JP2019141838A - 貴金属触媒、還元方法及び化合物の製造方法 - Google Patents

貴金属触媒、還元方法及び化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】還元反応における新規な官能基選択性を有する貴金属触媒を提供する。また、新規な官能基選択性を有する還元方法を提供する。更に、新規な官能基選択性を有する還元反応を行う化合物の製造方法を提供する。【解決手段】多孔性粒子に、ポリエチレンイミンが固定化されてなる担体に、貴金属を担持させてなる、貴金属触媒。前記貴金属触媒を用いて還元反応を行う、還元方法。前記貴金属触媒を用いて還元反応を行う工程を含む、化合物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、貴金属触媒、還元方法及び化合物の製造方法に関する。
貴金属は、その触媒作用から、各種化学反応において用いられるが、中でも、パラジウムは、還元反応、不均化反応、カップリング反応等の多くの化学反応の触媒として用いられており、その触媒活性を維持する等の目的により、種々の物質に固定化(担持)されて用いられている。例えば、活性炭にパラジウムを担持させたパラジウム炭素は、副反応が少なく、触媒の保存や取り扱いが容易である等の理由から、主に接触還元反応やカップリング反応に広く用いられている。
パラジウム炭素を用いて接触還元反応を行う場合、その触媒活性が極めて高いことから、多くの官能基種に対して還元反応が進行する。一方、複雑な構造を有する化合物を合成する際に、その構造中の一部の官能基に対してのみ接触還元反応を行いたい場合、パラジウム炭素を用いるためには、目的外の官能基に対して保護基を事前に導入し、更に、接触還元反応後に脱保護反応を行う必要があり、工程が複雑化すると共に、工程数の増加に伴う総合収率の低下が生じる等の課題を有する。
このような課題を解決する方法として、例えば、特許文献1には、ポリエチレンイミンにパラジウムを担持させた貴金属触媒を用いる方法が開示されている。また、特許文献2には、窒化ホウ素にパラジウムを担持させた貴金属触媒を用いる方法が開示されている。また、特許文献3には、有機硫黄化合物にパラジウムを担持させた貴金属触媒を用いる方法が開示されている。また、特許文献4には、エチレンジアミンを固定化されてなるイオン交換樹脂にパラジウムを担持させた貴金属触媒を用いる方法が開示されている。また、特許文献5には、セラミックにパラジウムを担持させた貴金属触媒を用いる方法が開示されている。また、特許文献6には、市販の合成吸着剤にパラジウムを担持させた貴金属触媒を用いる方法が開示されている。また、非特許文献1には、エチレンジアミンとパラジウム炭素とを複合化した貴金属触媒を用いる方法が開示されている。更に、非特許文献2には、市販のイオン交換樹脂にパラジウムを担持させた貴金属触媒を用いる方法が開示されている。
国際公開2006/059703号パンフレット 特開2012−143742号公報 特開2007−152199号公報 国際公開2006/028146号パンフレット 特開2015−180494号公報 特開2008−114164号公報
Organic Square No.12, March 2004 (和光純薬株式会社) Adv. Synth. Catal., 359,p2269 (2017)
しかしながら、特許文献1〜6や非特許文献1〜2で開示されるような貴金属触媒においても、還元反応における官能基選択性の制御に対する要求を網羅しているとは言えず、既存触媒にはない更なる官能基選択性を有する還元反応触媒及び官能基選択的還元反応が求められている。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、還元反応における新規な官能基選択性を有する貴金属触媒を提供することにある。また、本発明のもう1つの目的は、新規な官能基選択性を有する還元方法を提供することにある。更に、本発明のもう1つの目的は、新規な官能基選択性を有する還元反応を行う化合物の製造方法を提供することにある。
このように、既存触媒にはない更なる官能基選択性を有する還元反応触媒及び官能基選択的還元反応が求められていたが、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、多孔性粒子にポリアルキレンポリアミンが固定化された担体に貴金属、特に、パラジウムを担持させた貴金属触媒が、還元反応において新規な官能基選択性を有することを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]多孔性粒子に、ポリアルキレンポリアミンが固定化されてなる担体に、貴金属を担持させてなる、貴金属触媒。
[2]ポリアルキレンポリアミンが、ポリエチレンイミンを含む、[1]に記載の貴金属触媒。
[3]ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量が、200以上である、[1]又は[2]に記載の貴金属触媒。
[4]ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量が、100000以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[5]貴金属が、白金族元素の金属である、[1]〜[4]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[6]多孔性粒子が、架橋構造を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[7]多孔性粒子が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル−酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[8]多孔性粒子が、アクリル系樹脂を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[9]多孔性粒子が、ヒドロキシル基を含む、[8]に記載の貴金属触媒。
[10]多孔性粒子が、スチレン系樹脂を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の貴金属触媒。
[11][1]〜[10]のいずれかに記載の貴金属触媒を用いて還元反応を行う、還元方法。
[12]貴金属が、白金族元素の金属である、[11]に記載の還元方法。
[13]還元させる化合物が、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、アジド基、ニトロ基及びアルデヒド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、Ar−CO−R、Ar−CO−Ar、Ar−COCH−Ar、R−COCH−Ar、R−NHCbz並びにAr−NHCbz(Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、[11]又は[12]に記載の還元方法。
[14][1]〜[10]のいずれかに記載の貴金属触媒を用いて還元反応を行う工程を含む、化合物の製造方法。
[15]貴金属が、パラジウムである、[14]に記載の化合物の製造方法。
[16]還元させる化合物が、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、アジド基、ニトロ基及びアルデヒド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、Ar−CO−R、Ar−CO−Ar、Ar−COCH−Ar、R−COCH−Ar、R−NHCbz並びにAr−NHCbz(Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、[14]又は[15]に記載の化合物の製造方法。
本発明の貴金属触媒は、還元反応における新規な官能基選択性を有する。また、本発明の還元方法は、新規な官能基選択性を有する。更に、本発明の化合物の製造方法は、新規な官能基選択性を有する還元反応を有する。
以下に本発明について詳述するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更して実施することができる。尚、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。また、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」、「メタクリル」又はその両者をいい、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」、「メタクリレート」又はその両者をいう。
(貴金属触媒)
本発明の貴金属触媒は、多孔性粒子に、ポリアルキレンポリアミンが固定化されてなる担体に、貴金属を担持させてなる。
本明細書において、多孔性粒子は、多数の微細な細孔を有する粒子をいう。多孔性粒子の体積平均粒子径、比表面積、細孔直径、細孔容積の好ましい範囲は、後述する。
(多孔性粒子を構成する材料)
多孔性粒子を構成する材料としては、例えば、セルロース、アガロース等の多糖類、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル−酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂等が挙げられる。これらの多孔性粒子を構成する材料の中でも、機械的強度に優れることから、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル−酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂が好ましく、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂がより好ましい。多孔性粒子をアクリル系樹脂とすることで、多孔性粒子を容易に製造することができる。多孔性粒子をスチレン系樹脂とすることで、多孔性粒子を容易に製造することができ、酸やアルカリに対する耐久性に優れる。
