JP2019147932A - 樹脂組成物、樹脂シート、bステージシート、cステージシート、樹脂付金属箔、金属基板及びパワー半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物、樹脂シート、bステージシート、cステージシート、樹脂付金属箔、金属基板及びパワー半導体装置 Download PDF

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一也 木口
智雄 西山
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智雄 西山
藤本 大輔
Daisuke Fujimoto
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Abstract

【課題】硬化後にて高い熱伝導性と低弾性とが両立可能な樹脂組成物の提供。【解決手段】樹脂と、ビフェニルアラルキル型硬化剤と、水酸基当量が120g/eq以下であるフェノール系硬化剤及び活性水素当量が120g/eq以下であるアミン系硬化剤の少なくとも一方の硬化剤とを含む樹脂組成物。前記樹脂がメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を含む樹脂組成物。樹脂組成物から形成された樹脂シート。樹脂シートの半硬化物を含むBステージシート。金属箔と樹脂シートの半硬化物とを備える樹脂付金属箔。金属支持体と樹脂シートの硬化物と金属箔とを備える金属基板。金属板、はんだ層及び半導体チップがこの順に積層された半導体モジュールと、放熱部材と、樹脂シートの硬化物とを備えるパワー半導体装置。【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、樹脂シート、Bステージシート、Cステージシート、樹脂付金属箔、金属基板及びパワー半導体装置に関する。
電子機器及び電気機器の部品として、一対の部材の間に絶縁等を目的とする樹脂層が配置された積層体が種々の用途に用いられている(例えば、特許文献1参照)。このような積層体は、フィルム状の樹脂組成物を介して双方の部材を貼り付けることで製造されていた。
特許第5431595号公報
特許文献1に記載の樹脂組成物の硬化物は、高熱伝導性を有する一方、弾性率が高く、ヒートサイクル試験等の熱応力により、接着面の剥離等が生じやすいという問題がある。そこで、硬化後に高い熱伝導性と低弾性とが両立可能な樹脂組成物が望まれる。
本発明の一形態は、上記課題に鑑み、硬化後にて高い熱伝導性と低弾性とが両立可能な樹脂組成物並びにそれを用いた樹脂シート、Bステージシート、Cステージシート、樹脂付金属箔、金属基板及びパワー半導体装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は以下の態様を包含する。
<1> 樹脂と、ビフェニルアラルキル型硬化剤と、水酸基当量が120g/eq以下であるフェノール系硬化剤及び活性水素当量が120g/eq以下であるアミン系硬化剤の少なくとも一方の硬化剤と、を含む樹脂組成物。
<2> 前記ビフェニルアラルキル型硬化剤及び前記硬化剤の合計に対する前記ビフェニルアラルキル型硬化剤の含有率が50質量%以上である<1>に記載の樹脂組成物。
<3> 前記フェノール系硬化剤を含み、前記フェノール系硬化剤はフェノールノボラック樹脂である<1>又は<2>に記載の樹脂組成物。
<4> 前記樹脂は、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を含む<1>〜<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5> 前記メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂は、下記一般式(I)で表される化合物を含む<4>に記載の樹脂組成物。
[一般式(I)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。]
<6> 前記硬化剤として前記フェノール系硬化剤を用い、前記フェノール系硬化剤及び前記ビフェニルアラルキル型硬化剤の合計の水酸基当量が65g/eq〜300g/eqである<1>〜<5>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の樹脂組成物から形成された樹脂シート。
<8> <7>に記載の樹脂シートの半硬化物を含むBステージシート。
<9> <7>に記載の樹脂シートの硬化物を含むCステージシート。
<10> 金属箔と、前記金属箔上に配置された<7>に記載の樹脂シートの半硬化物と、を備える樹脂付金属箔。
<11> 金属支持体と、前記金属支持体上に配置された<7>に記載の樹脂シートの硬化物と、前記硬化物上に配置された金属箔と、を備える金属基板。
<12> 金属板、はんだ層及び半導体チップがこの順に積層された半導体モジュールと、放熱部材と、前記半導体モジュールの前記金属板と前記放熱部材との間に配置された<7>に記載の樹脂シートの硬化物と、を備えるパワー半導体装置。
本発明の一形態によれば、硬化後にて高い熱伝導性と低弾性とが両立可能な樹脂組成物並びにそれを用いた樹脂シート、Bステージシート、Cステージシート、樹脂付金属箔、金属基板及びパワー半導体装置を提供することができる。
本開示のパワー半導体装置の構成の一例を示す概略断面図である。 本開示のパワー半導体装置の構成の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の樹脂組成物、樹脂シート、Bステージシート、Cステージシート、樹脂付金属箔、金属基板及びパワー半導体装置を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲には、「〜」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」との語には、当該層が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本開示において実施形態を図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
<樹脂組成物>
本開示の樹脂組成物は、樹脂と、ビフェニルアラルキル型硬化剤と、水酸基当量が120g/eq以下であるフェノール系硬化剤及び活性水素当量が120g/eq以下であるアミン系硬化剤の少なくとも一方の硬化剤と、を含む。
本開示の樹脂組成物では、ビフェニルアラルキル型硬化剤と、前述の硬化剤とを併用することにより、硬化時に高次構造を形成し易く、硬化後の樹脂組成物は高い熱伝導率を維持することができる。さらに、樹脂としてフェノールノボラック樹脂のみを用いた場合と比較して硬化後の樹脂組成物は弾性率が低下する。従って、本開示の樹脂組成物は、硬化後にて高い熱伝導性と低弾性とが両立可能である。
本開示の樹脂組成物は、後述の樹脂、ビフェニルアラルキル型硬化剤、及び後述の硬化剤を含み、必要に応じて、硬化促進剤、無機充填材、シランカップリング剤、溶剤等のその他の成分などを含んでいてもよい。以下に、樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
(樹脂)
樹脂組成物に含まれる樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。樹脂組成物に含まれる樹脂は、1種であっても2種以上であってもよい。電気絶縁性と接着性の観点からは、樹脂組成物はエポキシ樹脂を含むことが好ましい。また、エポキシ樹脂がオリゴマー又はプレポリマーの状態になったものを含んでいてもよい。エポキシ樹脂としては、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、後述のメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂の種類は特に制限されず、樹脂組成物の物性を考慮して選択できる。樹脂組成物に高い熱伝導性が求められる場合は、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を用いてもよく、好ましくは、メソゲン骨格を有し、かつ、1分子内に2個のグリシジル基を有するエポキシ樹脂(以下、特定エポキシ樹脂ともいう)を用いてもよい。特定エポキシ樹脂を含む樹脂組成物を用いて形成される樹脂シートの硬化物は、高い熱伝導率を示す傾向にある。
本開示において「メソゲン骨格」とは、液晶性を発現する可能性のある分子構造を示す。具体的には、ビフェニル骨格、フェニルベンゾエート骨格、シクロヘキシルベンゾエート骨格、アゾベンゼン骨格、スチルベン骨格、これらの誘導体等が挙げられる。メソゲン骨格を有するエポキシ化合物を含む樹脂組成物は、硬化時に高次構造を形成し易く、硬化物を作製した場合に、より高い熱伝導率を達成できる傾向にある。
特定エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ化合物及び3環型エポキシ化合物が挙げられる。
ビフェニル型エポキシ化合物としては、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル、エピクロルヒドリンと4,4’−ビフェノール、4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノール又はα−ヒドロキシフェニル−ω−ヒドロポリ(ビフェニルジメチレン−ヒドロキシフェニレン)とを反応させて得られるエポキシ化合物等が挙げられる。ビフェニル型エポキシ化合物としては、「YX4000」、「YL6121H」(以上、三菱ケミカル株式会社)、「NC−3000」、「NC−3100」(以上、日本化薬株式会社)等の製品名により市販されているものが挙げられる。
