JP2019146372A - 電力変換装置、電源システム、及び、電力変換装置の制御方法 - Google Patents

電力変換装置、電源システム、及び、電力変換装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】系統連系する電力変換装置において、出力電流に直流成分が含まれることによる保護停止を抑制する。【解決手段】商用電力系統4と系統連系する電力変換装置1であって、直流/交流の電力変換を行う電力変換部と、電力変換部の制御を行う制御部14と、を備えている。そして、この電力変換装置の制御部14は、商用電力系統4の実際の系統電圧から抽出した実効値を有する基本波電圧に、系統電圧から抽出した直流成分に基づく補償電圧を加味した値を、制御上の系統電圧とする。【選択図】図1

Description

本発明は、電力変換装置、電源システム、及び、電力変換装置の制御方法に関する。
例えば太陽光発電パネルと商用電力系統との間に設けられる電力変換装置としてのパワーコンディショナ(系統連系インバータ)は、系統連系運転を行う。このようなパワーコンディショナは、系統連系規程により、定格出力電流の1%を超える直流成分を検出すると0.5秒以内に出力を停止する保護機能を設けることが義務付けられている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。このような保護機能により、一般家庭に設置された後の実使用環境でパワーコンディショナが直流成分を検出して保護停止する例が発生している。この原因としては例えば以下のことが考えられる。
系統連系するパワーコンディショナは、系統電圧に同期して、基本的には力率1の電流を出力しようとする。よって、系統電圧自体に直流成分が含まれていると、パワーコンディショナが出力する電流にも直流成分が発生しやすくなる。例えば、家庭用の電力は、柱上変圧器で6.6kVから単相3線式での200V/100Vに変換して供給される。需要家の宅内に直流成分となる電流が流れる負荷として、例としてドライヤー、電気ストーブ等、半波整流回路によって出力の強弱を切り替える負荷があげられる。このとき、柱上変圧器からの交流電路長による電圧降下が正負の極性によって一致せず、パワーコンディショナが系統連系する位置での電圧には直流成分が含まれる。
特開2014−42419号公報
「系統連系規程」、一般社団法人日本電気協会系統連系専門部会
かかる課題に鑑み、本発明は、系統連系する電力変換装置において、出力電流に直流成分が含まれることによる保護停止を抑制することを目的とする。
本開示は、以下の発明を含む。但し、本発明は、特許請求の範囲によって定められるものである。
本発明の一表現に係る電力変換装置は、商用電力系統と系統連系する電力変換装置であって、直流/交流の電力変換を行う電力変換部と、前記電力変換部の制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記商用電力系統の実際の系統電圧から抽出した実効値を有する基本波電圧に、前記系統電圧から抽出した直流成分に基づく補償電圧を加味した値を、制御上の系統電圧とする電力変換装置である。
また、本発明の一表現に係る電源システムは、直流電源と、前記直流電源と商用電力系統との間に設けられ、前記商用電力系統と系統連系する電力変換装置と、を含む電源システムであって、前記電力変換装置は、直流/交流の電力変換を行う電力変換部と、前記電力変換部の制御を行う際に、前記商用電力系統の実際の系統電圧から抽出した実効値を有する基本波電圧に、前記系統電圧から抽出した直流成分に基づく補償電圧を加味した値を制御上の系統電圧とする制御部と、を備えている。
また、本発明の一表現に係る電力変換装置の制御方法は、商用電力系統と系統連系し、電力変換部で直流/交流の電力変換を行う電力変換装置の制御方法であって、前記電力変換部の制御を行う際に、前記商用電力系統の実際の系統電圧から抽出した実効値を有する基本波電圧に、前記系統電圧から抽出した直流成分に基づく補償電圧を加味した値を制御上の系統電圧とする、電力変換装置の制御方法である。
