JP2019143387A - 操作推定装置、及び操作推定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、施工環境の異なる現場の各々に対応して、オペレータがシールド掘削機の制御を適切に行わなければ、掘削されたトンネルの設計に対する精度や安全性が低下する。
熟練したオペレータは、掘削中の現場におけるシールド掘削機の制御を行う際、現在の現場の施工環境に対応した制御を、過去の似たような施工環境における制御の知識を応用して行っている。しかし、施工した現場の数の少ないオペレータの場合、経験したことのない施工環境においては、乏しい経験と基礎的な操作知識では、その施工環境における適切なシールド掘削機の制御を行うことができない。
この問題を解決するため、掘削の際におけるシールド掘削機のカッターの回転状態及び推進ジャッキの推進状態を示す計測データにより、シールド掘削機を自動運転させる構成がある(例えば、特許文献1参照)。
そのため、熟練したオペレータの操作を教師データとして機械学習によりシールド掘削機の操作を学習させた機械学習モデル(以下、学習モデルという)を用いることで、より熟練したオペレータに近い操作を行う設定値を推定することが考えられる。
また、熟練したオペレータは、測定値が指示された値から乖離しても、測定値の変化量(ブレ、振れ幅ともいう)を小さく制御することを優先する場合もあり、測定値を指示された値に近づけることだけが「良いデータ」の条件ではない。
さらに、掘削が進むにつれシールド掘削機から得られる測定値が膨大となることから、測定値の時系列変化を可視化する等して、目視により測定値を「良いデータ」と「悪いデータ」とを判定するのは現実的ではない。
図1(a)に示すように、シールド掘削機10は、円筒形のスキンプレート11の後部において、エレクタ(不図示)によりセグメントを組み立てて、一次覆工Sを施工しつつ、地山を掘削するための機構である。シールド掘削機10においては、カッタービット15を備えた環状かつ面板型のカッター16の後部にチャンバー12が設けられている。チャンバー12内の側壁には複数の土圧計Dが設置される。土圧計Dは、チャンバー12における泥土の圧力(制御土圧)を測定する。
チャンバー12には作泥土材注入管13から作泥土材14が注入される。チャンバー12内に堆積された掘削土は、練混ぜ翼(不図示)により、作泥土材14と撹拌することで練混ぜられ、泥土に変換される。
スクリューコンベア17は、チャンバー12の泥土を、排土ゲートGを介してコンベア18に排土する。そして、コンベア18は、スクリューコンベア17より排出された泥土を、コンベア19を介してトンネルの外部に搬出する。架台Mは、スクリューコンベア17と、コンベア18、及び19とを支持している。
操作推定装置30は、操作実績データ取得部31と、状況データ取得部32と、データ選択部33と、操作推定データ出力部34と、学習済みモデル記憶部35と、操作推定部36と、操作状況データ記憶部37と、学習データ生成部38とを備える。
ここで、シールド掘削機10に対して行う操作には、例えば、土圧制御のために行う操作がある。土圧制御は、チャンバー12における泥土の圧力(制御土圧)を、掘削面の土圧・水圧とバランスさせることにより地山を安定させるための制御である。
ここで、シールド掘削機10が掘削した状況には、例えば、土圧に関する状況がある。
土圧に関する状況には、チャンバー12における泥土の圧力(制御土圧)の状況、および掘削面の土圧・水圧の状況がある。つまり、土圧に関する状況データは、土圧計Dにより計測されたチャンバー12における泥土の圧力(制御土圧)、掘削面に垂直な方向にシールド掘削機10に対して作用する圧力(指示土圧)を示すデータである。指示土圧は、掘削指示書により予め提示され、例えば、掘削の対象となる地山の深度や地質に基づいて導出される土圧に、地盤の沈下等を考慮して決定される。
また、データ選択部33は、選択対象データを分類する手法として、例えば、K−means法を用いてよい。
ここで、開始期は、掘削が開始されてから掘削が安定するまでの期間をいう。定常期は掘削が安定した後から掘削が終了するまでの期間をいう。
開始期の終了条件である所定の条件とは、例えば、指示土圧と制御土圧との差(土圧誤差)が所定の閾値以下となる条件である。この場合、開始期は、掘削を開始した時刻から土圧誤差が所定の閾値以下となる時刻までの間となる。
多くの場合、掘削を開始した直後は土圧誤差が大きい。このため、開始期には、掘削の速度や方向より地山を安定させることを優先し、土圧制御により土圧誤差を小さくすることを目的とした操作が行われる。
これに対し、掘削が安定して、定常期に入った場合には、地山を引き続き安定させつつ、掘削の速度を上げたり、掘削の方向を指示通りに制御したりする操作が行われる。
