以下、本発明の一形態に係るゲームシステムの一例を説明する。まず、図1を参照して、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続可能なクライアント装置としての複数のゲーム機3及び複数のユーザ端末装置4とを含む。センターサーバ2は、複数のコンピュータ装置としてのサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
ゲーム機3は、ゲーム装置の一例であって、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるコンピュータ装置である。ゲーム機3は、各種のカードをプレイに使用するカードゲームを提供するカードゲーム機として構成されている。より具体的には、ゲーム機3は、このようなカードゲームとして、各選手に対応するカードを利用し、各カードに対応する選手をゲーム中に再現しつつ、各選手への指示や育成等を通じて監督としての役割をプレイするシミュレーション形式の野球ゲームを提供する。なお、ゲーム機3は、このような野球ゲームに限定されず、適宜に各種のゲームを提供してよい。
ユーザ端末装置4は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。例えば、据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ(以下、PCと表記する。)4a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)のようなモバイル端末装置4bがユーザ端末装置4として利用される。その他にも、据置型の家庭用ゲーム機、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のコンピュータ装置がユーザ端末装置4として利用されてよい。ユーザ端末装置4は、各種のコンピュータソフトウエアを実装することにより、センターサーバ2が提供する種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3及びユーザ端末装置4をそれぞれ接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。ユーザ端末装置4も適宜の構成によりインターネット5Aに接続される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。
センターサーバ2は、ゲーム機3又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介してゲーム機3のプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。センターサーバ2は、このような配信サービスを通じて各ゲーム機3に野球ゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。
なお、ゲーム機用サービスは、その他にもゲーム機3からユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスを含んでいてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機3から受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機3に提供するサービスを含んでいてもよい。さらに、ゲーム機用サービスは、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス、或いはユーザから料金を徴収する課金サービス等を含んでいてもよい。同様に、センターサーバ2は、ネットワーク5を介してユーザ端末装置4のユーザに各種のWebサービスを提供してよい。Webサービスは、ゲーム機3が提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービス、各ユーザ端末装置4に各種データ或いはソフトウエアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、及び各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスを含んでよい。
次に、図2を参照してゲーム機3の構成を説明する。図2は一台のゲーム機3の一例を示している。図示例のゲーム機3は筐体10を有している。筐体10には、出力装置としてのモニタ11と、入力装置としての読み取り装置12と、カード排出機構13と、が設けられている。モニタ11は、野球ゲームを提供するためのゲーム画面を表示する周知の表示装置である。モニタ11は、野球ゲームをプレイ中のユーザの正面に位置するように配置される。カード排出機構13は、読み取り装置12の左側方(野球ゲームをプレイするためにモニタ11と向き合うようにユーザが位置する場合の左側方)に配置される。カード排出機構13は、野球ゲームで使用可能なカードを生成し、排出するための機構である。なお、ゲーム機3には、例えば、その他にも公知のゲーム機と同様に各種の出力装置或いは入力装置が接続され得る。例えば、そのような入力装置には、現金、代替硬貨、メダル、電子通貨等を利用してユーザからゲームに必要な所定の対価を徴収するための対価徴収装置が含まれてもよい。そして、そのような装置によって、例えば電子通貨の残量を記録するカードを介して電子通貨等の各種の対価が徴収されてよい。しかし、それらの説明は省略する。
一方、読み取り装置12は、モニタ11の下方に配置される。読み取り装置12は、野球ゲームに使用可能なカードの情報を読み取ったり野球ゲームをプレイするための各種のプレイ行為を入力したりするための装置である。読み取り装置12には、そのようなカードが配置される配置面AAが設けられる。図3は、配置面AAを拡大して示す平面図である。図3に示すように、配置面AAは、複数の区画領域DRを含んでいる。各区画領域DRには、野球ゲームに使用可能なカードが配置される。各区画領域DRの間には、境界15が設けられている。つまり、各区画領域DRは、境界15によって仕切られ、互いが区別されるように形成される。このため、各区画領域DRでは、カードの各区画領域DR間を跨ぐ移動(左右方向の移動)が制限される。図3の例では、このような区画領域DRとして配置面AAに10個の区画領域DRが形成されている。また、各区画領域DRには、各区画領域DRに配置されたカードの上下方向への移動を制限するための制限部材16が設けられている。このため、各区画領域DRは、このような制限部材16を介して上下に更に区別されている。
次に、図4を参照してゲームシステム1の制御系の要部を説明する。まず、センターサーバ2には、制御ユニット21、及び記憶手段としての記憶部23が設けられる。制御ユニット21は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。
記憶部23は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部23は、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部23には、ユーザに野球ゲームを提供するために必要な各種の処理を制御ユニット21に実行させるコンピュータプログラムの一例として、プログラムPG1が記録される。また、記憶部23には各種のサービスの提供に必要なサーバ用データSDも記録される。後述のゲームデータGDの少なくとも一部が配信サービスを通じて提供される場合には、このようなゲームデータGDをサーバ用データSDは含んでいてよい。
制御ユニット21には、制御ユニット21のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG1との組合せによって実現される論理的装置として、サービス提供部24が設けられる。サービス提供部24は、ゲーム機3に対して上述のゲーム機用サービスを実現するための各種処理を実行する。なお、制御ユニット21には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が必要に応じて接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
一方、ゲーム機3には、コンピュータとしての制御ユニット31と、記憶手段としての記憶部32とが設けられる。制御ユニット31は、所定のコンピュータプログラムに従って各種の演算処理及び動作制御を実行するプロセッサの一例としてのCPUと、その動作に必要な内部メモリその他の周辺装置とを組み合わせたコンピュータとして構成されている。制御ユニット31には、制御ユニット31のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのプログラムPG2との組合せによって実現される論理的装置として、ゲーム提供部33が設けられる。ゲーム提供部33は、ゲームの進行に必要な各種の演算制御を実行するとともに、センターサーバ2のサービス提供部24が提供するゲーム機用サービスを享受するために必要な各種の処理を実行する。具体的には、ゲーム提供部33は、例えば、このようなゲームの進行に必要な各種の演算制御の一部として、指示予約処理、指示実行処理、対戦処理、待機処理、及び変更リセット処理を実行する。これらの処理の手順については後述する。