本明細書において、アクリル系樹脂は、アクリル系樹脂を構成する全単量体単位100質量%中、(メタ)アクリレート由来の構成単位が50質量%以上であることをいい、貴金属触媒の使用期間を長期化できることから、80質量%以上が好ましい。アクリル系樹脂は、(メタ)アクリレート由来以外の構成単位を含んでもよい。
(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、4,5−エポキシブチル(メタ)アクリレート、9,10−エポキシステアリル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有(メタ)アクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルキレンジ(メタ)アクリレート、N,N’−アルキレンビス(メタ)アクリルアミド、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の架橋性(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの(メタ)アクリレートの中でも、ポリアルキレンポリアミンの導入が容易となり、種々の溶媒における耐溶解性に優れることから、エポキシ基含有(メタ)アクリレートと架橋性(メタ)アクリレートとの併用が好ましく、グリシジル(メタ)アクリレートとエチレングリコールジ(メタ)アクリレートとの併用がより好ましい。
本明細書において、スチレン系樹脂は、スチレン系樹脂を構成する全単量体単位100質量%中、芳香族ビニル単量体由来の構成単位が50質量%以上であることをいい、貴金属触媒の使用期間を長期化できることから、80質量%以上が好ましい。スチレン系樹脂は、芳香族ビニル単量体由来以外の構成単位を含んでもよい。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ブロモブチルスチレン等の芳香族モノビニル単量体;ジビニルベンゼン、ビス(ビニルフェニル)エタン、ジビニルナフタレン、2,4,6−トリビニルエチルベンゼン等の架橋性芳香族ビニル単量体等が挙げられる。これらの芳香族ビニル単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの芳香族ビニル単量体の中でも、ポリアルキレンポリアミンの導入が容易となり、種々の溶媒における耐溶解性に優れることから、芳香族モノビニル単量体と架橋性芳香族ビニル単量体との併用が好ましい。
(多孔性粒子の製造方法)
多孔性粒子の製造方法としては、例えば、非架橋性単量体、架橋性単量体、多孔質化剤、重合開始剤等を含む有機層を、分散安定剤等を含む水層に分散させ、加熱等による重合反応を行う方法が挙げられる。この方法により、架橋構造を有する球状の多孔性粒子を得ることができる。より具体的には、特公昭58−058026号公報に開示されているような懸濁重合や乳化重合を行う方法が挙げられる。
多孔性粒子は、種々の溶媒における耐溶解性に優れることから、架橋構造を有することが好ましい。
架橋性単量体としては、例えば、前述した架橋性(メタ)アクリレート、前述した架橋性芳香族ビニル単量体等が挙げられる。
架橋性単量体の含有率は、全単量体100質量%中、3質量%〜95質量%が好ましく、5質量%〜90質量%がより好ましい。架橋性単量体の含有率が3質量%以上であると、細孔構造の形成が十分で、多孔性粒子の機械的強度に優れる。また、架橋性単量体の含有率が95質量%以下であると、ポリアルキレンポリアミンの固定化反応が進行しやすく、ポリアルキレンポリアミンの導入量も十分で、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。
非架橋性単量体としては、例えば、前述したアルキル(メタ)アクリレート、前述したヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、前述したエポキシ基含有(メタ)アクリレート、前述した(メタ)アクリルアミド類、前述したシアノ基含有(メタ)アクリレート、前述した芳香族モノビニル単量体等が挙げられる。
非架橋性単量体の含有率は、全単量体100質量%中、5質量%〜97質量%が好ましく、10質量%〜95質量%がより好ましい。非架橋性単量体の含有率が5質量%以上であると、ポリアルキレンポリアミンの固定化反応が進行しやすく、ポリアルキレンポリアミンの導入量も十分で、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。また、非架橋性単量体の含有率が97質量%以下であると、細孔構造の形成が十分で、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
多孔性粒子は、ポリアルキレンポリアミンを共有結合で固定化することが好ましい。多孔性粒子は、ポリアルキレンポリアミンを共有結合で固定化するため、反応性官能基を有することが好ましい。
反応性官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン基、エポキシ基等が挙げられる。これらの反応性官能基の中でも、反応性官能基を導入しやすく、ポリアルキレンポリアミンとの反応性に優れることから、ハロゲン基、エポキシ基が好ましい。
反応性官能基は、反応性官能基を有する単量体を含む単量体組成物を重合して多孔性粒子に導入してもよく、多孔性粒子を構築した後に反応性官能基を導入してもよい。
多孔性粒子を構築した後に反応性官能基を導入する方法としては、例えば、反応性官能基を有する化合物(リンカー)と反応可能な官能基を有する単量体を含む単量体組成物を重合して多孔性粒子を構築し、多孔性粒子と反応性官能基を有する化合物(リンカー)とを反応させる方法が挙げられる。
反応性官能基を有する単量体としては、例えば、クロロメチルスチレン、ブロモブチルスチレン等のハロゲン基含有単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、4−エポキシ−1−ブテン等のエポキシ基含有単量体等が挙げられる。これらの反応性官能基を有する単量体の中でも、ポリアルキレンポリアミンの導入が容易となることから、ハロゲン基含有単量体、エポキシ基含有単量体が好ましく、クロロメチルスチレン、ブロモブチルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレートがより好ましく、クロロメチルスチレン、グリシジルメタクリレートが更に好ましい。
(多孔性粒子の物性)
多孔性粒子の体積平均粒子径は、1μm〜1000μmが好ましく、4μm〜700μmがより好ましく、10μm〜500μmが更に好ましい。多孔性粒子の体積平均粒子径が1μm以上であると、還元反応後に貴金属触媒を濾過により容易に除去することができ、貴金属触媒をカラムに充填し、還元させる化合物を含む流体を流通させて反応を行うフロー反応法を採用する場合に、圧力損失を抑制し、流通速度を高めることができる。また、多孔性粒子の体積平均粒子径が1000μm以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
本明細書において、多孔性粒子の体積平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて任意の100個の多孔性粒子の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出するものとする。
多孔性粒子の体積平均粒子径は、懸濁重合や乳化重合の重合条件、具体的には、単量体の種類や量、分散安定剤や乳化剤の種類や量、攪拌回転数等の設定により調整することができる。また、重合終了後の生成粒子を、篩網、水篩、風篩等の方法により分級して多孔性粒子の体積平均粒子径を揃えてもよい。
多孔性粒子の比表面積は、1m/g〜1000m/gが好ましく、10m/g〜500m/gがより好ましい。多孔性粒子の比表面積が1m/g以上であると、多孔性粒子の機械的強度に優れ、細孔内部に貴金属の担持に寄与しない空間の発生を抑制することができ、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。また、多孔性粒子の比表面積が1000m/g以下であると、固定化されるポリアルキレンポリアミンが多孔性粒子の細孔中に入りやすく、ポリアルキレンポリアミンの固定化反応が進行しやすく、ポリアルキレンポリアミンの導入量も十分で、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。
本明細書において、多孔性粒子の比表面積は、窒素ガス吸着法(BET法)により測定するものとする。具体的には、窒素ガスの吸着前後の圧力変化から、BETの式により単分子層吸着量を算出し、窒素ガス1分子の断面積から多孔性粒子の比表面積を算出するものとし、ISO 9277を準用する。
多孔性粒子の比表面積は、多孔性粒子を製造する際の重合反応条件や架橋反応条件等の設定により調整することができる。
