JP2019148495A - 電磁界シミュレーション装置、電磁界シミュレーション方法、電磁界シミュレーションプログラムおよび近傍界測定器 - Google Patents

電磁界シミュレーション装置、電磁界シミュレーション方法、電磁界シミュレーションプログラムおよび近傍界測定器 Download PDF

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Masahiro Okino
正裕 沖野
久志 齋藤
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久志 齋藤
齋藤 賢一
Kenichi Saito
賢一 齋藤
敦 北井
Atsushi Kitai
敦 北井
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Abstract

【課題】測定された位相情報を必要とせずに精度の良い解析を行うことができる電磁界シミュレーション装置を提供する。【解決手段】電磁界シミュレーション装置は、解析対象物から距離の異なる少なくとも2つの測定面領域において測定された少なくとも2つの近傍界測定データ群を取得する近傍界測定データ取得手段S1と、少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて解析対象物の解析モデルデータを作成する解析モデル作成手段S2と、解析対象物の解析条件の設定を行う解析条件設定手段S3と、少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて電磁界位相情報を推定する位相情報推定手段S4と、推定された電磁界位相情報と解析モデルデータとに基づいて更新解析モデルデータを生成するデータ更新手段S5と、更新解析モデルデータに基づいて電磁界シミュレーションを実行するシミュレーション実行手段S6と、を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、電磁界解析における、電磁界シミュレーション装置、電磁界シミュレーション方法、電磁界シミュレーションプログラムおよび近傍界測定器に関する。
特許文献1において、基板や電子部品表面の電界又は磁界を、近傍界測定器による実測データを用いることで解析モデルを簡略化でき、電磁界シミュレーションの計算コストが削減できることが記載されている。
電磁界シミュレーションの実行においては、従来、基板や電子部品の正確なモデル化が必要である。特許文献1によれば、プリント基板CADデータの一部を近傍界測定器によって測定されたデータで置き換えたものを解析モデルとすることによって、解析モデルを簡略化でき、電磁界シミュレーションの計算コストが削減できるとされている(例えば、[実施例2](2)活用例、参照)。
特開2010−282516号公報
しかしながら、プリント基板CADデータの一部を比較的大きな範囲を測定データで代用する場合、格子状に整列した各測定データにおいて、位相の情報がない場合と位相を考慮した場合とでは解析の結果が異なるため、精度の良い解析を実施することは困難である。
例えば、プリント基板上の測定データにおいて、プリント基板上の離れた2点が作るそれぞれの電界(又は磁界)の合成を考える。或る周波数における2点の位相が互いに異なっている場合(例えば180°)、測定データ上で離れた2点から互いに等しい距離にある等距離点における合成電界(又は磁界)は、互いに弱めあう結果となる。しかし、位相を考慮しないと、2つの電界(又は磁界)は互いに同位相とみなされ、強めあう結果となる。
通常、近傍電界(又は磁界)を測定する場合は、スペクトルアナライザで周波数と強度のみを取得するため、位相情報は持たない。
位相情報を得るためにはネットワークアナライザを使用する方法が考えられるが、携帯電話のように自ら動作する対象を測定する場合は、この方法は適用できない。位相情報を得るためには、ネットワークアナライザから出力される基準信号を測定する当該対象に入力して、位相を測定する必要がある。
上記の従来技術の特許文献1によれば、振幅と位相とを測定できるネットワークアナライザを使用した近傍界測定器が示されている。しかしながら、この従来方法では、光磁界プローブやネットワークアナライザといった、高価な装置の導入が必要となる。
更に、この従来方法では、ネットワークアナライザから出力される基準信号を、測定する対象に入力する必要があるため、製品基板等のように、自律して動作するものに対しては基準信号を適用できないという問題点があった。
以上の問題点より、従来技術において、位相情報の取得には測定器や測定対象が制限されている。従来の電磁界シミュレーション分野において、スペクトルアナライザ等のネットワークアナライザより安価な測定装置を利用し、かつ、自律動作している基板に対しても位相情報が取得できるような技術が望まれていた。
本発明は、以上の点に鑑みなされたものであり、電磁界シミュレーションにおいて、プリント基板CADデータを用いずに近傍界測定器によって測定されたデータで解析モデルを代用する場合に、測定された位相情報を必要とせずに精度の良い解析を行うことができる電磁界シミュレーション装置、電磁界シミュレーション方法、電磁界シミュレーションプログラムおよび近傍界測定器を提供することを目的とする。
よって、本発明の電磁界シミュレーション装置は、解析対象物の近傍電磁界の電磁界シミュレーションを行う電磁界シミュレーション装置であって、
解析対象物から距離の異なる少なくとも2つの測定面領域において測定した少なくとも2つの近傍界測定データ群を取得する近傍界測定データ取得手段と、
前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて前記解析対象物の解析モデルデータを作成する解析モデル作成手段と、
前記解析対象物の解析条件の設定を行う解析条件設定手段と、
前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて電磁界位相情報を推定する位相情報推定手段と、
