以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明の一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で、本発明の実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
図1は、本実施形態における記録システム100の概略図である。図1に示される記録システム100は、複合機10A、10B(以下、これらを総称して、「複合機10」と表記することがある。)と、携帯端末50とで構成されている。複合機10及び携帯端末50は、電気的に接続されている。複合機10及び携帯端末50は、例えば、有線LAN(Local Area Networkの略)、無線LAN等の通信ネットワーク101を通じて接続されていてもよいし、USB(Universal Serial Busの略)ケーブル等によって接続されていてもよい。なお、複数の装置が通信できる状態は、複数の装置が「電気的に接続されている」状態の一例である。
[複合機10]
複合機10は、図2(A)に示されるように、プリンタ部11と、スキャナ部12と、FAX部13と、表示部23と、操作部24と、通信部25と、装着部26と、CPU31と、記憶部32と、通信バス33とを主に備える。複合機10を構成する各構成要素は、通信バス33を通じて相互に接続されている。複合機10は、出力装置の一例である。
[プリンタ部11、スキャナ部12、FAX部13]
プリンタ部11は、画像データで示される画像を記録用紙に記録するプリント動作を実行する。記録用紙は、シート或いは記録媒体の一例である。プリンタ部11の記録方式として、インクジェット方式や電子写真方式などの公知の方式を採用することができる。スキャナ部12は、原稿に記録されている画像を読み取って画像データを生成するスキャン動作を実行する。FAX部13は、FAXプロトコルに準拠した方式で画像データを送受信するFAX送信動作及びFAX受信動作を実行する。
前述の複数の動作のうちのプリント動作及びFAX送信動作は、コンテンツデータで示されるコンテンツを出力する出力動作の一例である。なお、複合機10が実行する動作はこれらに限定されない。出力動作の一例として、複合機10は、携帯端末50から取得したコンテンツデータを、装着部26に装着された可搬記憶媒体に記憶させるメディア保存動作を実行してもよい。出力動作の他の例として、複合機10は、携帯端末50から取得した画像データで示される画像を表示部23に表示させてもよい。
複合機10A、10Bが実行可能な動作は異なっていてもよい。本実施形態において、複合機10Aはプリント動作、FAX送信動作を実行可能であり、複合機10Bはプリント動作、FAX送信動作、メディア保存動作を実行可能である。また、出力装置は、複数の動作を実行可能なものに限定されず、単一の動作のみを実行可能であってもよい。複合機10のMIB(Management Information Baseの略)には、例えば、当該複合機10を識別する装置IDと、当該複合機10が実行可能な動作を示す動作情報とが定義されていてもよい。動作情報は、例えば、実行可能な動作を識別する動作IDを含んでもよい。動作IDは動作識別情報の一例である。
[表示部23]
表示部23は、各種情報を表示する表示画面を備える。表示部23としては、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Displayの略)、有機ELディスプレイ(Organic Electro−Luminescence Displayの略)等を採用することができる。
[操作部24]
操作部24は、表示部23の表示画面に表示されたオブジェクトを選択するユーザの操作を受け付ける。具体的には、操作部24はボタンを有しており、押下されたボタンに対応づけられた各種の操作信号をCPU31へ出力する。さらに、操作部24は、表示部23の表示画面に重畳された膜状のタッチセンサを有していてもよい。すなわち、表示部23がタッチパネルディスプレイとして構成されてもよい。
なお、「オブジェクト」とは、ユーザが操作部24を操作することによって選択可能な画像を指す。一例として、オブジェクトは表示部23に表示された文字列であって、操作部24の方向キーを押下することによってオブジェクトの1つがハイライト表示され、操作部24の決定ボタンを押下することによってハイライト表示されたオブジェクトが選択されてもよい。他の例として、操作部24がタッチパネルである場合のオブジェクトは表示部23に表示されたアイコン、ボタン、リンク等であって、タッチ位置に表示されたオブジェクトが選択されてもよい。
タッチパネルとして実現される操作部24は、表示部23の表示画面をタッチするユーザ操作を受け付ける。また、操作部24は、ユーザがタッチした表示画面上の位置を示す位置情報を出力する。位置情報は、例えば、表示画面の左上端を原点とし、右向きをx軸の正の向き、下向きをy軸の正の向きとしたx−y平面上の座標(x,y)として表現できる。タッチセンサには、静電容量方式、抵抗膜方式等の周知の方式を採用することができる。
なお、本明細書中における「タッチ」とは、入力媒体を表示画面に接触させる操作全般を含む。すなわち、タッチした入力媒体を所定時間内に表示画面から離間させるタップ操作、タッチした入力媒体を表示画面上で静止させるロングタッチ操作、タッチした入力媒体を表示画面上でスライドさせるスライド操作、表示画面上をスライドする入力媒体の加速度が閾値以上であるフリック操作、表示画面上の異なる位置にタッチした2つの入力媒体を互いに近づける向きにスライドさせるピンチイン操作、表示画面上の異なる位置にタッチした2つの入力媒体を互いに離れる向きにスライドさせるピンチアウト操作等は、タッチの一例である。
また、入力媒体が表示画面に触れていなくても、表示画面との間の距離がごく僅かな位置まで入力媒体を近接させることを、前述の「タッチ」の概念に含めてもよい。さらに入力媒体とは、ユーザの指であってもよいし、タッチペン等であってもよい。以下、表示部53に表示されたアイコンの位置のタップを、当該アイコンを選択するユーザ操作の一例として説明する。
[通信部25]
通信部25は、通信ネットワーク101を通じて外部装置と通信を行うためのインタフェースである。すなわち、複合機10は、通信部25を通じて携帯端末50に各種情報を出力し、通信部25を通じて携帯端末50から各種データ又は各種情報を受信する。通信部25の具体的な通信手順は特に限定されないが、例えば、Wi−Fi(Wi−Fi Allianceの登録商標)を採用することができる。なお、複合機10は、通信部25に代えて、USBケーブル等の装着インタフェースを有していてもよい。
[装着部26]
装着部26は、可搬記憶媒体が着脱されるインタフェースである。CPU31は、装着部26に装着された可搬記憶媒体からデータ又は情報を読み出し、或いは装着部26に装着された可搬記憶媒体にデータ又は情報を書き込むことができる。可搬記憶媒体の具体例は特に限定されないが、例えば、USBメモリ、SDカード、CD−ROM、DVD−ROM等であってもよい。
[CPU31]
CPU(Central Processing Unitの略)31は、複合機10の全体動作を制御するものである。CPU31は、操作部24から出力される各種情報、及び通信部25を通じて外部装置から取得した各種情報等に基づいて、後述する各種プログラムを記憶部32から取得して実行する。すなわち、CPU31及び記憶部32は、制御部の一例を構成する。
[記憶部32]
記憶部32は、プログラム記憶領域32Aと、データ記憶領域32Bとを有する。プログラム記憶領域32Aには、OS(Operating Systemの略)34と、制御プログラム35とが格納される。なお、制御プログラム35は、単一のプログラムであってもよいし、複数のプログラムの集合体であってもよい。データ記憶領域32Bには、制御プログラム35の実行に必要なデータ或いは情報が記憶される。