一般に、シールド掘削機10では、1リング分の掘削を行った後に掘削が一次停止されてセグメントが組み立てられる。リング毎に掘削と組み立てとが繰り返される。データ選択部33が、選択対象データについてリング毎の特徴量を抽出することで、リング毎の掘削の良し悪しを特徴量として抽出することが可能となる。また、掘削指示書では、リング毎に掘削を開始する位置と終了する位置とが指示されため、リング毎の特徴量を抽出することで、指示された値と実際の状況との差分を特徴量として抽出することが可能となる。
データ選択部33は、スクリュー回転速度の安定度合を示す指標に基づいて、選択対象データを分類する。この場合、データ選択部33は、スクリュー回転速度が安定しなかったデータを学習候補データから排除したり、スクリュー回転速度が安定しなかったデータを学習候補データとして選択したりすることが可能となる。
ここで、学習データは、データ選択部33により学習候補データとして選択されたデータに基づいて作成されたデータである。
あるいは、学習データは、一般的なシールドマシンにおける指示土圧、及びスクリュー回転速度等のデータの時系列変化に、スクリュー回転速度の設定値が対応づけられたデータであってもよい。この場合、操作推定モデルは、データ選択部33により学習候補データとして選択されたデータに基づいて作成された学習データを用いて追加学習されたモデルであってよい。
なお、推定モデルを作成する機械学習の技法としては、決定木学習、ニューラルネットワーク、遺伝的プログラミング、サポートベクタマシンなどの一般的に用いられている技法のいずれが用いられてもよい。
操作推定部36は、例えば、制御土圧とスクリュー回転速度の設定値の実績を操作推定モデルに入力することにより、シールド掘削機10におけるスクリュー回転速度の設定値を推定する。
図3に示すように、例えば、開始期のデータの特徴量には、データの特徴量とリング番号との項目が記憶される。
開始期のデータの特徴量として、スクリュー回転速度のばらつきとしてのスクリュー回転速度の最大最小差、標準偏差、平均、変動係数が記憶される。また、開始期のデータの特徴量として、スクリュー回転速度の設定頻度、スクリュー回転速度の設定量の平均値、がそれぞれ記憶される。
また、開始期のデータの特徴量として、開始期の時間が記憶される。また、開始期のデータの特徴量として、制御土圧の平均、制御土圧誤差のばらつきとしての制御土圧誤差の最大最小差、標準偏差、平均、変動係数がそれぞれ記憶される。また、各データの特徴量は、リング番号ごとに記憶される。
図4に示すように、例えば、定常期のデータの特徴量には、データの特徴量とリング番号との項目が記憶される。
定常期のデータの特徴量として、スクリュー回転速度のばらつきとしてのスクリュー回転速度の最大最小差、標準偏差、平均、変動係数が記憶される。また、定常期のデータの特徴量として、スクリュー回転速度の設定量の平均値がそれぞれ記憶される。
また、定常期のデータの特徴量として、制御土圧の平均、及び制御土圧外れ時間率がそれぞれ記憶される。また、制御土圧誤差のばらつきとしての制御土圧誤差の最大最小差、標準偏差、平均、変動係数、二乗平均誤差がそれぞれ記憶される。また、各データの特徴量は、リング番号ごとに記憶される。
図5に示すように、例えば、データはリング番号ごとに分類される。また、データは、例えば、分類番号1〜4の4つに分類される。
図5の例では、分類番号1は、例えば、次の条件を満たすデータである。(条件1)定常期におけるスクリュー回転速度の設定値のばらつき(標準偏差)が大きい、(条件2)定常期におけるスクリュー回転速度の設定頻度が多い、(条件3)定常期におけるスクリュー回転速度の一回の操作における設定量の平均が大きい、(条件4)定常期における制御土圧外れ時間率が大きい、(条件5)制御土圧誤差のばらつき(標準偏差)が大きい。
例えば、(条件1)から(条件3)を満たすデータはスクリュー回転速度が適切に設定されず、大きく設定しすぎたり、小さく設定しすぎたりして、何度も設定し直すために設定頻度が多く、尚且つきく設定しすぎたり、小さく設定しすぎたりして設定量の平均が大きくなってしまったデータである。また、(条件4)及び(条件5)を満たすデータは制御土圧と指示土圧との差分が所定の閾値よりも大きくなる時間が多く、制御土圧と指示土圧との差分のばらつきも大きいデータである。
このような分類番号1として選択されるデータは、スクリュー回転速度の設定が適切に制御されていないために、土圧が不安定となり地山を安定させて掘削することができていないデータである。
例えば、(条件1)を満たすデータは、リング長が長い、つまり1リング分の掘削する距離が長い場合のデータである。(条件2)を満たすデータは、掘削を開始してから早期に制御土圧が安定したデータである。(条件3)から(条件5)を満たすデータは、制御土圧と指示土圧との差分が閾値よりも大きくなる時間が少なく、制御土圧と指示土圧との差分のばらつきも抑えられたデータである。
このような分類番号2として選択されるデータは、特にリング長が長く場合に、適切な操作がなされたデータである。
例えば、(条件1)を満たすデータは、単位時間当たりに掘削した距離が長い、つまり掘削速度が速い場合のデータである。(条件2)を満たすデータは、スクリュー回転速度の設定値の幅が小さく、回転速度が安定したデータである。(条件3)を満たすデータは、制御土圧と指示土圧との差分が閾値よりも大きくなる時間が少ないデータである。
