JP2019143699A - ベルト式無段変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速の際、フィードバック制御での不要な偏差を溜めることなく、そのときのポテンシャルに合致した変速特性を実現すること。【解決手段】ベルト式無段変速機CVTと、プライマリ圧ソレノイド弁73と、セカンダリ圧ソレノイド弁74と、CVTコントロールユニット8と、を備える。このベルト式無段変速機CVTの制御装置において、CVTコントロールユニット8に、変速制御の実行時、変速を進行させる変速速度VSを設定する変速速度設定部8aを設ける。変速速度設定部8aは、プライマリ圧Ppriを低減させるダウンシフトを実行する場合、又は、セカンダリ圧Psecを低減させるアップシフトを実行する場合、変速速度VSを、作動油を抜く側の抜けオリフィスである第1オリフィス73c又は第2オリフィス74cのオリフィス径に基づいて設定する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両に搭載されるベルト式無段変速機の制御装置に関する。
従来、無段変速機の第1プーリの油圧室に導かれる作動油の供給/排出を制御する第1制御バルブの排出ポートに接続されている油路にオリフィスが設けられている無段変速機の油圧制御装置が記載されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−252568号公報
上記従来装置にあっては、第1制御バルブの排出ポートに接続されている油路に設けられているオリフィスのオリフィス径とは無関係に変速速度を設定している。このため、オリフィス径に対して変速速度(∝プーリストローク速度)が速いと、油量のドレーンが追い付かず、プーリ内の圧力が上がり、変速が遅れることに繋がる。更には、変速の際、フィードバック制御の偏差も溜まることにもなるので、変速不良や油圧上昇等の課題につながるおそれがある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、変速の際、フィードバック制御での不要な偏差を溜めることなく、そのときのポテンシャルに合致した変速特性を実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ベルト式無段変速機と、第1ドレーン油路と、第2ドレーン油路と、CVTコントロールユニットと、を備える。
このベルト式無段変速機の制御装置において、CVTコントロールユニットに、変速制御の実行時、変速を進行させる変速速度を設定する変速速度設定部を設ける。
変速速度設定部は、プライマリ圧を低減させるダウンシフトを実行する場合、又は、セカンダリ圧を低減させるアップシフトを実行する場合、変速速度を、作動油を抜く側の抜けオリフィスのオリフィス径に基づいて設定する。
このように、抜けオリフィスのオリフィス径というハード特性を認識した上で変速速度をコントロールすることで、変速の際、フィードバック制御での不要な偏差を溜めることなく、そのときのポテンシャルに合致した変速特性を実現することができる。
実施例1のベルト式無段変速機の制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す全体システム図である。 自動変速モードでの無段変速制御をバリエータにより実行する際に用いられるDレンジ無段変速スケジュールの一例を示す変速スケジュール図である。 実施例1の変速速度設定制御構成を示す概要図である。 実施例1のCVTコントロールユニットの変速速度設定部にて実行される変速速度設定制御処理の流れを示すフローチャートである。 抜けオリフィス径の大きさとプライマリ圧Ppriの高さによりダウンシフト時の変速速度(プーリストローク速度)を設定するときに用いるダウンシフト変速速度マップの一例を示す図である。
以下、本発明のベルト式無段変速機の制御装置を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
実施例1における制御装置は、トルクコンバータと前後進切替機構とバリエータと終減速機構により構成されるベルト式無段変速機を搭載したエンジン車(車両の一例)に適用したものである。以下、実施例1の構成を、「全体システム構成」、「変速制御ユニットの構成」、「変速速度設定制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1のベルト式無段変速機の制御装置が適用されたエンジン車の駆動系と制御系を示す。図1に基づいて全体システム構成を説明する。
エンジン車の駆動系は、図1に示すように、エンジン1と、トルクコンバータ2と、前後進切替機構3と、バリエータ4と、終減速機構5と、駆動輪6,6と、を備えている。ここで、ベルト式無段変速機CVTは、トルクコンバータ2と前後進切替機構3とバリエータ4と終減速機構5を図外の変速機ケースに内蔵することにより構成される。
エンジン1は、ドライバーによるアクセル操作による出力トルクの制御以外に、外部からのエンジン制御信号により出力トルクを制御可能である。このエンジン1には、点火時期リタード制御やスロットルバルブ開閉動作等によりトルクダウン制御を行う出力トルク制御アクチュエータ10を有する。