3環型エポキシ化合物としては、ターフェニル骨格を有するエポキシ化合物、1−(3−メチル−4−オキシラニルメトキシフェニル)−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−1−シクロヘキセン、1−(3−メチル−4−オキシラニルメトキシフェニル)−4−(4−オキシラニルメトキシフェニル)−ベンゼン、下記一般式(I)で表される化合物等が挙げられる。
より高い熱伝導率を達成する観点から、特定エポキシ樹脂は、エポキシ化合物として1種単独で用いて硬化したときに、高次構造を形成可能であることが好ましく、スメクチック構造を形成可能であることがより好ましい。このようなエポキシ化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物を挙げることができる。樹脂組成物が下記一般式(I)で表される化合物を含むことにより、より高い熱伝導率を達成することが可能となる。
一般式(I)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1若しくは2のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。また、R〜Rのうちの2個〜4個が水素原子であることが好ましく、3個又は4個が水素原子であることがより好ましく、4個すべてが水素原子であることがさらに好ましい。R〜Rのいずれかが炭素数1〜3のアルキル基である場合、R及びRの少なくとも一方が炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
なお、一般式(I)で表される化合物の好ましい例は、例えば、特開2011−74366号公報に記載されている。具体的に、一般式(I)で表される化合物としては、4−{4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル}シクロヘキシル=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート及び4−{4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル}シクロヘキシル=4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3−メチルベンゾエートからなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましい。
ここで、高次構造とは、その構成要素がミクロに配列している状態のことであり、例えば、結晶相及び液晶相が相当する。このような高次構造が存在しているか否かは、偏光顕微鏡での観察によって容易に判断することが可能である。すなわち、クロスニコル状態での観察において、偏光解消による干渉模様が見られる場合は高次構造が存在していると判断できる。高次構造は、通常では樹脂中に島状に存在しており、ドメイン構造を形成している。そして、ドメイン構造を形成している島のそれぞれを高次構造体という。高次構造体を構成する構造単位同士は、一般的には共有結合で結合されている。
メソゲン骨格に由来する規則性の高い高次構造には、ネマチック構造、スメクチック構造等がある。ネマチック構造は分子長軸が一様な方向に向いており、配向秩序のみを持つ液晶構造である。これに対して、スメクチック構造は配向秩序に加えて一次元の位置の秩序を持ち、一定周期の層構造を有する液晶構造である。また、スメクチック構造の同一の周期の構造内部では、層構造の周期の方向が一様である。すなわち、分子の秩序性は、ネマチック構造よりもスメクチック構造の方が高い。秩序性の高い高次構造が半硬化物又は硬化物中に形成されると、熱伝導の媒体であるフォノンが散乱するのを抑制することができる。このため、ネマチック構造よりもスメクチック構造の方が、熱伝導率が高くなる。
すなわち、分子の秩序性はネマチック構造よりもスメクチック構造の方が高く、硬化物の熱伝導性もスメクチック構造を示す場合の方が高くなる。そこで、樹脂組成物としては、一般式(I)で表される化合物を含み、硬化剤と反応して、スメクチック構造を形成可能であることが好ましい。例えば、樹脂組成物中の樹脂における一般式(I)で表される化合物の割合を調整することにより、スメクチック構造を形成可能である。
本開示の樹脂組成物は、樹脂として一般式(I)で表される化合物を含むことが好ましい。これにより、樹脂組成物を硬化したときにスメクチック構造等の高次構造を形成しやすくなる傾向にある。また、ビフェニル型エポキシ化合物を併用することで、硬化前の樹脂組成物の融点が低下する傾向にあり、硬化前の樹脂組成物のハンドリング性が向上する傾向にある。
また、樹脂としてビフェニル型エポキシ化合物及び一般式(I)で表される化合物を含む場合、ビフェニル型エポキシ化合物と一般式(I)で表される化合物との質量比率(ビフェニル型化合物:一般式(I)で表される化合物)は、0.5:9.5〜5:5であることが好ましく、0.5:9.5〜3:7であることがより好ましく、1:9〜2.5:7.5であることがより好ましい。これにより、ビフェニル型エポキシ化合物を併用した樹脂組成物を硬化したときにスメクチック構造等の高次構造をより形成しやすくなる傾向にある。
樹脂組成物を用いてスメクチック構造の形成が可能であるか否かは、下記の方法により判断することができる。
CuKα1線を用い、管電圧40kV、管電流20mA、2θが0.5°〜30°の範囲で、X線解析装置(例えば、株式会社リガク)を用いてX線回折測定を行う。2θが1°〜10°の範囲に回折ピークが存在する場合には、周期構造がスメクチック構造を含んでいると判断される。なお、メソゲン骨格に由来する規則性の高い高次構造を有する場合には、2θが1°〜30°の範囲に回折ピークが現れる。
樹脂組成物に含まれる樹脂の含有率は、5質量%〜30質量%であることが好ましく、7質量%〜28質量%であることがより好ましく、10質量%〜25質量%であることがさらに好ましい。
樹脂組成物の固形分に占める樹脂の含有率は、5質量%〜45質量%であることが好ましく、7質量%〜40質量%であることがより好ましく、10質量%〜35質量%であることがさらに好ましい。
(ビフェニルアラルキル型硬化剤)
樹脂組成物は、ビフェニルアラルキル型硬化剤を含む。ビフェニルアラルキル型硬化剤と、後述する硬化剤とを併用することにより、硬化後の樹脂組成物にて高い熱伝導率を維持した状態にて弾性率を低下させることができる。ビフェニルアラルキル型硬化剤としては、フェノール化合物、芳香族アミン化合物等にビフェニルアラルキル骨格が導入されたものであればよい。
ビフェニルアラルキル型硬化剤としては、下記一般式(1)で表される構造単位を有することが好ましい。
一般式(1)中、R、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又はアルキル基を表す。Xはそれぞれ独立に水酸基を表す。l、m及びnはそれぞれ独立に、1以上の整数である。p及びqはそれぞれ独立に、0〜2の整数である。但し、一般式(1)中のZの少なくとも1つは、水酸基を有している。
一般式(1)中、R、R、R、R、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜4であるアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
m及びnはそれぞれ独立に、1〜4の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。
p及びqはそれぞれ独立に、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
ビフェニルアラルキル型硬化剤としては、下記一般式(2)で表される化合物を含むことが好ましい。
一般式(2)中、R、R、R、R、R、R、R及びR並びにl及びpは、前述の一般式(1)中のR、R、R、R、R、R、R及びR並びにl及びpと同様である。
樹脂組成物に含まれるビフェニルアラルキル型硬化剤の含有率は、0.5質量%〜35質量%であることが好ましく、1質量%〜20質量%であることがより好ましく、2質量%〜10質量%であることがさらに好ましい。
樹脂組成物の固形分に占めるビフェニルアラルキル型硬化剤の含有率は、1質量%〜40質量%であることが好ましく、2質量%〜25質量%であることがより好ましく、3質量%〜15質量%であることがさらに好ましい。
また、樹脂組成物中にて、ビフェニルアラルキル型硬化剤及び後述の硬化剤の合計に対するビフェニルアラルキル型硬化剤の含有率は50質量%以上であることが好ましく、60質量%〜95質量%であることがより好ましく、70質量%〜90質量%であることがさらに好ましい。
(硬化剤)
樹脂組成物は、水酸基当量が120g/eq以下であるフェノール系硬化剤(以下、単に「フェノール系硬化剤」ともいう)及び活性水素当量が120g/eqであるアミン系硬化剤(以下、単に「アミン系硬化剤」)の少なくとも一方の硬化剤を含む。硬化剤は、樹脂と硬化反応が可能な化合物であれば特に制限されず、通常用いられる硬化剤を適宜選択して用いることができる。
硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