推定された前記電磁界位相情報を前記解析モデルデータに付加して更新解析モデルデータを生成するデータ更新手段と、
前記更新解析モデルデータに基づいて電磁界シミュレーションを実行するシミュレーション実行手段と、
を有することを特徴とする。
本発明の電磁界シミュレーション方法は、解析対象物の近傍電磁界の電磁界シミュレーションを行う電磁界シミュレーション方法であって、
解析対象物から距離の異なる少なくとも2つの測定面領域において測定された少なくとも2つの近傍界測定データ群を取得する近傍界測定データ取得ステップと、
前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて前記解析対象物の解析モデルデータを作成する解析モデル作成ステップと、
前記解析対象物の解析条件の設定を行う解析条件設定ステップと、
前記前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて電磁界位相情報を推定する位相情報推定ステップと、
推定された前記電磁界位相情報と前記解析モデルデータとに基づいて更新解析モデルデータを生成するデータ更新ステップと、
前記更新解析モデルデータに基づいて電磁界シミュレーションを実行するシミュレーション実行ステップと、
を有することを特徴とする。
本発明の電磁界シミュレーションプログラムは、解析対象物の近傍電磁界の電磁界シミュレーションを行う電磁界シミュレーションプログラムであって、
解析対象物から距離の異なる少なくとも2つの測定面領域において測定された少なくとも2つの近傍界測定データ群を取得する近傍界測定データ取得ステップと、
前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて前記解析対象物の解析モデルデータを作成する解析モデル作成ステップと、
前記解析対象物の解析条件の設定を行う解析条件設定ステップと、
前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて電磁界位相情報を推定する位相情報推定ステップと、
推定された前記電磁界位相情報と前記解析モデルデータとに基づいて更新解析モデルデータを生成するデータ更新ステップと、
前記更新解析モデルデータに基づいて電磁界シミュレーションを実行するシミュレーション実行ステップと、
を電磁界シミュレーション装置としてのコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の近傍界測定器は、解析対象物の近傍電磁界を測定する近傍界測定器であって、
前記解析対象物の所定面から異なる距離である第1距離および第2距離でそれぞれ平行に離れた第1測定面領域および第2測定面領域の各々において測定された電磁界強度をそれぞれ含む第1および第2の近傍界測定データを取得する近傍界測定データ取得手段と、
前記第1および第2の近傍界測定データに基づいて電磁界位相情報を推定する位相情報推定手段と、を有し、
前記近傍界測定データ取得手段は、前記第1測定面領域および前記第2測定面領域のそれぞれを電磁界プローブにて走査して格子状に配置された複数の測定点に対応する電磁界強度を前記第1測定面領域および前記第2測定面領域毎に測定し、前記第1測定面領域および前記第2測定面領域のそれぞれにおいて前記測定点と前記電磁界強度とを関連付けて前記近傍界測定データとしてそれぞれ記憶し、
前記位相情報推定手段は、
前記第1測定面領域の各測定点に対して任意位相を設定する第1設定ステップと、
設定された位相に基づいて前記第2の近傍界測定データを解析して第1解析電磁界分布を生成する第1解析ステップと、
前記第1解析電磁界分布と記憶してある前記第2の近傍界測定データの電磁界強度とを比較する第1比較ステップと、
比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合に前記設定された位相の第1近傍値を前記第2測定面領域の各測定点に対して設定する第2設定ステップと、
設定された位相に基づいて前記第1の近傍界測定データを解析して第2解析電磁界分布を生成する第2解析ステップと、
前記第2解析電磁界分布と記憶してある前記第1の近傍界測定データの電磁界強度とを比較する第2比較ステップと、
比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合に前記設定された位相の第2近傍値を前記第1測定面領域の各測定点に対して設定する第3設定ステップと、
設定された位相に基づいて前記第1解析ステップ、前記第1比較ステップ、前記第2設定ステップ、前記第2解析ステップおよび前記第2比較ステップを繰り返し、前記第1比較ステップおよび前記第2比較ステップの後の前記両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下である場合に前記設定された前記位相を電磁界位相情報とする推定ステップと、を実行することを特徴とする。
本発明によれば、ネットワークアナライザ等の位相情報を測定する装置を必要とせずに精度の良い電磁界シミュレーションが達成される効果が得られる。
本発明による実施例である電磁界シミュレーション装置を含むシステムの全体構成をブロック図である。 実施例の電磁界シミュレーション装置の近傍界測定器の外観を示す斜視図である。 実施例の電磁界シミュレーション装置の近傍界測定器におけるプリント基板の平面図(図3(A)図3(B))と、ベクタースキャン測定を説明する説明図(図3(C))である。 実施例の電磁界シミュレーション装置の近傍界測定器におけるベクタースキャン測定を説明する斜視図である。 実施例の電磁界シミュレーション装置における電磁界シミュレーションの実行フローを示す図である。 実施例の電磁界シミュレーション装置における近傍界測定データを説明する説明図である。 実施例の電磁界シミュレーション装置における近傍界測定データを説明する説明図である。 実施例の電磁界シミュレーション装置における近傍界測定データに基づく解析モデルの作成イメージを示す線図である。 実施例の電磁界シミュレーション装置におけるプリント基板の平面図(図9(A))と近傍界測定データの強度分布を示す(図9(B)図9(C))線図である。 実施例の電磁界シミュレーションにおける位相情報推定ステップの実行フローを示す図である。 実施例の電磁界シミュレーションにおける位相情報推定ステップの位相情報を説明する説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明による実施例の電磁界シミュレーション装置について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例において、実質的に同一の機能および構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(構成の説明)