トルクコンバータ2は、トルク増大機能やトルク変動吸収機能を有する流体継手による発進要素である。トルク増大機能やトルク変動吸収機能を必要としないとき、エンジン出力軸11(=トルクコンバータ入力軸)とトルクコンバータ出力軸21を直結可能なロックアップクラッチ20を有する。このトルクコンバータ2は、エンジン出力軸11にコンバータハウジング22を介して連結されたポンプインペラ23と、トルクコンバータ出力軸21に連結されたタービンランナ24と、ケースにワンウェイクラッチ25を介して設けられたステータ26と、を構成要素とする。
前後進切替機構3は、バリエータ4への入力回転方向を前進走行時の正転方向と後退走行時の逆転方向で切り替える機構である。この前後進切替機構3は、ダブルピニオン式遊星歯車30と、複数枚のクラッチプレートによる前進クラッチ31と、複数枚のブレーキプレートによる後退ブレーキ32と、を有する。前進クラッチ31は、Dレンジ等の前進走行レンジ選択時に前進クラッチ圧Pfcにより油圧締結される。後退ブレーキ32は、Rレンジ等の後退走行レンジ選択時に後退ブレーキ圧Prbにより油圧締結される。なお、前進クラッチ31と後退ブレーキ32は、Nレンジ(ニュートラルレンジ)の選択時、前進クラッチ圧Pfcと後退ブレーキ圧Prbをドレーンすることで、いずれも解放される。
バリエータ4は、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、プーリベルト44と、を有し、ベルト接触径の変化により変速比(バリエータ入力回転とバリエータ出力回転の比)を無段階に変化させる無段変速機能を備える。プライマリプーリ42は、バリエータ入力軸40の同軸上に配された固定プーリ42aとスライドプーリ42bにより構成され、スライドプーリ42bは、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧Ppriによりスライド動作する。セカンダリプーリ43は、バリエータ出力軸41の同軸上に配された固定プーリ43aとスライドプーリ43bにより構成され、スライドプーリ43bは、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧Psecによりスライド動作する。プーリベルト44は、プライマリプーリ42のV字形状をなすシーブ面と、セカンダリプーリ43のV字形状をなすシーブ面に掛け渡されている。このプーリベルト44は、環状リングを内から外へ多数重ね合わせた2組の積層リングと、打ち抜き板材により形成され、2組の積層リングに沿って挟み込みにより環状に積層して取り付けられた多数のエレメントにより構成されている。なお、プーリベルト44としては、プーリ進行方向に多数配列したチェーンエレメントを、プーリ軸方向に貫通するピンにより結合したチェーンタイプのベルトであっても良い。
終減速機構5は、バリエータ出力軸41からのバリエータ出力回転を減速すると共に差動機能を与えて左右の駆動輪6,6に伝達する機構である。この終減速機構5は、減速ギア機構として、バリエータ出力軸41に設けられたアウトプットギア52と、アイドラ軸50に設けられたアイドラギア53及びリダクションギア54と、デフケースの外周位置に設けられたファイナルギア55と、を有する。そして、差動ギア機構として、左右のドライブ軸51,51に介装されたディファレンシャルギア56を有する。
エンジン車の制御系は、図1に示すように、油圧制御系を代表する油圧制御ユニット7と、電子制御系を代表するCVTコントロールユニット8と、エンジンコントロールユニット9と、を備えている。
油圧制御ユニット7は、プライマリ圧室45に導かれるプライマリ圧Ppri、セカンダリ圧室46に導かれるセカンダリ圧Psec、前進クラッチ31への前進クラッチ圧Pfc、後退ブレーキ32への後退ブレーキ圧Prb、等を調圧するユニットである。この油圧制御ユニット7は、走行用駆動源であるエンジン1により回転駆動されるオイルポンプ70と、オイルポンプ70からの吐出圧に基づいて各種の制御圧を調圧する油圧制御回路71と、を備える。油圧制御回路71には、ライン圧ソレノイド弁72と、プライマリ圧ソレノイド弁73と、セカンダリ圧ソレノイド弁74と、セレクトソレノイド弁75と、ロックアップ圧ソレノイド弁76と、を有する。なお、各ソレノイド弁72,73,74,75,76は、CVTコントロールユニット8から出力される制御指令値によって各指令圧に調圧する。
ライン圧ソレノイド弁72は、CVTコントロールユニット8から出力されるライン圧指令値に応じ、オイルポンプ70からの吐出圧を、指令されたライン圧PLに調圧する。このライン圧PLは、各種の制御圧を調圧する際の元圧であり、駆動系を伝達するトルクに対してベルト滑りやクラッチ滑りを抑える油圧とされる。
プライマリ圧ソレノイド弁73は、CVTコントロールユニット8から出力されるプライマリ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令されたプライマリ圧Ppriに減圧調整する。セカンダリ圧ソレノイド弁74は、CVTコントロールユニット8から出力されるセカンダリ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令されたセカンダリ圧Psecに減圧調整する。