保存安定性の観点から、硬化剤として前述のフェノール系硬化剤の少なくとも1種を用いることがより好ましい。
フェノール系硬化剤としては、水酸基当量が120g/eq以下であり、かつ樹脂の硬化剤として通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、市販されているものを用いてもよい。例えば、フェノール及びそれらをノボラック化したフェノール樹脂を用いることができる。
フェノール系硬化剤としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等の単官能の化合物;カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン等の2官能の化合物;1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等の3官能の化合物などが挙げられる。また、硬化剤としては、これらフェノール系硬化剤をメチレン鎖等で連結してノボラック化したフェノールノボラック樹脂を用いることができる。
フェノールノボラック樹脂としては、具体例には、クレゾールノボラック樹脂、カテコールノボラック樹脂、レゾルシノールノボラック樹脂、ヒドロキノンノボラック樹脂等の1種のフェノール化合物をノボラック化した樹脂;カテコールレゾルシノールノボラック樹脂、レゾルシノールヒドロキノンノボラック樹脂等の2種又はそれ以上のフェノール化合物をノボラック化した樹脂などが挙げられる。
フェノール系硬化剤としてフェノールノボラック樹脂が用いられる場合、フェノールノボラック樹脂は、下記一般式(II−1)及び下記一般式(II−2)からなる群より選択される少なくとも1つで表される構造単位を有する化合物を含むことが好ましい。
一般式(II−1)及び一般式(II−2)中、R21及びR24はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。R22、R23、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。m21及びm22はそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。n21及びn22はそれぞれ独立に1〜7の整数を表す。
アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。
アリール基は、芳香族環にヘテロ原子を含む構造であってもよい。この場合、ヘテロ原子と炭素原子の合計数が6〜12となるヘテロアリール基であることが好ましい。
アラルキル基におけるアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれであってもよい。アラルキル基におけるアリール基は、芳香族環にヘテロ原子を含む構造であってもよい。この場合、ヘテロ原子と炭素原子の合計数が6〜12となるヘテロアリール基であることが好ましい。
一般式(II−1)及び一般式(II−2)において、R21及びR24はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。これらアルキル基、アリール
基、及びアラルキル基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基(但し、R21及びR24が、アルキル基の場合を除く)、アリール基、ハロゲン原子、水酸基等を挙げることができる。
m21及びm22はそれぞれ独立に、0〜2の整数を表し、m21又はm22が2の場合、2つのR21又はR24は同一であっても異なっていてもよい。m21及びm22は、それぞれ独立に、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
n21及びn22はフェノールノボラック樹脂に含まれる一般式(II−1)及び一般式(II−2)で表される構造単位の数であり、それぞれ独立に、1〜7の整数を表す。
一般式(II−1)及び一般式(II−2)において、R22、R23、R25及びR26はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
22、R23、R25及びR26で表されるアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、さらに置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基(但し、R22、R
23、R25及びR26が、アルキル基の場合を除く)、アリール基、ハロゲン原子、水酸基等を挙げることができる。
一般式(II−1)及び一般式(II−2)におけるR22、R23、R25及びR26は、保存安定性と熱伝導性の観点から、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、又は
アリール基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜4であるアルキル基又は炭素数6〜12であるアリール基であることがより好ましく、水素原子であることがさらに好ましい。
さらに、耐熱性の観点から、R22及びR23の少なくとも一方はアリール基であることが好ましく、炭素数6〜12であるアリール基であることがより好ましい。また、R25
及びR26の少なくとも一方は、同様にアリール基であることが好ましく、炭素数6〜12であるアリール基であることがより好ましい。
なお、上記アリール基は芳香族環にヘテロ原子を含む構造であってもよい。この場合、ヘテロ原子と炭素原子の合計数が6〜12となるヘテロアリール基であることが好ましい。
フェノール系硬化剤は、一般式(II−1)又は一般式(II−2)で表される構造単位を有する化合物を1種単独で含んでもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。好ましくは、一般式(II−1)で表されるレゾルシノールに由来する構造単位を有する化合物の少なくとも1種を含む場合である。
一般式(II−1)で表される構造単位を有する化合物は、レゾルシノール以外のフェノール化合物に由来する部分構造の少なくとも1種をさらに含んでいてもよい。一般式(II−1)において、レゾルシノール以外のフェノール化合物に由来する部分構造としては、例えば、フェノール、クレゾール、カテコール、ヒドロキノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、及び1,3,5−トリヒドロキシベンゼンに由来する部分構造が挙げられる。これらに由来する部分構造は、1種単独で含んでも、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
また、一般式(II−2)で表される構造単位を有する化合物は、カテコール以外のフェノール化合物に由来する部分構造の少なくとも1種を含んでいてもよい。一般式(II−2)において、カテコール以外のフェノール化合物に由来する部分構造としては、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシノール、ヒドロキノン、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、及び1,3,5−トリヒドロキシベンゼンに由来する部分構造が挙げられる。これらに由来する部分構造は、1種単独で含んでも、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
ここで、フェノール化合物に由来する部分構造とは、フェノール化合物のベンゼン環部分から1個又は2個の水素原子を取り除いて構成される1価又は2価の基を意味する。なお、水素原子が取り除かれる位置は特に制限されない。
また、一般式(II−1)で表される構造単位を有する化合物において、レゾルシノールに由来する部分構造の含有率については特に制限されない。弾性率の観点から、一般式(II−1)で表される構造単位を有する化合物の全質量に対するレゾルシノールに由来する部分構造の含有率が55質量%以上であることが好ましく、ガラス転移温度(Tg)と線膨張率の観点から、80質量%以上であることがより好ましく、熱伝導性の観点から、90質量%以上であることがさらに好ましい。
さらに、フェノールノボラック樹脂は、下記一般式(III−1)〜一般式(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される部分構造を有するノボラック樹脂を含むことがより好ましい。
一般式(III−1)〜一般式(III−4)中、m31〜m34及びn31〜n34は、それぞれ独立に、正の整数を示し、それぞれの構造単位が含有される数を表す。また、Ar31〜Ar34は、それぞれ独立に、下記一般式(III−a)で表される基又は下記一般式(III−b)で表される基を表す。
一般式(III−a)及び一般式(III−b)中、R31及びR34はそれぞれ独立に、水素原子又は水酸基を表す。R32及びR33は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。
一般式(III−1)〜一般式(III−4)のうち少なくとも1つで表される部分構造を有する硬化剤は、2価のフェノール化合物をノボラック化する後述の製造方法によって副生成的に生成可能なものである。
