JP2019141771A - 炭酸飲料の製造設備および製造方法 - Google Patents

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賢一 岡本
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Abstract

【課題】冷却コストを抑えつつ、炭酸ガスの消費量を抑えることが可能な炭酸飲料の製造設備および製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の炭酸飲料製造設備10は、炭酸飲料の原料液から炭酸ガスを用いて脱気するデェアレータ11と、原料液に炭酸ガスを溶解させて製品液を得るカーボネータ15と、製品液を貯留し、内部に導入される炭酸ガスにより加圧される貯液タンク16と、貯液タンクの内部から外部に排出された炭酸ガスの少なくとも一部をデェアレータ11へと供給する排出炭酸ガス利用経路17とを備える。デェアレータ11は、原料液に溶解しているガスを、排出炭酸ガス利用経路17により供給された炭酸ガスを用いて脱気する。【選択図】図1

Description

本発明は、炭酸ガスが溶解した炭酸飲料を製造する設備および方法に関する。
炭酸飲料の製造設備は、例えば特許文献1に記載されているように、水から脱気するデェアレータと、脱気された水とシロップとを混合するブレンダと、水とシロップの混合液に炭酸ガス(CO)を溶解させるカーボネータとを備えている。
脱気は、製品の品質保持のため、原料の液体から溶存空気を離脱させるものであり、効率が高い脱気方法としては、水に溶解している酸素ガスや窒素ガスを、炭酸ガスを用いて脱気するガス置換法が広く用いられている(特許文献2)。
炭酸飲料の製造工程において、温度が低い方が炭酸ガスを溶解させ易いため、炭酸ガスの溶解にあたり、原料液を冷却している。
また、溶解させた炭酸ガスが液から抜けてしまわないように、炭酸ガスが溶解した液を貯留するタンクの内部に炭酸ガスを送り込み、タンクの内部を温度と溶解度により決まる炭酸ガスの飽和圧力以上で加圧している。
ここで、タンク内の液面の上昇によりタンク内の気相が圧縮されるため、タンク内に導入された炭酸ガスの一部を系外へと排出することで、タンク内部が過大な圧力となるのを避け、タンク内を一定の圧力に保っている。
特開2016−43931号公報 特公昭60−20052号公報
炭酸飲料を低コストで製造する場合は、炭酸ガスを溶解させる液の温度が高いとしても液を冷却する冷却能力をある程度下げて、あるいは、液の冷却を省くことで、原料液の冷却に要するコストを削減することができる。
しかしながら、炭酸ガスの溶解時の温度が高くなると、炭酸ガスが溶解した液を貯留するタンク内部の温度も高くなり、それに伴い炭酸ガスの飽和圧力も高くなって、より高い圧力でタンク内部を加圧し続ける必要がある。タンクの圧力が高くなると、運転中の液面上昇によりタンク内部から系外へと排出される炭酸ガスの量が増加してしまう。
つまり、より多くの炭酸ガスがタンクに導入され、タンクからより多くの炭酸ガスが排出されるので、炭酸ガスの消費量が増え、冷却コストは下がっても炭酸ガスのコストは上がってしまう。
そこで、本発明は、冷却コストを削減しつつ、炭酸ガスの消費量を抑えることが可能な炭酸飲料の製造設備および製造方法を提供することを目的とする。
本発明の炭酸飲料の製造設備は、炭酸飲料の原料液から炭酸ガスを用いて脱気する脱気装置と、原料液に炭酸ガスを溶解させて製品液を得る炭酸ガス溶解装置と、製品液を貯留し、内部に炭酸ガスが導入されることで加圧される貯液タンクと、貯液タンクの内部から外部に排出された炭酸ガスの少なくとも一部を脱気装置へと供給する排出炭酸ガス利用経路と、を備え、脱気装置は、原料液に溶解しているガスを、排出炭酸ガス利用経路により供給された炭酸ガスを用いて脱気することを特徴とする。「脱気」は、液体からガスを離脱させることを意味するものとする。