セレクトソレノイド弁75は、CVTコントロールユニット8から出力される前進クラッチ圧指令値又は後退ブレーキ圧指令値に応じ、ライン圧PLを元圧として指令された前進クラッチ圧Pfc又は後退ブレーキ圧Prbに減圧調整する。
ロックアップ圧ソレノイド弁76は、CVTコントロールユニット8から出力されるロックアップ圧指令値に応じ、ロックアップクラッチ20を締結/スリップ締結/解放するロックアップ制御圧PL/Uを調整する。
CVTコントロールユニット8は、ライン圧制御や変速制御や前後進切替制御やロックアップ制御等を行う。ライン圧制御では、スロットル開度等に応じた目標ライン圧を得る指令値をライン圧ソレノイド弁72に出力する。変速制御では、目標変速比(目標プライマリ回転Npri*)を決めると、決めた目標変速比(目標プライマリ回転Npri*)を得る指令値をプライマリ圧ソレノイド弁73及びセカンダリ圧ソレノイド弁74に出力する。前後進切替制御では、選択されているレンジ位置に応じて前進クラッチ31と後退ブレーキ32の締結/解放を制御する指令値をセレクトソレノイド弁75に出力する。ロックアップ制御では、ロックアップクラッチ20を締結/スリップ締結/解放するロックアップ制御圧PL/Uを制御する指令値をロックアップ圧ソレノイド弁76に出力する。
CVTコントロールユニット8には、プライマリ回転センサ80、車速センサ81、セカンダリ圧センサ82、油温センサ83、インヒビタスイッチ84、ブレーキスイッチ85、アクセル開度センサ86、プライマリ圧センサ87、セカンダリ回転センサ88、タービン回転センサ89、等からのセンサ情報やスイッチ情報が入力される。
エンジンコントロールユニット9には、エンジン回転センサ12からのセンサ情報が入力される。CVTコントロールユニット8とエンジンコントロールユニット9とは、CAN通信線13により接続されている。例えば、CVTコントロールユニット8からCAN通信線13を介してエンジンコントロールユニット9へとエンジントルクリクエストを出力すると、エンジントルク情報がCAN通信線13を介してCVTコントロールユニット8へもたらされる。
図2は、Dレンジ選択時に自動変速モードでの無段変速制御をバリエータ4により実行する際に用いられるDレンジ無段変速スケジュールの一例を示す。
「Dレンジ変速モード」は、車両運転状態に応じて変速比を自動的に無段階に変更する自動変速モードである。「Dレンジ変速モード」での変速制御は、車速VSP(車速センサ81)とアクセル開度APO(アクセル開度センサ86)により特定される図2のDレンジ無段変速スケジュール上での運転点(VSP,APO)により、目標プライマリ回転数Npri*を決める。そして、プライマリ回転センサ80からのプライマリ回転数Npriを、目標プライマリ回転数Npri*に一致させるプーリ油圧制御により行われる。
即ち、「Dレンジ変速モード」で用いられるDレンジ無段変速スケジュールは、図2に示すように、運転点(VSP,APO)に応じて最Low変速比と最High変速比による変速比幅の範囲内で変速比を無段階に変更するように設定されている。例えば、車速VSPが一定のときは、アクセル踏み込み操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が上昇してダウンシフト方向に変速し、アクセル戻し操作を行うと目標プライマリ回転数Npri*が低下してアップシフト方向に変速する。アクセル開度APOが一定のときは、車速VSPが上昇するとアップシフト方向に変速し、車速VSPが低下するとダウンシフト方向に変速する。
実施例1では、変速モードとして、図2のDレンジ無段変速スケジュールを用いる無段変速モード以外に、複数の疑似有段変速比を手動操作により切り替えるマニュアル変速モードを有する。ここで、複数の疑似有段変速比は、例えば、最Low変速比の特性線をマニュアル1速段とし、最High変速比の特性線をマニュアル最ハイ変速段とし、その間に複数の変速比特性線を引くことで設定される。
[変速制御ユニットの構成]
以下、図3に基づいて変速制御ユニットの構成を説明する。
変速制御ユニットが適用される駆動系は、図3に示すように、エンジン1と、トルクコンバータ2と、前後進切替機構3と、バリエータ4と、終減速機構5と、駆動輪6と、を備えている。トルクコンバータ2は、ロックアップクラッチ20を有し、前後進切替機構3は、前進クラッチ31と後退ブレーキ32を有する。
バリエータ4は、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、プライマリプーリ42とセカンダリプーリ43に掛け渡されるプーリベルト44と、を有する。プライマリプーリ42は、プライマリ圧Ppriを導くプライマリ圧室45を有し、セカンダリプーリ43は、セカンダリ圧Psecを導くセカンダリ圧室46を有する。
変速制御ユニットは、油圧制御ユニット7による油圧制御系と、CVTコントロールユニット8による電子制御系と、を有する。
油圧制御ユニット7は、オイルポンプ70と、ライン圧ソレノイド弁72と、プライマリ圧ソレノイド弁73と、セカンダリ圧ソレノイド弁74と、を有する。
ライン圧ソレノイド弁72は、入力ポートにオイルポンプ70からのオイルポンプ油路70aが接続され、出力ポートにライン圧油路72aが接続される。
