JP2019137759A - 熱可塑性エラストマーの製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマーの製造方法 Download PDF

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隼人 吉満
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Abstract

【課題】ドープの着色が低減されており、なおかつ加工性にも優れたブロック共重合体(アルキルスチレンが共重合されたイソオレフィン重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとを含有するブロック共重合体)の製造方法を提供する。【解決手段】アルキルスチレンが共重合されたイソオレフィン重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとを含有するブロック共重合体の製造方法であって、前記ブロック共重合体を構成する単量体を四塩化チタンとピリジン系化合物の存在下でカチオン重合させる重合工程を含み、前記工程における四塩化チタンの使用量がピリジン系化合物に対して4.0モル当量以下であることを特徴とするブロック共重合体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ビニル化合物重合体ブロックと、アルキルスチレンが共重合したイソオレフィン系重合体ブロックとを含有するブロック共重合体の製造方法に関する。
イソオレフィン系重合体と、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとを含有するブロック共重合体は、ガスバリア性、柔軟性、および靭性に優れた材料として知られている。このようなブロック共重合体は、さらに極性基を導入することによる高機能化が試みられており、例えば、各種シール部材やコーティング剤等への用途展開が期待されている。
上記のような極性基(例えばハロゲン基)を導入したブロック共重合体は、例えば、芳香族ビニル化合物重合体ブロックと、アルキルスチレンが共重合したイソオレフィン系重合体ブロックとを含む共重合体(原料ポリマー)に対して、極性基を導入することにより得られる。当該原料ポリマーを製造する方法として、例えば、四塩化チタンを触媒として使用する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。四塩化チタンを触媒として使用する方法は、取扱の容易さや汎用性の点で有利とされている。
特開2013−216826号公報
特許文献1に開示されるような四塩化チタンとトリエチルアミンを使用する方法によると、重合後に得られるドープが触媒残渣により着色しており、当該ドープ及びこれから得られる重合体からこのような着色成分を除去することは困難であった。一方、トリエチルアミンではなくピリジン類を使用することにより、上述の着色は低減する傾向があったが、得られる重合体の加工性が不十分となることが本発明者らの検討により明らかとなった。
したがって、本発明の目的は、ドープの着色が低減されており、なおかつ加工性にも優れたブロック共重合体(アルキルスチレンが共重合されたイソオレフィン重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとを含有するブロック共重合体)の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、四塩化チタンとピリジン系化合物との特定のモル比で使用する方法によると、ドープの着色が低減されており、なおかつ加工性に優れたブロック共重合体が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、例えば以下の発明を提供する。
[1]アルキルスチレンが共重合されたイソオレフィン重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとを含有するブロック共重合体の製造方法であって、
前記ブロック共重合体を構成する単量体を四塩化チタンとピリジン系化合物の存在下でカチオン重合させる重合工程を含み、
前記工程における四塩化チタンの使用量がピリジン系化合物に対して4.0モル当量以下であることを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
[2]重合工程における四塩化チタンの仕込み濃度が10.0〜100mMである[1]に記載のブロック共重合体の製造方法。
[3]アルキルスチレンがp−メチルスチレンである[1]又は[2]に記載のブロック共重合体の製造方法。
[4]イソオレフィンがイソブチレンである[1]〜[3]のいずれか1つに記載のブロック共重合体の製造方法。
[5]芳香族ビニル化合物がスチレンである[1]〜[4]のいずれか1つに記載のブロック共重合体の製造方法。
[6]ピリジン系化合物が、2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン及び2,6−ジ−t−ブチルピリジンからなる群より選択される少なくとも1種である[1]〜[5]のいずれか1つに記載のブロック共重合体の製造方法。
[7]イソオレフィン重合体ブロックにおけるアルキルスチレンの共重合比が1.0〜2.0mol%である[1]〜[6]のいずれか1つに記載のブロック共重合体の製造方法。
[8]重合工程の後、該工程で得られるブロック共重合体のアルキルスチレンに由来する構成単位にハロゲン基を導入するハロゲン化工程をさらに含む、[1]〜[7]のいずれか1つに記載のブロック共重合体の製造方法。
[9]アルキルスチレンが共重合されたイソオレフィン重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとを有するブロック共重合体であって、
濃度10重量%で1−クロロブタンとヘキサンの混合溶媒(体積比9:1)に溶解させて得られる溶液の色差が10以下であり、JIS K−6394に準拠して測定される23℃の貯蔵弾性率に対する200℃の貯蔵弾性率の割合が16%以上であることを特徴とするブロック共重合体。
[10][9]に記載のブロック共重合体のアルキルスチレンに由来する構成単位がハロゲン化されたブロック共重合体。
本発明によれば、ドープの着色が低減されており、なおかつ加工性にも優れたブロック共重合体(アルキルスチレンが共重合されたイソオレフィン重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとを含有するブロック共重合体)を製造することができる。
<ブロック共重合体の製造方法>
本発明の製造方法は、アルキルスチレンが共重合されたイソオレフィン系重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとを含有するブロック共重合体の製造方法であって、当該ブロック共重合体を構成する単量体を四塩化チタンとピリジン系化合物の存在下でカチオン重合させる工程(「重合工程」と称する場合がある)を必須の工程として含む方法である。
[ブロック共重合体]