本発明の炭酸飲料の製造設備は、脱気された原料液を冷却する冷却機をさらに備え、炭酸ガス溶解装置は、冷却された原料液に炭酸ガスを溶解させて製品液を得ることが好ましい。
本発明の炭酸飲料製造設備は、貯液タンクから、炭酸飲料製造設備の外部(系外)へと排出されずに排出炭酸ガス利用経路へと流入する炭酸ガスの流量を調整可能な弁を備えることが好ましい。
本発明の炭酸飲料製造設備において、排出炭酸ガス利用経路には、貯液タンクの外部に排出された炭酸ガスを受け入れて蓄圧可能な蓄圧器が備えられていることが好ましい。
本発明の炭酸飲料製造設備において、排出炭酸ガス利用経路には、炭酸ガスから液を分離させるセパレータが備えられていることが好ましい。
本発明の炭酸飲料製造設備は、脱気装置により脱気された原料液と、炭酸飲料を製造するために必要な他の原料液とを混合するブレンダをさらに備えることが好ましい。
本発明の炭酸飲料の製造ラインは、上述の炭酸飲料製造設備と、貯液タンクから移送された製品液を容器に充填する充填機と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、炭酸飲料を製造する方法であって、炭酸飲料の原料液から炭酸ガスを用いて脱気する脱気ステップと、原料液に炭酸ガスを溶解させて製品液を得る炭酸ガス溶解ステップと、炭酸ガスの導入により加圧されているタンクの内部に製品液を貯留する貯留ステップと、を含み、脱気ステップでは、タンクの内部から外部に排出された炭酸ガスの少なくとも一部を利用して、原料液に溶解しているガスを脱気することを特徴とする。タンクの内部から外部に排出された炭酸ガスの少なくとも一部を利用して、原料液に溶解しているガスを脱気するからこそ、効率的な脱気が可能となる。
本発明の炭酸飲料製造方法は、脱気された原料液を冷却する冷却ステップをさらに含み、炭酸ガス溶解ステップでは、冷却された原料液に炭酸ガスを溶解させて製品液を得ることが好ましい。
本発明によれば、冷却コストを削減した場合に炭酸ガスの溶解時の温度が高いことに起因して、貯液タンクの内部から外部へと炭酸ガスが排出される量が増えたとしても、その炭酸ガスの少なくとも一部が、系外へ排出されることなく、排出炭酸ガス利用経路を通じて脱気装置に供給される。脱気装置に供給された炭酸ガスは、原料液の溶存酸素ガスや溶存窒素ガスの脱気のために利用されることとなる。
したがって、本発明によれば、冷却コストを削減しつつ、炭酸ガスの総排出量(消費量)を抑えて、製造コストの低減を実現することができる。
本発明の実施形態に係る炭酸飲料製造設備を模式的に示す図である。 本発明の変形例に係る炭酸飲料製造設備を模式的に示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1に示す炭酸飲料製造設備10は、炭酸ガス(CO)を含有する炭酸飲料、例えば、炭酸水や、サイダー、コーラ等を製造するラインを構成している。
以下では、水およびシロップを原料に用いて、炭酸ガスが注入された炭酸飲料を製造するための炭酸飲料製造設備10および炭酸飲料製造方法を説明する。
製品液における溶存酸素ガスの濃度を低減して製品の品質を保持するため、そして、製品液の容器への充填等の処理を安定して行うため、炭酸飲料製造設備10は、原料の水から溶存気体を離脱させる脱気処理を行う。
この脱気処理を効率よく行うため、炭酸飲料製造設備10は、原料の水に溶解している酸素ガスや窒素ガスを、これらのガスよりも水に溶解し易い炭酸ガスを用いるガス置換法を採用する。
したがって、炭酸飲料製造設備10は、水およびシロップの混合液に注入される原料として炭酸ガスを用いるとともに、脱気処理にも炭酸ガスを使用する。
〔炭酸飲料製造設備〕
本実施形態の炭酸飲料製造設備10(図1)は、デェアレータ11(脱気装置)と、ブレンダ12と、液殺菌機13と、冷却機14と、カーボネータ15(炭酸ガス溶解装置)と、貯液タンク16と、排出炭酸ガス利用経路17とを備えている。
その他、炭酸飲料製造設備10は、液を搬送するためのポンプや、種々のバルブ、圧力計や流量計等を備えている。これらの図示は省略する。