プライマリ圧ソレノイド弁73は、入力ポートにライン圧ソレノイド弁72からのライン圧油路72aが接続される。出力ポートにプライマリ圧油路73aの一端が接続され、プライマリ圧油路73aの他端は、プライマリプーリ42のプライマリ圧室45に連通する。そして、ドレーンポートに第1オリフィス73cを有する第1ドレーン油路73bが接続される。
セカンダリ圧ソレノイド弁74は、入力ポートにライン圧ソレノイド弁72からのライン圧油路72aが接続される。出力ポートにセカンダリ圧油路74aの一端が接続され、セカンダリ圧油路74aの他端は、セカンダリプーリ43のセカンダリ圧室46に連通する。そして、ドレーンポートに第2オリフィス74cを有する第2ドレーン油路74bが接続される。
CVTコントロールユニット8は、車速センサ81、セカンダリ圧センサ82、アクセル開度センサ86、プライマリ圧センサ87、マニュアル変速モード選択スイッチ90、等から変速時に必要入力情報がもたらされる。
CVTコントロールユニット8では、変速要求時、プライマリ圧室45へのプライマリ圧Ppriとセカンダリ圧油室46へのセカンダリ圧Psecのフィードフォワード制御+フィードバック制御による指令により変速制御を実行する。変速制御では、目標プライマリ回転数Npri*(目標変速比)を得る差圧とベルト滑りを抑えるベルトクランプ圧によりプライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecの目標圧を決める。そして、フィードフォワード制御では目標圧を得る指令を出力し、フィードバック制御では目標圧と実圧との偏差に応じた指令を出力する。
CVTコントロールユニット8には、変速制御の実行時、一方のプーリ室への入れ圧上昇勾配の大きさと他方のプーリ室への抜き圧下降勾配の大きさにより変速を進行させる変速速度を設定する変速速度設定部8aを有する。この変速速度設定部8aは、プライマリ圧Ppriを低減させるダウンシフトを実行する場合、変速速度を、作動油を抜く側の第1オリフィス73c(抜けオリフィス)のオリフィス径に基づいて設定する。セカンダリ圧Psecを低減させるアップシフトを実行する場合、変速速度を、作動油を抜く側の第2オリフィス74c(抜けオリフィス)のオリフィス径に基づいて設定する。
具体的には、抜けオリフィスのオリフィス径が大きいほど変速速度を速く設定し、抜けオリフィスを有するプーリのプーリ内圧力が高いほど変速速度を遅く設定する。この変速速度は、作動油を抜くプーリの油圧が増大しない範囲で最大値に設定する。なお、変速速度は、音振性能とベルト滑りにより決められる上限速度により設定可能変速速度領域を規定する。
但し、急減速に伴ってダウンシフト要求するときは、設定された変速速度に基づく変速速度規制を行わない。マニュアル変速モードの選択時であって、アクセル踏み込み状態でアップシフト要求するときは、設定された変速速度に基づく変速速度規制を行わない。
[変速速度設定制御処理構成]
図4は、実施例1のCVTコントロールユニット8の変速速度設定部8aにて実行される変速速度設定制御処理の流れを示す。以下、図4の各ステップについて説明する。
ステップS1では、スタートに続き、変速要求有りか否かを判断する。YES(変速要求有り)の場合はステップS2へ進み、NO(変速要求無し)の場合はステップS1の判断を繰り返す。
ステップS2では、ステップS1での変速要求有りとの判断に続き、変速要求がダウンシフト要求か否かを判断する。YES(ダウンシフト要求有り)の場合はステップS3へ進み、NO(アップシフト要求有り)の場合はステップS7へ進む。
ステップS3では、ステップS2でのダウンシフト要求有りとの判断に続き、急減速でないか否かを判断する。YES(急減速でない)の場合はステップS4へ進み、NO(急減速である)の場合はステップS6へ進む。
ここで、「急減速」は、車速微分値や前後Gセンサにより得られる車両減速度が、急減速閾値を超えた場合、或いは、アクセル足離し操作やブレーキ踏み込み操作が検出された場合に判断する。
ステップS4では、ステップS3での急減速でないとの判断に続き、ダウンシフトの変速速度VSを、第1オリフィス73cのオリフィス径と、プライマリ圧Ppriに基づいて設定し、ステップS5へ進む。
ここで、ダウンシフトであるときの変速速度VSの設定例を説明する。変速速度VSを設定するにあたって、図5に示すように、抜けオリフィス径が大きいほど変速速度VSを速くする複数の比例特性と、プライマリ圧Ppriが高いほど変速速度VSを遅くする反比例特性と、を予め設定しておく。なお、比例特性は、作動油を抜くプライマリプーリ42のプライマリ圧Ppriが増大しない範囲で変速速度VSを最大値に設定する特性とされている。
第1オリフィス73cのオリフィス径が小であると、抜けオリフィス径(小)の特性を選択し、変速速度VSを設定しないときの既定速度VS0と抜けオリフィス径(小)の特性との交点A1を求める。そして、交点A1から変速速度軸と平行な線を反比例特性に向かって引き、反比例特性との交点A2を求める。さらに、交点A2からプライマリ圧軸と平行な線を引き、変速速度軸と交わる交点をオリフィス径が小であるときの変速速度VS1に設定する。
