JP2019147462A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2019147462A
JP2019147462A JP2018033105A JP2018033105A JP2019147462A JP 2019147462 A JP2019147462 A JP 2019147462A JP 2018033105 A JP2018033105 A JP 2018033105A JP 2018033105 A JP2018033105 A JP 2018033105A JP 2019147462 A JP2019147462 A JP 2019147462A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
circumferential direction
shoulder
tire circumferential
ridge line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018033105A
Other languages
English (en)
Inventor
洋佑 坂本
Yosuke Sakamoto
洋佑 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yokohama Rubber Co Ltd filed Critical Yokohama Rubber Co Ltd
Priority to JP2018033105A priority Critical patent/JP2019147462A/ja
Publication of JP2019147462A publication Critical patent/JP2019147462A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)

Abstract

【課題】未舗装路での走行性能と泥等の排出性能を改善した空気入りタイヤを提供する。【解決手段】トレッド部1のショルダー領域A1と、そのタイヤ幅方向外側に位置するサイド領域A2との境界位置に、ショルダーブロック23のサイド領域側の側面およびサイドブロック30の頂面に対して段差を有し、且つ、タイヤ周方向に沿ってタイヤ全周に亘って延在する帯状の稜線部40を設け、稜線部40をタイヤ外側に最も隆起した頂部41とそのタイヤ周方向の両側に位置する一対の傾斜面42とからなる断面三角形状の繰り返し要素が稜線部40の延長方向に沿って複数配列されて形成された断面鋸歯状の凹凸形状とし、ショルダーラグ溝20が主溝10と連通する始端側の傾斜面42aの勾配角度θaと、ショルダーラグ溝20がサイド領域A2に向かって開口する終端側の傾斜面42bの勾配角度θbとがθb>θaの関係を満たすようにする。【選択図】図3

Description

本発明は、未舗装路走行用タイヤとして好適な空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、未舗装路での走行性能と泥等の排出性能を改善した空気入りタイヤに関する。
不整地、泥濘地、雪道、砂地、岩場等の未舗装路の走行を意図した空気入りタイヤでは、一般的に、エッジ成分の多いラグ溝やブロックを主体とするトレッドパターンであって、溝面積が大きいものが採用される。このようなタイヤでは、路面上の泥、雪、砂、石、岩等(以下、これらを総称して「泥等」と言う)を噛み込んでトラクション性能を得ると共に、溝内に泥等が詰まることを防いで、未舗装路での走行性能を向上している。特に、トレッド部のショルダー領域よりもタイヤ幅方向外側(接地端よりもタイヤ幅方向外側)のサイド領域にもブロック(サイドブロック)を設けることで、未舗装路での走行性能を高めることが提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
これら特許文献1,2のタイヤを対比すると、特許文献1のタイヤは、溝面積が比較的小さく、サイド領域の凹凸も比較的抑えられており、舗装路における走行性能も考慮したタイプのタイヤであると言える。一方、特許文献2のタイヤは、溝面積が大きく、個々のブロックも大きく、サイド領域の凹凸も強調されており、未舗装路での走行性能に特化したタイプのタイヤであると言える。そのため、前者は後者に比べて未舗装路での走行性能が低く、後者は前者に比べて通常走行時の性能(例えば騒音性能など)が低くなる傾向がある。近年、タイヤに対する要求性能の多様化が進み、これら2タイプのタイヤの中間レベルの性能を有する未舗装路走行用タイヤも求められており、適度な溝形状で未舗装路での走行性能を効率的に高めるための対策が求められている。また、このようなサイドブロックを備えたタイヤでは、空気入りタイヤを製造する金型のセクター割り位置(金型においてトレッド部を成型するための部分とサイドウォール部を成型するための部分との継ぎ目)に段差が生じて泥等の排出性能(以下、排土性という)に影響を及ぼすことがあるため、排土性を良好にするための対策も求められている。
特開2016‐150603号公報 特開2013‐119277号公報
