以下に添付図面を参照して、本発明に係るローラの隙間調整システムの好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、複数の実施形態がある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
図1は、本実施形態の印刷システムを表すブロック構成図である。
本実施形態において、図1に示すように、印刷システム10は、新聞用オフセット輪転印刷機(以下、印刷機)Pを備え、紙庫システム100で管理されている複数の巻取紙Wの製造情報に基づいて印刷機Pを制御するものである。
まず、本実施形態の印刷システムに適用される印刷機について説明する。図2は、新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図である。
図2に示すように、新聞用オフセット輪転印刷機(印刷機)Pは、給紙装置Rと、インフィード装置Iと、印刷装置Uと、ウェブパス装置Dと、折機Fとから構成されている。給紙装置Rは、複数(本実施形態では、7台)の給紙ユニットR1〜R7を有し、インフィード装置Iは、複数(本実施形態では、7台)のインフィードユニットI1〜I7を有し、印刷装置Uは、複数(本実施形態では、6台)の印刷ユニットU1〜U6を有し、ウェブパス装置Dは、複数(本実施形態では、2台)のウェブパスユニットD1,D2を有し、折機Fは、複数(本実施形態では、2台)の折ユニットF1,F2を有している。
この場合、印刷ユニットU1〜U6を6台として説明したが、各印刷ユニットU1〜U6は、4色刷りが可能であると共に、上下に分割して12台の2色刷りが可能な印刷ユニットU11,U12,U21・・・U61,U62として用いることができる。また、2つの折ユニットF1,F2を上下に並べて記載したが、実際には、紙面に直交する方向に並んで配置される操作側折ユニットF1と駆動側折ユニットF2となっている。更に、印刷装置Uを2つの部分から記載したが、機能上2つに分けて記載しただけであり、実際には、1つの装置となっている。
巻取紙Wは、連続するシートSをロール状に巻いたものである。給紙装置Rにおいて、給紙ユニットR1〜R7は、ほぼ同様の構成をなし、3つの巻取紙Wを保持する保持アームを有している。給紙ユニットR1〜R7は、保持アームを所定角度だけ回動することで、所定の巻取紙Wを給紙位置に停止させることができる。給紙ユニットR1〜R7は、所定の巻取紙Wが給紙位置に停止した状態で支持軸を回転することで、巻取紙WからシートSを連続して繰り出すことができる。
また、給紙ユニットR1〜R7は、図示しない紙継装置を有している。紙継装置は、シートSを繰り出している巻取紙Wが残り少なくなると、保持アームを所定角度だけ回動し、待機位置にある新しい巻取紙Wを給紙位置に移動すると共に、使用中の巻取紙WのシートSに新しい巻取紙WのシートSを接続することで、紙継ぎを行うことができる。更に、給紙ユニットR1〜R7は、図示しない巻取紙Wの外径計測装置を有している。巻取紙Wの外径計測装置は、シートSを繰り出している巻取紙Wの外径を計測するものであり、巻取紙Wの外径が所定径以下になると、紙継装置を作動させる。このとき、巻取紙Wの外径計測装置は、巻取紙Wから繰り出されるシートSの厚さを算出することができる。
インフィード装置Iにおいて、インフィードユニットI1〜I7は、ほぼ同様の構成をなし、印刷装置Uの各印刷ユニットU1〜U6に送り込むシートSの張力を調整することで、印刷装置Uを走行するシートSの張力を適正値に安定して維持するものである。例えば、各インフィードユニットI1〜I7は、インフィードローラ、紙押えゴムローラ、ダンサローラ、ガイドローラなどを有している。そして、ダンサローラをシートSの張り方向に付勢することでシートSの張力を適正にし、このダンサローラの揺動に応じてインフィードローラの周速を変更し、シートSの適正な張力を維持している。
印刷装置Uにおいて、印刷ユニットU1〜U6は、両面4色印刷を行うことができる多色刷印刷ユニットである。但し、各印刷ユニットU1〜U6は、上下に分割することで、両面2色印刷を行うことができる印刷ユニットU11〜U62とすることができる。各印刷ユニットU11〜U62は、ほぼ同様の構成をなし、図示しないが、インキ供給装置、湿し水供給装置、インキ着ローラ、版胴、ブランケット胴、駆動装置などを有している。
ウェブパス装置Dにおいて、ウェブパスユニットD1は、印刷ユニットU1〜U3に対して設けられ、ウェブパスユニットD2は、印刷ユニットU4〜U6に対して設けられている。各ウェブパスユニットD1,D2は、ほぼ同様の構成をなし、シートSを縦(シートSの天地長手方向、シートSの搬送方向)に沿ってその幅方向の中央部で裁断するスリッタ、縦裁断したシートSの搬送経路を設定するターンバー、シートSにおける天地長手方向における搬送位置を調整するコンペンセータなどを有している。
即ち、各印刷ユニットU1〜U3で印刷が施された各シートSは、ウェブパスユニットD1にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。また、印刷ユニットU4〜U6で印刷が施された各シートSは、ウェブパスユニットD2にて、スリッタにより縦裁断され、ターンバーにより搬送経路が変更され、コンペンセータにより搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。