なお、本明細書中の「データ」と「情報」とは、コンピュータによって取り扱い可能なビット或いはビット列である点において共通する。「データ」とは、各ビットが示す意味内容をコンピュータが考慮することなく取り扱えるものを指す。これに対して、「情報」とは、各ビットが示す意味内容によってコンピュータの動作が分岐するものを指す。さらに、「指示」は、送信先の装置に対して次の動作を促すための制御信号であって、情報を含んでいることもあるし、それ自体が情報としての性質を有していることもある。
また、「データ」及び「情報」は、形式(例えば、テキスト形式、バイナリ形式、フラグ形式等)がコンピュータ毎に変更されたとしても、同一の意味内容と認識される限り、同一のデータ及び情報として取り扱われる。例えば、「2つ」であることを示す情報が、あるコンピュータではASCIIコードで”0x32“というテキスト形式の情報として保持され、別のコンピュータでは二進数表記で”10“というバイナリ形式の情報として保持されてもよい。
但し、上記の「データ」及び「情報」の区別は厳密なものではなく、例外的な取り扱いも許容される。例えば、データが一時的に情報として扱われてもよいし、情報が一時的にデータとして扱われてもよい。また、ある装置ではデータとして扱われるものが、他の装置では情報として扱われてもよい。さらには、データの中から情報が取り出されてもよいし、情報の中からデータが取り出されてもよい。
記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memoryの略)、ROM(Read Only Memoryの略)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memoryの略)、HDD(Hard Disk Driveの略)、CPU31が備えるバッファ等、或いはそれらの組み合わせによって構成される。
なお、記憶部32は、コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体であってもよい。コンピュータが読み取り可能なストレージ媒体とは、non−transitoryな媒体である。non−transitoryな媒体には、上記の例の他に、CD−ROM、DVD−ROM等の記録媒体も含まれる。また、non−transitoryな媒体は、tangibleな媒体でもある。一方、インターネット上のサーバなどからダウンロードされるプログラムを搬送する電気信号は、コンピュータが読み取り可能な媒体の一種であるコンピュータが読み取り可能な信号媒体であるが、non−transitoryなコンピュータが読み取り可能なストレージ媒体には含まれない。
プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、CPU31によって実行される。しかしながら、本明細書では、CPU31を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムAが処理Aを実行する」という趣旨の記述は、「CPU31がプログラムAに記述された処理Aを実行する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
また、プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、事象を判断し、判断結果に応じて動作する。しかしながら、本明細書では、判断することを省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「制御プログラムが条件Aに応じて、処理Aを実行する」という趣旨の記述は、「制御プログラムは条件Aであるか否かを判断する。制御プログラムは、肯定判断であることに応じて、処理Aを実行する」ことを指してもよい。
また、プログラム記憶領域32Aに記憶されているプログラムは、データ等を特定し、取得し、抽出し、或いは選択する。プログラムがデータ等を特定するとは、例えば、複数のデータ等のうちから条件に合致するデータを特定し、当該データ等そのもの或いは当該データ等を識別する情報を、予め定められた記憶領域に記憶させる処理を指す。データ等を識別する情報とは、例えば、当該データ等を識別する識別情報、当該データ等が記憶された配列のインデックス、当該データ等が記憶された記憶領域のポインタ等である。プログラムがデータ等を取得し、抽出し、或いは選択する処理も同様である。
OS34は、複合機10を構成するハードウェアであるプリンタ部11、スキャナ部12、FAX部13、表示部23、操作部24、通信部25、及び装着部26等を制御するためのAPI(Application Programming Interfaceの略)を提供する基本プログラムである。すなわち、上記の各プログラムは、OS34が提供するAPIを呼び出すことによって、各ハードウェアを制御する。しかしながら、本明細書では、OS34を省略して各プログラムの動作を説明することがある。すなわち、以下の説明において、「プログラムBがハードウェアCを制御する」という趣旨の記述は、「プログラムBがOS34のAPIを通じてハードウェアCを制御する」ことを指してもよい。後述する携帯端末50についても同様である。
[携帯端末50]
携帯端末50は、図2(B)に示されるように、表示部53と、操作部54と、通信部55と、CPU61と、記憶部62と、通信バス63とを主に備える。携帯端末50に含まれる表示部53、操作部54、通信部55、CPU61、記憶部62、及び通信バス63は、複合機10に含まれる表示部23、操作部24、通信部25、CPU31、記憶部32、及び通信バス33と共通するので、再度の説明は省略する。CPU61及び記憶部62は、制御部の一例である。携帯端末50は、例えば、スマートフォン、携帯電話、或いはタブレット端末等である。
記憶部62のプログラム記憶領域62Aには、OS64と、出力プログラム65と、地図プログラム66とが格納されている。また、記憶部62のデータ記憶領域62Bには、図3に示される各種情報が記憶されている。さらに、データ記憶領域62Bには、コンテンツデータが格納されるコンテンツデータフォルダが設けられていてもよい。コンテンツデータは、例えば、画像データ、写真データ、ドキュメントデータ、表計算データ、プレゼンテーションデータ、動画データ、或いは音楽データ等であってもよい。
携帯端末50の表示部53は、図7〜図12に示されるように、共通表示領域80と、プログラム表示領域81とに区分される。共通表示領域80には、プログラム表示領域81の表示内容にかかわらず、OS64によってステータスバーが表示される。ステータスバーには、OS64によって各種情報が表示される。ステータスバーには、例えば、後述するバックアイコン82、プログラム表示領域81に表示された画面のタイトル、携帯端末50のバッテリー残量を示すアイコン、通信部55の通信状態を示すアイコン、携帯端末50が外部サービスから受信したプッシュ通知を示すアイコン等が表示される。プログラム表示領域81には、フォアグラウンドで実行されているプログラムが生成した画面が表示される。
以下、「プログラムが表示部53に画面を表示させる」と記述したときは、プログラム画面がプログラム表示領域81に表示され、ステータスバーが共通表示領域80に表示されるものとする。プログラム画面とは、プログラムの指示によって、プログラム表示領域81に表示される画面のことである。但し、表示部53は、表示領域が共通表示領域80とプログラム表示領域81とに区分された部分画面モードと、表示領域の全てがプログラム表示領域81となる全画面モードとに切替可能であってもよい。