本発明によれば、系統連系する電力変換装置において、出力電流に直流成分が含まれることによる保護停止を抑制することができる。
電力変換装置及びこれを含む電源システムの回路構成の一例を示す回路図である。 半波整流抵抗負荷のダイオードを短絡したときの電圧(上)・電流(下)の波形図である。 ダイオードを経由して抵抗負荷を接続したときの電圧(上)・電流(下)の波形図である。 実際に検出される系統電圧vをそのまま制御目標値の計算に用いた場合の電圧(上)・電流(下)の波形図である。 制御上の系統電圧としてvayを用いた場合の電圧(上)・電流(下)の波形図である。 電源ステムの運転状態を1kW充電又は1kW放電とし、半波整流抵抗負荷の消費電力を約50Wから約2500Wの範囲で変化させたときの、並列箇所における系統電圧の直流成分と、電源システムの出力電流(符号の正・負すなわち流出・流入の双方を含む。)の直流成分の関係を示すグラフである。 系統電圧の直流成分と、電源システムの出力電流の総合歪率との関係を示すグラフである。
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)これは、商用電力系統と系統連系する電力変換装置であって、直流/交流の電力変換を行う電力変換部と、前記電力変換部の制御を行う制御部と、を備え、前記制御部は、前記商用電力系統の実際の系統電圧から抽出した実効値を有する基本波電圧に、前記系統電圧から抽出した直流成分に基づく補償電圧を加味した値を、制御上の系統電圧とする電力変換装置である。
このような電力変換装置では、実際の系統電圧に含まれる高調波の影響を排除しつつ、実際の系統電圧に含まれる直流成分を制御上考慮に入れることができる。その結果、出力電流の直流成分を抑制することができる。従って、出力電流に直流成分が含まれることによる電力変換装置の保護停止を抑制することができる。
(2)また、(1)の電力変換装置において、前記基本波電圧と、前記補償電圧とは、位相が互いに同期していることが好ましい。
この場合、位相によって変化する直流成分を制御上考慮に入れて、出力電流の直流成分を的確に抑制することができる。
(3)また、(1)又は(2)の電力変換装置において、前記制御部は、高調波を含む前記系統電圧と、前記制御上の系統電圧との偏差が最小となるように前記補償電圧に係数を乗じるようにしてもよい。
この場合、高調波の影響を排除しつつも、制御上の系統電圧の値を実際の系統電圧の値に近づけることができる。
(4)また、(1)〜(3)のいずれかの電力変換装置において、前記電力変換部は、DC/DCコンバータと、インバータとを含んで構成され、前記制御部は、前記DC/DCコンバータがスイッチング動作を休止する期間と、前記インバータがスイッチングを休止して極性反転のみを行う期間とが交互に現れるよう制御するもの(最小スイッチング変換方式)であってもよい。
この場合、スイッチングの主役が交代することにより波形の歪みが生じやすい最小スイッチング変換方式においても、出力電流の直流成分を抑制することができる。
(5)また、(1)〜(4)のいずれかの電力変換装置において、例えば、前記制御上の系統電圧vayは、前記実際の系統電圧の実効値を〈vrms、平均値を〈vave、位相をθとしたとき、
ay=√2・〈vrmssinθ+{(π〈vave)/2}|sinθ|
である。
このような設定により、右辺の第1項は基本波電圧となり、第2項は補償電圧となるので、確実に出力電流の直流成分を抑制することができる。なお、上記の位相θには、電力変換装置における系統電圧の検出の遅れ、及び、制御の遅れを補償した値を用いることが望ましい。
(6)一方、これは、直流電源と、前記直流電源と商用電力系統との間に設けられ、前記商用電力系統と系統連系する電力変換装置と、を含む電源システムであって、前記電力変換装置は、直流/交流の電力変換を行う電力変換部と、前記電力変換部の制御を行う際に、前記商用電力系統の実際の系統電圧から抽出した実効値を有する基本波電圧に、前記系統電圧から抽出した直流成分に基づく補償電圧を加味した値を制御上の系統電圧とする制御部と、を備えている電源システムである。