折機Fにて、2つの折ユニットF1,F2は、操作側と駆動側に配設されている。即ち、ウェブパスユニットD1から複数のシートS1が重ねられて導入されると、折ユニットF1は、シートS1を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。また、ウェブパスユニットD2から複数のシートS2が重ねられて導入されると、折ユニットF2は、シートS2を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。
図1に示すように、紙庫システム100は、外部から搬送された複数の巻取紙Wを紙庫101に搬送して格納すると共に、印刷に必要な巻取紙Wを搬出して印刷機Pに搬送するものである。
巻取紙Wは、トラック102により搬送される。トラック102に積まれた巻取紙Wは、所定の位置でクレーンによりストレージテーブル103に降ろされ、搬入コンベアにより紙庫101における所定のラックに搬送されて保持される。バーコードリーダ(情報取込装置)104は、巻取紙Wに記載されているバーコードを読み取ることで、巻取紙Wの製造情報を取り込む。このバーコードは、製紙会社、製紙工場、抄造機、抄造月日、ロット番号、紙種(品種、連数、巻幅等)などが番号化されたものである。なお、品種とは、紙の厚さ(製紙会社によって若干違う)であり、連数とは、印刷可能部数1000部を1単位(1連)として表したものであり、巻幅とは、巻取紙Wの幅方向の長さである。
また、紙庫101にある巻取紙Wは、印刷機Pで使用するとき、必要となる複数の巻取紙Wが印刷機Pに搬出される。紙庫101にある巻取紙Wは、搬出コンベアにより外部まで搬出され、ワンプ開梱装置により包装されているワンプが除去されて移載置装置105まで運ばれる。移載置装置105は、ワンプが除去された巻取紙Wを自動搬送台車(AGV:Automatic Guided Vehicle)106により印刷機Pの給紙装置Rまで搬出する。自動搬送台車106により給紙装置Rに搬送された巻取紙Wは、自動装着機により保持アームに装着される。
また、紙庫システム100にて、紙庫制御装置111は、紙庫101、移載置装置105、自動搬送台車106などを制御可能であると共に、バーコードリーダ104が読み込んだ巻取紙Wの製造情報が入力される。また、紙庫制御装置111は、操作部112と表示部113と記憶部114が接続されている。操作部112は、作業者が作業内容などを入力するものであり、表示部113は、紙庫101の管理状態が表示される。記憶部114は、紙庫101に保持された巻取紙Wの情報、つまり、バーコードリーダ104により読み込まれた巻取紙Wの製造情報や紙庫101における巻取紙Wの位置情報などを記憶する。
一方、印刷システム10にて、印刷機制御装置11は、印刷機Pを制御可能であると共に、紙庫システム100の紙庫制御装置111と各種の情報の入出力が可能となっている。また、印刷機制御装置11は、操作部12と表示部13と記憶部14が接続されている。操作部12は、作業者が印刷作業内容などを入力するものであり、表示部13は、印刷機Pの運転状態が表示される。記憶部14は、印刷機Pにおける各種の印刷設定値を記憶する。また、印刷機制御装置11は、紙庫制御装置111が接続されており、紙庫制御装置111から紙庫101に保持された巻取紙Wの製造情報が入力されることから、記憶部14は、紙庫制御装置111から入力された紙庫101で管理されている複数の巻取紙Wの製造情報を記憶する。この場合、印刷機制御装置11は、巻取紙Wが紙庫101に搬入されたときに巻取紙Wの製造情報を受け取ってもよいし、巻取紙Wが紙庫101から印刷機Pに搬送されたときに巻取紙Wの製造情報を受け取ってもよい。また、印刷機Pが途中まで使用した巻取紙Wの製造情報は、記憶部114に記憶される。なお、記憶部14に記憶してもよい。途中まで使用した巻取紙Wは、印刷機Pの近傍、または、紙庫101の近傍のハンガー(図示略)に保持されている。
印刷システム10にて、印刷機Pによる印刷作業を実施する前に、作業者は、操作部12を用いて印刷ジョブに応じて使用する巻取紙Wのサイズと印刷部数を入力し、この情報を印刷機制御装置11を介して紙庫システム100の紙庫制御装置111に指令する。紙庫制御装置111は、印刷機制御装置11からの指令により指示されたサイズの巻取紙Wについて印刷部数に応じた量(個数)を紙庫101から印刷機Pに搬送する。印刷機制御装置11は、印刷機Pによる印刷開始前の印刷準備作業にて、印刷に使用する巻取紙Wの製造情報を記憶部14から取り出し、この巻取紙Wの製造情報に基づいて印刷機Pを制御する。この場合、印刷機制御装置11は、巻取紙Wが紙庫101から印刷機Pに搬送されたときに巻取紙Wの製造情報を受け取って記憶部14に記憶させるが、事前に巻取紙Wの製造情報を受け取っていれば、巻取紙Wの製造情報を記憶部14から取り出す。
具体的に説明すると、実際の印刷作業時、または、試験的な印刷作業時に、所定の巻取紙Wに対して、その製造情報における厚さや材質を用いて作業者が手作業により印刷機Pにおける各種の調整作業を行う。この調整作業により得られた最適な印刷設定値を記憶部14に記憶しておく。この最適な印刷設定値とは、例えば、印刷時に印刷設定値を調整した後、最適な印刷状態となったときの値、または、印刷終了後の値であり、巻取紙Wの製造情報と印刷設定値を関連付けて記憶部14に記憶しておく。印刷機制御装置11は、印刷に使用する巻取紙Wの製造情報に応じて設定された印刷設定値を記憶部14から取り出し、この印刷設定値に基づいて印刷機Pを制御する。