本発明の製造方法により製造されるブロック共重合体は、上述のように、アルキルスチレンが共重合されたイソオレフィン重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとを必須の重合体ブロックとする共重合体である。イソオレフィン重合体ブロックは、イソオレフィンとアルキルスチレンの共重合体からなるブロックであり、芳香族ビニル化合物重合体ブロックは、芳香族ビニル化合物からなる重合体ブロックである。
本願におけるイソオレフィンとは、二重結合を一つのみ有しており、二重結合を形成する二つの炭素原子のうち一つの炭素原子に二つのアルキル基が結合している化合物、あるいは二重結合を一つのみ有しており、二重結合を形成する二つの炭素原子のそれぞれに二つのアルキル基が結合している化合物として定義される。また、本願におけるアルキルスチレンとは、フェニル基にアルキル基が結合しており、二重結合のα位あるいはβ位には置換基を持たないスチレン類として定義される。
(イソオレフィン重合体ブロック)
上記ブロック共重合体におけるイソオレフィン重合体ブロックは、イソオレフィンを主たるモノマー成分とし、アルキルスチレンをコモノマー成分として含む共重合体からなるブロック(重合体ブロック)である。イソオレフィン重合体ブロックを構成するイソオレフィンとしては、例えば、炭素数4〜7のイソオレフィン(例えば、イソブチレン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン等)が挙げられる。中でも、ブロック共重合体がガスバリア性及び湿分バリア性に優れたものになることから、イソブチレンが好ましい。なお、イソオレフィンは一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
イソオレフィン重合体ブロックを構成するアルキルスチレンとしては、フェニル基に1以上の炭素数1〜6のアルキル基が置換したスチレン、フェニル基に1以上の炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基が置換したスチレン等が挙げられる。中でも、入手性の点でo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレンが好ましく、重合反応性の点でp−メチルスチレンが更に好ましい。なお、アルキルスチレンは一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
イソオレフィン重合体ブロックには、イソオレフィン及びアルキルスチレン以外のカチオン重合性モノマー(その他のカチオン重合性モノマーと称する場合がある)を共重合してもよく、例えば、ブタジエン、イソプレン、エチレン、アセチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどのオレフィン系モノマー類;クロロスチレン、ブロモスチレン、アミノスチレン、ジビニルベンゼン、カルボキシスチレン、アセチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ニトロスチレン、スルホニルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;ピネン、リモネン、テルペン等の植物由来ビニルモノマー類;アルキルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー類等が挙げられる。これらは一種を単独で使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
イソオレフィン重合体ブロックにおけるイソオレフィンモノマーの共重合比は、特に限定されないが、イソオレフィン重合体ブロックを構成するモノマーの総重量に対して、60〜99重量%が好ましく、より好ましくは80〜98重量%である。共重合比を60重量%以上とすることにより、最終的に得られる熱可塑性エラストマーの力学物性が優れる傾向がある。
イソオレフィン重合体ブロックにおけるアルキルスチレンの共重合比は、特に限定されないが、イソオレフィン重合体ブロックを構成するモノマー全量(100モル%)に対して、1.0〜2.0モル%が好ましく、より好ましくは1.0〜1.8モル%、さらに好ましくは1.0〜1.6モル%である。共重合比が前記範囲内である場合、重合制御の点で好ましく、最終的に得られる熱可塑性エラストマーの力学物性、及び加工性が向上する傾向がある。
イソオレフィン重合体ブロックにおけるその他のカチオン重合性モノマーの共重合比は、特に限定されないが、イソオレフィン重合体ブロックを構成するモノマーの総重量に対して、0〜40重量%とすることができる。
(芳香族ビニル化合物重合体ブロック)
上記ブロック共重合体における芳香族ビニル化合物重合体ブロックは、芳香族ビニル化合物を主たるモノマー成分とするブロック(重合体ブロック)である。芳香族ビニル化合物重合体ブロックを構成する芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、o−、m−、又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−、又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−、又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−、又はp−メトキシスチレン、o−、m−、又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−、又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらは一種を単独で使用してもよいし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。中でも、工業的な入手性や価格の点から、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、インデン、またはこれら2種類以上の混合物がより好ましく、特に入手性が良好である点で、スチレンがさらに好ましい。
芳香族ビニル化合物重合体ブロック中には、芳香族ビニル化合物以外のモノマー成分を共重合してもよい。当該モノマー成分としては、上述のその他のカチオン重合性モノマー等が挙げられる。
芳香族ビニル化合物重合体ブロックにおける芳香族ビニル化合物の共重合比は、特に限定されないが、芳香族ビニル化合物重合体ブロックを構成するモノマーの総重量に対して、60〜100重量%が好ましく、より好ましくは80〜100重量%である。共重合比を60重量%以上とすることにより、最終的に得られる熱可塑性エラストマーの力学物性が優れる傾向がある。
芳香族ビニル化合物重合体ブロックにおけるその他のカチオン重合性モノマーの共重合比は、特に限定されないが、芳香族ビニル化合物重合体ブロックを構成するモノマーの総重量に対して、0〜40重量%とすることができる。
本発明の製造方法により得られるブロック共重合体のブロック構造は、特に限定されず、ジブロック、トリブロック、テトラブロック、ペンタブロック等のいずれであってもよい。また、ブロック共重合体におけるイソオレフィン重合体ブロックと芳香族ビニル化合物重合体ブロックの配置は特に限定されず、その構造が単独で存在していても、複数混合して存在していてもよい。例えば、芳香族ビニル化合物重合体ブロック−イソオレフィン重合体ブロック−芳香族ビニル化合物重合体ブロックのトリブロック等が例示される。
