JP2019145416A - 電気部品及びその製造方法 - Google Patents

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Yoshiyuki Nishimura
宜幸 西村
千紗 福田
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千紗 福田
豊 水戸岡
Yutaka Mitooka
豊 水戸岡
公一 尾崎
Koichi Ozaki
公一 尾崎
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Abstract

【課題】コネクタ端子を摺動させたときの摩擦係数が低く、コネクタ端子の挿入力が低く抑えられた電気部品を提供する。【解決手段】接触面を有する第1端子と、該接触面と接触する接点を有する第2端子とを備え、前記接触面と前記接点とが摺動し接触することで第1端子と第2端子とが通電する電気部品であって;第1端子が、導電性金属からなる基材の上にSnを主成分とする表面めっき層を有し、前記基材が溝と凸条を有するとともに、該溝と凸条の表面に前記表面めっき層が形成されてなり、表面めっき層が形成された後の、溝の幅が10〜200μmであり、凸条の幅が20〜300μmであり、溝の深さが2〜50μmであることを特徴とする電気部品。【選択図】図5

Description

本発明は、接触面を有する第1端子と、該接触面と接触する接点を有する第2端子とを備える電気部品に関する。また、本発明はこの電気部品の製造方法に関する。
近年、自動車の安全性能や環境性能、快適性の向上のため自動車の電子化が進んでいる。自動車に搭載される電気部品の多様化に伴い車載用プリント配線板も増加しており、それらの接続に必要なコネクタ端子も増加している。
また、部品点数の削減も重要となっており、電気部品の機能統合も進んでいる。その結果、コネクタ端子1つ当たりの極数が増加しており、嵌合する際に必要な挿入力が増大している。そこで、コネクタ端子を嵌合させる際に必要な挿入力を低減させるために、様々な検討がなされている。
通常、コネクタ端子の材料には電気伝導性や熱伝導性に優れるCu合金が多く使われ、その表面にはSnめっきが施されている。例えば特許文献1には、打抜き加工した銅合金板条に後めっき及びリフロー処理して製造された嵌合型コネクタ用端子であり、端子嵌合部とはんだ付け部を有し、端子嵌合部において母材板面の表面粗さがはんだ付け部より大きく形成され、表面被覆層としてCu−Sn合金層及びSn層がこの順に形成され、かつ前記Sn層がリフロー処理により平滑化している嵌合型コネクタ用端子が記載されている。そして、特許文献1に記載の発明によれば、端子嵌合部において低摩擦係数を実現し、同時にはんだ付け部のはんだ付け性を改善することができるとされている。
上述したように、特に、自動車用電気部品においては、コネクタ端子表面の摩擦係数が低くコネクタ端子の挿入力が低く抑えられた電気部品が求められている。しかしながら、特許文献1に記載の嵌合型コネクタ用端子は、これらの要求を未だ満足するものではなかった。
特開2013−139640号公報
本発明は、コネクタ端子を摺動させたときの摩擦係数が低く、コネクタ端子の挿入力が低く抑えられた電気部品を提供することを目的とするものである。
上記課題は、接触面を有する第1端子と、該接触面と接触する接点を有する第2端子とを備え、前記接触面と前記接点とが摺動し接触することで第1端子と第2端子とが通電する電気部品であって;第1端子が、導電性金属からなる基材の上にSnを主成分とする表面めっき層を有し、前記基材が溝と凸条を有するとともに、該溝と凸条の表面に前記表面めっき層が形成されてなり、表面めっき層が形成された後の、溝の幅が10〜200μmであり、凸条の幅が20〜300μmであり、溝の深さが2〜50μmであることを特徴とする電気部品を提供することによって解決される。このとき、前記表面めっき層がリフロー処理されてなることが好ましい。第1端子における前記接触面が前記凸条の平坦面であり、当該平坦面と第2端子の接点とが接触することが好ましい。また、前記表面めっき層の厚みが0.01〜20μmであることも好ましい。
