JP2019141468A - 発光装置および解析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光部の発光特性に生じる誤差を低減する。【解決手段】フィラメントを具備する発光部と、前記発光部が出射した光の分光スペクトルを特定する特定部と、前記フィラメントが所定の温度である場合に前記発光部が出射する光の基準分光スペクトルに前記特定部が特定する分光スペクトルが近づくように、前記発光部に供給される電力を制御する制御部とを具備する発光装置。【選択図】図1
Description
本発明は、例えば生体等の被測定体に照射された光を検出するための技術に関する。
被測定体に照射された光を検出する各種の測定技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、発光素子から出射し生体組織を透過した光を受光することで、ヘモグロビン濃度を測定する構成が開示されている。
しかし、特許文献1の技術では、発光素子の発光強度を制御できず、測定するヘモグロビン濃度に誤差が生じ得るという問題がある。
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様に係る発光装置は、フィラメントを具備する発光部と、前記発光部が出射した光の分光スペクトルを特定する特定部と、前記フィラメントが所定の温度である場合に前記発光部が出射する光の基準分光スペクトルに前記特定部が特定する分光スペクトルが近づくように、前記発光部に供給される電力を制御する制御部とを具備する。
本発明の好適な態様に係る解析装置は、前述の発光装置と、前記発光装置の発光部が出射して被測定体の内部で反射した光の分光スペクトルから、被測定体の状態を表す指標を算定する算定部とを具備する。
本発明の好適な態様に係る解析装置は、フィラメントを具備する発光部と、前記発光部が出射して被測定体の内部で反射した光の分光スペクトルを特定する第1特定部と、前記発光部が出射した光の分光スペクトルを特定する第2特定部と、前記フィラメントが所定の温度である場合に前記発光部が出射する光の基準分光スペクトルに対する、前記第2特定部が特定する分光スペクトルの相違に応じて、前記第1特定部が特定する分光スペクトルを補正する補正部とを具備する。
本発明の好適な態様に係る解析装置は、前述の発光装置と、前記発光装置の発光部が出射して被測定体の内部で反射した光の分光スペクトルから、被測定体の状態を表す指標を算定する算定部とを具備する。
本発明の好適な態様に係る解析装置は、フィラメントを具備する発光部と、前記発光部が出射して被測定体の内部で反射した光の分光スペクトルを特定する第1特定部と、前記発光部が出射した光の分光スペクトルを特定する第2特定部と、前記フィラメントが所定の温度である場合に前記発光部が出射する光の基準分光スペクトルに対する、前記第2特定部が特定する分光スペクトルの相違に応じて、前記第1特定部が特定する分光スペクトルを補正する補正部とを具備する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る生体解析装置100の構成図である。生体解析装置100(解析装置の例示)は、被験者の生体指標を非侵襲的に測定する測定機器である。例えば被験者の血糖値(グルコース濃度)が生体指標として例示される。被験者の身体のうち測定対象となる部位(以下「測定部位」という)Hに光Lを照射することで、血糖値が測定される。測定部位Hは、例えば掌、指、手首または上腕である。
図1は、第1実施形態に係る生体解析装置100の構成図である。生体解析装置100(解析装置の例示)は、被験者の生体指標を非侵襲的に測定する測定機器である。例えば被験者の血糖値(グルコース濃度)が生体指標として例示される。被験者の身体のうち測定対象となる部位(以下「測定部位」という)Hに光Lを照射することで、血糖値が測定される。測定部位Hは、例えば掌、指、手首または上腕である。
具体的には、生体解析装置100は、発光部20と第1特定部30と第2特定部40と制御部50と算定部60と記憶装置70と表示装置80とを具備する。記憶装置70は、例えば不揮発性の半導体メモリーで構成され、生体解析装置100が実行するプログラムと各種のデータとを記憶する。表示装置80(例えば液晶表示パネル)は、測定結果を含む各種の画像を表示する。