OS64は、例えば、Android(Google inc.の登録商標) OS、iOS(Cisco Systems,Inc.の登録商標)、Windows Phone(Microsoft Corporationの登録商標) Operating System等であってもよい。OS64は、携帯端末50にインストールされた複数のプログラムを並行して実行することができる。複数のプログラムは、例えば、時分割多重方式によって仮想的に並行して実行される。また、OS64は、並行して実行する複数のプログラムのうちの1つをフォアグラウンドで実行し、その他のプログラムをバックグラウンドで実行する。
フォアグラウンドは、例えば、当該プログラムの実行に拠るプログラム画面が表示部53の表示領域の大部分に表示されている状態である。「表示領域の大部分」とは、例えば、プログラム表示領域81を指してもよい。バックグラウンドは、例えば、当該プログラムと異なるプログラムの実行に拠るプログラム画面が表示部53の表示領域の大部分に表示されている状態である。すなわち、携帯端末50は、並行して実行する複数のプログラムのうち、フォアグラウンドで実行されているプログラムの実行に拠るプログラム画面のみを表示部53に表示させることができる。
また、OS64は、第1プログラムが指定した第2プログラムを起動し、且つ第1プログラムが指定した指示情報を第2プログラムに引き渡す共有機能を、携帯端末50にインストールされたプログラムに提供する。第1プログラムは、例えば、OS64が提供するAPI(以下、「共有API」と表記する。)を実行することによって、共有機能を利用することができる。より詳細には、第1プログラムは、第2プログラムのプログラムID及び指定情報を引数として、共有APIを実行する。図13を参照して、共有機能の詳細を説明する。
まず、共有元のアプリケーション41は、共有機能を実現するためのOS64の共有APIを実行する(S1)。共有APIの実行には、URI(Uniform Resource Identifierの略)、タイプ、及びアクションが引数として求められる。URIは、共有データの所在を示す情報である。タイプは、共有データのデータ形式を示す情報である。アクションは、共有先のアプリケーションに実行させる共有データに対する処理の種類(例えば、閲覧、編集、送信、印刷等)を示す情報である。URI、タイプ、及びアクションは、共有元のアプリケーションから要求先のアプリケーションに引き渡される指示情報の一例である。
一方、共有先のアプリケーションの候補となるアプリケーション42、43、44、・・・は、処理可能な共有データのデータ形式と実行可能な処理の種類とを、OS64に対して予め宣言している。そこで、OS64は、アプリケーション42、43、44、・・・のうちから、タイプで示されるデータ形式の共有データに対してアクションで示される処理を実行可能なアプリケーションを特定(S2)し、特定したアプリケーションの一覧を表示部53に表示させる(S3)。そして、OS64は、一覧表示されたアプリケーションのうちの1つを選択するユーザ操作を操作部54を通じて受付可能な状態で待機する(S4)。
次に、OS64は、一覧表示されたアプリケーションのうちの1つを選択するユーザ操作を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S4)、URI、タイプ、及びアクションを引数として当該アプリケーションを起動する(S5)。以下の実施形態において、地図プログラム66が図13のアプリケーション41に相当し、出力プログラム65が図13のアプリケーション42〜44の1つに相当する。
なお、ステップS2〜S5の処理は、共有元のアプリケーションによって実行されてもよい。この場合の共有元のアプリケーションは、ステップS2において、タイプで示されるデータ形式の共有データに対して、アクションで示される処理を実行可能なアプリケーションを特定する情報をOS64から取得する。そして、共有元のアプリケーションは、ステップS5において、OS64の共有APIを実行して、ユーザ操作によって選択されたアプリケーションを起動させる。
出力プログラム65は、通信部55を通じて接続された複合機10に、コンテンツデータに対する動作を実行させるプログラムである。出力プログラム65は、例えば、プリント動作を実行させるための記録指示情報、スキャン処理を実行させるためのスキャン指示情報、FAX送信動作を実行させるためのFAX指示情報、メディア保存動作を実行させるための保存指示情報等を、通信部55を通じて複合機10に送信する。記録指示情報、スキャン指示情報、FAX指示情報、及びメディア保存指示情報は、出力指示情報の一例である。また、出力プログラム65は、出力指示情報を送信する前にプレビュー画面を表示部53に表示させる。
地図プログラム66は、地図画像の任意の領域をユーザに指定させ、指定された領域の地図画像を示す画像データを出力プログラム65に引き渡すプログラムである。地図プログラム66は、コンテンツデータを指定するユーザ操作を受け付ける起動元プログラムの一例である。また、起動元プログラムは、受け付けたコンテンツデータを識別する指定情報をOS64に対して指定し、共有機能を用いて出力プログラム65を起動させるプログラムである。なお、起動元プログラムの具体例は地図プログラム66に限定されず、例えば、ユーザ操作に従って画像を編集し、編集した画像を示す画像データを出力プログラム65に引き渡すペイントプログラム等であってもよい。
データ記憶領域62Bは、図3(A)に示されるように、装置IDと、装置IDに対応付けられた動作情報とを記憶することができる。以下、図3(A)に示されるレコードを「動作情報レコード」と表記することがある。なお、動作情報レコードは、出力プログラム65がインストールされた時点では登録されておらず、後述するデバイス選択処理において登録される。
装置IDは、複合機10A、10Bを識別する装置識別情報の一例である。本実施形態において、複合機10Aの装置IDは“MFP−A”であり、複合機10Bの装置IDは“MFP−B”である。動作情報レコードに含まれる装置IDで識別される複合機10は、第1装置の一例である。動作情報は、対応する装置IDで識別される複合機10が実行可能な動作を示す情報であって、対応する装置IDで識別される複合機10から取得される。図3(A)の例において、“プリント”はプリント動作を示し、“FAX送信”はFAX送信動作を示す。すなわち、図3(A)の例における複合機10Aは、プリント動作と、FAX送信動作とを実行することができる。
また、データ記憶領域62Bは、図3(B)に示されるように、デバイス更新フラグを記憶している。デバイス更新フラグは、図3(A)に示される動作情報レコードが更新されたか否かを示すフラグである。すなわち、デバイス更新フラグには、動作情報レコードが更新されたことを示す“ON”、及び動作情報レコードが更新されていないことを示す“OFF”のいずれかが、出力プログラム65によって設定される。デバイス更新フラグの初期値は、“OFF”である。
[記録システム100の動作]
図4〜図12を参照して、本実施形態に係る記録システム100の動作を説明する。記録システム100は、ユーザ操作に基づいて携帯端末50で指定されたコンテンツデータに対する出力動作を複合機10に実行させる処理を実行する。
まず、携帯端末50のOS64は、メニュー画面を表示部53に表示させ、ステータスバーを共通表示領域80に表示させる。図7(A)はメニュー画面の一例である。図7(A)に示されるメニュー画面は、複数のプログラムアイコン111、112、113、114、115を含む。プログラムアイコン111〜115は、携帯端末50にインストールされたプログラムに対応する。例えば、プログラムアイコン114は出力プログラム65に対応し、プログラムアイコン115は地図プログラム66に対応する。OS64は、プログラムアイコン111〜115の選択を操作部54を通じて受け付ける。OS64は、プログラムアイコン114の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、出力プログラム65を起動させる。プログラムアイコン114の選択は、出力プログラム65の起動を指示するユーザ操作の一例である。
