JP6992586B2 - 貴金属の除去方法、及び化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
また、工業スケールにおいて、クロスカップリング反応に代表される化学反応後に、反応系から貴金属を効率よく除去する方法が知られていないという課題を有する。
[1] 多孔性粒子に、ポリエチレンイミンが固定化されてなる、貴金属吸着剤を用いて貴
金属を除去する、貴金属の除去方法であって、
前記ポリエチレンイミンの質量平均分子量が200以上であり、
前記貴金属が、化学反応の系内に漏出したものであり、
前記化学反応が、ハロゲン化アリールと一置換アルキンとのクロスカップリング反応であ
る、
貴金属の除去方法。
[2] 前記ポリエチレンイミンの質量平均分子量が、100000以下である、[1]に記
載の貴金属の除去方法。
[3] 前記貴金属が、パラジウムである、[1]又は[2]に記載の貴金属の除去方法。
[4] 前記多孔性粒子が、架橋構造を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の貴金属の除
去方法。
[5] 前記多孔性粒子が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル
-酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含
む[1]~[4]のいずれかに記載の貴金属の除去方法。
[6] 前記多孔性粒子が、アクリル系樹脂を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の貴金属
の除去方法。
[7] 前記多孔性粒子が、スチレン系樹脂を含む、[1]~[5]のいずれかに記載の貴金属
の除去方法。
[8] 前記多孔性粒子が、ヒドロキシル基を含む、[1]~[7]のいずれかに記載の貴金属
の除去方法。
[9] [1]~[8]のいずれかに記載の貴金属の除去方法を含む、化合物の製造方法。
中でも、ハロゲン化アリールと一置換アルキンとのクロスカップリング反応において、本発明の貴金属吸着剤を用いることで、反応系に漏出するパラジウムを効率よく除去することができる。
本発明の貴金属吸着剤は、多孔性粒子に、ポリエチレンイミンが固定化されてなる。
本明細書において、貴金属は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)及びオスミウム(Os)からなる群より選ばれる少なくとも1種をいう。これらの貴金属の中でも、ハロゲン化アリールと一置換アルキンとのクロスカップリング反応において、パラジウムが好ましい。
本明細書において、多孔性粒子は、多数の微細な細孔を有する粒子をいう。多孔性粒子の体積平均粒子径、比表面積、細孔直径、細孔容積の好ましい範囲は、後述する。
多孔性粒子を構成する材料としては、例えば、セルロース、アガロース等の多糖類、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル-酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂等が挙げられる。これらの多孔性粒子を構成する材料の中でも、機械的強度に優れることから、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル-酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂が好ましく、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂がより好ましい。多孔性粒子をアクリル系樹脂とすることで、多孔性粒子を容易に製造することができる。多孔性粒子をスチレン系樹脂とすることで、多孔性粒子を容易に製造することができ、酸やアルカリに対する耐久性に優れる。
多孔性粒子の製造方法としては、例えば、非架橋性単量体、架橋性単量体、多孔質化剤、重合開始剤等を含む有機層を、分散安定剤等を含む水層に分散させ、加熱等による重合反応を行う方法が挙げられる。この方法により、架橋構造を有する球状の多孔性粒子を得ることができる。より具体的には、特公昭58-058026号公報に開示されているような懸濁重合や乳化重合を行う方法が挙げられる。
架橋性単量体としては、例えば、前述した架橋性(メタ)アクリレート、前述した架橋性芳香族ビニル単量体等が挙げられる。