[電磁界シミュレーション装置]
図1は、近傍界測定部MA(測定器)とスペクトルアナライザSAに接続された実施例の電磁界シミュレーション装置100を含むシステムの全体構成をブロック図にて示している。電磁界シミュレーション装置100は、ソフトウエアのオペレーティングシステム(Operating System:OS)で制御される電磁界シミュレーションプログラムをインストールしたコンピュータ装置で実現することができる。
図1に示される電磁界シミュレーション装置100において、CPU(Central Processing Unit)111は、ハードディスク装置やSSD(solid state drive)等の記憶部112に格納されたプログラムに従い、RAM(Random Access Memory)113を一次記憶用ワークメモリとして利用して、システム全体を制御する。さらに、CPU111は、マウス114(あるいはポインチングデバイス)又はキーボード115を介して入力される利用者の指示に従い、記憶部112に格納されたプログラムに基づき、実施例に係る電磁界シミュレーション方法を実行する。
電磁界シミュレーション装置100に接続されたLCD(liquid crystal display)等のディスプレイ装置116には、CPU111が実行する後述する処理のための入力待ち受け画面、処理経過や処理結果、解析結果等が表示される。
また、電磁界シミュレーション装置100は、近傍界測定部MAとスペクトルアナライザSAを接続するためのUSB(Universal Serial Bus)117や、ネットワーク接続部(NIC:ネットワークインターフェースカード)119とを含む。なお、以上の構成要素は所定のバスbusを介して互いに接続されている。
電磁界シミュレーション装置100の記憶部112には、電磁界シミュレーション装置100として機能させる電磁界シミュレーションプログラム200が格納されている。CPU111は、電磁界シミュレーションプログラム200を記憶部112から読み出してRAM113(必要があれば記憶部112)に展開し、電磁界シミュレーションプログラム200が有するプロセスを順次実行する。なお、電磁界シミュレーションプログラム200は、電磁界シミュレーション装置100に、後述する、近傍界測定データ取得手段120、解析モデル作成手段121と、解析条件設定手段122、位相情報推定手段123、データ更新手段124、およびシミュレーション実行手段125として機能させるプログラムである。
また、記憶部112は、各種のデータを格納する。図1に示す記憶部112は、近傍界測定データDB201と、電磁界解析プログラム202と、解析条件ファイル203と、解析モデルファイル204と、計算結果205とを格納する。
近傍界測定データDB201は、電磁界解析の解析対象物の構造を指定する。解析対象物は、例えば、回路素子が実装されたプリント基板あるいは電子機器等である。近傍界測定データDB201としては、具体的には、例えば、近傍界測定部MAによって測定されたデータであり、過去に測定されたデータを予め含んでもよい。
電磁界解析プログラム202は、指定された解析空間内の電磁界を解析するためのプログラムである。
解析条件ファイル203は、電磁界解析プログラム202による電磁界解析のための条件のファイルである。解析条件は、解析空間の誘電率や透磁率等の定数、出力解析結果の項目等を含む。
解析モデルファイル204は、電磁界解析のための解析対象物のモデルを表わすデータファイルである。電磁界解析プログラム202に基づき解析モデル作成手段121が解析モデルファイル204を作成する。
計算結果205は、電磁界解析プログラム202により求められた電界および磁界や、電磁界シミュレーション結果を表わすデータファイルである。
[近傍界測定部MA]
本実施例では、平面近傍界測定法を用いて、スキャナを使ってプロープを2次元的に走査して、格子状の測定点で電磁界強度データを取得する。図2は、近傍界測定データ取得手段120にデータの供給を行う3軸移動の移動部を用いた近傍界測定器である近傍界測定部MAを示す。例えば、近傍界測定器は平面近傍界を測定する磁界プローブスキャン装置である。
図2に示すように、近傍界測定部MAは、定盤ステージBSの四隅に固着立脚するガントリフレームGFLと、ガントリフレームGFLの対向脚対の間に平行に延設された一対の平行レールLxと、一対の平行レールLxに直角に交差して移動自在に架設された移動梁ビームMBと、移動梁ビームMB上の伸長方向に延びるレールLy上で移動自在なスライダ体SLと、スライダ体SL上の鉛直方向に延びるレールLz上で移動自在なヘッド体HDと、ヘッド体HDの下端に固着された磁界プローブMPと、から構成される。図示しない制御部により、定盤ステージBS上のx方向に移動梁ビームMBが駆動され、定盤ステージBS上のy方向にスライダ体SLが駆動され、定盤ステージBS上のz方向にヘッド体HDが駆動される。図示しない内蔵の各ステッピングモータを用いて、移動梁ビームMB、スライダ体SLおよびヘッド体HDの各軸方向の駆動を行い、各部の位置情報を測定部の制御部へフィードバックするためのロータリーエンコーダを各モータが備えている。また、電磁界シミュレーション装置100で近傍界測定部MAの制御を行なうことができる。これにより、磁界プローブMPは定盤ステージBS上のx方向、y方向、z方向の磁界を測定できる。