このような電源システムにおける電力変換装置では、実際の系統電圧に含まれる高調波の影響を排除しつつ、実際の系統電圧に含まれる直流成分を制御上考慮に入れることができる。その結果、出力電流の直流成分を抑制することができる。従って、出力電流に直流成分が含まれることによる電力変換装置の保護停止を抑制することができる。
(7)また、方法の観点からは、商用電力系統と系統連系し、電力変換部で直流/交流の電力変換を行う電力変換装置の制御方法であって、前記電力変換部の制御を行う際に、前記商用電力系統の実際の系統電圧から抽出した実効値を有する基本波電圧に、前記系統電圧から抽出した直流成分に基づく補償電圧を加味した値を制御上の系統電圧とする、電力変換装置の制御方法である。
このような電力変換装置の制御方法によれば、実際の系統電圧に含まれる高調波の影響を排除しつつ、実際の系統電圧に含まれる直流成分を制御上考慮に入れることができる。その結果、出力電流の直流成分を抑制することができる。従って、出力電流に直流成分が含まれることによる電力変換装置の保護停止を抑制することができる。
[実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態に係る電力変換装置及びこれを含む電源システムについて、図面を参照して説明する。
《電力変換装置の回路構成例》
図1は、電力変換装置及びこれを含む電源システムの回路構成の一例を示す回路図である。図において、電力変換装置1は、例えば太陽光発電パネルである直流電源2に接続されている。電力変換装置1及び直流電源2により、交流電路3を介して商用電力系統4に系統連系する電源システム100が構成されている。
電力変換装置1は、主回路構成要素として、直流側コンデンサ5、DC/DCコンバータ6、中間コンデンサ9、インバータ10、及び、フィルタ回路11を備えている。DC/DCコンバータ6は、直流リアクトル7と、ハイサイドのスイッチング素子Q1と、ローサイドのスイッチング素子Q2とを備え、直流チョッパ回路を構成している。スイッチング素子Q1,Q2としては例えば、MOSFET(Metal-Oxide-semiconductor Field Effect Transistor)を使用することができる。MOSFETのスイッチング素子Q1,Q2はそれぞれ、ダイオード(ボディダイオード)d1,d2を有している。各スイッチング素子Q1,Q2は、制御部14により制御される。
DC/DCコンバータ6の高圧側は、DCバス8に接続されている。DCバス8の2線間に接続されている中間コンデンサ9は、DC/DCコンバータ6の出力電圧に対して平滑作用を発揮する。但し、この中間コンデンサ9は小容量(μFのレベル)であり、スイッチングの高周波(kHzのレベル)変動に対しては平滑作用を発揮する一方、商用交流の周波数(50又は60Hz)の2倍程度の周波数に対しては平滑作用を発揮しない。
DCバス8に接続されたインバータ10は、フルブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q3〜Q6を備えている。これらスイッチング素子Q3〜Q6は、例えば、MOSFETである。MOSFETの場合は、スイッチング素子Q3〜Q6がそれぞれ、ダイオード(ボディダイオード)d3〜d6を有している。各スイッチング素子Q3〜Q6は、制御部14により制御される。
インバータ10と交流電路3との間には、フィルタ回路11が設けられている。フィルタ回路11は、交流リアクトル12と、交流リアクトル12より商用電力系統側(図の右側)に設けられた交流側コンデンサ13とを備えている。フィルタ回路11は、インバータ10で発生する高周波ノイズが交流電路3側へ漏れ出ないように、通過を阻止している。