上記ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、5,000〜1,000,000が好ましく、より好ましくは50,000〜500,000である。重量平均分子量が5,000以上であることにより、最終的に得られる熱可塑性エラストマーの力学物性が優れる傾向がある。一方、重量平均分子量が1,000,000以下であることにより、流動性、加工性、成形性の低下がなく、製造時の取扱が容易となる傾向がある。なお、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出され、より具体的には実施例に記載の方法により測定、算出される。
上記ブロック共重合体の分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、1.0〜3.0が好ましく、より好ましくは1.0〜2.0である。分子量分布が3.0以下であることにより、分子量の均一性が高く、溶融状態での粘度が低くなりず、加工安定性の点で好ましい。なお、分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出されるMwとMn(数平均分子量)から算出される。
上記ブロック共重合体は、後述のように四塩化チタンを重合開始剤として得られるものであるため、四塩化チタン由来の成分(残渣等)を含有するものであり得る。このような四塩化チタン由来の成分は、通常、工業的スケールでは完全に除去することは困難である。
上記ブロック共重合体は、濃度10重量%で1−クロロブタン(塩化ブチル)とヘキサンの混合溶媒(体積比9:1)に溶解させて得られる溶液(ドープ)の色差が、10以下であることが好ましく、より好ましくは5.0以下である。色差は、実施例に記載の方法により測定される。
上記ブロック共重合体は、JIS K−6394に準拠して測定される23℃の貯蔵弾性率に対する200℃の貯蔵弾性率の割合が16%以上であることが好ましく、より好ましくは18%以上である。上記割合が18%以上であることにより加工性に優れ、例えば、高温に加熱した場合であっても弾性率が低くなり過ぎることなく、成形時の不具合が生じにくい傾向がある。
[重合工程]
本発明の製造方法における重合工程は、上述のようにブロック共重合体を構成する単量体を四塩化チタンとピリジン系化合物の存在下でカチオン重合させる工程である。即ち、本発明の製造方法における重合工程における重合法は、カルボカチオンを生長種とするカチオン重合法である。本願で特に定める方法以外については、公知乃至慣用の方法を適用してカチオン重合を進行させることができる。
重合工程においては、通常、重合開始剤を使用する。重合開始剤としては、カチオン重合法に一般に使用される重合開始剤を使用することができ、特に限定されないが、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019137759
[式中、複数のR1は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜6の1価の炭化水素基を表す。R2は1価若しくは多価の芳香族炭化水素基又は1価若しくは多価の脂肪族炭化水素基を表す。Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、又は炭素数1〜6のアシロキシ基(アシルオキシ基)を表す。nは1〜6の整数を表す。Xが複数存在する時、それらは同一であっても異なってもよい。]
上記重合開始剤は、ルイス酸等の存在下でカルボカチオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。
重合工程においては、重合させるモノマーに加え、四塩化チタン(TiCl4)を共存させる。四塩化チタンは、カチオン重合法におけるルイス酸触媒として機能する。
重合工程においては、四塩化チタンに加えて、他のルイス酸触媒を併用することもできるし、他のルイス酸触媒を併用しなくてもよい。他のルイス酸触媒としては、例えば、TiCl3(OiPr)、TiCl2(OiPr)2、TiCl(OiPr)3等の塩化チタン; BCl3、BF3、BF3・OEt2、SnCl4、SbCl5、SbF5、WCl6、TaCl5、VCl5、FeCl3、FeBr3、ZnCl2、ZnBr2、AlCl3、AlBr3、Et2AlCl、EtAlCl2、Me2AlCl、MeAlCl2等が挙げられる。
重合工程における四塩化チタンの仕込み濃度は、特に限定されないが、10.0〜100mMが好ましく、より好ましくは20.0〜70.0mMである。仕込み濃度が10.0mM未満であると、重合に長時間を要し、生産性が悪くなる傾向がある。一方、仕込み濃度が100mMを超えると、最終的に得られるブロック共重合体の力学物性が低下したり、得られるブロック共重合体やそのドープが着色しやすくなる傾向がある。なお、四塩化チタンの仕込み濃度とは、使用する四塩化チタンの物質量を使用する全物質の体積の合計で割った濃度である。
重合工程においては、重合させるモノマーに加え、ピリジン系化合物を共存させる。ピリジン系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2−t−ブチルピリジン、2,4,6−トリメチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジン、ピリジン等が挙げられる。中でも重合の制御性の点から2,6−ジ−t−ブチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン、2−メチルピリジンが好ましい。ピリジン系化合物は電子供与体として機能する。電子供与体は、カチオン重合に際して生長末端の炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、分子量分布が狭く構造が制御された重合体を得ることができる。ピリジン系化合物は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
重合工程においては、ピリジン系化合物に加えて、他の電子供与体を併用することもできるし、他の電子供与体を併用しなくてもよい。他の電子供与体としては、例えば、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、エーテル類、金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等が挙げられる。より具体的には、他の電子供与体としては、種々の化合物の電子供与体としての強さを表すパラメーターとして定義されるドナー数が15〜60であるものを好ましく使用でき、具体的にはジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチルエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、リン酸トリメチル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、チタン(III)メトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)ブトキシド等のチタンアルコキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリブトキシド等のアルミニウムアルコキシド等が挙げられる。他の電子供与体成分は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