図2に示すように、解析対象物であるプリント基板PCBは、磁界プローブMP下の定盤ステージBS上の所定位置に固定される。なお、定盤ステージBS上の所定位置のプリント基板PCBをXY軸の格子状に区画して各セルの座標を画定するために、プリント基板PCBを俯瞰できる位置に配置されその画像データを取得するカメラCAを設けることができる。また、カメラCAによりプリント基板PCBを撮影してその画像を位置合わせのために用いてもよい。
図3(A)に示すように、プリント基板PCBの表面には、例えば、電子素子11a、11bおよび11cと、電子素子11aおよび11bを接続する表層配線12abと、電子素子11bおよび11cを接続する表層配線12bcと、が実装されている。プリント基板PCBの内層には、略基板面積に亘ってアースプレーン13が埋め込まれ、基板中央に表層配線12bcと交差するスリット13sが設けられている。
図3(B)に示すように、プリント基板PCBの表面は、ある測定平面(測定面領域R)として例えば2次元平面の10×20セルに等分割される。なお、かかるセル数は説明のための例示であってこれに限定されず、実際は更に多いものである。
図3(C)に示すように、10×20セルの測定面領域RはXY軸に沿って、セルのそれぞれが磁界プローブMPによる磁界の測定点に対応するように、ベクタースキャン測定が実行される。
近傍界測定部MAは、近傍界測定データ取得手段120から、磁界プローブMPの走査速度、始点座標、終点座標、測定点間隔(Δx,Δy)等の走査パラメータを受けて、磁界プローブMPの位置を制御する。また、近傍界測定データ取得手段120は、磁界プローブMPの現在位置を監視し、磁界プローブMPのY軸移動時Δy毎に近傍界測定部MAに割り込み信号を出して、Y軸移動のときに磁界を観測するように制御する。また、データ収集の高速化のため、測定時に磁界プローブMPを停止させず、磁界プローブMPの移動中に測定が行われる。
具体的に、ベクタースキャン測定では、図3(C)に磁界プローブMPの走査面のXY座標において磁界プローブMPは、始点(Xs,Ys)、からY軸の正方向に指定された速度で移動し、指定した間隔Δy毎に測定が行われる。磁界プローブMPがプリント基板PCBの端のY座標に達すると、X軸の正方向に指定した間隔Δxだけ移動した後、Y軸の負方向(正方向の逆)に移動し、Δy間隔毎に測定が行われる。これを磁界プローブMPが終点(Xe,Ye)に達するまで繰り返す。
図4に示すように、近傍界測定部MAにおいては、磁界プローブMPにより、プリント基板PCBに平行かつ距離d1、d2に位置する第1測定面領域R1、第2測定面領域R2の2種類の磁界分布をスキャン測定する。このように、近傍界測定部MAによる測定では、解析対象物のプリント基板に対し、プリント基板の表面から所定距離における平面の磁界データ(又は電界データ)を、磁界の測定データとして格子状に取得する。取得する測定データは、プリント基板の片面につき、プリント基板PCBの表面からの距離(法線方向のZ軸上の距離)が異なる2種類以上用意する。たとえば、プリント基板の表面からの距離が5mm(距離d1)の近傍界測定データD1と、10mm(距離d2)の近傍界測定データD2の少なくとも2種類を用意する。ただし、この距離はこの値に限定されない。さらに、プリント基板を裏返して、その裏面からの距離が5mm(距離d3)の近傍界測定データD3と、10mm(距離d4)の近傍界測定データD4も用意する。このようにプリント基板PCBの両面に対してベクタースキャン測定を実施することで、4種類の近傍界測定データを得ることもできる。
[電磁界シミュレーション装置の動作]
図5は電磁界シミュレーションの実行フローを示す。
ステップS1:近傍界測定器(近傍界測定部MA)によって測定した解析対象物のプリント基板PCBからの少なくとも2つの近傍界測定データを取り込む。すなわち、電磁界シミュレーション装置の近傍界測定データ取得手段120は、接続されている近傍界測定部MAから、磁界プローブMPにより検出された近傍界測定データD1〜D4を測定信号として取得する。また、近傍界測定部MAは、接続されているスペクトラムアナライザSAに近傍界測定データD1〜D4を送信する。
近傍界測定データ取得手段120により、磁界プローブMPにより検出された近傍界測定データD1〜D4は、それぞれの周波数において測定領域おける測定点位置座標データと関連付けられて電磁界シミュレーション装置の近傍界測定データDB201に格納される。
測定点位置座標データの格納時には、近傍界測定データ取得手段120により、例えば、図6に示すように、近傍界測定データD1、D2の各々は測定位置の座標(x,y,z)はセル番号EMxyzと紐づけられる。そして、セル番号EMxyz毎に周波数スペクトルの周波数および強度が関連付けられて電磁界シミュレーション装置の近傍界測定データDB201に格納される。例えば、図7に示すように、近傍界測定データD1のセル番号EM051701はスペクトル番号毎に複数の周波数と磁界強度が関連付けられる。
ステップS2:解析モデル作成手段121は、近傍界測定データD1〜D4を電磁界解析プログラム202へ取り込み、電磁界解析プログラムに解析モデルを生成させる。なお、近傍界測定データD1〜D4は、過去に測定され、予め近傍界測定データDB201に格納されているデータであってもよく、その場合には、ステップS1において、近傍界測定データ取得手段120は、近傍界測定データDB201に格納される近傍界測定データD1〜D4を近傍界測定データDB201から取得するものとして機能すればよい。
解析モデル作成手段121は、近傍界測定データDB201に基づいて、解析モデルを作成する。解析モデル作成手段121は、作成された解析モデルを解析モデルファイル204として記憶部112に格納する。
