JP6796822B2 - シールド掘削機操作分析システム、シールド掘削機操作分析方法およびプログラム - Google Patents
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Description
すなわち、施工環境の異なる現場の各々に対応して、オペレータがシールド掘削機の操作を適切に行なわなければ、掘削されたトンネルの設計に対する精度や安全性が低下する。
熟練したオペレータは、掘削中の現場におけるシールド掘進機の操作を行なう際、現在の現場の施工環境に対応した操作を、過去の似たような施工環境における操作の知識を応用して行なっている。しかし、施工した現場の数の少ないオペレータの場合、経験したことのない施工環境においては、乏しい経験と基礎的な操作知識では、その施工環境おける適切なシールド掘削機の操作を行なうことができない。
この問題を解決するため、掘削の際におけるシールド掘削機のカッターの回転状態及び推進ジャッキの推進状態を示す計測データにより、シールド掘削機を自動運転させる構成がある(例えば、特許文献1参照)。
このため、オペレータによる操作の均一化はされるが、計測データに対応して行なったシールド掘削機の操作の、その現場の施工環境との関連性は不明である。すなわち、引用文献1のように計測データを取得して、この計測データに対応した制御を行なうことのみでは、オペレータの熟練度を向上させることはできない。
図1は、本実施形態のシールド掘削機操作分析システムの操作分析を行なう対象のシールド掘削機を説明する図である。
図1(a)は、本実施形態のシールド掘削機操作分析システムの操作分析を行なう対象のシールド掘削機の概念図を示している。
掘削機構50は、円筒形のスキンプレート2の矢印D1方向後部でエレクタ(図示略)によりセグメントを組み立てることにより、一次覆工Sを施工しつつ、シールド掘削機20を掘進させるための機構である。掘削機構50においては、切羽23を備えた環状且つ面板型のカッター10の矢印D1方向後方に作泥土室7が設けられている。作泥土室7には作泥土材注入管8から作泥土材9が注入され、図示しない練混ぜ翼によって強力に練混ぜることによって掘削された土砂を泥土に変換し、泥土圧を土圧・水圧とバランスさせることにより切羽23を安定させ、掘削を行う。ここで、掘削機構50の作泥土室7に堆積した掘削残土は、スクリューコンベア60に導入され、コンベア62及び63を介して、掘削しているトンネルの外部に排土される。架台Mは、スクリューコンベア60、コンベア62及び63各々を支持している。また、図示していないが、掘削機構50は、推進ジャッキ(後述)が設けられており、この推進ジャッキにより掘削方向及び推進速度の操作が行なわれる。
この操作データ入力部12は、例えば、シールド掘削機の操作を行なう操作盤におけるタッチパネルに対して入力される、操作の種類毎の操作値を操作データとして取得する。タッチパネルの操作データは、操作盤からコンピュータに対してデジタルデータとして出力される。このため、操作データ入力部12は、直接にデジタルデータとして操作データを得ることができるため、ダイヤル式のアナログデータをデジタルデータに変換する必要がなくなり、A/D(Analog/Digital)変換器などを設けないために装置が簡易化できるとともに、変換する時間分だけ操作データを取得する処理の時間を短縮することができる。
操作タイミング抽出部14は、操作データ検出部13が検出した操作データの操作が開始されたタイミングである操作開始時間、操作を停止した時間、すなわち操作値の維持を開始した操作停止時間を読み取る。ここで、操作タイミング抽出部14は、操作停止時間から操作開始時間を減算し、操作データを変化させた操作時間幅を求める。また、操作タイミング抽出部14は、操作を行なう前の操作データの操作値から操作停止時間における操作データの操作値を減算し、上記操作時間幅において変化した操作値の数値である変化操作値を求める。
また、監視項目データ検出部15は、操作タイミング抽出部14が検出した操作開始時間から、上記所定の時間幅における監視項目データの各々の数値を変化後監視項目データ群として、データテーブル記憶部17の監視項目データテーブルから抽出する。
そして、データ関連性解析部16は、分析対象とした種類の操作データの変化操作値と、各監視項目データの監視項目データ差分値との相関係数を算出する。ここで、データ関連性解析部16は、分析対象の操作データとの相関係数が予め設定された閾値以上となった監視項目データを、操作データと関連性のある監視項目データとして抽出する。
本実施形態においては、操作データと監視項目データとの関連性を示す度合いとして、相関係数を用いて説明したが、関連性が抽出できるものであれば、重回帰分析などの多変量解析や、データから反復的に学習し、関連性を抽出する機械学習など、どのような手法を用いてもよい。機械学習を用いることにより、関連性を抽出するのみでなく規則性も併せて抽出することができる。
さらに、操作データが操作されたタイムスタンプが確認できるため、データテーブル記憶部17における監視項目データテーブルにおいて、各操作データが操作された際、関連性がある監視項目データがどのように変化していたかを確認することができる。すなわち、各監視項目データがどのように変化すると、オペレータがその変化した監視項目データの組合わせに対応して、1個あるいは複数の操作データを操作するかの原因と結果との関係が明確化されることになる。
また、本実施形態によれば、熟練したオペレータの経験的なノウハウあるいは感覚的な処理などの暗黙知を、全てのオペレータに対して共通に提供できる形式知や組織知とすることができる。これにより、経験の少ないオペレータが操作する際に、熟練したオペレータの操作を反映させることができるので、シールド掘削機の操作を熟練したオペレータのレベルで均一化することが可能となる。