第1オリフィス73cのオリフィス径が大であると、抜けオリフィス径(大)の特性を選択し、変速速度VSを設定しないときの既定速度VS0と抜けオリフィス径(大)の特性との交点B1を求める。そして、交点B1から変速速度軸と平行な線を反比例特性に向かって引き、反比例特性との交点B2を求める。さらに、交点B2からプライマリ圧軸と平行な線を引き、変速速度軸と交わる交点をオリフィス径が大であるときの変速速度VS2に設定する。なお、変速速度VS2が仮に上限速度VSmaxを超えてしまう場合には、変速速度VS2が設定可能変速速度領域に入るようにVS2=VSmaxとされ、音振性能の悪化やベルト滑りの防止が図られる。
ステップS5では、ステップS4でのダウンシフトの変速速度設定に続き、作動油を排出するドレーンに対して感度を持つ油温と劣化度合いによりステップS4にて設定された変速速度VSを補正し、ステップS11へ進む。
ここで、油温による補正では、ATF油温が低いほど同じオリフィス径でもドレーン油量が少なくなるため、ATF油温が低いほど変速速度VSを遅くする補正を行う。劣化度合いによる補正では、劣化度合いが進むほどリーク油が増えるため、劣化度合いが進むほど変速速度VSを速くする補正を行う。なお、ATF油温による補正に関しては、ATF油温領域毎のダウンシフト用マップを複数設定しておき、検出されるATF油温に応じてマップを使い分けても良い。
ステップS6では、ステップS3での急減速であるとの判断に続き、急減速を伴うダウンシフトのときには、変速速度VSの設定による変速速度規制を行わず、ステップS11へ進む。
ステップS7では、ステップS2でのアップシフト要求有りとの判断に続き、マニュアル変速モード選択によるアクセル踏み込みアップシフト時ではないか否かを判断する。YES(マニュアル変速モード選択によるアクセル踏み込みアップシフト時ではない)の場合はステップS8へ進み、NO(マニュアル変速モード選択によるアクセル踏み込みアップシフト時である)の場合はステップS10へ進む。
ここで、「マニュアル変速モード選択によるアップシフト」は、マニュアル変速モード選択スイッチ90からのスイッチ信号により判断する。アクセル踏み込み状態は、アクセル開度センサ86からのアクセル開度検出値が閾値以上であることにより判断する。
ステップS8では、ステップS7でのマニュアル変速モード選択によるアクセル踏み込みアップシフト時ではないとの判断に続き、アップシフトの変速速度VSを、第2オリフィス74cのオリフィス径と、セカンダリ圧Psecに基づいて設定し、ステップS9へ進む。
ここで、アップシフトであるときの変速速度VSの設定は、ステップS4でのダウンシフトであるときの変速速度設定と同様に行う。つまり、図5と同様の特性によるアップシフト用マップを予め設定しておき、アップシフト用マップを用いて変速速度VSを設定する。
ステップS9では、ステップS8でのアップシフトの変速速度設定に続き、作動油を排出するドレーンに対して感度を持つ油温と劣化度合いによりステップS8にて設定された変速速度VSを補正し、ステップS11へ進む。このステップS9での油温による補正と劣化度合いによる補正は、ステップS5と同様とする。
ステップS10では、ステップS7でのマニュアル変速モード選択によるアクセル踏み込みアップシフト時であるとの判断に続き、マニュアル変速モード選択によるアクセル踏み込みアップシフトのときには、変速速度VSの設定による変速速度規制を行わず、ステップS11へ進む。
ステップS11では、ステップS5,S6,S9,S10に続き、変速制御を実行し、リターンへ進む。ここで、ステップS6又はステップS10からステップS11へ進んできたときは、変速速度VSの規制を行わない変速制御を実行する。一方、ステップS5又はステップS9からステップS11へ進んできたときは、補正後の最終的に設定された変速速度VSとなるように、一方のプーリ室への入れ圧上昇勾配の大きさと他方のプーリ室への抜き圧下降勾配の大きさを決めた変速制御を実行する。
次に、実施例1の作用を、「変速速度設定制御処理作用」、「変速速度設定制御作用」に分けて説明する。
[変速速度設定制御処理作用]
以下、図4に示すフローチャートに基づいてシーン毎の変速速度設定制御処理作用を説明する。
急減速を伴わないダウンシフトの場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS11→リターンへと進む流れとなる。ステップS4では、ダウンシフトの変速速度VSが、第1オリフィス73cのオリフィス径と、プライマリ圧Ppriに基づいて設定される。次のステップS5では、作動油を排出するドレーンに対して感度を持つATF油温と劣化度合いによりステップS4にて設定された変速速度VSが補正される。ステップS11では、補正後の最終的に設定された変速速度VSとなるように、セカンダリ圧室46への入れ圧上昇勾配の大きさとプライマリ圧室45への抜き圧下降勾配の大きさを決めた変速制御が実行される。
急減速を伴うダウンシフトの場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS6→ステップS11→リターンへと進む流れとなる。ステップS6では、変速速度VSの設定による変速速度規制を行わない。ステップS11では、変速速度VSの規制を行わない既定速度による変速制御が実行される。