本発明の目的は、未舗装路での走行性能と泥等の排出性能を改善した空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、前記トレッド部の表面に、タイヤ赤道の両側でタイヤ周方向に沿って延在する一対の主溝を有し、前記一対の主溝のタイヤ幅方向外側に位置するショルダー領域に、タイヤ幅方向に沿って延在する複数本のショルダーラグ溝がタイヤ周方向に間隔をおいて設けられ、前記主溝および前記ショルダーラグ溝によって複数のショルダーブロックが区画され、前記ショルダー領域のタイヤ幅方向外側に隣接するサイド領域に前記サイドウォール部の表面から隆起した複数のサイドブロックがタイヤ周方向に間隔を置いて設けられ、前記ショルダー領域と前記サイド領域との境界位置に、前記ショルダーブロックのサイド領域側の側面および前記サイドブロックの頂面に対して段差を有し、且つ、タイヤ周方向に沿ってタイヤ全周に亘って延在する帯状の稜線部を備え、前記稜線部はタイヤ外側に最も隆起した頂部とそのタイヤ周方向の両側に位置する一対の傾斜面とからなる断面三角形状の繰り返し要素が前記稜線部の延長方向に沿って複数配列されて形成された断面鋸歯状の凹凸形状を有し、前記複数本のショルダーラグ溝はいずれもタイヤ幅方向に対して同方向に傾斜しており、各ショルダーラグ溝の前記主溝と連通する端部を始端とし、前記サイド領域に向かって開口する端部を終端としたとき、前記一対の傾斜面のうち始端側の傾斜面の勾配角度θaと終端側の傾斜面の勾配角度θbとがθb>θaの関係を満たすことを特徴とする。
本発明では、上述のように、主溝とショルダーラグ溝とを備えた溝主体のトレッドパターンを構成して未舗装路での走行性能を高めるにあたって、ショルダー領域とサイド領域との境界位置に存在する稜線部を頂部と一対の傾斜面とからなる断面鋸歯状の凹凸形状にし、その傾斜面の勾配角度をショルダーラグ溝の傾斜方向と関連付けて適切な大小関係を設定しているので、稜線部の凹凸形状によるエッジ効果で未舗装路での走行性能を高めることができ、且つ、ショルダーラグ溝の傾斜方向と関連付けられた方向性を有した稜線部(傾斜面)の非対称構造によって排土性を向上することができる。
本発明では、タイヤ周方向に隣り合う繰り返し要素の傾斜面どうしが断面円弧状の凹面で滑らかに連結されることが好ましい。これにより、稜線部の頂部に対して凹んだ部位の表面が滑らかになり、排土性を向上するには有利になる。また、タイヤ周方向に隣り合う繰り返し要素の傾斜面どうしの連結部を起点としたクラックの発生を抑制することもできる。
本発明では、タイヤ周方向に隣り合う繰り返し要素の傾斜面どうしの連結部から稜線部の頂部までの高さが0.3mm以上、且つ、サイドブロックの隆起高さ以下であることが好ましい。これにより稜線部の凹凸形状のバランスが良好になり、未舗装路での走行性能と排土性とを向上するには有利になる。
本発明では、繰り返し要素のタイヤ周方向に沿った長さが1.5mm以上5mm以下であることが好ましい。これにより、稜線部の凹凸形状がショルダーラグ溝等に対して適度なサイズになるため、未舗装路での走行性能と排土性とを向上するには有利になる。
本発明において、「接地端」とは、タイヤを正規リムにリム組みして正規内圧を充填した状態で平面上に垂直に置いて正規荷重を加えたときに形成される接地領域のタイヤ軸方向の両端部である。「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えば、JATMAであれば標準リム、TRAであれば“Design Rim”、或いはETRTOであれば“Measuring Rim”とする。「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”であるが、タイヤが乗用車用である場合には180kPaとする。「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表“TIRE ROAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”であるが、タイヤが乗用車用である場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線断面図である。 本発明の実施形態からなる空気入りタイヤのトレッド面を示す正面図である。 本発明の要部を拡大して示す説明図である。 本発明の稜線部の断面形状を模式的に示す説明図(図3のX−X矢視断面図)である。 本発明の別の実施形態からなる稜線部の断面形状を模式的に示す説明図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示し、符号Eは接地端を示す。尚、図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これにより空気入りタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。以下、図1を用いた説明は基本的に図示の子午線断面形状に基づくが、各タイヤ構成部材はいずれもタイヤ周方向に延在して環状を成すものである。