ところで、印刷機Pは、図2に示すように、給紙装置Rとインフィード装置Iと印刷装置Uとウェブパス装置Dと折機Fとから構成されている。給紙装置Rは、巻取紙Wの種類(例えば、紙厚など)に応じて張力を調整する必要があり、ブレーキ装置におけるブレーキ力を調整する調整装置21が設けられている。インフィード装置Iも、巻取紙Wの種類(例えば、紙厚など)に応じて張力を調整する必要があり、インフィードローラの位置を調整する調整装置22が設けられている。印刷装置Uは、巻取紙Wの種類(例えば、紙厚など)に応じて駆動装置の駆動モータの出力を調整する必要があり、駆動モータの出力を調整する調整装置23が設けられている。ウェブパス装置Dは、巻取紙Wの種類(例えば、紙厚など)に応じてシートSの走行位置を調整する必要があり、調整装置24が設けられている。折機Fは、巻取紙Wの種類(例えば、紙厚など)に応じてシートSのニップ厚や折込ローラの隙間を調整する必要があり、これらを調整する調整装置25,26が設けられている。調整装置としては、その他に、湿し水の供給量を調整する調整装置、見当合わせを行うための調整装置などがある。
巻取紙Wの製造情報に応じて設定された印刷設定値は、上述した各調整装置21,22,23,24,25,26における調整設定値であり、記憶部14は、巻取紙Wの製造情報とこの調整設定値(印刷設定値)を関連付けて記憶する。印刷機制御装置11は、印刷する巻取紙Wの製造情報に基づいて記憶部14に記憶されている各調整設定値(印刷設定値)を取り出し、この調整設定値に基づいて給紙装置R、インフィード装置I、印刷装置U、ウェブパス装置D、折機Fを調整する。
また、給紙装置R(外径計測装置)は、前述したように、一定期間内、巻取紙Wの外径の変化を計測することで、巻取紙Wから繰り出されるシートSの厚さを算出している。巻取紙Wは、その使用環境により伸びや縮みが発生して厚さが変動するおそれがある。そのため、図1に示すように、印刷機制御装置11は、巻取紙Wの製造情報におけるシートSの厚さを、給紙装置Rが算出したシートSの厚さにより補正する。具体的に、印刷機制御装置11は、巻取紙Wの製造情報におけるシートSの厚さを給紙装置Rが算出したシートSの厚さに変更する。または、印刷機制御装置11は、巻取紙Wの製造情報におけるシートSの厚さと、給紙装置Rが算出したシートSの厚さの平均値を使用する。
印刷システム10は、印刷機Pによる印刷開始前の印刷準備作業として、前述したように、印刷に使用する巻取紙Wの製造情報に応じて設定された調整設定値(印刷設定値)に基づいて、給紙装置R、インフィード装置I、印刷装置U、ウェブパス装置D、折機Fを調整しておく。そのため、印刷機Pは、作業者が手作業により調整作業を行うことなく、印刷開始時から高精度の印刷品質を確保することができる。また、印刷機Pは、給紙装置Rで使用している巻取紙Wが少なくなると、使用中の巻取紙WのシートSに新しい巻取紙WのシートSを接続することで、紙継ぎを行う。このとき、使用する巻取紙Wは、例えば、製紙会社、製紙工場、抄造機械、紙種などに応じて紙厚さなどが若干変わる可能性がある。そのため、印刷機制御装置11は、紙継ぎ装置の作動後に、紙継ぎがなされた巻取紙Wの製造情報に基づいて巻取紙Wの変更状態を判定し、巻取紙Wの交換時に巻取紙Wの種類(製紙会社、製紙工場、抄造機械、紙種などに応じた紙厚さなど)が変更されていれば、変更後の巻取紙Wの製造情報に応じて設定された調整設定値(印刷設定値)に基づいて、給紙装置R、インフィード装置I、印刷装置U、ウェブパス装置D、折機Fを調整する。この調整時期は、変更後の巻取紙WからのシートSが到達するときである。
ここで、上述した印刷システム10による印刷設定調整作業について説明する。図3は、印刷システムによる印刷設定調整作業を表すフローチャートである。
印刷システム10による印刷設定調整作業において、図1及び図3に示すように、ステップS11にて、印刷機制御装置11は、紙庫システム100の紙庫制御装置111に対して、使用する巻取紙Wのサイズと印刷部数を指令し、印刷機Pへの搬送を指示する。すると、紙庫制御装置111は、印刷機制御装置11からの指令により指示されたサイズの巻取紙Wについて印刷部数に応じた量(個数)を紙庫101から印刷機Pに搬送する。ステップS12にて、印刷機制御装置11は、印刷に使用する巻取紙Wの製造情報を記憶部14または紙庫制御装置111から受け取る。ステップS13にて、印刷機制御装置11は、印刷に使用する巻取紙Wの製造情報(製紙会社、製紙工場、抄造機械、紙種など)に応じて設定された調整設定値(印刷設定値)を印刷機Pに入力し、給紙装置R、インフィード装置I、印刷装置U、ウェブパス装置D、折機Fを調整する。