発光部20は、光Lを出射する光源である。具体的には、発光部20は、フィラメントを具備する白熱電球(例えばハロゲンランプ)である。第1実施形態の発光部20は、例えば近赤外領域内の所定の波長(=800nm〜1300nm)の光Lを測定部位Hに向けて出射する。なお、発光部20が出射する光Lは近赤外光に限定されない。制御部50の制御により発光部20が光Lを出射する。
発光部20から出射して測定部位Hに入射した光Lは、測定部位Hの内部を通過しながら拡散反射を繰返したうえで生体解析装置100側に出射する。具体的には、測定部位Hの内部に存在する動脈(例えば上腕動脈、橈骨動脈または尺骨動脈)等の血管と血管内の血液とを通過した光Lが測定部位Hから生体解析装置100側に出射する。
第1特定部30は、測定部位Hから到来する光Lの分光スペクトル(透過スペクトル)λ1を特定する。すなわち、発光部20が出射して測定部位Hの内部で反射した光Lの分光スペクトルλ1が特定される。第1実施形態の第1特定部30は、分光部31と受光部33と処理部35とを具備する。測定部位Hから到来する光Lは、分光部31に入射する。分光部31は、特定の波長域内の光Lを選択的に透過させる。例えばファブリ・ペロー型干渉計(エタロン)が分光部31として好適である。分光部31が透過させる光Lの波長は、時分割で変化する。分光部31を透過した光Lは、受光部33に入射する。
受光部33は、分光部31を透過した光Lを受光する。具体的には、受光部33は、発光部20から出射して生体(測定部位H)の内部で反射した光Lの受光強度を表す検出信号S1を生成する。検出信号S1は、分光部31を透過した光Lの波長毎の受光強度を表す信号である。例えば、受光強度に応じた電荷を発生するフォトダイオード(PD:Photo Diode)等の受光素子が受光部33として利用される。具体的には、近赤外領域に高い感度を示すInGaAs(インジウムガリウム砒素)で光電変換層が形成された受光素子が受光部33として好適である。発光部20と受光部33とは、発光部20と受光部33とが測定部位Hに対して片側に位置する反射型の光学センサーとして機能する。ただし、発光部20と受光部33とが測定部位Hを挟んで反対側に位置する透過型の光学センサーとして発光部20と受光部33とが機能してもよい。
処理部35は、受光部33が生成した検出信号S1から分光スペクトルλ1を特定する。具体的には、処理部35は、受光部33が生成した検出信号S1から波長毎の受光強度を抽出することで分光スペクトルλ1を特定する。なお、実際には、参照体に光Lを照射したときの分光スペクトル(以下「参照スペクトル」という)が事前に測定される。処理部35は、測定部位Hに光Lを照射したときの検出信号S1から特定された分光スペクトルを、参照スペクトルにより補正することで分光スペクトルλ1を特定する。参照体は、測定部位Hと対比される物体である。例えば、光Lの波長域内で反射率が均等である物体、または、標準的な生体の光学特性を有する物体が参照体として好適に利用される。
算定部60は、処理部35が生成した分光スペクトルλ1から血糖値を算定する。具体的には、算定部60は、分光スペクトルλ1から吸光スペクトルを生成し、当該吸光スペクトルから血糖値を特定する。吸光スペクトルを利用した血糖値の特定には、例えば重回帰分析法等の公知の技術が任意に利用され得る。PLS(Partial Least Squares)回帰分析法および独立成分分析法等が重回帰分析法として例示される。表示装置80は、算定部60が算定した血糖値を表示する。
血糖値を高精度に算定するためには、発光部20の発光特性を高精度に制御する必要がある。特に、発光部20が出射する光Lの分光スペクトルが血糖値に与える影響が大きい。以上の事情を考慮して、第1実施形態では、発光部20が出射する光Lの分光スペクトルを制御する。分光スペクトルの制御には、第2特定部40および制御部50が利用される。
第2特定部40は、測定部位Hが存在しない状態で、発光部20が出射した光Lの分光スペクトルλ2を特定する。発光部20が出射した光Lを直接的に受光することで分光スペクトルλ2が特定される。具体的には、第2特定部40は、分光部41と受光部43と処理部45とを具備する。発光部20から出射した光Lが直接的に分光部41に入射する。すなわち、分光部41と発光部20との間には、媒体(例えば生体や試料)が存在しない。分光部41は、特定の波長域内の光Lを選択的に透過させる。分光部31と同様に、ファブリ・ペロー型干渉計が分光部41として好適である。分光部41を透過した光Lは、受光部43に入射する。