ステップS11: 図示しない計時手段は、時間を計時し、予め設定された所定の周期の時間が経過したか否かの判定を行なう。そして、計時手段は、所定の周期の時間が経過した場合、処理をステップS12へ進める。また、計時手段は、監視項目データ入力部11及び操作データ入力部12の各々に対して、所定の周期の時間が経過したことを示す計時信号を出力刷る。一方、計時手段は、所定の周期の時間が経過していない場合、ステップS11の処理を繰り返す。
ステップS15: 操作データ入力部12は、サンプリングによって得られた操作値をデータテーブル記憶部17の操作データテーブルに対して書き込んで記憶させる。
上述した処理を、トンネルの掘削が開始されてから終了するまで、あるいは分析したい区間における掘削範囲において継続して行う。
ステップS21: 操作データ検出部13は、データテーブル記憶部17の操作データテーブルを、タイムスタンプの示す時刻の順に時系列に参照し、操作データの変化を検出する。
ステップS22: 操作データ検出部13は、そのタイムスタンプの時刻で操作データの操作値が変化した場合、処理をステップS23へ進め、一方、操作データの操作値が変化していない場合、処理をステップS21へ戻す。
このとき、操作データ検出部13は、操作データテーブルの全ての操作データを参照する処理が終了した場合、終了したことを監視項目データ検出部15に通知するとともに、処理をステップS25へ進める。一方、操作データ検出部13は、操作データテーブルの全ての操作データを参照する処理が終了していない場合、処理をステップS21へ進める。
12…操作データ入力部
13…操作データ検出部
14…操作タイミング抽出部
15…監視項目データ検出部
16…データ関連性解析部
17…データテーブル記憶部
18…データ関連性記憶部
Claims (6)
- シールド掘削機に対する操作に関し、シールド掘削機の掘削状況を監視する監視項目データの各々と当該監視項目データそれぞれに対応した熟練したオペレータの操作の操作値との対応関係を分析するシールド掘削機操作分析システムであって、
前記操作値の変化を検出する操作データ変化検出部と、
前記操作値の変化が発生したタイミングである操作値変化タイミングにおいて前記監視項目データを抽出する監視項目データ検出部と、
前記操作値の変化量と、当該操作値の前記操作値変化タイミングで抽出した前記監視項目データの各々の変化量との相関を求めることにより、前記監視項目データ検出部の各々から、前記操作値と関連性のある監視項目データを抽出するデータ関連性分析部と
を備える
ことを特徴とするシールド掘削機操作分析システム。 - 所定の時間毎に前記監視項目データを取得する監視項目データ入力部と、
前記所定の時間毎に前記操作値を取得する操作データ入力部と、
前記所定の時間毎に前記監視項目データと前記操作値とが記憶されたデータテーブル記憶部とをさらに備え、
操作データ変化検出部が、前記データテーブル記憶部において、前記操作値の変化を検出し、
前記監視項目データ検出部が、前記データテーブル記憶部において、前記操作値変化タイミングの前後の監視項目データを抽出する
ことを特徴とする請求項1に記載のシールド掘削機操作分析システム。 - 前記操作値が変化した前記操作値変化タイミングから、当該操作値変化タイミングより前に前記監視項目データが変化したタイミングである監視項目データ変化タイミングまでの時間を求める操作タイミング抽出部と、
前記操作値と、当該操作値との関連性のある前記監視項目データとの組合わせを蓄積するデータ関連性記憶部と
をさらに備える
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシールド掘削機操作分析システム。 - データ関連性分析部が、機械学習を用いて前記操作値と前記監視項目データとの関連性を抽出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシールド掘削機操作分析システム。 - シールド掘削機に対する操作に関し、シールド掘削機の掘削状況を監視する監視項目データの各々と当該監視項目データそれぞれに対応した熟練したオペレータの操作の操作値との対応関係を分析するシールド掘削機操作分析方法であって、
操作データ変化検出部が、前記操作値の変化を検出する操作データ変化検出過程と、
監視項目データ検出部が、前記操作値の変化が発生したタイミングである操作値変化タイミングにおいて前記監視項目データを抽出する監視項目データ検出過程と、
データ関連性分析部が、前記操作値の変化量と、当該操作値の前記操作値変化タイミングで抽出した前記監視項目データの各々の変化量との相関を求めることにより、前記監視項目データ検出部の各々から、前記操作値と関連性のある監視項目データを抽出するデータ関連性分析過程と
を含む
ことを特徴とするシールド掘削機操作分析方法。 - シールド掘削機の操作において、シールド掘削機の掘削状況を監視する監視項目データの各々と当該監視項目データそれぞれに対応した熟練したオペレータの操作の操作値との対応関係を分析するシールド掘削機操作分析システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラムであり、
前記コンピュータを、
前記操作値の変化を検出する操作データ変化検出手段、
前記操作値の変化が発生したタイミングである操作値変化タイミングにおいて前記監視項目データを抽出する監視項目データ検出手段、
前記操作値の変化量と、当該操作値の前記操作値変化タイミングで抽出した前記監視項目データの各々の変化量との相関を求めることにより、前記監視項目データ検出手段の各々から、前記操作値と関連性のある監視項目データを抽出するデータ関連性分析手段
として機能させるプログラム。
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