多孔性粒子の細孔直径は、10Å〜10000Åが好ましく、20Å〜5000Åがより好ましく、30Å〜2000Åが更に好ましい。多孔性粒子の細孔直径が10Å以上であると、固定化されるポリアルキレンポリアミンが多孔性粒子の細孔中に入りやすく、ポリアルキレンポリアミンの固定化反応が進行しやすく、ポリアルキレンポリアミンの導入量も十分で、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。多孔性粒子の細孔直径が10000Å以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れ、細孔内部に貴金属の担持に寄与しない空間の発生を抑制することができ、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。
本明細書において、多孔性粒子の細孔直径は、水銀圧入法により測定した最頻度直径とする。具体的には、多孔性粒子に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
多孔性粒子の細孔直径は、懸濁重合や乳化重合の重合条件、具体的には、単量体の種類や量、多孔質化剤の種類や量、重合開始剤の種類や量等の設定により調整することができる。
多孔性粒子の細孔容積は、0.1mL/g〜3.0mL/gが好ましく、0.2mL/g〜2.5mL/gがより好ましく、0.5mL/g〜2.0mL/gが更に好ましい。多孔性粒子の細孔容積が0.1mL/g以上であると、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。多孔性粒子の細孔容積が3.0mL/g以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
本明細書において、多孔性粒子の細孔容積は、水銀圧入法により測定するものとする。具体的には、多孔性粒子に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
多孔性粒子の細孔容積は、多孔性粒子を製造する際の重合反応条件や架橋反応条件等の設定により調整することができる。
(ポリアルキレンポリアミン)
ポリアルキレンポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等が挙げられる。これらのポリアルキレンポリアミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。これらのポリアルキレンポリアミンの中でも、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上することから、ポリアルキレンイミンが好ましく、ポリエチレンイミンがより好ましい。
ポリアルキレンポリアミンのアルキレンとしては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等が挙げられる。これらのアルキレンの中でも、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上することから、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセンが好ましく、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンがより好ましく、エチレンが更に好ましい。
ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量は、100〜100000が好ましく、150〜10000がより好ましい。ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量が100以上であると、触媒の貴金属の担持量が向上する。また、ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量が100000以下であると、ポリアルキレンポリアミンの固定化反応の反応性に優れる。
本明細書において、ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー法により測定するものとする。
多孔性粒子にポリアルキレンポリアミンを共有結合で固定化させる方法としては、例えば、ポリアルキレンポリアミンをそのまま又はポリアルキレンポリアミンを有機溶媒若しくは水に溶解させた溶液を、反応性官能基を有する多孔性粒子に供給し、共有結合反応させる方法が挙げられる。
ポリアルキレンポリアミンを供給する方法は、ポリアルキレンポリアミンをそのまま用いると粘度が高い場合があり、工業的に製造するには取り扱いが困難であることから、ポリアルキレンポリアミンを有機溶媒又は水に溶解させた溶液を用いることが好ましく、反応性官能基としてエポキシ基を用いる場合、水溶液ではエポキシ基への水付加によるジオール生成反応が起こることから、ポリアルキレンポリアミンを有機溶媒に溶解させた溶液を用いることがより好ましい。
有機溶媒は、ポリアルキレンポリアミンを溶解することができれば特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、4−メチルテトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの有機溶媒の中でも、アクリル系樹脂からなる多孔性粒子を膨潤させ、反応性官能基とポリアルキレンポリアミンとの反応性が向上することから、エーテル類が好ましく、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、4−メチルテトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ジオキサンがより好ましい。
多孔性粒子にポリアルキレンポリアミンを共有結合で固定化させる際の反応温度は、10℃〜120℃が好ましく、20℃〜100℃がより好ましい。反応温度が10℃以上であると、固定化反応を短時間とすることができる。また、反応温度が120℃以下であると、アクリル系樹脂からなる多孔性粒子を用いる場合、分解を抑制することができる。
多孔性粒子にポリアルキレンポリアミンを固定化させた後、多孔性粒子に残存する反応性官能基を後処理により不活性化することが好ましい。不活性化せずに反応性官能基を残存させた場合、還元させる化合物に存在する活性基との反応等により、触媒活性の低下、還元反応における官能基選択性の低下を招く場合がある。
反応性官能基としてエポキシ基を用いた際の後処理としては、例えば、水と反応させてジオール、即ち、ヒドロキシル基に変換する方法が挙げられる。
多孔性粒子は、反応性官能基としてエポキシ基を用いた場合に、貴金属触媒の触媒活性の低下や還元反応における官能基選択性の低下を抑制することができることから、ヒドロキシル基を有することが好ましい。
エポキシ基と水とを反応させる際の触媒としては、例えば、リン酸、硫酸等の無機酸水溶液;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ類水溶液等が挙げられる。これらの触媒の中でも、反応性に優れることから、硫酸が好ましい。
エポキシ基と水とを反応させる際の触媒の濃度は、副反応を抑制することができることから、1質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜20質量%がより好ましい。
エポキシ基と水とを反応させる際の反応温度は、反応性に優れることから、10℃〜90℃が好ましく、20℃〜80℃がより好ましい。
エポキシ基と水とを反応させる際の反応時間は、副反応を抑制することができることから、0.1時間〜24時間が好ましく、1時間〜10時間がより好ましい。
(担体の物性)
担体の体積平均粒子径は、1μm〜1000μmが好ましく、4μm〜700μmがより好ましく、10μm〜500μmが更に好ましい。担体の体積平均粒子径が1μm以上であると、還元反応後に貴金属触媒を濾過により容易に除去することができ、貴金属触媒をカラムに充填し、還元させる化合物を含む流体を流通させて反応を行うフロー反応法を採用する場合に、圧力損失を抑制し、流通速度を高めることができる。また、担体の体積平均粒子径が1000μm以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
本明細書において、担体の体積平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて任意の100個の担体の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出するものとする。
担体の体積平均粒子径は、用いる多孔性粒子の体積平均粒子径に依存するが、ポリアルキレンポリアミンを固定化するため、用いた多孔性粒子の体積平均粒子径より通常0.1%〜20%程度大きくなる。また、生成した担体を、篩網、水篩、風篩等の方法により分級して担体の体積平均粒子径を揃えてもよい。
担体の粒子径分布幅の指標である均一係数は、貴金属触媒をカラムに充填し、還元させる化合物を含む流体を流通させて反応を行うフロー反応法を採用する場合に、圧力損失を抑制し、流通速度を高めることができることができることから、小さい方が好ましく、具体的には、1.0〜2.0が好ましく、1.0〜1.6がより好ましい。
本明細書において、担体の均一係数は、担体の体積分布において、粒子径の大きい方から40%となる粒子径を、粒子系の大きい方から90%となる粒子径で除した値とする。
担体の比表面積は、1m/g〜1000m/gが好ましく、10m/g〜500m/gがより好ましい。担体の比表面積が1m/g以上であると、多孔性粒子の強度に優れ、細孔内部に貴金属の担持に寄与しない空間の発生を抑制することができ、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。また、担体の比表面積が1000m/g以下であると、固定化されるポリアルキレンポリアミンが多孔性粒子の細孔中に入りやすく、ポリアルキレンポリアミンの固定化反応が進行しやすく、ポリアルキレンポリアミンの導入量も十分で、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。
