JP2019146704A - ガイドワイヤ - Google Patents

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佳世 神原
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Abstract

【課題】先端荷重の異なる複数種類のガイドワイヤを準備および使用することに伴う医療経済性の低下を抑制できるガイドワイヤを提供する。【解決手段】ガイドワイヤ100は、先端111、基端113、および先端と基端との間に延びる内腔115を備える管腔体110と、管腔体の内腔に、管腔体の長軸方向に沿って移動可能に挿通されたコア部材140と、管腔体の先端に配置され、管腔体に対するコア部材の相対的な移動に伴い長軸方向に伸縮可能な周壁部186を有する伸縮部材180と、を有し、伸縮部材は、長軸方向に収縮した状態において、周壁部の少なくとも一部がコア部材の放射方向に重なる重なり部189を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、ガイドワイヤに関する。
従来から、生体管腔に形成された病変部(狭窄部等)へカテーテルデバイスを導くために使用される医療器具として、ガイドワイヤが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
PCI(経皮的冠動脈形成術)等では、医師等の術者は、病変部通過のために、性能の異なる複数種類のガイドワイヤを使用することがある。例えば、病変部が完全閉塞病変である場合、術者は、完全閉塞病変のマイクロチャンネル内にガイドワイヤを挿入するために、先端外径の小さなコイルを備えるガイドワイヤや、先細ったテーパ形状の先端部を備えるガイドワイヤを選択する。術者は、上記のように構成された各ガイドワイヤでは病変部を通過することができない場合、ガイドワイヤを、先端荷重(ガイドワイヤの先端の突き当て荷重)が高く、病変部に対する穿通力(貫通力)が向上された別のガイドワイヤに交換し、病変部の通過を試みることがある。
特開2012−205793号
上記のように、一つの手技において先端荷重の異なる複数種類のガイドワイヤを準備および使用することは、手技に要するコストが嵩むため、医療経済性の低下を招く。
本発明は、先端荷重の異なる複数種類のガイドワイヤを準備および使用することに伴う医療経済性の低下を抑制できるガイドワイヤを提供することを目的とする。
本発明に係るガイドワイヤは、先端、基端、および前記先端と前記基端との間に延びる内腔を備える管腔体と、前記管腔体の内腔に、前記管腔体の長軸方向に沿って移動可能に挿通されたコア部材と、前記管腔体の先端に配置され、前記管腔体に対する前記コア部材の相対的な移動に伴い前記長軸方向に伸縮可能な周壁部を有する伸縮部材と、を有し、前記伸縮部材は、前記長軸方向に収縮した状態において、前記周壁部の少なくとも一部が前記コア部材の放射方向に重なる重なり部を有する。
ガイドワイヤは、伸縮部材の収縮および伸長に応じて先端荷重が変化(増減)する。そのため、本発明によれば、一つの手技において先端荷重の異なる複数種類のガイドワイヤを準備および使用することに伴う医療経済性の低下を抑制できる。
第1実施形態に係るガイドワイヤの軸方向断面図である。 図2(A)および図2(B)は、第1実施形態に係るガイドワイヤが備える伸縮部材の拡大断面図である。 図3(A)および図3(B)は、第1実施形態に係るガイドワイヤが備える伸縮部材の拡大断面図である。 第1実施形態に係るガイドワイヤが備える固定機構を示す平面図である。 第1実施形態に係るガイドワイヤが備える固定機構を示す軸直交断面図である。 第1実施形態に係るガイドワイヤの使用例を模式的に示す断面図であって、図6(A)は、病変部へガイドワイヤを送達している際の様子を示す図、図6(B)は、ガイドワイヤが備える伸縮部材に重なり部を形成した状態で病変部を通過させる際の様子を示す図、図6(C)は、ガイドワイヤが備える伸縮部材を伸長させた状態で病変部を通過させる際の様子を示す図である。 第1実施形態の変形例1に係るガイドワイヤの軸方向断面図である。 第1実施形態の変形例2に係るガイドワイヤの軸方向断面図である。 第2実施形態に係るガイドワイヤの軸方向断面図である。 第3実施形態に係るガイドワイヤの軸方向断面図である。
(第1実施形態)
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は、第1実施形態に係るガイドワイヤ100の全体構成を示す図である。図2〜図5は、第1実施形態に係るガイドワイヤ100の各部の説明に供する図である。
ガイドワイヤ100は、図1を参照して概説すると、管腔体110と、管腔体110に挿通されたコア部材(コアワイヤ)140と、管腔体110の先端111に配置された伸縮部材180と、を有している。以下、ガイドワイヤ100の各部について詳述する。
本明細書の説明では、自然状態(外力を付加せず、真っ直ぐに延ばした状態)でコア部材140が延びている方向を「長軸方向」(図中の矢印X)とする。また、コア部材140の長軸方向を基準軸にした回転方向を「周方向」(図中の矢印Y)とする。また、ガイドワイヤ100において生体内に導入される側を先端側(遠位側、図1の左側)とし、先端側と反対の端部側を基端側(近位側、図1の右側)とする。また、先端(最先端)から長軸方向における一定の範囲を含む部分を「先端部」とし、基端(最基端)から長軸方向における一定の範囲を含む部分を「基端部」とする。
(コア部材)
コア部材140は、図1に示すように、先端141から基端側に延びる長尺状の部材で構成している。コア部材140は、先端141側に配置された先端コア部145aと、先端コア部145aの基端側に配置されたテーパ部145bと、テーパ部145bの基端側に配置された外径一定部145cと、を備えている。先端コア部145aは、丸棒状(円柱状)の外形形状を有している。
