JP2019141838A - 貴金属触媒、還元方法及び化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]多孔性粒子に、ポリアルキレンポリアミンが固定化されてなる担体に、貴金属を担持させてなる、貴金属触媒。
[2]ポリアルキレンポリアミンが、ポリエチレンイミンを含む、[1]に記載の貴金属触媒。
[3]ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量が、200以上である、[1]又は[2]に記載の貴金属触媒。
[4]ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量が、100000以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[5]貴金属が、白金族元素の金属である、[1]〜[4]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[6]多孔性粒子が、架橋構造を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[7]多孔性粒子が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル−酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[8]多孔性粒子が、アクリル系樹脂を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[9]多孔性粒子が、ヒドロキシル基を含む、[8]に記載の貴金属触媒。
[10]多孔性粒子が、スチレン系樹脂を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[11][1]〜[10]のいずれかに記載の貴金属触媒を用いて還元反応を行う、還元方法。
[12]貴金属が、白金族元素の金属である、[11]に記載の還元方法。
[13]還元させる化合物が、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、アジド基、ニトロ基及びアルデヒド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、Ar−CO−R、Ar−CO−Ar、Ar−CO2CH2−Ar、R−CO2CH2−Ar、R−NHCbz並びにAr−NHCbz(Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、[11]又は[12]に記載の還元方法。
[14][1]〜[10]のいずれかに記載の貴金属触媒を用いて還元反応を行う工程を含む、化合物の製造方法。
[15]貴金属が、パラジウムである、[14]に記載の化合物の製造方法。
[16]還元させる化合物が、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、アジド基、ニトロ基及びアルデヒド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、Ar−CO−R、Ar−CO−Ar、Ar−CO2CH2−Ar、R−CO2CH2−Ar、R−NHCbz並びにAr−NHCbz(Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、[14]又は[15]に記載の化合物の製造方法。
本発明の貴金属触媒は、多孔性粒子に、ポリアルキレンポリアミンが固定化されてなる担体に、貴金属を担持させてなる。
本明細書において、多孔性粒子は、多数の微細な細孔を有する粒子をいう。多孔性粒子の体積平均粒子径、比表面積、細孔直径、細孔容積の好ましい範囲は、後述する。
多孔性粒子を構成する材料としては、例えば、セルロース、アガロース等の多糖類、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル−酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂等が挙げられる。これらの多孔性粒子を構成する材料の中でも、機械的強度に優れることから、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル−酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂が好ましく、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂がより好ましい。多孔性粒子をアクリル系樹脂とすることで、多孔性粒子を容易に製造することができる。多孔性粒子をスチレン系樹脂とすることで、多孔性粒子を容易に製造することができ、酸やアルカリに対する耐久性に優れる。
多孔性粒子の製造方法としては、例えば、非架橋性単量体、架橋性単量体、多孔質化剤、重合開始剤等を含む有機層を、分散安定剤等を含む水層に分散させ、加熱等による重合反応を行う方法が挙げられる。この方法により、架橋構造を有する球状の多孔性粒子を得ることができる。より具体的には、特公昭58−058026号公報に開示されているような懸濁重合や乳化重合を行う方法が挙げられる。
架橋性単量体としては、例えば、前述した架橋性(メタ)アクリレート、前述した架橋性芳香族ビニル単量体等が挙げられる。
架橋性単量体の含有率は、全単量体100質量%中、3質量%〜95質量%が好ましく、5質量%〜90質量%がより好ましい。架橋性単量体の含有率が3質量%以上であると、細孔構造の形成が十分で、多孔性粒子の機械的強度に優れる。また、架橋性単量体の含有率が95質量%以下であると、ポリアルキレンポリアミンの固定化反応が進行しやすく、ポリアルキレンポリアミンの導入量も十分で、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。
