JP2019136960A - 液体吐出ヘッド用基板、その製造方法及び液体吐出ヘッド - Google Patents

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秋一 玉作
Shuichi Tamazukuri
秋一 玉作
建 安田
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建 安田
進哉 岩橋
Shinya Iwahashi
進哉 岩橋
下津佐 峰生
Mineo Shimotsusa
峰生 下津佐
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Abstract

【課題】電極パッド部の蓄熱層壁面から侵入する水分の移動を低減し、エネルギー発生素子の酸化や変質を抑制し高い耐久性を持つ液体吐出ヘッド用基板、その製造方法及び液体吐出ヘッドを提供する。【解決手段】液体吐出ヘッド用基板401は、基体301と、該基体の上に配置された蓄熱層302、102と、該蓄熱層の内部に配置された配線101及び外部接続用の電極パッド201と、該蓄熱層の上に配置された液体吐出用のエネルギー発生素子104と、該エネルギー発生素子と該配線とを接続する埋め込み電極103と、該蓄熱層に該電極パッドの前記基体と対向する面の反対側の面の一部を露出させる接続用開口210と、該接続用開口を囲み、該蓄熱層の内部の該電極パッドの上面から該蓄熱層の上面まで配置された防湿部材203と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット方式によりインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置に代表される液体吐出装置に用いられる液体吐出ヘッド用基板、及びその製造方法に関するものである。また本発明は、液体吐出ヘッド用基板を含む液体吐出ヘッドに関する。
近年、高画質化のためにインク滴を小さく高密度に印字することが求められている。例えばサーマル方式のインクジェットヘッドは、インクジェットヘッド用基板上の発熱抵抗体がインクを急激に加熱し発泡させることで、ノズルよりインク滴を吐出する。インク滴を小さくするには、発熱抵抗体の面積も小さくするが、発熱抵抗体の外周の境界領域は発泡に寄与しないため発泡させるエネルギーは面積ほど減らない。また、高密度化により小さい領域にエネルギーが集中すると、インクジェットヘッド用基板の温度が上がりやすくなり安定した連続吐出ができなくなる。このため、熱効率がよく、安定した連続吐出ができる構成が求められている。
発熱抵抗体とインクの間には発熱抵抗体を保護する膜が成膜されている。発熱抵抗体とインクを電気的に絶縁する絶縁膜と、発泡が消えるときに生じるキャビテーションの衝撃を防ぐ保護膜である。これらの膜厚を薄くすればより効率よくインクを加熱できる。
一方、発熱抵抗体に電気を供給する電極層が発熱抵抗体層より上にある構成では電極層と発熱抵抗体層との間に大きな段差が生じる。また、電極層はアルミニウムが使われることが多いが、腐食しやすいため加工(エッチング)が難しく形状が安定しにくい。また、絶縁膜や保護膜は、平坦な部分に形成される膜より、段差の側壁などに形成される膜のほうが膜厚が薄くまた膜質も悪くなることが多い。
このため上記の構成では絶縁膜や保護膜を薄くすると十分な保護がしにくくなり、電気的な絶縁性の低下や耐衝撃性の低下が生じるおそれがある。さらにインクに腐食されやすくなるなどの問題も生じる可能性がある。
そこで、電極を絶縁層に埋め込み平坦化し、その上に発熱抵抗体、保護膜を形成する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−10882号公報