ステップS14にて、印刷機Pによる印刷が開始されたかどうかを判定し、印刷機Pによる印刷が開始されていないと判定(No)されると、ここで待機する。ここで、印刷機Pによる印刷が開始されたと判定(Yes)されると、ステップS15にて、印刷機Pは印刷中となる。ステップS16にて、印刷機Pによる印刷が終了したかどうかを判定し、印刷機Pによる印刷が終了していないと判定(No)されると、ステップS17にて、紙継ぎ作業が実施されたかどうかを判定し、紙継ぎ作業が実施されていないと判定(No)されると、ステップS15に戻る。一方、紙継ぎ作業が実施されたと判定(Yes)されると、ステップS18にて、紙継ぎ作業時に、巻取紙Wの種類(製紙会社、製紙工場、抄造機械、紙種など)が変更されたかどうかを判定する。
ここで、巻取紙Wの種類が変更されていないと判定(No)されると、ステップS15に戻る。一方、巻取紙Wの種類が変更されたと判定(Yes)されると、ステップS19にて、印刷機制御装置11は、変更された巻取紙Wの製造情報(製紙会社、製紙工場、抄造機械、紙種など)に応じて設定された調整設定値(印刷設定値)を印刷機Pに再入力し、給紙装置R、インフィード装置I、印刷装置U、ウェブパス装置D、折機Fを調整する。
そして、ステップS16にて、印刷機Pによる印刷が終了したと判定(Yes)されると、制御終了となる。
以下、本実施形態の印刷システムによる具体的な印刷設定値の調整システムについて説明する。本実施形態のローラ隙間調整システムは、折機Fにおける一対の折込ローラ間の隙間を調整するものである。
図4は、折機を表す概略図、図5は、折込ローラを表す概略図、図6は、ローラの隙間調整装置を表す概略図である。
図4に示すように、折機Fの折ユニットF1において、最上部にウェブパスユニットD1で所定の順番に重ねられたシートSを下方に搬入するドラグローラ31が設けられると共に、シートSを縦折りする三角板32が設けられている。三角板32は、下方にシートSを保持して搬送する折胴33と、縦折りされたシートSを横裁断して束を形成する鋸胴34が対向して配設されている。そして、三角板32と折胴33及び鋸胴34との間に、一対のリードインローラ35、一対のニッピングローラ36、ガイドローラ37、一対のニッピングローラ38が設けられている。
図5に示すように、折胴33は、その周面に180度対向して針装置39が設けられている。この各針装置39は、ほぼ同様の構成をなし、折胴33の軸方向に沿って設けられた針軸40と、基端部がこの針軸40に固定される針アーム41と、この針アーム41の先端部に固定された針42とを有している。この針装置39は、折胴33の回転に連動して作動するものであり、折胴33における所定の回転位置で、針アーム41を介して針42を外方に突出し、シートSの走行方向における先端部を保持することができ、折胴33における所定の位置で、針アーム41を介して針42を戻し、シートSの先端部の保持を解除することができる。
また、折胴33は、その周面に180度対向して針装置39とほぼ同じ位置に鋸刃受43が設けられており、この鋸刃受43は、一般に、ゴム等の弾性体により構成されている。一方、鋸胴34は、その周面に180度対向して鋸刃44が鋸台45に支持されて設けられている。この場合、折胴33と鋸胴34は、同じ周速で同期回転することで、一定周期で鋸刃44と鋸刃受43が互いに対向するように、その回転位相が一致されている。そのため、折胴33と鋸胴34が同期回転し、鋸刃44と鋸刃受43が対向して一致するときに、この鋸刃44によりシートSを所定長さに横裁断することができる。
更に、折胴33は、その周面に180度対向して折ブレード46が折軸47に支持されて設けられており、折ブレード46は、針装置39とほぼ90度位相がずれて位置している。この折ブレード46は、櫛刃形状をなすように構成され、先端部がガイドプレート48から外方に突出可能となっている。そして、折ブレード46は、折軸47により折胴33と同期して逆方向に回転可能であり、所定の位置で、折ブレード46の先端部が折胴33(ガイドプレート48)の周面から外方に突出することで、鋸刃44により裁断されたシートSを折胴33の周面から引き剥がすことができる。
折胴33は、下方に一対の折込ローラ49A,49Bが折胴33と同期回転可能に設けられており、折胴33の下方で各折込ローラ49A,49Bの両側に一対の紙ガイド50A,50Bが設けられている。この一対の折込ローラ49A,49Bは、折ブレード46により折胴33の周面から引き剥がされたシートSを挟持することで横折りして折り目をつけて折帖(新聞)Nを形成することができる。このとき、一対の紙ガイド50A,50Bは、折帖(新聞)Nをガイドする。
図4に示すように、折込ローラ49A,49Bは、下方に羽根車51が設けられると共に、この羽根車51の下方に排紙コンベア52が設けられている。羽根車51は、周方向に複数の羽根53を有しており、折込ローラ49A,49Bに同期して回転することで、一対の折込ローラ49A,49Bにより形成された折帖Nを各羽根53により順次受取って排紙コンベア52上に受け渡すことができる。
そのため、図4及び図5に示すように、折ユニットF1に搬送されたシートSは、ドラグローラ31により搬送され、三角板32により縦折りが施された後、リードインローラ35、ニッピングローラ36、ガイドローラ37、ニッピングローラ38により折胴33に送られる。
