JP2019138378A - 配管被覆構造及び配管被覆構造の施工方法 - Google Patents
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特許文献1には、防露材の表面をアルミニウム合金等の防火性能が高い金属板で覆うことで、防露材の分解及び焼損を防ぐ構成が開示されている。
また、水性エマルジョン樹脂、水ガラス、ケイ酸マグネシウム等を主体とする高粘性鉱物を組み合わせた不燃性塗料を防露材に塗布する方法が考えられるが、塗布面積が広いと、均一な塗布が難しく、含水率のバラツキなどにより乾燥時に剥離やひび割れが生じる、等の問題がある。
冷却流体が流れる配管の外表面に被覆された防露材と、
前記防露材の表面に被覆される第1網目状部材であって、熱伝導性材料から形成される第1網目状部材と、
前記第1網目状部材の表面に不燃性塗料が塗布されることで形成される被覆層と、
を備える。
前記第1網目状部材は、金属製の網糸が格子状に配列されてなる金属製ネットからなる。
上記(2)の構成によれば、第1網目状部材が熱伝導性が高くかつ高剛性を有する金属製の網糸で構成されるため、耐熱性能及び耐久性能を向上できる。
前記第1網目状部材は、カーボンファイバがメッシュ状に織られることで形成されたカーボンファイバシートからなる。
ここで「格子状」と「メッシュ状」とは、主として第1網目状部材の目開きが異なることで区別され、「メッシュ状」は目開きが「格子状」より細かいことを意味する。例えば、「メッシュ状」の第1網目状部材の目開きは数μmから数mmの範囲であり、「格子状」の第1網目状部材の目開きは数mm〜数百mmの範囲である。
上記(3)の構成によれば、第1網目状部材として熱伝導率が高いカーボンファイバを用いるため、耐熱性能をさらに向上できる。また、第1網目状部材がカーボンファイバがメッシュ状に織られるカーボンファイバシートで構成されるため、不燃性塗料からなる被覆層は第1網目状部材によってさらに細い領域に分割されるので、第1網目状部材に対する接着力が増し、剥離及びひび割れを抑制できる。
前記カーボンファイバシートは、伸張された状態で前記防露材の表面に被覆される。
上記(4)の構成によれば、カーボンファイバシートが伸張された状態で防露材の表面に被覆されるため、防露材表面に対するカーボンファイバの接着力を高めることができると共に、複雑な形状の配管への施工であっても、カーボンファイバシートを配管表面に密着して被覆できる。
前記第1網目状部材の表面に被覆される第2網目状部材であって、熱伝導性材料から形成される第2網目状部材をさらに備え、
前記第2網目状部材の網目の目開きの大きさは、前記第1網目状部材の網目の目開きの大きさよりも小さい。
上記(5)の構成によれば、第1網目状部材及び第1網目状部材の表面に塗布された不燃性塗料の外側に、第1網目状部材より目開きが細かい上記第2網目状部材をさらに被覆するので、不燃性塗料からなる被覆層を第2網目状部材で保護することができる。また、第2網目状部材の配置によって熱の伝搬を促進できるため、防露材の耐火性能をさらに向上でき、防露材の燃焼を抑制できる。
前記配管が、発電プラントに配置される、冷却水が流れる冷却系配管からなる。
上記(6)の構成によれば、発電プラントに配置される冷却系配管に被覆された防露材の耐熱性能及び耐火性能を高め、かつ不燃性塗料からなる被覆層の剥離及びひび割れを抑制して耐火性能を長期に持続できる。
冷却流体が流れる配管の外表面に被覆された防露材の表面に、熱伝導性材料から形成される第1網目状部材を被覆する第1ステップと、
前記第1網目状部材の表面に不燃性塗料を塗布することで被覆層を形成する第2ステップと、
を備える。
前記第1網目状部材は、カーボンファイバがメッシュ状に織られることで形成されたカーボンファイバシートからなり、
前記第1ステップでは、伸張された状態の前記カーボンファイバシートを前記防露材の表面に被覆する。
上記(8)の方法によれば、カーボンファイバシートが伸張された状態で防露材の表面に被覆されるため、防露材表面に対するカーボンファイバの接着力を高めることができると共に、複雑な形状の配管への施工であっても、カーボンファイバシートを配管表面に密着して被覆できる。
前記第2ステップの後に、前記第1網目状部材の表面に熱伝導性材料から形成され、網目の目開きの大きさが前記第1網目状部材より小さい第2網目状部材を被覆する第3ステップをさらに備える。