コア部材140の構成材料は特に限定されないが、例えば、Ni−Ti系合金などの超弾性合金、ステンレス鋼、コバルト系合金などを用いることができる。
コア部材140は、例えば、異種または同種の二つ以上のコア部材(線材)を接合して構成することも可能である。また、コア部材140の断面形状は、図示する形状に限定されない。例えば、コア部材140は、先端側から基端側にかけて一定の外形形状や一定の外径を有していてもよい。
(管腔体)
管腔体110は、図1に示すように、先端111と、基端113と、先端111と基端113との間に延びる内腔115と、を備えている。
管腔体110は、コア部材140の先端部の外周を覆うコイル150と、コイル150の基端側に配置された管状部材130とにより構成している。
管状部材130は、長軸方向に延びる内腔135を備えた中空の部材で構成している。
管状部材130の構成材料は特に限定されないが、例えば、Ni−Ti系合金などの超弾性合金、ステンレス鋼、コバルト系合金などを用いることができる。
管状部材130の基端側の一定の範囲(コイル150と管状部材130とを固定する基端側固定部173が設けられた位置よりも基端側であって、かつ、固定機構190が設けられた位置よりも先端側)には、被覆層170aを設けている。被覆層170aの構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)、またはこれらの複合材料等が挙げられる。
コイル150の先端は、管腔体110の先端111を構成する。また、管状部材130の基端は、管腔体110の基端113を構成する。コイル150の内腔155および管状部材130の内腔135は、長軸方向に連通しており、管腔体110の内腔115を構成する。
コア部材140は、管腔体110の内腔115に挿通される。また、コア部材140は、管腔体110の内腔115に挿通された状態において、管腔体110に対して相対的に移動可能である。上記の「相対的に移動可能」とは、管腔体110およびコア部材140のうちの少なくとも一方の部材が他方の部材に対して移動可能であることを意味する。
(コイル)
コイル150は、コア部材140の周囲にらせん状に巻回している。コイル150の内周側には、コア部材140が挿通される内腔155が形成されている。コイル150は、コイル150を構成する線材の間に隙間が形成された疎巻コイルである。ただし、コイル150は、線材の間に隙間が形成されていない密巻コイルであってもよい。コイル150の構成材料は特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金、コバルト系合金、金、白金、タングステン等の金属、またはこれらを含む合金等を用いることが可能である。なお、コイル150は、2種以上の材料を組み合わせたものでもよい。例えば、コイル150の先端側を放射線不透過性の材料によって構成し、コイル150の基端側を放射線透過性材料によって構成してもよい。
図1に示すように、コイル150の先端は、管腔体110の先端111に配置された先端側固定部171で固定している。先端側固定部171は、コア部材140の先端コア部145aを貫通する貫通孔が形成された円盤状の部材で構成している。また、先端側固定部171には、伸縮部材180の基端183を固定している。先端側固定部171は、伸縮部材180およびコイル150を固定するための面積を有する。そのため、ガイドワイヤ100は、伸縮部材180およびコイル150の固定状態を良好に維持することができる。
先端側固定部171は、ガイドワイヤ100の先端部の柔軟性が損なわれることのないように、肉厚が薄く形成されていることが好ましい。先端側固定部171は、例えば、公知の樹脂材料や公知の金属材料で構成することができる。
コイル150の基端および管状部材130の先端は、基端側固定部173で固定している。基端側固定部173は、管状部材130の先端の外周を覆うように配置している。
コア部材140のテーパ部145bの長軸方向における中心部付近には、挿通部材176を配置している。挿通部材176は、コイル150の内腔155に配置している。コア部材140は、挿通部材176を挿通している。挿通部材176とコイル150は、挿通部材176の外周側に設けられた中間側固定部175により固定している。挿通部材176は、例えば、公知の樹脂材料や公知の金属材料で構成することができる。
挿通部材176は、コア部材140を管腔体110に対して長軸方向に移動させる際、コア部材140が長軸方向に円滑に移動するように、コア部材140の移動をガイドする。そのため、ガイドワイヤ100は、コア部材140を管腔体110に対して長軸方向に移動させる際、コア部材140に撓みが生じるのを防止できる。なお、挿通部材176の長軸方向の長さ、挿通部材176の位置(長軸方向の位置)等は特に限定されない。また、挿通部材176の設置は省略してもよい。
先端側固定部171、基端側固定部173、中間側固定部175は、固定対象となる部材の材質を考慮したうえで、例えば、半田、ろう材、接着剤等により形成することができる。
図1に示すように、ガイドワイヤ100において基端側固定部173よりも先端側に位置する各部材(伸縮部材180、コイル150、先端側固定部171、基端側固定部173)には、各部材の外表面を覆うように被覆層170bを設けている。被覆層170bの構成材料としては、特に限定されないが、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、アクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミドのブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の親水性材料を用いることができる。
(伸縮部材)
図2および図3には、伸縮部材180の拡大断面図を示す。なお、図2および図3では被覆層170bの図示を省略している。
