以下、図面を適宜参照して、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために、提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
<概要>
本実施の形態では、空港等の施設の利用者(ユーザ)に、ナビゲーションサービスを提供するシステム(以下「ナビゲーションシステム」と称することがある)について説明する。
例えば、一実施形態に係るナビゲーションシステムは、空港のユーザが移動体(例えば、モビリティ)を使用して旅客ターミナルを移動するケースにおいて、モビリティを利用した移動の円滑化に資するナビゲーションサービスをユーザに提供する。「旅客ターミナル」は、「国際線ターミナル」及び「国内線ターミナル」のいずれであってもよい。
「ナビゲーション」サービスは、モビリティを使用した未来の移動の計画(プラン)に関する情報をモビリティに提示するサービスの一例と捉えてもよい。このようなナビゲーションサービスを「モビリティナビ」と略称することがある。
「モビリティ」の非限定的な一例は、電動車椅子である。電動車椅子を利用するユーザの非限定的な一例は、身障者あるいは高齢者である。健常者に比べて移動能力が低い身障者及び高齢者といった空港利用者は、「passengers with reduced mobility(PRM)」と称されることがある。
例えば、ナビゲーションシステムは、PRMが旅客ターミナル内の移動に使用する電動車椅子を、PRMが指定する目的地へ案内又は誘導するサービスを提供する。旅客ターミナル内の目的地の非限定的な一例としては、搭乗ゲート、ラウンジ、レストラン、カフェ、トイレ、又は、お土産店等の店舗が挙げられる。
「モビリティ」は、電動車椅子に限られない。例えば、小型の電動車両(例えば、電動立ち乗り二輪車、電動カート、電動台車、又は、電動ベビーカートなど)が、モビリティに該当してもよい。別言すると、空港施設において利用が想定される移動体であれば、「モビリティ」に該当してよい。また、「モビリティ」を使用して移動するユーザ(以下、「モビリティユーザ」と略称することがある)は、PRMに限られない。健常者がモビリティユーザであってもよい。
モビリティは、例えば、その位置を認識して一定のエリア内を自律的に移動する自動運転モードを有する。自動運転モードが有効でない状態において、モビリティは、マニュアル操作モードにて、ユーザのマニュアル操作に従って移動(別言すると「運転」)が制御されてよい。
例えば、モビリティが自動運転モードによって自律移動している場合に、ユーザによるマニュアル操作入力が検知された場合、モビリティは、自動運転モードを解除し、マニュアル操作に基づいた移動制御を行ってよい。
モビリティの移動は、例えば、モビリティに搭載の操作部を通じて制御されてもよいし、モビリティユーザが所持する携帯電話(スマートフォンを含む)等の情報端末を通じて制御されてもよい。サーバコンピュータ(以下「サーバ」と略称する)からモビリティの移動が遠隔制御されてもよい。
なお、情報端末は、ユーザ機器(user equipment,UE)と称されてもよい。UEは、携帯電話に限られず、タブレット端末、ラップトップコンピュータ、PDA(personal digital assistance)、デジタル音楽プレイヤー、又は、電子書籍端末等であってもよい。
モビリティには、例えば、周囲の障害物等をセンシングするセンサが搭載されてよい。例えば、モビリティは、センサのセンシング結果に基づいて移動が制御されることで、自動で衝突を回避でき、また、自動で移動を停止できる。障害物には、物体と、人等の生体と、の一方又は双方が含まれてよい。なお、「センシング」は、例えば、「検出」、「検知」、又は、「測位」といった他の用語に読み替えられてもよい。
モビリティは、空港が所有し、所定の貸し出し手続によって、ユーザに貸し出されてもよいし、ユーザ個人の所有するモビリティであってもよい。空港所有のモビリティは、ユーザの利用終了に応じて、例えば、所定の回収(又は待機)位置へ自律的に移動する機能又はモードを有してもよい。このような機能又はモードは、「自動回収機能」又は「自動回収モード」と称されてよい。「自動回収機能」によって、例えば、空港スタッフの業務負担を軽減できる。
目的地等の情報のモビリティに対する入力は、モビリティユーザによるマニュアル入力でもよいし、情報の読み取りによる入力でもよい。例えば、UEで読み取られた情報が、通信によってモビリティに入力されてよい。
例えば、搭乗チケットに記載されたバーコード、あるいはQR(quick response)コード(登録商標)のような二次元コードをUEで読み取ることで、搭乗ゲートの情報を目的地としてモビリティに入力できる。旅客ターミナル内に設置された、フライト情報を表示するデジタルサイネージから、例えば搭乗ゲートの情報をUEで読み取って、モビリティに入力してもよい。
また、旅客ターミナル内に設置された、フロアマップ等のマップ情報及び/又は施設情報を表示するデジタルサイネージから、搭乗ゲート、ラウンジ、レストラン、カフェ、又は、店舗といった目的地の情報をUEで読み取って、モビリティに入力してもよい。
また、例えば、モビリティユーザのパスポート情報と、空港側システム(例えば、サーバ)が管理する情報(例えば、モビリティユーザの搭乗予定便の情報等)と、を連携させることで、モビリティユーザの搭乗予定便及び搭乗ゲートの情報が特定可能になる。
そのため、例えば、出国審査においてモビリティユーザが提示したパスポート情報を基に、モビリティユーザの搭乗ゲートの情報が、目的地の情報として空港側システムとモビリティとの通信によってモビリティに入力されてもよい。
モビリティユーザが、例えば、空港側システムの提供するアプリケーションを利用して航空便(フライト)を予約している場合には、その予約情報を基に特定される搭乗ゲートの情報が、目的地の情報として空港側システムからモビリティに入力されてもよい。
なお、「フライト情報」は、例えば、フライトの時刻(出発時刻、及び/又は、到着時刻)がスケジュールされた情報であり、「フライトスケジュール」と称されることもある。出発に関するフライト情報には、例えば、便名、行先、出発時刻、及び、搭乗ゲート等の情報が含まれてよい。
<空港施設の一例>
図1は、一実施形態に係る空港施設の一例である旅客ターミナル内のフロアマップ例を模式的に示す平面図である。図1には、非限定的な一例として、国際線ターミナルにおける出発ゲートフロアのマップが示されている。
図1において、G101〜G117のそれぞれは、搭乗ゲート(「出発ゲート」と称されてもよい)を表す。搭乗客は、例えば、搭乗手続(チェックイン)エリアにおいてチェックインした後、保安検査(セキュリティチェック)エリアにおいて保安検査を受ける。
保安検査をパスした搭乗客は、例えば、出国審査(例えば、パスポート審査)及び税関検査エリアに進み、出国審査及び税関検査を受ける。出国審査及び税関検査をパスした搭乗客は、搭乗予定のフライトが待機する搭乗ゲートG101〜117の何れかへ通路に沿って移動する。
モビリティは、例えば、出国審査及び税関検査をパスした搭乗客によって利用が開始されてよい。搭乗客がモビリティを利用したまま、例えば、保安検査を受けることが許容される場合には、保安検査エリア(例えば、セキュリティゲート)よりも前のエリアから、モビリティの利用が開始されてもよい。
図1において、ゲートG101〜117の何れかに通じる通路の幅方向両サイドの一方又は双方には、ハッチングを付して示すように、例えば、ラウンジ、レストラン、カフェ、トイレ、又は、店舗といった施設が適宜に配置される。通路には、例えば、休憩用の椅子その他の設備(以下「設置物」と称することがある)が配置されてもよい。通路への設備配置によって、通路幅に広狭が生じ得る。
ここで、例えば、現在時刻が搭乗ゲートG109から出発するフライトの出発時刻に近づくにつれて、当該フライトに搭乗予定の搭乗客が、搭乗ゲートG109の周辺エリアに多く集まると、搭乗ゲートG109の周辺エリアの混雑度が高まる。
図1において、搭乗ゲートG109の周辺エリアの通路には設置物が存在しているため、通路幅が狭小化している。そのため、例えば、搭乗ゲートG106へ移動するPRMのモビリティが、搭乗ゲートG109の周辺エリアの混雑(以下「混雑エリア」と称することがある)に巻き込まれた場合、徒歩移動する搭乗客に比べて、混雑を通り抜けるのに時間がかかる可能性がある。
例えば、モビリティのサイズ(例えば、幅)によっては、モビリティが混雑エリアを通り抜けるのに多くの時間がかかるか、あるいは、混雑が解消するまで混雑エリアをモビリティでは通り抜けられないことがある。そのため、モビリティユーザが、搭乗ゲートG106から搭乗予定のフライトの出発時刻に間に合わなくなる可能性がある。
そこで、本実施形態では、例えば、フライト情報と、フライトに関連付けられた場所(例えば、搭乗ゲート)に関する情報と、を基に、空港の搭乗ゲート周辺に生じ得る未来の混雑及び時間帯を推定する。また、その推定結果を用いたナビゲーションサービスをモビリティユーザに提供する。
「推定」は、「予測」又は「推測」に読み替えられてもよい。「旅客ターミナル」は、空港施設において、歩行者が徒歩で移動でき、また、モビリティユーザがモビリティを使用して移動できるエリアの一例である。
「フライト情報」は、空港施設において未来に発生するイベント(例えば、フライト)がスケジュールされたスケジュール情報の一例である。「搭乗ゲート」は、空港内施設の一例であって、スケジュールされたイベント(フライト)に関連付けられた「場所」の一例である。イベントに関連付けられた「場所」は、混雑度に関してイベントによる影響を受ける場所の一例であり、便宜的に、「イベント影響エリア」又は「フライト影響エリア」と称されてもよい。
ナビゲーションサービスには、例えば、搭乗ゲート周辺に生じ得る未来の混雑及び時間帯の推定結果、及び/又は、推定結果に基づく情報を、モビリティユーザに提示することが含まれてよい。
また、ナビゲーションサービスには、推定結果に基づいて、モビリティユーザが現在位置から混雑を避けて搭乗ゲートへ到着可能な、経路の探索、及び/又は、経路の移動に伴う時間に関する情報(時刻又は期間)の算出が含まれてよい。また、ナビゲーションサービスには、例えば、探索した経路、及び/又は、算出した時間に関する情報をモビリティユーザに提示することが含まれてよい。
情報をモビリティユーザに「提示」することは、例えば、モビリティユーザが視認する表示部(ディスプレイ)に情報を表示することであってよい。ディスプレイは、モビリティのディスプレイでもよいし、モビリティユーザが所持するUEのディスプレイでもよい。モビリティにプリンタが備えられている場合、プリンタによって情報を印刷することが、情報の「提示」に該当してもよい。
また、ナビゲーションサービスには、探索した経路の周辺に位置する空港内施設(例えば、ラウンジ、レストラン、カフェ、トイレ、又は、小売店舗等)に関する情報をモビリティユーザに提示することが含まれてもよい。
空港内施設に関する情報には、例えば、空港内施設の広告情報、及び/又は、空港内施設の利用者に対する特典情報が含まれてもよいし関連付けられてもよい。特典情報とは、例えば、クーポン券又は割引券といった、空港内施設の利用者に付与される特典に関する情報である。広告情報及び特典情報は、例えば、「施設への来訪を誘引する情報」と総称されてもよい。
<システム構成例>
以下、上述したようなナビゲーションサービス(モビリティナビ)を提供するナビゲーションシステムの一例について説明する。なお、以下の説明において、旅客ターミナルは、空港施設の一例であり、旅客ターミナル内に配置された、搭乗ゲート、ラウンジ、レストラン、カフェ、トイレ、又は、お土産店等の店舗は、空港内施設の一例である。
図2は、一実施形態に係るナビゲーションシステムの構成例を示す図である。図2に示すナビゲーションシステム1は、例えば、管理サーバ11と、1台以上のモビリティ(M)13と、を備える。モビリティ13のそれぞれは、例えば、無線通信機能を有し、管理サーバ11と通信することが可能である。
モビリティ13のそれぞれと、管理サーバ11と、の間の通信は、例示的に、アクセスポイント(AP)15を介して行われてよい。また、モビリティ13のそれぞれと、管理サーバ11と、の間の通信は、例示的に、インターネット及び/又はローカルエリアネットワーク(LAN)等を含むネットワーク(NW)17を介して行われてよい。
図2においては、ネットワーク17に、管理サーバ11と、1台以上のAP15と、が、例えば有線ケーブルによって接続された例が示されている。有線ケーブルには、LANケーブルが用いられてもよいし、光ファイバケーブルが用いられてもよい。
モビリティ13のそれぞれは、例えば、何れかのAP15に無線接続することによってネットワーク17経由で管理サーバ11と通信する。AP15は、例えば、IEEE802.11のような無線LAN関連規格に準拠した通信を行うAPであってもよいし、LTE、LTE−advanced、又は、次世代(例えば、5G)以降の移動通信規格に準拠した通信を行う基地局であってもよい。
モビリティ13は、AP15が形成する無線サービスエリア内に位置する場合に、AP15と無線接続して無線通信することが可能である。
モビリティ13のそれぞれと、管理サーバ11と、の間の通信は、双方向(bi-directional)の通信であってよい。モビリティ13及びAP15は、例えば、旅客ターミナル内に備えられる。管理サーバ11は、例えば、旅客ターミナル内に備えられてもよいし、旅客ターミナル外に備えられてもよい。管理サーバ11は、既述の空港側システムのエレメントの一例である。