上記(9)の方法によれば、第1網目状部材及び第1網目状部材の表面に塗布された不燃性塗料の外側に、第1網目状部材より網目の目開きの大きさが小さい上記第2網目状部材をさらに被覆するので、不燃性塗料からなる被覆層を第2網目状部材で保護することができる。また、第2網目状部材の配置によって熱の伝搬を促進できるため、防露材の耐火性能をさらに向上でき、防露材の燃焼を抑制できる。
前記配管が、発電プラントに配置される、冷却水が流れる冷却系配管からなる。
上記(10)の方法によれば、発電プラントに配置される冷却系配管に被覆された防露材の耐熱性能及び耐火性能を高め、かつ不燃性塗料からなる被覆層の剥離及びひび割れを抑制して耐火性能を長期に持続できる。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1及び図2において、冷却流体が流れる配管12の外表面は該冷却流体によって冷されるため、結露が生じやすい。そのため、配管12の表面に防露材14が被覆される。防露材14は、断熱性及び密封性が優れた、例えば、ウレタン、発泡ポリウレタン等の材料で構成される。他方、防露材14は、火災防護上の観点から建築基準法では不燃性が求められている。
なお、図1及び図2では、被覆層18が第1網目状部材16の1つの網目内のみに存在するように図示されているが、被覆層18は第1網目状部材16のすべての網目に存在する。
図3に示すように、不燃性塗料は第1網目状部材16の間に塗布されて被覆層18を形成する。被覆層18は、第1網目状部材16の網目間に形成される凹部に溜まり、第1網目状部材16及び防露材14に付着することで接着力を増大でき、剥離を抑制できる。また、被覆層18は第1網目状部材16の網目毎に分割されることで、塗布ムラによるひび割れを抑制できる。被覆層18’のように、被覆層の高さが第1網目状部材16の高さを超え、第1網目状部材16の網目を超えて一体となった場合でも、被覆層18の第1網目状部材16及び防露材14に対する接着力は低下しない。
この実施形態によれば、第1網目状部材16(16a)が熱伝導性が高くかつ高剛性を有する金属製の網糸で構成されるため、耐熱性能及び耐久性能を向上できる。
本明細書において、「格子状」と「メッシュ状」とを次のように区別して定義する。図5に示すように、「格子状」と「メッシュ状」とは、主として第1網目状部材16の網目の目開きMの大きさが異なることで区別される。即ち、「メッシュ状」は「格子状」より網目の目開きMが小さいことを意味する。例えば、「メッシュ状」の目開きの大きさは数μm〜数mmの範囲であり、「格子状」の目開きの大きさは数mm〜数百mmの範囲である。
この実施形態によれば、カーボンファイバシートが伸張された状態で防露材14の表面に被覆されるため、防露材表面に対するカーボンファイバの付着力を高めることができると共に、複雑な形状の配管への施工であっても、カーボンファイバシートを配管表面に密着して被覆できる。
このように、配管12への施工時にカーボンファイバシートを伸張することで、目開きMの大きさを調整できる。
この実施形態によれば、第1網目状部材16及び第1網目状部材16の表面に塗布された不燃性塗料の外側に、第1網目状部材16より目開きが細かい第2網目状部材20をさらに被覆するので、不燃性塗料からなる被覆層18を第2網目状部材20で保護することができる。また、第2網目状部材20の配置によって熱の伝搬を促進できるため、防露材14の耐火性能をさらに向上でき、防露材14の燃焼を抑制できる。
この実施形態によれば、第1網目状部材16及び第2網目状部材20ともに金属製の網糸で構成されるため、防露材14の耐熱性能及び耐久性能をさらに向上できる。また、第2網目状部材20によって被覆層18の保護を強化できると共に、被覆層18の剥離及びひび割れを抑制できる。
この実施形態によれば、第1網目状部材16によって防露材14の耐熱性能及び耐久性能を高めることができると共に、被覆層18を第2網目状部材20で保護することができる。また、第2網目状部材20の配置によって被覆層18の剥離及びひび割れを抑制できる。
この実施形態によれば、防露材14の耐熱性能及び耐火性能を高めることができると共に、第2網目状部材20によって被覆層18を保護できる。また、第2網目状部材20の配置によって被覆層18の剥離及びひび割れを抑制できる。