図7は従来技術例を示すインクジェットヘッド1の斜視図である。インクジェットヘッド1は、インクジェットヘッド用基板(基板)50と、インクジェットヘッド用基板の上にノズル形成部材8とを有している。ノズル形成部材8にはインク吐出口9が形成されている。ノズル形成部材8は一部を切り欠いて図示している。基板50にはインク供給口7や半導体製造技術を用いてインクを発泡させて吐出させる為のエネルギー発生素子6とそれを駆動させる駆動回路(不図示)などが形成されている。エネルギー発生素子6は、例えば発熱抵抗体やピエゾ素子などがあるが、ここでは発熱抵抗体を例にとって説明する。基板50は電源を有していないため、電力を外部から供給する必要がある。そのため基板50の端部には、外部との接続用の電気配線テープ(不図示)と電気的接続をするための電極パッド部5が形成されている。なお、本発明の実施形態に係るインクジェットヘッドの外観も図7と同様である。
図8は、図7のX−X’に示す領域にあるインクジェットヘッド用基板50の電極パッド部5とエネルギー発生素子6の拡大構成図である。図8(a)は電極パッド部5とエネルギー発生素子6の平面図、図8(b)は図8(a)のA−A’断面図である。基板50は、基体301の上に形成された絶縁層を兼ねる第2蓄熱層102に、電極パッド201と発熱抵抗体層104に繋がる電力供給用の配線101とが埋め込まれている。第2蓄熱層102の上面は平坦化されており、発熱抵抗体層104が形成され、さらにその上に保護膜105が形成されている。
電極パッド部5は外部接続用の電極パッド201と蓄熱層壁(蓄熱層壁面)202とから構成される。電極パッド部5は、基板50の外部と電気的に接続するための部材である。そのため、電極パッド201の上部の第2蓄熱層102には接続用開口210が設けられている。蓄熱層壁面202は接続用開口210の側壁面である。
このような構成を採るとエネルギー発生素子層である発熱抵抗体層104を形成する面の平坦性が良くなり、発熱抵抗体層104をインクから保護するための保護膜105のカバレッジ性に優れる。
反面、この構成は電極パッド201の上に第2蓄熱層102を積層することになる。このため第2蓄熱層102が露出する蓄熱層壁面202の面積が大きくなり、このような構成を有しないインクジェットヘッド用基板に比べ蓄熱層壁面202を通して空気中の水分を吸湿しやすい。吸湿された水分は第2蓄熱層102内を移動して発熱抵抗体層104に到達し、発熱抵抗体層104を酸化、変質させる。そのため、発熱抵抗体層104の抵抗値のバラツキや変動が大きくなって、インクの安定した発泡が出来ず、インクジェットヘッドの耐久性が損なわれるおそれがある。
本発明は、電極パッド部の蓄熱層壁面から侵入する水分の移動を低減し、エネルギー発生素子の酸化や変質を抑制し、高い耐久性を持つ液体吐出ヘッド用基板、その製造方法及び液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る液体吐出ヘッド用基板は、
基体と、
該基体の上に配置された蓄熱層と、
該蓄熱層の内部に配置された配線及び外部接続用の電極パッドと、
該蓄熱層の上に配置された液体吐出用のエネルギー発生素子と、
該エネルギー発生素子と該配線とを接続する埋め込み電極と、
該蓄熱層に該電極パッドの前記基体と対向する面の反対側の面の一部を露出させる接続用開口と、
該接続用開口を囲み、該蓄熱層の内部の該電極パッドの上面から該蓄熱層の上面まで配置された防湿部材と、を有することを特徴とする。
本発明の他の態様に係る液体吐出ヘッド用基板の製造方法は、
基体の上面に第1蓄熱層を形成する工程と、
該第1蓄熱層の上に配線と電極パッドを形成する工程と、
該配線と該電極パッドを覆い、該第1蓄熱層の上に第2蓄熱層を形成する工程と、
該第2蓄熱層に、該電極パッドの周縁部まで達する防湿部材形成用の防湿部材ホールと該配線まで達する埋め込み電極形成用のスルーホールを形成する工程と、
該防湿部材ホールと該スルーホールに電極体を埋め込む工程と、
該スルーホールに埋め込まれた該電極体の上にエネルギー発生素子層を形成する工程と、
該防湿部材ホールよりも内側に該電極パッドまで達する接続用開口を形成する工程と、
を含むことを特徴とする。
また、本発明の他の態様に係る液体吐出ヘッドは、上記の液体吐出ヘッド用基板を含む。
以上の構成によれば、電極パッド部の蓄熱層壁面から侵入する水分の移動を低減し、エネルギー発生素子の酸化や変質を抑制し、高い耐久性を持つ液体吐出ヘッド用基板、その製造方法及び液体吐出ヘッドを提供することができる。
