JP2019143386A - 操作推定装置、及び操作推定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、施工環境の異なる現場の各々に対応して、オペレータがシールド掘削機の制御を適切に行わなければ、掘削されたトンネルの設計に対する精度や安全性が低下する。
熟練したオペレータは、掘削中の現場におけるシールド掘削機の制御を行う際、現在の現場の施工環境に対応した制御を、過去の似たような施工環境における制御の知識を応用して行っている。しかし、施工した現場の数の少ないオペレータの場合、経験したことのない施工環境においては、乏しい経験と基礎的な操作知識では、その施工環境における適切なシールド掘削機の制御を行うことができない。
この問題を解決するため、掘削の際におけるシールド掘削機のカッターの回転状態及び推進ジャッキの推進状態を示す計測データにより、シールド掘削機を自動運転させる構成がある(例えば、特許文献1参照)。
そのため、熟練したオペレータの操作を教師データとして機械学習によりシールド掘削機の操作を学習させた機械学習モデル(以下、学習モデルという)を用いることで、より熟練したオペレータに近い操作を行う設定値を推定することが考えられる。
図1(a)に示すように、シールド掘削機10は、円筒形のスキンプレート11のy軸の負方向の後部において、エレクタ(不図示)によりセグメントを組み立てて、一次覆工Sを施工しつつ、地山を掘削するための機構である。シールド掘削機10においては、カッタービット15を備えた環状かつ面板型のカッター16のy軸の負方向の後部にチャンバー12が設けられている。チャンバー12内の側壁には複数の土圧計Dが設置される。土圧計Dは、チャンバー12における泥土の圧力を測定する。
チャンバー12には作泥土材注入管13から作泥土材14が注入される。チャンバー12内に堆積された掘削土は、練混ぜ翼(不図示)により、作泥土材14と撹拌することで練混ぜられ、泥土に変換される。
スクリューコンベア17は、チャンバー12の泥土を、排土ゲートGを介してコンベア18に排土する。そして、コンベア18は、スクリューコンベア17より排出された泥土を、コンベア19を介してトンネルの外部に搬出する。架台Mは、スクリューコンベア17と、コンベア18、及び19とを支持している。
操作推定装置30は、操作実績データ取得部31と、状況データ取得部32と、操作推定データ出力部33と、評価データ取得部34と、学習済みモデル記憶部35と、操作推定部36と、操作状況データ記憶部37と、学習データ生成部38と、を備える。
ここで、シールド掘削機10に対して行う操作には、土圧制御のために行う操作と、方向制御のために行う操作とがある。土圧制御は、チャンバー12内の泥土圧を、掘削面の土圧・水圧とバランスさせることにより地山を安定させるための制御である。また、方向制御は、予め計画された方向に沿って実際に掘進するためのシールド掘削機10の掘進方向の制御である。
ここで、シールド掘削機10が掘削した状況には、土圧に関する状況と、方向に関する状況とがある。
土圧に関する状況には、チャンバー12内の泥土圧の状況、および掘削面の土圧・水圧の状況がある。つまり、土圧に関する状況データは、土圧計Dにより計測されたチャンバー12内の泥土圧、掘削面に垂直な方向にシールド掘削機10に対して作用する圧力(指示土圧)を示すデータである。指示土圧は、掘削指示書により予め提示され、例えば、掘削の対象となる地山の深度や地質に基づいて導出される土圧に、地盤の沈下等を考慮して決定される。
評価データ取得部34は、例えば、シールド掘削機10の操作室の入力装置(例えば、タッチパネル)を介してオペレータにより入力された評価の内容を示す評価データを取得する。オペレータは、例えば、シールド掘削機10の操作室の操作画面に表示された操作の設定値(推定値)を視認し、その値が熟練のオペレータが操作しようとした設定値と同様である場合には、肯定的な評価を行う。また、オペレータは、例えば、操作画面に表示された操作の設定値(推定値)を視認し、その値が、熟練のオペレータが操作しようとした設定値とは異なる場合には、否定的な評価を行う。オペレータは、例えば、推定した操作の設定値をそのまま設定した場合に、チャンバー12内の土圧と、指示土圧との差分が増加してしまうと予測された場合には、否定的な評価を行う。
評価データ取得部34は、取得した評価データを学習データ生成部38に出力する。
なお、推定モデルを作成する機械学習の技法としては、決定木学習、ニューラルネットワーク、遺伝的プログラミング、サポートベクタマシンなどの一般的に用いられている技法のいずれが用いられてもよい。
操作推定部36は、状況データ取得部32により取得された状況データを操作推定モデルに入力し、操作推定モデルから出力された操作の設定値を、シールド掘削機10の操作の設定値とする。
学習データ生成部38は、生成した学習データを用いて操作推定モデルを更新する。具体的には、学習データ生成部38は、生成した学習データを用いて機械学習を実行することで、操作推定モデルにシールド掘削機10が実際に掘削する地山の状況とその状況に対応する操作の設定値を学習(追加学習)させる。これにより、操作推定モデルは、シールド掘削機10が実際に掘削する地山の地質等の状況に応じた操作の設定値をより適切に推定することが可能となる。
学習データ生成部38が、操作状況データ記憶部37に記憶された状況データのうちの一部を選択して学習データを生成する場合、例えば、評価データに基づいて状況データを選択する。学習データ生成部38は、例えば、否定的な評価が示された評価データに対応する状況データを抽出し、抽出した状況データに対応する操作実績データを対応付けた学習データを生成する。つまり、学習データ生成部38は、過去に推定した操作推定データに対し否定的な評価が行われたものについて、より理想的な操作の設定値である操作実績データを対応付けた学習データを生成する。こうすることで、操作推定モデルによる推定が適切ではない否定的な評価を受けたものについて、操作推定モデルに再度学習させることが可能な学習データを生成することができる。