上記課題は、上記電気部品の製造方法であって;第1端子を製造するに際し、導電性金属からなる基材の表面の少なくとも一部の領域にレーザーを照射し、該基材の表面に溝を形成する第1工程と、Snイオンを含有するめっき浴中で表面めっき層を形成する第2工程とを備えることを特徴とする製造方法を提供することによっても解決される。このとき、第2工程の後に、リフロー処理を行う第3工程をさらに備えることが好ましい。
本発明の電気部品においては、コネクタ端子を摺動させたときの摩擦係数が低く、第1端子と第2端子を接触させたときの摺動性に優れている。したがって、コネクタ端子の挿入力が低く抑えられた電気部品を得ることができる。
角度を45°として、接触面と接点を摺動させた例を示した図である。 レーザーの照射方法の一例を示した図である。 めっき品断面の模式図である。 摩擦係数の測定方法を説明した図である。 実施例1及び比較例1における摺動試験の結果を示した図である。 凸条の幅を変えた場合における摺動試験の結果を示した図である。
本発明は、接触面を有する第1端子と、該接触面と接触する接点を有する第2端子とを備える電気部品に関する。本発明の電気部品は、前記接触面と前記接点とが摺動し接触することで第1端子と第2端子とが通電するものである。
第1端子における接触面の形状としては平面や曲面が挙げられ、中でも接触面が平面であることが好適である。このとき、当該接触面が凸条の平坦面であり、当該平坦面と第2端子の接点とが接触することが好適である。一方、第2端子の接点の形状は特に限定されないが、凸状の曲面であることが好ましく、球面などが好適なものとして採用される。第1端子と第2端子との接触形態としては、線接触、点接触、面接触などが挙げられる。
本発明においては、第1端子が、導電性金属からなる基材の上にSnを主成分とする表面めっき層を有する。本発明で用いられる基材は、導電性金属からなるものであれば特に限定されない。中でも、導電性能の観点から、銅又は銅を主成分とする合金が好適である。ここで、「主成分とする」とは50質量%以上含有するという意味である。基材の厚さは特に限定されないが、通常、0.01〜5mmである。
また本発明においては、上記基材の上にSnを主成分とする表面めっき層が形成される。ここで「主成分とする」とはSnを50質量%以上含有するという意味である。
表面めっき層の厚みは0.01〜20μmであることが好ましい。厚みが0.01μm未満であると、均質な表面めっき層が得られないおそれがある。厚みは、0.1μm以上であることがより好ましく、0.3μm以上であることがさらに好ましい。一方、厚みが20μmを超えると、摩擦係数が上昇するおそれがある。また、生産性が低下するおそれがある。厚みは、5μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることがさらに好ましい。
本発明においては、基材と表面めっき層との間に、中間めっき層がさらに形成されてなることが好ましい。中間めっき層としては、Niを主成分とする中間めっき層や、Cuを主成分とするめっき層、Agを主成分とする中間めっき層、Pdを主成分とする中間めっき層、Auを主成分とする中間めっき層、Inを主成分とするめっき層などが挙げられ、中でも、Niを主成分とする中間めっき層が好適である。ここで「主成分とする」とは、中間めっき層において、Ni、Cu、Ag、Pd、Au、Inのいずれかを50質量%以上含有するという意味である。
中間めっき層の厚みは特に限定されないが、0.01〜20μmであることが好ましい。厚みが0.01μm未満であると、均質な中間めっき層が得られないおそれがある。厚みは、0.1μm以上であることがより好ましく、0.3μm以上であることがさらに好ましい。一方、厚みが20μmを超えると、生産性が低下するおそれがある。厚みは、15μm以下であることがより好ましい。中間めっき層は単層であっても多層であってもかまわない。多層の場合、これらの層は同じ種類の層であってもよいし異なる種類の層であってもよい。また、多層の場合、上記厚みは単層の厚みのことをいう。
本発明においては、前記基材が溝と凸条を有するとともに、当該溝及び凸条の表面に前記表面めっき層が形成されてなる。当該溝及び凸条の形成方法は特に限定されず、予め基材に対して溝と凸条を形成してから当該基材の表面にめっき層を形成する方法が挙げられる。また、基材と表面めっき層との間に、中間めっき層が形成されてなる場合、基材に対して中間めっき層を形成した後に溝と凸条を形成し、それから表面にめっき層を形成する方法も挙げられる。