一般式(III−1)〜一般式(III−4)で表される部分構造は、化合物の主鎖骨格として含まれていてもよく、又は側鎖の一部として含まれていてもよい。さらに、一般式(III−1)〜一般式(III−4)のいずれか1つで表される部分構造を構成するそれぞれの構造単位は、ランダムに含まれていてもよいし、規則的に含まれていてもよいし、ブロック状に含まれていてもよい。また、一般式(III−1)〜一般式(III−4)において、水酸基の置換位置は芳香族環上であれば特に制限されない。
一般式(III−1)〜一般式(III−4)のそれぞれについて、複数存在するAr31〜Ar34は全て同一の原子団であってもよいし、2種以上の原子団を含んでいてもよい。なお、Ar31〜Ar34は、それぞれ独立に、一般式(III−a)及び一般式(III−b)のいずれか1つで表される基を表す。
一般式(III−a)及び一般式(III−b)におけるR31及びR34はそれぞれ独立に、水素原子又は水酸基であるが、熱伝導性の観点から水酸基であることが好ましい。また、R31及びR34の置換位置は特に制限されない。
一般式(III−a)におけるR32及びR33はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜8であるアルキル基を表す。R32及びR33における炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、及びn−オクチル基が挙げられる。また、一般式(III−a)におけるR32及びR33の置換位置は特に制限されない。
一般式(III−1)〜一般式(III−4)におけるAr31〜Ar34は、より優れた熱伝導性を達成する観点から、ジヒドロキシベンゼンに由来する基(一般式(III−a)においてR31が水酸基であって、R32及びR33が水素原子である基)、及びジヒドロキシナフタレンに由来する基(一般式(III−b)においてR34が水酸基である基)から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ここで、「ジヒドロキシベンゼンに由来する基」とは、ジヒドロキシベンゼンの芳香環部分から水素原子を2つ取り除いて構成される2価の基を意味し、水素原子が取り除かれる位置は特に制限されない。また、「ジヒドロキシナフタレンに由来する基」についても同様の意味である。
また、樹脂組成物の生産性及び流動性の観点からは、Ar31〜Ar34は、それぞれ独立に、ジヒドロキシベンゼンに由来する基であることがより好ましく、1,2−ジヒドロキシベンゼン(カテコール)に由来する基及び1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)に由来する基からなる群より選択される少なくとも1種であることがさらに好ましい。特に、熱伝導性を特に高める観点から、Ar31〜Ar34は、少なくともレゾルシノールに由来する基を含むことが好ましい。また、熱伝導性を特に高める観点から、n31〜n34の付された構造単位は、レゾルシノールに由来する基を含んでいることが好ましい。
一般式(III−1)〜一般式(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される部分構造を有する化合物が、レゾルシノールに由来する構造単位を含む場合、レゾルシノールに由来する基を含む構造単位の含有率は、弾性率の観点から、一般式(III−1)〜一般式(III−4)のうち少なくとも1つで表される構造を有する化合物全質中において55質量%以上であることが好ましく、Tg及び線膨張率の観点から、80質量%以上であることがより好ましく、熱伝導性の観点から、90質量%以上であることがさらに好ましい。
一般式(III−1)〜一般式(III−4)におけるmx及びnx(xは31、32、33又は34のいずれかの同一の値)の比は、流動性の観点から、mx/nx=20/1〜1/5であることが好ましく、20/1〜5/1であることがより好ましく、20/1〜10/1であることがさらに好ましい。また、mx及びnxの合計値(mx+nx)は、流動性の観点から20以下であることが好ましく、15以下であることがより好ましく、10以下であることがさらに好ましい。なお、mx及びnxの合計値の下限値は特に制限されない。
mx及びnxは構造単位数を表し、対応する構造単位が、分子中にどの程度付加されているかを示すものである。したがって、単一の分子については整数値を表す。なお、(mx/nx)及び(mx+nx)におけるmx及びnxは、複数種の分子の集合体の場合には、平均値である有理数を表す。
一般式(III−1)〜一般式(III−4)からなる群より選択される少なくとも1つで表される部分構造を有するフェノールノボラック樹脂は、特にAr31〜Ar34が置換又は非置換のジヒドロキシベンゼン及び置換又は非置換のジヒドロキシナフタレンの少なくともいずれか1種である場合、これらを単純にノボラック化したフェノール樹脂等と比較して、その合成が容易であり、融点の低い硬化剤が得られる傾向にある。したがって、このようなフェノール樹脂を硬化剤として含むことで、樹脂組成物の製造及び取り扱いも容易になる等の利点がある。
なお、フェノールノボラック樹脂が一般式(III−1)〜一般式(III−4)のいずれかで表される部分構造を有するか否かは、電界脱離イオン化質量分析法(FD−MS)によって、そのフラグメント成分として、一般式(III−1)〜一般式(III−4)のいずれかで表される部分構造に相当する成分が含まれるか否かによって判断することができる。
フェノール系硬化剤の分子量は特に制限されない。流動性の観点から、数平均分子量(Mn)としては2000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、350〜1500であることがさらに好ましい。また、重量平均分子量(Mw)としては2000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、400〜1500であることがさらに好ましい。
フェノール系硬化剤の水酸基当量は120g/eq以下であり、耐熱性に関与する架橋密度の観点から、水酸基当量は45g/eq〜110g/eqであることが好ましく、50g/eq〜105g/eqであることがより好ましく、55g/eq〜100g/eqであることがさらに好ましい。なお、本開示において、水酸基当量は、JIS K0070:1992に準拠して測定された値をいう。
フェノールノボラック樹脂は、フェノールノボラック樹脂を構成するフェノール化合物であるモノマーを含んでいてもよい。フェノールノボラック樹脂を構成するフェノール化合物であるモノマーの含有率(以下、「モノマー含有率」ともいう。)としては特に制限されない。熱伝導性及び成形性の観点から、フェノールノボラック樹脂中のモノマー含有率は、5質量%〜80質量%であることが好ましく、15質量%〜60質量%であることがより好ましく、20質量%〜50質量%であることがさらに好ましい。
モノマー含有率が80質量%以下であると、硬化反応の際に架橋に寄与しないモノマーが少なくなり、架橋に寄与する高分子量体が多くを占めることになるため、より高密度な高次構造が形成され、熱伝導率が向上する傾向にある。また、モノマー含有率が5質量%以上であることで、成形の際に流動し易いため、必要に応じて含まれる無機充填材との密着性がより向上し、より優れた熱伝導性と耐熱性が達成される傾向にある。
アミン系硬化剤としては、活性水素当量が120g/eq以下であり、かつ樹脂の硬化剤として通常用いられるものを特に制限なく用いることができ、市販されているものを用いてもよい。中でも硬化性の観点から、アミン系硬化剤としては、2以上の官能基を有する多官能硬化剤であることが好ましく、さらに熱伝導性の観点から、剛直な骨格を有する多官能硬化剤であることがより好ましい。
2官能のアミン系硬化剤としては、具体的には、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメトキシビフェニル、4,4’−ジアミノフェニルベンゾエート、1,5−ジアミノナフタレン、1,3−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノナフタレン、1,8−ジアミノナフタレン、トリメチレン−ビス−4−アミノベンゾアート、ポリ−1,4−ブタンジオール−ビス−4−アミノ安息香酸、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
中でも、熱伝導率の観点から、4,4’−ジアミノジフェニルメタン及び1,5−ジアミノナフタレン及び4,4’−ジアミノジフェニルスルホンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、1,5−ジアミノナフタレンであることがより好ましい。
アミン系硬化剤の活性水素当量は120g/eq以下であり、耐熱性に関与する架橋密度の観点から、活性水素当量は25g/eq〜100g/eqであることが好ましく、30g/eq〜90g/eqであることがより好ましく、35g/eq〜80g/eqであることがさらに好ましい。なお、本開示において、活性水素当量は、JIS K7237:1995に準拠して測定された値をいう。
樹脂組成物中の硬化剤の含有量は特に制限されない。例えば、樹脂がエポキシ樹脂であり、かつビフェニルアラルキル型硬化剤及び前述の硬化剤がアミン系である場合、活性水素の当量数(活性水素当量数)と、エポキシ樹脂のエポキシ基の当量数との比(活性水素当量数/エポキシ当量数)が0.5〜2.0となることが好ましく、0.8〜1.2となることがより好ましい。また、樹脂がエポキシ樹脂であり、かつビフェニルアラルキル型硬化剤及び前述の硬化剤がフェノール系である場合、フェノール性水酸基の当量数(フェノール性水酸基当量数)と、エポキシ樹脂のエポキシ基の当量数との比(フェノール性水酸基当量数/エポキシ当量数)が0.5〜2.0となることが好ましく、0.8〜1.2となることがより好ましい。