記憶部32は、ハードディスク、半導体記憶装置といった不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部32には、上述したプログラムPG2とともに、各種のデータが記録されるが、図4ではゲームデータGDが示されている。ゲームデータGDは、プログラムPG2に従ってユーザに所定の野球ゲームをプレイさせるためデータである。ゲームデータ34は、例えば野球ゲーム用の各種の画像を表示するための画像データ、各種のBGMを再生するためのBGMデータ、野球ゲームに含まれる各選手のパラメータを管理するためのパラメータデータ、前回までのプレイ結果(過去の実績)等の各ユーザに固有の内容を次回以降に引き継ぐためのプレイデータといった各種のデータを含んでいてよいが、図4の例では相性データ35が示されている。相性データ35の詳細は、後述する。
また、ゲーム機3には、図2のモニタ11及びカード排出機構13が制御ユニット31の出力装置として設けられている。モニタ11は上述のとおりである。一方、カード排出機構13は、プリンタ38を含んでいる。プリンタ38は、制御ユニット31からの出力信号に基づいて、画像、各種コード等の記号、或いは文字等を印刷するための周知の出力装置である。カード排出機構13は、このようなプリンタ38を介して印刷によりカード39を生成(排出)するように構成されている。
さらに、ゲーム機3には、図2の読み取り装置12も設けられている。読み取り装置12は、読み取り部36及び表示部37を含んでいる。読み取り部36は、ユーザが所持するカード39から情報を取得するための装置である。読み取り部36は、例えば、所定の規則に従って生成されたコード(パターン)を介して各種の情報がカード39に記録されている場合に、そのようなコードを介して(読み取ることにより)そのコードに含まれる情報を取得するように構成される。具体的には、このような情報として、例えばゲームに各選手を再現するためのカード39には、選手の再現に必要な情報を記録するコードが印刷される。また、選手の再現に必要な情報として、各選手を定義するパラメータの情報が記録されていてもよいし、パラメータデータがカード39毎にユニークなカードID毎に各カード39に対応する選手のパラメータを管理するように構成されている場合には、このようなカードIDの情報が記録されていてもよい。この場合、読み取り装置12は、このようなコードを介してカード39のカードIDを読み取るために使用される。この場合、このようなカード39及びそこに記録されるカードIDの情報が本発明の対象記録手段及び対象情報としてそれぞれ機能する。以下、このようなカードIDの情報がカード39に記録される場合を説明する。
また、読み取り部36は、カード39が配置面AAに配置されている場合に、その配置面AAにおけるカード39の配置態様(配置位置や配置角度、或いは裏表等)の情報を取得するために使用されてもよい。具体的には、このような読み取り部36として、カメラが使用されてよい。カメラ(読み取り部36)は、コードがカード39の表面(配置面AAに配置された場合の上側の面)に設けられている場合には上側からコードを撮影するように配置されてもよいし、コードがカード39の裏面(配置面AAに配置された場合の下側の面)に設けられている場合には下側からコードを撮影するように配置されてもよい。なお、読み取り部36は、例えばその他にも近距離無線通信を利用してカード39の情報を取得するように構成されてもよい。この場合、カード39には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体が設けられ、それらを介してカードID等の情報が記録されていてよい。また、それらのICチップ等への情報の書き込みを通じてカード39が生成されてもよい。
一方、表示部37は、配置面AAにカード39の配置に関連する各種の情報を提示するための配置画面を表示する周知の表示装置である。具体的には、表示部37として、プロジェクタが使用されてもよいし、モニタが使用されてもよい。また、読み取り部36がカード39の情報を下側から取得する場合には、そのようなモニタとして、赤外線透過型のモニタが使用されてもよい。この場合、読み取り装置12は、更にカード39のコードに対して赤外線を照射する赤外線照射部(不図示)を含んでいてよい。また、カード39には、赤外線に反応する方式(例えば一部が赤外線を反射し、その他が赤外線を吸収する等)を介してコードが印刷されていてよい。そして、読み取り部36(例えばカメラ)は、そのような赤外線に反応するコードを赤外線透過型のモニタの下側から読み取ってもよい。
次に、配置面AAに表示部37を介して提示される配置画面の一例について説明する。ゲーム機3は、カード39を利用しつつ上述の野球ゲームを提供するように構成されている。具体的には、ゲーム機3は、キャラクタとしての各選手を定義するパラメータを特定するためのカードIDを記録するカード39(以下、選手カード39と呼ぶ場合がある)が配置面AAに配置される場合に、その配置面AAの選手カード39からカードIDと配置態様とを取得することによりその配置態様を利用しつつカードIDによって特定されるパラメータの各選手を野球ゲームに再現するように構成されている。配置面AAは、表示部37としてモニタが利用される場合にそのモニタの表示面によって形成されてもよいし、そのような表示面の上にガラス材等の表示面を保護するための保護部材が配置される場合にはその保護部材によって形成されてもよい。以下、読み取り装置12がそのような保護部材を含み、表示部37及び保護部材として、赤外線透過型のモニタ及びガラスをそれぞれ採用している場合について説明する。
表示部37には、上述のような野球ゲームを提供するために、配置画面の一種としてエントリー画面及び指示画面が表示される。つまり、配置面AAには、表示部37を介して配置画面の一種としてエントリー画面及び指示画面が提示される。エントリー画面は、選手カード39に対応する選手を野球ゲームに再現(エントリー)する場合に提示される配置画面である。図5は、エントリー画面の一例を模式的に示す図である。また、図5の例は、図3の例の配置面AAに対応するように表示されるエントリー画面の一例を示している。この場合、図5に示すように、エントリー画面60は、複数の配置領域DAを含んでいる。複数の配置領域DAは、複数の区画領域DRにそれぞれ対応するように提示される。また、各配置領域DAは、読み取りエリア61、及び指示エリア62を含んでいる。これらの読み取りエリア61、及び指示エリア62は、各区画領域DRの制限部材16によって区別される上下にそれぞれ配置される。読み取りエリア61は、選手カード39のコードの情報(カードIDの情報)を読み取るためのエリアである。読み取りエリア61に選手カード39が配置された場合には、ゲーム機3は、読み取り部36を介してその選手カード39のカードIDを取得する。一方、指示エリア62は、野球ゲームに登場する選手の行動に変化を生じさせる(換言すればユーザの意思を反映させる)指示を実行するためのエリアである。指示エリア62では、処理の簡略化等のために、カードIDの情報の読み取りが省略されてよい。つまり、指示エリア62は、カードIDの取得が行われずに指示の特定が実行されるエリアとして構成されてもよい。
図5の例では、エントリー画面60は、図3の例の配置面AAに対応するように、10個の配置領域DAを含んでいる。同様に、10個の配置領域DAにそれぞれ対応する10個の読み取りエリア61及び10個の指示エリア62が制限部材16の上下にそれぞれ位置するように形成されている。この場合、これらの読み取りエリア61を介して、10枚の選手カード39にそれぞれ対応する10人の選手がゲームに再現される。また、10個の読み取りエリア61は、左から順に打順を示す9つの野手用の読み取りエリア61と、1つのピッチャー用の読み取りエリア61とに分けられる。つまり、9個の配置領域DAは、左から右に向かって打順に対応する時系列を示すように左右方向に順に並べられ、各配置領域DAに対応する読み取りエリア61への選手カード39の配置を通じてその選手カード39に対応する選手の打順が特定される。また、右端の配置領域DAは、打順とは別に投手に対応し、その読み取りエリア61への選手カード39の配置を通じてその選手カード39に対応する選手が投手として特定される。同様に、10個の指示エリアは、そのような10個の読み取りエリア61にそれぞれ対応するようにそれらの上に配置されている。これらの10個の指示エリア62は、各読み取りエリア61を介して再現された選手に対する指示がその読み取りエリア61に対応する指示エリア62によって特定されるように、10個の読み取りエリア61を介して再現された10人の選手への指示にそれぞれ使用される。このため、指示エリア62は、エントリー画面60では直接的に使用されなくてもよい。
なお、読み取りエリア61及び指示エリア62の数は適宜でよい。例えば、一つの読み取りエリア61を通じて複数の選手が再現されてもよい。この場合、複数の選手にそれぞれ対応するように複数の指示エリア62が設けられてもよいし、一つの指示エリア62を介して各選手への指示が実現されてもよい。つまり、読み取りエリア61と指示エリア62とは数が一致していなくてもよい。また、指示エリア62は、読み取りエリア61を介して再現された選手以外の選手への指示に使用されてもよい。結果として、配置領域DAの数も同様に適宜でよい。