溝及び凸条の形成方法は特に限定されない。形成方法としては、レーザーにより溝及び凸条を形成する方法、プレス加工、切削加工、放電加工、フォトリソグラフィ法などが挙げられる。中でも、寸法精度の良い溝及び凸条を短時間で得ることができる観点から、レーザーにより溝と凸条とが形成されてなることが好ましい。
本発明において、凸条の幅が20〜300μmであることが重要である。凸条の幅がこの範囲から外れると、第1端子と第2端子の摺動性能が低下し、コネクタ端子の挿入力が低く抑えられた電気部品を得ることができない。ここで、凸条の幅とは、表面めっき層が形成された後における凸条の頂部における幅方向の長さのことをいう。凸条の幅は25μm以上であることが好ましく、30μm以上であることがより好ましい。一方、凸条の幅は200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、110μm以下であることがさらに好ましく、95μm以下であることが特に好ましい。
本発明において、溝の幅は10〜200μmである。溝の幅は15μm以上であることが好ましく、20μm以上であることがより好ましい。一方、溝の幅は150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、80μm以下であることがさらに好ましい。溝の幅とは、表面めっき層が形成された後の溝の幅のことをいう。
また本発明において、溝の深さは2〜50μmである。溝の深さは4μm以上であることが好ましく、6μm以上であることがより好ましい。一方、溝の深さは40μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。溝の深さとは、表面めっき層が形成された後の溝の深さのことをいう。
本発明の電気部品は、接触面を有する第1端子と、該接触面と接触する接点を有する第2端子とを備え、前記接触面と前記接点とが摺動し接触することで第1端子と第2端子とが通電するものである。そのため、前記接触面と前記接点が摺動する方向と前記溝の方向とがなす角を規定することができる。
ここで、前記接触面と前記接点が摺動する方向と前記溝の方向とがなす角(以下、単に角度と称す)について図面を用いて説明する。図1において、第1端子をめっき品とし、第2端子を圧子として説明する。図1は、角度を45°として、めっき品と圧子を摺動させた例を示した図である。
図1に示すように、めっき品を図面の左から右に向かって水平に移動させた場合、めっき品と圧子が摺動する方向は図1で示した矢印の方向(摺動方向)となる。このときめっき品を、摺動方向に対して時計回りに45°傾けて摺動させているので、摺動方向と溝の方向とがなす角度は45°である。したがって、めっき品を傾けずに図面の左から右に向かって水平に移動させた場合、角度は0°となり、めっき品を時計回りに90°傾けて図面の左から右に向かって水平に移動させた場合、角度は90°となる。
本発明において、上記角度は特に限定されない。第1端子と第2端子を摺動させたときの摩擦係数をより低減させる観点から、上記角度は、60°以下であることが好ましく、40°以下であることがより好ましく、20°以下であることがさらに好ましい。
本発明において、Snを主成分とする表面めっき層がリフロー処理されてなることが好ましい。表面めっき層がリフロー処理されてなることによりウィスカの発生を抑制させることができる。リフロー処理の方法は特に限定されないが、後述する処理法が好適である。
本発明の電気部品の製造方法は特に限定されないが、第1端子を製造するに際し、以下の第1及び第2工程を備える方法が好適である。
第1工程では、導電性金属からなる基材の表面の少なくとも一部の領域にレーザーを照射し、該基材の表面に溝を形成する。このとき用いられるレーザーは、基材の表面に溝を形成することができるレーザーであれば特に限定されないが、基材へのダメージを少なくすることができるとともに、寸法精度に優れた溝及び凸条を得ることができる観点から、パルスレーザーであることが好ましい。
