JP2019140999A - キシラナーゼ及びその利用 - Google Patents

キシラナーゼ及びその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP2019140999A
JP2019140999A JP2018029963A JP2018029963A JP2019140999A JP 2019140999 A JP2019140999 A JP 2019140999A JP 2018029963 A JP2018029963 A JP 2018029963A JP 2018029963 A JP2018029963 A JP 2018029963A JP 2019140999 A JP2019140999 A JP 2019140999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
xylanase
mutation
hours
amino acid
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018029963A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7135334B2 (ja
Inventor
千絵 今村
Chie Imamura
千絵 今村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2018029963A priority Critical patent/JP7135334B2/ja
Publication of JP2019140999A publication Critical patent/JP2019140999A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7135334B2 publication Critical patent/JP7135334B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】高温耐久性に優れるキシラナーゼ、その利用、及びキシラナーゼのスクリーニング方法の提供。【解決手段】キシラナーゼ候補について、(a)所定温度にて2時間保存したとき、25℃で2時間保存したときのキシラナーゼ活性の半分の活性となるときの当該所定温度、及び(b)50℃で保存したときのキシラナーゼ活性の半減期の少なくともいずれかについて評価する工程、を備えることで、スクリーニングして、高温耐久性に優れるキシラナーゼを取得する方法を提供する。【選択図】なし