一方、指示画面は、ゲーム中の各選手に対する指示の入力が要求される場合に提示される配置画面である。より具体的には、指示画面は、選手カード39を介して各選手がゲームに再現された後に、その各選手への指示を実行するために提示される。図6は、指示画面の一例を模式的に示す図である。図6に示すように、指示画面70は、エントリー画面60と同様に、複数の配置領域DAを含み、各配置領域DAには読み取りエリア61及び指示エリア62が形成される。指示エリア62は、上述のとおり各選手への指示に使用される。一方、読み取りエリア61は、指示画面70では指示エリア62を補助するために使用される。
図6の例では、各読み取りエリア61には、各読み取りエリア61で読み取られた選手カード39に対応する選手(各指示エリア62の指示対象の選手)のパラメータの内容が表示されている。つまり、エントリー画面60から指示画面70に移行した場合、読み取りエリア61は、指示エリア62を介した指示を補助するように、このようなパラメータ等の情報を表示するためのエリアとして機能する。具体的には、読み取りエリア61には、“ミート”、“パワー”等のパラメータの項目、及び各項目の内容を示す数値(例えば左端の場合、“ミート”の内容を示す“72”)が表示されている。一方、各指示エリア62には、選手カード39(主として指示対象の選手に対応する選手カード39が使用されるが、指示エリア62においてカードID等の情報の読み取りが省略される場合には指示対象とは別の選手カード39が使用されてもよい)が配置されている。そして、各指示エリア62では、このような選手カード39を上下方向にスライドさせることにより指示対象の選手への指示が実現される。
図7〜図9を参照して、指示画面70における指示エリア62の機能について説明する。図7は、指示エリア62を介した指示の一例を説明するための説明図である。図7の例は、各指示エリア62の選手カード39を上下方向にスライドさせるスライド操作により指示が実現される場合を示している。より具体的には、予め用意された複数のコマンドのいずれかを選手カード39のスライド操作によって特定する方式で各選手への指示が実現される場合を示している。また、図7の例は、野球ゲームに含まれる対戦(対戦型のゲーム部分)においてユーザが対戦者(いわゆるAI等のコンピュータを含む)と対戦する場合を示している。この場合、図7に示すように、選手カード39のスライド操作が予め用意されたコマンド群65のうち選択中のコマンド66を特定するためのカーソル67のスライド移動に反映される。また、そのようなスライド移動の結果として、カーソル67によって特定された位置のコマンド66に対応する行為(動き)をその指示が実行された指示エリア62に対応する選手が実行する。同様の指示は、対戦者の双方によって実行される。そして、そのような双方の指示結果に応じた選手間の動きに基づいて対戦が実現される。なお、カーソル67によるコマンド66の特定は、別途確定ボタンが押された場合等、各種の条件で実行されてよい。例えば、野球ゲームにおける打順のように各選手が一人ずつ順に指示に対応する行動を行う場合には、各選手がそのような行動を実行すべき実行時期においてカーソル67が位置するコマンド66が、実行対象のコマンド66としてカーソル67によって特定されてもよい。つまり、カーソル67によって実行対象のコマンド66を特定するための条件として時期が利用されてもよい。
図7の例では、指示エリア62には、中心付近に基準位置エリア72が設けられている。基準位置エリア72は、カーソル67の基準位置を示すエリアとして機能する。具体的には、選択対象のコマンド群65として“長打狙い”等のコマンド66を含む5つのコマンド66が用意されている。また、これらの5つのコマンド66のうちの真ん中に位置する“流し打ち”のコマンド66がカーソル67の基準位置(図7の例では一点鎖線で表示)として機能している。つまり、選手カード39が基準位置エリア72に位置している場合にカーソル67は“流し打ち”のコマンド66に位置する。そして、基準位置エリア72から選手カード39が上方に移動(スライド)された場合には、“流し打ち”の上に位置する“引っ張り”等のコマンド66の方向に移動する。一方、選手カード39が下方に移動された場合には、“流し打ち”の下に位置する“当てていけ”等のコマンド66の方向に移動する。そして、選手カード39の上下方向への移動の程度に応じてコマンド66も同様の程度で上下方向に移動する。
また、図7の例では、打者側(左側)の指示エリア62では選手カード39が指示エリア62の上端近くまでスライド移動されている。結果として、打者用のコマンド群65のうち最も上方に位置する“長打狙い”がカーソル67によって特定されている。一方、このような打者に対する投手側(右側)の指示エリア62では選手カード39が指示エリア62の下端近くまでスライド移動されている。結果として、投手用のコマンド群65のうち最も下方に位置する“おまかせ”がカーソル67によって特定されている。“おまかせ”は、その他のコマンド66に対応する行動を所定の条件(ランダムに選択される条件、上から順等の所定の規則に従う条件、或いはプレイ状況に応じて選択される条件等)に基づいて各選手に実行させるためのコマンド66である。この場合、対戦者の双方のコマンド66(打者側の“長打狙い”及び投手側の“おまかせ”に従って実行される他のコマンド66)から判定条件に基づいて対戦結果が決定される。一例として、このように指示エリア62における選手カード39のスライド操作を介して各選手への指示が実行される。そして、そのような対戦者双方の指示結果に基づいて選手を介して対戦が実現される。
なお、実行対象のコマンド66の特定は、選手カード39の移動に限定されず、各種の形態で実現されてよい。例えば、カーソル67を移動させるための操作部が別途設けられ、そのような操作部を介して実行対象のコマンド66が特定されてもよい。あるいは、キーボードや音声入力等の各種の入力装置を介して実行対象のコマンド66が特定されてもよい。さらに、各選手に対するユーザの指示は、複数の選択肢から選択される形態にも限定されない。このような指示は、適宜に実現されてよい。例えば、キーボードや音声入力等の各種の入力装置を介して各選手に対してユーザの任意の指示が入力されてもよい。
判定条件は、各選手のパラメータの内容の大小、各チームにもパラメータが設定されている場合はそのパラメータの内容の大小等の各種の要素を含んでいてよい。また、判定条件は、各コマンド66の間に相性が設定されている場合には、そのような相性の要素を含んでいてよい。図8は、各コマンド66間に相性が設定される場合の相性の一例を説明するための説明図である。また、図8の例は、図7の例のコマンド66間に相性が設定される場合の相性の一例を示している。この場合、図8に示すように、打者用の4つのコマンド66(“おまかせ”は除く)と投手用の4つのコマンド66との間にはそれぞれに対する相性の適否を判別するための判別基準が設定される。そして、このような判別基準基づいて、対戦に使用されたコマンド66の適切性、つまり対戦者双方のいずれのコマンド66が適切か判断される。
図8の例では、判別基準として、順に適切性が低下するように“◎”、“○”、“△”、“×”の4段階の基準が使用されている。具体的には、打者のコマンド66として、“当てていけ”が、投手のコマンド66として“三振狙い”が、それぞれ選択された場合、それらのコマンド66間の相性として“当てていけ”のコマンド66に“◎”が設定されている。このため、これらのコマンド66を使用した対戦は、打者側(“当てていけ”のコマンド66側)に有利な影響が与えられる。そして、そのような相性に応じた有利な影響を考慮した判定条件に基づいて対戦結果が決定される。その他各コマンド66間の相性も同様である。
なお、判別基準において有利な影響が生じる範囲は適宜に設定されてよい。例えば、“◎”だけが有利な影響を与える基準として機能してもよい。あるいは、“○”まで、つまり“◎”及び“○”の二つが有利な影響を与える基準として機能してもよい。この場合、適切性の程度により有利な影響の効果が相違してもよい。つまり、“◎”の方が“○”に比べてより効果(価値)の高い有利な影響が付与されてよい。反対に、“△”及び“×”には不利な影響が与えられてもよい。この場合も、有利な影響の場合と同様に適切性の程度により不利な影響の程度が相違してもよい。あるいは、“△”は判定条件に影響を与えないフラット(公平)な基準として機能してもよい。さらに、同様の相性は、このような打者と投手との間のコマンド66間だけでなく、その他の各種の指示の間に設定されてもよい。例えば、盗塁、ヒットエンドラン、バント、スクイズ等の各サインを含む攻撃用サイン、及び敬遠、盗塁警戒、バント警戒、内野前進、シフト守備等の各サインを含む守備用サインが野球ゲームに各選手(若しくはチーム)への指示として用意されている場合に、これらの攻撃用サイン及び守備用サインに対応する各サイン間に相性が設定されてもよい。そして、そのような相性に基づいて各指示間に優劣が設定され、有利な影響の有無に利用されてよい。このため、相性の用語は数値の大小等に基づく優劣を含んでよい。