このような分類番号3として選択されるデータは、特に掘削する速度が速い場合に、適切な操作がなされたデータである。
例えば、(条件1)を満たすデータは、掘削を開始してから早期に制御土圧が安定したデータである。(条件2)から(条件4)を満たすデータは、制御土圧と指示土圧との差分が閾値よりも大きくなる時間が少なく、制御土圧と指示土圧との差分のばらつきも抑えられたデータである。
このような分類番号4として選択されるデータは、早期に制御土圧が安定しその後も土圧の制御がについて適切な操作がなされたデータである。
まず、操作推定装置30は、リング毎の選択対象データを取得する(ステップS10)。操作推定装置30は、リング毎に、操作実績データ取得部31により操作実績データを所定の時間間隔(例えば、1秒間隔)で取得し、状況データ取得部32により状況データを所定の時間間隔(例えば、1秒間隔)で取得することにより選択対象データを取得する。
次に、データ選択部33は、取得した選択対象データを開始期のデータと定常期のデータとに分ける(ステップS11)。
次に、データ選択部33は、特徴量を抽出する(ステップS12)。データ選択部33は、リング毎の開始期、及び定常期の期ごとにデータの時系列変化に統計処理を行うことにより特徴量を抽出する。
次に、データ選択部33は、抽出した特徴量に基づいて、選択対象データを分類する(ステップS13)。データ選択部33は、開始期の時間や、定常期の制御土圧外れ時間の値などの特徴量に基づいて分類する。
そして、データ選択部33は、分類した選択対象データの中から学習候補データを選択する(ステップS14)。データ選択部33は、例えば、開始期の時間が短いデータを学習候補データとして選択する。データ選択部33は、例えば、定常期の制御土圧外れ時間の割合が小さいデータを学習候補データとして選択する。
Claims (6)
- シールド掘削機に対する操作の実績を示す操作実績データを取得する操作実績データ取得部と、
前記シールド掘削機が掘削した状況を示す状況データを取得する状況データ取得部と、
前記操作実績データと前記状況データとを含む選択対象データの時系列変化に基づいて、前記選択対象データの特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいて前記選択対象データを分類し、前記シールド掘削機の操作を推定する操作推定モデルに機械学習させる学習データの候補とする学習候補データを選択するデータ選択部
を有する
ことを特徴とする操作推定装置。 - 前記データ選択部は、前記選択対象データを、掘削の開始から終了までのリング毎に、掘削を開始した時刻から所定の条件を満たした時刻までの開始期、及び前記所定の条件を満たした時刻以降から掘削を終了した時刻までの定常期に分割する
ことを特徴とする請求項1に記載の操作推定装置。 - 前記データ選択部は、前記開始期の時間に基づいて前記開始期のデータから前記学習候補データを選択する
ことを特徴とする請求項2に記載の操作推定装置。 - 前記状況データ取得部は、前記シールド掘削機が掘削する際の目標値として指示される指示土圧と、前記シールド掘削機が実際に掘削した際に測定された制御土圧との各々を示すデータを取得し、
前記データ選択部は、前記定常期のデータ全体において、前記指示土圧と前記制御土圧との差分が所定の閾値以上となったデータの割合に基づいて、前記定常期のデータから前記学習候補データを選択する
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の操作推定装置。 - 前記操作実績データ取得部は、前記シールド掘削機のスクリューコンベアのスクリュー回転速度の設定値を示すデータを取得し、
前記データ選択部は、前記スクリュー回転速度の設定値が変更された頻度、前記スクリュー回転速度の設定値の単位時間あたりの平均値、及び前記スクリュー回転速度の設定値の最大値と最小値との差分のうちの少なくとも一つに基づいて、前記選択対象データから前記学習候補データを選択する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の操作推定装置。 - 操作実績データ取得部が、シールド掘削機に対する操作の実績を示す操作実績データを取得する工程と、
状況データ取得部が、前記シールド掘削機が掘削した状況を示す状況データを取得する工程と、
データ選択部が、前記操作実績データと前記状況データとを含む選択対象データの時系列変化に基づいて、前記選択対象データの特徴量を抽出し、抽出した特徴量に基づいて前記選択対象データを分類し、前記選択対象データから前記シールド掘削機の操作を推定する操作推定モデルにおける機械学習に用いる学習データの候補とする学習候補データを選択する工程
を有することを特徴とする操作推定方法。
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