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、タイヤ径方向に延びる複数本の補強コードを含み、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層(図1では2層)のベルト層7が埋設されている。各ベルト層7は、タイヤ周方向に対して傾斜する複数本の補強コードを含み、かつ層間で補強コードが互いに交差するように配置されている。これらベルト層7において、補強コードのタイヤ周方向に対する傾斜角度は例えば10°〜40°の範囲に設定されている。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層8が設けられている。ベルト補強層8は、タイヤ周方向に配向する有機繊維コードを含む。ベルト補強層8において、有機繊維コードはタイヤ周方向に対する角度が例えば0°〜5°に設定されている。
本発明は、このような一般的な断面構造の空気入りタイヤに適用されるが、その基本構造は上述のものに限定されない。
本発明の空気入りタイヤのトレッド部1の表面には、図2に示すように、タイヤ赤道CLの両側でタイヤ周方向に沿って延在する一対の主溝10が形成される。この主溝10は、溝幅が例えば12mm〜22mm、溝深さが12mm〜18mmである。この主溝10は、好ましくはタイヤ周方向に沿ってジグザグ状に延在するとよい。尚、ジグザグ状に延在するとは、図示の例のように、所定の方向に直進する部分と、この部分と異なる方向に直進する部分とが交互に繰り返して、タイヤ周方向に沿って繰り返し折れ曲がった形状である。
主溝10のタイヤ幅方向外側に位置するショルダー領域A1には、タイヤ幅方向に対して傾斜して延在する複数本のショルダーラグ溝20が設けられている。これらショルダーラグ溝20は、溝幅が例えば9mm〜15mm、溝深さが例えば12mm〜18mmであり、主溝10と比べて溝幅および溝深さが同等以下の溝である。これらショルダーラグ溝20は、それぞれ一端が主溝10に連通し、他端が接地端Eを超えてタイヤ幅方向外側に向かって開口している。図示の例では、主溝10に対する連通位置が異なる2種類のショルダーラグ溝20(第一ショルダーラグ溝21、第二ショルダーラグ溝22)がタイヤ周方向に交互に配置されている。即ち、第一ショルダーラグ溝21は、ジグザグ状に延在する主溝10が折れ曲がった部分に連通し、第二ショルダーラグ溝22は、ジグザグ状に延在する主溝10が直進する部分に連通している。これらショルダーラグ溝20(第一ショルダーラグ溝21および第二ショルダーラグ溝22)によって、ショルダー領域の陸部は、タイヤ周方向に間隔をおいて配列された複数のショルダーブロック23に区画されている。
ショルダー領域A1のタイヤ幅方向外側に隣接するサイド領域A2には、サイドウォール部2の表面から隆起したサイドブロック30が形成される。言い換えると、このサイドブロック30が設けられた範囲、即ち、サイドブロック30のタイヤ径方向最外側の点とタイヤ径方向最内側の点との間の領域がサイド領域A2である。図示の例では、タイヤ幅方向の一方側と他方側とでサイドブロック30の形状が異なっており、例えば一方側(図2におけるタイヤ赤道CLの右側)のサイドブロック30は、図3に拡大して示すように、ショルダーブロック23の延長位置に形成された第一ブロック部31と、タイヤ周方向に隣り合う第一ブロック部31どうしを連結して第一ブロック部31よりも隆起した第二ブロック部32とで構成される。また、他方側(図2におけるタイヤ赤道CLの左側)のサイドブロック30は、ショルダーブロック23の延長位置でショルダーブロック23に隣接する第三ブロック部33と、第三ブロック部33から離間して更にタイヤ幅方向外側に位置する第四ブロック部34とで構成される。
本発明は、ショルダー領域A1とサイド領域A2との境界に形成される後述の稜線部40の形状に関するものであるので、ショルダーブロック23やサイドブロック30の具体的な形状は図示の例に限定されない。また、一対の主溝10の間に位置するセンター領域の構造についても特に限定されない。尚、図示の例では、センター領域の陸部は、複数本のセンター浅溝50によって、複数のセンターブロック51に区画されている。
ショルダー領域A1とサイド領域A2との境界位置には、タイヤ周方向に沿ってタイヤ全周に亘って延在する帯状の稜線部40が形成される。図示の例では、一方側(図3の側)のみに稜線部40が設けられている。勿論、図2の例のようにタイヤ幅方向の両側でサイドブロック30の形状が異なる場合にタイヤ幅方向の両側に稜線部40を設けることもできる。尚、図2において、他方側のショルダー領域A1とサイド領域A2との境界でタイヤ周方向に延在する直線部は、空気入りタイヤを製造する金型のセクター割り位置(金型においてトレッド部1を成型するための部分とサイドウォール部2を成型するための部分との継ぎ目)に起因する段差である。