なお、図2に示すように、ナビゲーションシステム1には、決済サーバ19が備えられてもよい。決済サーバ19は、例えば、レストラン、カフェ、又はお土産店といった空港内施設に関する広告情報及び/又は特典情報が、モビリティ13のナビゲーションサービスにおいて、モビリティユーザに提示された場合の課金(又は決済)処理を行う。
なお、図2において、管理サーバ11と決済サーバ19とは個別に図示されているが、双方の機能が1つのサーバに集約されてもよい。また、管理サーバ11及び決済サーバ19の一方又は双方は、ナビゲーションシステム1において複数台備えられてもよい。複数の管理サーバ11によって管理処理が分散して行われてよい。同様に、複数の決済サーバ19によって決済処理が分散して行われてよい。また、管理処理及び決済処理の一方又は双方は、管理サーバ11及び決済サーバ19の区別無しに、複数のサーバによって分散処理によって実現されてもよい。
以下、モビリティ13、及び、管理サーバ11の構成例について、項目別に説明する。
<モビリティの構成例>
図3は、一実施形態に係るモビリティ13の機能的な構成の一例を示すブロック図であり、図4は、一実施形態に係るモビリティ13のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
(モビリティの機能構成例)
図3に示すように、モビリティ13は、例示的に、操作部131、入力部132、表示部(ディスプレイ)133、通信部134、センサ135、記憶部136、駆動ユニット137、バッテリ138、及び、制御部139を備えてよい。
操作部131は、例えば、モビリティユーザによって操作され、その操作に応じた信号(以下「操作信号」と略称することがある)を制御部139に入力する。例えば、前進、後進、方向転換、及び、移動速度の増減の少なくとも1つをモビリティに指示するためのユーザ操作に応じた操作信号が制御部139に入力されてよい。操作信号に応じた駆動制御信号が、例えば制御部139から駆動ユニット137に与えられることで、ユーザ操作に応じてモビリティ13の挙動(別言すると、運転状態)が制御される。
入力部132は、例えば、情報の入力を受け付ける。例えば、旅客ターミナル内の目的地を指定する情報が、入力部132によって受け付けられて制御部139に入力される。
表示部133は、例えば、情報を表示する。表示部133に表示される情報は、例えば、記憶部136に記憶された情報でもよいし、制御部139によって生成された情報でもよい。例えば、モビリティナビに関連した情報が表示部133に表示されてよい。
例えば、モビリティユーザに目的地などの情報入力を促す入力画面が制御部139によって生成されて表示部133に表示されてよい。また、例えば、モビリティナビに関連して、旅客ターミナルのマップ情報、旅客ターミナルに設置された施設情報、及び/又は、施設情報に関連した広告情報等が表示部133に表示されてよい。
また、例えば、フライトによって混雑が予想される搭乗ゲート周辺のエリア(以下「混雑予想エリア」と称することがある)及びその時間帯を示す情報が、表示部133に表示されてよい。また、例えば、混雑予想エリア及びその時間帯を避けた移動経路及び現在位置からの移動開始時刻(出発時刻)を示す情報が、表示部133に表示されてよい。
混雑が予想される時間帯は、例えば、フライトの出発時刻よりも前の時刻からフライトの出発時刻までの時間帯である。ただし、フライトの出発時刻よりも後の時刻が、混雑の予想される時間帯に含まれてもよい。例えば、フライトの出発時刻を過ぎた後、混雑が徐々に緩和して解消すると想定される時刻までの時間帯が、混雑の予想される時間帯にマージンとして含まれてもよい。
なお、入力部132と表示部133とは、個別のデバイスによって構成されてもよいし、例えば、タッチパネルディスプレイのように、情報の入力と出力(表示)とを並行して行えるデバイスに一体化されてもよい。
通信部134は、例えば、管理サーバ11と、AP15及びネットワーク17を介して通信する。そのため、通信部134は、例えば、情報の送信部及び受信部(図示省略)を備えてよい。通信部134による管理サーバ11との通信は、例えば、制御部139によって制御されてよい。
例えば、通信部134は、モビリティナビに関連した情報を管理サーバ11と送受信する。また、通信部134は、例えば、UEと通信することによって、既述のようにUEで読み取られた情報を受信して制御部139に入力してもよい。UEで読み取られた情報には、既述のように、デジタルサイネージから読み取られた情報が含まれてよい。なお、UEをモビリティ13に取り付けるためのUEホルダ(図示省略)がモビリティ13に備えられていてもよい。
また、通信部134は、例えば、デジタルサイネージのLED(light emitting diode)光を受光するLED受光器(図示省略)を備えてもよい。LED受光器を備えることで、例えば、通信部134は、UEを介さずに、デジタルサイネージからLED光の点滅によって示される情報を読み取ることができる。
なお、通信部134は、例えば、モビリティ13の位置推定(又は位置検出)に用いられる無線信号(例えば、ビーコン信号のような発信信号)を周囲に送信(例えば、ブロードキャスト)する回路、及び/又は、そのような無線信号を受信する回路を備えてもよい。例えば、モビリティ13の送信した無線信号を受信した1つ又は複数のAP15の位置情報を基に、モビリティ13の位置を推定できる。
したがって、例えば、無線信号を受信したAP15が、ネットワーク17経由で管理サーバ11へ無線信号の受信を通知することで、管理サーバ11においてモビリティ13の位置を推定できる。
また、例えば、空港施設内に設置された1つ又は複数の無線機器(AP15でもよいしAP15とは異なる無線機器でもよい)から無線信号をモビリティ13が受信することによって、当該モビリティ13の位置を当該モビリティ13において推定(又は検出)することも可能である。なお、モビリティ13及び/又は管理サーバ11は、GPS(global positioning system)の電波(無線信号)を用いて、モビリティ13の位置を推定(又は検出)してもよい。
センサ135は、例えば、モビリティ13の周囲をセンシングする。センシングによって、例えば、モビリティ13の周囲に存在するの障害物等を検知できる。センシング結果(以下「センサ情報」と称することがある)に基づいて例えば制御部139が駆動ユニット137を制御することで、モビリティ13の自動衝突回避機能(又はモード)、及び/又は、自動停止機能(又はモード)が実現される。
記憶部136は、モビリティナビに関連した情報を記憶する。例えば、空港施設(例えば、旅客ターミナル)のマップ情報、フライト情報、フライトの予約状況を示す情報、モビリティ13の属性情報、及び/又は、空港内施設に関する情報が、記憶部136に記憶されてよい。なお、モビリティ13の属性情報を「モビリティ属性情報」と略称することがある。また、フライトの予約状況を示す情報を「フライト予約情報」と略称することがある。
空港内施設に関する情報は、例えば、空港内施設を案内、紹介、又は広告する情報であってよい。空港内施設に関する情報には、図10にて後述するように、空港施設を幾つかのエリアに区分した場合のエリアのそれぞれに含まれる、通路、通路幅、及び/又は、空港内施設に関する情報が含まれてもよいし、関連付けられていてもよい。以下、空港内施設に関する情報を「施設関連情報」あるいは「エリア/施設関連情報」と表記することがある。
なお、フライト情報、フライト予約情報、及び、モビリティ属性情報については、管理サーバ11の構成例に関する説明と併せて、それぞれ、図6〜図8にて後述する。
駆動ユニット137は、例えば、モータ及び車輪を含む、モビリティ13の駆動機構を有する。操作部131を通じて入力された操作信号に応じた駆動制御信号が制御部139から駆動ユニット137に与えられることによって、モビリティ13の運転状態が制御される。
例えば、駆動制御信号に応じて、モータの回転方向、回転数、及び/又は、車輪の向きが制御されることによって、モビリティ13の前進、後進、方向転換、及び/又は、移動速度の増減が行われる。なお、駆動ユニット137は、モビリティ13を浮上させて移動させる機構を有していてもよい。
バッテリ138は、例えば、図3に例示した構成要素(エレメント)131〜137及び139のそれぞれが動作するための電力を供給する。バッテリ138には、非限定的な一例として、リチウムイオンバッテリのような充電式のバッテリ(二次電池とも呼ばれる)が適用されてよい。
制御部139は、例えば、上述したエレメント131〜138それぞれの動作を制御してモビリティ13の全体的な動作を制御する。モビリティナビに着目した場合、制御部139は、例示的に、経路探索部1391、現在位置検出部1392、及び、所要時間推定部1393を備えてよい。
また、制御部139は、例えば、施設関連情報管理部1394、通信制御部1395、表示制御部1396、駆動制御部1397、及び、アラート処理部1398を備えてよい。施設関連情報管理部1394、及び/又は、アラート処理部1398は、オプションであってもよい。
経路探索部1391は、例えば、モビリティ13の現在位置から目的地までの1つ以上の経路を旅客ターミナルのマップ情報において探索する。なお、経路探索部1391によって探索された経路を「探索経路」と略称することがある。
モビリティ13の現在位置は、例えば、現在位置検出部1292において検出される。目的地は、例えば、入力部132を通じて入力(又は、指定)されてよい。旅客ターミナルのマップ情報は、例えば、記憶部136に記憶されている。
現在位置検出部1392は、例えば、通信部134を用いた通信によって、モビリティ13の現在位置を検出する。例えば、通信部134において1つ以上のAP15及び/又は無線機器から受信される電波の受信強度を基に、モビリティ13の現在位置が検出(「推定」と称してもよい)されてよい。
あるいは、通信部134において受信されるGPSの電波を用いて、モビリティ13の現在位置が検出されてもよい。また、AP15又はその他の無線機器から受信される無線信号(例えば、ビーコン信号)、及び、GPSの電波を相互補完的に用いることで、モビリティ13の現在位置が検出されてもよい。
なお、モビリティ13の現在位置は、モビリティ13の通信部134から送信された、ビーコン信号のような位置推定用の無線信号を基に、例えば、管理サーバ11において推定又は検出されてもよい。
所要時間推定部1393は、例えば、モビリティ13の属性情報(例えば、移動速度及びサイズ)を基に、モビリティ13が現在位置から目的地へ経路探索部1391において探索された経路を移動する場合にかかる時間を算出して推定する。
所要時間の推定は、例示的に、混雑予想エリア及びその時間帯を示す情報に基づいて行われてよい。混雑予想エリア及びその時間帯は、例示的に、管理サーバ11において推定されて、通信部134を介した通信によって管理サーバ11から取得されてよい。
所要時間推定部1393は、例えば、モビリティ13が、混雑予想エリア及びその時間帯を避けて移動できる、現在位置からの出発時刻を算出する。
施設関連情報管理部1394は、例えば、搭乗ゲート、ラウンジ、レストラン、カフェ、トイレ、又は、店舗等の空港内施設に関する情報(以下、便宜的に「施設関連情報」と称することがある)を記憶部136において管理する。施設関連情報には、例示的に、空港内施設の広告情報及び/又は特典情報が含まれてもよいし、関連付けられていてもよい。
通信制御部1395は、例えば、通信部134を介した、モビリティ13と外部機器(例えば、AP15、及び/又は、管理サーバ11)との通信を制御する。
表示制御部1396は、例えば、表示部133に表示させる情報に応じた表示制御信号を表示部133に与えることによって、表示部133の表示状態を制御する。
駆動制御部1397は、例えば、マニュアルモードにおいて、操作部131を通じて入力された操作信号に応じた駆動制御信号を生成して駆動ユニット137に与える。これにより、駆動ユニット137の駆動状態が制御されて、モビリティ13の運転状態が制御される。
また、駆動制御部1397は、自動運転モードにおいて、例えば、経路探索部1391、現在位置検出部1392、及び、センサ135と連携して、経路探索部1391による探索経路を自律移動するための駆動制御信号を生成して駆動ユニット137に与える。
例えば、駆動制御部1397は、現在位置検出部1392にて検出された現在位置の情報と、指定された目的地の情報と、記憶部136のマップ情報と、を基に、現在位置から目的地へ探索経路を自律移動するための駆動制御信号を生成する。
駆動制御信号は、例えば、センサ135によるセンサ情報に基づいて、生成又は補正されてよい。例えば、モビリティ13の移動途中における経路からの「ずれ」が、センサ情報に基づいて補正されてよい。
例えば、センサ135によって測位された、通路における壁との距離を示す情報、壁以外の周囲環境を示す3次元情報、及び/又は、モビリティ13の車輪の回転量を示す情報を用いたデッドレコニング(dead reckoning)に基づいて、モビリティ13の移動方向が補正されてよい。
デッドレコニングは、相対的自己位置推定法とも称される。モビリティ13に複数の車輪が備えられる場合、車輪の回転量が独立に制御されることで、モビリティの移動方向を変えることができる。したがって、個々の車輪の回転量に基づいてモビリティ13の移動方向を推定できる。モビリティ13の周囲環境を示す3次元情報は、例えば、モビリティ13に搭載されたカメラ(図示省略)によって取得されてよい。