[標準起動処理]
携帯端末50の出力プログラム65は、プログラムアイコン114の選択を受け付けたOS64によって起動されたことに応じて、標準起動処理を実行する。出力プログラム65は、標準起動処理において、コンテンツデータ、出力動作、出力装置を指定するユーザ操作を受け付けるための各種画面を表示し、当該画面を通じてユーザ操作を受け付ける。以下、ユーザが指定したコンテンツデータを「指定データ」と表記し、ユーザが指定した出力動作を「指定動作」と表記し、ユーザが指定した出力装置を「指定装置」と表記する。そして、出力プログラム65は、指定データに対する指定動作を指定装置に実行させる。図4を参照して、標準起動処理の詳細を説明する。
まず、出力プログラム65は、図3(B)に示されるデバイス更新フラグの値を判断する(S11)。そして、出力プログラム65は、デバイス更新フラグに“OFF”設定されていることに応じて(S11:No)、図7(B)に示されるメイン画面を表示部53に表示させる(S12)。一方、出力プログラム65は、デバイス更新フラグに“ON”が設定されていることに応じて(S11:Yes)、図8(A)に示されるメイン画面を表示部53に表示させる(S13)。また、出力プログラム65は、ステップS13において、デバイス更新フラグに“OFF”を設定する。ステップS12、S13の処理は、第1表示処理の一例である。メイン画面は、動作選択画面の一例である。
図7(B)に示されるメイン画面は、複数の動作アイコン116、117と、装置アイコン119とを含む。動作アイコン116、117は、動作情報レコードに含まれる動作情報で示される動作に対応する動作指定オブジェクトの一例である。すなわち、動作アイコン116、117は、動作情報レコードに含まれる装置IDで識別される複合機10が実行可能な動作に対応する。装置アイコン119は、指定装置を切り替える処理を出力プログラム65に実行させる装置切替オブジェクトの一例である。装置アイコン119には、現時点で指定装置として指定されている複合機10Aを識別する装置ID“MFP−A”が記述されている。一方、動作情報レコードが登録されていない場合は、装置アイコン119に“未選択”等と表示されてもよい。
図8(A)に示されるメイン画面は、装置ID“MFP−B”と、動作情報“プリント”、“FAX送信”、“メディア保存”とを含む動作情報レコードがデータ記憶領域62Bに記憶されている場合に表示される。すなわち、図8(A)に示されるメイン画面は、動作情報“プリント”、“FAX送信”、“メディア保存”に対応する動作アイコン116〜118と、装置ID“MFP−B”が指定装置として指定されていることを示す装置アイコン120とを含む。また、図8(A)に示されるメイン画面は、デバイス切替メッセージ「メディア保存機能が利用可能になりました。」を含む。デバイス切替メッセージの詳細は、後述する。
次に、出力プログラム65は、メイン画面に含まれるアイコンの選択を操作部54を通じて受け付ける(S14)。ステップS14の処理は、第3受付処理の一例である。出力プログラム65は、例えば装置アイコン119の位置の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S14:装置アイコン)、デバイス選択処理を実行する(S15)。デバイス選択処理は、指定装置をユーザに選択させる処理である。なお、図8(A)に示される装置アイコン120が選択された場合も同様の処理が実行される。図6を参照して、デバイス選択処理の詳細を説明する。
まず、出力プログラム65は、通信部55を通じて通信可能な複数の複合機10のうち、指定動作を実行可能な複合機10を検索する(S41)。出力プログラム65は、例えば、SNMP(Simple Network Management Protocolの略)を用いて、MIBに記憶された装置ID及び動作情報の送信要求を通信部55を通じて複合機10に送信する。次に、出力プログラム65は、複合機10から返信された装置ID及び動作情報を通信部55を通じて受信する。次に、出力プログラム65は、指定動作の動作IDと、複合機10から受信した動作情報に含まれる動作IDとを比較する。そして、出力プログラム65は、動作情報に指定動作の動作IDが含まれる複合機10を、対象複合機として特定する。なお、ステップS15のデバイス選択処理の段階では未だ指定動作が指定されていないので、出力プログラム65は、通信部55を通じて通信可能な全ての複合機10A、10Bを、対象複合機として特定する。ステップS41の処理は、特定処理の一例である。
なお、動作情報は、複合機10のモデルを示すモデル情報であってもよい。この場合の出力プログラム65は、モデル情報と、モデル情報に対応する動作IDとの対応関係を示す対応情報にアクセスし、受信したモデル情報に対応する動作IDを取得する。すなわち、対応情報は、モデル情報で示されるモデルの複合機10が実行可能な動作を示す情報でもある。なお、対応情報は、携帯端末50に記憶されていてもよいし、不図示のクラウドサーバに記憶されていてもよい。
次に、出力プログラム65は、デバイス選択画面を表示部53に表示させる(S42)。図8(B)は、デバイス選択画面の一例である。図8(B)に示されるデバイス選択画面は、デバイスアイコン121、122を含む。デバイスアイコン121、122は、ステップS41で特定した対象複合機である複合機10A、10Bに対応する。また、デバイスアイコン121、122には、対応する複合機10A、10Bの装置IDが記述されている。そして、出力プログラム65は、デバイス選択画面に含まれるアイコンの選択を操作部54を通じて受け付ける(S43)。ステップS43の処理は、第2受付処理の一例である。
次に、出力プログラム65は、例えばデバイスアイコン122の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S43:Yes)、当該デバイスアイコン122に対応する複合機10の動作情報を受信する(S44)。動作情報の受信方法は、ステップS41の処理と共通する。なお、ステップS41で複合機10のMIBを参照した場合、ステップS44の処理は省略することができる。ステップS41、S44で動作情報を受信する処理は、第2取得処理の一例である。選択されたデバイスアイコンに対応する複合機10は、第2装置の一例である。
次に、出力プログラム65は、選択されたデバイスアイコン122に記述された装置ID“MFP−B”と、当該装置IDで識別される複合機10Bの動作情報とを含む動作情報レコード(以下、「新動作情報レコード」と表記する。)を、データ記憶領域62Bに記憶させる(S45)。なお、動作情報レコードがデータ記憶領域62Bに記憶されていない場合、出力プログラム65は、新動作情報レコードをデータ記憶領域62Bに新規に記憶させる。この処理は、記憶制御処理の一例である。
また、データ記憶領域62Bに動作情報レコード(以下、「旧動作情報レコード」と表記する。)が既に記憶されている場合、出力プログラム65は、旧動作情報レコードと新動作情報レコードとを比較する。そして、出力プログラム65は、旧動作情報レコードと新動作情報レコードとが異なることに応じて、旧動作情報レコードを新動作情報レコードで上書きする(S45)。この処理は、更新処理の一例である。すなわち、デバイス選択処理で指定装置と異なる複合機10が選択された場合、更新処理によって指定装置が切り替えられる。一方、出力プログラム65は、旧動作情報レコードと新動作情報レコードとが一致することに応じて、ステップS45の処理をスキップする。
