JP2019135913A - 焼成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の焼成装置では、ベーカリー製品の生地に含まれる水分の量の変動に対して、安定した焼き上がりを実現することが困難であった。【解決手段】焼成装置1は、耐圧構造の焼成室2と、焼成室2の内部を減圧する減圧装置10と、焼成室2の内部に備えられた加熱装置3と、焼成室の湿度を計測する湿度計5と、湿度計5が計測する湿度に基づいて減圧装置10による減圧状態、または加熱装置3による加熱状態もしくは加熱時間のうちの少なくとも1つを制御する制御装置30とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、パンや焼き菓子等を焼成するための焼成装置に関する。
パンや焼き菓子等のいわゆるベーカリー製品の焼成には、電気オーブンを備える焼成装置が用いられている。一般的なベーカリー製品の生地には、質量パーセントで40%程度の水分が含まれる。一方、焼成後のベーカリー製品の水分は質量パーセントで10%程度であることが食感の観点から好ましい。従来の焼成装置においては、焼成は大気圧下で行われ、電気ヒータ等による加熱の温度と時間を制御することでベーカリー製品の焼き上がり状態(焼き色や水分の量)を調整していた。
特許文献1では、焼成時に生地の周囲の酸素濃度を低下させる焼成方法および焼成装置が提案されている。しかし、特許文献1に記載の焼成方法および焼成装置においても、焼成時の生地の周囲の圧力が大気圧であることに変わりはない。
特開2000−236798号公報
焼成装置に搬入された生地に含まれる水分の量は、生地が調整されてから焼成装置に搬入されるまでに経過時間や搬送される環境により変動する。特に、ベーカリー製品の生産ラインに配置される各種の生産機械のトラブル等により、生産ラインが停止してしまった場合には、搬送中の生地から多くの水分が蒸発して失われるため、生地の状態の変動が大きくなる。
従来の焼成装置では、生地に含まれる水分の量の変動に対し、焼成時の温度と時間を制御することで完成品の焼き上がり状態の安定化を図っている。しかし、完成品の水分の量を一定にするために、水分の多い生地に対して高温または長時間の焼成を行うと焼き色が濃くなり、水分の少ない生地に対して比較的低温または短時間の焼成を行うと焼き色が薄くなる。逆に、焼き色を一定にすると、生地の水分変化に応じて完成品の水分の量も変化してしまう。
よって、生地に含まれる水分の量の変動に対して、安定した焼き上がりを実現することが困難であった。
本発明の焼成装置は、耐圧構造の焼成室と、前記焼成室の内部を減圧する減圧装置と、前記焼成室の内部に備えられた加熱装置と、前記焼成室の湿度を計測する湿度計と、前記湿度計が計測する湿度を示す物理量に基づいて前記減圧装置による減圧状態、または前記加熱装置による加熱状態もしくは加熱時間のうちの少なくとも1つを制御する制御装置とを備える。
本発明によれば、生地に含まれる水分の量が変化しても安定した焼き上がりを実現する焼成装置を提供できる。
一実施形態の焼成装置の断面図。 図2(A)は、焼成工程の一例における焼成時間と焼成室内の湿度の関係を示す図、図2(B)は、焼成工程の一例における焼成時間と調圧弁の開度の関係を示す図。 図3(A)は、焼成工程の変形例1における焼成時間と焼成室内の湿度の関係を示す図、図3(B)は、焼成工程の変形例1における焼成時間と調圧弁の開度の関係を示す図。 図4(A)は、焼成工程の変形例2における焼成時間と焼成室内の湿度の関係を示す図、図4(B)は、焼成工程の変形例2における焼成時間と加熱装置の熱出力の関係を示す図。 図5(A)は、焼成工程の変形例3における焼成時間と調圧弁の開度の関係を示す図、図5(B)は、焼成工程の変形例3における焼成時間と加湿器出力の関係を示す図。 図6(A)は、焼成工程の変形例4における焼成時間と生地および焼成皿の質量の計測値の関係を示す図、図6(B)は、焼成工程の変形例4における焼成時間と調圧弁の開度の関係を示す図。
(焼成装置の実施形態)
以下、図を参照して本発明の焼成装置の一実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態の焼成装置1を示す断面図である。
焼成装置1は、耐圧構造の焼成室(電気オーブン)2を備える。焼成室2の内部には、焼成されるべき生地16cが載る焼成皿15cを挟んで、その上方には上側均熱板4aを介して上側電気ヒータ3aが配置され、その下方には下側均熱板4bを介して下側電気ヒータ3bが配置されている。焼成皿15cの下面は、その周辺部が載置枠7により支持されるが、下面の大部分は下側均熱板4bと対向して配置されている。従って、焼成皿15c上の生地16cは、上からは上側均熱板4aを介して上側電気ヒータ3aにより加熱され、下からは焼成皿15cおよび下側均熱板4bを介して下側電気ヒータ3bにより加熱され、焼成される。
上側電気ヒータ3aおよび下側電気ヒータ3bを、併せて加熱装置3とも呼ぶ。