また、センサ情報が障害物の検知を示す場合に、モビリティ13の移動速度を低下させる駆動制御信号、あるいはモビリティ13の移動を停止させる駆動制御信号が生成されてよい。
なお、自動運転モードには、複数の運転モードが選択可能に設定されてもよい。例えば、家族のような複数人のそれぞれがモビリティ13を利用して集団で移動する場合の運転モードと、単独でモビリティ13を利用して移動する場合の運転モードと、が、自動運転モードに設定されてよい。運転モード毎に、例えば、モビリティ13の移動速度の設定が異なってよい。
運転モードの設定又は選択は、例えば、操作部131を通じて行われてよい。設定又は選択された運転モードの情報(以下「運転モード設定情報」と称することがある)は、例えば、制御部139を通じて記憶部136に記憶される。駆動制御部1397は、記憶部136の運転モード設定情報を参照することで、運転モードに応じた駆動制御信号を生成する。
アラート処理部1398は、例えば、所要時間推定部1393の推定又は算出の結果によると、モビリティ13の目的地(例えば、搭乗ゲート)への到着に時間的な余裕が無く遅れが生じると判断される場合に、アラート情報を生成する。
アラート情報は、例えば、通信部134を介して管理サーバ11へ送信されてよい。管理サーバ11は、アラート情報を受信した場合、例えば、空港スタッフに搭乗ゲートへの到着に遅れが生じるモビリティ13の存在を知らせて迅速な対応を促すことができる。
アラート情報に、例えば、モビリティ13の現在位置を示す情報を含めることで、目的地への到着に遅れが生じているモビリティ13の発見が容易になる。また、アラート情報に、例えば、モビリティ13が目的地に向かって移動中であることを示す情報、及び/又は、所要時間推定部1393によって推定された、目的地への到着予定時刻が含められてもよい。
モビリティ13が目的地に向かって移動中であることを示す情報を、アラート情報に含めることで、例えば、モビリティユーザの現状を空港スタッフに知らせることができる。また、目的地への到着予定時刻は、混雑予想エリア及びその時間帯を考慮して推定された時刻であるため、到着予定時刻をアラート情報に含めた場合、例えば、空港スタッフに、モビリティユーザが搭乗ゲートに到着する予定時刻を、ある程度、正確に伝達できる。
また、場合によっては、管理サーバ11は、アラート情報を送信したモビリティ13の運転状態を、例えばネットワーク17経由の通信によって遠隔制御することで、モビリティ13の目的地への移動をサポートしてもよい。
また、アラート処理部1398は、アラート情報の管理サーバ11への送信に代えて、あるいは、追加して、モビリティ13の周囲にアラート状態であることを知らせる信号を、モビリティ13に搭載の報知器(図示省略)に出力してもよい。報知器は、音及び光の一方又は双方によって、アラート状態を周囲に知らせる機器であってよい。
アラート状態の周囲への報知によって、例えば、目的地への移動に遅れが生じているモビリティ13の発見が容易になるほか、周囲の人々による移動のサポートが期待できる。例えば、モビリティ13がスムーズに移動できるように移動を誘導するといった積極的なサポートが期待でき、また、モビリティ13が混雑した通路を通り抜けられるように道を譲るといった消極的なサポートも期待できる。
なお、アラート処理部1398は、例えば、モビリティ13の故障等の異常状態が検知された場合、及び/又は、空港側システムへ緊急事態を通報するための操作が操作部131を通じて行われた場合においても、アラート情報を管理サーバ11宛に送信してよい。これにより、例えば、空港スタッフは、異常の生じたモビリティ13の迅速な交換対応、及び/又は、緊急事態に対する迅速な対応が可能になる。
以上のようなアラート処理は、モビリティユーザ(例えば、PRM)に、モビリティ13による空港施設利用の安心感を与えることができるため、空港施設の信頼性を向上でき、ひいては、空港施設のイメージアップに資する。
(モビリティのハードウェア構成例)
図4に示すように、モビリティ13は、ハードウェア構成に着目した場合、例えば、プロセッサ1001、入力装置1002、出力装置1003、メモリ1004、及び、ストレージ1005を備えてよい。また、モビリティ13は、通信インタフェース(IF)1006、センサ1007、駆動ユニット1008、及び、電源回路1009を備えてよい。これらのエレメント1001〜1009は、例えば、バス1010によって接続されてよい。
プロセッサ1001は、モビリティ13の動作を制御する。プロセッサ1001は、演算能力を備えた回路又はデバイスの一例である。プロセッサ1001には、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、及び、GPU(graphics processing unit)の少なくとも1つが用いられてよい。
入力装置1002は、例えば、図3に示した操作部131及び入力部132を含んでよい。入力装置1002は、モビリティ13に対する情報の入力に用いられるデバイス、例えば、操作ボタン、及び、マイクロフォンの少なくとも1つを含んでよい。入力装置1002を通じて、プロセッサ1001に情報が入力されてよい。
出力装置1003は、例えば、図3に示した表示部133を含んでよい。例えば、出力装置1003は、表示部133に相当するディスプレイ(又は、モニタ)、プリンタ、及び、スピーカの少なくも1つを含んでよい。ディスプレイは、例示的に、タッチパネル式のディスプレイであってもよい。タッチパネル式のディスプレイは、入力装置1002及び出力装置1003の双方に該当すると捉えてよい。
メモリ1004は、例えば、プロセッサ1001によって実行されるプログラム、及び、プログラムの実行に応じて処理されるデータ又は情報を記憶する。メモリ1004には、RAM(random access memory)及びROM(read only memory)が含まれてよい。RAMは、プロセッサ1001のワークメモリに用いられてよい。「プログラム」は、「ソフトウェア」あるいは「アプリケーション」と称されてもよい。
ストレージ1005は、プロセッサ1001によって実行されるプログラム、及び、プログラムの実行に応じて処理されるデータ又は情報を記憶する。ストレージ1005に、既述のフライト情報、及び、マップ情報等のモビリティナビに関連した情報が記憶されてよい。なお、モビリティナビに関連した情報は、予めストレージ1005に記憶されてもよいし、例えば、管理サーバ11から提供されてストレージ1005に記憶されてもよい。
ストレージ1005は、ハードディスクドライブ(HDD)、又は、ソリッドステートドライブ(SSD)といった半導体ドライブ装置を含んでよい。半導体ドライブ装置の追加で又は代替で、フラッシュメモリのような不揮発性メモリが、ストレージ1005に含まれてもよい。
メモリ1004及びストレージ1005が、図3の記憶部136に該当すると捉えてよい。
プログラムには、既述のようなモビリティナビを具現するプログラム(以下「モビリティナビプログラム」と略称することがある)が含まれてよい。モビリティナビプログラムを成すプログラムコードの全部又は一部は、メモリ1004及び/又はストレージ1005に記憶されてもよいし、オペレーティングシステム(OS)の一部に組み込まれてよい。
プログラム及び/又はデータは、プロセッサ1001による読み取りが可能な記録媒体に記録された形態で提供されてよい。記録媒体の一例としては、フレキシブルディスク、CD−ROM,CD−R,CD−RW,MO,DVD、ブルーレイディスク、ポータブルハードディスク等が上げられる。また、USB(universal serial bus)メモリ等の半導体メモリも記録媒体の一例である。
また、プログラム及び/又は情報は、例えば、アプリケーションサーバ(不図示)からネットワーク17を介してモビリティ13に提供(ダウンロード)されてもよい。例えば、通信IF1006を通じてプログラム及び/又は情報がモビリティ13に提供されて、メモリ1004及び/又はストレージ1005に記憶されてよい。また、プログラム及び/又はデータは、入力装置1002を通じてモビリティ13に提供されて、メモリ1004及び/又はストレージ1005に記憶されてもよい。
通信IF1006は、例えば、図3の通信部134に該当し、AP15、及び/又は、ネットワーク17と通信するためのインタフェースである。通信IF1006は、例えば、AP15との無線通信のための無線インタフェースを備える。また、通信IF1006は、ネットワーク17との有線通信のための有線インタフェースを備えてもよい。
プロセッサ1001が、例えば、記憶部136に記憶されたモビリティナビプログラムを読み出して実行することにより、モビリティ13は、既述のようなモビリティナビをサポートする装置の一例として機能する。
例えば、プロセッサ1001がモビリティナビプログラムを実行することによって、図3に例示した制御部139及び制御部139の各エレメント1391〜1398が具現される。
センサ1007及び駆動ユニット1008は、それぞれ、例えば図3に示したセンサ135及び駆動ユニット137に該当する。
電源回路1009は、例えば図3に示したバッテリ138に該当し得る。電源回路1009は、例えば、図4に示した各エレメント1001〜1008が動作するための電力を各エレメント1001〜1008のそれぞれに供給する。
<管理サーバの構成例>
次に、管理サーバ11の構成例について説明する。図5は、一実施形態に係る管理サーバ11の機能的な構成の一例を示すブロック図であり、図11は、一実施形態に係る管理サーバ11のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、図6〜図9は、管理サーバ11において記憶及び管理される情報形式の一例を示す図である。
(管理サーバの機能構成例)
図5に示すように、管理サーバ11は、入力部112、表示部113、通信部114、記憶部116、及び、制御部119を備えてよい。
入力部112は、例えば、情報の入力を受け付ける。例えば、管理サーバ11のオペレータによる入力情報が、入力部112によって受け付けられて制御部119に入力される。
表示部113は、例えば、情報を表示する。表示部113に表示される情報は、例えば、記憶部116に記憶された情報でもよいし、制御部119によって生成された情報でもよい。例えば、モビリティナビに関連した情報が表示部113に表示されてよい。
例えば、モビリティナビに関連して、旅客ターミナルのマップ情報、旅客ターミナルに設置された施設情報、及び/又は、施設情報に関連した広告情報等が表示部113に表示されてよい。
また、例えば、モビリティ13の現在位置から目的地に至る経路において混雑が予想されるエリア(例えば、搭乗ゲート周辺のエリア)及びその時間帯を示す情報が表示部113に表示されてよい。
なお、入力部112と表示部113とは、個別のデバイスによって構成されてもよいし、例えば、タッチパネルディスプレイのように、情報の入力と出力(表示)とを並行して行えるデバイスに一体化されてもよい。
通信部114は、例えば、モビリティ13及び決済サーバ19の一方又は双方と、AP15、及び/又は、ネットワーク17を介して通信する。そのため、通信部114は、例えば、情報の送信部及び受信部(図示省略)を備えてよい。モビリティ13及び決済サーバ19の一方又は双方との通信は、例えば、制御部119によって制御されてよい。
例えば、通信部114は、モビリティナビに関連した情報をモビリティ13と送受信する。また、通信部114は、例えば、モビリティナビに関連してモビリティユーザに広告情報が提供された場合に、広告主に対する課金処理に関連した情報を決済サーバ19と送受信する。
制御部119は、例えば、上述したエレメント112、113、114、及び、116それぞれの動作を制御して管理サーバ11の全体的な動作を制御する。モビリティナビに着目した場合、制御部119は、例示的に、モビリティ管理部1191、混雑状況推定部1192、アラート処理部1193、遠隔制御部1194、通信制御部1195、表示制御部1196、及び、課金(決済)処理部1197を備えてよい。アラート処理部1193、遠隔制御部1194、及び/又は、課金処理部1197は、オプションであってもよい。
モビリティ管理部1191は、例えば、旅客ターミナルにおいて利用される1台以上のモビリティ13を管理する。モビリティ13を管理することには、例えば、モビリティ13のID(モビリティID)と関連付けて、モビリティ13の現在位置、運転状態、属性、及び、移動履歴(移動ログ)の何れか1つ以上の情報を管理することが含まれてよい。情報を管理することには、例えば、記憶部116に対するアクセス、及び/又は、情報の更新が含まれてよい。
モビリティ13の属性情報には、例示的に、モビリティ13の機種、最高速度、及び、サイズの情報が含まれてよい。モビリティ13の現在位置及び運転状態を示す情報は、例えば、通信部114を介したモビリティ13との通信によって取得されてよい。モビリティ13の現在位置を示す情報は、例えば、GPSを用いて取得されてもよい。
混雑状況推定部1192は、例えば、フライト情報と、フライトに関連付けられた場所(例えば、搭乗ゲート)に関する情報と、に基づいて、混雑予想エリア及びその時間帯を推定する。
フライト情報及び搭乗ゲート情報に加えて、例えば、モビリティ13の現在位置及び目的地の情報を用いることで、混雑状況推定部1192は、例えば、モビリティ13が現在位置から目的地へ移動する経路における混雑予想エリア及びその時間帯を推定してもよい。