計測用の回路要素は、DC/DCコンバータ6の低圧側(図の左側)に設けられる、電圧センサ15及び電流センサ16を含む。電圧センサ15は直流電源2と並列接続され、直流電源2の両端電圧を検出する。検出された電圧の情報は、制御部14に提供される。電流センサ16は、DC/DCコンバータ6に流れる電流を検出する。検出された電流の情報は、制御部14に提供される。ここでは、電流センサ16はDC/DCコンバータ6の一要素にもなっている。中間コンデンサ9には電圧センサ17が並列接続されている。電圧センサ17は、中間コンデンサ9の両端電圧すなわち、DCバス8の電圧を検出する。検出された電圧の情報は、制御部14に提供される。
一方、交流側には、交流リアクトル12に流れる電流を検出する電流センサ18が設けられている。電流センサ18によって検出された電流の情報は、制御部14に提供される。また、交流側コンデンサ13と並列に、電圧センサ19が設けられている。電圧センサ19によって検出された電圧の情報は、制御部14に提供される。
制御部14は、例えばコンピュータを含み、ソフトウェア(コンピュータプログラム)をコンピュータが実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部14の記憶装置(図示せず。)に格納される。
商用電力系統4は、単相3線式であり、中性線であるO線を接地した状態で、U−O線間に+101V,W−O線間に−101V,U−W線間に202Vが印加されている。交流電路3は、最寄りの柱上変圧器からの距離による線路抵抗21,22,23を有している。また、需要家において半波整流で使用される負荷(以下、半波整流抵抗負荷という。)26が、例えばU−O線間に接続されているとする。半波整流抵抗負荷26は、抵抗24とダイオード25との直列体で表すことができる。
《電力変換装置の動作》
この電力変換装置1は、本出願人が既に提案している(例えば特許第5618022号、特許第6187587号、他多数の文献あり。)最小スイッチング変換方式で動作する。当該方式では、前提として、直流電源2からDC/DCコンバータ6に入力する直流電圧が、出力しようとする交流電圧のピーク値より低い。制御部14は、DC/DCコンバータ6がスイッチング動作を休止する期間と、インバータ10がスイッチングを休止して極性反転のみを行う期間とが交互に現れるよう制御する。すなわち、交流波形の半サイクルに着目すると、DC/DCコンバータ6が交流波形を作っている時期と、インバータ10が交流波形を作っている時期とがある。
また、上記の電力変換装置1は、双方向の使用が可能である。すなわち、直流電源2が蓄電池である場合には、放電により直流から交流への変換を行うことができる。また、商用電力系統4の電力により、交流から直流への変換を行って直流電源2を充電することができる。この場合、インバータ10が、整流及び交流リアクトル12と協働して必要な電圧まで昇圧を行う期間と、インバータ10は整流のみを行いDC/DCコンバータ6が充電に適した電圧まで降圧を行う期間とがある。
《系統電圧の考え方》
一方、系統電圧は、電圧センサ19による実際の検出値(サンプリング値)をそのまま用いるのではなく、検出値から求めた実効値に系統電圧と同期する正弦波を掛けて、歪のない基本波に補正した交流電圧vaxを用いている。すなわち、実際にサンプリングした所定数の系統電圧Vaの実効値を〈Vrms、位相をθとすると、交流電圧Vaxは、
ax=√2・〈Vrmssinθ
である。なお、この位相θには、電力変換装置1における系統電圧の検出の遅れ、及び、制御の遅れを補償した値を用いることが望ましい。
上記のVaxを用いるのは、高調波の歪を含む実際の系統電圧(検出値)vをそのまま用いると、DC/DCコンバータ6及びインバータ10の各電流目標値に歪が含まれ、結果として得られる出力電流の歪が大きくなるためである。直流成分を含まない系統電圧であれば、vの代わりにvaxを用いることによって、出力電流の歪を低減でき、出力電流の直流成分も発生しない。しかしながら、系統電圧に直流成分が含まれる場合には、vaxの算出過程で直流成分が取り除かれるため、制御目標値に、実際の系統電圧には含まれる直流成分が反映されない。この結果、本来あるべき制御目標値との乖離が生じ、出力電流に直流成分が発生するという知見に至った。
