こりやすくなる。また、充電中の電池電圧がVs以上になるまで過充電を検知できないため、充電停止電圧Vsを高く設定した場合には過充電の検知が遅れるという問題が生じる。過充電の検知(ひいては、充電の停止)が遅れると、電池に高電圧が印加されている期間が長くなるため、電池温度の上昇を十分に抑制できない可能性がある。
そこで、上記本開示の電池システムでは、検知用金属を使用することによって、充電停止電圧Vsを高く設定した場合にも、早期に過充電を検知することを可能にしている。より具体的には、充電中に電池電圧が上昇し、電池が過充電状態になると、電池電圧が酸化開始電圧VOXに達する。そして、電池電圧が酸化開始電圧VOXに達すると、検知用金属が酸化する。詳しくは、電池電圧の上昇に伴って検知用金属の電位が高くなり、電池電圧がVOXになったときに検知用金属の電位が酸化開始電位(金属の酸化が開始する電位)に達する。また、金属は酸化することによって電気抵抗の高い金属酸化物になるため、正極中の検知用金属が酸化することによって正極の電気抵抗が急激に上昇する。それに伴い、電池電圧が急激に上昇してVs以上になる。本開示の電池システムでは、電池電圧がVs以上になると、制御部が電池の充電を停止させる。これにより、電池及びその周辺の部品が保護される。
上記のように、本開示の電池システムでは、検知用金属の酸化による電池電圧の上昇が生じることによって電池電圧がVs以上になり、過充電が検知される。そして、過充電が検知されたときには、充電を停止させて電池等を保護する。充電を停止させることで、電池温度の上昇を抑制できる。充電中の電池電圧がVOX(Vsよりも低い電圧)以上になったときに過充電が検知されるため、充電停止電圧Vsを高く設定しても、早期に過充電を検知することができる。また、電池電圧が瞬間的に高くなっても検知用金属の酸化はほとんど進行しないため、酸化開始電圧VOXが低くても、前述の外乱等に起因した誤検知は生じにくい。
さらに、上記のように電池が保護されることにより、過充電が生じた電池の性能回復が可能になる。金属の酸化反応は可逆反応であるため、電池の放電を行なうことによって検知用金属の酸化物の還元を進行させて、検知用金属を酸化前の状態に戻すことができる。このため、上記電池システムでは、電池に過充電が生じた後における電池の再利用が容易である。
なお、本開示の電池システムにおいて、制御部は、二次電池の充電を停止した後に、二次電池の充電を禁止する処理と、過充電が生じたことの報知と、過充電が生じたことの記録との少なくとも1つを行なってもよい。
本開示によれば、電池が過充電状態になったときに早期に充電を停止させ、かつ、電池に過充電が生じた後における電池の再利用を容易にすることが可能になる。
本開示の実施の形態に係る電池システムが適用された車両の全体構成を概略的に示す図である。 図1に示したバッテリに含まれるセル(二次電池)を示す図である。 過充電状態になるまで電池の充電を継続したときの電池電圧の推移を示す図である。 本開示の実施の形態に係る電池システムにより実行される充電強制停止制御の処理手順を示したフローチャートである。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
以下では、この実施の形態に係る電池システムがハイブリッド車に適用される例について説明する。しかし、電池システムの適用対象は、ハイブリッド車に限定されず、エンジンを搭載しない電気自動車であってもよい。
図1は、本開示の実施の形態に係る電池システムが適用された車両の概略構成を示す図である。図1を参照して、車両1は、モータジェネレータ(以下、「MG(Motor Generator)」と称する)11,12と、エンジン20と、駆動輪30と、動力分割装置31と、駆動軸32と、電力制御ユニット(以下、「PCU(Power Control Unit)」と称する)40と、システムメインリレー(以下、「SMR(System Main Relay)」と称する)50と、電池システム2とを備える。
電池システム2は、バッテリ100と、電圧センサ210と、電流センサ220と、温度センサ230と、電子制御ユニット(以下、「ECU(Electronic Control Unit)」と称する)300とを備える。
バッテリ100は、再充電が可能に構成された直流電源である。バッテリ100は、二次電池(再充電可能な電池)を含んで構成される。この実施の形態では、二次電池としてリチウムイオン電池を採用する。より具体的には、バッテリ100が、直列及び/又は並列に接続された複数のリチウムイオン電池から構成される組電池を含む。以下、組電池を構成する二次電池(この実施の形態では、リチウムイオン電池)を「セル」と称する場合がある。また、セルの端子間電圧を「セル電圧」と称する場合がある。