製造する製品によっては、ブレンダ12は必要ない。例えば、炭酸水を製造する場合など、水にシロップを混合しない場合は、炭酸飲料製造設備10がブレンダ12を備えていなくてもよい。また、液殺菌機13も、液の殺菌が必要な場合にのみ備えていれば足りる。
さらには、カーボネータ15を使用しないことにより、炭酸ガスを含まない飲料の製造も可能である。炭酸ガスを含まない飲料を製造するときのために、炭酸飲料製造設備10が、窒素ガスをタンク等に注入するための装置を備えていてもよい。
炭酸飲料製造設備10と、それよりも下流の充填設備20とを含んで、炭酸飲料の製造ライン1が構成されている。製造ライン1全体として炭酸飲料を効率よく製造するため、炭酸飲料製造設備10と、充填設備20とが個別に制御可能となっている。
充填設備20は、充填機21と、図示しない検査装置等を含んでいる。充填機21は、炭酸飲料製造設備10により製造された製品液をボトルや缶等の容器に充填し、容器を密閉する。容器内に充填された液のフォーミング(泡立ち)を抑えるため、液を加圧した状態のまま充填ノズルから容器に充填した後、容器の内圧を漸次大気圧まで下げるスニフト処理を行うことが好ましい。
〔デェアレータ〕
デェアレータ11(deaerator)は、水供給源18から供給される原料の水から脱気する(脱気ステップ)。水供給源18は、上水道の水栓や、清水を貯留するタンクである。水供給源18から供給される原料液としての水には酸素ガスや窒素ガス等が溶解している。デェアレータ11は、脱気用の炭酸ガスを使用して、ヘンリーの法則より分圧と溶解度に基づいて、水に溶解していた酸素ガスや窒素ガスを水から離脱させることが可能である。
本実施形態のデェアレータ11は、原料の水および炭酸ガスをデェアレータ11のタンク110に噴射ノズル11Bを通じて導入する導入部11Aと、真空ポンプ11Cと、真空ポンプ11Cにより減圧されるタンク110とを備えている。
デェアレータ11は、導入部11Aによりタンク110の内部に炭酸ガスを導入しつつ、真空ポンプ11Cによりタンク110の内部を吸引する。
なお、タンク110の内圧が過大になるのを避けるため、タンク110は図示しないポートにより大気に開放されている。
ヘンリーの法則より、気体の溶解度は圧力に比例するため、真空ポンプ11Cにより減圧したタンク110内で溶解度を下げて水から溶存気体を離脱させることができる。
導入部11Aは、排出炭酸ガス利用経路17により供給される炭酸ガスと、水供給源18により供給される水とを噴射ノズル11Bへと送る。排出炭酸ガス利用経路17は、デェアレータ11の炭酸ガス入口112に接続されている。導入部11Aは、炭酸ガス入口112から流入した炭酸ガスを水へ注入する。
導入部11Aにより噴射ノズル11Bまで送られた炭酸ガスおよび水は、減圧されたタンク110の内部へと噴射ノズル11Bから噴射される。
デェアレータ11は、ガスストリッピングの手法が採用されていることが好ましい。ガスストリッピングは、配管中の水に炭酸ガスを吹き込んで注入し、水中にCOの気泡を発生させる。そうすると、COの気泡の中に、水に溶解していた酸素ガスおよび窒素ガスが取り込まれる。その気泡がタンク110に入り、真空ポンプ11Cによりタンク110の外へ排出されることで、水が脱気される。
タンク110の内部では、導入された炭酸ガスと、水に溶解していた酸素ガスや窒素ガス等の他のガスがそれぞれ、ヘンリーの法則により、分圧に従う量だけ水に溶解する。水から離脱したガス(酸素ガス、窒素ガス、および炭酸ガス等)は、真空ポンプ11Cによりタンク110の外部へと排出される。
図示を省略するが、タンク110内に溜まる水の一部をタンク110の外部に取り出し、タンク110内にノズルを通じて戻す循環経路を構成するとよい。その循環経路を通じて水を循環させながら、タンク110内部の減圧下において、ノズル11Bから噴射された水滴に溶解しているガスの離脱を進行させる。
〔ブレンダ〕