受光部43は、分光部41を透過した光Lを受光する。具体的には、受光部43は、発光部20から出射した光Lの受光強度を表す検出信号S2を生成する。検出信号S2は、分光部41を透過した光Lの波長毎の受光強度を表す信号である。受光部33と同様に、受光強度に応じた電荷を発生するフォトダイオード等の受光素子が受光部33として利用される。
処理部45は、受光部43が生成した検出信号S2から分光スペクトルλ2を特定する。具体的には、処理部45は、受光部43が生成した検出信号S2から波長毎の受光強度を抽出することで分光スペクトルλ2を特定する。
制御部50は、第2特定部40が特定する分光スペクトルλ2が、基準となる分光スペクトル(以下「基準分光スペクトル」という)に近づくように発光部20を制御する。発光部20からの出射光Lの分光スペクトルλ2は、発光部20のフィラメントの温度(以下「フィラメント温度」という)に応じて変化するという傾向がある。図2には、複数のフィラメント温度の各々について分光スペクトルλ2が図示されている。図2から理解される通り、分光スペクトルλ2のピークの波長(以下「ピーク波長」という)Pは、フィラメント温度に応じて変化する。具体的には、フィラメント温度が低いほどピーク波長Pが長くなる。以上の傾向を踏まえて、第1実施形態では、フィラメント温度を制御することで、分光スペクトルλ2のピーク波長Pを基準分光スペクトルのピーク波長Pに近づける(理想的には一致させる)。所定のフィラメント温度である場合に発光部20が出射した光の分光スペクトルが基準分光スペクトルである。基準分光スペクトルは、記憶装置70に事前に記憶される。
具体的には、制御部50は、発光部20に供給する電力(以下「駆動電力」という)を制御することで、フィラメント温度を制御する。駆動電力を上げるとフィラメント温度が高くなり、駆動電力を下げるとフィラメント温度が低くなる。第1実施形態の制御部50は、分光スペクトルλ2のピーク波長Pが基準分光スペクトルのピーク波長Pよりも高い場合には駆動電力を上げる一方で、分光スペクトルλ2のピーク波長Pが基準分光スペクトルのピーク波長Pよりも低い場合には駆動電力を下げる。以上の説明から理解される通り、基準分光スペクトルに分光スペクトルλ2が近づくように駆動電力が制御される。制御部50による発光部20の制御は、第1特定部30を利用した血糖値の算定前の事前準備として実行される。以上に例示した発光部20と第2特定部40と制御部50とは、発光装置として機能する。
なお、生体解析装置100は、受光部(33,34)の出力信号を増幅およびA/D変換する出力回路(例えば増幅回路とA/D変換器)を包含するが、図1では各回路の図示を省略した。処理部35と処理部45と制御部50と算定部60との機能は、CPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算処理装置が記憶装置70に記憶されたブログラムを実行することで実現される。
図3は、生体解析装置100が血糖値を測定する処理のフローチャートである。例えば利用者からの測定の指示を契機として図3の処理が開始される。図3の処理が開始されると、制御部50は、発光部20に駆動電力を供給することで、発光部20を発光させる(Sa1)。第2特定部40(具体的には処理部45)は、測定部位Hが存在しない状態で、発光部20が出射した光Lの分光スペクトルλ2を特定する(Sa2)。具体的には、発光部20から出射して分光部41を透過した光Lの受光強度を表す検出信号S2から分光スペクトルλ2が特定される。制御部50は、第2特定部40が特定した分光スペクトルλ2のピーク波長Pと基準分光スペクトルのピーク波長Pとが一致するか否かを判定する(Sa3)。ここで、分光スペクトルλ2のピーク波長Pと基準分光スペクトルのピーク波長Pとが一致するとは、分光スペクトルλ2のピーク波長Pと基準分光スペクトルのピーク波長Pとの差が、所定値以下であればよい。分光スペクトルλ2のピーク波長Pと基準分光スペクトルのピーク波長Pとの差は、例えば20nm以下である。好適には、10nm以下であり、より好適には、5nm以下である。分光スペクトルλ2のピーク波長Pと基準分光スペクトルのピーク波長Pとの差は、製品に要求される精度によって定められる。