パルスレーザーのパルス幅は、1×10−4秒以下であることが好ましく、1×10−7秒以下であることがより好ましく、1×10−9秒以下であることがさらに好ましく、1×10−10秒以下であることが特に好ましい。また、加工点での平均出力が0.01〜1000Wであることが好ましい。加工点での平均出力が0.01W未満の場合、基材の表面に溝及び凸条を形成することができないおそれがある。一方、加工点での平均出力が1000Wを超える場合、基材へのダメージが大きくなる。パルスレーザーの繰り返し周波数は特に限定されないが通常、1kHz〜1000MHzである。
レーザーの種類も特に限定されず、YAGレーザー、ファイバーレーザー、半導体レーザーなどの固体レーザー;炭酸ガスレーザー、エキシマレーザーなどの気体レーザーを用いることができる。パルスレーザーの波長は特に限定されず、用いる基材の種類などにより適宜設定することができ、通常は100〜12000nmである。パルス発振が容易である観点から、YAGレーザーが好ましく、ネオジムYAGレーザーがより好ましい。ネオジムYAGレーザーでは、基本波(第1高調波)と呼ばれる1064nmのレーザー光が発生する。波長変換装置を用いることにより、第2高調波と呼ばれる波長532nmのレーザー光、第3高調波と呼ばれる波長355nmのレーザー光、第4高調波と呼ばれる266nmのレーザー光を得ることができる。本発明の製造方法では上記第1〜4高調波を目的に応じて適宜選択できる。
第1工程においては、基材の表面の少なくとも一部の領域にレーザーを照射する。基材へのレーザーの照射方法は特に限定されないが、例えば図2に示す方法が挙げられる。図2はレーザーの照射方法の一例を示した図である。図2に示すように、基材の表面に照射エリアを設定する。そして、Sで示されているポイントからx方向(図2において右方向)に所定の走査速度でEまでレーザーを照射する。この操作は繰り返し行うことができ、繰り返しの回数を適宜調節することにより、溝の深さを調節することができる。
そして、y方向(図2において下方向)に所定間隔レーザーを移動させる。このときの移動距離をΔyとする。同様にSで示されているポイントからEまでレーザーを照射する。すなわち、図2に示したSからEまでレーザーを照射し、レーザーをΔy移動させて、SからEまでレーザーを照射する。この操作をn回繰り返す。この場合、移動距離Δyを調節することにより凸条の幅を調節することができる。
第2工程において、Snイオンを含有するめっき浴中で前記基材の表面に表面めっき層を形成する。基材を上記めっき浴に浸漬させるに際して、必要に応じて当該基材に対して脱脂処理を行う。そして、基材を上記めっき浴に浸漬させ、当該浴中でめっきを施し、Snを主成分とする表面めっき層を形成する。
このときのめっき方法は特に限定されず、公知のSn電気めっき浴を用いて電気めっきを施すことにより表面めっき層を形成することができる。電流密度やめっき時間は、表面めっき層が所望の膜厚となるように適宜設定される。表面めっき層は、無電解めっきによって形成されたものであってもかまわないし、無電解めっきと電気めっきとを併用することによって形成されたものであってもかまわない。溶融めっきにより表面めっき層を形成してもかまわない。このようにして、導電性金属からなる基材の上にSnを主成分とする表面めっき層を有する第1端子を得ることができる。
第2工程の後に、リフロー処理を行う第3工程をさらに備えることが好ましい。リフロー処理を行うことによりウィスカの発生を抑制することができる。ここで、リフロー処理とは、Snめっき層に対して熱を加えることによりSnを一旦溶融させ、その後固化させる処理のことをいう。
加熱温度は、Sn又はSn合金の融点以上の温度であることが好ましく、232℃以上であることがより好ましく、250℃以上であることがさらに好ましく、280℃以上であることが特に好ましい。加熱温度の上限は、通常、400℃程度である。また、加熱方法も特に限定されず、公知のリフロー炉を用いて加熱処理を行うことができる。リフロー炉を用いて加熱処理を行った場合、上記温度はピーク温度のことをいう。
加熱時間は、0.3秒以上であることが好ましく、1秒以上であることがより好ましく、5秒以上であることがさらに好ましい。加熱時間は、通常、120秒以下である。