(a)は本発明の実施形態1の基板の電極パッド部とヒーター部の平面図、(b)はそのA−A’断面図である。 (a)〜(g)は実施形態1の基板の製造工程の一例を示した図である。 (a)は実施形態2の基板の電極パッド部とヒーター部の平面図、(b)はそのA−A’断面図である。 (a)〜(g)は実施形態2の基板の製造工程の一例を示した図である。 (a)は本発明の実施形態3の基板の電極パッド部とヒーター部の平面図、(b)はそのA−A’断面図である。 (a)〜(h)は実施形態3の基板の製造工程の一例を示した図である。 従来例(及び本発明の一実施形態)のインクジェットヘッドの外観斜視図である。 (a)は図7のX−X’で示す領域の電極パッド部と発熱素子を示した平面図、(b)はそのA−A’断面図である。
(実施形態1)
本発明の液体吐出ヘッドの実施の形態について、インクジェットヘッドを例にとって説明する。本実施の形態のインクジェットヘッドの外観構成は図7と同様であるので詳細な説明は省略する。なおエネルギー発生素子は発熱抵抗体として説明するが、ピエゾ素子等の公知の素子でも基本的に同様である。実施形態1に係るインクジェットヘッド用基板(液体吐出ヘッド用基板、以下「基板」という。)401を図1に示す。図1(a)、(b)は図8(a)、(b)と対比した平面図及びそのA−A’断面図である。
図1(b)に示すように、基板401は、半導体の駆動素子を作りこんだシリコンの基体301の上に絶縁層でもある第1蓄熱層302が形成され、その上にP−SiO膜の絶縁層でもある第2蓄熱層102が形成されている。第1蓄熱層302と第2蓄熱層102は同じ材質でも異なる材質でもよい。第1蓄熱層302と第2蓄熱層102を合わせて単に蓄熱層という。第2蓄熱層102には、ヒーター部100と電極パッド部200が形成されている。尚、例えば第1蓄熱層302と第2蓄熱層102がいずれもP−SiO膜であれば、本明細書においては「同じ材質」である。多少の不純物の存在などにより、厳密には互いの組成が異なる場合であっても、それらは同じ材質であるとみなす。また、製造工程において同じ原材料を用いて同時に形成された部材は、位置により成分組成が若干異なっても「同じ材質」である。以下、「同じ材質」については同様の定義である。
第2蓄熱層102の内部には、エネルギー発生素子層である発熱抵抗体層104に電力を供給するための配線101と外部接続用の電極パッド201とが配置されている。第2蓄熱層102の上には、加熱することによって液体を吐出する(液体吐出用の)発熱抵抗体層104が配置されている。配線101と発熱抵抗体層104とは、W(タングステン)プラグの埋め込み電極103によって電気的に接続されている。ヒーター部100は、配線101、埋め込み電極103、発熱抵抗体層104から構成されている。
また第2蓄熱層102には、電極パッド201の基体301と対向する面の反対側の面の一部(中央部)を露出させる接続用開口210が形成されている。電極パッド部200は電極パッド201と接続用開口210から構成されている。接続用開口210は、電極パッド201の中央部の上方の第2蓄熱層102を除去して形成されたものである。接続用開口210により、電極パッド201の中央部が第2蓄熱層102の内部で露出し、外部との電気的接続が可能となる。接続用開口210の側壁面は蓄熱層壁面202を形成している。なお図1(a)の例では接続用開口210の形状は矩形であるがそれに限られず形状は任意である。
電極パッド201の上の除去されていない第2蓄熱層102の内部には、Wプラグ材の防湿壁203が接続用開口210を囲む環状の壁に形成されている。本明細書でいう「環状」とは、必ずしも円形でなくともよく、一周連続してつながっているという意味である。防湿壁203は、蓄熱層壁面202から侵入した水分が拡散、移動して発熱抵抗体層104まで到達するのを抑制する防湿部材(水分不透過部材)である。したがって防湿壁203は、蓄熱層壁面202から発熱抵抗体層104までの間に形成される。なお接続用開口210に、防湿壁203の一部又は全周面が露出していてもよい。防湿壁203は電極パッド201の周縁部の上面から第2蓄熱層102の上面まで形成されている。そのため、水分が防湿壁203の下方を移動することを電極パッド201により防止できる。防湿壁203の幅は2〜10μm程度であることが好ましい。防湿壁203の上方は後述の防湿壁蓋204と保護膜105が形成されており、水分の移動を防止することができる。なお図1(a)の例では防湿壁203は矩形状に形成されているが、接続用開口210を囲んでいればその形状は任意である。