重合工程においては、四塩化チタンの使用量をピリジン系化合物(ピリジン系化合物の使用量)に対して4.0モル当量以下とする。四塩化チタンの使用量を4.0モル当量以下とすることにより、着色が低減されたドープ及びブロック共重合体が得られ、なおかつ加工性に優れるブロック共重合体が得られる。なお、上述の四塩化チタンの使用量とピリジン系化合物の使用量とは、いずれも重合開始から重合停止までの使用量の総量を意味する。
重合工程におけるカチオン重合反応は、必要に応じて有機溶媒中で行うことができる。有機溶媒としては、カチオン重合で一般的に使用される溶媒であれば特に限定されず、ハロゲン化炭化水素からなる溶媒;脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素等の非ハロゲン系溶媒;またはこれらの混合物等を用いることができる。
ハロゲン化炭化水素としては、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロエタン、ジクロロエタン、1−クロロプロパン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルブタン、1−クロロ−3−メチルブタン、1−クロロ−2,2−ジメチルブタン、1−クロロ−3,3−ジメチルブタン、1−クロロ−2,3−ジメチルブタン、1−クロロペンタン、1−クロロ−2−メチルペンタン、1−クロロ−3−メチルペンタン、1−クロロ−4−メチルペンタン、1−クロロヘキサン、1−クロロ−2−メチルヘキサン、1−クロロ−3−メチルヘキサン、1−クロロ−4−メチルヘキサン、1−クロロ−5−メチルヘキサン、1−クロロヘプタン、1−クロロオクタン、2−クロロプロパン、2−クロロブタン、2−クロロペンタン、2−クロロヘキサン、2−クロロヘプタン、2−クロロオクタン、クロロベンゼン等が使用できる。これらは1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
脂肪族及び/又は芳香族系炭化水素としては、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、パラフィン油、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等が挙げられる。これらは1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。中でも、炭素数3〜5のハロゲン化炭化水素と脂肪族炭化水素との混合溶媒を用いることが、ブロック共重合体の溶解性及び経済性の点から好ましく、1−クロロプロパン、1−クロロブタン、及び1−クロロペンタンからなる群から選択される1種以上の溶媒と、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、及びエチルシクロヘキサンからなる群から選択される1種以上の溶媒との組み合わせが溶解性、経済性、反応性、及び後処理工程での蒸留のしやすさの点から最適である。
有機溶媒は、ブロック共重合体の溶液の粘度及び除熱の容易さを考慮して、得られるブロック共重合体の濃度が1〜50重量%となるように設定するのが好ましく、3〜35重量%となるように設定するのがより好ましい。
一般に、カチオン重合は水分の混入によって重合が阻害されることが知られている。そのため、重合に使用する前に溶剤中の水分は除いておくことが望ましい。水分の脱水方法としては、一般的な脱水剤である塩化カルシウムまたはモレキュラーシーブス等の添加および接触により水分を除去する方法を用いることが可能である。
重合工程における重合温度は、特に限定されず、−100℃以上0℃未満の範囲内で、適宜選択できる。エネルギーコストと重合反応の安定性の観点で、−80〜−30℃が好ましい。重合反応は、不活性気体の雰囲気下、例えば、窒素雰囲気下で実施することが好ましい。
重合工程における重合体ブロック形成の順番は、特に限定されず、例えば得られるブロック共重合体の構造等に応じて適宜選択できる。例えば、実施例に示すように、まずは、イソブチレン及びアルキルスチレンを共重合させてイソブチレン重合体ブロックを形成し、その後、芳香族ビニル化合物を共重合させて芳香族ビニル化合物重合体ブロックを形成することにより、これらブロックを有するトリブロックポリマーが得られる。
[その他の工程]
本発明の製造方法は、重合工程以外のその他の工程を含んでいてもよい。その他の工程としては、例えば、ブロック共重合体(例えば、ブロック共重合体のアルキルスチレンに由来する構成単位)にハロゲン基等の官能基(例えば、極性基)を導入する工程(官能基導入工程と称する場合がある)や、得られたブロック共重合体溶液(ドープ)から溶媒を除去する工程等が挙げられる。
官能基導入工程においてブロック共重合体に導入される官能基としては、例えば、アルケニル基(−C=C−)、アルキニル基(−C≡C)、ハロゲン基(−F、−Cl、−Br、−I)、ヒドロキシ基(−OH)、アミノ基(−N−)、イミノ基(=N−)、N−オキシド基(−N→O)、N−ヒドロキシ基(−N−OH)、ニトロ基(−NO2)、ニトロソ基(−NO)、アゾ基(−N=N−)、ジアゾ基(−N+≡N)、アジド基(−N3)、オキシ基(−O−)、オキソ基(=O)、カルボニル基(−CO−)、フェニル基、ホスフィノ基、チオ基(−S−)、S−オキシド基(−S→O)、チオキシ基(=S)等が挙げられる。中でも、アルキルスチレンのアルキル基に容易に導入できることから、ハロゲン基が好ましい。なお、前記官能基を導入した重合体を中間体とし、更に前記官能基のうち他のものを導入してもよい。ハロゲン基は、求核試薬で容易に置換でき、様々な官能基を導入できることから、ハロゲン基を導入したブロック共重合体は中間体としても好ましい。官能基の導入方法は特に限定されず、官能基の種類により適宜選択できるが、例えば、ハロゲン基導入工程(ハロゲン化工程)としては、国際公開第2016/190358号に記載の方法を参照して実施できる。
例えば、ハロゲン化(例えば臭素化)工程を有することにより、ブロック共重合体におけるアルキルスチレンに由来する構成単位がハロゲン化(例えば臭素化)されたブロック共重合体(ハロゲン化ブロック共重合体)が得られる。
ドープから溶媒を除去する方法は、特に限定されず、公知乃至慣用の方法を選択して実施できる。除去した溶媒は、適宜精製してもよい。
重合に使用される溶媒をより高度に精製する方法としては、蒸留による方法が挙げられる。蒸留であれば、沸点に際のある不純物はほぼ除去することが可能である。蒸留はバッチ蒸留でも良いし連続蒸留でもよい。例えば、バッチ蒸留の場合には、蒸留初期の塔頂留出液を抜き出すことにより低沸点不純物を除去し、かつ蒸留後の塔底残存液を抜き出すことにより高沸点不純物を除去することができる。連続蒸留の場合には、除去対象不純物の種類によって、1本又は複数本の蒸留塔により不純物が除去可能である。
[用途]
本発明の熱可塑性エラストマーは、ガスバリア性、及び柔軟性に富み、成形加工性、ゴム的特性、機械的強度、及び圧縮永久歪み特性に優れている。したがって、例えば、以下のような用途に利用可能である。但し、本発明の熱可塑性エラストマーの用途は、下記用途には特に限定されない。