伸縮部材180は、コア部材140の先端141が固定された先端181と、先端側固定部171に固定された基端183(図1を参照)と、先端181と基端183との間に延びる内部空間185と、伸縮部材180の外周面をなす周壁部186と、を有している。
図2(A)に示すように、伸縮部材180の先端181は閉じられている。コア部材140は、伸縮部材180の内部空間185に挿入している。伸縮部材180の先端181の内面には、コア部材140の先端141を固定している。伸縮部材180の先端181の外表面は、先端側に向けて湾曲した形状を有している。ガイドワイヤ100は、伸縮部材180の先端が先端側に向けて湾曲した形状を有するため、ガイドワイヤ100が血管内を移動する際、伸縮部材180の先端181が血管壁に突き当たる等して血管壁が損傷することを防止できる。
伸縮部材180の周壁部186は、コア部材140が管腔体110に対して長軸方向へ移動するのに伴い長軸方向に伸縮可能である。図2(A)に示すように、周壁部186は、長軸方向に連なる複数の壁部186a、186b、186c、186d、186e、186f、186gを有する。各壁部の間には、コア部材140の移動に伴う周壁部186の折り畳みを誘導する誘導部188を形成している。各壁部は、先端側から順に、第1壁部186a、第2壁部186b、第3壁部186c、第4壁部186d、第5壁部186e、第6壁部186f、第7壁部186gとする。
伸縮部材180は、伸長した状態(図2(A)に示す状態)から収縮した状態(図2(B)、図3(A)、図3(B)のいずれかの図面に示す状態)に変化すると、周壁部186の少なくとも一部(各壁部186a、186b、186c、186d、186e、186f、186gの少なくとも一部)がコア部材140の放射方向に重なる重なり部189を形成する。本明細書におけるコア部材140の放射方向(以下、「放射方向」とも記載する)とは、コア部材140の軸心を基準として、コア部材140の軸直交断面においてコア部材140に対して離間または接近する方向を意味する。例えば、コア部材140が円形の軸直交断面形状を有する場合、コア部材140の放射方向は、コア部材140の径方向を意味する。
図2(A)に示すように、周壁部186の外径は、伸縮部材180が長軸方向に伸長した状態において、コア部材140の先端側に向かって減少している。また、周壁部186の外径は、伸縮部材180が長軸方向に伸長した状態において、コア部材140の先端側に向かって段階的に減少している。
より詳細に説明すると、本実施形態に係る伸縮部材180は、周壁部186を構成する各壁部186a、186b、186c、186d、186e、186f、186gの外径(最大外径)を比較すると、基端側に配置された壁部の外径よりも先端側に配置された壁部の外径の方が小さい。そのため、図2(A)に示すように、伸縮部材180が伸長した状態では、周壁部186全体の外径は、基端側よりも先端側の方が小さい。そして、周壁部186の長軸方向における各部の外径は、各壁部186a、186b、186c、186d、186e、186f、186gの外径に相当するため、伸縮部材180の外径は、各壁部186a、186b、186c、186d、186e、186f、186gの長軸方向の位置に応じて、伸縮部材の基端側から先端側に向けて段階的に小さくなっている。
本実施形態に係る伸縮部材180は、周壁部186の一部をコア部材140の周方向に折り畳むことにより重なり部189を形成する折り畳み構造を有している。伸縮部材180の周壁部186は、管腔体110に対してコア部材140を長軸方向へ前進させると誘導部188を基点にして伸長し、管腔体110に対してコア部材140を長軸方向へ後退させると誘導部188を基点にして収縮する。
術者は、伸縮部材180を伸縮させる際、例えば、管腔体110を手指等で把持し、管腔体110に対してコア部材140を先端側へ向けて前進または基端側へ向けて後退させる。術者は、上記の操作を行う際、例えば、コア部材140を手指等で把持し、管腔体110を先端側へ向けて前進または基端側へ向けて後退させる操作を行うことにより、伸縮部材180を伸縮させることもできる。つまり、伸縮部材180は、管腔体110およびコア部材140を長軸方向に沿って相対的に移動させる操作がなされることにより、長軸方向に伸縮可能である。
伸縮部材180は、図2(A)に示すように周壁部186が長軸方向に最も伸長した状態から管腔体110に対してコア部材140が後退すると、第1壁部186aが第2壁部186bおよび第3壁部186cの内周側に折り畳まれる。そして、伸縮部材180は、図2(B)に示すように3つの壁部186a、186b、186cが放射方向に重なる重なり部189を形成した状態に変化する。また、伸縮部材180は、図2(B)に示す状態から管腔体110に対してコア部材140が後退すると、図3(A)に示すように5つの壁部186a、186b、186c、186d、186eが放射方向に重なる重なり部189を形成した状態に変化する。また、伸縮部材180は、図3(A)に示す状態から管腔体110に対してコア部材140が後退すると、図3(B)に示すように7つの壁部186a、186b、186c、186d、186e、186f、186gが放射方向に重なる重なり部189を形成した状態に変化する。
伸縮部材180は、重なり部189を形成する壁部の数が増加すると、伸縮部材180の長軸方向の長さが短くなる。また、伸縮部材180は、重なり部189を形成する壁部の数が増加すると、伸縮部材180において重なり部189が形成された部分の放射方向の厚みが大きくなる。そのため、ガイドワイヤ100は、重なり部189を形成する壁部の数の増加に応じて先端荷重が大きくなる。
また、伸縮部材180の周壁部186の最小外径は、伸縮部材180の周壁部186が折り畳まれた状態に応じて変化する。図2(A)に示す状態では、伸縮部材180の周壁部186の最小外径は、第1壁部186aの外径となる。図2(B)に示す状態では、伸縮部材180の周壁部186の最小外径は、折り畳まれた状態の第3壁部186cの外径となる。図3(A)に示す状態では、伸縮部材180の周壁部186の最小外径は、折り畳まれた状態の第5壁部186eの外径となる。図3(B)に示す状態では、伸縮部材180の周壁部186の最小外径は、折り畳まれた状態の第7壁部186gの外径となる。上記のように、ガイドワイヤ100において伸縮部材180が配置された部分の外径(ガイドワイヤ100の先端外径)は、周壁部186の各壁部同士が放射方向に重なる数が増加するのに応じて大きくなるように変化する。