Description

本明細書は、キシラナーゼ及びその利用に関する。
ヘミセルロースを含むバイオマスの有効利用は、バイオマスの効率的利用のためには重要な課題である。ヘミセルロースを分解するキシラナーゼについては種々の改変体や新規キシラナーゼが提供されている(特許文献1、2)。
特開2016−49035号公報 特開2017−35001号公報
本発明者の検討によれば、ヘミセルロースを含むバイオマスは、例えば、約50℃で数日間連続処理を行うことが効率的な場合がある。また、本発明者によれば、これまで提供されているキシラナーゼでは、最適温度は高温化されているが、高温での耐久性についてはほとんど検討されておらず、また、その機能も備えているわけではない。
本明細書は、高温耐久性を備えるキシラナーゼ及びその利用を提供する。
本発明者は、キシラナーゼの改変体ライブラリを構築し、スクリーニングを行い、高温耐久性の発揮のために有用な変異を特定できた。本明細書は、こうした知見に基づき以下の手段を提供する。
(1)キシラナーゼであって、
配列番号1で表されるアミノ酸配列に対してアライメントしたとき、その6位、46位、47位、55位、80位、94位、99位、125位及び164位からなる群から選択される1個又は2個以上の位置に相当する位置に変異を有する、キシラナーゼ。
(2)前記変異は、
6位相当位置では、E、I、V、S、C、M及びQのいずれかであり、
46位相当位置では、Iであり、
47位相当位置では、C及びAのいずれかであり、
55位相当位置では、S、D及びEのいずれかであり、
80位相当位置では、M、A及びIのいずれかであり、
94位相当位置では、H、C、Y及びAのいずれかであり、
99位相当位置では、G及びAのいずかであり、
125位相当位置では、A及びSのいずれかであり、
164位相当位置では、Mである、(1)に記載のキシラナーゼ。
(3)前記変異は、
6位相当位置では、E、I、V及びSのいずれかであり、
46位相当位置では、Iであり、
47位相当位置では、C及びAのいずれかであり、
55位相当位置では、Sであり、
80位相当位置では、M、A及びIのいずれかであり、
94位相当位置では、H、C及びYのいずれかであり、
99位相当位置では、G及びAのいずかであり、
125位相当位置では、Aであり、
164位相当位置では、Mである、(2)に記載のキシラナーゼ。
(4)さらに、配列番号1で表されるアミノ酸配列に対してアライメントしたとき、その37位、56位、71位、119位、120位、137位、140位、154位及び161位からなる群から選択される1個又は2個以上の位置に相当する位置に変異を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載のキシラナーゼ。
(5)前記変異は、
37位相当位置では、Iであり、
56位相当位置では、Tであり、
71位相当位置では、Aであり、
119位相当位置では、V及びCのいずれかであり、
120位相当位置では、K及びAのいずれかであり、
137位相当位置では、W、A、L及びVのいずれかであり、
140位相当位置では、Iであり、
154位相相当位置では、Aであり、
161位相当位置では、A及びEのいずれかである、(4)に記載のキシラナーゼ。
(6)4位置以上に変異を備える、(1)〜(5)のいずれかに記載のキシラナーゼ。
(7)前記キシラナーゼは、50℃におけるキシラナーゼ活性の半減期が30時間以上である、(1)〜(6)のいずれかに記載のキシラナーゼ。
(8)前記キシラナーゼは、50℃におけるキシラナーゼ活性の半減期が100時間以上である、(1)〜(7)のいずれかに記載のキシラナーゼ。
(9)前記キシラナーゼは、配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有する、(1)から(8)のいずれかに記載のキシラナーゼ。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載のキシラナーゼのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド。
(11)(10)に記載のポリヌクレオチドを、備える発現ベクター。
(12)(1)〜(9)のいずれかに記載のキシラナーゼを発現する、形質転換体。
(13)(1)〜(9)のいずれかに記載のキシラナーゼを用いてキシランを分解する工程を備える、キシランの分解方法。
(14)(1)〜(9)のいずれかに記載のキシラナーゼを用いてキシランを分解する工程と、
前記キシランを有用物質に変換する工程と、
を備える、有用物質の生産方法。
(15)(1)〜(9)のいずれかに記載のキシラナーゼを含む、組成物。
(16)(1)〜(9)のいずれかに記載のキシラナーゼを生産する形質転換体を含む、組成物。
(17)キシラナーゼのスクリーニング方法であって、
配列番号1で表されるアミノ酸配列に対してアライメントしたとき、その6位、37位、46位、47位、55位、56位、71位、80位、94位、99位、119位、120位、125位、137位、140位、154位、161位及び164位からなる群から選択される1個又は2個以上の位置に相当する位置に変異を有する、キシラナーゼ候補を準備する工程と、
前記キシラナーゼ候補について、
(a)所定温度にて2時間保存したとき、25℃で2時間保存したときのキシラナーゼ活性の半分の活性となるときの当該所定温度、及び
(b)50℃で保存したときのキシラナーゼ活性の半減期
の少なくともいずれかについて評価する工程、
を備える、方法。
(18)前記評価工程は、50℃で保存したときのキシラナーゼ活性の半減期が30時間以上であるキシラナーゼをスクリーニングする工程である、(17)に記載の方法。
単一の変異を有する改変体の耐熱温度の上昇(Δ耐熱温度)を示す図である。 単一の変異を有する改変体の一部についての耐熱温度の上昇(Δ耐熱温度)を示す図である。 相加変異体のΔ耐熱温度を示す図である。 相加変異体のΔ耐熱温度の相加予測値と実験値の比較結果を示す図である。 GHF11に属する81個のキシラナーゼの一部のアミノ酸配列のアライメント結果を示す図である。 GHF11に属する81個のキシラナーゼの他の一部のアミノ酸配列のアライメント結果を示す図である。番号は、UniProtKBの登録番号を表す。 GHF11に属する81個のキシラナーゼの他の一部のアミノ酸配列のアライメント結果を示す図である。番号は、UniProtKBの登録番号を表す。 GHF11に属する81個のキシラナーゼの他の一部のアミノ酸配列のアライメント結果を示す図である。番号は、UniProtKBの登録番号を表す。
本明細書の開示は、キシラナーゼ及びその利用に関する。
本発明者は、バイオマス処理を実用的及び/又は効率的に行うために従来にない観点である高温耐久性の観点からTrichoderma reesei由来のキシラナーゼを探索した。本発明者は、高温耐久性のための変異部位について取得するほか、これらの変異の相加効果を確認した。
なお、本明細書において、「キシラナーゼ」とは、エンド−1,4−β−キシラナーゼであり、EC番等3.2.1.8の酵素をいう。キシラナーゼは、キシランをキシロースに分解する酵素である。キシランは、植物細胞の細胞壁に存在するヘミセルロースの主成分である。以下、本明細書に開示されるキシラナーゼ及びその利用について、詳細に説明する。
(キシラナーゼ)
本明細書に開示されるキシラナーゼ(以下、本キシラナーゼともいう。)は、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるキシラナーゼのアミノ酸配列に対してアライメントしたとき、所定の部位において変異が導入されたキシラナーゼとして規定できる。
ここで、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるキシラナーゼは、Trichoderma reesei由来のキシラナーゼであって、UniProtKBの登録番号P36217で特定されるキシラナーゼの成熟タンパク質(登録番号P36217で規定されるアミノ酸配列(配列番号3)の第34位〜第223位、190アミノ酸残基からなるアミノ酸配列からなり、シグナルペプチド(同第1位〜第19位)(配列番号4)及びプロペプチド(同第20位〜第33位)(配列番号5)を除いたもの)である。(以下、このキシラナーゼを、第1のキシラナーゼという。第1のキシラナーゼは、Glycoside Hydrolase Family(http:://www.cazy.org/Glycoside−Hydrolases.html)の11に分類される。本明細書において、特に断りのない限り、アミノ酸配列における位置は、当該190アミノ酸残基からなる第1のキシラナーゼのアミノ酸配列における位置として表すものとする。なお、第1のキシラナーゼの第10位〜188位(登録番号P36217で規定されるアミノ酸配列の第43位〜221位に相当し、配列番号2で表される。)が触媒ドメインである。
(耐熱温度)
本キシラナーゼは、第1のキシラナーゼより、耐熱温度が高いことが好ましい。本キシラナーゼの耐熱温度は、例えば、Δ耐熱温度(℃)として評価することができる。本明細書において、Δ耐熱温度は、第1のキシラナーゼの耐熱温度(℃)に対する本キシラナーゼの耐熱温度(℃)の差分温度(℃)である。例えば、ある保存温度で2時間保存したときの活性が、25℃で2時間保存後の活性の半分の活性となるときの当該保存温度を、キシラナーゼの耐熱温度とすることができる。
より具体的には、例えば、キシラナーゼを、25℃、48℃及び52℃でそれぞれ2時間保存後、所定の方法で活性を測定する。これにより、保存温度を横軸とし、キシラナーゼ活性を縦軸とするとき、活性の減少曲線を得ることができる。この活性減少曲線において、25℃で2時間保存時の活性の半分となる活性に対応する補助線が活性減少曲線と交差する点の保存温度を、耐熱温度(℃)とすることができる。こうして得られた本キシラナーゼの耐熱温度から第1のキシラナーゼの耐熱温度を引いた値をΔ耐熱温度とする。Δ耐熱温度は、具体的には、後述する実施例に記載される条件を採用して測定することができる。
本キシラナーゼは、例えば、Δ耐熱温度が1℃以上である。また例えば、Δ耐熱温度が1.5℃以上であり、また例えば、2℃以上であり、また例えば、3℃以上であり、また例えば4℃以上であり、また例えば5℃以上である。Δ耐熱温度の上昇により、例えば、50℃でのキシラナーゼ活性の半減期が増大する。特に、本キシラナーゼの活性半減期の観点からは、Δ耐熱温度が4℃以上、好ましくは、5℃以上、より好ましくは6℃以上、さらに好ましくは7℃以上、なお好ましくは8℃以上、一層好ましくは9℃以上である。また、上限も特に限定するものではないが、例えば、活性半減期の観点からは、12℃以下であり、また例えば、11℃以下であり、また例えば、10℃以下である。
(活性半減期)
本キシラナーゼは、例えば、所定の保存温度で保存したときの、キシラナーゼ活性の半減期が、第1のキシラナーゼよりも長いことが好ましい。本明細書においてキシラナーゼの活性半減期とは、キシラナーゼをある温度で保存したときの残存活性が半分となる時間(hr)である。本キシラナーゼの活性半減期は、例えば、ヘミセルロースを含むバイオマスを分解するときの温度である50℃を保存温度として、評価することができる。