上側電気ヒータ3aが配置されている上側均熱板4a、および下側電気ヒータ3bが配置されている下側均熱板4bは、支柱6pに取り付けられた上側支持部6tおよび下側支持部6bにより支持されている。そして、上側支持部6tおよび下側支持部6bが、支柱6pに沿って上下に移動することにより、上側均熱板4aおよび下側均熱板4bも、それぞれ上下への移動が可能であり、すなわち、加熱装置としての上側電気ヒータ3aおよび下側電気ヒータ3bと生地16cとの間隔が調整可能となっている。支柱6p、上側支持部6tおよび下側支持部6bを、併せて均熱板支持部6とも呼ぶ。上側均熱板4aおよび下側均熱板4bは、均熱化のために熱伝導度の良い金属等で形成されている。
焼成室2は耐圧構造となっており、焼成室2は底部に設けられた排気口2oに接続されている排気管11および調圧弁13を介して減圧ポンプ14に接続されている。本明細書では、排気管11、調圧弁13および減圧ポンプ14を総称して、減圧装置10とも言う。
焼成装置1は、食品であるベーカリー製品を製造する装置であるので、減圧ポンプ14は、油の拡散の恐れのない水封式ポンプを使用することが好ましい。
本実施形態の焼成装置1は、耐圧構造の焼成室2内を例えば10kPa程度に減圧した状態でベーカリー製品(生地16c)を焼成することができる。水の沸点は常圧下では100℃であるが、減圧下ではこれより低下するので、減圧下で焼成することにより、生地16cに含まれる水分を効率よく除去することが可能となる。従って、従来から行われていた加熱装置3による焼成温度や焼成時間による焼き色や水分の量の調整に加えて、本実施形態の焼成装置1においては、別途、減圧ポンプ14や調圧弁13による圧力の調整により水分の量の調整を行うことが可能である。
焼成室2内には、焼成室2内に水蒸気を供給する加湿器17も設けられている。
図1中の焼成室2の左側にはロードロック室としての搬入予備室19が、焼成室2の右側にはロードロック室としての搬出予備室24が、それぞれ設けられている。そして、焼成室2と搬入予備室19との間には上下スライド開閉式のロードロック扉18aが設けられ、焼成室2と搬出予備室24との間には上下スライド開閉式のロードロック扉18bが設けられている。ロードロック扉18a、18bには不図示の駆動機構が設けられており、駆動機構は制御装置30からの指令により、ロードロック扉18a、18bを個別に開閉する。
搬入予備室19内には、未焼成生地16bが載る焼成皿15bを載置する載置台20と、焼成皿15bを焼成室2の内部に搬入するための搬送機構の一例であるロードアーム23とロードスライダ22が設けられている。搬入予備室19の焼成室2とは反対側には、開閉式の搬入扉21が設けられている。
搬出予備室24内には、焼成室2内の焼成皿15cを搬出予備室24に搬出するための搬送機構の一例であるアンロードアーム28およびアンロードスライダ27と、搬出された焼成済生地16aが載る焼成皿15aを載置する載置台25が設けられている。搬出予備室24の焼成室2とは反対側には、開閉式の搬出扉26が設けられている。
ロードアーム23およびアンロードアーム28は、それぞれ制御装置30からの駆動信号S7および駆動信号S8により駆動され、それぞれロードスライダ22およびアンロードスライダ27上を左右に移動して、焼成皿15c等を搬送する。
搬入予備室19および搬出予備室24には、それぞれに不図示の排気系が接続され、排気系は、制御装置30からの指示により、搬入予備室19および搬出予備室24の内部を個別に減圧し、あるいは大気圧に開放する。
焼成室2を減圧する減圧装置10には、排気管11の一部から分岐して圧力計12が設けられており、圧力計12は焼成室2内の圧力を計測する。また、焼成室2の内部には湿度計5が設けられており、湿度計5は焼成室2内の湿度(絶対湿度)を計測する。
湿度計5が計測した湿度は湿度信号S1に変換され、圧力計12が計測した圧力は圧力信号S2に変換され、それぞれ制御装置30に送られる。
上述の載置枠7は、質量計測器8を介して支持台9により支持される。質量計測器8は、その上に載せられた載置枠7、焼成皿15cおよび生地16cの合計の質量を計測する。質量計測器8が計測した質量は質量信号S3に変換され、入力装置30aを経由して制御装置30内に送られる。
制御装置30は、これらの湿度信号S1、圧力信号S2、質量信号S3に基づいて、減圧装置10による減圧状態、または加熱装置3による加熱状態もしくは加熱時間のうちの少なくとも1つを制御する。
すなわち、制御装置30は、必要に応じて調圧弁13に開閉信号S5を送り、または減圧ポンプ14に排気量調整信号S6を送ることで、減圧装置10による減圧状態を制御する。また、制御装置30は、必要に応じて加熱装置3に出力調整信号S4を送り、またはロードアーム23に駆動信号S7を送り、アンロードアーム28に駆動信号S7を送ることで、加熱装置3による加熱状態または加熱時間を制御する。
制御装置30は上述したように、ロードロック扉18a,18bの開閉や、搬入予備室19および搬出予備室24内の圧力の制御も行う。また、焼成室2内の加湿器17が供給する水蒸気量の制御も行なう。