一方、伸縮部材180は、重なり部189を形成する壁部の数が減少すると、伸縮部材180の長軸方向の長さが長くなる。また、伸縮部材180は、重なり部189を形成する壁部の数が減少すると、伸縮部材180において重なり部189が形成された部分の放射方向の厚みが小さくなる。そのため、ガイドワイヤ100は、重なり部189を形成する壁部の数の減少に応じて先端荷重が小さくなる。また、ガイドワイヤ100において伸縮部材180が配置された部分の外径は、前述したように周壁部186の各壁部同士が放射方向に重なる数が増加するのに応じて大きくなるように変化するのとは反対に、周壁部186の各壁部同士が放射方向に重なる数が減少するのに応じて小さくなるように変化する。
誘導部188は、周壁部186を構成する各壁部の間に形成している。誘導部188は、伸縮部材180に形成した肉薄な溝部(各壁部186a、186b、186c、186d、186e、186f、186gよりも肉厚が薄く形成された部分)で構成している。そのため、誘導部188は、コア部材140の長軸方向への進退移動に伴って伸縮部材180の周壁部186を周方向に折り畳む基点(伸縮部材180を伸長または収縮させる際の基点)となる。
伸縮部材180の構成材料は特に限定されない。ただし、伸縮部材180は、コア部材140の移動に伴って伸縮部材180が円滑に伸縮するように柔軟性を備える材料で構成することが好ましい。そのような観点より、伸縮部材180は、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等の樹脂で構成することが好ましい。また、伸縮部材180は、柔軟性および伸縮性の観点より、シリコーンゴムで構成されることがより好ましい。
なお、周壁部186の具体的な構造は、図示したものに限定されない。例えば、伸縮部材180が伸長する前後における周壁部186の断面形状、壁部の個数、誘導部の構造等は、適宜変更することが可能である。
(固定機構)
ガイドワイヤ100は、図1、図4、図5に示すように、管腔体110に対するコア部材140の相対的な位置を固定する固定機構190を有する。図4は、管腔体110の基端113付近の平面図であり、図5は、図4に示す矢印5A−5Aに沿う軸直交断面図である。
固定機構190は、図1に示すように管腔体110の基端113付近に配置している。固定機構190は、図4および図5に示すように管腔体110の管状部材130に形成した溝部138とコア部材140に形成した凸部148とにより構成している。
管状部材130に形成された溝部138は、周方向に延びる複数の第1溝部139aと複数の第1溝部139aを長軸方向に沿って連通する第2溝部139bと、を有している。
コア部材140に形成された凸部148は、第1溝部139aに沿って周方向に移動可能である。また、コア部材140に形成された凸部148は、第2溝部139bに沿って長軸方向に移動可能である。
術者は、伸縮部材180が伸長しないようにコア部材140の軸方向の移動を固定(制限)する場合、管腔体110に対してコア部材140を周方向に回転させて、図5に示すように凸部148を第1溝部139aの端部側(周方向の端部側)に移動させる。凸部148は、第1溝部139aの端部に配置されると、管腔体110(管状部材130)の内壁により長軸方向への移動が規制される。そのため、術者は、コア部材140の管腔体110に対する長軸方向への移動を規制することができ、伸縮部材180が意図せずに伸長するのを防止できる。
一方、術者は、伸縮部材180を伸長させる場合、図5に示す状態からコア部材140を管腔体110に対して周方向に回転させて、凸部148を第2溝部139bと周方向に重なる位置に配置する。凸部148は、第2溝部139bと周方向に重なる位置に配置されることにより、第2溝部139bに沿って長軸方向に移動することが可能になる。そのため、術者は、コア部材140を管腔体110に対して長軸方向へ移動させることにより、伸縮部材180を伸縮させることができる。具体的には、術者は、凸部148を第2溝部139bと周方向に重なる位置に配置した状態で、コア部材140を管腔体110に対して長軸方向の先端側へ移動させることにより、伸縮部材180を伸長させることができる。また、術者は、凸部148を第2溝部139bと周方向に重なる位置に配置した状態で、コア部材140を管腔体110に対して長軸方向の基端側へ移動させることにより、伸縮部材180を収縮させることができる。
前述したように、伸縮部材180は、図2(A)、図2(B)、図3(A)、図3(B)に示す4段階に伸縮することができる。そのため、第1溝部139aは、管状部材130の長軸方向の互いに異なる4つの箇所に形成している。例えば、固定機構190は、最も先端側に形成した第1溝部139aに凸部148が配置された状態では、伸縮部材180が最も伸長した状態(図2(A)に示す状態)でコア部材140の位置を固定することができる。術者は、コア部材140に形成された凸部148を、管状部材130に形成された第2溝部139bに沿わせて長軸方向に移動させて異なる第1溝部139aに配置することにより、伸縮部材180の伸縮状態を段階的に切り替えることができる。
なお、固定機構190の具体的な構成は特に限定されない。例えば、固定機構は、第2溝部139bに相当する溝部を有していなくてもよい。このように構成する場合、術者は、管腔体110に対してコア部材140を長軸方向に移動させる際、凸部148を管腔体110の管状部材130の内壁に沿って摺動させて、長軸方向の互いに異なる位置に形成された第1溝部139aへ凸部148を配置する。このような構成を採用する場合においても、術者は、固定機構190を利用して伸縮部材180の伸縮状態を段階的に切り替えることができる。