より具体的な保存条件及びキシラナーゼ活性は、後述する実施例に開示される方法を採用することができる。なお、保存温度としては、50℃に限定するものではなく、例えば、50℃以上65℃以下の範囲において所定の温度を設定することができる。例えば、55℃における残存活性であってもよいし、60℃における残存活性でもよい。また、65℃における残存活性であってもよい。
第1のキシラナーゼは、50℃における半減期は、約3時間であるが、本キシラナーゼは、例えば、50℃における半減期は、30時間以上であり、また例えば、同40時間以上であり、また例えば50時間以上であり、また例えば60時間以上であり、また例えば70時間以上であり、また例えば80時間以上であり、また例えば90時間以上であり、また例えば100時間以上である。さらにまた、例えば、120時間以上であり、また例えば、140時間以上であり、また例えば、160時間以上であり、また例えば、180時間以上であり、また例えば200時間以上であり、また例えば、220時間以上であり、また例えば、240時間以上である。50℃における半減期が100時間以上であれば、ヘミセルロースを含むバイオマスの分解(糖化)のための処理時間(60〜200時間程度)において、概ね活性を維持することができ、効率的にバイオマスを分解することができる。
Δ耐熱温度が4℃以上の本キシラナーゼは、同時に、50℃における活性半減期も、30時間以上、より好ましくは40時間以上、さらに好ましくは50時間以上、なお好ましくは60時間以上であることが多く、典型的には80時間以上である。また、Δ耐熱温度が6℃以上、好ましくは同7℃以上、より好ましくは同8℃以上の本キシラナーゼは、同時に、50℃における活性半減期が100時間以上、より好ましくは120時間以上、さらに好ましくは140時間以上、なお好ましくは160時間、一層好ましくは180時間以上であることが多い。
(変異)
本キシラナーゼが有する変異の変異は、第1のキシラナーゼを基準として規定されている。これらの変異は、第1のキシラナーゼに対して、種々の改変を試みることで、高温耐久性に貢献する変異を特定したことによって得られたからである。一方、本明細書において開示する変異は、第1のキシラナーゼのアミノ酸配列にのみ適用されるものではなく、他のキシラナーゼにも適用されるものである。すなわち、第1のキシラナーゼは、GHF11に分類されるものであって、GHF11に属する他のキシラナーゼは、類似のアミノ酸配列と立体構造を備えている。これらのことから、当業者であれば、少なくともGH11ファミリーに属するキシラナーゼに対して本明細書に開示される変異を適用することで本キシラナーゼを得ることができることが理解される。
本キシラナーゼは、第1のキシラナーゼに対して人為的に変異を導入したもののほか、本明細書に開示される変異を本来的に備えている天然由来のキシラナーゼも包含される。
本キシラナーゼが有しうる変異位置は、配列番号1で表されるアミノ酸配列に対してアライメントしたとき、その6位、37位、46位、47位、55位、56位、71位、80位、94位、99位、119位、120位、125位、137位、140位、154位、161位及び164位からなる群から選択される1個又は2個以上の位置に相当する位置である。本キシラナーゼにおけるかかる変異位置は、配列番号1で表されるアミノ酸配列と本キシラナーゼのアミノ酸配列(すなわち、変異部位を有するキシラナーゼである。)とを、BLAST(https://blast.ncbi.nlm.nih.gov/Blast.cgi)やPfam(http://pfam.xfam.org/)などの公知のアミノ酸配列アラインメントプログラムを用いて、例えば、デフォルトのパラメータでアラインメントさせることにより特定することができる。
これらの変異位置は、いずれも、Δ耐熱温度(℃)が、プラスになりうることが確認されている位置である。以下に、各変異位置における可能性ある置換アミノ酸残基を示す。この置換アミノ酸残基は、第1のキシラナーゼにおける以下の位置において本来的なアミノ酸残基以外の残りの19種類のアミノ酸に置換した、単一変異体の飽和遺伝子ライブラリの評価に基づいて得られている。なお、()内は、第1のキシラナーゼ(1位〜190位))における位置である。
変異位置における置換アミノ酸残基中、*印のあるアミノ酸残基は、Δ耐熱温度が約1℃以上となった変異である。
グリシン(6位):グルタミン酸*、イソロイシン、バリン、セリン、システイン、メチオニン、グルタミン
バリン(37位):イソロイシン
バリン(46位):イソロイシン*
グリシン(47位):システイン*、アラニン*
トレオニン(55位):セリン*、アスパラギン酸、グルタミン酸
リジン(56位):トレオニン
アスパラギン(71位):アラニン
セリン(80位):メチオニン*、アラニン*、イソロイシン、
グリシン(94位):ヒスチジン*、システイン*、アラニン、チロシン
セリン(99位):グリシン*、アラニン
アルギニン(119位):バリン、システイン
トレオニン(120位):リジン、アラニン
グルタミン(125位):アラニン*、セリン
チロシン(137位):トリプトファン、アラニン、ロイシン、バリン
バリン(140位):イソロイシン
アスパラギン(154位):アラニン
グルタミン(161位):アラニン、グルタミン酸
ロイシン(164位):メチオニン
Δ耐熱温度が約1℃以上であるという観点から、6位(6E)、46位(46I)、47位(47C、47A)、55位(55S)、80位(80M、80A)、94位(94H、94C)、99位(99G)、125位(125A)及び164位(164M)は有用な変異位置及び変異である。また、Δ耐熱温度が約1.5℃以上である変異は、6E、47C、47A、55S、80M、80A、94H、99G、125Aである。また、同約2.0℃以上である変異は、47C、80M、99Gである。さらに、同2.5℃以上である変異は、47C、99Gである。さらにまた、同3.0℃以上である変異は、47Cである。
また、有効なΔ耐熱温度を得るのに貢献した変異が複数個存在しているという観点から、好ましい変異位置としては、6位、47位、55位、90位、94位、99位、119位、120位、125位、137位、161位が挙げられる。なかでも、6位、55位、80位、94位、137位が挙げられる。
また、例えば、Δ耐熱温度の上昇及び例えば50℃での活性半減期の増大に貢献する変異位置は、47位である。変異としては、47Cである。また、同様に、99位も有用な変異位置である。変異としては、99Gである。さらに、80位も有用な変異である。変異としては、80M又は80Aである。また、125位も有用な変異位置である。変異としては、125Aである。さらにまた、55位も有用な変異位置である。変異としては、55Sである。
かかる変異位置は、これらに加えて、120位である。変異としては、120Kである。また、94位も有用な変異位置である。変異としては、94C、94Hである。また、164位も有用な変異位置である。変異としては、164Mでる。
また、かかる変異位置は、これらに加えて、6位である。変異としては6Eである。また、71位も有用な変異位置である。変異としては、71Aである。また、137位も有用な変異位置である。変異としては137Wである。
さらにまた、かかる変異位置は、これらに加えて、46位である。変異としては、46Iである。また、47位も有用な変異位置である。変異としては、47Aである。
本キシラナーゼは、こうした変異位置における変異を1個又は2個以上備えることができる。本キシラナーゼは、2個以上の変異の組合せ(相加)によって、それぞれの変異に基づくΔ耐熱温度を相加した又は相加以上のΔ耐熱温度(℃)を得ることができる。本発明者が見出した変異は、それぞれ独立してΔ耐熱温度(℃)及び/又は活性半減期に貢献しているからである。
2個以上の変異を組み合わせる場合、特に限定するものではないが、3個以上の変異を組み合わせることが好ましく、より好ましくは4個以上である。4個以上の変異を組合せると、3個以下の場合に比べて大きくΔ耐熱温度が向上する。さらに好ましくは、5個以上である。また、変異の個数は、8個以下程度であることが好ましい。変異個数が多いと、Δ耐熱温度は相加される傾向にあるが、例えば、50℃における活性半減期が変化しなくなるからである。好ましくは、7個以下であり、より好ましくは6個以下である。典型的には、4個以上7個以下、また、5個以上6個以下程度が、Δ耐熱温度の向上と50℃等における半減期の増大の観点から好適である。
本キシラナーゼのキシラナーゼ活性の最適温度は、特に限定するものではないが、50℃以上65℃以下であることが好ましい。この範囲であると、高温での活性と耐久性とを両立することができる。最適温度は、また例えば、55℃以上65℃以下である。なお、最適温度及びキシラナーゼ活性は、後述する実施例に開示される方法によって評価し規定することができる。
本キシラナーゼが有する2個以上の変異の組合せは、既述の変異から選択して適宜決定することができるが、なかでも、既述のΔ耐熱温度及び活性半減期の観点から選択することができる。また例えば、本キシラナーゼは、以下に開示される変異から選択される、例えば、2個以上10個以下、また例えば、3個以上9個以下、また例えば、4個以上8個以下、また例えば5個以上7個以下、また例えば5個以上5個以下の変異を適宜選択して組み合わせることができる。以下に、本キシラナーゼにおける個々の変異と好適な範囲の組み合わせを例示的に列挙する。
本キシラナーゼは、第1のキシラナーゼの触媒ドメインのアミノ酸配列(配列番号2)と80%以上の同一性及び/又は類似性を有することが好ましい。また例えば、同85%以上あり、また例えば、同90%以上であり、また例えば、95%以上であり、また例えば96%以上であり、また例えば97%以上であり、また例えば98%以上であり、また例えば99%以上であり、また例えば99.5%以上である。また例えば、本キシラナーゼは、配列番号2で表されるアミノ酸配列とは同一性が100%未満である。
本明細書において同一性又は類似性とは、当該技術分野で知られているとおり、配列を比較することにより決定される、2以上のタンパク質あるいは2以上のポリヌクレオチドの間の関係である。当該技術で“同一性”とは、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間のアラインメントによって、あるいは場合によっては、一続きのそのような配列間のアラインメントによって決定されるような、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間の配列不変性の程度を意味する。また、類似性とは、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間のアラインメントによって、あるいは場合によっては、一続きの部分的な配列間のアラインメントによって決定されるような、タンパク質またはポリヌクレオチド配列の間の相関性の程度を意味する。より具体的には、配列の同一性と保存性(配列中の特定アミノ酸又は配列における物理化学特性を維持する置換)によって決定される。なお、類似性は、後述するBLASTの配列相同性検索結果においてSimilarity と称される。同一性及び類似性を決定する方法は、対比する配列間で最も長くアラインメントするように設計される方法であることが好ましい。同一性及び類似性を決定するための方法は、公衆に利用可能なプログラムとして提供されている。例えば、AltschulらによるBLAST (Basic Local Alignment Search Tool) プログラム(たとえば、Altschul SF, Gish W, Miller W, Myers EW, Lipman DJ., J. Mol. Biol., 215: p403-410 (1990), Altschul SF, Madden TL, Schaffer AA, Zhang J, Miller W, Lipman DJ., Nucleic Acids Res. 25: p3389-3402 (1997))を利用し決定することができる。BLASTのようなソフトウェアを用いる場合の条件は、特に限定するものではないが、デフォルト値を用いるのが好ましい。