硬化剤として水酸基当量が120g/eq以下であるフェノール系硬化剤を用いた場合、フェノール系硬化剤及びビフェニルアラルキル型硬化剤の合計の水酸基当量が65g/eq〜300/eqであることが好ましく、75g/eq〜160g/eqであることがより好ましく、90g/eq〜130g/eqであることがさらに好ましい。なお、フェノール系硬化剤及びビフェニルアラルキル型硬化剤の合計の水酸基当量は、フェノール系硬化剤及びビフェニルアラルキル型硬化剤の水酸基当量の荷重平均値を指す。
(硬化促進剤)
樹脂組成物は、硬化促進剤を含んでもよい。硬化剤と硬化促進剤とを併用することで、樹脂をさらに十分に硬化させることができる。硬化促進剤の種類及び含有率は特に制限されず、反応速度、反応温度及び保管性の観点から、適切なものを選択することができる。
硬化促進剤として具体的には、イミダゾール化合物、第3級アミン化合物、有機ホスフィン化合物、有機ホスフィン化合物と有機ボロン化合物との錯体等が挙げられる。中でも、耐熱性の観点から、有機ホスフィン化合物、及び有機ホスフィン化合物と有機ボロン化合物との錯体からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
有機ホスフィン化合物としては、具体的には、トリフェニルホスフィン、ジフェニル(p−トリル)ホスフィン、トリス(アルキルフェニル)ホスフィン、トリス(アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(アルキル・アルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルキルフェニル)ホスフィン、トリス(ジアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(トリアルコキシフェニル)ホスフィン、トリス(テトラアルコキシフェニル)ホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン等が挙げられる。
また、有機ホスフィン化合物と有機ボロン化合物との錯体としては、具体的には、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・テトラ−p−トリルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・n−ブチルトリフェニルボレート、ブチルトリフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウム・テトラフェニルボレート等が挙げられる。
これら硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化促進剤の2種以上を組み合わせて用いる場合、混合割合は樹脂組成物に求める特性(例えば、どの程度の柔軟性を必要とするか)に応じて特に制限されることなく決めることができる。
樹脂組成物が硬化促進剤を含む場合、樹脂組成物中の硬化促進剤の含有率は特に制限されない。成形性の観点からは、硬化促進剤の含有率は、必要に応じて用いられるエポキシ樹脂と硬化剤の合計質量の0.2質量%〜3.0質量%であることが好ましく、0.3質量%〜2.0質量%であることがより好ましく、0.4質量%〜1.5質量%であることがさらに好ましい。
(無機充填材)
樹脂組成物は無機充填材を含んでもよい。無機充填材は、非導電性であっても、導電性であってもよい。非導電性の無機充填材を使用することによって絶縁性の低下が抑制される傾向にある。また、導電性の無機充填材を使用することによって熱伝導性がより向上する傾向にある。
非導電性の無機充填材として具体的には、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、シリカ(二酸化ケイ素)、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。また導電性の無機充填材としては、金、銀、ニッケル、銅、黒鉛等が挙げられる。中でも熱伝導率の観点から、無機充填材としては、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、窒化アルミニウム、シリカ(酸化ケイ素)及び黒鉛からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、窒化ホウ素及び酸化アルミニウム(アルミナ)からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
これら無機充填材は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることができる。
無機充填材は、2種以上の互いに体積平均粒子径の異なるものを混合して用いることが好ましい。これにより大粒子径の無機充填材の空隙に小粒子径の無機充填材がパッキングされることによって、単一粒子径の無機充填材のみを使用するよりも無機充填材が密に充填されるため、より高熱伝導率を発揮することが可能となる。
具体的には、無機充填材として酸化アルミニウムを使用する場合、無機充填材中に、体積平均粒子径16μm〜20μmの酸化アルミニウムを60体積%〜75体積%、体積平均粒子径2μm〜4μmの酸化アルミニウムを10体積%〜20体積%、体積平均粒子径0.3μm〜0.5μmの酸化アルミニウムを10体積%〜20体積%の範囲の割合で混合することによって、より最密充填化が可能となる。
さらに、無機充填材として窒化ホウ素及び酸化アルミニウムを併用する場合、無機充填材中に、体積平均粒子径20μm〜100μmの窒化ホウ素を60体積%〜90体積%、体積平均粒子径2μm〜4μmの酸化アルミニウムを5体積%〜20体積%、体積平均粒子径0.3μm〜0.5μmの酸化アルミニウムを5体積%〜20体積%の範囲の割合で混合することによって、より高熱伝導化が可能となる。
無機充填材の体積平均粒子径(D50)は、レーザー回折法を用いて測定することができる。例えば、樹脂組成物中の無機充填材を抽出し、レーザー回折散乱粒度分布測定装置(例えば、ベックマン・コールター社、商品名:LS230)を用いて測定する。具体的には、有機溶剤、硝酸、王水等を用い、樹脂組成物中から無機充填材成分を抽出し、超音波分散機等で十分に分散し、この分散液の重量累積粒度分布曲線を測定する。
体積平均粒子径(D50)は、上記測定より得られた体積累積粒度分布曲線において、小径側から累積が50%となる粒子径をいう。
樹脂組成物が無機充填材を含む場合、無機充填材の含有率は特に制限されない。中でも熱伝導性の観点から、無機充填材の含有率は、樹脂組成物の固形分の全体積を100体積%とした場合に、40体積%を超えることが好ましく、50体積%を超え、90体積%以下であることがより好ましく、55体積%〜80体積%であることがさらに好ましい。
無機充填材の含有率が50体積%を超えると、より高い熱伝導率を達成することが可能となる傾向にある。一方、無機充填材の含有率が90体積%以下であると、樹脂組成物の硬化物の柔軟性の低下及び絶縁性の低下を抑制する傾向にある。
樹脂組成物が無機充填材を含む場合、無機充填材の含有率は、30質量%〜70質量%であることが好ましく、35質量%〜65質量%であることがより好ましく、40質量%〜60質量%であることがさらに好ましい。
(シランカップリング剤)
樹脂組成物は、シランカップリング剤の少なくとも1種を含んでいてもよい。シランカップリング剤は、無機充填材の表面とその周りを取り囲む樹脂との間で共有結合を形成する役割(バインダ剤に相当)、熱伝導率の向上、及び水分の侵入を妨げることによって絶縁信頼性を向上させる働きを果たすと考えることができる。
シランカップリング剤の種類としては特に限定されず、市販されているものを用いてもよい。樹脂と硬化剤との相溶性、及び樹脂と無機充填材との界面での熱伝導欠損を低減することを考慮すると、本開示においては、末端にエポキシ基、アミノ基、メルカプト基、ウレイド基又は水酸基を有するシランカップリング剤を用いることが好適である。
シランカップリング剤の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができる。また、商品名:SC−6000KS2に代表されるシランカップリング剤オリゴマー(日立化成テクノサービス株式会社)等も挙げられる。これらシランカップリング剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物がシランカップリング剤を含む場合、樹脂組成物中のシランカップリング剤の含有率は特に制限されない。シランカップリング剤の含有率は、必要に応じて用いられるエポキシ樹脂と硬化剤の合計質量の0.01質量%〜0.2質量%であることが好ましく、0.03質量%〜0.1質量%であることがより好ましい。
(その他の成分)
樹脂組成物は、必要に応じて、上記成分に加えてその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、溶剤、エラストマ、分散剤、及び沈降防止剤を挙げることができる。
溶剤としては、樹脂組成物の硬化反応を阻害しないものであれば特に制限はなく、通常用いられる有機溶剤を適宜選択して用いることができる。