非架橋性単量体の含有率は、全単量体100質量%中、5質量%〜97質量%が好ましく、10質量%〜95質量%がより好ましい。非架橋性単量体の含有率が5質量%以上であると、ポリアルキレンポリアミンの固定化反応が進行しやすく、ポリアルキレンポリアミンの導入量も十分で、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。また、非架橋性単量体の含有率が97質量%以下であると、細孔構造の形成が十分で、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
反応性官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン基、エポキシ基等が挙げられる。これらの反応性官能基の中でも、反応性官能基を導入しやすく、ポリアルキレンポリアミンとの反応性に優れることから、ハロゲン基、エポキシ基が好ましい。
多孔性粒子を構築した後に反応性官能基を導入する方法としては、例えば、反応性官能基を有する化合物(リンカー)と反応可能な官能基を有する単量体を含む単量体組成物を重合して多孔性粒子を構築し、多孔性粒子と反応性官能基を有する化合物(リンカー)とを反応させる方法が挙げられる。
多孔性粒子の体積平均粒子径は、1μm〜1000μmが好ましく、4μm〜700μmがより好ましく、10μm〜500μmが更に好ましい。多孔性粒子の体積平均粒子径が1μm以上であると、還元反応後に貴金属触媒を濾過により容易に除去することができ、貴金属触媒をカラムに充填し、還元させる化合物を含む流体を流通させて反応を行うフロー反応法を採用する場合に、圧力損失を抑制し、流通速度を高めることができる。また、多孔性粒子の体積平均粒子径が1000μm以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
本明細書において、多孔性粒子の体積平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて任意の100個の多孔性粒子の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出するものとする。
本明細書において、多孔性粒子の比表面積は、窒素ガス吸着法(BET法)により測定するものとする。具体的には、窒素ガスの吸着前後の圧力変化から、BETの式により単分子層吸着量を算出し、窒素ガス1分子の断面積から多孔性粒子の比表面積を算出するものとし、ISO 9277を準用する。
本明細書において、多孔性粒子の細孔直径は、水銀圧入法により測定した最頻度直径とする。具体的には、多孔性粒子に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
本明細書において、多孔性粒子の細孔容積は、水銀圧入法により測定するものとする。具体的には、多孔性粒子に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等が挙げられる。これらのポリアルキレンポリアミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらのポリアルキレンポリアミンの中でも、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上することから、ポリアルキレンイミンが好ましく、ポリエチレンイミンがより好ましい。
本明細書において、ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー法により測定するものとする。
ポリアルキレンポリアミンを供給する方法は、ポリアルキレンポリアミンをそのまま用いると粘度が高い場合があり、工業的に製造するには取り扱いが困難であることから、ポリアルキレンポリアミンを有機溶媒又は水に溶解させた溶液を用いることが好ましく、反応性官能基としてエポキシ基を用いる場合、水溶液ではエポキシ基への水付加によるジオール生成反応が起こることから、ポリアルキレンポリアミンを有機溶媒に溶解させた溶液を用いることがより好ましい。
多孔性粒子は、反応性官能基としてエポキシ基を用いた場合に、貴金属触媒の触媒活性の低下や還元反応における官能基選択性の低下を抑制することができることから、ヒドロキシル基を有することが好ましい。
エポキシ基と水とを反応させる際の触媒の濃度は、副反応を抑制することができることから、1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。
エポキシ基と水とを反応させる際の反応時間は、副反応を抑制することができることから、0.1時間〜24時間が好ましく、1時間〜10時間がより好ましい。
担体の体積平均粒子径は、1μm〜1000μmが好ましく、4μm〜700μmがより好ましく、10μm〜500μmが更に好ましい。担体の体積平均粒子径が1μm以上であると、還元反応後に貴金属触媒を濾過により容易に除去することができ、貴金属触媒をカラムに充填し、還元させる化合物を含む流体を流通させて反応を行うフロー反応法を採用する場合に、圧力損失を抑制し、流通速度を高めることができる。また、担体の体積平均粒子径が1000μm以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
本明細書において、担体の体積平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて任意の100個の担体の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出するものとする。
本明細書において、担体の均一係数は、担体の体積分布において、粒子径の大きい方から40%となる粒子径を、粒子系の大きい方から90%となる粒子径で除した値とする。