マニュアル変速モード選択によるアクセル踏み込みアップシフトでない場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS7→ステップS8→ステップS9→ステップS11→リターンへと進む流れとなる。ステップS8では、アップシフトの変速速度VSが、第2オリフィス74cのオリフィス径と、セカンダリ圧Psecに基づいて設定される。次のステップS9では、作動油を排出するドレーンに対して感度を持つATF油温と劣化度合いによりステップS8にて設定された変速速度VSが補正される。ステップS11では、補正後の最終的に設定された変速速度VSとなるように、セカンダリ圧室46への入れ圧上昇勾配の大きさとプライマリ圧室45への抜き圧下降勾配の大きさを決めた変速制御が実行される。
マニュアル変速モード選択によるアクセル踏み込みアップシフトの場合は、ステップS1→ステップS2→ステップS7→ステップS10→ステップS11→リターンへと進む流れとなる。ステップS10では、変速速度VSの設定による変速速度規制を行わない。ステップS11では、変速速度VSの規制を行わない既定速度による変速制御が実行される。
このように、急減速を伴わないダウンシフトの場合は、図5に示すように、第1オリフィス73cのオリフィス径が小であるときは変速速度VS1に設定され、第1オリフィス73cのオリフィス径が大であるときは変速速度VS2(>VS1)に設定される。そして、ATF油温が低いほど変速速度VSを遅くする補正が行われ、劣化度合いが進むほど変速速度VSを速くする補正が行われ、補正後の最終的に設定された変速速度VSとなる変速制御が実行される。
マニュアル変速モード選択によるアクセル踏み込みアップシフトでない場合も、急減速を伴わないダウンシフトの場合と同様に、第2オリフィス74cのオリフィス径が小であるときは変速速度が遅く設定され、第2オリフィス74cのオリフィス径が大であるときは変速速度が、オリフィス径が小であるときよりも速く設定される。そして、ATF油温が低いほど変速速度VSを遅くする補正が行われ、劣化度合いが進むほど変速速度VSを速くする補正が行われ、補正後の最終的に設定された変速速度VSとなる変速制御が実行される。
一方、急減速を伴うダウンシフトの場合、或いは、マニュアル変速モード選択によるアクセル踏み込みアップシフトの場合は、変速速度VSの規制を行わない既定速度による変速制御が実行される。
[変速速度設定制御作用]
ベルト式無段変速機CVTのダウンシフトの特性の一つである変速速度は、プライマリ圧Ppriをドレーンする速度が支配的である。つまり、変速速度は、ダウンシフト時に減圧するプライマリ圧ソレノイド弁のドレーンポートに接続されるドレーン油路に設けられるオリフィスのオリフィス径に感度を持つことを本発明者は知見した。
即ち、オリフィス径の大きさに対して変速速度(∝プーリストローク速度)が速いと、油量のドレーンが追い付かず、プライマリ圧室のプライマリ圧Ppriが上がり、変速速度が遅れることにも繋がる。更には、変速でのフィードバック制御の偏差も溜まることにもなるので、変速不良や油圧上昇等の課題につながるおそれがある。
本発明者は、変速速度が抜けオリフィスのオリフィス径に感度を持つ点に着目し、変速(ダウンシフト、アップシフト)を実行する場合、変速速度を、作動油を抜く側の抜けオリフィスのオリフィス径に基づいて設定する構成を採用した。このように、抜けオリフィスのオリフィス径というハード特性を認識した上で変速速度をコントロールすることで、変速の際、フィードバック制御での不要な偏差を溜めることなく、そのときのポテンシャルに合致した変速特性を実現することができる。
即ち、プライマリ圧Ppriを減圧するダウンシフトの場合、第1オリフィス73cのオリフィス径の大きさに対して変速速度VS(∝プーリストローク速度)を適正に設定すると、プライマリ圧室45から油を抜くドレーンがスムーズに行われる。このため、ダウンシフト中にプライマリ圧室45の実圧が目標圧より上がることがなく、フィードバック制御の偏差も溜まらない。よって、変速不良や油圧上昇等の課題が解消される。
セカンダリ圧Psecを減圧するダウンシフトの場合、第2オリフィス74cのオリフィス径の大きさに対して変速速度VS(∝プーリストローク速度)を適正に設定すると、セカンダリ圧室46から油を抜くドレーンがスムーズに行われる。このため、アップシフト中にセカンダリ圧室46の実圧が目標圧より上がることがなく、フィードバック制御の偏差も溜まらない。よって、変速不良や油圧上昇等の課題が解消される。
さらに、オリフィス径の大きさに対して変速速度VS(∝プーリストローク速度)を適正に設定することは、変速速度を設定可能な最大値にしても無理な変速をしないことになる。このため、ダウンシフトやアップシフトによる変速時、プライマリ圧Ppriやセカンダリ圧Psecのオーバシュート/アンダーシュートもなく、ベルト滑りのリスクも回避することができる。
以上説明したように、実施例1のベルト式無段変速機CVTの制御装置にあっては、下記に列挙する効果を奏する。
(1) ベルト式無段変速機CVTと、プライマリ圧ソレノイド弁73と、セカンダリ圧ソレノイド弁74と、CVTコントロールユニット8と、を備える。
ベルト式無段変速機CVTは、走行用駆動源(エンジン1)と駆動輪6との間に配され、プライマリプーリ42と、セカンダリプーリ43と、両プーリ42,43に掛け渡されるベルト(プーリベルト44)と、を有する。