防湿壁203の材質は水分を透過させない材質であればタングステンに限られないが、金属が好ましく、特に埋め込み電極103と同じ材質であることが好ましい。後述のように同じ材質で防湿壁203と埋め込み電極103を同時に形成することにより、製造効率が高くなるためである。ここでいう「同じ材質」とは、多少の不純物の存在などにより、厳密には互いの組成が異なる場合であっても、それらは同じ材質であるとみなす。また、製造工程において同じ原材料を用いて同時に形成された部材は、位置により成分組成が若干異なっても「同じ材質」である。
防湿壁203の上には、防湿壁203の上面を覆うように幅の広い防湿壁蓋(蓋部材)204が形成されている。この防湿壁蓋204は、Wプラグの防湿壁203として形成された部分にCMP処理で生じるリセス(凹み)を埋めるためのものである。防湿壁蓋204の材質はそのリセスを埋めることができるものであれば特に限定されないが、発熱抵抗体層104と同じ材質であることが好ましい。後述のように同じ材質で防湿壁蓋204と発熱抵抗体層104を同時に形成することにより、製造効率が高くなるためである。防湿壁蓋204は必ずしも防湿性を有しなくとも良い。ここでいう「同じ材質」とは、多少の不純物の存在などにより、厳密には互いの組成が異なる場合であっても、それらは同じ材質であるとみなす。また、製造工程において同じ原材料を用いて同時に形成された部材は、位置により成分組成が若干異なっても「同じ材質」である。
第2蓄熱層102、発熱抵抗体層104、防湿壁蓋204の上面には、接続用開口210(電極パッド201が露出している部分)を除き、SiN膜の保護膜105が形成されている。保護膜105は、インクやキャビテーションの影響から発熱抵抗体等を保護するものである。
次に製造方法について説明する。図2は図1に示す基板401の製造方法を示した工程フロー図である。
まず図2(a)に示すように、半導体の駆動素子(図示せず)を作りこんだシリコンの基体301の上面に第1蓄熱層302を形成して、その上に配線101と電極パッド201を同時に形成する。配線101と電極パッド201を同じ材質で同時に形成することにより、製造効率がよくなる。
次に図2(b)に示すように、配線101と電極パッド201の上にSiHベースでP−SiO膜を第2蓄熱層102として積層し、その上面をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を用いて平坦化する。
次に図2(c)に示すように、第2蓄熱層102に配線101まで達する埋め込み電極形成用のスルーホール106を配線ごとに形成する。また第2蓄熱層102に、防湿部材形成用の環状溝(防湿部材ホール)206を電極パッド201の周縁部に達するまで設ける。電極パッド201の周縁部とは、電極パッド201の中央部よりも外側の部分である。環状溝206は、電極パッド201の周縁部に環状に設けられ、最終的に接続用開口210の側壁面となる位置を取り囲むように配置する。
次に図2(d)に示すように、このスルーホール106と環状溝206にW(電極体)を埋め込み、CMP法を用いて上面を平坦化し、それぞれ埋め込み電極103と防湿壁203とを同時に形成する。本明細書でいう「電極体」とは、導電性と水分不透過性を有する材質で構成される層であり、材料として金属が好適に用いられる。防湿壁203は水分不透過性を有していれば導電性を有する必要はないが、埋め込み電極103と防湿壁203を同じ電極体材料で同時に形成することにより製造効率がよくなる。
次に、上面にTaSiと窒素の反応性PVD法を用いて、TaSiNを15nm成膜する。次いで図2(e)に示すように、フォトリソグラフィーとRIE(Reactive Ion Etching)法によりClとBClガスを用いて発熱抵抗体層104と防湿壁蓋204のパターンでドライエッチングを行う。これにより、埋め込み電極103の上に発熱抵抗体層104を、防湿壁203の上に防湿壁蓋204を、それぞれ同時に形成する。発熱抵抗体層104と防湿壁蓋204を同じ材質で同時に形成することにより製造効率がよくなる。