本明細書において、担体の比表面積は、窒素ガス吸着法(BET法)により測定するものとする。具体的には、窒素ガスの吸着前後の圧力変化から、BETの式により単分子層吸着量を算出し、窒素ガス1分子の断面積から担体の比表面積を算出するものとし、ISO 9277を準用する。
本明細書において、担体の細孔直径は、水銀圧入法により測定した最頻度直径とする。具体的には、担体に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
本明細書において、担体の細孔容積は、水銀圧入法により測定するものとする。具体的には、担体に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
本明細書において、担体の窒素含有率は、元素分析により測定するものとする。具体的には、炭素・水素・窒素同時定量装置を用いて測定するものとする。
本明細書において、担体の総交換容量は、乾燥させた担体0.5g〜1.5gに相当する量を精秤し、0.2mol/Lの塩酸250mLに入れ、30℃で8時間振盪させた後、上澄みの塩酸濃度を滴定により測定し、その結果から算出するものとする。
本明細書において、貴金属は、金(Au)、銀(Ag)、白金族元素の金属からなる群より選ばれる少なくとも1種をいう。これらの貴金属は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの貴金属の中でも、接触還元反応において新たな官能基選択性を有することから、白金族元素の金属を含む金属が好ましく、白金族元素の金属がより好ましく、パラジウムを含む金属が更に好ましく、パラジウムが特に好ましい。
白金族元素とは、第5周期又は第6周期で、第8族、第9族又は第10族に位置する元素をいい、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)及びオスミウム(Os)である。
貴金属塩を溶解させる溶媒は、貴金属塩を十分溶解する量であれば特に限定されず、担体1gに対して、3mL〜100mLが好ましく、5mL〜80mLがより好ましい。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ヒドラジン;ホルムアルデヒド;蟻酸;テトラヒドロほう酸ナトリウム;蟻酸アンモニウム;蟻酸ジエチルアンモニウム;次亜リン酸ナトリウム;次亜リン酸カリウム等が挙げられる。これらの有機溶媒の中でも、貴金属の還元反応性に優れることから、ヒドラジン、テトラヒドロほう酸ナトリウムが好ましい。有機溶媒は、必要に応じて、還元作用のない有機溶媒で希釈して用いてもよい。
ガスとしては、水素、一酸化炭素、エチレン等が挙げられる。これらのガスの中でも、貴金属の還元反応性に優れることから、水素が好ましい。ガスは、必要に応じて、窒素等の不活性ガスで希釈して用いてもよい。
貴金属触媒の体積平均粒子径は、1μm〜1000μmが好ましく、4μm〜700μmがより好ましく、10μm〜500μmが更に好ましい。貴金属触媒の体積平均粒子径が1μm以上であると、還元反応後に貴金属触媒を濾過により容易に除去することができ、貴金属触媒をカラムに充填し、還元させる化合物を含む流体を流通させて反応を行うフロー反応法を採用する場合に、圧力損失を抑制し、流通速度を高めることができる。また、貴金属触媒の体積平均粒子径が1000μm以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
本明細書において、貴金属触媒の体積平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて任意の100個の貴金属触媒の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出するものとする。
本明細書において、貴金属触媒の均一係数は、貴金属触媒の体積分布において、粒子径の大きい方から40%となる粒子径を、粒子系の大きい方から90%となる粒子径で除した値とする。
本明細書において、貴金属触媒の比表面積は、窒素ガス吸着法(BET法)により測定するものとする。具体的には、窒素ガスの吸着前後の圧力変化から、BETの式により単分子層吸着量を算出し、窒素ガス1分子の断面積から貴金属触媒の比表面積を算出するものとし、ISO 9277を準用する。
本明細書において、貴金属触媒の細孔直径は、水銀圧入法により測定した最頻度直径とする。具体的には、貴金属触媒に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
本明細書において、貴金属触媒の細孔容積は、水銀圧入法により測定するものとする。具体的には、貴金属触媒に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
本明細書において、貴金属触媒の窒素含有率は、元素分析により測定するものとする。具体的には、炭素・水素・窒素同時定量装置を用いて測定するものとする。
本明細書において、貴金属触媒の総交換容量は、乾燥させた貴金属触媒0.5g〜1.5gに相当する量を精秤し、0.2mol/Lの塩酸250mLに入れ、30℃で8時間振盪させた後、上澄みの塩酸濃度を滴定により測定し、その結果から算出するものとする。
本明細書において、貴金属触媒の貴金属の担持量は、担持反応前後での質量の増加分から算出するものとする。
本発明の貴金属触媒は、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、アジド基、ニトロ基及びアルデヒド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、Ar−CO−R、Ar−CO−Ar、Ar−CO2CH2−Ar、R−CO2CH2−Ar、R−NHCbz並びにAr−NHCbz(Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を表す。)を還元することができ、R−OCH2−Ph(Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Phは、フェニル基を表す。)を還元しないことから、還元反応において新規な官能基選択性を有する。