分光スペクトルλ2のピーク波長Pと基準分光スペクトルのピーク波長Pとが一致していない場合(Sa3:NO)、制御部50は、駆動電力を制御する(Sa8)。駆動電力を制御した後に、第2特定部40は、再度、分光スペクトルλ2を特定する(Sa2)。以上の説明から理解される通り、基準分光スペクトルのピーク波長Pと分光スペクトルλ2のピーク波長Pとが一致するまで、駆動電力が繰り返し制御される。
以上に説明した駆動電力の制御により分光スペクトルλ2のピーク波長Pと基準分光スペクトルのピーク波長Pとが一致すると(Sa3:YES)、第1特定部30(処理部35)は、測定部位Hが存在する状態で、発光部20から出射して測定部位Hの内部で反射した光Lの分光スペクトルλ1を特定する(Sa4)。具体的には、発光部20から出射して測定部位Hの内部で反射した光Lが分光部31に入射し、当該分光部31を透過した光Lの受光強度を表す検出信号S1から分光スペクトルλ1が特定される。算定部60は、血糖値を算定する(Sa5)。算定部60は、測定を終了するか否かを判定する(Sa6)。例えば利用者から測定終了の指示の有無により、測定を終了するか否かが判定される。測定を終了する場合(Sa6:YES)、制御部50は、駆動電力の供給を停止することで発光部20を消灯する(Sa7)。他方、測定を終了しない場合(Sa6:NO)、分光スペクトルλ1を特定する処理(Sa4)と血糖値を算定する処理(Sa5)とが繰り返し実行される。
第1実施形態では、分光スペクトルλ2が基準分光スペクトルに近づくように駆動電力が制御されるから、発光部20の発光特性(特に分光スペクトル)に生じる誤差を低減することが可能である。したがって、血糖値を高精度に算定することができる。基準分光スペクトルのピーク波長Pに分光スペクトルλ2のピーク波長Pが近づくように駆動電力を制御する第1実施形態の構成は、分光スペクトルλ2のピークが明確に観測される場合に有効な構成である。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において作用または機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
本発明の第2実施形態を説明する。なお、以下に例示する各形態において作用または機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第1実施形態では、分光スペクトルλ2のピークが明確に観測される場合に有効な構成を例示した。第2実施形態では、分光スペクトルλ2にピークが観測されない場合でも駆動電力の制御が可能な構成を例示する。第2実施形態の生体解析装置100の構成は、第1実施形態と同様である。
図4には、第2実施形態で観測され得る分光スペクトルλ2が、複数のフィラメント温度の各々について図示されている。図4から理解される通り、所定の波長域(1000nm−1250nm)内での分光スペクトルλ2における強度の変化率(以下「強度変化率」という)は、フィラメント温度に応じて変化する。第2実施形態では、第1波長の強度に対する第2波長の強度の変化率(相対値)が強度変化率として例示される。第1波長は、例えば1250nmであり、第2波長は、例えば1000nmである。図4には、第1波長での強度を100%とした場合における各フィラメント温度での強度が図示されている。フィラメント温度が1737Kである場合の強度変化率は、42.0%(=100%−58.0%)であり、フィラメント温度が1721Kである場合の強度変化率は、42.9%(=100%−57.1%)であり、フィラメント温度が1705Kである場合の強度変化率は、43.8%(=100%−56.2%)である。すなわち、フィラメント温度が低いほど強度変化率が高く、フィラメント温度が高いほど強度変化率が低いという傾向が観測される。以上の傾向を踏まえて、第2実施形態では、フィラメント温度を制御することで、分光スペクトルλ2の強度変化率を基準分光スペクトルの強度変化率に近づける(理想的には一致させる)。