その後、図2(f)に示すように、PE−CVD(Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition)法を用いてSiHベースのP−SiN膜を200nm成膜し、露出している発熱抵抗体層104と防湿壁蓋204を被覆する保護膜105を形成する。
最後に、フォトリソグラフィーとRIE法によるドライエッチングを用いて、防湿壁203より内側の電極パッド部200の保護膜105と第2蓄熱層102を除去して開口する。これにより、接続用開口210が形成され電極パッド201の基体301と対向する面の反対側の面が露出し、基板401が完成する(図2(g))。
この製法で製造した基板401は、電極パッド部の蓄熱層壁202を囲むように防湿壁203が形成されている。そのため、電極パッド部の蓄熱層壁202から侵入する水分の移動を防湿壁203によって低減でき、発熱抵抗体層104の酸化や変質を抑制したインクジェットヘッド用基板を提供することができる。
(実施形態2)
実施形態2に係る基板402を、図3を用いて説明する。なお、実施形態1の基板401と異なる点のみを説明し、同じ構成の部分は説明を省略する。
図3(a)、(b)は図8(a)、(b)と対比した平面図とA−A’断面図である。基板402は、実施形態1の基板401と比べて、防湿壁203の代わりに防湿柱(防湿部材)205を有している。防湿柱205は、図3(a)に示すように、接続用開口210を取り囲むように離間して複数本設けられている。防湿柱205の幅(径)は2〜10μm程度であることが好ましい。防湿柱205の上面には、図3(b)に示すように、防湿柱蓋(蓋部材)209が連続的に設けられている。防湿柱蓋209は必ずしも防湿性を有しなくとも良い。防湿柱205の横断面形状は円形に限らず任意である。防湿柱205と防湿柱蓋209の機能は、基板401の防湿壁203と防湿壁蓋204と同じである。その他の構成は基板401と同じであるので説明を省略する。防湿柱205は離間した柱状に配置されており隙間があるが、隙間Dを2〜10μm程度まで狭くすることにより蓄熱層壁202から侵入する水分の移動を制限することができる。
次に製造方法について説明する。図4は基板402の製造方法を図3(b)と同じ断面で示した工程フロー図である。
図4(a)、(b)までは実施形態1における製造方法である図2(a)、(b)の工程と同じであるので説明を省略する。次に図4(c)に示すように、各配線101に達するまでスルーホール106を第2蓄熱層102形成する。また、電極パッド201の周縁部の第2蓄熱層102に、防湿部材形成用の柱状穴(防湿部材ホール)208を複数、電極パッド201の周縁部に達するまで設ける。柱状穴208は、離間して電極パッド201の周縁部に設けられ、最終的に接続用開口210の側壁面となる位置を取り囲むように配置する。
次に図4(d)に示すように、このスルーホール106と柱状穴208にタングステンを埋め込み、CMP法を用いて上面を平坦化し、埋め込み電極103と防湿柱205を同時に形成する。
次に、上面にTaSiと窒素の反応性PVD法を用いて、TaSiNを15nm成膜する。次いで図4(e)に示すように、フォトリソグラフィーとRIE法によりClとBClガスを用いて発熱抵抗体層104と防湿柱蓋209のパターンでドライエッチングを行う。これにより、埋め込み電極103の上に発熱抵抗体層104を、防湿柱205の上に防湿柱蓋209を、それぞれ同時に形成する。
その後、図4(f)に示すように、露出している発熱抵抗体層104と防湿柱蓋209をカバーするため、PE−CVD法を用いて保護膜105としてSiHベースのP−SiN膜を200nm成膜する。
最後に、フォトリソグラフィーとRIE法によるドライエッチングを用いて電極パッド部200の保護膜105と第2蓄熱層102を同時に開口する。これにより、接続用開口210が形成され電極パッド201が露出し、基板402が完成する(図4(g))。
この製法で製造した基板402は、電極パッド部の接続用開口210を囲むように狭い間隔で柱状の防湿部材が形成されている。そのため、蓄熱層壁202から侵入する水分の移動を抑制でき、発熱抵抗体層104の酸化や変質を抑制したインクジェットヘッド用基板を提供することができる。