組電池は、たとえば、以下に説明するセルと樹脂製のスペーサ(図示せず)とが交互に積層されて構成される。図2は、バッテリ100内の組電池を構成するセルの内部構造を説明するための図である。
図2を参照して、セルは、電極群114と、ケース115(たとえば、アルミニウム合金製の角型ケース)とを備える。電極群114は、ケース115内に収容されている。また、図示していないが、セルは、ケース115の内側から外側(たとえば、上)へ突出する正極端子及び負極端子(いずれも図示せず)をさらに備える。また、ケース115内には、電解液も収容されている。電解液に電極群114を浸すことによって、電極群114の内部にも電解液が入る。
電極群114は、正極111とセパレータ113と負極112との積層体が巻回されて構成される。正極111と負極112とは、セパレータ113を挟んで積層されている。正極111、負極112はそれぞれ、ケース115内において上記正極端子、負極端子に電気的に接続されている。
正極111は、正極集電体(たとえば、アルミニウム箔)と、正極活物質層とを含む。正極活物質層は、たとえばバインダ(たとえば、ポリフッ化ビニリデン)、正極活物質(たとえば、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物)、及び以下に説明する検知用金属を含有する。上記バインダ、正極活物質、及び検知用金属を含む正極合材を正極集電体の表面に塗工することにより、正極集電体の両面に正極活物質層が形成される。
検知用金属は、セルの過充電(異常な充電)を検知するために正極111に含ませる金属であり、より具体的には、セル電圧が酸化開始電圧VOXになったときに酸化する金属である。検知用金属は酸化することによって電気伝導率の低い物質(酸化物)に変わる。この実施の形態では、セル電圧がVOX以上であるときにセルが過充電状態であると判断される。VOXは、以下に説明する検知用金属の酸化開始電位によって決まる。
セルがリチウムイオン電池である場合、過充電が生じていないときには、充電時の正極の電位がリチウム基準電位で3.5V〜4.0Vの範囲内であることが多い。このため、検知用金属としては、酸化開始電位がリチウム基準電位で4.1V以上である金属が好ましい。このような金属の例としては、金や白金、又はこれらの少なくとも一方を含む合金が挙げられる。また、セルの過充電を早期かつ的確に検知するためには、酸化開始電位がリチウム基準電位で4.5V以上5.0V以下である金属を検知用金属として採用することが特に好ましい。検知用金属の酸化開始電位が低すぎると、過充電の誤検知の可能性が高くなる。また、検知用金属の酸化開始電位が高すぎると、過充電の検知が遅くなり、電池温度の上昇を十分に抑制できなくなる。なお、リチウム基準電位は、リチウム金属の平衡電位を0V(基準)とした電位である。金属の酸化開始電位は、たとえばサイクリックボルタンメトリ(CV)によって測定することができる。
この実施の形態では、酸化開始電位がリチウム基準電位で4.7V以上である金(以下、「Au」と称する)を、検知用金属として採用する。正極活物質層におけるAuの含有量は、たとえば1質量%以上とする。正極活物質層中のAuは、電気伝導率が高いため、導電助剤として機能する。この実施の形態では、正極活物質層が検知用金属(Au)以外の導電助剤を含んでいない。しかしこれに限られず、正極活物質層は、他の導電助剤(たとえば、アセチレンブラック)を含んでいてもよい。
負極112は、負極集電体(たとえば、銅箔)と、負極活物質層とを含む。負極活物質層は、たとえばバインダ(たとえば、スチレンブタジエンゴム)及び負極活物質を含有する負極合材を負極集電体の表面に塗工することにより、負極集電体の両面に形成される。この実施の形態では、負極活物質として炭素系材料(黒鉛等)を採用する。負極活物質層は、負極活物質に加えて、増粘材(たとえば、カルボキシメチルセルロース)を含んでいてもよい。なお、負極活物質が炭素系材料である場合、セル電圧と正極のリチウム基準電位とは略同じ値になる。
セパレータ113は、たとえば微多孔膜である。セパレータ113内に細孔が存在することで、その細孔に電解液が保持されやすくなる。セパレータ113の材料の例としては、ポリオレフィン系樹脂(具体的には、ポリエチレン、又はポリプロピレン等)が挙げられる。また、セパレータ113は、HRL(Heat Resistance Layer)付きセパレータであってもよい。