図1および図4に示すように、コア部材140には、固定機構190によるコア部材140の固定位置を確認可能にするマーカー147を設けている。マーカー147は、例えば、視認可能な色、数字、文字、記号等で構成することができる。マーカー147は、コア部材140の長軸方向の互いに異なる位置に複数設けている。各マーカー147間の長軸方向の離間距離は、各第1溝部139a間の長軸方向の離間距離と同じである。そのため、術者は、管腔体110の管状部材130から露出しているマーカー147の個数により、伸縮部材180の伸縮状態(伸縮の程度)を把握することができる。
術者は、マーカー147が管腔体110の管状部材130から露出する数が一つ増えるごとに、コア部材140が基端側へ移動したことを把握できる。図4に示す例では、マーカー147が管腔体110の管状部材130から一つも露出していない。そのため、術者は、伸縮部材180が最も伸長した状態(図2(A)に示す状態)であることを把握できる。このように、術者は、マーカー147の個数を目視により確認することで、管腔体110に対するコア部材140の軸方向における移動量と伸縮部材180の伸縮状態を容易に把握することができる。
(使用例)
次に、図6を参照して、本実施形態に係るガイドワイヤ100の使用例を説明する。以下では、血管(生体管腔)Bの病変部(完全閉塞病変)Nにガイドワイヤ100を挿通させる際のガイドワイヤ100の操作手順を主に説明する。
図6(A)に示すように、術者は、病変部Nまでガイドワイヤ100を送達する際、例えば、伸縮部材180を長軸方向に収縮させて、伸縮部材180に重なり部189を形成させる。ガイドワイヤ100は、伸縮部材180に重なり部189が形成された状態では、伸縮部材180に重なり部189が形成される前の状態と比較して、ガイドワイヤ100において伸縮部材180が配置された部分の最小外径が大きい。そのため、術者は、ガイドワイヤ100を送達している間に、血管壁を穿孔したり、傷付けたりする可能性を低減することができる。
図6(B)に示すように、術者は、病変部Nにガイドワイヤ100を挿通させる際、例えば、伸縮部材180に重なり部189が形成された状態で病変部Nにガイドワイヤ100を押し込む。ガイドワイヤ100は、伸縮部材180に重なり部189が形成された状態では、先端荷重が大きくなるため、病変部Nへの穿通力(貫通力)が向上する。
術者は、伸縮部材180が重なり部189を有する状態で病変部Nにガイドワイヤ100を挿通することができない場合、図6(C)に示すように、伸縮部材180を伸長させて、伸縮部材180から重なり部189を消失させる。これにより、ガイドワイヤ100は、伸縮部材180に重なり部189が形成された状態と比較して、ガイドワイヤ100において伸縮部材180が配置された部分の最小外径が小さくなるため、病変部Nのマイクロチャネルに対する挿入性が向上する。また、ガイドワイヤ100は、伸縮部材180から重なり部189を消失させた状態では、伸縮部材180に重なり部189が形成される前の状態と比較して、先端荷重が小さい。これにより、術者は、ガイドワイヤ100において伸縮部材180が配置された部分の最小外径が小さいにもかかわらず、血管壁を穿孔したり、傷付けたりする可能性を低減することができる。したがって、術者は、伸縮部材180が配置された部分の最小外径が大きい状態のガイドワイヤ100では病変部Nを通過できない場合においても、伸縮部材180を伸長させることにより、ガイドワイヤ100を病変部Nに安全に通過させることができる。
なお、術者は、手元の操作で管腔体110に対してコア部材140を移動させることにより、手技の最中に、ガイドワイヤ100に重なり部189を形成した状態と重なり部189が形成されてない状態を可逆的に変更することができる。また、術者は、伸縮部材180の伸縮状態(伸縮の程度)を、病変部Nの状態、手技の進行、術者の好み等に応じて、手技の最中に任意に変更することができる。
以上のように、本実施形態に係るガイドワイヤ100は、先端111、基端113、および先端111と基端113との間に延びる内腔115を備える管腔体110と、管腔体の内腔115に、管腔体110の長軸方向に沿って移動可能に挿通されたコア部材140と、管腔体110の先端111に配置され、管腔体110に対するコア部材140の相対的な移動に伴い長軸方向に伸縮可能な周壁部186を有する伸縮部材180と、を有する。そして、伸縮部材180は、長軸方向に収縮した状態において、周壁部186の少なくとも一部がコア部材140の放射方向に重なる重なり部189を有する。
上記のように構成されたガイドワイヤ100は、伸縮部材180の収縮および伸長に応じて先端荷重が変化(増減)する。そのため、ガイドワイヤ100によれば、一つの手技において先端荷重の異なる複数種類のガイドワイヤを準備および使用することに伴う医療経済性の低下を抑制できる。
また、ガイドワイヤ100が備える周壁部186の外径は、伸縮部材180が長軸方向に伸長した状態において、コア部材140の先端側に向かって減少している。そのため、術者は、伸縮部材180を伸長させることにより病変部(例えば、完全閉塞病変のマイクロチャネル)Nに対するガイドワイヤ100の挿入性を高めることができる。
また、ガイドワイヤ100が備える周壁部186の外径は、伸縮部材180が長軸方向に伸長した状態において、コア部材140の先端側に向かって段階的に減少している。そのため、術者は、伸縮部材180を伸縮させることにより、周壁部186の最小外径を段階的に調整することができる。それにより、術者は、ガイドワイヤ100の先端外径を、周壁部186の最小外径に対応した所定の大きさに容易かつ正確に変更できる。
また、ガイドワイヤ100が備える伸縮部材180は、周壁部186の一部をコア部材140の周方向に折り畳むことにより重なり部189を形成する折り畳み構造を有する。ガイドワイヤ100は、伸縮部材180において重なり部189を形成する壁部の数の増減(重なり部の厚みの増減)に応じて、先端荷重が増減する。したがって、術者は、コア部材140を操作することにより、ガイドワイヤ100の先端荷重を容易に変更できる。