空港施設においては、フライトという未来のイベントがスケジュールされたフライト情報に基づいて、搭乗客のそれぞれが目的の搭乗ゲートへ移動する。そのため、フライト情報と搭乗ゲート情報と、を用いることで、個々の搭乗ゲート周辺において混雑が予想されるエリア及びその時間帯を、ある程度の精度で推定できる。
したがって、フライトの予約人数(又は、チェックイン手続きが完了した人数)、及び、モビリティ属性情報の一方又は双方は、混雑予想エリア及びその時間帯の推定に用いられなくてもよい。なお、チェックイン手続きが完了した人数を「チェックイン人数」と略称することがある。
フライトの予約人数(又は、チェックイン人数)、及び、モビリティ属性情報の一方又は双方を、フライト情報及び搭乗ゲート情報と併用した場合には、混雑予想エリア及びその時間帯の推定精度を高めることができる。
アラート処理部1193は、例えば、モビリティ13が管理サーバ11宛に送信したアラート情報を、通信部114を通じて受信した場合に、アラート処理を行う。アラート処理には、例えば、受信したアラート情報を表示部112に表示する処理が含まれてよい。アラート情報の表示部112への表示によって、例えば、空港スタッフに搭乗ゲートへの到着に遅れが生じるモビリティ13の存在を知らせて対応を促すことができる。
遠隔制御部1194は、例えば、アラート処理部1193においてアラート情報が受信された場合に、アラート情報の送信元モビリティ13の運転状態を、例えばネットワーク17経由の通信によって遠隔制御する。モビリティ13の遠隔制御によって、モビリティ13の目的地への移動をサポートできる。
通信制御部1195は、例えば、通信部114を介した、管理サーバ11と外部機器(例えば、モビリティ13、及び/又は、決済サーバ19)との通信を制御する。
表示制御部1196は、例えば、表示部113に表示させる情報に応じた表示制御信号を表示部113に与えることによって、表示部113の表示状態を制御する。
課金(決済)処理部1197は、例えば、モビリティナビにおいて、レストラン、カフェ、又はお土産店といった空港内施設に関する広告情報が、モビリティユーザに提示された場合の広告料金の課金(又は決済)処理を行う。
例えば、モビリティ13が、モビリティナビによる目的地への移動経路において、広告情報の提示された施設が位置するエリアに進入した場合に、広告情報の広告主が予め指定した決済方法によって課金処理を行う。
モビリティ13が特定のエリアに進入したか否かは、例えば、モビリティ13から、管理サーバ11を経由して、あるいは、管理サーバ11を経由せずに、決済サーバ19に通知されてよい。
記憶部116は、例えば、モビリティナビに関連した情報を記憶する。非限定的な一例として、フライト情報1161、フライト予約情報1162、モビリティ属性情報1163、及び、モビリティ位置情報1164、空港施設のマップ情報1165、及び、エリア/施設関連情報1166が、記憶部116に記憶されてよい。
(情報形式の一例)
フライト情報1161の一例を図6に示す。図6には、「出発」のフライト情報1161が例示されている。フライト情報1161は、例えば、複数のフライトに関するスケジュール情報であり、例えば、空港施設内の電子掲示板等に表示されてよい。
図6に示すように、フライト情報1161には、例えば、フライトの便名、行先、定刻の出発時刻、出発時刻の変更(欠航の有無が示されてもよい)、チェックイン手続きの場所、搭乗ゲート、及び、搭乗手続きの状況等の情報が含まれてもよいし、あるいは、関連付けられていてもよい。
なお、搭乗ゲートの情報は、フライト情報1161において発生がスケジュールされたイベントの一例である「フライト」に関連付けられた、イベントの発生場所を示す情報の一例である。
図7は、フライト予約情報1162の一例を示す図である。フライト予約情報1162は、例えば、出発便毎の予約状況(例えば、予約人数)を示す情報である。フライト予約情報1162には、非限定的な一例として、出発便毎の予約人数と、チェックイン手続きが完了した人数(以下「チェックイン人数」と称することがある)と、が含まれてもよいし、あるいは関連付けられていてもよい。
図8は、モビリティ属性情報1163の一例を示す図である。モビリティ属性情報1163は、例えば、モビリティ13の移動速度、運転モード、及び、モビリティ13のサイズといった、モビリティ13の属性を示す情報である。
非限定的な一例として、モビリティ属性情報1163には、モビリティ13の識別情報(ID)毎に、機種、サポートする最高速度、及び、サイズ(L×W×H)を示す情報が含まれてもよいし、あるいは関連付けられていてもよい。なお、図8に例示したように、モビリティ13の移動履歴を示す情報(例えば、移動ログ)が、モビリティ属性情報1163に含まれてもよいし、関連付けられていてもよい。
モビリティ13の移動速度は、例えば、健常者の通常の歩行速度と同程度の速度であってよい。例えば、モビリティ13は、時速0km〜6kmの可変速度レンジで移動が可能である。モビリティ13の最高速度は、例えば、時速4km〜6kmのレンジであってよい。
なお、最高速度が時速6km以下で移動するモビリティ13は、日本の道路交通法において歩行者と扱われる(又は、分類される)。空港施設のような屋内での移動の安全面を考慮した場合、モビリティ13の移動速度は、最高速度よりも低い速度(例えば、時速4km程度)に設定されてよい。
モビリティ13の既述の運転モードを示す情報が、モビリティ属性情報1163に含まれてもよいし、あるいは関連付けられていてもよい。運転モードの相違によって、モビリティ13の移動速度も異なり得る。なお、複数の運転モードが用意されていないモビリティ13については、モビリティ属性情報1163に、運転モードを示す情報は含まれなくてよい。
モビリティ13のサイズを示す情報(以下「サイズ情報」と略称することがある)には、例えば、長さ(L)、幅(W)、及び/又は、高さ(H)を示す情報が含まれてよい。モビリティ13のサイズは、例えば、空港施設の通路をスムーズに移動又は通過できるか否かに影響し得る。例えば、モビリティ13の幅は、モビリティ13の長さ(L)及び高さ(H)に比べて、スムーズな通路移動の可否に影響し易いと云える。
したがって、モビリティ13の移動速度、運転モード、及び/又は、サイズに関する情報は、モビリティ13が空港施設内の通路を移動して現在位置から目的地に到着するまでにかかる時間の推定に影響する情報の一例である。
例えば、モビリティ13の移動速度、及び/又は、運転モードが異なれば、推定される時間も異なり得る。モビリティ13のサイズが異なれば、例えば、通路幅との関係で移動のし易さが異なるため、推定される時間も異なり得る。
なお、モビリティ13の移動ログは、例えば、管理サーバ11において、モビリティ13が送信したビーコン信号、及び/又は、GPSを用いて周期的に推定又は検出したモビリティ13の現在位置を時系列に記録することで管理されてよい。
モビリティ位置情報1164は、モビリティ13が送信したビーコン信号、及び/又は、GPSを用いて推定又は検出された、モビリティ13の現在位置を示す情報であり、例えば、上述のモビリティ管理部1191によって管理される。
図9は、エリア/施設関連情報1166の一例を示す図である。エリア/施設関連情報1166には、非限定的な一例として、図10にて後述するように空港施設を複数のエリアに区分した場合の「エリア(ID)」毎に、「通路(ID)」、「通路幅」、「施設」に関する情報が含まれてもよいし、あるいは関連付けられていてもよい。
また、エリア/施設関連情報1166には、「施設」(例えば、ラウンジ、レストラン、カフェ、お土産店等の店舗)に関して、施設利用者に対する「広告」及び/又は「特典」に関する情報が含まれてもよいし関連付けられていてもよい。
また、「広告」及び/又は「特典」に関して、課金先に関する情報(以下「課金先情報」と称することがある)が、エリア/施設関連情報1166に含まれてもよいし、あるいは関連付けられていてもよい。課金先情報は、例えば、広告主等が指定する決済方法(指定の銀行口座からの引き落とし、あるいは、クレジットカード決済等)を示す情報である。
例えば、モビリティナビにおいて「広告」及び/又は「特典」を提示されたモビリティユーザが、該当施設を利用したと判断(又は推定)してよい場合に、管理サーバ11(例えば、課金処理部1197)は、決済サーバ19に対して課金処理を実行する。
モビリティユーザが該当施設を利用したと判断(又は推定)してよい場合の一例としては、モビリティ位置情報1164とエリア/施設関連情報1166とを基に、モビリティ13が該当施設のエリアに進入したか否かを判断することが挙げられる。
次に、図10に、空港施設(例えば、出発ターミナル)におけるエリア区分の一例を示す。図10には、出発ターミナルのフロアマップ(平面図)の一部が模式的に示されており、例えば、エリアA#1、エリアB#1、エリアB#2、及び、エリアC#が例示されている。
また、エリアA#1の通路脇には、例えば、ラウンジA、カフェB、及び、お土産店Cが配置されている。エリアB#1の通路脇には、例えば、トイレ(WC)D及び案内カウンターEが配置されている。エリアB#2の通路脇には、例えば、喫煙ルームFが配置されている。
また、エリアA#1、設置物a#1が配置され、エリアB#1には、設置物b#11及びb#12が配置され、エリアB#2には、設置物b#2が配置され、エリアC#1には、設置物c#1が配置されている。設置物a#1によって、エリアA#1の通路は、2つの通路(ID)aa#11及びaa#12に分割されている。
同様に、設置物b#11及びb#12によって、エリアB#1の通路は、2つの通路(ID)bb#11及びbb#12に分割されている。設置物b#2によって、エリアB#2の通路は、2つの通路(ID)bb#21及びbb#22に分割されている。
したがって、例えば図9に示したように、ラウンジAは、エリアIDが「A#1」であるエリアの、通路(ID)が「aa#11」である通路脇に位置することを特定(又は識別)できる。
その他の施設(カフェB、お土産店C、トイレD、案内カウンターE、及び、喫煙ルームF)についても、同様に、エリアIDと通路IDとの組み合わせによって、その位置を特定(又は識別)可能である。
なお、空港施設におけるエリア区分は、図10の例に限定されない。例えば、施設が配置されたフロアの形状、及び/又は、施設の単位面積あたりの配置数(別言すると、配置密度)等に応じて、エリア区分の方法は変更されてよい。例えば、施設の配置密度が高いエリアは、配置密度の低いエリアよりも区分するエリアのサイズを小さくしてもよい。また、施設単位でエリアが区分されてもよい。
区分するエリアのサイズを小さくするほど、きめ細かなモビリティナビを実現できるが、管理及び/又は処理する情報量が増えるため、両者はトレードオフの関係にある。区分するサイズは、このようなトレードオフを考慮して最適化されてよい。
また、エリア区分は、エリアを区分する境界線を示す情報を用いて管理されてもよい。例えば図9に示したエリア/施設関連情報において、図10に点線で示した境界線を示す情報によってエリアID、通路ID、及び/又は、通路幅に相当する情報が管理されてもよい。
(管理サーバのハードウェア構成例)
図11に示すように、管理サーバ11は、例示的に、ハードウェア構成に着目した場合、例えば、プロセッサ2001、入力装置2002、出力装置2003、メモリ2004、及び、ストレージ2005を備えてよい。また、管理サーバ11は、通信IF2006、及び、電源回路2009を備えてよい。これらのエレメント2001〜2006及び2009は、例えば、バス2010によって接続されてよい。
プロセッサ2001は、管理サーバ11の動作を制御する。プロセッサ2001は、演算能力を備えた回路又はデバイスの一例である。プロセッサ2001には、例えば、CPU、MPU、及び、GPUの少なくとも1つが用いられてよい。
入力装置2002は、例えば、図5に示した入力部112を含んでよい。入力装置2002は、管理サーバ11に対する情報の入力に用いられるデバイス、例えば、操作ボタン、キーボード、マウス、及び、マイクロフォンの少なくとも1つを含んでよい。入力装置2002を通じて、プロセッサ2001に情報が入力されてよい。
出力装置2003は、例えば、図5に示した表示部113を含んでよい。例えば、出力装置2003は、表示部113に相当するディスプレイ(又は、モニタ)、プリンタ、及び、スピーカの少なくも1つを含んでよい。ディスプレイは、例示的に、タッチパネル式のディスプレイであってもよい。タッチパネル式のディスプレイは、入力装置2002及び出力装置2003の双方に該当すると捉えてよい。
メモリ2004は、例えば、プロセッサ2001によって実行されるプログラム、及び、プログラムの実行に応じて処理されるデータ又は情報を記憶する。メモリ2004には、RAM及びROMが含まれてよい。RAMは、プロセッサ2001のワークメモリに用いられてよい。
ストレージ2005は、プロセッサ2001によって実行されるプログラム、及び、プログラムの実行に応じて処理されるデータ又は情報を記憶する。ストレージ2005に、図5に例示した情報1161〜1166の少なくとも1つが記憶されてよい。
ストレージ2005は、ハードディスクドライブ(HDD)、又は、ソリッドステートドライブ(SSD)といった半導体ドライブ装置を含んでよい。半導体ドライブ装置の追加で又は代替で、フラッシュメモリのような不揮発性メモリが、ストレージ2005に含まれてもよい。
メモリ2004及びストレージ2005が、図5の記憶部116に該当すると捉えてよい。