架橋性単量体の含有率は、全単量体100質量%中、3質量%~95質量%が好ましく、5質量%~90質量%がより好ましい。架橋性単量体の含有率が3質量%以上であると、細孔構造の形成が十分で、多孔性粒子の機械的強度に優れる。また、架橋性単量体の含有率が95質量%以下であると、ポリエチレンイミンの固定化反応が進行しやすく、ポリエチレンイミンの導入量も十分で、貴金属吸着剤の貴金属の吸着性に優れる。
非架橋性単量体の含有率は、全単量体100質量%中、5質量%~97質量%が好ましく、10質量%~95質量%がより好ましい。非架橋性単量体の含有率が5質量%以上であると、ポリエチレンイミンの固定化反応が進行しやすく、ポリエチレンイミンの導入量も十分で、貴金属吸着剤の貴金属の吸着性に優れる。また、非架橋性単量体の含有率が97質量%以下であると、細孔構造の形成が十分で、多孔性粒子の機械的強度に優れる。
反応性官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン基、エポキシ基等が挙げられる。これらの反応性官能基の中でも、反応性官能基を導入しやすく、ポリエチレンイミンとの反応性に優れることから、ハロゲン基、エポキシ基が好ましい。
多孔性粒子を構築した後に反応性官能基を導入する方法としては、例えば、反応性官能基を有する化合物(リンカー)と反応可能な官能基を有する単量体を含む単量体組成物を重合して多孔性粒子を構築し、多孔性粒子と反応性官能基を有する化合物(リンカー)とを反応させる方法が挙げられる。
多孔性粒子の体積平均粒子径は、1μm~1000μmが好ましく、4μm~700μmがより好ましく、10μm~500μmが更に好ましい。多孔性粒子の体積平均粒子径が1μm以上であると、貴金属吸着剤をカラムに充填して通液したときの圧力損失を抑制し、通液速度を高めることができ、吸着処理の生産性に優れる。また、多孔性粒子の体積平均粒子径が1000μm以下であると、カラム効率に優れ、吸着量や除去性能に優れる。
本明細書において、多孔性粒子の体積平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて任意の100個の多孔性粒子の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出するものとする。
本明細書において、多孔性粒子の比表面積は、窒素ガス吸着法(BET法)により測定するものとする。具体的には、窒素ガスの吸着前後の圧力変化から、BETの式により単分子層吸着量を算出し、窒素ガス1分子の断面積から多孔性粒子の比表面積を算出するものとし、ISO 9277を準用する。
本明細書において、多孔性粒子の細孔直径は、水銀圧入法により測定した最頻度直径とする。具体的には、多孔性粒子に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901-1を準用する。
本明細書において、多孔性粒子の細孔容積は、水銀圧入法により測定するものとする。具体的には、多孔性粒子に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901-1を準用する。
ポリエチレンイミンの質量平均分子量は、200~100000が好ましく、250~10000がより好ましい。ポリエチレンイミンの質量平均分子量が200以上であると、貴金属吸着剤の貴金属の吸着性に優れる。また、ポリエチレンイミンの質量平均分子量が100000以下であると、ポリエチレンイミンの固定化反応の反応性に優れる。
本明細書において、ポリエチレンイミンの質量平均分子量は、ゲル濾過クロマトグラフィー法により測定するものとする。
ポリエチレンイミンを供給する方法は、ポリエチレンイミンをそのまま用いると粘度が高く、工業的に製造するには取り扱いが困難であることから、ポリエチレンイミンを有機溶媒又は水に溶解させた溶液を用いることが好ましく、反応性官能基としてエポキシ基を用いる場合、水溶液ではエポキシ基への水付加によるジオール生成反応が起こることから、ポリエチレンイミンを有機溶媒に溶解させた溶液を用いることがより好ましい。
多孔性粒子は、反応性官能基としてエポキシ基を用いた場合に、貴金属吸着剤の吸着量の低下や吸着性の悪化を抑制することができることから、ヒドロキシル基を有することが好ましい。
エポキシ基と水とを反応させる際の触媒の濃度は、副反応を抑制することができることから、1質量%~30質量%が好ましく、3質量%~20質量%がより好ましい。
エポキシ基と水とを反応させる際の反応時間は、副反応を抑制することができることから、0.1時間~24時間が好ましく、1時間~10時間がより好ましい。