また、出力プログラム65は、ステップS45において、デバイス更新フラグに“ON”を設定し、デバイス切替メッセージを生成する。デバイス切替メッセージは、デバイス更新フラグに“ON”が設定されているときに表示されるメイン画面に含められるメッセージである。デバイス切替メッセージは、指定装置が切り替えられたことを報知するメッセージである。具体的には、出力プログラム65は、新動作情報レコードに含まれる動作情報で示される動作のうち、旧動作情報レコードに含まれる動作情報で示されていない動作を特定する。そして、出力プログラム65は、特定した動作が実行可能になったことを報知するデバイス切替メッセージを生成する。
なお、出力プログラム65は、ステップS45において、旧動作情報レコードと新動作情報レコードとの比較を行うことなく、常に旧動作情報レコードを新動作情報レコードで上書きしてもよい。さらに、出力プログラム65は、旧動作情報レコードと新動作情報レコードとが異なる場合にのみ、デバイス更新フラグに“ON”を設定し、デバイス切替メッセージを生成すればよい。
例えば、旧動作情報レコードに含まれる装置IDが“MFP−A”であり、新動作情報レコードに含まれる装置IDが“MFP−B”である場合、図8(A)に示されるように、「メディア保存機能が利用可能になりました。」というデバイス切替メッセージが生成される。そして、デバイス切替メッセージは、更新処理が実行された後の最初の第1表示処理において、メイン画面に含められる。なお、デバイス切替メッセージは、ステップS12において生成されてもよい。この場合の出力プログラム65は、ステップS45において旧動作情報レコードを一時記憶させ、ステップS12において当該旧動作情報レコードを削除する。
さらに、プログラム表示領域81にデバイス選択画面が表示されているときの共通表示領域80には、バックアイコン82がさらに表示されている。バックアイコン82は、表示部53に直前に表示されていた画面への切り替えに対応するバックオブジェクトの一例である。バックアイコン82は、メニュー画面及び出力プログラム65の初期画面であるメイン画面がプログラム表示領域81に表示されているときには表示されず、その他の画面がプログラム表示領域81に表示されているときに表示される。なお、バックアイコン82は、共通表示領域80ではなく、プログラム表示領域81に表示されてもよい。また、出力プログラム65がバックアイコン82をプログラム表示領域81に表示させてもよい。
そして、OS64は、デバイス選択画面と共に表示されたバックアイコン82の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、バックアイコン82が選択されたことを示す通知情報を、出力プログラム65に出力する。出力プログラム65は、OS64から出力された通知情報を受信したことに応じて、ステップS43〜S45の処理をスキップして、メイン画面を再び表示部53に表示させる。すなわち、デバイス選択画面が表示される直前に表示部53に表示されていたメイン画面が再び表示される。本実施形態では、図8(B)に示されるデバイス選択画面と共に表示されたバックアイコン82が選択され、図7(B)に示されるメイン画面が表示されたものとして、以降の説明を継続する。
図4に戻って、出力プログラム65は、動作アイコン116、117の1つの選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S14:動作アイコン)、選択された動作アイコン116、117に対応する動作を識別する動作IDと、装置アイコン119に記述された装置IDとをデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。一時記憶された動作IDは、指定動作を識別する指定動作IDである。一時記憶された装置IDは、指定装置を識別する指定装置IDである。本実施形態では、プリント動作の動作IDが指定動作IDとして一時記憶され、装置ID“MFP−A”が指定装置IDとして一時記憶されたものとして、以降の説明を継続する。
次に、出力プログラム65は、データ選択画面を表示部53に表示させる(S16)。また、出力プログラム65は、データ選択画面に含まれるアイコンの選択を操作部54を通じて受け付ける(S17)。ステップS16の処理は第2表示処理の一例であり、ステップS17の処理は第4受付処理の一例である。
図9(A)は、データ選択画面の一例である。図9(A)に示されるデータ選択画面は、複数のデータアイコン123、124、125を含む。データアイコン123〜125は、指定データとして指定可能なコンテンツデータに対応するデータオブジェクトの一例である。データアイコン123〜125には、対応するコンテンツデータのデータID(例えば、ファイル名)が記述される。データアイコン123〜125に対応するコンテンツデータは、コンテンツデータフォルダに記憶されているものであってもよいし、通信部55を通じて通信可能な不図示のサーバに記憶されているものであってもよい。
次に、出力プログラム65は、データアイコン123〜125の1つの選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S17:Yes)、選択されたデータアイコンに対応するコンテンツデータを、指定データとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。または、出力プログラム65は、指定データそのものではなく、指定データを特定する情報(以下、「指定データID」と表記する。)をデータ記憶領域62Bに一時記憶させてもよい。指定データIDは、例えば、指定データの記憶場所を示す情報でもよいし、指定データを示すURLでもよい。本実施形態では、データアイコン123が選択されたものとして、以降の説明を継続する。一方、出力プログラム65は、データ選択画面と共に表示されたバックアイコン82が選択されたことを示す通知情報をOS64から受信したことに応じて、メイン画面を再び表示部53に表示させる。
次に、出力プログラム65は、データアイコン123の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S17:Yes)、プレビュー画面を表示部53に表示させる(S18)。また、出力プログラム65は、プレビュー画面に含まれるアイコンの選択を操作部54を通じて受け付ける(S19)。ステップS18の処理はプレビュー表示処理の一例であり、ステップS19の処理は第2受付処理の一例である。
図9(B)は、プレビュー画面の一例である。図9(B)に示されるプレビュー画面は、プレビュー画像126と、プリント指示アイコン127と、FAX切替アイコン128とを含む。一方、図9(B)に示されるプレビュー画面は、後述する装置切替アイコンを含まない。プレビュー画像126は、ステップS17で指定された指定データを、ステップS14で指定された指定動作で出力したイメージを示す画像である。すなわち、プレビュー画像126は、ファイル名“写真.JPEG”で識別される画像データで示される画像が記録用紙に記録されたイメージを示す。
プリント指示アイコン127は、プリント動作を指定動作に指定する指示に対応し、且つ指定データに対するプリント動作を指定装置に実行させる指示に対応する出力指示オブジェクトの一例である。FAX切替アイコン128は、指定動作をプリント動作からFAX送信動作に切り替える指示に対応する動作切替オブジェクトの一例である。すなわち、プレビュー画面は、動作情報レコードの動作情報で示される複数の動作のうち、指定動作に対応する出力指示オブジェクトと、指定動作と異なる動作に対応する動作切替オブジェクトとを含む。一方、動作情報レコードに含まれる動作情報で示される動作が1つの場合のプレビュー画面は、動作切替オブジェクトを含まない。
