JP7355558B2 - 装置制御システム及び装置制御方法 - Google Patents
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Description
従来から、土圧式シールド工法により地山にトンネルなどを掘削する際、シールド掘削機が地盤を掘削することでチャンバー内に堆積する掘削土に、添加材(例えば、化泥材、加水ベンナイト、高分子材料など)を添加して、掘削土を泥土化している。
このとき、添加材を添加した泥土の塑性流動性が、掘削土を排出する処理の安全性及び効率に影響を与える大きなファクターとなる。
このため、塑性流動性を確認しつつ、添加材の注入量を調整することにより、泥土の塑性流動性を所定の範囲にコントロールする必要がある。
このコントロールの処理には、泥土の直接的な観察、例えば目視や触診、ベーン剪断試験、スランプ試験などにより、泥土の塑性流動性を評価し、得られた塑性流動性に対応して添加材の注入量を調整する方法がある。
特許文献1においては、塑性流動性としてチャンバー内の土圧を評価することで、この土圧に対応させて掘削の速度である掘進速度と、泥土を排出する速度である排土速度とのバランスを制御することにより、地山を安定させて掘削させることができる。
そのため、すでに述べたように、排出される泥土の直接的な観察を行って添加材の注入量を調整することが行われている。
この結果、急激な塑性流動性の変化に対応できず、その時点の塑性流動性に対応した添加材の注入量を求めることができない場合がある。
このため、チャンバー内の泥土の塑性流動性として土圧を測定はしているが、所定の土圧より高いか低いかを判定する程度の評価で有り、掘削土に注入する添加材の注入量を調整する程度に精度が高いわけではない。
スクリューコンベア17は、チャンバー12の泥土を、排土ゲートGを介してコンベア18に排土する。そして、コンベア18は、スクリューコンベア17より排出された泥土を、コンベア19を介してトンネルの外部に搬出する。架台Mは、スクリューコンベア17と、コンベア18、及び19とを支持している。
この計測器群4における計測器は、密度計、土壌水分計及び粒度分布計の各々などである。密度計は、排土ゲートGから排出される、所定の体積の泥土における粒子の密度を計測して、密度データとして出力する。土壌水分計は、土壌水分計などであり、泥土における含水率を測定し、水分量データとして出力する。
シールドジャッキ20が油圧操作により推進(伸長)されることでスキンプレート11の面が押されシールド掘削機10が推進する。
添加材注入装置2は、装置制御システム1から供給される添加材の注入量に対応して、チャンバー12内の掘削土に対して添加材を注入する。
制御装置3は、シールド掘削機10におけるカッター16を回転させるカッタートルク、スクリューコンベア17のスクリューを回転させるスクリューコンベアトルク、シールドジャッキ20の推進(掘進速度)などの制御を行う。
また、添加材注入量推定部102は、制御履歴データ記憶部105の制御履歴データテーブルからタイムスタンプが最も新しい制御周期の土圧変動及び性状データの各々を読み出す。
そして、添加材注入量推定部102は、添加材予測モデルに対して土圧変動及び性状データの各々を入力する。
添加材注入量推定部102は、制御履歴データ記憶部105の制御履歴データテーブルにおける添加材注入量の欄に、添加材予測モデルが推定した添加材の注入量を書き込んで記憶させる。また、添加材注入量推定部102は、添加材予測モデルが推定した添加材の注入量を推定値出力部104へ出力する。
土圧変動は、添加材を注入する制御周期におけるチャンバー12内の泥土の圧力の変動である。
これにより、添加材注入装置2は、装置制御システム1から供給される添加材の注入量に対応させ、チャンバー12の掘削土に対して添加材を注入する。
ここで、モデル学習部103は、塑性流動性範囲記憶部107から、塑性流動性が良好である場合の土圧変動の範囲である土圧変動範囲を読み出す。
そして、モデル学習部103は、制御履歴データ記憶部105の制御履歴データテーブルを参照し、上記土圧変動範囲に含まれる次周期土圧変動を抽出し、このタイムスタンプの直前のタイムスタンプの範囲内フラグを立てる。
このため、塑性流動性が最適とされる土圧変動範囲となる添加材の注入量は、この土圧変動範囲が得られた直前の制御周期に推定されて注入されたものである。
したがって、教師データは、塑性流動性が最適とされる土圧変動範囲となった制御周期の直前のタイムスタンプの制御周期における制御履歴データとなる。
また、モデル学習部103は、機械学習モデル記憶部108から添加材予測モデルを読出す。
そして、モデル学習部103は、上記教師データテーブルのレコード毎に、順次、土圧変動及び性状データの各々を添加材予測モデルに対して入力し、同一レコードの添加材注入量が出力されるように、この添加材予測モデルの機械学習を行う。
教師データ記憶部106は、レコード毎に、制御周期のタイムスタンプに対応して、土圧変動、性状データ、添加材注入量、次周期土圧変動及び範囲内フラグの各々のデータが書き込まれた、添加材予測モデルの機械学習を行う教師データテーブルが記憶されている。
機械学習モデル記憶部108は、土圧変動及び性状データの各々から添加材の注入量を推定する添加材予測モデルが書き込まれて記憶されている。
まず、図4(a)のフローチャートから説明する。
そして、データ入力部101は、求めた上記変化幅の標準偏差を算出し、この標準偏差を土圧変動とし、タイムスタンプを付与する。
また、データ入力部101は、この土圧変動のデータを、制御履歴データテーブルの直前のタイムスタンプの制御周期のレコードの次周期土圧変動の欄に書き込んで記憶させる。
そして、データ入力部101は、土圧変動を書き込んだレコードにおける対応する欄に、粒度分布データ、密度データ、水分量データのそれぞれを書き込む。
また、添加材注入量推定部102は、制御履歴データ記憶部105の制御履歴データテーブルの最も新しいタイムスタンプのレコードから、土圧変動、粒度分布データ、密度データ及び水分量データの各々を読出す。