電解液は、非プロトン性溶媒と、この溶媒に溶解しているリチウム塩(たとえば、LiPF)とを含む。非プロトン性溶媒の例としては、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、又はジエチルカーボネート(DEC)が挙げられる。2種以上の溶媒を混合して使用してもよい。また、電解液は、添加剤をさらに含んでいてもよい。添加剤の例としては、ジフルオロリン酸リチウム(LiPO)、リチウムビス(オキサレート)ボレート(LiBOB)が挙げられる。
なお、セル(リチウムイオン電池)の構成は上記に限定されず、適用される車両の構成や用途等に応じて変更可能である。たとえば、電極群114が捲回構造ではなく積層構造を有するものであってもよい。また、電池ケースは、角型ケースに限られず、円筒型又はラミネート型のケースであってもよい。また、電解液に代えて、ポリマー系電解質を用いてもよいし、酸化物系、硫化物系などの無機系固体電解質を用いてもよい。
再び図1を参照して、PCU40は、ECU300からの制御信号に従って、バッテリ100とMG11,12との間で双方向の電力変換を実行する。PCU40は、MG11,12の状態をそれぞれ別々に制御可能に構成されており、たとえば、MG11を回生(発電)状態にしつつ、MG12を力行状態にすることができる。PCU40は、たとえば、MG11,12に対応して設けられる2つのインバータと、各インバータに供給される直流電圧をバッテリ100の出力電圧以上に昇圧するコンバータとを含んで構成される。
MG11,12は、交流回転電機であり、たとえば、ロータに永久磁石が埋設された三相交流同期電動機である。MG11は、主として、動力分割装置31を経由してエンジン20により駆動される発電機として用いられる。MG11が発電した電力は、PCU40を介してMG12又はバッテリ100に供給される。
MG12は、主として電動機として動作し、駆動輪30を駆動する。MG12は、バッテリ100からの電力及びMG11の発電電力の少なくとも一方を受けて駆動され、MG12の駆動力は駆動軸32に伝達される。一方、車両の制動時や下り斜面での加速度低減時には、MG12は、発電機として動作して回生発電を行なう。MG12が発電した電力は、PCU40を介してバッテリ100に供給される。
エンジン20は、空気と燃料との混合気を燃焼させたときに生じる燃焼エネルギーをピストンやロータなどの運動子の運動エネルギーに変換することによって動力を出力する内燃機関である。動力分割装置31は、たとえば、サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの回転軸を有する遊星歯車機構を含む。動力分割装置31は、エンジン20から出力される動力を、MG11を駆動する動力と、駆動輪30を駆動する動力とに分割する。
SMR50は、バッテリ100とPCU40とを結ぶ電流経路に電気的に接続されている。SMR50がECU300からの制御信号に応じて閉成されている場合、バッテリ100とPCU40との間で電力の授受が行なわれ得る。
電圧センサ210は、バッテリ100のセル毎の電圧VB(端子間電圧)を検出する。電流センサ220は、バッテリ100に入出力される電流IBを検出する。温度センサ230は、バッテリ100のセル毎の温度TBを検出する。各センサは、その検出結果をECU300に出力する。ECU300は、各センサの出力に基づいてセルの状態(温度、電流、電圧、SOC(State Of Charge)等)を検出することができる。なお、SOCは、蓄電残量を示し、たとえば、満充電状態の蓄電量に対する現在の蓄電量の割合を0〜100%で表わしたものである。SOCの算出方法は任意であり、電流値積算(クーロンカウント)による手法や、開放電圧(OCV)の推定による手法等を採用できる。
ECU300は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、図示しない入出力バッファとを含んで構成される。メモリ302は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び書き換え可能な不揮発性メモリを含む。メモリ302(たとえば、ROM)に記憶されているプログラムをCPU301が実行することで、各種制御が実行される。ECU300は、たとえば、各センサから受ける信号、並びにメモリ302に記憶されたマップ及びプログラムに基づいて、車両1及び電池システム2が所望の状態となるように各機器を制御する。ECU300は、エンジン20、PCU40、及びSMR50等を制御することにより、車両1の走行制御やバッテリ100の充放電制御を実行する。ECU300が行なう各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)で処理することも可能である。