また、実施形態1の蓄熱層壁202を囲むように防湿壁を形成するものに比べ、防湿柱を形成する本実施形態は、CMP法を用いて上面を平坦化する場合にその平坦性が優れており、インクジェットヘッド用基板の製造歩留まりが向上する。
(実施形態3)
実施形態3に係る基板403を、図5を用いて説明する。なお、実施形態2の基板402と異なる点のみを説明し、同じ構成の部分は説明を省略する。
図5(a)、(b)は図8(a)、(b)と対比した平面図とA−A’断面図である。基板403は、図5(a)、(b)に示すように、実施形態2の基板402と比べて、蓄熱層壁202(接続用開口210の側壁面)に水分の侵入を防ぐ防湿膜207を設けているところが異なる。防湿膜207により、蓄熱層壁202からの水分の侵入を抑制することができ、発熱抵抗体層104に到達する水分をさらに低減することができる。
次に製造方法について説明する。図6は基板403の製造方法を図5(b)と同じ断面で示した工程フロー図である。図6(a)から図6(e)までは、実施形態2の図4(a)から図4(e)に示す製造工程と同じであるので説明を省略する。
次に、図6(f)に示すように、フォトリソグラフィーとRIE法によるドライエッチングを用いて防湿柱205が形成された領域の内側の第2蓄熱層102をエッチングして接続用開口210を形成する。接続用開口210の側壁面は蓄熱層壁202である。
その後、図6(g)に示すように、露出している発熱抵抗体層104と防湿柱蓋209をカバーするため、PE−CVD法を用いてSiHベースのP−SiN膜を、接続用開口210の側壁面202を含む全面に200nm成膜して保護膜105を形成する。保護膜105は蓄熱層壁202の上にも防湿膜207として形成される。つまり、防湿膜207は保護膜105と同じ材質で形成される。このように製造することで、防湿膜207を保護膜105と同時に形成することができ、製造効率が高くなる。なお、接続用開口210の底部に露出している電極パッド201の上にも保護膜105が形成される。
最後に、フォトリソグラフィーとRIE法によるドライエッチングを用いて電極パッド201の上に形成された保護膜105を除去することで、電極パッド201が露出し、基板403が完成する(図6(h))。
この製法で製造した基板403は、接続用開口210を囲むように柱状の防湿部材が形成されている。かつ、蓄熱層壁202を水分の透過を抑制するP−SiN膜からなる防湿膜207で覆っているため、蓄熱層壁202から侵入する水分をブロックできる。したがって、発熱抵抗体層104の酸化や変質をより抑制するインクジェットヘッド用基板を提供することができる。なお防湿膜207は実施形態1の基板401に形成してもよい。
また、実施形態1の蓄熱層壁202を囲むように防湿壁を形成するものに比べ、防湿柱を形成する本実施形態は、CMP法を用いてその上面を平坦化する場合に平坦性が優れており、インクジェットヘッド用基板の製造歩留まりが向上する。
また、本発明の他の実施形態に係るインクジェットヘッドは、図7と同様に上記のインクジェットヘッド用基板を含み、インク吐出口9が形成されているノズル形成部材8を有する。
1 インクジェットヘッド
5 取出し電極パッド部
6 発熱素子
7 インク供給口
8 ノズル形成部材
9 インク吐出口
50 基板
100 ヒーター部
101 配線
102 第2蓄熱層
103 埋め込み電極
104 発熱抵抗体層(エネルギー発生素子層)
105 保護膜
106 スルーホール
200 電極パッド部
201 電極パッド
202 (電極パッド部の)蓄熱層壁
203 防湿壁(防湿部材)
204 防湿壁蓋(蓋部材)
205 防湿柱(防湿部材)
206 環状溝(防湿部材ホール)
207 (電極パッド部の)防湿膜
208 柱状穴(防湿部材ホール)
209 防湿柱蓋(蓋部材)
210 接続用開口
301 基体
302 第1蓄熱層
401−403 (インクジェットヘッド用)基板

Claims (14)

  1. 基体と、
    該基体の上に配置された蓄熱層と、
    該蓄熱層の内部に配置された配線及び外部接続用の電極パッドと、