本明細書において、担体の比表面積は、窒素ガス吸着法(BET法)により測定するものとする。具体的には、窒素ガスの吸着前後の圧力変化から、BETの式により単分子層吸着量を算出し、窒素ガス1分子の断面積から担体の比表面積を算出するものとし、ISO 9277を準用する。
担体の比表面積は、用いる多孔性粒子の比表面積に依存するが、ポリアルキレンポリアミンを固定化するため、用いた多孔性粒子の比表面積より通常0.1%〜50%程度変化する。
担体の細孔直径は、10Å〜10000Åが好ましく、20Å〜5000Åがより好ましく、30Å〜2000Åが更に好ましい。担体の細孔直径が10Å以上であると、固定化されるポリアルキレンポリアミンが多孔性粒子の細孔中に入りやすく、ポリアルキレンポリアミンの固定化反応が進行しやすく、ポリアルキレンポリアミンの導入量も十分で、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。担体の細孔直径が10000Å以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れ、細孔内部に貴金属の担持に寄与しない空間の発生を抑制することができ、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。
本明細書において、担体の細孔直径は、水銀圧入法により測定した最頻度直径とする。具体的には、担体に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
担体の細孔直径は、用いる多孔性粒子の細孔直径に依存するが、ポリアルキレンポリアミンを固定化するため、用いた多孔性粒子の細孔直径より通常0.1%〜50%程度変化する。
担体の細孔容積は、0.1mL/g〜3.0mL/gが好ましく、0.2mL/g〜2.5mL/gがより好ましく、0.5mL/g〜2.0mL/gが更に好ましい。担体の細孔容積が0.1mL/g以上であると、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。担体の細孔容積が3.0mL/g以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
本明細書において、担体の細孔容積は、水銀圧入法により測定するものとする。具体的には、担体に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
担体の細孔容積は、用いる多孔性粒子の細孔容積に依存するが、ポリアルキレンポリアミンを固定化するため、用いた多孔性粒子の細孔容積より通常0.1%〜50%程度変化する。
担体中のポリアルキレンポリアミンの固定化量は、窒素含有率や総交換容量により定量することができる。
担体の窒素含有率は、担体100質量%中、0.3質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜25質量%がより好ましい。担体の窒素含有率が0.3質量%以上であると、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。また、担体の窒素含有率が30質量%以下であると、貴金属が十分に拡散浸透できるほどの細孔容積を有するため、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。
本明細書において、担体の窒素含有率は、元素分析により測定するものとする。具体的には、炭素・水素・窒素同時定量装置を用いて測定するものとする。
担体の総交換容量は、0.1ミリ等量/g〜20ミリ等量/gが好ましく、0.2ミリ等量/g〜10ミリ等量/gがより好ましい。
本明細書において、担体の総交換容量は、乾燥させた担体0.5g〜1.5gに相当する量を精秤し、0.2mol/Lの塩酸250mLに入れ、30℃で8時間振盪させた後、上澄みの塩酸濃度を滴定により測定し、その結果から算出するものとする。
(貴金属担持)
本明細書において、貴金属は、金(Au)、銀(Ag)、白金族元素の金属からなる群より選ばれる少なくとも1種をいう。これらの貴金属は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの貴金属の中でも、接触還元反応において新たな官能基選択性を有することから、白金族元素の金属を含む金属が好ましく、白金族元素の金属がより好ましく、パラジウムを含む金属が更に好ましく、パラジウムが特に好ましい。
白金族元素とは、第5周期又は第6周期で、第8族、第9族又は第10族に位置する元素をいい、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)及びオスミウム(Os)である。
担体に貴金属を担持する方法としては、例えば、貴金属塩を水又は有機溶剤の溶媒に溶解させた溶液を担体に供給し、担体に貴金属塩を担持させ、担体に担持させた貴金属塩を貴金属に還元する方法が挙げられる。
貴金属がパラジウムの場合の貴金属塩は、水又は有機溶剤に溶解するものであれば特に限定されず、例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、硫酸パラジウム、プロピオン酸パラジウム、各種パラジウムの複塩、テトラクロロパラジウム酸カリウム、テトラクロロパラジウム酸ナトリウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム等が挙げられる。これらのパラジウム塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのパラジウム塩の中でも、担持反応性に優れることから、塩化パラジウム、酢酸パラジウムが好ましく、酢酸パラジウムがより好ましい。
貴金属が白金の場合の貴金属塩は、水又は有機溶剤に溶解するものであれば特に限定されず、例えば、塩化白金、ヘキサクロロ白金酸カリウム、テトラアンミン白金酢酸塩、テトラアンミン白金硝酸塩、ビス(アセチルアセトナト)白金、テトラアンミン白金炭酸塩等が挙げられる。これらの白金塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
貴金属がロジウムの場合の貴金属塩は、水又は有機溶剤に溶解するものであれば特に限定されず、例えば、塩化ロジウム、ヘキサクロロロジウム酸アンモニウム、酢酸ロジウム、硝酸ロジウム等が挙げられる。これらのロジウム塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
貴金属がルテニウムの場合の貴金属塩は、水又は有機溶剤に溶解するものであれば特に限定されず、例えば、塩化ルテニウム、硝酸ルテニウムニトロシル、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム等が挙げられる。これらのルテニウム塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
貴金属が銀の場合の貴金属塩は、水又は有機溶剤に溶解するものであれば特に限定されず、例えば、硝酸銀、酢酸銀等が挙げられる。これらの銀塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
貴金属塩を溶解させる溶媒は、触媒被毒とならず、用いる貴金属塩を溶解するものであれば特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン等のケトン類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、4−メチルテトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;塩化メチル、クロロホルム等のハロゲン化合物類;ベンゼン;酢酸エチル;アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの溶媒の中でも、貴金属塩の溶解性、担持反応性に優れることから、水、酢酸エチル、アセトニトリルが好ましい。
貴金属塩を溶解させる溶媒は、貴金属塩を十分溶解する量であれば特に限定されず、担体1gに対して、3mL〜100mLが好ましく、5mL〜80mLがより好ましい。
担体に担持させた貴金属塩を貴金属に還元する方法としては、例えば、有機溶媒で還元する湿式法;ガスで還元する乾式法等が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ヒドラジン;ホルムアルデヒド;蟻酸;テトラヒドロほう酸ナトリウム;蟻酸アンモニウム;蟻酸ジエチルアンモニウム;次亜リン酸ナトリウム;次亜リン酸カリウム等が挙げられる。これらの有機溶媒の中でも、貴金属の還元反応性に優れることから、ヒドラジン、テトラヒドロほう酸ナトリウムが好ましい。有機溶媒は、必要に応じて、還元作用のない有機溶媒で希釈して用いてもよい。
ガスとしては、水素、一酸化炭素、エチレン等が挙げられる。これらのガスの中でも、貴金属の還元反応性に優れることから、水素が好ましい。ガスは、必要に応じて、窒素等の不活性ガスで希釈して用いてもよい。
(貴金属触媒の物性)
貴金属触媒の体積平均粒子径は、1μm〜1000μmが好ましく、4μm〜700μmがより好ましく、10μm〜500μmが更に好ましい。貴金属触媒の体積平均粒子径が1μm以上であると、還元反応後に貴金属触媒を濾過により容易に除去することができ、貴金属触媒をカラムに充填し、還元させる化合物を含む流体を流通させて反応を行うフロー反応法を採用する場合に、圧力損失を抑制し、流通速度を高めることができる。また、貴金属触媒の体積平均粒子径が1000μm以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