貴金属吸着剤の体積平均粒子径は、1μm~1000μmが好ましく、4μm~700μmがより好ましく、10μm~500μmが更に好ましい。貴金属吸着剤の体積平均粒子径が1μm以上であると、貴金属吸着剤をカラムに充填して通液したときの圧力損失を抑制し、通液速度を高めることができ、吸着処理の生産性に優れる。また、貴金属吸着剤の体積平均粒子径が1000μm以下であると、カラム効率に優れ、吸着量や除去性能に優れる。
本明細書において、貴金属吸着剤の体積平均粒子径は、光学顕微鏡を用いて任意の100個の貴金属吸着剤の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出するものとする。
本明細書において、貴金属吸着剤の均一係数は、貴金属吸着剤の体積分布において、粒子径の大きい方から40%となる粒子径を、粒子系の大きい方から90%となる粒子径で除した値とする。
本明細書において、貴金属吸着剤の比表面積は、窒素ガス吸着法(BET法)により測定するものとする。具体的には、窒素ガスの吸着前後の圧力変化から、BETの式により単分子層吸着量を算出し、窒素ガス1分子の断面積から貴金属吸着剤の比表面積を算出するものとし、ISO 9277を準用する。
本明細書において、貴金属吸着剤の細孔直径は、水銀圧入法により測定した最頻度直径とする。具体的には、貴金属吸着剤に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901-1を準用する。
本明細書において、貴金属吸着剤の細孔容積は、水銀圧入法により測定するものとする。具体的には、貴金属吸着剤に圧力をかけて水銀を開孔部に侵入させ、圧力値と対応する侵入水銀体積とを用いて、細孔の形状を円柱状と仮定し、Washburnの式から算出する方法であり、ISO 15901-1を準用する。
本明細書において、貴金属吸着剤の窒素含有率は、元素分析により測定するものとする。具体的には、炭素・水素・窒素同時定量装置を用いて測定するものとする。
本明細書において、貴金属吸着剤の総交換容量は、乾燥させた貴金属吸着剤0.5g~1.5gに相当する量を精秤し、0.2mol/Lの塩酸250mLに入れ、30℃で8時間振盪させた後、上澄みの塩酸濃度を滴定により測定し、その結果から算出するものとする。
本発明の貴金属吸着剤は、貴金属、特に、パラジウムの吸着性に優れるため、貴金属、特に、パラジウムの除去に好適である。中でも、本発明の貴金属吸着剤は、ハロゲン化アリールと一置換アルキンとのクロスカップリング反応において、反応系に漏出するパラジウムを効率よく除去するのに、特に好適である。ハロゲン化アリールと一置換アルキンとのクロスカップリング反応において、反応系にパラジウムイオンの溶出とパラジウムパーティクルの漏出の少なくとも2種の漏出が起こるが、本発明の貴金属吸着剤は、その両者を吸着することができるため好ましい。
実施例で用いた多孔性粒子及び実施例で得られた貴金属吸着剤の体積平均粒子径について、光学顕微鏡(機種名「SMZ1500」、株式会社ニコン製)を用い、任意の100個の多孔性粒子・貴金属吸着剤の粒子径を測定し、その分布から体積メジアン径を算出して得た。
実施例で用いた多孔性粒子及び実施例で得られた貴金属吸着剤の比表面積について、乾燥させた多孔性粒子・貴金属吸着剤を秤量し、比表面積測定装置(機種名「フローソーブIII」、マイクロメリテックス社製)を用い、窒素ガス吸着法(BET法)により測定した。
実施例で用いた多孔性粒子及び実施例で得られた貴金属吸着剤の細孔直径・細孔容積について、自動ポロシメータ(機種名「オートポア9520」、マイクロメリテックス社製)を用い、水銀圧入法により測定した。
実施例で得られた貴金属吸着剤の窒素含有率について、炭素・水素・窒素同時定量装置(機種名「2400II」、パーキンエルマー社製)を用い、元素分析により測定した。
実施例で得られた貴金属吸着剤の総交換容量について、乾燥させた貴金属吸着剤0.5g~1.5gに相当する量を精秤し、0.2mol/Lの塩酸250mLに入れ、30℃で8時間振盪させた後、上澄みの塩酸濃度を滴定により測定し、その結果から算出して得た。
実施例・比較例で得られた水層のパラジウム濃度・パラジウム量について、ビーカーに適量採取し、硝酸と過酸化水素水にて有機物を分解し、蒸発乾固近くまで濃縮し、析出した塩を塩酸と硝酸と水の混合溶液に溶解し定容し、プラズマ発光光分析装置を用い測定した。
実施例・比較例で得られた有機層のパラジウム濃度・パラジウム量について、磁性るつぼに適量採取し、蒸発乾固後灼熱し、冷却後、残渣を2硫酸カリウムにて融解し、その塩を塩酸と硝酸と水の混合溶液にて抽出し定容し、プラズマ発光光分析装置を用い測定した。