また、ガイドワイヤ100は、管腔体110の基端側に配置され、管腔体110に対するコア部材140の相対的な位置を固定する固定機構190を有する。術者は、固定機構190を利用して管腔体110に対してコア部材140の位置を固定することにより、コア部材140が不用意に移動するのを防止できる。術者は、固定機構190により伸縮部材180が伸長または収縮した状態を安定的に維持することができるため、ガイドワイヤ100の先端外径や先端荷重の不用意な変化を防止できる。
次に、第1実施形態に係るガイドワイヤの変形例を説明する。第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(変形例1)
図7には、変形例1に係るガイドワイヤ100Aを示す。
変形例1に係るガイドワイヤ100は、挿通部材176(図1を参照)を有していない。
ガイドワイヤ100Aは、管腔体110を構成する管状部材130がコイル150の内腔155内まで延びている。管状部材130は、挿通部材176と同様に、管腔体110に対してコア部材140を長軸方向に移動させる際、コア部材140の移動をガイドする。そのため、ガイドワイヤ100Aは、コア部材140を管腔体110に対して長軸方向に移動させる際、コア部材140に撓みが生じるのを防止できる。また、ガイドワイヤ100Aは、管状部材130の一部を挿通部材176として用いるため、前述した実施形態と比較して部品点数が少なくなる。また、ガイドワイヤ100Aは、挿通部材176を備えないため、ガイドワイヤ100Aの製造時に挿通部材176を固定する作業を行う必要がない。そのため、ガイドワイヤ100Aの製造作業が容易なものとなる。
管状部材130の先端の位置は特に限定されない。例えば、管状部材130の先端は、先端側固定部171まで延びていてもよい。このように構成する場合、管状部材130の先端は先端側固定部171に固定することができる。なお、ガイドワイヤ100Aにおいて管状部材130がコア部材140と周方向に重ならない範囲は、管状部材130がコア部材140と周方向に重なる範囲と比較して、柔軟性が高くなる。そのため、例えば、本変形例に示すように、ガイドワイヤ100Aは、管状部材130の先端の位置を先端側固定部171よりも基端側に配置することにより、ガイドワイヤ100Aの先端側の一定の範囲における柔軟性を高めることが可能になる。
(変形例2)
図8には、変形例2に係るガイドワイヤ100Bを示す。
変形例2に係るガイドワイヤ100Bは、挿通部材176aがコイルで構成されている。
挿通部材176aは、コア部材140を挿通可能な内腔を備える。挿通部材176aを構成するコイルは、コア部材140の周方向にらせん状に巻回している。また、挿通部材176aを構成するコイルは、線材の間に隙間が形成されていない密巻コイルである。ただし、挿通部材176aを構成するコイルは、線材の間に隙間が形成された疎巻コイルであってもよい。
ガイドワイヤ100Bは、挿通部材176aがコイルにより構成されることにより、第1変形例で説明したガイドワイヤ100A(管状部材130が挿通部材として用いられた構成のガイドワイヤ100)と比較して、ガイドワイヤ100Bの挿通部材176aを有する範囲の柔軟性が高くなる。また、コイルで構成された挿通部材176aは、管腔体110に対してコア部材140を長軸方向に移動させる際、コア部材140の移動をガイドする。そのため、ガイドワイヤ100Bは、コア部材140を管腔体110に対して長軸方向に移動させる際、コア部材140に撓みが生じるのを防止できる。
挿通部材176aの先端は、例えば、先端側固定部171に固定することができる。また、挿通部材176aの基端は、例えば、基端側固定部173に固定することができる。
挿通部材176aは、例えば、前述したコイル150の構成材料として例示したものと同様の材料で構成することができる。なお、挿通部材176aを構成するコイルの線材の外径、巻き数、挿通部材176aの外径、挿通部材176aがコア部材140を長軸方向に覆う長さ等は、特に限定されない。
次に、第2実施形態および第3実施形態に係るガイドワイヤを説明する。第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(第2実施形態)
第2実施形態に係るガイドワイヤ200は、伸縮部材280の構成が第1実施形態に係るガイドワイヤ100と異なる。図9に示すように、伸縮部材280は、外径が互いに異なる複数の入れ子部材280a、280b、280c、280dを有する。なお、各入れ子部材は、先端側から順に、第1入れ子部材280a、第2入れ子部材280b、第3入れ子部材280c、第4入れ子部材280dとする。
コア部材140の先端141は、伸縮部材280において最も先端側に配置された入れ子部材280aの内面に固定している。伸縮部材280の周壁部286は、第1入れ子部材280a、第2入れ子部材280b、第3入れ子部材280c、および第4入れ子部材280dの各外周面により構成している。
各入れ子部材280a、280b、280c、280dは、先端側に配置された入れ子部材の方が基端側に配置された入れ子部材よりも、外径(最大外径)が小さくなっている。そのため、伸縮部材280は、第1実施形態に係る伸縮部材180と同様に、周壁部286の外径が、伸縮部材280が長軸方向に伸長した状態において、コア部材140の先端側に向かって減少している。また、周壁部286の外径は、伸縮部材280が長軸方向に伸長した状態において、コア部材140の先端側に向かって段階的に減少している。