ブレンダ12(blender)は、デェアレータ11のタンク110から図示しないポンプにより移送される脱気済みの水と、シロップ供給源121から供給されるシロップ(原料液)とを所定の比率で混合する(混合ステップ)。ここではシロップの脱気は必要ないが、必要に応じて、シロップから上述のデェアレータ11と同様の装置により脱気することができる。その場合、水とシロップとを混合した後、混合液から脱気することも許容される。
本実施形態のブレンダ12は、G.O.ブレンダ(Gravity Orifice Blender)であり、シロップのタンク内の液位と水のタンク内の液位とをそれぞれ一定に制御し、それぞれのタンクから弁を通じて所定の流量だけ払い出された液体を混合タンク内で混合する。ブレンダ12の各タンクや弁の図示は省略する。
その他、ブレンダ12として、公知の適宜なブレンダを採用することができる。
〔液殺菌機〕
ブレンダ12から、水とシロップとが混合された液(原料液)が液殺菌機13に送られる。液殺菌機13は、水とシロップとの混合液を加熱することで殺菌する(加熱殺菌ステップ)。
〔冷却機〕
ルシャトリエの原理より、温度が低いほど、液体に気体が溶解し易い。そのため、原料液への炭酸ガスの注入に際して、冷却機14により液を冷却している。
冷却機14は、プロピレングリコール水溶液等の適宜な冷媒を使用して原料液を冷却する(液冷却ステップ)。冷媒と原料液とを熱交換させる熱交換器において、原料液から冷媒へ放熱されることにより、原料液が冷却される。
本実施形態では、炭酸飲料製品を低コストで製造する。通常は、環境の温度変化も考慮し、冷却機14に十分な冷却能力を与えるところ、炭酸ガスの溶解処理に実質的に影響のない限度で冷却能力を低くして冷却に要するコストを抑えることにより、製造コストの低減を図ることができる。
具体的には、例えば、冷却機14の圧縮機や熱交換器の容量を小さくして装置コストを抑えたり、圧縮機の回転数を減少させて、冷却機14に投入される電力コストを抑えたりすることが挙げられる。
〔カーボネータ〕
カーボネータ15(炭酸ガス溶解装置)は、冷却機14により冷却された原料液に、炭酸ガス供給源19から供給される炭酸ガスを注入して、所定のガスボリュームに相当する量の炭酸ガスを溶解させる(炭酸ガス溶解ステップ)。
本実施形態のカーボネータ15は、複数のノズルにそれぞれ流入した原料液に、炭酸ガス供給源19から各ノズルの内部に炭酸ガスを送り込んで圧入し、原料液に炭酸ガスを十分に溶解させる。
その他、カーボネータ15として、公知の適宜なカーボネータを採用することができる。
なお、カーボネータ15は、冷却機14を兼ねるように構成されていてもよい。例えば、カーボネータ15に備わるプレート等の部材の内部に、冷媒の流路が形成されており、そのプレートを伝って流れる水が冷媒により冷却されつつ、その水に炭酸ガスが接触して溶解するように構成されていてもよい。この場合、原料液の冷却と、原料液への炭酸ガスの溶解とが並行して行われる。
〔貯液タンク〕
カーボネータ15による溶解処理後の液(製品液)は、加圧されている貯液タンク16の内部に貯留される(貯留ステップ)。
貯液タンク16の内部は、炭酸ガスが製品液から抜けてしまわないように、炭酸ガス供給源19から炭酸ガスを導入することにより、温度と溶解度とに対応する炭酸ガスの飽和圧力以上で継続的に加圧されている。
貯液タンク16の内部の製品液は、下流の充填設備20の運転状況に応じて充填機21へと供給される。
典型的には、上流から貯液タンク16へ送られる液の流量の方が、貯液タンク16から下流の充填機21へ送られる液の流量よりも大きいため、炭酸飲料製造設備10による製品液の製造中は、貯液タンク16の液面161が上昇する。また、製品液の製造中に充填設備20の運転を停止させると、貯液タンク16内の液面が急激に上昇する。液面の上昇に伴い、液面161よりも上方の炭酸ガスが圧縮される。
そのため、ガス出口162から炭酸ガスを貯液タンク16の外部へと排出することにより、貯液タンク16の内部を炭酸ガスの飽和圧力以上で加圧しつつも、貯液タンク16の内部の圧力が限度を超えないようにしている。