そして、添加材注入量推定部102は、読み出した土圧変動、粒度分布データ、密度データ及び水分量データの各々を添加材予測モデルに入力し、添加材の注入量の推定を行わせる。
また、添加材注入量推定部102は、添加材予測モデルから出力される添加材の注入量を、土圧変動が書き込まれたレコードの対応する欄に、添加材注入量として書き込む。
推定値出力部104は、添加材注入量推定部102から供給された添加材の注入量を、添加材注入装置2に対して出力する。
この場合、カッタートルク、掘進速度及びスクリューコンベアの各々を加えることにより、より塑性流動性の情報が供給できるため、推定する添加材の注入量の精度を向上させることができる。
ステップS21:モデル学習部103は、塑性流動性範囲記憶部107から土圧変動範囲を読み出す。
そして、モデル学習部103は、制御履歴データ記憶部105の制御履歴データテーブルを参照し、直前のタイムスタンプのレコードにおける次周期土圧変動が、土圧変動範囲に含まれているか否かの判定を行う。
そして、モデル学習部103は、この抽出したレコードのデータを、教師データ記憶部106の教師データテーブルに連結する。
そして、モデル学習部103は、土圧変動、粒度分布データ、密度データ及び水分量データの各々を、添加材予測モデルに対して順次入力し、それぞれの入力データに対応する添加材注入力が正解データとして推定されるように、添加材予測モデルの機械学習を行う。
しかしながら、制御周期の開始から所定の期間に計測した土圧変動及び性状データにより添加材の注入量を推定し、この推定した注入量で添加材をチャンバー12に注入し、同一の制御周期の終了近傍の期間で、土圧変動を計測する構成としてもよい。
添加材注入量推定部102は、制御周期の初期の土圧変動及び性状データを用い、添加材予測モデルにより添加材の注入量を推定する。
そして、添加材注入装置2は、装置制御システム1から供給される、添加材予測モデルにより推定された添加材の注入量に対応して、チャンバー12内に添加材を注入する。
これにより、制御履歴データを学習データとするか否かの判定を、同一の制御周期で行うことができる。
このとき、モデル学習部103は、評価用の土圧変動が土圧変動範囲に含まれていた場合、この制御周期における初期の土圧変動及び性状データと、これらにより推定された添加材の注入量とを教師データとする。
しかしながら、添加材予測モデルの入力データとして、土圧変動及び性状データに対して添加材の種類を加える構成としてもよい。
これにより、添加材予測モデルは、添加材の種類に応じた注入量を推定することができる。
しかしながら、地盤の特性が近い地山(同一の添加材)で用いた添加材予測モデルを テンプレートとして用い、このテンプレートに対して追加の機械学習させることで 掘削している地山に対応させていく構成としても良い。
これにより、添加材予測モデルが入力データに対して、より精度の高い添加材の注入量を予測するまでに必要な機械学習の期間を短縮することができる。
2…添加材注入装置
3…制御装置
4…計測器群
10…シールド掘削機
101…データ入力部
102…添加材注入量推定部
103…モデル学習部
104…推定値出力部
105…制御履歴データ記憶部
106…教師データ記憶部
107…塑性流動性範囲記憶部
108…機械学習モデル記憶部
D…土圧計
Claims (5)
- 土圧式シールド工法における地山の地盤を掘削した掘削土を取り込むチャンバー内において、前記掘削土を所定の塑性流動性を有する泥土とするための添加材の注入量を制御する装置制御システムであり、
機械学習モデルを用い、前記チャンバー内の所定期間における土圧の計測値の平均値から求めた変動幅に基づく土圧変動と、前記掘削土の性状との各々を含む入力データから、当該チャンバー内の前記掘削土を泥土化するために注入する前記添加材の注入量を推定する添加材注入量推定部
を備えることを特徴とする装置制御システム。 - 前記掘削土の前記性状が、添加材が注入された掘削土である泥土の密度、前記泥土の水分量、前記泥土に含まれる粒子の粒度分布のいずれか、あるいは組み合せ、または全てである
ことを特徴とする請求項1に記載の装置制御システム。 - 前記入力データが、地山の地盤を切削するカッターヘッドが回転する際の抵抗であるトルクカッタートルク、地山を前記カッターヘッドで掘削する速度である掘進速度、及び地山を掘削した排土である前記掘削土の排出を行うスクリューコンベアのスクリューの回転を制御するスクリューコンベア油圧のいずれか、あるいは組み合せ、または全てを含んでいる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装置制御システム。 - 前記塑性流動性が予め設定された範囲に含まれた際の前記入力データと前記添加材の注入量とを教師データとして、前記機械学習モデルの機械学習を行うモデル学習部がさらに設けられた
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の装置制御システム。 - 土圧式シールド工法における地山の地盤を掘削した掘削土を取り込むチャンバー内において、前記掘削土を所定の塑性流動性を有する泥土とするための添加材の注入量を制御する装置制御方法であり、
添加材注入量推定部が、機械学習モデルを用い、前記チャンバー内の所定期間における土圧の計測値の平均値から求めた変動幅に基づく土圧変動と、前記掘削土の性状との各々を含む入力データから、当該チャンバー内の前記掘削土を泥土化するために注入する前記添加材の注入量を推定する添加材推定過程
を含むことを特徴とする装置制御方法。
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JP2019154798A JP7355558B2 (ja) | 2019-08-27 | 2019-08-27 | 装置制御システム及び装置制御方法 |
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