パラジウム総残存量は、実施例・比較例で得られた水層と有機層中に含まれるパラジウムの総量を算出したものである。
パラジウム残存割合は、用いたパラジウム2.13mgに対する実施例・比較例で得られた水層と有機層中に含まれるパラジウムの総量を算出したものである。
グリシジルメタクリレート由来の構成単位70質量%及びエチレングリコールジメタクリレート由来の構成単位30質量%からなり、比表面積38m2/g、細孔直径1204Å、細孔容積1.07mL/gの多孔性粒子40質量部(40g)に、ジエチレングリコールジメチルエーテル140質量部及びポリエチレンイミン(分子量1200、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液を80℃に昇温し、6時間反応させた。冷却後、得られた粒子を水洗した。この粒子に、10質量%の濃度の硫酸200質量部を添加し、撹拌して懸濁状態とした。この懸濁液を50℃に昇温し、5時間保持することにより未反応のエポキシ基への水付加によるジオール生成反応を行った。冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径212μm~710μmの粒子を選別し、貴金属吸着剤(1)を得た。
得られた貴金属吸着剤(1)は、比表面積28m2/g、細孔直径1504Å、細孔容積1.00mL/g、窒素含有率3.4質量%、総交換容量1.98ミリ等量/gであった。
グリシジルメタクリレート由来の構成単位70質量%及びエチレングリコールジメタクリレート由来の構成単位30質量%からなり、比表面積36m2/g、細孔直径1204Å、細孔容積0.93mL/gの多孔性粒子40質量部(40g)に、ジエチレングリコールジメチルエーテル140質量部及びポリエチレンイミン(分子量1200、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液を80℃に昇温し、6時間反応させた。冷却後、得られた粒子を水洗した。この粒子に、10質量%の濃度の硫酸200質量部を添加し、撹拌して懸濁状態とした。この懸濁液を50℃に昇温し、5時間保持することにより未反応のエポキシ基への水付加によるジオール生成反応を行った。冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径75μm~220μmの粒子を選別し、貴金属吸着剤(2)を得た。
得られた貴金属吸着剤(2)は、比表面積32m2/g、細孔直径1204Å、細孔容積0.80mL/g、窒素含有率3.8質量%、総交換容量2.20ミリ等量/gであった。
グリシジルメタクリレート由来の構成単位70質量%及びエチレングリコールジメタクリレート由来の構成単位30質量%からなり、比表面積37m2/g、細孔直径942Å、細孔容積0.99mL/gの多孔性粒子40質量部(400g)に、ジエチレングリコールジメチルエーテル140質量部及びポリエチレンイミン(分子量600、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液を80℃に昇温し、6時間反応させた。冷却後、得られた粒子を水洗した。この粒子に、10質量%の濃度の硫酸200質量部を添加し、撹拌して懸濁状態とした。この懸濁液を50℃に昇温し、5時間保持することにより未反応のエポキシ基への水付加によるジオール生成反応を行った。冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径75μm~220μmの粒子を選別し、貴金属吸着剤(3)を得た。
得られた貴金属吸着剤(3)は、体積平均粒子径140μm、比表面積31m2/g、細孔直径944Å、細孔容積0.85mL/g、総交換容量2.99ミリ等量/gであった。
スチレン由来の構成単位90質量%及びジビニルベンゼン由来の構成単位10質量%からなり、比表面積17m2/g、細孔直径782Å、細孔容積0.39mL/gの多孔性粒子をクロロメチル化したもの20質量部(20g)に、水38質量部、水酸化ナトリウム32質量部及びトルエン40質量部を添加し、攪拌して懸濁状態とした。この懸濁液に、ポリエチレンイミン(分子量300、純正化学株式会社製)60質量部を添加し、80℃に昇温し、4時間反応させた。反応後、水蒸気蒸留によりトルエンを留去し、冷却後、得られた粒子を水洗し、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によりイオン交換基の再生を行い、篩網を用いて粒子径300μm~1180μmの粒子を選別し、貴金属吸着剤(4)を得た。