なお、焼成室2および搬入予備室19あるいは搬出予備室24の内部と外部を繋ぐ信号線は、ハーメチックシール等を介して各室に導入されている。
本実施形態の焼成装置1においても、従来の各種の電気オーブンと同様に、焼成に先立って、制御装置30は加熱装置3に電力の投入を指示し、加熱装置3および上側均熱板4a、下側均熱板4bが所定の温度となるように予熱しておく。
焼成に先立って、オペレータまたは本実施形態の焼成装置1と連携する他の装置は、焼成されるべき未焼成生地16bを、焼成装置1の外部で焼成皿15bの上に載置しておく。
制御装置30はロードロック扉18aを閉め、搬入予備室19内を大気圧とし、搬入扉21を開ける。オペレータまたは本実施形態の焼成装置1と連携する他の装置は、焼成皿15bを搬入予備室19内に搬入し、載置台20上に載置する。その後、制御装置30は、搬入扉21を閉め、不図示の排気系に指令を出し、搬入予備室19内を10kPa程度に減圧する。制御装置30は搬入予備室19内が減圧された後に、ロードロック扉18aを開ける。ロードアーム23は、焼成皿15bを保持するとともに、ロードスライダ22上を図中右側に移動して、焼成皿15cに示すとおり焼成室2内の載置枠7上に搬送する。
焼成皿15bを焼成室2内に搬送した後に、制御装置30は、ロードアーム23を搬入予備室19内に戻し、ロードロック扉18aを閉める。
続いて、焼成室2内で生地16cの焼成を行う。その焼成工程についての詳細は後述する。
制御装置30は、生地16cの焼成中に、搬出予備室24の搬出扉26を閉め、不図示の排気系を用いて搬出予備室24内を10kPa程度に減圧しておく。
生地16cの焼成が完了すると、制御装置30はロードロック扉18bを開ける。そしてアンロードアーム28を、アンロードスライダ27上を左に移動させて焼成室2内に送り込む。アンロードアーム28は、載置枠7上の焼成皿15cを受け取り、アンロードスライダ27上を右に移動して、焼成皿15cを搬出予備室24内の載置台25上に載置する。焼成皿15cが搬出予備室24内に格納された状態が焼成皿15aである。
その後、制御装置30はロードロック扉18bを閉め、搬出予備室24内を大気圧にした後に搬出扉26を開ける。これにより、オペレータまたは本実施形態の焼成装置1と連携する他の装置は、焼成済生地16a、すなわちベーカリー製品の載った焼成皿15aを搬出予備室24から取り出すことができる。
また、新たに焼成すべき未焼成生地16b(焼成皿15b)の上記の如き焼成室2に搬入は、焼成済生地16a(焼成皿15a)の焼成室2からの搬出と、平行して行うこともできる。これにより、搬入および搬出に必要な時間を短縮し焼成の生産性を高めることができる。
(焼成工程の一例)
焼成室2内で生地16cの焼成工程の一例について、図1および図2を参照しつつ説明する。上述のとおり、焼成は焼成室2内を10kPa程度に減圧した状態で行う。
なお、この焼成工程の一例においては、焼成室2内に備えられている加湿器17は動作を停止した状態である(加湿しない)ものとしている。
図2(A)は、焼成時間に対する湿度計5が計測する焼成室2内の湿度の変化を表すグラフであり、グラフ中の実線は水分の少ない生地16cの場合の湿度Haの変化を表し、破線は水分の多い生地16cの場合の湿度Hbの変化を表す。
図2(B)は、焼成時間に対する調圧弁13の開度の制御結果を表すグラフであり。グラフ中の実線は水分の少ない生地16cの場合の開度Vaの制御結果を表し、破線は水分の多い生地16cの場合の開度Vbの制御結果を表す。
始めに、調圧弁13の開度(開口面積)を、V1に設定しておく。そして、生地16cが載る焼成皿15cが焼成室2内に搬入される時刻を時刻t0とする。
焼成室2に搬入されると、生地16cは加熱され温度が上昇するため、生地16cから水分が蒸発し焼成室2内の湿度が上昇する。制御装置30は、湿度計5により計測された焼成室2内の湿度(湿度信号S1)が第1の基準値H1に達した時点で、調圧弁13の開度を上げ、開度をV2に設定する。これにより、減圧装置10の排気能力(減圧状態)が上がり、焼成室2からの水蒸気およびその他の気体の排気が促進される。
生地16cの水分が少ない場合、焼成室2内での加熱により生地16cの温度が早期に上昇するため、焼成室2内の湿度Haは比較的早期の時刻t1で第1の基準値H1に達する。この時刻t1で制御装置30は調圧弁13の開度をV2に設定する。一方、生地16cの水分が多い場合、生地16cの温度の上昇が緩やかになるため、焼成室2内の湿度Hbは時刻t1より遅い時刻t2で第1の基準値H1に達する。この時刻t2で制御装置30は調圧弁13の開度をV2に設定する。
その後、焼成が進むと、生地16cの水分は蒸発により減少し、焼成室2内の水蒸気は減圧装置10により排気されるので、焼成室2内の湿度は低下する。制御装置30は、焼成室2内の湿度が第2の基準値H2を下回った時点で、調圧弁13に指令を発し、調圧弁13の開度の絞り込みを開始する。
生地16cの水分が少ない場合、焼成室2内の湿度Haは比較的早期に時刻t3で第2の基準値H2を下回る。よって制御装置30は、時刻t3において調圧弁13に開度Vaの絞り込みを指令し、時刻t4までに調圧弁13の開度Vaを初期状態のV1に戻す。