図3に示すように、例えば、操作状況データ記憶部37に記憶されるデータは、データ種別ごとに、タイムスタンプ毎のデータが記憶される。
データ種別には、データの種別として、状況データ、操作推定データ、評価データ、操作実績データが記憶される。データ種別に記憶される各データに対応付けて一つ以上のデータ項目が記憶される。
この例では、状況データに対応づけて、データ項目#1〜#N(ただし、Nは任意の自然数)のN個のデータ項目が記憶される。例えば、状況データのデータ項目#1はチャンバー12内の泥土圧、#2は指示土圧、…等である。
また、操作推定データに対応づけて、#1〜#M(ただし、Mは任意の自然数)のM個のデータ項目が記憶される。例えば、操作推定データのデータ項目#1は作泥土材14の注入量、#2はスクリューコンベア17のスクリューの回転速度、…等である。
また、評価データに対応づけて、#1〜#M(ただし、Mは任意の自然数)のM個のデータ項目が記憶される。評価データのデータ項目#1は操作推定データのデータ項目#1に対する評価である。
また、評価実績データに対応づけて、#1〜#M(ただし、Mは任意の自然数)のM個のデータ項目が記憶される。操作実績データのデータ項目#1は操作推定データのデータ項目#1に対応する操作の実績を示すデータである。
タイムスタンプには、時刻T1〜T4…毎にデータ項目に対応するデータについて測定された値またはデータ項目に対応するデータについて取得された値が記憶される。
図4に示すように、例えば、評価画面にはデータ種別を示す画像G−1、データ種別ごとの時系列変化を示す画像G−2、および評価を入力するタッチパネルの画像G−3が含まれる。例えば、オペレータは、画像G−1、G−2を視認し、操作推定データと操作実績データとのかい離度合や、状況データの時系列変化を監視して、操作推定データに適切な推定値が示されているか否かを判定する。オペレータは、例えば、操作推定データに適切な推定値が示されている場合には、画像G−3の肯定的な評価を示す箇所(図4の例では「Good」と表示されたタッチパネル)をタッチする等して肯定的な評価を示す評価データを入力する。また、オペレータは、操作推定データに適切な推定値が示されていない場合には、画像G−3の否定的な評価を示す箇所(図4の例では「Bad」と表示されたタッチパネル)をタッチする等して否定的な評価を示す評価データを入力する。
まず、操作推定装置30は、操作推定モデルに基づいて、操作推定データを出力する(ステップS10)。操作推定装置30の操作推定部36は、状況データを操作推定モデルに入力し、操作推定モデルから出力された操作の設定値を操作推定データとし、操作推定データ出力部33を介して出力する。
次に、評価データ取得部34は、オペレータ等により入力された操作推定データに対する評価をしめす評価データを取得する(ステップS11)。評価データ取得部34は、例えば、シールド掘削機10の操作室(不図示)のに表示されたタッチパネルの操作画面を操作することにより入力された評価データを取得する。
次に、学習データ生成部38は、評価データが否定的な評価を示すもの(「Bad」)か否かを判定する(ステップS12)。
評価データが否定的な評価を示すものである場合、学習データ生成部38は、その否定的な評価を受けた推定値を生成する際に操作推定モデルに入力した状況データに、オペレータにより実際に操作された操作実績データを対応付けた学習データを生成する(ステップS13)。
Claims (5)
- シールド掘削機が掘削した状況を示す状況データを操作推定モデルに入力することにより、前記シールド掘削機に対して行う操作の設定値を推定する操作推定部と、
前記操作推定部により推定された前記操作の設定値に対する評価を示す評価データを取得する評価データ取得部と、
前記評価データ取得部により取得された前記評価データに基づいて、学習データを生成する学習データ生成部
を有し、
前記操作推定モデルは、シールド掘削機が掘削した状況を示すデータにシールド掘削機に対して行う操作の設定値が対応づけられた学習データを用いて機械学習を実行することにより作成され、尚且つ、前記学習データ生成部により生成された学習データを用いて追加学習を実行することにより更新されるモデルである
ことを特徴とする操作推定装置。 - 前記学習データ生成部は、前記評価データに前記操作の設定値を否定的に評価することが示されている場合、前記状況データに前記シールド掘削機に対する操作の設定値の実績を示す操作実績データを対応付けた学習データを生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の操作推定装置。 - 前記状況データには、土圧に関する状況を示すデータが含まれ、
前記操作推定部は、前記シールド掘削機における掘削土の土圧を制御するための操作の設定値を推定する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の操作推定装置。 - 前記状況データには、方向に関する状況を示すデータが含まれ、
前記操作推定部は、前記シールド掘削機における掘進の方向を制御するための操作の設定値を推定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の操作推定装置。 - 操作推定部が、シールド掘削機が掘削した状況を示す状況データを操作推定モデルに入力することにより、前記シールド掘削機に対して行う操作の設定値を推定する工程と、
評価データ取得部が、前記操作推定部により推定された前記操作の設定値に対する評価を示す評価データを取得すると工程、
学習データ生成部が、前記評価データ取得部により取得された前記評価データに基づいて、学習データを生成する工程
を有し、
前記操作推定モデルは、シールド掘削機が掘削した状況を示すデータにシールド掘削機に対して行う操作の設定値が対応づけられた学習データを用いて機械学習を実行することにより作成され、尚且つ、前記学習データ生成部により生成された学習データを用いて追加学習を実行することにより更新されるモデルである
ことを特徴とする操作推定方法。
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