さらに、各コマンド66間の相性は、上述の有利な影響とは別に特典の付与に使用されてもよい。具体的には、各コマンド66間の相性に基づいて特典条件が満たされた場合に特典が付与されてよい。また、このような特典条件として、例えば、複数のコマンド66或いは判別基準が所定の組合せ(連続、非連続の両方を含む)となった場合に満たされる組合せ条件、特定の時期に満たされる時期条件、或いは所定の回数や期間を要件に含む期間条件が利用されてよい。図9は、このような特典条件及び特典の一例を説明するための説明図である。図9の例は、図8の例の判別基準に基づいて各コマンド66間に相性が設定される場合を示している。また、図9の例は、特典条件として、所定数以上連続してユーザの選択したコマンド66(指示結果)が適切と判別されるときに満たされる期間条件が採用される場合を示している。この場合、図9に示すように、各コマンド66間の相性の判別基準に基づいて、所定数以上連続して適切なコマンド66を選択したユーザ側に更に特典が付与される。
具体的には、図9の例では、特典条件に基づく特典としてベースボールポイント(以下、BPと記載する場合がある)の付与が利用されている。BPは、各チームに設定されるパラメータの一つであり、高ければ高いほど判定条件に有利な影響を与えるポイントである。そして、打者側の一イニングの攻撃において三人の打者(選手)が適切なコマンド66と判別されている。つまり、打者及び投手のコマンド66間には、一人目(打者“長打狙い”、投手“打たせてとれ)、二人目(打者”流し打ち“、投手”外角中心“)、三人目(打者”当てていけ“、投手”三振狙い“)までのいずれにおいても打者側のコマンド66に“◎”の判別基準が設定された相性が生じている。このため、二人目以降の打者に“50”ポイントずつBPが特典として付加されている。つまり、所定数として二人が採用され、二人目以降に同等の特典が付与されている。一例として、このように特典条件を介して各コマンド66間の相性は特典の付与に使用されてよい。
なお、特典条件に基づく特典は、人数に関わらず同等なものに限定されない。例えば、図9の例において三人目の打者には“50”ではなく“100”ポイントのBPが付与されてもよい。つまり、連続数が多くなるほど特典の価値は高くなってもよい。また、このような価値の上昇は所定数までに制限されてもよいし、それ以降は減少してもよい。同様に、適切性の範囲が“◎”及び“○”等、複数段の基準を含む場合には、適切性の程度に応じて特典の価値が変化してもよい。例えば、“◎”の場合には“50”ポイント、“○”の場合には“25”ポイント等のBPが特典として付与されてもよい。さらに、特典条件に基づく特典の付与先は、チームに限定されない。特典条件を満たした選手に対応するユーザに有利に生じる限り、適宜の特典が適宜に付与されてよい。このため、例えば、特典としてパラメータの内容の上昇が利用され、このような上昇を通じて各選手に特典が付与されてもよい。反対に“×”等の不適切な範囲に属するコマンド66が連続した場合等、ペナルティ条件が満たされる場合には、特典の代わりにBPの量の減少等、ペナルティが与えられてもよい。また、このような相性の結果は、連続性の状況等の過去の履歴が確認できるように各配置領域DAの上部等、適宜の位置に表示されてよい。一方で、このような表示は、その表示の相性の結果に対応するコマンド66の位置から選手カード39が移動された場合には消えてもよい。つまり、選手カード39が相性の結果に対応する指示時の位置からスライド移動されるまで相性の結果の表示が維持されてもよい。また、連続性は、一イニングにおける連続性に限定されない。複数のイニングあるいは複数のプレイ機会を跨いて連続する場合にも連続性の要件を満たし、特典条件が満たされてもよい。さらに、このような特典条件(あるいはペナルティ条件)は、攻撃用サイン及び守備用サイン等のサイン間の相性にも適用されてよい。
次に、図10〜図11を参照して、指示画面70における読み取りエリア61の機能について説明する。上述のとおり、読み取りエリア61は、指示画面70において指示エリア62の補助に使用される。このような補助には、各チームがスタメン選手(打撃や守備等を介して実際にゲームの進行に寄与する選手)及び控え選手(打撃や守備等の対象にはらず、スタメン選手と交替するために用意される選手)を含む場合に、これらのスタメン選手と控え選手とを入れ替える交替指示が含まれる。また、読み取りエリア61は、このような交替指示の機会を事前に提供するように構成される。具体的には、野球ゲームでは、例えば攻撃時において各選手が実行すべきコマンド66をユーザに選択させるための指示機会が選手毎に打順に対応する順番で順に提供される。そして、読み取りエリア61を介して、例えば攻撃時において交替予定の選手の打順(本来の指示機会)よりも前の打順(本来の指示機会とは別の機会)において交替指示が実行される。つまり、現在の打順よりも後ろの選手の交替指示が読み取りエリア61を介して予約される。
図10は、読み取りエリア61を介した交替指示の一例を説明するための説明図である。図10の例は、攻撃時において打者側の選手が交替される場合を示している。また、図10の例は、9番打者を交替する交替指示が5番打者の打順時において予め実行される場合を示している。この場合、図10に示すように、指示エリア62を介して指示される対象の選手とは別の選手に対応する選手カード39が読み取りエリア61に配置された場合にそのような選手カード39の配置が交替指示として機能する。また、その指示は、選手カード39が配置された読み取りエリア61に対応する打順の選手とその配置された選手カード39の選手との交替指示として機能する。そして、このような交替指示は、現在の打順の選手(つまりユーザの指示に対応する行動の実行時期を迎えている選手)に該当するか否かに関わらず、守備時に次回の攻撃時の選手或いは攻撃時に次回の投手等、ユーザのゲーム展開の予想に基づいて任意の時期に任意の選手に対して実行されてよい。つまり、現在の打順とは異なる打順(本来の打順よりも前の打順)においても読み取りエリア61への選手カード39の配置を許容することにより、そのような配置を通じて交替指示を事前に実行する指示機会が本来の打順で提供される指示機会とは別に提供される。具体的には、図10の例では、本来9番打者の打順を迎えた際に実行されるべき9番打者の交替指示が交替対象の選手(控え選手)に対応する選手カード39の読み取りエリア61への配置を通じて5番打者の打順の時期に実行されている。この場合、配置領域DAが本発明の指示領域として機能する。また、各選手の本来の打順、及び読み取りエリア61への選手カード39の配置を通じてその本来の打順よりも前に提供される指示機会が本発明の本来の指示機会及び事前指示機会としてそれぞれ機能する。
また、読み取りエリア61は、交替指示の取消し等、変更も受け付ける。具体的には、読み取りエリア61に配置された選手カード39が取り除かれた場合、そこへの配置によって予約された交替指示の取消しとして機能する。一方、読み取りエリア61に配置された選手カード39が別の選手カード39に交換された場合、交替指示の対象の変更として機能する。このように読み取りエリア61は、交換や取り除き等を受け付けることにより事前の交替指示を変更するための変更機会も提供する。
一方で、このような事前の交替指示は、事前指示条件に基づいて特典の付与に利用されてよい。また、事前指示条件は、例えば、所定期間よりも長い場合に満たされてもよいし、特定のゲーム状況(例えば無死満塁等の攻撃側に有利な状況、あるいは所定数以上の得点差がついた場合等)によって満たされてもよい。具体的には、一イニングにおいて現在の打者よりも3人以降(1人以上走者が出ることを想定)の打者に対して交替指示が実行された場合に満たされてもよい。つまり、事前指示条件は打者数が所定数以上の場合に満たされ、特典が付与されてもよい。また、このような特典の価値は、事前の交替指示の時期が本来の指示機会の時期よりも早ければ早いほど高く設定されてもよい。一方で、所定の時期よりも早い場合にはその価値が低下してもよい。つまり、早すぎる交替指示には一定のペナルティが設定されてもよい。また、このような価値の上昇或いは低下には、交替指示の変更の有無が反映されてもよい。例えば、交替指示の対象が変更された場合には、パラメータの低下等のペナルティが与えられてもよい。つまり、交替指示の対象の変更は、早すぎる交替指示と同様と判断されてもよい。
なお、このような事前の指示(指示の予約)は、交替指示に限定されない。例えば、指示エリア62におけるコマンド66の指示にも適用されてよい。具体的には、現在の打者だけでなく、次回の打者以降に対して選手カード39のスライド移動を通じて事前に行動の指示が実行されるように、事前のスライド操作を各指示エリア62は受け付けてもよい。そして、このようにコマンド66の選択が事前に実行される場合にも、上述の事前指示条件や特典条件は適用されてよい。さらに、特典条件が適用される場合、その特典の価値は条件の要件として機能するコマンド66の選択結果(例えば2回以上連続して相性が適切な場合の2回)に事前の指示が含まれているときに、特典の価値が上昇してよい。また、このような上昇は、事前の指示が多くなるほど高まってもよい。