次に、出力プログラム65は、プリント指示アイコン127の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S19:出力アイコン)、通信部55を通じて複合機10Aにプリント指示情報を送信する(S20)。プリント指示情報は、指定データに対するプリント動作を指定装置に実行させるための出力指示情報の一例である。本実施形態のプリント指示情報は、ファイル名“写真.JPEG”で識別される画像データと、出力動作“プリント”を識別する指定動作IDとを含む。そして、出力プログラム65は、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じて当該プリント指示情報を送信する。ステップS20の処理は、第3出力指示処理の一例である。なお、プリント指示情報は、指定データそのものではなく、URL等の指定データIDを含んでいてもよい。
一方、図示は省略するが、複合機10Aの制御プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からプリント指示情報を受信する。そして、制御プログラム35は、受信したプリント指示情報に従ったプリント動作をプリンタ部11に実行させる。すなわち、プリンタ部11は、プリント指示情報に含まれるコンテンツデータ“写真.JPEG”で示される画像を記録用紙に記録する。
再び図4に戻って、出力プログラム65は、図9(B)に示されるプレビュー画面に含まれるFAX切替アイコン128の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S19:切替アイコン)、データ記憶領域62Bに一時記憶された指定動作IDを、プリント動作の動作IDからFAX送信動作の動作IDに切り替える。また、出力プログラム65は、プレビュー画面を再び表示部53に表示させる(S18)。この処理は、ステップS35、S36で切替アイコンが選択された場合と共通するので、詳細は後述する。さらに、出力プログラム65は、ステップS18において表示されるプレビュー画面と共に表示されたバックアイコン82が選択されたことを示す通知情報をOS64から受信したことに応じて、図9(A)に示されるデータ選択画面を再び表示部53に表示させる。
一方、OS64は、メニュー画面に含まれるプログラムアイコン115の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、地図プログラム66を起動させる。携帯端末50の地図プログラム66は、プログラムアイコン115の選択を受け付けたOS64によって起動されたことに応じて、地図指定画面を表示部53に表示させる。図10(A)は、地図指定画面の一例である。図10(A)に示される地図指定画面は、地図表示領域129と、[プレビュー]アイコンとを含む。そして、地図プログラム66は、地図表示領域129、及び[プレビュー]アイコンに対するユーザ操作を操作部54を通じて受け付ける。
地図表示領域129には、地図プログラム66が表示可能な地図画像の一部が表示される。地図プログラム66の起動時点における地図表示領域129には、例えば、GPS(Global Positioning Systemの略)から取得した携帯端末50の現在位置を含む地図画像130が表示される。地図プログラム66は、例えば、表示対象の地図画像130を示す地図画像データを、通信部55を通じて不図示のサーバから取得する。具体的には、地図プログラム66は、通信部55を通じて地図画像データをサーバに要求し、サーバから返信された地図画像データを通信部55を通じて受信する。
そして、地図プログラム66は、地図表示領域129の位置におけるユーザ操作を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、地図表示領域129に表示させる地図画像130を変更する。地図プログラム66は、変更後の地図画像130を示す地図画像データをサーバから取得する。地図表示領域129に表示される地図画像130は、例えば、スライド操作に追従してスライドされ、ピンチイン操作に追従して縮小され、ピンチアウト操作に追従して拡大される。
また、地図プログラム66は、[プレビュー]アイコンの選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、地図表示領域129に表示されている地図画像130を示す地図画像データを、データ記憶領域62Bに記憶させる。そして、地図プログラム66は、OS64に対して指定情報を指定し、且つ共有機能を利用して出力プログラム65を起動させる。すなわち、地図プログラム66は、出力プログラム65のプログラムID、及び地図画像データのデータIDを引数として、共有APIを実行する。
[外部起動処理]
OS64は、共有APIが実行されたことに応じて、フォアグラウンドで実行されていた地図プログラム66を終了或いはバックグラウンドで実行し、出力プログラム65を起動してフォアグラウンドで実行する。出力プログラム65は、共有機能を利用した地図プログラム66によって起動されたことに応じて、外部起動処理を実行する。外部起動処理は、地図プログラム66が指定した指定データに対する出力動作を指定装置に出力させる処理である。図5を参照して、外部起動処理の詳細を説明する。
まず、出力プログラム65は、出力プログラム65を起動したプログラムが出力した指定情報を取得する(S31:Yes)。具体的には、出力プログラム65は、指定情報をOS64に要求するAPIを実行することによって、OS64が出力した指定情報を戻り値として受信する。そして、出力プログラム65は、当該指定情報に含まれるデータIDを指定データIDとして、データ記憶領域62Bに一時記憶させる。次に、出力プログラム65は、動作情報レコードがデータ記憶領域62Bに記憶されているか否かを判断する(S32)。ステップS31の処理は第1取得処理の一例であり、ステップS32の処理は第2判断処理の一例である。
次に、出力プログラム65は、動作情報レコードがデータ記憶領域62Bに記憶されていないと判断したことに応じて(S32:No)、デバイス選択処理を実行する(S33)。ステップS33の処理はステップS15の処理と共通するので、再度の説明は省略する。これにより、データ記憶領域62Bに動作情報レコードが登録される。すなわち、出力プログラム65は、ステップS33において、指定装置の指定を受け付ける。一方、出力プログラム65は、動作情報レコードがデータ記憶領域62Bに記憶されていると判断したことに応じて(S32:Yes)、ステップS33の処理をスキップする。
次に、出力プログラム65は、指定装置が複数の出力動作を実行可能か否かを判断する(S34)。すなわち、出力プログラム65は、図3(A)に示される動作情報レコードに含まれる動作情報が複数の出力動作を示すか否かを判断する(S34)。ステップS34の処理は、第1判断処理の一例である。
出力プログラム65は、指定装置が複数の出力動作を実行可能と判断したことに応じて(S34:Yes)、図10(B)に示されるプレビュー画面を表示部53に表示させる(S35)。一方、出力プログラム65は、指定装置が1つの出力動作のみを実行可能と判断したことに応じて(S34:No)、図11(A)に示されるプレビュー画面を表示部53に表示させる(S36)。そして、出力プログラム65は、プレビュー画面に含まれるアイコンの選択を操作部54を通じて受け付ける(S37)。ステップS35、S36の処理はプレビュー表示処理の一例であり、ステップS37の処理は第1受付処理の一例である。