本キシラナーゼは、後述する特定変異位置において変異を有することができるが、当該変異による効果を損なわない限り、当該特定変異位置以外において置換、欠失等の変異を有していてもよい。すなわち、こうした追加の変異は、第1のキシラナーゼのアミノ酸配列における触媒ドメイン(第10位〜第188位)以外の部位などとすることができる。こうした変異として、アミノ酸置換の例としては、保存的置換が好ましく、具体的には以下のカッコ内のグループ内での置換が挙げられる。例えば、(グリシン、アラニン)(バリン、イソロイシン、ロイシン)(アスパラギン酸、グルタミン酸)(アスパラギン、グルタミン)(セリン、トレオニン)(リジン、アルギニン)(フェニルアラニン、チロシン)である。
当業者は、本明細書に開示される本キシラナーゼの変異位置及び好適な置換例に基づいて、種々の相加体を作製、その評価を行い、意図した高温耐久性を有するキシラナーゼを得ることができる。
また、当業者は、本明細書に開示される本キシラナーゼに対して、例えば、第1のキシラナーゼが有するシグナルペプチドやプロペプチドのいずれか又は双方の領域をそのN末端側に付加したり、あるいは、これらと同様の機能を有するペプチドを適宜付加して本キシラナーゼの生産等のために好適なタンパク質とすることができる。
本キシラナーゼは、例えば、第1のキシラナーゼのアミノ酸配列をコードするDNA(配列番号6)(GenBank:EU532196)を、慣用の突然変異誘発法、部位特異的変異法、エラープローンPCRを用いた分子進化的手法等によって改変することによって改変DNAを取得し、当該改変DNA等に基づいて取得することができる。改変DNAを取得する手法としては、Kunkel法又は Gapped duplex法等の公知手法又はこれに準ずる方法が挙げられ、例えば、商業的に入手可能な種々の部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キットを用いて変異が導入される。
例えば、本キシラナーゼは、こうして得られた改変DNAを含むDNA構築物によって真核細胞等の適当な宿主を形質転換し、この形質転換細胞を、当業者に公知の通常の方法に従って培養し、当該培養細胞または培地から本キシラナーゼを回収することによって得ることができる。培養細胞から、当該細胞の破砕後、遠心分離等の分離操作により可溶性画分を得、この画分からポリペプチドを回収することができる。例えば、本キシラナーゼは、慣用の精製技術を組み合わせて単離することができる。そのような技術には、硫安分画、有機溶媒処理、遠心分離、限外濾過、各種クロマトグラフィー(例えば、ゲル濾過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー等)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、電気泳動等が包含される。
そのほか、当業者であれば、Molecular Cloning(Sambrook, J. et al., Molecular Cloning :a Laboratory Manual 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 10 Skyline Drive Plainview, NY (1989))等を参照することにより、例えば、配列番号1又は6等の公知配列に基づいて、各種態様のDNAを取得し、当該DNAを利用して本キシラナーゼを得ることができる。
本キシラナーゼは、ヘミセルロースを含むバイオマスのセルラーゼ複合体又はセルラーゼを発現する形質転換体による分解(糖化)及び分解・エタノール等の有用物質の発酵生産等における実用的温度である50℃において、従来に比して高い耐久性を備えることができる。したがって、本キシラナーゼは、バイオマスからの有用物質生産に有用である。
また、本キシラナーゼは、バイオマスからの有用物質の生産以外にも有用である。キシラナーゼは、パルプの漂白、サイレージの消化性向上、食品添加物として用いるほか、種々の食品分野での用途がある。工業的用途や保存安定性の観点からは、高温耐久性は重要な要素である。本キシラナーゼは、食品自体への用途及び食品製造への用途においても有用である。
本キシラナーゼは、用途に応じて、精製された又は未精製のタンパク質として用いられるほか、後述するように、本キシラナーゼを、細胞内発現する、表層呈示する又は分泌発現する形質転換体などの微生物の形態を採ることもできる。本キシラナーゼをタンパク質として用いるとき、本キシラナーゼのほか、他のセルラーゼや添加剤を含む組成物として構成されていてもよい。また、本キシラナーゼを、微生物形態として用いるとき、他のセルラーゼを同時発現する形質点間体として構成されていてもよい。
(ポリヌクレオチド)
本明細書に開示されるポリヌクレオチド(以下、単に、本ポリヌクレオチドともいう。)は、本キシラナーゼのアミノ酸配列をコードすることができる。かかるポリヌクレオチドは、種々の形態を採ることができるが、当該アミノ酸配列のコード領域は、DNA又はRNAであり、典型的にはDNAである。
本ポリヌクレオチドは、DNA断片又はRNA断片のほか、プラスミド、ベクター等の形質転換等に適した公知の形態を採ることができる。
本ポリヌクレオチドは、本キシラナーゼを得るためのDNAとして得ることができるほか、例えば、配列番号1又は6等の配列に基づいて設計したプライマーを用いて、ヘミセルロース分解性生物等から抽出したDNA、各種cDNAライブラリ又はゲノムDNAライブラリ等由来の核酸を鋳型としたPCR増幅を行うことにより、核酸断片として得ることができる。また、上記ライブラリ等由来の核酸を鋳型とし、キシラナーゼ遺伝子の一部であるDNA断片をプローブとしてハイブリダイゼーションを行うことにより、核酸断片として得ることができる。あるいは化学合成法等の当技術分野で公知の各種の核酸配列合成法によって、核酸断片として合成してもよい。
(発現ベクター)
本明細書に開示される発現ベクター(以下、本ベクターともいう。)は、本ポリヌクレオチドを備えることができる。本ベクターは、宿主細胞において本キシラナーゼを発現させることを目的とするものである。発現ベクターは、形質転換しようとする細胞の種類や目的等に応じて種々の形態を採ることができる。本ベクターの一例としては、例えば、本タンパク質を工業的に生産する微生物を得るためのベクター、本タンパク質を細胞表層呈示ないし分泌発現し、必要に応じてエタノールなどの有用物質を発酵により生産する微生物を得るためのベクターなどが挙げられる。当業者であれば、このようなベクターを本願出願時の周知技術に基づいて容易に構築することができる。
以下、本キシラナーゼでバイオマスを分解する微生物をえるためのベクターの要素等について説明する。
本ベクターは、適切なプロモーター、ターミネーターのほか、マーカーやその他の要素を備えることができる。こうしたベクター要素は、形質転換しようとする宿主細胞や、本キシラナーゼの発現形態に応じて適宜選択される。
本ベクターが形質転換しようとする宿主細胞としては、特に限定するものではないが、原核細胞や真核細胞とすることができる。原核細胞としては、例えば、Escherichia coliなどの大腸菌などが挙げられる。また、真核細胞としては、物質生産等を考慮すると、麹菌などのカビや酵母が挙げられる。麹菌としては、アスペルギルス・アキュリータス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus orizae)等のアスペルギルス属が挙げられる。また、酵母としては、公知の各種酵母を利用できるが、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)等のサッカロマイセス属の酵母、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)等のシゾサッカロマイセス属の酵母、キャンディダ・シェハーテ(Candida shehatae)等のキャンディダ属の酵母、ピキア・スティピティス(Pichia stipitis)等のピキア属の酵母、ハンセヌラ(Hansenula)属の酵母、クロッケラ属(Klocckera)の酵母、スワニオマイセス属(Schwanniomyces)の酵母及びヤロイア属(Yarrowia)の酵母、トリコスポロン(Trichosporon)属の酵母、ブレタノマイセス(Brettanomyces)属の酵母、パチソレン(Pachysolen)属の酵母、ヤマダジマ(Yamadazyma)属の酵母、クルイベロマイセス・マーキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、クルイベロマイセス・ラクティス(Kluveromyces lactis)等のクルイベロマイセス属の酵母、イサトケンキア・オリエンタリス(Issatchenkia orientalis)等のイサトケンキア属の酵母が挙げられる。なかでも、工業的利用性等の観点からサッカロマイセス属酵母が好ましい。なかでも、サッカロマイセス・セレビジエが好ましい。
本ベクターに適用するプロモーターは、宿主で作動し、かつ意図した発現態様を実現できるものであればよい。また、プロモーターは、誘導的であっても構成的であってもよい。例えば、酵母における構成的プロモーターとしては、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)プロモーター、グリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)プロモーター、アルコールデヒドロゲナーゼ1(ADH1)プロモーター、ヒスチジン栄養性機能遺伝子(HIS3)プロモーター、チトクロームbc1コンプレックス(CYC1)プロモーター及び高浸透圧応答7遺伝子(HOR7)プロモーター及びこれらの改変体が挙げられる。
本ベクターに適用するターミネーターも、宿主で作動し、かつ意図した発現態様を実現できるものであればよい。さらに、本ベクターは、エンハンサー、複製開始点(ori)、マーカー等も併せて備えることができる。
本ベクターは、宿主細胞の染色体外において保持されていてもよいが、好ましくは染色体上に保持されるように構成される。
なお、こうした発現ベクターの作製、組換え体宿主としての酵母等の取り扱いに必要な一般的な操作は、当業者間で通常行われているものであり、たとえば、T.Maniatis,J. Sambrookらの実験書(Molecular Cloning, A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、1982,1989、2001)等を適宜参照することにより当業者であれば実施することができる。