また、指示画面70において読み取りエリア61には、選手のパラメータの内容を変化させる機能も設けられている。このような変化は、選手を定義するパラメータの内容(以下、基礎内容と呼ぶがある)に直接生じてもよいし、選手に調子の要素を付加する等の目的のためにそのような基礎内容を変動させる変動値が別途用意されている(基礎内容に変動値が積算された内容によってゲーム内の選手が活動する)場合にはそのような変動値に生じてもよい。図11は、読み取りエリア61への配置に伴うパラメータの変化の一例として変動値が配置期間に応じて変化する場合を説明するための説明図である。図11の例は、スタメンの捕手に対応する読み取りエリア61に控えの捕手に対応する選手カード39が配置された場合を示している。この場合、図11に示すように、読み取りエリア61に配置された選手カード39に対応する捕手80(一点鎖線)の変動値は、読み取りエリア61への配置に伴い交替時には控え時の内容よりも改善される。つまり、読み取りエリア61は、このような変動値に配置期間に応じた有利な影響を与える機能を有している。また、このような有利な影響は、上述の事前指示条件に伴う特典として利用されてもよいし、それとは別の効果として付与されてもよい。
具体的には、図11の例では、スタメンの各選手80を含むスタメン選手群80S(例えば10個の指示エリア62に配置される10枚の選手カード39にそれぞれ対応する10人の選手)及び控えの各選手80を含む控え選手群80V(例えばスタメン選手群80Sとは別に手持ちで用意された4枚の選手カード39にそれぞれ対応する4人の選手)がゲームで使用される場合に、投手に対応する選手80や野手に対応する選手を含む控え選手群80Vのうち捕手に対応する選手80がスタメンの捕手に対応する選手80と交替している。また、配置前において例えば“ミート”及び“バント”の項目においてそれぞれ“0.9”及び“―”(フラット、つまり変更なし)だった変動値が“1.0”及び“1UP”(“B”から“A”等、レベルを一つ上げる)にそれぞれ変化している。つまり、読み取りエリア61への配置期間に応じて“0.1”及び“1UP”内容が改善している。そして、交替後には捕手は、この変化後の内容のパラメータに基づいて行動を実行する。つまり、本来の“ミート:0.9”等の変動値ではなく変化後の“ミート:1.0”等の変動値が基礎内容に積算された後のパラメータの内容に基づいて交替後の捕手は指示を実行する。一例として、指示画面70の読み取りエリア61には、このようにパラメータの内容を変動させる機能が与えられる。また、この場合、各選手80が本発明の指示対象として機能する。同様に、各選手80のうちユーザによって指示される側の各選手80及びそのユーザの対戦者(別のユーザ或いはコンピュータ等)によって指示される側の各選手80が、本発明のユーザ指示対象群及び対戦者指示対象群としてそれぞれ機能する。なお、図11の例では、全控え選手80の選手カード39が読み取られた後を控え選手群80Vとして図示しているが、全選手カード39は事前に読み取られる必要はない。実際には控え選手80に対応する選手カード39が読み取られる毎に控え選手群80Vを形成すべき各選手80がゲームに再現されてよい。
なお、交替指示の実行には、読み取りエリア61の選手カード39と指示エリアの選手カード39とを物理的に入れ替える操作がユーザに要求されてもよい。このような操作なしで交替指示が実行される場合には、実際の交替の時期(交替対象者の打順等)に読み取りエリア61から選手カード39(実行済みの交替指示の対象)を取り除く案内が提供されてもよい。また、このような読み取りエリア61への配置に伴うパラメータの変化は、1回の打順、1イニング、あるいは一回のプレイ(所定の対価と引き換えの範囲)といった具合に所定期間に制限されてもよいし、このような制限なく継続的に生じてもよい。
次に、相性データ35の詳細について説明する。相性データ35は、各コマンド66間の相性を管理するためのデータである。具体的には、相性データ35は、例えば各コマンド66間の相性の判別基準の管理に使用される。図12は、相性データ35の構成の一例を示す図である。図12に示すように、相性データ35は、各コマンド66間の相性の判断基準をコマンド66毎に管理する相性レコード35Rを含んでいる。相性レコード35Rは、“コマンドID”及び“相性”の情報を含んでいる。“コマンドID”は、各コマンド66を識別するためにコマンド66毎にユニークに設定されるコマンドIDを示す情報である。このようなコマンドIDの情報は、別途コマンドIDと各コマンド66とを関連付けるためのテーブル等によって管理されてもよいし、このようなテーブル等として相性データ35が機能してもよい。“相性”は、各コマンド66間の相性を示す情報である。具体的には、“相性”の情報として、各コマンド66間の判別基準の情報が記述されてよい。また、このような“相性”の情報は、同じ相性レコード35Rの“コマンドID”のコマンド66と相性が判別されるべきコマンド66(判別相手)のコマンドIDの情報及びそのコマンド66との間に設定される判別基準(“◎”等)を示す情報とを含んでいてよい。相性レコード35Rには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
次に、図13〜図17を参照して、ゲーム提供部33が実行する指示予約処理、指示実行処理、対戦処理、待機処理、及び変更リセット処理について説明する。指示予約処理は、各選手に指示する指示機会をユーザに事前に提供するための処理である。図13の例は、このような事前の指示機会として、読み取りエリア61への選手カード39の配置を通じて交替指示の機会を事前に提供する場合を示している。この場合、ゲーム提供部33は、指示画面70の提供に伴い所定の周期毎に繰り返し図13の指示予約処理を開始し、まず読み取り部36の出力結果に基づいて読み取りエリア61に選手カード39が配置されているか否か判別する(ステップS101)。読み取りエリア61に選手カード39が配置されていない(存在しない)場合、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。
一方、読み取りエリア61に選手カード39が配置されている場合、ゲーム提供部33は、読み取り部36の出力結果に基づいて読み取りエリア61の選手カード39に対応する選手80を特定する(ステップS102)。この特定は、例えばコードを介してカードIDが選手カード39に記録されている場合には、そのコードの読み取り結果に基づいて実現される。続いてゲーム提供部33は、ユーザの指示内容を取得する(ステップS103)。具体的には、ゲーム提供部33は、スタメン選手群80Sの選手80のいずれの選手80に対する交替指示に該当するか判別する。また、この際にゲーム提供部33は攻撃時の打者の交替或いは守備時の選手の交替等、交替の種類を判別してもよい。次にゲーム提供部33は、そのような交替指示の対象の選手80の本来の指示機会を判別する(ステップS104)。この判別は、例えば攻撃時の打者を交替するための指示の場合、交替対象の打者の打順をこのような本来の指示機会として判別してよい。また、守備交替の場合、イニング交替時をこのような本来の指示機会として判別してもよい。続いてゲーム提供部33は、ステップS103及びステップS104の結果に基づいて交替対象の選手80及び打順等の本来の指示機会を同様にする事前設定が既にあるか否か判別する(ステップS105)。このような事前設定が存在しない場合、ゲーム提供部33は、今回の指示内容に対応する事前設定を実行する(ステップS106)。そして、ゲーム提供部33は、このような事前設定の後に今回の処理を終了する。
一方、交替対象の選手80及び打順等の本来の指示機会を同様にする事前設定が既に存在する場合、その内容に変更があるか否か判別する(ステップS107)。具体的には、交替対象の選手80及び打順等の本来の指示機会を同様にする事前設定を実行すべき選手80(交替対象のスタメンの選手80と交替されるべき控え選手群80Vの選手80)が今回の選手80と同じか否か判別する。そして、今回の選手80と同じ(指示の内容が変更されていない)場合、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。
一方、既存の事前設定を実行すべき選手80と今回の選手80とが相違している(指示の内容が変更されている)場合、ゲーム提供部33は既存の事前設定の内容を今回の事前設定の内容に変更する(ステップS108)。つまり、ゲーム提供部33は、事前設定を実行すべき選手80を今回読み取りエリア61に配置されている選手カード39の選手80に変更する。そして、ゲーム提供部33は、事前設定の内容を変更した後に今回の処理を終了する。これにより、本来の指示機会(例えば対象の選手の打順)よりも前に交替指示を実行する事前の指示機会が別途提供される。具体的には、読み取りエリア61への選手カード39の配置を通じて、任意の時期に任意の選手80に対する交替指示が実現される。また、このような事前の交替指示の内容が変更された場合には、そのような変更の内容が反映される。つまり、事前の交替指示の内容を変更する機会が提供される。具体的には、読み取りエリア61への選手カード39が前回の交替指示のときから変更されている(事前の交替指示を事項すべき選手80が前回の交替指示のときから変更されている)場合には、現在読み取りエリア61に配置されている選手カード39の選手(最新の交替指示の内容の選手)80に変更される。