これによって、防露材14の耐火性能をさらに高めることができる。
これによって、防露材14からの熱の放散を促進でき、局所的熱滞留による高温上昇及び防露材14の発火を抑制できる。
この実施形態によれば、発電プラントに配置される冷却系配管に被覆された防露材14の耐熱性能及び耐火性能を高め、かつ不燃性塗料からなる被覆層18の剥離及びひび割れを抑制して耐火性能を長期に持続できる。
この実施形態によれば、カーボンファイバシートが伸張された状態で防露材14の表面に被覆されるため、防露材表面に対するカーボンファイバの接着力を高めることができると共に、複雑な形状の配管への施工であっても、カーボンファイバシートを配管表面に密着して被覆できる。
この実施形態によれば、第1網目状部材16及び第1網目状部材16の表面に塗布された不燃性塗料の外側に、第1網目状部材より網目の目開きの大きさが小さい第2網目状部材20をさらに被覆するので、不燃性塗料からなる被覆層18を第2網目状部材20で保護することができる。また、第2網目状部材20の配置によって熱の伝搬を促進できるため、防露材14の耐火性能をさらに向上でき、防露材14の燃焼を抑制できる。
この実施形態によれば、発電プラントに配置される冷却系配管に被覆された防露材14の耐熱性能及び耐火性能を高め、かつ不燃性塗料からなる被覆層18の剥離及びひび割れを抑制して耐火性能を長期に持続できる。
12 配管
14 防露材
16(16a、16b) 第1網目状部材
18、18’ 被覆層
20 第2網目状部材
M 目開き
f 引張力
Claims (10)
- 冷却流体が流れる配管の外表面に被覆された防露材と、
前記防露材の表面に被覆される第1網目状部材であって、熱伝導性材料から形成される第1網目状部材と、
前記第1網目状部材の表面に不燃性塗料が塗布されることで形成される被覆層と、
を備えることを特徴とする配管被覆構造。 - 前記第1網目状部材は、金属製の網糸が格子状に配列されてなる金属製ネットからなることを特徴とする請求項1に記載の配管被覆構造。
- 前記第1網目状部材は、カーボンファイバがメッシュ状に織られることで形成されたカーボンファイバシートからなることを特徴とする請求項1に記載の配管被覆構造。
- 前記カーボンファイバシートは、伸張された状態で前記防露材の表面に被覆されることを特徴とする請求項3に記載の配管被覆構造。
- 前記第1網目状部材の表面に被覆される第2網目状部材であって、熱伝導性材料から形成される第2網目状部材をさらに備え、
前記第2網目状部材の網目の目開きの大きさは、前記第1網目状部材の網目の目開きの大きさよりも小さいことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の配管被覆構造。 - 前記配管が、発電プラントに配置される、冷却水が流れる冷却系配管からなることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の配管被覆構造。
- 冷却流体が流れる配管の外表面に被覆された防露材の表面に、熱伝導性材料から形成される第1網目状部材を被覆する第1ステップと、
前記第1網目状部材の表面に不燃性塗料を塗布することで被覆層を形成する第2ステップと、
を備えることを特徴とする配管被覆構造の施工方法。 - 前記第1網目状部材は、カーボンファイバがメッシュ状に織られることで形成されたカーボンファイバシートからなり、
前記第1ステップでは、伸張された状態の前記カーボンファイバシートを前記防露材の表面に被覆することを特徴とする請求項7に記載の配管被覆構造の施工方法。 - 前記第2ステップの後に、前記第1網目状部材の表面に熱伝導性材料から形成され、網目の目開きの大きさが前記第1網目状部材より小さい第2網目状部材を被覆する第3ステップをさらに備えることを特徴とする請求項7又は8に記載の配管被覆構造の施工方法。
- 前記配管が、発電プラントに配置される、冷却水が流れる冷却系配管からなることを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の配管被覆構造の施工方法。
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