プログラムには、モビリティナビプログラムが含まれてよい。モビリティナビプログラムを成すプログラムコードの全部又は一部は、メモリ2004及び/又はストレージ2005に記憶されてもよいし、オペレーティングシステム(OS)の一部に組み込まれてよい。
プログラム及び/又はデータは、プロセッサ2001による読み取りが可能な記録媒体に記録された形態で提供されてよい。記録媒体の一例としては、フレキシブルディスク、CD−ROM,CD−R,CD−RW,MO,DVD、ブルーレイディスク、ポータブルハードディスク等が上げられる。また、USBメモリ等の半導体メモリも記録媒体の一例である。
また、プログラム及び/又は情報は、例えば、アプリケーションサーバ(不図示)からネットワーク17を介して管理サーバ11に提供(ダウンロード)されてもよい。例えば、通信IF2006を通じてプログラム及び/又は情報が管理サーバ11に提供されて、メモリ2004及び/又はストレージ2005に記憶されてよい。また、プログラム及び/又はデータは、入力装置2002を通じて管理サーバ11に提供されて、メモリ2004及び/又はストレージ2005に記憶されてもよい。
通信IF2006は、例えば、図5の通信部114に該当し、AP15、ネットワーク17、及び/又は、決済サーバ19と通信するためのインタフェースである。通信IF2006は、例えば、ネットワーク17、及び/又は、決済サーバ19との有線通信のための有線インタフェースを備えてもよい。
プロセッサ2001が、例えば、記憶部116に記憶されたモビリティナビプログラムを読み出して実行することにより、管理サーバ11を既述のようなモビリティナビをサポートする装置の一例として機能する。
例えば、プロセッサ2001がモビリティナビプログラムを実行することによって、図5に例示した制御部119及び制御部119の各エレメント1191〜1197が具現される。
電源回路2009は、例えば図11に示した各エレメント2001〜2006が動作するための電力を各エレメント2001〜2006のそれぞれに供給する。
なお、決済サーバ19のハードウェア構成例は、図11に例示した管理サーバ11のハードウェア構成例と同等でよい。決済サーバ19は、例えば、管理サーバ11との通信によって取得される、課金先及び決済方法に関する情報を基に決済処理を行う機能部を有する。
<動作例>
以下、上述したナビゲーションシステム1の動作例について、図12〜図20を参照して説明する。
(モビリティの動作例)
図12は、一実施形態に係るモビリティ13の動作の一例を示すフローチャートである。図12に示すフローチャートは、例えば、図3の制御部139(図4のプロセッサ1001)において実行されてよい。
図12に例示するように、モビリティ13は、入力部133又は通信部134を通じて制御部139に、モビリティ13の目的地(例えば、搭乗ゲート等の空港内施設)を示す情報の入力を受け付ける(S11)。なお、モビリティ13の現在位置を示す情報が、例えば、入力部133又は通信部134を通じて、制御部139において受け付けられてもよい。受け付けた情報は、通信部134を通じて、管理サーバ11宛に送信されてよい。
なお、目的地を示す情報の入力は、例えば、表示部133の表示画面に表示されたマップにおいてモビリティユーザが目的地に該当する箇所を選択することによって行われてよい。
目的地を示す情報を受け付けた場合、制御部139は、現在位置検出部1392によって、モビリティ13の現在位置を検出(又は推定)する(S12)。なお、処理S11と処理S12との順序は、相互に入れ替えられてもよいし、並行して実行されてもよい。
その後、制御部139は、例えば経路探索部1391によって、モビリティ13の現在位置から目的地までの経路(例えば、最短経路)を、記憶部136に記憶されたマップ情報1165に基づいて、探索する(S13)。
マップ情報1165は、例えば、通信部134において、管理サーバ11からネットワーク17及び/又はAP15を通じて受信された情報でもよいし、デジタルサイネージのLED光によって受信された情報でもよい。
経路探索によって経路が探索されると、経路探索部1391は、例えば、探索された経路が経由する(別言すると、通過する)エリア(以下、便宜的に「通過エリア」と略称することがある)を1つ以上抽出する(S14)。なお、「通過エリア」は、例えば、既述のように空港施設のマップ情報を複数のエリアに区分した場合の、区分されたエリアの1つに該当する。
経路探索部1391によって1つ以上の通過エリアが抽出されると、制御部139は、例えば所要時間推定部1393において、通過エリア毎にモビリティ13の到着予定時刻を、モビリティ属性情報1163における速度情報に基づいて、算出する(S15)。
通過エリア毎の到着予定時刻が算出されると、所要時間推定部1393は、例えば、何れかの通過エリア及び到着予定時刻が、混雑予想エリア及びその時間帯と重なるか否かを判定する(S16)。
混雑予想エリア及びその時間帯の情報は、例えば、管理サーバ11において推定されて管理サーバ11から受信される。例えば図14にて後述するように、管理サーバ11は、処理S11においてモビリティ13が送信した目的地の情報を受信することによって、混雑予想エリア及びその時間帯を推定し、推定結果をモビリティ13宛に送信する。
S16での判定の結果、混雑予想エリア及びその時間帯に重なる通過エリアが存在する場合(S16においてYES)、所要時間推定部1393は、例えば、S15において算出されたエリア毎の到着予定時刻を補正する(S17)。
例えば、所要時間推定部1393は、エリア毎の到着予定時刻を、混雑が予想される時間帯と重ならない時刻(別言すると、混雑が予想される時間帯を避けた時刻)に補正する。この時刻補正は、例示的に、1つの通過エリアについての時刻補正と連動して他の通過エリアについても同等の時刻補正がなされるシフト補正であってよい。
なお、時刻補正は、混雑が予想される時間帯よりも前の時間帯への補正でもよいし、混雑が予想される時間帯よりも後の時間帯への補正でもよい。便宜的に、前者を「前倒し補正」と称し、後者を「後倒し補正」と称することがある。
「前倒し補正」の一例を図13に示す。図13に示すグラフの縦軸は、モビリティ13の現在位置からの距離(又は場所)を表し、図13に示すグラフの横軸は、時刻を表す。
縦軸には、例示的に、搭乗ゲートG106、カフェ、搭乗ゲートG107、及び、搭乗ゲートG108の順番に、現在位置からの距離が長くなることが示されている。
また、横軸には、搭乗ゲートG107のフライト#1、搭乗ゲートG108のフライト#2、及び、搭乗ゲートG106のフライト#3の順番に出発時刻が到来することが示されている。
図13の例では、フライト#1の出発時刻が近づくにつれて搭乗ゲートG107付近の混雑が増し、フライト#3の出発時刻が近づくにつれて搭乗ゲートG106付近の混雑が増すことが、ハッチングを付した領域によって示されている。
フライト#1の出発時刻が過ぎると、搭乗ゲートG107付近に生じていた混雑は解消又は緩和される。同様に、フライト#3の出発時刻が過ぎると、搭乗ゲートG106付近に生じていた混雑は解消又は緩和される。
ここで、モビリティユーザの搭乗予定のフライトが、搭乗ゲートG108のフライト#2である場合の「前倒し補正」について説明する。図13において、一点鎖線で示した矢印AT2は、モビリティユーザが、移動経路において目的地である搭乗ゲートG108まで混雑に巻き込まれずにスムーズに移動できる場合の移動を表す。
例えば、一点鎖線矢印AT2に示すように、モビリティ13は、現在位置を時刻T2において搭乗ゲートG108に向けて出発し、或る平均速度で搭乗ゲートG108まで移動する。移動経路において混雑に巻き込まれることが無ければ、モビリティ13は、一点鎖線矢印AT2で示す移動によって、搭乗ゲートG108へフライト#2の出発時刻までに間に合う。
しかし、図13の例では、フライト#1の出発時刻が近づくにつれて混雑度が増す搭乗ゲートG107付近の混雑予想エリアに、一点鎖線矢印AT2で示す移動が重なる。そのため、モビリティ13は混雑予想エリアをスムーズに移動できない可能性がある。搭乗ゲートG107付近の混雑予想エリアに、一点鎖線矢印AT2で示す移動が重なることは、図12の処理S16において「YES」と判定される例である。
モビリティ13が混雑予想エリアに遭遇した場合、モビリティ13の平均移動速度が低下するため、例えば図13において点線矢印AT2aに示すように、搭乗ゲートG108への到着がフライト#2の出発時刻に間に合わなくなる可能性がある。
そこで、図12の処理S17において、例えば図13において実線矢印AT1で示すように、モビリティ13の現在位置からの出発時刻を、時刻T2よりも早く、かつ、フライト#2の出発時刻に間に合う時刻T1にシフトする(別言すると、早める)。このように出発時刻を早める補正は、「前倒し補正」と称されてよい。なお、実線矢印AT1で表した移動は、一点鎖線矢印AT2で表した移動に対して平均移動速度は変わらないものと扱っている。
「前倒し補正」によって、モビリティ13は、搭乗ゲートG107の付近に発生すると予想される混雑に巻き込まれずに、目的地である搭乗ゲートG108までの移動経路をスムーズに移動できる。したがって、モビリティユーザが、搭乗予定のフライト#2の出発時刻までに搭乗ゲートG108へ到着できる確実性を高めることができる。
なお、図13には、「前倒し補正」の例を示したが、フライト#2の出発時刻に間に合う時刻であれば、現在位置からの出発時刻の補正は、時刻T2よりも後の時刻に遅らせる「後倒し補正」であってもよい。
また、図13において、出発時刻T1に、モビリティユーザが、搭乗ゲートG108に向かって移動を開始したと仮定した場合、点線矢印AT1aに示すように、経路の移動途中に位置するカフェに立ち寄ってもフライト#2の出発時刻に間に合うことがある。
したがって、モビリティユーザは、経路の移動途中にカフェに立ち寄って時間を潰すことができる。現在位置からの出発時刻の補正は、このように、モビリティユーザが経路の移動途中に立ち寄り可能な空港内施設の情報を加味して行われてもよい。
なお、図13に例示したグラフがモビリティ13の表示部133(又は、モビリティユーザが所持するUEの表示部)に表示されてもよい。図13に例示したグラフは、例えば、処理S15及び/又は処理S16によって得られる。
図13に例示したグラフがモビリティ13の表示部133(又はUEの表示部)に表示されることは、上述したフライト情報を用いた混雑及び時間帯の推定結果がモビリティ13に提示されることの非限定的な一例である。
このようなグラフ表示によって、例えば、現在位置を目的地(例えば、搭乗ゲート)に向けて出発すべき時刻、経路の移動途中に立ち寄れそうな空港内施設、及び/又は、搭乗予定のフライト時刻までの余裕時間(別言すると、待ち時間)等の視認性を向上できる。
したがって、例えば、モビリティユーザがフライト時刻までの待ち時間に採り得る未来の行動の選択肢(別言すると、行動パターン又は行動様式の候補)を広げることができる。なお、推定結果の表示態様は、図13のようなグラフ表示に限られず、例えば、表(テーブル)を用いた表示態様でもよいし、その他の表示態様であってもよい。
上述のような時刻補正(図12のS17)の後、所要時間推定部1393は、例えば図12に示すように、通過エリアそれぞれの補正後の到着予定時刻を基に、モビリティ13が現在位置から目的地へ移動するのにかかる時間を算出する(S18)。モビリティ13が現在位置から目的地へ移動するのにかかる時間は、便宜的に「移動所要時間」と略称されてよい。
なお、通過エリア毎の到着予定時刻が、混雑の予想される時間帯と重ならない場合(S16;NO)、所要時間推定部1393は、S17の処理をスキップしてよい。すなわち、所要時間推定部1393は、通過エリアそれぞれの到着予定時刻の補正は行わずに、移動所要時間の算出(S18)を実行してよい。
所要時間推定部1393によって移動所要時間が算出されると、制御部139は、例えば表示制御部1396によって、算出された移動所要時間に応じた情報を表示部133に表示させる(S19)。
表示部133に表示される「移動所要時間に応じた情報」は、例えば、算出された移動所要時間を示す情報そのものでもよいし、移動所要時間を基に算出された、モビリティ13が現在位置を出発すべき時刻(別言すると、「移動開始時刻」)を示す情報でもよい。例えば図13に示した時刻T1は、「移動開始時刻」に相当する。
また、モビリティ13が現在時刻において目的地に向かって直ちに移動を開始した場合の、目的地への到着予定時刻を示す時刻を示す情報が、「移動所要時間に応じた情報」に該当してもよい。以上の時刻情報の表示に関する複数の表示態様は、適宜に、2つ以上が組み合わされてもよい。
その後、モビリティ13は、例えば制御部139の駆動制御部1397によって、モビリティ13の駆動機構が、マップ情報において探索された経路の情報と、センサ135の情報と、を基に制御されることで、探索された経路を自律的に移動する(S20)。
別言すると、モビリティ13は、探索された経路を自動運転機能によって移動する。ただし、モビリティ13が、探索された経路を移動する際の制御の一部又は全部は、操作部131に対するモビリティユーザのマニュアル操作に従って行われてもよい。
モビリティ13の移動制御に連動して、例えば、モビリティ13の現在位置、移動方向、及び/又は、移動速度を示す情報が、表示制御部1396によって表示部133にリアルタイムに表示されてもよい。
その後、制御部139は、例えば、モビリティ13が目的地へ移動所要時間内に到着したか否かを判定する(S21)。モビリティ13が目的地に到着したか否かは、例えば、現在位置検出部1391によって検出される現在位置がマップ情報における目的地に該当するか否かによって判定されてよい。