一方、指示実行処理は、ユーザの指示に従った行動を各選手80に実行させるための処理である。この場合、ゲーム提供部33は、各選手80の実行時期(例えば指示機会が打順毎に所定時間で終了する場合にはその終了時)が到来する毎に図14の指示実行処理を開始し、まず実行時期が到来した選手80に対するユーザの指示内容を取得する(ステップS201)。つまり、ゲーム提供部33は、本来の指示機会における指示結果を取得する。具体的には、ゲーム提供部33は、このような指示内容として、例えば指示エリア62における選手カード39へのスライド操作によって選択されたコマンド66を取得する。同様に、ゲーム提供部33は、読み取りエリア61に選手カード39が配置されている場合には、このような指示内容としてその交替指示の内容も取得する。続いてゲーム提供部33は、対象の選手(実行時期が到来した選手)80にステップS201で取得した指示内容に従った動きを実行させることにより指示を実現する(ステップS202)。つまり、ゲーム提供部33は、指示内容に従ったコマンド66に基づく対戦や選手80の交替等の動きを対象の選手80に実行させる。より具体的には、ゲーム提供部33は、例えばそのような行動を実行する選手80を含むゲーム画面の提示することにより指示を実現してよい。そして、ゲーム提供部33は、そのような指示を実現した後に今回の処理を終了する。これにより、ユーザの指示が選手80の動きに反映される。また、本来の指示機会において事前の指示機会における指示結果が変更されていない場合にはそのような事前の指示機会における指示結果が選手80の動きに反映される。具体的には、事前設定のままの配置で本来の指示機会を迎えた場合には、その事前設定の配置と同様の指示が指示機会において実行される。このため、各選手80は実行時期において事前設定の内容に従った動きを実行する。
また、対戦処理は、判定条件に基づいて対戦結果を判別するための処理である。つまり、対戦処理は、コマンド66に対応した選手80の行動に基づいて選手80間の対戦結果を判別するために使用される。より具体的には、対戦処理によって打者及び投手の対戦結果が判別される。また、図15の例は、判定条件が各コマンド66間の相性の要素を含む場合を示している。さらに、図15の例は、特典条件に基づく特典が対戦結果に考慮される場合を示している。この場合、ゲーム提供部33は、各選手80の対戦のための行動に基づいて対戦が実行される毎に図15の対戦処理を開始し、まず各選手80に対する指示内容を取得する(ステップS301)。具体的には、ゲーム提供部33は、このような指示内容として投手側へのコマンド66及び打者側へのコマンド66を取得する。続いてゲーム提供部33は、ステップS301で取得したコマンド66間の相性を判別する(S302)。この判別は、例えば、上述のとおり“◎”等の4段階の判別基準に基づいて実行される。
次にゲーム提供部33は、今回の対戦が特典条件を満たすか否か判別する(ステップS303)。例えば、このような特典条件は、上述のとおり一方のチームが所定数以上連続して適切なコマンド66を選択した場合に満たされてよい。この場合、ゲーム提供部33は、ステップS302の判別結果に基づいて適切と判別された選手80が連続して適切と判断された所定数番目以上の選手80に該当するか否か判別する。そして、ゲーム提供部33は、特典条件が満たされる(例えば連続して適切と判断された所定数番目以上の選手80に該当する)場合、その選手80に対応するユーザに特典を付与する(ステップS304)。具体的には、このような特典として、ゲーム提供部33は、上述のとおりその選手80が属するチームのBPの値を所定の規則に従って上昇させる。
一方、特典条件が満たされない(例えば連続して適切と判断された所定数番目以上の選手に該当しない)場合、或いは特典条件が満たされる場合には特典を付与した後に、ゲーム提供部33は、今回の対戦の結果を判定条件に基づいてゲームに付与する(ステップS305)。具体的には、ゲーム提供部33は、例えばこのような付与を判定条件に基づく対戦結果を提示するゲーム画面を表示することにより実現する。また、判定条件は、相性の適切性とBPとを別々の要素として利用してもよいし、適切性の結果をBPに換算することによりBPの要素に統合して利用してもよい。例えば、後者の場合、判定条件は、チーム間のBP値に応じてBP値が高いチームの方が有利となるような抽選結果を利用してよい。そして、判定条件は、この抽選結果の程度を特定するために各選手80のパラメータを利用してもよい。この場合、ゲーム提供部33は、このような抽選結果に基づいてヒットやアウト等の結果を特定した後に、ライト前ヒット等の具体的なヒットの程度(内容)を対戦結果として各選手80のパラメータに基づいて決定してよい。そして、ゲーム提供部33は、対戦結果を付与した後に今回の処理を終了する。これにより、対戦結果にコマンド66間の相性が反映される。また、そのようなコマンド66の相性が特典条件を満たした場合には特典が付与される。
待機処理は、読み取りエリア61への選手カード39の配置に伴い、事前指示条件に基づく特典を付与するための処理である。図16の例は、このような特典として配置期間に応じた変動値の変化が利用される場合を示している。また、図16の例は、このような配置期間が指示画面70において判別される場合を示している。この場合、ゲーム提供部33は、指示画面70の提供に伴い所定の周期毎に繰り返し図16の待機処理を開始し、まず読み取り部36の出力結果に基づいて読み取りエリア61に選手カード39が配置されているか否か判別する(ステップS401)。読み取りエリア61に選手カード39が配置されていない(存在しない)場合、ゲーム提供部33は以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。
一方、読み取りエリア61に選手カード39が配置されている(存在している)場合、ゲーム提供部33は、読み取り部36の出力結果に基づいて読み取りエリア61の選手カード39に対応する選手80を特定する(ステップS402)。この特定は、図13の例のステップS102と同様に、例えばコードを介してカードIDが選手カード39に記録されている場合には、そのコードの読み取り結果に基づいて実現される。次にゲーム提供部33は、今回の処理を終了するための終了条件が満たされるか否か判別する(ステップS403)。終了条件は、例えばそのような選手カード39への読み取りエリア61への配置を通じた交替指示の実行時期(実際に交替が実行される時期)を迎えた場合、或いは読み取りエリア61から選手カード39が取り除かれた(選手カード39の交換を含む)場合に満たされる。そして、終了条件が満たされない場合、ゲーム提供部33は、ステップS403に戻り同処理を再度実行する。つまり、ゲーム提供部33は、終了条件が満たされるまで繰り返しステップS403の処理を実行し、終了条件が満たされるか否かの判別を継続する。
一方、終了条件が満たされる場合、ゲーム提供部33は、読み取りエリア61の選手カード39の配置期間を判別する(ステップS404)。続いてゲーム提供部33は、ステップS404で判別した配置期間に応じて変動値を変更する(ステップS405)。具体的には、ゲーム提供部33は、配置期間に応じて徐々に改善(上昇)するように変動値を変更する。そして、ゲーム提供部33は、変動値を変更した後に今回の処理を終了する。これにより、読み取りエリア61への選手カード39の配置に伴い、事前指示条件に基づく特典が付与される。具体的には、配置期間に応じて徐々に変動値が上昇する特典が読み取りエリア61への選手カード39の配置に伴い付与される。
なお、図16の例は、事前指示条件に基づく特典(変動値の上昇)が交替指示の実行時期に付与される場合を示しているが、特典の付与は適宜の時期に実行されてよい。例えば、事前指示条件が所定の期間毎に満たされる場合は、所定の期間毎に特典(変動値の上昇)が付与されてもよい。この場合、ゲーム提供部33は、読み取りエリア61に選手カード39が配置されているときにそのような所定の期間毎に選手80を特定(ステップS402)し、変動値を変更してもよい(ステップS405)。つまり、待機処理は、ステップS401、S403、及びS404を省略したシンプルな処理として構成されてもよい。
また、変更リセット処理は、事前指示条件に基づく特典として変動値が変更される場合に、そのような変更を所定のゲーム範囲に限定するための処理である。また、図17の例は、所定のゲーム範囲として、所定の対価の消費に伴う一回のプレイ範囲(今回のプレイ範囲)利用される場合を示している。この場合、ゲーム提供部33は、今回のプレイ範囲の終了に伴い図17の変更リセット処理を開始し、まず変動値に変更があるか否か判別する(ステップS501)。変動値の変更と判断される対象は、事前指示条件に基づく特典に限定されてもよいし、例えば選手の調子の要素が一回のプレイ範囲毎にリセットされる場合には事前指示条件に基づく特典に限定されなくてもよい。つまり、ゲーム提供部33は、事前指示条件に基づく特典以外にプレイ状況(あるいは所定の規則)に従った変更がある場合も変動値に変更があると判別してよい。そして、このような変動値に変更がない場合、ゲーム提供部33は、以降の処理をスキップして今回の処理を終了する。