(1)改質剤:樹脂改質剤(熱可塑性樹脂の耐衝撃性改質剤、制振性改質剤、ガスバリヤー性改質剤、軟化剤等;熱硬化性樹脂の耐衝撃性改質剤、低応力化剤等)、アスファルト改質剤(道路用アスファルト改質剤、防水シート用アスファルト改質剤、橋梁床版用防水剤)、タイヤ改質剤(タイヤのウェットグリップ性向上剤)、及びゴム改質剤。
(2)接着剤又は粘着剤:ホットメルト系接着剤、水系接着剤、溶剤系接着剤、及び粘着剤。
(3)粘度調整剤:オイル、潤滑油等に添加する粘度調整剤。
(4)コーティング剤:塗料等に利用するベースレジン、及びシーラント。
(5)PVC代替等に使用される材料:ケーブル、コネクター及びプラグ等の電線被覆剤;人形等の玩具;養生用テープ;ロゴマーク(スポーツウェア及びスポーツシューズ用);キャリーバッグ;衣料用包装材;トラックの幌;農業用フィルム(ハウス栽培用);消しゴム;業務用エプロン(ターポリン);床材及び天井材等の建物の内装材;レインコート、雨傘、ショッピングバッグ、椅子及びソファー等の表皮材;ベルトや鞄等の表皮材;ガーデンホース、冷蔵庫のガスケット(パッキング)、洗濯機又は掃除機のフレキシブルホース;並びに自動車用内装材。
(6)制振材、防振材、又は緩衝材:制振材(とくにアルミ又は銅版とともに多層に張り合わせた制振材)、防振材、緩衝材(建築用途、自動車用途、フロアー制振用途、フローリング用途、遊戯器具用途、精密機器用途、及び電子機器用途に使用)、靴底、文具及び玩具用品のグリップ、ゴルフクラブ及びバット等の心材、テニスラケット及び卓球ラケット等のラバー、並びにテニスラケット及び卓球ラケット等のグリップ。
(7)防音材、又は吸音材:自動車内外装材、自動車天井材、鉄道車両用材、及び配管用材。
(8)シール材:ガスケット、建築用ガスケット、栓体、合わせガラス用及び被覆ガラス用のガラスシール材、包装材、シート、多層シート、容器及び多層容器等のガスバリヤー用材、土木シート、防水シート、包装輸送資材、シーラント、医療用薬栓、並びにシリンジガスケット。
(9)チューブ:衣料用チューブ、インク用チューブ、食品用チューブ、及びタイヤ用チューブ。
(10)発泡体:ビーズ発泡、徐圧発泡又は押出発泡による発泡体(配管被覆材、合成木材、木粉系発泡体等)、並びに化学発泡又は物理発泡における発泡剤のキャリヤー。
(11)その他:衣料用途;難燃剤用途;キャップ;バッグ;ガスケット;ホース;シューズ;運動用具類;発泡性耐火シート、エアバッグカバー、バンパー、内装部品(インパネの表皮材、シフトノブ等の表皮材等)、ウェザーストリップ、ルーフモール、ドア下モール等の自動車用部材;電子レンジ用食品トレー、ポーション用食品容器、食品容器用ラミネートフィルム、食品容器用ポリスチレンシート(刺身容器、鶏卵パック等)、カップラーメン容器、ポリスチレン系網目状発泡体、冷菓カップ、透明飲料カップ等の食品容器;ICトレー;CD−ROMシャーシ;ホイールキャップ;弾性糸;不織布;ワイヤーハーネス;紙おむつのパックシート;2色成形用コンパウンド材;水中ゴーグル;パソコン用マウス;クッション;及びストッパー。
以下、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例によって本発明はなんら限定されるものではない。
[分子量測定]
下記実施例中、重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いた標準ポリスチレン換算法により算出した。測定装置としてはWaters社製510型GPCシステムを用いて、クロロホルムを移動相とし、カラム温度35℃の条件下にて、ポリマー濃度が4mg/mLである試料溶液を注入することで測定した。
[破断強度:Tb
JIS K−6251に準拠して、試験片として2.0mm厚にプレスしたシートをダンベルで7号型に打ち抜いたものを用意し、これを測定に使用した。測定時の引張速度は200mm/分とした。
[加工性]
JIS K−6394に準拠し、試験片として2.0mm厚にプレスしたシートを5mm×6mmに切り出したものを用意し、剪断モード、周波数10Hz、歪み0.05%にて、0〜250℃の範囲で4℃/分で昇温しながら動的粘弾性の測定を行った。23℃の貯蔵弾性率に対する200℃の貯蔵弾性率の割合(%)を加工性の指標として用いた。
上記割合が高いほど、高温(例えば200℃)に加熱した場合でも低温(例えば23℃)時に対して相対的に高い弾性率を維持し、加工性に優れることを意味する。一方、上記割合が低いことは、高温(例えば200℃)に加熱した場合の軟化が顕著となり、加工性に劣ることを意味する。
[評価用シートの作製]
上述の破断強度と加工性の評価において使用した2.0mm厚にプレスしたシートは、下記の実施例で得られた熱可塑性エラストマーを170℃に予熱したプレス機で加圧することによって得た。
[色差の測定方法]
スガ試験機株式会社製、分光測色計SC−Pを測定装置として用いた。標準試料は幅10mmの石英セルとし、得られたドープの色差ΔE*を求めた。
実施例1
[重合工程]
1Lのセパラブルフラスコである重合容器内を窒素置換した後、ここに塩化ブチルとn−ヘキサンを体積比で9:1で混合した混合溶媒(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)499.4mLを注射器を用いて加えた。この重合容器を−70℃のドライアイス/エキネン中に浸して冷却した後、イソブチレン63.3mL(0.670mol)を加えた。次に、2−メチルピリジン0.53g(5.7mmol)、p−メチルスチレン1.91g(16.2mmol)、及びp−ジクミルクロライドの15重量%塩化ブチル溶液0.93g(0.60mmol)を加えた。系中を−70℃まで冷却した後、四塩化チタン3.69g(19.4mmol)を加え、重合反応を開始させた。
反応中は随時重合溶液を抜き取り、イソブチレン及びp−メチルスチレンの消費率をガスクロマトグラフィーにより測定した。四塩化チタンを投入してから24分後にイソブチレン63.3mL(0.670mol)を追加した。このイソブチレン追加の直前の時点で、最初に投入したイソブチレンの56%及びp−メチルスチレンの76%が消費されていることを確認した。四塩化チタンを投入してから112分後にイソブチレン及びp−メチルスチレンの99%が消費されていることを確認した。この時点でイソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体の重量平均分子量は123,900、数平均分子量は98,300、分子量分布は1.26であった。
四塩化チタンを投入してから114分後にスチレン15.56g(0.1494mol)を投入した。スチレン投入後186分後に、投入したスチレンの82%が消費されたことをガスクロマトグラフィーにより確認した。次に、重合溶液全体を、50℃に加熱している0.8重量%水酸化ナトリウム水溶液0.5Lに注ぎ込み、重合容器内を塩化ブチル349.24g及びn−ヘキサン28.84gで共洗いし、65分間メカニカルスターラーを使用して激しく攪拌することで重合を停止させた。
重合停止後の溶液(ドープ)から、色差測定用に25mLを採取し、残りを純水0.5Lで洗浄した。重合停止後の溶液の色差は2.33であった。その後、加熱下に溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることにより、p−メチルスチレンとイソブチレンの共重合体ブロック及びポリスチレンブロックとからなる熱可塑性エラストマー(ブロック共重合体)90gを得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量は140,900、数平均分子量は108,100、分子量分布は1.30であった。各種物性評価結果はTb:10.72MPa、加工性:20%であった。結果を表1に示す。