図8は、近傍界測定データD1〜D4に基づく解析モデルの作成イメージを、プリント基板PCB(モデル化はしない)からのそれぞれの距離d1〜d4と共に立体的に示した線図である。近傍界測定データD1〜D4はそれぞれ、それらのセル毎に電磁界の強度およびスペクトルが関連付けられている故に、例えば、図9のプリント基板PCBの平面図(A)に対して、距離d1離れた近傍界測定データD1は強度分布を示し(図9(B))、距離d2(<d1)離れた近傍界測定データD2は近傍界測定データD1よりも低い強度分布を示す(図9(C))。また、近傍界測定データD1の一部のセルは、そのセル毎に周波数スペクトル分布(横軸:周波数、縦軸:電界又は磁界の強度)に関連付けられている(図9(B)の一点鎖線内)。
ステップS3:解析条件設定部122は、例えば使用者からプリント基板等の解析対象物の解析条件の入力を受け付け、解析対象物の解析条件の設定を行う。また、解析条件設定部122は、近傍界測定データDB201に基づいて、プリント基板等の各セルに物性を表わすパラメータ(誘電率、透磁率)等を与える。
ステップS4:位相情報推定手段123は、近傍界測定データに基づいて電磁界位相情報を推定する。位相情報推定手段123が実行する位相情報推定ステップは後述する。
[電磁界シミュレーション装置の動作]
図10は位相情報推定ステップS4の実行フローを示す。
位相情報推定手段123は、近傍界測定データD1の各測定点に対して任意位相を設定する(第1設定ステップS41)。
位相情報推定手段123は、設定された位相に基づいて近傍界測定データD2を解析して第1解析電磁界分布を生成する(第1解析ステップS42)。
位相情報推定手段123は、第1解析電磁界分布と記憶してある近傍界測定データD2の電磁界強度とを比較する(第1比較ステップS43)。
位相情報推定手段123は、比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合(ステップS44)に設定された位相の第1近傍値を近傍界測定データD2の各測定点に対して設定する(第2設定ステップS45)。
位相情報推定手段123は、設定された位相に基づいて近傍界測定データD1を解析して第2解析電磁界分布を生成する(第2解析ステップS46)。
位相情報推定手段123は、第2解析電磁界分布と記憶してある近傍界測定データD1の電磁界強度とを比較する(第2比較ステップとS47)。
位相情報推定手段123は、比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合(ステップS48)に設定された位相の第2近傍値を近傍界測定データD1の各測定点に対して設定する(第3設定ステップS49)。
位相情報推定手段123は、設定された位相に基づいて第1解析ステップS42、第1比較ステップS43、第2設定ステップS45、第2解析ステップS46および第2比較ステップS47を繰り返し、第1比較ステップS43および第2比較ステップS47の後の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下である場合(ステップS50)に設定された位相を電磁界位相情報とする。位相情報推定手段123により、例えば、図11に示すように、近傍界測定データD1のセル番号EM051701はスペクトル番号に対応して周波数毎に位相(rad)が推定されそれらが関連付けられる。
図11に示す近傍界測定データD1の以外のセルの位相推定についても、測定距離d1における位相が正しく推定されていれば、測定距離d1における電磁界分布(強度および位相を含む)を元に解析した、測定距離d2における強度分布は、近傍界測定データD2と一致するはずである。よって、上記位相情報推定ステップS4により、位相推定は可能となる。逆に、測定距離d1における位相が正しく推定されていなければ、測定距離d2における解析した強度分布は、近傍界測定データD2とは一致しないはずである。
位相情報推定ステップS4のように位相の推定と比較を繰り返すことで位相を精度よく推定することが可能となる。近傍界測定データD3と近傍界測定データD4についても同様に位相を推定し、位相情報を含む近傍界測定データを解析モデルとする。
ステップS5:データ更新手段124は、推定された電磁界位相情報と解析モデルデータとに基づいて更新解析モデルデータを生成し、解析モデルファイル204として格納する。
ステップS6:シミュレーション実行手段125は、解析モデルファイル204の更新解析モデルデータに基づいて電磁界シミュレーションを実行する。シミュレーション実行手段125は、例えば周波数領域での電界(又は磁界)の強度および位相に基づいて電磁界シミュレーションを実行する。そして、シミュレーション実行手段125は、当該強度および位相を計算結果205として記憶部112に格納する。
その後、作成された解析用モデルデータに対して実施される電磁界シミュレーション処理は、一般的な電磁化シミュレーション処理と同様であるので、その説明は省略する。
また、シミュレーション実行手段125においては、対応プログラムをインストールすることで、例えば、FDTD(Finite Difference Time Domain)法、モーメント法やFEM(Finite Element Method;有限要素法)等の電磁界解析の手法を用いてもよい。
以上のように、本実施例によれば、プリント基板PCBの表面からの距離が異なる2種類以上の近傍界測定データを用いることで、近傍界測定データの位相情報を推定することが可能となり、解析モデルを簡略化し、電磁界シミュレーションの計算コストを削減できるだけでなく、より精度の良い解析結果を得ることが期待できる。
本実施例では、解析対象物をプリント基板PCBとし、近傍界測定データをプリント基板PCBの両面から取得すると述べたが、プリント基板PCBに限らず、どのようなものを解析対象物としてもよい。近傍界測定データについても、2面だけでなく、解析対象物を囲むように、6面取得することで、より精度の良い解析を実施することが可能となる。
上記の実施例の位相情報推定ステップS4によれば電界(又は磁界)の強度の2面間の比較を述べたが、位相情報推定ステップS4として、フェーズリトリーバル法を用いることができる。