プライマリ圧ソレノイド弁73は、プライマリプーリ42のプライマリ圧室45に出力ポートが連通し、ドレーンポートに第1オリフィス73cを有する第1ドレーン油路73bが接続される。
セカンダリ圧ソレノイド弁74は、セカンダリプーリ43のセカンダリ圧室46に出力ポートが連通し、ドレーンポートに第2オリフィス74cを有する第2ドレーン油路74bが接続される。
CVTコントロールユニット8は、変速要求時、プライマリ圧室45へのプライマリ圧Ppriとセカンダリ圧油室46へのセカンダリ圧Psecのフィードバック制御により変速制御を実行する。
このベルト式無段変速機CVTの制御装置において、CVTコントロールユニット8に、変速制御の実行時、変速を進行させる変速速度VSを設定する変速速度設定部8aを設ける。
変速速度設定部8aは、プライマリ圧Ppriを低減させるダウンシフトを実行する場合、又は、セカンダリ圧Psecを低減させるアップシフトを実行する場合、変速速度VSを、作動油を抜く側の抜けオリフィス(第1オリフィス73c又は第2オリフィス74c)のオリフィス径に基づいて設定する。
このため、変速の際、フィードバック制御での不要な偏差を溜めることなく、そのときのポテンシャルに合致した変速特性を実現することができ、変速不良(変速の応答性の遅れや、目標の変速比と実変速比徒の定常偏差が解消されない状態等)や不要な油圧の上昇を回避することができる。
(2) 変速速度設定部8aは、抜けオリフィス(第1オリフィス73c又は第2オリフィス74c)のオリフィス径が大きいほど変速速度VSを速く設定し、抜けオリフィス(第1オリフィス73c又は第2オリフィス74c)を有するプーリのプーリ内圧力が高いほど変速速度VSを遅く設定する。
このため、変速の際、抜けオリフィス(第1オリフィス73c又は第2オリフィス74c)のオリフィス径に加え、作動油抜け特性の影響要因であるプーリ内圧力に応じて適正な変速速度VSに設定することができる。
(3) 変速速度設定部8aは、プライマリ圧Ppriを低減させるダウンシフトを実行する場合、又は、セカンダリ圧Psecを低減させるアップシフトを実行する場合、変速速度VSを、作動油を抜くプーリの油圧(プライマリ圧Ppri又はセカンダリ圧Psec)が増大しない範囲で最大値に設定する。
このため、変速の際、フィードバック制御での不要な偏差を溜めることのない範囲で変速速度VSを最大とし、応答性の良い変速性能を実現することができる。
(4) 変速速度設定部8aは、急減速に伴ってプライマリ圧Priを低減させるダウンシフトを実行する場合、設定された変速速度VSに基づく変速速度規制を行わない。
このため、急減速に伴うロー戻し変速時、変速速度規制を受けないダウンシフトにより最ロー変速比に向かって速やかに戻すことができる。
即ち、急減速時は、再発進性向上のため、バリエータ4を最Low変速比に向けてダウンシフトを行う必要がある。従って、可能な限り速やかにプライマリ圧Ppriを低下させると共に、オイルポンプ70から吐出されている作動油を極力セカンダリ圧Psecとして用いたい。従って、急減速に伴うLow戻し変速時に限っては、変速速度VSの規制を行わずに入れ圧優先とする方が速やかなダウンシフトが達成されるシーンであることによる。
(5) CVTコントロールユニット8は、変速モードとして、無段変速モード以外に、複数の疑似有段変速比を手動操作により切り替えるマニュアル変速モードを有する。
変速速度設定部8aは、マニュアル変速モードの選択時であってアクセル踏み込み状態でアップシフトを実行する場合、設定された変速速度VSに基づく変速速度規制を行わない。
このため、アクセル踏み込み状態でマニュアル変速によりアップシフトを実行する場合、変速速度規制を受けないアップシフトにより油量収支が厳しい状況下でアップシフトを速やかに進行させることができる。
即ち、アクセルペダルが踏み込まれている状態であるため、オイルポンプ70から得られる油量は比較的多いが、アクセルペダルが踏み込まれていることで、バリエータ4への入力トルクも高い状態である。この高い入力トルクに対して、プーリベルト44が滑らないために必要な最低圧が高くなっており、この状態で変速比の乖離幅が大きなマニュアル変速によるアップシフトを行う必要がある。つまり、ベルト滑りが発生しない油圧を確保しつつ、変速のための油圧を確保する必要があるというように、油量収支が厳しい状態である。このような状態では、変速速度規制を行わずに入れ圧優先とする方が、アップシフトの進行が速やかになることによる。
(6) 変速速度設定部8aは、音振性能とベルト滑りにより決められる上限速度VSmaxにより変速速度VSとして設定可能な設定可能変速速度領域を規定する。
このため、ダウンシフトやアップシフトによる変速時、騒音や振動やベルト滑りが発生することを防止することができる。
即ち、変速速度VSが上限速度VSmaxより速いと、プーリベルト44の巻き付き径の位置が径方向に急変することで、プーリベルト44とプーリシーブ面との衝突接触を繰り返すことにより騒音や振動が発生するおそれがある。また、プーリベルト44の巻き付き位置が径方向に急変すると、プーリベルト44とプーリシーブ面との接触面積が小さくなり、ベルトクランプ力が低下してベルト滑りが発生するおそれがある。