上述のように、冷却コストの節減により炭酸ガス溶解時の液温が高くなり、貯液タンク16内部の炭酸ガス飽和圧力が上がると、液面上昇に伴い貯液タンク16のガス出口162から炭酸ガスが排出される量が増加する。
具体的には、液体の体積とタンク内部の圧力(絶対圧力)とを乗じた分の炭酸ガスが貯液タンク16から排出される。
〔排出炭酸ガス利用経路〕
貯液タンク16のガス出口162は、排出炭酸ガス利用経路17により、デェアレータ11の炭酸ガス入口112と接続されている。本実施形態は、排出炭酸ガス利用経路17を通じて、貯液タンク16から排出される炭酸ガスの少なくとも一部がデェアレータ11に供給されることを主要な特徴としている。
ここで、貯液タンク16は加圧され、デェアレータ11のタンク110は減圧されるため、ガス出口162から排出される炭酸ガスの圧力は、炭酸ガス入口112へと流入する炭酸ガスの圧力よりも低い。こうした炭酸ガスの圧力差に基づいて、貯液タンク16から排出された炭酸ガスを排出炭酸ガス利用経路17を通じてデェアレータ11に向けて送ることができる。
排出炭酸ガス利用経路17を通じて、貯液タンク16から排出された炭酸ガスの必ずしも全部をデェアレータ11に供給する必要はなく、一部で足りる。
本実施形態では、ガス出口162から貯液タンク16の外部に排出された炭酸ガスの一部が排出炭酸ガス利用経路17に流入し、残りの炭酸ガスは、系外排出経路164から炭酸飲料製造設備10の外部(炭酸飲料製造設備10の系外)へと排出されるようにしている。
製品液の流量に対して、排出炭酸ガス利用経路17に流入する炭酸ガスの流量を適切に設定するため、排出炭酸ガス利用経路17に流入する炭酸ガスの流量を調整可能な流量調整弁171が設けられていることが好ましい。
本実施形態では、貯液タンク16のガス出口162に接続された出口経路163から、排出炭酸ガス利用経路17と、系外に開放された系外排出経路164とに分岐するように炭酸ガスの排出経路が構成されており、排出炭酸ガス利用経路17に流量調整弁171が備えられている。
なお、流量調整弁171を系外排出経路164に備えることによっても、流量調整弁171により排出炭酸ガス利用経路17に流入する炭酸ガスの流量を調整することができる。
流量調整弁171が設けられていると、系外排出経路164と排出炭酸ガス利用経路17とのそれぞれの配管の径を適切に設定する手間が掛からない。
排出炭酸ガス利用経路17により貯液タンク16のガス出口162とデェアレータ11の炭酸ガス入口112とが接続されているため、貯液タンク16から排出炭酸ガス利用経路17を通じてデェアレータ11に向けて炭酸ガスが排出されると、貯液タンク16の内部に上流から液が流入して貯液タンク16内の液面が上昇する。
これが連続的に起こるのは、デェアレータ11が動作し、脱気された水が下流に供給されるためと言え、炭酸飲料製造設備10が運転されている間に亘り、貯液タンク16から排出炭酸ガス利用経路17を通じてデェアレータ11まで、常に炭酸ガスが供給されていることも言える。
デェアレータ11は、原料の水に溶解しているガスを、排出炭酸ガス利用経路17により供給された炭酸ガスを用いて脱気する。
つまり、脱気ステップでは、原料液に溶解しているガスを脱気するために、貯液タンク16の内部から外部に排出された炭酸ガスを利用している。
ここで、貯液タンク16から排出される炭酸ガスの流量は、脱気に使用される流量よりも多い。
炭酸飲料製造設備10の運転中は、デェアレータ11やブレンダ12等の各装置が連続して動作し、排出炭酸ガス利用経路17を炭酸ガスが連続して流れている。
一例として、貯液タンク16に流入する製品液の流量が300L/minであり、貯液タンク16内部の圧力が0.4MPaであり、貯液タンク16での液面上昇が15L/min(製品液流量の5%)であるとすると、貯液タンク16から排出される炭酸ガスの流量は、約75NL/ minである。