[臭素化工程]
上述の重合工程で得られたブロック共重合体45.3gを、1−クロロブタン216g及びn−ヘキサン17.5gを入れた1Lのセパラブルフラスコ中で溶解させた。得られた溶液に窒素バブリングを65分間行い、その後は容器内を窒素フローに切り替えた。更に臭素1.42gを極力光に曝さないよう遮光した状態で前記溶液に投入した。十分攪拌して溶液の色が均一になったのを確認して、家庭用LEDランプ(10W)1機を使って容器外部から光を照射し、臭素化反応を行った。光照射から6時間後に臭素0.38gを極力光に曝さないよう遮光した状態で反応溶液に投入した。光照射から9時間後に光照射を止め、4重量%Na2SO3水溶液35.0gを反応溶液へ投入し、褐色が消えるまで攪拌することで失活し、更に1−クロロブタン171g、及びn−ヘキサン14.4gを失活後の溶液に加え、その後一晩静置分離して水相を払出した。水相を払出した溶液に純水17.5gを投入し、3時間攪拌した後に1−クロロブタン41.4g、n−ヘキサン4.41gを加え、その後静置分離して水相を払出した。水相を払出した溶液に純水23.4gを投入し、30分間攪拌した後にn−ヘキサン27gを加え、その後静置分離して水相を払出した。水相を払出した溶液を加熱下に溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることにより、臭素基が導入されたブロック共重合体(臭素化ブロック共重合体)を得た。当該臭素化ブロック共重合体の1H NMRを測定したところ、p−メチルスチレンのメチル基に臭素が1つ置換したモノブロモメチル基を示唆するシグナルが発生していることを確認した。これらのシグナルの積分値から、臭素化前の上記メチル基に対して64%生じていることが算出された。得られた臭素化ブロック共重合体の重量平均分子量は137,200、数平均分子量は99,700、分子量分布は1.38であった。各種物性評価結果はTb:8.71MPa、加工性:14%であった。
実施例2
1Lのセパラブルフラスコである重合容器内を窒素置換した後、ここに塩化ブチルとn−ヘキサンを体積比で9:1で混合した混合溶媒(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)499.4mLを注射器を用いて加えた。この重合容器を−70℃のドライアイス/エキネン中に浸して冷却した後、イソブチレン63.3mL(0.670mol)を加えた。次に、2−メチルピリジン0.61g(6.5mmol)、p−メチルスチレン1.91g(16.2mmol)、及びp−ジクミルクロライドの15重量%塩化ブチル溶液0.92g(0.60mmol)を加えた。系中を−70℃まで冷却した後、四塩化チタン4.89g(25.8mmol)を加え、重合反応を開始させた。
反応中は随時重合溶液を抜き取り、イソブチレン及びp−メチルスチレンの消費率をガスクロマトグラフィーにより測定した。四塩化チタンを投入してから22分後にイソブチレン63.3mL(0.670mol)を追加した。このイソブチレン追加の直前の時点で、最初に投入したイソブチレンの78%及びp−メチルスチレンの91%が消費されていることを確認した。四塩化チタンを投入してから74分後にイソブチレン及びp−メチルスチレンの99%が消費されていることを確認した。この時点でイソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体の重量平均分子量は114,200、数平均分子量は85,600、分子量分布は1.33であった。
四塩化チタンを投入してから76分後にスチレン16.00g(0.1536mol)を投入した。スチレン投入後43分後に、投入したスチレンの81%が消費されたことをガスクロマトグラフィーにより確認した。次に、重合溶液全体を、50℃に加熱している1.0重量%水酸化ナトリウム水溶液0.5Lに注ぎ込み、重合容器内を塩化ブチル346.06g及びn−ヘキサン28.78gで共洗いし、65分間メカニカルスターラーを使用して激しく攪拌することで重合を停止させた。
重合停止後の溶液(ドープ)から、色差測定用に25mL採取し、残りを純水0.5Lで洗浄した。重合停止後の溶液の色差は2.07であった。その後、加熱下に溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることにより、p−メチルスチレンとイソブチレンの共重合体ブロック及びポリスチレンブロックとからなる熱可塑性エラストマー(ブロック共重合体)90gを得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量は133,800、数平均分子量は98,600、分子量分布は1.36であった。各種物性評価結果はTb:9.46MPa、加工性:18%であった。結果を表1に示す。
実施例3
1Lのセパラブルフラスコである重合容器内を窒素置換した後、ここに塩化ブチルとn−ヘキサンを体積比で9:1で混合した混合溶媒(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)499.4mLを注射器を用いて加えた。この重合容器を−70℃のドライアイス/エキネン中に浸して冷却した後、イソブチレン63.3mL(0.670mol)を加えた。次に、2,6−ジメチルピリジン0.63g(5.9mmol)、p−メチルスチレン1.91g(16.2mmol)、及びp−ジクミルクロライドの15重量%塩化ブチル溶液0.92g(0.60mmol)を加えた。系中を−70℃まで冷却した後、四塩化チタン3.81g(20.1mmol)を加え、重合反応を開始させた。
反応中は随時重合溶液を抜き取り、イソブチレン及びp−メチルスチレンの消費率をガスクロマトグラフィーにより測定した。四塩化チタンを投入してから24分後にイソブチレン63.3mL(0.670mol)を追加した。このイソブチレン追加の直前の時点で、最初に投入したイソブチレンの76%及びp−メチルスチレンの95%が消費されていることを確認した。四塩化チタンを投入してから96分後にイソブチレン及びp−メチルスチレンの99%が消費されていることを確認した。この時点でイソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体の重量平均分子量は108,200、数平均分子量は84,500、分子量分布は1.28であった。
四塩化チタンを投入してから98分後にスチレン15.81g(0.1518mol)を投入した。スチレン投入後168分後に、投入したスチレンの80%が消費されたことをガスクロマトグラフィーにより確認した。次に、重合溶液全体を、50℃に加熱している1.0重量%水酸化ナトリウム水溶液0.5Lに注ぎ込み、重合容器内を塩化ブチル351.11g及びn−ヘキサン29.98gで共洗いし、65分間メカニカルスターラーを使用して激しく攪拌することで重合を停止させた。