本開示の樹脂組成物の用途は、特に制限されない。例えば、半導体装置が挙げられる。半導体装置の中でも、特に発熱密度が高い部品に好適に用いられる。
<樹脂シート>
本開示の樹脂シートは、本開示の樹脂組成物から形成されている。
樹脂シートの密度は特に制限されず、例えば、3.0g/cm〜3.4g/cmとすることができる。樹脂シートの柔軟性と熱伝導率との両立を考慮すると、3.0g/cm〜3.3g/cmであることが好ましく、3.1g/cm〜3.3g/cmであることがより好ましい。
樹脂シートの密度は、例えば、樹脂組成物中の無機充填材の配合量で調整することができる。
樹脂シートの厚さは特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、樹脂シートの厚さは、10μm〜350μmとすることができ、熱伝導率、電気絶縁性及びシート可とう性の観点から、50μm〜300μmであることが好ましい。本開示において樹脂シート等の厚さは公知の方法により測定でき、5点で測定した値の数平均値とする。
本開示の樹脂シートの製造方法は特に限定されるものではない。例えば、支持体上に、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等の有機溶剤を添加して調製したワニス状の樹脂組成物(以下、「樹脂ワニス」ともいう。)を、ディスペンサー等により付与して樹脂組成物の層を形成した後、樹脂組成物の層から有機溶剤の少なくとも一部を乾燥により除去することで製造することができる。
乾燥方法は、樹脂ワニスに含まれる有機溶剤の少なくとも一部を除去できれば特に制限されず、通常用いられる乾燥方法から、樹脂ワニスに含まれる有機溶剤の種類、含有量等に応じて適宜選択することができる。
樹脂シートは、硬化反応がほとんど進行していない。このため、可とう性を有するものの、シートとしての柔軟性に乏しい。したがって、PETフィルム等の支持体を除去した状態ではシート自立性に乏しく、取り扱いが困難な場合がある。そこで、樹脂シートは、これを構成する樹脂組成物が半硬化状態になるまで、さらに熱処理されてなることが好ましい。
ここで、樹脂組成物を乾燥して得られる樹脂シートをAステージシートとも称する。また、Aステージシートをさらに熱処理して得られる半硬化状態の樹脂シートをBステージシートとも称し、Aステージシート又はBステージシートをさらに熱処理して得られる硬化状態のシートをCステージシートとも称する。なお、Aステージ、Bステージ、及びCステージについては、JIS K6900:1994の規定を参照するものとする。
<Bステージシート>
本開示のBステージシートは、本開示の樹脂シートの半硬化物を含む。
Bステージシートは、例えば、樹脂シートをBステージ状態まで熱処理する工程を含む製造方法により製造することができる。樹脂シートを熱処理することで、熱伝導率及び電気絶縁性に優れ、可とう性及び可使時間に優れるBステージシートが得られる。
樹脂シートの半硬化物とは、樹脂シートの粘度が常温(25℃)においては10Pa・s〜10Pa・sであり、100℃で10Pa・s〜10Pa・sである状態を意味する。なお、上記粘度は、動的粘弾性測定(周波数1Hz、荷重40g、昇温速度3℃/分)によって測定される。
樹脂シートを熱処理する条件は、樹脂組成物をBステージ状態にまで半硬化することができれば特に制限されず、樹脂組成物の構成に応じて適宜選択することができる。熱処理は、樹脂ワニスを塗布する際に生じた樹脂シート中の空隙(ボイド)を減らす目的から、熱真空プレス、熱ロールラミネート等から選択される方法により行うことが好ましい。これにより、表面が平坦なBステージシートを効率よく製造することができる。
具体的には、例えば、減圧下(例えば、1MPa)、温度50℃〜180℃で、1秒間〜3分間、1MPa〜30MPaのプレス圧で加熱及び加圧処理することで、樹脂組成物をBステージ状態に半硬化させることができる。
Bステージシートの厚さは、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、10μm〜350μmとすることができ、熱伝導率、電気絶縁性及び可とう性の観点から、50μm〜300μmであることが好ましい。また、2層以上の樹脂シートを積層しながら熱プレスすることによりBステージシートを作製することもできる。
<Cステージシート>
本開示のCステージシートは、本開示の樹脂シートの硬化物を含む。
Cステージシートは、例えば、Aステージシート又はBステージシートをCステージ状態まで熱処理する工程を含む製造方法により製造することができる。
Aステージシート又はBステージシートを熱処理する条件は、Aステージシート又はBステージシートをCステージ状態にまで硬化することができれば特に制限されず、樹脂組成物の構成に応じて適宜選択することができる。熱処理は、Cステージシート中のボイドの発生を抑制し、Cステージシートの耐電圧性を向上させる観点から、熱真空プレス等の熱処理方法により行うことが好ましい。これにより平坦なCステージシートを効率よく製造することができる。
具体的には、例えば、加熱温度100℃〜250℃で、1分間〜30分間、1MPa〜20MPaで加熱プレス処理することでAステージシート又はBステージシートをCステージ状態に硬化することができる。加熱温度は130℃〜230℃であることが好ましく、150℃〜220℃であることがより好ましい。
Cステージシートの厚さは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10μm〜350μmとすることができ、熱伝導率、電気絶縁性及びシート可とう性の観点から、50μm〜300μmであることが好ましい。また、2層以上の樹脂シート又はBステージシートを積層した状態で熱プレスすることによりCステージシートを作製することもできる。
<樹脂付金属箔>
本開示の樹脂付金属箔は、金属箔と、金属箔上に配置された本開示の樹脂シートの半硬化物と、を備える。樹脂付金属箔が、本開示の樹脂シートの半硬化物を有することで、熱伝導性に優れる。樹脂シートの半硬化物は、Aステージ状態である樹脂シートをBステージ状態になるまで熱処理して得ることができる。
金属箔としては、特に制限されず、金箔、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、一般的には銅箔が用いられる。
金属箔の厚さとしては、例えば、1μm〜35μmが挙げられ、可とう性の観点から、20μm以下であることが好ましい。
また、金属箔としては、ニッケル、ニッケル−リン合金、ニッケル−スズ合金、ニッケル−鉄合金、鉛、鉛−スズ合金等を中間層とし、この両面に銅層を設けた3層構造の複合箔、アルミニウム箔と銅箔とを複合した2層構造の複合箔などが挙げられる。中間層の両面に銅層を設けた3層構造の複合箔では、一方の銅層の厚さを0.5μm〜15μmとし、他方の銅層の厚さを10μm〜300μmとすることが好ましい。
樹脂付金属箔は、例えば、樹脂組成物(好ましくは、樹脂ワニス)を金属箔上に付与及び乾燥することにより樹脂シートを形成し、これを熱処理してBステージ状態とすることで製造することができる。樹脂シートの形成方法は上述の通りである。
樹脂付金属箔の製造条件は特に制限はなく、乾燥後の樹脂シートにおいて、樹脂ワニスに使用した有機溶剤の80質量%以上が揮発していることが好ましい。乾燥温度としては、特に制限はなく、80℃〜180℃程度が好ましい。乾燥時間としては、樹脂ワニスのゲル化時間との兼ね合いで適宜選択することができる。樹脂ワニスの付与量は、乾燥後の樹脂シートの厚さが50μm〜350μmとなるように付与することが好ましく、60μm〜300μmとなることがより好ましい。
乾燥後の樹脂シートは、さらに熱処理されることでBステージ状態になる。樹脂シートを熱処理する条件はBステージシートにおける熱処理条件と同様である。
<金属基板>
本開示の金属基板は、金属支持体と、金属支持体上に配置された本開示の樹脂シートの硬化物と、硬化物上に配置された金属箔と、を備える。金属基板が、本開示の樹脂シートの硬化物を有するため、本開示の金属基板は熱伝導率に優れる。
金属支持体は、目的に応じて、その素材、厚さ等は適宜選択することができる。具体的には、アルミニウム、鉄等の金属を用い、厚さを0.5mm〜5mmとすることができる。
金属基板における金属箔は、樹脂付金属箔で説明した金属箔と同様のものを用いることができ、好ましい態様も同様である。
本開示の金属基板は、例えば、以下のようにして製造することができる。
金属支持体上に、樹脂組成物を付与し乾燥することで樹脂シートを形成し、さらに樹脂シート上に金属箔を配置して、これを熱処理及び加圧処理することで樹脂シートを硬化して、金属基板を製造することができる。金属支持体上に樹脂シートを付与し乾燥する方法としては、樹脂付金属箔で説明した方法と同様の方法を用いることができる。また、金属支持体上に、樹脂付金属箔を樹脂シートの半硬化物が金属支持体に対向するように貼り合わせた後、これを熱処理及び加圧処理することで樹脂シートの半硬化物を硬化して、金属基板を製造することもできる。
<パワー半導体装置>
本開示のパワー半導体装置は、金属板、はんだ層及び半導体チップがこの順に積層された半導体モジュールと、放熱部材と、半導体モジュールの金属板と放熱部材との間に配置された本開示の樹脂シートの硬化物と、を備える。
パワー半導体装置は、半導体モジュール部分のみが封止材等で封止されていても、パワー半導体モジュール全体がモールド樹脂等でモールドされていてもよい。以下、パワー半導体装置の例を、図面を用いて説明する。