本発明の製造方法において、第2工程の前に、中間めっき層を形成する工程を備えることが好ましい。このとき、Niイオン、Cuイオン、Agイオン、Pdイオン、Auイオン、Inイオンのいずれかを含有するめっき浴中で前記基材の表面に中間めっき層を形成することが好ましい。このときのめっき方法は特に限定されず、公知の電気めっき浴を用いて電気めっきを施すことにより中間めっき層を形成することができる。
公知の電気めっき浴としては、例えば、ワット浴、ウッド浴、スルファミン酸Ni浴、有機酸Ni浴、シアン化Cu浴、硫酸Cu浴、ピロリン酸Cu浴などを例示することができる。電流密度やめっき時間は、中間めっき層が所望の膜厚となるように適宜設定される。中間めっき層は、無電解めっきによって形成されたものであってもかまわないし、無電解めっきと電気めっきとを併用することによって形成されたものであってもかまわない。また、この工程は複数回行ってもよく、めっきの種類も同じであっても異なっていてもよい。
本発明の電気部品は、第1端子と第2端子とを摺動させたときの摩擦係数が低い。このような特性を活かして、電気自動車の充電コネクタ、車両のECU(Electronic Control Unit)用のコネクタなどに用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
[レーザー照射]
(基材)
基材として、縦60mm×横32mm×厚さ0.30mmのハルセル用陰極板銅(山本鍍金試験器製「B-60-P05」)を用いた。
(加工方法)
コヒレント・ジャパン株式会社製のパルス発振全固体レーザー「Talisker HE」を用いた。
波長:355nm
加工点での平均出力:0.8W
パルス幅:20ピコ秒
周波数:50kHz
走査速度:100mm/秒
1つのスポット痕:約30μm
図2に示す方法により、基材にパルスレーザーを照射した。具体的には、基材の表面に15mm×15mmの照射エリアを設定した。この照射エリアにおいて、Sで示されているポイントからx方向に照射エリアの右端(E)までパルスレーザーを照射した。そして、パルスレーザーを−y方向に移動させて、同様にSで示されているポイントからx方向に照射エリアの右端(E)までパルスレーザーを照射した。これらの操作を繰り返すことにより、上記照射エリア全体にパルスレーザーを照射した。
[めっき処理]
(前処理)
上記方法によってレーザー加工された基材を、50℃に加温した電解脱脂水溶液(ユケン工業株式会社製「パクナTHE−210」、濃度:50g/L)に浸漬させた。次いで、当該基材をカソードとして、陰極電流密度5A/dmで60秒間通電して脱脂処理を行った。脱脂処理された基材をイオン交換水で3回水洗した後、10vol%の硫酸水溶液に室温にて60秒間浸漬し酸洗浄した。引き続き、再度、3回水洗した。
(Niめっき層の形成)
前処理された基材を、50℃に保温したNiめっき液(組成は下記参照)に浸漬させた。次いで、空気撹拌を行いながら、陰極電流密度5A/dmで88秒間、電気Niめっき処理をして、単層めっき層が形成されためっき品を得た。次いで、このめっき品をイオン交換水で3回洗浄した。Niめっき層の厚みは約1.5μmであった。
・スルファミン酸ニッケル[Ni(NH2SO3)2・4H2O]:600g/L
・塩化ニッケル[NiCl2・6H2O]:35g/L
・ホウ酸[H3BO3]:35g/L
(Snめっき層の形成)
単層めっき層が形成されためっき品を、40℃に保温したSnめっき液(組成は下記参照)に浸漬させた。次いで、空気撹拌を行いながら、陰極電流密度5A/dmで24秒間、電気Snめっき処理をして、多層めっき層が形成されためっき品を得た。次いで、このめっき品をイオン交換水で3回洗浄した。Snめっき層の厚みは約1.0μmであった。
・石原ケミカル株式会社製の「PF-SN15」:330g/L
・石原ケミカル株式会社製の「PF-A」:100mL/L
・石原ケミカル株式会社製の「PF-098」:20mL/L
Snめっき層が形成されためっき品を、50℃に保温した変色防止剤(石原ケミカル株式会社製「501SN」:100mL/L)に30秒浸漬させた。次いで、このめっき品をイオン交換水で3回洗浄した後、80℃で20秒乾燥させた。
(リフロー処理)
多層めっき層が形成されためっき品を、リフロー炉に導入し、ピーク温度300℃で20秒間リフロー処理することによりリフロー処理されためっき品を得た。