モビリティ13が目的地へ移動所要時間内に到着したと判定した場合(S21;YES)、制御部139は、処理を終了してよい。なお、処理の終了は、例えば、モビリティ13が目的地に到着したことをユーザに通知した後、その通知に対するユーザの確認操作が制御部139において検出されたことをトリガにしてもよい。
また、制御部139は、目的地への到着後に、例えば、自動回収モードによって、モビリティ13を自動運転によって所定の回収位置へ移動させてよい。これにより、例えば、利用終了後のモビリティ13の空港スタッフによる回収業務負担を軽減できる。
目的地に到着したことのユーザへの通知は、例えば、表示制御部1396による表示部133の表示制御によって行われてもよいし、代替的又は追加的に、出力装置1003を通じた音声出力によって行われてもよい。
一方、モビリティ13が目的地へ到着していない場合(S21;NO)、制御部139は、移動所要時間の再計算を行うか否かを、所要時間推定部1393によって判定してよい(S22)。例えば、周期的、又は、非周期的なイベント発生(便宜的に「イベントトリガ」と称することがある)によって、移動所要時間の再計算を行うと判定されてよい。
イベントトリガは、例えば、モビリティ13の目的地への移動中において、混雑予想エリア及びその時間帯に変化が生じた否かを監視(又は確認)するために用いられる。イベントトリガの非限定的な一例としては、所定の監視周期の到来、フライト情報1161の変更、及び/又は、目的地の変更が挙げられる。
監視周期は、例示的に、数分等の分単位に設定されてよい。監視周期を短く設定するほど、混雑予想エリア及びその時間帯の変化に迅速に追従した再計算が可能になる一方で、再計算の負荷が高まるため、両者はトレードオフの関係にある。監視周期は、このようなトレードオフを考慮して最適化されてよい。
また、フライト情報1161が変更される例としては、例えば、天候等を理由とした出発時刻の変更(例えば、遅延)、及び、搭乗ゲートの変更が挙げられる。搭乗ゲートの変更によって、モビリティ13の目的地が変更され得る。目的地が変更された場合、例えば、所要時間推定部1393は、現在位置から変更後の目的地(例えば、搭乗ゲート)までの移動所要時間を再計算すると判定する。
フライト情報1161が変更された否かは、例えば、管理サーバ11から通知されてよい。例えば、フライト情報1161の変更によって管理サーバ11から混雑予想エリア及びその時間帯に関する新たな推定結果が通信部134を通じて受信されたことをもって、再計算を肯定する判定がなされてよい。
移動所要時間の再計算が肯定判定された場合(S22;YES)、制御部139は、例えば既述の処理S12以降の処理を再実行する。移動所要時間の再計算が否定判定された場合(S22;NO)、制御部139は、例えば既述の処理S20以降の処理を再実行する。
以上のように、上述した動作例によれば、フライト情報と、フライトに関連付けられた搭乗ゲートに関する情報と、を基に、搭乗ゲート周辺において未来に生じ得る混雑及び時間を推定がされる。
そして、推定結果を基に、モビリティユーザが混雑予想エリア及び時間帯を避けて搭乗ゲートへ到達可能な、現在位置を出発すべき時刻に関する情報が算出されてモビリティユーザに提示される。したがって、モビリティユーザの搭乗ゲートへのスムーズな移動に資する。
例えば、「前倒し補正」(又は「後倒し補正」)された現在位置からの出発時刻がモビリティユーザに提示される。これにより、空港施設内のように目的地への迂回又は代替の経路が選べないような場合であっても、モビリティユーザが移動途中に混雑に巻き込まれずに目的地へスムーズに到着できる確率を高めることができる。
また、スケジュールされた未来のフライトに関連して生じ得る混雑及び時間の推定結果がモビリティユーザに提示されるため、モビリティユーザが搭乗ゲートへ移動を開始した後に、目的の搭乗ゲートへの経路の移動途中に混雑に巻き込まれる可能性を低減できる。
なお、モビリティ13において実行される処理の一部又は全部は、管理サーバ11において実行されてもよい。例えば、図12に示した処理S12〜S18の一部又は全部は、管理サーバ11において実行されてもよい。別言すると、図3に例示した経路探索部1391、現在位置検出部1392、及び、所要時間推定部1393の一部又は全部は、管理サーバ11(例えば、制御部119;図5参照)に備えられてもよい。
管理サーバ11において実行された処理の結果が、管理サーバ11からモビリティ13宛に送信されてよい。モビリティ13は、管理サーバ11から受信した処理結果を基に、制御部139(例えば、表示制御部1396)によって、表示部133の表示を制御してよい。
(管理サーバの動作例)
次に、管理サーバ11の動作の一例について図14のフローチャートを参照して説明する。図14に例示するように、管理サーバ11は、例えば図12の処理S11においてモビリティ13が送信した目的地を示す情報及び現在位置を示す情報を通信部114において受信する(S31)。なお、管理サーバ11において、例えば、GPS及び/又はビーコン信号を用いてモビリティ13の現在位置が管理されている場合、モビリティ13の現在位置を示す情報は、通信部114において受信されなくてもよい。
目的地を示す情報が通信部114において受信された場合、管理サーバ11は、例えば、制御部119の混雑状況推定部1192によって、空港施設(例えば、旅客ターミナル)内の未来の混雑状況を推定する(S32)。
例えば、混雑状況推定部1192は、フライト情報1161と搭乗ゲート情報と、を基に、混雑予想エリア及びその時間帯を推定する。混雑予想エリア及びその時間帯は、例えば、フライト毎(別言すると、搭乗ゲート毎)の予約人数、フライト毎のチェックイン人数、及び、チェックイン完了後に目的の搭乗ゲートへ徒歩で移動した場合の平均的な移動速度の情報を基に、推定されてもよい。
搭乗ゲート毎のフライトの予約状況、及び、フライト毎のチェックイン完了状況は、例えば、図6に例示したフライト情報1161、及び、図7に例示したフライト予約情報1162を基に特定できる。
人の徒歩による平均的な移動速度を所定値と扱うことで、混雑状況推定部1192は、フライト情報1161及びフライト予約情報1162に基づいて、空港施設内において混雑が予想されるエリア及びその時間帯を推定できる。
なお、混雑が予想されるエリアの混雑度は、例えば、区分エリアにおける単位面積あたりの人数によって表されてもよいし、単位面積あたりの人数を0〜100%のパーセンテージに変換した数値、あるいは、パーセンテージを段階的に区分したレベル(混雑レベル)によって表されてもよい。なお、「レベル」は、「度合(degree)」に読み替えられてもよい。
非限定的な一例として、0%以上かつ30%未満のレンジを「混雑レベル1」、30%以上かつ70%未満のレンジを「混雑レベル2」、70%以上かつ100%以下のレンジを「混雑レベル3」に対応付けてよい。混雑レベルの対応付けは、本例(3段階)に限られず、2段階でもよいし、4段階以上でもよい。また、混雑レベルは、単位面積あたりの人数に対する、モビリティ13が通り抜けられるスペースの残存度を基準にして決定されてもよい。
混雑状況推定部1192は、推定結果である混雑予想エリア及びその時間帯を示す情報を、例えば通信部114を通じて、目的地を示す情報の送信元モビリティ13宛に送信する(S33)。
推定結果の送信後、混雑状況推定部1192は、混雑予想エリア及びその時間帯を再推定(又は、再計算)するか否かを判定する(S34)。
例えば、混雑状況推定部1192は、周期的、又は、非周期的なイベント発生(例えば既述のイベントトリガ)によって、混雑予想エリア及びその時間帯の再計算を行うと判定してよい。
混雑予想エリア及びその時間帯の再計算を行うと判定した場合(S34;YES)、混雑状況推定部1192は、処理S32以降の処理を再実行する。混雑予想エリア及びその時間帯の再計算を行わなくてよいと判定した場合(S34;NO)、混雑状況推定部1192は、処理を終了してよい。
なお、混雑予想エリア及びその時間帯は、例えば、フライト情報及びフライト情報に関連付けられた搭乗ゲート等の場所に関する情報に加えて、過去の推定結果の蓄積(ログ)を基にして推定されてもよい。過去の推定結果を併用することで、例えば、搭乗ゲート付近に生じ得る混雑及び時間帯の推定精度を高めることができる。
また、管理サーバ11において実行される処理の一部又は全部は、モビリティ13において実行されてもよい。例えば、混雑予想エリア及びその時間帯の推定処理S32は、モビリティ13において実行されてもよい。別言すると、図5に例示した混雑状況推定部1193は、モビリティ13(制御部139;図3参照)に備えられてもよい。
(モビリティ動作のオプション1;店舗等の空港内施設の情報提示)
次に、モビリティ13の動作例に関するオプション1(空港内施設の情報提示)の一例について、図15のフローチャートを参照して説明する。図15のフローチャートは、例えば、図12の処理S19において実行されてよい。
図15に例示するように、モビリティ13は、例えば、図12の処理S18において算出した移動所要時間を基に、モビリティ13が目的地へ到着すべき時刻に対して到着予定時刻に所定時間以上の余裕が有るか否かを判定する(S191)。この判定は、例えば制御部139の所要時間推定部1393において行われてよい。所定時間(別言すると、閾値時間)は、非限定的な一例として、数分から数十分の範囲において設定されてよい。閾値時間は、静的に設定されてもよいし、動的に設定されてもよい。
余裕有りと判定された場合(S191;YES)、制御部139は、例えば、入力部132(又は、通信部134)を通じて、モビリティユーザによって条件が入力(又は、指定)されたか否かを判定する(S192)。通信部134を通じた条件の入力は、例えば、モビリティ13とモビリティユーザのUEとの通信を介した入力である。「条件」は、「ルール」、「ポリシー」、又は「優先度」に読み替えられてもよい。
ここで、「条件」の非限定的な一例は、モビリティユーザが、目的地(例えば、搭乗ゲート)へ到着すべき時刻までに時間的な余裕がある場合に、立ち寄りを希望する空港内施設(例えば、ラウンジ、レストラン、カフェ、又は、お土産店等)に関する条件である。
「条件」の入力が有れば(S192;YES)、例えば、制御部139は、探索された経路において目的地への到着予定時刻までに立ち寄り可能な空港内施設の情報を、施設関連情報1161(例えば図9参照)に基づいて取得する(S193)。この取得処理は、例えば、施設関連情報管理部1344によって行われてよい。
取得した空港内施設の情報は、例えば、表示制御部1396によって、モビリティ13の表示部133に表示される(S195)。なお、モビリティユーザによる「条件」の入力が無ければ(S192;NO)、例えば、表示制御部1396は、S195の表示処理において、図12の処理S19での表示を維持する制御を行ってよい。
モビリティユーザによる「条件」の入力がない場合(S192;NO)、制御部139は、探索された経路において目的地への到着予定時刻までに立ち寄り可能なお勧めの空港内施設の情報を取得して(S194)、表示部133に表示してもよい(S195)。
モビリティユーザにお勧めする空港内施設(例えば、ラウンジ、レストラン、カフェ、又は、お土産店等)の情報は、例えば、モビリティ13と管理サーバ11との通信によって取得されてよい。
なお、判定処理S191において、モビリティ13が目的地へ到着すべき時刻に対して到着予定時刻に余裕が無いと判定された場合(NO)、制御部139は、例えばアラート処理部1398によってアラート処理を実行してよい(S196)。アラート処理の一例については、図19にて後述する。
(モビリティ動作のオプション2;課金関連処理)
次に、モビリティ13の動作例に関するオプション2(課金関連処理)の一例について、図16のフローチャートを参照して説明する。図16のフローチャートは、例えば図12のS20において説明した移動制御に関する処理において実行されてよい。
例えば、モビリティ13は、表示部133に表示した空港内施設の情報に対応する区分エリアに、モビリティ13が進入したか否かを判定してよい(S201)。この判定は、例えば、制御部139の現在位置検出部1392において行われてよい。
例えば、現在位置検出部1392は、モビリティ13の現在位置の検出結果と、エリア/施設関連情報1166と、に基づいて、表示部133に表示した空港内施設の情報に対応する区分エリアにモビリティ13が進入したか否かを判定してよい。
なお、上記判定に用いるエリア/施設関連情報1166は、例えば、モビリティ13と管理サーバ11との通信によってモビリティ13に提供されてよい。
判定結果が肯定的な結果であった場合(S201;YES)、例えば、現在位置検出部1392は、駆動制御部1196を制御して、モビリティ13の移動速度を低下させる、又は、モビリティ13を一時的に停止させてよい(S202)。
これにより、モビリティ13が、モビリティユーザの立ち寄りたい空港内施設、あるいは、モビリティユーザにお勧めの空港内施設が位置する区分エリアに到達した場合に、モビリティ13は、自律的に移動速度を低下する、あるいは一時的に停止する。
したがって、モビリティユーザの立ち寄りたい空港内施設、あるいは、モビリティユーザにお勧めの空港内施設を、モビリティユーザの意図に反して、モビリティ13が自動運転によって通り過ぎてしまう確率を低減できる。