各入れ子部材280a、280b、280c、280dにおいて長軸方向に隣接する入れ子部材は、長軸方向へ互いに相対的に接近することにより重なり部を形成する。例えば、伸縮部材280は、図9に示す最も伸長した状態から管腔体110に対してコア部材140が基端側へ移動すると、第1入れ子部材280aが第2入れ子部材280bに対して基端側へ摺動する。そして、第1入れ子部材280aが第2入れ子部材280bの内周側に移動することにより、第1入れ子部材280aと第2入れ子部材280bとが放射方向に重なる範囲(長軸方向に沿って重なる長さ)が大きくなる。このようにして、伸縮部材280は、第1入れ子部材280aと第2入れ子部材280bとが放射方向に重なる重なり部を形成する。
伸縮部材280は、コア部材140が基端側へさらに移動すると、第1入れ子部材280a、第2入れ子部材280b、第3入れ子部材280cが放射方向に重なる重なり部を形成する。同様に、伸縮部材280は、管腔体110に対してコア部材140が基端側へさらに移動すると、第1入れ子部材280a、第2入れ子部材280b、第3入れ子部材280c、第4入れ子部材280dが放射方向に重なる重なり部を形成する。ガイドワイヤ100は、入れ子部材が放射方向に重なる数が増加するごとに、先端荷重が大きくなり、かつ、ガイドワイヤ200において伸縮部材280が配置された部分の最小外径が大きくなるように変化する。
なお、ガイドワイヤ200は、伸縮部材280が収縮した状態において少なくとも重なり部を有することにより、伸縮部材280が伸長した状態と比較して、ガイドワイヤの先端荷重が大きくなるように構成されている限り、具体的な構造は特に限定されない。例えば、ガイドワイヤ200は、図9に示すように、伸縮部材280が長軸方向に最大限に伸長した状態においても、隣接する入れ子部材の一部同士(基端と先端)が放射方向に重なる重なり部を有していてもよい。
伸縮部材280は、管腔体110に対してコア部材140を基端側へ移動させた際、コア部材140の移動に連動して、第1入れ子部材280aが移動し、その後、第2入れ子部材280b、第3入れ子部材280cが順に移動するように、各入れ子部材の間に摩擦力が生じるように構成している。具体的には、第1入れ子部材280aの外周面において第2入れ子部材280bの内周面と接触する部分、第2入れ子部材280bの外周面において第3入れ子部材280cの内周面と接触する部分には、管腔体110に対してコア部材140が長軸方向に移動した際、コア部材140の移動に同伴して各入れ子部材が移動するように摩擦力が作用する。本実施形態では、第1〜第3入れ子部材280a、280b、280cが上記のような移動を実現するように、第1〜第3入れ子部材280a、280b、280cの断面形状は、基端側に向けて外径が大きくなるテーパ形状を有している。
なお、伸縮部材280(入れ子部材)の具体的な構造は、図示したものに限定されない。伸縮部材280が伸長する前後における周壁部286の断面形状(入れ子部材の断面形状)、入れ子部材の個数等は、適宜変更することが可能である。
伸縮部材280(入れ子部材)の構成材料は、第1実施形態に係る伸縮部材180と同様に、例えば、柔軟性を備える樹脂材料等で構成することができる。ただし、本実施形態に係る伸縮部材280は複数の入れ子部材を有する。そのため、伸縮部材280は、前述したように伸縮部材280自体の変形により伸縮せずに、各入れ子部材280a、280b、280cの移動で伸縮がなされる。したがって、伸縮部材280は、剛性の高い材料で構成することも可能である。伸縮部材280は、剛性が高い材料で構成される場合、伸長した状態(伸縮部材280に重なり部が形成されていない状態または重なり部を形成する入れ子部材の数が少ない状態であり、ガイドワイヤ200において伸縮部材280が配置された部分の最小外径が小さい状態)でも、高い穿通力を発揮する。そのため、伸縮部材280は、細径化された状態でも容易に病変部Nを貫通することができる。なお、上記の剛性が高い材料としては、例えば、ステンレス鋼等の金属材料や硬質の樹脂材料等を挙げることができる。
以上のように、第2実施形態に係るガイドワイヤ200によれば、術者は、管腔体110に対して長軸方向にコア部材140を移動させることにより、コア部材140の移動に追従させて各入れ子部材280a、280b、280c、280dを長軸方向へ接近または離反させることができる。そして、術者は、管腔体110に対してコア部材140を長軸方向へ移動させることにより、各入れ子部材280a、280b、280c、280dが放射方向に重なる重なり部を形成することができる。そのため、術者は、ガイドワイヤ200の外径や先端荷重を容易に変化させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係るガイドワイヤ300は、伸縮部材380の構成が第1実施形態に係るガイドワイヤ100および第2実施形態に係るガイドワイヤ200と異なる。図10に示すように、伸縮部材380は、伸縮部材380の折り畳みの基点を形成するらせん状の溝388を有する。
らせん状の溝388は、伸縮部材380の内周面に形成している。伸縮部材380は、管腔体110に対してコア部材140を長軸方向に移動させると、らせん状の溝388を基点にして長軸方向に沿って連続的に伸縮する。そして、伸縮部材380は、周壁部386が放射方向に重なった重なり部を形成する。
本実施形態に係る伸縮部材380は、第1実施形態に係る伸縮部材180および第2実施形態に係る伸縮部材280のように段階的に外径を変化させない。伸縮部材380は、長軸方向に沿って連続的に延びるらせん状の溝388により、伸縮部材280の外径を連続的に変更させる。したがって、術者は、管腔体110に対するコア部材140の移動量を調整することにより、伸縮部材380の外径を任意の大きさに調整することができる。また、ガイドワイヤ300は、伸縮部材380が収縮して伸縮部材380の周壁部386が放射方向に重なることで先端荷重が大きくなる。ガイドワイヤ300の先端荷重は、伸縮部材380の周壁部386が放射方向に重なる程度(重なり部の厚み)に応じて増減する。
伸縮部材380の構成材料は、第1実施形態に係る伸縮部材180と同様に、例えば、柔軟性を備える樹脂材料等で構成することができる。