ECU300は、取得した情報(CPU301による演算結果等)を、メモリ302(たとえば、書き換え可能な不揮発性メモリ)に出力してメモリ302に保存する。また、メモリ302は、後述する充電強制停止制御に用いられる情報(充電停止電圧Vs、充電禁止フラグ等)を予め記憶している。
ところで、充電中の電池電圧は、充電時間が長くなる(充電深度が深くなる)ほど高くなる。そして、電池が満充電状態になった後も電池の充電を継続すると、電池が過充電状態になり、電池の温度が上昇する。電池及びその周辺の部品を保護するためには、電池に過充電が生じたときに早期に充電を停止させ、電池温度の上昇を抑制することが望ましい。
この実施の形態に係る電池システム2では、セルの正極111がAu(検知用金属)を含有する。Auは、セル電圧がVsよりも低い酸化開始電圧VOXになったときに酸化する。そして、正極111中の検知用金属が酸化することによりセル電圧が充電停止電圧Vs以上になる。充電中にセル電圧がVs以上になると、ECU300がバッテリ100の充電を停止させる。以下、図3を用いて、こうした電池システム2の作用及び効果について説明する。
図3は、過充電状態になるまで電池(セル)の充電を継続したときの電池電圧(セル電圧)の推移を示す図である。図3において、線k1は、検知用金属を使用した電池システム(より特定的には、この実施の形態に係る電池システム2)における充電中のセル電圧の推移を示している。線k2は、検知用金属を使用しなかった電池システム(以下、「比較例に係る電池システム」と称する)における充電中のセル電圧の推移を示している。比較例に係る電池システムは、検知用金属を使用しなかった点(すなわち、正極111がAuを含まない点)のみが、電池システム2とは異なる電池システムであった。図3のグラフ(線k1及びk2)は、一定の充電レートでセルを充電しながらセルの端子間電圧を測定することによって得られた。
図3を参照して、線k2で示されるように、比較例に係る電池システムでは、充電開始から充電時間が長くなるほどセル電圧が高くなり、タイミングt2でセル電圧がVsに達し、タイミングt3でセル電圧が急激に上昇し始めた。
他方、線k1で示されるように、電池システム2では、充電開始から充電時間が長くなるほどセル電圧が高くなり、タイミングt0でセル電圧がVOXに達すると、セル電圧が急激に上昇した。そして、このセル電圧の急激な上昇によってタイミングt1でセル電圧がVsに達した後、セル電圧の上昇はいったん収束して緩やかになり、タイミングt3で、セル電圧が再び急激に上昇し始めた。
なお、線k1及びk2のいずれにおいても、タイミングt3でのセル電圧の急激な上昇は、過充電状態のセルにおいてセル材料間での化学反応が急激に進行したことに起因すると考えられる。
次に、図3を用いて、電池システム2と比較例に係る電池システムとの各々における充電強制停止制御について説明する。電池システム2と比較例に係る電池システムとのいずれにおいても、充電中のセル電圧がVs以上になったときには、充電が完了していなくても(たとえば、SOCが目標値に達していなくても)、充電を強制的に停止させる。しかし、両者では充電中のセル電圧の推移が上記のように異なるため、以下に説明するように充電停止のタイミングが異なる。なお、図3において、Vsは、過充電が生じていないときには外乱等によってセル電圧が瞬間的に高くなっても到達しない程度に高く設定されている。
図3を参照して、比較例に係る電池システムでは、タイミングt2でセル電圧がVsに達し、充電の強制停止が実行される。タイミングt2で充電が停止することにより、セル電圧が急激に上昇する前(すなわち、タイミングt3よりも前)に充電が停止する。これにより、セルの保護が図られる。しかし、タイミングt0〜t2の期間はセルに高電圧(VOX以上の電圧)が印加され続けており、セルに高電圧が印加されている期間においてはセルの温度が上昇する。