図1はパワー半導体装置の構成の一例を示す概略断面図である。図1では、金属板106とはんだ層110と半導体チップ108とがこの順に積層された半導体モジュールにおける金属板106と、放熱ベース基板104との間に樹脂シートの硬化物102が配置され、半導体モジュールの部分が封止材114で封止されている。
また、図2はパワー半導体装置の構成の別の一例を示す概略断面図である。図2では、金属板106とはんだ層110と半導体チップ108とがこの順に積層された半導体モジュールにおける金属板106と、放熱ベース基板104との間に樹脂シートの硬化物102が配置され、半導体モジュールと放熱ベース基板104とがモールド樹脂112でモールドされている。
このように、本開示の樹脂シートの硬化物は、図1に示すように半導体モジュールと放熱ベース基板との間の放熱性の接着層として用いることが可能である。また、図2のようにパワー半導体装置の全体をモールド成形する場合でも、放熱ベース基板と金属板との間の放熱材として用いることが可能である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下に樹脂組成物の調製に用いた材料とその略号を示す。
(エポキシ樹脂)
・樹脂A:YL6121H[ビフェニル型エポキシモノマー、三菱ケミカル株式会社、エポキシ当量:172g/eq]
・樹脂B:[4−{4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル}シクロヘキシル=4−(2,3−エポキシプロポキシ)ベンゾエート、エポキシ当量:212g/eq、特開2011−74366号公報に記載の方法により製造]
(無機充填材)
・AA−04[アルミナ粒子、住友化学株式会社、D50:0.4μm]
・HP−40[窒化ホウ素粒子、水島合金鉄株式会社、D50:40μm]
(硬化剤1、ビフェニルアラルキル型硬化剤)
・MEHC−7403H[高耐熱・難燃性フェノール樹脂、明和化成株式会社、水酸基当量:136g/eq]
(硬化剤2)
・CRN[カテコールレゾルシノールノボラック(質量基準の仕込み比:カテコール/レゾルシノール=5/95)樹脂、シクロヘキサノン50質量%含有]
・TD−2093[フェノールノボラック樹脂、水酸基当量:104g/eq]
・トリメチレン−ビス−4−アミノベンゾアート[芳香族アミン、活性水素当量:79g/eq]
<CRNの合成方法>
撹拌機、冷却器及び温度計を備えた3Lのセパラブルフラスコに、レゾルシノール627g、カテコール33g、37質量%ホルムアルデヒド水溶液316.2g、シュウ酸15g、水300gを入れ、オイルバスで加温しながら100℃に昇温した。104℃前後で還流し、還流温度で4時間反応を続けた。その後、水を留去しながらフラスコ内の温度を170℃に昇温した。170℃を保持しながら8時間反応を続けた。反応後、減圧下20分間濃縮を行い、系内の水等を除去し、目的物であるフェノールノボラック樹脂CRNを得た。
また、得られたCRNについて、FD−MS(電界脱離イオン化質量分析法)により構造を確認したところ、一般式(III−1)〜一般式(III−4)で表される部分構造すべての存在が確認できた。
なお、上記反応条件では、一般式(III−1)で表される部分構造を有する化合物が最初に生成し、これがさらに脱水反応することで一般式(III−2)〜一般式(III−4)のうちの少なくとも1つで表される部分構造を有する化合物が生成すると考えられる。
得られたCRNについて、Mn(数平均分子量)及びMw(重量平均分子量)の測定を次のようにして行った。
Mn及びMwの測定は、高速液体クロマトグラフィ(株式会社日立製作所、商品名:L6000)及びデータ解析装置(株式会社島津製作所、商品名:C−R4A)を用いて行った。分析用GPCカラムは東ソー株式会社のG2000HXL及びG3000HXL(以上、商品名)を使用した。試料濃度は0.2質量%、移動相にはテトラヒドロフランを用い、流速1.0mL/minで測定を行った。ポリスチレン標準サンプルを用いて検量線を作成し、それを用いてポリスチレン換算値でMn及びMwを計算した。
得られたCRNについて、水酸基当量の測定を次のようにして行った。
水酸基当量は、塩化アセチル−水酸化カリウム滴定法により測定した。なお、滴定終点の判断は溶液の色が暗色のため、指示薬による呈色法ではなく、電位差滴定によって行った。具体的には、測定樹脂の水酸基をピリジン溶液中で塩化アセチルによりアセチル化した後に、過剰の試薬を水で分解し、生成した酢酸を水酸化カリウム/メタノール溶液で滴定したものである。
得られたCRNは、一般式(III−1)〜一般式(III−4)のうちの少なくとも1つで表される部分構造を有する化合物の混合物であり、Arが、一般式(III−a)においてR31が水酸基であり、R32及びR33が水素原子である1,2−ジヒドロキシベンゼン(カテコール)に由来する基及び1,3−ジヒドロキシベンゼン(レゾルシノール)に由来する基であり、低分子希釈剤として単量体成分(レゾルシノール)を35質量%含む硬化剤(水酸基当量62g/eq、数平均分子量422、重量平均分子量564)を含むノボラック樹脂であった。
(硬化促進剤)
・TPP:トリフェニルホスフィン[和光純薬工業株式会社、商品名]
(添加剤)
・KBM−573:3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン[シランカップリング剤、信越化学工業株式会社、商品名]
(溶剤)
・CHN:シクロヘキサノン
(支持体)
・PETフィルム[帝人フィルムソリューション株式会社、商品名:A53、厚さ50μm]
・銅箔[古河電気工業株式会社、厚さ:105μm、GTSグレード]
<実施例1>
(樹脂組成物の調製)
樹脂Aを2.12質量%と、樹脂Bを10.72質量%と、ビフェニルアラルキル型硬化剤を2.60質量%と、CRNを5.19質量%と、硬化促進剤としてTPPを0.14質量%より、無機充填材としてHP−40を39.39質量%と、AA−04を4.87質量%と、添加剤としてKBM−573を0.04質量%と、溶剤としてCHNを34.94質量%と、を混合し、ワニス状の樹脂組成物を調製した。
窒化ホウ素(HP−40)の密度を2.20g/cm、アルミナ(AA−04)の密度を3.98g/cm、及び樹脂Aと硬化剤(CRN)との混合物の密度を1.20g/cmとして、樹脂組成物の全固形分の全体積に対する無機充填材の割合を算出したところ、56体積%であった。
(評価用のCステージシートの作製)
樹脂組成物を、ディスペンサー(武蔵エンジニアリング株式会社の商品名:SHOTMASTER300DS−S)を用いて、乾燥後の樹脂シートの大きさが50mm×50mm、厚さが200μmとなるように、銅箔の粗化面上に付与した。その後、オーブン(ESPEC社の商品名:SPHH−201)を用い、常温(20℃〜30℃)で5分、さらに130℃で5分間乾燥させた。
次いで、乾燥後の樹脂シートの上にポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムを設置し、真空プレスにて熱間加圧(プレス温度:150℃、真空度:1kPa、プレス圧:10MPa、加圧時間:1分)を行い、銅箔付きの樹脂シートをBステージの状態にした。
次いで、Bステージ状態の銅箔付きの樹脂シートからPETフィルムを剥がし、その上に同様に作製した銅箔付きの樹脂シートを、樹脂シートが対向するように配置した。この状態で、真空プレスにて真空熱圧着(プレス温度:150℃、真空度:1kPa、プレス圧:10MPa、加圧時間:30分)した。その後、大気圧条件下で、150℃で2時間、210℃で4時間加熱して、銅箔付のCステージシートを得た。
(物性評価)
前述のようにして得た銅箔付のCステージシートを用いて、熱伝導率の測定及び弾性率の測定の確認を行い、物性を評価した。
(熱伝導率の測定)
作製した銅箔付のCステージシートの銅箔をエッチングして取り除き、Cステージシートを得た。得られたCステージシートを縦10mm、横10mmに切って試料を得た。試料をグラファイトスプレーにて黒化処理した後、キセノンフラッシュ法(NETZSCH社の商品名:LFA447 nanoflash)にて熱拡散率を評価した。この値と、アルキメデス法で測定した密度と、DSC(示差走査熱量測定装置;Perkin Elmer社の商品名:DSC Pyris1)にて測定した比熱との積から、Cステージシートの厚さ方向の熱伝導率を求めた。結果を表1に示す。
(弾性率の測定)
作製した銅箔付のCステージシートの銅箔をエッチングして取り除き、Cステージシートを得た。得られたCステージシートを縦30mm、横5mmに切って試料を得た。動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社、商品名RSA II)を用いて引っ張り試験にて、周波数:10Hz、昇温速度5℃/分、25℃〜300℃の条件で測定し、30℃の弾性率(貯蔵弾性率)を求めた。結果を表1に示す。
<実施例2>
(樹脂組成物の調製)
樹脂Aを1.99質量%と、樹脂Bを10.06質量%と、ビフェニルアラルキル型硬化剤を4.49質量%と、CRNを2.99質量%と、硬化促進剤としてTPPを0.14質量%と、無機充填材としてHP−40を39.39質量%と、AA−04を4.87質量%と、添加剤としてKBM−573を0.04質量%と、溶剤としてCHNを36.03質量%と、を混合し、ワニス状の樹脂組成物を調製した。前述のように樹脂組成物の全固形分の全体積に対する無機充填材の割合を算出したところ、56体積%であった。
(評価用の銅箔付のCステージシートの作製)〜(物性評価)