(形質転換体)
本明細書に開示される形質転換体(以下、単に、本形質転換体ともいう。)は、本キシラナーゼを発現することができる。本形質転換体は、本キシラナーゼを発現することができるため、本キシラナーゼの工業的な生産のほか、本形質転換体をバイオマス等の分解や糖化発酵に用いることができる。
本形質転換体は、既述の本ベクターを宿主に導入することにより得ることができる。宿主への導入方法としては、従来公知の各種方法、例えば、リン酸カルシウム法、トランスフォーメーション法や、トランスフェクション法、接合法、プロトプラスト法、エレクトロポレーション法、リポフェクション法、酢酸リチウム法または他の方法が挙げられる。このような手法は、上記した実験書等に記載される。ベクターを導入した微生物につき、マーカー遺伝子を用いた選抜及び活性発現による選抜により本形質転換体を得ることができる。
本形質転換体は、キシロースイソメラーゼ(XI)を発現していることが好ましい。すなわち、キシロースをキシルロースに変換する能力が付与されていることが好ましい。XI活性が付与されていることにより、ペントースリン酸経路を介してキシロースを炭素源として増殖でき、発酵することができる。
本形質転換体が真核細胞であるとき、本キシラナーゼをコードするDNAを、染色体外に保持してもよいしが、好ましくは染色体上に保持されている。また、高いキシロース分解能を発揮させるために例えば、複数コピー保持していることが好ましい。
本形質転換体は、そのほか、セルラーゼや他のヘミセルラーゼを細胞表層あるいは細胞外に分泌発現するものであってもよい。例えば、エンドグルカナーゼ、セロビオヒドロラーゼ、β−グルコシダーゼなどの各種セルラーゼのほか、他のヘミセルラーゼ等のその他のバイオマス分解酵素も挙げられる。こうしたタンパク質を発現させることで、リグノセルロースに由来するリグニン以外の糖類を効果的に利用できるようになる。また、本明細書に開示される形質転換体は、このほか、必要に応じて外来遺伝子の導入、内在性遺伝子の破壊などの遺伝子工学的な改変がなされたものであってもよい。
こうした酵素をコードする遺伝子は、酵母等の真核細胞において内因性であってもよいし、外因性であってもよい。また、公知のこれらの酵素をコードする遺伝子を適宜利用できる。遺伝子としては、解糖系を増強できるものである限り、由来を問わないで利用できる。すなわち、遺伝子は、宿主となる酵母以外の他の種の酵母、他の属の酵母に由来するものであってもよいし、動物、植物、真菌(カビ等)、細菌などいずれ酵母以外の生物に由来するものであってもよい。こうした遺伝子に関する情報は、当業者であれば、NCBI(National Center for Biotechnology Information;http://www.ncbi.nlm.nih.gov)等のHPにアクセスすることにより適宜入手できる。なお、遺伝子としては、ゲノムDNAのほか、cDNA等であってもよい。
(キシランの分解方法及びキシロースの生産方法)
本明細書に開示されるキシランの分解方法(以下、単に、本分解方法ともいう。)は、本キシラナーゼを用いてキシランを分解する工程を備えることができる。本分解方法によれば、キシランを分解するのにあたり高い分解温度、例えば、50℃程度、を設定することができる。また、本分解方法によれば、当該高い分解温度を設定した場合でも、新たにキシラナーゼを追加しなくてもよく、一挙にキシランを分解することができて、有利である。本分解方法は、キシランの分解産物であるキシロースの生産方法としても実施することができる。
本分解方法によれば、炭素源としてキシランを含んでいれば、それを有効利用できる。キシランを含む炭素源としては、一般に、植物又はその一部であり、一般的なバイオマス資源のほか、コーヒ滓やテンサイなどの圧搾滓等の食品廃棄物などが挙げられる。
キシランを、キシラナーゼで分解することで、分解産物としてキシロースを得ることができる。キシランは、アラビノキシラン、グルクロノキシランなどの多糖の総称であり、キシロースを構成単糖としている。キシランは、天然には、ヘミセルロースの一成分を構成しており、リグノセルロースなどのバイオマス等に存在している。
本分解方法は、精製又は未精製のタンパク質として本キシラナーゼを用いてキシランを分解する工程とすることもできるし、本キシラナーゼを細胞外にて発現する本形質転換体を用いてキシランを分解する工程としてもよい。タンパク質として本キシラナーゼを用いることは、食品工業分野において有用である場合があり、本形質転換体を用いることが、バイオマス資源の利用や糖化発酵の観点から有用である場合がある。
タンパク質として本キシラナーゼを用いる場合、本キシラナーゼでキシランを直接分解する。この場合の条件は、本キシラナーゼのΔ耐熱温度や活性半減期を考慮して、分解温度や時間等を適宜設定することができる。典型的には、45℃以上65℃以下で数時間から数十時間程度とすることができる。
また、本形質転換体が発現するキシラナーゼを用いてキシランを分解する工程では、キシランを細胞外発現する微生物をキシランに添加し、当該微生物の発酵に適した培養条件で培養する培養工程を実施することで、キシランを分解できる。培養条件は、微生物の種類に応じて適宜設定することができるが、典型的には、静置培養、振とう培養または通気攪拌培養等を用いることができ、通気条件は、嫌気条件下、微好気条件下及び好気条件等、適宜選択することができ、培養温度も、特に限定しないが、25℃〜55℃等の範囲とすることができる。また、培養時間も必要に応じて設定されるが、数時間〜150時間程度とすることができる。また、pHの調整は、無機あるいは有機酸、アルカリ溶液等を用いて行うことができる。培養中は、必要に応じてアンピシリン、テトラサイクリンなどの抗生物質を培地に添加することができる。
なお、培養工程では、炭素源として、グルコースを含むことができる。グルコースは、微生物が代謝できる炭素源であるからである。また、形質転換体がセルロース分解能を有する場合には、炭素源として、培地中にセルロース又はその部分分解物を含んでいてもよいし、炭素源として、ヘミセルロースを含むリグノセルロースなどのバイオマスを用いてもよい。かかる本形質転換体は、キシランを本キシラナーゼが分解することでリグノセルロース構造体を緩ませて効率的にセルロースを分解できるほか、セルロースを分解したグルコースを炭素源として代謝増殖できる。このため、本キシラナーゼの発現量を増大させやすく、効率的なキシランの分解が可能となる。さらに、炭素源としてヘミセルロースを含むリグノセルロースなどのバイオマスをかかる本形質転換体で分解することで、本形質転換体による糖化同時発酵も実施でき、本形質転換体による有用物質の生産も可能となる。
培養工程では、形質転換体の宿主に一般的に適用される培養条件を適宜選択して用いることができる。典型的には、発酵のための培養は、静置培養、振とう培養または通気攪拌培養等を用いることができる。通気条件は、嫌気条件下、微好気条件下及び好気条件等、適宜選択することができる。培養温度も、特に限定しないが、25℃〜55℃等の範囲とすることができる。また、培養時間も必要に応じて設定されるが、数時間〜150時間程度とすることができる。また、pHの調整は、無機あるいは有機酸、アルカリ溶液等を用いて行うことができる。培養中は、必要に応じてアンピシリン、テトラサイクリンなどの抗生物質を培地に添加することができる。
(有用物質の生産方法)
本明細書に開示される有用物質の生産方法(以下、単に、本生産方法ともいう。)は、本キシラナーゼを用いてキシランを分解する工程と、前記工程で得られたキシロースを有用物質に変換する工程と、を備えることができる。本生産方法によれば、キシランを効率的に分解し、それにより得られたキシロースを有用物質に変換することで、キシロース由来の各種有用物質を得ることができる。
本生産方法で生産しようとする有用物質は、特に限定するものではないが、例えば、キシロースを酵素で代謝して得られるキシルロースなどの五炭糖のほか、これらを五炭糖のみまた同時に六炭糖を利用して微生物が生産するエタノール、乳酸、酢酸、1,3−プロパン−ジオール、プロパノール、ブタノール、コハク酸、エチレン及びグリセロールが挙げられる。グルコースなどの六単糖やキシルロースなどの五炭糖を酸触媒の存在下で脱水して得られる、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラール、これらの化合物に由来するフルフリルアルコール、テトラヒドロフラン、フランジカルボン酸並びにキシロースの還元によって得られるキシリトール等が挙げられる。
本生産方法における分解工程は、キシランの分解工程と同様の態様で実施できる。また、本生産方法における変換工程は、分解工程で得たキシロースを、さらなる酵素処理、工業的処理、微生物による発酵処理などを実施して有用物質に変換する工程であるキシロースから各種有用物質を得るための方法は、本願出願時において当業者において周知であり、当業者であれば、目的の有用物質の種類に応じて、本生産方法を利用し、また、適宜工程を追加することができる。
本生産方法では、特に限定するものではないが、キシランの分解工程において、本形質転換体を用いることが好適である。本形質転換体のキシロース資化能力により及び/又は他に炭素源を用いることにより、分解工程及び変換工程を同時に実施でき、本形質転換体が有する代謝能力によって生産可能なものを有用物質として生産できる。この場合、本形質転換体が酵母の場合、グルコースからの代謝系の1種又は2種以上の酵素を遺伝子組換えにより置換、追加等して本来の代謝物でない化合物を有用物質として生産できる。この場合、具体的には、エタノールなどの低級アルコール、乳酸、酢酸などの有機酸の他、1,3−プロパン−ジオール、プロパノール、ブタノール、コハク酸、エチレン及びグリセロールのほか、イソプレノド合成経路の追加によるテルペノイド系のファルネソール、ゲラニルゲラニオール、スクアレン、さらには、ファインケミカル(コエンザイムQ10、ビタミン及びその原料等)、解糖系の改変によるグリセリン、プラスチック・化成品原料などが挙げられる。酵母は、アルコール発酵能が高いため、本形質転換体は、キシランのほか、セルロースを含むバイオマスを炭素源とした培地に用いてエタノールを効率的に生産することができる。また、アルコール発酵能力が高い酵母は、その解糖系を改変して他の有機酸等の有用物質を生産する場合にも、当該有用物質の生産能力も高い。
こうした培養工程などの変換工程の実施により、用いた本発明の形質転換体が有している有用物質生産能力に応じて有用物質が生産される。例えば、本発明の形質転換体がエタノール生産能力を有している場合には、エタノールであり、乳酸を生産可能に改変されている場合には、乳酸等となる。発酵終了後、培養液から有用物質含有画分を回収する工程、さらにこれを精製又は濃縮する工程を実施することもできる。回収工程や精製等の工程は有用物質の種類等に応じて適宜選択される。
(スクリーニング方法)