電池システム2では、タイミングt1でセル電圧がVsに達し、充電の強制停止が実行される。タイミングt1で充電が停止することにより、比較例に係る電池システムよりも早期に充電を停止させることができる。より具体的には、セルが過充電状態になると、タイミングt0でセル電圧がVOXに達し、正極111中のAuが酸化する。Auは酸化することによって電気抵抗の高いAu酸化物(絶縁体)になるため、正極111中のAuが酸化すると、正極111の電気抵抗が急激に上昇する。それに伴い、セル電圧が急激に上昇してタイミングt1でVs以上になる。セル電圧がVs以上になると、ECU300がセルの充電を強制的に停止させる。これにより、電池及びその周辺の部品が保護される。なお、セル電圧が瞬間的に酸化開始電圧VOX以上になっただけでは、Auの酸化反応はほとんど進行しない。このため、過充電が生じていないときに、外乱等によってセル電圧が瞬間的に高くなっても充電の強制停止は実行されない。
この実施の形態に係る電池システム2では、充電深度が浅い段階で充電を停止させることができるため、セル温度の上昇を抑制できる。また、タイミングt3でのセル電圧の急激な上昇が生じる前に確実に充電を停止させることが可能になる。
電池システム2において上記のようにセルが保護されることにより、過充電が生じたセルの性能回復が可能になる。金属の酸化反応は可逆反応であるため、セルの放電を行なうことによってAuの酸化物の還元を進行させて、Auを酸化前の状態に戻すことができる。このため、電池システム2では、セルに過充電が生じた後におけるセルの再利用が容易である。
以下、図4を用いて、ECU300が行なう充電強制停止制御について詳述する。図4は、ECU300により実行される充電強制停止制御の処理手順を示したフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、バッテリ100の充電中において所定時間経過毎にメインルーチンから呼び出されて繰り返し実行される。
ステップS11及びS12において処理の対象となるセルを、以下では「対象セル」と称する。すなわち、ステップS11では、対象セルのセル電圧(電池電圧)が測定され、ステップS12では、対象セルのセル電圧(電池電圧)がVs以上になったか否かが判断される。
ステップS11では、ECU300が、対象セルのセル電圧を示す電圧VB(電圧センサ210の検出値)を取得する。そして、ECU300は、取得したセル電圧をメモリ302に保存する。
ステップS12では、ECU300が、ステップS11で取得したセル電圧が所定の充電停止電圧Vs以上であるか否かを判断する。Vsは、たとえば、過充電が生じていないときに外乱等の影響でセル電圧が瞬間的に高くなっても到達しない程度に高く設定される。また、Vsは、検知用金属の酸化によるセル電圧の上昇量を考慮して設定される。Vsは、たとえば5.0V程度に設定される。Vsは、固定値であってもよいし、バッテリ100の状態(温度TB、電流IB等)に応じて可変であってもよい。
対象セルのセル電圧がVs未満であると判断された場合(ステップS12においてNO)には、対象セルは過充電状態ではないと判断され、処理がメインルーチンへと戻される。
他方、対象セルのセル電圧がVs以上であると判断された場合(ステップS12においてYES)には、対象セルは過充電状態である(すなわち、セル電圧がVOX(図3)に達して正極111中のAuの酸化によるセル電圧の上昇が生じた)と判断され、充電の強制停止が実行される。より具体的には、ECU300が、PCU40及びSMR50等を制御して、充電の完了を待たずにバッテリ100の充電を強制的に停止させる。ECU300によってSMR50は開状態とされ、バッテリ100の電流経路が遮断される。
なお、VOXは、正極111中の検知用金属の酸化開始電位によって決まる。この実施の形態では、VOXが約4.7Vになる。セルがリチウムイオン電池である場合、VOXが4.2V以上Vs未満になるように、検知用金属を選定することが好ましい。
次いで、ECU300は、対象セルの充電を禁止する処理を行なう(ステップS14)。より具体的には、ECU300が、メモリ302内の充電禁止フラグ(初期値はOFF)をONする。充電禁止フラグがONになっている間は、ECU300はバッテリ100の充電を行なわない。すなわち、バッテリ100の充電が禁止される。この実施の形態では、SMR50を開状態に維持して、バッテリ100の充電だけでなく放電も禁止する。
ECU300は、充電の強制停止を実行した後、バッテリ100において過充電が生じたことの報知を行なうように構成されてもよい。たとえば、ECU300は、過充電が生じたことをユーザに知らせる情報(文字又は画像等)を表示装置(図示せず)に表示させてもよい。なお、ユーザへの報知の方法は任意であり、音(音声を含む)で知らせてもよいし、所定のランプを点灯(点滅を含む)させてもよい。