その後、時刻t6において制御装置30は焼成を終了するために、ロードロック扉18bに対して扉開放の指令を送り、アンロードアーム28に対して焼成皿15cの搬出を命じる駆動信号S8を送る。
生地16cの水分が多い場合、焼成室2内の湿度Hbは、上記の時刻t3より後の時刻t5で第2の基準値H2を下回る。よって制御装置30は、時刻t5において調圧弁13に開度の絞り込みを指令し、時刻t7までに調圧弁13の開度Vbを初期状態のV1に戻す。
その後、時刻t8において制御装置30は焼成を終了するために、ロードロック扉18bに対して扉開放の指令を送り、アンロードアーム28に対して焼成皿15cの搬出を命じる駆動信号S8を送る。
生地16cの焼成は、焼成皿15cが焼成室2から搬出されることにより終了する。
上記の時刻t3から時刻t4までの時間間隔、および時刻t4から時刻t6までの時間間隔は、ベーカリー製品の品種に応じて設定することが好ましい。
また、例えば、時刻t4と時刻t6を同一時刻としても良い。
あるいは、時刻t3から時刻t4までの時間間隔、および時刻t4から時刻t6までの時間間隔を、時刻t0から時刻t1までの所要時間、および時刻t1から時刻t3までの所要時間に応じて設定してもよい。なお、時刻t1、時刻t3は、焼成室2内の湿度計5が計測する湿度に基づいて定まる時刻であるから、この場合にも焼成時間(加熱時間)は湿度計5が計測した湿度に基づいて制御されていることになる。
生地16cの水分が多い場合の各時刻である時刻t5、時刻t7、t8についても、上記の生地16cの水分が少ない場合の各時刻と同様の手法で決定することができる。
すなわち、ベーカリー製品の品種ごとに、焼成後の生地16cに含まれる水分の量が質量パーセントで10%程度となり、視覚的においしそうな焼き色に仕上がるように上記の諸条件を設定することが好ましい。
上述の焼成室2内の湿度の第1の基準値H1および第2の基準値H2は、焼成するベーカリー製品の品種に応じて適当な値を設定することが好ましい。また、第1の基準値H1と第2の基準値H2の大小関係は、任意であってかまわない。
なお、上記の例においては、焼成室2内の湿度が第1の基準値H1に達した段階で、調圧弁13の開度をV1からV2にステップ的に上げるものとしたが、調整弁の開度は、ある程度の時間を掛けて連続的にV1からV2に変化させても良い。
また、減圧装置10の排気能力の制御は調圧弁13の開度の調整によって行うものとしたが、調圧弁13による調整に代えて、あるいはこれに加えて、制御装置30が減圧ポンプ14に排気量調整信号S6を送り、減圧ポンプ14自体の排気能力を調整することにより行うようにしても良い。
本例の焼成工程では、上述のとおり生地16cの焼成時間(加熱時間)の制御は、制御装置30の制御の下で、搬送機構であるロードアーム23およびアンロードアーム28により行っている。ただし、加熱時間の制御はこれに限られるものではなく、制御装置30の制御の下で、加熱装置3への投入電力を制御し、加熱装置3から出力される熱量を制御することで、加熱時間や加熱状態を制御することもできる。その場合には、加熱装置3の出力の変動が短時間で、すなわち短い時定数で生地16cに伝達されるように、上側均熱板4aおよび下側均熱板4bは、比熱が小さい材質で、薄く形成しておくことが望ましい。
本例の焼成工程では、制御装置30は、焼成室2内の湿度の計測値に応じて、すなわち生地16cに含まれる水分量に応じて、減圧装置10による焼成室2の減圧状態および、加熱装置3による加熱状態もしくは加熱時間のうちの少なくとも1つを制御する。これにより、焼成前に生地16cに含まれている水分の量が変化しても、焼成工程においてその水分の量を制御することができるので、安定した焼き上がりを実現することができる。
(焼成工程の変形例1)
焼成工程の変形例1は、焼成開始から焼成終了までの加熱時間は焼成室2内の湿度によらずに固定し、代わりに、焼成室2内の湿度の計測値に応じて、減圧装置10の排気能力を連続的に変化させるものである。他の条件は、上述の焼成工程の一例と同様である。
以下、図1および図3を参照して、焼成工程の変形例1について説明する。図3(A)は、図2(A)と同様に、焼成時間に対する湿度計5が計測する焼成室2内の湿度の変化を表すグラフであり、グラフ中の実線は水分の少ない生地16cの場合の湿度Hcの変化を表し、破線は水分の多い生地16cの場合の湿度Hdの変化を表す。
図3(B)は、図2(B)と同様に、焼成時間に対する調圧弁13の開度の制御結果を表すグラフであり、グラフ中の実線は水分の少ない生地16cの場合の開度Vcの制御結果を表し、破線は水分の多い生地16cの場合の開度Vdの制御結果を表す。
変形例1においても、始めに調圧弁13の開度をV10に設定しておく。そして、生地16cが載る焼成皿15cが焼成室2内に搬入される時刻を時刻t0とする。焼成室2に搬入されると焼成室2内の湿度が上昇する。制御装置30は、湿度計5が計測した焼成室2内の湿度(湿度信号S1)に応じて、調圧弁13の開度を上げる。