本明細書に開示されるキシラナーゼのスクリーニング方法(以下、本スクリーニング方法ともいう。)は、配列番号1で表されるアミノ酸配列に対してアライメントしたとき、その6位、37位、46位、47位、55位、56位、71位、80位、94位、99位、119位、120位、125位、137位、140位、154位、161位及び164位からなる群から選択される1個又は2個以上の位置に相当する位置に変異を有する、キシラナーゼ候補を準備する工程と、前記キシラナーゼ候補について、(a)所定温度にて2時間保存したとき、25℃で2時間保存したときのキシラナーゼ活性の半分の活性となるときの当該所定温度、及び(b)50℃で保存したときのキシラナーゼ活性の半減期の少なくともいずれかについて評価する工程と、を備えることができる。上記変異位置は、単一変異体において良好なΔ耐熱温度を備えることがわかっている。したがって、これらの変異位置における変異を組み合わせることで、高温耐久性に優れる本キシラナーゼを効率的にスクリーニングすることができる。
本スクリーニング方法は、上記した(a)及び(b)のいずれかの評価を実施すればよい。必要に応じて適宜選択してもよいし、双方を行ってもよい。上記(a)の評価は、一次スクリーニングに有効である。
本スクリーニング方法において、評価工程は、50℃で保存したときのキシラナーゼ活性の半減期が30時間以上であるキシラナーゼをスクリーニングする工程とすることができる。かかる半減期を有するキシラナーゼであれば、キシランの分解工程に有用である。
スクリーニング候補に適用する変異位置、変異位置における変異の態様、変異の個数等は、既に説明した本キシラナーゼにおける各種態様を適用することができる。また、スクリーニング候補の取得も、本キシラナーゼの取得と同様の態様で実施できる。なお、本スクリーニング方法においては、無細胞タンパク質合成系によってスクリーニング候補を取得すると効率的なスクリーニングが可能となる。
本スクリーニング方法では、上記した変異位置のほか、追加の変異を備えたスクリーニング候補を用いてもよい。
以下、本明細書の開示をより具体的に説明するために具体例としての実施例を記載する。以下の実施例は、本明細書の開示を説明するためのものであって、その範囲を原知恵するものではない。
(各種変異体の合成)
キシラナーゼ(以下、XYN)はTrichoderma reesei由来UniProtKBの登録番号P36217(XYN2_HYPJR)、Glycoside Hydrolase Family(http://www.cazy.org/Glycoside-Hydrolases.html)の11に分類されるものを用いた。成熟キシラナーゼの全長アミノ酸配列の190残基のうち野生型の配列がアラニンである7残基を除いた183残基を、2ステップPCRによる変異導入法を用いて、それぞれアラニンに置換した変異遺伝子ライブラリを構築した。1st PCRでは、野生型のXYN遺伝子の5’末端に付加したT7プロモーターとrbsのフォワードプライマー(T7p)と変異導入部位のリバースプライマー(rp)、変異導入部位のフォワードプライマー(fp)とXYN遺伝子の3’末端に付加したT7ターミネータ(転写終了領域)のリバースプライマー(T7t)を用いて、2断片を増幅した。2ndPCRでは、T7pとT7tプライマーを用いて全長配列を増幅した。
天然型および各変異体の2nd PCR産物を鋳型にして、大腸菌由来無細胞タンパク質合成系によりXYNを合成し、変異タンパク質ライブラリを96穴PCRプレート上に構築した。無細胞タンパク質合成は、PCR産物2.5μlに、転写翻訳反応液(S30大腸菌抽出液、56.4mMTris−acetate,pH7.4、1.2mM ATP、1mMGTP、1mMCTP、1mMUTP、40mMクレアチンフォスフェート、0.7mM20アミノ酸ミックス、4.1%(w/w)ポリエチレングリコール6000、35μg/mlフォリン酸、0.2mg/ml大腸菌tRNA、36mM酢酸アンモニウム、0.15mg/mlクレアチンキナーゼ、10mM 酢酸マグネシウム、100mM酢酸カリウム、10μg/mlリファンピシン、7.7μg/mlT7RNAポリメラーゼ)12.5μlを添加し、26℃で3時間保温して行った。
無細胞タンパク質合成産物1μlを、25mMクエン酸Buffer(pH5)29μlに加え、25℃のほか、48〜52℃の間において1℃の間隔をおいた温度でそれぞれ2時間保温した。その後、基質であるAXB溶液30μlを添加した後に、40℃で15分間保温し、XYNと基質を反応させた。AXB溶液は、AZO−XYLAN(BIRCHWOOD由来、Megazyme製)1gを滅菌水100mlに溶解したものを用いた。酵素反応液にエタノール140μlを加えて撹拌し、室温で5分間放置し反応を停止した。プレート遠心機で3000rpm、10分間遠心し、上清100μlを、96穴アッセイプレートに入れ、プレートリーダー(モレキュラーデバイス製SPECTRAMAXPLUS384)を用いて、青色の吸収を590nmで測定した。
上記のように、25℃で2時間、48℃〜52℃で2時間保温した各変異体において、25℃で2時間保温後の活性を1とする残存活性が1/2となる温度を、耐熱温度と定義した。すなわち、残存活性が0.5となる近傍の2点の温度における残存活性をy軸とし当該温度をx軸としてプロットして線形近似式を求め、当該式にY=0.5を挿入したときのxを耐熱温度(℃)とした。なお、耐熱温度が48〜52℃の範囲に含まれない場合には、想定される耐熱温度近傍で同様に活性を測定し、プロットして線形近似式を求めて耐熱温度を得た。耐熱性は、各変異体の耐熱温度から野生型の耐熱温度を差し引いた温度差(Δ耐熱温度)をとることで評価した。
上記結果の上位の変異部位を中心に次の変異導入候補として45か所を選出した。変異導入候補のアミノ酸残基を、野生型のアミノ酸とアラニンを除いた残りの18種類のアミノ酸に置換した飽和変異遺伝子ライブラリを構築した。上記と同様に2ステップPCRにより変異導入し、無細胞合成系により酵素を合成した。
(シングル変異の耐熱性)
アラニンに置換したライブラリ及び45カ所の飽和変異ライブラリの合計1010変異体の耐熱性を評価した。結果を図1に示す。また、そのうちのΔ耐熱温度が正である40カ所のシングル変異体を抽出した結果を図2に示す。
図1に示すように、1010個の変異体のうち、Δ耐熱温度が正となった変異体は、ごくわずかであった。ほとんどの変異体は、Δ耐熱温度が負となり、親キシラナーゼよりも耐熱性が低下していた。また、図2に示すように、Δ耐熱温度が約1℃以上ある変異体は、11個であった。また、配列番号1における6位、47位、55位、80位、94位、99位、119位、120位、125位、137位、161位については、2種類以上のアミノ酸で効果が出ており、耐熱性に大きく寄与する部位であると考えられた。なお、上記40カ所の変異位置は、19種類すべてのアミノ酸に置換し評価した結果、耐熱性を示したものである。
(相加変異体の耐熱性評価)
実施例2で確認できた各変異位置において効果が高い変異については、21種類の相加変異体を実施例1に準じて作製し、実施例1と同様にしてΔ耐熱温度を評価した。相加変異体が有する変異を以下の表に示し、Δ耐熱温度を評価した結果を図3に示す。
図3に示すように、変異を相加することにより耐熱温度は一挙に向上し、2〜3個の変異を相加することで、Δ耐熱温度は4℃を超え、さらに、5〜8個の変異を相加することで、Δ耐熱温度は、約8℃以上となり、7種類の変異体でΔ耐熱温度が10℃以上となった。
これらの相加変異体につき、シングル変異でのΔ耐熱温度を加算した相加予測値と、相加変異体の実際の実験によるΔ耐熱温度を比較した結果を図4に示す。図4に示すように、相加予測値と実測値との間には相関があり、変異を相加するにつれて耐熱性が向上することがわかった。
(相加変異体の活性半減期の評価)
実施例3で作製した相加変異体を用いて、50℃下での半減期を評価した。なお、キシラナーゼ活性の評価については、温度を50℃とする以外は、実施例1と同様に行った。
上記表に示すように、野生型では50℃で2時間放置後の残存活性は約80%に低下し、50℃で保温時の残存活性の半減期は、野生型では3.1時間であった。5種類以上の変異を相加した変異体では、半減期は120時間以上であり、最も半減期の長いmutR89bでは263時間であった。mutR89bの野生型の半減期を1とした相対比は84倍であった。
(酵母による相加変異体の分泌発現と耐熱性評価)
野生型および相加変異体R89のキシラナーゼコード領域をPCRで増幅し、シングルコピーの酵母分泌発現ベクターであるpAURGAPSSRGにサブクローニングした。pAURGAPSSRG はTDH3プロモーター下流に、分泌シグナルを持ち菌体外に酵素を分泌する事が可能である。本ベクターを酵母(Saccharomyces cerevisiae BJ5465株)に形質転換し、SD−URA寒天培地(yeast nitrogen base without amino acids without ammonium sulfate1.7g、カザミノ酸5g、アミノ酸mix、グルコース20g、寒天20g、脱イオン水1000ml、pH6.0)で30℃、3日間培養した。生育したコロニーをSD−URA液体培地(yeast nitrogen base without amino acids without ammonium sulfate 1.7g、カザミノ酸5g、−URAアミノ酸mix0.77g、グルコース20g、脱イオン水1000ml、pH6.0)2mlに植菌し、30℃、24時間培養した菌液を前培養液とした。100μlの前培養液を2mlのSD−URA液体培地へ植菌し、30℃、24時間本培養を行った。遠心分離により得られた培養上清を粗酵素液として用いた。
粗酵素液30μlに基質であるAXB溶液30μlを添加し、実施例1と同様にして活性を測定し、粗酵素液のΔ耐熱温度を、無細胞タンパク質合成産物の耐熱温度評価時と同様の方法で調べた。その結果、酵母に分泌生産させた相加変異体R89のΔ耐熱温度は9.7℃であり、大腸菌由来無細胞合成系産物を用いた場合の10.1℃とほぼ同等であった。このことから、形質転換体が原核生物であっても真核生物であるかにかかわらず、安定して、Δ耐熱温度に優れるキシラナーゼを取得できることがわかった。
(GH11のキシラナーゼのアライメント)
Pham ID; Glyco_hydro_11 (PF00457)に登録されているGHF11のキシラナーゼの81配列を以下の方法でアライメントした。アライメント結果を図5A〜図5Dに示す。なお、図5中、P36217は、Trichoderma reesei由来のキシラナーゼであって、UniProtKBの登録番号P36217を表し、その他の番号もUniProtKBを表す。
http://pfam.xfam.org/family/PF00457#tabview=tab3
Alignment types:seed(the curated alignment from which the HMM for the family is built
Selex format
その結果、登録番号P36217(XYN2_HYPJR)のアミノ酸配列の6位、37位、46位、47位、55位、56位、71位、80位、94位、99位、119位、120位、125位、137位、140位、154位、161位及び164位は、81種のキシラナーゼにおいても、類似のアミノ酸残基を有しており、また、174種のキシラナーゼは、基準としたキシラナーゼの触媒ドメインである第10位〜第188位(配列番号2)に対して37%〜94%の同一性と77%〜100%の類似性を有していた。