本明細書において、貴金属触媒の体積平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて任意の100個の貴金属触媒の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出するものとする。
貴金属触媒の体積平均粒子径は、用いる多孔性粒子の体積平均粒子径に依存するが、ポリアルキレンポリアミンを固定化するため、用いた多孔性粒子の体積平均粒子径より通常0.1%〜20%程度大きくなる。また、生成した貴金属触媒を、篩網、水篩、風篩等の方法により分級して貴金属触媒の体積平均粒子径を揃えてもよい。
貴金属触媒の粒子径分布幅の指標である均一係数は、貴金属触媒をカラムに充填し、還元させる化合物を含む流体を流通させて反応を行うフロー反応法を採用する場合に、圧力損失を抑制し、流通速度を高めることができることから、小さい方が好ましく、具体的には、1.0〜2.0が好ましく、1.0〜1.6がより好ましい。
本明細書において、貴金属触媒の均一係数は、貴金属触媒の体積分布において、粒子径の大きい方から40%となる粒子径を、粒子系の大きい方から90%となる粒子径で除した値とする。
貴金属触媒の比表面積は、1m/g〜1000m/gが好ましく、10m/g〜500m/gがより好ましい。貴金属触媒の比表面積が1m/g以上であると、多孔性粒子の強度に優れ、細孔内部に貴金属の担持に寄与しない空間の発生を抑制することができ、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。また、貴金属触媒の比表面積が1000m/g以下であると、固定化されるポリアルキレンポリアミンが多孔性粒子の細孔中に入りやすく、ポリアルキレンポリアミンの固定化反応が進行しやすく、ポリアルキレンポリアミンの導入量も十分で、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。
本明細書において、貴金属触媒の比表面積は、窒素ガス吸着法(BET法)により測定するものとする。具体的には、窒素ガスの吸着前後の圧力変化から、BETの式により単分子層吸着量を算出し、窒素ガス1分子の断面積から貴金属触媒の比表面積を算出するものとし、ISO 9277を準用する。
貴金属触媒の比表面積は、用いる多孔性粒子の比表面積に依存するが、ポリアルキレンポリアミンを固定化するため、用いた多孔性粒子の比表面積より通常0.1%〜50%程度変化する。
貴金属触媒の細孔直径は、10Å〜10000Åが好ましく、20Å〜5000Åがより好ましく、30Å〜2000Åが更に好ましい。貴金属触媒の細孔直径が10Å以上であると、固定化されるポリアルキレンポリアミンが多孔性粒子の細孔中に入りやすく、ポリアルキレンポリアミンの固定化反応が進行しやすく、ポリアルキレンポリアミンの導入量も十分で、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。貴金属触媒の細孔直径が10000Å以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れ、細孔内部に貴金属の担持に寄与しない空間の発生を抑制することができ、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。
本明細書において、貴金属触媒の細孔直径は、水銀圧入法により測定した最頻度直径とする。具体的には、貴金属触媒に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
貴金属触媒の細孔直径は、用いる多孔性粒子の細孔直径に依存するが、ポリアルキレンポリアミンを固定化するため、用いた多孔性粒子の細孔直径より通常0.1%〜50%程度変化する。
貴金属触媒の細孔容積は、0.1mL/g〜3.0mL/gが好ましく、0.2mL/g〜2.5mL/gがより好ましく、0.5mL/g〜2.0mL/gが更に好ましい。貴金属触媒の細孔容積が0.1mL/g以上であると、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。貴金属触媒の細孔容積が3.0mL/g以下であると、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
本明細書において、貴金属触媒の細孔容積は、水銀圧入法により測定するものとする。具体的には、貴金属触媒に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901−1を準用する。
貴金属触媒の細孔容積は、用いる多孔性粒子の細孔容積に依存するが、ポリアルキレンポリアミンを固定化するため、用いた多孔性粒子の細孔容積より通常0.1%〜50%程度変化する。
貴金属触媒中のポリアルキレンポリアミンの固定化量は、窒素含有率や総交換容量により定量することができる。
貴金属触媒の窒素含有率は、貴金属触媒100質量%中、0.3質量%〜30質量%が好ましく、0.5質量%〜25質量%がより好ましい。貴金属触媒の窒素含有率が0.3質量%以上であると、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。また、貴金属触媒の窒素含有率が30質量%以下であると、貴金属が十分に拡散浸透できるほどの細孔容積を有するため、貴金属触媒の貴金属の担持量が向上する。
本明細書において、貴金属触媒の窒素含有率は、元素分析により測定するものとする。具体的には、炭素・水素・窒素同時定量装置を用いて測定するものとする。
貴金属触媒の総交換容量は、0.1ミリ等量/g〜20ミリ等量/gが好ましく、0.2ミリ等量/g〜10ミリ等量/gがより好ましい。
本明細書において、貴金属触媒の総交換容量は、乾燥させた貴金属触媒0.5g〜1.5gに相当する量を精秤し、0.2mol/Lの塩酸250mLに入れ、30℃で8時間振盪させた後、上澄みの塩酸濃度を滴定により測定し、その結果から算出するものとする。
貴金属触媒の貴金属の担持量は、貴金属触媒100質量%中、0.1質量%〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましく、1質量%〜10質量%が更に好ましい。貴金属触媒の貴金属の担持量が0.1質量%以上であると、貴金属触媒の触媒活性に優れる。また、貴金属触媒の貴金属の担持量が20質量%以下であると、貴金属触媒の生産性に優れる。
本明細書において、貴金属触媒の貴金属の担持量は、担持反応前後での質量の増加分から算出するものとする。
(用途)
本発明の貴金属触媒は、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、アジド基、ニトロ基及びアルデヒド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、Ar−CO−R、Ar−CO−Ar、Ar−COCH−Ar、R−COCH−Ar、R−NHCbz並びにAr−NHCbz(Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を表す。)を還元することができ、R−OCH−Ph(Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Phは、フェニル基を表す。)を還元しないことから、還元反応において新規な官能基選択性を有する。
そのため、本発明の貴金属触媒は、新たな還元反応、新たな化合物の製造方法に有用である。
(還元方法・化合物の製造方法)
本発明の還元方法は、本発明の貴金属触媒を用いて還元反応を行う。具体的には、本発明の貴金属触媒の存在下、水素源と還元させる化合物(反応基質)とを接触させることで行うことができる。
本発明の化合物の製造方法は、本発明の貴金属触媒を用いて還元反応を行う工程を含む。具体的には、本発明の貴金属触媒の存在下、水素源と還元させる化合物(反応基質)とを接触させることで行う工程を含む。
水素源としては、例えば、水素、一酸化炭素、エチレン等のガス類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類;ヒドラジン、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、アリルヒドラジン、フェニルヒドラジン等のヒドラジン類及びそれらの塩類(例えば、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩等);蟻酸、酢酸等のカルボン酸類及びその塩類(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等);次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等の次亜リン酸類;蟻酸アンモニウム;デカリン;ホルムアルデヒド等が挙げられる。これらの水素源の中でも、還元反応性に優れることから、水素、ヒドラジン類及びそれらの塩類が好ましく、水素がより好ましい。
水素源としてヒドラジン類を用いる場合、そのまま用いてもよく、水溶液にして用いてもよい。水溶液にして用いた場合のヒドラジン水溶液の濃度は、10質量%〜95質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましい。
反応基質としては、例えば、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、アジド基、ニトロ基及びアルデヒド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物;Ar−CO−R;Ar−CO−Ar;Ar−COCH−Ar;R−COCH−Ar;R−NHCbz;Ar−NHCbz(Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を表す。)等が挙げられる。