そのため、本発明の貴金属触媒は、新たな還元反応、新たな化合物の製造方法に有用である。
本発明の還元方法は、本発明の貴金属触媒を用いて還元反応を行う。具体的には、本発明の貴金属触媒の存在下、水素源と還元させる化合物(反応基質)とを接触させることで行うことができる。
本発明の化合物の製造方法は、本発明の貴金属触媒を用いて還元反応を行う工程を含む。具体的には、本発明の貴金属触媒の存在下、水素源と還元させる化合物(反応基質)とを接触させることで行う工程を含む。
水素源としてヒドラジン類を用いる場合、そのまま用いてもよく、水溶液にして用いてもよい。水溶液にして用いた場合のヒドラジン水溶液の濃度は、10質量%〜95質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましい。
反応溶媒として水と有機溶媒とを併用する場合、有機溶媒の含有率は、水と有機溶媒との合計100質量%中、1質量%〜99質量%が好ましく、5質量%〜95質量%がより好ましく、10質量%〜90質量%が更に好ましい。
還元反応の反応時間は、1分〜24時間が好ましく、10分〜16時間がより好ましく、30分〜12時間が更に好ましい。
還元反応の反応圧力は、0.1MPa〜10MPaが好ましく、0.1MPa〜2MPaがより好ましい。
実施例で用いた多孔性粒子及び実施例で得られた担体の体積平均粒子径について、光学顕微鏡(機種名「SMZ1500」、株式会社ニコン製)を用い、任意の100個の多孔性粒子・担体の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出して得た。
実施例で用いた多孔性粒子及び実施例で得られた担体の比表面積について、乾燥させた多孔性粒子・担体を秤量し、比表面積測定装置(機種名「フローソーブIII」、マイクロメリテックス社製)を用い、窒素ガス吸着法(BET法)により測定した。
実施例で用いた多孔性粒子及び実施例で得られた担体の細孔直径・細孔容積について、自動ポロシメータ(機種名「オートポア9520」、マイクロメリテックス社製)を用い、水銀圧入法により測定した。
実施例で得られた担体の窒素含有率について、炭素・水素・窒素同時定量装置(機種名「2400II」、パーキンエルマー社製)を用い、元素分析により測定した。
実施例で得られた担体の総交換容量について、乾燥させた担体0.5g〜1.5gに相当する量を精秤し、0.2mol/Lの塩酸250mLに入れ、30℃で8時間振盪させた後、上澄みの塩酸濃度を滴定により測定し、その結果から算出して得た。
実施例で得られた貴金属触媒のパラジウム担持量について、原子吸光分光光度計(機種名「AA−7000」、株式会社島津製作所製)を用い、貴金属触媒を含む濾液の原子吸光を測定し、算出した。
実施例・参考例で用いた反応基質及び実施例・参考例で得られた生成物のmol比について、核磁気共鳴装置(機種名「JNM−AL400」、日本電子株式会社製、1H−NMR)を用い、測定した。
グリシジルメタクリレート由来の構成単位70質量%及びエチレングリコールジメタクリレート由来の構成単位30質量%からなり、比表面積36m2/g、細孔直径1204Å、細孔容積0.93mL/gの多孔性粒子40質量部(40g)に、ジエチレングリコールジメチルエーテル140質量部及びポリエチレンイミン(分子量1200、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液を80℃に昇温し、6時間反応させた。冷却後、得られた粒子を水洗した。この粒子に、10質量%の濃度の硫酸200質量部を添加し、撹拌して懸濁状態とした。この懸濁液を50℃に昇温し、5時間保持することにより未反応のエポキシ基への水付加によるジオール生成反応を行った。冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径75μm〜220μmの粒子を選別し、担体(1)を得た。得られた担体(1)は、比表面積32m2/g、細孔直径1204Å、細孔容積0.80mL/g、窒素含有率3.8質量%、総交換容量2.20ミリ等量/gであった。
得られた担体(1)の乾燥質量1gに対し、酢酸パラジウム73.9mgを溶解した酢酸エチル40mLを添加し、23℃にて24時間保持し、担体(1)にパラジウムイオンを担持させた。パラジウムイオンを担持させた担体を桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、酢酸エチルにより洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、パラジウムイオンを担持させた担体を得た。得られたパラジウムイオンを担持させた担体の乾燥質量1gに対し、ヒドラジン一水和物68μLを溶解した脱塩水40mLを添加し、23℃にて6時間保持し、パラジウムイオンを金属パラジウムに還元した。還元後、桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、脱塩水とメタノールにより順次洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、貴金属触媒(1)を得た。得られた貴金属触媒(1)は、パラジウム担持量が3.3質量%であった。