重合停止後の溶液(ドープ)から、色差測定用に25mL採取し、残りを純水0.5Lで洗浄した。重合停止後の溶液の色差は1.94であった。その後、加熱下に溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることにより、p−メチルスチレンとイソブチレンの共重合体ブロック及びポリスチレンブロックとからなる熱可塑性エラストマー(ブロック共重合体)90gを得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量は135,200、数平均分子量は105,200、分子量分布は1.29であった。各種物性評価結果はTb:8.84MPa、加工性:19%であった。結果を表1に示す。
実施例4
1Lのセパラブルフラスコである重合容器内を窒素置換した後、ここに塩化ブチルとn−ヘキサンを体積比で9:1で混合した混合溶媒(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)499.4mLを注射器を用いて加えた。この重合容器を−70℃のドライアイス/エキネン中に浸して冷却した後、イソブチレン63.3mL(0.670mol)を加えた。次に、2,6−ジ−t−ブチルピリジン1.21g(6.3mmol)、p−メチルスチレン1.91g(16.2mmol)、及びp−ジクミルクロライドの15重量%塩化ブチル溶液0.92g(0.60mmol)を加えた。系中を−70℃まで冷却した後、四塩化チタン4.63g(24.4mmol)を加え、重合反応を開始させた。
反応中は随時重合溶液を抜き取り、イソブチレン及びp−メチルスチレンの消費率をガスクロマトグラフィーにより測定した。四塩化チタンを投入してから20分後にイソブチレン63.3mL(0.670mol)を追加した。このイソブチレン追加の直前の時点で、最初に投入したイソブチレンの72%及びp−メチルスチレンの98%が消費されていることを確認した。四塩化チタンを投入してから79分後にイソブチレン及びp−メチルスチレンの99%が消費されていることを確認した。この時点でイソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体の重量平均分子量は112,500、数平均分子量は85,200、分子量分布は1.32であった。
四塩化チタンを投入してから81分後にスチレン15.95g(0.1532mol)を投入した。スチレン投入後53分後に、投入したスチレンの83%が消費されたことをガスクロマトグラフィーにより確認した。次に、重合溶液全体を、50℃に加熱している1.0重量%水酸化ナトリウム水溶液0.5Lに注ぎ込み、重合容器内を塩化ブチル348.90g及びn−ヘキサン28.81gで共洗いし、65分間メカニカルスターラーを使用して激しく攪拌することで重合を停止させた。
重合停止後の溶液(ドープ)から、色差測定用に25mL採取し、残りを純水0.5Lで洗浄した。重合停止後の溶液の色差は2.10であった。その後、加熱下に溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることにより、p−メチルスチレンとイソブチレンの共重合体ブロック及びポリスチレンブロックとからなる熱可塑性エラストマー(ブロック共重合体)90gを得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量は141,100、数平均分子量は102,300、分子量分布は1.38であった。各種物性評価結果はTb:9.11MPa、加工性:21%であった。結果を表1に示す。
比較例1
1Lのセパラブルフラスコである重合容器内を窒素置換した後、ここに塩化ブチルとn−ヘキサンを体積比で9:1で混合した混合溶媒(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)249.7mLを注射器を用いて加えた。この重合容器を−70℃のドライアイス/エキネン中に浸して冷却した後、イソブチレン63.0mL(0.667mol)を加えた。次に、トリエチルアミン0.38g(3.8mmol)、p−メチルスチレン1.88g(15.9mmol)、及びp−ジクミルクロライドの15重量%塩化ブチル溶液0.93g(0.60mmol)を加えた。系中を−70℃まで冷却した後、四塩化チタン3.74g(19.7mmol)を加え、重合反応を開始させた。
反応中は随時重合溶液を抜き取り、イソブチレン及びp−メチルスチレンの消費率をガスクロマトグラフィーにより測定した。四塩化チタンを投入してから15分後に、別途準備した−70℃に冷却及びしたイソブチレン溶液(イソブチレン63.0mL、塩化ブチル224.7mLn−ヘキサン25.0mLの混合溶液)をテフロン(登録商標)製の送液チューブを用いて窒素圧により重合溶液に追加した。このイソブチレン追加の直前の時点で、最初に投入したイソブチレンの65%及びp−メチルスチレンの75%が消費されていることを確認した。四塩化チタンを投入してから118分後にイソブチレン及びp−メチルスチレンの99%が消費されていることを確認した。この時点でイソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体の重量平均分子量は120,000、数平均分子量は89,900、分子量分布は1.33であった。
四塩化チタンを投入してから121分後にスチレン16.24g(0.1559mol)を投入した。スチレンを投入してから175分後に、投入したスチレンの77%が消費されたことをガスクロマトグラフィーにより確認した。次に、重合溶液全体を、50℃に加熱している0.5重量%水酸化ナトリウム水溶液0.9Lに注ぎ込み、重合容器内を塩化ブチル337.76g及びn−ヘキサン28.06gで共洗いし、150分間メカニカルスターラーを使用して激しく攪拌することで重合を停止させた。
重合停止後の溶液(ドープ)から、色差測定用に25mL採取し、残りを純水0.9Lで洗浄した。重合停止後の溶液の色差は12.6であった。その後、加熱下に溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることにより、p−メチルスチレンとイソブチレンの共重合体ブロック及びポリスチレンブロックとから成る熱可塑性エラストマー(ブロック共重合体)90gを得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量は137,900、数平均分子量は105,500、分子量分布は1.31であった。各種物性評価結果はTb:9.62MPa、加工性:19%であった。結果を表1に示す。
比較例2
1Lのセパラブルフラスコである重合容器内を窒素置換した後、ここに塩化ブチルとn−ヘキサンを体積比で9:1で混合した混合溶媒(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)249.7mLを注射器を用いて加えた。この重合容器を−70℃のドライアイス/エキネン中に浸して冷却した後、イソブチレン63.0mL(0.667mol)を加えた。次に、2−メチルピリジン0.34g(3.7mmol)、p−メチルスチレン1.89g(16.0mmol)、及びp−ジクミルクロライドの15重量%塩化ブチル溶液0.92g(0.60mmol)を加えた。系中を−70℃まで冷却した後、四塩化チタン2.1mL(19.0mmol)を加え、重合反応を開始させた。