一方、デェアレータ11では、導入する炭酸ガスの流量を増やしても、脱気効率が、典型的には製品液の流量の10%程度で横ばいとなるため、デェアレータ11に導入する炭酸ガスの流量は最大でも約30NL/minとなる。
したがって、貯液タンク16から排出される炭酸ガスにより、デェアレータ11で使用する炭酸ガスの量を十分にまかなうことができる。
〔本実施形態による効果〕
以上より、本実施形態の炭酸飲料製造設備10および炭酸飲料製造方法によれば、冷却コストの節減により炭酸ガス溶解時の液温が高くなり、貯液タンク16内部の炭酸ガス飽和圧力が上がることによって、液面上昇に伴い貯液タンク16から排出される炭酸ガスの量が増えたとしても、貯液タンク16から排出された炭酸ガスの少なくとも一部を系外へと捨ててしまうことなく脱気に再利用している。
そのため、冷却コストを抑えつつ、炭酸ガス供給源19から炭酸飲料製造設備10に供給された炭酸ガスの総排出量(消費量)を抑えて、製造コストの低減を実現することができる。
本実施形態の炭酸飲料製造装置および炭酸飲料製造方法によれば、排出炭酸ガス利用経路17を通じて、炭酸ガスの消費量を増やすことなく、デェアレータ11により多くの炭酸ガスを供給することができる。そのため、デェアレータ11により、炭酸ガスを用いて、原料の水に溶存している酸素ガスや窒素ガスの原料の水からの離脱をより確実に図ることができる。
そのため、以下に説明するように、冷却コストを抑えた場合に充填時に発生し易くなる過度なフォーミングを避けることができる。
フォーミングは、基本的に、充填時、液に溶解していた炭酸ガスが容器内へと開放されることで生じる。充填時の液の減圧に伴い、液中の溶解度の低い気体(窒素、酸素等)の液からの離脱により生じた気泡を核として、大量の炭酸ガスが発泡する過度なフォーミングが起こるのを避ける必要がある。
フォーミングを抑えるため、液が充填された容器の内圧を大気圧まで下げるスニフト処理を行ってはいても、充填の際にフォーミングが発生すること自体は避けられない。フォーミングは、液の温度がより高く、より圧力が高いため減圧させる圧力の幅が大きいほど発生し易くなる。
したがって、冷却コストを抑えるため、より高い温度で炭酸ガスを溶解させる場合は、貯液タンク16内の飽和圧力の上昇に伴い、より高い圧力による加圧が必要となるため、フォーミングが起こり易い条件に合致してしまうが、本実施形態によれば、貯液タンク16から排出された炭酸ガスの使用により、原料の水から、炭酸ガスの大量発生の要因を作る溶存酸素ガスや溶存窒素ガスを十分に除去することができる。
したがって、本実施形態によれば、冷却コストを抑えていながらも、充填時の過度なフォーミングの発生を避けることができる。
〔本発明の変形例〕
図2は、本発明の変形例に係る炭酸飲料製造設備30を示している。炭酸飲料製造設備30は、排出炭酸ガス利用経路17に、貯液タンク16から炭酸ガスを受け入れて蓄圧可能なアキュムレータ31(蓄圧器)を備えている。排出炭酸ガス利用経路17の配管長が長いため圧力損失が大きい場合であっても、このアキュムレータ31に蓄えられる圧力により、排出炭酸ガス利用経路17を通じて炭酸ガスをデェアレータ11まで供給可能な十分な圧力差を確保することができる。
図2に示す排出炭酸ガス利用経路17には、炭酸ガスから液を分離させるセパレータ32も備えられている。セパレータ32により炭酸ガスから液を分離して除去することで、排出炭酸ガス利用経路17により炭酸ガスをデェアレータ11に安定して供給することができる。
セパレータ32は、図1に示す炭酸飲料製造設備10の排出炭酸ガス利用経路17にも必要に応じて備えることができる。
その他、図示を省略するが、必要に応じて、異物を除去するフィルタ等も排出炭酸ガス利用経路17に備えることができる。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