Claims (18)

  1. キシラナーゼであって、
    配列番号1で表されるアミノ酸配列に対してアライメントしたとき、その6位、46位、47位、55位、80位、94位、99位、125位及び164位からなる群から選択される1個又は2個以上の位置に相当する位置に変異を有する、キシラナーゼ。
  2. 前記変異は、
    6位相当位置では、E、I、V、S、C、M及びQのいずれかであり、
    46位相当位置では、Iであり、
    47位相当位置では、C及びAのいずれかであり、
    55位相当位置では、S、D及びEのいずれかであり、
    80位相当位置では、M、A及びIのいずれかであり、
    94位相当位置では、H、C、Y及びAのいずれかであり、
    99位相当位置では、G及びAのいずかであり、
    125位相当位置では、A及びSのいずれかであり、
    164位相当位置では、Mである、請求項1に記載のキシラナーゼ。
  3. 前記変異は、
    6位相当位置では、E、I、V及びSのいずれかであり、
    46位相当位置では、Iであり、
    47位相当位置では、C及びAのいずれかであり、
    55位相当位置では、Sであり、
    80位相当位置では、M、A及びIのいずれかであり、
    94位相当位置では、H、C及びYのいずれかであり、
    99位相当位置では、G及びAのいずかであり、
    125位相当位置では、Aであり、
    164位相当位置では、Mである、請求項2に記載のキシラナーゼ。
  4. さらに、配列番号1で表されるアミノ酸配列に対してアライメントしたとき、その37位、56位、71位、119位、120位、137位、140位、154位及び161位からなる群から選択される1個又は2個以上の位置に相当する位置に変異を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のキシラナーゼ。
  5. 前記変異は、
    37位相当位置では、Iであり、
    56位相当位置では、Tであり、
    71位相当位置では、Aであり、
    119位相当位置では、V及びCのいずれかであり、
    120位相当位置では、K及びAのいずれかであり、
    137位相当位置では、W、A、L及びVのいずれかであり、
    140位相当位置では、Iであり、
    154位相相当位置では、Aであり、
    161位相当位置では、A及びEのいずれかである、請求項4に記載のキシラナーゼ。
  6. 4位置以上に変異を備える、請求項1〜5のいずれかに記載のキシラナーゼ。
  7. 前記キシラナーゼは、50℃におけるキシラナーゼ活性の半減期が30時間以上である、請求項1〜6のいずれかにキシラナーゼ。
  8. 前記キシラナーゼは、50℃におけるキシラナーゼ活性の半減期が100時間以上である、請求項1〜7のいずれかに記載のキシラナーゼ。
  9. 前記キシラナーゼは、配列番号2で表されるアミノ酸配列と80%以上の同一性を有する、請求項1〜8のいずれかに記載のキシラナーゼ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のキシラナーゼのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド。
  11. 請求項10に記載のポリヌクレオチドを、備える発現ベクター。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載のキシラナーゼを発現する、形質転換体。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載のキシラナーゼを用いてキシランを分解する工程を備える、キシランの分解方法。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載のキシラナーゼを用いてキシランを分解する工程と、
    前記キシランを有用物質に変換する工程と、
    を備える、有用物質の生産方法。
  15. 請求項1〜9のいずれかに記載のキシラナーゼを含む、組成物。
  16. 請求項1〜9のいずれかに記載のキシラナーゼを生産する形質転換体を含む、組成物。
  17. キシラナーゼのスクリーニング方法であって、
    配列番号1で表されるアミノ酸配列に対してアライメントしたとき、その6位、37位、46位、47位、55位、56位、71位、80位、94位、99位、119位、120位、125位、137位、140位、154位、161位及び164位からなる群から選択される1個又は2個以上の位置に相当する位置に変異を有する、キシラナーゼ候補を準備する工程と、
    前記キシラナーゼ候補について、
    (a)所定温度にて2時間保存したとき、25℃で2時間保存したときのキシラナーゼ活性の半分の活性となるときの当該所定温度、及び
    (b)50℃で保存したときのキシラナーゼ活性の半減期
    の少なくともいずれかについて評価する工程、
    を備える、方法。
  18. 前記評価工程は、50℃で保存したときのキシラナーゼ活性の半減期が30時間以上であるキシラナーゼをスクリーニングする工程である、請求項17に記載の方法。
JP2018029963A 2018-02-22 2018-02-22 キシラナーゼ及びその利用 Active JP7135334B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018029963A JP7135334B2 (ja) 2018-02-22 2018-02-22 キシラナーゼ及びその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018029963A JP7135334B2 (ja) 2018-02-22 2018-02-22 キシラナーゼ及びその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019140999A true JP2019140999A (ja) 2019-08-29
JP7135334B2 JP7135334B2 (ja) 2022-09-13