生地16cの水分が少ない場合には、焼成室2内の湿度Hcの上昇は比較的少ないため、制御装置30は調圧弁13の開度Vcをそれほど上げない。一方、生地16cの水分が多い場合には、焼成室2内の湿度Hdが大きく上昇するため、制御装置30は調圧弁13の開度Vdを大きく上げる。
その後、焼成が進むにつれ、焼成室2内の湿度Hcおよび湿度Hdは低下するので、制御装置30は調圧弁13の開度Vdを下げていく。そして、生地16cの最初の水分の量に関わらず、時刻t10で焼成を終了する。
焼成工程の変形例1における、焼成室2内の湿度Hc、Hdと調圧弁13の開度Vc,Vdの関係、および焼成を終了する時刻t10は、最適な焼き上げ状態が実現されるように、ベーカリー製品の品種毎に事前に最適化しておくことが好ましい。なお、調圧弁13の開度を、一例として焼成室2の湿度に対する1次関数として制御することもできる。
焼成工程の変形例1においては、制御装置30は、焼成室2内の湿度に応じて、すなわち生地16cに含まれる水分の量に応じて焼成室2からの排気状態を制御するので、焼成前に生地16cに含まれている水分が変化しても、安定した焼き上がりを実現することができる。
(焼成工程の変形例2)
焼成工程の変形例2は、焼成開始から焼成終了までの加熱時間、および減圧装置10の排気能力は焼成室2内の湿度によらずに固定し、代わりに、焼成室2内の湿度の計測値に応じて、加熱装置3の加熱条件を変化させるものである。
以下、図1および図4を参照して、焼成工程の変形例2について説明する。図4(A)は、図2(A)と同様に、焼成時間に対する湿度計5が計測する焼成室2内の湿度の変化を表すグラフであり、グラフ中の実線は水分の少ない生地16cの場合の湿度Heの変化を表し、破線は水分の多い生地16cの場合の湿度Hfの変化を表す。
図4(B)は、焼成時間に対する加熱装置3の加熱条件(熱出力)の制御結果を表すグラフであり、グラフ中の実線は水分の少ない生地16cの場合の熱出力Eeの制御結果を表し、破線は水分の多い生地16cの場合の熱出力Efの制御結果を表す。
焼成を開始する時刻t0において、加熱装置3の加熱条件(熱出力)は、E0に設定しておく。生地16cが焼成室2に搬入されると焼成室2内の湿度が上昇する。制御装置30は、焼成室2内の湿度の計測値(湿度信号S1)に応じて、加熱装置3の熱出力を上昇させる。
生地16cの水分が少ない場合には、焼成室2内の湿度Heの上昇は比較的少ないため、制御装置30は加熱装置3の熱出力Eeをそれほど上げない。一方、生地16cの水分が多い場合には、焼成室2内の湿度Hfが大きく上昇するため、制御装置30は加熱装置3の熱出力Efを大きく上昇させる。
その後、焼成が進むにつれ、焼成室2内の湿度Heまたは湿度Hfは低下するので、制御装置30は加熱装置3の熱出力を下げていく。そして、生地16cの最初の水分の量に関わらず、時刻t20で焼成を終了する。
焼成工程の変形例2における、焼成室2内の湿度He、Hfと加熱装置3の熱出力Ee、Efの関係、および焼成を終了する時刻t20は、最適な焼き上げ状態が実現されるように、ベーカリー製品の品種毎に事前に最適化しておくことが好ましい。なお、加熱装置3の熱出力を、一例として焼成室2の湿度に対する1次関数として制御することもできる。
焼成工程の変形例2においては、制御装置30は、焼成室2内の湿度に応じて、すなわち生地16cに含まれる水分の量に応じて加熱装置3の熱出力(加熱状態)を制御するので、焼成前に生地16cに含まれている水分が変化しても、安定した焼き上がりを実現することができる。
なお、焼成工程の変形例2においても、焼成中に、減圧装置10の排気能力を、焼成室2内の湿度に応じて変化させても良い。
(焼成工程の変形例3)
焼成工程の変形例3は、焼成室2内に備えられている加湿器17を用いて焼成室2内に加湿を行い、制御装置30は加湿器17と調圧弁13を制御して焼成室2内の湿度を一定値に保った状態で焼成を行うものである。
以下、図1および図5を参照して、焼成工程の変形例3について説明する。図5(A)は、図2(B)と同様に、焼成時間に対する調圧弁13の開度の制御結果を表すグラフであり、グラフ中の実線は水分の少ない生地16cの場合の開度Vgの制御結果を表し、破線は水分の多い生地16cの場合の開度Vhの制御結果を表す。
図5(B)は、焼成時間に対する加湿器17の出力である水蒸気放出量(加湿器出力)の制御結果を表すグラフであり、グラフ中の実線は水分の少ない生地16cの場合の加湿器出力Jgの制御結果を表し、破線は水分の多い生地16cの場合の加湿器出力Jhの制御結果を表す。
焼成を開始する時刻t0において、調圧弁13の開度をV20に、加湿器出力はJ0に設定しておく。生地16cが焼成室2に搬入されると、生地16cは加熱され水蒸気を放出する。
焼成工程の変形例3においては、制御装置30は焼成室2内の湿度を一定値に保つように、調圧弁13および加湿器17を制御する。すなわち、調圧弁13の開度を上げ、加湿器17の出力を絞る。
生地16cの水分が少ない場合には、生地16cから焼成室2内に放出される水蒸気は比較的少ないため、制御装置30は調圧弁13の開度Vgをそれほど上げず、加湿器出力Jgをそれほど絞らない。