ここで、めっき品断面の模式図を示す。図3において、aはレーザーを照射していない箇所の幅(凸条の幅)、bはレーザーを照射した箇所の幅(溝の幅)、cは溝の深さを示す。レーザー顕微鏡でa、b、及びcを測定したところ、aは50μm、bは30μm、及びcは8μmであった。
[摺動試験]
表面性測定機(新東科学株式会社製「トライボギアHEIDON-14DR」)を用い、摩擦係数を測定した。具体的には、図4に示すように、めっき品を測定機のステージ上に固定し、圧子にてめっき品の表面に荷重を与え、ステージを移動させながら、下記の条件で抵抗力を測定した。結果を図5及び表1に示す。
荷重:3N
ステージの移動速度:10mm/s
ステージの移動距離:12mm
圧子:基材のCuにNi/Snめっき処理を行った先端半径R=1mmの圧子
圧子とめっき品の接地幅:平均約120μm
摺動する方向と溝の方向とがなす角:0°
ここで、「摺動する方向と溝の方向とがなす角」とは、上記で図1を用いて説明したように、「前記接触面と前記接点が摺動する方向と前記溝の方向とがなす角」に相当する角度である。すなわち、摺動する方向と溝とがなす角が0°とは、ステージの移動方向が溝の方向に対して平行であることをいう。
比較例1
レーザー照射を行わなかった以外は実施例1と同様にしてめっき品を作製した。したがて、得られためっき品には溝と凸条は形成されていない。そして、このめっき品を用いて実施例1と同様にして摺動試験を行った。結果を図5及び表1に示す。なお、平均摩擦係数は、0.323μであった。
Figure 2019145416
実施例2〜12、比較例2〜5
凸条の幅(a)、溝の幅(b)、溝の深さ(c)を表2に示すように変更した以外は実施例1と同様にして摺動試験を行った。結果を図6及び表2に示す。
Figure 2019145416
実施例13〜21
摺動試験において、摺動方向(ステージの移動方向)と溝の方向とがなす角を表3に示すように変更した以外は実施例1と同様にして摺動試験を行った。結果を表3に示す。実施例1における平均摩擦係数も併せて表3に示す。
Figure 2019145416

Claims (6)

  1. 接触面を有する第1端子と、該接触面と接触する接点を有する第2端子とを備え、前記接触面と前記接点とが摺動し接触することで第1端子と第2端子とが通電する電気部品であって;
    第1端子が、導電性金属からなる基材の上にSnを主成分とする表面めっき層を有し、
    前記基材が溝と凸条を有するとともに、該溝と凸条の表面に前記表面めっき層が形成されてなり、
    表面めっき層が形成された後の、溝の幅が10〜200μmであり、凸条の幅が20〜300μmであり、溝の深さが2〜50μmであることを特徴とする電気部品。
  2. 前記表面めっき層がリフロー処理されてなる請求項1に記載の電気部品。
  3. 第1端子における前記接触面が前記凸条の平坦面であり、当該平坦面と第2端子の接点とが接触する請求項1又は2に記載の電気部品。
  4. 前記表面めっき層の厚みが0.01〜20μmである請求項1〜3のいずれかに記載の電気部品。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電気部品の製造方法であって;
    第1端子を製造するに際し、
    導電性金属からなる基材の表面の少なくとも一部の領域にレーザーを照射し、該基材の表面に溝を形成する第1工程と、
    Snイオンを含有するめっき浴中で表面めっき層を形成する第2工程とを備えることを特徴とする製造方法。
  6. 第2工程の後に、リフロー処理を行う第3工程をさらに備える請求項5に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000188028A (ja) * 1998-12-22 2000-07-04 Shibafu Engineering Kk 摺動接点装置及び接点材料
JP2009208106A (ja) * 2008-03-03 2009-09-17 Furukawa Electric Co Ltd:The コネクタ用めっき角線材料
JP2013168278A (ja) * 2012-02-15 2013-08-29 Yazaki Corp 端子接続構造

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