グリシジルメタクリレート由来の構成単位70質量%及びエチレングリコールジメタクリレート由来の構成単位30質量%からなり、比表面積38m2/g、細孔直径1204Å、細孔容積1.07mL/gの多孔性粒子40質量部(40g)に、ジエチレングリコールジメチルエーテル140質量部及びポリエチレンイミン(分子量1200、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液を80℃に昇温し、6時間反応させた。冷却後、得られた粒子を水洗した。この粒子に、10質量%の濃度の硫酸200質量部を添加し、撹拌して懸濁状態とした。この懸濁液を50℃に昇温し、5時間保持することにより未反応のエポキシ基への水付加によるジオール生成反応を行った。冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径212μm〜710μmの粒子を選別し、担体(2)を得た。得られた担体(2)は、比表面積28m2/g、細孔直径1504Å、細孔容積1.00mL/g、窒素含有率3.4質量%、総交換容量1.98ミリ等量/gであった。
得られた担体(2)の乾燥質量1gに対し、酢酸パラジウム42.6mgを溶解した酢酸エチル40mLを添加し、23℃にて24時間保持し、担体(2)にパラジウムイオンを担持させた。パラジウムイオンを担持させた担体を桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、酢酸エチルにより洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、パラジウムイオンを担持させた担体を得た。得られたパラジウムイオンを担持させた担体の乾燥質量0.5gに対し、ヒドラジン一水和物34μLを溶解した脱塩水40mLを添加し、23℃にて6時間保持し、パラジウムイオンを金属パラジウムに還元した。還元後、桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、脱塩水とメタノールにより順次洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、貴金属触媒(2)を得た。得られた貴金属触媒(2)は、パラジウム担持量が1.9質量%であった。
グリシジルメタクリレート由来の構成単位70質量%及びエチレングリコールジメタクリレート由来の構成単位30質量%からなり、比表面積37m2/g、細孔直径942Å、細孔容積0.99mL/gの多孔性粒子40質量部(400g)に、ジエチレングリコールジメチルエーテル140質量部及びポリエチレンイミン(分子量600、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液を80℃に昇温し、6時間反応させた。冷却後、得られた粒子を水洗した。この粒子に、10質量%の濃度の硫酸200質量部を添加し、撹拌して懸濁状態とした。この懸濁液を50℃に昇温し、5時間保持することにより未反応のエポキシ基への水付加によるジオール生成反応を行った。冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径75μm〜220μmの粒子を選別し、担体(3)を得た。得られた担体(3)は、体積平均粒子径140μm、比表面積31m2/g、細孔直径944Å、細孔容積0.85mL/g、総交換容量2.99ミリ等量/gであった。
得られた担体(3)の乾燥質量1gに対し、酢酸パラジウム73.9mgを溶解した酢酸エチル40mLを添加し、23℃にて24時間保持し、担体(3)にパラジウムイオンを担持させた。パラジウムイオンを担持させた担体を桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、酢酸エチルにより洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、パラジウムイオンを担持させた担体を得た。得られたパラジウムイオンを担持させた担体の乾燥質量1gに対し、ヒドラジン一水和物68μLを溶解した脱塩水40mLを添加し、23℃にて6時間保持し、パラジウムイオンを金属パラジウムに還元した。還元後、桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、脱塩水とメタノールにより順次洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、貴金属触媒(3)を得た。得られた貴金属触媒(3)は、パラジウム担持量が3.3質量%であった。
スチレン由来の構成単位90質量%及びジビニルベンゼン由来の構成単位10質量%からなり、比表面積17m2/g、細孔直径782Å、細孔容積0.39mL/gの多孔性粒子をクロロメチル化したもの20質量部(20g)に、水38質量部、水酸化ナトリウム32質量部及びトルエン40質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液に、ポリエチレンイミン(分子量300、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、80℃に昇温し、4時間反応させた。反応後、水蒸気蒸留によりトルエンを留去し、冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径300μm〜1180μmの粒子を選別し、担体(4)を得た。得られた担体(4)は、比表面積15m2/g、細孔直径782Å、細孔容積0.34mL/g、総交換容量6.66ミリ等量/gであった。
得られた担体(4)の乾燥質167mgに対し、酢酸パラジウム11.2mgを溶解した酢酸エチル40mLを添加し、23℃にて6.5時間保持し、担体(4)にパラジウムイオンを担持させた。パラジウムイオンを担持させた担体を桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、酢酸エチルにより洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、パラジウムイオンを担持させた担体を得た。得られたパラジウムイオンを担持させた担体の乾燥質量107mgに対し、ヒドラジン一水和物6.7μLを溶解した脱塩水40mLを添加し、23℃にて6時間保持し、パラジウムイオンを金属パラジウムに還元した。還元後、桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、脱塩水により洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、貴金属触媒(4)を得た。得られた貴金属触媒(4)は、パラジウム担持量が3.3質量%であった。