生地16cの水分が多い場合には、生地16cから焼成室2内に放出される水蒸気は比較的多くなるため、制御装置30は調圧弁13の開度Vhを上昇させ、加湿器出力Jhを絞り込む。圧力上昇に伴い減圧室内の温度は上昇し、加湿出力の絞り込みと相俟って、湿度一定のまま生地からの水分蒸発が促進される。
これにより、焼成室2内の湿度は一定値に保たれることとなり、生地16cは安定した湿度の下で焼成される。
その後、焼成が進むにつれ、生地16cからの水蒸気放出量は減少するので、制御装置30は、湿度は一定値に保つために、調圧弁13の開度Vg、Vhを減少させ、加湿器出力Jg、Jhを増加させる。そして、生地16cの最初の水分の量に関わらず、時刻t30で焼成を終了する。
焼成工程の変形例3において、調圧弁13の開度の調整量と加湿器17の出力の調整量の関係、および焼成を終了する時刻t30は、最適な焼き上げ状態が実現されるように、ベーカリー製品の品種毎に事前に最適化しておくことが好ましい。
なお、調圧弁13の開度の調整量と加湿器17の出力の両方ではなく、どちらか一方を制御することによって、焼成室2内の湿度を一定値に保つこともできる。
焼成工程の変形例3においては、制御装置30は、焼成室2内の湿度が一定値となるように、減圧装置10(調圧弁13の開度)と加湿器17の出力の少なくとも一方を制御する。これにより、焼成前に生地16cに含まれる水分が変化しても、安定した焼き上がりを実現することができる。
なお、焼成工程の変形例3においては、焼成中の調圧弁13の開度、または加湿器17の出力の制御結果に応じて、焼成を終了する時刻t30を延長または繰り上げても良い。
すなわち、生地16cから放出された水蒸気が多い場合(生地16cの含まれていた水分が多い場合)には焼成時間を長くし、水蒸気が少ない場合には焼成時間を短くしても良い。
これにより、焼成前に生地16cに含まれていた水分の変化に対して、さらに安定した安定した焼き上がりを実現することができる。
(焼成工程の変形例4)
焼成工程の変形例4においては、制御装置30は、湿度計5による湿度の計測値(湿度信号S1)に加えて、焼成室2内の質量計測器8が計測した生地16cおよび焼成皿15cの質量(質量信号S3)にも基づいて、減圧装置10による減圧状態を制御する。加熱制御、時間制御は併用しない。
以下、図1および図6を参照して、焼成工程の変形例4について説明する。図6(A)は、焼成時間に対する質量計測器8が計測する焼成皿15cと生地16cの質量の変化を表すグラフであり、グラフ中の実線は水分の少ない生地16cの場合の質量Wiの変化を表し、破線は水分の多い生地16cの場合の質量Wjの変化を表す。
図6(B)は、図2(B)と同様に、焼成時間に対する調圧弁13の開度の制御結果を表すグラフであり、グラフ中の実線は水分の少ない生地16cの場合の開度Viの制御結果を表し、破線は水分の多い生地16cの場合の開度Vjの制御結果を表す。
変形例Aにおいても、始めに調圧弁13の開度をV30に設定しておく。そして、生地16cが載る焼成皿15cが焼成室2内に搬入される時刻を時刻t0とする。焼成室2に搬入されると生地16cの温度が上昇し、生地16cから水分が蒸発するため、質量計測器8による焼成皿15cと生地16cの質量の計測値が減少していく。この質量の減少量は、生地16cから放出された水分の質量に他ならないので、制御装置30は、湿度の計測値S1に代えて、あるいはこれに加えてさらに質量の計測値(質量信号S3)も用いて、調圧弁13の開度の制御を行う。
図6(A)に示すとおり、生地16cの水分が多い場合、すなわち焼成前に生地16cに多くの水分が残留している場合には、焼成開始時の質量Wj0は、生地16cの水分が少ない場合の焼成開始時の質量Wi0に比べて重くなる。また、焼成中の質量Wjの減少量も、生地16cの水分が少ない場合の質量Wiの減少量に比べて大きくなる。従って、 制御装置30は、質量計測器8による質量の計測値Wi、Wj(質量信号S3)の値、および変化量に基づいて、生地16cに残存する水分の量を推定できる。
そして、制御装置30は、質量計測器8の計測値に基づいて、図6(B)に示すとおり、調圧弁13の開度を制御する。
生地16cの水分が少ない場合には、焼成開始時の質量の計測値Wi0が比較的小さく、焼成中の質量Wiの減少量も比較的少ないので、制御装置30は調圧弁13の開度Viをそれほど上げない。一方、生地16cの水分が多い場合には、焼成開始時の質量の計測値Wj0が比較的大きく、焼成中の質量Wjの減少量も比較的多いので、制御装置30は調圧弁13の開度Vjを大きく上げる。
その後、焼成が進むにつれ、生地16cの水分が減少し、生地16cからの水蒸気の放出量は低下するため、質量Wi、Wjの変化量も減少していく。そこで、制御装置30は調圧弁13の開度Vi、Vjを下げていく。そして、生地16cの最初の水分の量に関わらず、時刻t40で焼成を終了する。
焼成工程の変形例4における、質量の計測値Wi、Wjと調圧弁13の開度Vc,Vdの関係、および焼成を終了する時刻t40は、最適な焼き上げ状態が実現されるように、ベーカリー製品の品種毎に事前に最適化しておくことが好ましい。なお、調圧弁13の開度を、一例として焼成開始時の質量および焼成中の質量の減少量に対する1次関数として制御することもできる。