近傍界での放射界から遠方界での電磁界を推定するには近傍界での振幅情報と位相情報が必要である。しかし、位相の測定はわずかな電気長差の影響を受けやすいため、測定誤差が生じやすい。そこで、発明者は位相情報を測定せず、測定対象からの測定距離が既知の2つの近傍界(平面A、B)での振幅情報(電界又は磁界)を測定し、その2つの振幅情報から位相を推定するフェーズリトリーバル法を用いる。当該方法によれば、まず、適当な位相初期値を与え、一方の面Aの測定振幅と位相初期値からもう一方の面Bの測定振幅と位相を推定し、次に、面Bでの測定振幅と推定された位相から面Aでの測定振幅と位相を推定する。この面Aから面B、面Bから面Aの推定(位相の収束)を繰り返すことで、実際の位相に近い位相を推定することが可能である。当該推定位相を含めた測定データによる解析モデルを利用して電磁界シミュレーションを実行することができる。
100…電磁界シミュレーション装置、200…電磁界シミュレーションプログラム、120…近傍界測定データ取得手段、121…解析モデル作成手段、122…解析条件設定手段、123…位相情報推定手段、124…データ更新手段、125…シミュレーション実行手段、201…近傍界測定データDB、202…電磁界解析プログラム、203…解析条件ファイル、204…解析モデルファイル、205…計算結果、SA…スペクトルアナライザ、MA…近傍界測定部(測定器)、BS…定盤ステージ、GFL…ガントリフレーム、MP…磁界プローブ、SL…スライダ体、HD…ヘッド体、MB…移動梁ビーム、PCB…プリント基板。

Claims (14)

  1. 解析対象物の近傍電磁界の電磁界シミュレーションを行う電磁界シミュレーション装置であって、
    解析対象物から距離の異なる少なくとも2つの測定面領域において測定された少なくとも2つの近傍界測定データ群を取得する近傍界測定データ取得手段と、
    前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて前記解析対象物の解析モデルデータを作成する解析モデル作成手段と、
    前記解析対象物の解析条件の設定を行う解析条件設定手段と、
    前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて電磁界位相情報を推定する位相情報推定手段と、
    推定された前記電磁界位相情報と前記解析モデルデータとに基づいて更新解析モデルデータを生成するデータ更新手段と、
    前記更新解析モデルデータに基づいて電磁界シミュレーションを実行するシミュレーション実行手段と、
    を有することを特徴とする電磁界シミュレーション装置。
  2. 前記少なくとも2つの近傍界測定データ群は、前記解析対象物の所定面から異なる距離である第1距離および第2距離でそれぞれ平行に離れた第1測定面領域および第2測定面領域の各々において測定された電磁界強度をそれぞれ含む第1および第2の近傍界測定データであり、
    前記近傍界測定データ取得手段は、格子状に配置された複数の測定点に対応する電磁界強度を前記第1測定面領域および前記第2測定面領域毎に測定し、前記第1測定面領域および前記第2測定面領域のそれぞれにおいて前記測定点と前記電磁界強度とを関連付けて前記近傍界測定データとしてそれぞれ記憶し、
    前記位相情報推定手段は、
    前記第1測定面領域の各測定点に対して任意位相を設定する第1設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第2の近傍界測定データを解析して第1解析電磁界分布を生成する第1解析ステップと、
    前記第1解析電磁界分布と記憶してある前記第2の近傍界測定データの電磁界強度とを比較する第1比較ステップと、
    比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合に前記設定された位相の第1近傍値を前記第2測定面領域の各測定点に対して設定する第2設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第1の近傍界測定データを解析して第2解析電磁界分布を生成する第2解析ステップと、
    前記第2解析電磁界分布と記憶してある前記第1の近傍界測定データの電磁界強度とを比較する第2比較ステップと、
    比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合に前記設定された位相の第2近傍値を前記第1測定面領域の各測定点に対して設定する第3設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第1解析ステップ、前記第1比較ステップ、前記第2設定ステップ、前記第2解析ステップおよび前記第2比較ステップを繰り返し、前記第1比較ステップおよび前記第2比較ステップの後の前記両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下である場合に前記設定された前記位相を電磁界位相情報とする推定ステップと、を実行することを特徴とする請求項1に記載の電磁界シミュレーション装置。
  3. 前記近傍界測定データ取得手段は、前記第1測定面領域および前記第2測定面領域のそれぞれを電磁界プローブにて走査して格子状に配置された複数の測定点に対応する電磁界強度を前記第1測定面領域および前記第2測定面領域毎に測定する近傍界測定器であり、
    前記周波数と前記電磁界強度は前記近傍界測定器を介してスペクトルアナライザによって測定されることを特徴とする請求項2に記載の電磁界シミュレーション装置。
  4. 前記解析対象物はプリント基板であり、前記プリント基板の表面および裏面の少なくとも一方の面の法線方向において前記プリント基板に異なる距離で対向する前記第1測定面領域および前記第2測定面領域から前記近傍界測定データが取得されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電磁界シミュレーション装置。
  5. 解析対象物の近傍電磁界の電磁界シミュレーションを行う電磁界シミュレーション方法であって、