    該蓄熱層の上に配置された液体吐出用のエネルギー発生素子と、
    該エネルギー発生素子と該配線とを接続する埋め込み電極と、
    該蓄熱層に該電極パッドの前記基体と対向する面の反対側の面の一部を露出させる接続用開口と、
    該接続用開口を囲み、該蓄熱層の内部の該電極パッドの上面から該蓄熱層の上面まで配置された防湿部材と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッド用基板。
  2. 前記防湿部材は環状の壁に形成されている請求項1に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  3. 前記防湿部材は離間した複数の柱状に形成されている請求項1に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  4. 前記接続用開口の側壁面に防湿膜を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  5. 前記蓄熱層の上に前記防湿部材の上面を覆う蓋部材が配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  6. 前記防湿部材と前記埋め込み電極の材質が同じである請求項1から5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  7. 前記蓋部材と前記エネルギー発生素子の材質が同じである請求項5に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  8. 前記蓄熱層は第1蓄熱層とその上に配置された第2蓄熱層とを含み、前記配線、前記電極パッド、及び前記接続用開口は該第2蓄熱層の内部に配置され、前記エネルギー発生素子は該第2蓄熱層の上に配置されている請求項1から7のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  9. 前記エネルギー発生素子は発熱抵抗体である請求項1から8のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド用基板。
  10. 基体の上面に第1蓄熱層を形成する工程と、
    該第1蓄熱層の上に配線と電極パッドを形成する工程と、
    該配線と該電極パッドを覆い、該第1蓄熱層の上に第2蓄熱層を形成する工程と、
    該第2蓄熱層に、該電極パッドの周縁部まで達する防湿部材形成用の防湿部材ホールと該配線まで達する埋め込み電極形成用のスルーホールを形成する工程と、
    該防湿部材ホールと該スルーホールに電極体を埋め込む工程と、
    該スルーホールに埋め込まれた該電極体の上にエネルギー発生素子層を形成する工程と、
    該防湿部材ホールよりも内側に該電極パッドまで達する接続用開口を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド用基板の製造方法。
  11. 前記防湿部材ホールは、前記電極パッドの周縁部に設けられた環状溝である請求項10に記載の液体吐出ヘッド用基板の製造方法。
  12. 前記防湿部材ホールは、前記電極パッドの周縁部に離間して設けられた複数の柱状穴である請求項10に記載の液体吐出ヘッド用基板の製造方法。
  13. 前記接続用開口の側壁面を含む全面に保護膜を形成する工程と、
    前記接続用開口に露出する前記電極パッドの上面に形成された該保護膜を除去する工程と、をさらに含む請求項10から12のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド用基板の製造方法。
  14. 請求項1から9のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド用基板と、前記液体吐出ヘッド用基板の上にノズル形成部材と、を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
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