ECU300は、充電の強制停止を実行した後、バッテリ100において過充電が生じたことの記録を行なうように構成されてもよい。たとえば、ECU300は、メモリ302内のダイアグ(自己診断)のフラグ(過充電が生じたセルに対応するフラグ)をONする(フラグの値を0から1にする)ことにより、対象セルに過充電が生じたことをメモリ302に記録してもよい。
バッテリ100の充電及び放電が禁止されている状態においては、エンジン20から出力される動力のみによって車両1の走行が行なわれる。なお、エンジンを搭載しない電気自動車において図4の処理を実行する場合には、ステップS14において充電のみを禁止(放電は許可)し、バッテリの放電によって走行用のモータを駆動できるようにしてもよい。こうすることで、モータから出力される動力によって電気自動車が退避走行できるようになる。
ユーザは、過充電が生じたセルの再利用を販売店に依頼してもよい。セルに性能回復処理を行なった後、セルの検査で異常が見つからなければ、セルを再利用することができる。たとえば、過充電が生じたセルをバッテリ100から取り外した後、セルの性能検査が行なわれる。この検査において回復可能と判断されれば、セルの性能を回復させるための処理(性能回復処理)が行なわれる。たとえば、セルが過放電状態になるまでセルの放電が行なわれる。その後、再びセルの性能検査が行なわれ、セルの性能が十分に回復していると判断されれば、そのセルを再利用することができる。
図4の処理は、たとえば、バッテリ100内の組電池を構成するセル毎(対象セル毎)に実行される。すなわち、対象セルを変えながら、組電池を構成する全てのセルについて処理が行なわれる。これにより、全てのセルの過充電を検知することができる。いずれかのセルで過充電が検知されたときには、上述の充電強制停止が実行される。
この実施の形態に係る電池システム2では、正極111がAu(検知用金属)を含むため、セルが過充電状態になって正極111中のAuの酸化が進行すると、セル電圧がVs以上になる。そして、セル電圧がVs以上になると、ECU300によって充電の強制停止が実行される。これにより、過充電の誤検知を抑制しながら、セルに過充電が生じたときに早期に充電を停止させることが可能になる。そして、充電強制停止の実行により、バッテリ100及びその周辺の部品の保護が図られる。
なお、対象セルは、1つのセルに限られず、複数のセル(バッテリ100内の組電池の一部又は全部を構成する複数のセル)であってもよい。複数のセルを対象セルとする場合、ステップS12においては、直列及び/又は並列に接続された複数のセル(電池モジュール)の端子間電圧を、対象セルのセル電圧として用いることができる。
ECU300は、充電の強制停止(ステップS13)を実行した後、上記充電禁止、報知、及び記録の全てを行なってもよいし、充電禁止(ステップS14)だけを行なってもよい。また、充電の強制停止(ステップS13)までをECU300が行ない、その後の処理はユーザに委ねるようにしてもよい。
上記の電池システム2が適用される車両1の構成は適宜変更可能である。また、バッテリ100の構成も適宜変更可能である。たとえば、組電池に代えて単電池を採用してもよい。二次電池の種類もリチウムイオン電池には限定されず、他の二次電池(たとえば、ニッケル水素電池)を採用してもよい。また、二次電池は全固体電池であってもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 電池システム、11,12 MG、20 エンジン、30 駆動輪、31 動力分割装置、32 駆動軸、40 PCU、50 SMR、100 バッテリ、111 正極、112 負極、113 セパレータ、114 電極群、115 ケース、210 電圧センサ、220 電流センサ、230 温度センサ、300 ECU、301 CPU、302 メモリ。

Claims (1)

  1. 二次電池と、
    前記二次電池の充電中に前記二次電池の電圧が所定値以上になったときに前記二次電池の充電を停止させる制御部と、
    を備える電池システムであって、
    前記二次電池の正極は、前記二次電池の電圧が前記所定値よりも低い酸化開始電圧になったときに酸化する金属を含有し、
    前記金属が酸化することにより前記二次電池の電圧が前記所定値以上になる、電池システム。
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