モビリティ13は、処理S202の移動制御の後、あるいは、移動制御と並行して、表示部133に表示した空港内施設の情報に対応する区分エリアにモビリティ13が進入したことを、通信部134を通じて管理サーバ11に通知してよい(S203)。
この通知には、以下に例示する情報の少なくとも1つが含められてよい。
・モビリティ13が進入した区分エリアのID
・モビリティ13の現在位置
・モビリティ13が進入した区分エリアに配置された空港内施設のうち、表示部133に情報(例えば、広告情報及び/又は特典情報)を表示した空港内施設のID
以上の情報は、管理サーバ11において、モビリティユーザが進入又は来訪したエリアの特定(又は識別)に用いられる情報であるため、便宜的に、「進入エリア特定情報」又は「来訪エリア特定情報」と総称されてよい。
管理サーバ11は、「進入エリア特定情報」の通知をモビリティ13から受けることで、例えば、モビリティユーザに対して広告情報が提示された、レストラン、カフェ、又はお土産店等の店舗を特定(又は識別)できる。
したがって、管理サーバ11は、例えば、特定した店舗に関する広告情報の広告主に対して、モビリティユーザの店舗への来訪の有無、又は、来訪数に応じた適切な課金処理を、例えば課金処理部1197によって行うことが可能である。
(サーバ動作のオプション1;課金関連処理)
管理サーバ11の動作例に関するオプション1(課金関連処理)の一例について、図17のフローチャートを参照して説明する。
図17に例示するように、管理サーバ11は、例えば、制御部119の課金処理部1197において、モビリティ13から進入エリア特定情報が通信部114を通じて受信されたか否かを監視する(S41)。
モビリティ13から進入エリア特定情報が受信されない間(S41;NO)、課金処理部1197は、進入エリア特定情報の受信監視を継続する。
モビリティ13から進入エリア特定情報が受信された場合(S41;YES)、課金処理部1197は、例えば、受信した進入エリア特定情報と、エリア/施設関連情報1166と、を基に、課金処理を行う(S42)。
例えば、課金処理部1197は、受信した進入エリア特定情報を基に、図9に例示したエリア/施設関連情報1166を参照して、「広告」又は「特典」に関する課金先情報を特定する。そして、課金処理部1197は、例えば、特定した課金先情報が示す決済方法によって課金処理を行う。
なお、課金処理部1197は、例えば、受信した進入エリア特定情報と、マップ情報1165と、を基に、モビリティ13毎の移動経路の履歴を、記憶部116において移動ログとして記録してもよい。
課金処理部1197は、移動ログに基づいて、例えば、半月、月単位、半年、又は年単位といったまとまった期間において、特定の課金先に対する課金処理をまとめて行ってもよい。また、移動ログは、例えば、統計処理等されて、将来の「広告」及び「特典」に関する戦略に用いられてもよい。
(モビリティ動作のオプション3;時刻補正に用いる速度設定処理)
次に、モビリティ13の動作例に関するオプション3(時刻補正に用いる速度設定処理)の一例について、図18のフローチャートを参照して説明する。図18のフローチャートは、例えば、図12の時刻補正処理S17において実行されてよい。
図18に示すように、モビリティ13は、例えば、所要時間推定部1393において、混雑予想エリアの混雑レベルに応じて、移動所要時間の算出に用いる、モビリティ13の移動速度に関する設定を変更してよい。
例えば、所要時間推定部1393は、混雑予想エリアの混雑レベルが「1」、「2」及び「3」のいずれであるかを判定する(S171)。なお、混雑レベルの判定には、例えば、図12の判定処理S16において説明したように、管理サーバ11から受信される、混雑状況推定部1192の推定結果が用いられてよい。
判定の結果、混雑レベルが「1」であった場合、所要時間推定部1393は、例えば、移動所要時間の算出に用いる、モビリティ13の移動速度を、通常速度(例えば、時速4km程度)に設定する(S172及びS175)。
一方、混雑レベルが「2」であった場合、所要時間推定部1393は、例えば、移動所要時間の算出に用いる、モビリティ13の移動速度を、通常速度よりも低い速度(例えば、通常速度の50%(時速2km)等)に設定する(S173及びS175)。
また、混雑レベルが「3」であった場合、所要時間推定部1393は、例えば、モビリティ13の移動が不可能又は困難であると判断して、モビリティ13の移動速度を、例えば一時停止状態である時速0kmに設定する(S174及びS175)。
(モビリティ動作のオプション4;アラート処理)
次に、モビリティ13の動作例に関するオプション4(アラート処理)の一例について、図19のフローチャートを参照して説明する。図19のフローチャートは、例えば、図15のアラート処理196において実行されてよい。
図19に示すように、モビリティ13は、例えば制御部139のアラート処理部1393によって、アラート情報を生成し、生成したアラート情報を、通信部134を通じて管理サーバ11宛に送信(又は通知)する(S1961)。
アラート情報には、例示的に、モビリティ13のID、現在位置、目的地、及び、目的地への到着予定時刻を示す情報が含められてよい。なお、モビリティ13の目的地、及び、目的地への到着予定時刻の一方又は双方は、オプションであってもよい。
また、アラート処理部1398は、例えば、モビリティ13に搭載の報知器によって、モビリティ13の周囲にアラート状態であることを知らせる信号を出力(例えば、報知)してよい(S1962)。
なお、アラート状態の報知処理S1962は、アラート情報の管理サーバ11への送信処理S1961よりも前に行われてもよいし、送信処理S1961と並行して行われてもよい。また、アラート状態の報知処理S1962は、オプションであってもよい。あるいは、送信処理S1961と報知処理S1962とのうち送信処理S1961がオプションであってもよい。
その後、アラート処理部1398は、例えば、管理サーバ11から遠隔制御情報が受信されるか否かを監視してよい(S1963)。
遠隔制御情報が受信されない場合(S1963;NO)、アラート処理部1398は、実線矢印で示すように、処理を終了してもよいし、代替的に、点線矢印で示すように、送信処理S1961又は報知処理S1962に処理を戻してもよい。
一方、遠隔制御情報が受信された場合(S1963;YES)、アラート処理部1398は、例えば駆動制御部1397に、受信された遠隔制御情報を出力する。駆動制御部1397は、遠隔制御情報に従って、モビリティ13の駆動機構を制御する(S1964)。これにより、アラート状態にあるモビリティ13は、管理サーバ11からの遠隔制御によって、目的地への移動が制御される。
(サーバ動作のオプション2;アラート処理)
管理サーバ11の動作例に関するオプション2(アラート処理)の一例として、モビリティ13のアラート処理に対応した、管理サーバ11の動作の一例を、図20のフローチャートに示す。
図20に示すように、管理サーバ11は、例えば、アラート処理部1193において、モビリティ13からアラート情報が受信されるか否かを監視してよい(S51)。アラート情報が受信されない間(S51;NO)、アラート処理部1193は、アラート情報の受信監視を継続してよい。
一方、アラート情報が受信された場合(S51;YES)、アラート処理部1193は、例えば、受信したアラート情報を基に、アラート状態のモビリティ13、及び、その現在位置を特定する(S52)。
特定した情報を、アラート処理部1193は、例えば、空港スタッフ等のサポート人員に、通報してよい(S53)。通報を受けたサポート人員は、例えば、アラート状態にあるモビリティ13を目的地まで優先的に誘導する等のサポートを迅速に行うことができる。
なお、管理サーバ11からサポート人員への通報は、例えば、サポート人員が所持する無線機に対して行われてよい。また、通報先は、アラート状態にあるモビリティ13の現在位置に近い場所に位置するサポート人員でもよいし、モビリティ13の目的地がアラート情報から特定可能な場合には、モビリティ13の目的地に近い場所に位置するサポート人員でもよい。例えば、モビリティ13の目的地が搭乗ゲートである場合、搭乗ゲートに配置された空港スタッフが通報先に設定されてもよい。
この場合、搭乗ゲートへの到着が遅れそうなモビリティユーザの存在を空港スタッフが速やかに確知して、モビリティ13を優先的に目的地である搭乗ゲートへ誘導する対応を採ることができる。
なお、処理S53において、上述した通報処理の代替で、あるいは追加で、管理サーバ11は、例えば遠隔制御部1194によって、アラート状態にあるモビリティ13の移動を遠隔制御してもよい。
例えば、遠隔制御部1194は、モビリティ13を遠隔制御によって目的地へ移動させるための遠隔制御情報を、通信部114を通じて、モビリティ13宛に送信してよい(S53)。遠隔制御によって、モビリティ13のサポート人員の負担軽減が可能である。
(複数経路候補)
なお、上述した実施形態においては、経路探索部1391によって、モビリティ13の現在位置から目的地までの最短経路が1つ探索される例について説明した。
旅客ターミナルの出発ゲートフロアでは、屋外の道路の経路探索とは異なり、現在地から搭乗ゲート等の目的地までの経路選択の自由度が低い(場合によっては、1つの経路しか選択できない)ため、最短経路の探索で足りるケースが多いと云える。
しかし、現在地から搭乗ゲート等の目的地までの移動経路の選択肢が複数存在する場合には、経路探索部1391において、複数の経路候補が探索されてよい。複数の経路候補が探索された場合、例えば図12の処理S14〜S19のそれぞれが、複数の経路候補の別に実行されてよい。
複数の経路候補のうち、条件(あるいは、ルール、ポリシー又は優先度)に合致する経路候補が所要時間推定部1393において1つ以上選択されてよい。例えば、移動所要時間が短い経路、目的地への到着予定時刻が早い経路、又は、モビリティユーザの疲労度の低い経路が優先的に選択されてよい。
「疲労度」を示す情報(又は指標)は、例えば、所要時間推定部1393において、混雑予想エリアの混雑度を示す情報を基に、算出(又は推定)されてよい。例えば、混雑予想エリアを通過する経路に沿ってモビリティ13が移動すると仮定した場合の、移動所要時間、目的地への到着予定時刻、及び/又は、混雑予想エリアの混雑レベルを数値化して点数加算することで、「疲労度」を示す情報が算出されてよい。
条件が指定又は設定されている場合、条件に合致する経路候補であれば、他の経路候補よりも経路長の長い経路候補が、例えばモビリティ13の所要時間推定部1393において選択されることもある。
条件は、例えば、入力部132を通じてモビリティユーザによって入力(又は、指定)されてもよいし、設定情報として予め記憶部136に記憶されてもよい。設定情報は、例えば、モビリティ13(例えば、記憶部136)に対して静的に設定された情報であってもよいし、モビリティ13と管理サーバ11との通信によって、管理サーバ11から動的に設定される情報であってもよい。
条件の非限定的な一例は、目的地へ到着すべき時刻に対して到着予定時刻に余裕がある場合に、モビリティユーザが立ち寄りたい空港内施設(例えば、ラウンジ、レストラン、カフェ、又は、お土産店等)に関する条件である。
また、条件の非限定的な他の一例は、目的地へ到着すべき時刻に対して到着予定時刻に余裕がある場合に、モビリティユーザにお勧めしたい(別言すると、優先的に経由してもらいたい)経路に関する条件である。
例えば、モビリティユーザにお勧めする空港内施設(例えば、ラウンジ、レストラン、カフェ、又は、お土産店等)が有れば、そのような空港内施設を経由する経路候補がモビリティ13の移動経路に優先的に選択される条件が設定されてよい。
このような条件設定は、モビリティユーザにお勧めする空港内施設に関する広告情報及び/又は特典情報と関連付けられてもよい。例えば、モビリティ13の表示部133に、条件に合致する移動経路を表示する場合に、その移動経路における空港内施設の広告情報及び/又は特典情報が併せて表示されてよい。
広告情報及び/又は特典情報に対応する空港施設のエリアへのモビリティ13の進入が、例えば、管理サーバ11において、モビリティ13の現在位置を基にして確認された場合に、広告情報及び/又は特典情報の提供元に対して課金処理が実行されてよい。
なお、複数の経路候補の中からの経路の選択は、モビリティユーザの指示によって行われてもよい。例えば、表示制御部1396によって、複数の経路候補を表示部133に表示させ、何れか1つ以上の経路候補に対するモビリティユーザの選択操作を受け付けることで、複数の経路候補の中から1つ以上の経路が選択されてよい。
複数の経路候補を表示部133に表示させる場合、表示制御部1396は、例えば、移動所要時間、目的地への到着予定時刻、及び/又は、モビリティユーザの疲労度といった情報又は指標を基に、各経路候補の表示順位を制御してよい。
例えば、移動所要時間が短い経路候補ほど、表示順位が高く設定されてよい。また、目的地への到着予定時刻が早い経路候補ほど、表示順位が高く設定されてよい。また、「疲労度」の低い経路候補ほど、表示順位が高く設定されてよい。
なお、複数の経路候補の探索は、例えば、管理サーバ11において行われてもよい。管理サーバ11において複数の経路候補が探索された場合、モビリティユーザにお勧めする1つ以上の経路が、上述した条件又は指標等に基づいて選択されて、選択された経路の情報がモビリティ13へ通信によって提供されてよい。
複数のお勧め経路がモビリティ13に提供された場合には、複数のお勧め経路がモビリティ13の表示部133に表示されてよい。複数のお勧め経路の表示に関しても、上述したように表示制御部1396によって表示順位が制御されてよい。