焼成工程の変形例4においては、制御装置30は、質量計測器8が計測した焼成皿15cおよび生地16cの質量およびその変化に応じて、すなわち生地16cに含まれる水分の量に応じて焼成室2の排気状態を制御するので、焼成前に生地16cに含まれている水分が変化しても、安定した焼き上がりを実現することができる。
なお、焼成工程の変形例4においても、質量変化に応じて制御装置30が制御する対象を、焼成室2の排気状態ではなく、焼成工程の変形例3と同様に加熱装置の加熱状態(加熱出力)とすることもでき、制御対象を加熱時間とすることもできる。あるいは、制御対象として、焼成室2の排気状態と、加熱状態および加熱時間とを併用することもできる。 また、質量計測器8は、焼成室2の内部ではなく、搬入予備室19の内部の例えば載置台20の上に設置しても良い。この場合、焼成中の生地16cの質量の変化は計測できなくなるが、焼成開始時の質量を計測して、生地16cに含まれる水分の量を推定し、それをその後の制御に用いることができる。
また、質量計測器8は、必ずしも焼成装置1内に設けなくても良い。この場合、本実施形態の焼成装置1に未焼成生地16bを搬送する経路上のどこかに、未焼成生地16bの質量または未焼成生地16bと焼成皿15bの合計の質量を計測する外部質量計を設けておく。そして、制御装置30は、その外部質量計による質量の計測結果の電気信号を入力装置30aを介して受信し、それをその後の制御に用いることができる。
(実施形態の効果)
(1)本発明の実施形態の焼成装置は、耐圧構造の焼成室2と、焼成室2の内部を減圧する減圧装置10と、焼成室2の内部に備えられた加熱装置3と、焼成室2の湿度を計測する湿度計5と、湿度計5が計測する湿度を示す物理量に基づいて減圧装置10による減圧状態、または加熱装置3による加熱状態もしくは加熱時間のうちの少なくとも1つを制御する制御装置30とを備えている。
このような構成としたので、焼成される生地16cに最初に含まれる水分の量が変動した場合、制御装置30は、その変動を焼成中の焼成室2内の湿度の変化として計測することが可能である。そして、焼成室2の減圧状態や、加熱装置3による加熱状態または加熱時間を制御することで、生地16cに最初に含まれる水分の量が変動しても、安定した焼き上がりを実現できる。
(2)さらに、制御装置30は、生地の焼成中に湿度計5が計測する湿度を示す物理量の大きさに応じて、減圧装置10による排気能力を高め、または加熱装置3の熱出力を高め、もしくは加熱時間を増加させることで、生地16cに最初に含まれる水分の量の変動に対して、安定した焼き上がりを実現できる。
(3)さらに、焼成する生地16cを焼成室2に搬入および焼成室2から搬出する搬送機構(ロードアーム23、アンロードアーム28)を備えることで、オペレータの作業負荷を低減し、運転費用の安い焼成装置を実現できる。
(4)さらに、搬送機構がロードロック室(搬入予備室19、搬出予備室24)を備えることで、焼成室2の減圧に要する時間を短縮することができ、生産性の高い焼成装置を実現できる。
(5)さらに、制御装置30による加熱時間の制御は、搬送機構(ロードアーム23、アンロードアーム28)による生地の搬入および搬出によって行うことにより、時定数の長い加熱装置を制御する場合に比べて、加熱時間の正確な制御が可能になる。
(6)さらに、制御装置30が、焼成する生地16cの質量の計測値を入力する入力装置30aを備え、入力装置30aから入力された質量の計測値に基づいて制御を行うものとしてもよく、これにより、生地16cの質量の変化に対応した焼成を実現できる。
(7)さらに、焼成装置1が、焼成する生地16cの質量を計測する質量計測器8を備え、制御装置30は、質量計測器8が計測した質量の計測値に基づいて制御を行うことにより、焼成中の生地16cの質量の変化に基づいて最適な焼成の制御を行うことができる。
以上の実施形態および変形例において、搬入予備室19および搬出予備室24は必ずしも両方を設けなくても良く、予備室は1つであって、その1つの予備室を経由して焼成皿の搬入および搬出の双方を行っても良い。ただし、両方を設けそれにより搬入と搬出を平行して行うことで、より高い処理能力を得ることができるという効果が得られる。
加熱装置3についても、必ずしも上側電気ヒータ3aと下側電気ヒータ3bの両方を設ける必要は無く、上側または下側のどちらか一方であっても良い。また、加熱装置3は電気ヒータに限らず、マイクロ波加熱器や電磁加熱器を用いることもできる。
上記の例では、湿度計5は焼成室2内部の底部に配置しているが、湿度計5の位置はこれに限るわけではない。ただし、湿度計5を、焼成室2内部の上下方向の中央部より下側に設けると、焼成室2内の水蒸気量の総量を計測し易いという効果がある。
湿度計5は、排気管11の管内等の減圧装置10の内部に設けても良い。例えば、焼成室2と調圧弁13の間の排気管11の一部に冷却トラップを設け、その冷却トラップにトラップされた水の量を計測することで、焼成室2内で生地16cから蒸発した水分の量を計測することもでき、すなわち焼成室2の湿度を計測することもできる。