    解析対象物から距離の異なる少なくとも2つの測定面領域において測定された少なくとも2つの近傍界測定データ群を取得する近傍界測定データ取得ステップと、
    前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて前記解析対象物の解析モデルデータを作成する解析モデル作成ステップと、
    前記解析対象物の解析条件の設定を行う解析条件設定ステップと、
    前記前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて電磁界位相情報を推定する位相情報推定ステップと、
    推定された前記電磁界位相情報と前記解析モデルデータとに基づいて更新解析モデルデータを生成するデータ更新ステップと、
    前記更新解析モデルデータに基づいて電磁界シミュレーションを実行するシミュレーション実行ステップと、
    を含むことを特徴とする電磁界シミュレーション方法。
  6. 前記少なくとも2つの近傍界測定データ群は、前記解析対象物の所定面から異なる距離である第1距離および第2距離でそれぞれ平行に離れた第1測定面領域および第2測定面領域の各々において測定された電磁界強度をそれぞれ含む第1および第2の近傍界測定データであり、
    前記近傍界測定データ取得ステップは、格子状に配置された複数の測定点に対応する電磁界強度を前記第1測定面領域および前記第2測定面領域毎に測定し、前記第1測定面領域および前記第2測定面領域のそれぞれにおいて前記測定点と前記電磁界強度とを関連付けて前記近傍界測定データとしてそれぞれ記憶し、
    前記位相情報推定ステップは、
    前記第1測定面領域の各測定点に対して任意位相を設定する第1設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第2の近傍界測定データを解析して第1解析電磁界分布を生成する第1解析ステップと、
    前記第1解析電磁界分布と記憶してある前記第2の近傍界測定データの電磁界強度とを比較する第1比較ステップと、
    比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合に前記設定された位相の第1近傍値を前記第2測定面領域の各測定点に対して設定する第2設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第1の近傍界測定データを解析して第2解析電磁界分布を生成する第2解析ステップと、
    前記第2解析電磁界分布と記憶してある前記第1の近傍界測定データの電磁界強度とを比較する第2比較ステップと、
    比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合に前記設定された位相の第2近傍値を前記第1測定面領域の各測定点に対して設定する第3設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第1解析ステップ、前記第1比較ステップ、前記第2設定ステップ、前記第2解析ステップおよび前記第2比較ステップを繰り返し、前記第1比較ステップおよび前記第2比較ステップの後の前記両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下である場合に前記設定された前記位相を電磁界位相情報とする推定ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項5に記載の電磁界シミュレーション方法。
  7. 前記近傍界測定データ取得ステップは、前記第1測定面領域および前記第2測定面領域のそれぞれを電磁界プローブにて走査して格子状に配置された複数の測定点に対応する電磁界強度を前記第1測定面領域および前記第2測定面領域毎に測定する近傍界測定器によって実行され、
    前記周波数と前記電磁界強度は前記近傍界測定器を介してスペクトルアナライザによって測定されることを特徴とする請求項6に記載の電磁界シミュレーション方法。
  8. 前記解析対象物はプリント基板であり、前記プリント基板の表面および裏面の少なくとも一方の面の法線方向において前記プリント基板に異なる距離で対向する前記第1測定面領域および前記第2測定面領域から前記近傍界測定データが取得されることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の電磁界シミュレーション方法。
  9. 解析対象物の近傍電磁界の電磁界シミュレーションを行う電磁界シミュレーションプログラムであって、
    解析対象物から距離の異なる少なくとも2つの測定面領域において測定された少なくとも2つの近傍界測定データ群を取得する近傍界測定データ取得ステップと、
    前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて前記解析対象物の解析モデルデータを作成する解析モデル作成ステップと、
    前記解析対象物の解析条件の設定を行う解析条件設定ステップと、
    前記少なくとも2つの近傍界測定データ群に基づいて電磁界位相情報を推定する位相情報推定ステップと、
    推定された前記電磁界位相情報と前記解析モデルデータとに基づいて更新解析モデルデータを生成するデータ更新ステップと、
    前記更新解析モデルデータに基づいて電磁界シミュレーションを実行するシミュレーション実行ステップと、
    を電磁界シミュレーション装置としてのコンピュータに実行させることを特徴とする電磁界シミュレーションプログラム。
  10. 前記少なくとも2つの近傍界測定データ群は、前記解析対象物の所定面から異なる距離である第1距離および第2距離でそれぞれ平行に離れた第1測定面領域および第2測定面領域の各々において測定された電磁界強度をそれぞれ含む第1および第2の近傍界測定データであり、