稜線部40は、ショルダーブロック23のサイド領域側の側面とサイドブロック30の頂面に対して段差を有する。特に、図示の例では、稜線部40は、ショルダーブロック23のサイド領域側の側面とサイドブロック30の第一ブロック部31の頂面よりもタイヤ外側に向かって隆起している。この稜線部40は、例えば、空気入りタイヤを製造する金型のセクター割り位置(金型においてトレッド部1を成型するための部分とサイドウォール部2を成型するための部分との継ぎ目)の近傍に設けることができる。稜線部40の幅は、例えば1cm以下、好ましくは3mm〜7mmにするとよい。
稜線部40は、図4に示すように、タイヤ外側に最も隆起した頂部41とそのタイヤ周方向の両側に位置する一対の傾斜面42とからなる断面三角形状の繰り返し要素が稜線部の延長方向に沿って複数配列されて形成された断面鋸歯状の凹凸形状を有する。このとき、前述のように複数本のショルダーラグ溝20はいずれもタイヤ幅方向に対して同方向に傾斜しているので、各ショルダーラグ溝20の主溝10と連通する端部を始端とし、サイド領域A2に向かって開口する端部を終端とすると、一対の傾斜面42のうち始端側の傾斜面42aの勾配角度θaと終端側の傾斜面42bの勾配角度θbとがθb>θaの関係を満たしている。尚、勾配角度とは、タイヤ周方向に隣り合う傾斜面42どうしの連結部(稜線部40において頂部41に対して最も深い部分)を結んだ平面(図の破線)に対する各傾斜面42(42a,42b)の角度である。
上述のように、主溝10とショルダーラグ溝20とを備えた溝主体のトレッドパターンを構成して未舗装路での走行性能を高めるにあたって、ショルダー領域A1とサイド領域A2との境界位置に存在する稜線部40を頂部41と一対の傾斜面42とからなる断面鋸歯状の凹凸形状にしているので、稜線部40の凹凸形状によるエッジ効果で未舗装路での走行性能を高めることができる。更に、稜線部40の傾斜面42の勾配角度θa,θbをショルダーラグ溝20の傾斜方向と関連付けて適切な大小関係を設定しているので、頂部41の両側の一対の傾斜面42のうち相対的に面積が広くなる側がショルダーラグ溝20に対して適切な向きになり、泥等の排出を妨げにくくなるので、排土性を向上することができる。
ショルダーラグ溝20のタイヤ幅方向に対する傾斜角度は特に限定されないが、例えば10°〜45°に設定することができる。尚、ショルダーラグ溝20の傾斜角度とは、ショルダーラグ溝20の開口端における溝幅中心と、接地端Eにおける溝幅中心とを結んだ直線がタイヤ幅方向に対してなす角度である。
傾斜面42の勾配角度θaは、例えば10°〜35°、傾斜面42の勾配角度θbは、例えば45°〜80°に設定することができる。また、勾配角度θaとθbとの差は例えば80°〜110°に設定するとよい。このように勾配角度の範囲を設定することで、稜線部40の凹凸形状をより良好にすることができ、未舗装路での走行性能と排土性能を向上するには有利になる。
稜線部40の形状や寸法は、空気入りタイヤのサイズ等に応じて適宜設定することができるが、タイヤ周方向に隣り合う繰り返し要素の傾斜面42どうしの連結部から稜線部40の頂部41までの高さHを0.3mm以上、且つ、サイドブロック30の隆起高さ以下にすることが好ましい。尚、サイドブロック30の隆起高さは例えば3mm〜4mmに設定することができる。このように高さHを設定することで、稜線部40の凹凸形状のバランスが良好になり、未舗装路での走行性能と排土性とを向上するには有利になる。このとき、高さHが0.3mm未満であると、実質的に稜線部40の凹凸がなくなるため、稜線部40によるエッジ効果を充分に得ることができない。高さHがサイドブロック30の隆起高さを超えると、稜線部40の凹凸が過大になり、排土性が損なわれたり、稜線部40自体の耐久性が低下する虞がある。
稜線部40の形状に関して、繰り返し要素のタイヤ周方向に沿った長さLを1.5mm以上5mm以下にすることが好ましい。これにより、稜線部の凹凸形状がショルダーラグ溝等に対して適度なサイズになるため、未舗装路での走行性能と排土性とを向上するには有利になる。特に、図示の例では、ショルダーブロック20の踏面および側面からサイドブロック30の第一ブロック部31の頂面に亘ってタイヤ幅方向に沿って延在する細溝24が設けられているが、繰り返し要素の長さLはこの細溝24の溝幅以下に設定されている。これにより、稜線部40の凹凸形状によって細溝24内の泥等の排出が妨げられることも防止されるので、排土性を高めるには有利になる。このとき、繰り返し要素の長さLが1.5mm未満であると、稜線部40の凹凸形状が細かくなり過ぎるため、稜線部40の凹凸によるエッジ効果を充分に確保することが難しくなる。繰り返し要素の長さLが5mmを超えると、繰り返し要素がショルダーラグ溝20に対して過度に大きくなるため、排土性を効果的に高めることが難しくなる。
稜線部40の高さHと繰り返し要素の長さLとは、上述の範囲に設定すればよいが、より好ましくは高さHと長さLとが、H/L=20〜50%の関係を満たすとよい。これにより、稜線部40の凹凸形状(高さHと長さLとの比率)が最適化されて、未舗装路での走行性能と排土性能を向上するには有利になる。