反応基質としてジフェニルアセチレン0.25mmol、表1に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表1に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表1に示す。尚、収率は、用いた反応基質の質量と得られた生成物の質量とから算出した。
反応基質としてジフェニルアセチレン10mmol、表1に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.1mmol、メタノール40mLをフラスコに入れ、脱気後水素置換して水素雰囲気とし、攪拌して懸濁させた。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表1に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒をメタノール30mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表1に示す。尚、収率は、用いた反応基質の質量と得られた生成物の質量とから算出した。
反応基質として4−アジドエチルベンゼン0.25mmol、表2に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表2に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表2に示す。
反応基質として4−エチルニトロベンゼン0.25mmol、表3に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表3に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表3に示す。
反応基質として4−メトキシベンズアルデヒド0.25mmol、表4に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表4に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表4に示す。
反応基質として2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン0.25mmol、表5に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.005mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、50℃にて、表5に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表5に示す。
反応基質として2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン0.25mmol、表5に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.05mmol、2−プロパノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、25℃にて、表5に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒をメタノール15mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表5に示す。
反応基質としてアセトフェノン0.25mmol、表6に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.05mmol、2−プロパノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、25℃にて、表6に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒をメタノール15mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表6に示す。
反応基質としてベンゾフェノン0.25mmol、表7に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.005mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、40℃にて、表7に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表7に示す。
反応基質として桂皮酸ベンジル0.25mmol、表8に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表8に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表8に示す。
反応基質として安息香酸ベンジル0.25mmol、表9に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表9に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表9に示す。
表9に記載した貴金属触媒100mgを充填した触媒カートリッジ(直径4.6mm×長さ50mm)をフロー式連続反応装置(機種名「KeyChem−H」、株式会社ワイエムシィ製)に設置した。安息香酸ベンジル13.5mmolをメタノール270mlに溶解させ、50℃に昇温させた触媒カートリッジ部に流速0.4ml/分で水素ガス(流速10mL/分)と共に11時間送液した。