モビリティユーザは、例えば、複数のお勧め経路の表示画面において選択操作を行うことで、好みのお勧め経路をモビリティ13による移動経路に決定してよい。
なお、経路候補は、例えば、周期的、又は、非周期的なイベント発生(イベントトリガ)によって、再探索されてもよい。例えば、数分等の分単位に設定された周期の到来、及び/又は、フライト情報1161の変更に応じて、経路候補の再探索が行われてよい。
再探索の周期を短く設定するほど、混雑予想エリア及びその時間帯の変化に迅速に追従した再計算が可能になる一方で、再計算の負荷が高まるため、両者はトレードオフの関係にある。再探索の周期は、このようなトレードオフを考慮して最適化されてよい。
フライト情報1161が変更される例については、既述のとおりである。なお、経路候補を再探索する周期と、混雑予想エリア及びその時間帯の推定周期と、は、同じ周期に設定されてもよいし、互いに異なる周期に設定されてもよい。
空港施設内においては、既述のとおり、屋外に比べて経路候補の数に限りがあるため、経路候補を再探索する頻度は、それほど高くなくてもよいと云える。そのため、例示的に、経路候補の再探索周期は、混雑予想エリア及びその時間帯の推定周期よりも短い周期に設定されてよい。
<オプションの組み合わせ>
上述したモビリティ13の動作例に関するオプション1〜4の一部又は全部は、矛盾の無い範囲において、実施形態に適宜に組み合わされてよい。管理サーバ11の動作例に関するオプション1及び2の一方又は双方についても、矛盾の無い範囲において、実施形態に適宜に組み合わされてよい。
<表示画面例>
次に、図21及び図22を参照して、モビリティ13の表示部133における表示態様の非限定的な一例について説明する。なお、図21及び図22に例示する表示態様の一例は、UEの表示部における表示態様の一例と捉えてもよい。
表示部133の表示態様は、例えば、表示制御部1396によって制御される。また、表示部133の表示態様は、例えば、モビリティ13の運転状態に応じて制御されてもよい。例えば、表示制御部1396は、駆動制御部1397による駆動ユニット137の制御と連動して、表示部133の表示態様を制御してよい。
表示態様の制御には、例えば、表示画面のスクロール、スケール変更、ポップアップ表示、及び/又は、表示画面に表示される情報(文字及び/又は図形等)の拡大、縮小、色の変更、又は点滅といった表示制御が含まれてよい。
図21に示すように、表示部133には、経路探索部1391による探索経路をモビリティ13が移動する際の移動方向を案内する矢印(以下「案内矢印」と略称することがある)1331が表示されてよい。
案内矢印1331の表示態様は、例えば、モビリティ13の運転状態に応じて変化してよい。例えば図21において一点鎖線で示すように、モビリティ13の探索経路に沿った移動に伴って、案内矢印1331の指し示す方向が変化してよい。
また、例えば、モビリティ13の移動速度に応じて、案内矢印1331の大きさ、及び/又は、色が変化してもよい。例えば、モビリティ13の移動速度が速いほど、案内矢印1331が大きく表示されてもよいし、案内矢印1331の色が寒色から暖色に変化するように表示されてもよい。
表示部133には、案内矢印1331の表示と並行して(あるいは、関連付けて)、所要時間推定部1393によって推定された時刻及び/又は時間が表示されてよい。
例えば図21には、目的地(例えば、搭乗ゲート)に所定の時刻に到着するためにモビリティ13が現在位置を出発すべき時刻(出発時刻又は移動開始時刻)が表示されている。「移動開始時刻」は、例えば図13にて説明した「前倒し補正」後の時刻T1であってよい。
現在時刻から「移動開始時刻」までに時間が有る場合は、「移動開始時刻」に代えて、あるいは追加で、現在時刻から「移動開始時刻」までの残り時間(「待機時間」又は「猶予時間」と称してもよい)が、表示部133に表示されてもよい。
例えば、「今から○○分以内に移動を開始して下さい。」といったメッセージが表示部133に表示されてよい。代替的又は追加的に、メッセージは、例えば、出力装置1003(例えば、スピーカー)から出力されてもよい。
「残り時間」は、時間経過に伴ってカウントダウン表示されてよい。「残り時間」が無くなった時点で、例えば、「移動開始時刻」の到来を知らせるアラーム表示が表示部133において行われてよい。代替的又は追加的に、移動開始時刻の到来を知らせるアラーム音が、出力装置1003(例えば、スピーカー)から出力されてもよい。
また、例えば図22に示すように、表示部133には、案内矢印1331の表示と並行して、「到着予定時刻」が表示されてもよい。「到着予定時刻」は、モビリティ13が現在位置を現在時刻において直ちに出発した場合に、目的地へ到着できる予定時刻を表す。
「到着予定時刻」は、例えば、所要時間推定部1393において、現在時刻に、混雑予想エリア及びその時間帯の移動を避けて求められた移動所要時間を加えることで求められる。
「到着予定時刻」から、目的地に到着すべき所定の時刻までに時間が有る場合は、例えば、その時間(便宜的に「余裕時間」と称されてよい)が、「到着予定時刻」の表示と並行して(あるいは、関連付けて)、表示部133に表示されてもよい。
また、上述した時刻又は時間に関する各種の表示例の代替で、又は、追加で、管理サーバ11において推定された混雑予想エリアの時間帯及び/又は混雑度を示す情報が、表示部133に表示されてもよい。混雑度を示す情報は、既述の混雑レベルによって表示されてよい。また、既述の「疲労度」が表示部133に表示されてもよい。
混雑予想エリアの時間帯、混雑度、及び/又は、疲労度を示す情報は、例えば、表示部133に表示されたマップ情報(「マップ表示画面」と称してよい)において、混雑予想エリアに対応する箇所に関連付けて表示されてもよい。
また、図21及び図22に例示した表示態様において、案内矢印1331は、例えば、表示部133のマップ表示画面に重ねて表示されてもよい。別言すると、案内矢印1331は、表示部133において、空港施設のマップ情報と関連付けて表示されてもよい。例えば、マップ表示画面においてモビリティ13の現在位置に相当する位置に案内矢印1331が重ねて表示されてよい。
また、モビリティ13の移動に連動して、マップ表示画面がモビリティ13の移動方向及び移動速度に応じてスクロールし、その移動方向及び移動速度に応じて案内矢印1331の向き、大きさ、及び/又は、色といった表示態様が変化してよい。
また、図21及び図22に例示するように、表示部133には、探索経路周辺の立ち寄り可能な1つ以上の空港内施設(例えば、レストラン、カフェ、及び/又は、お土産店等)に関する情報が表示領域1332に表示されてよい。
表示領域1332は、表示部133の表示領域全体の少なくとも一部でよい。図21及び図22に例示したように、表示領域1332において、空港内施設に関する情報は、探索経路を示す情報と並行して(あるいは、関連付けて)、表示されてよい。また、表示領域1332において、例えば、広告情報、及び/又は、特典情報が、空港内施設に関する情報と関連付けて表示されてもよい。
表示領域1332に表示される情報は、例えば、モビリティユーザが条件指定した空港内施設の情報であってもよいし、空港施設サイドがモビリティユーザにお勧めする空港内施設の情報であってもよい。
モビリティユーザは、現在位置から目的地へ到着するまでの時間に余裕が有る場合に、施設関連情報1332を確認することで、何れかの空港内施設への立ち寄りが容易になる。
また、空港内施設に関する情報は、例えば、表示部133のマップ表示画面において、探索経路の表示と並行して、空港内施設の位置に対応する箇所に関連付けて表示されてもよい。
このような表示態様によれば、モビリティ13の現在位置と、探索経路において立ち寄り可能な空港内施設の位置と、の関係の視認性が向上する。したがって、モビリティユーザによる空港内施設の利用促進に資する。
なお、表示領域1332は、例えば、モビリティユーザの表示部133の特定の画面領域に対する選択操作(例えば、タップ)が表示制御部1396において検出されることで、表示部133においてポップアップ表示されてもよい。
例えば、上述したマップ表示画面において空港内施設に対応する領域がタップされることによって、その空港内施設に対応する詳細情報がポップアップ表示されてよい。ポップアップ表示によって、例えば、空港内施設に関する情報の視認性を、より向上できる。
複数の空港内施設に関する情報が表示候補である場合、例えば、空港内施設を利用した場合の特典の有無、特典の内容、モビリティユーザの年齢、及び/又は、性別といった情報に基づいて、表示順位が制御されてよい。
例えば、クーポン券又は割引券といった特典が用意されている空港内施設は、特典が用意されていない空港内施設よりも表示順位が高く設定されてよい。また、例えば、特典の内容が、モビリティユーザの年齢、及び/又は、性別に見合う空港内施設ほど、他の空港内施設よりも表示順位が高く設定されてよい。
モビリティユーザの年齢、及び/又は、性別といった個人情報は、例えば、モビリティユーザによって、入力部132を通じてマニュアル入力されてよい。あるいは、例えば、目的地の情報入力と同様に、通信部134を通じたUEとモビリティ13との通信によって個人情報がモビリティ13に入力されてもよい。また、例えば、出国審査においてモビリティユーザが提示したパスポート情報を基に、モビリティユーザの個人情報が、通信部134を通じた管理サーバ11とモビリティ13との通信によってモビリティ13に入力されてもよい。
<実施形態において得られる効果の一例>
以上のように、上述した実施形態によれば、フライト情報と、フライトに関連付けられた搭乗ゲートに関する情報と、を基に、搭乗ゲート周辺において未来に生じ得る混雑及び時間を推定し、推定結果を、例えば、モビリティユーザに提示する。
これにより、モビリティユーザは、例えば、搭乗予定のフライト時刻までの待ち時間において、搭乗ゲート周辺において混雑が予想されるエリア及び時間帯を避けて空港施設内を行動できる。したがって、例えば、モビリティユーザがフライトの出発時刻までの待ち時間に採り得る行動の選択肢を広げることができる。
また、スケジュールされた未来のフライトに関連して生じ得る混雑及び時間の推定結果がモビリティユーザに提示されるため、モビリティユーザが搭乗ゲートへ移動を開始した後に、目的の搭乗ゲートへの経路の移動途中に混雑に巻き込まれる可能性を低減できる。
また、例えば、上述の推定結果に基づいて、モビリティユーザが混雑予想エリア及び時間帯を避けて搭乗ゲートへ到達可能な、現在位置を出発すべき時刻に関する情報が算出されてモビリティユーザに提示される。したがって、モビリティユーザの搭乗ゲートへのスムーズな移動に資する。
例えば、「前倒し補正」又は「後倒し補正」された現在位置からの出発時刻がモビリティユーザに提示されるため、迂回又は代替の経路が選べないような場合において、モビリティユーザが混雑に巻き込まれずに目的の搭乗ゲートへスムーズに到着できる確率を高めることができる。
モビリティユーザの搭乗ゲートへのスムーズな移動が可能であることによって、例えば、空港スタッフのモビリティユーザに対するサポート業務の負担を軽減できる。
また、例えば、現在位置からの出発時刻の補正によってフライトまでの待ち時間に余裕できる場合、経路の移動途中において混雑を避けて立ち寄り可能な空港内施設に関する情報がモビリティユーザに提示される。例えば、モビリティユーザは、搭乗ゲートへの経路の移動途中に、提示された空港内施設に立ち寄って時間をつぶす(別言すると、時間を有効利用する)こともできる。
このような、フライト情報を用いた混雑及び時間帯の推定結果に基づいた情報の提示によって、モビリティユーザの空港施設における行動の選択肢を広げることができる。
別言すると、モビリティ13の表示部133には、フライト情報に基づいて搭乗ゲートへモビリティ13を使用して移動する際の移動計画に関する情報が表示される。移動計画に関する情報は、モビリティユーザが目的地への移動に際して採り得る行動に関する提案情報と捉えてもよい。
移動計画に関する情報には、例示的に、時刻及び/又は時間に関する情報と、地理的な情報と、が含まれてよい。これらの情報の一方が他方に関連付けられてもよい。地理的な情報には、現在地を示す情報、目的地を示す情報、現在地から目的地に至る経路に関する情報、並びに、経路周辺に位置する施設(及び/又は、場所)に関する情報のうちのいずれか1つ以上が含まれてよい。
移動計画に関する情報がモビリティ13に提示されることで、モビリティユーザの行動選択肢を広げることができる。そのため、例えば、モビリティユーザに、空港利用(例えば、モビリティ13を使用した空港施設内の移動)の楽しさ、及び/又は、待ち時間を有効に利用できること等による安心感を提供できる。
よって、空港施設におけるモビリティ13の使用に対する付加価値を高めることができる。また、モビリティ13の使用に対する付加価値が高まることで、空港のイメージ向上に資する。
<その他>
なお、徒歩で空港施設内を移動する空港利用者の所持するUEが、「移動体」に該当してもよい。例えば、徒歩での移動速度をUEの移動速度と扱って、上述した実施形態に係る「モビリティナビ」がUEに提供されてもよい。
また、テーマパーク、展示場、博物館、映画館、又は、コンサート会場といった、未来に発生する1つ以上のイベントがスケジュールされた施設又は会場において、上述した実施形態に係る「モビリティナビ」が提供されてもよい。
以上の実施形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。