第2実施形態の第2特定部40は、第1実施形態と同様に、分光スペクトルλ2を特定する。第2実施形態の制御部50は、分光スペクトルλ2の強度変化率が基準分光スペクトルの強度変化率に近づくように、駆動電力を制御する。具体的には、制御部50は、分光スペクトルλ2の強度変化率が基準分光スペクトルの強度変化率よりも高い場合には駆動電力を上げる一方で、分光スペクトルλ2の強度変化率が基準分光スペクトルの強度変化率よりも低い場合には駆動電力を下げる。第2実施形態では、図3のステップSa3の処理が、基準分光スペクトルの強度変化率が分光スペクトルλ2の強度変化率に一致するか否かを判定する処理に置換される。ここで、基準分光スペクトルの強度変化率が分光スペクトルλ2の強度変化率に一致するとは、基準分光スペクトルの強度変化率と分光スペクトルλ2の強度変化率との差が、所定値以下であればよい。基準分光スペクトルの強度変化率と分光スペクトルλ2の強度変化率との差は、例えば1%以下である。好適には、0.5%以下がよい。基準分光スペクトルの強度変化率と分光スペクトルλ2の強度変化率との差は、製品に要求される精度によって定められる。
以上の説明から理解される通り、第2実施形態においても第1実施形態と同様に、基準分光スペクトルに分光スペクトルλ2が近づくように駆動電力が制御されるから、発光部20の発光特性(特に分光スペクトル)に生じる誤差を低減することが可能である。第2実施形態では特に、駆動電力の制御に分光スペクトルλ2のピークが不要であるから、分光スペクトルλ2のピークが観測されない場合でも、発光部20の発光特性に生じる誤差を低減することができる。
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態に係る生体解析装置100の構成図である。第3実施形態では、第1特定部30が第2特定部40としても機能する。すなわち、第3実施形態の生体解析装置100では、第2特定部40は省略される。
図5は、第3実施形態に係る生体解析装置100の構成図である。第3実施形態では、第1特定部30が第2特定部40としても機能する。すなわち、第3実施形態の生体解析装置100では、第2特定部40は省略される。
第3実施形態の第1特定部30は、測定部位Hが存在しない状態で、分光スペクトルλ2を特定する。具体的には、発光部20から出射した光Lの受光強度を表す検出信号Sから分光スペクトルλ2が特定される。第3実施形態の制御部50は、第1特定部30が特定した分光スペクトルλ2のピーク波長Pが基準分光スペクトルのピーク波長Pに近づくように、駆動電力を制御する。分光スペクトルλ2のピーク波長Pが基準分光スペクトルのピーク波長Pに一致すると、第1特定部30は、測定部位Hが存在する状態で、分光スペクトルλ1を特定する。具体的には、発光部20から出射して測定部位Hの内部で反射した光Lの受光強度を表す検出信号Sから分光スペクトルλ1が特定される。算定部60は、第1実施形態と同様に、第1特定部30が特定した検出信号Sから血糖値を算定する。
第3実施形態においても第1実施形態と同様の効果が実現される。第3実施形態では特に、第1特定部30が第2特定部40としても機能するから、第1特定部30と第2特定部40とを別個に設ける構成と比較して、生体解析装置100を小型化することが可能である。なお、第3実施形態の構成を第2実施形態に適用してもよい。
<第4実施形態>
第4実施形態では、第2特定部40が特定した分光スペクトルλ2を利用して、血糖値の算定に利用される分光スペクトルλ1を補正する。
第4実施形態では、第2特定部40が特定した分光スペクトルλ2を利用して、血糖値の算定に利用される分光スペクトルλ1を補正する。
図6は、第4実施形態に係る生体解析装置100の構成図である。第4実施形態の生体解析装置100は、図1の制御部50が補正部90に置換された構成である。補正部90は、基準分光スペクトルに対する分光スペクトルλ2の相違に応じて、分光スペクトルλ1を補正する。算定部60は、補正後の分光スペクトルλ3から血糖値を算定する。
図7は、血糖値を測定する処理のフローチャートである。例えば利用者からの測定の指示を契機として図7の処理が開始される。図7の処理が開始されると、第2特定部40は、測定部位Hが存在しない状態で、分光スペクトルλ2を特定する(Sb1)。次に、第1特定部30は、測定部位Hが存在する状態で、分光スペクトルλ1を特定する(Sb2)。