一方、変動値に変更がある場合、ゲーム提供部33はそのような変動値の変更内容を特定する(ステップS502)。具体的には、ゲーム提供部33は、変更の判断対象が事前指示条件に基づく特典に限定される場合、そのような特典に基づく変化の内容を変更内容として特定する。一方で、ゲーム提供部33は、変更の判断対象が事前指示条件に基づく特典に限定されない場合、ゲーム開始時の変動値の内容に基づいてその差分を変更内容として特定する。なお、このような事前指示条件に基づく特典の内容やゲーム開始時の変動値の内容等は、別途それらの情報を記録するためのテーブル等を介して適宜管理されていてよい。
続いてゲーム提供部33は、ステップS502で特定した変更内容をリセットする(ステップS503)。具体的には、ゲーム提供部33は、変更前の変動値に戻るように今回の変更内容を消去する。そして、ゲーム提供部33は、変動値をリセットした後に今回の処理を終了する。これにより、事前指示条件に基づく変動値の変化(変更の判断対象が事前指示条件に基づく特典に限定されない場合、今回のプレイによって生じた全変化)が今回のプレイ範囲に限定される。
以上に説明したように、この形態によれば、各選手80に対する本来の指示機会とは別にそれよりも前に事前の指示機会が提供される。具体的には、例えば攻撃側のチームには、各選手80の打順(本来の指示機会)よりも前に交替指示の機会が提供される。そして、その交替指示の内容が本来の指示機会においても変更されていない場合には、事前の交替指示の内容に沿って交替が実行される。このため、このような事前の交替指示を介して、各選手80の打順(本来交替指示が実行されるべき時期)よりも前に指示を予約しておくことができる。交替指示だけでなくコマンド66の選択やサイン等の指示が事前に実行される場合も同様である。これらにより、ゲームの進行の先読み(試合展開等の予想)やそのような先読みに基づく駆け引きの要素をゲーム性としてゲームに追加することができる。
また、このような事前の交替指示が読み取りエリア61への選手カード39の配置を通じて実現される。このため、物理的な選手カード39の配置を介して事前の交替指示の実行の有無あるいはその対象等を示すことができる。これにより、ユーザの利便性を向上させることができる。また、このような交替指示のための読み取りエリア61は、対戦用にコマンド66を選択する指示を実行するための指示エリア62とは別に設けられている。このため、交替指示及び対戦用の指示といった指示の種類の相違をエリアの相違に反映することができる。これにより、このようなエリアの相違を利用して、指示の種類に応じた異なる指示方法を採用することもできる。具体的には、例えば対戦用の指示(コマンド66の選択)は、指示エリア62における選手カード39のスライド操作に応じて予め用意されたコマンド群65から選択する方法によって実現される。一方、交替指示は、新しくスタメン選手群80Sに追加されるべき控えの選手80に対応する選手カード39を読み取りエリア61に配置する方法によって実現される。このように指示の種類に応じたより適切な指示方法を各指示に適用することができる。
さらに、事前指示条件が利用される場合には、このような事前の交替指示に基づいて特典が付与される。例えば、事前の交替指示の時期が本来の指示機会よりも早ければ早いほど価値の高い特典が付与される。より具体的には、読み取りエリア61への選手カード39の配置に基づいて事前の交替指示が実行された場合に、読み取りエリア61への配置期間に応じてその選手カード39の選手80のパラメータ(変動値)が上昇する。このため、このような特典を通じて事前の交替指示の早期の利用(より早期に読み取りエリア61に選手カード39を配置すること)を促進することができる。一方で、このような特典の価値が所定の時期よりも早い事前の交替指示において低下する場合には、このような低下を通じてゲームの展開の予測等が本来できないような早すぎる事前指示を抑制することができる。これにより、ひとまずやみくもに事前の交替指示を実行しておき、本来の指示機会の時期(実際の交替指示の時期)に適切でないものはその指示を変更するといった、特典目当てに何も考えずに事前の交替指示を実行するような予測等とかけ離れた利用を抑制することができる。
また、このような事前指示条件に基づく特典、つまりパラメータの上昇を通じて控え選手群80Vの選手80をスタメン選手群80Sとして使用する動機付けを行うことができる。具体的には、そのようなパラメータの上昇を通じてスタメン選手群80Sの選手80よりも控え選手群80Vの選手80のパラメータの内容が有利になればそのような控えの選手80の方がゲームに有利な展開を付与出来る可能は高い。このため、そのような控え選手80(野手及び投手の両方を含む)の利用を促進することができる。これにより、ゲームでの使用がスタメン選手群80Sに偏ってしまうことを抑制することができる。また、このような特典の付与が今回のプレイ範囲に限定される場合には、そのようなパラメータの上昇を今回のプレイ範囲に制限することができる。これにより、今回のプレイ範囲において控えの選手80の利用を促進することができる。一方で、実際の交替は本来の指示機会において交替指示が維持されなければ実行されない。このため、このようなパラメータの上昇を実際の交替と切り離すことができる。これにより、例えばこのような特典の付与(パラメータの上昇)に付随してスタメンの選手80と控えの選手80とがユーザの意思に関係なく強制的に入れ替えられる場合に比べて、このような入れ替えにユーザの意思を反映することができるので、ユーザの満足度を高めることもできる。つまり、控えの選手80の利用促進とユーザの満足度の向上とを両立させることができる。
同様に、特典条件が利用される場合には、コマンド66を利用した対戦において攻撃或いは守備として選択された各コマンド66間の相性の適切性に応じて特典が付与される。具体的には、このような特典として判定条件を有利にするBPが上昇する。このため、このような特典を通じて対戦結果(ゲームの進行)を有利にすることができる。つまり、このような特典がない場合に比べて、対戦用のコマンド66の選択を介した適切な指示の対戦結果に与える影響度を向上させることができる。特に、実際の野球の対戦では、1本のヒットや好守等の重要なプレイ(適切なプレイ)がチーム全体に好影響を与える場合も多く、「勝負の波」等の概念を通じて連鎖する場合が多い。結果として、好結果が後続の好結果を呼ぶ場合も多い。このため、特典条件を利用して、この「勝負の波」のような好結果の連鎖を表現することができる。これにより、このような相性を利用した新しいゲーム性を追加することができる。さらに、このような特典条件に事前の指示が利用される場合、つまり事前のコマンド66の選択がBPの上昇等の特典に好影響を与える場合には、このような特典を介して事前の指示の価値を高めることができる。これにより、展開の予想等の価値を更に高めることができるので、事前の指示の利用を促進することができる。結果として、これらのゲーム性の追加等によりゲームの興趣性を向上させることができる。
以上の形態において、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図13の手順を実行することにより本発明の機会提供手段として機能する。また、ゲーム機3のゲーム提供部33が、図15の手順を実行することにより本発明の適切性判別手段及び特典付与手段として機能する。具体的には、ゲーム提供部33は、図15の手順のステップS302を実行することにより適切性判別手段として、図15の手順のステップS304を実行することにより特典付与手段として、それぞれ機能する。
本発明は上述した形態に限定されず、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の形態では、読み取りエリア61には交替指示を実行するための機能、及び選手カード39の配置期間に応じてパラメータを変化させる機能等の複数の機能が与えられている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、選手カード39の配置期間に応じてパラメータを変化させる機能は、読み取りエリア61とは別に設けられてもよい。図18は、変形例に係る指示画面70の一例を模式的に示す図である。図18に示すように、指示画面70は、読み取りエリア61とは別にウォームアップエリア75を含んでいてよい。ウォームアップエリア75は、パラメータを変化させるために選手カード39が配置される領域である。つまり、各配置領域DAと視覚的に区別されるようにパラメータを変化させるための専用のウォームアップエリア75が別途設けられてもよい。そして、そのウォームアップエリア75に上述の配置期間に応じてパラメータを変化させる機能が与えられてよい。具体的には、ウォームアップエリア75は、配置期間に応じて選手80のパラメータを変更するための適宜の数のカード待機領域76(図18の例では2つ)及びパラメータの変化状況を示すゲージ77を含んでいてよい。そして、投手或いは守備等の各種の役割を含む控え選手群80Vの選手80に対応する選手カード39からカード待機領域76に配置されるべき選手カード39が選択され、そこへの配置期間に応じて選手80のパラメータの値が変更されてよい。また、ユーザはゲージ77を介してパラメータの変化状況を確認しつつ交替を実行してよい。つまり、このようなゲージ77を介して交替(カード待機領域76に配置された選手カード39に対応する選手80の使用)を促してもよい。このように読み取りエリア61の機能毎に各種のエリアが別途設けられてもよい。