Family

ID=67770658

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018029963A Active JP7135334B2 (ja) 2018-02-22 2018-02-22 キシラナーゼ及びその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7135334B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109750015A (zh) * 2019-03-27 2019-05-14 云南师范大学 一种热稳性提高的木聚糖酶突变体及其应用
CN109750016A (zh) * 2019-03-27 2019-05-14 云南师范大学 热稳性提高的木聚糖酶突变体及其制备方法和应用
CN110592051A (zh) * 2019-10-14 2019-12-20 北京工商大学 木聚糖酶T-Xyn的突变体及其应用

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10179155A (ja) * 1996-09-09 1998-07-07 Nat Res Council Of Canada 好熱性、好アルカリ性及び熱安定性を改善するためのキシラナーゼの修飾
WO2002052100A2 (en) * 2000-12-22 2002-07-04 Iogen Bio-Products Corporation Alkaline extraction stages comprising xylanase
WO2005108565A2 (en) * 2003-09-15 2005-11-17 Genencor International, Inc. Modified xylanase, methods of making and use thereof
US20090075330A1 (en) * 2001-11-21 2009-03-19 Sung Wing L Xylanases with enhanced thermophilicity and alkalophilicity
WO2015183710A1 (en) * 2014-05-30 2015-12-03 Novozymes A/S Variants of gh family 11 xylanase and polynucleotides encoding same

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10179155A (ja) * 1996-09-09 1998-07-07 Nat Res Council Of Canada 好熱性、好アルカリ性及び熱安定性を改善するためのキシラナーゼの修飾
WO2002052100A2 (en) * 2000-12-22 2002-07-04 Iogen Bio-Products Corporation Alkaline extraction stages comprising xylanase
US20090075330A1 (en) * 2001-11-21 2009-03-19 Sung Wing L Xylanases with enhanced thermophilicity and alkalophilicity
WO2005108565A2 (en) * 2003-09-15 2005-11-17 Genencor International, Inc. Modified xylanase, methods of making and use thereof
WO2015183710A1 (en) * 2014-05-30 2015-12-03 Novozymes A/S Variants of gh family 11 xylanase and polynucleotides encoding same

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109750015A (zh) * 2019-03-27 2019-05-14 云南师范大学 一种热稳性提高的木聚糖酶突变体及其应用
CN109750016A (zh) * 2019-03-27 2019-05-14 云南师范大学 热稳性提高的木聚糖酶突变体及其制备方法和应用
CN109750016B (zh) * 2019-03-27 2023-04-28 云南师范大学 热稳性提高的木聚糖酶突变体及其制备方法和应用
CN109750015B (zh) * 2019-03-27 2023-05-23 云南师范大学 一种热稳性提高的木聚糖酶突变体及其应用
CN110592051A (zh) * 2019-10-14 2019-12-20 北京工商大学 木聚糖酶T-Xyn的突变体及其应用
CN110592051B (zh) * 2019-10-14 2021-05-28 北京工商大学 木聚糖酶T-Xyn的突变体及其应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP7135334B2 (ja) 2022-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5843229B2 (ja) キシロースイソメラーゼ及びその利用
Zhou et al. Improved secretory expression of lignocellulolytic enzymes in Kluyveromyces marxianus by promoter and signal sequence engineering
Guirimand et al. Cell surface engineering of Saccharomyces cerevisiae combined with membrane separation technology for xylitol production from rice straw hydrolysate
US10533169B2 (en) Protein having xylose isomerase activity and use of same
Hong et al. Development of a cellulolytic Saccharomyces cerevisiae strain with enhanced cellobiohydrolase activity
JP7135334B2 (ja) キシラナーゼ及びその利用
EP2970861A2 (en) Expression of beta-glucosidases for hydrolysis of lignocellulose and associated oligomers
Cagnin et al. Comparing laboratory and industrial yeast platforms for the direct conversion of cellobiose into ethanol under simulated industrial conditions
Kruger et al. Surface tethered xylosidase activity improved xylan conversion in engineered strains of Saccharomyces cerevisiae
CN115976005A (zh) 一种基于祖先序列构建方法获得的木糖异构酶及其应用
US11702679B2 (en) Mutant gene associated with improvement in ethanol productivity via ethanol fermentation and method for producing ethanol using the same
Guo et al. Reducing β-glucosidase supplementation during cellulase recovery using engineered strain for successive lignocellulose bioconversion
DK2844731T3 (en) MUSHROOM CELLS WHICH MAKE REDUCED QUANTITIES OF PEPTAIBOLS
JP6697780B2 (ja) ストレス応答プロモーター
KR101412468B1 (ko) 활성이 증진된 변이 베타-글루코시다제 및 이를 이용한 바이오 에탄올의 제조방법
JP7298673B2 (ja) エタノール発酵によるエタノール生産性の向上に関与する変異遺伝子及びこれを用いたエタノールの製造方法
JP7298674B2 (ja) エタノール発酵によるエタノール生産性の向上に関与する変異遺伝子及びこれを用いたエタノールの製造方法
Polley Genetically Engineered Designer Cell Factories for Cellulosic Ethanol Production
JP2011050362A (ja) Issatchenkiaorientalis及びその近縁種における発現プロモーター及びその利用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210921

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20211119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220419

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220815

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7135334

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150