稜線部40は、図5に示すように、タイヤ周方向に隣り合う繰り返し要素の傾斜面42どうしが断面円弧状の凹面で滑らかに連結される仕様にすることもできる。この仕様では、稜線部40の頂部41に対して凹んだ部位の表面が滑らかになり、排土性を向上するには有利になる。また、タイヤ周方向に隣り合う繰り返し要素の傾斜面どうしの連結部を起点としたクラックの発生を抑制することもできる。尚、この仕様の場合、勾配角度θa,θbは、図示のように、周方向に沿った断面において傾斜面42の表面が形成する直線部分に基づいて測定するものとする。
タイヤサイズがLT265/70R17 121Qであり、図1に例示する基本構造を有し、図2のトレッドパターンを基調とし、稜線部の凹凸の有無、稜線部の傾斜面の勾配角度θa,θb、タイヤ周方向に隣り合う繰り返し要素の傾斜面どうしの連結部から稜線部の頂部までの高さH、繰り返し要素のタイヤ周方向に沿った長さL、タイヤ周方向に隣り合う繰り返し要素の傾斜面どうしの連結部の断面形状をそれぞれ表1〜2のように設定した比較例1〜3、実施例1〜16の19種類の空気入りタイヤを作製した。
尚、いずれの例においてもショルダーラグ溝はタイヤ幅方向に対して10°〜45°の角度で傾斜しており、勾配角度θaはショルダーラグ溝が主溝と連通する始端側の傾斜面の角度であり、勾配角度θbはショルダーラグ溝がサイド領域に向かって開口する終端側の傾斜面の角度である。即ち、比較例3は、勾配角度θa,θbの大小関係が逆転した例である。また、表1,2の「傾斜面の連結部の断面形状」の欄については、対応する図番を示した。
これら空気入りタイヤについて、下記の評価方法により、発進性と排土性を評価し、その結果を表1〜2に併せて示した。
発進性
各試験タイヤをリムサイズ17×8Jのホイールに組み付けて、空気圧を350kPaとして試験車両(四輪駆動のSUV)に装着し、未舗装路(グラベル路面)からなる試験路にて発進性についてテストドライバーによる官能評価を行った。評価結果は、比較例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど未舗装路における発進性が優れることを意味する。尚、指数値が「102」未満であると、基準とした比較例1と実質的な差がなく、発進性を改善する効果が得られなかったことを意味する。
排土性
各試験タイヤをリムサイズ17×8Jのホイールに組み付けて、空気圧を350kPaとして試験車両(四輪駆動のSUV)に装着し、未舗装路(グラベル路面)からなる試験路を1,000km走行し、走行後のショルダーラグ溝の目詰まり状態(排土状態)を目視で観察し、適正に排土されていたラグ溝の本数を測定した。評価結果は、比較例1の値を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど適正に排土されたラグ溝の本数が多く、排土性に優れることを意味する。尚、指数値が「102」未満であると、基準とした比較例1と実質的な差がなく、排土性を改善する効果が得られなかったことを意味する。
Figure 2019147462
Figure 2019147462
表1〜2から明らかなように、実施例1〜16はいずれも、比較例1と比較して、発進性と排土性を向上した。尚、グラベル路面における発進性のみを評価したが、他の未舗装路(泥濘路や岩場や雪道など)を走行した場合であっても、本発明のタイヤは、路面上の泥や岩や雪などに対して有効に作用するので、どのような未舗装路であっても優れた発進性能を発揮することができる。
一方、比較例2は勾配角度θa,θbとが等しく、稜線部の凹凸形状がショルダーラグ溝の傾斜方向と関連付けられていないため、発進性および排土性を高める効果が充分に得られなかった。比較例3は、勾配角度θa,θbの大小関係が逆転しているため、排土性が低下した。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
10 主溝
20 ショルダーラグ溝
21 第一ショルダーラグ溝
22 第二ショルダーラグ溝
23 ショルダーブロック
24 細溝
30 サイドブロック
31 第一ブロック部
32 第二ブロック部
33 第三ブロック部
34 第四ブロック部
40 稜線部
41 頂部
42,42a,42b 傾斜面
50 センター浅溝
51 センターブロック
A1 ショルダー領域
A2 サイド領域
S サイド突起
CL タイヤ赤道
E 接地端

Claims (4)

  1. タイヤ周方向に延在して環状をなすトレッド部と、該トレッド部の両側に配置された一対のサイドウォール部と、これらサイドウォール部のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部とを備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記トレッド部の表面に、タイヤ赤道の両側でタイヤ周方向に沿って延在する一対の主溝を有し、前記一対の主溝のタイヤ幅方向外側に位置するショルダー領域に、タイヤ幅方向に沿って延在する複数本のショルダーラグ溝がタイヤ周方向に間隔をおいて設けられ、前記主溝および前記ショルダーラグ溝によって複数のショルダーブロックが区画され、
    前記ショルダー領域のタイヤ幅方向外側に隣接するサイド領域に前記サイドウォール部の表面から隆起した複数のサイドブロックがタイヤ周方向に間隔を置いて設けられ、