補正部90は、基準分光スペクトルと第2特定部40が特定した分光スペクトルλ2から、分光スペクトルλ1を補正するための補正値A(n)を算定する(Sb3)。基準分光スペクトルは、相異なるN個の波長毎の強度x(1)〜x(N)で表されるスペクトルである。生体が存在しない状態で観測された分光スペクトルλ2は、相異なるN個の波長毎の受光強度y2(1)〜y2(N)で表されるスペクトルである。補正値A(n)は、例えば、分光スペクトルλ2における強度y2(n)に対する基準分光スペクトルにおける強度x(n)の比である(A(n)=x(n)/y2(n))。nは、1以上N以下の何れかの整数である(1≦n≦N)。図8には、基準分光スペクトルの強度x(n)を基準値(100%)とした場合の各フィラメント温度の分光スペクトルλ2における強度の相対値が図示されている。図8では、フィラメント温度が1730Kの場合が基準分光スペクトルとして例示されている。図8に矢印で示される通り、補正値A(n)は、観測された分光スペクトルλ2を基準分光スペクトルに近づけるための係数である。
補正部90は、補正値A(1)〜a(N)を利用して分光スペクトルλ1を補正することで、分光スペクトルλ3を生成する(Sb4)。生体が存在する状態で測定された分光スペクトルλ1は、相異なるN個の波長毎の受光強度y1(1)〜y1(N)で表されるスペクトルである。分光スペクトルλ3は、相異なるN個の波長毎の受光強度y3(1)〜y3(N)で表されるスペクトルである。具体的には、補正部90は、実際に観測された分光スペクトルλ1の各強度y1(n)に対して補正値A(n)を乗算することで、補正後の分光スペクトルλ3の各強度y3(n)を算定する(y3(n)=a(n)×y1(n)。ステップSb3およびステップSb4は、基準分光スペクトルに対する分光スペクトルλ2の相違に応じて分光スペクトルλ1を補正する処理である。以上の処理により、基準分光スペクトルに対応する温度のもとで観測されるべき分光スペクトルλ3に補正される。算定部60は、補正部90が生成した分光スペクトルλ3から血糖値を算定する(Sb5)。
第4実施形態では、基準分光スペクトルに対する分光スペクトルλ2の相違に応じて分光スペクトルλ1が補正されるから、発光部20の発光特性(特に分光スペクトル)に誤差が生じた場合でも、誤差の影響を低減した分光スペクトルλ3を生成できる。なお、第4実施形態の構成は、第1実施形態から第3実施形態の構成に組み合わせて利用してもよい。
<変形例>
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜に併合することも可能である。
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を適宜に併合することも可能である。
(1)前述の各形態では、生体指標として血糖値を特定したが、生体指標は以上の例示に限定されない。例えば血液中のコレステロール値や中性脂肪値を生体指標として特定してもよい。
(2)前述の各形態において、生体を測定対象(すなわち被測定体)として例示したが、被測定体は生体に限定されない。例えば分析または試験等に使用される試料を被測定体としてもよい。算定部60は、被測定体の内部で反射した分光スペクトルから被測定体の状態を表す指標を算定する要素として包括的に表現される。なお、前述の生体解析装置100は、被測定体の状態を表す指標を算定する解析装置の一例である。また、生体指標は、被測定体の状態を表す指標の一例である。
(3)第1実施形態では、基準分光スペクトルのピーク波長Pに分光スペクトルλ2のピーク波長Pが近づくように駆動電力を制御し、第2実施形態では、基準分光スペクトルの強度変化率に分光スペクトルλ2の強度変化率が近づくように駆動電力を制御したが、駆動電力を制御する方法は以上の例示に限定されない。例えば基準分光スペクトルの形状に分光スペクトルλ2の形状が近づくように駆動電力を制御してもよい。すなわち、第2特定部40は、基準分光スペクトルに分光スペクトルλ2が近づくように駆動電力を制御する要素として包括的に表現される。
(4)第2実施形態では、第1波長の強度に対する第2波長の強度の変化率を強度変化率として例示したが、例えば所定の波長域(例えば1000nm−1250nm)内での強度の変化率の平均値を強度変化率として利用してもよい。ただし、第1波長の強度に対する第2波長の強度の変化率を強度変化率とする第2実施形態の構成によれば、強度の変化が大きい2つの波長の間における強度変化率を利用して駆動電力を制御することが可能である。
(5)前述の各形態では、被測定体から受光部33に到達する光路上に分光部31を設置する構成(すなわち後分光)を例示したが、発光部20から被測定体に到達する光路上に分光部31を設置する構成(すなわち前分光)も採用され得る。