図10(B)に示されるプレビュー画面は、第1プレビュー画像131と、装置アイコン119と、第1出力指示オブジェクトの一例であるプリント指示アイコン127と、第1動作切替オブジェクトの一例であるFAX切替アイコン128とを含む。第1プレビュー画像131は、ステップS31で取得したデータIDで識別される地図画像データをプリント動作で出力したイメージを示すプレビュー画像の一例である。一方、図11(A)に示されるプレビュー画面は、FAX切替アイコン128を含まない点において、図10(B)に示されるプレビュー画面と相違する。動作切替オブジェクトの非表示は、動作切替オブジェクトが選択不能であることの一例である。また、ステップS34、S35で表示されるプレビュー画面は、装置アイコン119、120を含む点において、ステップS18で表示されるプレビュー画面と相違する。
第1プレビュー画像131は、ステップS31で取得したデータIDで識別される地図画像データを、仮の指定動作であるプリント動作で出力したイメージを示すプレビュー画像の一例である。なお、出力プログラム65は、動作情報レコードに含まれる複数の出力動作のうちの1つを仮の指定動作とする。仮の指定動作は、例えば、複合機10のMIBで指定されていてもよいし、出力プログラム65に予め設定されていてもよい。出力プログラム65は、仮の指定動作を識別する動作IDを、指定動作IDとしてデータ記憶領域62Bに一時記憶させる。すなわち、仮の指定動作がFAX送信動作の場合、図10(B)に示されるプレビュー画面に代えて、図11(B)に示されるプレビュー画面が表示される。動作情報レコードの動作情報で示される複数の出力動作のうち、仮の指定動作であるプリント動作は第1動作の一例であり、FAX送信動作は第2動作の一例である。
次に、出力プログラム65は、プリント指示アイコン127の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S37:出力アイコン)、出力指示情報の一例であるプリント指示情報を、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じて送信する(S38)。選択されたプリント指示アイコン127に対応するプリント動作は、対象動作の一例である。ステップS38でプリント指示情報を送信する処理は、ステップS20で既に説明した処理と共通するので、再度の説明は省略する。図10(B)に示されるプリント指示アイコン127の選択によって実行されるステップS38の処理は、第1出力指示処理の一例である。図11(A)に示されるプリント指示アイコン127の選択によって実行されるステップS38の処理は、第2出力指示処理の一例である。
また、出力プログラム65は、FAX切替アイコン128の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S37:切替アイコン)、データ記憶領域62Bに一時記憶された指定動作IDを、プリント動作の動作IDからFAX送信動作の動作IDに切り替える。また、出力プログラム65は、図11(B)に示されるプレビュー画面を表示部53に表示させるプレビュー表示処理を再び実行する(S35)。図11(B)に示されるプレビュー画面は、第2プレビュー画像132と、装置アイコン119と、FAX指示アイコン133と、プリント切替アイコン134とを含むプレビュー画面の一例である。
第2プレビュー画像132は、地図画像データで示される地図画像130がFAX送信され、FAX受信した装置において記録用紙に記録されたイメージを示す画像である。第2プレビュー画像132は、例えばFAXヘッダを含む点において、第1プレビュー画像131と相違する。FAXヘッダは、例えば、FAX送信元を示す名称と、FAX送信時刻とを含む。FAX指示アイコン133は、FAX送信動作を指定動作に指定する指示に対応し、且つ指定データに対するFAX送信動作を指定装置に実行させる指示に対応する第2出力指示オブジェクトの一例である。プリント切替アイコン134は、仮の指定動作をFAX送信動作からプリント動作に切り替える指示に対応する第2動作切替オブジェクトの一例である。
そして、出力プログラム65は、プリント切替アイコン134の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S37:切替アイコン)、データ記憶領域62Bに一時記憶された指定動作IDを、FAX送信動作の動作IDからプリント動作の動作IDに切り替える。また、出力プログラム65は、図10(A)に示されるプレビュー画面を再び表示部53に表示させる(S35)。また、出力プログラム65は、FAX指示アイコン133の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S37:出力アイコン)、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じてFAX指示情報を送信する(S38)。FAX指示情報は、指定データに対するFAX送信動作を指定装置に実行させるための出力指示情報の一例である。
本実施形態のFAX指示情報は、指定データである地図画像データと、指定動作であるFAX送信動作を識別する指定動作IDと、FAX送信先の外部装置を特定する宛先情報(例えば、電話番号)とを含む。そして図示は省略するが、制御プログラム35は、通信部25を通じて携帯端末50からFAX指示情報を受信する。そして、制御プログラム35は、受信したFAX指示情報に従ったFAX送信動作をFAX部13に実行させる。すなわち、FAX部13は、FAX指示情報に含まれるコンテンツデータである地図画像データを、宛先情報で特定される外部装置にFAX送信する。
また、出力プログラム65は、例えば図10(B)に示されるプレビュー画面の装置アイコン119の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S37:装置アイコン)、図6に示されるデバイス選択処理を実行する(S34)。なお、出力プログラム65は、ステップS41において、通信部55を通じて通信可能な複数の複合機10のうち、指定動作IDで識別される出力動作を実行可能な複合機10を特定する。その他の処理は既に説明しているので、再度の説明は省略する。
そして、出力プログラム65は、例えば図8(B)に示されるデバイス選択画面において、デバイスアイコン122の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて、データ記憶領域62Bに一時記憶された指定装置IDを、複合機10Aの装置ID“MFP−A”から複合機10Bの装置ID“MFP−B”に切り替える。また、出力プログラム65は、図12に示されるプレビュー画面を表示部53に表示させる(S35)。図12に示されるプレビュー画面は、装置アイコン119に代えて装置アイコン120が含まれている点において、図10(B)に示されるプレビュー画面と相違する。
さらに、図10(B)、図11(A)、図11(B)、及び図12に示されるプレビュー画面と共に表示されたバックアイコン82が選択されたことに応じて、地図プログラム66がフォアグラウンドで再び実行される。すなわち、OS64は、フォアグラウンドで実行されていた出力プログラム65をバックグラウンドで実行し、地図プログラム66をフォアグラウンドで実行する。そして、フォアグラウンドで実行された地図プログラム66は、図10(A)に示される地図指定画面を表示部53に表示する。
[本実施形態の作用効果]
上記の実施形態によれば、指定装置が複数の出力動作を実行可能な場合のプレビュー画面には、出力指示アイコン及び動作切替アイコンの両方が表示される。これにより、当該複数の出力動作のうちからユーザが指定した対象動作でコンテンツデータが出力される。すなわち、複数の出力動作を実行可能な指定装置に対して、当該複数の出力動作のいずれの実行をも指示することができる。一方、指定装置が1つの出力動作のみを実行可能な場合のプレビュー画面には、当該出力動作の実行を指示する出力指示アイコンが表示され、動作切替アイコンは表示されない。これにより、指定装置が1つの出力動作しか実行できないことを、ユーザに認識させることができる。