以上、本発明のベルト式無段変速機の制御装置を実施例1に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、変速速度設定部8aとして、急減速に伴ってダウンシフトする場合、及び、マニュアル変速モードの選択時であって、アクセル踏み込み状態でアップシフトを実行する場合、設定された変速速度VSに基づく変速速度規制を行わない例を示した。しかし、変速速度設定部としては、油量のドレーンが支配的とはならない他の変速シーンにおいて、設定された変速速度に基づく変速速度規制を行わない例としても良い。
実施例1では、本発明の制御装置を、トルクコンバータと前後進切替機構とバリエータと終減速機構により構成されるベルト式無段変速機を搭載したエンジン車に適用する例を示した。しかし、本発明の制御装置は、バリエータのみによるベルト式無段変速機に限らず、副変速機付きベルト式無段変速機を搭載した車両に適用しても良い。適用される車両としても、エンジン車に限らず、走行用駆動源にエンジンとモータを搭載したハイブリッド車、走行用駆動源にモータを搭載した電気自動車等に対しても適用できる。
1 エンジン(走行用駆動源)
CVT ベルト式無段変速機
2 トルクコンバータ
3 前後進切替機構
4 バリエータ
42 プライマリプーリ
43 セカンダリプーリ
44 プーリベルト(ベルト)
45 プライマリ圧室
46 セカンダリ圧室
5 終減速機構
6 駆動輪
7 油圧制御ユニット
70 オイルポンプ
70a ポンプ圧油路
72 ライン圧ソレノイド弁
72a ライン圧油路
73 プライマリ圧ソレノイド弁
73a プライマリ圧油路
73b 第1ドレーン油路
73c 第1オリフィス
74 セカンダリ圧ソレノイド弁
74a セカンダリ圧油路
74b 第2ドレーン油路
74c 第2オリフィス
8 CVTコントロールユニット
8a 変速速度設定部

Claims (6)

  1. 走行用駆動源と駆動輪との間に配され、プライマリプーリと、セカンダリプーリと、両プーリに掛け渡されるベルトと、を有するベルト式無段変速機と、
    前記プライマリプーリのプライマリ圧室に出力ポートが連通し、ドレーンポートに第1オリフィスを有する第1ドレーン油路が接続されるプライマリ圧ソレノイド弁と、
    前記セカンダリプーリのセカンダリ圧室に出力ポートが連通し、ドレーンポートに第2オリフィスを有する第2ドレーン油路が接続されるセカンダリ圧ソレノイド弁と、
    変速要求時、前記プライマリ圧室へのプライマリ圧と前記セカンダリ圧油室へのセカンダリ圧のフィードバック制御により変速制御を実行するCVTコントロールユニットと、を備え、
    前記CVTコントロールユニットに、変速制御の実行時、変速を進行させる変速速度を設定する変速速度設定部を設け、
    前記変速速度設定部は、前記プライマリ圧を低減させるダウンシフトを実行する場合、又は、前記セカンダリ圧を低減させるアップシフトを実行する場合、前記変速速度を、作動油を抜く側の抜けオリフィスのオリフィス径に基づいて設定する
    ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたベルト式無段変速機の制御装置において、
    前記変速速度設定部は、前記抜けオリフィスのオリフィス径が大きいほど前記変速速度を速く設定し、前記抜けオリフィスを有するプーリのプーリ内圧力が高いほど前記変速速度を遅く設定する
    ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載されたベルト式無段変速機の制御装置において、
    前記変速速度設定部は、前記プライマリ圧を低減させるダウンシフトを実行する場合、又は、前記セカンダリ圧を低減させるアップシフトを実行する場合、前記変速速度を、作動油を抜くプーリの油圧が増大しない範囲で最大値に設定する
    ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載されたベルト式無段変速機の制御装置において、
    前記変速速度設定部は、急減速に伴って前記プライマリ圧を低減させるダウンシフトを実行する場合、設定された前記変速速度に基づく変速速度規制を行わない
    ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載されたベルト式無段変速機の制御装置において、
    前記CVTコントロールユニットは、変速モードとして、無段変速モード以外に、複数の疑似有段変速比を手動操作により切り替えるマニュアル変速モードを有し、
    前記変速速度設定部は、前記マニュアル変速モードの選択時であってアクセル踏み込み状態でアップシフトを実行する場合、設定された前記変速速度に基づく変速速度規制を行わない
    ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載されたベルト式無段変速機の制御装置において、
    前記変速速度設定部は、音振性能とベルト滑りにより決められる上限速度により前記変速速度として設定可能な設定可能変速速度領域を規定する
    ことを特徴とするベルト式無段変速機の制御装置。
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