排気管11、調圧弁13および減圧ポンプ14からなる減圧装置10については、必ずしもこの3つを全て備える必要はない。例えば、減圧ポンプ14の排気能力を直接制御することで焼成室2内の圧力や湿度を制御できる場合には、調圧弁13は設けなくても良い。また、焼成装置1の外部から例えば工場用力として真空配管(減圧配管)が供給される場合には、減圧ポンプ14は設けずに、調圧弁13の開閉により圧力や湿度を制御することもできる。
上記の実施形態では、上側均熱板4aを支持する上側支持部6tおよび下側均熱板4bを支持する下側支持部6bが支柱6pに沿って上下に移動するものとした。これにより、上側均熱板4aおよび下側均熱板4bと生地16cとの距離を調節することができ、ベーカリー製品の品種毎に、最適な加熱条件を設定できるという効果が得られる。
ただし、製造するベーカリー製品の品種が限定されている場合には、上側支持部6tおよび下側支持部6bは支柱6pに固定され、上下に移動しなくても良い。
また、上側均熱板4aおよび下側均熱板4b自体も省略してもよく、この場合には加熱装置3の時定数を短くでき、生地16cに照射される熱量を短時間で変化させることができる。もちろん、上側均熱板4aおよび下側均熱板4bを設けることで、生地16cへの熱の供給が場所的に均一化されるという効果が得られる。
上記では、種々の実施形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、各実施形態および変形例は、それぞれ単独で適用しても良いし、組み合わせて用いても良い。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
1:焼成装置、2:焼成室、3:加熱装置、5:湿度計、7:載置枠、8:質量計測器、10:減圧装置、12:圧力計、15a,15b,15c:焼成皿、16a,16b,16c:生地、17:加湿器、19:搬入予備室、23:ロードアーム、24:搬出予備室、28:アンロードアーム、30:制御装置

Claims (10)

  1. 耐圧構造の焼成室と、
    前記焼成室の内部を減圧する減圧装置と、
    前記焼成室の内部に備えられた加熱装置と、
    前記焼成室の湿度を計測する湿度計と、
    前記湿度計が計測する湿度を示す物理量に基づいて前記減圧装置による減圧状態、または前記加熱装置による加熱状態もしくは加熱時間のうちの少なくとも1つを制御する制御装置とを備える焼成装置。
  2. 請求項1に記載の焼成装置において、
    前記制御装置は、生地の焼成中に前記湿度計が計測する湿度を示す物理量の大きさに応じて、前記減圧装置による排気能力を高め、または前記加熱装置の熱出力を高め、もしくは、前記加熱時間を増加させる焼成装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の焼成装置において、
    焼成する生地を前記焼成室に搬入および前記焼成室から搬出する搬送機構を備える焼成装置。
  4. 請求項3に記載の焼成装置において、
    前記搬送機構はロードロック室を備える焼成装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の焼成装置において、
    前記制御装置による前記加熱時間の制御は、前記搬送機構による前記生地の搬入および搬出により行う焼成装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の焼成装置において、
    前記制御装置は、焼成する生地の質量の計測値を入力する入力装置を備え、前記入力装置から入力された前記質量の計測値に基づいて前記制御を行う焼成装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の焼成装置において、
    焼成する生地の質量を計測する質量計測器を備え、
    前記制御装置は、前記質量計測器が計測した質量の計測値に基づいて前記制御を行う焼成装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の焼成装置において、
    前記焼成室の内部に水分を供給する加湿器を備え、
    前記制御装置は、前記加湿器が前記焼成室の内部に供給する水分の量を制御する焼成装置。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の焼成装置において、
    前記湿度計は、前記焼成室の内部の上下方向中央部より下側に設けられている焼成装置。
  10. 請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の焼成装置において、
    前記湿度計は、前記減圧装置に設けられている焼成装置。
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