(6)前述の各形態において、算定部60を生体解析装置100とは別体の端末装置(例えば携帯電話機もしくはスマートフォン等の情報端末)に搭載してもよい。生体解析装置100が特定した分光スペクトルλ1が有線または無線で端末装置に送信される。端末装置は、受信した分光スペクトルλ1から血糖値を算定して当該端末装置の表示装置80に表示する。以上の説明から理解される通り、生体解析装置100の複数の要素を相互に別体の装置として実現してもよい。なお、第4実施形態では算定部60に加えて補正部90を端末装置に搭載してもよい。
(7)前述の各形態では、被験者の血糖値を表示装置80に表示したが、血糖値を被験者に報知するための構成は以上の例示に限定されない。例えば、血糖値を音声で被験者に報知することも可能である。また、血糖値を被験者に報知することは必須ではない。例えば、生体解析装置100が算定した血糖値を通信網から他の通信装置に送信してもよい。また、生体解析装置100の記憶装置70や生体解析装置100に着脱可能な可搬型の記録媒体に血糖値を格納してもよい。
(8)前述の各形態に係る生体解析装置100は、前述の例示の通り、演算処理装置(例えばCPU)とプログラムとの協働により実現される。本発明の好適な態様に係るプログラムは、コンピューターが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピューターにインストールされ得る。また、配信サーバーが具備する記録媒体に格納されたプログラムを、通信網を介した配信の形態でコンピューターに提供することも可能である。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体または磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体を包含し得る。なお、非一過性の記録媒体とは、一過性の伝搬信号(transitory, propagating signal)を除く任意の記録媒体を含み、揮発性の記録媒体を除外するものではない。
100…生体解析装置、20…発光部、30…第1特定部、31…分光部、33…受光部、35…処理部、40…第2特定部、41…分光部、43…受光部、45…処理部、50…制御部、60…算定部、70…記憶装置、80…表示装置、90…補正部。
Claims (8)
- フィラメントを具備する発光部と、
前記発光部が出射した光の分光スペクトルを特定する特定部と、
前記フィラメントが所定の温度である場合に前記発光部が出射する光の基準分光スペクトルに前記特定部が特定する分光スペクトルが近づくように、前記発光部に供給される電力を制御する制御部と
を具備する発光装置。 - 前記制御部は、前記基準分光スペクトルのピークの波長に前記分光スペクトルのピークの波長が近づくように、前記発光部に供給される電力を制御する
請求項1の発光装置。 - 前記制御部は、前記基準分光スペクトルにおける強度の変化率に、前記分光スペクトルにおける強度の変化率が近づくように、前記発光部に供給される電力を制御する
請求項1の発光装置。 - 前記制御部は、前記基準分光スペクトルにおける第1波長の強度に対する第2波長の強度の変化率に、前記分光スペクトルにおける前記第1波長の強度に対する前記第2波長の強度の変化率が近づくように、前記発光部に供給される電力を制御する
請求項3の発光装置。 - 請求項1から請求項4の何れかの発光装置と、
前記発光装置の発光部が出射して被測定体の内部で反射した光の分光スペクトルから、前記被測定体の状態を表す指標を算定する算定部と
を具備する解析装置。 - 前記算定部は、前記被測定体の内部で反射した光から前記特定部が特定した分光スペクトルから前記指標を算定する
請求項5の解析装置。 - 前記被測定体は、生体であり、
前記算定部は、前記生体の血糖値を前記指標として算定する
請求項5または請求項6の解析装置。 - フィラメントを具備する発光部と、
前記発光部が出射して被測定体の内部で反射した光の分光スペクトルを特定する第1特定部と、
前記発光部が出射した光の分光スペクトルを特定する第2特定部と、
前記フィラメントが所定の温度である場合に前記発光部が出射する光の基準分光スペクトルに対する、前記第2特定部が特定する分光スペクトルの相違に応じて、前記第1特定部が特定する分光スペクトルを補正する補正部と
を具備する解析装置。
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