縦折りされたシートSが折胴33に至ると、折胴33における所定の位置で、針装置39が作動して針42を外方に突出することで、シートSの先端部を突き刺して保持する。この状態で、折胴33が回転し続けると、シートSは折胴33の周面に巻き付けられて保持される。そして、折胴33における所定の位置で、鋸刃44と鋸刃受43が対向して一致すると、この鋸刃44によりシートSが所定長さに横裁断される。続いて、針装置39が作動して針42を戻すことで、シートSの先端部の保持を解除すると同時に、折ブレード46が回動して先端部が折胴33の周面から外方に突出し、シートSを折胴33の周面から引き剥がす。
すると、折胴33の周面から引き剥がされたシートSは、長手方向における中間部が折られて折り目が形成され、一対の折込ローラ49A,49Bにより挟持されることで、横折りされて折帖Nが形成される。そして、この折込ローラ49A,49Bにより形成された折帖Nは、羽根車51の各羽根53により順次受け取られ、排紙コンベア52上に受け渡されて排紙される。
また、折ユニットF1は、一対の折込ローラ49A,49Bの間の折込隙間Aを調整するローラの隙間調整装置26が設けられている。図6に示すように、隙間調整装置26は、一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aを調整するものである。一対の支持アーム61A,61Bは、中間部がそれぞれ支持軸62A,62Bにより回動自在に支持されている。各支持アーム61A,61Bは、一端部にそれぞれ折込ローラ49A,49Bが回転自在に支持され、他端部に連結部63A,63Bが設けられている。ねじ軸64は、2個のねじ部64a,64bが形成されており、各ねじ部64a,64bは逆ねじとなっている。ねじ軸64は、ねじ部64aが連結部63Aに螺合し、ねじ部64bが連結部63Bに螺合している。また、ねじ軸64は、駆動部65により正逆回転可能となっている。
そのため、駆動部65によりねじ軸64を正転させると、支持アーム61A,61Bは、連結部63A,63Bが接近するように回動し、一対の折込ローラ49A,49Bの間の折込隙間Aが拡大する。一方、駆動部65によりねじ軸64を逆転させると、支持アーム61A,61Bは、連結部63A,63Bが離間するように回動し、一対の折込ローラ49A,49Bの間の折込隙間Aが縮小する。
以下、本実施形態のローラの隙間調整システムによる調整方法について説明する。図7は、巻取紙の種類ごとの紙厚の取込制御を表すフローチャート、図8は、総紙厚に対する折込隙間の管理制御を表すフローチャート、図9は、総紙厚の呼出及びプリセット制御を表すフローチャート、図10は、ローラの隙間調整制御を表すフローチャートである。
巻取紙Wの種類ごとの紙厚の取込制御は、印刷システム10が印刷機Pを用いて印刷作業を行っているときに実施される。このとき、前述したように、印刷システム10は、紙庫システム100から各給紙ユニットR1〜R7に供給された巻取紙Wの製造情報(製紙会社、製紙工場、抄造機械、紙種など)を受取り、記憶部14に記憶している。巻取紙Wの種類ごとの紙厚の取込制御において、図7に示すように、ステップS21にて、印刷機制御装置11は、各給紙ユニットR1〜R7での巻取紙Wの紙継ぎ時に、巻取紙Wの種類に対する紙厚値を取り込んで記憶部14に記憶する。この紙厚値は、紙庫システム100から受け取った巻取紙Wの製造情報に基づく紙厚に対して、給紙ユニットR1〜R7が算出したシートSの厚さにより補正した値である。なお、本実施形態では、巻取紙Wの種類に対する紙厚値を、各給紙ユニットR1〜R7での巻取紙Wの紙継ぎ時に、取り込んで記憶部14に記憶しているが、取り込むタイミングはこれに限らない。例えば、給紙装置Rが紙厚演算終了時に、即取込んで記憶部14に記憶してもよい。
ステップS22にて、印刷機制御装置11は、記憶した巻取紙Wの種類に対する複数の紙厚値を平均して巻取紙Wの種類ごとの紙厚として管理する。即ち、1種類の巻取紙Wに対して複数の紙厚値を取得し、この複数の紙厚値を平均して巻取紙Wの種類ごとの紙厚とする。そして、複数の巻取紙Wの種類に対して紙厚を求める。
巻取紙Wの種類ごとの紙厚が求まると、印刷機制御装置11は、複数のシートSの総紙厚に対する折込隙間Aの管理を行う。折機Fの各折ユニットF1,F2にて、一対の折込ローラ49A,49B間を通って横折りされるシートSは、複数枚が重ねられたものである。そして、一対の折込ローラ49A,49B間の最適な折込隙間Aは、シートSの枚数に応じて相違する。そのため、一対の折込ローラ49A,49B間を通る複数のシートSの総紙厚に対する最適な折込隙間Aを事前に求めておく。
総紙厚に対する折込隙間Aの管理制御も、印刷システム10が印刷機Pを用いて印刷作業を行っているときに実施される。総紙厚に対する折込隙間Aの管理制御において、図8に示すように、ステップS31にて、印刷機制御装置11は、各給紙ユニットR1〜R7でそれぞれ使用している巻取紙Wの紙厚を記憶部14から取り出し、各巻取紙Wの紙厚を加算することで、折込ローラ49A,49B間を通る複数のシートSの総紙厚を算出する。
ステップS32にて、印刷機制御装置11は、印刷作業を行っている印刷機Pにて、折機Fの各折ユニットF1,F2における折込ローラ49A,49Bの折込隙間Aを記憶する。この折込ローラ49A,49Bの折込隙間Aを記憶する条件は、下記の通りである。
1.印刷機Pの印刷作業終了時に折込隙間Aを自動記憶
2.作業者の判断により折込隙間Aを手動記憶
3.予め設定された所定期間の経過で折不良検出装置が折不良を検出しなかったときに折込隙間Aを自動記憶