上述の形態では、事前の交替指示及び実際の交替指示(本来の指示機会において実行される交替指示)はいずれも同じ読み取りエリア61を介して実行されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、事前の交替指示(事前の指示機会)と実際の交替指示とは別々に実行されるように構成されてよい。例えば、事前の交替指示は、事前の指示機会専用の操作を通じて実行されてもよい。具体的には、このような専用の操作として、例えば事前の交替指示を行うための専用のボタン(専用の画面が利用される場合を含む)が採用されてもよい。結果として、事前の交替指示は、選手カード39の配置を利用する形態に限定されない。専用のボタン或いは音声指示等の各種の方法によって事前の交替指示(事前の指示機会)は提供されてよい。
また、上述の形態では、指示画面70等の配置画面を通じて指示エリア62及び読み取りエリア61が形成されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、指示画面70は省略され、境界15や制限部材16等の物理的な仕切りによって各指示エリア62及び読み取りエリア61が形成されてもよい。一方で、このような指示エリア62及び読み取りエリア61を含む配置領域DAを介して選手カード39を利用する形態にも限定されない。このような選手カード39の利用及び配置領域DAは省略されてもよい。例えば、選手カード39を介さずにゲーム内に登場する各キャラクタが各選手80として利用されてもよい。つまり、ユーザによる指示の指示対象として、物理的なカード39とは無関係の各種のキャラクタが利用されてもよい。
また、ゲーム機3はアーケードゲーム機に限定されず、ユーザ端末装置4等がゲーム機3として利用されてもよい。また、ゲーム機3はユーザ端末装置4等を遠隔入出力装置として利用しつつセンターサーバ2等のサーバ上で仮想的に動作するゲーム装置として構成されてもよい。さらに、ゲーム装置がセンターサーバ2として機能してもよい。つまり、上述の形態のセンターサーバ2の役割(各種処理等)の全部或いは一部をゲーム機3等のゲーム装置が実行してもよい。一方で、センターサーバ2は省略されてもよい。この場合、一台のゲーム機3が本発明のゲームシステムとして機能してよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステム(1)は、ユーザの指示対象として機能するユーザ指示対象群と当該ユーザの対戦者の指示対象として機能する対戦者指示対象群とを利用し、前記ユーザの指示に従って動く各指示対象(80)と前記ユーザの対戦者の指示に従って動く各指示対象(80)とを介して対戦する対戦型のゲームを提供するゲームシステムであって、前記ユーザの各指示対象(例えば打者)への指示結果(打者用のコマンド66)と前記対戦者の各指示対象(例えば投手)への指示結果(投手用のコマンド66)との間に所定の基準に従った相性が存在する場合に、前記ユーザの指示結果において前記相性の適切性を前記所定の基準に基づいて判別する適切性判別手段(31)と、前記適切性判別手段の判別結果に基づいて所定数以上連続して前記ユーザの指示結果が適切と判別される場合に、前記ユーザに特典を付与する特典付与手段(31)と、を備えるものである。
本発明によれば、ユーザの指示対象への指示が所定の基準に基づいて所定数以上連続して適切と判別される場合に、そのユーザに特典が付与される。このため、ユーザの指示結果と対戦相手の指示結果との間に相性に基づいて適切な指示が実行された場合に、このような特典を通じてゲームの進行を有利にすることができる。つまり、このような特典の付与がない場合に比べて、そのような適切な指示のゲームの進行に与える影響度を向上させることができる。特に、実際のスポーツ等の対戦では適切なプレイがチーム全体に好影響を与える場合も多く、「勝負の波」等の概念を通じて連鎖する場合が多い。結果として、好結果が後続の好結果を呼ぶ場合も多い。本発明によれば、このような「勝負の波」のような好結果の連鎖を表現することができる。これにより、このような相性を利用した新しいゲーム性を追加することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。なお、指示対象の用語は、ユーザによって動きが指示される各種の対象を含む。例えば、指示対象として将棋の駒等を含む各種のキャラクタが機能してよい。また、指示に沿った指示対象の動きの用語は、パラメータ等の各種の値の変化や各種の効果等の働き、或いはこれらの変化等に伴う指示対象の動きを含む。
各指示対象への指示機会は各種の態様で提供されてよい。例えば、一度の指示機会で複数の指示対象に指示が実行されてもよいし、各指示対象に指示を実行するための指示機会が指示対象毎に順に提供されてもよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、各指示対象に指示を実行するための指示機会(例えば打順)が前記ユーザ指示対象群の指示対象毎に順に提供される場合に、各指示対象に対応する本来の指示機会とは別に当該本来の指示機会よりも前に前記ユーザ指示対象群の各指示対象への指示を実行するための事前指示機会を提供する機会提供手段(31)を備える態様が採用されてもよい。この場合、事前指示機会を介して、各指示対象への本来の指示機会よりも前に指示を予約しておくことができる。これにより、ゲームの進行の先読み(予想)やそのような先読みに基づく駆け引きの要素をゲーム性としてゲームに更に追加することができる。結果として、このようなゲーム性の追加によりゲームの興趣性を更に向上させることができる。
指示結果の相性は各種の指示結果に基づいて判別されてよい。一度の指示機会で各指示対象に指示が実行される場合において、このような指示機会を通じた各指示対象への指示結果に基づいて相性が判別されてもよい。あるいは、各指示対象に指示を実行するための指示機会が指示対象毎に順に提供される場合に、各指示機会の指示結果に基づいて相性が判別されてもよい。さらに、事前指示機会が提供される場合には、そのような事前指示機会の指示結果に基づいて相性が判別されてもよい。そして、例えば、事前指示機会を提供する本発明の一態様において、前記特典付与手段は、前記適切と判別される前記所定数以上の指示結果が前記事前指示機会を介した指示結果を含んでいる場合に、当該指示結果を含んでいない場合に比べて前記特典の価値を上昇させてもよい。この場合、このような特典を介して事前指示機会における指示の価値を高めることができる。結果として、展開の予想等の価値を高めることができる。これらにより、事前指示機会の利用を促進することもできる。
各指示対象への指示は、各種の態様で提供されてよい。例えば、このような指示は、専用の操作部の利用等、各種の所作(動作を含む)に基づいて実行されてよい。また、このような操作部は各種の態様で実現されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様として、前記ユーザの指示を入力するための入力装置(36)を備え、前記入力装置には、前記ユーザ指示対象群の各指示対象に指示するための指示領域(DA)が設けられ、前記指示領域は、各指示対象に対応する対象情報(例えばカードIDの情報)を記録することにより各指示対象に対応する対象記録媒体(39)を前記ゲームが利用する場合に、各対象記録媒体の配置を通じて各対象記録媒体に対応する指示対象を特定するように構成される態様が採用されてもよい。
各指示対象に指示を実行するための指示機会が指示対象毎に順に提供される場合に、指示対象毎の指示機会の順は各種の態様で特定されてよい。例えば、指示対象毎の指示機会の順は、所定の規則、ランダム、或いはプレイ状況等に基づいて特定されてよい。あるいは、このような順は、ユーザの指示に基づいて特定されてもよい。具体的には、例えば、指示領域が設けられた入力装置を備える本発明の一態様において、前記入力装置には、各指示対象に指示を実行するための指示機会が前記ユーザ指示対象群の指示対象毎に順に提供される場合に、前記ユーザ指示対象群が配置される複数の指示領域が前記指示機会の順に対応する時系列を示す順に並ぶように設けられ、各指示領域は、各対象記録媒体の配置を通じて前記指示機会の順を特定するように構成さていてもよい。
指示領域には、各種の態様で指示が入力されてよい。例えば、タッチ操作等の文字入力により任意の指示が入力されてもよいし、予め用意された複数の選択肢から選択する形式により指示が入力されてもよい。また、複数の選択肢から選択される場合にも、タッチ操作を介して選択肢を選択する等の各種の所作を介して実行対象の選択肢(指示)が特定されてよい。例えば、指示領域を利用する本発明の一態様において、各指示領域は、各対象記録媒体の配置位置を通じて予め用意された複数の指示(65)のいずれかを特定することにより各指示が実行されるように構成されていてよい。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記ゲームを提供するための出力装置(11)、及び前記ユーザの指示を入力するための入力装置(36)に接続されるコンピュータ(31)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。本発明のコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。