《波形の例示》
図1において、柱上変圧器(商用電力系統4)から電力変換装置1までの交流電路には線路抵抗21,22,23がある。これらの抵抗値をそれぞれ片道で1Ωとする。また、条件として、半波整流抵抗負荷26に含まれる抵抗24は7Ωの抵抗として、U−O線間100Vに接続した。半波整流抵抗負荷26のダイオード25を短絡したときには電流14.3A、電力消費約1430W、ダイオード25を経由したときには、それぞれ、値が半分となる。電源システム100の運転は5A、1kWで充電している場合を考えた。
図2及び図3は、制御上の系統電圧としてVaxを使用した場合の電圧・電流の波形図である。
図2は、ダイオード25を短絡したときの電圧(上)・電流(下)の波形図である。電圧波形は振幅の大きい方が柱上変圧器直下の系統電圧であり、振幅の小さい方が電力変換装置1との並列箇所すなわち電力変換装置1に接続した箇所での系統電圧である(以下同様。)。柱上変圧器直下の系統電圧の実効値202V、直流成分0Vに対して、並列箇所では実効値181V、直流成分は−2.3mVである。線路抵抗が大きいため電圧降下は大きいが、直流電流は流れないため直流成分は殆ど発生していない。このときの電源システム100の電流は実効値5.0A、直流成分は−1.2mAで、直流成分の上限値の±50mAと比べて十分に小さい。
図3は、ダイオード25を経由して抵抗負荷を接続したときの電圧(上)・電流(下)の波形図である。この場合、柱上変圧器直下の系統電圧の実効値202V、直流成分0Vに対して、並列箇所では実効値は187Vであり、直流成分−4.7Vが発生した。電源システム100の電流の直流成分は54mAとなり、上限値の50mAを超過した。
電流に直流成分が含まれることになるのは、制御目標値を計算するために用いる制御上の系統電圧に、基本波電圧のみを含むvaxを用いていることが原因である可能性がある。そこで、そのことを確認するために、実際に検出される系統電圧vをそのまま制御目標値の計算に用いた場合のシミュレーションを行った。図4は、この結果としての電圧(上)・電流(下)の波形図である。
図4では、柱上変圧器直下の系統電圧の実効値202V、直流成分0Vに対して、並列箇所では実効値は187Vであり、直流成分−4.8Vが発生した。電源システム100の電流の直流成分は実効値5.0Aで、直流成分は−0.5mAであった。電流には高調波が重畳されており、一見して歪が大きいことがわかるが、直流成分は僅か−0.5mAであり、上限値と比べて十分に小さくなった。
以上に示したシミュレーションの結果から、vaxを用いていることにより、電流に直流成分が発生していることが確認できた。
《新しい系統電圧の考え方》
半波整流抵抗負荷26を含む抵抗負荷による電圧降下をv(導通期間の実効値)とすると電源システム100の接続箇所の電圧は以下の式(1)で表すことができる。なお、以下において、数式として示す記号の書体は、数式以外の文書中の書体と異なるが、同じ文字は同じ物理量を示している。

・・・(1)
ここで、va0は、半波整流抵抗負荷26による電圧降下を除外した系統電圧、vは半波整流抵抗負荷26による電圧降下を含む系統電圧、vは半波整流抵抗負荷26による電圧降下(導通期間の実効値)である。
式(1)を交流1周期で積分して平均化すると以下の式(2)が得られる。

・・・(2)
そこで、前述の式(1)は、系統電圧の実際の検出値から計算で求めた〈Vrms、〈Vaveを用いる以下の式(3)に置き換えることができる。

・・・(3)
また、vの実効値?v?rmsは、0<θ<π、π<θ<2πの平均なので、以下の式(4)が得られる。

・・・(4)
式(3)及び式(4)より、以下の式(5)及び式(6)が得られる。
なお、?v?rmsは、半波整流抵抗負荷26による電圧降下を含む系統電圧検出値の実効値であり、?v?aveは、半波整流抵抗負荷26による電圧降下を含む系統電圧検出値の平均値(直流成分)である。

・・・(5)

・・・(6)