水素源の使用量は、反応基質1molに対して、1mol〜100molが好ましく、2mol〜50molがより好ましい。水素源が気体の場合は、反応系内をその気体の雰囲気化とすればよい。
還元反応は、必要に応じて、反応溶媒を用いてもよい。反応溶媒としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、モルホリン等の複素環式化合物等が挙げられる。これらの反応溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
反応溶媒として水と有機溶媒とを併用する場合、水の含有率は、水と有機溶媒との合計100質量%中、1質量%〜99質量%が好ましく、5質量%〜95質量%がより好ましく、10質量%〜90質量%が更に好ましい。
反応溶媒として水と有機溶媒とを併用する場合、有機溶媒の含有率は、水と有機溶媒との合計100質量%中、1質量%〜99質量%が好ましく、5質量%〜95質量%がより好ましく、10質量%〜90質量%が更に好ましい。
還元反応の反応温度は、−20℃〜200℃が好ましく、0℃〜100℃がより好ましく、10℃〜70℃が更に好ましい。
還元反応の反応時間は、1分〜24時間が好ましく、10分〜16時間がより好ましく、30分〜12時間が更に好ましい。
還元反応の反応圧力は、0.1MPa〜10MPaが好ましく、0.1MPa〜2MPaがより好ましい。
貴金属触媒の使用量は、反応基質1molに対して、貴金属を基準として0.0001mol〜1molが好ましく、0.005mol〜0.5molがより好ましい。貴金属触媒の使用量が0.0001mol以上であると、還元反応性に優れる。また、貴金属触媒の使用量が1mol以下であると、生産性に優れる。
具体的な還元反応の方法としては、例えば、還元反応の反応系に本発明の貴金属触媒を入れ、反応後に貴金属触媒を濾過等により分離する方法;本発明の貴金属触媒をカラム等に充填し、反応相(気相及び液相の混合系を含む)を通液することによりカラム内の貴金属触媒による接触還元反応を行い、カラム出口より反応生成物を含む反応相を得る方法等が挙げられる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
(体積平均粒子径)
実施例で用いた多孔性粒子及び実施例で得られた担体の体積平均粒子径について、光学顕微鏡(機種名「SMZ1500」、株式会社ニコン製)を用い、任意の100個の多孔性粒子・担体の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出して得た。
(比表面積)
実施例で用いた多孔性粒子及び実施例で得られた担体の比表面積について、乾燥させた多孔性粒子・担体を秤量し、比表面積測定装置(機種名「フローソーブIII」、マイクロメリテックス社製)を用い、窒素ガス吸着法(BET法)により測定した。
(細孔直径・細孔容積)
実施例で用いた多孔性粒子及び実施例で得られた担体の細孔直径・細孔容積について、自動ポロシメータ(機種名「オートポア9520」、マイクロメリテックス社製)を用い、水銀圧入法により測定した。
(窒素含有率)
実施例で得られた担体の窒素含有率について、炭素・水素・窒素同時定量装置(機種名「2400II」、パーキンエルマー社製)を用い、元素分析により測定した。
(総交換容量)
実施例で得られた担体の総交換容量について、乾燥させた担体0.5g〜1.5gに相当する量を精秤し、0.2mol/Lの塩酸250mLに入れ、30℃で8時間振盪させた後、上澄みの塩酸濃度を滴定により測定し、その結果から算出して得た。
(パラジウム担持量)
実施例で得られた貴金属触媒のパラジウム担持量について、原子吸光分光光度計(機種名「AA−7000」、株式会社島津製作所製)を用い、貴金属触媒を含む濾液の原子吸光を測定し、算出した。
(反応基質と生成物のmol比)
実施例・参考例で用いた反応基質及び実施例・参考例で得られた生成物のmol比について、核磁気共鳴装置(機種名「JNM−AL400」、日本電子株式会社製、H−NMR)を用い、測定した。
[実施例1]
グリシジルメタクリレート由来の構成単位70質量%及びエチレングリコールジメタクリレート由来の構成単位30質量%からなり、比表面積36m/g、細孔直径1204Å、細孔容積0.93mL/gの多孔性粒子40質量部(40g)に、ジエチレングリコールジメチルエーテル140質量部及びポリエチレンイミン(分子量1200、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液を80℃に昇温し、6時間反応させた。冷却後、得られた粒子を水洗した。この粒子に、10質量%の濃度の硫酸200質量部を添加し、撹拌して懸濁状態とした。この懸濁液を50℃に昇温し、5時間保持することにより未反応のエポキシ基への水付加によるジオール生成反応を行った。冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径75μm〜220μmの粒子を選別し、担体(1)を得た。得られた担体(1)は、比表面積32m/g、細孔直径1204Å、細孔容積0.80mL/g、窒素含有率3.8質量%、総交換容量2.20ミリ等量/gであった。
得られた担体(1)の乾燥質量1gに対し、酢酸パラジウム73.9mgを溶解した酢酸エチル40mLを添加し、23℃にて24時間保持し、担体(1)にパラジウムイオンを担持させた。パラジウムイオンを担持させた担体を桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、酢酸エチルにより洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、パラジウムイオンを担持させた担体を得た。得られたパラジウムイオンを担持させた担体の乾燥質量1gに対し、ヒドラジン一水和物68μLを溶解した脱塩水40mLを添加し、23℃にて6時間保持し、パラジウムイオンを金属パラジウムに還元した。還元後、桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、脱塩水とメタノールにより順次洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、貴金属触媒(1)を得た。得られた貴金属触媒(1)は、パラジウム担持量が3.3質量%であった。
[実施例2]
グリシジルメタクリレート由来の構成単位70質量%及びエチレングリコールジメタクリレート由来の構成単位30質量%からなり、比表面積38m/g、細孔直径1204Å、細孔容積1.07mL/gの多孔性粒子40質量部(40g)に、ジエチレングリコールジメチルエーテル140質量部及びポリエチレンイミン(分子量1200、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液を80℃に昇温し、6時間反応させた。冷却後、得られた粒子を水洗した。この粒子に、10質量%の濃度の硫酸200質量部を添加し、撹拌して懸濁状態とした。この懸濁液を50℃に昇温し、5時間保持することにより未反応のエポキシ基への水付加によるジオール生成反応を行った。冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径212μm〜710μmの粒子を選別し、担体(2)を得た。得られた担体(2)は、比表面積28m/g、細孔直径1504Å、細孔容積1.00mL/g、窒素含有率3.4質量%、総交換容量1.98ミリ等量/gであった。
得られた担体(2)の乾燥質量1gに対し、酢酸パラジウム42.6mgを溶解した酢酸エチル40mLを添加し、23℃にて24時間保持し、担体(2)にパラジウムイオンを担持させた。パラジウムイオンを担持させた担体を桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、酢酸エチルにより洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、パラジウムイオンを担持させた担体を得た。得られたパラジウムイオンを担持させた担体の乾燥質量0.5gに対し、ヒドラジン一水和物34μLを溶解した脱塩水40mLを添加し、23℃にて6時間保持し、パラジウムイオンを金属パラジウムに還元した。還元後、桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、脱塩水とメタノールにより順次洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、貴金属触媒(2)を得た。得られた貴金属触媒(2)は、パラジウム担持量が1.9質量%であった。
[実施例3]
グリシジルメタクリレート由来の構成単位70質量%及びエチレングリコールジメタクリレート由来の構成単位30質量%からなり、比表面積37m/g、細孔直径942Å、細孔容積0.99mL/gの多孔性粒子40質量部(400g)に、ジエチレングリコールジメチルエーテル140質量部及びポリエチレンイミン(分子量600、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液を80℃に昇温し、6時間反応させた。冷却後、得られた粒子を水洗した。この粒子に、10質量%の濃度の硫酸200質量部を添加し、撹拌して懸濁状態とした。この懸濁液を50℃に昇温し、5時間保持することにより未反応のエポキシ基への水付加によるジオール生成反応を行った。冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径75μm〜220μmの粒子を選別し、担体(3)を得た。得られた担体(3)は、体積平均粒子径140μm、比表面積31m/g、細孔直径944Å、細孔容積0.85mL/g、総交換容量2.99ミリ等量/gであった。