得られた貴金属吸着剤(4)は、比表面積15m2/g、細孔直径782Å、細孔容積0.34mL/g、総交換容量6.66ミリ等量/gであった。
貴金属吸着剤(1’)として、市販の金属捕捉剤「QuadraSil TA」(和光純薬工業株式会社製、球状シリカにジエチレントリアミンが固定化されたもの)を用いた。
100mLナスフラスコに、4’-ヨードアセトフェノン1.23g(5.0mmol)、3-ブチン-1-オール452μL(6.0mmol)、パラジウム炭素(10%パラジウム含有、Kタイプ新担体・dry)21.3mg(0.02mmol)及びリン酸3ナトリウム12水3.80g(10.0mmol)を添加し、水10mLとイソプロパノール10mLとの混合溶媒に懸濁し、脱気後アルゴンで置換し、オイルバス中80℃で攪拌した。薄層クロマトグラフィー分析にて、4’-ヨードアセトフェノンの消失を確認した後(2時間後)、パラジウム炭素をメンブレンフィルター(商品名「Millex-LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過し、メンブレンフィルターを精製水20mLと酢酸エチル30mLとで洗浄した。
得られた水層と有機層のそれぞれに貴金属吸着剤(1)1gを添加し、23℃アルゴン雰囲気下で3時間攪拌した。その後、貴金属吸着剤(1)をメンブレンフィルター(商品名「Millex-LH 0.45μm」、メルクミリポア社製)により濾過した。水層の濾過に用いたメンブレンフィルターは精製水10mLで、有機層の濾過に用いたメンブレンフィルターは酢酸エチル10mLで洗浄した。得られた水層と有機層をそれぞれ50mLメスフラスコへ移し、対応する溶媒で50mLまでメスアップした。得られた水層と有機層のそれぞれについて、パラジウム濃度とパラジウム量とを測定した。測定結果を、表1に示す。
貴金属吸着剤(1)を貴金属吸着剤(2)に変更した以外は、実施例5と同様に操作した。測定結果を、表1に示す。
貴金属吸着剤(1)を貴金属吸着剤(3)に変更した以外は、実施例5と同様に操作した。測定結果を、表1に示す。
貴金属吸着剤(1)を貴金属吸着剤(4)に変更した以外は、実施例5と同様に操作した。測定結果を、表1に示す。
貴金属吸着剤(1)を添加しなかったこと以外は、実施例5と同様に操作した。測定結果を、表1に示す。
貴金属吸着剤(1)を貴金属吸着剤(1’)に変更した以外は、実施例5と同様に操作した。測定結果を、表1に示す。
Claims (9)
- 多孔性粒子に、ポリエチレンイミンが固定化されてなる、貴金属吸着剤を用いて貴金属
を除去する、貴金属の除去方法であって、
前記ポリエチレンイミンの質量平均分子量が200以上であり、
前記貴金属が、化学反応の系内に漏出したものであり、
前記化学反応が、ハロゲン化アリールと一置換アルキンとのクロスカップリング反応であ
る、
貴金属の除去方法。 - 前記ポリエチレンイミンの質量平均分子量が、100000以下である、請求項1に記
載の貴金属の除去方法。 - 前記貴金属が、パラジウムである、請求項1又は2に記載の貴金属の除去方法。
- 前記多孔性粒子が、架橋構造を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の貴金属の
除去方法。 - 前記多孔性粒子が、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、イソシアヌル酸トリアリル-酢
酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の貴金属の除去方法。 - 前記多孔性粒子が、アクリル系樹脂を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の貴金
属の除去方法。 - 前記多孔性粒子が、スチレン系樹脂を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の貴金
属の除去方法。 - 前記多孔性粒子が、ヒドロキシル基を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の貴金
属の除去方法。 - 請求項1~8のいずれか1項に記載の貴金属の除去方法を含む、化合物の製造方法。
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JP2019141810A (ja) | 2019-08-29 |
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