なお、上記の実施形態では、図11(A)に示されるプレビュー画面で動作切替オブジェクトを非表示にした例を説明したが、動作切替オブジェクトを選択不能にする方法はこれに限定されず、例えば動作切替オブジェクトをグレーアウトしてもよい。そして、出力プログラム65は、グレーアウトされた動作切替オブジェクトの選択を操作部54を通じて受け付けても、デバイス選択処理を実行しなければよい。また、指定装置が1つの出力動作のみを実行可能な場合、出力プログラム65は、プレビュー表示処理を省略して、当該出力動作を指定装置に実行させてもよい。
また、上記の実施形態によれば、複合機10に指定データを出力させる前に、プレビュー画面を表示部53に表示させることによって、出力結果のイメージをユーザに確認させることができる。その結果、ユーザが所望する出力結果を得やすくなる。換言すれば、出力結果がユーザの意図と異なることによる処理のやり直しを抑制することができる。
また、上記の実施形態によれば、装置アイコン119、120を通じて、指定動作を実行させる複合機10の指定を受け付けることができる。ここで、バックアイコン82によるプレビュー画面からメイン画面への画面遷移は、標準起動処理では可能であるが、外部起動処理では不可能である。そこで、装置アイコン119、120は、標準起動処理におけるメイン画面と、外部起動処理におけるプレビュー画面とに含めればよい。一方、標準起動処理におけるプレビュー画面に、装置アイコン119、120を含める必要は必ずしもない。
さらに、上記の実施形態によれば、動作情報レコードが更新されたことに応じて、次に表示されるメイン画面にデバイス切替メッセージが表示される。これにより、指定装置の変更をユーザに認識させることができる。また、実行可能な動作は複合機10毎に異なる場合があるので、ユーザは、指定装置が切り替えられたことによって、利用可能になった動作或いは利用不能になった動作を認識することができる。
なお、ステップS33で実行されるデバイス選択処理において、ステップS45の処理を省略してもよい。すなわち、ステップS33における複合機10の指定は、その直後のステップS38での出力指示情報の送信にのみ用いられ、当該複合機10の装置ID及び動作情報を含む動作情報レコードをデータ記憶領域62Bに記憶させなくてもよい。
また、上記の実施形態の携帯端末50において、記憶部62のプログラム記憶領域62Aに記憶された各種プログラムがCPU61によって実行されることによって、本発明の制御部が実行する各処理が実現される例を説明した。しかしながら、制御部の構成はこれに限定されず、その一部又は全部を集積回路(IC(Integrated Circuitの略)とも言う。)等のハードウェアで実現してもよい。
さらに、本発明は、携帯端末50として実現できるだけでなく、携帯端末50に処理を実行させるプログラムとして実現してもよい。そして、当該プログラムは、non−transitoryな記録媒体に記録されて提供されてもよい。non−transitoryな記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM等の他、通信ネットワーク101を通じて携帯端末50に接続可能なサーバに搭載された記憶部を含んでもよい。そして、サーバの記憶部に記憶されたプログラムは、当該プログラムを示す情報或いは信号として、インターネット等の通信ネットワーク101を通じて配信されてもよい。
次に、出力プログラム65は、デバイス選択画面を表示部53に表示させる(S42)。図8(B)は、デバイス選択画面の一例である。図8(B)に示されるデバイス選択画面は、デバイスアイコン121、122を含む。デバイスアイコン121、122は、ステップS41で特定した対象複合機である複合機10A、10Bに対応する。また、デバイスアイコン121、122には、対応する複合機10A、10Bの装置IDが記述されている。そして、出力プログラム65は、デバイス選択画面に含まれるアイコンの選択を操作部54を通じて受け付ける(S43)。
次に、出力プログラム65は、例えばデバイスアイコン122の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S43:Yes)、当該デバイスアイコン122に対応する複合機10の動作情報を受信する(S44)。動作情報の受信方法は、ステップS41の処理と共通する。なお、ステップS41で複合機10のMIBを参照した場合、ステップS44の処理は省略することができる。ステップS41、S44で動作情報を受信する処理は、第1取得処理の一例である。選択されたデバイスアイコンに対応する複合機10は、第2装置の一例である。
次に、出力プログラム65は、データ選択画面を表示部53に表示させる(S16)。また、出力プログラム65は、データ選択画面に含まれるアイコンの選択を操作部54を通じて受け付ける(S17)。ステップS16の処理は第2表示処理の一例である。
次に、出力プログラム65は、プリント指示アイコン127の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S19:出力アイコン)、通信部55を通じて複合機10Aにプリント指示情報を送信する(S20)。プリント指示情報は、指定データに対するプリント動作を指定装置に実行させるための出力指示情報の一例である。本実施形態のプリント指示情報は、ファイル名“写真.JPEG”で識別される画像データと、出力動作“プリント”を識別する指定動作IDとを含む。そして、出力プログラム65は、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じて当該プリント指示情報を送信する。ステップS20の処理は、第2出力指示処理の一例である。なお、プリント指示情報は、指定データそのものではなく、URL等の指定データIDを含んでいてもよい。
まず、出力プログラム65は、出力プログラム65を起動したプログラムが出力した指定情報を取得する(S31:Yes)。具体的には、出力プログラム65は、指定情報をOS64に要求するAPIを実行することによって、OS64が出力した指定情報を戻り値として受信する。そして、出力プログラム65は、当該指定情報に含まれるデータIDを指定データIDとして、データ記憶領域62Bに一時記憶させる。次に、出力プログラム65は、動作情報レコードがデータ記憶領域62Bに記憶されているか否かを判断する(S32)。ステップS32の処理は第2判断処理の一例である。
出力プログラム65は、指定装置が複数の出力動作を実行可能と判断したことに応じて(S34:Yes)、図10(B)に示されるプレビュー画面を表示部53に表示させる(S35)。一方、出力プログラム65は、指定装置が1つの出力動作のみを実行可能と判断したことに応じて(S34:No)、図11(A)に示されるプレビュー画面を表示部53に表示させる(S36)。そして、出力プログラム65は、プレビュー画面に含まれるアイコンの選択を操作部54を通じて受け付ける(S37)。ステップS35、S36の処理はプレビュー表示処理の一例である。
次に、出力プログラム65は、プリント指示アイコン127の選択を操作部54を通じて受け付けたことに応じて(S37:出力アイコン)、出力指示情報の一例であるプリント指示情報を、指定装置である複合機10Aに通信部55を通じて送信する(S38)。選択されたプリント指示アイコン127に対応するプリント動作は、対象動作の一例である。ステップS38でプリント指示情報を送信する処理は、ステップS20で既に説明した処理と共通するので、再度の説明は省略する。図10(B)に示されるプリント指示アイコン127の選択によって実行されるステップS38の処理,及び、図11(A)に示されるプリント指示アイコン127の選択によって実行されるステップS38の処理のそれぞれは、第1出力指示処理の一例である。