得られた担体(3)の乾燥質量1gに対し、酢酸パラジウム73.9mgを溶解した酢酸エチル40mLを添加し、23℃にて24時間保持し、担体(3)にパラジウムイオンを担持させた。パラジウムイオンを担持させた担体を桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、酢酸エチルにより洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、パラジウムイオンを担持させた担体を得た。得られたパラジウムイオンを担持させた担体の乾燥質量1gに対し、ヒドラジン一水和物68μLを溶解した脱塩水40mLを添加し、23℃にて6時間保持し、パラジウムイオンを金属パラジウムに還元した。還元後、桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、脱塩水とメタノールにより順次洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、貴金属触媒(3)を得た。得られた貴金属触媒(3)は、パラジウム担持量が3.3質量%であった。
[実施例4]
スチレン由来の構成単位90質量%及びジビニルベンゼン由来の構成単位10質量%からなり、比表面積17m/g、細孔直径782Å、細孔容積0.39mL/gの多孔性粒子をクロロメチル化したもの20質量部(20g)に、水38質量部、水酸化ナトリウム32質量部及びトルエン40質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液に、ポリエチレンイミン(分子量300、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、80℃に昇温し、4時間反応させた。反応後、水蒸気蒸留によりトルエンを留去し、冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径300μm〜1180μmの粒子を選別し、担体(4)を得た。得られた担体(4)は、比表面積15m/g、細孔直径782Å、細孔容積0.34mL/g、総交換容量6.66ミリ等量/gであった。
得られた担体(4)の乾燥質167mgに対し、酢酸パラジウム11.2mgを溶解した酢酸エチル40mLを添加し、23℃にて6.5時間保持し、担体(4)にパラジウムイオンを担持させた。パラジウムイオンを担持させた担体を桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、酢酸エチルにより洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、パラジウムイオンを担持させた担体を得た。得られたパラジウムイオンを担持させた担体の乾燥質量107mgに対し、ヒドラジン一水和物6.7μLを溶解した脱塩水40mLを添加し、23℃にて6時間保持し、パラジウムイオンを金属パラジウムに還元した。還元後、桐山ロート(商品名「桐山ロート」、商品名「桐山ロート用濾紙 No.5C」、有限会社桐山製作所製、1μm)にて濾過し、脱塩水により洗浄し、23℃にて6時間減圧乾燥を行い、貴金属触媒(4)を得た。得られた貴金属触媒(4)は、パラジウム担持量が3.3質量%であった。
[実施例5〜8]
反応基質としてジフェニルアセチレン0.25mmol、表1に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表1に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表1に示す。尚、収率は、用いた反応基質の質量と得られた生成物の質量とから算出した。
[実施例9]
反応基質としてジフェニルアセチレン10mmol、表1に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.1mmol、メタノール40mLをフラスコに入れ、脱気後水素置換して水素雰囲気とし、攪拌して懸濁させた。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表1に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒をメタノール30mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表1に示す。尚、収率は、用いた反応基質の質量と得られた生成物の質量とから算出した。
Figure 2019141838
表1からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのアルキンがアルケンを経由してアルカンまで還元されることが確認できた。
[実施例10〜12]
反応基質として4−アジドエチルベンゼン0.25mmol、表2に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表2に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表2に示す。
Figure 2019141838
表2からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのアジド基がアミノ基に還元されることが確認できた。
[実施例13〜14]
反応基質として4−エチルニトロベンゼン0.25mmol、表3に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表3に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表3に示す。
Figure 2019141838
表3からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのニトロ基がアミノ基に還元されることが確認できた。
[実施例15]
反応基質として4−メトキシベンズアルデヒド0.25mmol、表4に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表4に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表4に示す。
Figure 2019141838
表4からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのアルデヒド基がヒドロキシル基に還元されることが確認できた。
[実施例16]
反応基質として2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン0.25mmol、表5に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.005mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、50℃にて、表5に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表5に示す。
[実施例17]
反応基質として2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン0.25mmol、表5に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.05mmol、2−プロパノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、25℃にて、表5に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒をメタノール15mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表5に示す。
Figure 2019141838
表5からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのカルボニル基がヒドロキシル基に還元されることが確認できた。
[実施例18]
反応基質としてアセトフェノン0.25mmol、表6に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.05mmol、2−プロパノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、25℃にて、表6に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒をメタノール15mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表6に示す。
Figure 2019141838
[実施例19]
反応基質としてベンゾフェノン0.25mmol、表7に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.005mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、40℃にて、表7に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表7に示す。
Figure 2019141838
表7からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのカルボニル基がヒドロキシル基に還元されることが確認できた。
[実施例20〜21]
反応基質として桂皮酸ベンジル0.25mmol、表8に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表8に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表8に示す。