ステップS32で、3個の条件下で複数の折込隙間Aが記憶されると、ステップS33にて、印刷機制御装置11は、3個の条件下で記憶されている過去の所定期間にわたる複数の折込隙間Aを平均し、この平均した値を総紙厚に対する折込隙間A設定値として管理する。この場合、総紙厚ごとの複数の折込隙間Aを平均することで、総紙厚ごとの折込隙間A設定値を求める。ステップS34にて、印刷機制御装置11は、ステップS33で求めた総紙厚に対する折込隙間A設定値を利用し、総紙厚に対する折込隙間Aのマップを作成する。このマップは、総紙厚に対する折込隙間Aを表すグラフである。このマップにおける総紙厚に対する折込隙間Aは、ステップS32,S33により求めた実測値と、実測値としての複数の折込隙間Aを最小二乗法により補間して求めた予測値とからなるものである。
事前に、総紙厚に対する折込隙間Aのマップが作成されると、印刷機制御装置11は、印刷機Pによる印刷作業時に、隙間調整装置26を用いて一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aを自動調整する。総紙厚の呼出及びプリセット制御において、図9に示すように、ステップS41にて、印刷機制御装置11は、紙庫システム100からの情報と記憶部14に記憶されている情報に基づいて、各給紙ユニットR1〜R7で使用する各巻取紙WにおけるシートSの紙厚を加算することで、一対の折込ローラ49A,49B間を通過する複数のシートSの総紙厚値を算出する。
ステップS42にて、印刷機制御装置11は、一対の折込ローラ49A,49B間を通過する複数のシートSの総紙厚値に対する折込隙間Aを記憶部14に記憶されているマップを用いて呼び出す。ここで、呼び出された総紙厚値に対する折込隙間Aは、前述した実測値または予測値である。また、一対の折込ローラ49A,49B間を通過する複数のシートSのうち、各折込ローラ49A,49Bは、最も外側のシートS、新聞の場合は、表紙となるシートSに接触することから、このシートSの材質(摩擦抵抗)が各折込ローラ49A,49BによるシートSの搬送に影響を与える。そのため、ステップS43にて、印刷機制御装置11は、各折込ローラ49A,49Bに接触するシートSの製造情報に応じて折込隙間Aを補正する。例えば、シートSの摩擦抵抗が標準値より大きいと折込隙間Aを増加補正し、シートSの摩擦抵抗が標準値より小さいと折込隙間Aを減少補正する。
そして、ステップS44にて、印刷機制御装置11は、求めた折込隙間Aを用いて隙間調整装置26を制御する。即ち、隙間調整装置26により一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aを、ステップS43で求めた折込隙間Aに調整する。そして、隙間調整装置26により一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aが設定されると、印刷機Pによる本印刷が開始される。
ここで、印刷機Pによる本印刷時における折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aの調整方法について説明する。ローラの隙間調整制御において、図10に示すように、ステップS51にて、印刷機制御装置11は、各給紙ユニットR1〜R7で使用されている各巻取紙WにおけるシートSの紙厚を加算することで、一対の折込ローラ49A,49B間を通過する複数のシートSの総紙厚αを算出する。ステップS52にて、印刷機制御装置11は、複数のシートSの総紙厚αに対する折込隙間A設定値をマップを用いて呼び出す。
ステップS53にて、印刷機制御装置11は、各給紙ユニットR1〜R7のいずれかで、紙継ぎ作業が開始されたかどうかを判定する。ここで、紙継ぎ作業が開始していないと判定(No)されると、このステップS53で待機する。一方、紙継ぎ作業が開始したと判定(Yes)されると、ステップS54にて、印刷機制御装置11は、紙継ぎ作業の終了後に巻取紙Wの種類に変化があるかどうかを判定する。ここで、紙継ぎ作業の終了後に巻取紙Wの種類に変化がないと判定(No)されると、何もしないでこのルーチンを抜ける。
一方、紙継ぎ作業の終了後に巻取紙Wの種類に変化があると判定(Yes)されると、ステップS55にて、印刷機制御装置11は、紙継ぎ作業の終了後の巻取紙Wの総紙厚βを算出する。例えば、給紙ユニットR1〜R7のうちの給紙ユニットR1で使用されている巻取紙Wの種類(製紙会社、製紙工場、抄造機械、紙種などに応じた紙厚さなど)が変更されると、変更された給紙ユニットR1の巻取紙WにおけるシートSの紙厚を変更し、一対の折込ローラ49A,49B間を通過する複数のシートSの総紙厚βを算出する。そして、ステップS56にて、印刷機制御装置11は、複数のシートSの総紙厚βに対する折込隙間A設定値をマップを用いて呼び出す。
ステップS57にて、印刷機制御装置11は、給紙ユニットR1〜R7で紙継ぎ作業が終了したかを判定する。ここで、紙継ぎ作業が終了していないと判定(No)されると、ステップS58にて、別の給紙ユニットR1〜R7で紙継ぎ作業を実施しているかを判定する。ここで、別の給紙ユニットR1〜R7で紙継ぎ作業を実施していると判定(Yes)されると、ステップS51に戻って処理を繰り返し行い、別の給紙ユニットR1〜R7で紙継ぎ作業を実施していないと判定されると、ステップS57で待機する。一方、ステップS57にて、印刷機制御装置11は、給紙ユニットR1〜R7で紙継ぎ作業が終了したと判定(Yes)されると、ステップS59にて、印刷機制御装置11は、複数のシートSの総紙厚αに対する折込隙間A設定値から総紙厚βに対する折込隙間A設定値に変更し、隙間調整装置26により一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aを調整する。