式(5)又は式(6)を使用することにより、高調波を含む実際の系統電圧vから、高調波成分を取り除きつつ、直流成分を含むvayを得ることができる。
式(6)の右辺第2項において、係数としてπ/2が乗じられていることで、実際の系統電圧vと、制御上の系統電圧vayとの偏差が最小になる。
図5は、制御上の系統電圧として上記vayを用いた場合の電圧(上)・電流(下)の波形図である。柱上変圧器直下の系統電圧の実効値202V、直流成分0Vに対して、並列箇所では実効値は187Vであり、直流成分−4.8Vが発生した。電源システム100の電流の直流成分は実効値5.0Aで、直流成分は5.3mAであった。
ayを用いた場合は、元のvaxを用いた場合と、直流成分を含め電圧は一致している。一方、電流に関しては、vaxを用いたときには54mAあった直流成分が、vayを用いたときには約10分の1の5.3mAと激減している。図4に示した、vaxをそのまま制御目標値の計算に用いた場合と比べると直流成分は大きいが、系統連系規程に定められた上限値50mAに対して十分に小さくなった。vを用いたときに見られた出力電流への高調波の重畳は発生しておらず、従って、vayを用いることで、直流成分と高調波の低減とを同時に実現できることがわかる。
図6は、電源システム100の運転状態を1kW充電又は1kW放電とし、半波整流抵抗負荷26の消費電力を約50Wから約2500Wの範囲で変化させたときの、並列箇所における系統電圧の直流成分と、電源システム100の出力電流(符号の正・負すなわち流出・流入の双方を含む。)の直流成分の関係を示すグラフである。柱上変圧器から電源システム100の並列箇所までの線路抵抗は前述のように片道1Ωである。
図6において、系統電圧の直流成分は、半波整流抵抗負荷26の消費電力が大きくなるに従って大きくなり、2500Wでは5%を超える。制御目標値の計算にvaxを用いたときには、出力電流の直流成分は1kW充電時に半波整流抵抗負荷26の消費電力が700Wで1%に達し、1kW放電時には100Wを少し超えたところで1%に達した。一方、制御目標値の計算に、直流成分が反映されたvayを用いたときには、1kW充電、1kW放電のいずれの場合にも、半波整流抵抗負荷26の消費電力が2500Wまで、出力電流の直流成分は±0.3%以内を維持した。
図7は、系統電圧の直流成分と、電源システム100の出力電流の総合歪率との関係を示すグラフである。ここで示す総合歪率は40次以上も含んでおり、系統連系規程の基準となる40次以下の総合歪率より厳しい条件である。制御目標値の計算にvaxを用いたときは、直流成分と同じく、系統電圧の直流成分が増えるに従って、総合歪率が大きくなる。しかしながら、vayを用いたときには系統電圧の直流成分が増えても総合歪率は僅かに変化する程度で、4.8%以下を維持した。
図6及び図7より、制御目標値の計算に制御上の系統電圧としてvayを用いることによって、電流の直流成分の抑制と、歪みの抑制とを実現できることがわかる。
《まとめ》
以上詳述したように、電力変換装置1において、商用電力系統の実際の系統電圧から抽出した実効値を有する基本波電圧に、系統電圧から抽出した直流成分に基づく補償電圧を加味した値を、制御上の系統電圧とすることによって、実際の系統電圧に含まれる高調波の影響を排除しつつ、実際の系統電圧に含まれる直流成分を制御上考慮に入れることができる。その結果、出力電流の直流成分を抑制することができる。従って、出力電流に直流成分が含まれることによる電力変換装置の保護停止を抑制することができる。
なお、基本波電圧と、補償電圧とは、位相が互いに同期していることが好ましい。この場合、位相によって変化する直流成分を制御上考慮に入れて、出力電流の直流成分を的確に抑制することができる。
また、制御部は、補償電圧に係数を乗じて、高調波を含む系統電圧と、制御上の系統電圧との偏差が最小となるように制御することができる。すなわち、高調波の影響を排除しつつも、適切な係数を与えて制御上の系統電圧の値を実際の系統電圧の値に近づけることにより偏差を最小にすることができる。