反応液を得た後、反応流路をメタノール5mlで洗浄し、洗浄液を得た。次いで、前記反応液及び前記洗浄液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表9に示す。
反応基質として4−(t−ブチル)フェニルカルバミド酸ベンジル0.25mmol、表10に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表10に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表10に示す。
反応基質としてN−ベンジルオキシカルボニル−2−フェニルアミノエタン0.25mmol、表11に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表11に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表11に示す。
反応基質としてベンジルシンナミルエーテル0.25mmol、表12に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表12に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表12に示す。
反応基質としてp−(4−ベンジルオキシ−1−ブチニル)アセトフェノン0.25mmol、表13に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0375mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、50℃にて、表13に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒をメタノール15mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表13に示す。
反応基質としてエチレングリコールモノベンジルエーテル0.25mmol、表14に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表14に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表14に示す。
Claims (16)
- 多孔性粒子に、ポリアルキレンポリアミンが固定化されてなる担体に、貴金属を担持させてなる、貴金属触媒。
- ポリアルキレンポリアミンが、ポリエチレンイミンを含む、請求項1に記載の貴金属触媒。
- ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量が、100以上である、請求項1又は2に記載の貴金属触媒。
- ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量が、100000以下である、請求項は1〜3のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
- 貴金属が、パラジウムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
- 多孔性粒子が、架橋構造を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
- 多孔性粒子が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル−酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
- 多孔性粒子が、アクリル系樹脂を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
- 多孔性粒子が、ヒドロキシル基を含む、請求項8に記載の貴金属触媒。
- 多孔性粒子が、スチレン系樹脂を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の貴金属触媒を用いて還元反応を行う、還元方法。
- 貴金属が、白金族元素の金属である、請求項11に記載の還元方法。
- 還元させる化合物が、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、アジド基、ニトロ基及びアルデヒド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、Ar−CO−R、Ar−CO−Ar、Ar−CO2CH2−Ar、R−CO2CH2−Ar、R−NHCbz並びにAr−NHCbz(Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項11又は12に記載の還元方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の貴金属触媒を用いて還元反応を行う工程を含む、化合物の製造方法。
- 貴金属が、白金族元素の金属である、請求項14に記載の化合物の製造方法。
- 還元させる化合物が、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、アジド基、ニトロ基及びアルデヒド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、Ar−CO−R、Ar−CO−Ar、Ar−CO2CH2−Ar、R−CO2CH2−Ar、R−NHCbz並びにAr−NHCbz(Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項14又は15に記載の化合物の製造方法。
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