図10に示すように、固定機構390は、管腔体110の管状部材130の内周面に形成した雌ネジ部338とコア部材140の外周面に形成した雄ネジ部348とにより構成している。コア部材140は、コア部材140に形成した雄ネジ部348が管状部材130に形成した雌ネジ部338に螺合した状態で回転すると、回転量に応じて前進または後退する。
なお、固定機構390の具体的な構成は特に限定されない。例えば、管腔体110の管状部材130の内周面に雄ネジ部を形成し、コア部材140の外周面に雌ネジ部を形成してもよい。また、コア部材140には、管腔体110に対するコア部材140の移動量を示すためのマーカーを設けることも可能である。
以上のように、第3実施形態に係るガイドワイヤ300によれば、術者は、管腔体110に対して長軸方向へコア部材140を移動させることにより、伸縮部材380の外径をコア部材140の移動量に応じた任意の外径に調整することができる。また、ガイドワイヤ300は、伸縮部材380の周壁部386が放射方向に重なる程度(重なり部の厚み)に応じて先端荷重を変化させることができる。
また、第3実施形態に係るガイドワイヤ300において、固定機構390は、管腔体110に対するコア部材140の相対的な位置を長軸方向に沿って連続的に変化させることを可能にしつつ、管腔体110に対するコア部材140の固定位置を長軸方向に沿って連続的に移動させる。そのため、固定機構390を、長軸方向に沿って連続的に外径を変化させることが可能な伸縮部材380とともにガイドワイヤ300に組み込むことにより、伸縮部材380の外径およびガイドワイヤ300の先端荷重を任意の大きさに留める機能をガイドワイヤ300に付加することが可能になる。
以上、実施形態を通じて本発明に係るガイドワイヤを説明したが、本発明は説明した各構成のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
第1実施形態および第2実施形態において説明した固定機構は、第3実施形態において説明した伸縮部材を有するガイドワイヤに組み込むことが可能であるし、第3実施形態において説明した固定機構は、第1実施形態および第2実施形態において説明した伸縮部材を有するガイドワイヤに組み込むことも可能である。
また、管腔体は、コア部材が長軸方向に沿って移動可能であれば、具体的な構造は特に限定されない。例えば、管腔体は、内腔が形成された一つの部材で構成してもよい。管腔体が一つの部材で構成される場合、管腔体は、コイルで構成してもよいし、コイル以外の部材であってもよい。また、管腔体や管腔体の一部として用いられる管状部材は、例えば、スリットが形成された管状部材(例えば、ハイポチューブ)で構成してもよい。また、例えば、管腔体は、管腔体の一部または全体が樹脂材料で形成されていてもよい。
また、伸縮部材は、コア部材の長軸方向への移動に伴って伸縮可能であり、かつ、収縮した状態において少なくとも一つの重なり部を形成可能な限り、具体的な構造は限定されない。
100、100A、100B ガイドワイヤ、
110 管腔体、
111 管腔体の先端、
113 管腔体の基端、
115 管腔体の内腔、
130 管状部材、
135 管状部材の内腔、
138 溝部、
139a 第1溝部、
139b 第2溝部、
140 コア部材
141 コア部材の先端、
143 コア部材の基端、
147 マーカー、
148 凸部、
150 コイル、
176、176a 挿通部材、
180 伸縮部材、
186 伸縮部材の周壁部、
186a 第1壁部、
186b 第2壁部、
186c 第3壁部、
186d 第4壁部、
186e 第5壁部、
186f 第6壁部、
186g 第7壁部、
188 誘導部、
189 重なり部、
190 固定機構、
200 ガイドワイヤ、
280 伸縮部材、
280a 第1入れ子部材、
280b 第2入れ子部材、
280c 第3入れ子部材、
280d 第4入れ子部材、
286 周壁部、
300 ガイドワイヤ、
380 伸縮部材、
386 周壁部、
388 らせん状の溝、
390 固定機構、
B 生体管腔(血管)、
N 病変部。

Claims (6)

  1. 先端、基端、および前記先端と前記基端との間に延びる内腔を備える管腔体と、
    前記管腔体の内腔に、前記管腔体の長軸方向に沿って移動可能に挿通されたコア部材と、
    前記管腔体の先端に配置され、前記管腔体に対する前記コア部材の相対的な移動に伴い前記長軸方向に伸縮可能な周壁部を有する伸縮部材と、を有し、
    前記伸縮部材は、前記長軸方向に収縮した状態において、前記周壁部の少なくとも一部が前記コア部材の放射方向に重なる重なり部を有することを特徴とするガイドワイヤ。
  2. 前記周壁部の外径は、前記伸縮部材が前記長軸方向に伸長した状態において、前記コア部材の先端側に向かって減少していることを特徴とする請求項1に記載のガイドワイヤ。
  3. 前記周壁部の外径は、前記伸縮部材が前記長軸方向に伸長した状態において、前記コア部材の先端側に向かって段階的に減少していることを特徴とする請求項2に記載のガイドワイヤ。
  4. 前記伸縮部材は、前記周壁部の一部を前記コア部材の周方向に折り畳むことにより前記重なり部を形成する折り畳み構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
  5. 前記伸縮部材は、外径が互いに異なる複数の入れ子部材を有し、
    前記複数の入れ子部材において前記長軸方向に隣接する入れ子部材同士は、前記長軸方向へ相対的に接近することにより前記重なり部を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
  6. 前記管腔体の基端側に配置され、前記管腔体に対する前記コア部材の相対的な位置を固定する固定機構を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガイドワイヤ。
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