また、最小スイッチング変換方式の制御を行う電力変換装置にvayを適用することで、スイッチングの主役が交代することにより波形の歪みが生じやすい最小スイッチング変換方式においても、出力電流の直流成分を抑制することができる。
但し、最小スイッチング方式ではない伝統的な電力変換装置にもvayを適用することで、出力電流の直流成分を抑制することができる。伝統的な電力変換装置とは、DC/DCコンバータで交流電圧のピーク値以上の電圧をDCバスに出力し、これをインバータが交流波形に変換する。この場合、DC/DCコンバータ及びインバータは共に、常時、スイッチングを行っている。
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 電力変換装置
2 直流電源
3 交流電路
4 商用電力系統
5 直流側コンデンサ
6 DC/DCコンバータ
7 直流リアクトル
8 DCバス
9 中間コンデンサ
10 インバータ
11 フィルタ回路
12 交流リアクトル
13 交流側コンデンサ
14 制御部
15 電圧センサ
16 電流センサ
17 電圧センサ
18 電流センサ
19 電圧センサ
21,22,23 線路抵抗
24 抵抗
25 ダイオード
26 半波整流抵抗負荷
100 電源システム
d1〜d6 ダイオード
Q1〜Q6 スイッチング素子

Claims (7)

  1. 商用電力系統と系統連系する電力変換装置であって、
    直流/交流の電力変換を行う電力変換部と、
    前記電力変換部の制御を行う制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記商用電力系統の実際の系統電圧から抽出した実効値を有する基本波電圧に、前記系統電圧から抽出した直流成分に基づく補償電圧を加味した値を、制御上の系統電圧とする電力変換装置。
  2. 前記基本波電圧と、前記補償電圧とは、位相が互いに同期している請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記制御部は、高調波を含む前記系統電圧と、前記制御上の系統電圧との偏差が最小となるように前記補償電圧に係数を乗じる請求項1又は請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記電力変換部は、DC/DCコンバータと、インバータとを含んで構成され、
    前記制御部は、前記DC/DCコンバータがスイッチング動作を休止する期間と、前記インバータがスイッチングを休止して極性反転のみを行う期間とが交互に現れるよう制御する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  5. 前記制御上の系統電圧vayは、前記実際の系統電圧の実効値を〈vrms、平均値を〈vave、位相をθとしたとき、
    ay=√2・〈vrmssinθ+{(π〈vave)/2}|sinθ|
    である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 直流電源と、
    前記直流電源と商用電力系統との間に設けられ、前記商用電力系統と系統連系する電力変換装置と、を含む電源システムであって、
    前記電力変換装置は、
    直流/交流の電力変換を行う電力変換部と、
    前記電力変換部の制御を行う際に、前記商用電力系統の実際の系統電圧から抽出した実効値を有する基本波電圧に、前記系統電圧から抽出した直流成分に基づく補償電圧を加味した値を制御上の系統電圧とする制御部と、
    を備えている電源システム。
  7. 商用電力系統と系統連系し、電力変換部で直流/交流の電力変換を行う電力変換装置の制御方法であって、
    前記電力変換部の制御を行う際に、前記商用電力系統の実際の系統電圧から抽出した実効値を有する基本波電圧に、前記系統電圧から抽出した直流成分に基づく補償電圧を加味した値を制御上の系統電圧とする、電力変換装置の制御方法。
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