本発明の炭酸飲料製造設備は、冷却機14を備えていなくてもよい。その場合は、脱気された原料液を冷却する冷却ステップが省かれ、例えば20℃前後の常温において原料液に炭酸ガスを溶解させるステップが行われるため、冷却コストを掛けずに、炭酸ガスの消費量を抑えて製造コストをより一層低減することができる。
1 炭酸飲料製造ライン
10,30 炭酸飲料製造設備
11 デェアレータ(脱気装置)
11A 導入部
11B 噴射ノズル
11C 真空ポンプ
12 ブレンダ
13 液殺菌機
14 冷却機
15 カーボネータ(炭酸ガス溶解装置)
16 貯液タンク
17 排出炭酸ガス利用経路
18 水供給源
19 炭酸ガス供給源
20 充填設備
21 充填機
31 アキュムレータ(蓄圧器)
32 セパレータ
110 デェアレータタンク
112 炭酸ガス入口
121 シロップ供給源
161 液面
162 ガス出口
163 出口経路
164 系外排出経路
171 流量調整弁(弁)

Claims (9)

  1. 炭酸飲料の原料液から炭酸ガスを用いて脱気する脱気装置と、
    前記原料液に炭酸ガスを溶解させて製品液を得る炭酸ガス溶解装置と、
    前記製品液を貯留し、内部に炭酸ガスが導入されることで加圧される貯液タンクと、
    前記貯液タンクの内部から外部に排出された炭酸ガスの少なくとも一部を前記脱気装置へと供給する排出炭酸ガス利用経路と、を備え、
    前記脱気装置は、
    前記原料液に溶解しているガスを、前記排出炭酸ガス利用経路により供給された炭酸ガスを用いて脱気する、
    ことを特徴とする炭酸飲料製造設備。
  2. 脱気された前記原料液を冷却する冷却機をさらに備え、
    前記炭酸ガス溶解装置は、冷却された前記原料液に炭酸ガスを溶解させて製品液を得る、
    請求項1に記載の炭酸飲料製造設備。
  3. 前記貯液タンクから、前記炭酸飲料製造設備の外部へと排出されずに前記排出炭酸ガス利用経路へと流入する炭酸ガスの流量を調整可能な弁を備える、
    請求項1または2に記載の炭酸飲料製造設備。
  4. 前記排出炭酸ガス利用経路には、
    前記貯液タンクの外部に排出された炭酸ガスを受け入れて蓄圧可能な蓄圧器が備えられている、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の炭酸飲料製造設備。
  5. 前記排出炭酸ガス利用経路には、
    炭酸ガスから液を分離させるセパレータが備えられている、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の炭酸飲料製造設備。
  6. 前記脱気装置により脱気された前記原料液と、前記炭酸飲料を製造するために必要な他の原料液とを混合するブレンダをさらに備える、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の炭酸飲料製造設備。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の炭酸飲料製造設備と、
    前記貯液タンクから移送された前記製品液を容器に充填する充填機と、を備える、
    ことを特徴とする炭酸飲料製造ライン。
  8. 炭酸飲料を製造する方法であって、
    前記炭酸飲料の原料液から炭酸ガスを用いて脱気する脱気ステップと、
    前記原料液に炭酸ガスを溶解させて製品液を得る炭酸ガス溶解ステップと、
    炭酸ガスの導入により加圧されているタンクの内部に前記製品液を貯留する貯留ステップと、を含み、
    前記脱気ステップでは、
    前記タンクの内部から外部に排出された炭酸ガスの少なくとも一部を利用して、前記原料液に溶解しているガスを脱気する、
    ことを特徴とする炭酸飲料製造方法。
  9. 脱気された前記原料液を冷却する冷却ステップをさらに含み、
    炭酸ガス溶解ステップでは、冷却された前記原料液に炭酸ガスを溶解させて製品液を得る、
    請求項8に記載の炭酸飲料製造方法。
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