反応中は随時重合溶液を抜き取り、イソブチレン及びp−メチルスチレンの消費率をガスクロマトグラフィーにより測定した。四塩化チタンを投入してから26分後に、別途準備した−70℃に冷却したイソブチレン溶液(イソブチレン63.0mL、塩化ブチル224.7mL及びn−ヘキサン25.0mLの混合溶液)をテフロン(登録商標)製の送液チューブを用いて窒素圧により重合溶液に追加した。このイソブチレン追加の直前の時点で、最初に投入したイソブチレンの97%及びp−メチルスチレンの100%が消費されていることを確認した。四塩化チタンを投入してから117分後にイソブチレンの98%及びp−メチルスチレンの100%が消費されていることを確認した。この時点でイソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体の重量平均分子量は99,200、数平均分子量は64,300、分子量分布は1.51であった。
四塩化チタンを投入してから120分後にスチレン16.33g(0.1568mol)を投入した。スチレン投入後80分後に、投入したスチレンの81%が消費されたことをガスクロマトグラフィーにより確認した。次に、重合溶液全体を、50℃に加熱している0.5重量%水酸化ナトリウム水溶液0.9Lに注ぎ込み、重合容器内を塩化ブチル364.14g及びn−ヘキサン28.00gで共洗いし、98分間メカニカルスターラーを使用して激しく攪拌することで重合を停止させた。
重合停止後の溶液(ドープ)から、色差測定用に25mL採取し、残りを純水0.9Lで洗浄した。重合停止後の溶液の色差は0.87であった。その後、加熱下に溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることにより、p−メチルスチレンとイソブチレンの共重合体ブロックおよびポリスチレンブロックとから成る熱可塑性エラストマー(ブロック共重合体)90gを得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量は116,400、数平均分子量は72,500、分子量分布は1.60であった。各種物性評価結果はTb:8.93MPa、加工性:14%であった。結果を表1に示す。
比較例3
1Lのセパラブルフラスコである重合容器内を窒素置換した後、ここに塩化ブチルとn−ヘキサンを体積比で9:1で混合した混合溶媒(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)499.4mLを注射器を用いて加えた。重合容器を−70℃のドライアイス/エキネン中に浸して冷却した後、イソブチレン63.3mL(0.670mol)を加えた。次に、2−メチルピリジン0.69g(7.4mmol)、p−メチルスチレン1.91g(16.2mmol)、及びp−ジクミルクロライドの15重量%塩化ブチル溶液0.93g(0.60mmol)を加えた。系中を−70℃まで冷却した後、四塩化チタン6.04g(31.8mmol)を加え、重合反応を開始させた。
反応中は随時重合溶液を抜き取り、イソブチレン及びp−メチルスチレンの消費率をガスクロマトグラフィーにより測定した。四塩化チタンを投入してから7分後にイソブチレン63.3mL(0.670mol)を追加した。このイソブチレン追加の直前の時点で、最初に投入したイソブチレンの53%及びp−メチルスチレンの74%が消費されていることを確認した。四塩化チタンを投入してから45分後にイソブチレンの99%及びp−メチルスチレンの100%が消費されていることを確認した。この時点でイソブチレンとp−メチルスチレンの共重合体の重量平均分子量は107,800、数平均分子量は83,400、分子量分布は1.29であった。
四塩化チタンを投入してから47分後にスチレン15.51g(0.1489mol)を投入した。スチレン投入後43分後に、投入したスチレンの96%が消費されたことをガスクロマトグラフィーにより確認した。次に、重合溶液全体を、50℃に加熱している0.5重量%水酸化ナトリウム水溶液0.9Lに注ぎ込み、重合容器内を塩化ブチル349.65g及びn−ヘキサン29.26gで共洗いし、65分間メカニカルスターラーを使用して激しく攪拌することで重合を停止させた。
重合停止後の溶液(ドープ)から、色差測定用に25mL採取し、残りを純水0.9Lで洗浄した。重合停止後の溶液の色差は2.16であった。その後、加熱下に溶剤等の揮発分を留去し、乾燥させることにより、p−メチルスチレンとイソブチレンの共重合体ブロック及びポリスチレンブロックとから成る熱可塑性エラストマー(ブロック共重合体)90gを得た。得られたブロック共重合体の重量平均分子量は139,300、数平均分子量は98,800、分子量分布は1.41であった。各種物性評価結果はTb:7.09MPa、加工性;14%であった。結果を表1に示す。
表1に示されたように、四塩化チタンの使用量をピリジン系化合物に対して4.0mol当量以下としている実施例1〜4は、比較例1〜3では併せ持つことができなかった、高い加工性と低い色差を有している。
Figure 2019137759

Claims (10)

  1. アルキルスチレンが共重合されたイソオレフィン重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとを含有するブロック共重合体の製造方法であって、
    前記ブロック共重合体を構成する単量体を四塩化チタンとピリジン系化合物の存在下でカチオン重合させる重合工程を含み、
    前記工程における四塩化チタンの使用量がピリジン系化合物に対して4.0モル当量以下であることを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
  2. 重合工程における四塩化チタンの仕込み濃度が10.0〜100mMである請求項1に記載のブロック共重合体の製造方法。
  3. アルキルスチレンがp−メチルスチレンである請求項1又は2に記載のブロック共重合体の製造方法。
  4. イソオレフィンがイソブチレンである請求項1〜3のいずれか1項に記載のブロック共重合体の製造方法。
  5. 芳香族ビニル化合物がスチレンである請求項1〜4のいずれか1項に記載のブロック共重合体の製造方法。
  6. ピリジン系化合物が、2−メチルピリジン、2,6−ジメチルピリジン及び2,6−ジ−t−ブチルピリジンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載のブロック共重合体の製造方法。
  7. イソオレフィン重合体ブロックにおけるアルキルスチレンの共重合比が1.0〜2.0mol%である請求項1〜6のいずれか1項に記載のブロック共重合体の製造方法。
  8. 重合工程の後、該工程で得られるブロック共重合体のアルキルスチレンに由来する構成単位にハロゲン基を導入するハロゲン化工程をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のブロック共重合体の製造方法。
  9. アルキルスチレンが共重合されたイソオレフィン重合体ブロックと、芳香族ビニル化合物重合体ブロックとを有するブロック共重合体であって、
    濃度10重量%で1−クロロブタンとヘキサンの混合溶媒(体積比9:1)に溶解させて得られる溶液の色差が10以下であり、JIS K−6394に準拠して測定される23℃の貯蔵弾性率に対する200℃の貯蔵弾性率の割合が16%以上であることを特徴とするブロック共重合体。
  10. 請求項9に記載のブロック共重合体のアルキルスチレンに由来する構成単位がハロゲン化されたブロック共重合体。
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