なお、ローラの隙間調整制御方法は、上述したものに限定されるものではない。図11は、ローラの隙間調整制御の第1変形例を表すフローチャート、図12は、ローラの隙間調整制御の第2変形例を表すフローチャート、図13は、ローラの隙間調整制御の第3変形例を表すフローチャートである。なお、上述した処理と同様の処理を実施する場合は、同一のステップ符号を付して説明は省略する。
ローラの隙間調整制御の第1変形例において、図11に示すように、ステップS51からステップS58までの処理は、図10を用いて説明した処理と同様である。ステップS57にて、印刷機制御装置11は、給紙ユニットR1〜R7で紙継ぎ作業が終了したかを判定する。印刷機制御装置11は、給紙ユニットR1〜R7で紙継ぎ作業が終了したと判定(Yes)すると、ステップS61にて、印刷機制御装置11は、複数のシートSの総紙厚αに対する折込隙間A設定値と、総紙厚βに対する折込隙間A設定値との差分を調整値として設定し、隙間調整装置26により一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aをこの調整値だけ変更する。
また、ローラの隙間調整制御の第2変形例において、図12に示すように、ステップS51からステップS58までの処理は、図10を用いて説明した処理と同様である。ステップS57にて、印刷機制御装置11は、給紙ユニットR1〜R7で紙継ぎ作業が終了したかを判定する。印刷機制御装置11は、給紙ユニットR1〜R7で紙継ぎ作業が終了したと判定(Yes)すると、ステップS62にて、印刷機制御装置11は、複数のシートSの総紙厚αに対する折込隙間A設定値から総紙厚βに対する折込隙間A設定値に変更し、表紙の製造情報(摩擦抵抗)を考慮して折込隙間A設定値を補正した後、隙間調整装置26により一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aを調整する。
また、ローラの隙間調整制御の第3変形例において、図13に示すように、ステップS51からステップS58までの処理は、図10を用いて説明した処理と同様である。ステップS57にて、印刷機制御装置11は、給紙ユニットR1〜R7で紙継ぎ作業が終了したかを判定する。印刷機制御装置11は、給紙ユニットR1〜R7で紙継ぎ作業が終了したと判定(Yes)すると、ステップS63にて、印刷機制御装置11は、複数のシートSの総紙厚αに対する折込隙間A設定値と、総紙厚βに対する折込隙間A設定値との差分を調整値として設定し、表紙の製造情報(摩擦抵抗差)を考慮してこの調整値を補正した後、隙間調整装置26により一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aをこの調整値だけ変更する。
ここで、本実施形態のローラの隙間調整システムによる効果について説明する。図14は、従来のローラの隙間調整作業を表すタイムチャート、図15は、本実施形態のローラの隙間調整作業を表すタイムチャートである。
従来のローラの隙間調整作業において、図14に示すように、巻取紙Wの外径(実線)は、時間の経過と共に減少し、時間t1にて、紙継ぎが行われて新規な巻取紙Wに交換されることから、巻取紙Wの外径が最大となる。このとき、巻取紙Wの種類が変更されると、作業者は、印刷物を確認しながら、隙間調整装置26により一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aを手動により調整する。そして、紙継ぎが行われた時間t1から隙間調整時間taが経過した時間t2にて、折込隙間A(一点鎖線/二点鎖線)の調整が完了する。ここで、一点鎖線は、ペラ側の折込隙間Aであり、二点鎖線は、袋側の折込隙間Aである。
一方、本実施形態のローラの隙間調整作業において、図15に示すように、巻取紙Wの外径(実線)は、時間の経過と共に減少し、時間t11にて、紙継ぎが行われて新規な巻取紙Wに交換されることから、巻取紙Wの外径が最大となる。このとき、巻取紙Wの種類が変更されると、印刷機制御装置11は、隙間調整装置26により一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aを自動で調整する。そのため、紙継ぎが行われた時間t11から隙間調整時間tbが経過した時間t12にて、折込隙間A(一点鎖線/二点鎖線)の調整が完了する。本実施形態のローラの隙間調整システムは、隙間調整時間tbが従来の隙間調整時間taに対して大幅に短縮されたことがわかる。
このように本実施形態のローラの隙間調整システムにあっては、重ねられた複数のシートSを挟持して搬送する一対の折込ローラ49A,49Bと、一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aを調整する隙間調整装置26と、シートSの紙厚情報を取り込むバーコードリーダ(情報取込装置)104と、バーコードリーダ104が取り込んだ複数のシートSの紙厚情報により算出した総紙厚に基づいて隙間調整装置26を制御する印刷機制御装置11とを設けている。