Figure 2019141838
表8からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのベンジルオキシカルボニル基がカルボキシル基に還元されることが確認できた。
[実施例22〜24]
反応基質として安息香酸ベンジル0.25mmol、表9に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表9に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表9に示す。
[実施例25]
表9に記載した貴金属触媒100mgを充填した触媒カートリッジ(直径4.6mm×長さ50mm)をフロー式連続反応装置(機種名「KeyChem−H」、株式会社ワイエムシィ製)に設置した。安息香酸ベンジル13.5mmolをメタノール270mlに溶解させ、50℃に昇温させた触媒カートリッジ部に流速0.4ml/分で水素ガス(流速10mL/分)と共に11時間送液した。
反応液を得た後、反応流路をメタノール5mlで洗浄し、洗浄液を得た。次いで、前記反応液及び前記洗浄液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表9に示す。
Figure 2019141838
表9からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのベンジルオキシカルボニル基がカルボキシル基に還元されることが確認できた。
[実施例26〜27]
反応基質として4−(t−ブチル)フェニルカルバミド酸ベンジル0.25mmol、表10に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表10に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表10に示す。
Figure 2019141838
表10からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのウレタン基がアミノ基に還元されることが確認できた。
[実施例28〜29]
反応基質としてN−ベンジルオキシカルボニル−2−フェニルアミノエタン0.25mmol、表11に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表11に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表11に示す。
Figure 2019141838
表11からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのウレタン基がアミノ基に還元されることが確認できた。
[実施例30〜31]
反応基質としてベンジルシンナミルエーテル0.25mmol、表12に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表12に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表12に示す。
Figure 2019141838
表12からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのアルケンがアルカンに還元されることが確認できた。一方、ほぼすべてのベンジルエーテル基がヒドロキシル基に還元されないことが確認できた。
[実施例32]
反応基質としてp−(4−ベンジルオキシ−1−ブチニル)アセトフェノン0.25mmol、表13に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0375mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、50℃にて、表13に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒をメタノール15mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表13に示す。
Figure 2019141838
表13からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いることで、ほぼすべてのアルキンがアルカンに還元され、ほぼすべてのカルボニル基がヒドロキシル基に還元されることが確認できた。一方、ほぼすべてのベンジルエーテル基がヒドロキシル基に還元されないことが確認できた。
[参考例1]
反応基質としてエチレングリコールモノベンジルエーテル0.25mmol、表14に記載した貴金属触媒をパラジウム基準で0.0025mmol、メタノール1mLを試験管に入れ、攪拌して懸濁させた。その後、試験管に取り付けたラバーセプタムに水素バルーンを取り付け、水素雰囲気とした。引き続き水素雰囲気下、0.1MPa、23℃にて、表14に記載した反応時間攪拌することで、還元反応を実施した。
その後、得られた反応液をメンブレンフィルター(商品名「Millex−LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、貴金属触媒を除去した濾液を得た。更に、メンブレンフィルター上の貴金属触媒を酢酸エチル10mlで洗浄し、洗浄濾液を得た。次いで、前記濾液及び前記洗浄濾液を混合し、減圧下で20分間濃縮し、生成物を得た。
得られた生成物の評価結果を、表14に示す。
Figure 2019141838
表14からも分かるように、還元反応の触媒として本発明の貴金属触媒を用いても、ほぼすべてのベンジルエーテル基がヒドロキシル基に還元されないことが確認できた。
本発明の貴金属触媒、中でも、パラジウムを担持した触媒は、還元反応の触媒に好適である。特に、本発明の貴金属触媒は、還元反応における新規な官能基選択性を有することから、医薬品製造分野における実用上の価値は極めて高い。

Claims (16)

  1. 多孔性粒子に、ポリアルキレンポリアミンが固定化されてなる担体に、貴金属を担持させてなる、貴金属触媒。
  2. ポリアルキレンポリアミンが、ポリエチレンイミンを含む、請求項1に記載の貴金属触媒。
  3. ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量が、100以上である、請求項1又は2に記載の貴金属触媒。
  4. ポリアルキレンポリアミンの質量平均分子量が、100000以下である、請求項は1〜3のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
  5. 貴金属が、パラジウムである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
  6. 多孔性粒子が、架橋構造を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
  7. 多孔性粒子が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル−酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
  8. 多孔性粒子が、アクリル系樹脂を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
  9. 多孔性粒子が、ヒドロキシル基を含む、請求項8に記載の貴金属触媒。
  10. 多孔性粒子が、スチレン系樹脂を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の貴金属触媒。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の貴金属触媒を用いて還元反応を行う、還元方法。
  12. 貴金属が、白金族元素の金属である、請求項11に記載の還元方法。
  13. 還元させる化合物が、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、アジド基、ニトロ基及びアルデヒド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、Ar−CO−R、Ar−CO−Ar、Ar−COCH−Ar、R−COCH−Ar、R−NHCbz並びにAr−NHCbz(Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項11又は12に記載の還元方法。
  14. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の貴金属触媒を用いて還元反応を行う工程を含む、化合物の製造方法。
  15. 貴金属が、白金族元素の金属である、請求項14に記載の化合物の製造方法。
  16. 還元させる化合物が、炭素−炭素三重結合、炭素−炭素二重結合、アジド基、ニトロ基及びアルデヒド基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、Ar−CO−R、Ar−CO−Ar、Ar−COCH−Ar、R−COCH−Ar、R−NHCbz並びにAr−NHCbz(Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Cbzは、ベンジルオキシカルボニル基を表す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項14又は15に記載の化合物の製造方法。
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