    前記近傍界測定データ取得ステップは、格子状に配置された複数の測定点に対応する電磁界強度を前記第1測定面領域および前記第2測定面領域毎に測定し、前記第1測定面領域および前記第2測定面領域のそれぞれにおいて前記測定点と前記電磁界強度とを関連付けて前記近傍界測定データとしてそれぞれ記憶し、
    前記位相情報推定ステップは、
    前記第1測定面領域の各測定点に対して任意位相を設定する第1設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第2の近傍界測定データを解析して第1解析電磁界分布を生成する第1解析ステップと、
    前記第1解析電磁界分布と記憶してある前記第2の近傍界測定データの電磁界強度とを比較する第1比較ステップと、
    比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合に前記設定された位相の第1近傍値を前記第2測定面領域の各測定点に対して設定する第2設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第1の近傍界測定データを解析して第2解析電磁界分布を生成する第2解析ステップと、
    前記第2解析電磁界分布と記憶してある前記第1の近傍界測定データの電磁界強度とを比較する第2比較ステップと、
    比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合に前記設定された位相の第2近傍値を前記第1測定面領域の各測定点に対して設定する第3設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第1解析ステップ、前記第1比較ステップ、前記第2設定ステップ、前記第2解析ステップおよび前記第2比較ステップを繰り返し、前記第1比較ステップおよび前記第2比較ステップの後の前記両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下である場合に前記設定された前記位相を電磁界位相情報とする推定ステップと、
    を含むことを特徴とする請求項9に記載の電磁界シミュレーションプログラム。
  11. 前記近傍界測定データ取得ステップは、前記第1測定面領域および前記第2測定面領域のそれぞれを電磁界プローブにて走査して格子状に配置された複数の測定点に対応する電磁界強度を前記第1測定面領域および前記第2測定面領域毎に測定する近傍界測定器によって実行され、
    前記周波数と前記電磁界強度は前記近傍界測定器を介してスペクトルアナライザによって測定されることを特徴とする請求項10に記載の電磁界シミュレーションプログラム。
  12. 前記解析対象物はプリント基板であり、前記プリント基板の表面および裏面の少なくとも一方の面の法線方向において前記プリント基板に異なる距離で対向する前記第1測定面領域および前記第2測定面領域から前記近傍界測定データが取得されることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか一項に記載の電磁界シミュレーションプログラム。
  13. 解析対象物の近傍電磁界を測定する近傍界測定器であって、
    前記解析対象物の所定面から異なる距離である第1距離および第2距離でそれぞれ平行に離れた第1測定面領域および第2測定面領域の各々において測定された電磁界強度をそれぞれ含む第1および第2の近傍界測定データを取得する近傍界測定データ取得手段と、
    前記第1および第2の近傍界測定データに基づいて電磁界位相情報を推定する位相情報推定手段と、を有し、
    前記近傍界測定データ取得手段は、前記第1測定面領域および前記第2測定面領域のそれぞれを電磁界プローブにて走査して格子状に配置された複数の測定点に対応する電磁界強度を前記第1測定面領域および前記第2測定面領域毎に測定し、前記第1測定面領域および前記第2測定面領域のそれぞれにおいて前記測定点と前記電磁界強度とを関連付けて前記近傍界測定データとしてそれぞれ記憶し、
    前記位相情報推定手段は、
    前記第1測定面領域の各測定点に対して任意位相を設定する第1設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第2の近傍界測定データを解析して第1解析電磁界分布を生成する第1解析ステップと、
    前記第1解析電磁界分布と記憶してある前記第2の近傍界測定データの電磁界強度とを比較する第1比較ステップと、
    比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合に前記設定された位相の第1近傍値を前記第2測定面領域の各測定点に対して設定する第2設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第1の近傍界測定データを解析して第2解析電磁界分布を生成する第2解析ステップと、
    前記第2解析電磁界分布と記憶してある前記第1の近傍界測定データの電磁界強度とを比較する第2比較ステップと、
    比較の結果の両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下でない場合に前記設定された位相の第2近傍値を前記第1測定面領域の各測定点に対して設定する第3設定ステップと、
    設定された位相に基づいて前記第1解析ステップ、前記第1比較ステップ、前記第2設定ステップ、前記第2解析ステップおよび前記第2比較ステップを繰り返し、前記第1比較ステップおよび前記第2比較ステップの後の前記両者の電磁界強度の差分が所定閾値以下である場合に前記設定された前記位相を電磁界位相情報とする推定ステップと、を実行することを特徴とする近傍界測定器。
  14. 前記解析対象物はプリント基板であり、前記プリント基板の表面および裏面の少なくとも一方の面の法線方向において前記プリント基板に異なる距離で対向する前記第1測定面領域および前記第2測定面領域から前記近傍界測定データが取得されることを特徴とする請求項13に記載の近傍界測定器。
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