従って、印刷機制御装置11は、バーコードリーダ104が取り込んだ複数のシートSの紙厚情報により総紙厚を算出し、算出した複数のシートSの総紙厚に基づいて隙間調整装置26により一対の折込ローラ49A,49Bの折込隙間Aを調整する。そのため、一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aの調整を短時間で適正に行うことで作業性の向上を図ることができると共に、不良紙の発生を抑制して印刷コストの低減を図ることができる。
本実施形態のローラの隙間調整システムでは、バーコードリーダ104は、紙厚情報として、シートSが巻き取られた巻取紙Wの製造情報を取り込む。従って、同じ紙種の巻取紙Wであっても、厚さなどが若干変動するが、紙厚情報を含む巻取紙Wの製造情報に基づいて複数のシートSの総紙厚を求めるため、一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aの調整を高精度に行うことができる。
本実施形態のローラの隙間調整システムでは、バーコードリーダ104は、巻取紙Wが紙庫101に搬入されるときに巻取紙Wの表面に記載された製造情報を取り込む。従って、印刷機制御装置11は、ここで取り込んだ巻取紙Wの製造情報を使用すればよく、作業性の向上を図ることができる。
本実施形態のローラの隙間調整システムでは、印刷機制御装置11は、重ねられた複数のシートSの種類が変更されたときに、複数のシートSの総紙厚を再設定する。従って、印刷途中でシートSが変更されても、直ちに複数のシートSの総紙厚を再設定するため、常時、一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aの調整を高精度に行うことができる。
本実施形態のローラの隙間調整システムでは、シートSは、複数の巻取紙Wから繰り出されたものであり、印刷機制御装置11は、巻取紙WからのシートSの紙継ぎが実施された後に、紙継ぎがなされた巻取紙WからのシートSの紙厚情報を変更する。従って、紙継ぎ時にシートSが変更されても、直ちにシートSの紙厚情報を変更するため、常時、一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aの調整を高精度に行うことができる。
本実施形態のローラの隙間調整システムでは、バーコードリーダ104が取り込んだシートSの紙厚情報を記憶する記憶部14を設け、印刷機制御装置11は、記憶部14に記憶されているシートSの紙厚情報に基づいて隙間調整装置26を制御する。従って、バーコードリーダ104が取り込んだシートSの紙厚情報を記憶部14に記憶し、印刷機制御装置11は、記憶部14に記憶されているシートSの紙厚情報に基づいて隙間調整装置26を制御することから、複数種類のシートSに対応することができる。
本実施形態のローラの隙間調整システムでは、記憶部14は、複数のシートSの総紙厚に対する一対の折込ローラ49A,49B間の最適な折込隙間Aのマップを記憶する。従って、印刷機制御装置11は、シートSの紙厚情報に基づいてマップを用いて一対の折込ローラ49A,49B間の最適な折込隙間Aを設定し、設定された折込隙間Aにより隙間調整装置26を制御することから、一対の折込ローラ49A,49B間の折込隙間Aを迅速に調整することができる。
本実施形態のローラの隙間調整システムでは、一対の折込ローラ49A,49Bにより複数のシートSが適切に折り込まれたときの隙間調整装置26により調整された隙間を最適な折込隙間Aとしている。従って、記憶部14は、一対の折込ローラ49A,49Bにより複数のシートSが適切に折り込まれたときの隙間調整装置26により調整された隙間を最適な折込隙間Aとして記憶していることから、一対の折込ローラ49A,49B間を高精度に調整することができる。
本実施形態のローラの隙間調整システムでは、バーコードリーダ104は、シートSの製造情報を取り込み可能であり、印刷機制御装置11は、一対の折込ローラ49A,49Bに接触するシートSの製造情報に基づいて最適な折込隙間Aを変更する。従って、シートSは、製紙会社や紙種などの製造情報に応じて折込ローラ49A,49Bとの摩擦抵抗が相違するため、印刷機制御装置11が折込ローラ49A,49Bに接触するシートSの製造情報に基づいて最適な折込隙間Aを変更することから、最適な一対の折込ローラ49A,49Bの折込隙間Aに調整することができる。
なお、本実施形態では、情報取込装置としてのバーコードリーダ104が巻取紙Wのワンプに記載されているバーコードを読み取ることで、巻取紙Wの製造情報を取り込むように構成したが、この構成に限定されるものではない。巻取紙Wは、ワンプを除去した後も、端面に製造情報が記載されており、この記載をカメラなどにより取り込むように構成してもよい。また、巻取紙Wの製造情報は、作業者が操作部112から直接入力してもよいし、情報端末などに手入力したものを紙庫制御装置111に取り込むようにしてもよい。
なお、上述した実施形態では、印刷機として新聞用オフセット輪転印刷機Pを適用したが、商業用オフセット輪転印刷機やオフセット枚葉印刷機、デジタル印刷機など、に適用してもよい。