    前記ショルダー領域と前記サイド領域との境界位置に、前記ショルダーブロックのサイド領域側の側面および前記サイドブロックの頂面に対して段差を有し、且つ、タイヤ周方向に沿ってタイヤ全周に亘って延在する帯状の稜線部を備え、
    前記稜線部はタイヤ外側に最も隆起した頂部とそのタイヤ周方向の両側に位置する一対の傾斜面とからなる断面三角形状の繰り返し要素が前記稜線部の延長方向に沿って複数配列されて形成された断面鋸歯状の凹凸形状を有し、
    前記複数本のショルダーラグ溝はいずれもタイヤ幅方向に対して同方向に傾斜しており、各ショルダーラグ溝の前記主溝と連通する端部を始端とし、前記サイド領域に向かって開口する端部を終端としたとき、前記一対の傾斜面のうち始端側の傾斜面の勾配角度θaと終端側の傾斜面の勾配角度θbとがθb>θaの関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. タイヤ周方向に隣り合う前記繰り返し要素の傾斜面どうしが断面円弧状の凹面で滑らかに連結されることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. タイヤ周方向に隣り合う前記繰り返し要素の傾斜面どうしの連結部から前記稜線部の頂部までの高さが0.3mm以上であり、且つ、前記サイドブロックの隆起高さ以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記繰り返し要素のタイヤ周方向に沿った長さが1.5mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
JP2018033105A 2018-02-27 2018-02-27 空気入りタイヤ Pending JP2019147462A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018033105A JP2019147462A (ja) 2018-02-27 2018-02-27 空気入りタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018033105A JP2019147462A (ja) 2018-02-27 2018-02-27 空気入りタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019147462A true JP2019147462A (ja) 2019-09-05

Family

ID=67849978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018033105A Pending JP2019147462A (ja) 2018-02-27 2018-02-27 空気入りタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019147462A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101974461B1 (ko) 공기입 타이어
JP6443509B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6644271B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6443508B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6521000B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2015048047A (ja) 空気入りタイヤ
WO2020009056A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6644272B1 (ja) 空気入りタイヤ
AU2018402887B2 (en) Pneumatic tire
WO2019155786A1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6521110B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2020045075A (ja) 空気入りタイヤ
JP6428872B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP6361762B1 (ja) 空気入りタイヤ
JP2019147462A (ja) 空気入りタイヤ
JP2019142369A (ja) 空気入りタイヤ
JP2019137123A (ja) 空気入りタイヤ
JP6988852B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP6680329B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2022012310A (ja) 空気入りタイヤ
JP2019142370A (ja) 空気入りタイヤ