上記で得られたエポキシ樹脂ワニスを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCステージシートを作製し、上記と同様にして評価した。
その結果を表1に示した。
<実施例3>
(樹脂組成物の調製)
樹脂Aを1.89質量%と、樹脂Bを9.56質量%と、ビフェニルアラルキル型硬化剤を5.92質量%と、CRNを1.32質量%と、硬化促進剤としてTPPを0.14質量%と、無機充填材としてHP−40を39.39質量%と、AA−04を4.87質量%と、添加剤としてKBM−573を0.04質量%と、溶剤としてCHNを36.87質量%と、を混合し、ワニス状の樹脂組成物を調製した。前述のように樹脂組成物の全固形分の全体積に対する無機充填材の割合を算出したところ、56体積%であった。
(評価用の銅箔付のCステージシートの作製)〜(物性評価)
上記で得られたエポキシ樹脂ワニスを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCステージシートを作製し、上記と同様にして評価した。
その結果を表1に示した。
<実施例4>
(樹脂組成物の調製)
樹脂Aを1.86質量%と、樹脂Bを9.42質量%と、ビフェニルアラルキル型硬化剤を6.08質量%と、トリメチレン−ビス−4−アミノベンゾアートを0.67質量%と、硬化促進剤としてTPPを0.13質量%と、無機充填材としてHP−40を39.39質量%と、AA−04を4.87質量%と、添加剤としてKBM−573を0.04質量%と、溶剤としてCHNを37.54質量%と、を混合し、ワニス状の樹脂組成物を調製した。前述のように樹脂組成物の全固形分の全体積に対する無機充填材の割合を算出したところ、56体積%であった。
(評価用の銅箔付のCステージシートの作製)〜(物性評価)
上記で得られたエポキシ樹脂ワニスを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCステージシートを作製し、上記と同様にして評価した。
その結果を表1に示した。
<実施例5>
(樹脂組成物の調製)
樹脂Aを1.84質量%と、樹脂Bを9.28質量%と、ビフェニルアラルキル型硬化剤を6.23質量%と、TD−2093を0.69質量%と、硬化促進剤としてTPPを0.14質量%と、無機充填材としてHP−40を39.39質量%と、AA−04を4.87質量%と、添加剤としてKBM−573を0.04質量%と、溶剤としてCHNを37.52質量%と、を混合し、ワニス状の樹脂組成物を調製した。前述のように樹脂組成物の全固形分の全体積に対する無機充填材の割合を算出したところ、56体積%であった。
(評価用の銅箔付のCステージシートの作製)〜(物性評価)
上記で得られたエポキシ樹脂ワニスを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCステージシートを作製し、上記と同様にして評価した。
その結果を表1に示した。
<比較例1>
(樹脂組成物の調製)
樹脂Aを2.30質量%と、樹脂Bを11.62質量%と、CRNを8.22質量%と、硬化促進剤としてTPPを0.14質量%と、無機充填材としてHP−40を39.39質量%と、AA−04を4.87質量%と、添加剤としてKBM−573を0.04質量%と、溶剤としてCHNを33.42質量%と、を混合し、ワニス状の樹脂組成物を調製した。前述のように樹脂組成物の全固形分の全体積に対する無機充填材の割合を算出したところ、56体積%であった。
(評価用の銅箔付のCステージシートの作製)〜(物性評価)
上記で得られたエポキシ樹脂ワニスを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCステージシートを作製し、上記と同様にして評価した。
その結果を表2に示した。
<比較例2>
(樹脂組成物の調製)
樹脂Aを1.81質量%と、樹脂Bを9.17質量%と、ビフェニルアラルキル型硬化剤を7.05質量%と、硬化促進剤としてTPPを0.14質量%と、無機充填材としてHP−40を39.39質量%と、AA−04を4.87質量%と、添加剤としてKBM−573を0.04質量%と、溶剤としてCHNを37.53質量%と、を混合し、ワニス状の樹脂組成物を調製した。前述のように樹脂組成物の全固形分の全体積に対する無機充填材の割合を算出したところ、56体積%であった。
(評価用の銅箔付のCステージシートの作製)〜(物性評価)
上記で得られたエポキシ樹脂ワニスを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCステージシートを作製し、上記と同様にして評価した。
その結果を表2に示した。
<比較例3>
(樹脂組成物の調製)
樹脂Aを2.17質量%と、樹脂Bを10.98質量%と、トリメチレン−ビス−4−アミノベンゾアートを4.91質量%と、無機充填材としてHP−40を39.45質量%と、AA−04を4.88質量%と、添加剤としてKBM−573を0.04質量%と、溶剤としてCHNを37.57質量%と、を混合し、ワニス状の樹脂組成物を調製した。前述のように樹脂組成物の全固形分の全体積に対する無機充填材の割合を算出したところ、56体積%であった。
(評価用の銅箔付のCステージシートの作製)〜(物性評価)
上記で得られたエポキシ樹脂ワニスを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCステージシートを作製し、上記と同様にして評価した。
その結果を表2に示した。
<比較例4>
(樹脂組成物の調製)
樹脂Aを2.00質量%と、樹脂Bを10.10質量%と、TD−2093を5.94質量%と、硬化促進剤としてTPPを0.14質量%と、無機充填材としてHP−40を39.39質量%と、AA−04を4.87質量%と、添加剤としてKBM−573を0.04質量%と、溶剤としてCHNを37.52質量%と、を混合し、ワニス状の樹脂組成物を調製した。前述のように樹脂組成物の全固形分の全体積に対する無機充填材の割合を算出したところ、56体積%であった。
(評価用の銅箔付のCステージシートの作製)〜(物性評価)
上記で得られたエポキシ樹脂ワニスを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてCステージシートを作製し、上記と同様にして評価した。
その結果を表2に示した。
実施例1では、比較例1及び2と比較して、樹脂組成物の硬化後にてより低い弾性率と、より高い熱伝導率とが両立可能であった。
また、実施例2及び3では、比較例1及び2と比較して、樹脂組成物の硬化後にてより低い弾性率と、同程度の高い熱伝導率とが両立可能であった。
また、実施例4では、比較例3と比較して、樹脂組成物の硬化後にてより低い弾性率と、同程度の高い熱伝導率とが両立可能であった。
また、実施例5では、比較例4と比較して、樹脂組成物の硬化後にてより低い弾性率と、同程度の高い熱伝導率とが両立可能であった。
102:樹脂シートの硬化物、104:放熱ベース基板、106:金属板、108:半導体チップ、110:はんだ層、112:モールド樹脂、114:封止材

Claims (12)

  1. 樹脂と、
    ビフェニルアラルキル型硬化剤と、
    水酸基当量が120g/eq以下であるフェノール系硬化剤及び活性水素当量が120g/eq以下であるアミン系硬化剤の少なくとも一方の硬化剤と、
    を含む樹脂組成物。
  2. 前記ビフェニルアラルキル型硬化剤及び前記硬化剤の合計に対する前記ビフェニルアラルキル型硬化剤の含有率が50質量%以上である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記フェノール系硬化剤を含み、
    前記フェノール系硬化剤はフェノールノボラック樹脂である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記樹脂は、メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を含む請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記メソゲン骨格を有するエポキシ樹脂は、下記一般式(I)で表される化合物を含む請求項4に記載の樹脂組成物。

    [一般式(I)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。]
  6. 前記硬化剤として前記フェノール系硬化剤を用い、
    前記フェノール系硬化剤及び前記ビフェニルアラルキル型硬化剤の合計の水酸基当量が65g/eq〜300g/eqである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂組成物から形成された樹脂シート。
  8. 請求項7に記載の樹脂シートの半硬化物を含むBステージシート。
  9. 請求項7に記載の樹脂シートの硬化物を含むCステージシート。
  10. 金属箔と、前記金属箔上に配置された請求項7に記載の樹脂シートの半硬化物と、を備える樹脂付金属箔。
  11. 金属支持体と、前記金属支持体上に配置された請求項7に記載の樹脂シートの硬化物と、前記硬化物上に配置された金属箔と、を備える金属基板。
  12. 金属板、はんだ層及び半導体チップがこの順に積層された半導体モジュールと、放熱部材と、前記半導体モジュールの前記金属板と前記放熱部材との間に配置された請求項7に記載の樹脂シートの硬化物と、を備えるパワー半導体装置。
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